図面 (/)

技術 内部アーク保護装置

出願人 株式会社東芝東芝インフラシステムズ株式会社
発明者 高橋正雄
出願日 2016年9月2日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-172114
公開日 2018年3月8日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2018-038235
状態 特許登録済
技術分野 配電盤
主要キーワード 受配電盤 内部アーク 着脱判定 着脱センサ 受電盤 正弦波発生器 波形検出 アーク光
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を抑制できる内部アーク保護装置の提供。

解決手段

実施の形態に係る内部アーク保護装置は、検出部、判別部遮断器及び制御部を備える。検出部は、受配電盤の内部における光を検出する。判別部は、検出部により検出された光がアーク光であるか否かを判別する。遮断器は、受配電盤に対する電流の流れを遮断する。制御部は、判別部による判別結果に基づいて、遮断器の動作を制御する。

概要

背景

受電配電に用いる電力設備は、取り扱う電圧が高いため、仮に短絡事故が起これば、例えば100kApeak以上の大きな電流が流れ、短絡点ではアークアークプラズマ)が発生する。このアークは、例えば20000℃以上もの高温に達し、周囲の部材を溶融させ、甚大な被害を生じさせる。このため、アークへの対策は重要である。

従来、アークへの対策には、短絡電流を検出して遮断器により事故点の電圧を遮断する内部アーク保護装置が利用されている。しかしながら、従来の内部アーク保護装置は、例えば50msecなどの比較的長い動作時間を要するため、被害を喰い留めるには必ずしも十分な性能を有しているとはいえず、改善の余地を残している。そこで、近年の内部アーク保護装置は、例えば受配電盤内でのアークによる発光を捉え、これに遮断器の動作を連動させることで、アークによる被害の低減が図られている。

つまり、近年の内部アーク保護装置は、アーク光の検出から遮断器が始動するまでの動作時間が、例えば1msec以下の時間であって、従来の短絡電流の検出から遮断器が始動するまでの上記した50msecなどの動作時間と比べて遙かに短い動作時間が実現されるため、アークによる被害を最小限に抑えることができる。

概要

アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を抑制できる内部アーク保護装置の提供。実施の形態に係る内部アーク保護装置は、検出部、判別部、遮断器及び制御部を備える。検出部は、受配電盤の内部における光を検出する。判別部は、検出部により検出された光がアーク光であるか否かを判別する。遮断器は、受配電盤に対する電流の流れを遮断する。制御部は、判別部による判別結果に基づいて、遮断器の動作を制御する。

目的

本発明が解決しようとする課題は、アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を抑制できる内部アーク保護装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

受配電盤の内部における光を検出する検出部と、前記検出部により検出された光がアーク光であるか否かを判別する判別部と、前記受配電盤に対する電流の流れを遮断する遮断器と、前記判別部による判別結果に基づいて、前記遮断器の動作を制御する制御部と、を備える内部アーク保護装置

請求項2

前記受配電盤は、その外装の一部を構成する外装カバーを備え、前記判別部は、前記外装カバーが前記受配電盤から取り外されているか否かを判定する着脱判定部を有し、前記外装カバーが取り外されていると判定された場合、前記検出部によって検出された光をアーク光ではないと判別する、請求項1に記載の内部アーク保護装置。

請求項3

前記受配電盤は、窓を備え、前記判別部は、前記窓から前記受配電盤内へ入射する光を検出する第2の検出部を有し、前記第2の検出部によって前記入射する光が検出された場合、前記検出部によって検出された光をアーク光ではないと判別する、請求項1に記載の内部アーク保護装置。

請求項4

前記判別部は、前記受配電盤の内部における光についての異なる波長成分毎の強度をそれぞれ取得する光強度取得部を有し、前記それぞれ取得された強度の差が閾値を超えている場合、前記検出部によって検出された光をアーク光であると判別する、請求項1に記載の内部アーク保護装置。

請求項5

前記判別部は、前記受配電盤を流れる電流の波形乱れを検知する波形検知部を有し、前記波形の乱れの検知結果を、前記検出部によって検出された光がアーク光であるか否かを判別するときの指標の一つとして適用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の内部アーク保護装置。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、内部アーク保護装置に関する。

背景技術

0002

受電配電に用いる電力設備は、取り扱う電圧が高いため、仮に短絡事故が起これば、例えば100kApeak以上の大きな電流が流れ、短絡点ではアークアークプラズマ)が発生する。このアークは、例えば20000℃以上もの高温に達し、周囲の部材を溶融させ、甚大な被害を生じさせる。このため、アークへの対策は重要である。

0003

従来、アークへの対策には、短絡電流を検出して遮断器により事故点の電圧を遮断する内部アーク保護装置が利用されている。しかしながら、従来の内部アーク保護装置は、例えば50msecなどの比較的長い動作時間を要するため、被害を喰い留めるには必ずしも十分な性能を有しているとはいえず、改善の余地を残している。そこで、近年の内部アーク保護装置は、例えば受配電盤内でのアークによる発光を捉え、これに遮断器の動作を連動させることで、アークによる被害の低減が図られている。

0004

つまり、近年の内部アーク保護装置は、アーク光の検出から遮断器が始動するまでの動作時間が、例えば1msec以下の時間であって、従来の短絡電流の検出から遮断器が始動するまでの上記した50msecなどの動作時間と比べて遙かに短い動作時間が実現されるため、アークによる被害を最小限に抑えることができる。

0005

特開昭58−218805号公報
特開2009−16085号公報
特開平7−59221号公報

先行技術

0006

Roscoe, G. “Methodsfor arc-flash detection in electrical equipment” Petroleum and Chemical Industry Conference (PCIC), 2010 Record of Conference Papers Industry Applications Society 57th Annual (2010)

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上述した内部アーク保護装置には、以下に述べる課題がある。すなわち、遮断器による保護動作は、アーク光の検出に連動して開始される構成ではあるものの、光を発するものはアークとは限らないため、太陽光照明などの他の光と区別してアーク光を検出する必要がある。

0008

そこで、本発明が解決しようとする課題は、アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を抑制できる内部アーク保護装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

実施の形態に係る内部アーク保護装置は、検出部、判別部、遮断器及び制御部を備える。検出部は、受配電盤の内部における光を検出する。判別部は、検出部により検出された光がアーク光であるか否かを判別する。遮断器は、受配電盤に対する電流の流れを遮断する。制御部は、判別部による判別結果に基づいて、遮断器の動作を制御する。

図面の簡単な説明

0010

第1の実施形態に係る内部アーク保護装置の構成を示す図。
第2の実施形態に係る内部アーク保護装置の構成を示す図。
第3の実施形態に係る内部アーク保護装置の構成を示す図。
アーク光及び太陽光のスペクトルを模式的に示す図。
第4の実施形態に係る内部アーク保護装置の構成を示す図。
図5の内部アーク保護装置の波形検出部におけるa点の電圧波形を示す図。
図5の内部アーク保護装置の波形検出部におけるb点の電圧波形を示す図。
図6Aに示すa点の電圧波形と図6Bに示すb点の電圧波形との差分の電圧波形を示す図。

実施例

0011

以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、本実施形態に係る内部アーク保護装置10は、検出部2と、着脱判定部として機能する着脱センサ3aを含む判別部3と、遮断器4と、制御部として機能するアンド回路5と、を備えている。

0012

検出部2は、図1に示すように、受電盤配電盤などの電力設備である受配電盤の内部における光(本実施形態では配電盤1の内部における一定光量以上の光)を検出する。判別部3は、検出部2により検出された光がアーク光6であるか否かを判別する。遮断器4は、配電盤1に対する電流の流れを遮断する。アンド回路5は、判別部3による判別結果に基づいて、遮断器4の動作を制御する。

0013

具体的には、アンド回路5は、検出部2により検出された光を、判別部3がアーク光6ではないと判別した場合には、遮断動作を開始させないように遮断器4を制御する。また、アンド回路5は、検出部2により検出された光を、判別部3がアーク光6であると判別した場合に、遮断動作を開始するように遮断器4を制御する。ここで、本実施形態の内部アーク保護装置10は、検出部2により検出された光をアーク光6であると判別して遮断器4を始動させるまでの動作時間として、1msec以下のオーダの動作時間を実現することができる。

0014

図1に示すように、上述した検出部2は、複数本光ファイバ2a、光検出器2b、基準電圧源2c及びコンパレータ比較器)2dを有する。複数本の光ファイバ2aは、それらの一端部が、配電盤1の内部における複数箇所にそれぞれ配置されており、それぞれの一端部から光を受光して光検出器2bに伝送する。光検出器2bは、各光ファイバ2aから伝送されてきた光の光量に対応する電圧(電気信号)を、コンパレータ2dの一方の入力端子に付与する。

0015

コンパレータ2dは、光検出器2bからの入力電圧が、基準電圧源2cからの入力電圧以下である場合には、Lowレベル(0)をアンド回路5に出力する。また、コンパレータ2dは、光検出器2bからの入力電圧が、基準電圧源2cからの入力電圧を超えている場合には、Highレベル(1)をアンド回路5に出力する。なお、基準電圧源2cには、アーク光に相当する上記一定光量以上の光を光検出器2bが受光したときに、当該光検出器2bから出力され得る電圧を基準とした電圧値が設定されている。

0016

ここで、アーク光6は、通常の外乱光に比べて、発光強度が桁違いに高いため、通常の外乱光との判別は容易である。しかしながら、例えばカメラフラッシュの光は、アーク光6に匹敵するほど光量が高く、単に光量の大小を比較したとしてもアーク光6との判別が難しいため、内部アーク保護装置10を誤動作させる可能性がある。

0017

そこで、本実施形態の内部アーク保護装置10には、判別部3が設けられている。一方、配電盤1は、その外装の一部を構成する外装カバー1aを備えている。この外装カバー1aが配電盤1(配電盤本体)に取り付けられている場合には、配電盤1本体の開口部1bが閉鎖され、これにより、配電盤1の内部には、カメラのフラッシュなどを含む外乱光が入射しない状態となる。一方、外装カバー1aが配電盤1から取り外されている場合には、配電盤1本体の開口部1bから配電盤1の内部へ、カメラのフラッシュなどを含む外乱光が入射し得る状態となる。

0018

つまり、上記した着脱センサ3aは、外装カバー1aが配電盤1から取り外されているか否かを判定(検出)する。この着脱センサ3aを有する判別部3は、外装カバー1aが配電盤1から取り外されていると判定された場合、検出部2によって検出された光(一定光量以上の光)をアーク光ではないと判別する。

0019

具体的には、着脱センサ3aは、外装カバー1aが取り付けられている状態では、アンド回路5に「1」を出力し、一方、外装カバー1aが取り外されている状態では、アンド回路5に「0」を出力する。さらに、アンド回路5は、着脱センサ3a及びコンパレータ2dの少なくとも一方から「0」を入力した場合、遮断器4に「0」を出力し、一方、着脱センサ3a及びコンパレータ2dの双方から「1」を入力した場合、遮断器4に「1」を出力する。遮断器4は、アンド回路5から「0」を入力した場合、遮断動作を開始せず、一方、アンド回路5から「1」を入力した場合、遮断動作を開始させる。

0020

言い換えると、本実施形態の内部アーク保護装置10は、点検やその他の理由で、配電盤1から外装カバー1aが取り外されている状況、すなわち、開口部1bから配電盤1の内部へ例えばカメラのフラッシュの光などが入射してしまう状況では、検出部2により配電盤1の内部で、一定光量以上の光が検出された場合であっても、遮断器4による遮断動作(保護動作)の実行を阻止する。

0021

既述したように、本実施形態の内部アーク保護装置10によれば、短絡事故などが起こった場合に生じ得るアークを、例えば1msec以下の短時間で消滅させることができると共に、アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を抑制することができる。

0022

なお、本実施形態においては、配電盤1から外装カバー1aが取り外されている状態では、遮断器4による遮断動作を実行させないようにする例について説明した。だだし、カメラのフラッシュの発光時間が、通常1msec程度であることに着目し、この発光時間を基に、カメラのフラッシュの光とアーク光とを判別部が判別するようにしてもよい。

0023

つまり、外装カバー1aが取り外されている状態であっても、検出された一定光量以上の光の発光時間が、例えば2msec(又は2〜5msec)を超える場合(フラッシュ光ではなくアーク光である可能性が高いと判別された場合)、遮断器4による遮断動作を実行させるように内部アーク保護装置を構成することも可能である。このような仕様の内部アーク保護装置は、例えば2msec程度の発光時間の経過を待つ必要が生じるため、光の検出から遮断器が始動するまでの動作時間が、わずかに長くなるものの、従来の短絡電流の検出から遮断器が始動するまでの例えば50msecなどの動作時間と比べると、明らかに短い動作時間となるため、アークによる被害を十分に低減させることができる。

0024

<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態を図2に基づき説明する。なお、図2において、図1に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。図2に示すように、本実施形態の内部アーク保護装置20は、第1の実施形態における内部アーク保護装置10の判別部3に代えて、判別部23を備えている。

0025

また、本実施形態では、第1の実施形態の配電盤1に代えて、図2に示すように、配電盤21が適用されている。配電盤21は、その内部の機器などを視覚的に確認できるようにするための窓21aを備えている。この窓21aは、例えばカメラのフラッシュの光などを含む可視光を透過させる。

0026

図2に示すように、判別部23は、互いに協働して第2の検出部として機能する、光ファイバ23a、光検出器23b、基準電圧源23c、コンパレータ23d及びインバータ23eを備えている。第2の検出部として機能するこれらの部品は、窓21aから配電盤21の内部へ入射する光(内部へ入射する一定光量以上の光)を検出する。判別部23は、第2の検出部として機能する上記の各部品によって前記内部へ入射する光が検出された場合、検出部2によって検出された光をアーク光6ではないと判別する。

0027

詳述すると、上述した光ファイバ23aは、窓21aから配電盤21の内部へ入射した光を、当該光ファイバ23a本体の一端部から受光して、光検出器23bに伝送する。光検出器23bは、光ファイバ23aから伝送されてきた光の光量に対応する電圧を、コンパレータ23dの一方の入力端子に付与する。

0028

コンパレータ23dは、光検出器23bからの入力電圧が、基準電圧源23cからの入力電圧以下である場合には、Lowレベル(0)をインバータ23eに出力する。また、コンパレータ23dは、光検出器23bからの入力電圧が、基準電圧源23cからの入力電圧を超えている場合には、Highレベル(1)をインバータ23eに出力する。

0029

なお、基準電圧源23cには、カメラのフラッシュの光に相当する一定光量以上の光を光検出器23bが受光したときに、当該光検出器23bから出力され得る電圧を基準とした電圧値が設定されている。また、基準電圧源23c及び基準電圧源3cにそれぞれ設定される電圧値は、同じ電圧値であってもよいし、互いに異なる電圧値であってもよい。

0030

さらに、インバータ23eは、コンパレータ23dから「1」を入力した場合には、これを反転してアンド回路5に「0」を出力し、コンパレータ23dから「0」を入力した場合には、これを反転してアンド回路5に「1」を出力する。つまり、インバータ23eは、カメラのフラッシュの光など、一定光量以上の光が、窓21aから配電盤21の内部へ入射した状況では、アンド回路5に「0」を出力し、一方、一定光量以上の光が窓21aから入射していない状況では、アンド回路5に「1」を出力する。

0031

さらに、アンド回路5は、インバータ23e及びコンパレータ2dの少なくとも一方から「0」を入力した場合、遮断器4に「0」を出力し、一方、インバータ23e及びコンパレータ2dの双方から「1」を入力した場合、遮断器4に「1」を出力する。遮断器4は、アンド回路5から「0」を入力した場合、遮断動作を開始せず、一方、アンド回路5から「1」を入力した場合、遮断動作を開始させる。

0032

したがって、本実施形態の内部アーク保護装置20によれば、窓21aを有する配電盤21の近傍で例えばカメラのフラッシュなどが発光された場合には、遮断器4による遮断動作を実質的に無効化できるので、アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を抑えることができる。

0033

なお、第1の実施形態の変形例として説明した構成と同様に、カメラのフラッシュの発光時間が、通常1msec程度であることに着目し、配電盤21の内部で検出された一定光量以上の光の発光時間を、当該検出された光がアーク光であるか否かを判別するときの指標判別基準)の一つとして判別部23が適用してもよい。

0034

<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態を図3に基づき説明する。なお、図3において、図1に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。図3に示すように、本実施形態の内部アーク保護装置30は、第1の実施形態における内部アーク保護装置10の検出部2、判別部3及びアンド回路5に代えて、複数本の光ファイバ2a及び光検出器32a、32bを含む検出部32、光強度取得部33aを含む判別部33、並びにコンパレータ35を備えている。コンパレータ35は、判別部の一部として機能すると共に、制御部としての機能を有する。

0035

ここで、第1、第2の実施形態で例示した受配電盤としての例えば配電盤1、配電盤21は、外部から配電盤本体の内部への光の侵入を、不完全ながらも防御することが可能な構造であったが、第3の実施形態で例示する受配電盤としての例えば配電盤31は、内部への光の侵入を防御することが、より難しい構造となっている。

0036

そこで、カメラのフラッシュの光とアーク光とを判別するために発光スペクトルを適用することについて検討する。アーク光の発光スペクトルについては、アークの温度や、蒸発した金属原子の種類によって様々な発光スペクトルを取り得る。一方、カメラのフラッシュは、写真を自然な色合いで撮影する必要性から、その発光スペクトルは、太陽光のそれと近似することが望まれている。実際に現在のカメラのフラッシュの主流であるキセノンランプの発光スペクトルは、太陽光に極めて近くなっている。

0037

図4は、アーク光及び太陽光のスペクトルを模式的に示している。図4に示すように、太陽光は、波長400nmから700nmの可視光の領域では、比較的フラットに近い発光スペクトルであるのに対し、アーク光は、アークの温度や、蒸発した金属原子の種類によって様々な発光スペクトルとなる。つまり、アーク光は、原子特有の強い線スペクトルを含み、かつ、アークの温度で決まる連続スペクトルを有している。アークの温度が高い場合には、発光の中心波長紫外域に達し、図4中の実線で示されるようなスペクトルとなる。

0038

そこで、このようなスペクトルのうち、例えば500nmの波長(また例えば490nm〜500nmの波長域)λ1の成分と例えば600nmの波長(また例えば590nm〜600nmの波長域)λ2の成分との2種類の波長の光を取り出す場合を考えると、太陽光では、波長λ2の成分のエネルギーよりも波長λ1の成分のエネルギーが僅かに高くなっているのに対し、アーク光では、波長λ2の成分のエネルギーよりも波長λ1の成分のエネルギーが、2倍以上高くなっていることが分かる。なお、上記の波長λ1の成分は、例えば450nm〜500nmの範囲内に収まるものなどが例示され、一方、波長λ2成分は、例えば600nm〜650nmの範囲内に収まるものなどが例示される。

0039

ここで、光における波長λ1の成分と波長λ2の成分とを取り出して、各波長成分の強度Pλ1、Pλ2を取得し、さらに太陽光スペクトル強度比kを適用すると、出力Aは、下記の数式1で与えられる。

0040

A=Pλ1−k・Pλ2 … 数式1

0041

上記の数式1を用いて計算された出力Aは、太陽光やそれに近いスペクトルを持ったカメラのフラッシュの光では、出力がほぼ0になるのに対し、アーク光では出力が得られ、これにより、アーク光とカメラのフラッシュの光とを判別することが可能となる。

0042

すなわち、上記した判別部33の光強度取得部33aは、配電盤31の内部における光についての異なる波長成分毎の強度(例えば光度などの光のへエネルギーの値)をそれぞれ取得する。さらに、判別部33は、光強度取得部33aによってそれぞれ取得された強度の差が閾値を超えている場合、検出部32によって検出された光をアーク光であると判別する。

0043

より具体的には、光強度取得部33aは、第1及び第2の波長フィルタ33b、33c、増幅器33d、33e、可変減衰器可変式アッテネータ)33f、差動増幅器33gを有している。判別部33は、このような光強度取得部33aに加え、制御部としても機能するコンパレータ35、及び基準電圧源33hをさらに備えている。

0044

つまり、第1の波長フィルタ33bは、光ファイバ2aに受光された光のうち、上記した波長λ1の成分を透過させ、第2の波長フィルタ33cは、上記した波長λ2の成分を透過させる。第1、第2の波長フィルタ33b、33cを透過した各波長成分は、光検出器32a、32bによって電気信号に変換された後、増幅器33d、33eでそれぞれ増幅される。

0045

増幅器33dの出力は、可変減衰器33fを介して差動増幅器33gの一方の入力端子に付与され、また、増幅器33eの出力は、差動増幅器33gの他方の入力端子に付与される。ここで、可変減衰器33fの減衰率は、例えば太陽光のスペクトル(及び太陽光のスペクトルに近いスペクトルを持ったカメラのフラッシュ光のスペクトル)が、第1、第2の波長フィルタ33b、33cを介して取得された場合に、差動増幅器33gの一方及び他方の入力電圧がほぼ等しくなるように調整されている。

0046

差動増幅器33gは、一方及び他方の入力電圧の差分に対応する差分電圧を、コンパレータ35の一方の入力端子に付与する。コンパレータ35は、差動増幅器33gからの入力電圧が、基準電圧源33hからの入力電圧以下である場合には、遮断器4に「0」を出力する。また、コンパレータ35は、差動増幅器33gからの入力電圧が、基準電圧源33hからの入力電圧を超えている場合(波長λ1の成分と波長λ2の成分との強度の差が閾値を超えている場合)には、遮断器4に「1」を出力する。

0047

ここで、基準電圧源33hには、アーク光のスペクトルが、第1、第2の波長フィルタ33b、33cを介して取得されることを想定して、波長λ1、λ2の各成分の強度の差の閾値に対応する電圧値(基準電圧)が設定されている。また、遮断器4は、コンパレータ35から「0」を入力した場合、遮断動作を開始せず、一方、コンパレータ35から「1」を入力した場合(実質的にアーク光のスペクトルが取得された場合)、遮断動作を開始させる。

0048

したがって、本実施形態の内部アーク保護装置30によれば、太陽光やカメラのフラッシュ光などとアーク光との判別精度を高めることができるので、アークの誤った検出に伴う電流遮断の誤動作を、より確実に抑えることができる。

0049

<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態を図5図6A図6Cに基づき説明する。なお、図5において、図1に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。図5に示すように、本実施形態の内部アーク保護装置40は、第1の実施形態における内部アーク保護装置10の判別部3及びアンド回路5に代えて、判別部43及びアンド回路45を備えている。

0050

判別部43は、内部アーク保護装置10の着脱センサ(着脱判定部)3aを含む判別部3の構成に加え、波形検知部46をさらに備えている。波形検知部46は、配電盤1を流れる電流の波形の乱れを検知する。この波形検知部46を有する判別部43は、波形の乱れの検知結果を、検出部2によって検出された光がアーク光であるか否かを判別するときの指標(判別基準)の一つとして適用する。

0051

具体的には、図5に示すように、波形検知部46は、導体43a、CT(Current Transformer:変流器)43b、ADC(A/D変換器)43c、遅延回路43d、DAC(D/A変換器)43e、差動増幅器43h、基準電圧源43p及びコンパレータ43kを備えている。CT43bは、導体43aから配電盤1内に流れ込む電流を測定し、測定結果に対応した信号(電圧)を、差動増幅器43hの一方の入力端子に付与すると共に、ADC43cに出力する。

0052

ADC43cは、CT43bの出力をデジタル信号に変換する。遅延回路43dは、ADC43cからの入力信号一周期分遅延させて、DAC43eに出力する。DAC43eは、一周期分遅延したデジタル信号をアナログ信号に変換して、差動増幅器43hの他方の入力端子に付与する。

0053

差動増幅器43hは、一方の入力端子(CT43bからの入力電圧)と一周期分遅延した他方の入力端子からの入力電圧との差分に対応する差分電圧を、コンパレータ43kの一方の入力端子に付与する。コンパレータ43kは、差動増幅器43hからの入力電圧が、基準電圧源43pからの入力電圧(商用電源正弦波の波形の乱れを考慮した閾値の電圧)以下である場合には、アンド回路45に「0」を出力する。コンパレータ43kは、差動増幅器43hからの入力電圧が、基準電圧源43pからの入力電圧を超えている場合(アークが発生した可能性がある場合)には、アンド回路45に「1」を出力する。

0054

ここで、図6Aは、図5の波形検知部46におけるa点43fの電圧波形(電圧Vaの波形)を示しており、図6Bは、波形検知部46におけるb点43gの電圧波形(電圧Vbの波形)を示している。さらに、図6Cは、図6Aに示すa点43fの電圧波形と図6Bに示すb点43gの電圧波形との差分の電圧波形(電圧Vb−Vaの波形)を示している。

0055

詳述すると、本実施形態の判別部43は、図5図6A図6Cに示すように、商用電源の周波数成分の変化(波形の乱れ)を検知することによって、アーク光が発生し得る電流変化があったか否かを判定し、内部アーク保護装置40の誤動作を低減しようとするものである。この場合の検出対象は、商用電源の正弦波の変化であって、これに対して、単純な過電流の検出では、遮断器4を始動させるまでの動作時間が遅くなる。上記した判別部43は、配電盤1内を例えば周波数50Hzの商用電源において、一周期(20msec)前の定常時に流れる電流の周波数成分と、アークなどが発生した場合に異常に流れる電流の周波数成分と、を実質的に比較することによって、電流変化の検出速度を向上させている。

0056

つまり、図6Aに示すように、CT43bから直接出力されたa点43fの電圧信号(Va)に対し、図6Bに示すように、遅延回路43dを経由したb点43gの電圧信号Vb)は、一周期遅れており、定常状態ではVb−Vaは0が出力される。しかしながら、電流に変化が生じると、図6Cに示すように、差信号が現れ、これによって、電流の変化を高速に検出することができる。なお、商用電源の周波数成分を発生させるための構成は、遅延回路に限定されるものでなく、例えば商用周波数専用の正弦波発生器を適用してもよい。

0057

一方、図5に示すように、アンド回路45は、上記したコンパレータ43k、着脱センサ3a及びコンパレータ2dのうちの少なくとも一つから「0」を入力した場合、遮断器4に「0」を出力し、一方、コンパレータ43k、着脱センサ3a及びコンパレータ2dの全てから「1」を入力した場合、遮断器4に「1」を出力する。遮断器4は、アンド回路45から「0」を入力した場合、遮断動作を開始せず、一方、アンド回路45から「1」を入力した場合、遮断動作を開始させる。

0058

したがって、本実施形態の内部アーク保護装置40によれば、例えばカメラのフラッシュの光などとアーク光との判別精度をさらに向上させることができるので、アークの誤った検出に伴う誤動作の発生を、よりに確実に抑制することができる。なお、図5の例では、図1に示した第1の実施形態の構成に対して、さらに波形検知部46を含む判別部43を追加した内部アーク保護装置40を例示したが、これに代えて、図2に示した第2の実施形態の構成に対して、さらに図5の判別部43を追加した内部アーク保護装置を構成してもよいし、また、図3に示した第3の実施形態の構成に対して、さらに図5の判別部43を追加した内部アーク保護装置を構成することも可能である。

0059

以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0060

1,21,31…配電盤(受配電盤)、1a…外装カバー、1b…開口部、2,32…検出部、2a,23a…光ファイバ、2b,23b,32a,32b…光検出器、2c…基準電圧源、2d,23d,35,43k……コンパレータ、3,23,33,43…判別部、3a…着脱センサ、3c,23c,33h…基準電圧源、4…遮断器、5,45…アンド回路、6…アーク光、10,20,30,40…内部アーク保護装置、21a…窓、23e…インバータ、33a…光強度取得部、33b,33c…波長フィルタ、33d,33e…増幅器、33g…差動増幅器、43a…導体、43b…CT、43c…ADC、43d…遅延回路、43e…DAC、43h…差動増幅器、43p…基準電圧源、46…波形検知部。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社日立産機システムの「 バスダクト」が 公開されました。( 2021/09/30)

    【課題】筐体の鉄損を増大させることなく放熱性能を向上し、筐体の機械強度を保持できるバスダクトを提供すること。【解決手段】筐体と、筐体内に配置された導体100とを有し、筐体は、非磁性体103と磁性体10... 詳細

  • 日東工業株式会社の「 電気機器収納用箱」が 公開されました。( 2021/09/27)

    【課題】上方から荷重がかかっても屋根の側部を覆う屋根カバーが変形し難いようにすること。【解決手段】扉11と、側板12と、上面を覆う屋根30と、屋根の側部を覆う屋根カバー2を備えた電気機器収納用箱1であ... 詳細

  • 愛知電機株式会社の「 地上設置型変圧器の運搬架台」が 公開されました。( 2021/09/27)

    【課題】地上設置型変圧器の組立、保管、輸送時における移動および積み込み作業性の効率化を図る手段を提供する。【解決手段】地上設置型変圧器Aの工場で組立工程、保管工程および据え付け場所までの輸送工程などの... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ