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図面 (10)

課題

スラグ面レベル計測時におけるS/N比を向上させることができるレベル計測方法及びレベル計測装置を提供する。

解決手段

本発明のレベル計測方法では、スラグ面3が所定レベルH以上になり、スラグ面3の状態が変化しても、第1掃引周期T1よりも長い第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射することにより、スラグ面3の状態に合わせて、フーリエ変換処理時における処理利得を大きくし得、かくして、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができる。

概要

背景

転炉吹錬(以下、単に吹錬とも呼ぶ)では、酸素等のガススラグ面高速且つ多量に吹き付けることから、スラグ面が高速に流動し変動する。吹錬が進行してスラグが滓化すると、滓化促進に伴って、スラグがフォーミングし易くなり、スロッピング(フォーミングしたスラグが炉口から溢れ現象)等が生じる恐れもある。そのため、転炉吹錬では、転炉内におけるスラグ面のレベルリアルタイムで、より正確に計測することが望まれている。

従来、スラグ面のレベル計測方法としては、特許文献1に示すように、マイクロ波を利用したレベル計測装置が考えられている。特許文献1では、例えば、スラグ面と転炉内のランス側壁との双方にマイクロ波を照射し、スラグ面とランス側壁とでいわゆるコーナーキューブミラーを形成してマイクロ波の反射率を高めることが提案されている。また、その他のレベル計測方法としては、粉塵などの影響を受けにくくするために、マイクロ波の周波数を10GHz以下とすることが提案されている(特許文献2)。

概要

スラグ面のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができるレベル計測方法及びレベル計測装置を提供する。本発明のレベル計測方法では、スラグ面3が所定レベルH以上になり、スラグ面3の状態が変化しても、第1掃引周期T1よりも長い第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射することにより、スラグ面3の状態に合わせて、フーリエ変換処理時における処理利得を大きくし得、かくして、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができる。

目的

そのため、転炉吹錬では、転炉内におけるスラグ面のレベルをリアルタイムで、より正確に計測することが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

マイクロ波を用いて炉内のスラグ面のレベル計測するレベル計測方法であって、前記炉内に向けて前記マイクロ波を照射し、前記スラグ面からの反射マイクロ波を受信するマイクロ波照射受信工程と、前記炉内に向けて照射した前記マイクロ波と前記反射マイクロ波とによりビート信号を生成した後、前記ビート信号に基づいてフーリエ変換処理を実行することにより周波数スペクトル信号を生成し、前記周波数スペクトル信号から前記炉内における前記スラグ面のレベルを特定する演算処理工程とを備え、前記マイクロ波照射受信工程は、前記炉内で前記スラグ面が所定レベル未満のとき、第1掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射し、前記スラグ面が前記所定レベル以上になり該スラグ面の状態が変化すると、前記第1掃引周期よりも長い第2掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射することを特徴とするレベル計測方法。

請求項2

前記マイクロ波照射受信工程は、前記第1掃引周期をT1、前記第2掃引周期をT2、前記マイクロ波の波長をλ、前記スラグ面が前記所定レベル未満のときの前記スラグ面の変動速度をv1、前記スラグ面が前記所定レベル以上のときの前記スラグ面の変動速度をv2(v2<v1)としたとき、前記スラグ面が前記所定レベル未満のとき、T1≦λ/v1の条件を満たし、前記スラグ面が前記所定レベル以上のとき、T2≦λ/v2の条件を満たすマイクロ波を照射することを特徴とする請求項1に記載のレベル計測方法。

請求項3

前記マイクロ波照射受信工程は、前記マイクロ波に基づいて計測された前記スラグ面のレベルが前記所定レベルになったときに、前記第1掃引周期のマイクロ波から前記第2掃引周期のマイクロ波に切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載のレベル計測方法。

請求項4

前記マイクロ波照射受信工程は、所定時間経過時に前記スラグ面のレベルが前記所定レベルになったとして、前記第1掃引周期のマイクロ波から前記第2掃引周期のマイクロ波に切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載のレベル計測方法。

請求項5

前記炉は転炉であり、前記所定レベルは、前記転炉内に設けられたランス先端を基準に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレベル計測方法。

請求項6

マイクロ波を用いて炉内のスラグ面のレベルを計測するレベル計測装置であって、前記炉内に向けて前記マイクロ波を照射し、前記スラグ面からの反射マイクロ波を受信するマイクロ波照射受信部と、前記炉内に向けて照射された前記マイクロ波と前記反射マイクロ波とによりビート信号を生成するビート信号生成部と、前記ビート信号に基づいてフーリエ変換処理を実行することにより周波数スペクトル信号を生成し、前記周波数スペクトル信号から前記炉内における前記スラグ面のレベルを特定する演算処理部とを備え、前記マイクロ波照射受信部は、前記炉内で前記スラグ面が所定レベル未満のとき、第1掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射し、前記スラグ面が前記所定レベル以上になり該スラグ面の状態が変化すると、前記第1掃引周期よりも長い第2掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射することを特徴とするレベル計測装置。

請求項7

前記マイクロ波照射受信部は、前記第1掃引周期をT1、前記第2掃引周期をT2、前記マイクロ波の波長をλ、前記スラグ面が前記所定レベル未満のときの前記スラグ面の変動速度をv1、前記スラグ面が前記所定レベル以上のときの前記スラグ面の変動速度をv2(v2<v1)としたとき、前記スラグ面が前記所定レベル未満のとき、T1≦λ/v1の条件を満たし、前記スラグ面が前記所定レベル以上のとき、T2≦λ/v2の条件を満たすマイクロ波を照射することを特徴とする請求項6に記載のレベル計測装置。

技術分野

0001

本発明は、炉内のスラグ面のレベル計測するためのレベル計測方法及びレベル計測装置に関する。

背景技術

0002

転炉吹錬(以下、単に吹錬とも呼ぶ)では、酸素等のガスをスラグ面に高速且つ多量に吹き付けることから、スラグ面が高速に流動し変動する。吹錬が進行してスラグが滓化すると、滓化促進に伴って、スラグがフォーミングし易くなり、スロッピング(フォーミングしたスラグが炉口から溢れ現象)等が生じる恐れもある。そのため、転炉吹錬では、転炉内におけるスラグ面のレベルをリアルタイムで、より正確に計測することが望まれている。

0003

従来、スラグ面のレベル計測方法としては、特許文献1に示すように、マイクロ波を利用したレベル計測装置が考えられている。特許文献1では、例えば、スラグ面と転炉内のランス側壁との双方にマイクロ波を照射し、スラグ面とランス側壁とでいわゆるコーナーキューブミラーを形成してマイクロ波の反射率を高めることが提案されている。また、その他のレベル計測方法としては、粉塵などの影響を受けにくくするために、マイクロ波の周波数を10GHz以下とすることが提案されている(特許文献2)。

先行技術

0004

特開2015−110817号公報
特開2016−29212号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1では、スラグ面の変動速度が速いと、常にコーナーキューブミラーを形成することは難しく、スラグ面の変動に伴い、マイクロ波の反射率が低下し、S/N比が低下してしまう恐れがあるという問題があった。

0006

一方、特許文献2に示すように、周波数が10GHz以下のマイクロ波を使用した場合には、当該マイクロ波の指向性が低いため、転炉内の構造物からの不要反射が大きくなり、S/N比が低下してしまうという問題があった。また、吹錬中のスラグ面は平面ではないため、測定波面拡がりが大きい低周波数のマイクロ波を用いると、測定波面内で生じるスラグ面との距離の不均一性により、S/N比が低下してしまう。

0007

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、スラグ面のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができるレベル計測方法及びレベル計測装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明のレベル計測方法は、マイクロ波を用いて炉内のスラグ面のレベルを計測するレベル計測方法であって、前記炉内に向けて前記マイクロ波を照射し、前記スラグ面からの反射マイクロ波を受信するマイクロ波照射受信工程と、前記炉内に向けて照射した前記マイクロ波と前記反射マイクロ波とによりビート信号を生成した後、前記ビート信号に基づいてフーリエ変換処理を実行することにより周波数スペクトル信号を生成し、前記周波数スペクトル信号から前記炉内における前記スラグ面のレベルを特定する演算処理工程とを備え、前記マイクロ波照射受信工程は、前記炉内で前記スラグ面が所定レベル未満のとき、第1掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射し、前記スラグ面が前記所定レベル以上になり該スラグ面の状態が変化すると、前記第1掃引周期よりも長い第2掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射することを特徴とする。

0009

本発明のレベル計測装置は、マイクロ波を用いて炉内のスラグ面のレベルを計測するレベル計測装置であって、前記炉内に向けて前記マイクロ波を照射し、前記スラグ面からの反射マイクロ波を受信するマイクロ波照射受信部と、前記炉内に向けて照射された前記マイクロ波と前記反射マイクロ波とによりビート信号を生成するビート信号生成部と、前記ビート信号に基づいてフーリエ変換処理を実行することにより周波数スペクトル信号を生成し、前記周波数スペクトル信号から前記炉内における前記スラグ面のレベルを特定する演算処理部とを備え、前記マイクロ波照射受信部は、前記炉内で前記スラグ面が所定レベル未満のとき、第1掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射し、前記スラグ面が前記所定レベル以上になり該スラグ面の状態が変化すると、前記第1掃引周期よりも長い第2掃引周期のマイクロ波を前記炉内に向けて照射することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、スラグ面が所定レベル以上になり、スラグ面の状態が変化しても、第1掃引周期よりも長い第2掃引周期のマイクロ波を炉内に向けて照射することにより、スラグ面の状態変化後に、フーリエ変換処理時における処理利得を大きくし得、かくして、スラグ面のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明のレベル計測方法を用いる転炉の構成を示す概略図である。
図2Aは、送信波及び受信波の関係を示すグラフであり、図2Bは、送信波及び受信波の波形を示すグラフであり、図2Cは、ビート波の波形を示すグラフであり、図2Dは、メインピークが表れた周波数スペクトル信号を示すグラフである。
オーバーサンプリング処理利得の説明に供するグラフである。
図4A及び図4Bは、FFTによる処理利得の説明に供するグラフである。
本発明のレベル計測装置の回路構成を示すブロック図である。
レベル計測処理手順を示すフローチャートである。
他の実施の形態によるレベル計測処理手順を示すフローチャートである。
図8Aは、掃引周期を10(ms)としたときの吹錬前半でのシミュレーション結果であり、図8Bは、掃引周期を1(ms)としたときの吹錬前半でのシミュレーション結果である。
図9Aは、掃引周期を10(ms)としたときの吹錬後半でのシミュレーション結果、図9Bは、掃引周期を1(ms)としたときの吹錬後半でのシミュレーション結果である。

0012

<本発明のレベル計測方法を用いる転炉の構成>
図1は、転炉製鋼プロセスで用いる転炉1の構成を示した概略図である。転炉製鋼プロセスでは、転炉1内(以下、単に炉内とも呼ぶ)に溶銑2を装入し、かかる溶銑2に対してランス4から酸素等のガスを吹き込むことによって、溶銑2の成分調整を行って溶鋼を生成する。かかる溶融物の表面には、処理の進行に伴ってスラグが生成される。本発明によるレベル計測方法は、このように炉内に形成されるスラグ面3のレベルをリアルタイムで計測し得るようになされている。本発明において、「スラグ面」とは、炉内で外部に露出した、溶融状態のスラグの表面をいう。スラグ面3の「レベル」とは、炉内底部や所定基準位置から見た、炉内におけるスラグ面3の高さをいう。

0013

転炉1で行われる処理では、蒸気ダスト等が発生するため、発生するダスト等を外部環境に放出さないために、転炉1の炉口付近フード5が設けられている。このフード5には、ランス4を転炉1内に挿入するための開口部や、本発明によるレベル計測方法に用いるアンテナ6が配置される開口部が形成されている。転炉1の炉口上方に配置されたアンテナ6は、マイクロ波を炉内に向けて照射するとともに、炉内のスラグ面3から反射してきた反射マイクロ波を受信し得る。本発明によるレベル計測方法では、炉内に向けて照射するマイクロ波と、スラグ面3から反射してきた反射マイクロ波とを利用して、スラグ面3のレベル計測を行い得る。

0014

ここで、転炉1には、例えば筒状のランス4が炉内に挿入されており、ランス先端が炉内の所定レベルHの高さに位置決めされている。転炉1では、酸素等のガスをランス先端から炉内のスラグ面3に吹き付けることで、溶融状態のスラグが気泡を含み、スラグや溶銑2が体積膨脹するフォーミングが生じる。ランス4は、例えばスラグのフォーミングが進むと、ランス先端がスラグや溶銑2内に浸漬し、この状態のまま当該ランス先端からスラグの内部にガスが直接噴射される。

0015

ここではランス先端がスラグ内に浸漬する前までを吹錬前半とし、ランス先端がスラグ内に浸漬した後を吹錬後半とすると、吹錬前半では、ランス先端から噴射されたガスがスラグ面3に沿って広範囲に吹き付けられることから、スラグ面3が激しく攪拌されてスラグ面3の変動速度が比較的早くなる。一方、吹錬後半では、ランス先端がスラグ内や溶銑2内に浸漬し、ランス先端周辺のスラグの内部にガスが噴射されることから、吹錬前半に比べて、スラグ面3の変動速度が遅くなる。

0016

このように転炉1では、所定レベルH前後でスラグ面3の状態が変化し、スラグ面3の変動速度が変化するが、本発明のレベル計測方法は、後述する「本発明のレベル計測方法の概要」を基に、吹錬中におけるスラグ面3の状態変化後でも、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比を向上できるものである。

0017

<本発明のレベル計測方法の概要>
ここでは先ず始めに、マイクロ波を利用したFMCW方式のレベル計測方法について説明する。図2Aに示すように、マイクロ波を生成する際、周波数掃引器によって制御される発振器の周波数変調の幅がF(Hz)に設定され、掃引周期がT(秒)に設定されたものとする。炉内に向けて照射されるマイクロ波(以下、単に送信波とも呼ぶ)の周波数は、時間の経過とともに連続的かつ直線的に変化する。

0018

一方、計測対象物となるスラグ面3により反射されてアンテナ6で受信される反射マイクロ波(以下、単に受信波とも呼ぶ)は、アンテナ6からスラグ面3までの距離(以下、離隔距離Dと呼ぶ)に比例した遅れΔt(秒)を生じることとなる。その結果、ある同時刻における送信波と受信波との間には、離隔距離Dに対応した周波数の差Δf(Hz)が生じる。このような送信波及び受信波がミキサによって混合されると、Δfに相当する周波数成分を有した差周波信号(以下、ビート波又はビート信号とも呼ぶ)となる。

0019

送信波と受信波との時間的遅れΔtは、アンテナ6とスラグ面3との間をマイクロ波が往復するために要する時間に相当する。また、マイクロ波の伝播速度は光速cであるため、時間的遅れΔtは、以下の式[1]で表すことができる。一方、ビート信号の周波数(ビート周波数)Δfと時間的遅れΔtとの間には、以下の式[2]で表される関係が成立する。従って、式[1]と式[2]とを用いることで、離隔距離Dは、以下の式[3]により算出することができることがわかる。式[3]から明らかなように、離隔距離Dを算出するという処理は、図2Cに示したビート信号の周波数(ビート周波数△f)を算出することと等価である。

0020

0021

0022

0023

ここで、現実計測環境においては、ミキサにより生成されるビート信号(ビート波)が図2Cに示したような正弦波となる場合はまれであり、いくつもの周波数成分が混じり合った複合波となる場合が多い。従って、このような複数の周波数成分からなるビート信号の周波数を求める場合には、後述するデジタル信号処理を行うこととなる。

0024

具体的には、複数の周波数成分からなるビート信号を基にフーリエ変換処理を行い、横軸を周波数(Hz)とした周波数スペクトル信号を生成した上で、更に上記式[3]によって横軸を距離(m)に変換し、縦軸を強度とした、図2Dに示したような波形(以下、「距離波形」とも呼ぶ。)を生成する。この距離波形において、メインピークを与える横軸の位置が、求めたい離隔距離Dに対応する。レベル計測方法では、このようにして得られた離隔距離Dに基づいて炉内におけるスラグ面3のレベルを特定し得る。

0025

上述したように、実際の操業においては、ランス4よりスラグ面3に酸素を高速且つ多量に吹きつけるため、測定面であるスラグ面3も高速に流動して変動する。掃引周期Tが、スラグ面の変動周期に比べて長い場合、1測定中マイクロ波反射面までの距離が変動してしまう。すると、式[1]を式[2]に代入して得られた下記の式[4]から明らかなように、ビート周波数は離隔距離Dに相当する周波数Δfを中心とする周波数分布をもつことになる。これは、ビート信号を利用したフーリエ変換処理により得られた、横軸を距離に換算した距離波形において、測定距離におけるピーク強度が低下することに他ならず、測定のS/N比が低下することになる。

0026

0027

ところで、例えばスラグに含まれるCaOについて、周波数2.45(GHz)のマイクロ波の反射率を、25℃から1200℃まで温度を変えながら測定する検証試験を行ったところ、CaOのマイクロ波の反射率は温度が上昇すると低下することがわかった。

0028

また、CaOを約28%含有する粉末について、空洞共振器摂動法により誘電率を測定した後、得られた誘電率を反射率に換算して周波数1(GHz)〜10(GHz)の範囲で、25℃における反射率を測定したところ、当該周波数の範囲では、CaOの反射率はほとんど変化していないことがわかった。

0029

このような状態は、90(GHz)程度までは同様であると推定されるため、1(GHz)〜90(GHz)の範囲では、CaOの反射率の挙動は変化しないと考えられる。従って、吹錬後半においてスラグの温度が上昇して滓化が促進すると、スラグにおけるマイクロ波の反射率が低下し、アンテナ6に反射してくるマイクロ波の電力は小さくなり、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比が低下することが明らかになった。

0030

そこで、本発明のレベル計測方法では、マイクロ波の掃引周期Tを規定し、且つ、スラグ面3のレベル計測中に、マイクロ波の掃引周期Tをスラグ面のレベル(高さ位置)に応じて変化させることで、吹錬中におけるS/N比を常時高位に維持させることとした。以下、その具体的な方法を述べる。

0031

スラグ面の変動速度が速い吹錬前半では、マイクロ波の掃引周期T(1周期)の間におけるスラグ面3の変動が、当該マイクロ波の波長λ以下であれば、スラグ面3の変動が、スラグ面3のレベル計測にはほぼ影響を与えない。従って、スラグ面3が所定レベルH未満の吹錬前半では、マイクロ波の掃引周期Tを第1掃引周期T1とし、スラグ面3の変動速度をv1とすると、T1×v1≦λを満たせば、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比低下を抑制できる。そこで、吹錬前半では、マイクロ波の掃引周期Tを、T1≦λ/v1を満たす第1掃引周期T1に設定し、当該第1掃引周期T1のマイクロ波をスラグ面3に向けて照射する。

0032

吹錬後半では、ランス先端がスラグの内部に浸漬されてスラグ面3の変動速度が吹錬前半よりも遅くなる。そこで、吹錬後半では、スラグ面3の変動速度をv2(v2<v1)とし、マイクロ波の掃引周期Tを第2掃引周期T2とすると、吹錬前半と同様に、T2×v2≦λを満たせば、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比低下を抑制できる。吹錬後半では、上述したようにスラグ面3の変動速度v2が吹錬前半よりも遅くなることから、マイクロ波の第2掃引周期T2を、吹錬前半の第1掃引周期T1よりも長くすることができる。

0033

そこで、吹錬後半では、マイクロ波の掃引周期Tを、T2≦λ/v2、T1<T2の条件を満たす第2掃引周期T2に設定し、当該第2掃引周期T2のマイクロ波をスラグ面3に向けて照射する。

0034

吹錬後半では、上述したように、スラグの温度上昇に伴い、スラグ面3においてマイクロ波の反射率が吹錬前半に比べて低下することが確認できたが、マイクロ波の第2掃引周期T2を、吹錬前半の第1掃引周期T1よりも長くすることによって、後述するように、スラグ面3のレベル計測時に行われる信号処理の際にS/N比を向上させることができる。これにより、吹錬後半では、スラグの温度上昇によりスラグ面3におけるマイクロ波の反射率が低下することで生じていたS/N比低下を、スラグ面3のレベル計測時に行われる信号処理により改善させることができる。以下、この点について説明する。

0035

離隔距離Dを求める際には、ビート信号をデジタル信号処理する必要があるが、当該ビート信号をデジタル信号処理するために、アナログ信号のビート信号をアナログデジタル変換(A/D変換)する。A/D変換ではデータが離散的サンプリングされるが、そのサンプリング周波数Fsは、エイリアシングを防ぐため、ビート周波数Δfの2倍以上とする必要がある。このとき、式[4]によって決められる最大のビート周波数(想定される離隔距離Dの最大値に相当するビート周波数Δfの最大値)をB(Hz)とし、フーリエ変換高速フーリエ変換:FFT)を行う際のサンプリング点数をMとすると、S/N比の改善の度合いは下記の式[5]で表すことができる。

0036

0037

この式[5]における第1項は、図3に示すように、FFTを行った際の横軸の最大周波数が、Fsが大きくなればなるほど高くなるため、ノイズパワーが一定であれば、Fsを大きくすることでノイズが広帯域に平均化され、注目する周波数におけるノイズ量が相対的に小さくなることを表わしており、オーバーサンプリング処理利得と呼ばれる。例えば、図3に示したように、サンプリング周波数Fsを2倍としたサンプリング周波数Fs´(=2Fs)では、Fsのときに比べてノイズレベルが半分となり、S/N比(図中では単にS/Nと表記する)が向上する。

0038

一方、式[5]における第2項は、図4A及び図4Bに示すように、FFT後の離散化された横軸の周波数領域の間隔はFs/Mであるため、サンプリング点数Mが大きくなればなるほど、1つのFFTビン帯域幅Bw(=1/M)は狭くなり、「ボルツマン定数×温度×帯域幅」(W)で与えられる帯域ノイズが小さくなり、その一方、スラグからの反射信号単一周波数であるビート周波数Δfの位置に現れるため、FFTビンが狭くなればなるほど、ピーク強度が高くなることを表わしており、FFTの処理利得と呼ばれる。

0039

例えば、図4Bに示すように、サンプリング点数Mを2倍にしたサンプリング点数M´(=2M)では、図4Aに示したMのときに比べて、帯域ノイズが小さくなり、S/N比が向上する。ここで、サンプリング点数Mは、M=T×Fs(Tは掃引周期(秒)、Fsはサンプリング周波数(Hz))で与えられることから、式[5]は下記式[6]に書き換えることができる。

0040

0041

従って、上記式[6]より、サンプリング周波数Fsを一定とすれば、掃引周期Tを長くすることによってサンプリング点数Mが増加し、FFTの処理利得が大きくなることによるS/N比の改善が行える。よって、上述したように、吹錬後半では、マイクロ波の第2掃引周期T2を、吹錬前半の第1掃引周期T1よりも長くすることによって、スラグ面3のレベル計測時に行われる信号処理の際にS/N比を向上させることができる。かくして、吹錬後半では、スラグの温度上昇に伴い、スラグ面3においてマイクロ波の反射率が吹錬前半に比べて低下するものの、このマイクロ波の反射率低下に伴い生じるS/N比低下を、スラグ面3のレベル計測時に行われる信号処理により改善させることができる。

0042

<レベル計測装置について>
次に、上述した「本発明のレベル計測方法の概要」に従って信号処理を実行するレベル計測装置について以下説明する。図5に示すように、レベル計測装置10は、アンテナ6(図1)や、発振器、周波数掃引器等を備えたマイクロ波照射受信部11を有しており、マイクロ波照射受信部11のアンテナ6から転炉1内のスラグ面3までの離隔距離Dを計測し、当該離隔距離Dからスラグ面3のレベルを特定し得る。

0043

マイクロ波照射受信部11は、スラグ面3が所定レベルH未満の吹錬前半時、第1掃引周期T1(秒)で周波数(Hz)が最小周波数f1から最大周波数f2で鋸波状に変化するマイクロ波を送信波(図2A)として、アンテナ6から炉内に向けて照射する。マイクロ波照射受信部11は、これにより炉内のスラグ面3から反射された反射マイクロ波を受信波(図2A)としてアンテナ6により受信する。

0044

ここで、第1掃引周期T1は、マイクロ波の波長をλ(mm)、吹錬前半のスラグ面3の変動速度をv1(m/s)とすると、T1≦λ/v1の条件を満たす。スラグ面3の変動速度v1(m/s)は、例えば過去の操業データ実験データ等の解析に基づいて決定された数値(平均速度、最大速度等)を適用するが、その他、リアルタイムで計測したスラグ面3のレベル変位を基に算出した数値であってもよい。λは、λ=c/[(f1+f2)/2](mm)(cは光速)で表される、掃引中心周波数におけるマイクロ波の波長であってもよい。

0045

例えば、転炉1において吹錬前半におけるスラグ面3の変動速度の最大値が、5(m/s)程度であることが解析結果から得られている場合には、スラグ面3の変動速度v1を最大速度である5(m/s)とする。この際、周波数が10〜90(GHz)のマイクロ波において、その波長が3.3〜30(mm)程度であるとした場合には、吹錬前半における第1掃引周期T1は0.67〜6(ms)以下とすればよい。

0046

マイクロ波照射受信部11は、炉内に向けて照射するマイクロ波と反射マイクロ波とをビート信号生成部12に導き、当該ビート信号生成部12によりビート信号を生成させる(図2C)。演算処理部13は、ビート信号生成部12からビート信号を受け取ると、ビート信号をアナログデジタル変換した後、これをフーリエ変換し、横軸を周波数(Hz)とした周波数スペクトル信号を生成する。

0047

この実施の形態の場合、演算処理部13では、上述した「本発明のレベル計測方法の概要」に従い、エイリアシングを防ぐため、ビート信号をアナログデジタル変換する際のサンプリング周波数Fsが、測定したい最大の離隔距離Dに対応したビート周波数△fの2倍以上の値に固定する。

0048

演算処理部13は、更に上記式[3]によって横軸を距離(m)に変換し、縦軸を強度とした、距離波形(図2D)を生成して、当該距離波形におけるメインピーク位置を離隔距離Dとし、これを離隔距離データとして掃引周期切替部14に送出する。

0049

掃引周期切替部14は、スラグ面3の状態が変化する所定レベルHを予め記憶したメモリを有しており、離隔距離データによる離隔距離Dから、スラグ面3のレベルが所定レベルH以上になったか否かを判断する。掃引周期切替部14は、スラグ面3のレベルが所定レベルH以上になったと判断すると、スラグ面3の温度が高い吹錬後半に移行したと認識し、掃引周期切替信号を生成してこれをマイクロ波照射受信部11に送出する。マイクロ波照射受信部11は、掃引周期切替信号に基づいて、炉内に向けて照射しているマイクロ波の掃引周期を、第1掃引周期T1から第2掃引周期T2に切り替え、当該第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射する。

0050

ここで、第2掃引周期T2は、マイクロ波の波長をλ(mm)、吹錬後半のスラグ面3の変動速度をv2(m/s)とすると、T2≦λ/v2の条件を満たす。この際、吹錬後半のスラグ面3の変動速度v2は、吹錬前半のスラグ面3の変動速度v1よりも遅いことから、T1<T2となる。なお、スラグ面3の変動速度v2(m/s)も、例えば過去の操業データや実験データ等の解析に基づいて決定された数値(平均速度、最大速度等)を適用するが、その他、リアルタイムで計測したスラグ面3のレベル変位を基に算出した数値であってもよい。

0051

例えば、吹錬後半におけるスラグ面3の変動速度の最大値が、0.5(m/s)程度であることが解析結果から得られている場合には、スラグ面3の変動速度v2を最大速度の0.5(m/s)とする。この際、周波数が10〜90(GHz)のマイクロ波において、その波長が3.3〜30(mm)程度であるとした場合には、吹錬後半における第2掃引周期T2は6.7〜60(ms)以下とすればよい。

0052

第1掃引周期T1及び第2掃引周期T2については、T1<T2の条件を満たすが、T1<T2≦10(ms)であることが望ましく、さらに、T2=10×T1であることが望ましい。これにより、吹錬前半及び吹錬後半のいずれにおいても、さらなるS/N比の向上が可能となる。

0053

次に、レベル計測装置10にて実行されるレベル計測処理について、図6に示したフローチャートを用いて簡単に説明する。なお、ここでは、スラグ面3のレベルに応じて、マイクロ波の掃引周期Tを変更する例について説明を行う。図6に示すように、レベル計測装置10はルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1に移り、第1掃引周期T1のマイクロ波をマイクロ波照射受信部11にて生成し、これを炉内に向けて照射するとともに、ビート信号生成部12にも導波し、次のステップSP2に移る。

0054

ステップSP2において、マイクロ波照射受信部11は、炉内から反射マイクロ波を受信し、これをビート信号生成部12に導波し、次のステップSP3に移る。ステップSP3において、ビート信号生成部12は、マイクロ波及び反射マイクロ波からビート信号を生成し、これを演算処理部13に送出して次のステップSP4に移る。

0055

ステップSP4において、演算処理部13は、ビート信号に対してフーリエ変換等を行うことにより周波数スペクトル信号を生成し、次のステップSP5に移る。ステップSP5において、演算処理部13は、周波数スペクトル信号を基に、炉内におけるスラグ面3のレベルを特定し、これを離隔距離データとして掃引周期切替部14に送出して、次のステップSP6に移る。

0056

ステップSP6において、掃引周期切替部14は、スラグ面3のレベルが、予め設定された所定レベルHであるか否かを、離隔距離データを基に判断する。ここで否定結果が得られると、このことはスラグ面3のレベルが所定レベルH未満であることを意味し、レベル計測装置10は、上述のステップSP1〜SP6のループを実行し、マイクロ波照射受信部11により第1掃引周期T1のマイクロ波を炉内に向けて照射し続ける。

0057

これに対してステップSP6において肯定結果が得られると、このことはスラグのフォーミングが進み、スラグ面3のレベルが所定レベルH以上となったことを意味し、このときレベル計測装置10は次のステップSP7に移る。ステップSP7において、掃引周期切替部14は、スラグ面3のレベルが、予め設定された停止レベルであるか否かを、離隔距離データを基に判断する。ここで否定結果が得られると、このことは、スラグ面3のレベルが、所定レベルH以上、停止レベル未満であることを意味し、次のステップSP8に移り、掃引周期切替部14は、掃引周期切替信号をマイクロ波照射受信部11に送出する。

0058

ステップSP8において、マイクロ波照射受信部11は、掃引周期切替信号に基づいて、炉内に向けて照射しているマイクロ波の掃引周期を、第1掃引周期T1よりも長い第2掃引周期T2に切り替え、当該第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射し始め、次のステップSP2に移る。これよりレベル計測装置10は、スラグ面3のレベルが、所定レベルH以上、停止レベル未満である限り(すなわち、ステップSP7で肯定結果が得られる限り)、上述のステップSP8、SP2、SP3、SP4、SP5、SP6、SP7のループを実行し、マイクロ波照射受信部11により第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射し続ける。

0059

これに対してステップSP7で肯定結果が得られると、このことはスラグ面3のレベルが停止レベルに到達したことを意味しており、このときレベル計測装置10は、スラグ面3が停止レベルに到達したことを知らせる通知等を行い、次のステップSP9に移り、上述したレベル計測処理を終了する。

0060

以上の構成において、レベル計測方法では、炉内でスラグ面3が所定レベルH未満のとき、第1掃引周期T1のマイクロ波を炉内に向けて照射し、スラグ面3が所定レベルH以上になりスラグ面3の状態が変化すると、第1掃引周期T1よりも長い第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射する掃引周期切替工程を実行するようにした。

0061

このようにレベル計測方法では、スラグ面3が所定レベルH以上になり、スラグ面3の状態が変化しても、第1掃引周期T1よりも長い第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射することにより、スラグ面3の状態変化後に、フーリエ変換処理時における処理利得を大きくし得、かくして、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができる。

0062

特に、転炉1における転炉製鋼プロセスでは、吹錬前半から吹錬後半に移行し、スラグの温度が上昇してゆくと、それに伴い、スラグ面3におけるマイクロ波の反射率が低下してしまう。レベル計測方法では、マイクロ波の反射率が低下し易い吹錬後半に移行すると、マイクロ波の反射率低下に伴い生じるS/N比低下を、第2掃引周期T2のマイクロ波に切り替えることで改善させることができる。

0063

<他の実施の形態>
上述した実施の形態においては、転炉製鋼プロセスに用いる転炉1を適用した場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば溶融還元炉の他、非鉄金属精錬プロセスに用いる炉等その他種々の炉にも適用することができる。非鉄金属精錬プロセスとしては例えば銅溶錬プロセスが挙げられる。

0064

また、上述した実施の形態においては、掃引周期が切り替わる目安となる所定レベルとして、ランス4のランス先端の高さ位置を所定レベルとした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ランス先端を基準にそれよりも上方又は下方に位置した箇所や、その他種々の高さ位置を所定レベルとしてしてもよい。

0065

<他の実施の形態によるレベル計測処理>
また、上述した実施の形態においては、図6に示したように、スラグ面3のレベルをマイクロ波により計測し、計測したスラグ面3のレベルに応じてマイクロ波の掃引周期Tを変更する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、時間の経過によりスラグ面3のレベルを推測し、所定時間経過時にスラグ面3のレベルが所定レベルになったとして、マイクロ波の掃引周期Tを変更してもよい。

0066

この場合、予め設定した所定時間が経過するまでは、炉内でスラグ面3が所定レベルH未満であるとして、第1掃引周期T1のマイクロ波を炉内に向けて照射し続け、その後、当該所定時間が経過したときに、スラグ面3が所定レベルHになったとして、第2掃引周期T2のマイクロ波に切り替え、当該マイクロ波を炉内に向けて照射する。

0067

この実施の形態の場合、例えば、掃引周期切替部14は、タイマーを備えており、当該タイマーの計測時間に応じてマイクロ波の掃引周期Tを変更する。次に、このようなタイマーの時間経過によってマイクロ波の掃引周期Tを切り替えるレベル計測処理について、図7に示すフローチャートを用いて以下説明する。この場合、図7に示すように、レベル計測装置10は、ルーチンRT21の開始ステップから入ってステップSP21に移り、掃引周期切替部14に設けられたタイマーで計測を開始し、次のステップSP22に移る。

0068

ステップSP22において、掃引周期切替部14は、タイマーの計測時間が第1の所定時間を経過したか否かを判断する。第1の所定時間は、炉内における所定レベルHを目安に予め設定されたものである。ここで第1の所定時間は、例えば吹錬の進行に応じてスラグ面3のレベルがランス先端より高くなる時間に相当するもので、時間的な余裕を見て、適宜設定することができる。

0069

ステップSP22において、否定結果が得られると、このことはタイマーの計測時間が第1の所定時間を経過していないこと、すなわち、スラグ面3のレベルが所定レベルH未満であることを表しており、このとき掃引周期切替部14は、次のステップSP23に移る。ステップSP23において、レベル計測装置10は、第1掃引周期T1のマイクロ波をマイクロ波照射受信部11で生成し、これを炉内に向けて照射するとともに、ビート信号生成部12にも導波し、次のステップSP25に移る。

0070

ステップSP25において、マイクロ波照射受信部11は、炉内から反射マイクロ波を受信し、これをビート信号生成部12に導波し、次のステップSP26に移る。ステップSP26において、ビート信号生成部12は、マイクロ波及び反射マイクロ波からビート信号を生成し、これを演算処理部13に送出して次のステップSP27に移る。

0071

ステップSP27において、演算処理部13は、ビート信号に対してフーリエ変換等を行うことにより周波数スペクトル信号を生成し、次のステップSP28に移る。ステップSP28において、演算処理部13は、周波数スペクトル信号を基に、炉内におけるスラグ面3のレベルを特定し、次のステップSP29に移る。

0072

ステップSP29において、掃引周期切替部14は、タイマーの計測時間が第2の所定時間を経過したか否かを判断する。ここで、第2の所定時間は、ステップSP22の第1の所定時間よりも長い時間に設定されており、吹錬の進行が完了する時間に相当するもので、時間的な余裕を見て、適宜設定することができる。ステップSP29において、否定結果が得られると、ステップSP22に戻り、当該ステップSP22にて肯定結果が得られるまで上述した処理を継続し、第1掃引周期T1のマイクロ波を炉内に照射し続ける。

0073

これに対して、ステップSP22において、肯定結果が得られると、このことはタイマーの計測時間が第1の所定時間を経過したこと、すなわち、スラグ面3のレベルが所定レベルH以上となったことを表しており、このとき掃引周期切替部14は、次のステップSP24に移る。ステップSP24において、レベル計測装置10は、マイクロ波の掃引周期を第2掃引周期T2に切り替え、第2掃引周期T2のマイクロ波をマイクロ波照射受信部11で生成して、これを炉内に向けて照射するとともに、ビート信号生成部12にも導波し、次のステップSP25に移る。

0074

そして、レベル計測装置10は、ステップSP29で肯定結果が得られるまで、上述したステップSP24、SP25、SP26、SP27、SP28、SP29、SP22を繰り返し、第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射し続ける。これに対して、ステップSP29において、肯定応答が得られると、このことはタイマーの計測時間が第2の所定時間を経過したこと、すなわち、スラグ面3のレベルが停止レベルになったことを表しており、ステップSP30に移り、上述したレベル計測処理を終了する。

0075

なお、図6に示した最初のレベル計測処理では、掃引周期の切り替えとレベル計測処理の終了のいずれの処理も、マイクロ波により計測したスラグ面3のレベル(高さ)により判断した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、掃引周期の切り替えだけを、図7のレベル計測処理のように吹錬開始からの時間に応じて判断したり、或いは、レベル計測処理の終了だけを、図7のレベル計測処理のように吹錬開始からの時間に応じて判断してもよい。

0076

以上のようなタイマーの計測時間を利用したレベル計測方法であっても、上述した実施の形態と同様に、スラグ面3の状態変化に応じて第2掃引周期T2のマイクロ波を炉内に向けて照射できることから、スラグ面3の状態変化後に、フーリエ変換処理時における処理利得を大きくし得、かくして、スラグ面3のレベル計測時におけるS/N比を向上させることができる。

0077

鉄鋼転炉において、スラグ面のレベルがランス先端未満にあるとき(吹錬前半)、掃引周期Tの違いによりS/N比がどのように変わるかについて、下記のようなシミュレーションを行った。吹錬前半のシミュレーションでは、離隔距離(アンテナ及びスラグ面の距離)Dを5(m)、スラグ面の変動速度を5(m/s)、スラグ面におけるマイクロ波の反射率を10%とした。

0078

また、この条件の下、マイクロ波の掃引周期Tを10(ms)としたときのビート波を数値解析により生成し、これをフーリエ変換して、得られた結果から、横軸を距離に換算した距離波形を生成した。その結果、図8Aに示すような結果が得られた。また、同じ条件の下、マイクロ波の掃引周期Tを1(ms)としたときのビート波を数値解析により生成し、これをフーリエ変換して、得られた結果から、横軸を距離に換算した距離波形を生成した。その結果、図8Bに示すような結果が得られた。

0079

図8Aに示すように、掃引周期Tを10(ms)とした場合には、スラグ面の変動速度が速く、掃引の間に離隔距離Dが変化するため、距離波形が横軸方向に拡がってしまい、結果、S/N比が7.4(dB)に低下した。なお、S/N比は、ピーク信号強度平均ノイズレベルとの比をdBで表記したものである。これに対して、掃引周期Tを1(ms)と短くした場合には、図8Bに示すように、鋭いピークで十分なS/N比(=9.7(dB))が得られることが確認できた。

0080

次に、鉄鋼転炉において、スラグ面のレベルがランス先端以上になったとき(吹錬後半)、掃引周期Tの違いによりS/N比がどのように変わるかについてもシミュレーションを行った。吹錬後半のシミュレーションでは、離隔距離Dを4(m)、スラグ面の変動速度を0.5(m/s)、スラグ面におけるマイクロ波の反射率を6%とした。

0081

また、この条件の下、マイクロ波の掃引周期Tを1(ms)としたときのビート波を数値解析により生成し、これをフーリエ変換して、得られた結果から、横軸を距離に換算した距離波形を生成した。その結果、図9Aに示すような結果が得られた。また、同じ条件の下、マイクロ波の掃引周期Tを10(ms)としたときのビート波を数値解析により生成し、これをフーリエ変換して、得られた結果から、横軸を距離に換算した距離波形を生成した。その結果、図9Bに示すような結果が得られた。

実施例

0082

図9Aに示すように、掃引周期Tを1(ms)とした場合には、スラグ面におけるマイクロ波の反射率低下に伴い、S/N比が7.6(dB)まで下がった。しかしながら、図9Bに示すように、掃引周期Tを10(ms)と長くした場合には、鋭いピークで十分なS/N比(=14.1(dB))が得られることが確認できた。なお、理論上、掃引周期Tを10倍にすると、S/N比は10(dB)改善し、図9BにおけるS/N比は17.6(dB)となるはずである。しかしながら、シミュレーション結果では、6.5(dB)の改善に留まっている。これは、ランダムノイズが完全なランダムでは無いため、理想通りの特性が出なかったと推測される。

0083

1転炉
3スラグ面
10レベル計測装置
11マイクロ波照射受信部
12ビート信号生成部
13演算処理部
14掃引周期切替部

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