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技術 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 比江島一樹
出願日 2016年9月5日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2016-173178
公開日 2018年3月15日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2018-039135
状態 未査定
技術分野 インクジェット(粒子形成、飛翔制御) インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 天蓋板 流量調整部材 各排出孔 外部フィルター 移送室 排出チャネル クラッキング圧力 ダミーチャネル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
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図面 (14)

課題

インクジェットヘッド共通インク室内残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供する。

解決手段

共通インク室41と、共通インク室41に形成されたインク供給口5aと、共通インク室41に形成されたインク回収口5bと、共通インク室41に注入孔31aを介して連通し電圧印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室23と、圧力室23に連通し圧力室23内から外部に吐出されるインク流路となるノズル22と、共通インク室41内の上方側におけるインク供給口5aからインク回収口5bに至るインクの流れを変化させる整流板41aとを備え、整流板41aは、その少なくとも一部が、共通インク室41内におけるインク供給口5aの近傍に配置されている。

概要

背景

プリンタインクジェット記録装置)に用いられるインクジェットヘッドとして、各圧力室インクを供給するための共通インク室を備えたものがある。この共通インク室は、インクタンクからインクが供給されるとともに、圧電素子の駆動によって内圧が変化される各圧力室に連通しており、各圧力室にインクを供給する。この共通インク室内残留気泡が存在すると、この気泡圧力室内に侵入する虞がある。気泡が圧力室内に侵入すると、圧力室に連通したノズルからのインク吐出性能に影響を及ぼす虞がある。

このような残留気泡を除去できるインクジェットヘッドとして、共振現象を利用してインク流路内壁から気泡を剥がし、共通インク室内のインク流動によって残留気泡を除去するようにしたものが提案されている(特許文献1)。また、共通インク室の天井面を、インク排出側が上方になるように傾斜させ、気泡の浮力を利用して残留気泡を除去するようにしたものが提案されている(特許文献2)。

概要

インクジェットヘッドの共通インク室内の残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供する。共通インク室41と、共通インク室41に形成されたインク供給口5aと、共通インク室41に形成されたインク回収口5bと、共通インク室41に注入孔31aを介して連通し電圧印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室23と、圧力室23に連通し圧力室23内から外部に吐出されるインクの流路となるノズル22と、共通インク室41内の上方側におけるインク供給口5aからインク回収口5bに至るインクの流れを変化させる整流板41aとを備え、整流板41aは、その少なくとも一部が、共通インク室41内におけるインク供給口5aの近傍に配置されている。

目的

本発明は、インクジェットヘッドの共通インク室内の残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

共通インク室と、前記共通インク室に形成され、該共通インク室にインクを供給する流路に連通するインク供給口と、前記共通インク室に形成され、該共通インク室からインクを回収する流路に連通するインク回収口と、前記共通インク室に注入孔を介して連通し、電圧印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、前記圧力室に連通し、該圧力室内から外部に吐出されるインクの流路となるノズルと、前記共通インク室内の上方側における前記インク供給口から前記インク回収口に至るインクの流れを変化させる整流板とを備え、前記整流板は、その少なくとも一部が、前記共通インク室内における前記インク供給口の近傍に配置されていることを特徴とするインクジェットヘッド

請求項2

前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させる排出路を備えたことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。

請求項3

前記整流板は、前記インク供給口の近傍を流れるインクを、前記共通インク室内の中央部上方側に導く形状となっていることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。

請求項4

前記整流板は、前記共通インク室内に2枚以上が配置されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインクジェットヘッド。

請求項5

前記共通インク室は、天井面が水平面に対して傾斜しており、前記インク供給口よりも前記インク回収口のほうが高い位置となっていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。

請求項6

前記整流板は、縦壁部を介して前記共通インク室に一体的に連設されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインクジェットヘッド。

請求項7

前記整流板は、前記共通インク室内の前記インクの流れに沿う曲面部を有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッド。

請求項8

前記共通インク室の内部にフィルターを備えることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のインクジェットヘッド。

請求項9

前記整流板は、前記共通インク室内に配置される圧力減衰手段に設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のインクジェットヘッド。

請求項10

前記共通インク室は、少なくとも前記インク供給口及び前記インク回収口が設けられた第1の部材と、少なくとも前記圧力室の取付け部及び前記整流板が設けられた第2の部材とを突き合わせ結合することによって構成されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のインクジェットヘッド。

請求項11

請求項1〜10の何れかに記載のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドの前記共通インク室に移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、前記インクタンク内のインクを前記共通インク室に移送するインク移送部とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置

請求項12

請求項2〜10の何れかに記載のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドに移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、前記インクタンク内のインクを前記インクジェットヘッドに移送するとともに、前記インクジェットヘッドに移送されたインクを回収するインク移送部とを備え、前記排出路を経て前記圧力室から排出されたインクは、前記インクジェットヘッドから回収されたインクに合流されることを特徴とするインクジェット記録装置。

技術分野

0001

本発明はインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インクジェットヘッドの共通インク室内残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。

背景技術

0002

プリンタ(インクジェット記録装置)に用いられるインクジェットヘッドとして、各圧力室インクを供給するための共通インク室を備えたものがある。この共通インク室は、インクタンクからインクが供給されるとともに、圧電素子の駆動によって内圧が変化される各圧力室に連通しており、各圧力室にインクを供給する。この共通インク室内に残留気泡が存在すると、この気泡圧力室内に侵入する虞がある。気泡が圧力室内に侵入すると、圧力室に連通したノズルからのインク吐出性能に影響を及ぼす虞がある。

0003

このような残留気泡を除去できるインクジェットヘッドとして、共振現象を利用してインク流路内壁から気泡を剥がし、共通インク室内のインク流動によって残留気泡を除去するようにしたものが提案されている(特許文献1)。また、共通インク室の天井面を、インク排出側が上方になるように傾斜させ、気泡の浮力を利用して残留気泡を除去するようにしたものが提案されている(特許文献2)。

先行技術

0004

特開2008−087288号公報
特開2009−126044号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、インクジェットヘッドにおいては、高解像度化印字幅拡大の要求から、ノズル数は増大する傾向にある。そのため、単位時間あたりのインク消費量も増大し、共通インク室の容量が大きくなり、共通インク室へのインク供給圧力も高くなる傾向にある。

0006

特許文献1に記載されたインクジェットヘッドにおいては、共通インク室の容量を大きくした場合には、この共通インク室内において、気泡除去が十分に行われるようなインク流速が得られない可能性がある。また、共通インク室へのインク供給圧力を、例えば70kPaというような高圧にした場合には、共通インク室でのインクの流れは、インク供給口の反対側、すなわち、インク供給口が共通インク室の天井側にある場合には底面側に集中してしまい、天井側の気泡除去が十分に行われず、ノズルから多くのインクを吐き捨ててしまう。

0007

また、特許文献2に記載されたインクジェットヘッドにおいては、共通インク室の天井面の傾斜角度を維持したまま容量を大きくすると、共通インク室の高さ寸法が大きくなってしまう。共通インク室の高さ寸法を維持して容量を大きくすると、天井面の傾斜角度が小さくなってしまい、小さな残留気泡を十分に除去することができなくなる。

0008

そこで、本発明は、インクジェットヘッドの共通インク室内の残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することを課題とする。

0009

本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。

課題を解決するための手段

0010

上記課題は、以下の各発明によって解決される。

0011

1.
共通インク室と、
前記共通インク室に形成され、該共通インク室にインクを供給する流路に連通するインク供給口と、
前記共通インク室に形成され、該共通インク室からインクを回収する流路に連通するインク回収口と、
前記共通インク室に注入孔を介して連通し、電圧印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
前記圧力室に連通し、該圧力室内から外部に吐出されるインクの流路となるノズルと、
前記共通インク室内の上方側における前記インク供給口から前記インク回収口に至るインクの流れを変化させる整流板とを備え、
前記整流板は、その少なくとも一部が、前記共通インク室内における前記インク供給口の近傍に配置されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
2.
前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させる排出路を備えたことを特徴とする前記1記載のインクジェットヘッド。
3.
前記整流板は、前記インク供給口の近傍を流れるインクを、前記共通インク室内の中央部上方側に導く形状となっていることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェットヘッド。
4.
前記整流板は、前記共通インク室内に2枚以上が配置されていることを特徴とする前記1、2又は3記載のインクジェットヘッド。
5.
前記共通インク室は、天井面が水平面に対して傾斜しており、前記インク供給口よりも前記インク回収口のほうが高い位置となっていることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
6.
前記整流板は、縦壁部を介して前記共通インク室に一体的に連設されていることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載のインクジェットヘッド。
7.
前記整流板は、前記共通インク室内の前記インクの流れに沿う曲面部を有することを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッド。
8.
前記共通インク室の内部にフィルターを備えることを特徴とする前記1〜7の何れかに記載のインクジェットヘッド。
9.
前記整流板は、前記共通インク室内に配置される圧力減衰手段に設けられていることを特徴とする前記1〜8の何れかに記載のインクジェットヘッド。
10.
前記共通インク室は、少なくとも前記インク供給口及び前記インク回収口が設けられた第1の部材と、少なくとも前記圧力室の取付け部及び前記整流板が設けられた第2の部材とを突き合わせ結合することによって構成されていることを特徴とする前記1〜9の何れかに記載のインクジェットヘッド。
11.
前記1〜10の何れかに記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドの前記共通インク室に移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、
前記インクタンク内のインクを前記共通インク室に移送するインク移送部とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
12.
前記2〜10の何れかに記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、
前記インクタンク内のインクを前記インクジェットヘッドに移送するとともに、前記インクジェットヘッドに移送されたインクを回収するインク移送部とを備え、
前記排出路を経て前記圧力室から排出されたインクは、前記インクジェットヘッドから回収されたインクに合流されることを特徴とするインクジェット記録装置。

発明の効果

0012

本発明は、インクジェットヘッドの共通インク室内の残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

本発明のインクジェット記録装置の一例を示す要部概略構成
インクジェットヘッドにおけるインクの流路を示す流路図
インクジェットヘッドのヘッドチップ部分を模式的に示す分解斜視図
インクジェットヘッドの流量調整部材の実施形態を示す斜視図
インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す要部縦断面図
インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す要部縦断面図
本発明のインクジェット記録装置の他の例を示す要部概略構成図
インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す要部縦断面図
インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す縦断面図
インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す縦断面図
共通インク室の内部にフィルターを設けた実施形態を示す縦断面図
外部フィルターを設けた実施形態を示す斜視図
インクジェットヘッドの共通インク室の分解斜視図

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。

0015

〔インクジェット記録装置〕
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。

0016

インクジェット記録装置100は、図示しない搬送手段によって一定方向(副走査方向)に搬送される記録媒体上に、インクジェットヘッド1からインクを吐出して画像を記録する。いわゆるワンパス方式のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド1は固定して配置され、記録媒体が搬送される過程で、ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出する。また、いわゆるスキャン方式のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド1は図示しないキャリッジに搭載され、該キャリッジが副走査方向に直交する主走査方向に沿って移動する過程で、ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出する。

0017

図1では、1つのインクジェットヘッド1のみを示しているが、一般にインクジェット記録装置100には、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、K(ブラック)等の各色インク用の複数のインクジェットヘッド1が搭載される。本実施形態に示すインクジェット記録装置100においては、インクを貯蔵するインクタンク101とインクジェットヘッド1の共通インク室41とが、インク移送管102及びインク返送管103によって連通されている。

0018

インク移送管102の途中には、インクジェット記録装置100の制御部104によって駆動制御される移送ポンプ105が設けられている。この移送ポンプ105が駆動することにより、インクタンク101内のインクが、インク移送管102を介してインクジェットヘッド1に移送される。また、移送ポンプ105が駆動することにより、インクジェットヘッド1内のインク(気泡等を含むインク)が、インク返送管103を介してインクタンク101に戻される。

0019

このインクジェット記録装置100において、インク移送管102、制御部104及び移送ポンプ105は、インクタンク101内のインクをインクジェットヘッド1に移送するインク移送部を構成している。

0020

インクタンク101は、格別限定されないが、タンクの底面に到達しない仕切り板101aによって、インク移送室101bとインク返送室101cとに仕切ることが好ましい。この場合、インク移送室101b内にインク移送管102の一端部を配置し、また、インク返送室101c内にインク返送管103の一端部を配置する。仕切り板101aは、インク返送室101cに返送されてきたインク中の気泡が再度インク移送管102に流入しないように、インクを十分に脱気するために設けられる。気泡自体は浮力が高いので、気泡が仕切り板101aの下側を通過してインク移送室101bに流入することが制限される。このような態様は、インクを循環使用する場合に好ましい態様である。

0021

〔インクジェットヘッド〕
次に、図1に示した本発明に係るインクジェットヘッド1の具体的構成について説明する。

0022

本発明は、例えば、シアーモード(エッジエンドシュータサイドシュータ)型、ベンドモード型、いわゆるMEMS型など各種のインクジェットヘッドに適用することができる。すなわち、本発明に係るインクジェットヘッドは、これら各種のインクジェットヘッドとして構成することができる。

0023

本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、シアーモードヘッドとして構成されている。このインクジェットヘッド1は、インク吐出面1Sが鉛直方向下側に向くように設置されて使用される。なお、本明細書において、「上」及び「下」は、「鉛直方向上側」及び「鉛直方向下側」を意味し、図1使用状態を示す側面図)中の上側及び下側に対応する。ただし、本発明のインクジェットヘッドの使用状態は、インク吐出面1Sを鉛直方向下側に向ける状態に限定されず、傾けて使用してもよい。

0024

インクジェットヘッド1は、図1に示すように、共通インク室41を構成するインクマニホールド4と、このインクマニホールド4の圧力室取付け部4aに接着された配線基板3と、配線基板3を挟んでインクマニホールド4の反対側の面(下面)に接着されたヘッドチップ2とを有して構成されている。配線基板3は、例えばガラス基板である。この配線基板3には、図示しない電源回路FPC基板を介して接続される図示しない配線パターンが形成されている。インクマニホールド4は、合成樹脂材料等によって、開口部である圧力室取付け部4aを下面に有する横長の箱型に形成されている。このインクマニホールド4には、圧力室取付け部4aを塞いで、配線基板3が接着されている。インクマニホールド4の内部空間は、インクタンク101から供給されるインクが貯留される共通インク室41となる。

0025

図2は、このインクジェットヘッドにおけるインクの流路を示す流路図である。

0026

共通インク室41には、図1及び図2に示すように、インク供給口5aが設けられている。このインク供給口5aには、共通インク室41内にインクを供給する流路をなすインク供給管51aが接続される。インク供給口5aは、共通インク室41の上側において、共通インク室41を外方に連通させている。このインク供給口5aに接続されるインク供給管51aの上端側には、接続部7aが設けられている。この接続部7aは、インクジェット記録装置100側の接続部106aに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置100側の接続部106aは、インク移送管102に連通している。これにより、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置100からのインクの移送が可能となる。

0027

また、共通インク室41には、インク回収口5bが設けられている。このインク回収口5bには、共通インク室41内からインクを回収する流路をなすインク回収管51bが連結される。インク回収口5bは、共通インク室41の上側において、共通インク室41を外方に連通させている。このインク回収口5bに連結されるインク回収管51bの上端側には、接続部7bが設けられている。この接続部7bは、インクジェット記録装置100側の接続部106bに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置100側の接続部106bは、インク返送管103に連通している。これにより、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置100へのインクの返送が可能となる。

0028

このインクジェットヘッド1において、インク供給口5aから、インク回収管51bの途中の後述するバッファ空間部6に至る流路が、主流路F1となる。

0029

インク供給口5aとインク回収口5bとは、共通インク室41の長手方向の両端部に離して配置することが好ましい。本実施形態におけるインク供給口5aは、インクマニホールド4の上面における図1中の左側の端部に配置され、また、インク回収口5bは、インクマニホールド4の上面における図1中の右側の端部に配置されている。これにより、インク供給口5aから共通インク室41に供給されたインクを、インク回収口5bに向けて、共通インク室41内の全体に亘って流すことができる。従って、共通インク室41内にインクが滞留する部位が形成されにくく、インク中の気泡をより効率良く排除することができる。

0030

インクマニホールド4内には、図1に示すように、整流板41aが設けられている。この整流板41aは、インクマニホールド4に一体的に形成されている。この整流板41aは、共通インク室41内の上方側におけるインク供給口5aからインク回収口5bに至るインクの流れ(主流路F1)を変化させるものであり、この実施形態においては水平板として構成されている。整流板41aは、その少なくとも一部が、共通インク室41内におけるインク供給口5aの近傍に配置されている。この実施形態においては、整流板41aは、共通インク室41の側端部からインク供給口5aの直下に亘る位置に設けられている。この整流板41aは、共通インク室41内の一端側から他端側に亘ることはなく、共通インク室41内の長手方向について一部の領域のみに位置して配置されている。

0031

この整流板41aは、少なくとも一部がインク供給口5aの近傍に位置するので、インク供給口5aからインクが流入すると、このインクの流速が速いため、インクの流れ方向を変えやすい。そして、整流板41aは、インクが共通インク室41内の上方側により多く流れるようにして、共通インク室41の上方側におけるインクの流速を速める。このようにインクの流速が速まることにより、共通インク室41内の残留気泡が迅速に移動され、インク供給口5a側とインク回収口5b側とのインクの圧力差が低い場合であっても、残留気泡を効率的に除去することができる。この整流板41aは、特に、共通インク室41へのインク供給圧力を高圧にした場合に、より顕著な効果を発揮する。即ち、底面側に集中し易いインクの流れを、共通インク室41内の上方側の流れに変えることができる。インクの流れを、上方側の流れに変えることができるため、ノズルから多くのインクを吐き捨ててしまうようなことはなくなる。

0032

そして、インクマニホールド4内には、共通インク室41に隣接して、インク排出室412が設けられている。このインク排出室412は、共通インク室41に対しては、隔壁45によって分離されている。この隔壁45は、インクマニホールド4に一体的に形成されている。

0033

図3は、インクジェットヘッドのヘッドチップ部分を模式的に示す分解斜視図である。

0034

ヘッドチップ2には、図3に示すように、複数の圧力室23が形成されている。これら圧力室23は、ヘッドチップ2の上面部から下面部に亘って貫通された断面形状が矩形透孔であり、上端側及び下端側が開放されている。ヘッドチップ2は、各圧力室23に対応された圧電素子を有している。

0035

各圧力室23は、配線基板3に形成された注入孔31aを介して共通インク室41に連通している。共通インク室41内のインクは、注入孔31aを介して、各圧力室23に注入される。各圧力室23は、圧電素子への電圧の印加によって容積変動を生ずる。また、ヘッドチップ2の下面には、各圧力室23に対応された複数のノズル22を有するノズルプレート21が接着されている。ノズル22は、圧力室23に対して、圧力室23の下端の開口部を介して連通し、この圧力室23を外部(下方)に連通させている。ノズルプレート21の下面部がインク吐出面1Sとなる。各圧力室23内のインクは、圧電素子の作用によって吐出圧力を付与され、ノズル22を通って外部(下方)の記録媒体に向けて吐出される。

0036

圧力室23内のインクに吐出圧力を付与するための具体的な手段は問わず、公知の手段を採用することができる。本実施形態では、隣り合う圧力室23,23は、圧電素子により形成された駆動壁24によって隔てられている。駆動壁24は、圧力室23内に臨む面に形成された図示しない駆動電極に、図示しない電源回路からFPC基板及び配線基板3に形成された図示しない配線パターンを経て所定電圧駆動電圧が印加されることによって、せん断変形する。圧力室23の両側の駆動壁24、24がせん断変形することにより、圧力室23の内容積膨張又は収縮する。これにより、圧力室23内のインクに圧力が付与され、ノズル22を通ってインクが吐出される。

0037

ヘッドチップ2に形成される圧力室23は、その数は特に問わない。本実施形態に示すヘッドチップ2は、複数の圧力室23が、ヘッドチップ2の長手方向である図3中X方向に沿う複数列に配列されている。

0038

なお、この実施形態においては、各圧力室23,23の間にダミーチャネルが設けられておらず、隣接する圧力室23,23が1枚の駆動壁24を共用している。そのため、各圧力室23が独立して駆動(膨張又は収縮)することはできないので、いわゆる3サイクル駆動を行う。一つの圧力室23あたり2枚の駆動壁24,24を設け、各圧力室23それぞれの両壁部をなすようにすると、一の圧力室23を構成する駆動壁24と隣接する圧力室23を構成する駆動壁24との間の空隙がダミーチャネルとなる。この場合には、各圧力室23は独立して駆動(膨張又は収縮)することができる。

0039

そして、各圧力室23の側方に位置して、個別連通路422が形成されている。この個別連通路422は、圧力室23(注入孔31aからノズル22までの間)の側方に連通している。本実施形態において、個別連通路422は、ノズルプレート21の上面にノズル22に対応して形成された溝であり、ノズルプレート21上にヘッドチップ2が重ねられることにより、流路を構成している。

0040

これら個別連通路422は、それぞれが共通流路421に連通し互いに合流している。共通流路421は、ヘッドチップ2の側方部分において各圧力室23の配列方向(X方向)に穿設された隧道である。この共通流路421の端部は、ヘッドチップ2に形成された排出チャネル424に連通されている。この排出チャネル424は、ヘッドチップ2の長手方向一端側に形成され、インク排出室412の下方に位置している。このようにして、各圧力室23は、排出チャネル424に連通されている。

0041

注入孔31aから各圧力室23に向けて注入されたインクの一部は、各個別連通路422を経て、共通流路421に至る。そして、共通流路421に至ったインクは、排出チャネル424を経て、配線基板3に形成された排出孔31bを通って、インク排出室412に至る。

0042

個別連通路422、共通流路421は、上記態様に限定されない。各圧力室23から、これら個別連通路422、共通流路421及び排出チャネル424を経て、排出室412に至る流路が形成できれば良い。従って、個別連通路422は、例えば、ヘッドチップ2や、ヘッドチップ2とノズルプレート21との間に設けられる図示しないスペーサ部材に設けても良い。また、共通流路421は、例えば、ノズルプレート21や、ヘッドチップ2とノズルプレート21の間に別途設けられる図示しないスペーサ部材に設けても良い。

0043

なお、このインクジェットヘッド1においては、各圧力室23内から各個別連通路422及び共通流路421を経てインク排出室412に至る流路が形成されていることを考慮して、この条件においてノズル22からのメニスカスブレイクが生じないように、移送ポンプ105が与える圧力等の条件が決定される。

0044

そして、図1及び図2に示すように、インク排出室412には、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなすインク排出管51cが連結されている。このインク排出管51cの上端側は、インク回収管51bに合流している。インク回収管51bとインク排出管51cとは、合流箱61に接続されることによって合流している。

0045

合流箱61は、合成樹脂材料や金属材料から一体的に構成されており、内部にバッファ空間部6が形成されている。合流箱61の外面には、バッファ空間部6に至る第1乃至第3の開口部48a,48b,48cが形成されている。第1の開口部48aからバッファ空間部6を経て第3の開口部48cに至る流路は、インク回収管51bの中途部に介在されている。実装状態としては、インク回収管51bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部48aに接続させ、下流側を第3の開口部48cに接続させることになる。そして、第2の開口部48bには、インク排出管51cを接続させる。

0046

このインクジェットヘッド1において、各個別連通路422から、共通流路421、排出チャネル424、排出孔31b、インク排出室412及びインク排出管51cを経て、バッファ空間部6に至る流路が、排出路423となる。この排出路423は、各圧力室23に連通し、各圧力室23内のインクを排出させ、バッファ空間部6においてインク回収管51bに合流させる流路である。そして、各注入孔31aを経て、排出路423(各個別連通路422からバッファ空間部6への入口)までが、副流路F2となる(図2参照)。

0047

ところで、排出路423は各圧力室23に対応した個別連通路422の全てを通過する流路として形成されているため、圧力室23の高密度化に伴い、排出路423全体の流路抵抗は大きくなっている。従って、インク排出管51cをインク回収管51bに合流させても、インク供給口5aからインク回収管51bを経る主流路F1の流量が多く、各注入孔31aから排出路423に至る副流路F2の流量が少ないために、これらが円滑に合流しないことが考えられる。このインクジェットヘッド1においては、主流路F1と副流路F2との合流(インク排出管51cとインク回収管51bとの合流)を、バッファ空間部6において行い、また、後述する流量調整部材9や吸引ポンプを使用することにより、これら主流路F1及び副流路F2の流量が異なっても、円滑に合流させることができる。

0048

上述のようなインクジェットヘッド1及びこれを備えたインクジェット記録装置100によれば、インク供給口5aからインクを供給するだけで、共通インク室41内の残留気泡は、主流路F1を経てインク回収管51bから排出される。このとき、整流板41aの作用により、共通インク室41の上方側におけるインクの流速が速くなっているので、共通インク室41内の残留気泡を良好に排出することができる。また、このインクジェットヘッド1においては、各圧力室23近傍の残留気泡をも、副流路F2を経て、インク排出管51cから排出させることができる。よって、インクマニホールド4内の全体(共通インク室41内及び各圧力室23の近傍)の残留気泡を効率的に除去することができる。

0049

また、このインクジェットヘッド1及びこれを備えたインクジェット記録装置100によれば、画像記録中にインクタンク101との間でインクを循環させた際に、各圧力室23の近傍のインクをも、副流路F2を経て効率よく循環させることができる。このため、画像記録中にノズル22から引き込まれた気泡も迅速に排出させることができる。また、沈降し易い粒子顔料等が含まれているインクを使用する場合には、画像記録中の各個別連通路422及び共通流路421における粒子や顔料等の沈降を効果的に抑制して、インクの濃度偏差を抑制することができる。

0050

圧力損失調整手段〕
このインクジェットヘッド1には、主流路F1の流路抵抗と副流路F2の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を設けてもよい。

0051

この圧力損失調整手段は、主流路F1と副流路F2との流路抵抗の差に相当する圧力損失ΔPを、主流路F1に付与する。または、圧力損失調整手段は、副流路F2の流路抵抗を減らして、主流路F1の流路抵抗に相当するものにする。

0052

副流路F2の流路抵抗は、全ての注入孔31a、全ての個別連通路422及び共通流路421を含む排出路423全体における流路径流路長屈曲部の数、流速などによって決まる流路抵抗である。これら個別連通路422及び共通流路421は、流路径が極めて細いうえに流路長が長いので、大きな流路抵抗を生じさせている。

0053

このインクジェットヘッド1においては、圧力損失調整手段により、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とを均衡させることにより、インク供給管51a内のインク圧力P0によって、容易に主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。

0054

圧力損失調整手段の一例を図4に示す。図4は、圧力損失調整手段の一例が設けられたインク回収管51bを一部破断した状態を示す斜視図である。

0055

圧力損失調整手段としては、例えば、図4に示すように、インク回収管51bの流路断面積を部分的に狭める流量調整部材9を用いることができる。この流量調整部材9は、インク回収管51b内に保持され、インク回収管51bの内径を部分的に狭くする部材である。本実施形態の流量調整部材9は、インク回収管51bの内壁に沿う円筒部95と、この円筒部95の一端部を閉蓋する円盤部96とを有して一体的に構成されている。円盤部96の中央部には、流路孔94が形成されている。この流量調整部材9が配置された部位におけるインク回収管51bの流路は、この流路孔94のみとなる。従って、流量調整部材9は、この流路孔94によってインク回収管51bの流路断面積を部分的に狭め、インク回収管51b内を流れるインクの圧力を損失させる。

0056

流量調整部材9の材質は特に限定されないが、インクの非浸透性、インク回収管51bへの挿入し易さ及びインクに対する耐腐食性に優れるステンレス等の金属、セラミックス合成樹脂が挙げられる。

0057

なお、流量調整部材9の流路孔94の長さを短くすることにより、流路孔94内に気泡が入ったときの流路抵抗の変動を抑え、流速のばらつきを抑えることができる。図4に示した流量調整部材9の流路孔94の長さは、例えば0.5mm程度である。流路孔94の長さを0.5mm程度にすることにより、気泡による流路抵抗の変動を抑えることができる。

0058

この流量調整部材9によって付与される圧力損失ΔPは、主流路F1と副流路F2との流路抵抗の差に相当する圧力損失ΔPであり、流路孔94の内径によって調整される。この圧力損失ΔPにより、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とが均衡される。すなわち、インク供給管51a内のインク圧力P0は、主流路F1のバッファ空間部6の直前において圧力P1に減圧され、副流路F2のバッファ空間部6の直前における圧力P2にほぼ等しいものとなる。また、インク供給管51a内のインク圧力P0は、移送ポンプ105が与える圧力にほぼ等しい。副流路F2の圧力P2は、吐出ノズル22からのメニスカスブレイクが生じないように、メニスカスブレイクが生じる圧力Pxより小さく設定される。すなわち、〔P1=(P0−ΔP)=P2<Px〕となる。この結果、インク供給管51a内のインク圧力P0によって、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。

0059

なお、インク圧力P0は、インク供給管51aにT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。圧力P1は、インク回収管51b(流量調整部材9より下流、バッファ空間部6より上流)にT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。圧力P2は、インク排出管51c(バッファ空間部6より上流)にT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。

0060

流量調整部材9の流路孔94の具体的な内径は、個別連通路422及び共通流路421などの圧力損失要素による圧力損失を考慮して、インク回収管51bの圧力損失が所望の圧力損失となるように適宜調整される。例えば、インク回収管51bから回収されるインク流量と、各個別連通路422及び共通流路421を経てインク排出管51cから排出されるインク流量とが均一になるように、流量調整部材9の流路孔94の内径を調整すれば、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。これにより、インク貯留室41内(主流路F1)と、各圧力室23内、個別連通路422及び共通流路421内(副流路F2)とに、迅速にインクを貯留させることができるため、特にインクの初期導入の際に好ましい態様である。

0061

なお、流量調整部材9の流路孔94の内径を調整することにより、インク回収管51bから回収されるインク流量(主流路F1)と、各個別連通路422及び共通流路421を経てインク排出管51cから排出されるインク流量(副流路F2)とを異ならせることもできる。例えば、流量調整部材9の流路抵抗を高くして、インク回収管51bから回収されるインク流量(主流路F1)よりも、各個別連通路422及び共通流路421を経てインク排出管51cから排出されるインク流量(副流路F2)の方を多くする(副流路F2の流速を上げる)ことにより、圧力室23回りに付着した取り除きにくい気泡もより容易に除去することができる。また、逆に、流量調整部材9の流路抵抗を低くして、副流路F2よりも主流路F1の方の流量を多くする(主流路F1の流速を上げる)こともできる。この場合には、主流路F1内の特に天井面や角部に付着した気泡を容易に除去することができる。また、この場合には、インクマニホールド4内に圧力室22の上方に位置するダンパー部材MF(Manifold)ダンパー部材)を設けた場合にも、このダンパー部材回りに残留し易い気泡を容易に除去することができる。

0062

この流量調整部材9は、合流箱61内に設けてもよい。流量調整部材9を予め合流箱61内に保持させておけば、この合流箱61をインク回収管51bに介在接続させるだけで、インク回収管51bに所望の圧力損失を付与することができる。また、流量調整部材9を変更、交換したいときには、合流箱61ごと交換することができ、迅速、容易な交換を行うことができる。さらに、流量調整部材9の近傍に夾雑物が付着して汚損してしまった場合等にも、合流箱61を交換することにより、迅速、容易に清冽な状態とすることができる。

0063

また、インク排出管51cには、図1及び図2に示すように、逆止弁8を設けてもよい。この逆止弁8は、インク排出室412からバッファ空間部6に向けたインクの流出を許容し、その反対方向のインクの流れを阻止するように機能する。例えば、インク中に含まれる夾雑物によって各個別連通路422及び共通流路421が目詰まりし、副流路F2の圧力P2が下がると、共通インク室41内の主流路F1の圧力P1との間に圧力差が生じる。この場合に、インク回収管51bから回収されたインクが、バッファ空間部6を経てインク排出管51cに逆流する虞がある。インク排出管51cに逆止弁8を設けることにより、インクの逆流によって共通流路421及び各個別連通路422に気泡や夾雑物が戻ることを防止することができる。

0064

なお、この逆止弁8も圧力損失要素の一つであるため、逆止弁のクラッキング圧力開弁圧)は低いほうがよく、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じる圧力Px(例えば5kPa程度)よりも低いことが必要である。また、ノズル22からのメニスカスブレイクを確実に防止するには、移送ポンプ105による加圧をせずに、インク返送管103に(インク回収管51bと排出流路423とのバッファ空間部6よりも下流側に)吸引ポンプを設け、この吸引ポンプが生じさせる負圧のみによりインクを循環させるようにしてもよい。

0065

以上説明した実施形態のインクジェット記録装置100においては、インクジェットヘッド1とインクタンク101との間でインクを循環させているが、本発明はこれに限定されない。図示しないが、インク回収管51b及びインク排出管51cから流出したインクを、インクタンク101に戻さずに、廃インクタンクに排出させるように構成してもよい。後述する他の実施形態のインクジェットヘッド1を用いた場合も同様である。

0066

〔整流板の他の実施形態〕
図5は、インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す要部縦断面図である。

0067

図5(a)に示すように、このインクジェットヘッド1において、整流板41aは、先端側を上側に傾斜させて設けることも好ましい。なお、その一部である先端側が供給口5aの近傍に配置されていれば、基端側は供給口5aから離れていてもよい。この場合、インク供給口5aから流入したインクは、直進する流路を整流板41aにより阻まれ、整流板41aの先端側に向けて進路を変え、整流板41aが傾斜しているために共通インク室41内の上方側に向かって流れる。従って、共通インク室41内の上方側のインク流量が多くなり、流速が速まるので、残留気泡が効率的に排出される。また、整流板41aは、インク供給口5aから流入したインクを、共通インク室41内の中央部上方側に導く形状であることがより好ましい。例えば、整流板41aは、先端側が共通インク室41内の中央部上方側に向かうように傾斜させて設けることが好ましい。この場合、インク供給口5aから流入したインクは、共通インク室41内の中央部上方側に向かって流れる。従って、インク供給口5aの近傍及びインク回収口5bの近傍よりも流路が広いために流速が遅くなり気泡が残留し易い中心部付近でのインク流速を速めることができ、残留気泡を効率的に排出することができる。

0068

また、整流板41aは、図5(b)に示すように、共通インク室41内のインクの流れに沿う曲面部を有するものとしてもよい。この整流板41aは、インク供給口5aから流入したインクの進路を所望の進路に変化させるために、該所望の進路に対応する曲面部を有している。整流板41aに曲面部を設けることにより、流路を狭めることなく、インクの進路を所望の進路に変化させることができる。この整流板41aを用いることにより、インク供給口5aから流入したインクは、直進する流路を整流板41aにより阻まれ、曲面部に沿って整流板41aの先端側に向けて進路を変え、共通インク室41内の中央部上方側に向かって流れる。従って、共通インク室41内の上方側のインク流量が多くなり、流速が速まるので、残留気泡が効率的に排出される。

0069

図6は、インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す要部縦断面図である。

0070

図6に示すように、整流板41aは、圧力減衰手段であるダンパー部材(MF(Manifold)ダンパー)81に設けてもよい。このダンパー部材81は、共通インク室41の底面部に配置され、各圧力室22の上方に位置している。このダンパー部材81は、圧力室22の変形により発生し共通インク室41に戻る圧力波緩衝して、この圧力波が他の圧力室22に影響すること(クロストーク)を防止するものである。整流板41aは、ダンパー部材81の上面板に一体的に突設されている。整流板41aは、前述したように、共通インク室41の中央部の上側に向けて傾斜したもの(図6(a))であっても、水平なもの(図6(b))であってもよい。このインクジェットヘッド1においては、ダンパー部材81の回りに残留し易い気泡を効率的に除去することができる。

0071

〔インクジェットヘッドの他の実施形態〕
インクマニホールド4内には、図7に示すように、排出路423を複数設けてもよい。図7は、本発明に係るインクジェット記録装置の他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。

0072

本実施形態においては、インクマニホールド4内のヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に、それぞれ隔壁45,45を設け、インク貯留室41の両側に、2つのインク排出室412,412を設ける。そして、各インク排出室412,412を経由する一方及び他方の2つの排出路423,423を設ける。一方の排出路423は、前述した実施形態における排出路423と同一のものである。他方の排出路423も、前述した実施形態における排出路423と同様に構成することができる。

0073

すなわち、一方のインク排出室412には、前述のように、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなす一方のインク排出管51cを連設する。同様に、他方のインク排出室412にも、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなす他方のインク排出管51cを連設する。

0074

そして、これらインク排出管51c,51cの上端側を、それぞれインク回収管51bに合流させる。各インク排出管51c,51cとインク回収管51bとは、前述した実施形態と同様に合流箱61に接続することによって合流させることができる。

0075

合流箱61の外面には、バッファ空間部6に至る第1乃至第4の開口部48a,48b,48c,48dが形成されている。第1の開口部48aからバッファ空間部6を経て第3
の開口部48cに至る流路は、インク回収管51bの中途部に介在される。実装状態としては、インク回収管51bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部48aに接続させ、下流側を第3の開口部48cに接続させることになる。そして、第2の開口部48bには、一方のインク排出管51cを接続させる。第4の開口部48dには、他方のインク排出管51cを接続させる。

0076

本実施形態においては、排出路423,423は、各注入孔31aから各圧力室23を経て、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれて、両側の排出孔31b,31b及び両側の排出チャネル424,424を経てバッファ空間部6に至るインクの経路となる。すなわち、圧力室23内から共通流路421に至ったインクは、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれ、それぞれ排出チャネル424,424を経て排出孔31b,31bに至る。各排出孔31b,31bに至ったインクは、これら排出孔31b,31bを通って、一方及び他方のインク排出室412,412を経て、一方及び他方のインク排出管51c,51cに至る。

0077

このように排出路423を複数設けた場合には、排出孔31bまでの距離が短い各圧力室23を多くすることができるので、排出路423全体の流路抵抗を低く抑えることができ、副流路F2の流路抵抗を低く抑えることができる。

0078

図8は、インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す要部縦断面図である。

0079

図8に示すように、この実施形態における整流板41aは、隔壁(縦壁部)45を介して共通インク室41に一体的に連設されている。すなわち、共通インク室41とインク排出室412とを分離する隔壁45と整流板41aとが一体的に連設され、これらが共通インク室41に一体的に連設されている。隔壁45と整流板41aとが共通インク室41に一体的に連設されているため、作製が容易であるとともに、整流板41aの剛性耐久性を高めることができる。

0080

図9は、インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す縦断面図である。

0081

整流板41aは、共通インク室41内に2枚以上を配置してもよく、図9は、2枚の整流板41a、41bを配置した例である。この共通インク室41内には、図9に示すように、前述した整流板41aが第1の整流板41aとして設けられ、さらに、第2の整流板41bが設けられている。この第2の整流板41bは、共通インク室41内の長手方向のほぼ中央に位置し、共通インク室41内におけるインクの流れの上流側が下方に位置し、下流側が上方に持ち上がった傾斜した平板状に形成されている。この第2の整流板41bは、共通インク室41に一体的に設けることができる。

0082

この第2の整流板41bにより、共通インク室41の天井面に当たって跳ね返されたインクの流れを再び上側に戻すことができる。従って、共通インク室41の上方側におけるインク流量を増加させることができ、流速を速められる。そのため、共通インク室41の上方側の残留気泡が効率的に排出される。共通インク室41が長尺化された場合には、共通インク室41の長さに応じて、第2の整流板41bの枚数をさらに増やすことが好ましい。第2の整流板41bの枚数を増やすことにより、共通インク室41の上方側におけるインクの流速を維持することができ、共通インク室41の上方側の残留気泡が効率的に排出される。

0083

図10は、インクジェットヘッドの整流板の他の実施形態を示す縦断面図である。

0084

インク回収口5b側の隔壁45は、図10に示すように、共通インク室41内からインク回収口5bに向かうインクの流れ方向に対応させて、共通インク室41の底面部から徐々にインク回収口5bに接近するように傾斜させてもよい。

0085

前述した各実施形態において、共通インク室41は、天井面を水平面に対して傾斜させてもよい。すなわち、インク供給口5aよりもインク回収口5bのほうが高い位置となるように天井面を傾斜させる。この傾斜により、共通インク室41内の残留気泡は、天井面に沿って高い側、つまりインク回収口5b側に移動するので、整流板41aによる整流効果との相乗効果により、残留気泡をより効率的に排出することができる。

0086

図11は、共通インク室の内部にフィルターを設けた実施形態を示す縦断面図である。

0087

図11に示すように、共通インク室41の内部には、フィルター71を設けてもよい。このフィルター71は、共通インク室41内に、整流板41aの先端部とほぼ同じ高さ位置に水平に設けられ、共通インク室41内を上側及び下側に分割している。このフィルター71は、整流板41aと異なり、共通インク室41内の一端側から他端側に亘っている。このフィルター71は、共通インク室41内の上側から下側に流れるインクが透過するときに、このインクに含まれる気泡及び沈降した粒子や顔料等を除去する。このインクジェットヘッド1においては、整流板41aが設けられていることにより、フィルター71の上側におけるインクの流速が速くなっているので、フィルター71の上側の残留気泡が効率よく排出され、ノズル22からの気泡巻込み時にフィルター71によって発生する微細気泡をも除去することができる。

0088

図12は、外部フィルターを設けた実施形態を示す斜視図である。

0089

図12に示すように、フィルターとして、外部フィルター72を用いることもできる。外部フィルター72は、インクマニホールド4の外方、インク回収管51bの中途部に設置され、インク回収口5bから回収されたインクが透過するようになっている。外部フィルター72を透過するインクは、このインクに含まれる気泡及び沈降した粒子や顔料等を除去され、インクタンク101に戻される。

0090

〔共通インク室の実施形態〕
図13は、インクジェットヘッドの共通インク室の分解斜視図である。

0091

このインクジェットヘッド1において、共通インク室41は、図13に示すように、第1の部材91及び第2の部材92を突き合わせて結合することによって構成することができる。これら第1及び第2の部材91、92は、それぞれ合成樹脂材料により一体的に形成されている。

0092

第1の部材91には、少なくともインク供給口5a及びインク回収口5bが設けられている。また、第1の部材91は、共通インク室41の天蓋部となる平板状の天蓋板93を有し、この天蓋板93の両端側にインク供給口5a及びインク回収口5bが設けられている。

0093

第2の部材92には、少なくとも圧力室の取付け部4a及び整流板41aが設けられている。また、第2の部材92は、共通インク室41となる空間部を有し、この空間部内に整流板41aを備えている。共通インク室41となる空間部の開放された下端部が、圧力室の取付け部4aとなっている。また、第2の部材92には、インク排出室412及びインク排出管51cが設けられている。

0094

これら第1及び第2の部材91、92を突き合わせて結合することにより、インクマニホールド4が構成され、このインクマニホールド4内に共通インク室41が構成される。

0095

なお、この実施形態においては、インク排出室412及びインク排出管51cがそれぞれインクマニホールド4の両側部に設けられている。すなわち、排出路423,423は、各注入孔31aから各圧力室23を経て、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれて、両側の排出孔31b,31b及び両側の排出チャネル424,424を経てバッファ空間部6に至るインクの経路となる。従って、各圧力室23内から共通流路421に至ったインクは、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれ、それぞれ排出チャネル424,424を経て排出孔31b,31bに至る。各排出孔31b,31bに至ったインクは、これら排出孔31b,31bを通って、一方及び他方のインク排出室412,412を経て、一方及び他方のインク排出管51c,51cに至る。

0096

このように排出路423を複数設けた場合には、各圧力室23から排出孔31bに至る距離を短くすることができるので、排出路423全体の流路抵抗を低く抑えることができ、副流路F2の流路抵抗を低く抑えることができる。

0097

前述の実施形態は、本発明に係るインクジェットヘッドをシアーモードヘッドとして構成した例であるが、本発明はこれに限定されず、気泡が残留し得る共通インク室を備えたインクジェットヘッドであれば、各種のインクジェットヘッドに適用することができる。

0098

1:インクジェットヘッド
2:ヘッドチップ
21:ノズルプレート
22:ノズル
23:圧力室
24:駆動壁
24a:圧電素子
3:配線基板
31a:注入孔
31b:排出孔
31c:個別排出孔
4:インクマニホールド
41:共通インク室
412:インク排出室
421:共通流路
422:個別連通路
423:排出路
424:排出チャネル
45:隔壁
46:連通路
47:隔板
5a:インク供給口
5b:インク回収口
51a:インク供給管
51b:インク回収管
51c:インク排出管
6:バッファ空間部
61:合流箱
71:フィルター
72:外部フィルター
8:逆止弁
81:ダンパー部材
9:流量調整部材
F1:主流路
F2:副流路
100:インクジェット記録装置
101:インクタンク
102:インク移送管
103:インク返送管
104:制御部
105:移送ポンプ

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