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技術 発光素子、発光装置、電子機器、照明装置および有機金属錯体

出願人 株式会社半導体エネルギー研究所
発明者 渡部剛吉渡部智美吉住英子原朋香山田唯石曽根崇浩木戸裕允鈴木邦彦瀬尾哲史
出願日 2017年8月29日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2017-164229
公開日 2018年3月8日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2018-037658
状態 特許登録済
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源 第5-8族元素を含む化合物及びその製造 発光性組成物
主要キーワード 概略平坦 エレクトライド NBB 高屈折率基板 対称軸方向 ターゲットイオン サイバ 入力用表示
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月8日)のものです。
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図面 (20)

課題

新規発光素子を提供する。または、発光効率の良好な発光素子を提供する。または、寿命の長い発光素子を提供する。

解決手段

第1の電極と、第2の電極と、有機化合物を含む層とを有し、前記有機化合物を含む層は前記第1の電極と、前記第2の電極との間に位置し、前記有機化合物を含む層は発光層を有し、前記発光層はトリス型のイリジウム錯体を有し、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸方向から2次元的に見て、4辺上にそれぞれ前記イリジウム錯体の少なくとも一つの原子を含み、且つ当該イリジウム錯体を包含する長方形を想定し、前記長方形の長辺の長さが最大となる長さをA、そのときの短辺の長さをBとし、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸法線方向から2次元的に見た際の、前記C3対称軸方向の幅をCとしたとき、A×B/C2が2.5以上である発光素子を提供する。

概要

背景

有機化合物を用いたエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を利用する発光素子有機EL素子)の実用化が進んでいる。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間発光材料を含む有機化合物層EL層)を挟んだものである。この素子電圧印加して、キャリア注入し、当該キャリアの再結合エネルギーを利用することにより、発光材料からの発光を得ることができる。

このような発光素子は自発光型であるためディスプレイ画素として用いると、液晶に比べ視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適である。また、このような発光素子を用いたディスプレイは、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。

また、このような発光素子を用いたディスプレイは、形状を変化させる構成とすることも比較的容易であるため、ディスプレイやモバイル機器デザインにおける自由度を大きく広げることができる。

さらに、これらの発光素子は発光層を二次元に連続して形成することが可能であるため、面状に発光を得ることができる。これは、白熱電球LEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。

このように発光素子を用いたディスプレイや照明装置はさまざまな電子機器に適用好適であるが、より良好な効率、寿命を有する発光素子を求めて研究開発が進められている。

特許文献1は、発光物質配向させて成膜することによって、発光方向を制御し、取出し効率を改善させた発光素子について開示している。

概要

新規発光素子を提供する。または、発光効率の良好な発光素子を提供する。または、寿命の長い発光素子を提供する。第1の電極と、第2の電極と、有機化合物を含む層とを有し、前記有機化合物を含む層は前記第1の電極と、前記第2の電極との間に位置し、前記有機化合物を含む層は発光層を有し、前記発光層はトリス型のイリジウム錯体を有し、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸方向から2次元的に見て、4辺上にそれぞれ前記イリジウム錯体の少なくとも一つの原子を含み、且つ当該イリジウム錯体を包含する長方形を想定し、前記長方形の長辺の長さが最大となる長さをA、そのときの短辺の長さをBとし、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸法線方向から2次元的に見た際の、前記C3対称軸方向の幅をCとしたとき、A×B/C2が2.5以上である発光素子を提供する。

目的

本発明の一態様では、新規発光素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1の電極と、第2の電極と、有機化合物を含む層とを有し、前記有機化合物を含む層は前記第1の電極と、前記第2の電極との間に位置し、前記有機化合物を含む層は発光層を有し、前記発光層はトリス型のイリジウム錯体を有し、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸方向から2次元的に見て、4辺上にそれぞれ前記イリジウム錯体の少なくとも一つの原子を含み、且つ当該イリジウム錯体を包含する長方形を想定し、前記長方形の長辺の長さが最大となる長さをA、そのときの短辺の長さをBとし、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸法線方向から2次元的に見た際の、前記C3対称軸方向の幅をCとしたとき、A×B/C2が2.5以上である発光素子

請求項2

請求項1において、前記イリジウム錯体が、トリアゾール骨格を有する配位子又はイミダゾール骨格を有する配位子を有する発光素子。

請求項3

請求項1において、前記イリジウム錯体がピリジン骨格を有する配位子を有する発光素子。

請求項4

請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記A×B/C2が2.8以上である発光素子。

請求項5

請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、前記A×B/C2が3.0以上である発光素子。

請求項6

請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光素子と、トランジスタ、または、基板と、を有する発光装置

請求項7

請求項6に記載の発光装置と、センサ、操作ボタンスピーカ、または、マイクと、を有する電子機器

請求項8

請求項6に記載の発光装置と、筐体と、を有する照明装置

請求項9

下記構造式で表される有機金属錯体

請求項10

下記構造式で表される有機金属錯体。

技術分野

0001

本発明の一態様は、発光素子ディスプレイモジュール照明モジュール表示装置発光装置電子機器及び照明装置に関する。なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物コンポジションオブマター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置記憶装置撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。

背景技術

0002

有機化合物を用いたエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)を利用する発光素子(有機EL素子)の実用化が進んでいる。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間発光材料を含む有機化合物層EL層)を挟んだものである。この素子電圧印加して、キャリア注入し、当該キャリアの再結合エネルギーを利用することにより、発光材料からの発光を得ることができる。

0003

このような発光素子は自発光型であるためディスプレイ画素として用いると、液晶に比べ視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適である。また、このような発光素子を用いたディスプレイは、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。

0004

また、このような発光素子を用いたディスプレイは、形状を変化させる構成とすることも比較的容易であるため、ディスプレイやモバイル機器デザインにおける自由度を大きく広げることができる。

0005

さらに、これらの発光素子は発光層を二次元に連続して形成することが可能であるため、面状に発光を得ることができる。これは、白熱電球LEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。

0006

このように発光素子を用いたディスプレイや照明装置はさまざまな電子機器に適用好適であるが、より良好な効率、寿命を有する発光素子を求めて研究開発が進められている。

0007

特許文献1は、発光物質配向させて成膜することによって、発光方向を制御し、取出し効率を改善させた発光素子について開示している。

0008

特開2012−129509号公報

先行技術

0009

D.ヨコヤマ、「ジャーナルオブマテリアルズケミストリー(Journal of Materials Chemistry)」、21、 19187 (2011)
P. Liehm、他5名、「アプライフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」、101, 253304 (2012)

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の一態様では、新規発光素子を提供することを課題とする。または、発光効率の良好な発光素子を提供することを目的とする。または、寿命の長い発光素子を提供することを目的とする。または、新規有機金属錯体を提供することを目的とする。または、平面性パラメータの大きい新規有機金属錯体を提供することを目的とする。

0011

または、本発明の他の一態様では、消費電力の小さい発光装置、電子機器及び表示装置を各々提供することを目的とする。または、本発明の他の一態様では、信頼性の高い発光装置、電子機器及び表示装置を各々提供することを目的とする。

0012

本発明は上述の課題のうちいずれか一を解決すればよいものとする。

課題を解決するための手段

0013

本発明の一態様は、第1の電極と、第2の電極と、有機化合物を含む層とを有し、前記有機化合物を含む層は前記第1の電極と、前記第2の電極との間に位置し、前記有機化合物を含む層は発光層を有し、前記発光層はトリス型のイリジウム錯体を有し、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸方向から2次元的に見て、4辺上にそれぞれ前記イリジウム錯体の少なくとも一つの原子を含み、且つ当該イリジウム錯体を包含する長方形を想定し、前記長方形の長辺の長さが最大となる長さをA、そのときの短辺の長さをBとし、前記イリジウム錯体をそのC3対称軸法線方向から2次元的に見た際の、前記C3対称軸方向の幅をCとしたとき、A×B/C2が2.5以上である発光素子である。

0014

また、本発明の他の一態様は、上記構成において、前記イリジウム錯体が、トリアゾール骨格を有する配位子又はイミダゾール骨格を有する配位子を有する発光素子である。

0015

また、本発明の他の一態様は、上記構成において、前記A×B/C2が2.8以上である発光素子である。

0016

また、本発明の他の一態様は、上記構成において、前記A×B/C2が3.0以上である発光素子である。

0017

また、本発明の他の一態様は、上記記載の発光素子と、トランジスタ、または、基板と、を有する発光装置である。

0018

また、本発明の他の一態様は、上記記載の発光装置と、センサ、操作ボタンスピーカ、または、マイクと、を有する電子機器である。

0019

また、本発明の他の一態様は、上記記載の発光装置と、筐体と、を有する照明装置である。

0020

また、本発明の他の構成は、下記構造式で表される有機金属錯体である。

0021

0022

また、本発明の他の構成は、下記構造式で表される有機金属錯体である。

0023

0024

なお、本明細書中における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスを含む。また、発光素子にコネクター、例えば異方導電性フィルム又はTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、又は発光素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも発光装置に含む場合がある。さらに、照明器具等は、発光装置を有する場合がある。

発明の効果

0025

本発明の一態様では、新規発光素子を提供することができる。または、寿命の良好な発光素子を提供することができる。または、発光効率の良好な発光素子を提供することができる。または、新規有機金属錯体を提供することができる。または、平面性パラメータの大きい新規有機金属錯体を提供することができる。

0026

または、本発明の他の一態様では、信頼性の高い発光装置、電子機器及び表示装置を各々提供することができる。または、本発明の他の一態様では、消費電力の小さい発光装置、電子機器及び表示装置を各々提供することができる。

0027

なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。

図面の簡単な説明

0028

平面性パラメータの算出方法を説明する図。
双極子モーメントの向きと観測角度による発光強度変化を表す図。
発光素子の概念図。
発光素子の作製方法の一例を表す図。
発光素子の作製装置の一例を表す図。
アクティブマトリクス型発光装置の概念図。
アクティブマトリクス型発光装置の概念図。
アクティブマトリクス型発光装置の概念図。
パッシブマトリクス型発光装置の概念図。
照明装置を表す図。
電子機器を表す図。
光源装置を表す図。
照明装置を表す図。
照明装置を表す図。
車載表示装置及び照明装置を表す図。
電子機器を表す図。
電子機器を表す図。
表示パネルの構成例を説明する図。
表示パネルの構成例を説明する図。
発光素子1の輝度電流密度特性。
発光素子1の電流効率輝度特性
発光素子1の輝度−電圧特性
発光素子1の電流−電圧特性
発光素子1の外部量子効率−輝度特性。
発光素子1の発光スペクトル
発光素子2および比較発光素子2の輝度−電流密度特性。
発光素子2および比較発光素子2の電流効率−輝度特性。
発光素子2および比較発光素子2の輝度−電圧特性。
発光素子2および比較発光素子2の電流−電圧特性。
発光素子2および比較発光素子2の外部量子効率−輝度特性。
発光素子2および比較発光素子2の発光スペクトル。
発光素子3の輝度−電流密度特性。
発光素子3の電流効率−輝度特性。
発光素子3の輝度−電圧特性。
発光素子3の電流−電圧特性。
発光素子3の外部量子効率−輝度特性。
発光素子3の発光スペクトル。
[Ir(mpptz−tetmb)3]の1H−NMRスペクトル
[Ir(mpptz−tetmb)3]の発光スペクトルおよび吸収スペクトル
発光素子4、発光素子5および比較発光素子3の輝度−電流密度特性。
発光素子4、発光素子5および比較発光素子3の電流効率−輝度特性。
発光素子4、発光素子5および比較発光素子3の輝度−電圧特性。
発光素子4、発光素子5および比較発光素子3の電流−電圧特性。
発光素子4、発光素子5および比較発光素子3の外部量子効率−輝度特性。
発光素子4、発光素子5および比較発光素子3の発光スペクトル。
[Ir(mpyppy)3]の1H−NMRスペクトル。
[Ir(mpyppy)3]の発光スペクトルおよび吸収スペクトル。
[Ir(mpyppy)3]のLC−MSスペクトル
[Ir(m6bpy)3]の1H−NMRスペクトル。
[Ir(m6bpy)3]の発光スペクトルおよび吸収スペクトル。
[Ir(m6bpy)3]のLC−MSスペクトル。

0029

以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。

0030

図3(A)は本発明の一態様の発光素子を示す図である。本発明の一態様の発光素子は、第1の電極101と、第2の電極102と、EL層103を有し、EL層103は発光層113を有している。なお、EL層103は、正孔注入層正孔輸送層電子輸送層電子注入層等、その他の機能層を有していても良い。

0031

本発明の一態様の発光素子においては、発光層113はトリス型のイリジウム錯体を有している。当該発光層113はさらにホスト材料を有し、イリジウム錯体は当該ホスト材料に分散していることが好ましい。

0032

ここで、本発明者らは、当該イリジウム錯体として平面性の高い構造を有するイリジウム錯体を用いることによって、発光効率の良好な発光素子を提供できることを見出した。

0033

イリジウム錯体の平面性の算出方法を図1を参照しながら説明する。

0034

まず、本発明の一態様の発光素子に用いられるイリジウム錯体は、フェイシャルトリス型のイリジウム錯体であるために、C3対称軸161(図1(B))が存在する。そのC3対称軸161の軸方向163から当該イリジウム錯体を二次元的に見た図が図1(A)である。図1(A)において、各辺上に当該イリジウム錯体の少なくとも一つの原子(図1(A)中破線丸内の原子に相当)を含み、且つ当該イリジウム錯体を包含する長方形160を想定する。その長方形160の長辺の長さが最大になるときの長辺の長さをA、そのときの短辺の長さをBとする。続いて、C3対称軸161の法線方向162から当該イリジウム錯体を二次元的に見た図が図1(B)である。図1(B)において、C3対称軸方向163の幅(厚さ)をCとする。この、A、BおよびCの3つの数字から、A×B/C2の計算式で求められた数値が当該イリジウム錯体の平面性を表す数値となる。なお、この値は値が大きいほど平面性が高いことを表す。

0035

ここで、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−tetmb)3])(構造式(100))、トリス[2−(6−メチル−5−フェニル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpppm)3])(構造式(101))、トリス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pim−diBuCNp)3])(構造式(102))、トリス{4’−シアノ−2’,6’−ジメチル−3−[3−メチル−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル−κN4]−1,1’−ビフェニル−4−イル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(MdmCN5btz1−tmp)3])(構造式(103))、トリス{2−[4−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−diBuCNp)3])(構造式(104))、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−tmp)3])(構造式(105))、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−diPrp)3])(構造式(106))、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−dmp)3])(構造式(107))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])(構造式(108))の9個のイリジウム錯体について、平面性のパラメータであるA×B/C2の値を求めた。

0036

上記(100)乃至(108)のトリス型イリジウム錯体の構造式を以下に示す。

0037

0038

なお、平面性のパラメータは、分子軌道計算を行い、構造最適化を行った分子構造に対して上述の方法によりA、BおよびCの値を決定することにより求めた。

0039

分子軌道計算は、量子化学計算プログラムとしてGaussian09を使用し、計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(SGI社製、ICE X)を用いて行った。基底関数として、水素炭素窒素原子については6−311G(d,p)を、Ir原子についてはLanL2DZを用い、一重項基底状態における最安定構造を密度汎関数法DFT)で計算した。汎関数はB3PW91を用いた。上述の基底関数により、例えば、水素原子であれば、3つのガウス関数から表現される1sと、1つのガウス関数から表現される1s’、1s’’の基底関数が考慮され、また、炭素原子であれば、6つのガウス関数から表現される1sと、3つのガウス関数から表現される2s、2px、2py、2pzと、1つのガウス関数から表現される2s’、2s’’、2px’、2py’、2pz’、2px’’、2py’’、2pz’’の基底関数が考慮されることになる。ここでは、軌道の大きさの違いをプライムで表している。さらに、計算精度向上のため、分極基底系として、水素原子には1つのガウス関数から表現されるp関数(px、py、pz)を、炭素と窒素原子には1つのガウス関数から表現されるd関数(dxy、dyz、dzx、dz2、dx2−y2)を加えた。なお、対称性はC3とした。結果を表1に示す。

0040

0041

このように、同じトリス型のイリジウム錯体であっても、その平面性は構造によって大きく異なることがわかる。より当該パラメータの小さい[Ir(ppy)3]は球状に近く、大きい値である[Ir(mpptz−tetmb)3]は平面性が高い。ここで、上述の通り、本発明者らはこれら平面性のパラメータが高く平面性の高い、具体的にはA×B/C2の値が2.5以上であるイリジウム錯体を用いた発光素子から、非常に良好な効率で発光が得られることを見出した。

0042

例えば、この値が3.1であるトリス{2−[4−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−diBuCNp)3])を用いて作製した発光素子は、特別な光取出し構造を設けずとも33.8%の非常に高い外部量子効率を達成することができた。

0043

主なトリス型イリジウム錯体の平面性の値と、当該イリジウム錯体を用いて作製した発光素子の外部量子効率の例を以下の表にまとめる。ただし、外部量子効率は、ランバーシアン仮定して算出したものである。なお、高屈折率基板の使用等、特別な光取り出しのための構造は適用していない。

0044

0045

このように、平面性の高さと外部量子効率の高さには相関がみられる。特に、平面性のパラメータ、A×B/C2の値が2.5以上のイリジウム錯体は、外部量子効率30%前後の非常に良好な効率を示していることがわかる。また、A×B/C2の値が2.5以上であることが好ましく、2.8以上であることがより好ましく、3.0以上であることがさらに好ましい。

0046

これは、イリジウム錯体の平面性が高いことで、発光層を形成した際に当該イリジウム錯体の配向性が高くなるためと考えられる。以下に、発光物質の配向と、外部量子効率の関係について説明する。

0047

外部量子効率に大きな影響を及ぼす因子として、光取出し効率χ)がある。光取出し効率(χ)は、発光装置の構造や積層などにも関わってくるが、ガラス基板上の有機EL素子においては、通常、20%〜30%であると言われている。しかし、これは発光が等方的であることを仮定しているため、発光に異方性が生じていれば、この値は変化する。

0048

発光材料の発光は、分子遷移双極子に対して垂直方向に生じることがわかっているため、分子の配向状態を制御すれば光取出し効率(χ)を向上させることが可能である。

0049

本発明者らは、上述のイリジウム錯体について素子の発光状態から分子配向見積もった。当該発光素子の発光強度の放射角度依存性(空間発光パターン)は発光材料の遷移双極子の空間分布を反映する。この空間分布を解析できれば発光素子の配向状態を調べることができる。この方法では、発光素子の発光そのものを観測し、解析するため、発光材料が発光していればその濃度が薄い状態であっても、発光層内で発光材料がどのような配向状態にあるのか調べることが可能となる。

0050

実際には、測定した発光強度の角度依存性と、デバイスシミュレータ発光分子の配向を表すパラメータa(下記式(1)参照)を仮定して算出される発光強度の角度依存性の計算値とを比較することで、妥当な分子配向パラメータaの数値を見積もり、発光素子における発光物質の配向状態を調べることができる(非特許文献2参照)。なお、本発明者らは、デバイスシミュレータから得られる発光スペクトルの形状にも着目し、発光スペクトル形状、および角度による発光スペクトルの形状変化についても実測と計算値を比較し、合わせこみを行っている。また、実測およびシミュレーションにおける発光強度としては、ある特定波長の発光強度ではなく、発光スペクトルの面積強度を用いている。本発明者らが新たに適用したこれらの手法により、非特許文献2とは異なり、精度の高いパラメータaの見積もりが可能となっている。

0051

次に、配向パラメータaについて説明する。図2は発光強度の空間分布の測定における測定器観測方向と、基板上の遷移双極子モーメントの各ベクトル成分の関係を示している。遷移双極子モーメントは、ベクトルであるので合成、分解が可能であり、発光層内の発光材料における平均的な遷移双極子モーメントを互いに直交するx軸方向の成分(TEh成分)、y軸方向の成分(TMh成分)、z軸方向の成分(TMv成分)に分解することができる。

0052

ここで、上述したように分子からの発光は、遷移双極子モーメントに対して垂直な方向(垂直な面内のいずれかの方向)に放出されることがわかっている。上記三方向に分割した成分のうち、TEh成分と、TMh成分(x軸方向及びy軸方向)は基板面内に水平な遷移双極子モーメントであるため、その発光方向は基板に対して垂直となり、取り出しやすい発光を呈する成分であると言える。一方、TMv成分(z軸方向)は基板面内に垂直な遷移双極子モーメントであることから、その発光方向は基板に対して水平となり、取り出しにくい発光を呈する成分である。

0053

図2中、各成分のベクトルを表す矢印の中央から出ている図形は、検出器の方向を基板正面(θ=0度)から基板とほぼ水平(θ=90度)まで変えたときに、その方向にある検出器に入る発光強度を示した模式図であり、中心からの直線距離が強度に比例する。

0054

TEh成分は、光が放出される方向に検出器が存在するため、基板の角度を変えても検出される光の強度(つまり、図中矢印の中心から出ている図形の矢印中心からの直線距離)は一定であり、図中矢印の中心から出ている図形はきれいな扇形を示す。一方、TMh成分とTMv成分における図中矢印の中心から出ている図形はゆがんだ形をしており、基板に対する検出器の角度θによって検出される光の強度が大きく変わることを表している。図の通り、TMh成分はθが小さい領域(基板に対して正面寄り)での観測で強度が強く、TMv成分はθが大きい領域(基板に対し角度が付いた方向)での観測で強度が強くなる。このとき、測定器で測定する発光強度(ある角度θでの波長λに関する発光強度:Iλ(θ,λ))は式(1)として表すことができる。

0055

0056

式中ITMv、ITMh、ITEhは、図2で示した配置の遷移双極子から発した光の空間強度分布を表しており、式中aは膜面に垂直配置された遷移双極子(TMv成分)が存在する割合を表している。一方、1−aは水平に配置された遷移双極子(TMh成分、TEh成分)が存在する割合を表す。つまり、aは発光分子の遷移双極子の配向を表すパラメータとみることもできる。

0057

なお、式中aは、遷移双極子が基板に対して完全に水平方向にのみ配置されていれば、TMv成分はなくなるのでa=0となる。一方、遷移双極子が基板に対して垂直方向にのみ配置されていればa=1となる。また、遷移双極子の向きがランダムである場合は、遷移双極子の向きは、x軸、y軸、z軸に対して1:1:1と等方的になると考えられるため、基板に垂直な成分(TMv成分)に対する基板に水平な成分(TMh成分及びTEh成分)は1:2となるので、a=1/3(約0.33)となる。

0058

ここで、上述のようにITEhは角度によらずその強度は一定だが、ITMv、ITMhは上述のように計測器に対する基板の角度(θ)によってその大きさを変えるため、θを変えて発光強度を測定することによって、その強度のθに対する変化よりaの値を求めることができる。

0059

なお、その際、角度によってその強度が変わらないITEhは測定の妨げとなる。しかし、放出される光の電場振幅方向は、遷移双極子モーメントの方向と同じとなるため、ITEhはS波、ITMv、ITMhはP波であることから、基板面に垂直な方向に直線偏光子を挿入することでTEh成分を除いて測定することが可能である。

0060

また、TMv成分とTMh成分とを比較すると、TMh成分の発光方向が主として基板に垂直方向、TMv成分の発光方向が主として基板に水平方向であるが、固体からの発光を得る発光素子においてはTMv成分の発光の多くは全反射してしまい、外部に取り出すことができない。一方、TMh成分の発光はTMv成分に比べ、より外部に取り出されやすい。さらに、光学的に膜厚が最適化された発光素子においては、発光方向が主として基板に垂直方向であるTMh成分の発光が干渉によって強められるため、TMh成分の発光強度が高くなる(それゆえ発光効率が最大化される)。つまり、配向パラメータaが極端に1に近い値でない限り、光学的に膜厚が最適化された素子においては、TMv成分とTMh成分の発光強度に非常に大きな差が発生してしまう。つまり、発光効率が最大化された発光素子においては、観測される発光のほとんどがTMh成分である。このように、TMv成分とTMh成分の発光強度の差が大きく異なる場合、その強度が小さい方(この場合はTMv成分)の寄与を発光強度の角度分布から実験的に抽出することは困難である。

0061

そこで、本実施の形態では、干渉効果を利用して正面方向の発光強度を極力抑える(つまり、TMh成分の発光を光学干渉を利用して極力低下させる)ことで、パラメータaの値を求めやすいように、膜厚調整を行った素子を準備して測定を行う。具体的には発光領域と陰極との距離を2分のnλ(nλ/2)とすることで、正面方向の輝度を弱めた素子を作製し、それを用いて測定を行う。膜厚調整は、通常アルカリ金属を添加した電子輸送層を厚膜化することなどにより行うが、膜の導電性限界があることから、駆動電圧の上昇や、キャリアバランス崩れなどを招きやすい。そのため、この膜厚調整には、正孔輸送性材料と、当該正孔輸送性材料にアクセプタ性を示す材料を含有させた複合材料を用いることが好ましい。複合材料はEL層における正孔注入層に用いることが好ましい。または、電子注入層と陰極の間に用いても良い。

0062

複合材料に用いる正孔輸送性材料としては、芳香族アミン化合物カルバゾール誘導体芳香族炭化水素高分子化合物オリゴマーデンドリマーポリマー等)など、種々の有機化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる正孔輸送性物質としては、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。以下では、複合材料における正孔輸送性材料として用いることのできる有機化合物の例を具体的に列挙する。

0063

複合材料に用いることのできる正孔輸送性材料としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニルp−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等の芳香族アミン化合物、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセンルブレンペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。また、この他、ペンタセンコロネン等も用いることができる。ビニル骨格を有する芳香族炭化水素であってもよく、ビニル骨格を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。

0064

なお、特に、正孔輸送性材料として、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)−ベンゼン(略称:DBT3P−II)、4,4’−(ビフェニル−2,2’−ジイル)−ビス−ジベンゾチオフェン(略称:oDBTBP−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)、3,6−ジ−(ジベンゾチオフェン−4−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:DBT2PC−II)、4−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:2mDBTPPA−II)、4−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]ジベンゾフラン(略称:2mDBFPPA−II)及び4−[4−(9−フェニルアントラセン−10−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPA−II)等のジベンゾチオフェン誘導体又はジベンゾフラン誘導体、及び、1−[3,5−ジ(ナフタレン−1−イル)フェニル]ナフタレン(略称:N3P)、9−[3,5−ジ(フェナントレン−9−イル)フェニル]フェナントレン(略称:Pn3P)、1,2,3,4−テトラフェニルナフタレン(略称:P4N)、2−[3,5−ジ−(ナフタレン−2−イル)−フェニル]−ナフタレン(略称:βN3P)及び9,9’−(ビフェニル−3,3’−ジイル)−ジ−フェナントレン(略称:mPnBP)等のナフタレン骨格フェナントレン骨格、又はトリフェニレン骨格置換基が結合した、分子量が350以上2000以下である炭化水素化合物を用いた複合材料は、可視光領域から近赤外領域にかけて吸収が無い為、当該複合材料を用いて作製した発光素子を測定した結果は、計算結果と良い一致を示し、精度良くaの値を求めることができる。

0065

また、ポリN−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。

0066

アクセプタ性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム酸化ニオブ酸化タンタル酸化クロム酸化モリブデン酸化タングステン酸化マンガン酸化レニウム電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。

0067

当該複合材料は、導電性が高いため、厚膜化しても駆動電圧の上昇が起きにくく、キャリアバランスも保てるという利点がある。

0068

なお、このように、測定には、一部特別な構造を有する発光素子を用いるが、発光層の構成は通常の発光素子と同様に形成することで、配向の評価結果は同様の発光層の構成を有する発光素子の配向状態にも適用できる。

0069

このような発光素子を実際にEL発光させ、直線偏光子を基板に垂直方向に挿入して発光強度角度依存性を測定する。発光強度は、ある一波長における強度として表しても良いが、本発明の一態様においては発光スペクトル強度を積分した値で表す方がより正確な検証を行うことができ、好ましい。

0070

この実験値有機デバイスシミュレータ(semiconducting emissive thin film optics simulator:setfos;サイバネットシステム株式会社)による計算結果と比較することで、当該発光素子におけるaの値を求めることができる。当該計算においては、発光材料のスペクトル形状積層構造の膜厚、屈折率消衰係数、および発光領域の位置・幅を入力することで、入力した任意のaの値において、角度θに対する発光強度(スペクトル)を算出することができる。

0071

なお、発光領域の位置は測定できないため、想定で行う。発光領域の指定は、発光層のキャリア輸送性等から経験的に想定できるが、膜厚方向の一か所に固定するより、最も再結合確率の高いと思われる発光位置(例えば発光層の電子輸送性が正孔輸送性よりも高ければ、正孔輸送層\発光層界面近傍)をまず固定し、その位置から指数関数的に再結合確率が減少するような発光領域の広がりがあると仮定して計算を行うと、実測に近いスペクトル形状の良好な計算結果を得ることができる。

0072

ここで、各配向状態における光取出し効率を考える。遷移双極子がランダム配向(a=1/3≒0.33)しているときに比べ、完全に基板に対して水平に配向(a=0)しているときは、ランダム配向時に基板に垂直だった3分の1の分子の遷移双極子が水平状態となる。そのため、基板面に水平な遷移双極子の割合はランダム配向時の1.5倍となる。

0073

ここで、先に述べた通り、最適化された発光素子において観測される発光は、そのほとんどが水平配向した分子から放出される発光成分由来しており、垂直配向している分子から放出される発光(すなわちTMv成分)は相対的に無視できるほど微弱である。このため、ランダム配向である場合、3分の1の分子からの発光は実質的に取り出されていないと考えることができる。一方、aが0である場合は、上述のように基板に水平な遷移双極子の割合がランダム配向である場合の1.5倍となるため、観測される発光に寄与する分子の割合も概略1.5倍となり、発光の取出し効率も概略1.5倍となる。

0074

このように、上記方法により算出したaの値が小さい発光材料(イリジウム錯体)を用いることで、ランダム配向である場合と比較してより外部に取り出すことが可能な発光が増え、光取出し効率の高い、発光効率の良好な発光素子を得ることが容易となる。

0075

上掲したトリス型イリジウム錯体の平面性の値と、当該イリジウム錯体を用いて作製した発光素子の外部量子効率の値をまとめた表に、配向パラメータaを加えた表を以下に示す。

0076

0077

このように、平面性と配向性にも相関があり、平面性が高いトリス型イリジウム錯体は、配向性も向上し、結果として外部量子効率が向上したことがわかる。発光層におけるイリジウム錯体の配向性パラメータが0.25以下である発光素子が、非常に良好な効率で発光を得ることができる発光素子とすることが容易である。

0078

≪発光素子≫
続いて、本発明の一態様である発光素子の例について図3(A)を用いて以下、詳細に説明する。

0079

本実施の形態における発光素子は、第1の電極101と、第2の電極102とからなる一対の電極と、第1の電極101と第2の電極102との間に設けられたEL層103とから構成されている。なお、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極102は陰極として機能するものとして、以下説明をする。

0080

第1の電極101は陽極として機能させるためには、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いて形成することが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタリング法により成膜されるが、ゾルゲル法などを応用して作製しても構わない。作製方法の例としては、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1乃至20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成する方法などがある。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5乃至5wt%、酸化亜鉛を0.1乃至1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することもできる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。グラフェンも用いることができる。なお、後述する複合材料を、EL層103における第1の電極101と接する層に用いることで、仕事関数に関わらず、電極材料を選択することができるようになる。

0081

EL層103の積層構造は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、キャリアブロック層、中間層等を適宜組み合わせて構成することができる。本実施の形態では、EL層103は、第1の電極101の上に正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115の順で積層構造を有する構成について説明する。各層を構成する材料の例について以下に具体的に示す。

0082

正孔注入層111は、正孔注入性の高い物質を含む層である。モリブデン酸化物バナジウム酸化物ルテニウム酸化物タングステン酸化物マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(略称:CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、或いはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(略称:PEDOT/PSS)等の高分子等、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等によっても正孔注入層111を形成することができる。

0083

また、正孔注入層111として、正孔輸送性の物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の物質にアクセプター性物質を含有させた当該複合材料を用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、第1の電極101として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料も用いることができるようになる。アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。

0084

複合材料に用いる正孔輸送性の物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の有機化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる正孔輸送性の物質としては、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。以下では、複合材料における正孔輸送性の物質として用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。

0085

複合材料に用いることのできる正孔輸送性の物質としては、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等の芳香族アミン化合物、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン等の芳香族炭化水素が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。ビニル骨格を有する芳香族炭化水素であってもよく、ビニル骨格を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。

0086

また、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。

0087

正孔注入層111を形成することによって、正孔注入性が良好となり、駆動電圧の小さい発光素子を得ることが可能となる。

0088

正孔輸送層112は、正孔輸送性の物質を含む層である。正孔輸送性の物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N—フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、正孔輸送性が高く、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。また、上述の複合材料における正孔輸送性の物質として挙げた有機化合物も正孔輸送層112に用いることができる。なお、正孔輸送性の物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。

0089

発光層113は、上述のように計算された平面性のパラメータA×B/C2が高い、具体的には当該パラメータの値が2.5以上であるトリス型のイリジウム錯体が含まれていることが好ましい。たとえば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(3,3’,5,5’−テトラメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−tetmb)3])(構造式(100))、トリス[2−(6−メチル−5−フェニル−4−ピリミジニル−κN3)フェニル−κC]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpppm)3])(構造式(101))、トリス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−イミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pim−diBuCNp)3])(構造式(102))、トリス{4’−シアノ−2’,6’−ジメチル−3−[3−メチル−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル−κN4]−1,1’−ビフェニル−4−イル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(MdmCN5btz1−tmp)3])(構造式(103))、トリス{2−[4−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−5−(2−メチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−diBuCNp)3])(構造式(104))、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−tmp)3])(構造式(105))などが特に好ましい。当該イリジウム錯体を用いた発光層は効率のよいりん光発光を呈するため、外部量子効率の高い発光素子を得ることができる。

0090

なお、発光素子は発光層として、蛍光発光物質を含み蛍光発光を呈する層、他のりん光発光物質を含みりん光発光を呈する層および熱活性化遅延蛍光(TADF)を発する物質を含みTADFを呈する層を有していても良い。また、単層であっても、複数の層からなっていても良い。複数の層からなる発光層を形成する場合、りん光発光物質が含まれる層と蛍光発光物質が含まれる層が積層されていても良い。この際、りん光発光物質が含まれる層では、後述の励起錯体を利用することが好ましい。

0091

蛍光発光物質としては、例えば以下のような物質を用いることができる。また、これ以外の蛍光発光物質も用いることができる。5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデンプロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)などが挙げられる。特に、1,6FLPAPrnや1,6mMemFLPAPrnのようなピレンジアミン化合物に代表される縮合芳香族ジアミン化合物は、ホールトラップ性が高く、発光効率や信頼性に優れているため好ましい。

0092

発光層113において、りん光発光物質として用いることが可能な材料としては、例えば以下のようなものが挙げられる。トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−dmp)3])、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)3])、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrptz−3b)3])のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1−mp)3])、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Prptz1−Me)3])のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrpmi)3])、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmpimpt−Me)3])のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリルボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CF3ppy)2(pic)])、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。これらは青色のりん光発光を示す化合物であり、440nmから520nmに発光のピークを有する化合物である。

0093

また、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)3])、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)3])、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[6−(2−ノルボルニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(nbppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)2(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−Me)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−iPr)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)2(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)2(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)3])、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)3])、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリンテルビウム(III)(略称:[Tb(acac)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。これらは主に緑色のりん光発光を示す化合物であり、500nm乃至600nmに発光のピークを有する。なお、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。

0094

また、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dibm)])、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dpm)])、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)2(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(acac)])、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(dpm])])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)3])、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)3(Phen)])、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。これらは、赤色のりん光発光を示す化合物であり、600nmから700nmに発光のピークを有する。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。

0095

また、以上で述べたりん光性化合物の他、様々なりん光性発光材料を選択し、用いてもよい。

0096

TADF材料としてはフラーレン及びその誘導体、アクリジン及びその誘導体、エオシン誘導体等を用いることができる。またマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンを用いることができる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、以下の構造式に示されるプロトポルフィリンフッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等も挙げられる。

0097

0098

また、以下の構造式に示される2−ビフェニル−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)や、9−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−9’−フェニル−9H,9’H−3,3’−ビカルバゾール(略称:PCCzTzn)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)、等のπ電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環の両方を有する複素環化合物も用いることができる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が共に高く、好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強くなり、S1準位とT1準位のエネルギー差が小さくなるため、熱活性化遅延蛍光を効率よく得られることから特に好ましい。なお、π電子不足型複素芳香環の代わりに、シアノ基のような電子吸引基が結合した芳香環を用いても良い。

0099

0100

発光層のホスト材料としては、蛍光発光物質を用いる場合は、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−ベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9−フェニル−10−{4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−ビフェニル−4’−イル}アントラセン(略称:FLPPA)等のアントラセン骨格を有する材料が好適である。アントラセン骨格を有する物質を蛍光発光物質のホスト材料として用いると、発光効率、耐久性共に良好な発光層を実現することが可能である。特に、CzPA、cgDBCzPA、2mBnfPPA、PCzPAは非常に良好な特性を示すため、好ましい選択である。

0101

上記材料以外の材料をホスト材料として用いる場合、電子輸送性を有する材料や正孔輸送性を有する材料など様々なキャリア輸送材料を用いることができる。

0102

電子輸送性を有する材料としては、例えば、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラトアルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)などのポリアゾール骨格を有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。

0103

正孔輸送性を有する材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N—フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。また、以上で述べた正孔輸送性材料の他、様々な物質の中から正孔輸送性材料を用いても良い。

0104

発光物質として蛍光発光物質を用いる場合は、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−ベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9−フェニル−10−{4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−ビフェニル−4’−イル}−アントラセン(略称:FLPPA)等のアントラセン骨格を有する材料が好適である。アントラセン骨格を有する物質を蛍光発光物質のホスト材料として用いると、発光効率、耐久性共に良好な発光層を実現することが可能である。特に、CzPA、cgDBCzPA、2mBnfPPA、PCzPAは非常に良好な特性を示すため、好ましい選択である。

0105

なお、ホスト材料は複数種の物質を混合した材料であっても良く、混合したホスト材料を用いる場合は、電子輸送性を有する材料と、正孔輸送性を有する材料とを混合することが好ましい。電子輸送性を有する材料と、正孔輸送性を有する材料を混合することによって、発光層113の輸送性を容易に調整することができ、再結合領域の制御も簡便に行うことができる。正孔輸送性を有する材料と電子輸送性を有する材料の含有量の比は、正孔輸送性を有する材料:電子輸送性を有する材料=1:9乃至9:1とすればよい。

0106

また、これら混合されたホスト材料同士で励起錯体を形成しても良い。当該励起錯体は、蛍光発光物質、りん光発光物質及びTADF材料の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるような発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光が得られるようになる。また、当該構成は駆動電圧も低下するため好ましい構成である。

0107

以上のような構成を有する発光層113は、真空蒸着法での共蒸着や、混合溶液として、グラビア印刷法オフセット印刷法インクジェット法スピンコート法ディップコート法などを用いて作製することができる。

0108

電子輸送層114は、電子輸送性を有する物質を含む層である。電子輸送性を有する物質としては、上記ホスト材料に用いることが可能な電子輸送性を有する材料として挙げた材料や、アントラセン骨格を有する材料を用いることができる。

0109

また、電子輸送層と発光層との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。

0110

また、電子輸送層114と第2の電極102との間に、第2の電極102に接して電子注入層115を設けてもよい。電子注入層115としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたものを用いることができる。また、電子注入層115にエレクトライドを用いてもよい。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。なお、電子注入層115として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極102からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。

0111

また、電子注入層115の代わりに電荷発生層116を設けても良い(図3(B))。電荷発生層116は、電位をかけることによって当該層の陰極側に接する層に正孔を、陽極側に接する層に電子を注入することができる層のことである。電荷発生層116には、少なくともP型層117が含まれる。P型層117は、上述の正孔注入層111を構成することができる材料として挙げた複合材料を用いて形成することが好ましい。またP型層117は、複合材料を構成する材料として上述したアクセプター材料を含む膜と正孔輸送性材料を含む膜とを積層して構成しても良い。P型層117に電位をかけることによって、電子輸送層114に電子が、陰極である第2の電極102に正孔が注入され、発光素子が動作する。この際、電子輸送層114の電荷発生層116に接する位置に、本発明の一態様の有機化合物を含む層が存在することによって、発光素子の駆動時間の蓄積に伴う輝度低下が抑制され、寿命の長い発光素子を得ることができる。

0112

なお、電荷発生層116はP型層117の他に電子リレー層118及び電子注入バッファ層119のいずれか一又は両方がもうけられていることが好ましい。

0113

電子リレー層118は少なくとも電子輸送性を有する物質を含み、電子注入バッファ層119とP型層117との相互作用を防いで電子をスムーズに受け渡す機能を有する。電子リレー層118に含まれる電子輸送性を有する物質のLUMO準位は、P型層117におけるアクセプター性物質のLUMO準位と、電子輸送層114における電荷発生層116に接する層に含まれる物質のLUMO準位との間であることが好ましい。電子リレー層118に用いられる電子輸送性を有する物質におけるLUMO準位の具体的なエネルギー準位は−5.0eV以上、好ましくは−5.0eV以上−3.0eV以下とするとよい。なお、電子リレー層118に用いられる電子輸送性を有する物質としてはフタロシアニン系の材料又は金属−酸素結合芳香族配位子を有する金属錯体を用いることが好ましい。

0114

電子注入バッファ層119には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物炭酸リチウム炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))等の電子注入性の高い物質を用いることが可能である。

0115

また、電子注入バッファ層119が、電子輸送性を有する物質とドナー性物質を含んで形成される場合には、ドナー性物質として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))の他、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、ニッケロセンデカメチルニッケロセン等の有機化合物を用いることもできる。なお、電子輸送性を有する物質としては、先に説明した電子輸送層114を構成する材料と同様の材料を用いて形成することができる。

0116

第2の電極102を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等の元素周期表の第1族または第2族に属する元素、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。しかしながら、第2の電極102と電子輸送層との間に、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、ケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を第2の電極102として用いることができる。これら導電性材料は、真空蒸着法やスパッタリング法などの乾式法、インクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。また、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。

0117

また、EL層103の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。

0118

ここで、液滴吐出法を用いてEL層786を形成する方法について、図4を用いて説明する。図4(A)乃至図4(D)は、EL層786の作製方法を説明する断面図である。

0119

まず、平坦絶縁膜770上に導電膜772が形成され、導電膜772の一部を覆うように絶縁膜730が形成される(図4(A)参照)。

0120

次に、絶縁膜730の開口である導電膜772の露出部に、液滴吐出装置783より液滴784を吐出し、組成物を含む層785を形成する。液滴784は、溶媒を含む組成物であり、導電膜772上に付着する(図4(B)参照)。

0121

なお、液滴784を吐出する工程を減圧下で行ってもよい。

0122

次に、組成物を含む層785より溶媒を除去し、固化することによってEL層786を形成する(図4(C)参照)。

0123

なお、溶媒の除去方法としては、乾燥工程または加熱工程を行えばよい。

0124

次に、EL層786上に導電膜788を形成し、発光素子782を形成する(図4(D)参照)。

0125

このようにEL層786を液滴吐出法で行うと、選択的に組成物を吐出することができるため、材料のロスを削減することができる。また、形状を加工するためのリソグラフィ工程なども必要ないために工程も簡略化することができ、低コスト化が達成できる。

0126

なお、上記説明した液滴吐出法とは、組成物の吐出口を有するノズル、あるいは1つ又は複数のノズルを有するヘッド等の液滴を吐出する手段を有するものの総称とする。

0127

次に、液滴吐出法に用いる液滴吐出装置について、図5を用いて説明する。図5は、液滴吐出装置1400を説明する概念図である。

0128

液滴吐出装置1400は、液滴吐出手段1403を有する。また、液滴吐出手段1403は、ヘッド1405と、ヘッド1412と、ヘッド1416とを有する。

0129

ヘッド1405、及びヘッド1412は制御手段1407に接続され、それがコンピュータ1410で制御することにより予めプログラミングされたパターンに描画することができる。

0130

また、描画するタイミングとしては、例えば、基板1402上に形成されたマーカー1411を基準に行えば良い。あるいは、基板1402の外縁を基準にして基準点確定させても良い。ここでは、マーカー1411を撮像手段1404で検出し、画像処理手段1409にてデジタル信号に変換したものをコンピュータ1410で認識して制御信号を発生させて制御手段1407に送る。

0131

撮像手段1404としては、電荷結合素子(CCD)や相補型金属−酸化物−半導体(CMOS)を利用したイメージセンサなどを用いることができる。なお、基板1402上に形成されるべきパターンの情報は記憶媒体1408に格納されたものであり、この情報を基にして制御手段1407に制御信号を送り、液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1412、ヘッド1416を個別に制御することができる。吐出する材料は、材料供給源1413、材料供給源1414、材料供給源1415より配管を通してヘッド1405、ヘッド1412、ヘッド1416にそれぞれ供給される。

0132

ヘッド1405、ヘッド1412、ヘッド1416の内部は、点線1406が示すように液状の材料を充填する空間と、吐出口であるノズルを有する構造となっている。図示しないが、ヘッド1412もヘッド1405と同様な内部構造を有する。ヘッド1405とヘッド1412のノズルを異なるサイズで設けると、異なる材料を異なる幅で同時に描画することができる。一つのヘッドで、複数種の発光材料などをそれぞれ吐出し、描画することができ、広領域に描画する場合は、スループットを向上させるため複数のノズルより同材料を同時に吐出し、描画することができる。大型基板を用いる場合、ヘッド1405、ヘッド1412、ヘッド1416は基板上を、図5中に示すX、Y、Zの矢印の方向に自在に走査し、描画する領域を自由に設定することができ、同じパターンを一枚の基板に複数描画することができる。

0133

また、組成物を吐出する工程は、減圧下で行ってもよい。吐出時に基板を加熱しておいてもよい。組成物を吐出後、乾燥と焼成の一方又は両方の工程を行う。乾燥と焼成の工程は、両工程とも加熱処理の工程であるが、その目的、温度と時間が異なるものである。乾燥の工程、焼成の工程は、常圧下又は減圧下で、レーザ光照射瞬間熱アニール加熱炉などにより行う。なお、この加熱処理を行うタイミング、加熱処理の回数は特に限定されない。乾燥と焼成の工程を良好に行うためには、そのときの温度は、基板の材質及び組成物の性質に依存する。

0134

以上のように、液滴吐出装置を用いてEL層786を作製することができる。

0135

液滴吐出装置を用いてEL層786を作製する場合において、各種材料を溶媒に溶かした組成物として湿式法により形成する場合、種々の有機溶剤を用いて塗布用組成物とすることが出来る。前記組成物に用いることが出来る有機溶剤としては、ベンゼン、トルエンキシレンメシチレンテトラヒドロフランジオキサンエタノールメタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール、t−ブタノールアセトニトリルジメチルスルホキシドジメチルホルムアミドクロロホルムメチレンクロライド四塩化炭素酢酸エチルヘキサンシクロヘキサン等種々の有機溶剤を用いることが出来る。特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の低極性ベンゼン誘導体を用いることで、好適な濃度の溶液を作ることが出来、また、インク中に含まれる材料が酸化などにより劣化することを防止できるため好ましい。また、作成後の膜の均一性や膜厚の均一性などを考慮すると沸点が100℃以上であることが好ましく、トルエン、キシレン、メシチレンが更に好ましい。

0136

なお、上記構成は、他の構成と適宜組み合わせることが可能である。

0137

電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。

0138

当該発光素子の発光は、第1の電極101または第2の電極102のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極101または第2の電極102のいずれか一方または両方を透光性を有する電極で形成する。

0139

なお、第1の電極101と第2の電極102との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。しかし、発光領域と電極やキャリア注入層に用いられる金属とが近接することによって生じる消光が抑制されるように、第1の電極101および第2の電極102から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成が好ましい。

0140

また、発光層113に接する正孔輸送層や電子輸送層、特に発光層113における再結合領域に近い方に接するキャリア輸送層は、発光層で生成した励起子からのエネルギー移動を抑制するため、そのバンドギャップが発光層を構成する発光物質もしくは、発光層に含まれる発光中心物質が有するバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質で構成することが好ましい。

0141

続いて、複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(積層型素子ともいう)の態様について、図3(C)を参照して説明する。この発光素子は、陽極と陰極との間に、複数の発光ユニットを有する発光素子である。一つの発光ユニットは、図3(A)で示したEL層103と同様な構成を有する。つまり、図3(A)又は図3(B)で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子であり、図3(C)で示した発光素子は複数の発光ユニットを有する発光素子であるということができる。

0142

図3(C)において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されており、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512との間には電荷発生層513が設けられている。第1の電極501と第2の電極502はそれぞれ図3(A)における第1の電極101と第2の電極102に相当し、図3(A)の説明で述べたものと同じものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよい。

0143

電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入する機能を有する。すなわち、図3(C)において、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層513は、第1の発光ユニット511に電子を注入し、第2の発光ユニット512に正孔を注入するものであればよい。

0144

電荷発生層513は、図3(B)にて説明した電荷発生層116と同様の構成で形成することが好ましい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層513に接している場合は、電荷発生層513が発光ユニットの正孔注入層の役割も担うことができるため、発光ユニットは正孔注入層を設けなくとも良い。

0145

また、電子注入バッファ層119を設ける場合、当該層が陽極側の発光ユニットにおける電子注入層の役割を担うため、当該発光ユニットには必ずしも重ねて電子注入層を形成する必要はない。

0146

図3(C)では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層513で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な素子を実現できる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。

0147

また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットで赤と緑の発光色、第2の発光ユニットで青の発光色を得ることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも容易である。

0148

微小光共振器マイクロキャビティ)構造≫
マイクロキャビティ構造を有する発光素子は、上記一対の電極を、反射電極と半透過・半反射電極とから構成することにより得られる。反射電極と半透過・半反射電極は上述の第1の電極と第2の電極に相当する。反射電極と半透過・半反射電極との間には少なくともEL層を有し、EL層は少なくとも発光領域となる発光層を有している。

0149

EL層に含まれる発光層から射出される発光は、反射電極と半透過・半反射電極とによって反射され、共振する。なお、反射電極は、可視光の反射率が40%乃至100%、好ましくは70%乃至100%であり、かつその抵抗率が1×10−2Ωcm以下であるものとする。また、半透過・半反射電極は、可視光の反射率が20%乃至80%、好ましくは40%乃至70%であり、かつその抵抗率が1×10−2Ωcm以下であるものとする。

0150

また、当該発光素子は、透明導電膜や上述の複合材料、キャリア輸送材料などの厚みを変えることで反射電極と半透過・半反射電極の間の光学的距離を変えることができる。これにより、反射電極と半透過・半反射電極との間において、共振する波長の光を強め、共振しない波長の光を減衰させることができる。

0151

なお、発光層から発する光のうち、反射電極によって反射されて戻ってきた光(第1の反射光)は、発光層から半透過・半反射電極に直接入射する光(第1の入射光)と大きな干渉を起こすため、反射電極と発光層の光学的距離を(2n−1)λ/4(ただし、nは1以上の自然数、λは増幅たい色の波長)に調節することが好ましい。これにより、第1の反射光と第1の入射光との位相を合わせ発光層からの発光をより増幅させることができる。

0152

なお、上記構成においては、EL層に複数の発光層を有する構造であっても、単一の発光層を有する構造であっても良く、例えば、上述のタンデム型発光素子の構成と組み合わせて、一つの発光素子に電荷発生層を挟んで複数のEL層を設け、それぞれのEL層に単数もしくは複数の発光層を形成する構成に適用してもよい。

0153

≪発光装置≫
本発明の一態様の発光装置について図6を用いて説明する。なお、図6(A)は、発光装置を示す上面図、図6(B)は図6(A)をA−BおよびC−Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース線駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート線駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。

0154

なお、引き回し配線608はソース線駆動回路601及びゲート線駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号クロック信号スタート信号リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。

0155

次に、断面構造について図6(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース線駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。

0156

なお、ソース線駆動回路601はnチャネル型FET623とpチャネル型FET624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく外部に形成することもできる。

0157

また、画素部602はスイッチング用FET611と、電流制御用FET612とそのドレイン電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成されているが、これに限定されず、3つ以上のFETと、容量素子とを組み合わせた画素部としてもよい。

0158

FETに用いる半導体の種類及び結晶性については特に限定されず、非晶質半導体を用いてもよいし、結晶性半導体を用いてもよい。FETに用いる半導体の例としては、第13族半導体、第14族半導体、化合物半導体酸化物半導体有機半導体材料を用いることができるが、特に、酸化物半導体を用いると好ましい。該酸化物半導体としては、例えば、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Ga、Y、Zr、La、Ce、またはNd)等が挙げられる。なお、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体材料を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため、好ましい構成である。

0159

なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成することができる。

0160

また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm乃至3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型感光性樹脂、或いはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。

0161

第1の電極613上には、EL層616及び第2の電極617がそれぞれ形成されている。これらはそれぞれ図3(A)あるいは図3(B)で説明した第1の電極101、EL層103及び第2の電極102又は図3(C)で説明した第1の電極501、EL層503及び第2の電極502に相当する。

0162

EL層616には有機金属錯体が含まれることが好ましい。当該有機金属錯体は、発光層における発光中心物質として用いられることが好ましい。

0163

さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体窒素アルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥材を設けると水分の影響による劣化を抑制することができ、好ましい構成である。

0164

シール材605にはエポキシ系樹脂ガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、素子基板610及び封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。

0165

例えば、本明細書等において、様々な基板を用いて、トランジスタや発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板ステンレススチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラスアルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミドポリイミドアラミドエポキシ無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによって、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さいトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成すると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。

0166

また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタや発光素子を形成してもよい。または、基板とトランジスタの間や、基板と発光素子の間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、トランジスタは耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の有機樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。

0167

つまり、ある基板を用いてトランジスタや発光素子を形成し、その後、別の基板にトランジスタや発光素子を転置し、別の基板上にトランジスタや発光素子を配置してもよい。トランジスタや発光素子が転置される基板の一例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板石材基板、木材基板、布基板(天然繊維、綿、)、合成繊維ナイロンポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維アセテートキュプラレーヨン再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。

0168

図7には白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層カラーフィルタ)等を設けることによってフルカラー化した発光装置の例を示す。図7(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。

0169

また、図7(A)では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)は透明な基材1033に設けている。また、黒色層ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図7(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。

0170

図7(B)では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。

0171

また、以上に説明した発光装置では、FETが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。トップエミッション型の発光装置の断面図を図8に示す。この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。FETと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。

0172

発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図8のようなトップエミッション型の発光装置である場合、第1の電極を反射電極とすることが好ましい。EL層1028の構成は、図3(A)あるいは図3(B)のEL層103または図3(C)のEL層503として説明したような構成とし、且つ、白色の発光が得られるような素子構造とする。

0173

図8のようなトップエミッションの構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)1035を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いることとする。

0174

また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色や赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。

0175

図9には本発明の一態様であるパッシブマトリクス型の発光装置を示す。なお、図9(A)は、発光装置を示す斜視図、図9(B)は図9(A)をX−Yで切断した断面図である。図9において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。

0176

以上、説明した発光装置は、マトリクス状に配置された多数の微小な発光素子を、画素部に形成されたFETでそれぞれ制御することが可能であるため、画像の表現を行う表示装置として好適に利用できる発光装置である。

0177

≪照明装置≫
本発明の一態様である照明装置を図10を参照しながら説明する。図10(B)は照明装置の上面図、図10(A)は図10(B)におけるe−f断面図である。

0178

当該照明装置は、支持体である透光性を有する基板400上に、第1の電極401が形成されている。第1の電極401は図3(A)、(B)の第1の電極101に相当する。第1の電極401側から発光を取り出す場合、第1の電極401は透光性を有する材料により形成する。

0179

第2の電極404に電圧を供給するためのパッド412が基板400上に形成される。

0180

第1の電極401上にはEL層403が形成されている。EL層403は図3(A)、(B)のEL層103又は図3(C)のEL層503などに相当する。なお、これらの構成については当該記載を参照されたい。

0181

EL層403を覆って第2の電極404を形成する。第2の電極404は図3(A)の第2の電極102に相当する。発光を第1の電極401側から取り出す場合、第2の電極404は反射率の高い材料を含んで形成される。第2の電極404はパッド412と接続することによって、電圧が供給される。

0182

第1の電極401、EL層403及び第2の電極404によって発光素子が形成される。当該発光素子を、シール材405、406を用いて封止基板407を固着し、封止することによって照明装置が完成する。シール材405、406はどちらか一方でもかまわない。また、内側のシール材406には乾燥剤を混ぜることもでき、これにより、水分を吸着することができ、信頼性の向上につながる。

0183

また、パッド412と第1の電極401の一部をシール材405、406の外に伸張して設けることによって、外部入力端子とすることができる。また、その上にコンバータなどを搭載したICチップ420などを設けても良い。

0184

≪表示装置≫
ここでは、本発明の一態様の半導体装置を用いた表示装置の表示部等に用いることのできる表示パネルの一例について、図18及び図19を用いて説明する。以下で例示する表示パネルは、反射型液晶素子と、発光素子との双方を有し、透過モード反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示パネルである。

0185

<表示パネルの構成例>
図18は、本発明の一態様の表示パネル688の斜視概略図である。表示パネル688は、基板651と基板661とが貼り合わされた構成を有する。図18では、基板661を破線で明示している。

0186

表示パネル688は、表示部662、回路659、配線666等を有する。基板651には、例えば回路659、配線666、及び画素電極として機能する導電膜663等が設けられる。また図18では基板651上にIC673とFPC672が実装されている例を示している。そのため、図18に示す構成は、表示パネル688とFPC672及びIC673を有する表示モジュールと言うこともできる。

0187

回路659は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。

0188

配線666は、表示部662や回路659に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC672を介して外部、またはIC673から配線666に入力される。

0189

また、図18では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板651にIC673が設けられている例を示している。IC673は、例えば走査線駆動回路、または信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示パネル688が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC672を介して表示パネル688を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC673を設けない構成としてもよい。また、IC673を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC672に実装してもよい。

0190

図18には、表示部662の一部の拡大図を示している。表示部662には、複数の表示素子が有する導電膜663がマトリクス状に配置されている。導電膜663は、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子640の反射電極として機能する。

0191

また、図18に示すように、導電膜663は開口を有する。さらに導電膜663よりも基板651側に、発光素子660を有する。発光素子660からの光は、導電膜663の開口を介して基板661側に射出される。発光素子660として、本発明の一態様の発光素子を用いることで、寿命の良好な表示パネルを提供することができる。または、発光効率の良好な発光素子を有する表示パネルを提供することができる。また、発光素子660として、本発明の一態様の発光素子を用いることで、発光効率の良好な青色の発光素子を有する表示パネルを提供することができる。

0192

断面構成例
図19に、図18で例示した表示パネルの、FPC672を含む領域の一部、回路659を含む領域の一部、及び表示部662を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。

0193

表示パネルは、基板651と基板661の間に、絶縁膜697を有する。また基板651と絶縁膜697の間に、発光素子660、トランジスタ689、トランジスタ691、トランジスタ692、着色層634等を有する。また絶縁膜697と基板661の間に、液晶素子640、着色層631等を有する。また基板661と絶縁膜697は接着層641を介して接着され、基板651と絶縁膜697は接着層642を介して接着されている。

0194

トランジスタ692は、液晶素子640と電気的に接続し、トランジスタ691は、発光素子660と電気的に接続する。トランジスタ691とトランジスタ692は、いずれも絶縁膜697の基板651側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。

0195

基板661には、着色層631、遮光膜632、絶縁膜698、及び液晶素子640の共通電極として機能する導電膜695、配向膜633b、絶縁膜696等が設けられている。絶縁膜696は、液晶素子640のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。

0196

絶縁膜697の基板651側には、絶縁膜681、絶縁膜682、絶縁膜683、絶縁膜684、絶縁膜685等の絶縁層が設けられている。絶縁膜681は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁膜682、絶縁膜683、及び絶縁膜684は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁膜684を覆って絶縁膜685が設けられている。絶縁膜684及び絶縁膜685は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁膜682、絶縁膜683、絶縁膜684の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁膜684は、不要であれば設けなくてもよい。

0197

また、トランジスタ689、トランジスタ691、及びトランジスタ692は、一部がゲートとして機能する導電膜654、一部がソース又はドレインとして機能する導電膜652、半導体膜653を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。

0198

液晶素子640は反射型の液晶素子である。液晶素子640は、導電膜635、液晶層694、導電膜695が積層された積層構造を有する。また導電膜635の基板651側に接して、可視光を反射する導電膜663が設けられている。導電膜663は開口655を有する。また導電膜635及び導電膜695は可視光を透過する材料を含む。また液晶層694と導電膜635の間に配向膜633aが設けられ、液晶層694と導電膜695の間に配向膜633bが設けられている。また、基板661の外側の面には、偏光板656を有する。

0199

液晶素子640において、導電膜663は可視光を反射する機能を有し、導電膜695は可視光を透過する機能を有する。基板661側から入射した光は、偏光板656により偏光され、導電膜695、液晶層694を透過し、導電膜663で反射する。そして液晶層694及び導電膜695を再度透過して、偏光板656に達する。このとき、導電膜663と導電膜695の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板656を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層631によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。

0200

発光素子660は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子660は、絶縁膜697側から導電膜643、EL層644、及び導電膜645bの順に積層された積層構造を有する。また導電膜645bを覆って導電膜645aが設けられている。導電膜645bは可視光を反射する材料を含み、導電膜643及び導電膜645aは可視光を透過する材料を含む。発光素子660が発する光は、着色層634、絶縁膜697、開口655、導電膜695等を介して、基板661側に射出される。

0201

ここで、図19に示すように、開口655には可視光を透過する導電膜635が設けられていることが好ましい。これにより、開口655と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶層694が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。

0202

ここで、基板661の外側の面に配置する偏光板656として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子640に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。

0203

また導電膜643の端部を覆う絶縁膜646上には、絶縁膜647が設けられている。絶縁膜647は、絶縁膜697と基板651が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。またEL層644や導電膜645aを遮蔽マスクメタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制するための機能を有していてもよい。なお、絶縁膜647は不要であれば設けなくてもよい。

0204

トランジスタ691のソース又はドレインの一方は、導電膜648を介して発光素子660の導電膜643と電気的に接続されている。

0205

トランジスタ692のソース又はドレインの一方は、接続部693を介して導電膜663と電気的に接続されている。導電膜663と導電膜635は接して設けられ、これらは電気的に接続されている。ここで、接続部693は、絶縁膜697に設けられた開口を介して、絶縁膜697の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。

0206

基板651と基板661が重ならない領域には、接続部690が設けられている。接続部690は、接続層649を介してFPC672と電気的に接続されている。接続部690は接続部693と同様の構成を有している。接続部690の上面は、導電膜635と同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部690とFPC672とを接続層649を介して電気的に接続することができる。

0207

接着層641が設けられる一部の領域には、接続部687が設けられている。接続部687において、導電膜635と同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電膜695の一部が、接続体686により電気的に接続されている。したがって、基板661側に形成された導電膜695に、基板651側に接続されたFPC672から入力される信号または電位を、接続部687を介して供給することができる。

0208

接続体686としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体686として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体686は、図19に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体686と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。

0209

接続体686は、接着層641に覆われるように配置することが好ましい。例えば硬化前の接着層641に、接続体686を配置すればよい。

0210

図19では、回路659の例としてトランジスタ689が設けられている例を示している。

0211

図19では、トランジスタ689及びトランジスタ691の例として、チャネルが形成される半導体膜653を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電膜654により、他方のゲートは絶縁膜682を介して半導体膜653と重なる導電膜699により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルを大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。

0212

なお、回路659が有するトランジスタと、表示部662が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路659が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示部662が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。

0213

各トランジスタを覆う絶縁膜682、絶縁膜683のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁膜682または絶縁膜683はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示パネルを実現できる。

0214

基板661側において、着色層631、遮光膜632を覆って絶縁膜698が設けられている。絶縁膜698は、平坦化層としての機能を有していていてもよい。絶縁膜698により、導電膜695の表面を概略平坦にできるため、液晶層694の配向状態を均一にできる。

0215

表示パネル688を作製する方法の一例について説明する。例えば剥離層を有する支持基板上に、導電膜635、導電膜663、絶縁膜697を順に形成し、その後、トランジスタ691、トランジスタ692、発光素子660等を形成した後、接着層642を用いて基板651と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁膜697、及び剥離層と導電膜635のそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層631、遮光膜632、導電膜695等をあらかじめ形成した基板661を準備する。そして基板651または基板661に液晶を滴下し、接着層641により基板651と基板661を貼り合せることで、表示パネル688を作製することができる。

0216

剥離層としては、絶縁膜697及び導電膜635との界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁膜697として、窒化シリコン酸化窒化シリコン窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示パネルを実現できる。

0217

導電膜635としては、金属酸化物、金属窒化物、または低抵抗化された酸化物半導体等の酸化物または窒化物を用いることが好ましい。酸化物半導体を用いる場合には、水素、ボロンリン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電膜635に用いればよい。

0218

<各構成要素について>
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。なお、先に示す機能と同様の機能を有する構成についての説明は省略する。

0219

〔接着層〕
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤反応硬化型接着剤熱硬化型接着剤嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂アクリル樹脂シリコーン樹脂フェノール樹脂ポリイミド樹脂イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。

0220

また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウム酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。

0221

また、上記樹脂に屈折率の高いフィラー光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。

0222

〔接続層〕
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。

0223

〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。

0224

遮光層
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラックチタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。

0225

以上が各構成要素についての説明である。

0226

<作製方法例>
ここでは、可撓性を有する基板を用いた表示パネルの作製方法の例について説明する。

0227

ここでは、表示素子、回路、配線、電極、着色層や遮光層などの光学部材、及び絶縁層等が含まれる層をまとめて素子層と呼ぶこととする。例えば、素子層は表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。

0228

また、ここでは、表示素子が完成した(作製工程が終了した)段階において、素子層を支持し、可撓性を有する部材のことを、基板と呼ぶこととする。例えば、基板には、厚さが10nm以上300μm以下の、極めて薄いフィルム等も含まれる。

0229

可撓性を有し、絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、代表的には以下に挙げる2つの方法がある。一つは、基板上に直接、素子層を形成する方法である。もう一つは、基板とは異なる支持基板上に素子層を形成した後、素子層と支持基板を剥離し、素子層を基板に転置する方法である。なお、ここでは詳細に説明しないが、上記2つの方法に加え、可撓性を有さない基板上に素子層を形成し、当該基板を研磨等により薄くすることで可撓性を持たせる方法もある。

0230

基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接、素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。

0231

また、素子層を支持基材上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基材と素子層の間で剥離し、素子層を基板に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。この方法では、支持基材や剥離層に耐熱性の高い材料を用いることで、素子層を形成する際にかかる温度の上限を高めることができ、より信頼性の高い素子を有する素子層を形成できるため、好ましい。

0232

例えば剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを複数積層した層を用いることが好ましい。

0233

素子層と支持基材とを剥離する方法としては、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面液体浸透させることなどが、一例として挙げられる。または、剥離界面を形成する2層の熱膨張率の違いを利用し、加熱または冷却することにより剥離を行ってもよい。

0234

また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。

0235

例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱する、または鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、または貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。また、上記の有機樹脂としては、感光性の材料を用いると、開口部などの形状を容易に作製しやすいため好適である。また、上記のレーザ光としては、例えば、可視光線から紫外線の波長領域の光であることが好ましい。例えば波長が200nm以上400nm以下の光、好ましくは波長が250nm以上350nm以下の光を用いることができる。特に、波長308nmのエキシマレーザを用いると、生産性に優れるため好ましい。また、Nd:YAGレーザの第三高調波である波長355nmのUVレーザなどの固体UVレーザ(半導体UVレーザともいう)を用いてもよい。

0236

または、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に発熱層を設け、当該発熱層を加熱することにより、当該発熱層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。発熱層としては、電流を流すことにより発熱する材料、光を吸収することにより発熱する材料、磁場を印加することにより発熱する材料など、様々な材料を用いることができる。例えば発熱層としては、半導体、金属、絶縁体から選択して用いることができる。

0237

なお、上述した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は、剥離後に基板として用いることができる。

0238

以上が可撓性を有する表示パネルを作製する方法についての説明である。

0239

本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の構成と適宜組み合わせて実施することができる。

0240

≪電子機器≫
本発明の一態様である電子機器の例について説明する。電子機器として、例えば、テレビジョン装置テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタデジタルカメラデジタルビデオカメラデジタルフォトフレーム携帯電話機携帯電話携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機携帯情報端末音響再生装置パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を以下に示す。

0241

図11(A)は、テレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置は、筐体7101に表示部7103が組み込まれている。また、ここでは、スタンド7105により筐体7101を支持した構成を示している。表示部7103により、映像を表示することが可能であり、表示部7103は、発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。

0242

テレビジョン装置の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7110により行うことができる。リモコン操作機7110が備える操作キー7109により、チャンネル音量の操作を行うことができ、表示部7103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機7110に、当該リモコン操作機7110から出力する情報を表示する表示部7107を設ける構成としてもよい。

0243

なお、テレビジョン装置は、受信機モデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。

0244

図11(B1)はコンピュータであり、本体7201、筐体7202、表示部7203、キーボード7204、外部接続ポート7205、ポインティングデバイス7206等を含む。なお、このコンピュータは、発光素子をマトリクス状に配列して表示部7203に用いることにより作製される。図11(B1)のコンピュータは、図11(B2)のような形態であっても良い。図11(B2)のコンピュータは、キーボード7204、ポインティングデバイス7206の代わりに第2の表示部7210が設けられている。第2の表示部7210はタッチパネル式となっており、第2の表示部7210に表示された入力用の表示を指や専用のペンで操作することによって入力を行うことができる。また、第2の表示部7210は入力用表示だけでなく、その他の画像を表示することも可能である。また表示部7203もタッチパネルであっても良い。二つの画面ヒンジで接続されていることによって、収納運搬をする際に画面を傷つける、破損するなどのトラブルの発生も防止することができる。

0245

図11(C)(D)は、携帯情報端末の一例を示している。携帯情報端末は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯情報端末は、発光素子をマトリクス状に配列して作製された表示部7402を有している。

0246

図11(C)及び(D)に示す携帯情報端末は、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる構成とすることもできる。この場合、電話掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。

0247

表示部7402の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。

0248

例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7402を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7402の画面のほとんどにキーボードまたは番号ボタンを表示させることが好ましい。

0249

また、携帯情報端末内部に、ジャイロ加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、携帯情報端末の向き(縦か横か)を判断して、表示部7402の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。

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