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技術 表示装置

出願人 船井電機株式会社
発明者 児玉真一
出願日 2016年9月2日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-171954
公開日 2018年3月8日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2018-037989
状態 特許登録済
技術分野 送受信機 テレビジョン受像機の構造の細部 電場又は磁場に対する装置又は部品の遮蔽 受信機の構造
主要キーワード 開放箇所 筐体下方 高インピーダンス領域 金属線路 所定インピーダンス 所定発振周波数 輻射方向 延長パターン
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課題

発振部が基板に配置される表示装置において、基板のグランド部に接続される導電性筐体から発生する不要輻射を低減する。

解決手段

筐体22は、基板のグランド部の第1箇所22r、22sとこの第1箇所とは異なる第2箇所22wに接続される。そして、前記第1箇所及び前記第2箇所は、前記第1箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる筐体22の第1領域Bが、前記第2箇所によって第2の閾値よりも低いインピーダンスとなる筐体22の第2領域の少なくとも一部と重なる位置に配置される。従って、筐体において高いインピーダンスとなる第1領域が縮小されるので、筐体から発生する不要輻射が低減される。

概要

背景

従来、不要輻射を低減する表示装置チューナ装置として、特許文献1には、チューナICを収容するシールドケース金属筐体)の縦、横、奥行き、斜め(最も離れている頂点同士の直線距離)の各寸法の何れをも、収容するチューナICの発振部の源発発振周波数のうち最高周波数半波長よりも短く設定する構成を採用している。

また、特許文献2には、電子部品封止した導体シールド筐体)の上面中央部においてその上面中央部と回路基板グランドとを複数の導体柱で接続し、それ等の導体柱において導体柱同士の距離が最高使用周波数における波長の1/4以下となるように設定される構成を採用して、導体シールドの共振に起因する不要輻射を低減している。

更に、特許文献3には、金属筐体とプリント基板とを接続する導電性ポストグランディングポスト)を筐体の内部に万遍なく配置、又は筐体の端部に沿って可能な限り満遍なく配置し、それらのグランディングポストの間隔を、EMIを発生させたくない周波数に相当する電磁波の波長の4分の1以下に設定する構成を採用している。

概要

発振部が基板に配置される表示装置において、基板のグランド部に接続される導電性の筐体から発生する不要輻射を低減する。筐体22は、基板のグランド部の第1箇所22r、22sとこの第1箇所とは異なる第2箇所22wに接続される。そして、前記第1箇所及び前記第2箇所は、前記第1箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる筐体22の第1領域Bが、前記第2箇所によって第2の閾値よりも低いインピーダンスとなる筐体22の第2領域の少なくとも一部と重なる位置に配置される。従って、筐体において高いインピーダンスとなる第1領域が縮小されるので、筐体から発生する不要輻射が低減される。

目的

本発明は係る点に鑑み、その目的は、内部に発振部を収容する筐体を基板に配置する表示装置のチューナ装置において、筐体の縦、横などのサイズが発振部の最高発振周波数の半波長(λ/2)よりも長くなる場合であっても、接地箇所を少なくしながら、筐体では何処でも低インピーダンスにできて、不要輻射を効果的に低減できるようにすることにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

発振信号を出力する発振部を含み、所定閾値よりも高い周波数の信号を処理する信号処理部と、映像を表示する表示部と、前記信号処理部が配置され、グランド部を有する基板と、前記グランド部の第1箇所及び前記第1箇所とは異なる第2箇所に接続される導電性筐体とを備え、前記第1箇所及び前記第2箇所は、前記第1箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる前記筐体の第1領域が、前記第2箇所によって第2の閾値よりも低いインピーダンスとなる前記筐体の第2領域の少なくとも一部と重なる位置に配置されることを特徴とする表示装置

請求項2

発振信号を出力する発振部を含み、所定閾値よりも高い周波数の信号を処理する信号処理部と、映像を表示する表示部と、前記信号処理部が配置され、グランド部及び第1導体部を有する基板と、前記グランド部の第1箇所及び前記第1導体部の第2箇所に接続される導電性の筐体とを備え、前記第1箇所及び前記第2箇所は、前記第1箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる前記筐体の第1領域が、前記第2箇所によって第2の閾値よりも低いインピーダンスとなる前記筐体の第2領域の少なくとも一部と重なる位置に配置されることを特徴とする表示装置。

請求項3

前記第1領域は、前記筐体において、前記第1箇所から前記発振信号の波長の1/4の奇数倍の距離離れた領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置。

請求項4

前記第2領域は、前記筐体において、前記第2箇所から前記発振信号の波長の1/4の偶数倍の距離離れた位置にあることを特徴とする請求項1記載の表示装置。

請求項5

前記第2領域は、前記筐体において、前記第2箇所から前記発振信号の波長の1/4の奇数倍の距離離れた位置にあることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。

請求項6

前記筐体は、前記グランド部の前記第1箇所及び前記第2箇所とは異なる第3箇所に接続され、前記筐体は、前記第3箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる第3領域を有し、前記発振信号の波長をλとして、前記第1領域と前記第3領域とは2点で重なり、2点間の距離Xは、以下の条件を満たす0<X≦λ/10ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表示装置。

請求項7

前記筐体は、長方形の上部と、前記上部の各辺から延在し、前記上部と垂直な側部とを有し、前記第1箇所は、前記上部の短手側の辺から延在する側部に配置され、前記第2箇所は、前記上部の長手側の辺から延在する側部に配置されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の表示装置。

請求項8

前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ、複数の領域であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の表示装置。

請求項9

前記第1箇所及び前記第2箇所は、それぞれ、複数の箇所であり、前記第2箇所の個数は、前記第1箇所の個数と同数以下であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の表示装置。

請求項10

前記第1箇所は少なくとも2箇所であり、前記第2箇所は、少なくとも2箇所の前記第1領域に重なる1つの前記第2領域を含むことを特徴とする請求項9記載の表示装置。

請求項11

前記第2箇所は、前記筐体に接続される延長線により前記筐体から離れた前記基板の所定位置に配置されることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の表示装置。

請求項12

前記筐体は、前記基板の所定領域に配置され、前記第2箇所は、前記所定領域に配置されることを特徴とする請求項11記載の表示装置。

請求項13

前記延長線は、前記基板に配置された配線部であることを特徴とする請求項12記載の表示装置。

請求項14

前記第1領域又は前記第2領域は、前記発振信号の波長の変化範囲に応じた領域を含むことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の表示装置。

請求項15

前記筐体に設けられ、信号ケーブルが接続されるコネクタ部を備え、前記第1領域は、前記コネクタ部の近傍であることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の表示装置。

請求項16

前記発振信号の発振周波数の範囲は、2GHz以上であることを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の表示装置。

請求項17

前記信号処理部は、放送信号を受信するチューナ部又は情報信号送受信する無線通信部であることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の表示装置。

技術分野

0001

本発明は、例えばテレビ放送などを受信するチューナ装置を備えた表示装置に関し、特に、チューナ装置の金属筐体からの不要輻射EMI:Electro-Magnetic Interference)を低減する技術の改良に関する。

背景技術

0002

従来、不要輻射を低減する表示装置のチューナ装置として、特許文献1には、チューナICを収容するシールドケース(金属筐体)の縦、横、奥行き、斜め(最も離れている頂点同士の直線距離)の各寸法の何れをも、収容するチューナICの発振部の源発発振周波数のうち最高周波数半波長よりも短く設定する構成を採用している。

0003

また、特許文献2には、電子部品封止した導体シールド筐体)の上面中央部においてその上面中央部と回路基板グランドとを複数の導体柱で接続し、それ等の導体柱において導体柱同士の距離が最高使用周波数における波長の1/4以下となるように設定される構成を採用して、導体シールドの共振に起因する不要輻射を低減している。

0004

更に、特許文献3には、金属筐体とプリント基板とを接続する導電性ポストグランディングポスト)を筐体の内部に万遍なく配置、又は筐体の端部に沿って可能な限り満遍なく配置し、それらのグランディングポストの間隔を、EMIを発生させたくない周波数に相当する電磁波の波長の4分の1以下に設定する構成を採用している。

先行技術

0005

特開2015−109551号公報
国際公開WO2015/119151A1
特開平2007−299099号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、昨今では、チューナ装置に備えるチューナICの集積化、小型化が進んでいるものの、金属筐体に収容するコンデンサインダクタの小型化には限界があるため、金属筐体の縦、横、奥行き、斜めなどのサイズに限界が存在する。一方、ICに内蔵されるコンデンサなどの小型化に伴い、金属筐体に収容する電圧制御発振器VCO)の発振周波数は、テレビ放送受信用では例えば数〜十数GHzなどの高い発振周波数が使用され、この関係上、最高発振周波数の信号の波長λの半分値(λ/2)は極めて小値となる。このため、前記特許文献1記載の技術のように、金属筐体の縦、横、奥行き、斜めのサイズを前記VCOの最高発振周波数の信号の半波長(λ/2)以下にしようとしても、現実には相当困難であり、その結果、金属筐体で高インピーダンスとなる範囲が発生して、この範囲から大きな不要輻射が生じる。

0007

更に、前記特許文献1記載の技術では、筐体の斜め(最も離れている頂点同士の直線距離)の寸法、例えば四角形状の筐体の前面の左上角部とこの前面に対向する後面の右上角部とを結ぶ直線距離を、VCOの最高発振周波数の信号の半波長(λ/2)以下にできたと仮定しても、例えば筐体の前面の左下角部と後面の右下角部とを接地した場合には、四角形状の筐体の高さの2倍とこの筐体の上面の対角線長さとの合計寸法で導体シールドが共振するため、この合計寸法は前記最高発振周波数の信号の半波長(λ/2)を大きく超えて、やはり大きな不要輻射が生じる結果となる。

0008

また、前記特許文献2記載の技術および前記特許文献3記載の技術では、グランディングポストを筐体の内部や端部に沿って可能な限り満遍なく配置する構成であるため、グランディングポストの個数が多数となり、構成が複雑で高価格につく欠点がある。

0009

本発明は係る点に鑑み、その目的は、内部に発振部を収容する筐体を基板に配置する表示装置のチューナ装置において、筐体の縦、横などのサイズが発振部の最高発振周波数の半波長(λ/2)よりも長くなる場合であっても、接地箇所を少なくしながら、筐体では何処でも低インピーダンスにできて、不要輻射を効果的に低減できるようにすることにある。

課題を解決するための手段

0010

前記目的を達成するため、本発明では、筐体の接地箇所を基準インピーダンスとして高インピーダンスとなる筐体の部位では必然的に不要輻射が発生するため、この高インピーダンスとなる筐体の部位を強制的に低インピーダンスにする接地箇所を設けて、不要輻射を低減する。

0011

即ち、請求項1記載の発明の表示装置は、発振信号を出力する発振部を含み、所定閾値よりも高い周波数の信号を処理する信号処理部と、映像を表示する表示部と、前記信号処理部が配置され、グランド部を有する基板と、前記グランド部の第1箇所及び前記第1箇所とは異なる第2箇所に接続される導電性の筐体とを備え、前記第1箇所及び前記第2箇所は、前記第1箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる前記筐体の第1領域が、前記第2箇所によって第2の閾値よりも低いインピーダンスとなる前記筐体の第2領域の少なくとも一部と重なる位置に配置されることを特徴とする。

0012

請求項2記載の発明の表示装置は、発振信号を出力する発振部を含み、所定閾値よりも高い周波数の信号を処理する信号処理部と、映像を表示する表示部と、前記信号処理部が配置され、グランド部及び第1導体部を有する基板と、
前記グランド部の第1箇所及び前記第1導体部の第2箇所に接続される導電性の筐体とを備え、前記第1箇所及び前記第2箇所は、前記第1箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる前記筐体の第1領域が、前記第2箇所によって第2の閾値よりも低いインピーダンスとなる前記筐体の第2領域の少なくとも一部と重なる位置に配置されることを特徴とする。

0013

前記請求項1及び2記載の発明では、筐体を例えばその角部に配置したグランド部の第1箇所に接続すると、第1箇所によって高インピーダンスとなる筐体の第1領域の一部又は全部が、第2箇所によって低インピーダンスとなる筐体の第2領域と重なるので、高インピーダンスとなる筐体の第1領域での不要輻射が低減される。従って、前記筐体の縦、横などのサイズが発振部の最高発振周波数の波長λの半波長(λ/2)を越える長さであっても、高インピーダンスとなる筐体の第1領域の一部又は全部を第2箇所によって低インピーダンス化できて、不要輻射を効果的に低減することができる。

0014

しかも、従来のように、接地箇所を筐体の内部や側部に満遍なく多数配置する必要がなく、筐体を簡易な構成で低価格で製造できる。

0015

請求項3記載の発明は、前記第1領域は、前記筐体において、前記第1箇所から前記発振信号の波長の1/4の奇数倍の距離離れた領域であることを特徴とする。

0016

前記第3の発明では、第1箇所から発振信号の波長の1/4の奇数倍の距離離れた第1領域が高インピーダンスとなるが、その範囲内に低インピーダンスとなる第2領域が重なるので、第1領域を縮小できて、不要輻射を効果的に低減することができる。

0017

請求項4記載の発明は、前記第2領域は、前記筐体において、前記第2箇所から前記発振信号の波長の1/4の偶数倍の距離離れた位置にあることを特徴とする。

0018

前記第4の発明では、グランド部に接続された第2領域が、筐体において第2箇所から発振信号の波長の1/4の偶数倍の距離離れた位置にあるので、その第2領域を効果的に低インピーダンス化することができる。従って、高インピーダンスとなる第1領域を効果的に縮小できて、不要輻射を効果的に低減することができる。

0019

請求項5記載の発明は、前記第2領域は、前記筐体において、前記第2箇所から前記発振信号の波長の1/4の奇数倍の距離離れた位置にあることを特徴とする。

0020

請求項5記載の発明では、第1導体部の第2箇所に接続された筐体の第2領域が、その第2箇所から発振信号の波長の1/4の偶数倍の距離離れた筐体の位置にあるので、その第2領域を効果的に低インピーダンス化することができる。従って、高インピーダンスとなる筐体の第1領域を効果的に縮小できて、不要輻射を効果的に低減することができる。

0021

請求項6記載の発明は、前記筐体は、前記グランド部の前記第1箇所及び前記第2箇所とは異なる第3箇所に接続され、前記筐体は、前記第3箇所によって第1の閾値よりも高いインピーダンスとなる第3領域を有し、前記発振信号の波長をλとして、前記第1領域と前記第3領域とは2点で重なり、2点間の距離Xは、以下の条件を満たす
0<X≦λ/10
ことを特徴とする。

0022

前記請求項6記載の発明では、第1領域と第3領域とが重なる2点間の距離Xが、0<X≦λ/10の条件を満たすので、この2点間の領域内の全部又は一部を第2箇所によって低インピーダンスとなる第2領域にすれば、第1領域及び第3領域の双方を1つの第2箇所によって共に低インピーダンス化することが可能である。

0023

請求項7記載の発明は、前記筐体は、長方形の上部と、前記上部の各辺から延在し、前記上部と垂直な側部とを有し、前記第1箇所は、前記上部の短手側の辺から延在する側部に配置され、前記第2箇所は、前記上部の長手側の辺から延在する側部に配置されることを特徴とする。

0024

請求項8記載の発明は、前記第1領域及び前記第2領域は、それぞれ、複数の領域であることを特徴とする。

0025

請求項9記載の発明は、前記第1箇所及び前記第2箇所は、それぞれ、複数の箇所であり、前記第2箇所の個数は、前記第1箇所の個数と同数以下であることを特徴とする。

0026

請求項10記載の発明は、前記第1箇所は少なくとも2箇所であり、前記第2箇所は、少なくとも2箇所の前記第1領域に重なる1つの前記第2領域を含むことを特徴とする。

0027

前記請求項9及び10記載の発明では、第1箇所の個数に対して第2箇所の個数が同数以下に制限されるので、従来のように、筐体と基板のグランドとを接続する導体柱を多数個万遍なく配置する必要がなく、筐体の構成を簡易に且つ低コストにすることが可能である。

0028

請求項11記載の発明は、前記第2箇所は、前記筐体に接続される延長線により前記筐体から離れた前記基板の所定位置に配置されることを特徴とする。

0029

前記請求項11記載の発明では、第2箇所が筐体から延びる延長線によって筐体から離れた任意の位置に配置できるので、第1箇所によって生じた高インピーダンス範囲を低インピーダンスにする第2箇所の配置位置の自由度を高めることが可能である。

0030

請求項12記載の発明は、前記筐体は、前記基板の所定領域に配置され、前記第2箇所は、前記所定領域に配置されることを特徴とする。

0031

請求項13記載の発明は、前記延長線は、前記基板に配置された配線部であることを特徴とする。

0032

前記請求項12及び13記載の発明では、延長線が筐体下方に位置する基板の所定領域に配置されるので、基板上で筐体の側方近傍にチューナ装置の他の構成部品、例えばデジタル処理回路音声回路などが近接して配置されている場合であっても、これらの機器に邪魔されずに、高インピーダンス範囲を容易に低インピーダンスにすることが可能である。

0033

請求項14記載の発明は、前記第1領域又は前記第2領域は、前記発振信号の波長の変化範囲に応じた領域を含むことを特徴とする。

0034

前記請求項14記載の発明では、高インピーダンスとなる第1領域が発振部の発振信号の周波数変化に伴う波長変化に応じて変化しても、その変化範囲も含めて低インピーダンスとなる第2路が変化するので、発振部が何れの発振周波数で発振しても、常に筐体の何処でも不要輻射が効果的に低減される。

0035

請求項15記載の発明は、前記筐体に設けられ、信号ケーブルが接続されるコネクタ部を備え、前記第1領域は、前記コネクタ部の近傍であることを特徴とする。

0036

前記請求項15記載の発明では、例えばテレビ放送用の信号ケーブルがコネクタ部に接続された筐体では、第1箇所によりコネクタ部の近傍の範囲が第1領域として高インピーダンスとなっても、第2箇所がその第1領域の一部又は全部を第2領域として低インピーダンスにするので、筐体上のインピーダンス分布が信号ケーブルの状態(種類、材質、形状等)のばらつきによる影響を受けにくく、信号ケーブルの状態のばらつきよって不要輻射の発生することを抑制できる。

0037

請求項16記載の発明は、前記発振信号の発振周波数の範囲は、2GHz以上であることを特徴とする。

0038

前記請求項16記載の発明では、テレビ放送受信用のチューナ装置を備えた表示装置として不要輻射を効果的に低減できる。

0039

請求項17記載の発明は、前記信号処理部は、放送信号を受信するチューナ部又は情報信号送受信する無線通信部であることを特徴とする。

発明の効果

0040

以上説明したように、本発明の表示装置によれば、接地箇所によって筐体に高インピーダンスとなる範囲が発生しても、この範囲を強制的に低インピーダンスにする第2箇所を基板に配置したので、筐体から生じる不要輻射を効果的に低減できると共に、基板の接地電位部への接地箇所の数を従来に比べて極めて少数に制限できて、筐体の構成を簡易に且つ低価格にすることが可能である。

図面の簡単な説明

0041

図1は第1の実施形態に係る表示装置のチューナ装置に備えるチューナICの回路構成を示すブロック図である。
図2は筐体の一部を切り欠いた状態の同チューナ装置の要部構成を示す平面図である。
図3は同チューナ装置の要部構成を示す側面図である。
図4はチューナICを収容した筐体からの不要輻射の発生の様子を示し、同図(a)は2箇所接地の場合を、同図(b)は3箇所接地の場合を、同図(c)は4箇所接地の場合を各々例示する図である。
図5は同筐体を3箇所接地した場合の不要輻射の発生の様子を示し、同図(a)は発振周波数が6GHzの場合を、同図(b)は発振周波数が7GHzの場合を、同図(c)は発振周波数が8GHzの場合を各々例示する図である。
図6は同筐体を2箇所接地した場合に筐体に生じる高インピーダンス範囲を示し、同図(a)は平面視での発生範囲を、同図(b)は筐体の展開図上での発生範囲を示す。
図7は筐体の展開図を示す図である。
図8(a)は筐体を取り付けたメインボードを裏面から見た図、同図(b)は同メインボードに設けた接地状態ランド周りの断面図、同図(c)は同非接地状態のランド周りの断面図である。
図9は筐体の前左角部と同右角部の2箇所をメインボード上に接地した場合に筐体を展開した状態での高インピーダンス範囲を示す図である。
図10(a)は筐体の前左角部と後右角部の2箇所をメインボード上に接地した場合に筐体に生じる高インピーダンス範囲を示す図、同図(b)は同筐体を展開した状態での高インピーダンス範囲を示す図である。
図11は筐体の前面の左角部と後面の右角部とを第1の接地箇所として接地した場合に生じる高インピーダンス範囲を筐体の左側面の下辺部に配置した第2の接地箇所により低インピーダンス化する様子を示す図である。
図12図11の第2の接地箇所により筐体に生じる他の高インピーダンス範囲をも低インピーダンス化する様子を示す図である。
図13図12での第2の接地箇所の位置の変形例を示し、高インピーダンス点に対して波長の1/4の偶数倍の距離から波長λの1/20以内の点に配置した図である。
図14図12に示した第2の接地箇所の位置の他の変形例を示す図である。
図15図7に示した筐体に生じる2つの高インピーダンス範囲を筐体の右側面の下辺部に配置した第2の接地箇所により低インピーダンス化する様子を示す図である。
図16は筐体の左側面の下辺部に設けた第2の接地箇所と筐体の右側面の下辺部に設けた第2の接地箇所とにより筐体に生じた2つの高インピーダンス範囲を低インピーダンス化する様子を示す図である。
図17は筐体に設けた第2の接地箇所のメインボードへの接続の様子を示し、同図(a)は筐体に脚部を設ける場合を、同図(b)は筐体を直接メインボードに半田付けする場合を、同図(c)は金属板バネを用いる場合を各々示し、同図(d)は同金属板バネの側面図を、同図(e)は同金属板バネの断面図を各々示す。
図18は本発明の第2の実施形態を示し、筐体の展開図上で左側面の下辺部に設けた第2の接地箇所により高インピーダンス範囲を低インピーダンス化する様子を示す図である。
図19は本発明の第3の実施形態を示し、同図(a)は筐体に設ける第2の接地箇所を筐体から離れた位置に配置した図、同図(b)は第2の接地箇所周りの構成を示す断面図である。
図20は第3の実施形態の変形例を示し、同図(a)は筐体に設ける第2の接地箇所を筐体の下方に位置するメインボードの領域に配置した図、同図(b)は第2の接地箇所周りの構成を示す図、同図(c)は同図(b)の配線パターンのC−C線断面図である。
図21は本発明の第4の実施形態を示し、筐体に設ける他の接地箇所を筐体から離れた位置に配置した図である。
図22は同筐体の下方に位置するメインボードの領域に配置した延長線の変形例を示し、同図(a)は延長線を円弧形状にした例を示す図、同図(b)は円弧形状と直線形状とを組み合わせた例を示す図、同図(c)は波形状にした例を示す図である。
図23は同延長線の第2の変形例を示し、同図(a)は筐体とメインボードとの接続部分の平面図、同図(b)は断面図、同図(c)は底面図である。
図24は同延長線の第3の変形例を示し、延長線を金属線を用いて構成した斜視図である。
図25は同延長線の第4の変形例を示し、延長線を線状の導体と配線パターンとを用いて構成した場合の筐体とメインボードとの接続部分の断面図である。
図26は同延長線の第5の変形例を示し、延長線を板バネ状の導体を用いて構成した場合の筐体とメインボードとの接続部分の断面図である。
図27は本発明の第5の実施形態を示し、同図(a)は筐体に設ける開放箇所を筐体から離れた位置に配置した図、同図(b)は開放箇所周りの構成を示す図である。
図28はチューナICを収容した筐体の側面同士の電気的接続が弱い場合の筐体の天面を中心とした信号伝播のみを考慮する説明図である。
図29(a)は筐体の側面同士の電気的接続が強い場合の筐体の展開図、同図(b)は筐体の側面同士の電気的接続が強い場合に筐体の側面間の信号伝播をも考慮する説明図である。

実施例

0042

以下、本発明の実施形態を説明する。

0043

(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示装置のチューナ装置に備えるチューナICの回路図を示す。このチューナIC(チューナ部)は例えばテレビ放送用であり、その出力放送信号は図示しない表示部に出力されて、表示部にて放送信号に応じた映像を表示する。

0044

同図のチューナIC10において、1はRF-アンプ(Gain Control Amplifire)、2は段間フィルタ、3はVCO/PLL回路、4は1/N回路、5はミキサー、6は検出器、7は段間フィルタ、8はIF-アンプ(Gain Control Amplifire)、9はAGC(Auto Gain Control)回路である。

0045

前記RF-アンプ1は例えば日本の地上波のテレビ放送周波数帯である90〜767MHzのRF周波数の受信信号増幅し、段間フィルタ2は前記増幅された信号を帯域制限する。前記VCO/PLL回路(発振部)3は、内蔵する局部発振器が出力する発振信号の発振周波数をPLL回路の同調電圧により変化させて2GHz以上での周波数範囲、例えば6〜8GHzの発振周波数を発生させる。前記1/N回路4は前記VCO/PLL回路3により発生させた発振周波数を1/N倍(Nは例えば6〜133)して、例えば96.5〜770.5MHzの局部発振周波数を得るものである。また、前記ミキサー5は前記段間フィルタ2からのRF周波数の受信信号と前記1/N回路4からの局部発振周波数とを混合して受信信号を周波数変換する。前記検出器6はそのミキサー5からの差動出力差電圧を検出する。前記段間フィルタ7は、前記検出器6を通ったミキサー5の差動出力信号を帯域制限し、前記IF-アンプ8は前記帯域制限された周波数変換後の受信信号を増幅して、例えば3.5MHzのIF周波数の信号を出力する。更に、前記AGC回路9は、前記検出器6により検出されたミキサー5の差動出力間の差電圧に基づいて前記RF-アンプ1及びIF-アンプ8の増幅度を制御する利得制御信号RF AGC、IF AGCを発生する。

0046

前記構成のチューナIC10は、図2に示すように、水晶振動子15や、コンデンサ、インダクタその他のチップ部品16と共にメインボード20に配置される。前記チューナIC10、水晶振動子15及びチップ部品16は、共にこれ等を覆う四角形状の導電性の筺体22でシールドされる。この筐体22は、金属製又は非金属メッキを施した導電性のフレーム又はカバーで構成されている。従って、この筐体22により外部からチューナIC10内のミキサー3などのチューナ回路へのノイズ混入を抑制したり、チューナ回路で発生した信号の外部への漏洩や輻射を低減するように構成されている。

0047

前記チューナIC10は、所定閾値よりも高い周波数の信号を処理する信号処理部を構成している。ここで、本実施形態ではチューナIC10で信号処理部を構成しているので、その受信するRF信号帯域幅が50MHz〜3.2GHzの場合には、前記所定閾値は50MHzとなる。

0048

また、本実施形態では、信号処理部をチューナIC10で構成したが、本発明はこれに限定されず、その他、例えば、情報信号を送受信するwifi、bluetooth(登録商標)等の無線通信部により信号処理部を構成しても良い。この場合、前記wifi、bluetooth(登録商標)等の無線通信部のRF信号の帯域幅は2.4〜2.5GHz又は5〜6GHzであるので、前記所定閾値は略2.4GHzであり、無線通信の発振信号の場合はチューナの発振信号と同じ周波数となるので、前記所定閾値は略2GHzである。

0049

前記筐体22には、図2に示すように、Fタイプコネクタ(コネクタ部)23が取り付けられ、このFタイプコネクタ23にテレビ放送周波数の信号(RF信号)を伝送するRFケーブル(信号ケーブル)24が接続されて、RF信号が前記図1のRF-アンプ1に入力される。

0050

前記筐体22は、図3に示すように、例えば2つの角部22v、22sに各々脚部22aが配置され、これ等の脚部22aをメインボード20に形成したスルーホール20aに挿通し、半田付け25を施して、前記脚部22aをメインボード20のスルーホール20aを経てメインボード20の上面及び下面に形成した接地電位の導電パターン接地パターン=グランド部)(接地電位部)20cに接地している。

0051

前記チューナIC10などを収容した筐体22と、この筐体22が配置されたメインボード20とは、本実施形態のテレビ放送受信回路上でチューナ装置を構成している。

0052

前記テレビ放送受信回路において、メインボードには、前記筐体22が配置されていると共に、更に、テレビ放送波復調する処理などを行うマイコンメモリ電源部品、メインボード20上に形成された多数の信号パターンなどへのノイズの混入を防止するノイズ対策部品テレビケーブルなどを接続するための外部インタフェースなどが配置される。

0053

(筐体の寸法)
前記筐体22の寸法は、例示すると、その収容されたチューナIC10や水晶振動子15や、コンデンサ、インダクタその他のチップ部品16のサイズを考慮して、最小化を図っても、縦長さL=17mm、横幅W=20mm、高さH=10mm、対角線長さD=26.24mmである。チューナIC10のVCO/PLL回路3で発生する発振信号の周波数が6〜8GHzであるため、筐体22で不要輻射に対するシールド効果が完全に消失する最小の長さ、すなわち、前記発振信号の最高発振周波数(8GHz)における波長λの半分値(λ/2)は18.75mmである。従って、前記筐体22の寸法では、横幅W=20mm及び対角線長さD=26.24mmが前記半波長(λ/2)を越えるため、不要輻射の低減対策が必要になる。更に、Fタイプコネクタ23の直径サイズ規格で定められている関係上、筐体22を例えば図2に示す2つの角部C1、C2にてメインボード20に接地した場合には、その両角部C1、C2間の距離は横幅W+2・高さH=37mmとなって、たとえ横幅W(=20mm)及び対角線長さD(=26.24mm)を前記半波長(λ/2=18.75mm)に縮小できたとしても、現実的に筐体22での不要輻射を低減することは困難である。

0054

前記のような筐体22において、不要輻射がどのように発生するかの様子を本発明者が測定した結果を図4(a)〜(c)に示す。尚、不要輻射とは、高周波信号を処理する装置等から外部に出力され、本来外部機器に利用される信号(放送信号、通信信号等)とは異なる、電波障害の原因となる高周波のノイズのことである。本明細書中で使用する「不要輻射」とはこの意味である。図4は、VCO/PLL回路3での発振周波数を所定値(6GHz)に固定した場合に、筐体22のメインボード20への接地箇所を角部とし、その接地箇所の数を、同図(a)では2箇所、同図(b)では3箇所、同図(c)では4箇所としたときの筐体22での不要輻射の分散、放射方向、ピーク強度を示している。これらの図から判るように、同図(b)の接地箇所を3箇所とした場合が最も不要輻射が少ないが、発生はしている。

0055

前記不要輻射が少ない図4(b)の接地箇所が3箇所の場合において、VCO/PLL回路3での発振周波数を変化させた場合の不要輻射の発生の様子を図5に示す。同図(a)では発振周波数を6GHzに設定し、同図(b)では7GHzに、同図(c)では8GHzに設定した場合を例示している。同図から判るように、同じ3つの接地箇所でも発振周波数を変化させると、不要輻射の分散、放射方向、ピーク強度が各々変化し、最高発振周波数(=8GHz)の場合に不要輻射のピーク強度が最も高くなっている。

0056

従って、VCO/PLL回路3での発振周波数の可変範囲全域で不要輻射を規格未満に低減できるような筐体22の接地箇所を具体的に特定することは、通常では、極めて困難である。

0057

(本実施形態の特徴点
本実施形態では、前記のように筐体22の各種寸法の何れかを最高発振周波数(8GHz)での半波長(λ/2)未満にできない場合にも、不要輻射を簡易かつ効果的に確実に低減する構成を採用する。以下、詳細に説明する。

0058

(第1の接地箇所の指定)
先ず、最初に第1の接地箇所を任意に指定する。この第1の接地箇所は、本実施形態では、図4(a)に示した接地箇所の数が少ない場合、すなわち、同図で前左角部と後右角部の2箇所を第1の接地箇所として指定した場合を例示して説明する。尚、この第1の指定箇所は他の角部であっても良いし、図5(b)及び(c)のように3箇所や4箇所などであっても良い。

0059

図6(a)及び(b)は、前記の通り、接地箇所が筐体22の前左角部と後右角部(第1の接地箇所)の場合に、筐体22で所定インピーダンスよりも高インピーダンスとなる範囲を示している。

0060

尚、筐体22は、1枚の金属板を加工して四角柱形状成形される。図7は、前記筐体22を展開した図を示し、長方形の上部と、前記上部の各辺から延在して前記上部と垂直な4つの側部とを有する。ここで、筐体22の展開図では、天面aに対して4つの側面b〜側面eを折り畳んで四角状の筐体22を作成する。この時、Fタイプコネクタ23用の取り付け孔23aが形成された前面b、及び後面dには、各々、その下両角部に、メインボード20への接地用として下方に延びる脚部22h、22i、22j、22kが形成されていると共に、それらの脚部22h〜22kの上方の位置にて各々四角形状の孔部22l、22m、22n、22oが形成されている。一方、折り畳み時にこの前面b及び後面dに接する2つの側面c、eには、各々、その下両角部に、前記前面b及び後面dに形成した孔部22l〜22oに嵌め込まれる突起部22c、22e、22f、22gが形成されている。そして、1枚の金属板を折り畳んだ組立完了状態として筐体22をメインボード20の接地電位部に接続する。

0061

一方、メインボード20は次のように構成されている。図8(a)は、前記筐体22を配置したメインボード20を裏面から見た様子を示す。同図に示したメインボード20は、筐体22の4つの角部に対応する位置に各々ランド20e〜20hが形成されている。前記第1の接地箇所としての筐体22の2つの角部22r、22sに対応するランド20e、20gはメインボード20の裏面に配置した接地パターン20cに接続され、他の2つのランド20f、20hは前記接地パターン20cとは接続されていない。尚、同図(a)において、符号20dはFタイプコネクタ23をメインボード20上の図示しない信号パターンに接続するためのランドである。

0062

前記メインボード20の4つのランド20e〜20hは、同図(b)及び(c)に示すように、前記筐体22の4つの角部に対応する位置にスルーホール20sが形成されている。そして、前記筐体22の第1の接地箇所としての2つの角部22r、22sに対応するランド20e、20gでは、同図(b)に示すようにスルーホール20sがメインボード20の表面及び裏面の少なくとも一方に配置した接地パターン20cと接続され、前記筐体22の接地しない他の2つの角部22t、22uに対応するランド20f、20hでは同図(c)に示すようにスルーホール20sは接地パターン20cには接続されない。

0063

そして、図8(a)に示すように、筐体22の前面b及び後面dの脚部22h〜22kのうち、接地すべき前面bの左角部22rの脚部22hと後面dの右角部22sの脚部22kとをメインボード20のスルーホール20sに挿通した状態でスルーホール20sと脚部22h、22kとを半田付け25をして、これらの脚部22h、22kをメインボード20の接地パターン20cに接続している。

0064

一方、筐体22の接地されない2つの角部22t、22uでは、接地される角部22r、22sと同様に、脚部22i、22jをメインボード20のスルーホール20sに挿通した状態でスルーホール20sと脚部22i、22jとを半田付け25をして、筐体22の接地されない2つの角部22t、22uをメインボード20のランド20f、20hに固定するが、接地パターン20cには接続しない状態としている。

0065

前記の構成から、本実施形態では、前記図7に示した筐体22の構成上、1枚の金属板を折り畳んで中空四角形状の筐体22を組立てた状態では、その左側面eの下角部22p及び右側面cの上角部22qは図7の突起部22c、22fと孔部22l、22oとの機械的係合を介していることにより接地の度合いが低いため、図8(a)に示すように筐体22の前面下左角部22r及び後面下右角部22sを接地する場合には、図6に示す筐体22の展開図上では、前面bの左角部22rと後面dの右角部22sとが接地電位となり、前記接地度合いの低い両角部22p、22qでの接地効果は無視している。

0066

(筐体での高インピーダンス範囲の特定)
以上のようにVCO/PLL回路3での発振信号の最高周波数が8GHz、その波長λが40mm程度に短くなると、筐体22のサイズがその半波長(λ/2)を越える場合には、発振信号の伝播経路となる筐体22ではインピーダンスが分布定数となる。この分布定数回路では、接地箇所を基準インピーダンスとして、この接地箇所からλ/4の奇数倍離れた箇所は開放端となって高インピーダンスとなる。そして、接地箇所が複数設けられた場合には、それらの接地箇所からλ/4の奇数倍離れた箇所の重なり部位が最も高インピーダンスとなる。

0067

具体的に、前記図6(b)に示した筐体22の展開図上では、既述の通り、前面(長方形の上部の短手側の辺から延在する側部の面)bの左角部22rと後面dの右角部22sとの2箇所が接地電位であるため、これら2箇所の接地箇所(第1箇所)22r、22sから共にλ/4の奇数倍離れた箇所が最も高インピーダンスとなる。同図では、前面bの左角部22rからλ/4離れた高インピーダンス部分と後面dの右角部22sからλ/4の3倍離れた高インピーダンス部分とが重なる円弧状の高インピーダンス範囲(第1領域)(この高インピーダンス範囲を図中太破線で囲んでいる)Aと、後面dの右角部22sからλ/4離れた高インピーダンス部分と前面bの左角部22rからλ/4の3倍離れた高インピーダンス部分とが重なる円弧状の範囲(第1領域)(この高インピーダンス範囲を図中太破線で囲んでいる)Bとを描いている。このように筐体22の展開図上で前面bの左角部22rと後面dの右角部22sとを接地電位とした場合には、高インピーダンス範囲A及びBは、前面b、後面d並びに天面aの下左角部及び上右角部に発生する。また、前記円弧状の高インピーダンス範囲A、Bの中で、太実線で示した円弧状の線は、各々、接地箇所(第1箇所)22r、22sから共にλ/4の奇数倍離れた箇所であって最も高インピーダンスとなる領域である。また、このインピーダンス範囲A、Bは、前記太実線で示した円弧状の線の高インピーダンス領域から発振周波数fでの波長λのλ/20倍の距離を含む範囲を示している。また、高インピーダンス範囲A、Bの中に、各々、各周波数fに対応した高インピーダンス点は1点又は2点存在し、周波数fが高くなるほどその2点間の距離は小さくなる。この2点間の距離が大きい(離れている)と、電波輻射方向が分散されるが、距離が近いと輻射指向性が強くなる。この輻射指向性の強さはインピーダンス範囲A、B内でグラデーションとなるが、同図では表現の困難性から簡易に3段階で表している。

0068

従って、前記図6(b)の展開図では、前記2つの高インピーダンス範囲A、Bにおいて大きな不要輻射が発生することになる。

0069

尚、前記図6(a)及び(b)では、筐体22を図7に示す金属板を折り畳んで組み立てた場合に生じる高インピーダンス範囲A、Bを示したが、例えば図7に示す金属板を組み立てた後に前面bや後面dと右側面c及び左側面eとが接する部位を半田付けするなどで強固に接合し、接地度合いを高めた場合には、図9に示すように、左側面eの下角部22pは前面bの左角部22rと同電位に、右側面cの下角部22qは後面dの右角部22sと同電位になって、各々接地電位となり、筐体22の展開図上では接地箇所は4箇所となる。この場合には、発生する高インピーダンス範囲C、Dは天面aの下左角部及び上右角部に発生し、この範囲C、Dから大きな不要輻射が発生することになる。尚、この高インピーダンス範囲C、Dは、左側面eの下角部22pと前面bの左角部22rとの2つの接地箇所からの距離が等しく、また右側面cの下角部22qと後面dの右角部22sとの2つの接地箇所からの距離が等しいので、その形状は直線状になる。また、この高インピーダンス範囲C、Dにおいて。太実線で示した直線状の線は、各々、接地箇所(第1箇所)22p、22r、22q、22sから共にλ/4の奇数倍離れた箇所であって最も高インピーダンスとなる領域である。また、この高インピーダンス範囲C、Dは、前記太実線で示した直線状の線の高インピーダンス領域から発振周波数fでの波長λのλ/20倍の距離を含む範囲を示している。この高インピーダンス範囲C、Dでは、輻射指向性は弱く、グラデーションはない。

0070

図10(a)及び(b)は、図7に示した金属板を用いて筐体22を作成した場合に、前面bの左角部22rと右角部22vとの2箇所を接地した状態を示す。同図では、発生する高インピーダンス範囲E、Fは前面bの中央上部及び後面dの中央上部に発生し、この範囲C、Dから大きな不要輻射が発生することになる。本接地の場合には、図6に示す接地の場合や図9に示す接地の場合に比べて、高インピーダンス範囲の面積は狭くなっているが、発生はしている。

0071

(筐体での高インピーダンス範囲の低インピーダンス化)
前述の通り、筐体22には高インピーダンス範囲が生じ、この高インピーダンス範囲は筐体22の接地箇所に応じて位置や面積が変化する。本実施形態では、この高インピーダンス範囲を確実に低インピーダンス化する構成を採用する。以下、これを具体的に説明する。

0072

図11は、前記図6(b)の接地状態の場合、すなわち、同図(b)の筐体22の展開図上で前面bの左角部22rと後面dの右角部22sとを第1の接地箇所としてメインボード20の接地パターン20cに接地した場合を例に、高インピーダンス範囲を低インピーダンス化する構成を示している。

0073

同図では、筐体22の展開図上で発生した高インピーダンス範囲B(図6参照)を低インピーダンス化している。既述の通り、発振部の発振周波数が高くてインピーダンスが分布定数となる筐体22では、接地箇所を基準インピーダンスとしてこの接地箇所からλ/4の奇数倍離れた位置では所定インピーダンスよりも高インピーダンスとなる一方、発振信号の波長λの1/4の偶数倍離れた領域(第2領域)では前記所定インピーダンスよりも低インピーダンスとなる。従って、図11では、筐体22の展開図上において、前記高インピーダンス範囲Bの中でも特に輻射指向性の高い6.8GHzの発振周波数での点に対し、この点から展開図上でこの発振周波数(6.8GHz)での波長λの1/4の2倍(λ/2)の距離だけ直線距離で離れた位置として、筐体22の左側面(長方形の上部の長手側の辺から延在する側部の面)eの下辺部kに第2の接地箇所(第2箇所)22wが配置されている。

0074

従って、本実施形態では、筐体22の展開図上で発生した高インピーダンス範囲B(図6参照)の特に高インピーダンスとなる範囲かつ/または特に輻射指向性の高い範囲を第2の接地箇所22wによって所定インピーダンスよりも低インピーダンスにすることが可能である。その結果、図6で2つの第1の接地箇所22r、22sによって生じた高インピーダンス範囲Bからの不要輻射の発生を前記第2の接地箇所22wによって効果的に低減することが可能である。

0075

前記図11では、第2の接地箇所22wにより筐体22の高インピーダンス範囲Bの広範囲を低インピーダンス化した場合を説明したが、この第2の接地箇所22wは、図12に示すように、筐体22に生じる他の高インピーダンス範囲A(図6参照)内でもインピーダンス値の高い部分(発振周波数が6.8GHz周りの部分)近傍の点(この点を同図で黒丸で表示する)から筐体22の展開図上で発振周波数(6.8GHz)での半波長(λ/2)の距離だけ直線距離で離れた位置に相当している。従って、前記第2の接地箇所(第2箇所)22wによって、筐体22の高インピーダンス範囲Aの広範囲をも低インピーダンスにすることが可能である。従って、第2の接地箇所22w1つだけで、筐体22の2つの高インピーダンス範囲A、B両方の広範囲を低インピーダンス化できて、これ等範囲A、Bからの不要輻射を効果的に低減することが可能である。

0076

従って、本実施形態では、2つ設けた第1の接地箇所22r、22sにより生じた2つの高インピーダンス範囲A、Bの双方を1つの第2の接地箇所22wで共通して低インピーダンス化することが可能であるので、高インピーダンス範囲を生じさせる第1の接地箇所の数よりもその高インピーダンス範囲を低インピーダンス化する第2の接地箇所の数を少なく制限することが可能である。

0077

従って、本実施形態では、従来のように、筐体22の内方や端部に沿ってグランディングポスト(接地箇所)を可能な限り満遍なく配置する必要がなく、筐体22の構成を簡易にかつ低価格で作成することが可能である。

0078

尚、本実施形態では、発振周波数において高インピーダンスとなる点に対し、この周波数の波長λの1/4のちょうど偶数倍となる点に第2の接地箇所を配置したが、本発明はこれに限定されず、波長λの1/4のちょうど偶数倍からやや離れていても、十分に近い点であればそこに第2の接地箇所を配置しても良い。

0079

通常、接地箇所からλ/20の範囲ではインピーダンスを低く抑えることが出来るため、特にコストや形状の制約が無い筐体や基板の接地箇所はλ/10の間隔で設計されることが多い(接地箇所間の中心がちょうど接地箇所からλ/20となる)。

0080

このことから、本発明でも、発振周波数において高インピーダンスとなる点に対し、この周波数の波長λの1/4の偶数倍の距離から波長λの1/20以内の点に第2の接地箇所を配置すれば、本発明の効果を十分に得ることができると考えてよい。

0081

例えば、図13では、接地箇所22rおよび22sの双方から発振周波数の波長λの1/4の奇数倍離れ、高インピーダンスとなっている点より、この発振周波数のλ/20の半径の円内から波長λの1/4の偶数倍離れた箇所に第2の接地箇所22wを設けている。

0082

このようにすることにより、例えば第2の接地箇所の配置可能な場所に制約があっても、本発明の効果を十分に得ることが出来る。

0083

また、図14では、図11図13と異なり、筐体22は接地箇所(第1箇所)22rで接地されると共に、他の接地箇所(第3箇所)22s’で接地されていて、一方の接地箇所22s’から発振周波数の波長λの1/4の奇数倍(同図では1倍)離れて、高インピーダンスとなる図中太実線で示す円弧状の領域が生じると共に、他方の接地箇所22rから発振周波数の波長λの1/4の奇数倍(同図では3倍)離れて、高インピーダンスとなる図中太破線で示す円弧状の領域が生じる。この2つの高インピーダンス領域は2点H1、H2で重なっている。この高インピーダンスとなる2点H1、H2間の距離が発振周波数の波長λの1/10以下である場合、第2の接地箇所(第2箇所)22w’から発振周波数の波長λの1/4の偶数倍(同図では2倍)の距離離れた箇所Gを中心とし半径が発振周波数の波長の1/20である円内に、これら高インピーダンスとなる2点H1、H2を含むように、第2の接地箇所22w’の位置を選択すればよい。

0084

(第1の変形例)
図15は、図11に示した第2の接地箇所の位置の第1の変形例を示す。

0085

図11では、2つの第1の接地箇所22r、22sが筐体22の展開図上で点対称の位置にある関係上、本変形例では、図15において、前記図11の第2の接地箇所22wに代えて、この第2の接地箇所22wとは点対称の位置、すなわち、筐体22の展開図上、右側面cの下辺部nに、第2の接地箇所(第2箇所)22xが配置されている。

0086

従って、本変形例においても、1つの第2の接地箇所22xだけで、2つの第1の接地箇所22r、22sによって生じた2つの高インピーダンス範囲A、Bの双方を低インピーダンス化することが可能である。

0087

(第2の変形例)
図16は、図11に示した第2の接地箇所の位置の第2の変形例を示す。

0088

本変形例は、本実施形態を示す図12の構成と前記第1の変形例を示す図15の構成とを組み合わせて、2つの高インピーダンス範囲A、Bを低インピーダンス化する第2の接地箇所(第2箇所)として、図12の第2の接地箇所22wと図15の第2の接地箇所22xとの2つを配置したものである。

0089

この2つの第2の接地箇所22w、22xの双方を配置する場合には、例えばその一方の接地箇所(例えば22w)を高インピーダンス範囲A、B内の6.8GHzの発振周波数での位置付近から半波長(λ/2)の距離離れた位置に配置し、他方の接地箇所(例えば22x)を高インピーダンス範囲A、B内の他の発振周波数(例えば6.9GHz)での位置付近から半波長(λ/2)の距離離れた位置に配置するようにすれば、高インピーダンス範囲A、Bをより高範囲に低インピーダンス化することが可能である。

0090

尚、前記実施形態及び前記第1、第2変形例では、第2の接地箇所22w、22xを筐体22の展開図上で直線距離で半波長(λ/2)(すなわち、λ/4の2倍)だけ離れた位置に配置したが、本発明はこれに限定されず、筐体22の縦、横などのサイズが大きい場合には、発振信号の波長λのλ/4の4倍以上の偶数倍離れた位置に配置しても、筐体に生じた高インピーダンス範囲を効果的に低減することができる。

0091

更に、前記実施形態及び前記第1、第2変形例では、図12図15及び図16に例示したように、第1の接地箇所を2つの角部22r、22sとした場合を説明したが、第1の接地箇所の位置は他の角部であっても良いし、更には第1の接地箇所の数も2つに限定されず、3つや4つ以上であっても同様に適用できるのは勿論である。

0092

(第2の接地箇所の具体的構成)
図17は、前記第2の接地箇所22w、22xをメインボード20の接地パターン20cに接続する具体的構成を示す。

0093

同図(a)では、第2の接地箇所22wを、筐体22の角部に配置した第1の接地箇所22rと同様に、筐体22の左側面eの下辺部kに脚部22yを形成しておく一方、メインボード20には前記脚部22yに対応する位置にスルーホール20aを配置しておき、筐体22のメインボード20への取り付け時に、前記筐体22の左側面eの脚部22yを前記スルーホール20aに挿通して半田付け25をし、筐体22の脚部22yをメインボード20のスルーホール20aを経てメインボード20下面の接地パターン20cに接続している。

0094

また、同図(b)では、筐体22の第2の左側面eの第2の接地箇所22wとなる位置を半田付け25を施して、筐体22の第2の接地箇所22wを直接メインボード20上の接地パターン20cに接続している。

0095

更に、同図(c)では、表面実装部品である金属板バネ36を使用する。この金属板バネ36は、同図(d)に示すように断面略コ字状であり、同図(e)に示すように対向配置した2つの板状片36a、36aが相手側板状片の方向に加圧されており、筐体22の左側面eの第2の接地箇所22wとなる部位を金属板バネ36の板状片36a、36a間に挟み込んで固定すると共に、この固定した金属板バネ36の底面をリフロー半田付けによりメインボード20上面の接地パターン20cに接続している。

0096

(第2の実施形態)
図18は本発明の第2の実施形態を示す。

0097

本実施形態では、筐体22の展開図上でFタイプコネクタ23近傍の範囲を低インピーダンス化するものである。

0098

前記図10(a)及び(b)に示す通り、筐体22の前面bの左角部22r及び右角部22vを第1の接地箇所とした場合には、前面bの上中央部に高インピーダンス範囲(第1領域)Eが発生している。Fタイプコネクタ23には、図10(a)に示すように、テレビ放送波を伝送するRFケーブル24が接続されるため、RFケーブル24の材質や構造又は曲がり方などの取り付け状態に応じて、Fタイプコネクタ23近傍で発生した不要輻射の影響でRFケーブル24上にも不要輻射が発生する。同図では、RFケーブル24上で不要輻射が発生する箇所を丸括弧で例示している。

0099

本実施形態では、図18に示すように、筐体22の前面bの上中央部に生じた高インピーダンス範囲Eのうち6.8GHzの発振周波数で生じる高インピーダンス点からその発振周波数(6.8GHz)での半波長(λ/2)の距離だけ筐体22の展開図上で直線距離離れた位置として、筐体22の左側面eの下辺部kの位置に第2の接地箇所(第2箇所)22zが配置されている。

0100

従って、本実施形態では、筐体22の後面dの上中央部に生じた高インピーダンス範囲Fは残るが、第2の接地箇所22zにより、筐体22の前面bの上中央部に生じた高インピーダンス範囲Eの広範囲を低インピーダンス化できるので、この範囲Eからの不要輻射を低減できて、Fタイプコネクタ23に接続されたRFケーブル24に発生する不要輻射を効果的に低減できる。その結果、筐体上のインピーダンス分布が信号ケーブル24の状態(種類、材質、形状等)のばらつきによる影響を受けにくくなっており、信号ケーブルの状態のばらつきよる不要輻射の発生が抑制される効果がある。

0101

(第3の実施形態)
図19(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態を示す。

0102

前記第1の実施形態を示す図11では、筐体22の左側面eの下辺部kに第2の接地箇所22wを配置したが、筐体22から離れた位置に第2の接地箇所22woを配置したものである。

0103

具体的に、図19(a)において、第2の接地箇所22woは、筐体22の展開図上で高インピーダンス範囲Bから筐体22の左側面eの下辺部kまでの距離が、VCO/PLL回路3の所定発振周波数(同図では6.8GHz)での半波長(λ/2)の距離未満となる場合に、筐体22の左側面eの下辺部kから延長線Loを接続して、この延長線Loの先端に第2の接地箇所(第2箇所)22woを配置している。

0104

前記延長線Loは、同図(b)に示すように、メインボード20に設けた非接地状態のランド20xのスルーホール20sに筐体22の左側面eの下辺部kに設けた脚部22nを挿通し、半田付け25をした後、この半田付け25の部分に前記延長線Loとして金属線路35の一端を接続し、この金属線路35の他端を第2の接地箇所22woとしてメインボード20の裏面に配置した接地パターン20cに接続する。

0105

前記金属線路35は空中配線であるので、図19(a)において、筐体22の高インピーダンス範囲Bから筐体22の左側面eの下辺部kまでの距離と前記金属線路35との合計長が、VCO/PLL回路3の所定発振周波数(同図では6.8GHz)での半波長(λ/2)の距離に等しくなるように構成される。

0106

従って、本実施形態には、筐体のサイズが比較的小さい場合であっても、その筐体22の高インピーダンス範囲Bの広範囲を筐体22から離れた第2の接地箇所22woによって低インピーダンス化することが可能である。

0107

更に、この構成によれば、図19(a)から判るように、筐体22の2つの高インピーダンス範囲A、Bの両方から、発振周波数(6.8GHz)での半波長(λ/2)の距離だけ離れた箇所が筐体22の展開図の外側にあっても、容易に高インピーダンス範囲A、Bの双方の範囲を筐体22から離れた第2の接地箇所22woによって低インピーダンス化することが可能である。

0108

(変形例)
図20(a)〜(c)は、本実施形態の変形例を示す。

0109

前記第3の実施形態では、第2の接地箇所22woは、筐体22の外方に配置したが、本変形例では、第2の接地箇所を筐体22の下方に位置するメインボードの領域(所定領域)に配置する。

0110

同図(a)では、筐体22の左側面eの下辺部kから筐体22の下方に位置するメインボードの領域に向って延長線Loを隔てて第2の接地箇所(第2箇所)22w1が配置される。

0111

この具体例を図20(b)に示す。同図(b)では、筐体22の左側面eの下辺部kに設けた脚部22nをメインボード20のランド20xに半田付け25をする。このメインボード20のランド20x周りには、接地パターン20cを構成する例えば銅箔切り抜かれていると共に、このランド20xから筐体22の下方に位置するメインボードの領域に向かう前記延長線Loとしての配線パターン(配線部)20mが形成されるように、前記銅箔が切り抜かれている。従って、筐体22の前記脚部22nは直線状の配線パターン20mを介して接地パターン20cに接続されており、この配線パターン20mと接地パターン20cとの接続点が第2の接地箇所22w1を構成する。

0112

前記配線パターン20mの長さは、次の通り決定される。本変形例では、配線パターン20mがメインボード20上に配置されるため、メインボード20上では、発振信号の波長λ‘は、メインボード20の比誘電率erにより真空中の波長λの1/(er1/2)に短縮される。例えば、筐体22の高インピーダンス範囲Bの位置から筐体22の左側面eの下辺部kまでの距離が前記空気中での波長λ/2(λ/4の2倍)の90%の距離である場合には、比誘電率erでの前記波長λ’の1/4倍の10%の距離を前記配線パターン20mの線路長とすれば良い。具体的に説明すると、メインボード20の比誘電率erをer=4、発振信号の発振周波数fをf=8GHzとすると、比誘電率erでの波長λ’は、
λ’=(1/(er1/2))λ=(1/2)×(c/f)
c:光速
=(1/2)×(3×108/(8×109))=0.01875m=18.75mm
となるので、線路長は、18.75×(1/4)×0.1=0.46875mm≒0.5mm
と算出できる。

0113

同図(c)は、同図(b)の配線パターン20mの箇所でのC−C線断面図である。前記メインボード20上の延長線Lo(配線パターン20m)の特性インピーダンスをテレビ放送用のチューナ装置の一般的な設計仕様に合わせて75Ωとする場合には、例えばメインボード20の比誘電率erをer=4、高さhをh=400umとし、配線パターン20mの厚さtをt=35umとすると、配線パターン20mの幅s、及び銅箔の切り抜き幅(配線パターン20mと接地パターン20cとの離隔)wを、一般的な線路インピーダンス設計ツールを用いて計算すれば、配線パターン20mの幅s及び銅箔の切り抜き幅wは、共に、s=w=200umに算出されて、決定される。尚、メインボード20上の前記延長線Loの特性インピーダンスを75Ωに設定する必要はなく、例えば数十〜数百Ωに設定しても良いのは勿論である。

0114

従って、本変形例では、第2の接地箇所22w1が筐体22の下方に位置するメインボードの領域に配置されるので、筐体22の外方近傍にマイコンやメモリなどが配置されている場合であっても、これら機器に邪魔されずに第2の接地箇所22w1を筐体22から精度良く配線パターン20mの長さだけ隔てて良好に配置することが可能である。

0115

尚、本変形例では、延長線Loを配線パターン20mで構成し、その形状を直線状としたが、その他、配線パターン20mをランド20x周りに延びる円弧状としたり、波形状に延びる形状としたり、メインボード20に形成するスルーホールを利用してメインボード20裏面の接地パターン20cに接地して距離を延ばすなどの構成を採用しても良い。

0116

(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態を図21に基づいて説明する。

0117

前記図11に示した第1の実施形態では、筐体22の展開図上において、高インピーダンス範囲Bの中でもインピーダンス値が高い6.8GHzの発振周波数での点に対し、この点から展開図上でこの発振周波数(6.8GHz)での波長λの1/4の2倍(λ/2)の距離だけ直線距離で離れた位置として、筐体22の左側面eの下辺部kに第2の接地箇所(第2箇所)22wを新たに配置したが、この第2の接地箇所に代えて、筐体22に設ける第1の接地箇所22sの周辺構成を変形して、前記高インピーダンス範囲Bを低インピーダンス化する構成を採用したものである。

0118

具体的に、図21では、理論上、接地箇所から発振信号の波長λの1/4の偶数倍の距離の位置では、予め定めた所定インピーダンスよりも低インピーダンスになる事実を利用することとして、筐体22の後面dの右角部22sに延長線L2の一端を接続し、その延長線L2の他端を接地して、その接地箇所(延長線L2の他端)(第2箇所)22w2から延長線L2及び筐体22の後面dの右角部22sを経て前記高インピーダンス範囲Bの中でもインピーダンス値が高い点までの距離を、発振信号の発振周波数(6.8GHz)での波長λの1/4の偶数倍(2倍)(=λ/2)に設定した構成を採用している。

0119

従って、本実施形態では、前記延長線L2の線路長は、延長線L2が空中配線である場合には、誘電率に応じた波長短縮は生じないので、発振信号の発振周波数(6.8GHz)での波長λの1/4の2倍値(=λ/2)の長さから、前記高インピーダンス点と筐体22の後面dの右角部22sとの距離を減算した実寸法とすれば良い。

0120

(延長線の変形例)
図22は、前記筐体22の角部から延びる延長線Lの第1の変形例を示す。前記実施形態では、延長線Lを直線形状としたのに代え、同図(a)ではランド20g周りを囲んで延びる円弧状に形成した延長線L2としたものである。また、同図(b)では、ランド20g周りを囲んで延びる円弧形状とその先端から筐体22の下方に位置するメインボードの領域に向って延びる直線形状との組合せに形成した延長線L3としたものであり、同図(c)ではランド20gから延びる波形状に形成した延長線L4としたものである。これらの変形例では、ランド20gに近い位置に接地することが可能であるので、チューナ回路の他の配線との干渉を避けたり、接地パターンが大きく分断されることで接地効果が低下することを防止できる効果が生じる。

0121

図23は延長線Lの第2の変形例を示す。同図では、メインボード20に形成したスルーホールを利用して線路長を調整するものである。

0122

具体的には、同図(a)に示すように非接地のランド20gから筐体22の下方に位置するメインボードの領域に向って延びる配線パターン20qと、同図(b)に示すようにこの配線パターン20qの先端部に形成されたスルーホール20tと、同図(b)及び(c)にも示すように、このスルーホール20tの下端部に接続されてメインボード20の下面に形成された接地パターン20cとにより、延長線L5を構成している。従って、本変形例では、延長線L5の線路長は、延長パターン20qとスルーホール20tの高さとの合計長さとなる。

0123

前記実施形態及び前記第1及び第2の変形例では、延長線L2〜L5がメインボード20に形成する配線パターンを使用するので、他の金属線などの部材を必要とすることなく、延長線L2〜L5を簡易に構成することが可能である。

0124

図24は延長線Lの第3の変形例を示す。同図では、金属線L5を用い、その一端をランド20gにて半田付け25をし、その他端をメインボード20の接地パターン20cに接続して、その接続点を接地箇所22w‘としている。

0125

図25は延長線Lの第4の変形例を示す。同図では、延長線Lとして金属ワイヤーなどの線状の導体L6を使用している。具体的には、筐体22の角部に位置するランド20gに接続される配線パターン20qをメインボード20の上面に形成すると共に、この配線パターン20qに接続されるスルーホール20oと、その側方に配置した他のスルーホール20pとを設け、この2つのスルーホール20o、20pに逆U字状に折り曲げた線状の導体L6の一端及び他端を挿通して半田付け25をして、前記他のスルーホール20pの下端部をメインボード20の下面に形成された接地パターン20cに接続している。

0126

従って、第4の変形例では、配線パターン20qと線状の導体L6の長さを調整するだけで、筐体22の角部20gと接地箇所20w‘との距離を調整することが可能である。

0127

図26は延長線Lの第5の変形例を示す。同図では、筐体22の角部に位置するランド20gの側方にスルーホール20oを形成し、このスルーホール20oに板バネ状の導体L7の一端を挿通し、その他端を筐体22の側面に接触させながら、前記導体L7の一端をスルーホール20oに半田付け25をして、そのスルーホール20oの下端部をメインボード20の下面に形成した接地パターン20cに接続する構成としている。

0128

従って、本変形例では、板バネ状の導体L7の長さを調整するだけで、筐体22の角部20gと接地箇所22w‘との距離を調整することが可能である。

0129

以上説明した延長線Lの各種変形例では、何れも、延長線Lの長さを自由に長く又は短く設定することが可能であるので、VCO/PLL回路3の発振信号の発振周波数範囲に拘わらず筐体22の高インピーダンス点Pから接地箇所22wまでの距離を精度良く波長λの1/4の偶数倍に設定することが可能である。

0130

(第5の実施形態)
続いて、本発明の第5の実施形態を図27に基づいて説明する。

0131

前記第4の実施形態(図21)では、筐体22の展開図上において、後面dの右角部22sから延長線L2を経て接地箇所22w2で接地したが、本実施形態では、この接地箇所22w2を接地せず、開放箇所とすると共に、前記延長線L2の長さを変更したものである。

0132

具体的に、本実施形態では、図27(a)の筐体22の展開図上において、後面dの右角部22sに延長線L3の一端を接続し、その延長線L3の他端を開放として、この延長線L3の他端を筐体22の開放箇所(第2箇所)22opとしている。

0133

そして、筐体22の展開図上において、前面bの左角部22rからVCO/PLL回路3の発振信号の可変周波数範囲最低周波数(同図では6GHz)での波長λの1/4の3倍値の距離の点(図6(b)に示す高インピーダンス範囲B内の点)の中で後面dの右角部22sへ最も近い点を点Pとして、この点Pから筐体22の後面dの右角部のランド20sまでの距離と、このランド20sから開放箇所22opまでの距離(すなわち、延長線L3の線路長)との合計距離が、前記発振信号の可変周波数範囲の最低周波数(6GHz)での波長λの1/4の奇数倍(1倍)値(=λ/4)に相当するように、前記延長線L3の線路長が設定される。

0134

既述の通り、発振部の発振周波数が高くてインピーダンスが分布定数となる筐体22では、前面bの左角部22rの接地箇所を基準インピーダンスとしてこの接地箇所から展開図上の直線距離でλ/4の奇数倍(3倍)離れた位置Pでは、予め定めた所定インピーダンスよりも高インピーダンスとなるが、本実施形態では、筐体22の開放箇所22op(延長線L3の他端)から発振信号の最低周波数(6GHz)での波長λの1/4の奇数倍(1倍)の距離の箇所としての前記位置Pが所定インピーダンスよりも低インピーダンスとなるので、前記高インピーダンス点P周りの範囲を積極的に低インピーダンス化することが可能である。

0135

尚、前記延長線L3が空中配線である場合には、誘電率に応じた波長短縮は生じない。従って、高インピーダンス点Pまでの距離の算出については、延長線L3の線路長は実寸法を用いれば良い。

0136

前記延長線L3の他端を開放とする構成は、例えば図27(b)に示す構成とすることができる。同図(b)の構成は、前記図19(b)の構成と比較すると判るように、メインボード20の裏面において、延長線L3を構成する金属線路35の他端をメインボード20の裏面に配置した接地パターン20cに接続されていないオープンパターンである非接地パターン(第1導体部)37に接続して、金属線路35の他端を開放としている。

0137

前記延長線L3の他端を開放とする構成は、既述した図20(b)、図22(a)〜(c)、図23(a)〜(c)、図24図25及び図26の構成においても、同様に適用可能である。これらの場合にも、前記と同様に、メインボード20の表面又は裏面に配置した接地パターン20cに接続されない非接地パターンを設け、この非接地パターンに延長線Lの他端を接続すれば良いので、その図示は省略する。

0138

従って、本実施形態では、延長線L3の他端を開放とすることにより、高インピーダンス範囲となる点Pを積極的に低インピーダンス化することができるので、不要輻射の発生をより一層になくすことが可能である。

0139

(筐体22の展開図について)
<側面同士の接続が弱い場合>
前記図7に示した筐体22の展開図では、その組立時には、隣り合う側面b、c、d、e同士の接続が弱い関係上、側面b−c、c−d、d−e、e−b間の信号伝搬は無い。このため、4つの側面b、c、d、eと天面aとの間の信号伝搬のみを考慮すれば良いので、筐体22の展開図は、図28に示したように天面aを中心にした展開のみを考えればよい。従って、図28の筐体22の展開図では、前面bの左角部22rを接地した場合には、発振信号が前面bの左角部22rから前面b内へ伝搬し、次いで前面bと天面aとのb−a接線を経て天面aへと伝搬し、更に天面aから前面b以外の各側面c、d、eへ信号伝搬した際の伝搬距離λ/4の点を結んだ線を実線で示し、伝搬距離λ/2の点を結んだ線を破線で示し、伝搬距離3λ/4の点を結んだ線を一点鎖線表記している。

0140

<側面同士の接続が強い場合>
一方、図29(a)に示したように、隣り合う側面同士の接する部位(接線部分)を例えば半田付けするなどで強固に接合して、隣り合う側面同士の接続が強い場合には、側面b、c、d、eと天面aとの間の信号伝搬に加えて、側面b−c、c−d、d−e、e−b間の信号伝搬も考える必要が生じる。そのため、前記図28のような天面aを中心とした展開図上での信号伝搬だけでなく、側面b、c、d、eを中心に他の側面を展開した場合の側面間の信号伝搬も考慮に入れる必要がある。

0141

例えば、図29(b)では後面dから展開した左側面(e’面)と、右側面cから展開した前面(b’面)を追記している。また、前面bの左角部の接地箇所22rに相当する左側面eでの接地箇所を22r’と表記すると共に、前記新たに展開した2つの側面b’、e’での相当接地箇所を22r’’、22r’’’と表記している。

0142

前記図29(b)では、図28と同様に、接地箇所22r→前面b内→b−a接線→天面a内→各側面c、d、eの伝搬経路において、伝搬距離λ/4の点を結んだ線、伝搬距離λ/2の点を結んだ線、伝搬距離3λ/4の点を結んだ線に加えて、接地箇所22r’→左側面e内→e−a接線→天面a内→各側面b、c、dの伝搬経路、接地箇所22r’’→新たに展開した側面b’内→b’−c接線→左側面c内→c−a接線→天面a内→各側面d、eの伝搬経路、及び、接地箇所22r’’’→新たに展開した側面e’内→e’−d接線→後面d内→d−a接線→天面a内→各側面b、cの伝搬経路において、伝搬距離λ/4の点を結んだ線、伝搬距離λ/2の点を結んだ線、伝搬距離3λ/4の点を結んだ線を各々表記し、更にそれらの線の重なった部分において、各接地箇所22r、22r’、22r’’、22r’’’からの最短距離がλ/4、λ/2、3λ/4となるように選んで結んだ各々の線を図中に実線、破線及び一点鎖線で表記しており、この各々の線が最終的に接地箇所22rから伝搬距離λ/4、λ/2、3λ/4の各線を表している。

0143

このように、筐体22の側面同士の接続が強い場合には、電気的に強く接続された全ての経路を考慮して、展開図を補記する必要がある。

0144

(その他の実施形態)
以上の説明では、VCO/PLL回路3の発振信号の発振周波数範囲をテレビ放送波受信用の6〜8GHzとしたが、本発明はこれに限定されず、他の周波数範囲であっても良い。

0145

また、チューナIC10の回路構成を図1に具体的に例示したが、この構成は他の構成を付加したり、変更しても良いのは勿論である。

0146

更に、以上の説明では、本チューナ装置をテレビ放送受信用のチューナ装置を例示したが、録画再生用のチューナ装置などにも同様に適用可能であるのは勿論である。

0147

以上説明したように、本発明は、基板上に配置した発振部を覆う筐体を基板に接地するに際し、その接地によって筐体に高インピーダンスとなる範囲が発生しても、その高インピーダンス範囲を低インピーダンス化する他の接地箇所又は開放箇所を筐体に配置したので、筐体からの不要輻射を効果的に低減でき、テレビ放送受信用や録画再生用などのチューナ装置に適用して、有用である。

0148

3VCO/PLL回路(発振部)
10チューナIC(チューナ部、信号処理部)
20メインボード(基板)
20aスルーホール
20c接地パターン(グランド部)
20e〜20h、20xランド
20m配線パターン(延長線、配線部)
22筐体
22r、22s、22v 第1の接地箇所(第1箇所)
22h〜22k 脚部
22l〜22o 孔部
22c、22e〜22g突起部
22w、22w‘、22wo、
22w1、22w2、
22x、22z 第2の接地箇所(第2箇所)
a 天面
b 前面
c 右側面
d 後面
e 左側面
k、n下辺部
A〜F高インピーダンス範囲(第1領域)
Lo、L2、L3 延長線
22op開放箇所
23 Fタイプコネクタ(コネクタ部)
24RFケーブル(信号ケーブル)
25半田付け
30マイコン
35金属線路(延長線)
36金属板バネ
37 非接地パターン(第1導体部)

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