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技術 電極及び二次電池

出願人 株式会社豊田自動織機
発明者 阿部友邦杉山佑介合田信弘
出願日 2016年8月31日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-169429
公開日 2018年3月8日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-037278
状態 特許登録済
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 抵抗因子 二枚一組 板状シリコン イソプロピリデンコハク酸 ニトロニルニトロキシド セラミックス間 ポリアニオン系化合物 補助用電源
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

好適な電池特性を示し得る、セラミックス含有層具備する電極を提供する。

解決手段

活物質を含む活物質層と、前記活物質層の表面に、セラミックス及び結着剤を含むセラミックス含有層と、を具備する電極であって、前記結着剤としてスルホン酸基含有ポリマーを含むことを特徴とする電極。

概要

背景

リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は、電極として、正極活物質層具備する正極及び負極活物質層を具備する負極を備える。そして、二次電池の安全性を向上させるために、活物質層の表面に、アルミナなどのセラミックス結着剤とを含むセラミックス含有層を設ける技術が知られている。

例えば、特許文献1には、負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン又は変性アクリロニトリルゴムとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

特許文献2には、負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナ又は酸化チタンと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

特許文献3には、負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナ又はシリカと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

特許文献4には、正極活物質層及び負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナと、結着剤であるカルボキシメチルセルロースとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

概要

好適な電池特性を示し得る、セラミックス含有層を具備する電極を提供する。活物質を含む活物質層と、前記活物質層の表面に、セラミックス及び結着剤を含むセラミックス含有層と、を具備する電極であって、前記結着剤としてスルホン酸基含有ポリマーを含むことを特徴とする電極。

目的

本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、セラミックス含有層を具備し、好適な電池特性を示し得る電極、及び、当該電極を備える二次電池を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

活物質を含む活物質層と、前記活物質層の表面に、セラミックス及び結着剤を含むセラミックス含有層と、を具備する電極であって、前記結着剤としてスルホン酸基含有ポリマーを含むことを特徴とする電極。

請求項2

前記スルホン酸基含有ポリマーのスルホン酸基アルカリ金属塩である請求項1に記載の電極。

請求項3

前記セラミックスがAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、MgO、SiC、AlN、BN、CaCO3、MgCO3、BaCO3、タルクマイカカオリナイト、CaSO4、MgSO4、BaSO4、CaO、ZnO又はゼオライトから選択される請求項1又は2に記載の電極。

請求項4

前記活物質層が負極活物質を含む負極活物質層であり、前記電極が負極である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極。

請求項5

前記負極活物質がSi含有材料である請求項4に記載の電極。

請求項6

前記負極活物質が、複数枚板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するシリコン材料である請求項4又は5に記載の電極。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極を備える二次電池

技術分野

0001

本発明は、電極及び二次電池に関するものである。

背景技術

0002

リチウムイオン二次電池に代表される二次電池は、電極として、正極活物質層具備する正極及び負極活物質層を具備する負極を備える。そして、二次電池の安全性を向上させるために、活物質層の表面に、アルミナなどのセラミックス結着剤とを含むセラミックス含有層を設ける技術が知られている。

0003

例えば、特許文献1には、負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナと、結着剤であるポリフッ化ビニリデン又は変性アクリロニトリルゴムとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

0004

特許文献2には、負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナ又は酸化チタンと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

0005

特許文献3には、負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナ又はシリカと、結着剤であるポリフッ化ビニリデンとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

0006

特許文献4には、正極活物質層及び負極活物質層の表面に、セラミックスであるアルミナと、結着剤であるカルボキシメチルセルロースとを含むセラミックス含有層を具備するリチウムイオン二次電池が具体的に記載されている。

先行技術

0007

特開2005−327680号公報
特開2009−181756号公報
特開2014−13693号公報
特開平09−147916号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上述したセラミックスと結着剤とを含むセラミックス含有層は、二次電池の安全性向上には寄与するものの、二次電池の充放電機能面からみると、抵抗因子となる。したがって、セラミックス含有層を備える二次電池は、セラミックス含有層を備えない二次電池と比較して、通常、電池特性が劣る。特に、セラミックス含有層を備える二次電池を高速充放電する場合に、当該二次電池の容量の好適な維持が困難であることを本発明者は知見した。

0009

本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、セラミックス含有層を具備し、好適な電池特性を示し得る電極、及び、当該電極を備える二次電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、セラミックスと結着剤とを含むセラミックス含有層において、リチウムイオンなどの電荷担体移動抵抗を減ずる方策を検討した。そして、本発明者が熟慮したところ、結着剤の種類に因り、電荷担体の移動抵抗が減じる可能性を着想した。そして、本発明者が実際に結着剤の種類を変えたセラミックス含有層を備える二次電池を製造し、試験を行った結果、セラミックス含有層に特定の結着剤を用いることで、好適な二次電池を提供できることを発見した。かかる発見に基づき、本発明者は本発明を完成するに至った。

0011

本発明の電極は、
活物質を含む活物質層と、
前記活物質層の表面に、セラミックス及び結着剤を含むセラミックス含有層と、を具備する電極であって、
前記結着剤としてスルホン酸基含有ポリマーを含むことを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明の電極を具備する二次電池は、好適な電池特性を示す。

図面の簡単な説明

0013

評価例1における、充放電サイクル数放電容量との関係を示すグラフである。
厚さ方向から見た、本発明の二次電池の一態様の模式図である。

0014

以下に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限a及び上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。さらに、これらの数値範囲内から任意に選択した数値を、新たな上限や下限の数値とすることができる。

0015

本発明の電極は、活物質を含む活物質層と、前記活物質層の表面に、セラミックス及び結着剤を含むセラミックス含有層と、を具備する電極であって、
前記結着剤としてスルホン酸基含有ポリマーを含むことを特徴とする。

0016

本発明の電極は、正極でもよいし、負極でもよい。本発明の電極の具体的な態様は、集電体と、集電体の表面に形成された活物質層と、活物質層の表面に形成されたセラミックス含有層とを具備する構成である。

0017

集電体は、リチウムイオン二次電池などの二次電池の放電又は充電の間、電極に電流を流し続けるための化学的に不活性電子伝導体をいう。集電体の材料は、使用する活物質に適した電圧に耐え得る金属であれば特に制限はない。集電体の材料としては、銀、銅、金、アルミニウムタングステンコバルト亜鉛ニッケル、鉄、白金、錫、インジウムチタンルテニウムタンタルクロムモリブデンから選ばれる少なくとも一種、並びにステンレス鋼などの金属材料を例示することができる。集電体は公知の保護層で被覆されていても良い。集電体の表面を公知の方法で処理したものを集電体として用いても良い。

0018

正極の電位リチウム基準で4V以上とする場合には、正極用集電体としてアルミニウムを採用するのが好ましい。

0019

具体的には、正極用集電体として、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるものを用いるのが好ましい。ここでアルミニウムは、純アルミニウムを指し、純度99.0%以上のアルミニウムを純アルミニウムと称する。純アルミニウムに種々の元素を添加して合金としたものをアルミニウム合金と称する。アルミニウム合金としては、Al−Cu系、Al−Mn系、Al−Fe系、Al−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Zn−Mg系が挙げられる。

0020

また、アルミニウム又はアルミニウム合金として、具体的には、例えばJIS A1085、A1N30等のA1000系合金純アルミニウム系)、JIS A3003、A3004等のA3000系合金(Al−Mn系)、JIS A8079、A8021等のA8000系合金(Al−Fe系)が挙げられる。

0021

集電体は箔、シートフィルム、線状、棒状、メッシュなどの形態をとることができる。そのため、集電体として、例えば、銅箔ニッケル箔アルミニウム箔ステンレス箔などの金属箔を好適に用いることができる。集電体が箔、シート、フィルム形態の場合は、その厚みが1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。

0022

活物質層は、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出し得る活物質、並びに必要に応じて活物質層用結着剤及び/又は導電助剤を含む。活物質層には、活物質が活物質層全体の質量に対して、60〜99質量%で含まれるのが好ましく、70〜95質量%で含まれるのがより好ましい。

0023

正極活物質としては、層状岩塩構造一般式:LiaNibCocMndDeOf(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3) で表されるリチウム複合金属酸化物、Li2MnO3を挙げることができる。また、正極活物質として、LiMn2O4等のスピネル構造金属酸化物、スピネル構造の金属酸化物と層状化合物の混合物で構成される固溶体、LiMPO4、LiMVO4又はLi2MSiO4(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)などで表されるポリアニオン系化合物を挙げることができる。さらに、正極活物質として、LiFePO4FなどのLiMPO4F(Mは遷移金属)で表されるタボライト化合物、LiFeBO3などのLiMBO3(Mは遷移金属)で表されるボレート系化合物を挙げることができる。正極活物質として用いられるいずれの金属酸化物も上記の組成式基本組成とすればよく、基本組成に含まれる金属元素を他の金属元素で置換したものも使用可能である。また、正極活物質として、電荷担体(例えば充放電に寄与するリチウムイオン)を含まないものを用いても良い。例えば、硫黄単体硫黄炭素複合化した化合物、TiS2などの金属硫化物、V2O5、MnO2などの酸化物ポリアニリン及びアントラキノン並びにこれら芳香族化学構造に含む化合物、共役二酢酸有機物などの共役系材料、その他公知の材料を用いることもできる。さらに、ニトロキシドニトロニルニトロキシドガルビノキシルフェノキシルなどの安定なラジカルを有する化合物を正極活物質として採用してもよい。リチウム等の電荷担体を含まない正極活物質材料を用いる場合には、正極及び/又は負極に、公知の方法により、予め電荷担体を添加しておく必要がある。電荷担体は、イオンの状態で添加しても良いし、金属等の非イオンの状態で添加しても良い。例えば、電荷担体がリチウムである場合には、リチウム箔を正極及び/又は負極に貼り付けるなどして一体化しても良い。

0024

高容量及び耐久性などに優れる点から、正極活物質として、層状岩塩構造の一般式:LiaNibCocMndDeOf(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3) で表されるリチウム複合金属酸化物を採用することが好ましい。

0025

上記一般式において、b、c、dの値は、上記条件を満足するものであれば特に制限はないが、0<b<1、0<c<1、0<d<1であるものが良く、また、b、c、dの少なくともいずれか一つが10/100<b<90/100、10/100<c<90/100、5/100<d<70/100の範囲であることが好ましく、20/100<b<80/100、12/100<c<70/100、10/100<d<60/100の範囲であることがより好ましく、30/100<b<70/100、15/100<c<50/100、12/100<d<50/100の範囲であることがさらに好ましい。

0026

a、e、fについては、上記一般式で規定する範囲内の数値であればよく、好ましくは0.5≦a≦1.5、0≦e<0.2、1.8≦f≦2.5、より好ましくは0.8≦a≦1.3、0≦e<0.1、1.9≦f≦2.1をそれぞれ例示することができる。

0027

具体的な正極活物質として、スピネル構造のLixAyMn2—yO4(Aは、Ca、Mg、S、Si、Na、K、Al、P、Ga、Geから選ばれる少なくとも1の元素、及び遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素、0<x≦2.2、0≦y≦1)を例示できる。より具体的には、LiMn2O4、LiNi0.5Mn1.5O4を例示できる。

0028

具体的な正極活物質として、LiFePO4、Li2FeSiO4、LiCoPO4、Li2CoPO4、Li2MnPO4、Li2MnSiO4、Li2CoPO4Fを例示できる。他の具体的な正極活物質として、Li2MnO3−LiCoO2を例示できる。

0029

正極活物質は1種類を用いても良いし、複数種類を併用しても良い。正極活物質の併用例として、層状岩塩構造の一般式:LiaNibCocMndDeOf(0.2≦a≦2、b+c+d+e=1、0≦e<1、DはW、Mo、Re、Pd、Ba、Cr、B、Sb、Sr、Pb、Ga、Al、Nb、Mg、Ta、Ti、La、Zr、Cu、Ca、Ir、Hf、Rh、Fe、Ge、Zn、Ru、Sc、Sn、In、Y、Bi、S、Si、Na、K、P、Vから選ばれる少なくとも1の元素、1.7≦f≦3) で表されるリチウム複合金属酸化物と、LiMPO4、LiMVO4又はLi2MSiO4(式中のMはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種から選択される)で表されるポリアニオン系化合物との併用を挙げることができる。リチウム複合金属酸化物とポリアニオン系化合物との併用において、これらの質量比は、リチウム複合金属酸化物:ポリアニオン系化合物=90:10〜50:50の範囲内が好ましく、80:20〜60:40の範囲内がより好ましい。また、正極活物質は炭素で被覆されていてもよい。

0030

負極活物質としては、電荷担体を吸蔵及び放出し得る材料が使用可能である。したがって、リチウムイオンなどの電荷担体を吸蔵及び放出可能である単体、合金又は化合物であれば特に限定はない。たとえば、負極活物質としてLiや、炭素、ケイ素ゲルマニウム、錫などの14族元素、アルミニウム、インジウムなどの13族元素、亜鉛、カドミウムなどの12族元素、アンチモンビスマスなどの15族元素、マグネシウムカルシウムなどのアルカリ土類金属、銀、金などの11族元素をそれぞれ単体で採用すればよい。合金又は化合物の具体例としては、Ag−Sn合金、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫系材料、各種黒鉛などの炭素系材料ケイ素単体二酸化ケイ素不均化するSiOx(0.3≦x≦1.6)などのケイ素系材料、ケイ素単体若しくはケイ素系材料と炭素系材料を組み合わせた複合体が挙げられる。また、負極活物質して、Nb2O5、TiO2、Li4Ti5O12、WO2、MoO2、Fe2O3等の酸化物、又は、Li3−xMxN(M=Co、Ni、Cu)で表される窒化物を採用しても良い。負極活物質として、これらのものの一種以上を使用することができる。

0031

高容量化の可能性の点から、好ましい負極活物質として、黒鉛、Si含有材料、Sn含有材料を挙げることができる。

0032

Si含有材料の具体例として、Si単体や、Si相ケイ素酸化物相との2相に不均化されたSiOx(0.3≦x≦1.6)を例示できる。SiOxにおけるSi相は、リチウムイオンを吸蔵及び放出でき、二次電池の充放電に伴って体積変化する。ケイ素酸化物相はSi相に比べて充放電に伴う体積変化が少ない。つまり、負極活物質としてのSiOxは、Si相により高容量を実現するとともに、ケイ素酸化物相を有することにより負極活物質全体の体積変化を抑制する。なお、xが下限値未満であると、Siの比率が過大になるため、充放電時の体積変化が大きくなりすぎて二次電池のサイクル特性が低下する。一方、xが上限値を超えると、Si比率が過小になってエネルギー密度が低下する。xの範囲は0.5≦x≦1.5であるのがより好ましく、0.7≦x≦1.2であるのがさらに好ましい。

0033

なお、上記したSiOxにおいては、リチウムイオン二次電池の充放電時にリチウムとSi相のケイ素とによる合金化反応が生じると考えられている。そして、この合金化反応がリチウムイオン二次電池の充放電に寄与すると考えられている。後述するSn含有材料についても、同様に、スズとリチウムとの合金化反応によって充放電できると考えられている。

0034

Sn含有材料の具体例として、Sn単体、Cu−SnやCo−Snなどのスズ合金アモルファススズ酸化物、スズケイ素酸化物を例示できる。アモルファススズ酸化物としてはSnB0.4P0.6O3.1を例示でき、スズケイ素酸化物としてはSnSiO3を例示できる。

0035

上記したSi含有材料、及び、Sn含有材料は、炭素材料と複合化して負極活物質とすることが好ましい。複合化に因り、特にケイ素及び/又はスズの構造が安定し、負極の耐久性が向上する。上記複合化は、既知の方法で行なえば良い。複合化に用いられる炭素材料としては、黒鉛、ハードカーボンソフトカーボン等を採用すればよい。黒鉛は、天然黒鉛でもよく、人造黒鉛でもよい。

0036

Si含有材料の具体例として、国際公開第2014/080608号などに開示されるシリコン材料(以下、単に「シリコン材料」という。)を挙げることができる。

0037

シリコン材料は、複数枚板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有するものである。シリコン材料は、例えば、CaSi2と酸とを反応させてポリシランを主成分とする層状シリコン化合物を合成する工程、さらに、当該層状シリコン化合物を300℃以上で加熱して水素離脱させる工程を経て製造されるものである。

0038

シリコン材料の製造方法を、酸として塩化水素を用いた場合の理想的な反応式で示すと以下のとおりとなる。
3CaSi2+6HCl → Si6H6+3CaCl2
Si6H6 → 6Si+3H2↑

0039

ただし、ポリシランであるSi6H6を合成する上段の反応では、副生物不純物除去の観点から、通常、反応溶媒として水が用いられる。そして、Si6H6は水と反応し得るため、上段の反応を含む層状シリコン化合物を合成する工程において、層状シリコン化合物がSi6H6のみを含むものとして製造されることはほとんどなく、層状シリコン化合物はSi6Hs(OH)tXu(Xは酸のアニオン由来の元素若しくは基、s+t+u=6、0<s<6、0<t<6、0<u<6)で表されるものとして製造される。なお、上記の化学式においては、残存し得るCaなどの不可避不純物については、考慮していない。そして、当該層状シリコン化合物を加熱して得られるシリコン材料も、酸素や酸のアニオン由来の元素を含む。

0040

既述のとおり、シリコン材料は、複数枚の板状シリコン体が厚さ方向に積層されてなる構造を有する。リチウムイオン等の電荷担体が効率的に吸蔵及び放出されるためには、板状シリコン体は厚さが10nm〜100nmの範囲内のものが好ましく、20nm〜50nmの範囲内のものがより好ましい。板状シリコン体の長手方向の長さは、0.1μm〜50μmの範囲内のものが好ましい。また、板状シリコン体は、(長手方向の長さ)/(厚さ)が2〜1000の範囲内であるのが好ましい。板状シリコン体の積層構造走査型電子顕微鏡などによる観察で確認できる。また、この積層構造は、原料のCaSi2におけるSi層の名残りであると考えられる。

0041

シリコン材料には、アモルファスシリコン及び/又はシリコン結晶子が含まれるのが好ましい。特に、上記板状シリコン体において、アモルファスシリコンをマトリックスとし、シリコン結晶子が当該マトリックス中に点在している状態が好ましい。シリコン結晶子のサイズは、0.5nm〜300nmの範囲内が好ましく、1nm〜100nmの範囲内がより好ましく、1nm〜50nmの範囲内がさらに好ましく、1nm〜10nmの範囲内が特に好ましい。なお、シリコン結晶子のサイズは、シリコン材料に対してX線回折測定を行い、得られたX線回折チャートのSi(111)面の回折ピーク半値幅を用いたシェラーの式から算出される。

0042

シリコン材料に含まれる板状シリコン体、アモルファスシリコン及びシリコン結晶子の存在量や大きさは、主に加熱温度や加熱時間に左右される。加熱温度は、350℃〜950℃の範囲内が好ましく、400℃〜900℃の範囲内がより好ましい。

0043

シリコン材料は炭素で被覆されていてもよい。炭素で被覆されたシリコン材料は導電性に優れる。

0044

シリコン材料の平均粒子径は、2〜7μmの範囲内が好ましく、2.5〜6.5μmの範囲内がより好ましい。平均粒子径が小さすぎるシリコン材料を用いると、凝集性濡れ性の観点から、負極製造が困難になる場合がある。具体的には、負極製造時に調製するスラリー中において、平均粒子径が小さすぎるシリコン材料が凝集する場合がある。他方、平均粒子径が大きすぎるシリコン材料を用いた負極を具備するリチウムイオン二次電池は、好適な充放電ができない場合がある。平均粒子径が大きすぎるシリコン材料においては、リチウムイオンが当該シリコン材料の内部まで十分に拡散し得ないことが原因と推測される。なお、本明細書における平均粒子径とは、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置試料を測定した場合におけるD50を意味する。

0045

シリコン材料の平均粒子径を一定の範囲内とするには、シリコン材料を粉砕する、篩過にて分級するなどの方法を採用すればよい。粉砕方法としては、公知の粉砕装置を用いる方法であればよい。特に、ジェットミルを用いた粉砕が好ましい。シリコン材料を炭素で被覆する場合には、粉砕後のシリコン材料を炭素で被覆するのが好ましい。

0046

以下、シリコン材料を炭素被覆する炭素被覆工程について説明する。同工程は、具体的には、アルゴン窒素などの非酸化性雰囲気下及び加熱条件下にて、シリコン材料を有機物と接触させて、シリコン材料の表面に有機物が炭素化してなる炭素層を形成させる工程である。

0047

有機物としては、固体液体気体のものがある。特に、気体状態の有機物を用いることで、シリコン材料の外表面に均一な炭素層を形成できるだけでなく、シリコン材料の内部の粒子表面にも炭素層を形成できる。気体状態の有機物を用いて炭素層を生成させる方法は、一般に熱CVD法と呼ばれている方法を応用したものである。熱CVD法を応用して被覆工程を行う場合には、ホットウォール型、コールドウォール型横型縦型などの型式の、流動層反応炉回転炉トンネル炉バッチ式焼成炉ロータリーキルンなどの公知のCVD装置を、炭素被覆装置として用いればよい。

0049

炭素被覆工程における処理温度は、有機物の種類によって異なるが、有機物が熱分解する温度より50℃以上高い温度とすることが望ましい。しかし、加熱温度が過度に高すぎると、系内に遊離炭素)が発生する場合があるので、遊離炭素(煤)が発生しない条件を選択することが好ましい。好適な温度として750〜950℃の範囲を、より好適な温度として850〜900℃の範囲を例示できる。形成される炭素層の厚さは、処理時間によって制御することができる。

0050

炭素被覆工程は、シリコン材料を流動状態にして行うことが望ましい。このようにすることで、シリコン材料の全表面を有機物と接触させることができ、より均一な炭素層を形成することができる。シリコン材料を流動状態にするには、流動床を用いるなど各種方法があるが、シリコン材料を撹拌しながら有機物と接触させるのが好ましい。例えば、内部に邪魔板をもつ回転炉を用いれば、邪魔板に留まったシリコン材料が回転炉の回転に伴って所定高さから落下することで撹拌され、その際に有機物と接触して炭素層が形成されるので、シリコン材料の全体に均一な炭素層を形成することができる。

0051

活物質層用結着剤は活物質や導電助剤などを集電体の表面に繋ぎ止める役割を果たすものである。

0053

また、活物質層用結着剤として、親水基を有するポリマーを採用してもよい。親水基を有するポリマーを結着剤として具備する本発明の二次電池は、より好適に容量を維持できる。親水基を有するポリマーの親水基としては、カルボキシル基スルホ基シラノール基アミノ基、水酸基リン酸基などリン酸系の基などが例示される。中でも、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリメタクリル酸などの分子中にカルボキシル基を含むポリマー、又は、ポリ(p−スチレンスルホン酸)などのスルホ基を含むポリマーが好ましい。

0054

ポリアクリル酸、あるいはアクリル酸ビニルスルホン酸との共重合体など、カルボキシル基及び/又はスルホ基を多く含むポリマーは水溶性となる。親水基を有するポリマーは、水溶性ポリマーであることが好ましく、化学構造でいうと、一分子中に複数のカルボキシル基及び/又はスルホ基を含むポリマーが好ましい。

0055

分子中にカルボキシル基を含むポリマーは、例えば、酸モノマー重合する方法や、ポリマーにカルボキシル基を付与する方法などで製造することができる。酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸ビニル安息香酸クロトン酸ペンテン酸アンジェリカ酸、チグリン酸など分子中に一つのカルボキシル基をもつ酸モノマー、イタコン酸メサコン酸シトラコン酸フマル酸マレイン酸、2−ペンテン二酸、メチレンコハク酸アリルマロン酸、イソプロピリデンコハク酸、2,4−ヘキサジエン二酸、アセチレンジカルボン酸など分子内に二つ以上のカルボキシル基をもつ酸モノマーなどが例示される。

0056

上記の酸モノマーから選ばれる二種以上の酸モノマーを重合してなる共重合ポリマーを活物質層用結着剤として用いてもよい。

0057

また、例えば特開2013—065493号公報に記載されたような、アクリル酸とイタコン酸との共重合体のカルボキシル基どうし縮合して形成された酸無水物基を分子中に含んでいるポリマーを活物質層用結着剤として用いることも好ましい。一分子中にカルボキシル基を二つ以上有する酸性度の高いモノマー由来の構造が活物質層用結着剤にあることにより、充電時に電解液分解反応が起こる前にリチウムイオンなどを活物質層用結着剤がトラップし易くなると考えられている。さらに、当該ポリマーは、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸に比べてモノマーあたりのカルボキシル基が多いため、酸性度が高まるものの、所定量のカルボキシル基が酸無水物基に変化しているため、酸性度が高まりすぎることもない。そのため、当該ポリマーを活物質層用結着剤として用いた負極を備える二次電池は、初期効率が向上し、入出力特性が向上する。

0058

また、国際公開第2016/063882号に開示される、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのカルボキシル基含有ポリマージアミンなどのポリアミン架橋した架橋ポリマーを、活物質層用結着剤として用いてもよい。

0060

また、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸などのカルボキシル基含有ポリマーと、ポリアミドイミドとの混合物又は反応物を活物質層用結着剤として用いてもよい。

0061

ポリアミドイミドとは、分子内にアミド結合イミド結合をそれぞれ2つ以上有する化合物を意味する。ポリアミドイミドは、アミド結合及びイミド結合におけるカルボニル部分となる酸成分と、アミド結合及びイミド結合における窒素部分となるジアミン成分又はジイソシアネート成分を反応させることで製造される。ポリアミドイミドを得るには、当該方法で製造しても良いし、また、市販のポリアミドイミドを購入しても良い。

0062

ポリアミドイミドの製造に用いられる酸成分としては、トリメリット酸ピロメリット酸ビフェニルテトラカルボン酸ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジフェニルエーテルテトラカルボン酸シュウ酸アジピン酸マロン酸、セバチン酸、アゼライン酸ドデカンジカルボン酸ジカルボキシポリブタジエン、ジカルボキシポリ(アクリロニトリルブタジエン)、ジカルボキシポリ(スチレン−ブタジエン)、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジカルボン酸、テレフタル酸イソフタル酸、ビス(カルボキシフェニル)スルホン、ビス(カルボキシフェニル)エーテルナフタレンジカルボン酸、及び、これらの無水物、酸ハロゲン化物、誘導体を挙げることができる。酸成分としては、上記の化合物を単独で又は複数で採用すればよいが、ただし、イミド結合を形成させる点から、カルボキシル基が結合している炭素の隣接炭素にカルボキシル基が存在する酸成分又はその同等物が、必須となる。酸成分としては、反応性耐熱性などの点から、トリメリット酸無水物が好ましい。また、ポリアミドイミドの引っ張り強度、引っ張り弾性率、電解液耐性の点から、トリメリット酸無水物に加えて、酸成分の一部として、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物ビフェニルテトラカルボン酸無水物を採用するのが好ましい。

0063

ポリアミドイミドの製造に用いられるジアミン成分としては、上述した架橋ポリマーに用いられるジアミンを採用すればよい。耐熱性、溶解性の観点から、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−トリレンジアミン、o−トリジン、ナフタレンジアミン、イソホロンジアミンが好ましい。ポリアミドイミドの引っ張り強度、引っ張り弾性率の点からはo−トリジン、ナフタレンジアミンが好ましい。

0064

ポリアミドイミドの製造に用いられるジイソシアネート成分としては、上記ジアミン成分のアミンイソシアネートで置き換えたものを挙げることができる。

0065

特に、正極活物質層用結着剤としては、充電条件下でも安定性に優れる、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂が好適である。また、負極活物質層用結着剤としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、アルコキシシリル基含有樹脂、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシル基含有ポリマーをジアミンで架橋した架橋ポリマー、カルボキシル基含有ポリマーとポリアミドイミドとの混合物又は反応物が好適である。

0066

活物質層中の活物質層用結着剤の配合割合は、質量比で、活物質:活物質層用結着剤=1:0.005〜1:0.3であるのが好ましい。活物質層用結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、活物質層用結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。

0067

導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。そのため、導電助剤は、電極の導電性が不足する場合に任意に加えればよく、電極の導電性が十分に優れている場合には加えなくても良い。導電助剤としては化学的に不活性な電子伝導体であれば良く、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)、および各種金属粒子などが例示される。カーボンブラックとしては、アセチレンブラックケッチェンブラック登録商標)、ファーネスブラックチャンネルブラックなどが例示される。これらの導電助剤を単独又は二種以上組み合わせて活物質層に添加することができる。活物質層中の導電助剤の配合割合は、質量比で、活物質:導電助剤=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。導電助剤が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助剤が多すぎると活物質層の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。

0068

集電体の表面に活物質層を形成させるには、ロールコート法ダイコート法ディップコート法ドクターブレード法スプレーコート法カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いて、集電体の表面に活物質を塗布すればよい。具体的には、活物質、溶剤、並びに必要に応じて活物質層用結着剤及び導電助剤を混合してスラリーにしてから、当該スラリーを集電体の表面に塗布後、乾燥する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。電極密度を高めるべく、乾燥後のものを圧縮しても良い。

0069

活物質層の表面に形成されたセラミックス含有層について説明する。セラミックス含有層は活物質層の表面に形成されることで、当該活物質層と他の活物質層との接触を抑制する役割を果たしている。また、セラミックス含有層は活物質層と電解液との直接接触を一部抑制し得るため、電解液の過剰な分解及びSEI(Solid Electrolyte Interface)の過剰な生成を抑制し得る。さらに、セラミックス含有層は、充放電に伴う活物質の膨張収縮時に電解液を活物質近傍に保液する役割も担っている。これらのセラミックス含有層の役割を鑑みると、セラミックス含有層は、SEIを生成し、かつ膨張収縮の程度が大きい負極活物質層の表面に形成されるのが好ましいといえる。

0070

セラミックス含有層はセラミックス及び結着剤(以下、活物質層用結着剤と区別する観点から、「セラミックス含有層用結着剤」ということがある。)を含む。

0071

セラミックスとしては、Al2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、MgO、SiC、AlN、BN、CaCO3、MgCO3、BaCO3、タルクマイカカオリナイト、CaSO4、MgSO4、BaSO4、CaO、ZnO、ゼオライトを例示できる。セラミックス含有層には、1種又は複数種のセラミックスが含まれる。

0072

セラミックスの形態としては粉末が好ましい。セラミックス粉末粒径としては、平均粒子径が0.1〜10μmのものが好ましく、0.2〜5μmのものがより好ましく、0.3〜3μmのものが特に好ましい。平均粒子径が小さすぎると、電荷担体が通過できる空間をセラミックス含有層に形成するのが困難になる場合がある。平均粒子径が大きすぎるとセラミックス含有層の厚みが増加するため、厚みの増加に因り生じる抵抗が二次電池の出力に悪影響を与える恐れがある。なお、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置などの一般的な粒度分布測定装置にて測定すればよい。

0073

本発明の電極においては、セラミックス含有層用結着剤として、スルホン酸基含有ポリマーを含む。スルホン酸基含有ポリマーとは、その分子内にSO3H及び/又はその塩を含有するポリマーを意味する。塩としては、リチウム塩ナトリウム塩カリウム塩などのアルカリ金属塩マグネシウム塩カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩アンモニウム塩を例示できる。

0074

スルホン酸基強酸官能基であり、リン酸基やカルボン酸基などの弱酸の官能基よりも、電離度が高い高極性の官能基である。スルホン酸基含有ポリマーの存在に因り、セラミックス含有層の内部が高極性の場となり、リチウムイオンなどの電荷担体が円滑に移動することができると考えられる。

0075

スルホン酸基含有ポリマーのうち、ポリマーを構成するモノマーのすべてがスルホン酸基を含有していてもよいし、ポリマーを構成するモノマーの一部がスルホン酸基を含有していてもよい。

0076

スルホン酸基含有ポリマーのうち、ポリマーを構成する主鎖としては、ポリスチレンポリフルオロスチレン、ポリアルキレン、ポリフルオロアルキレンポリエーテル、ポリフルオロエーテル、ポリアクリル酸エステルポリメタクリル酸エステルポリアクリルアミドポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、フェノール樹脂ポリエーテルケトンポリベンズイミダゾール及びこれらの誘導体を例示できる。また、ポリマーを構成する主鎖としては、例示した複数種類の主鎖を構成する複数種類のモノマーが共重合してなる共重合体であってもよい。

0077

スルホン酸基含有ポリマーの具体例としては、ポリビニルスルホン酸ポリスチレンスルホン酸ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン酸ポリイソプレンスルホン酸、ポリ−2−(メタクリロイルオキシエタンスルホン酸、及び、ポリ−2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、並びに、これらのリチウム塩、ナトリウム塩及びカルシウム塩を例示できる。

0078

スルホン酸基含有ポリマーの重量平均分子量としては、5000〜2000000、10000〜1200000、20000〜500000、40000〜200000の範囲を例示できる。

0079

本発明の電極においては、セラミックス含有層用結着剤として、スルホン酸基含有ポリマーを用いることを必須とするが、他の結着剤を併用してもよい。他の結着剤としては、活物質層についての説明で述べた活物質層用結着剤を例示できる。また、他の結着剤として、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールポリビニルアルコール、及び、スチレン−アクリル酸共重合体、並びにこれらの誘導体を例示できる。セラミックス含有層用結着剤における、スルホン酸基含有ポリマーと他の結着剤との質量比の範囲としては、10:0.1〜0.1:10、10:1〜1:10、10:2〜2:10、10:4〜4:10を例示できる。

0080

セラミックス含有層におけるセラミックスとセラミックス含有層用結着剤との質量比の範囲としては5:1〜50:1、7:1〜30:1、8:1〜10:1を例示できる。セラミックス含有層において結着剤の配合量が少なすぎると、活物質層に対するセラミックス含有層の結着力の低下、又は、セラミックス含有層中のセラミックス間の結着力の低下によるセラミックス含有層の崩壊の恐れがあるので好ましくない。加えて、セラミックス含有層全体の柔軟性が失われ、電極に加わる圧力でセラミックス含有層が割れる恐れがあるので好ましくない。セラミックス含有層において結着剤の配合量が多すぎると、セラミックス含有層自体の硬度が低下する懸念があるし、正極及び負極間の電荷担体の移動経路の距離が増加すること、及び移動経路が閉塞されて移動経路自体の数が減少することも懸念されるので好ましくない。

0081

セラミックス含有層の厚みは特に制限が無いが、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜15μmがより好ましく、1〜12μmが特に好ましい。

0082

活物質層の表面にセラミックス含有層を設けるには、例えば、セラミックス及び結着剤を溶剤に分散させてセラミックス含有層形成用組成物を調製する工程、及び、当該セラミックス含有層形成用組成物を活物質層の表面に塗布する工程を実施した後、乾燥工程を実施すれば良い。セラミックス含有層形成用組成物の調製に用いる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、水を例示できる。塗布工程では、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの従来から公知の方法を用いればよい。乾燥工程は、常圧条件で行っても良いし、真空乾燥機を用いた減圧条件下で行っても良い。乾燥温度は結着剤が分解しない範囲内で適宜設定すればよく、上記溶剤の沸点以上の温度が好ましい。乾燥時間は塗布量及び乾燥温度に応じ適宜設定すればよい。

0083

本発明の二次電池は本発明の電極を具備する。本発明の二次電池において、正極及び負極の両者が本発明の電極であってもよいし、電極のいずれか一方が本発明の電極であって、他方がセラミックス含有層を具備しない電極であってもよい。本発明の二次電池は、負極が本発明の電極であるものが好ましい。

0084

本発明の二次電池における電極以外の具体的な構成として、セパレータ及び電解液を挙げることができる。以下、本発明の二次電池の代表例として、電荷担体がリチウムイオンである本発明のリチウムイオン二次電池についての説明をする。

0085

セパレータは、正極と負極とを隔離し、両極の接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータとしては、公知のものを採用すればよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアラミド(Aromatic polyamide)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等の合成樹脂セルロースアミロース等の多糖類フィブロインケラチンリグニンスベリン等の天然高分子、セラミックスなどの電気絶縁性材料を1種若しくは複数用いた多孔体、不織布、織布などを挙げることができる。また、セパレータは多層構造としてもよい。

0086

電解液は、非水溶媒と非水溶媒に溶解した電解質とを含んでいる。

0087

非水溶媒としては、環状エステル類鎖状エステル類、エーテル類等が使用できる。環状エステル類としては、エチレンカーボネートプロピレンカーボネートブチレンカーボネートガンマブチロラクトンビニレンカーボネート、2−メチル−ガンマブチロラクトン、アセチル−ガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトンを例示できる。鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネートジエチルカーボネートジブチルカーボネートジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネートプロピオン酸アルキルエステルマロン酸ジアルキルエステル酢酸アルキルエステル等を例示できる。エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンを例示できる。非水溶媒としては、上記具体的な溶媒の化学構造のうち一部又は全部の水素がフッ素に置換した化合物を採用しても良い。

0088

電解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2等のリチウム塩を例示できる。

0089

電解液としては、フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの非水溶媒に、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3などのリチウム塩を0.5mol/Lから1.7mol/L程度の濃度で溶解させた溶液を例示できる。

0090

本発明のリチウムイオン二次電池の具体的な製造方法について述べる。
正極及び負極に必要に応じてセパレータを挟装させ電極体とする。電極体は、正極、セパレータ及び負極を重ねた積層型、又は、正極、セパレータ及び負極を捲いた捲回型のいずれの型にしても良い。正極の集電体及び負極の集電体から外部に通ずる正極端子及び負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後に、電極体に本発明の電解液を加えてリチウムイオン二次電池とするとよい。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、電極に含まれる活物質の種類に適した電圧範囲で充放電を実行されればよい。

0091

本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されるものでなく、円筒型、角型、コイン型ラミネート型等、種々の形状を採用することができる。

0092

本発明のリチウムイオン二次電池は、車両に搭載してもよい。車両は、その動力源の全部あるいは一部にリチウムイオン二次電池による電気エネルギーを使用している車両であればよく、例えば、電気車両ハイブリッド車両などであるとよい。車両にリチウムイオン二次電池を搭載する場合には、リチウムイオン二次電池を複数直列に接続して組電池とするとよい。リチウムイオン二次電池を搭載する機器としては、車両以外にも、パーソナルコンピュータ携帯通信機器など、電池で駆動される各種の家電製品オフィス機器産業機器などが挙げられる。さらに、本発明のリチウムイオン二次電池は、風力発電太陽光発電水力発電その他電力系統蓄電装置及び電力平滑化装置、船舶等の動力及び/又は補機類電力供給源航空機宇宙船等の動力及び/又は補機類の電力供給源、電気を動力源に用いない車両の補助用電源移動式家庭用ロボット電源、システムバックアップ用電源無停電電源装置の電源、電動車両用充電ステーションなどにおいて充電に必要な電力を一時蓄える蓄電装置に用いてもよい。

0093

以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。

0094

以下に、実施例及び比較例などを示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。

0095

(実施例1)
氷浴中の36質量%HCl水溶液に、アルゴンガス雰囲気下、CaSi2を加えて撹拌した。反応液濾過し、残渣を蒸留水及びアセトン洗浄し、さらに、減圧乾燥して、ポリシランを含む層状シリコン化合物を分離した。層状シリコン化合物をアルゴンガス雰囲気下、900℃で1時間加熱して、シリコン材料を得た。シリコン材料に対して、プロパン−アルゴン混合ガス通気下にて880℃、滞留時間60分間の条件で熱CVDを行い、炭素被覆シリコン材料を得た。

0096

以下のとおり、炭素被覆シリコン材料を用いて、実施例1の負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。

0097

負極活物質として炭素被覆シリコン材料72.5質量部、導電助剤としてアセチレンブラック13.5質量部、負極活物質層用結着剤としてポリアクリル酸と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとの混合物14質量部、及び、適量のN−メチル−2−ピロリドンを混合して、スラリーを製造した。負極用集電体として銅箔を準備した。この銅箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布された銅箔を乾燥することでN−メチル−2−ピロリドンを除去して、負極活物質層が形成された負極前駆体を製造した。

0098

セラミックスとして平均粒子径が0.5μmのAl2O389質量部、セラミックス含有層用結着剤として、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムシグマ-アルドリッチ社製、重量平均分子量70,000)6質量部、ポリビニルアルコール誘導体商品名ゴーセネックスZ−410、日本合成化学工業株式会社)3質量部、及び、スチレン−アクリル酸共重合体含有結着剤(商品名Joncryl537J、BASF社)2質量部、並びに、水を混合し、セラミックス含有層形成用組成物を調製した。

0099

負極前駆体の負極活物質層の表面に、マイクログラビア(登録商標)塗工装置を用いて、セラミックス含有層形成用組成物を厚み3〜10μmの膜状に塗布し、その後、200℃で乾燥して、実施例1の負極を製造した。なお、負極活物質層用結着剤として用いたポリアクリル酸と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとの混合物は、200℃での乾燥にて脱水反応が進行して、ポリアクリル酸を4,4’−ジアミノジフェニルメタンで架橋した架橋ポリマーに変化する。

0100

正極活物質としてLiNi5/10Co3/10Mn2/10O2を69質量部、正極活物質として炭素被覆されたLiFePO4を25質量部、導電助剤としてアセチレンブラック3質量部、正極活物質層用結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部、及び、適量のN−メチル−2−ピロリドンを混合して、スラリーを製造した。正極用集電体としてアルミニウム箔を準備した。アルミニウム箔の表面に、ドクターブレードを用いて上記スラリーを膜状に塗布した。スラリーが塗布されたアルミニウム箔を乾燥することで、N−メチル−2−ピロリドンを除去した。その後、当該アルミニウム箔をプレス接合物を得た。得られた接合物を乾燥機加熱乾燥して、正極活物質層が形成されたアルミニウム箔からなる正極を製造した。

0101

フルオロエチレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジメチルカーボネートを2:1:3:4の体積比で混合した有機溶媒に、LiPF6を加えて溶解させて、LiPF6を1mol/Lの濃度で含有する電解液を製造した。

0102

セパレータとして、ポリオレフィン製多孔質膜を準備した。正極と実施例1の負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を二枚一組ラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに上記電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉された実施例1のリチウムイオン二次電池を製造した。

0103

(実施例2)
セラミックスとしてAl2O389質量部、セラミックス含有層用結着剤として、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(シグマ-アルドリッチ社製、重量平均分子量70,000)4.5質量部、ポリビニルアルコール誘導体(商品名ゴーセネックスZ−410、日本合成化学工業株式会社)3質量部、及び、スチレン−アクリル酸共重合体含有結着剤(商品名Joncryl537J、BASF社)3.5質量部、並びに、水を混合し、セラミックス含有層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。

0104

(比較例1)
セラミックスとしてAl2O389質量部、セラミックス含有層用結着剤として、ポリビニルアルコール4.5質量部、ポリビニルアルコール誘導体(商品名ゴーセネックスZ−410、日本合成化学工業株式会社)3質量部、及び、スチレン−アクリル酸共重合体含有結着剤(商品名Joncryl537J、BASF社)3.5質量部、並びに、水を混合し、セラミックス含有層形成用組成物を調製した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。

0105

(参考例1)
セラミックス含有層を製造しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、参考例1の負極及びリチウムイオン二次電池を製造した。

0106

(評価例1)
実施例1、実施例2、比較例1及び参考例1のリチウムイオン二次電池について、温度25℃の条件下、4.24Vまで充電を行った後に2.8Vまで放電を行うとの充放電サイクルを、1C、2C、3C及び4Cの一定電流毎に5回繰り返すとの充放電試験を実施した。充放電サイクル数と放電容量維持率との関係を示すグラフを図1に示す。なお、放電容量維持率とは、初回サイクル時の放電容量に対する各回サイクル時の放電容量の割合を意味する。

0107

図1から、実施例1及び実施例2のリチウムイオン二次電池は、高レートでの充放電サイクルを繰り返しても、セラミックス含有層を備えない参考例1のリチウムイオン二次電池と同等の放電容量維持率を示すことがわかる。他方、比較例1のリチウムイオン二次電池では、高レートでの充放電になるに従い、放電容量維持率の低下の度合いが、実施例1、実施例2及び参考例1のリチウムイオン二次電池と比較して、拡大していることがわかる。本発明の電極は、セラミックス含有層を具備するにも関わらず、高速で充放電する場合であっても、好適な充放電特性を示すことが裏付けられた。

実施例

0108

図2に、厚さ方向から見た、本発明の二次電池の一態様の模式図を示す。

0109

1:負極用集電体、2:負極活物質層、3:セラミックス含有層、4:セパレータ、5:正極活物質層、6:正極用集電体、7:本発明の電極、8:本発明の二次電池

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