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技術 遮水シートの接合構造、遮水シートの接合良好性の判定方法、遮水シートの接合条件の設定方法、および遮水シートの施工管理方法

出願人 大成建設株式会社
発明者 海老原正明小松寛美斉津宏史
出願日 2016年9月6日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-173999
公開日 2018年3月15日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2018-040646
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等のライニング、接合 耐候試験、機械的方法による材料調査 機械的応力負荷による材料の強さの調査
主要キーワード 熱融着作業 埋め立て前 未着部分 検査孔 模擬土壌 汚れ状況 加圧試験 光学測定器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

接合した遮水シート剥離が生じないようにして遮水機能を良好に発揮するための、施工試験の精度を向上すること。

解決手段

熱融着による接合部を含む遮水シートの試験体に対し、少なくとも剥離強度試験を実施する。剥離強度試験では、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものを基準値とし、前記基準値を満たすものを良好な試験体として判定する。

概要

背景

最終処分場トンネルなどに敷設する遮水シート同士を熱融着によって接合する際、接合不良が発生しないよう種々の方法が着想されている。
例えば、特許文献1に記載の発明では、遮水シートの接合部に通路を形成し、該通路に煙を送り込んで、煙の流出の有無を観察することで、接合部の欠陥の有無を検査している。
また、特許文献2に記載の発明では、遮水シートに導電性を有する補強材を設け、遮水シートの接合部にそって移動する電極電圧を付与して補強材と電極との間のスパークの有無を観察することで、接合部の欠陥の有無を検査している。
また、特許文献3に記載の発明では、遮水シートの接合部を、二列接合テープで構成し、該接合テープの間の未着部分からなる通路に水を送り込んで接合部を加圧することで、接合部の不良箇所を特定している。

概要

接合した遮水シートの剥離が生じないようにして遮水機能を良好に発揮するための、施工試験の精度を向上すること。熱融着による接合部を含む遮水シートの試験体に対し、少なくとも剥離強度試験を実施する。剥離強度試験では、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものを基準値とし、前記基準値を満たすものを良好な試験体として判定する。

目的

(2)実際の施工で採用する接合条件を、せん断試験および剥離強度試験の両面から検討・選定した最適な接合条件による熱融着を行うよう構成した遮水シートの接合構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱融着による接合部を含む遮水シート接合構造であって、前記接合部が、少なくとも所定の剥離強度を満たしてあることを特徴とする、遮水シートの接合構造。

請求項2

前記所定の剥離強度とは、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものであることを特徴とする、請求項1に記載の遮水シートの接合構造。

請求項3

請求項1または2に記載の遮水シートの接合構造を有する、廃棄物処分場

請求項4

請求項1または2に記載の遮水シートの接合構造を有する、トンネル

請求項5

熱融着した遮水シートの接合部の良好性を判定するための方法であって、前記接合部が、少なくとも所定の剥離強度を満たしているときに、良好であると判定することを特徴とする、遮水シートの接合良好性の判定方法

請求項6

前記所定の剥離強度とは、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものであることを特徴とする、請求項5に記載の遮水シートの接合良好性の判定方法。

請求項7

熱融着した遮水シートの接合部の接合条件を設定するための方法であって、接合条件を変更して熱融着した複数の試験体に対し、それぞれの接合部の剥離強度を測定し、所定の剥離強度を満たす接合条件を、良好な接合条件として設定することを特徴とする、遮水シートの接合条件の設定方法

請求項8

前記所定の剥離強度とは、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものであることを特徴とする、請求項7に記載の遮水シートの接合条件の設定方法。

請求項9

前記接合条件は、融着機の温風温度、融着機の融着速度、融着機の押圧力、および融着面清掃方法、のうち少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の遮水シートの接合条件の設定方法。

請求項10

熱融着による接合部を含む遮水シートの施工管理方法であって、前記接合部を含めた試験体に対し、少なくともせん断試験および剥離強度試験を実施することを特徴とする、遮水シートの施工管理方法。

技術分野

0001

本発明は、接合した遮水シート剥離が生じないようにして遮水機能を良好に発揮するための、遮水シートの接合良好性の判定方法、遮水シートの接合条件設定方法、および遮水シートの施工管理方法に関する。

背景技術

0002

最終処分場トンネルなどに敷設する遮水シート同士を熱融着によって接合する際、接合不良が発生しないよう種々の方法が着想されている。
例えば、特許文献1に記載の発明では、遮水シートの接合部に通路を形成し、該通路に煙を送り込んで、煙の流出の有無を観察することで、接合部の欠陥の有無を検査している。
また、特許文献2に記載の発明では、遮水シートに導電性を有する補強材を設け、遮水シートの接合部にそって移動する電極電圧を付与して補強材と電極との間のスパークの有無を観察することで、接合部の欠陥の有無を検査している。
また、特許文献3に記載の発明では、遮水シートの接合部を、二列接合テープで構成し、該接合テープの間の未着部分からなる通路に水を送り込んで接合部を加圧することで、接合部の不良箇所を特定している。

先行技術

0003

特開平05−69490号公報
特開2004−226211号公報
特開2010−54411号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、これらの検査方法は、いずれも遮水シートの溶着後に不良箇所の有無を特定するための検査方法であり、施工前の段階で、溶着不良が発生しない溶着方法をどのように設定・選択するかについての具体的な方法は確立されていなかった。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決すべくなされた本願発明は、以下の通りである。
本願の第1発明は、熱融着による接合部を含む遮水シートの接合構造であって、前記接合部が、少なくとも所定の剥離強度を満たしてあることを特徴とする。
本願の第2発明は、前記第1発明において、前記所定の剥離強度とは、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものであることを特徴とする。
本願の第3発明は、前記第1発明または第2発明に記載の遮水シートの接合構造を有する、廃棄物処分場を要旨とする。
本願の第4発明は、前記第1発明または第2発明に記載の遮水シートの接合構造を有する、トンネルを要旨とする。
本願の第5発明は、熱融着した遮水シートの接合部の良好性を判定するための方法であって、前記接合部が、少なくとも所定の剥離強度を満たしているときに、良好であると判定することを特徴とする。
本願の第6発明は、前記第5発明において、前記所定の剥離強度とは、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものであることを特徴とする。
本願の第7発明は、熱融着した遮水シートの接合部の接合条件を設定するための方法であって、接合条件を変更して熱融着した複数の試験体に対し、それぞれの接合部の剥離強度を測定し、所定の剥離強度を満たす接合条件を、良好な接合条件として設定することを特徴とする。
本願の第8発明は、前記第7発明において、前記所定の剥離強度とは、前記接合部が剥離せずに遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または前記剥離強度を統計処理したものであることを特徴とする。
本願の第9発明は、前記第7発明または第8発明において、前記接合条件は、融着機の温風温度、融着機の融着速度、融着機の押圧力、および融着面清掃方法、のうち少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする。
本願の第10発明は、熱融着による接合部を含む遮水シートの施工管理方法であって、前記接合部を含めた試験体に対し、少なくともせん断試験および剥離強度試験を実施することを特徴とする。

発明の効果

0006

本発明によれば、以下に記載する効果を奏する。
(1)遮水シートの接合部におけるせん断強度と剥離強度との間に、相関関係が無い場合や、若干の逆相関関係が見られる場合があることが判明したため、せん断試験だけでは接合良好性の判定が不十分であり、剥離強度試験の観点から接合良好性を判定する必要性を見出すことができた。
(2)実際の施工で採用する接合条件を、せん断試験および剥離強度試験の両面から検討・選定した最適な接合条件による熱融着を行うよう構成した遮水シートの接合構造を提供することにより、遮水シートの接合不良を確実に防止することができる。
(3)本発明に係る遮水シートの接合構造を廃棄物処分場やトンネルの遮水部分に適用することで、遮水機能を良好に発揮することのできる廃棄物処分場やトンネルを提供することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明に係る工程を示すフローチャート
遮水シートのせん断試験の概要を示す図
遮水シートの剥離強度試験の概要を示す図
融着条件を変化させてなる実験結果を示す図
融着機の押圧を一定にして速度と温度を変化させた時の結果を示す図
剥離強度とせん断強度との関係を示す図
接合部の汚れの清掃方法を変化させてなる実験結果を示す図
融着面の汚れ率に対するせん断強度と剥離強度を示す図
拭き方と汚れ率の代表的結果を示す図

0008

以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。

0009

始めに、本発明の概要について、図1図3を参照しながら説明する。
<1>全体構成
図1は、本発明に係る工程を示すフローチャートである。
遮水シート同士の接合を良好なものとするために行う、遮水シートの施工管理方法は、以下の工程から構成することができる。
(工程A)遮水シートの接合条件を変えた試験体を準備する。
(工程B)各試験体に対してせん断試験および剥離強度試験を実施する。
(工程C)試験結果に基づき、各試験体の遮水シートの接合良好性を判定する。
(工程D)接合良好性の良い接合条件から、実際の施工で採用する接合条件を決定する。
以下、各工程の詳細について説明する。

0010

<2>工程A(S100):試験体の準備
遮水シート同士の接合にあたり、それぞれ接合条件を変更して作製した、複数の試験体を準備する。
遮水シートは、互いに熱融着が可能な公知の部材であり、例えばウレタン製の遮水シートなどがある。
試験体は、融着機を用いて熱融着した遮水シートを水養生したのち、ダンベル打ち抜きする方法などによって作成することができる。

0011

遮水シートの接合条件は、融着機の温風温度、融着機の融着速度、融着機の押圧力、融着面の清掃方法、などから適宜設定することができる。

0012

<2.1>不良な試験体の除去
試験体を準備する段階で、既に不良箇所が見られる試験体は次工程に進めず、あらかじめ除いておいても良い。
不良の例としては、以下の条件がある。
[融着状況]
融着後の断面形状として検査孔極端に広がっているものは、母材過度に痛めている可能性があるため、好ましくない。
また、融着部の厚さが当初から定量値以上薄くなっているものを除いておいてもよい。
破断状況]
遮水シートの母材の破断以外の破断状況などがあるものは好ましくない。

0013

<3>工程B(S200):せん断試験および剥離強度試験の実施
前記複数の試験体の各々に、せん断試験および剥離強度試験を実施する。
これらの試験結果の測定値は、日本遮水工協会による遮水シートの規格に沿い、試験体の引張強度[N]から試験体の長さ[cm]を割って得られる値[N/cm]でもって算出・整理する。
以下、各試験の詳細について説明する。

0014

<3.1>せん断試験
せん断試験は、遮水シートの接合部が満足するせん断強度を有するか否かを判定するための試験である。
本実施例では、図2に示すように、接合部20を構成する各遮水シート10を、遮水シート10の平面方向に対して逆方向へ引っ張る試験を行っている。

0015

<3.2>剥離強度試験
剥離強度試験は、遮水シートの接合部の剥離強度を測定するための試験である。
本実施例では、図3に示すように、各遮水シート10の接合部20の部分をめくるように引っ張る試験を行っている。

0016

<4>工程C(S300):接合良好性の判定
前記したせん断試験および剥離強度試験の試験結果に基づき、各試験体の遮水シートの接合良好性を判定する。
以下、各試験の判定方法について説明する。

0017

<4.1>せん断強度の良好性の判定
遮水シートは、仕様として接合部のせん断強度の基準値が予め定められている。
この基準値以上のせん断強度によるせん断試験により、遮水シートの接合部が剥離しない状態で遮水シートが母材破断する状態の試験体を、良好な試験体として判定する。

0018

<4.2>剥離強度の良好性の判定
遮水シートは、剥離強度について仕様による定めがないため、本実施例では、前記したせん断試験を満足する試験体に対する剥離強度試験の結果から、遮水シートの接合部が剥離しない状態で遮水シートが母材破断する状態の剥離強度、または剥離強度を統計処理したものを所定の剥離強度とし、その所定の剥離強度を満足する試験体を、良好な試験体として判定する。
すなわち、以下の数式を満足する試験体を良好な試験体として判定する。
[数1]
A≧B
A:剥離強度の測定値[N/cm]
B:所定の剥離強度[N/cm]

0019

<4.2.1>所定の剥離強度の一例
前記した所定の剥離強度を求めるための統計処理の一例を以下の数式に示す。
[数2]
B=ρ−3×σ
B:所定の剥離強度[N/cm]
ρ:良好と判定した試験体の剥離強度の測定値の平均値[N/cm]
σ:良好と判定した試験体の剥離強度の測定値の標準偏差[N/cm]

0020

<4.3>その他の判定
なお、前記した<2.1>の工程において不良な試験体の除去を事前に行っていない場合には、本工程の段階で不良な試験体の除去を行っても良い。

0021

<5>工程D(S400):接合条件の決定
前記した工程Cにより、せん断試験および剥離強度試験の両者において良好な結果となった試験体を抽出し、該試験体で採用した接合条件の中から、実際の施工で採用する接合条件を決定する。

0022

<6>小括
上記の工程により、実際の施工で採用する接合条件を、せん断試験および剥離強度試験の両面から検討・選定し、最適な接合条件による熱融着を行い、遮水シートの接合部を所定の剥離強度を満足するように構成した遮水シートの接合構造を提供することにより、遮水シートの接合不良を確実に防止することができる。
また、当該接合構造を廃棄物処分場やトンネルの遮水部分に適用することで、遮水機能を良好に発揮することのできる廃棄物処分場やトンネルを提供することができる。

0023

<7>実験例
次に、図4図9を参照しながら、実験例の一例について説明する。

0024

<7.1>融着装置の条件を変化させた実験
実験条件とその実験結果を、図4に示す。

0025

<7.1.1>実験条件
使用した自動融着機械は、LEISTERTwinnyT(2,200W、ダブルシーム融着タイプ)、表中の値はこの融着機の設定値を示す。
遮水シートは厚さ1.5mmのウレタン遮水シート、長さ50cm、幅20cmの遮水シートを2枚横に並べ、重ね幅を10cm前後として融着機で熱融着させた。
融着後10分間水養生した後、幅25mm長さ150mmのダンベルで、接合部を直角方向に、中央部分と前1/3、後ろ1/3の3個所で、2枚ずつ打ち抜き、せん断強度試験と剥離強度試験をそれぞれ実施した。

0026

<7.1.2>実験結果
図4の表中の値は3箇所の平均値を示す。遮水シートは何れも汚れのないシートとし、接合部はアルコールエタノール)拭き1回の清掃を融着直前に実施した。
融着結果の判定は次の何れかの条件に抵触したものをNG、何れにも抵触しなかったものをOKとした。
・せん断強度試験結果が300N/cm(使用したシートの仕様)未満
・剥離強度試験結果が170N/cm(≒「平均値」−3×「標準偏差」)未満
・せん断強度試験、剥離強度試験のいずれかで母材以外で破断したもの
・融着箇所が極端に薄くなり、上下の遮水シートが開いてしまったもの

0027

標準条件は、事前に予備実験を実施し、融着速度(速度と略記)、温風温度(温度と略記)、ローラー押圧(押圧と略記)それぞれの中心的な値と考えられる、速度1.5m/min、温度520℃、押圧650Nとし、それぞれ1種類の設定条件毎に上下に変化させて融着結果の判定がNGになるまでを目標に行った。

0028

実験結果の代表的なものを図5図6に示す。
図5は、融着機の押圧を一定(650N)にし、速度と温度を変化させた時の結果を示したもので、この場合は、速度1.0m/min強〜2.0m/min弱、温度400〜560℃の範囲がOKで、この範囲の条件で融着作業を実施すればこの場合は問題なく融着できることがわかる。

0029

図6は、剥離強度とせん断強度の関係を示した図である。
両者の相関係数は−0.37で、ほとんど相関がないか、若干の逆相関(マイナス相関)がみられる結果となった。
相関がないとすると、独立事象であり、一方では両者を代表する事はできないことになる。
逆相関であるとした場合、両試験を実施し、両者とも強度が落ちない融着条件を選定して作業を行う必要がある。

0030

既に埋め立てられた遮水シートには剥離方向の力はほとんど生じないと考えられるが、埋め立て前の法面等では風の影響等により剥離方向の力の発生も考えられ、剥離強度まで管理した施工が必要と考えられる。
更にダブルシームによる接合部の加圧試験は剥離強度が指標になると考えられる。

0031

<7.2>接合部の汚れと強度の関係
接合部の汚れと強度の関係に対する実験条件と結果を、図7に示す。
使用した遮水シートは前記<7.1>の実験と同様の、厚さ1.5mm、長さ50cm、幅20cmのウレタン遮水シートである。
遮水シート表面の汚れは、(一社)日本紛体工業技術協会の関東ローム7種と8種を1:1の重量比で混合した模擬土壌ウエスで人が遮水シートにこすり付ける方法で作成した。
これを図7で示す各方法で清掃し、この面と汚していない遮水シート(融着直前にアルコール拭き1回実施)と融着した。
ただし、No12は、汚した遮水シートを図7の条件で清掃したもの同士の面を合わせて融着させたものである。
汚れ状況は、光学測定器キーエンスVHX−200)を使い、汚れが付着している面積を求め、全体に対する面積比で現した。
この測定は試料の中央と前1/3、後ろ1/3の3箇所で行い、平均を求め、清掃前後で行った。
汚れはばらつきが大きいので、No1〜No11では3組ずつ、No12は2組の試料を作成した。
融着は、速度2.0m/min、温度470℃、押圧400Nとした。
融着後、10分間水養生した後、幅25mmのダンベルで、接合部を直角方向に、中央と前1/3、後ろ1/3の3個所で、2枚ずつ打ち抜き、基本的に剥離強度試験はそれぞれの箇所に対して実施してこの平均を取り、せん断強度試験は中央1箇所で実施した。融着後の判定は前述の試験と同様とした。

0032

融着面の汚れ率に対するせん断強度と剥離強度を、図8に示す。
今回の実験範囲では、汚れ率が20%を超えたところから、剥離強度は低下し、せん断強度は逆に増加傾向を示した。
また、今回の測定では、汚れ率が2%を超えるとNGが生じる可能性があることもわかった。

0033

拭き方と汚れ率の代表的結果を図9に示す。
図7に示す実験結果より、今回の実験では乾拭きサンドペーパ磨きによる効果がほとんど認められないことから、図9では乾拭きの有無を無視し、水拭きと、アルコール拭きの効果を示した。
汚れ率2%程度までは水拭きの効果が期待できるがそれ以上の効果はあまり期待できない。汚れ率2%以下は、アルコール拭きの効果があることが分かる。
汚れ率5%程度までは人の目で汚れが確認できるため、汚れが目視できる範囲までは水拭きを行い、汚れが目視できなくなった後、アルコール拭きを行うことが効果的と考えられる。

0034

<8>まとめ
上記実験結果により、熱融着による接合部を含む遮水シートの施工管理を行うにあたっては、以下の点に留意する必要がある。
(1)剥離強度試験の重要性
熱融着作業実施前に行う融着条件確認試験では、接合部のせん断試験に加えて、かならず剥離強度試験を実施する。
融着条件確認試験は、毎日午前と午後の仕事始めに行うことが一般的であるが、特に限定するものではない。
剥離強度試験では簡単に剥がれてしまう融着状態でも、せん断試験では問題ない強度が得られ場合があり、せん断試験だけでは、融着箇所が作業後に剥がれる事故を完全に防ぐことができない場合があることが判明した。

0035

(2)遮水シートの水の浸漬による影響
遮水シートの水の浸漬による影響に関しては、表面に水分がないように拭き取れば、その影響はほとんどないようである。

0036

(3)融着箇所の清掃方法
融着箇所の清掃は、「水拭き」+「アルコール拭き」で行う。
・「水拭き」では、汚れの状況により、人の目で汚れが見えなくなるまで、繰り返し実施する。
・汚れが見えなくなってから、最後に「アルコール拭き」で仕上げる。
・「アルコール拭き」は可能な限り熱融着作業の直前に行う。(例えば、融着機の2m前で行う、など)。

0037

(4)融着面へのサンドペーパ掛けの要否
融着面へのサンドペーパ掛けは、母材を傷つけることに加え、汚れが落ち難くなる為、接合部の熱融着作業に支障が出る程度(例えば、剥離強度に問題が生じる等)表面劣化等が進んでいない限り行うべきではない。

実施例

0038

なお、本発明は、剥離強度試験を満たす場合に必ずせん断試験を満たすといった相関性が認められた現場については、各種条件に対するせん断試験によって所定の剥離強度が一旦決定したあとは、剥離強度試験のみを実施してもよい。

0039

10遮水シート
20接合部

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