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技術 シフトレンジ制御装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 神尾茂
出願日 2016年9月9日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-176279
公開日 2018年3月15日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-040464
状態 特許登録済
技術分野 変速操作機構 電動機の停止 無整流子電動機の制御
主要キーワード 実カウント値 デューティ範囲 突入速度 通電オフ状態 FB値 目標カウント値 オンオフ作動 制御上限値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
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図面 (12)

課題

シフトレンジ切り替えに係るモータの駆動を適切に制御可能であるシフトレンジ制御装置を提供する。

解決手段

シフトレンジ切替制御装置40のフィードバック制御部60は、モータ10の実角度である実カウント値Cen、および、モータ速度Mspに基づくフィードバック制御を行う。固定相通電制御部70は、実カウント値Cenに応じて選択される固定相に通電させる固定相通電制御を行う。切替制御部75は、要求シフトレンジが切り替わったとき、制御状態をフィードバック制御とする。また、切替制御部75は、要求シフトレンジに応じて決定される目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差分値である角度偏差eが角度判定閾値e_th以下となった場合、制御状態をフィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。これにより、シフトレンジの切り替えに係るモータ10の駆動を適切に制御することができる。

概要

背景

従来、運転者からのシフトレンジ切り替え要求に応じてモータを制御することでシフトレンジを切り替えシフトレンジ切替装置が知られている。例えば特許文献1では、シフトレンジ切替機構駆動源として、スイッチトリラクタンスモータを用いている。以下、スイッチトリラクタンスモータを「SRモータ」という。

概要

シフトレンジの切り替えに係るモータの駆動を適切に制御可能であるシフトレンジ制御装置を提供する。シフトレンジ切替制御装置40のフィードバック制御部60は、モータ10の実角度である実カウント値Cen、および、モータ速度Mspに基づくフィードバック制御を行う。固定相通電制御部70は、実カウント値Cenに応じて選択される固定相に通電させる固定相通電制御を行う。切替制御部75は、要求シフトレンジが切り替わったとき、制御状態をフィードバック制御とする。また、切替制御部75は、要求シフトレンジに応じて決定される目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差分値である角度偏差eが角度判定閾値e_th以下となった場合、制御状態をフィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。これにより、シフトレンジの切り替えに係るモータ10の駆動を適切に制御することができる。

目的

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シフトレンジの切り替えに係るモータの駆動を適切に制御可能であるシフトレンジ制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

モータ(10)の駆動を制御することでシフトレンジ切り替えるシフトレンジ制御装置であって、前記モータの実角度、および、前記モータの回転速度であるモータ速度に基づくフィードバック制御を行うフィードバック制御部(60)と、前記実角度に応じて選択される固定相通電させる固定相通電制御を行う固定相通電制御部(70)と、前記モータの制御状態を切り替える切替制御部(75)と、を備え、前記切替制御部は、要求シフトレンジが切り替わったとき、前記制御状態を前記フィードバック制御とし、前記要求シフトレンジに応じて決定される目標角度と前記実角度との偏差である角度偏差が角度判定閾値以下となった場合、前記制御状態を前記フィードバック制御から前記固定相通電制御に切り替えるシフトレンジ制御装置。

請求項2

前記切替制御部は、前記フィードバック制御から前記固定相通電制御に切り替わってから通電継続時間が経過するまでの間、前記固定相通電制御を継続し、前記固定相通電制御に切り替わってから前記通電継続時間が経過した場合、前記制御状態を前記モータへの通電を遮断する通電オフ制御に切り替える請求項1に記載のシフトレンジ制御装置。

請求項3

前記切替制御部は、前記モータ速度に応じ、前記角度判定閾値を変更する請求項1または2に記載のシフトレンジ制御装置。

請求項4

前記フィードバック制御部は、前記角度偏差に基づき、前記モータの目標速度を設定する目標速度設定部(62)、および、前記目標速度と前記モータ速度とが一致するように、フィードバックデューティ指令値演算する制御器(65)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のシフトレンジ制御装置。

技術分野

0001

本発明は、シフトレンジ制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、運転者からのシフトレンジ切り替え要求に応じてモータを制御することでシフトレンジを切り替えシフトレンジ切替装置が知られている。例えば特許文献1では、シフトレンジ切替機構駆動源として、スイッチトリラクタンスモータを用いている。以下、スイッチトリラクタンスモータを「SRモータ」という。

先行技術

0003

特許第4385768号

発明が解決しようとする課題

0004

永久磁石を用いないSRモータは、構成が簡素である。また、例えばDCブラシレスモータのような永久磁石を用いるモータは、SRモータと比較し、応答性がよい反面、応答性を高めるべく、フィードバックゲインを大きくすると、モータを停止させるときに、コギングトルク等の影響により、ハンチングが生じる虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シフトレンジの切り替えに係るモータの駆動を適切に制御可能であるシフトレンジ制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0005

本発明のシフトレンジ制御装置は、モータ(10)の駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるものであって、フィードバック制御部(60)と、固定相通電制御部(70)と、切替制御部(75)と、を備える。
フィードバック制御部は、モータの実角度、および、モータの回転速度であるモータ速度に基づくフィードバック制御を行う。
固定相通電制御部は、実角度に応じて選択される固定相に通電させる固定相通電制御を行う。

0006

切替制御部は、モータの制御状態を切り替える。
切替制御部は、要求シフトレンジが切り替わったとき、制御状態をフィードバック制御とする。また、切替制御部は、要求シフトレンジに応じて決定される目標角度と実角度との偏差である角度偏差が角度判定閾値以下となった場合、制御状態をフィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。

0007

本発明では、要求シフトレンジが切り替わったとき、フィードバック制御とすることで、応答性を高めることができる。また、実角度が目標角度に近づいたとき、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替えることで、モータを適切に停止させることができる。これにより、シフトレンジの切り替えに係るモータの駆動を適切に制御することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示す斜視図である。
本発明の第1実施形態によるシフトバイワイヤシステムを示す概略構成図である。
本発明の第1実施形態によるモータおよびモータドライバを示す回路図である。
本発明の第1実施形態によるシフトレンジ制御装置を示すブロック図である。
本発明の第1実施形態による目標速度設定を説明する説明図である。
本発明の第1実施形態によるFFデューティを説明する説明図である。
本発明の第1実施形態による切替制御処理を説明するフローチャートである。
本発明の第1実施形態によるフィードバック制御を説明するフローチャートである。
本発明の第1実施形態による切替制御処理を説明するタイムチャートである。
本発明の第2実施形態による切替制御処理を説明するフローチャートである。
本発明の第2実施形態によるオーバーシュート量を説明する説明図である。

実施例

0009

以下、本発明によるシフトレンジ制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるシフトレンジ制御装置を図1図9に示す。
図1および図2に示すように、シフトバイワイヤシステム1は、モータ10、シフトレンジ切替機構20、パーキングロック機構30、および、シフトレンジ制御装置40等を備える。
モータ10は、図示しない車両に搭載されるバッテリ45(図3参照。)から電力が供給されることで回転し、シフトレンジ切替機構20の駆動源として機能する。モータ10は、フィードバック制御により電流の大きさを変更可能であって、かつ、相ごとに指令を変更可能なものが用いられる。本実施形態のモータ10は、永久磁石式のDCブラシレスモータである。図3に示すように、モータ10は、2組の巻線組11、12を有する。第1巻線組11は、U1コイル111、V1コイル112、および、W1コイル113を有する。第2巻線組12は、U2コイル121、V2コイル122、および、W2コイル123を有する。

0010

図2に示すように、エンコーダ13は、モータ10の図示しないロータ回転位置を検出する。エンコーダ13は、例えば磁気式ロータリーエンコーダであって、ロータと一体に回転する磁石と、磁気検出用ホールIC等により構成される。エンコーダ13は、ロータの回転に同期して、所定角度ごとにA相およびB相のパルス信号を出力する。
減速機14は、モータ10のモータ軸出力軸15との間に設けられ、モータ10の回転を減速して出力軸15に出力する。これにより、モータ10の回転がシフトレンジ切替機構20に伝達される。出力軸15には、出力軸15の角度を検出する出力軸センサ16が設けられる。出力軸センサ16は、例えばポテンショメータである。

0011

図1に示すように、シフトレンジ切替機構20は、ディテントプレート21、および、ディテントスプリング25等を有し、減速機14から出力された回転駆動力を、マニュアルバルブ28、および、パーキングロック機構30へ伝達する。
ディテントプレート21は、出力軸15に固定され、モータ10により駆動される。本実施形態では、ディテントプレート21がディテントスプリング25の基部から離れる方向を正回転方向、基部に近づく方向を逆回転方向とする。

0012

ディテントプレート21には、出力軸15と平行に突出するピン24が設けられる。ピン24は、マニュアルバルブ28と接続される。ディテントプレート21がモータ10によって駆動されることで、マニュアルバルブ28は軸方向に往復移動する。すなわち、シフトレンジ切替機構20は、モータ10の回転運動直線運動に変換してマニュアルバルブ28に伝達する。マニュアルバルブ28は、バルブボディ29に設けられる。マニュアルバルブ28が軸方向に往復移動することで、図示しない油圧クラッチへの油圧供給路が切り替えられ、油圧クラッチの係合状態が切り替わることでシフトレンジが変更される。
ディテントプレート21のディテントスプリング25側には、マニュアルバルブ28を各レンジに対応する位置に保持するための4つの凹部22が設けられる。凹部22は、ディテントスプリング25の基部側から、D、N、R、Pの各レンジに対応している。

0013

ディテントスプリング25は、弾性変形可能な板状部材であり、先端にディテントローラ26が設けられる。ディテントローラ26は、凹部22のいずれかに嵌まり込む。
ディテントスプリング25は、ディテントローラ26をディテントプレート21の回動中心側に付勢する。ディテントプレート21に所定以上の回転力が加わると、ディテントスプリング25が弾性変形し、ディテントローラ26が凹部22を移動する。ディテントローラ26が凹部22のいずれかに嵌まり込むことで、ディテントプレート21の揺動規制され、マニュアルバルブ28の軸方向位置、および、パーキングロック機構30の状態が決定され、自動変速機5のシフトレンジが固定される。

0014

パーキングロック機構30は、パーキングロッド31、円錐体32、パーキングロックポール33、軸部34、および、パーキングギア35を有する。
パーキングロッド31は、略L字形状に形成され、一端311側がディテントプレート21に固定される。パーキングロッド31の他端312側には、円錐体32が設けられる。円錐体32は、他端312側にいくほど縮径するように形成される。ディテントプレート21が逆回転方向に揺動すると、円錐体32が矢印Pの方向に移動する。

0015

パーキングロックポール33は、円錐体32の円錐面と当接し、軸部34を中心に揺動可能に設けられる、パーキングロックポール33のパーキングギア35側には、パーキングギア35と噛み合い可能な凸部331が設けられる。ディテントプレート21が逆回転方向に回転し、円錐体32が矢印P方向に移動すると、パーキングロックポール33が押し上げられ、凸部331とパーキングギア35とが噛み合う。一方、ディテントプレート21が正回転方向に回転し、円錐体32が矢印notP方向に移動すると、凸部331とパーキングギア35との噛み合いが解除される。

0016

パーキングギア35は、図示しない車軸に設けられ、パーキングロックポール33の凸部331と噛み合い可能に設けられる。パーキングギア35と凸部331とが噛み合うと、車軸の回転が規制される。シフトレンジがP以外のレンジであるnotPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングロックポール33によりロックされず、車軸の回転は、パーキングロック機構30により妨げられない。また、シフトレンジがPレンジのとき、パーキングギア35はパーキングロックポール33によってロックされ、車軸の回転が規制される。

0017

図2および図3に示すように、シフトレンジ制御装置40は、モータドライバ41、42、および、ECU50等を有する。
モータドライバ41は、第1巻線組11の通電を切り替える3相インバータであって、スイッチング素子411〜416がブリッジ接続される。対になるU相のスイッチング素子411、414の接続点には、U1コイル111の一端が接続される。対になるV相のスイッチング素子412、415の接続点には、V1コイル112の一端が接続される。対になるW相のスイッチング素子413、416の接続点には、W1コイル113の一端が接続される。コイル111〜113の他端は、結線部115で結線される。

0018

モータドライバ42は、第2巻線組12の通電を切り替える3相インバータであって、スイッチング素子421〜426がブリッジ接続される。対になるU相のスイッチング素子421、424の接続点には、U2コイル121の一端が接続される。対になるV相のスイッチング素子422、425の接続点には、V2コイル122の一端が接続される。対になるW相のスイッチング素子423、426の接続点には、W2コイル123の一端が接続される。コイル121〜123の他端は、結線部125で結線される。
本実施形態のスイッチング素子411〜416、421〜426は、MOSFETであるが、IGBT等の他の素子を用いてもよい。

0019

モータドライバ41とバッテリ45との間には、モータリレー46が設けられる。モータドライバ42とバッテリ45との間には、モータリレー47が設けられる。モータリレー46、47は、イグニッションスイッチ等である始動スイッチがオンされているときにオンされ、モータ10側へ電力が供給される。また、モータリレー46、47は、始動スイッチがオフされているときにオフされ、モータ10側への電力の供給が遮断される。
バッテリ45の高電位側には、バッテリ電圧Vを検出する電圧センサ48が設けられる。
また、モータドライバ41、42には、モータ電流Imを検出する図示しない電流センサが設けられる。

0020

ECU50は、スイッチング素子411〜416、421〜426のオンオフ作動を制御することで、モータ10の駆動を制御する。また、ECU50は、車速アクセル開度、および、ドライバ要求シフトレンジ等に基づき、変速用油圧制御ソレノイド6の駆動を制御する。変速用油圧制御ソレノイド6を制御することで、変速段が制御される。変速用油圧制御ソレノイド6は、変速段数等に応じた本数が設けられる。本実施形態では、1つのECU50がモータ10およびソレノイド6の駆動を制御するが、モータ10を制御するモータ制御用のモータECUと、ソレノイド制御用のAT−ECUとを分けてもよい。以下、モータ10の駆動制御を中心に説明する。

0021

ECU50は、角度演算部51、速度演算部52、フィードバック制御部60、固定相通電制御部70、および、切替制御部75等を備え、マイコン等を主体として構成される。ECU50における各処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。

0022

角度演算部51は、エンコーダ13から出力されるA相およびB相のパルスに基づき、エンコーダ13のカウント値である実カウント値Cenを演算する。実カウント値Cenは、モータ10の実際の機械角および電気角に応じた値である。本実施形態では、実カウント値Cenを「実角度」とする。
速度演算部52は、実カウント値Cenに基づき、モータ10の回転速度であるモータ速度Mspを演算する。

0023

フィードバック制御部60は、角度偏差演算部61、目標速度設定部62、フィードバック値設定部63、速度偏差演算部64、制御器65、フィードフォワード補正値演算部66、フィードフォワード項補正部67、電圧補正部68、および、PWM信号生成部69を有する。以下適宜、フィードバックを「FB」、フィードフォワードを「FF」と記載する。
角度偏差演算部61は、図示しないシフトレバー等の操作により入力されるドライバ要求シフトレンジに応じた目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差を演算する。以下、目標カウント値Cen*と実カウント値Cenと差の絶対値を角度偏差eとする。

0024

目標速度設定部62は、角度偏差eに基づき、モータ10の目標速度である目標モータ速度Msp*を演算する。目標モータ速度Msp*は、例えば図5に示すマップに基づき、角度偏差eが所定値ea以下の場合、角度偏差eが大きいほど大きくなるように設定され、角度偏差eが所定値eaより大きい場合、所定の最大値とする。また、目標モータ速度Msp*は、バッテリ電圧Vが大きくなるほど大きくなるように設定される。

0025

FB値設定部63は、モータ10の速度状態に応じ、フィードバックする速度フィードバック値Msp_fbを設定する。
本実施形態では、モータ10の速度状態を、加速状態定常状態、または、減速状態とする。また、速度状態に応じた速度モードとして、加速状態を「モード1」、定常状態を「モード2」、減速状態を「モード3」とする。また、後述の固定相通電を行っている状態を「モード4」、通電オフ状態を「モード0」とする。以下適宜、各モードに対応する状態を、「制御状態」とする。

0026

FB値設定部63は、モータ10の速度状態がモード2またはモード3、すなわち定常状態または減速状態のとき、モータ速度Mspの位相を進ませる位相進み補償を行い、速度位相進み値Msp_plを速度フィードバック値Msp_fbとする。また、FB値設定部63は、モータ10の速度状態がモード1、すなわち加速状態のとき、位相進み補償を行わず、モータ速度Mspを速度フィードバック値Msp_fbとする。速度位相進み値Msp_plについても、「モータ速度」の概念に含まれるものとする。

0027

速度偏差演算部64は、目標モータ速度Msp*と速度フィードバック値Msp_fbとの速度偏差ΔMspを演算する。
制御器65は、目標モータ速度Msp*と速度フィードバック値Msp_fbとを一致させるべく、速度偏差ΔMspが0となるように、例えばP制御やPI制御等により、FBデューティD_fbを演算する。

0028

FF補正値演算部66は、モータ10の速度状態に応じたFFデューティD_ffを演算する。
加速状態のFFデューティD_ffは、図6(a)に示すマップ等に基づいて演算される最大加速デューティであって、モータ速度Mspが大きくなるほど大きくなる。本実施形態では、モータ速度Mspが目標モータ速度Msp*以上となるまでの間、最大デューティとなるように、FFデューティD_ffが演算される。
定常状態のFFデューティD_ffは、図6(b)に示すマップ等に基づいて演算される速度維持デューティとする。速度維持デューティは、無負荷時にモータ速度Mspを維持するためのデューティであって、モータ速度Mspが大きくなるほど大きくなる。
減速状態のFFデューティD_ffは、図6(c)に示すマップ等に基づいて演算される減速補正デューティとする。減速補正デューティは、目標モータ速度Msp*を実現するための補正デューティである。減速補正デューティは、モータ10が正方向に回転している場合は負の値であって、モータ速度Mspが大きくなるほど小さくなる。すなわち、減速補正デューティは、モータ速度Mspが大きくなるほど、絶対値としては大きい値となる。

0029

なお、図6は、モータ10が正方向に回転している場合であって、モータ10が負方向に回転する場合、FFデューティD_ffの値の正負反転させる。本実施形態では、モータ速度Mspに基づいてFFデューティD_ffを演算するものとして説明したが、モータ速度Mspに替えて、目標モータ速度Msp*に基づいてFFデューティD_ffを演算してもよい。

0030

FF項補正部67は、FBデューティD_fbをFFデューティD_ffで補正し、デューティ指令値を演算する。本実施形態のFF項補正部67は加算器であって、FBデューティD_fbにFFデューティD_ffを加算し、デューティ指令値Dを演算する。
電圧補正部68は、バッテリ電圧Vに基づき、デューティ指令値Dを補正する。以下、電圧補正後の値を、「デューティ指令値」とする。
PWM信号生成部69は、デューティ指令値および実カウント値Cenに基づき、スイッチング素子411〜416、421〜426のスイッチングに係る指令信号を生成する。また、モータ電流Imが電流制限値Im_maxを超えないように指令信号を調整する。

0031

本実施形態のフィードバック制御では、PWM制御等によりデューティを変更することで、コイル111〜113、121〜123に流れる電流およびトルクの大きさを変更可能である。
本実施形態では、120°通電による矩形波制御により、モータ10の駆動を制御する。120°通電による矩形波制御では、第1相の高電位側のスイッチング素子と、第2相低電位側のスイッチング素子をオンする。また、第1相および第2相の組み合わせを電気角60°ごとに入れ替えていくことで、通電相が切り替わる。これにより、巻線組11、12に回転磁界が発生し、モータ10が回転する。本実施形態では、出力軸15を正回転方向に回転させるときのモータ10の回転方向を正方向とする。また、モータ10が正のトルクを出力するときのデューティを正、負のトルクを出力するときのデューティを負とし、取り得るデューティ範囲を−100[%]〜100[%]とする。すなわち、モータ10を正回転させるとき、デューティを正とし、逆回転させるとき、デューティを負とする。なお、正回転しているモータ10を停止させるべく、ブレーキトルク(すなわち負トルク)を発生させるとき、モータ10の回転方向は正回転方向であるが、デューティは負となる。同様に、逆回転しているモータ10を停止させるべく、ブレーキトルクを発生させるとき、デューティは正となる。

0032

固定相通電制御部70は、固定相通電制御を行う。固定相通電制御は、モータ10の回転を停止させるための制御であって、電気角に応じた固定相を選択し、選択された固定相の所定方向に電流が流れるように、スイッチング素子411〜416、421〜426を制御する。これにより、励磁相が固定される。励磁相が固定されると、モータ10は、励磁相に応じた所定の電気角にて停止する。固定相通電制御部70は、現在のロータ位置から最も近い電気角でモータ10を停止させるように、実カウント値Cenに基づいて固定相および通電方向を選択する。

0033

固定相通電制御は、角度偏差eが角度判定閾値e_th以下となったときに行われる制御である。したがって、固定相通電制御が行われているとき、実カウント値Cenと目標カウント値Cen*とが概ね一致しているとみなせる。そのため、現在のロータ位置から最も近い停止可能な電気角で停止させることで、目標カウント値Cen*と略一致する箇所でモータ10を停止させることができる。厳密にいえば、目標カウント値Cen*に対応する電気角と、固定相通電制御にてモータ10を停止させる電気角とでは、最大でモータ分解能分のずれが生じるが、減速機14の減速比が大きければ、出力軸15の停止位置のずれは小さいため、差し支えない。

0034

切替制御部75は、モータ10の制御状態を切り替える。特に、本実施形態では、切替制御部75は、角度偏差eに基づき、フィードバック制御とするか、固定相通電制御とするかを切り替える。
切替制御部は、制御状態に応じた駆動信号をモータドライバ41、42に出力する。これにより、モータ10の駆動が制御される。

0035

切替制御処理を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。この処理は、始動スイッチがオンされている期間に、ECU50にて所定の周期で実行される。以下、ステップS101の「ステップ」を省略し、単に記号「S」と記す。他のステップについても同様である。

0036

最初のS101では、ECU50は、ドライバにより図示しないシフトレバーが操作され、ドライバ要求シフトレンジが変化したか否かを判断する。ドライバ要求シフトレンジが変化していないと判断された場合(S101:NO)、S103へ移行する。ドライバ要求シフトレンジが変化したと判断された場合(S101:YES)、S102へ移行する。

0037

S102では、ECU50は、モータ10への通電フラグをオンにする。通電フラグのオンオフ処理は、切替制御部75にて行ってもよいし、切替制御部75とは別途に行ってもよい。
S103では、切替制御部75は、通電フラグがオンされているか否かを判断する。通電フラグがオンされていると判断された場合(S103:YES)、S105へ移行する。
S104では、切替制御部75は、後述するタイマ値Tcをリセットし、本処理を終了する。

0038

S105では、切替制御部75は、目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差である角度偏差eが、角度判定閾値e_thより大きいか否かを判断する。本実施形態では、角度偏差eが「目標角度と実角度との差分値」に対応する。角度判定閾値e_thは、0に近い所定値(例えば機械角で0.5°)に応じたカウント数に設定される。角度偏差eが角度判定閾値e_th以下であると判断された場合(S105:NO)、S107へ移行する。角度偏差eが角度判定閾値e_thより大きいと判断された場合(S105:YES)、S106へ移行する。
S106では、切替制御部75モータ10の制御状態として、フィードバック制御を選択する。すなわち、角度偏差eが角度判定閾値e_thより大きい場合、モータ10は、モータ位置およびモータ速度をフィードバックするフィードバック制御により制御される。

0039

FB制御を説明するサブフロー図8に示す。なお、通電フラグがオンされた直後は、モータ10の速度状態をモード1(加速状態)に設定する。
S161では、目標速度設定部62は、角度偏差eおよびバッテリ電圧Vに基づき、目標モータ速度Msp*を設定する。
S162では、フィードバック制御部60は、現在の速度状態がモード1か否かを判断する。現在の速度状態がモード1ではないと判断された場合(S162:NO)、S164へ移行する。速度状態がモード1であると判断された場合(S162:YES)、S163へ移行する。

0040

S163では、フィードバック制御部60は、モータ速度Mspが目標モータ速度Msp*より大きいか否かを判断する。モータ速度Mspが目標モータ速度Msp*以下であると判断された場合(S163:NO)、S166へ移行し、速度状態としてモード1を維持する。モータ速度Mspが目標モータ速度Msp*より大きいと判断された場合(S163:YES)、S167へ移行し、速度状態をモード1(加速)からモード2(定常)に切り替える。

0041

現在の速度状態がモード1ではないと判断された場合(S163:NO)に移行するS164では、フィードバック制御部60は、現在の速度状態がモード2か否かを判断する。現在の速度状態がモード2ではないと判断された場合(S164:NO)、すなわち現在の速度状態がモード3の場合、S168へ移行し、速度状態としてモード3(減速)を維持する。現在の速度状態がモード2であると判断された場合(S164:YES)、S165へ移行する。

0042

S165では、フィードバック制御部60は、目標モータ速度の今回値が、目標モータ速度Msp*の前回値より小さいか否かを判断する。図中、目標モータ速度の今回値をMsp*(n)、前回値をMsp*(n−1)と記載した。目標モータ速度の今回値Msp*(n)が、前回値Msp*(n−1)以上であると判断された場合(S165:NO)、S167へ移行し、速度状態としてモード2(定常)を維持する。目標モータ速度の今回値Msp*(n)が、前回値Msp*(n−1)より小さいと判断された場合(S165:YES)、S168へ移行し、速度状態をモード2(定常)からモード3(減速)に切り替える。

0043

S166〜S168に続いて移行するS169では、フィードバック制御部60は、モータ10の速度状態がモード1か否かを判断する。速度状態がモード1であると判断された場合(S169:YES)、S170へ移行する。速度状態がモード1ではないと判断された場合(S169:NO)、すなわち速度状態がモード2またはモード3である場合、S171へ移行する。

0044

S170では、FB値設定部63は、モータ速度Mspを速度フィードバック値Msp_fbとして、速度偏差演算部64に出力する。
S171では、FB値設定部63は、位相進み補償値Msp_plを速度フィードバック値Msp_fbとして、速度偏差演算部64に出力する。
S172では、制御器65は、FBデューティD_fbを演算する。
S173では、FF補正値演算部66は、速度状態に応じたFFデューティD_ffを演算する。

0045

S174では、FF項補正部67は、FBデューティD_fbとFFデューティD_ffとを加算し、デューティ指令値Dを演算する。
S175では、PWM信号生成部69は、電圧補正されたデューティ指令値Dに基づき、PWM信号を生成する。生成されたPWM信号に基づいてスイッチング素子411〜416、421〜426のオンオフ作動を制御することで、モータ10の駆動が制御される。

0046

図7戻り、角度偏差eが角度判定閾値e_th以下であると判断された場合(S105:NO)に移行するS107では、切替制御部75は固定相通電制御の継続時間を計時するタイマのカウント値であるタイマ値Tcをインクリメントする。

0047

S108では、切替制御部75は、タイマ値Tcが継続時間判定閾値Tthより小さいか否かを判断する。継続時間判定閾値Tthは、固定相通電制御を継続する通電継続時間Ta(例えば100ms)に応じて設定される値である。タイマ値Tcが継続時間判定閾値Tthより小さいと判断された場合(S108:YES)、S109へ移行する。タイマ値Tcが継続時間判定閾値Tth以上であると判断された場合、S110へ移行する。
固定相通電制御を開始してから通電継続時間Taが経過していない場合に移行するS109では、切替制御部75は、モータ10の制御状態として、固定相通電制御を選択する。

0048

固定相通電制御を開始してから通電継続時間が経過した場合に移行するS110では、切替制御部75は、モータ10の制御状態を通電オフ制御とする。通電オフ制御では、モータドライバ41、42の全てのスイッチング素子411〜416、421〜426をオフする信号をモータドライバ41、42に出力し、スイッチング素子411〜416、421〜426をオフにする。これにより、通電オフ制御時には、モータ10側へ電力が供給されない。なお、モータリレー46、47は、始動スイッチがオンされている間は、オンが継続されるので、通電オフ制御中もモータリレー46、47はオンされている。
また、ECU50は、通電フラグをオフにする。

0049

切替制御処理を図9に示すタイムチャートに基づいて説明する。図9は、共通時間軸横軸とし、(a)がドライバ要求シフトレンジ、(b)が通電フラグ、(c)がモータ10の角度、(d)がモータ10の制御状態、(e)がモータ速度を示す。図9(c)では、モータ10の角度をエンコーダ13のカウント値で表す。
図9に示すように、時刻x1以前において、ドライバ要求シフトレンジがPレンジで維持されている場合、モータ10の制御状態を通電オフ制御とする。

0050

時刻x1にて、ドライバ要求シフトレンジがPレンジからDレンジに変化すると、通電フラグがオフからオンに切り替わる。切替制御部75は、モータ10の制御状態を通電オフ制御からフィードバック制御に切り替える。
また、図6(c)に示すように、ドライバ要求シフトレンジに応じた目標カウント値Cen*が設定される。要求シフトレンジが切り替わった時刻x1の直後は、モータ10の速度状態をモード1(加速状態)とし、最大加速デューティにてモータ10を制御する。また、加速状態においては、位相進み補償を行っていないモータ速度Mspをフィードバックする。

0051

時刻x2にて、モータ速度Mspが目標モータ速度Msp*と一致すると、速度状態をモード2(定常状態)に切り替える。定常状態においては、FFデューティD_ffを速度維持デューティとし、位相進み補償値Msp_plをフィードバックする。
時刻x3にて、目標モータ速度Msp*が低下に転じると、速度状態をモード3(減速状態)に切り替える。減速状態においては、FFデューティD_ffを減速補正デューティとし、位相進み補償値Msp_plをフィードバックする。
速度状態の判別は、例えばモータ速度Mspの微分値を用いる等、どのように判別してもよい。

0052

本実施形態では、応答性を高めるべく、モータ位置である実カウント値Cenおよびモータ速度Mspをフィードバックし、フィードバック制御を行っている。ここで、フィードバック制御における応答性を高めるべく、フィードバックゲインを大きくすると、モータ10の回転角検出遅れや検出の分解能に起因し、モータ速度Mspがハンチングする虞がある。図9(e)に二点鎖線で示す参考例のように、ハンチングは定常状態および減速状態にて生じやすい。

0053

そこで本実施形態では、速度状態が定常状態または減速状態のとき、速度フィードバック値Msp_fbを、位相進み補償を行った速度位相進み値Msp_plをフィードバックする。これにより、図9(e)に実線で示すように、定常時および減速時におけるモータ速度Mspのハンチングを抑制することができる。
なお、図9(e)では、目標モータ速度Msp*を一点鎖線で示しており、線の重複を避けるべく、実線でモータ速度Mspと若干ずらして記載しているが、定常状態および減速状態においては、位相進み値Msp_plをフィードバックすることで、モータ速度Mspは目標モータ速度Msp*とが概ね一致することが望ましい。

0054

時刻x4にて、目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差である角度偏差eが角度判定閾値e_th以下となった場合、モータ10の制御状態を、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。固定相通電とすることで、モータ10を速やかに停止させることができる。
時刻x4から通電継続時間Taが経過する時刻x5までの期間は、固定相通電制御を継続する。これにより、モータ10を確実に停止させることができるので、ディテントローラ26を所望の凹部に確実に嵌め込むことができる。

0055

固定相通電制御の開始から通電継続時間Taが経過した時刻x5では、制御状態を通電オフ制御とし、通電フラグをオフにする。ドライバ要求シフトレンジが再度変更されるまでの間は、通電フラグのオフ状態が維持され、モータ10の制御状態として通電オフ制御が継続される。これにより、シフトレンジ切り替え時以外はモータ10に通電されないので、通電が継続される場合と比較して消費電力を低減することができる。
なお、図9では、ドライバ要求シフトレンジがPレンジからDレンジに切り替えられる例を説明したが、他のレンジ切替時の制御についても同様である。

0056

本実施形態では、シフトバイワイヤシステム1のアクチュエータであるモータ10として、DCブラシレスモータを用いている。DCブラシレスモータを用いることで、例えばSRモータを用いる場合と比較し、応答性および効率を向上することができる。特に、目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差が大きいとき、フィードバック制御とすることで、応答性を高めることができる。

0057

一方、応答性と高めるべく、例えばフィードバックゲインを大きくすると、速度状態が定常状態または減速状態のとき、ハンチングが生じる虞がある。そこで本実施形態では、速度状態が定常状態または減速状態のときには、位相進みフィルタ処理を行った位相進み値Msp_plをフィードバックしている。これにより、定常時および減速時におけるハンチングを抑制することができる。
また、ハンチングすることなくモータ10を所定の位置で停止させるべく、実カウント値Cenが目標カウント値Cen*に近づいたら、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。これにより。ハンチングを抑制し、モータ10を適切に停止させることができる。

0058

すなわち本実施形態では、シフトバイワイヤシステム1のアクチュエータとしてDCブラシレスモータを用い、フィードバック制御と固定相通電制御とを切り替えることで、シフト切替初期における応答性の向上と、シフト切替完了時における安定性とを両立させることができる。

0059

以上説明したように、本実施形態のシフトレンジ制御装置40は、モータ10の駆動を制御することでシフトレンジを切り替えるものであって、フィードバック制御部60と、固定相通電制御部70と、切替制御部75と、を備える。
フィードバック制御部60は、モータ10の実角度(本実施形態では実カウント値Cen)、および、モータ10の回転速度であるモータ速度Mspに基づくフィードバック制御を行う。
固定相通電制御部70は、実角度に応じて選択される固定相に通電させる固定相通電制御を行う。

0060

切替制御部75、モータ10の制御状態を切り替える。
切替制御部75は、要求シフトレンジが切り替わったとき、制御状態をフィードバック制御とする。また、切替制御部75は、要求シフトレンジに応じて決定される目標角度である目標カウント値Cen*と実カウント値Cenとの差分値である角度偏差eが角度判定閾値e_th以下となった場合、制御状態をフィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。

0061

本実施形態では、要求シフトレンジが切り替わったとき、フィードバック制御とすることで、応答性を高めることができる。特に本実施形態では、モータ位置である実角度、および、モータ速度Mspをフィードバック制御に用いることで、オーバーシュートおよびハンチングを抑制しつつ、応答性を向上させることができる。
また、実角度が目標角度に近づいたとき、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替えることで、モータ10を適切に停止させることができる。
これにより、シフトレンジの切り替えに係るモータ10の駆動を適切に制御することができる。

0062

切替制御部75は、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替わってから通電継続時間Taが経過するまでの間、固定相通電制御を継続する。また、切替制御部75は、固定相通電に切り替わってから通電継続時間Taが経過した場合、モータ10への通電を遮断する通電オフ制御に切り替える。
通電継続時間Taに亘って固定相通電制御を継続することで、モータ10を確実に停止させることができる。また、通電継続時間Ta経過後は、通電オフ制御とすることで、消費電力を低減することができる。

0063

フィードバック制御部60は、目標速度設定部62、および、制御器65を有する。目標速度設定部62は、角度偏差に基づいて、モータ10の目標速度である目標モータ速度Msp*を設定する。
制御器65は、目標モータ速度Msp*とモータ速度Mspとが一致するように、フィードバックデューティ指令値であるFBデューティD_fbを演算する。上述の通り、ここでいう「モータ速度」には、モータ速度Mspそのものに限らず、位相進み補償を行った値である位相進み値Msp_plが含まれるものとする。
これにより、実カウント値Cenおよびモータ速度Mspを用いたフィードバック制御を適切に行うことができる。

0064

(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図10および図11に示す。本実施形態では、切替制御処理が上記実施形態と異なっているので、この点を中心に説明する。
本実施形態の切替制御処理を図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
S201〜S204の処理は、図7中のS101〜S104の処理と同様である。
S205では、切替制御部75は、角度偏差eが第1角度判定閾値e_th1より大きいか否かを判断する。第1角度判定閾値e_th1は、モータ速度Mspが大きいとき、すなわちモータ10が高速回転している状態からモータ10を停止させるときに、オーバーシュートが生じない程度の値(例えば機械角で1°)に応じたカウント数に設定される。第1角度判定閾値e_th1は、後述の第2角度判定閾値e_th2より大きい値に設定される。すなわち、e_th1>e_th2である。
角度偏差eが第1角度判定閾値e_th1より大きいと判断された場合(S205:YES)、S210へ移行し、モータ10をFB制御する。角度偏差eが第1角度判定閾値e_th1以下であると判断された場合(S205:NO)、S206へ移行する。

0065

S206では、切替制御部75は、モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_thより小さいか否かを判断する。速度判定閾値Msp_thは、モータ10が高速回転しているか否かを判定する値であり、例えば800[rpm]に設定される。なお、速度判定閾値Msp_thは、任意の値に設定可能である。モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_th以上であると判断された場合(S206:NO)、S208へ移行する。モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_thより小さいと判断された場合(S206:YES)、S207へ移行する。

0066

S207では、切替制御部75は、角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2より大きいか否かを判断する。第2角度判定閾値e_th2は、例えば第1実施形態の角度判定閾値e_thと同程度の任意の値に設定される。角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2より大きいと判断された場合(S207:YES)、S210へ移行する。角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2以下であると判断された場合(S207:NO)、S208へ移行する。
S208、S209の処理は、S107、S108の処理と同様である。
また、S210の処理はS106の処理と同様であり、S211、S212の処理はS109、S110の処理と同様である。

0067

本実施形態では、モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_th以上である場合、すなわちモータ10の回転速度が比較的速い場合、角度偏差eが、第2角度判定閾値e_th2より大きい値に設定される第1角度判定閾値e_th1より小さくなった段階で、FB制御から固定相通電制御に移行して、モータ10を停止させるように制御している。
一方、モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_th未満の場合、すなわちモータ10の回転速度が比較的遅い場合、角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2となるまでは、FB制御を継続し、角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2より小さくなった場合、固定相通電制御に移行する。

0068

図11(a)の例では、角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2より小さくなったとき、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替え、モータ10を停止させている。本実施形態では、制御範囲を目標カウント値Cen*±e_th2としている。換言すると、第2角度判定閾値e_th2を制御範囲に応じて設定している、ということである。
また、モータ10が実際に停止した位置が目標カウント値Cen*を超えた量をオーバーシュート量θoverとする。

0069

図11(b)に示すように、制御下限値Lへの突入速度が大きいほど、オーバーシュート量θoverが大きくなる。そのため、モータ10の回転速度が大きい場合、角度判定閾値が比較的小さく、目標位置直前にて固定相通電制御に切り替えると、モータ10の停止位置が制御上限値Hを超える虞がある。一方、モータ10の回転速度が大きい場合にオーバーシュートしないように角度判定閾値を比較的大きい値に設定すると、モータ10の回転速度が小さい場合に、制御下限値Lよりも手前側にてモータ10が停止する虞がある。

0070

そこで本実施形態では、切替制御部75は、モータ10の回転速度であるモータ速度Mspに応じ、角度判定閾値を変更している。詳細には、モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_th未満の場合、角度判定閾値を第2角度判定閾値e_th2とし、角度偏差eが第2角度判定閾値e_th2以下となった場合、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。また、モータ速度Mspが速度判定閾値Msp_th以上の場合、角度判定閾値を第2角度判定閾値e_th2より大きい第1角度判定閾値e_th1とし、角度偏差が第1角度判定閾値e_th1以下となった場合、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替える。
すなわち本実施形態では、モータ速度Mspが大きいほど、目標位置より手前側にて固定相通電制御に切り替えている。

0071

モータ速度Mspに応じて、フィードバック制御から固定相通電制御に切り替えるタイミングを可変とすることで、モータ10が停止したとき停止位置と目標位置との誤差を小さくすることが可能であり、モータ10を制御範囲内にて、確実に停止させることができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。

0072

(他の実施形態)
上記実施形態では、モータは、永久磁石式の3相ブラシレスモータである。他の実施形態では、モータは、フィードバック制御と固定相通電制御とを切り替え可能なものであれば、どのようなモータを用いてもよい。また、上記実施形態では、モータに2組の巻線組が設けられる。他の実施形態では、モータの巻線組は、1組でもよいし3組以上であってもよい。
上記実施形態では、フィードバック制御において、120・通電による矩形波制御を行う。他の実施形態では、フィードバック制御において、180・通電による矩形波制御としてもよい。また矩形波制御に限らず、三角波比較方式や瞬時ベクトル選択方式によるPWM制御としてもよい。

0073

上記実施形態では、モータの回転角を検出する回転角センサとして、エンコーダを用いる。他の実施形態では、回転角センサは、エンコーダに限らず、レゾルバ等、どのようなものを用いてもよい。また、エンコーダのカウント値に替えて、モータの回転角に換算可能なエンコーダカウント値以外の値をフィードバックしてもよい。固定相通電制御における固定相の選択についても同様である。

0074

上記実施形態では、速度状態が定常状態または減速状態のとき、位相進みフィルタ処理を行った位相進み値をフィードバックする。他の実施形態では、速度状態が加速状態のときにも位相進みフィルタ処理を行った値をフィードバックしてもよい。また、定常状態および減速状態の少なくとも一方における位相進みフィルタ処理を省略してもよい。

0075

第2実施形態では、1つの速度判定閾値を用い、第1角度判定閾値と第2角度判定閾値とを切り替える。他の実施形態では、複数の速度判定閾値を用い、モータ速度が大きくなるほど角度判定閾値が大きくなるように、段階的に角度判定閾値を切り替えるようにしてもよい。また、モータ速度に応じた関数やマップ等により、角度判定閾値が設定されるようにしてもよい。

0076

上記実施形態では、ディテントプレートには4つの凹部が設けられる。他の実施形態では、凹部の数は4つに限らず、いくつであってもよい。例えば、ディテントプレートの凹部を2つとし、PレンジとnotPレンジとを切り替えるものとしてもよい。また、シフトレンジ切替機構やパーキングロック機構等は、上記実施形態と異なっていてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。

0077

1・・・シフトバイワイヤシステム
10・・・モータ
20・・・シフトレンジ切替機構
30・・・パーキングロック機構
40・・・シフトレンジ制御装置
50・・・ECU
60・・・フィードバック制御部
70・・・固定相通電制御部
75・・・切替制御部

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