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技術 農業用配色フィルム

出願人 みかど化工株式会社
発明者 佐藤晶英石川春樹元吉一浩稲葉和代
出願日 2016年9月8日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-175997
公開日 2018年3月15日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-038340
状態 特許登録済
技術分野 植物の保護 温室
主要キーワード 対流放熱 酢ビ含量 農業用プラスチック 時間的制限 外張り 被覆下 サイズ差 正面断面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月15日)のものです。
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図面 (5)

課題

時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる農業用配色フィルムを提供すること。

解決手段

本発明の農業用配色フィルム1は、長尺状のフィルムの幅方向の中央に、可視光遮光率が25%〜55%の範囲である遮光領域2を有し、該遮光領域2の両側に、入射する可視光の散光率が20%〜40%の範囲である散光領域3を有することを特徴とする。

概要

背景

ハウス栽培トンネル栽培等において、農業用フィルムは、外張り被覆フィルムカーテンフィルム等として用いられており、年間を通じて農作物生産に役立ってきた。

農作物にとって、農業用施設内の光量変化とそれに伴う温度変化は、ストレスとなるため、可能な限りこれらの変化を抑制し、環境を一定に保つことが好ましい。これには、農業用フィルムが重要である。

従来の農業用フィルムには、これまで様々な工夫がなされてきた。
例えば、フィルム遮光性を付与することによって、農業用施設内への入射光量を調節したり、散光性を付与することによって、入射光を散乱させて無影化環境をつくることができるフィルムがある。

概要

時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる農業用配色フィルムを提供すること。本発明の農業用配色フィルム1は、長尺状のフィルムの幅方向の中央に、可視光遮光率が25%〜55%の範囲である遮光領域2を有し、該遮光領域2の両側に、入射する可視光の散光率が20%〜40%の範囲である散光領域3を有することを特徴とする。

目的

しかしながら、特許文献1や特許文献2で開示される農業用フィルムを用いても、一日を通して、農業用施設内を同様に遮光または散光するため、一定の生育環境を提供する

効果

実績

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請求項1

長尺状のフィルム幅方向の中央に、可視光遮光率が25%〜55%の範囲である遮光領域を有し、該遮光領域の両側に、入射する可視光の散光率が20%〜40%の範囲である散光領域を有することを特徴とする農業用配色フィルム。

請求項2

前記遮光領域は、酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1記載の農業用配色フィルム。

請求項3

前記散光領域は、シリカ及び又はケイ酸塩鉱物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の農業用配色フィルム。

技術分野

0001

本発明は、農業用配色フィルムに関し、より詳しくは、時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる農業用配色フィルムに関する。

背景技術

0002

ハウス栽培トンネル栽培等において、農業用フィルムは、外張り被覆フィルムカーテンフィルム等として用いられており、年間を通じて農作物の生産に役立ってきた。

0003

農作物にとって、農業用施設内の光量変化とそれに伴う温度変化は、ストレスとなるため、可能な限りこれらの変化を抑制し、環境を一定に保つことが好ましい。これには、農業用フィルムが重要である。

0004

従来の農業用フィルムには、これまで様々な工夫がなされてきた。
例えば、フィルムに遮光性を付与することによって、農業用施設内への入射光量を調節したり、散光性を付与することによって、入射光を散乱させて無影化環境をつくることができるフィルムがある。

先行技術

0005

特開2004−314363号公報(遮光フィルム
特開2006−115838号公報(散光フィルム
特開2012−10609号公報

発明が解決しようとする課題

0006

一日を通して考えると、太陽光線の量は、太陽の高度(仰角)によって変化する。つまり、と夕は、太陽光線が昼に比べて比較的弱く、且つ低い角度から太陽光線が入射し、昼は、朝と夕に比べて太陽光線が強く、且つ高い位置から太陽光線が入射する。

0007

しかしながら、特許文献1や特許文献2で開示される農業用フィルムを用いても、一日を通して、農業用施設内を同様に遮光または散光するため、一定の生育環境を提供することが困難であった。

0008

一方、特許文献3は、一日のうち、早朝や夕方などの太陽高度が低く農作物の生育に適さない日光照射角度を農作物の生育に適した角度に変更したり、太陽高度が高く強い日光の直射高度を緩和して、有効日照時間を調節して農作物の育成に適した日照環境とすることが可能な農業用シートを開示している。
特許文献3の農業用シートは、透明な樹脂フィルムの一面に、光線屈折および/または反射して、該フィルムを通して光線方向を変化せることの可能な光学エレメントプリズム)が配列する構成である。

0009

しかしながら、光学エレメント(プリズム)を、農業用シートの表面に配列させることは設計上複雑であり、また、農業用施設内での通風等の外的負荷によってプリズム面が所望の配置からずれると所望の高度変化を得られないなど、汎用性に劣る問題があった。

0010

そこで本発明の課題は、時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる農業用配色フィルムを提供することにある。

0011

また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。

課題を解決するための手段

0012

請求項1記載の農業用配色フィルムは、長尺状のフィルムの幅方向の中央に、可視光遮光率が25%〜55%の範囲である遮光領域を有し、該遮光領域の両側に、入射する可視光の散光率が20%〜40%の範囲である散光領域を有することを特徴とする。
請求項2記載の農業用配色フィルムは、請求項1記載の農業用配色フィルムにおいて、前記遮光領域は、酸化チタンを含有することを特徴とする。
請求項3記載の農業用配色フィルムは、請求項1又は2記載の農業用配色フィルムにおいて、前記散光領域は、シリカ及び又はケイ酸塩鉱物を含有することを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明によれば、時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる農業用配色フィルムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

(a)本発明の第一態様に係る農業用配色フィルムを示す平面図、(b)図1(a)のb−b線断面図及び該断面図における要部拡大図
インフレーション成形法において円形ダイから押出される円筒状の樹脂径方向に切断した断面図
本発明の農業用配色フィルムを外張り被覆フィルムとして用いる一態様を概念的に示す正面断面
本発明の農業用配色フィルムをカーテンフィルムとして用いる一態様を概念的に示す正面断面図

0015

本発明の農業用配色フィルムは、長尺状のフィルムの幅方向の中央に、可視光の遮光率が25%〜55%の範囲である遮光領域を有し、該遮光領域の両側に、入射する可視光の散光率が20%〜40%の範囲である散光領域を有することを一つの特徴とする。これにより、時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる効果が得られる。

0016

さらに、本発明の農業用配色フィルムを口に使用して農作物を栽培すると、透明フィルムや散光フィルムを使用した場合に比べて、同じ管理作業収穫時期の幅を長く保つことができる効果もある。即ち、収穫時期を1〜2週間程度ずらすことが可能となる。
通常、農作物は、一般的な収穫時期からずらして収穫されたものほど、市場に出回る商品数が少ないために価格が高騰する確率が高いため、本発明の農業用配色フィルムを用いて栽培された農作物は、商品の価格が高まる可能性が高い時期に収穫、流通させることができるため、その商品価値を高めることができる。

0017

また、本発明の農業用配色フィルムは、遮光領域を有することによって、日中のフィルム内の温度上昇を抑えることができるため、透明フィルムや散光フィルムを用いた場合ではフィルム内の温度が上昇して収穫物がしなってしまう時間帯であっても、農作物がしならない。よって、収穫時間が制限されずに、新鮮な状態で農作物を収穫することができる効果もある。

0018

以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳しく説明する。

0019

図1(a)は本発明の第一態様に係る農業用配色フィルムを示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)のb−b線断面図及び、該断面図における要部拡大図である。

0020

農業用配色フィルム(以下、単にフィルムという場合がある)1は、長尺状のフィルムにより構成されている。

0021

フィルム1には、遮光領域2と散光領域3とが設けられている。以下に、遮光領域2、散光領域3について詳しく説明する。

0022

遮光領域2は、フィルム1の幅方向の中央に設けられている。遮光領域2は、フィルム1の長手方向に沿って延設されている。

0023

遮光領域2は、可視光の遮光率が25%〜55%の範囲であり、30%〜50%の範囲であることが好ましい。

0024

可視光の遮光率(単位:%)は、分光光度計(例えば日立UH4150型)を用い、波長400〜700nmの所謂可視光域透過率(単位:%)を測定し、その平均値平均透過率)より算出する。〔遮光率=100−平均透過率〕の式から遮光率が求められる。

0025

遮光領域2は、上述した特定の遮光率を達成するために、遮光剤を含有することができる。

0026

遮光剤は、上述した特定の遮光率を達成できるものであれば格別限定されないが、例えば酸化チタン等を好ましく挙げることができる。遮光剤は、粒子又は粉末として遮光領域2に含有させることができる。粒子又は粉末の径は、上述した特定の遮光率を達成できるものであれば格別限定されない。酸化チタンを用いる場合、粒子径は0.05〜1μm以下であることが好ましい。

0027

本態様において、遮光領域2はベース樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE)を用いた単層構成であり、遮光剤は、遮光領域2を構成する単層のフィルム中に練り込まれている。

0028

散光領域3は、遮光領域2の幅方向の両側に、それぞれ設けられている。散光領域3は、フィルム1の長手方向に沿って延設されている。

0029

散光領域3は、入射する可視光の散光率が20%〜40%の範囲であることが好ましく、22%〜30%の範囲であることがさらに好ましい。散乱した可視光の到達量は、散乱点からの距離が長くなるにつれて減少する傾向がある。

0030

散光率(単位:%)は、ヘーズメーター(東洋精機製作所社製、「直読ヘーズメーター」)を用いて被覆下における全透過光(単位:%)及び透過散乱光(単位:%)を測定し、透過散乱光/全透過光により算出することができる。

0031

散光領域3は、上述した特定の散光率を達成するために、散光剤を含有することができる。

0032

散光剤は、上述した特定の散光率を達成できるものであれば格別限定されないが、例えば無機化合物等を好ましく挙げることができる。無機化合物の具体例としては、シリカ、ケイ酸塩鉱物等の粘土鉱物ハイドロタルサイト水酸化アルミニウム等が挙げられ、特にシリカやケイ酸塩鉱物等の粘土鉱物が好適である。無機化合物は、任意の組み合わせで混合して用いてもよい。散光剤は、粒子又は粉末として散光領域3に含有させることができる。粒子又は粉末の径は、上述した特定の散光率を達成できるものであれば格別限定されないが、例えば、0.1〜10μm程度のものを選択することができる。

0033

本態様において、散光領域3は、第1層31及び第2層32を積層してなる2層構成である。農業用配色フィルム1を展張した際に、第1層31は農作物と反対側(外側)に配向され、第2層32は農作物側(内側)に配向されることが好ましい。

0034

本態様では、第1層31のベース樹脂は直鎖低密度ポリエチレン(L−LDPE)であり、第2層32のベース樹脂はエチレン酢酸ビニル共重合体EVA)である。

0035

本態様において、散光剤は散光領域3を構成する第2層32中に練り込まれており、第1層31については散光剤の付与が省略されている。

0036

散光領域3が、散光剤の付与が省略された第1層31を有することによって、フィルム表面を平滑にして、汚れを付きづらくしたり、フィルム表面で光線が反射して光線透過率が低下することを抑制したりすることができる。
また、第2層32には散光剤が練りこまれており、第2層32の表面には、散光剤に由来する凹凸があるため、第2層32の表面に水滴が付着した際に水膜が形成されて、散光領域3が透明になるので、フィルムの内外の様子を視認できるようになる効果もある。

0037

次に、農業用配色フィルムの製造方法について説明する。ここでは、農業用配色フィルムをインフレーション成形法によって製造する場合を例に挙げて説明する。

0038

図2は、インフレーション成形法において円形ダイから押出される円筒状の樹脂を径方向に切断した断面図である。

0039

図2に示すように、図示しない円形ダイから押出される円筒状の樹脂において、遮光領域2と散光領域3とが円周に沿って交互に2つずつ配置されている。

0040

かかる円筒状の樹脂を、図2中に破線C−Cで示す切断位置で、円筒状の長手方向に沿って切断することによって、2枚の農業用配色フィルムが得られる。

0041

フィルム製膜過程において、遮光領域2と散光領域3とが溶融状態接合されることによって、遮光領域2と散光領域3とが強固に一体化された農業用配色フィルムを得ることができる。これにより、展張作業時や展張後の使用時(栽培時)などにおいて遮光領域2と散光領域3とが分断されることはない。また、2枚のフィルムを重ね合わせて熱圧着する場合などと比較しても強度に優れ、更に重なり部分が形成されないため、遮光領域2と散光領域3との接合部分が滑らかであり、当該接合部分に局所的な負荷がかかりにくいという効果も得られる。

0042

農業用配色フィルムにおける遮光領域2のフィルム厚み、及び散光領域3のフィルム厚みは、それぞれダイからの押出圧力の調整によって、調整することができる。

0043

本態様では、散光領域3が2層構成の場合を示しているが、このような多層構成における各層31、32の厚み及び厚みの比も、各層31、32に対応する樹脂の押出圧力の調整によって、調整することができる。

0044

また、押出量の調整によって、農業用配色フィルムの幅を調整することができる。つまり、押出量を多くすることによって、押出された樹脂を比較的広く引き延ばすことが可能になり、農業用配色フィルムの幅を広くすることができる。

0045

以上の製造方法に係る説明では、円形ダイから押出される円筒状の樹脂において、遮光領域2と散光領域3とが円周に沿って交互に2つずつ配置されている場合について示したが、これに限定されず、交互に1つずつ配置されてもよいし、交互に3以上の複数ずつ配置されてもよい。これを適宜切断することで、農業用配色フィルムが得られる。

0046

農業用配色フィルムの製造方法は、上述したインフレーション成形法に限定されるものではなく、例えばTダイ成形法等も好ましく用いることができる。

0047

以上の説明では、遮光領域2を単層構成とする場合について主に説明したが、これに限定されない。遮光領域2は多層構成としてもよい。遮光領域2が多層構成である場合、遮光剤は何れか1以上の層に練り込むことができる。

0048

また、遮光剤を遮光領域2に含有させる方法は、遮光剤を練り込む方法に限定されない。例えば、遮光剤又は遮光剤を含む塗布液を、フィルムの一方又は両方の面に塗布する方法により遮光領域2を形成してもよい。これにより、フィルムの一方又は両方の面に遮光剤のコート層を形成することができる。遮光剤又は遮光剤を含む塗布液の塗布は、フィルムを製膜成形)した後に後処理として行ってもよいし、フィルムを製膜(成形)する際にインラインコート処理として行ってもよい。

0049

以上の説明では、散光領域3を2層構成(多層構成)とする場合について主に説明したが、これに限定されない。散光領域3を3層以上の多層構成としてもよいし、単層構成としてもよい。

0050

散光領域3が多層構成である場合、散光剤は何れか1以上の層に練り込むことができ、特にフィルム表面を構成する層に練り込まれていることが好ましい。散光剤がフィルム表面を構成する層に練り込まれていることによって、該表面に散光剤に由来する凹凸を付与でき、好適な散光状態を実現できる。

0051

このとき、散光剤はフィルムの一方の面を構成する層に練り込まれており、他方の面については、散光剤の付与量が一方の面を構成する層より少ないか、散光剤の付与が省略されていることが好ましい。特に、図1の例のように、農作物側(内側)に配向されるフィルム表面を構成する第2層32に練り込まれており、農作物と反対側(外側)に配向されるフィルム表面を構成する第1層31については、散光剤の付与量が第2層32より少ないか、散光剤の付与が省略されていることが好ましい。これにより、好適な散光状態を実現できると共に、農作物と反対側(外側)に配向されるフィルム表面の平滑性を向上して、農業用配色フィルムを良好に透視できるようになり、農作物を観察し易くなる効果が得られる。

0052

散光剤を散光領域3に含有させる方法は、散光剤を練り込む方法に限定されない。例えば、散光剤又は散光剤を含む塗布液を、フィルムの両方の面か、好ましくは一方の面に塗布する方法により散光領域3を形成してもよい。これにより、フィルムの両方の面か、好ましくは一方の面に散光剤のコート層を形成することができる。散光剤又は散光剤を含む塗布液の塗布は、フィルムを製膜(成形)した後に後処理として行ってもよいし、フィルムを製膜(成形)する際にインラインコート処理として行ってもよい。

0053

農業用配色フィルムの遮光領域2及び又は散光領域3は、保温剤を含有することが好ましい。これにより、農業用施設内の環境を農作物にとって更に良好な状態で一定に保つことができる。特に、散光領域3が保温剤を含有することは好ましいことである。

0054

保温剤を含有させる方法としては、保温剤を、フィルムを構成する一層以上の層に練り込む方法や、保温剤又は保温剤を含む塗布液をフィルムの両方の面か、好ましくは一方の面に塗布する方法などを用いることができる。

0055

保温剤が練り込まれた層の表面、あるいは保温剤が塗布された表面を農作物側(内側)に配向して用いることは特に好ましい。

0056

次に、遮光領域2及び散光領域3のそれぞれについて、層構成の好ましい例を挙げて、農業用配色フィルムについて更に詳しく説明する。

0057

遮光領域2を単層構成とする場合、遮光領域2を構成するフィルムのベース樹脂は、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(L−LDPE)等を好ましく挙げることができる。

0058

低密度ポリエチレン(LDPE)は、密度が0.910〜0.930g/ccの範囲のポリエチレンであり、一般的に「農ポリ」と称されるフィルムを用いることができる。

0059

エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いる場合、酢ビ含量が、3〜20重量%の範囲であることが好ましく、3.5〜15重量%の範囲であることがさらに好ましい。

0060

遮光領域2を多層構成とする場合、例えば下記(1)〜(3)の態様を好ましく挙げることができる。

0061

(1)多層構成の中にL−LDPE層を有し、少なくとも該L−LDPE層に遮光剤を含有する態様

0062

(2)多層構成の中にEVA層を有し、少なくとも該EVA層に遮光剤を含有する態様

0063

(3)上記(1)又は(2)の態様において、多層構成の中に更にLDPE層を有し、該LDPE層にも遮光剤を含有する態様

0064

上記(1)〜(3)の態様において、多層構成の中の他の層に用いる樹脂については、単層構成について説明した樹脂を適宜用いることができる。

0065

散光領域3を単層構成とする場合、散光領域3を構成するフィルムのベース樹脂は、遮光領域2を単層構成とする場合についてした説明を援用できるため、説明は省略する。

0066

特に、散光領域3を構成するベース樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いる場合には、酢ビ含量が、3〜20重量%の範囲のものを好ましく用いることができ、3.5〜15重量%の範囲のものをさらに好ましく用いることができる。
酢ビ含量が3〜20重量%であることにより、フィルムとして適正な性能を付与することができる。また、散光領域3に、例えば四級アンモニウム多価アルコール脂肪酸エステル等の防曇剤を配合する場合には、酢ビ含量が3〜20重量%であることにより、該防曇剤とのなじみが良好になることによって、防曇性に優れる。

0067

散光領域3を多層構成とする場合、例えば下記(1)〜(3)の態様を好ましく挙げることができる。

0068

(1)多層構成の中にL−LDPE層を有し、少なくとも該L−LDPE層に散光剤を含有する態様

0069

(2)多層構成の中にEVA層(酢ビ含量3〜20重量%)を有し、少なくとも該EVA層に散光剤を含有する態様

0070

(3)上記(1)又は(2)の態様において、多層構成の中に更にLDPE層を有し、該LDPE層にも散光剤を含有する態様

0071

上記(1)〜(3)の態様において、多層構成の中の他の層に用いる樹脂については、単層構成について説明した樹脂を適宜用いることができる。

0072

農業用配色フィルムの厚みは、例えば、30μm〜100μmの範囲であることが好ましく、40μm〜75μmの範囲であることが更に好ましい。ここでいう厚みは、多層構成の場合は、全体厚みを意味している。

0073

多層構成の各層は、樹脂の機能を発揮させることや、成形精度等の観点から、約5μm以上の厚みを有することが好ましい。

0074

農業用配色フィルムには、上述した遮光剤、散光剤や保温剤以外に、農業用プラスチックフィルムに使用される添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。

0075

以上の説明では、散光領域3に散光性を付与する方法として、散光剤を含有させる場合について主に示したが、これに限定されず、例えばエンボス加工等のような表面処理によって散光性を付与してもよい。

0076

以下に農業用配色フィルムの使用例を挙げて、農業用配色フィルムについて更に詳しく説明する。

0077

まず、農業用配色フィルムをハウス栽培の外張り被覆フィルムとして用いる場合について図3を参照して説明する。

0078

図3に示すように、外張り被覆フィルムとして展張された農業用配色フィルム1は、ハウス枠組みに設置した状態において、遮光領域2がハウス上部を覆い、散光領域3がハウス側部を覆っている。

0079

図3では、ハウス内への入射光を概念的に示している。低い角度から入射する光は、散光領域3を透過する際に、散光率20〜40%で様々な方向に散光され、通常太陽光線が行き届き難い農作物の下方にも太陽光線を供給する。これによって、好適に無影化環境を作り出すことができる。一方、高い位置から入射する光は、遮光領域2を透過する際に、25%〜55%の遮光率で遮光される。これによって、一日のうちで太陽の高度が高い時間帯の、強い太陽光線を好適に遮光し、葉焼けなどを抑制することができる。

0080

このように、時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる効果が得られる。

0081

また、遮光領域2と散光領域3とが1枚のフィルムとして一体化されているため、特別な追加工程不要で展張できる効果が得られる。

0082

次に、農業用配色フィルムをハウス栽培のカーテンフィルムとして用いる場合について図4を参照して説明する。

0083

図4(a)〜(c)では、外張り被覆フィルム10の内部に、カーテンフィルムとして展張された農業用配色フィルム1には、遮光領域2と散光領域3とが設けられている。
カーテンフィルムとして展張する場合の農業用配色フィルム1は、図4(a)、(b)に示すように、ハウス内上部に略水平に設置するか、図4(c)に示すように、センター巻き上げ式で設置することができる。図4(c)の態様では、ハウス側面の肩部から垂直方向垂れ下がるように、別体の農業用配色フィルム1を用いることもできる。このとき、農業用配色フィルム1は、巻き上げ軸Sを有することができ、該巻き上げ軸を中心に巻き上げることによって、カーテンを巻き上げて使用できる。
このようにして、外張り被覆フィルム10と、農業用配色フィルム1との間に、所謂対流放熱遮断層を形成して、保温効果を発揮することができる。

0084

そして、図4(a)〜(c)に示すように、遮光領域2による遮光と、散光領域3による散乱が組み合わされて木漏れ日効果が発揮され、光量変化とそれに伴う温度変化が少なくなり、時間帯によって変化する太陽光線の量や強度を調節し、農業用施設内の環境を農作物にとって良好な状態で一定に保つことができる効果が得られる。

0085

農業用配色フィルム1をハウス栽培のカーテンフィルムとして用いる場合において、更に、外張り被覆フィルム10にも農業用配色フィルムを用いることができる。即ち、一つのハウスにおいて、外張り被覆フィルムとしての農業用配色フィルムと、カーテンフィルムとしての農業用配色フィルムとを併用することもできる。

0086

以上、ハウス栽培についてした説明は、トンネル栽培等の場合にも適宜援用することができる。農業用配色フィルム1をトンネル栽培のトンネルフィルムとして用いる場合において、トンネルがハウス等の農業用施設内に設置される場合には、ハウス栽培の外張り被覆フィルム10やカーテンフィルムとして農業用配色フィルムを併用することもできる。

0087

農業用配色フィルムの用途は上記の例に限定されず、農作物を栽培する際に広く用いることができる。

0088

以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。

0089

1.フィルムの作製
(フィルム1)
(1)図2に示す円形ダイを用いたインフレーション成形法によって、下記各構成の遮光領域と散光領域とを有するフィルムを作製した。
遮光領域は、単層構成とし、散光領域は、第1層及び第2層からなる2層構成とした。

0090

<遮光領域>
ベース樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)(MFR2.0、密度0.924g/cc)100重量部を用い、酸化チタン(TiO2)を1重量部配合した。

0091

<散光領域>
第1層のベース樹脂として、直鎖低密度ポリエチレン(L−LDPE)(MFR1.0、密度0.920g/cc)50重量部、第2層のベース樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(酢ビ含量15重量%)50重量部をそれぞれ用いた。
第2層には、さらにシリカ微粉末を10重量部配合した。

0092

(2)得られたフィルムを、図2中に破線C−Cで示す切断位置で、円筒状の長手方向に沿って切断し、図1に示す農業用配色フィルムを2枚得た。そのうちの1枚の農業用配色フィルムをフィルム1とする。

0093

農業用配色フィルムの全層厚みは、遮光領域と散光領域とで共通であり、50μmであった。
農業用配色フィルムのうち、遮光領域の遮光率は、分光光度計(「日立UH4150型」)で測定したところ、40%であった。
また、農業用配色フィルムのうち、散光領域の散光率は、ヘーズメーター(東洋精機製作所社製、「直読ヘーズメーター」)で測定したところ、30%であった。

0094

(フィルム2)
フィルム2として、みかど化工社製「透明ユーラック」を用いた。光線透過率は、90%である。
実施例1と同様に該フィルムの遮光率及び散光率を測定したところ、遮光率は10%、散光率は10%であった。

0095

(フィルム3)
フィルム3として、みかど化工社製「散光ユーラック」を用いた。光線透過率は、88%である。
実施例1と同様に該フィルムの遮光率及び散光率を測定したところ、遮光率は12%、散光率は40%であった。

0096

2.農作物の栽培試験
フィルム1〜3を展張したトンネルをそれぞれ3つずつ用意し、各々のトンネルについて(1)生育試験(春期)(試験1〜3)、(2)生育試験(夏期)(試験4)を実施した。
なお、試験1〜4はすべて、みかど化工株式会社誉田実験農場にて行った。

0097

(1)生育試験(春期)
フィルム1〜3を用いて、試験1〜3の各条件で、生育試験を行った。結果は、それぞれ表1〜3に示す。

0098

試験1
播種日:2016年3月9日
・収穫日:2016年4月8日(第1期)
2016年4月15日(第2期)
2016年4月22日(第3期)
栽培農作物小松菜タネ:カネコ社製「よかった菜」)
・収穫株数:23株(第1期)、23株(第2期)、23株(第3期)

0099

0100

試験2
・播種日:2016年3月29日
・収穫日:2016年4月8日(第1期)
2016年4月19日(第2期)
2016年4月25日(第3期)
・栽培農作物:ホウレンソウ(タネ:タキイ社製「オカメ」)
・収穫株数:21株(第1期)、21株(第2期)、21株(第3期)

0101

0102

※第2期、第3期の葉幅は、一株に含まれる葉の、サイズ差が激しい品種であったため、測定不可であった。

0103

試験3
・播種日:2016年3月9日
・収穫日:2016年4月12日(第1期)
2016年4月26日(第2期)
・栽培農作物:ダイコン(タネ:タキイ社製「トップランナー」)
・収穫株数:15株

0104

0105

<評価>
第一に、試験1〜3の結果より、本発明の農業用配色フィルム(フィルム1)は、遮光領域を有するにもかかわらず、透明フィルム(フィルム2)並びに散光フィルム(フィルム3)と同程度の生育を実現することができることが示された。
これは、本発明の農業用配色フィルムでは、遮光領域によって遮光される光線量を、散光領域によって散光される光線量によって補うことができ、農作物の生育(光合成)に十分な光線量を確保することができているということである。

0106

第二に、フィルム1は遮光領域を有しているが、フィルム1で栽培された農作物には、葉の間延びは確認されなかった。また、葉数や葉のサイズ(葉長、葉幅)が、フィルム2やフィルム3で栽培された農作物に比べて、大きく劣っていることもなかった。

0107

さらに、春期にフィルム1で栽培された農作物は、フィルム2、3で栽培された農作物が通常収穫される時期(試験1〜3では第2期)から、1〜2週間程度ずれた時期(試験1〜3では第3期)に収穫されると、収穫に適したサイズに生育することが示された。
つまり、他のフィルムを用いて栽培された農作物よりも数週間ずらして収穫することができる効果を奏する。

0108

透明フィルムや散光フィルムを用いて栽培された農作物について、収穫時期をずらそうとすれば、葉焼けや凍傷焼けなどが発生するため、従来は一般的な収穫時期を大幅にずらすことは不可能であった。
通常、農作物は、一般的な収穫時期から遅れて収穫されたものほど、市場に出回る商品数が少ないため、価格が高騰する。
本発明の農業用配色フィルムを用いて栽培された農作物は、商品の価格が高まる時期に新鮮な状態で収穫され、流通させることができるため、その商品価値は非常に高いものとなる。

0109

さらに、本発明の農業用配色フィルムを用いた場合には、通常フィルム内の温度が上昇する日中の時間帯であっても、農作物がしなることがなく、収穫に際して時間的制限を受けることがなかった。

0110

(2)生育試験(夏期)
フィルム1〜3を用いて、試験4の条件で生育試験を行った。
収穫時の葉焼け、玉焼けの有無について確認した。結果は表4に示す。

0111

試験4
定植日:2016年4月13日
・収穫日:2016年7月21日
・栽培農作物:メロン(品種:タカミ(園研))

0112

0113

また、栽培された株の、草丈、節数、着果節位茎径果実重を測定し、それぞれの平均値を算出した。
さらに、収穫物について、糖度を測定して平均値を算出した(糖度計:ATAGO社製「N−1」)。
結果は、それぞれ表5に示す。

0114

実施例

0115

<評価>
表4より、本発明の農業用フィルム(フィルム1)を用いると、葉焼け及び玉焼けを好適に防止できることがわかる。さらに、フィルム1では、若芽も確認された。フィルム内の環境が好適に維持されているということである。
また、本発明の農業用フィルム(フィルム1)を用いて栽培されたメロンは、平均草丈や節数等が他フィルム(フィルム2、3)よりも下回り、収穫されたメロンの平均果実重が、最も大きかった。これは、表4に示すように、葉焼け及び玉焼けを好適に防止できた結果であると思われる。葉焼け等が防止されたことにより、栄養成長が抑えられ、生殖成長エネルギーが費やされたため、大きな果実を得ることができたと考えられる。
また、フィルム1で収穫された果実の糖度が最も高かった(表5)。
本発明の農業用フィルムを用いると、同じ管理作業でも、透明フィルムや散光フィルムを用いるよりも、果実が大きく、且つ糖度の高い果実を収穫できるため、商品の質を向上させる効果も発揮できる。
また、玉焼けを防止することができるため、収穫後、商品とならずに廃棄される果実を削減することができる。結果として、収量が増加することできることがわかる。

0116

1:農業用配色フィルム
2:遮光領域
3:散光領域
31:第1層
32:第2層

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