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図面 (20)

課題

クロストリジウム類に属するヒト由来細菌種が、大腸制御性T細胞Treg細胞集積誘導免疫機能を抑制することが明らかになった。

解決手段

これらの細菌を含有する医薬組成物を用いて、自己免疫疾患などの免疫介在性疾患を予防および治療することができる。

概要

背景

哺乳動物消化管には何百種もの共生微生物定着し、宿主免疫系と相互作用している。無菌(GF)動物を用いた研究から、共生微生物はパイエル板(PP)および孤立リンパ濾胞ILF)の組織形成上皮からの抗菌性ペプチド分泌、ならびに粘膜組織における免疫グロブリンA生形質細胞、上皮間リンパ球IL−17産生CD4陽性T細胞(Th17)およびIL−22産生NK様細胞を含む固有のリンパ球の集積など、粘膜免疫系発達に影響を及ぼすことが示されている(非特許文献(NPL)1〜7)。その結果、腸内細菌の存在が粘膜防御機能を増強し、宿主が体内侵入してくる病原性微生物に対して強い免疫応答を備えることができる。一方、粘膜免疫系は、食物抗原および無害な微生物に対する無反応性を維持している(非特許文献3)。共生細菌と免疫系のクロストークの調節異常(腸内菌共生バランス失調)により、環境抗原に対する過度に強力な免疫応答が引き起こされ、炎症性腸疾患(IBD)が生じ得る(NPL8〜10)。

最近の研究成果から、個々の共生細菌が粘膜免疫系における特定の免疫細胞分化を制御していることが明らかになっている。例えば、ヒトの共生細菌、Bacteroides fragilisは、マウスにおいて特異的に全身性Th1細胞応答および粘膜IL−10産生T細胞応答を誘導し、病原体を原因とする大腸炎から宿主を保護する役割を果たしている(NPL3)。マウスの腸内共生細菌である分節した糸状菌は粘膜Th17細胞応答を誘導し、宿主の消化管病原体感染に対する抵抗性を増強する(NPL11〜13)。さらに、いくつかの共生細菌に由来する短鎖脂肪酸腸炎を抑制することが知られている(NPL14)。また、腸内微生物叢の一部の種の存在が、免疫系の恒常性維持を助ける制御性T細胞(以下、「Treg細胞」と称する)の分化に多大な影響を及ぼすことが観察されている。Tregを強力に刺激することができる特定種のマウス共生細菌が確認されているが(NPL15)、ヒト共生細菌種がヒト免疫系に同等の影響を及ぼすかどうかは未だ明らかにされていない。さらに、ヒト腸管には細菌が1,000種を超えて常在し、その多くがこれまで培養されたことがない(NPL16)。Tregに影響を及ぼす可能性がある細菌が存在するとしても、その種を経験的に推測するのは不可能である。

ヒトでの使用に有益な免疫機能を有する薬物、栄養補助食品、または食品を開発するためには、ヒトにおいて自然に定着し、免疫調節特性を有する共生微生物を同定するのが望ましい。さらに、ヒトミクロビオーム共生生物の多くが未だ培養されていないため、これを従来の工業的発酵工程で生産し、次いで医薬品または食品製剤組み入れることができるよう、それらを培養する方法を開発する必要がある。

CD4+T細胞は、免疫を抑制する細胞サブセットとして同定された制御性T細胞である。CD4+T細胞は免疫学的恒常性を維持するのに重要な役割を果たしていることが知られており、この細胞には転写因子Foxp3が発現する(NPL8、9、17および18)。大腸にはFoxp3発現細胞が多数存在し、大腸に局在するTreg細胞のみが免疫抑制サイトカインのIL−10を高レベル恒常的に発現する(NPL19)。CD4+Foxp3+細胞からIL−10が特異的に除去された動物には炎症性腸疾患が発症する(NPL20)。
したがって、Treg細胞の大腸における高レベルでのIL−10産生を強力に誘導する能力を有するヒト由来共生細菌種を同定し、このような細菌種を培養する方法を開発することが必要とされる。このような種を用いれば、免疫抑制を増強することが可能となり、ひいては、疾患および病態のなかでも炎症性腸疾患、炎症性疾患アレルギーなどの自己免疫疾患治療または臓器移植に応用することが可能となる。

概要

クロストリジウム類に属するヒト由来細菌種が、大腸で制御性T細胞(Treg細胞)集積を誘導し免疫機能を抑制することが明らかになった。これらの細菌を含有する医薬組成物を用いて、自己免疫疾患などの免疫介在性疾患を予防および治療することができる。なし

目的

具体的な方法は、生検もしくは血液試料などの患者試料におけるFoxp3発現Tregの数もしくは割合、該細菌組成物投与した個体のIL−10発現の促進(増強)、CTLA4発現の促進(増強)、IDO発現の促進(増強)、IL−4発現の抑制、または定着を制御性T細胞の増加もしくは集積の誘導の指標として測定することである

効果

実績

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請求項1

制御性T細胞の増殖および/または集積誘導する組成物であって、(a)1種類以上のクロストリジウム類の細菌;(b)(a)の1種類以上の細菌の培養上清;(c)(a)もしくは(b)に由来する1種類以上の生理活性物質;または(d)(a)、(b)および(c)のうちのいずれか2つもしくは3つの組合せを含む組成物。

請求項2

前記(a)の1種類以上の細菌が、クロストリジウムクラスターIVおよびクロストリジウムクラスターXIVaに属するヒト由来共生細菌(種)である、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記(a)の1種類以上の細菌が、クロストリジウムクラスターXIVaに属する1種類以上のヒト由来共生細菌(種)である、請求項1に記載の組成物。

請求項4

(a)が、クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクタープラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルカスコリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウムコントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項5

(a)が、クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、ブラウティア・ココイデス(Bliautia coccoides)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAAからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。

請求項6

制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する組成物であって、有効成分として、(a)本明細書においてOTU136;OTU46;OTU221;OTU9;OTU296;OTU21;OTU166;OTU73;OTU174;OTU14;OTU55;OTU337;OTU314;OTU195;OTU306;OTU87;OTU86;OTU152;OTU253;OTU259;OTU281;OTU288;OTU334;OTU359;OTU362;もしくはOTU367と命名されるDNA配列と少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAと、クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662のうちの1種類以上のDNAと少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAとを含む細菌;(b)(a)の1種類以上の細菌の培養上清;(c)(a)もしくは(b)に由来する1種類以上の生理活性物質;または(d)(a)、(b)および(c)のうちのいずれか2つもしくは3つの組合せを含む組成物。

請求項7

記相同性パーセントが少なくとも97%である、請求項6に記載の組成物。

請求項8

制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する組成物であって、(a)クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662;(b)(a)の1種類以上の細菌の培養上清;(c)(a)もしくは(b)に由来する1種類以上の生理活性物質;または(d)(a)、(b)および(c)のうちのいずれか2つもしくは3つの組合せからなる群より選択される少なくとも2種類の生物体および/または物質を含む組成物。

請求項9

制御性T細胞の増殖または集積を誘導する組成物であって、配列番号19〜44のいずれかと少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む細菌に由来する少なくとも1種類の生理活性物質を有効成分として含む組成物。

請求項10

前記制御性T細胞が、転写因子Foxp3陽性の制御性T細胞、IL−10産生性の制御性T細胞、またはHelios陰性Foxp3陽性の制御性T細胞である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。

請求項11

免疫抑制作用を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。

請求項12

請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物と薬学的に許容される成分とを含む医薬組成物

請求項13

必要とする個体において制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積の両方を誘導する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物または請求項12に記載の医薬組成物を前記個体に投与することを含む方法。

請求項14

必要とする個体において制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積の両方を誘導する方法であって、(a)配列番号19〜44のいずれかと少なくとも97%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む少なくとも1種類の細菌;(b)配列番号19〜44のいずれかと少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む細菌に由来する少なくとも1種類の生理活性物質;ならびに(c)クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662のいずれか1つの培養上清からなる群より選択される少なくとも1種類の生物体または物質を前記個体に投与することを含む方法。

請求項15

請求項16

Gram+抗生物質による治療を受けている個体において制御性T細胞のレベルを増大させる方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物または請求項12に記載の医薬組成物を前記個体に投与することを含む方法。

請求項17

Fop3Tregの発現、IL−10発現の促進、CTLA4発現の促進、IDO発現の促進、およびIL−4発現の抑制からなる群より選択される1つの測定結果を、前記個体において制御性T細胞の増殖または集積が誘導されたことの指標として用いる、請求項12〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

必要とする個体において、自己免疫疾患炎症性疾患アレルギー疾患、および感染症から選択される少なくとも1つの疾患を治療する、その疾患の治療を補助する、その疾患の重症度を軽減する、またはその疾患を予防する方法であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物また請求項12に記載の医薬組成物を前記個体に投与することを含む方法。

請求項19

請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物また請求項12に記載の医薬組成物による治療の対象となる個体を選択する方法であって、(a)個体から糞便試料または大腸生検などの(少なくとも1つの)試料採取すること;(b)前記個体の試料におけるクロストリジウムクラスターIVおよびXIVaに属する細菌種の割合または絶対数を測定し、前記個体についての測定値を得ること;(c)(b)の測定値と、健常個体の試料から得られた対応する測定値とを比較すること;および(d)(b)で得られた測定値が健常個体の試料から得られた測定値よりも小さい場合、前記個体を請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物また請求項12に記載の医薬組成物による治療の対象に選択することを含む方法。

請求項20

制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する細菌を選択する方法であって、(a)哺乳動物から採取した糞便または生検試料から細菌芽胞形成画分を単離すること;(b)単離した前記芽胞形成画分の段階希釈物をプレートに播くこと;および(c)培養プレートから単一のコロニーを選択することを含む方法。

請求項21

例えば請求項19に記載の方法に従って選択された対象において、治療または予防に使用する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。

請求項22

請求項13〜18のいずれか1項で定義される方法において使用する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。

請求項23

請求項13〜18のいずれか1項で定義される方法において使用する薬物の製造のための、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物の使用。

請求項24

制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する細菌培養物を作製する工程であって、(a)哺乳動物から採取した糞便または生検試料から細菌芽胞形成画分を単離すること;(b)単離した前記芽胞形成画分の段階希釈物をプレートに播くこと;(c)制御性T細胞の増殖または集積を誘導する能力の指標としてFop3Tregの発現、IL−10発現の促進、CTLA4発現の促進、IDO発現の促進、および/またはIL−4発現の抑制のうちの1つ以上を測定することによって、制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する単一のコロニーを培養プレートから選択すること;および(e)前記選択したコロニーを培養することを含む工程。

請求項25

請求項20に記載の方法または請求項24に記載の工程によって入手可能な、または入手した細菌。

技術分野

0001

本明細書に記載する発明の内容は、制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積を誘導し、有効成分として(a)クロストリジウム類に属する1種類以上(1種類、少なくとも1種類)のヒト由来細菌、(b)1種類以上(1種類、少なくとも1種類)の該細菌の培養上清、(c)1種類以上の該細菌に由来する生理活性物質または(d)上記のいずれか2つ以上の組合せを含む、ヒト由来細菌の組成物に関する。本明細書に記載する発明の内容はほかにも、制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積を誘導する方法に関する。上の(a)〜(d)のいずれかを含む組成物を細菌組成物と呼ぶ。さらに、本発明の内容は、必要とする個体に細菌組成物を投与することによって、制御性T細胞誘導に応答性の少なくとも1つの疾患または病態、例えば自己免疫疾患炎症性疾患および感染症などを治療または予防する方法に関する。

背景技術

0002

哺乳動物消化管には何百種もの共生微生物定着し、宿主免疫系と相互作用している。無菌(GF)動物を用いた研究から、共生微生物はパイエル板(PP)および孤立リンパ濾胞ILF)の組織形成上皮からの抗菌性ペプチド分泌、ならびに粘膜組織における免疫グロブリンA生形質細胞、上皮間リンパ球IL−17産生CD4陽性T細胞(Th17)およびIL−22産生NK様細胞を含む固有のリンパ球の集積など、粘膜免疫系発達に影響を及ぼすことが示されている(非特許文献(NPL)1〜7)。その結果、腸内細菌の存在が粘膜防御機能を増強し、宿主が体内侵入してくる病原性微生物に対して強い免疫応答を備えることができる。一方、粘膜免疫系は、食物抗原および無害な微生物に対する無反応性を維持している(非特許文献3)。共生細菌と免疫系のクロストークの調節異常(腸内菌共生バランス失調)により、環境抗原に対する過度に強力な免疫応答が引き起こされ、炎症性腸疾患(IBD)が生じ得る(NPL8〜10)。

0003

最近の研究成果から、個々の共生細菌が粘膜免疫系における特定の免疫細胞分化を制御していることが明らかになっている。例えば、ヒトの共生細菌、Bacteroides fragilisは、マウスにおいて特異的に全身性Th1細胞応答および粘膜IL−10産生T細胞応答を誘導し、病原体を原因とする大腸炎から宿主を保護する役割を果たしている(NPL3)。マウスの腸内共生細菌である分節した糸状菌は粘膜Th17細胞応答を誘導し、宿主の消化管病原体感染に対する抵抗性を増強する(NPL11〜13)。さらに、いくつかの共生細菌に由来する短鎖脂肪酸腸炎を抑制することが知られている(NPL14)。また、腸内微生物叢の一部の種の存在が、免疫系の恒常性維持を助ける制御性T細胞(以下、「Treg細胞」と称する)の分化に多大な影響を及ぼすことが観察されている。Tregを強力に刺激することができる特定種のマウス共生細菌が確認されているが(NPL15)、ヒト共生細菌種がヒト免疫系に同等の影響を及ぼすかどうかは未だ明らかにされていない。さらに、ヒト腸管には細菌が1,000種を超えて常在し、その多くがこれまで培養されたことがない(NPL16)。Tregに影響を及ぼす可能性がある細菌が存在するとしても、その種を経験的に推測するのは不可能である。

0004

ヒトでの使用に有益な免疫機能を有する薬物、栄養補助食品、または食品を開発するためには、ヒトにおいて自然に定着し、免疫調節特性を有する共生微生物を同定するのが望ましい。さらに、ヒトミクロビオーム共生生物の多くが未だ培養されていないため、これを従来の工業的発酵工程で生産し、次いで医薬品または食品製剤組み入れることができるよう、それらを培養する方法を開発する必要がある。

0005

CD4+T細胞は、免疫を抑制する細胞サブセットとして同定された制御性T細胞である。CD4+T細胞は免疫学的恒常性を維持するのに重要な役割を果たしていることが知られており、この細胞には転写因子Foxp3が発現する(NPL8、9、17および18)。大腸にはFoxp3発現細胞が多数存在し、大腸に局在するTreg細胞のみが免疫抑制サイトカインのIL−10を高レベル恒常的に発現する(NPL19)。CD4+Foxp3+細胞からIL−10が特異的に除去された動物には炎症性腸疾患が発症する(NPL20)。
したがって、Treg細胞の大腸における高レベルでのIL−10産生を強力に誘導する能力を有するヒト由来共生細菌種を同定し、このような細菌種を培養する方法を開発することが必要とされる。このような種を用いれば、免疫抑制を増強することが可能となり、ひいては、疾患および病態のなかでも炎症性腸疾患、炎症性疾患、アレルギーなどの自己免疫疾患の治療または臓器移植に応用することが可能となる。

先行技術

0006

J.J.Cebra、"Am J Clin Nutr"、1999年5月、69、1046S
A.J.Macpherson、N.L.Harris、"Nat Rev Immunol"、2004年6月、4、478
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発明が解決しようとする課題

0007

本発明の組成物および方法は、上に挙げた当該技術分野の諸課題に鑑みてなされたものである。本明細書には、ヒトから単離され、制御性T細胞の増殖、集積、または増殖と集積を誘導する、好ましくは強力に誘導する腸内共生細菌を同定および培養する方法が記載されている。(1)(a)1種類以上の同定された腸内共生(ヒト由来)細菌;(b)1種類以上の該細菌の培養上清;(c)1種類以上の該細菌もしくは1つ以上の該培養上清に由来する1種類以上の生理活性物質;または(d)(a)〜(c)のいずれか2つもしくは3つの組合せを含み、かつ(2)制御性T細胞(Treg細胞)の増殖および/または集積を誘導する、細菌組成物とも称する組成物が記載されている。あるいは、組成物は(a)1種類以上の同定された腸内共生(ヒト由来)細菌;(b)1種類以上の該細菌の培養上清;または(c)該細菌もしくは該培養上清に由来する1種類以上の生理活性物質を含み、制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する。いくつかの実施形態では、該組成物は1種類以上の同定された腸内共生(ヒト由来)細菌を含む。いくつかの実施形態では、該組成物は1種類以上の該細菌の培養上清を含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、該細菌または該培養上清に由来する1種類以上の生理活性物質を含む。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は3種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は5種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は17種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は23種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は23種類である。特定の実施形態では、細菌組成物は、大腸(例えば、ヒト大腸)でIL−10などの免疫抑制サイトカインを高レベルで産生する制御性T細胞の増殖、集積、または増殖と集積を誘導し、好ましくはこれを強力に誘導する。

0008

このような細菌組成物は、例えば、免疫抑制を増強し、その結果、自己免疫疾患を治療するのに有用である。細菌組成物は有効成分として、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体および/または少なくとも1種類の物質を含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクタープラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルカスコリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウムコントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662;本明細書に記載/列挙されている少なくとも1種類(1種類、1種類以上)の細菌の培養上清;本明細書に記載/列挙されている(1種類、1種類以上の)細菌または上記のうちの2つもしくは3つの任意の組合せに由来する生理活性物質。あるいは、細菌組成物は有効成分として、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体または少なくとも1種類の物質を含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC 29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662;本明細書に記載/または列挙されている少なくとも1種類(1種類、1種類以上)の細菌の培養上清;本明細書に記載/列挙されている(1種類、1種類以上の)細菌に由来する生理活性物質。

0009

いくつかの実施形態では、細菌組成物は、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体を含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、本明細書に記載/列挙されている少なくとも1種類(1種類、1種類以上)の細菌の培養上清を含む。いくつかの実施形態では、細菌組成物は、本明細書に記載/列挙されている(1種類、1種類以上の)細菌に由来する生理活性物質を含む。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は3種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は5種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は17種類以上である。

0010

いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は23種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は23種類である。細菌組成物は、本明細書に提供される配列と十分な相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含み制御性T細胞に対して以下に挙げるいずれか1種類の細菌が発揮する効果と実質的に同じ効果を示す任意の細菌(クロストリジウムをはじめとする細菌)を含み得る:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。

0011

いくつかの実施形態では、細菌組成物中に存在する細菌は、本明細書に提供される配列、例えば特に限定されないが、本明細書でOTUと命名され、例えば最後の実施例の後のページに列挙されるヌクレオチド配列などと少なくとも90%(90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の相同性を有する。特定の実施形態では、このような細菌は、本明細書で以下のように命名される1つ以上のDNA配列と少なくとも90%(90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:OTU136;OTU46;OTU221;OTU9;OTU296;OTU21;OTU166;OTU73;OTU174;OTU14;OTU55;OTU337;OTU314;OTU195;OTU306;OTU87;OTU86;OTU152;OTU253;OTU259;OTU281;OTU288;OTU334;OTU359;OTU362;またはOTU367。あるいは、細菌は、以下に挙げる細菌のうちの1種類以上のDNAと少なくとも90%(90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%)の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。

0012

特定の実施形態では、細菌組成物は、本明細書に提供される配列、例えば特に限定されないが、本明細書でOTUと命名され、例えば最後の実施例の後のページに列挙されるヌクレオチド配列などと少なくとも97%、98%または99%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む細菌(ヒト由来細菌など)を含む。特定の実施形態では、細菌組成物中の細菌は、本明細書で以下のように命名される1つ以上のDNA配列と少なくとも97%、98%または99%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:OTU136;OTU46;OTU221;OTU9;OTU296;OTU21;OTU166;OTU73;OTU174;OTU14;OTU55;OTU337;OTU314;OTU195;OTU306;OTU87;OTU86;OTU152;OTU253;OTU259;OTU281;OTU288;OTU334;OTU359;OTU362;またはOTU367。あるいは、該細菌は、以下に挙げる細菌のうちの1種類以上のDNAと少なくとも97%、98%または99%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。クロストリジウム類の細菌はいずれも、芽胞型または栄養型で存在し得る。

課題を解決するための手段

0013

本明細書に記載する通り、ヒトミクロビオームにみられる1,000種を超える細菌のなかには、大腸におけるTregの集積を強力に誘導する種がいくつか存在する。

0014

同じく記載する通り、健常個体糞便試料中に存在する細菌種のほとんどがTregを刺激する能力をもたないが、クロストリジウム類に属する種には、大腸でTregの強力な誘導を引き起こす能力がある。さらに本発明者らは、同定された各細菌種のインビトロ培養物を入手し、マウスにインビトロ培養した種を接種しても、大腸にTregが堅固に集積することを明らかにした。
本明細書に記載する通り、組成物は、有効成分として(a)芽胞型または栄養型のクロストリジウム類に属する細菌または本明細書に提供される配列と少なくとも90%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む細菌のうちの1つ以上の特定種;(b)1種類以上のこのような細菌の培養上清;(c)(a)もしくは(b)に由来する1種類以上の生理活性物質;または(d)(a)、(b)および(c)のいずれか2つまたは3つの組合せを含み、制御性T細胞(Treg細胞)の増殖および/または集積を誘導し免疫機能を抑制する。

0015

さらに具体的に述べると:
1つの実施形態は、制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積の両方を誘導する組成物であり、該組成物は有効成分として、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体および/または少なくとも1種類の物質を含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662;本明細書に記載/列挙されている少なくとも1種類の細菌の培養上清、および本明細書に記載/列挙されている細菌に由来する生理活性物質。

0016

いくつかの実施形態では、有効成分は、以下に挙げる1種類以上の細菌である:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。

0017

いくつかの実施形態では、有効成分は、本明細書に記載/列挙されている1種類以上の細菌の培養上清である。いくつかの実施形態では、有効成分は、本明細書に記載/列挙されている細菌に由来する1種類以上の生理活性物質である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は3種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は5種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は17種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は23種類以上である。いくつかの実施形態では、該1種類以上の細菌または該細菌に由来する1種類以上の生理活性物質は23種類である。

0018

本明細書に記載の細菌組成物は、以下に挙げるもののうちの少なくとも1つを含む:本明細書に記載の1種類の細菌;1種類(もしくはそれ以上)の該細菌が存在していた(増殖した、もしくは維持されていた)培養物から得られる少なくとも1つの培養上清もしくはこのような上清の一部;1種類以上の細菌(本明細書で挙げられている細菌など)に由来する1種類以上の生理活性物質または上記のいずれか2つもしくは3つの組合せ。組成物/細菌組成物という用語はこのような組合せをすべて指す。

0019

該組成物中の細菌は、例えば、クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662または本明細書に提供される配列、例えば特に限定されないが、本明細書でOTUと命名され、例えば最後の実施例の後のページに列挙されるヌクレオチド配列などと少なくとも90%の相同性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性)を有するDNAを含む任意の細菌(ヒト由来細菌など)であり得る。

0020

特定の実施形態では、該細菌は、本明細書で以下のように命名される1つ以上のDNA配列と少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:OTU136;OTU46;OTU221;OTU9;OTU296;OTU21;OTU166;OTU73;OTU174;OTU14;OTU55;OTU337;OTU314;OTU195;OTU306;OTU87;OTU86;OTU152;OTU253;OTU259;OTU281;OTU288;OTU334;OTU359;OTU362;またはOTU367。あるいは、該細菌は、以下に挙げる1種類以上の細菌のDNAと少なくとも97%(97%、98%、99%、100%)の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。

0021

一実施形態では、該組成物は、転写因子Foxp3陽性の制御性T細胞またはIL−10産生性の制御性T細胞である制御性T細胞を誘導する。別の実施形態では、該組成物は免疫抑制効果を有する。

0022

1つの実施形態は、制御性T細胞の増殖、集積または増殖および/もしくは集積の両方を誘導し免疫機能を抑制する医薬組成物である。該医薬組成物は、本明細書に記載の細菌組成物と、担体溶媒または希釈剤などの薬学的に許容される成分とを含む。特定の実施形態では、このような医薬組成物は、(a)(1)本明細書に記載のクロストリジウム類に属する芽胞型もしくは栄養型の1種類以上の細菌、(2)このような細菌の培養上清、(3)それらに由来する生理活性物質または(4)(1)、(2)および(3)のいずれか2つもしくは3つの組合せと(b)担体、溶媒または希釈剤などの薬学的に許容される成分を含む。特定の実施形態では、上記(a)は、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体または物質である:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662、1種類以上の該細菌の培養上清、ならびに1種類以上の該細菌に由来する生理活性物質。いくつかの実施形態では、上記(a)は、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体である:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC 29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。

0023

いくつかの実施形態では、上記(1)は1種類以上の該細菌の培養上清である。いくつかの実施形態では、上記(1)は1種類以上の該細菌に由来する生理活性物質である。いくつかの実施形態では、該少なくとも1種類の生物体または物質は3種類以上である。いくつかの実施形態では、該少なくとも1種類の生物体または物質は5種類以上である。いくつかの実施形態では、該少なくとも1種類の生物体または物質は17種類以上である。いくつかの実施形態では、該少なくとも1種類の生物体または物質は23種類以上である。いくつかの実施形態では、該少なくとも1種類の生物体または物質は23種類である。また別の実施形態では、上記(a)(1)は、本明細書に提供される配列、例えば特に限定されないが、本明細書でOTUと命名され、例えば最後の実施例の後のページに列挙されるヌクレオチド配列などと少なくとも90%の相同性(例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性)を有するDNAを含む細菌(ヒト由来細菌など)である。該医薬組成物の特定の実施形態では、該細菌は、本明細書で以下のように命名される1つ以上のDNA配列と少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:OTU136;OTU46;OTU221;OTU9;OTU296;OTU21;OTU166;OTU73;OTU174;OTU14;OTU55;OTU337;OTU314;OTU195;OTU306;OTU87;OTU86;OTU152;OTU253;OTU259;OTU281;OTU288;OTU334;OTU359;OTU362;またはOTU367。あるいは、該医薬組成物中の細菌は、以下の1種類以上の細菌のDNAと少なくとも97%(97%、98%、99%、100%)の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662。

0024

該医薬組成物は、制御性T細胞(Treg細胞)の増殖および/または集積を誘導し免疫機能を抑制する。

0025

ほかにも、個体(例えば、制御性T細胞の増殖および/または集積の誘導を必要とする個体など、それらを必要とする個体)において、制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積の両方を誘導する方法が提供される。該方法は、該個体に本明細書に記載の細菌組成物または本明細書に記載の細菌組成物を含む医薬組成物を投与することを含む。該方法では、健常個体または病態もしくは疾患の予防、軽減もしくは治療を必要とする個体であり得る個体(必要とする個体とも称する)に、クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662;1種類以上の該細菌の培養上清もしくは該培養上清の1つ以上の成分;1種類以上の該細菌に由来する生理活性物質または上記のうちの2つもしくは3つの組合せからなる群より選択される少なくとも1種類の生物体または物質を投与する。例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー疾患および感染症などの疾患または病態の治療、重症度の軽減または予防を必要とする個体に、記載の組成物を投与し得る。

0026

任意選択で、該細菌組成物の投与は1種類以上の抗生物質による治療と組み合わせても、このような治療の後に実施してもよい。

0027

任意選択で、該細菌組成物の投与は、該細菌組成物中の種の増殖に対して他のヒト共生細菌種の増殖よりも選択的に有利に働く少なくとも1種類のプレバイオティクス物質の投与と組み合わせてもよい。一実施形態では、該プレバイオティクス物質(1つまたは複数)は、例えば、難消化性オリゴ糖である。特定の実施形態では、該1種類以上のプレバイオティクス物質は、アーモンド皮、イヌリンオリゴフルクトースラフィノースラクチュロースペクチンヘミセルロースアミロペクチンアセチル−CoAビオチンビート糖蜜酵母抽出物および難消化性デンプンからなる群より選択される。本明細書ではこのほか、該細菌組成物と少なくとも1種類のプレバイオティクス物質とを含む組成物が考慮される。

0028

該細菌組成物は、コルチコステロイドメサラジンメサラミンスルファサラジン、スルファサラジン誘導体免疫抑制剤シクロスポリンAメルカプトプリンアザチオプリンプレドニゾンメトトレキサート抗ヒスタミン剤グルココルチコイドエピネフリンテオフィリンクロモグリク酸ナトリウム、抗ロイコトリエン剤、抗コリン鼻炎薬、抗コリン充血除去剤肥満細胞安定化剤モノクローナル抗IgE抗体ワクチンインフリキシマブアダリムマブセルトリズマブぺゴール、ゴリムマブまたはエタネルセプトなどの抗TNF阻害剤、およびその組合せからなる群より選択される物質と組み合わせて投与してもよい。本明細書にはこのほか、該細菌組成物と、コルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制剤、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミン剤、グルココルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、抗ロイコトリエン剤、抗コリン鼻炎薬、抗コリン充血除去剤、肥満細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブぺゴール、ゴリムマブまたはエタネルセプトなどの抗TNF阻害剤、およびその組合せからなる群より選択される少なくとも1種類の物質とを含む組成物が記載される。

0029

また別の実施形態では、該細菌組成物はアジュバントとして使用しワクチン製剤の効果を向上させることができる。例えば、該細菌組成物はワクチンのアジュバントとして自己免疫疾患またはアレルギー疾患の予防または治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、予防または治療の方法が提供され、該方法は該細菌組成物の投与とワクチンの投与とを含む。

0030

本明細書に記載の組成物の投与によって得られる制御性T細胞の増殖または集積誘導の程度の評価は、患者試料生検または血液試料など)中のFoxp3発現Treg数、IL−10発現の促進、CTLA4発現の促進、IDO発現の促進、IL−4発現の抑制、または個体における該細菌組成物の定着の測定などの様々な方法によって実施することができる。このような評価の結果を、該個体において制御性T細胞の増殖または集積が誘導されていることの指標として用いる。

0031

一実施形態では、本明細書に記載の組成物の投与により、転写因子Foxp3陽性の制御性T細胞またはIL−10産生性の制御性T細胞である制御性T細胞の誘導が引き起こされる。

0032

本明細書に記載の組成物は様々な経路によって投与することが可能であり、一実施形態では、必要とする患者などの必要とする個体に経口投与する。該組成物は、多数の経口形態で、例えば芽胞形態(乾燥粉末状態または液体製剤に溶解させたもの)、腸溶性カプセル小袋、またはヨーグルトもしくは飲料などの食品マトリックスなどの形態で投与してよい。

0033

ほかにも、本発明の組成物による治療に対する対象の応答予測する(該対象が治療に応答するかどうかを予測する)方法が提供される。該方法は、(a)本明細書に記載の細菌組成物による治療前に患者から糞便試料または大腸生検などの試料を(少なくとも1つ、1つ以上)採取すること;(b)クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、およびアナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662からなる群より選択される少なくとも1種類の細菌種の試料中の割合または絶対数を測定または決定することにより、割合または計数を求めること、ならびに(c)得られた割合または計数(測定値)と、健常対象で実施した同じ測定のベースライン値とを比較することを含み、該患者から採取した試料の割合または計数が該ベースライン値より低いことは、該対象が該細菌組成物の投与に良好に応答し得ることを示す。

0034

いくつかの実施形態では、該方法は、(d)該患者から採取した試料の割合または計数がベースライン値より低い場合に該細菌組成物を該患者に投与することをさらに含む。任意選択で、該方法は、クロストリジウムクラスターIVおよびXIVaに属するが該細菌組成物中には存在しない他の共生種の割合または絶対数を患者試料(例えば、糞便試料または大腸生検)で測定することをさらに含んでよく、該割合または絶対数(測定値)がベースラインより低いことは、該対象が該細菌組成物の投与に良好に応答し得ることをさらに示す。いくつかの実施形態では、該方法は、該割合または絶対数(測定値)がベースラインより低い場合に該患者に該細菌組成物を投与することをさらに含む。一実施形態では、評価の対象となる患者は炎症性腸疾患またはC.ディフィシル(C.difficile)感染症に罹患している。

0035

このほか、本発明の細菌組成物による治療に対する対象の応答をモニターする方法が提供され、この方法は、(a)本明細書に記載の細菌組成物による治療前に患者から糞便試料または大腸生検など試料を(少なくとも1つ)採取すること;(b)本明細書に記載の細菌組成物による治療後に該患者から対応する試料を(少なくとも1つ)採取すること;ならびに(c)(a)で採取した試料中のクロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662からなる群より選択される少なくとも1種類の細菌種の割合または絶対数と、(b)で得られた試料中の同じ少なくとも1種類の細菌種の割合または絶対数とを比較することを含み、(b)(該細菌組成物による治療後)で得られた試料中の値が(a)(治療前)で得られた試料中より大きいことは、該対象が治療に良好に応答したことの指標となる(例えば、該対象において免疫抑制が増強されたことのプラスの指標となる)。

0036

いくつかの実施形態では、該方法は、(d)(c)での比較に基づいて、該患者に該細菌組成物をさらに投与するか、該患者への該細菌組成物の投与を中止することをさらに含む。任意選択で、該方法は、クロストリジウムクラスターIVおよびXIVaに属するが、該細菌組成物中には存在しない他の共生種の割合または絶対数を該対象の試料で測定することを含んでよく、治療後の値が治療前の値より大きいことは、該対象が治療に良好に応答したことを示す。

発明の効果

0037

本明細書に記載の組成物および方法の効果
本明細書に記載の組成物は、本明細書に記載されているクロストリジウム類をはじめとする細菌に属する選択された細菌;このような細菌の培養上清;このような細菌に由来する生理活性物質;または上記のうちの2つもしくは3つの組合せを有効成分として含有するものであり、制御性T細胞(Treg細胞)の増殖または集積の誘導に優れている。

0038

例えば飲食品中でもしくは栄養補助食品として該細菌組成物を経口摂取する、または該細菌組成物を含む医薬組成物を投与するなどの本発明の組成物の投与によって、個体の免疫を抑制できる。本発明の組成物は、例えば、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症の予防または治療、ならびに臓器移植などにおける免疫拒絶の抑制に用いることが可能である。さらに、健康食品などの飲食品が本発明の組成物を含んでいれば、健常個体が該組成物を日常的に容易に摂取できる。その結果、制御性T細胞増殖および/または集積を誘導し、免疫機能を改善することが可能である。

0039

本明細書に記載の組成物は、免疫仲介性の病態に対する、自然で持続性のある患者にやさしい穏和な代替療法となる。例えば、炎症性腸疾患は現在、重度副作用を示し得る合成薬(コルチコステロイド、TNF阻害剤など)、経口投与ができない合成薬(TNF阻害剤など)、丸剤を1日に数回服用し投与が不便な合成薬(メサラジンまたはスルファサラジンなど)または効果が少なく一時的である合成薬(現在市販されているプロバイオティクス、例えば、LGG乳酸菌(Lactobacillus GG)、アシドフィルス菌(Lactobacillus acidophilus)、ビフィズス菌(Bifidobacterium longum)など)で治療されている。

図面の簡単な説明

0040

図1Aは、GFマウスあるいは未処理のヒト糞便で定着させたGFマウス(+huUT、n=4、番号#A1〜#A4)またはクロロホルム処理したヒト糞便で定着させたGFマウス(+huChloro、n=4、番号#B1〜#B4)の大腸粘膜固有層(CLPL、左パネル)および小腸粘膜固有層(SI LPL、右パネル)から採取しFoxp3発現によってゲートをかけたCD4細胞を示すヒストグラムである。図1Bは、GFマウスあるいは未処理のヒト糞便で定着させたGFマウス(+huUT)またはクロロホルム処理したヒト糞便で定着させたGFマウス(+huChloro)の大腸粘膜固有層(左パネル)および小腸粘膜固有層(右パネル)のFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現を示すヒストグラムである。(A)および(B)の区切った線分の上側にある数値個体群百分率を表す。
それぞれGFマウスあるいは未処理のヒト糞便で定着させたGFマウス(+huUT)またはクロロホルム処理したヒト糞便で定着させたGFマウス(+huChloro)の大腸粘膜固有層(左パネル)および小腸粘膜固有層(右パネル)のCD4+細胞におけるFoxp3発現と、Foxp3+CD4+細胞におけるHelios発現に関する統合データを表すグラフである。(C)および(D)の丸はそれぞれ個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。*P<0.05;**P<0.001、対応のないt−検定
GFマウスあるいは未処理のヒト糞便で定着させたGFマウス(+huUT)またはクロロホルム処理したヒト糞便で定着させたGFマウス(+huChloro)の大腸粘膜固有層(上パネル)および小腸粘膜固有層(下パネル)のCD4+細胞におけるIL−17およびIFN−の細胞内発現に関する代表的なフローサイトメトリードットプロットである。(E)の各象限の数値は個体群の百分率を表す。
それぞれGFマウスあるいは未処理のヒト糞便で定着させたGFマウス(+huUT)またはクロロホルム処理したヒト糞便で定着させたGFマウス(+huChloro)の大腸粘膜固有層(左パネル)および小腸粘膜固有層(右パネル)のCD4+細胞におけるIL−17およびIFN−発現に関する全マウスの統合データを示す図である。(F、G)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。*P<0.05;ns、有意差なし(P>0.05)、対応のないt−検定。
GFマウスおよび予め高圧滅菌したクロロホルム処理ヒト糞便の懸濁物経口接種(週1回を4週間)したGFマウスのCD4+細胞におけるFoxp3発現(Aの上パネル、Bの左パネル)、またはFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現(Aの下パネル、Cの右パネル)に関する代表的なプロット(A)および統合データ(B、C)を示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B、C)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。ns、有意差なし(P>0.05)、対応のないt−検定。
GFマウスおよびクロロホルム処理したヒト糞便を経口接種したGFマウス(+huChloro、n=7、番号#C1〜#C7)の大腸および小腸粘膜固有層リンパ球のCD4+細胞におけるFoxp3発現に関する代表的なプロット(A、ここではマウス#C4のデータを示す)および統合データ(B)を示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。**P<0.001、対応のないt−検定。
GFマウスならびにクロロホルム処理したヒト糞便で定着させたex−GFマウス#C6および#C7と同居させたGFマウス(番号#D1〜#D6)の大腸粘膜固有層(C LPL)および小腸粘膜固有層(SI LPL)のCD4+細胞におけるFoxp3発現に関する代表的なプロット(A)および統合データ(B)を示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。**P<0.001、対応のないt−検定。
GFマウス、2000倍に希釈した#C4マウス糞便懸濁物を接種したGFマウス(+×2000、n=4、番号#E1〜#E4)または20000倍に希釈した#C4マウス糞便懸濁物を接種したGFマウス(+×20000、n=8、番号#F1〜#F8)の大腸粘膜固有層(C LPL)および腸粘膜固有層(SI LPL)のCD4+細胞におけるFoxp3発現(A、B)、またはFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現(C)に関する代表的なプロットおよび統合データを示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B)および(C)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。*P<0.05;**P<0.001、対応のないt−検定。
GFマウス、および#F3(n=5)、#F7(n=4)または#F8(n=4)マウスの糞便懸濁物を接種したGFマウスの大腸粘膜固有層(C LPL)および小腸粘膜固有層(SI LPL)のCD4+細胞におけるFoxp3発現(A、C)、またはFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現(B、D)に関する代表的なプロット(A、B)および統合データ(C、D)を表す図である。(A)および(B)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(C)および(D)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。*P<0.05;**P<0.001、対応のないt−検定。
GFマウスおよび#F8マウスの盲腸内容物から単離された3種類の細菌株を接種したGFマウス(n=4、番号#J1〜#J4)のCD4+細胞におけるFoxp3発現(A、B)またはFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現に関する代表的なプロット(A)および統合データ(B、C)を示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B)および(C)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。ns、有意差なし(P>0.05)、対応のないt−検定。
盲腸試料中の同じ最近縁種を有するOTUの相対存在量を示す図である(マウス#A1、#C4、#F8、#G2、#H3、#I3、#J3および#K3の盲腸内容物から細菌DNAを抽出し、棒で示した)。各試料に検出された総OTU数を棒の下に示す。試料#H3、#I3または#K3に検出されたOTUの名称、その最近縁種およびその最近縁種との類似性を右の表に示す。
GFマウスおよび#G2マウスの盲腸内容物の培養プレートから回収した細菌を接種したGFマウス(n=4、番号#K1〜#K4)の大腸粘膜固有層(C LPL)および小腸粘膜固有層(SI LPL)のCD4+細胞におけるFoxp3発現(A、B)、またはFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現(A、C)に関する代表的なプロット(A)および統合データ(B、C)を示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B)および(C)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。*P<0.05;**P<0.001、対応のないt−検定。
GFマウスおよび単離され表2に示した23菌株の混合物(23mix)を接種したGFマウスの大腸粘膜固有層(C LPL)および小腸粘膜固有層(SI LPL)のCD4+細胞におけるFoxp3発現(A,B)、またはFoxp3+CD4+細胞におけるHelios発現(A,C)に関する代表的なプロット(A)および統合データ(B、C)を示す図である。(A)の区切った線分の上側にある数値は個体群の百分率を表す。(B)および(C)の各丸は個々のマウスを表し、エラーバーはSDを表す。*P<0.05;**P<0.001、対応のないt−検定。
2×104〜2×107倍に希釈した+huChloマウスの盲腸試料を接種した成体GFマウスにおけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。実験を3回以上実施した。エラーバーはSDを表す。スチューデントt検定による計算で**P<0.01、*P<0.05。
単離され表2に示した23菌株の混合物(23−mix)を接種した成体GFマウス、クロロホルム処理したヒト糞便を接種した成体GFマウス(+huChlo)およびフィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)を接種した成体GFマウス(+Faecali)の大腸におけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。エラーバーはSDを表す。スチューデントt検定による計算で**P<0.01。
+2×104マウスの盲腸内容物を二次接種した成体GFマウス(+2×104−re)ならびに同盲腸内容物を三次接種した成体GFマウス(+2×104−re−re)、および2×104倍に希釈した+2×104マウスの盲腸試料を接種した成体GFマウス(+(2×104)2)におけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。
454シーケンサーを用いて、定義されるマウス(+hu、+huChlo、+2×104、+2×104−re、(+2×104)2、+23−、mix)の盲腸内容物について16s rDNAパイロシーケンシングを実施した結果を示す図である。各マウスの盲腸細菌群におけるOTUの相対存在量(%)ならびに示されるOTUについてデータベースにおける最近縁株および対応する単離菌種番号が示されている。
単離され表4に示した17菌株の混合物(17−mix)を接種した成体IQI、BALBおよびB6 GFマウスの大腸におけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。スチューデントt検定による計算で**P<0.01。
表4に記載した17菌株(17−mix)それぞれで単一定着させた成体IQI GFマウスにおけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。
表4に記載した3−mix、5mix−A、5−mix−B、5−mix−Cまたは17−mixで定着させた成体IQI GFマウスにおけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。丸は個々のマウスを表す。実験を3回以上実施し、ほぼ同じ結果が得られた。エラーバーはSDを表す。スチューデントt検定による計算で**P<0.01、*P<0.05、ns、有意差なし。
17−mixを反復接種した成体SPFマウス(SPF+17mix;n=5)または対照(SPF+cont;n=6)におけるFoxp3+CD4+細胞集積の代表的なプロットを示す図である。スチューデントt検定による計算で**P<0.01。
定性下痢スコアにより測定した下痢OVAモデルに対する17−mix接種の効果を示す図である。スチューデントt検定による計算で*P<0.05。
大腸炎の実験モデルに使用される薬剤トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)に曝露した後、表4に記載した17菌株の混合物(17−mix)を接種した成体マウス生存率を示す図である。
潰瘍性大腸炎被験者および健常被験者のヒト糞便微生物叢における17−mix菌株それぞれの相対存在量を示す図である。MetaHITデータベースに公開されている健常被験者15例および潰瘍性大腸炎被験者20例のリードと17菌株のゲノムの配列を比較した。17菌株のゲノムそれぞれについて健常被験者群およびUC群でマップされたリードの平均数が示されている。エラーバーはSEMを表す。スチューデントt検定による計算で*P<0.05。

0041

表の簡単な説明
表1は、マウス#A1、#C4、#F8、#G2、#H3、#I3、#J3および#K3の盲腸内容物から抽出した細菌DNAの16srRNAコード遺伝子増幅ならびにPCRによるメタ配列決定による配列(各試料について3400リード)の分類BLASTを用いた配列類似性に基づく分類、核酸データベースの配列と97%超の同一性)から各OTUについて得られた検出リード数および最近縁種を示す。

0042

表2は、BL寒天またはEG寒天プレートを用いてマウス#F8、#G2、#I1および#K3の盲腸内容物から単離された17菌株のそれぞれについて、既知種での最近縁種、最近縁種との類似性の最大値、クロストリジウム科クラスターにおける分類、由来するマウスのID、および単離に用いた培地を示す。

0043

表3は、BL寒天またはEG寒天プレートを用いてマウス#F8、#G2、#I1および#K3の盲腸内容物から単離された31菌株のそれぞれについて、既知種での最近縁種、最近縁種との類似性の最大値、BLAST検索に用いたデータベース、および菌株間の類似性を示す。

0044

表4は、単離された31菌株それぞれの16S rDNA解析の結果を示す。31菌株の各株から細菌DNAを単離し、単離物の16S rDNAをコロニーPCRにより増幅した。増幅した各DNAを精製し、配列決定し、ClustalWソフトウェアプログラムを用いて配列比較した。各菌株の16S rDNAの配列に基づいて、その最近縁種、最近縁種との%類似性、および他の菌株との類似性を示す。23−mix、17−mix、5−mixA、5−mixB、5−mixCおよび3−mixに含まれていた菌株については右欄に印が付けてある。

実施例

0045

<制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用を有する組成物>
制御性T細胞の増殖、集積または制御性T細胞の増殖と集積の両方を誘導する組成物についてここに記載する。該組成物は、以下に挙げるもののうち1つ以上を有効成分として含む:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662からなる群より選択される(少なくとも1種類、1種類以上の)生物体、1種類以上の該細菌の培養上清、本明細書に記載の(少なくとも1種類、1種類以上の)細菌を増殖させた培地の成分、本明細書に記載の(少なくとも1種類;1種類以上の)細菌に由来する生理活性物質;ならびに上記細菌種など本明細書に記載されているいずれかの細菌種DNAのヌクレオチド配列と少なくとも97%の相同性を有するヌクレオチド配列を含むDNAを含む(少なくとも1種類;1種類以上の)細菌。本明細書に記載の細菌は、実施例19〜28で概説する方法を用いてヒト糞便試料から単離されたものである。

0046

「制御性T細胞」という用語は、異常なまたは過剰な免疫応答を抑制し、かつ免疫寛容に何らかの役割を果たしているT細胞を指す。制御性T細胞は通常、転写因子Foxp3陽性CD4陽性T細胞である。本発明の制御性T細胞にはこのほか、IL−10を産生するCD4陽性T細胞である転写因子Foxp3陰性の制御性T細胞が含まれる。

0047

「制御性T細胞の増殖または集積を誘導する」という用語は、制御性T細胞の増殖および/または集積に至る、未成熟T細胞から制御性T細胞への分化を誘導する作用を指す。さらに、「制御性T細胞の増殖または集積を誘導する」という用語の意味にはインビボにおける作用、インビトロにおける作用およびエクスビボにおける作用が含まれる。以下に挙げる作用がすべて含まれる:クロストリジウム類に属する上記細菌、該細菌の培養上清もしくは上清成分(1つまたは複数)、または該細菌に由来する生理活性物質の投与または摂取により、インビボで制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用;クロストリジウム類に属する上記細菌、該細菌の培養上清もしくは上清成分(1つまたは複数)、または該細菌に由来する生理活性物質を、培養制御性T細胞に作用させることにより、その増殖または集積を誘導する作用;ならびにクロストリジウム類に属する上記細菌、該細菌の培養上清もしくは上清成分(1つまたは複数)、または該細菌に由来する生理活性物質を、生体から採取したのちにそれを採取した生体または別の生体などの生体に導入する予定である制御性T細胞に作用させることにより、その増殖または集積を誘導する作用。制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用は、例えば、次のように評価することができる。具体的には、クロストリジウム類に属する上記細菌、該細菌の培養上清もしくは上清成分(1つまたは複数)、または該細菌に由来する生理活性物質を無菌マウスなどの実験動物に経口投与し、その後、大腸におけるCD4陽性細胞を単離し、該細胞に含まれる制御性T細胞の割合を、フローサイトメトリーにより測定する(実施例7を参照のこと)。

0048

本発明の組成物により増殖または集積が誘導される制御性T細胞は、好ましくは、転写因子Foxp3陽性の制御性T細胞またはIL−10産生性の制御性T細胞である。

0049

本発明では、「ヒト由来細菌」は、ヒト個体から採取した糞便試料もしくは消化管生検から単離された細菌種またはヒトから採取した糞便試料もしくは消化管生検から単離された細菌を祖先とする(例えば、糞便試料もしくは消化管生検から採取された細菌の子孫である)細菌種を意味する。例えば、該細菌種は、ヒトから採取した糞便試料または消化管生検から既に単離され、子孫が生じるのに十分な時間培養されたものであってよい。次いで、この子孫をさらに培養または凍結することができる。ヒト由来細菌は、ヒト個体、好ましくは健常なヒト個体の消化管に生息する天然の共生生物である。

0050

本発明では、「クロストリジウム類」という用語(「クロストリジウム類に属する細菌を含有する組成物」における場合など)は、ファーミキューテス門に属し芽胞形成能を有するグラム陽性偏性嫌気性菌一種を指す。現在この種類の細菌のほとんどがクロストリジウム目に含まれているが、この分類は依然として一部旧来の方法に基づくものであり、将来、配列決定技術が新たに進歩し、この種類の細菌の全ゲノムの配列決定が可能になることで再定義される可能性があることに留意することが重要である。本発明者らがTregを強力に誘導するものであると同定しインビトロで培養した、クロストリジウム類に属する17種の豊富にみられた種の分類を表2にまとめる。ここに挙げた種はいずれも、現在の分類規則に従ってクロストリジウム科に分類され、クラスターIV、XIVa、XVIおよびXVIIIに属する。

0051

本発明の組成物は、上記細菌株のいずれか1つの菌株を単独で(1つの菌株のみ)含み得るが、該細菌の2つ以上の菌株を一緒に用いることもできる。例えば、表2または表4に挙げた菌株のうち1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の菌株を任意の組合せで一緒に用いて制御性T細胞に作用させることができる。いくつかの実施形態では、表4に挙げた23種、17種、5種または3種の混合物を一緒に用いて(および1種または複数種の組成物で投与して)制御性T細胞に作用させることができる。いくつかの実施形態では、以下の菌株を組み合わせることができる(該組成物が含む):表4に記載されている菌株1(OTU136、最近縁種:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298)、菌株3(OTU221、最近縁種:フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATTC29799)、菌株4(OTU9、最近縁種:クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1)、菌株5(OTU296、最近縁種:クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA)、菌株6(OTU21、最近縁種:ブラウティア・ココイデス(Blautia coccoides)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA)、菌株7(OUT166、最近縁種:クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613)、菌株8(OTU73、最近縁種:cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A)、菌株9(OTU174、最近縁種:クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662)、菌株10(OTU166、最近縁種:クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613)、菌株12(OTU55、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)、菌株13(OTU337、最近縁種:アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241)、菌株14(OTU314、最近縁種:ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA)、菌株15(OTU195、最近縁種:クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981)、菌株16(OTU306、最近縁種:クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163)、菌株18(OTU46、最近縁種:クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum))、菌株21(OTU87、最近縁種:ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5)、菌株23(OTU152、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)、菌株24(OTU253、最近縁種:オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML 061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes))、菌株25(OTU259、最近縁種:ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5)、菌株26(OTU281、最近縁種:クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA)、菌株27(OTU288、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)、菌株28(OTU344、最近縁種:クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、クロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA)、および菌株29(OTU359、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)。

0052

いくつかの実施形態では、以下の菌株を組み合わせることができる(該組成物が含む):表4に記載されている菌株1(OTU136、最近縁種:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298)、菌株3(OTU221、最近縁種:フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATTC29799)、菌株4(OTU9、最近縁種:クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1)、菌株6(OTU21、最近縁種:ブラウティア・ココイデス(Blautia coccoides)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA)、菌株7(OUT166、最近縁種:クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613)、菌株8(OTU73、最近縁種:cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A)、菌株9(OTU174、最近縁種:クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662)、菌株13(OTU337、最近縁種:アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241)、菌株14(OTU314、最近縁種:ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA)、菌株15(OTU195、最近縁種:クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981)、菌株16(OTU306、最近縁種:クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163)、菌株18(OTU46、最近縁種:クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum))、菌株21(OTU87、最近縁種:ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5)、菌株26(OTU281、最近縁種:クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA)、菌株27(OTU288、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)、菌株28(OTU344、最近縁種:クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、クロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA)、および菌株29(OTU359、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)。

0053

いくつかの実施形態では、以下の菌株を組み合わせることができる(該組成物が含む):表4に記載されている菌株1(OTU136、最近縁種:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298)、菌株4(OTU9、最近縁種:クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1)、菌株16(OTU306、最近縁種:クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163)、菌株27(OTU288、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)、および菌株29(OTU359、最近縁種:ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1)。いくつかの実施形態では、以下の菌株を組み合わせることができる:表4に記載されている菌株6(OTU21、最近縁種:ブラウティア・ココイデス(Blautia coccoides)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA)、菌株8(OTU73、最近縁種:cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A)、菌株13(OTU337、最近縁種:アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241)、菌株14(OTU314、最近縁種:ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA)、および菌株26(OTU281、最近縁種:クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA)。いくつかの実施形態では、以下の菌株を組み合わせることができる:表4に記載されている菌株3(OTU221、最近縁種:フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATTC29799)、菌株7(OUT166、最近縁種:クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCCBAA−613)、菌株9(OTU174、最近縁種:クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662)、菌株15(OTU195、最近縁種:クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981)、および菌株28(OTU344、最近縁種:クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、クロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA)。いくつかの実施形態では、以下の菌株を組み合わせることができる:表4に記載されている菌株1(OTU136、最近縁種:クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298)、菌株2(OTU46、最近縁種:フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC 29799)および菌株3(OTU221、最近縁種:フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATTC 29799)。

0054

上記細菌種、好ましくはクロストリジウムクラスターXIVaまたはクラスターIVに属する細菌種の菌株を複数組み合わせて用いることによって、制御性T細胞に対して優れた効果を発揮させることができる。クラスターXIVaおよびクラスターIVに属する細菌のほかにも、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)(クラスターXVIIIに属する)およびcf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055(クラスターXVIに属する)を用いることができる。細菌を1菌株以上(例えば、クラスターXIVaに属する菌株を1つ以上、クラスターIVに属する菌株を1つ以上、クラスターXVIIIもしくはXVIに属する菌株を1つ以上または上記のいずれかの組合せ)を用いる場合、用いる菌株の数および比は様々なものであり得る。用いる数および比は、様々な因子(例えば、制御性T細胞の増殖または集積の誘導または阻害などの所望の効果;治療、予防または重症度軽減の対象となる疾患または病態;被投与者年齢または性別;健常なヒトにおける菌株の典型的な量)に基づいて決定できる。

0055

該菌株は単一の組成物中に存在していてよく、この場合、該菌株を同時に摂取または吸収することが可能であり(単一の組成物で)、あるいは、該菌株は2つ以上の組成物中に存在してもよく(例えば、それぞれ別々の組成物中に存在してもよい)、この場合、該菌株が別々に摂取され得るか、組成物を組み合わせて、得られる組合せ(併用組成物)が摂取または吸収され得る。効果を奏する任意の数または組合せの菌株(例えば、1〜20、1〜15、1〜10、1〜5、1〜3、1〜2などの1〜22の任意の数、およびその間の任意の数または例えば、1〜23、3〜23、5〜23、1〜20、1〜17、3〜17、5〜17、1〜15、1〜10、1〜5、3〜5、1〜3、1〜2などの1〜23、およびその間の任意の数)を投与することができる。

0056

本発明の特定の実施形態では、本開示に記載されている22または23菌株(例えば、実施例32および表4の23菌株)の一部または全部の組合せを用いる。例えば、記載されている22または23菌株の少なくとも1、2以上、3、3以上、4、4以上、5、5以上、6、6以上または22もしくは23菌株を含めた任意の数の菌株を用いることができる。いくつかの実施形態では、表4に記載されている3、5、17または23菌株の特定の組合せを用いることができる(該組成物は、表4に記載されている3、5、17または23菌株の組合せを含む)。ここに挙げた菌株は互いに組み合わせても、引用文献に記載されていない菌株と組み合わせても使用することができる。

0057

クロストリジウム類に属する細菌、特に本明細書に記載の細菌などの細胞は、芽胞型でも栄養型でも用いることができる。高温高圧条件に対して安定である、有効期間が長い、取扱いが容易である、抗生物質に耐性を示す、ならびにコールドチェーンによる保存および流通を必要としないという観点から言うと、該細菌は芽胞型であることが好ましくてよい。設備が芽胞に汚染されることが許容されない特定の製造組織の指示の順守という観点からいうと、該細菌は逆に栄養型の細胞で生産(のちに投与)され得る。

0058

「クロストリジウム類に属する細菌に由来する生理活性物質」という用語は、該細菌に含まれる物質、該細菌の分泌産物、および該細菌の代謝産物包含する。このような生理活性物質は、既知の精製方法によって該細菌、その培養上清、またはクロストリジウム類に属する菌だけが定着したマウスの腸管内容物から活性成分を精製することにより同定が可能である。

0059

ヒトから採取した糞便試料の「クロロホルム処理」とは、糞便試料中に存在し芽胞形成能を有する細菌を単離する方法のことであり、芽胞形成画分がヒトの糞便をクロロホルム(例えば、3%クロロホルム)で処理することによって得られ、かつマウス制御性T細胞およびヒト制御性T細胞などの哺乳動物制御性T細胞を含む制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用を有する限り、特に限定されるものではない。

0060

上記「クロストリジウム類に属する細菌」を培地で培養すると、該細菌からは、該細菌に含まれる物質、該細菌によって産生される分泌産物および代謝産物が放出される。本発明の組成物の有効成分である「細菌の培養上清」の意味には、このような物質、分泌産物、および代謝産物が包含される。培養上清は、制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用を有する限り特に限定されるものではない。培養上清の例としては、培養上清のタンパク質画分、培養上清のポリサッカライド画分、培養上清の脂質画分、および培養上清の低分子代謝産物画分が挙げられる。

0061

細菌組成物は、医薬組成物、栄養補助食品、または飲食品(動物用飼料であってもよい)の形態で投与してもよく、あるいはモデル動物実験の試薬として用いてもよい。医薬組成物、栄養補助食品、飲食品、および試薬は制御性T細胞の増殖または集積を誘導する。本明細書に記載されている実施例では、クロストリジウム類に属する細菌等により誘導された制御性T細胞(Treg細胞)が、エフェクターT細胞の増殖を抑制することが明らかになった。本発明の組成物は、免疫抑制作用を有する組成物として好適に用いることができる。免疫抑制作用は、例えば、以下のように評価できる。本発明の組成物を経口投与したマウスなどの実験動物から単離した制御性T細胞を、脾臓から単離したエフェクターT細胞(CD4+CD25−細胞)に作用させ、その増殖能を[3H]−チミジン取り込み量を指標に測定する(実施例14を参照のこと)。

0062

本発明の細菌組成物は、例えば、慢性炎症性腸疾患全身性エリテマトーデス関節リウマチ多発性硬化症、もしくは橋本病などの自己免疫疾患;食物アレルギー花粉症、もしくは喘息などのアレルギー疾患;クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)による感染症などの感染症;TNF仲介性の炎症性疾患(例えば、回腸嚢炎などの消化管の炎症性疾患、アテローム性動脈硬化症などの心血管系炎症性病態、もしくは慢性閉塞性肺疾患などの炎症性肺疾患)などの炎症性疾患を予防または治療する(その有害作用を部分的にもしくは全面的に軽減する)ための医薬組成物として;組織拒絶が起こり得る臓器移植をはじめとする状況における拒絶反応を抑制するための医薬組成物として;免疫機能を改善するための栄養補助食品、飲食品として;またはエフェクターT細胞の増殖もしくは機能を抑制するための試薬として使用することができる。

0063

該組成物が治療(有害作用の軽減または予防)に有用な対象疾患のさらに具体的な例としては、自己免疫疾患、アレルギー疾患、感染症、および臓器移植における拒絶反応、例えば炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病スプルー自己免疫性関節炎リウマチ性関節炎1型糖尿病、多発性硬化症、骨髄移植付随する移植片対宿主拒絶反応、変形性関節症若年性慢性関節炎ライム病関節炎、乾癬性関節炎反応性関節炎脊椎関節症、全身性エリテマトーデス、インスリン依存性糖尿病、甲状腺炎、ぜんそく、乾癬強皮症皮膚炎(dermatitis scleroderma)、アトピー性皮膚炎、移植片対宿主拒絶反応、臓器移植に関連した急性又は慢性免疫疾患サルコイドーシスアテローム性動脈硬化播種性血管内凝固症候群川崎病グレーブス病(パセドゥ病)、ネフローゼ症候群慢性疲労症候群ヴェーゲナー肉芽腫症、ヘノッホ・シェ−ライン紫斑病腎臓における顕微鏡血管炎慢性活動性肝炎ブドウ膜炎敗血症性ショック毒素性ショック症候群敗血症候群、悪液質エイズ後天性免疫不全症候群)、急性横断性脊髄炎ハンチントン舞踏病パーキンソン病アルツハイマー病、脳卒中、原発性胆汁性肝硬変症、溶血性貧血、多腺性機能不全症候群1型、多腺性機能不全症候群2型シュミット症候群成人(急性)呼吸窮迫症候群脱毛症円形脱毛症血清反応陰性関節症、関節症、ライター病乾癬性関節症クラミジア感染症、エルシニアサルモネラ感染による関節症、脊椎関節症、アテローム性疾患動脈硬化アレルギー性大腸炎、アトピー性アレルギー、食物アレルギー(例えば、ピーナッツアレルギー、ナッツアレルギー、卵アレルギー、乳アレルギー、大豆アレルギー小麦アレルギー魚介アレルギー、アレルギーまたはゴマアレルギー、など)、自己免疫性水疱性疾患、尋常性天疱瘡落葉状天疱瘡類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血クームス試験陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋肉脊髄炎/ロイヤフリー病、慢性粘膜皮膚カンジダ症巨細胞性動脈炎原発性硬化性肝炎特発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全症候群、後天性免疫不全関連疾患、C型肝炎分類不能型免疫不全症(分類不能型低ガンマグロブリン血症)、拡張型心筋症線維性肺疾患、特発性線維化性肺胞炎炎症後間質性肺炎、間質性肺炎、結合組織病間質性肺疾患混合性結合組織疾患肺疾患全身性硬化症間質性肺疾患、関節リウマチ間質性肺疾患、全身性エリテマトーデス肺疾患、皮膚筋炎多発性筋炎肺疾患、シェーグレン病肺疾患、強直性脊椎炎肺疾患、血管炎性びまん性肺疾患、ヘモジデリン沈着症肺疾患、薬剤誘発性間質性肺疾患、放射線線維症閉塞性細気管支炎、慢性好酸球肺炎リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺炎、痛風性関節炎、自己免疫性肝炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性又はルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎抗(抗LKM1抗体肝炎)、自己免疫性低血糖黒色表皮腫によるB型インスリン抵抗性副甲状腺機能低下症、臓器移植に関連した免疫疾患、臓器移植に関連した慢性免疫疾患、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、特発性白血球減少症自己免疫性好中球減少症腎疾患NOS、糸球体腎炎、腎臓における顕微鏡的血管炎、円板状エリテマトーデス、特発性男子不妊症またはNOS、精子自己免疫、多発性硬化症(全てのサブタイプに関する)、インスリン依存性糖尿病、交感性眼炎肺高血圧症による結合組織病、グッドパスチャー症候群結節性多発動脈炎肺症状急性リウマチ熱リウマチ様脊椎炎スティル病、全身性硬化症、高安病動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患甲状腺機能亢進症甲状腺腫甲状腺機能低下症(橋本病)、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑アレルギー性鼻炎花粉アレルギー)、アナフィラキシーペットアレルギー、ラテックスアレルギー、薬物アレルギー、アレルギー性鼻炎結膜炎好酸球性食道炎好酸球増加症候群、好酸球性胃腸炎、皮膚エリスマトーデス、好酸球性食道炎、好酸球増加症候群、好酸球性胃腸炎、および下痢が挙げられる。

0064

該組成物が治療に有用な対象疾患のほかの例としては、結腸癌嚢胞性線維症セリアック病、2型糖尿病、および自閉症に関連する免疫病理が挙げられる。ここに挙げた疾患は、消化管微生物叢におけるクロストリジウムクラスターIVおよびXIVの減少を特徴とする。

0065

本明細書に記載の組成物はほかにも、例えば、免疫による過度の炎症または患者のミクロビオームの変化によるダメージによって、感染症に対する耐性が損なわれている個体の感染症を予防または治療するための医薬組成物として使用することができる。宿主のホメオスタシスの維持または回復を損ない、結果としてこのような免疫病理学的な組織ダメージを与える感染性病原体の例としては、サルモネラ、赤痢菌、クロストリジウム.ディフィシル(C. difficile)、マイコバクテリウム結核の原因となる)、原虫マラリアの原因となる)、糸状線虫類フィラリア症の原因となる)、住血吸虫住血吸虫症の原因となる)、トキソプラズマトキソプラズマ症の原因となる)、リーシュマニアリーシュマニア症の原因となる)、HCVおよびHBC(C型肝炎およびB型肝炎の原因となる)、ならびに単純ヘルペスウィルスヘルペスの原因となる)が挙げられる。

0066

業者に公知の製剤方法によって、記載の細菌組成物から医薬品を製剤化できる。例えば、該組成物はカプセル剤錠剤、丸剤、小袋剤、液剤散剤顆粒剤細粒剤フィルムコーティング剤ペレット剤トローチ剤下剤咀嚼剤バッカル剤ペースト剤シロップ剤懸濁剤エリキシル剤乳剤塗布剤軟膏剤硬膏剤パップ剤経皮吸収型製剤ローション剤吸引剤エアゾール剤注射剤坐剤などの形態で経口的または非経口的に使用することができる。

0067

上に挙げた製剤を製剤化するために、該細菌組成物を、以下のものを1つ以上含む薬学的に許容されるまたは飲食品などでの摂取が許容される担体と適宜組み合わせて使用することができる:滅菌水生理食塩水植物油溶剤基剤乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤芳香剤賦形剤、溶媒、防腐剤結合剤、希釈剤、等張化剤無痛化剤増量剤崩壊剤緩衝剤コーティング剤滑沢剤着色剤甘味剤粘稠剤、矯味矯臭剤溶解補助剤、およびその他の添加剤

0068

医薬品また医薬製剤、特に経口投与のための医薬品は、大腸における制御性T細胞の増殖または集積をさらに効率的に誘導するために、本発明の組成物を大腸に効率的に送達することを可能にする追加の組成物を含む。該細菌組成物の大腸への送達を可能にする様々な組成物を用いることができる。その例としてはpH感受性組成物が挙げられ、より具体的には、腸溶性ポリマーを通過後pHがアルカリ性になったときに内容物を放出する緩衝化小袋製剤または腸溶性ポリマーが挙げられる。医薬品の製剤化にpH感受性組成物を使用する場合、pH感受性組成物は該組成物の分解されるpHの閾値が約6.8〜約7.5であるポリマーであることが好ましい。このような数値範囲は、胃の遠位部においてpHがアルカリ側へ移行する範囲であるため、大腸への送達に用いるのに好適な範囲である。

0069

該細菌組成物を大腸に送達するのに有用な医薬品のまた別の実施形態は、内容物(例えば、該細菌組成物)の放出を小腸通過時間に相当する約3〜5時間だけ遅らせることによって大腸への送達を確保する組成物が挙げられる。放出を遅らせる医薬品の1つの実施形態では、ハイドロゲルを殻として用いる。ハイドロゲルは胃腸液と接触すると水和して膨張し、その結果、内容物が効率的に溶出される(主として大腸で放出される)。放出を遅らせる投与単位としては、投与する薬物または薬剤有効成分をコートするか、選択的にコートする材料を有する、薬物含有組成物が挙げられる。このような選択的コーティング材料としては例えば、生体内分解性ポリマー、徐々に加水分解されていくポリマー、徐々に水溶していくポリマー、および/または酵素分解性ポリマーが挙げられる。放出を効率的に遅らせるコーティング材料としては多数のものが利用可能であり、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーメタクリル酸ポリマーおよびコポリマーなどのアクリル酸ポリマーおよびコポリマー、ならびにポリビニルピロリドンなどのビニルポリマーおよびコポリマーが挙げられる。

0070

大腸への送達を可能とする組成物としてはさらに、大腸粘膜特異的に接着する生体接着性組成物(例えば、米国特許第6,368,586号明細書に記載のポリマー)および消化管において特に生物学的製剤タンパク質分解酵素活性による分解から守るためにプロテアーゼ阻害剤を組み込んだ組成物が挙げられる。

0071

大腸への送達を可能にするシステムとしては、例えば、細菌発酵によるガス産生の結果として生じる胃の遠位部における圧力変化を利用して内容物を放出するような、圧力変化によって引き起こされる大腸への送達システムが挙げられる。このようなシステムは特に限定されるものではなく、その具体例としては、坐薬基剤中に内容物を分散させ疎水性ポリマー(例えばエチルセルロース)でコートしたカプセルが挙げられる。

0072

大腸への送達を可能にするシステムのまた別の例には、大腸に存在する酵素(例えば、炭水化物加水分解酵素または炭水化物還元酵素)によって特異的に分解される大腸への組成物送達システムがある。このようなシステムは特に限定されるものではなく、その具体例としては、非デンプン多糖類、アミロースキサンタンガム、およびアゾポリマーなどの食物成分を使用するシステムが挙げられる。

0073

該細菌組成物を医薬品として用いる場合、免疫抑制に用いられる既知の医薬組成物と併用してもよい。いくつかの実施形態では、該医薬品は、該細菌組成物と既知の医薬組成物をともに含み得る。このような公知の医薬組成物は特に限定されるものではなく、コルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制剤、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミングルココルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、抗ロイコトリエン、抗コリン鼻炎薬、抗コリン充血除去剤、肥満細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン(好ましくは、アレルゲンの量を徐々に増加させるワクチン接種に用いるワクチン)、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴール、ゴリムマブ、またはエタネルセプトなどの抗TNF阻害剤、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの治療用組成物であり得る。ここに挙げた治療用組成物を本明細書に記載の細菌組成物と併用することが好ましい。このほか、該細菌組成物は、自己免疫疾患またはアレルギー疾患の予防または治療のためのワクチンなどワクチン製剤の効力を改善するアジュバントとして用いてもよい。

0074

該細菌組成物は、飲食品、例えば健康飲食品、乳児用の飲食品、妊婦運動選手高齢者をはじめとする特定のグループの飲食品、機能性食品、飲料、特定保健用飲食品、栄養補助食品、病者用飲食品、または動物用飼料などとして用いることができる。飲食品の具体例としては、ジュース清涼飲料水茶飲料ドリンク剤ゼリー状飲料機能性飲料等の各種飲料;ビール等のアルコール飲料飯類麺類パン類およびパスタ類等の炭水化物含有食品魚肉ハムソーセージ水産練り製品等の練製品カレー、あんかけ食品、中華スープ等のレトルト製品スープ類牛乳乳飲料アイスクリームチーズ、ヨーグルト等の乳製品;みそ、ヨーグルト、発酵飲料漬け物等の発酵物豆製品ビスケットクッキーなどの洋菓子類饅頭羊羹等の和菓子類キャンディー類ガム類グミゼリープリンなどの冷菓氷菓などの各種菓子類インスタントスープインスタントみそ等のインスタント食品電子レンジ対応食品等が挙げられる。さらには、粉末、穎粒、錠剤、カプセル剤、液状、ペースト状、またはゼリー状に調製された健康飲食品も挙げられる。本発明の組成物は、ヒトを含む動物を対象として使用することができるが、ヒト以外の動物としては特に制限はなく、種々の家畜家禽、ペット、実験用動物などを対象に使用できる。具体的には、ブタウシウマヒツジヤギニワトリカモダチョウ、アヒルイヌネコウサギハムスター、マウス、ラットサルなどが挙げられるが、これらに限定されない。

0075

理論に束縛されることを望むものではないが、ファーキューテスの群(クロストリジウムクラスターIVおよびXIVaが属する群)に属する細菌が相対的に豊富な個体の方が、バクテロイデスの群に属する細菌が相対的に豊富な個体よりも体重の増加量が多い。該細菌組成物は、栄養素の吸収を調節し飼料効率を向上させることができる。このような観点から、該細菌組成物は体重増加の促進、または効率の高い動物飼料に使用できる。体重増加が有益な疾患および病態としては、例えば、飢餓、癌、AIDS、胃腸障害(例えば、セリアック病、消化性潰瘍、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、膵炎胃炎、下痢)、甲状腺機能亢進症、感染症、腎疾患、心疾患、肺疾患、結合組織疾患、ならびに投薬食欲不振アジソン病認知症うつ病高カルシウム血症、パーキンソン病および結核による体重減少が挙げられる。

0076

該細菌組成物を無抗生物質の動物飼料に添加することにより、該動物飼料を摂取する動物の体重を、抗生物質含有動物飼料を摂取する動物が得る体重と同等かそれ以上のレベルに増加させることが可能になることに加えて、胃内病原性細菌を、典型的な抗生物質含有動物飼料を摂取する動物のものと同じレベルまで減少させることが可能になる。該細菌組成物は抗生物質の添加が不要な動物飼料の成分として使用できる。

0077

さらに、商業的に利用されており、家畜生産に容易に組み込むことができない従来の細菌(乳酸桿菌(Lactobacillus)およびビフィズス菌(Bifidobacteria))とは異なり、芽胞型の本発明の細菌組成物はペレット化でき、スプレーでき、または動物飼料と容易に混合でき、かつ飲料水に添加することもできる。

0078

該細菌組成物を含む動物飼料は、多種多様なタイプの動物および様々な年齢の動物に与えることが可能であり、また定期的に与えることも特定の期間(例えば、出生時、離乳期、または動物を移動もしくは輸送するとき)与えることも可能である。

0079

該細菌組成物は、ヒトおよび非ヒト(例えば、家畜をはじめとする食用動物)における体重増加の促進およびエネルギー吸収の増大に用いることができる。

0080

該細菌組成物の細菌有効成分は、当該技術分野で周知の発酵技術を用いて製造できる。一実施形態では、クロストリジウム類に属する細菌種の急速な増殖を維持できる嫌気発酵槽を用いて、該有効成分を製造する。嫌気発酵槽は、例えば、攪拌槽型反応器または使い捨てのウェーブバイオリアクターであり得る。BL培地およびEG培地、または動物性成分を含まないこれとほぼ同じタイプの培地などの培地を用いて、細菌種の増殖を維持できる。細菌産物は、遠心分離およびろ過などの従来の技術によって発酵ブロスから精製および濃縮が可能であり、また任意選択で、当該技術分野で周知の技術によって乾燥および凍結乾燥させることが可能である。

0081

本明細書に記載の細菌組成物を含む飲食品は、当該技術分野で周知の製造技術によって製造できる。免疫抑制作用による免疫機能の改善に有効な1種類以上の成分(例えば、栄養素など)を該飲食品に添加してもよい。また、免疫機能の改善以外の機能を発揮する他の成分あるいは他の機能性食品と組み合わせることによって、多機能性の飲食品としてもよい。

0082

また、該細菌組成物は、通常のプロバイオテック株であれば破壊されるような加工工程を要する食品に組み込むことができる。具体的には、商業利用が可能なプロバイオテック株のほとんどは、例えば熱処理長期保管、凍結、機械的ストレス、または高圧処理(例えば、押し出し成形及びロール成形)によって加工する必要のある食品に組み込むことができない。これに対して、本明細書に記載の細菌組成物は、芽胞を形成するという有利な特性を有するため、そのような加工食品に容易に組み込むことができる。例えば、芽胞形態の該細菌組成物は乾燥食品の中でも生存可能であり、摂取された後も生存し続けることが可能である。該細菌組成物は低温殺菌加工、典型的には約70℃以上〜約100℃以下の温度で実施される加工に耐えることができる。該細菌組成物は殺菌段階を必要とする乳製品に組み込むことができる。さらに、該細菌組成物は何年もの長期保存焼くおよび煮るなどの高温加工、凍結および冷蔵などの低温加工、および押し出し成形およびロール成形などの高圧処理に耐えることができる。

0083

このような厳しい条件での加工を必要とする数多くの食品としては、食べるために電子レンジでの加工を要する食品(例えば、オートミール)、食べるために焼くことを要する食品(例えば、マフィン)、食べるために短時間殺菌・高温処理を要する食品(例えば、ミルク)、および飲むために加熱を要する食品(例えば、ホットティー)が挙げられる。

0084

投与するまたは摂取させる該細菌組成物の量は、その対象となる個人の年齢、体重、性別、症状、健康状態などの因子、および投与または摂取させる細菌組成物の種類(医薬品、飲食品)を考慮に入れて経験的に決定され得る。例えば、1回当たりの投与量または摂取量は一般に、0.01mg/kg体重〜100mg/kg体重であり、特定の実施形態では、1mg/kg体重〜10mg/kg体重である。本明細書にはこのほか、対象の免疫を抑制する(免疫応答を軽減する)方法が記載され、該方法は、クロストリジウム類に属する細菌または該細菌に由来する生理活性物質を上記のように対象に投与するか摂取させることを特徴とする。

0085

該細菌組成物は、個体に1回投与しても2回以上投与してもよい。該組成物を2回以上投与する場合、該組成物を定期的に(例えば、1日1回、2日に1回、週1回、2週間に1回、月1回、6か月に1回、または年1回)投与しても、必要に応じて投与しても、不定期に投与してもよい。しかるべき投与頻度は(様々な因子の中でも特に、対象の宿主遺伝学的因子、年齢、性別、および健康状態もしくは疾患の状態によって左右され得る)、経験的に決定され得る。例えば、患者に1回量の該組成物を投与し、様々な時間において(例えば、1日後、2日後、1週間後、2週間後、1か月後)、その患者から採取した糞便試料中の該組成物の各細菌株のレベルが測定され得る。細菌のレベルが、例えばその最大値の半分に低下したとき、2回目の投与を実施する、など。

0086

該細菌組成物を含む製品(医薬品、飲食品または試薬)またはその説明書は、その製品が免疫を抑制するために用いられる旨を説明する書類または記載(製品が免疫抑制作用を有する旨の記載および製品がエフェクターT細胞の増殖や機能を抑制する作用を有する旨の記載を含む)を付したものであり得る。ここで「製品またはその説明書に注意書きを付す」は、製品の本体、容器包装などに書類または記載を付すこと、あるいは製品の情報を開示する説明書、添付文書宣伝物をはじめとする印刷物などに注意書きを付すことを意味する。

0087

<制御性T細胞の増殖または集積を誘導する方法>
前述の通り、および実施例に示す通り、該細菌組成物を個体に投与することにより、該個体において制御性T細胞の増殖または集積を誘導することができる。これにより、個体において制御性T細胞の増殖または集積を誘導する方法が提供され、該方法は、以下のものからなる群より選択される少なくとも1種類の物質を該個体に投与することを含む:(a)クロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662;(b)本明細書に記載/列挙されている少なくとも1種類(1種類、1種類以上)の細菌の培養上清;(c)本明細書に記載/列挙されている(1種類以上の、少なくとも1種類の)細菌に由来する生理活性物質;または(a)、(b)および(c)のうちのいずれか2つもしくは3つの組合せ。該個体には制御性T細胞の増殖、集積または増殖と集積の両方を誘導する所望の効果を得るのに十分な量で該細菌組成物を投与(提供)する。該細菌組成物は、自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー疾患、および感染症から選択される少なくとも1つの疾患の治療、該疾患の重症度の軽減または該疾患の予防を必要とする個体に投与してよい。

0088

「個体」または「対象」は健常状態であっても罹患状態であってもよいことに留意されたい。該方法は、少なくとも1種類(1種類、1種類以上)の抗生物質を、該細菌組成物の前にまたはこれと組み合わせて投与する段階をさらに含み得る。投与する抗生物質は、例えば、グラム陰性菌を減少させる抗生物質のような、クロストリジウム類のグラム陽性菌による消化管への再定着を促進する抗生物質であり得る。このような抗生物質の例としては、アミノグリコシド系抗生物質アミカシンゲンタマイシンカナマイシンネオマイシン、ネチルミシン、トブラマイシンおよびパロモマイシン)、セファロスポリン系抗生物質セファクロルセファマンドールセフォキシチンセフプロジルセフロキシムセフィキシムセフジニルセフジトレンセフォペラゾンセフォタキシムセフタジジムセフチブテンセフチゾキシムセフトリアキソン、セフォキソチン)、スルホンアミドアンピシリン、およびストレプトマイシンが挙げられる。

0089

さらに、アーモンド皮、イヌリン、オリゴフルクトース、ラフィノース、ラクチュロース、ペクチン、へミセルロース(例えば、キシログルカン、αグルカン)、アミロペクチン、および難消化性デンプンなどの上部消化管では分解されず、腸管内で腸内細菌の生育を促すプレバイオティクス組成物、ならびにアセチル−CoA、ビオチン、ビート糖蜜、および酵母抽出物などの増殖因子は、クロストリジウム類に属する組成物中の細菌種の増殖に選択的に寄与する。個体において制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導する方法は、上記物質から選択される少なくとも1種類の物質を該細菌組成物と組み合わせて該個体に投与することを含み得る。このほか、本明細書では、該細菌組成物とプレバイオティクス組成物とを含む組成物を考慮する。

0090

上記抗生物質、および上記プレバイオティクス組成物または増殖因子は組み合わせて用いてもよい。さらに、治療用組成物を、該細菌組成物、抗生物質、およびプレバイオティクス組成物または増殖因子からなる群より選択される少なくとも1種類の物質とともに個体に投与してもよい。

0091

治療用組成物としては、例えば、コルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制剤、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミン、グルココルチコロイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、抗ロイコトリエン、抗コリン鼻炎薬、抗コリン充血除去剤、肥満細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン(好ましくは、アレルゲンの量を徐々に増加させるワクチン接種に用いられるワクチン)、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴール、ゴリムマブ、またはエタネルセプトなどの抗TNF阻害剤、およびその組み合わせからなる群から選択される1つの治療用組成物が挙げられる。ここに挙げた治療用組成物は、該細菌組成物の前に、該細菌組成物と組み合わせて、または該細菌組成物の後に投与でき、さらに任意選択で、抗生物質、プレバイオティクス組成物、増殖因子または抗生物質、プレバイオティクス組成物および増殖因子の任意の組合せと組み合わせて投与できる。

0092

該細菌組成物、「抗生物質」、および「プレバイオティクス組成物または増殖因子」からなる群から選択される少なくとも1種類の物質と治療用組成物との併用については特に制限はない。例えば、「1種類の物質」と治療用組成物とを同時に、または適宜順次に/個々に個体へ経口投与または非経口投与する。

0093

該細菌組成物の投与が制御性T細胞の増殖および/または集積を誘導するかどうかは、制御性T細胞の数、大腸のT細胞群における制御性T細胞の割合、制御性T細胞の機能、または制御性T細胞のマーカーの発現のうち少なくとも1つが増加または増強していることを指標として判定できる。具体的な方法は、生検もしくは血液試料などの患者試料におけるFoxp3発現Tregの数もしくは割合、該細菌組成物を投与した個体のIL−10発現の促進(増強)、CTLA4発現の促進(増強)、IDO発現の促進(増強)、IL−4発現の抑制、または定着を制御性T細胞の増加もしくは集積の誘導の指標として測定することである。

0094

このような発現を検出する方法としては、転写レベルでの遺伝子発現の検出にはノーザンブロッティング法、RTPCR法、およびドットブロット法翻訳レベルでの遺伝子発現の検出にはELISA法ラジオイムノアッセイイムノブロッティング法免疫沈降法、およびフローサイトメトリーが挙げられる。

0095

このような指標を測定するのに用いられる試料としては、個体から採取した組織および体液、例えば生検で得られた血液、および糞便試料などが挙げられる。

0096

<組成物による治療に対する個体の応答をモニターすることにより個体の細菌組成物に対する応答を予測する方法>
このほか、患者試料(例えば、大腸生検または糞便試料)中のクロストリジウム・サッカログミア(Clostridium saccharogumia)、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)JCM1298、クロストリジウム・ラモーサム(Clostridium ramosum)、フラボニフラクター・プラウティ(Flavonifractor plautii)、シュードフラボニフラクター・カピローサス(Pseudoflavonifractor capillosus)ATCC29799、クロストリジウム・ハセワイ(Clostridium hathewayi)、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)WM1、バクテロイデス菌種(Bacteroides sp.)MANG、クロストリジウム・サッカロリティカム(Clostridium saccharolyticum)、クロストリジウム・シンデンス(Clostridium scindens)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)5_1_57FAA、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)6_1_63FAA、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)14616、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)ATCC BAA−613、cf.クロストリジウム菌種(cf.Clostridium sp.)MLG055、エリシペロトリクス菌(Erysipelotrichaceae bacterium)2_2_44A、クロストリジウム・インドリス(Clostridium indolis)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)、クロストリジウム・ボルテアエ(Clostridium bolteae)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)DJF_VP30、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)3_1_57FAA_CT1、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)、アナエロツルンカス・コリホミニス(Anaerotruncus colihominis)DSM17241、ルミノコッカス菌種(Ruminococcus sp.)ID8、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)2_1_46FAA、クロストリジウム・ラバレンス(Clostridium lavalense)、クロストリジウム・アスパラギホルメ(Clostridium asparagiforme)DSM15981、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)WAL−14163、ユーバクテリウム・コントルタム(Eubacterium contortum)、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)D5、オシロスピラ菌(Oscillospiraceae bacterium)NML061048、オシリバクター・バレリシゲネス(Oscillibacter valericigenes)、ラクノスピラ菌(Lachnospiraceae bacterium)A4、クロストリジウム菌種(Clostridium sp.)316002/08、およびクロストリジウム菌(Clostridiales bacterium)1_7_47FAA、ブラウティア・ココイデス(Blautia cocoides)、アナエロスティペス・カカエ(Anaerostipes caccae)DSM14662からなる群より選択される少なくとも1種類の細菌種の量(例えば、計数)または割合を決定する方法を記載する。ある個体において、上記リストから選択される細菌の割合または計数が健常個体(例えば、自己免疫疾患、アレルギー病態、癌、臓器拒絶反応などの該細菌組成物で治療する可能性のある疾患または病態を有さない/有することが確認されていない個体)について同様の判定を実施して得られたベースライン値よりも低い場合、その個体は該細菌組成物に応答する可能性があると判定される。この判定を、例えば臨床医が用いて、個体または患者が該細菌組成物による治療から利益を得る可能性があるかどうかを判定したり、あるいは臨床試験に含める個体または患者を選択したりできる。次いで、臨床医は個体または患者が治療による利益を得る可能性があるという判定を踏まえて、その個体または患者に該細菌組成物を投与することができる。この判定はほかにも、記載の細菌組成物による治療に対する個体の応答をモニターする方法として用いることが可能であり、ここでは、該細菌組成物による治療後に測定値が(治療前の測定値と比べて)高くなっていれば、それはその個体が治療に良好に応答したことを示す(例えば、その個体における定着および免疫抑制増強に成功したことのプラスの指標となる)。任意選択で、ここに記載した予測およびモニタリングの方法は、個体試料中のクロストリジウムクラスターIVおよびXIVaに属し該細菌組成物中に存在しない他の共生種の割合または絶対数を測定する段階をさらに含んでよく、ここでは、治療前のベースライン値よりも低いことが治療に対する正の応答の可能性がより高いことを示し、また治療後の値の増加は、その個体が治療に良好に応答したことを示す。ここに記載した予測およびモニタリングの方法では、微生物叢の組成を決定するために様々な既知の方法を用いることができる。例えば、16SrRNA配列決定を用いることができる。

0097

ワクチンアジュバント組成物およびワクチン組成物の使用により感染症または自己免疫疾患を治療または予防する方法>
前述の通り、また実施例に示すように、クロストリジウム類に属する細菌による大腸におけるTreg細胞の誘導は、局所および全身の免疫応答において重要な役割を果たしている。該細菌組成物は、アジュバントとして使用しワクチン製剤の効果を向上させることもできる。一実施形態では、該細菌組成物はワクチンのアジュバントとして(例えば、アレルゲンの量を徐々に増加させるワクチン接種プロトコルのアジュバントとして)自己免疫疾患またはアレルギー疾患の予防または治療に使用できる。

0098

自己免疫疾患およびアレルギー疾患の例としては、<制御性T細胞の増殖または集積を誘導する作用を有する組成物>において「対象疾患の具体例」として記載したものが挙げられる。

0099

その他の実施形態
このほか、該細菌組成物は抗生物質治療も受けている個体にも投与することができる。本発明者らは、バンコマイシンまたはメトロニダゾールなどのGram+細菌に作用する抗生物質が、クロストリジウム類に属する細菌種を哺乳動物の消化管から効果的に排除するか大幅に減少させ、その結果、制御性T細胞のレベルを低下させることが可能であることを示した(実施例5、図30)。理論に束縛されることを望むものではないが、クロストリジウム類に属する細菌の免疫寛容の維持における重要な役割は、それらの細菌の不在またはレベル低下が、免疫寛容の不全を特徴とする自己免疫疾患に重要な役割を果たし得ることを強く示すものである。したがって、Gram+細菌に対する抗生物質による治療を受けている個体(例えば、C.ディフィシル(C.difficile)およびジアルジア(Giardia)などの病原体による感染症の治療を受けている個体)では、クロストリジウム類に属する細菌が失われるリスクが高いため免疫寛容不全がみられるが、予防手段として該細菌組成物の使用により「再生息」させることが可能である。該細菌組成物は抗生物質治療前、抗生物質治療と同時、または抗生物質治療後のいずれにも用いることが可能であるが、抗生物質治療と同時または抗生物質治療後に用いるのが好ましい。該細菌組成物は、残留抗生物質に対するその耐性を向上させるため、芽胞型で投与するのが好ましい。グラム陽性菌に対する抗生物質としては、特に限定されないが、バンコマイシン、メトロニダゾール、リネゾリドラモプラニンフィダキソマイシン、セファロスポリン系抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシルセファゾリンセファロチン、セファクロル、セファマンドール、セフォキソチン、セフプロジル、セフトビプロール);フルオロキノロン系抗生物質(シプロ、レバキンフロキシンテクイン、アベロックス、ノルフロックス);テトラサイクリン系抗生物質テトラサイクリンミノサイクリンオキシテトラサイクリンドキシサイクリン);ペニシリン系抗生物質アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンVジクロキサシリンカルベニシリン、バンコマイシン、メチシリン);およびカルバペネム系抗生物質エルタペネムドリペネム、イミペネムシラスタチンメロペネム)が挙げられる。

0100

<Treg誘導生物を選択する方法>
ほかにも、Tregを誘導することができる細菌を得る方法を記載し、この方法は、(1)哺乳動物、好ましくはヒトから得られた糞便または生検試料から細菌の芽胞形成画分を分離すること(例えば、クロロホルム処理または熱処理によって);(2)任意選択で、非ヒト哺乳動物、好ましくは無菌非ヒト哺乳動物に芽胞形成画分を経口投与すること;(3)任意選択で、この非ヒト哺乳動物から糞便試料を採取し、この糞便試料の希釈(例えば、体積で10倍、100倍、1,000倍または10,000倍に希釈する)によって希釈糞便試料を作製し、この希釈試料を第二の無菌非ヒト哺乳動物に経口投与することであり、この任意選択の段階(3)は2回以上繰り返されてもよい、(4)(1)で得られた芽胞形成画分または(3)の非ヒト哺乳動物の腸内容物試料の段階希釈物を、好気条件または偏性嫌気条件下プレートに播くこと、および(5)この培養プレートから単一のコロニーを選択することを含む。このコロニーを、実施例に記載する方法などの既知の方法を用いて、細菌が制御性T細胞の増殖および/または制御性T細胞の集積を誘導する能力についてさらに評価してもよい。

0101

以下に記載するのは、特定の態様を説明するための例である。これらは決して限定することを意図したものではない。

0102

なお、実施例で用いたマウスは下記の通りに準備または作製した。以下の説明では、マウスを「SPF」または「GF」と称することがある。この「SPF」および「GF」は、特定の病原菌非存在下(SPF)、および無菌下(GF)でそれぞれ維持されたマウスであることを示す。

0103

<マウス>
SPFまたはGF条件下で維持されたC57BL/6、Balb/cおよびIQIマウスを三協ラボサービス(日本)、SLC(日本)、クレア(日本)、またはジャソン研究所(USA)から購入した。GFマウスおよびノトバイオートマウスを東京大学、ヤクルト中央研究所、または三協ラボサービスのノトバイオート施設内で繁殖させ維持した。Myd88−/−、Rip2−/−およびCard9−/−マウスをNPL1〜3に記載されている通りに作製し、遺伝的背景がC57BL/6になるよう戻し交配を8代以上行った。Foxp3eGFPマウスをジャクソン研究所から購入した。

0104

<Il10venusマウス>
Il10プロモーターの制御下にIl10およびVenusがコードされるバイシストニックな領域を作製するために、最初にターゲティングコンストラクトを作製した。具体的には、ネオマイシン耐性遺伝子(neo)に続いて、配列内部リボソーム侵入部位(IRES)、黄色蛍光蛋白質(Venus)、およびSV40ポリシグナル(SV40ポリA)からなるカセット(IRES−Venus−SV40ポリAシグナルカセット、非特許文献4参照)をIl10遺伝子の終止コドンとポリAシグナル(エクソン5)との間に挿入した。次いで、得られたターゲティングコンストラクトを用いて、マウスゲノム内のIl10遺伝子領域との相同組み換えを生じさせた。このようにして、Il10venusアレルを有するIl10venusマウスを作製した(図1参照)。なお、図1中、「tk」はチミジンキナーゼをコードする遺伝子を表し、「neo」はネオマイシン耐性遺伝子を表し、「BamH1」は制限酵素BamH1による切断部位を表す。

0105

Il10venusマウスからゲノムDNAを抽出し、BamH1で処理し、図1に示すプローブを用いてサザンブロッティングを行った。得られた結果は図2に示す。野生型およびIl10venusのアレルがそれぞれ19kbおよび5.5kbの大きさのバンドとして検出された。したがって、得られた結果から明らかなように、Il10venusマウスのゲノムに相同組み換えが生じた。

0106

さらに、FACSAriaを用いて、Il10venusマウスの大腸粘膜固有層のCD4+Venus−細胞またはCD4+Venus+細胞をソーティングした。次いで、後述の方法にてABI7300システムによるリアルタイムRT−PCRを実施し、IL−10mRNAの発現量を調べた。CD4+Venus+細胞でのみIL−10mRNAの発現が検出されたことから、Il10venusマウスでのIL−10mRNAの発現がVenusの発現として正確に反映されていることが明らかになった。なお、上述Il10venusマウスの無菌状態は、実験動物中央研究所(川崎、日本)で確立された。この無菌状態のIl10venusマウスを三協ラボサービス(東京、日本)のビニルアイソレーター内で維持し、のちの実施例で用いた。

0107

実施例の実験および解析を以下の通りに実施した。

0108

<マウス細菌のマウスへの定着およびその解析の方法>
NPL5、6の記載に従って、SFBまたはクロストリジウムを定着させたマウスを作製した。得られたノトバイオートマウスの盲腸内容物または糞便を滅菌水または嫌気性希釈液に溶かした。溶かした盲腸内容物または糞便をそのままあるいはクロロホルム処理後にGFマウスに経口投与した。乳酸桿菌属細菌3株およびバクテロイデス属細菌16株をBLおよびEG寒天培地嫌気的に別々に培養した。培養した細菌を回収して嫌気性TS培地に懸濁し、GFマウスに強制経口投与した。マウスにおける細菌定着の状態を、糞便塊の塗沫標本を顕微鏡で観察することにより評価した。

0109

<腸固有層リンパ球の単離およびフローサイトメトリー>
小腸および大腸を採取し縦方向切開した。盲腸も分離し、盲腸内容物をそのまま−80℃で凍結するか、2mlのPBSに懸濁した後40%グリセロールを加え(最終濃度20%)、液体窒素急速凍結し使用するまで−80℃で保管した。大腸および小腸をPBSで洗浄して管腔内容物をすべて除去し、5mMEDTAを含有するHanks平衡塩溶液(HBSS)中、37℃で20分間振盪した。ピンセットを用いて上皮細胞筋肉層および脂肪組織を除去した後、固有層を小片細切し、振盪している水浴中、4%ウシ胎仔血清、1mg/mlコラゲナーゼD、0.5mg/mlディスパーゼおよび40μg/ml DNaseI(すべてRoche Diagnostics社製)を含有するRPMI1640とともに37℃で1時間インキュベートした。消化した組織を5mM EDTAを含有するHBSSで洗浄し、40%パーコール(GE Healthcare)5mlに再懸濁し、15mlのFalconチューブに入れた80%パーコール2.5mlに重層した。25℃、800gで20分間の遠心分離によりパーコール勾配分離を実施した。固有層リンパ球をパーコール勾配の境界面から回収し、氷冷PBSに懸濁した。制御性T細胞の解析のため、単離リンパ球をLIVE/DEAD fixable violet死細胞染色キット(Invitrogen)で標識して解析での死細胞を除去した。細胞をPBS、2%FBS、2mM EDTAおよび0.09%NaN3を含有する染色緩衝液で洗浄し、PECy7標識抗CD4抗体(RM4−5、BD Biosciences)で表面CD4を染色した。Foxp3およびHeliosの細胞内染色は、Alexa700標識抗Foxp3抗体(FJK−16s、eBioscience)、Alexa647標識抗Helios(22F6、eBioscience)およびFoxp3 Staining Buffer Set(eBioscience)を用いて実施した。Th1およびTh17細胞の解析のため、単離リンパ球を、50ng/mlホルボール12−ミリスタート13−アセタート(PMA、Sigma)および1μg/mlイオノマイシン(Sigma)でGolgiStop(BD Biosciences)存在下にて4時間刺激した。4時間のインキュベーション後、細胞をPBSで洗浄し、LIVE/DEAD fixable violet死細胞染色キットで標識し、PECy7標識抗CD4抗体で表面CD4を染色した。細胞を洗浄し、Cytofix/Cytopermで固定し、Perm/Wash緩衝液(BD Biosciences)で透過処理し、APC標識抗IL−17抗体(eBio17B7、eBioscience)およびFITC標識抗IFN−γ抗体(XMG1.2、BD Biosciences)で染色した。抗体で染色された細胞をLSR Fortessa(BD Biosciences)で解析し、Flow Joソフトウェア(Treestar)を用いてデータを解析した。

0110

<リアルタイムRT−PCR>
RNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いて調製したRNAから、MMV逆転写酵素(Promega)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAをPower SYBR Green PCR Master Mix(Applied Biosystems)およびABI7300 real time PCR system(Applied Biosystems)を用いたリアルタイムRT−PCR、またはSYBR Premix Ex Taq(TAKARA)およびLightCycler 480を用いたリアルタイムRT−PCRで解析した。各サンプルについて、得られた値をGAPDH量で正規化した。プライマーセットをPrimer Express Version 3.0(Applied Biosystems)を用いて設計し、初期評価で90%以上の配列一致性を示したものを選択した。用いたプライマーセットは以下の通りである:
Foxp3
5’−GGCAATAGTTCCTTCCCAGAGTT−3’(配列番号1)
5’−GGGTCGCATATTGTGGTACTTG−3’(配列番号2)
CTLA4
5’−CCTTTTGTAGCCCTGCTCACTCT−3’(配列番号3)
5’−GGGTCACCTGTATGGCTTCAG−3’(配列番号4)
GITR
5’−TCAGTGCAAGATCTGCAAGCA−3’(配列番号5)
5’−ACACCGGAAGCCAAACACA−3’(配列番号6)
IL−10
5’−GATTTTAATAAGCTCCAAGACCAAGGT−3’(配列番号7)
5’−CTTCTATGCAGTTGATGAAGATGTCAA−3’(配列番号8)
GAPDH
5’−CCTCGTCCCGTAGACAAAATG−3’(配列番号9)
5’−TCTCCACTTTGCCACTGCAA−3’(配列番号10)
Mmp2
5’−GGACATTGTCTTTGATGGCA−3’(配列番号11)
5’−CTTGTCACGTGGTGTCACTG−3’(配列番号12)
Mmp9
5’−TCTCTGGACGTCAAATGTGG−3’(配列番号13)
5’−GCTGAACAGCAGAGCCTTC−3’(配列番号14)
Mmp13
5’−AGGTCTGGATCACTCCAAGG−3’(配列番号15)
5’−TCGCCTGGACCATAAAGAA−3’(配列番号16)
Ido1
5’−AGAGGATGCGTGACTTTGTG−3’(配列番号17)
5’−ATACAGCAGACCTTCTGGCA−3’(配列番号18)。

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