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技術 冷凍サイクル装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 三浦功嗣加藤吉毅竹内雅之橋村信幸佐藤慧伍榎本憲彦杉村賢吾アリエルマラシガン
出願日 2017年5月25日 (3年5ヶ月経過) 出願番号 2017-103377
公開日 2018年3月8日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-036040
状態 特許登録済
技術分野 不可逆サイクルによる圧縮式冷凍機械 車両用空気調和
主要キーワード ゴム配管 形状指標 飽和圧 冷房器 グラファイトコア 冷却対象機器 冷却用熱媒体 外気熱交換器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

定圧弁を用いることなく、低温環境下においても冷却対象機器過冷却を抑制可能な冷凍サイクル装置を提供する。

解決手段

冷凍サイクル装置10は、冷媒圧縮して吐出する圧縮機11と、前記圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させる高圧側熱交換器12と、高圧側熱交換器12にて放熱した冷媒を減圧させる第1膨張弁13と、第1膨張弁13にて減圧された冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる室外熱交換器14と、第1膨張弁13にて減圧された冷媒と、冷却水とを熱交換させて冷却水を冷却する低圧側熱交換器16と、低圧側熱交換器16にて冷媒と熱交換した冷却水によって冷却される冷却対象機器としてのクーラコア26と、制御装置を有する。制御装置は、クーラコア26が所定の基準温度以下となる過冷却を検出した際に、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、クーラコア26の過冷却を検出していない状態よりも上昇させる。

概要

背景

従来、冷凍サイクル装置は、圧縮機と凝縮器減圧部と蒸発器とを有して構成されており、例えば、車両用空調装置に用いられている。

このような冷凍サイクル装置に関する技術として、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載されている冷凍サイクル装置は、圧縮機と室内凝縮器と第1膨張弁と第2膨張弁と室外熱交換器室内蒸発器とを有して構成されている。

この冷凍サイクル装置は、冷媒回路構成を切り替えることによって、冷房モード暖房モード除湿暖房モードに切り替えることができる。

除湿暖房モードでは、冷凍サイクル装置は、室内蒸発器と室外熱交換器とを並列的に接続して、双方で冷媒蒸発させる冷媒回路構成に切り替えられる。この場合、室内蒸発器において、室内に送風される送風空気が冷媒と熱交換することで冷却される。そして、室外熱交換器において、送風空気を再加熱する為の熱を外気から吸熱している。

概要

定圧弁を用いることなく、低温環境下においても冷却対象機器過冷却を抑制可能な冷凍サイクル装置を提供する。冷凍サイクル装置10は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機11と、前記圧縮機11から吐出された冷媒を放熱させる高圧側熱交換器12と、高圧側熱交換器12にて放熱した冷媒を減圧させる第1膨張弁13と、第1膨張弁13にて減圧された冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる室外熱交換器14と、第1膨張弁13にて減圧された冷媒と、冷却水とを熱交換させて冷却水を冷却する低圧側熱交換器16と、低圧側熱交換器16にて冷媒と熱交換した冷却水によって冷却される冷却対象機器としてのクーラコア26と、制御装置を有する。制御装置は、クーラコア26が所定の基準温度以下となる過冷却を検出した際に、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、クーラコア26の過冷却を検出していない状態よりも上昇させる。

目的

本発明は、これらの点に鑑みて、定圧弁を用いることなく、低温環境下においても冷却対象機器の過冷却を抑制可能な冷凍サイクル装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

冷媒圧縮して吐出する圧縮機(11)と、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を放熱させる放熱器(12、12a)と、前記放熱器にて放熱した前記冷媒を減圧させる減圧部(13、15)と、前記減圧部にて減圧された前記冷媒と空気とを熱交換させて前記冷媒を蒸発させる蒸発器(14、14a)と、前記減圧部にて減圧された前記冷媒と、前記空気よりも比熱の大きな冷却用熱媒体とを熱交換させて前記冷却用熱媒体を冷却する熱媒体冷却蒸発器(16)と、前記熱媒体冷却蒸発器にて前記冷媒と熱交換した前記冷却用熱媒体によって冷却される冷却対象機器(26、27)と、前記冷却対象機器が所定の基準温度以下となる過冷却を検出する過冷却検出部(40、44、45、46、47、48、49)と、前記過冷却検出部が前記冷却対象機器(26、27)の過冷却を検出した際に、前記熱媒体冷却蒸発器から流出する前記冷媒の過熱度を、前記冷却対象機器の過冷却を検出していない状態よりも上昇させる過冷却制御部(40)と、を有する冷凍サイクル装置

請求項2

前記蒸発器(14、14a)は、前記減圧部(13)の下流側において、前記冷媒の流れに関し直列に接続され、前記熱媒体冷却蒸発器(16)は、前記蒸発器(14、14a)の下流側において、前記冷媒の流れに関し直列に接続されており、前記過冷却制御部(40)は、前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する前記冷媒の過熱度を上昇させる際に、前記減圧部(13)における減圧量を大きくする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。

請求項3

前記過冷却制御部(40)は、前記減圧部(13)における流路面積を小さくすることにより減圧量を大きくする請求項2に記載の冷凍サイクル装置

請求項4

前記蒸発器(14、14a)と前記熱媒体冷却蒸発器(16)は、前記減圧部(13、15)の下流側において前記冷媒の流れに対して相互に並列に接続され、前記減圧部(13、15)は、前記放熱器(12、12a)から前記蒸発器(14、14a)に向かって流れる前記冷媒を減圧する第1減圧部(13)と、前記放熱器(12、12a)から前記熱媒体冷却蒸発器(16)に向かって流れる前記冷媒を減圧する第2減圧部(15)と、を有し、前記過冷却制御部(40)は、前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する前記冷媒の過熱度を上昇させる際に、前記第1減圧部(13)の減圧量に対する前記第2減圧部(15)の減圧量の比を大きくする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。

請求項5

前記過冷却制御部(40)は、前記第1減圧部(13)の流路面積に対する前記第2減圧部(15)の流路面積を小さくすることにより、前記第1減圧部(13)の減圧量に対する前記第2減圧部(15)の減圧量の比を大きくする請求項4に記載の冷凍サイクル装置。

請求項6

前記蒸発器(14、14a)と前記熱媒体冷却蒸発器(16)は、前記放熱器(12、12a)の下流側において前記冷媒の流れに対して相互に並列に接続され、前記減圧部(13、15)は、前記放熱器(12、12a)から前記蒸発器(14、14a)に向かって流れる前記冷媒を減圧する第1減圧部(13)と、前記放熱器(12、12a)から前記熱媒体冷却蒸発器(16)に向かって流れる前記冷媒を減圧する第2減圧部(15)と、を有し、前記過冷却制御部(40)は、前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する前記冷媒の過熱度を上昇させる際に、前記第1減圧部(13)の減圧量に対する前記第2減圧部(15)の減圧量の比が所定値を示す通常状態と、前記第1減圧部(13)の減圧量に対する前記第2減圧部の減圧量(15)の比が前記通常状態よりも大きな過熱度増大状態と、を周期的に変化させる請求項1に記載の冷凍サイクル装置。

請求項7

前記放熱器(12)は、前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒を凝縮させて車室内暖房する車室内暖房器、または前記圧縮機(11)から吐出された前記冷媒を凝縮させて熱交換させることで、前記車室内を暖房する為の加熱用熱媒体を生成する暖房用熱交換器であり、前記蒸発器(14)は、前記減圧部(13)にて減圧された前記冷媒に対して外気の熱を吸熱させることで前記冷媒を蒸発させる室外熱交換器であり、前記冷却対象機器(26)は、前記車室内に送風される空気と前記冷却用熱媒体を熱交換させることで前記車室内を冷房する車室用冷房器である請求項1ないし6の何れかに記載の冷凍サイクル装置。

請求項8

前記過冷却検出部(40、44)は、前記車室用冷房器(26)の温度に応じて、前記車室用冷房器(26)の過冷却を検出する請求項7に記載の冷凍サイクル装置。

請求項9

前記過冷却検出部(40、45)は、前記車室用冷房器(26)から吹き出される前記空気の温度に応じて、前記車室用冷房器(26)の過冷却を検出する請求項7又は8に記載の冷凍サイクル装置。

請求項10

前記過冷却検出部(40、46)は、前記冷却用熱媒体の温度に応じて、前記車室用冷房器(26)の過冷却を検出する請求項7ないし9の何れかに記載の冷凍サイクル装置。

請求項11

前記過冷却検出部(40、47、48)は、前記圧縮機(11)と、前記放熱器(12)と、前記減圧部(13、15)と、前記蒸発器(14)と、前記熱媒体冷却蒸発器(16)にわたって流れる前記冷媒の温度または圧力に応じて、前記車室用冷房器(26)の過冷却を検出する請求項7ないし10の何れかに記載の冷凍サイクル装置。

請求項12

前記蒸発器(14a)は、前記減圧部にて減圧された前記冷媒を蒸発させて前記車室内を冷房する車両用冷却器であり、前記放熱器(12a)は、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を凝縮させた凝縮熱車室外へ放熱する室外熱交換器であり、前記冷却対象機器(27)は、前記車両走行用電力蓄電するバッテリである請求項1ないし6の何れかに記載の冷凍サイクル装置。

請求項13

前記過冷却検出部(40、49)は、前記バッテリの温度に応じて、前記バッテリの過冷却を検出する請求項12に記載の冷凍サイクル装置。

請求項14

冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を放熱させる放熱器(12、12a)と、前記放熱器にて放熱した前記冷媒を減圧させる減圧部(13)と、前記減圧部にて減圧された前記冷媒と、前記空気よりも比熱の大きな冷却用熱媒体とを熱交換させて前記冷却用熱媒体を冷却する熱媒体冷却蒸発器(16)と、前記熱媒体冷却蒸発器にて前記冷媒と熱交換した前記冷却用熱媒体によって冷却される冷却対象機器(26、27)と、前記冷却対象機器が所定の基準温度以下となる過冷却を検出する過冷却検出部(40、44、45、46、47、48、49)と、前記過冷却検出部が前記冷却対象機器(26、27)の過冷却を検出した際に、前記熱媒体冷却蒸発器から流出する前記冷媒の過熱度を、前記冷却対象機器の過冷却を検出していない状態よりも上昇させる過冷却制御部(40)と、を有する冷凍サイクル装置。

技術分野

0001

本発明は、冷媒外気とを熱交換させる熱交換器を有する冷凍サイクル装置に関する。

背景技術

0002

従来、冷凍サイクル装置は、圧縮機と凝縮器減圧部と蒸発器とを有して構成されており、例えば、車両用空調装置に用いられている。

0003

このような冷凍サイクル装置に関する技術として、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1に記載されている冷凍サイクル装置は、圧縮機と室内凝縮器と第1膨張弁と第2膨張弁と室外熱交換器室内蒸発器とを有して構成されている。

0004

この冷凍サイクル装置は、冷媒回路構成を切り替えることによって、冷房モード暖房モード除湿暖房モードに切り替えることができる。

0005

除湿暖房モードでは、冷凍サイクル装置は、室内蒸発器と室外熱交換器とを並列的に接続して、双方で冷媒を蒸発させる冷媒回路構成に切り替えられる。この場合、室内蒸発器において、室内に送風される送風空気が冷媒と熱交換することで冷却される。そして、室外熱交換器において、送風空気を再加熱する為の熱を外気から吸熱している。

先行技術

0006

特開2012−225637号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1のように除湿暖房を行う場合、送風空気を除湿する為に、室内蒸発器を冷却対象機器として冷却する必要がある。一方で、室内蒸発器を過冷却してしまうと、室内蒸発器の表面で発生した凝縮水凍結して着霜してしまう。この着霜によって、室内蒸発器の熱交換能力が低下してしまう。

0008

つまり、特許文献1のような冷凍サイクル装置では、過冷却にならない温度に保ちつつ、室内蒸発器を冷却しなければならない。

0009

一方、室内凝縮器にて送風空気を充分に加熱するためには、室内熱交換器冷媒蒸発温度外気温より低い温度に制御しなければならない。特に、冬場のように外気温が低い場合、室内熱交換器の冷媒蒸発温度を0℃より低い温度に制御する必要がある。

0010

これらの点に対応する為に、特許文献1に記載された冷凍サイクル装置は、冷媒の流れに関して室内蒸発器の下流側に定圧弁を配置することで、室内蒸発器の冷媒蒸発温度を0℃以上に維持するように構成されている。

0011

しかしながら、特許文献1に記載された冷凍サイクル装置のように、定圧弁を採用すると、部品点数の増加やサイクル構成の複雑化を招いてしまう。又、冷房モードにおいて、定圧弁が圧損となってしまう為、冷房性能を低下させる要因となってしまう。

0012

本発明は、これらの点に鑑みて、定圧弁を用いることなく、低温環境下においても冷却対象機器の過冷却を抑制可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

前記目的を達成するため、請求項1に記載の冷凍サイクル装置は、
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12、12a)と、
放熱器にて放熱した冷媒を減圧させる減圧部(13、15)と、
減圧部にて減圧された冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる蒸発器(14、14a)と、
減圧部にて減圧された冷媒と、空気よりも比熱の大きな冷却用熱媒体とを熱交換させて冷却用熱媒体を冷却する熱媒体冷却蒸発器(16)と、
熱媒体冷却蒸発器にて冷媒と熱交換した冷却用熱媒体によって冷却される冷却対象機器(26、27)と、
冷却対象機器が所定の基準温度以下となる過冷却を検出する過冷却検出部(40、44、45、46、47、48、49)と、
過冷却検出部が冷却対象機器(26、27)の過冷却を検出した際に、熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する冷媒の過熱度を、冷却対象機器の過冷却を検出していない状態よりも上昇させる過冷却制御部(40)と、を有する。

0014

これによれば、過冷却検出部(40、44、45、46、47、48、49)が冷却対象機器(26、27)の過冷却を検出した際に、前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する前記冷媒の過熱度は、過冷却制御部(40)によって、前記冷却対象機器の過冷却を検出していない状態よりも上昇させられる。

0015

前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する冷媒の過熱度を上昇させると、熱媒体冷却蒸発器(16)における冷媒と冷却用熱媒体との間の熱交換効率は大きく低下する。

0016

これにより、冷凍サイクル装置は、低温環境下においても、蒸発器(14、14a)における外気からの吸熱量を保ちつつ、前記冷却用熱媒体の温度低下を抑制できる。従って、この冷凍サイクル装置は、冷却用熱媒体による冷却対象機器の過冷却を抑制できる。

0017

又、本発明は、過冷却制御部(40)によって、熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する冷媒の過熱度を上昇させる制御を行う為、定圧弁等の他の構成を必要とするものではない。即ち、本発明は、部品点数の増加やサイクル構成の複雑化を招くことなく、冷却対象機器の過冷却を抑制することができる。

0018

更に、本発明を車両用空調装置に用いた場合においても定圧弁等の構成がない為、冷房時に圧損となることはない。即ち、本発明は、定圧弁等に起因する冷房性能の低下を抑制することができる。

0019

そして、請求項14に記載の冷凍サイクル装置は、
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
圧縮機から吐出された冷媒を放熱させる放熱器(12、12a)と、
放熱器にて放熱した冷媒を減圧させる減圧部(13)と、
減圧部にて減圧された冷媒と、空気よりも比熱の大きな冷却用熱媒体とを熱交換させて冷却用熱媒体を冷却する熱媒体冷却蒸発器(16)と、
熱媒体冷却蒸発器にて冷媒と熱交換した冷却用熱媒体によって冷却される冷却対象機器(26、27)と、
冷却対象機器が所定の基準温度以下となる過冷却を検出する過冷却検出部(40、44、45、46、47、48、49)と、
過冷却検出部が冷却対象機器(26、27)の過冷却を検出した際に、熱媒体冷却蒸発器から流出する冷媒の過熱度を、冷却対象機器の過冷却を検出していない状態よりも上昇させる過冷却制御部(40)と、を有する。

0020

これによれば、過冷却検出部(40、44、45、46、47、48、49)が冷却対象機器(26、27)の過冷却を検出した際に、前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する冷媒の過熱度は、過冷却制御部(40)によって、冷却対象機器の過冷却を検出していない状態よりも上昇させられる。

0021

前記熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する冷媒の過熱度を上昇させると、熱媒体冷却蒸発器(16)における冷媒と冷却用熱媒体との間の熱交換効率は大きく低下する。これにより、当該冷凍サイクル装置は、低温環境下においても前記冷却用熱媒体の温度低下を抑制でき、冷却用熱媒体による冷却対象機器の過冷却を抑制できる。

0022

又、当該冷凍サイクル装置は、過冷却制御部(40)によって、熱媒体冷却蒸発器(16)から流出する冷媒の過熱度を上昇させる制御を行う為、定圧弁等の他の構成を必要とするものではない。即ち、当該冷凍サイクル装置は、部品点数の増加やサイクル構成の複雑化を招くことなく、冷却対象機器の過冷却を抑制することができる。

0023

更に、当該冷凍サイクル装置を車両用空調装置に用いた場合においても定圧弁等の構成がない為、冷房時に圧損となることはない。即ち、本発明は、定圧弁等に起因する冷房性能の低下を抑制することができる。

0024

なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

図面の簡単な説明

0025

第1実施形態における冷凍サイクル装置の全体構成図である。
第1実施形態における冷凍サイクル装置の制御系を示すブロック図である。
第1実施形態における過熱度制御に関する処理の流れを示すフローチャートである。
空気冷媒熱交換器及び冷却水冷媒熱交換器温度効率と、過熱度との関係を示す説明図である。
第1実施形態に係る冷凍サイクル装置の除湿暖房モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
第1実施形態における過熱度制御の有無と冷却対象機器の温度との関係を示す説明図である。
第2実施形態における冷凍サイクル装置の全体構成図である。
第2実施形態に係る冷凍サイクル装置の除湿暖房モードにおける冷媒の状態を示すモリエル線図である。
第3実施形態における冷凍サイクル装置の要部構成図である。
第4実施形態における冷凍サイクル装置の要部構成図である。
第5実施形態における冷凍サイクル装置の全体構成図である。

実施例

0026

以下、実施形態について図に基づいて説明する。以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。

0027

(第1実施形態)
本発明に係る冷凍サイクル装置を、車室内空間を適切な温度に調整するために用いられる車両用空調装置に適用した実施形態(第1実施形態)に基づいて、図面を参照しつつ詳細に説明する。

0028

図1に示すように、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、車室内空間を適切な温度に調整するための車両用空調装置1を構成する車両用冷凍サイクル装置である。

0029

この冷凍サイクル装置10は、エンジン(換言すれば内燃機関)および走行用電動モータから車両走行用駆動力を得るハイブリッド自動車に適用されている。第1実施形態におけるハイブリッド自動車は、プラグインハイブリッド自動車として構成されている。

0030

即ち、このハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源(換言すれば商用電源)から供給された電力を、車両に搭載されたバッテリ27に充電することができる。そして、バッテリ27としては、例えば、リチウムイオン電池を挙げることができる。

0031

又、ハイブリッド自動車において、エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機を作動させる為にも用いられる。即ち、バッテリ27には、発電機にて発電された電力および外部電源から供給された電力が蓄えられる。

0032

バッテリ27に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、冷凍サイクル装置10を構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給される。

0033

図1に示すように、車両用空調装置1は、冷凍サイクル装置10と、室内空調ユニット30を有して構成されている。

0034

そして、冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式冷凍機として構成されている。この冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、高圧側熱交換器12、第1膨張弁13、室外熱交換器14、第2膨張弁15および低圧側熱交換器16を有している。

0035

この冷凍サイクル装置10では、冷媒としてフロン系冷媒を用いている。即ち、この冷凍サイクル装置10は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。

0036

圧縮機11は、冷凍サイクル装置10の冷媒を吸入して圧縮して吐出する。そして、圧縮機11は、バッテリ27から供給される電力によって駆動される電動圧縮機、又はベルトによって駆動される可変容量圧縮機によって構成されている。

0037

高圧側熱交換器12は、圧縮機11から吐出された高圧側冷媒と、後述する高温冷却水回路21の冷却水とを熱交換させることによって高圧側冷媒を凝縮させる。この高圧側熱交換器12は、いわゆる凝縮器として機能する。

0038

第1膨張弁13は、高圧側熱交換器12から流出した液相冷媒減圧膨張させる。つまり、第1膨張弁13は、本発明における減圧部を構成し、第1減圧部として機能する。

0039

そして、第1膨張弁13は、弁体電動アクチュエータとを備え、電気式可変絞り機構を有して構成されている。弁体は、冷媒通路通路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。

0040

第1膨張弁13における可変絞り機構は、絞り開度を全開した際に冷媒通路を全開する全開機能を有している。つまり、第1膨張弁13は、冷媒通路を全開にすることで冷媒の減圧作用を発揮させないようにすることができる。第1膨張弁13は、後述する制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。

0041

室外熱交換器14は、第1膨張弁13から流出した冷媒と外気とを熱交換させる空気冷媒熱交換器である。室外熱交換器14を流通する冷媒の温度が外気の温度よりも低い場合、室外熱交換器14は、外気の熱を冷媒に吸熱させる吸熱器として機能する。室外熱交換器14を流通する冷媒の温度が外気の温度よりも高い場合、室外熱交換器14は、冷媒の熱を外気に放熱させる放熱器として機能する。

0042

そして、室外熱交換器14には、図示しない室外送風機によって外気が送風される。室外送風機は、ファン電動モータにて駆動する電動送風機によって構成されており、室外熱交換器14へ向けて外気を送風する。そして、室外熱交換器14および室外送風機は、車両の最前部に配置されている。従って、車両の走行時には室外熱交換器14に走行風を当てることができる。

0043

第2膨張弁15は、高圧側熱交換器12よりも冷媒の流れにおける下流側に配置されている。第1実施形態においては、第2膨張弁15は、室外熱交換器14の下流側に配置されている。

0044

この第2膨張弁15は、高圧側熱交換器12から流出した液相冷媒を減圧膨張させることができる。第2膨張弁15は、本発明における減圧部を構成し、第2減圧部として機能させることができる。

0045

そして、第2膨張弁15は、弁体と電動アクチュエータとを備えている。弁体は、冷媒通路の通路開度(換言すれば絞り開度)を変更可能に構成されている。電動アクチュエータは、弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータを有している。第2膨張弁15は、制御装置40から出力される制御信号によって、その作動が制御される。

0046

第2膨張弁15は、電気式の可変絞り機構を有して構成されている。第2膨張弁15における可変絞り機構は、絞り開度を全開した際に冷媒通路を全開する全開機能と、絞り開度を全閉した際に冷媒通路を全閉する全閉機能とを有している。

0047

つまり、第2膨張弁15は、冷媒通路を全開にすることで冷媒の減圧作用を発揮させないようにすることができる。又、第2膨張弁15は、冷媒通路を全閉にすることで冷媒の流れを遮断することもできる。

0048

低圧側熱交換器16は、第2膨張弁15を流出した低圧冷媒と、後述する低温冷却水回路22の冷却水とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させる。この低圧側熱交換器16は、いわゆる蒸発器であり、本発明における熱媒体冷却蒸発器として機能する。低圧側熱交換器16で蒸発した気相冷媒は圧縮機11に吸入されて圧縮される。

0049

高温冷却水回路21は、上述した高圧側熱交換器12、高温ポンプ23及びヒータコア24を有して構成されている。高温冷却水回路21は、高温側ポンプ23の駆動によって熱媒体としての冷却水を循環させ、高圧側熱交換器12やヒータコア24において熱交換させる。

0050

高温冷却水回路21における冷却水は、熱媒体としての流体高温熱媒体である。本実施形態では、高温冷却水回路21の冷却水として、少なくともエチレングリコールジメチルポリシロキサンもしくはナノ流体を含む液体、または不凍液体が用いられている。

0051

高温側ポンプ23は、高温冷却水回路21において冷却水を吸入して吐出する電動式熱媒体ポンプである。高温側ポンプ23は、その駆動によって、高温冷却水回路21の冷却水を循環させることができる。

0052

ヒータコア24は、高温冷却水回路21の冷却水と車室内へ送風される空気とを熱交換させて車室内へ送風される空気を加熱する。即ち、ヒータコア24は、高温側熱媒体熱交換器である。

0053

このヒータコア24では、冷却水が顕熱変化にて車室内へ送風される空気に放熱する。即ち、ヒータコア24では、冷却水が車室内へ送風される空気に放熱しても冷却水が液相を保ち、相変化することはない。

0054

低温冷却水回路22は、上述した低圧側熱交換器16、低温側ポンプ25及びクーラコア26を有して構成されている。低温冷却水回路22は、低温側ポンプ25の駆動によって熱媒体としての冷却水を循環させ、低圧側熱交換器16やクーラコア26で熱交換させる。

0055

低温冷却水回路22における冷却水は、熱媒体としての流体であり、本発明における冷却用熱媒体に相当する。本実施形態では、低温冷却水回路22の冷却水として、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンもしくはナノ流体を含む液体、または不凍液体が用いられている。

0056

低温側ポンプ25は、冷却水を吸入して吐出する電動式の熱媒体ポンプである。

0057

クーラコア26は、低温冷却水回路22の冷却水と車室内へ送風される空気とを熱交換させて車室内へ送風される空気を冷却する低温側熱媒体熱交換器である。クーラコア26では、冷却水が顕熱変化にて車室内へ送風される空気から吸熱する。即ち、クーラコア26では、冷却水が車室内へ送風される空気から吸熱しても冷却水が液相のままで相変化しない。

0058

次に、車両用空調装置1を構成する室内空調ユニット30について、図面を参照しつつ説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(例えば、インストルメントパネル)の内側に配置されている。

0059

室内空調ユニット30は、その外殻を形成するケーシング31内に、ヒータコア24、クーラコア26、室内送風機32、内外気切替装置33、冷風バイパス通路35、エアミックスドア36等を収容している。

0060

そして、ケーシング31は、車室内送風空気空気通路を形成している。このケーシング31は、一定の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。

0061

内外気切替装置33は、ケーシング31内の送風空気流れ最上流側に配置されている。この内外気切替装置33は、車室内空気内気)と外気とを切替導入する。具体的には、内外気切替装置33には、ケーシング31内に内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口が形成されている。

0062

更に、内外気切替装置33の内部には、内外気切替ドアが配置されている。内外気切替ドアは、内気導入口および外気導入口の開口面積を連続的に調整し、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる。

0063

室内送風機32は、ケーシング31の内部において、内外気切替装置33の空気流れ下流側に配置されている。室内送風機32は、内外気切替装置33を介して導入された空気を車室内に向けて送風する。

0064

具体的には、室内送風機32は、遠心多翼ファン32a(シロッコファン)を電動モータ32bにて駆動する電動送風機である。後述する制御装置40から出力される制御信号(制御電圧)によって、室内送風機32の回転数(送風量)が制御される。

0065

図1に示すように、ヒータコア24及びクーラコア26は、室内送風機32の空気流れ下流側に配置されている。そして、クーラコア26は、車室内送風空気の流れに関してヒータコア24よりも上流側に配置されている。

0066

又、ケーシング31内には、ヒータコア24を迂回させてクーラコア26を通過した空気を流す冷風バイパス通路35が形成されている。

0067

エアミックスドア36は、クーラコア26の空気流れ下流側であって、且つ、ヒータコア24の空気流れ上流側に配置されている。エアミックスドア36は、ケーシング31に対して回転可能に支持された回転軸と、回転軸に結合されたドア基板部とを有している。

0068

エアミックスドア36の回転軸は、サーボモータによって駆動される。このサーボモータの作動は、制御装置40によって制御される。従って、エアミックスドア36は、クーラコア26通過後の空気のうち、ヒータコア24を通過させる空気と冷風バイパス通路35を通過させる空気との風量割合を調整することができる。

0069

そして、ヒータコア24の空気流れ下流側及び冷風バイパス通路35の空気流れ下流側には、混合空間が形成されている。この混合空間は、ヒータコア24を通過した空気と冷風バイパス通路35を通過した空気とを混合させる際に用いられる。

0070

更に、ケーシング31の送風空気流れ最下流側には、図示しない吹出口が配置されている。この吹出口は、混合空間にて混合された空調風を、空調対象空間である車室内へ吹き出すように形成されている。

0071

具体的には、ケーシング31の吹出口として、車室内の乗員の上半身へ空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元へ空調風を吹き出すフット吹出口、および車両前面窓ガラスの内側面へ空調風を吹き出すデフロスタ吹出口が設けられている。

0072

従って、エアミックスドア36によって、高圧側熱交換器12を通過させる空気と冷風バイパス通路35を通過させる空気との風量割合を調整することで、混合空間にて混合された空調風の温度が調整される。これにより、各吹出口から吹き出される空調風の温度が調整される。

0073

更に、フェイス吹出口、フット吹出口、及びデフロスタ吹出口の送風空気流れ上流側には、フェイス吹出口の開口面積を調整するフェイスドア、フット吹出口の開口面積を調整するフットドア、及びデフロスタ吹出口の開口面積を調整するデフロスタドアが配置されている。

0074

これらのフェイスドア、フットドア、及びデフロスタドアは、吹出口モードを切り替える為の構成であって、リンク機構等を介して、後述する制御装置40から出力される制御信号によってその作動が制御されるサーボモータによって駆動される。

0075

次に、冷凍サイクル装置10の制御系について、図2を参照しつつ説明する。制御装置40は、冷凍サイクル装置10を構成する各種制御対象機器の作動を制御する制御部である。この制御装置40は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。

0076

そして、制御装置40は、ROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。即ち、制御装置40のROMには、図3に示す制御プログラムが記憶されている。

0077

制御装置40の出力側には、各種制御対象機器が接続されている。制御装置40によって制御される制御対象機器は、圧縮機11、第1膨張弁13、第2膨張弁15、高温側ポンプ23及び低温側ポンプ25等である。

0078

制御装置40のうち圧縮機11の電動モータを制御するソフトウェア及びハードウェアは、冷媒吐出能力制御部として機能する。又、制御装置40のうち第1膨張弁13を制御するソフトウェア及びハードウェアは、第1減圧量制御部として機能する。そして、制御装置40のうち第2膨張弁15を制御するソフトウェア及びハードウェアは、第2減圧量制御部として機能する。

0079

更に、制御装置40のうち高温側ポンプ23を制御するソフトウェア及びハードウェアは、高温側熱媒体流量制御部として機能する。又、制御装置40のうち低温側ポンプ25を制御するソフトウェア及びハードウェアは、低温側熱媒体流量制御部として機能する。

0080

そして、制御装置40の入力側には、種々のセンサ群が接続されている。種々のセンサ群は、内気温度センサ41、外気温度センサ42、日射量センサ43、クーラコア温度センサ44、冷風吹出温度センサ45、冷却水温度センサ46、冷媒圧力センサ47、冷媒温度センサ48、バッテリ温度センサ49を含んでいる。

0081

内気温度センサ41は、車室内温度Trを検出する。外気温度センサ42は、外気温Tamを検出する。日射量センサ43は、車室内の日射量Tsを検出する。

0082

クーラコア温度センサ44は、クーラコア26本体の温度を検出する。クーラコア温度センサ44は、クーラコア26を構成するフィン又はタンクに取り付けられている。

0083

冷風吹出温度センサ45は、クーラコア26を通過した空気の温度を検出する。冷風吹出温度センサ45は、クーラコア26の空気流れ下流側、且つエアミックスドア36及びヒータコア24の空気流れ上流側に配置されている。

0084

冷却水温度センサ46は、低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度を検出する。冷却水温度センサ46は、低圧側熱交換器16とクーラコア26の間を流れる冷却水の管路に対して取り付けられている。

0085

冷媒圧力センサ47は、冷凍サイクルの低圧側(例えば、第1膨張弁13の流出口から圧縮機11の吸入側までの間)を流れる冷媒の圧力を検出する。第1実施形態では、冷媒圧力センサ47は、低圧側熱交換器16の流出口に対して取り付けられている。

0086

冷媒温度センサ48は、冷凍サイクルの低圧側を流れる冷媒の温度を検出する。第1実施形態では、冷媒温度センサ48は、室外熱交換器14の流出口から低圧側熱交換器16の流入口へ向かって流れる冷媒の温度を検出する。

0087

バッテリ温度センサ49は、車両に搭載されたバッテリ27の温度を検出する。上述したように、バッテリ27は、走行用電動モータや冷凍サイクル装置10の構成機器等を駆動させる為の電力を蓄えている。

0088

ここで、内気温度センサ41〜バッテリ温度センサ49は、温度や圧力を実際に測定した測定値を検出するものであっても良い。そして、内気温度センサ41〜バッテリ温度センサ49は、温度又は圧力と強い相関を持つ物理量(例えば、他の構成の温度等)に応じて、対象の温度や圧力に関する推定値を検出するものであっても良い。

0089

制御装置40の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル50が接続されている。操作パネル50には、各種操作スイッチが設けられており、乗員によって操作される。制御装置40には、各種操作スイッチからの操作信号が入力される。

0090

操作パネル50の各種操作スイッチは、エアコンスイッチ温度設定スイッチ等を有している。エアコンスイッチは、室内空調ユニット30にて車室内送風空気の冷却を行うか否かを設定する。温度設定スイッチは、車室内の設定温度を設定する。

0091

次に、冷凍サイクル装置10を含む車両用空調装置1の作動について説明する。先ず、制御装置40は、目標吹出温度TAO等に基づいて、車両用空調装置1の空調モードを暖房モード、冷房モード、及び除湿暖房モードの何れかに切り替える。

0092

目標吹出温度TAOは、車室内へ吹き出す吹出空気目標温度である。制御装置40は、目標吹出温度TAOを以下の数式に基づいて算出する。

0093

TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
この数式において、Tsetは操作パネル50の温度設定スイッチによって設定された車室内設定温度を示し、Trは内気温度センサ41によって検出された内気温を示す。そして、Tamは外気温度センサ42によって検出された外気温を示し、Tsは日射量センサ43によって検出された日射量を示す。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用定数である。

0094

次に、暖房モード、冷房モード、除湿暖房モードにおける作動について説明する。

0095

(暖房モード)
暖房モードでは、制御装置40は、第1膨張弁13を絞り状態とし、第2膨張弁15を全開状態とする。又、暖房モードでは、制御装置40は、高温側ポンプ23を駆動させ、低温側ポンプ25を停止させる。

0096

そして、制御装置40は、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、制御装置40に接続された各種制御機器作動状態(即ち、各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。

0097

第1膨張弁13へ出力される制御信号については、第1膨張弁13へ流入する冷媒の過冷却度が、予め定められた目標過冷却度に近づくように決定される。目標過冷却度は、サイクルの成績係数(いわゆるCOP)を最大値に近づけるように定められる。

0098

エアミックスドア36のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア36がヒータコア24の空気通路を全開し、クーラコア26を通過した送風空気の全流量がヒータコア24の空気通路を通過するように決定される。

0099

次に、暖房モードにおいて、冷凍サイクルを循環する冷媒の状態について説明する。

0100

暖房モードにおいて、圧縮機11から吐出された高圧冷媒は、高圧側熱交換器12へ流入して、高温冷却水回路21の冷却水と熱交換して放熱する。これにより、高温冷却水回路21の冷却水が加熱される。

0101

次に、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13に流入し、低圧冷媒となるまで減圧される。そして、第1膨張弁13にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器14に流入して、図示しない室外送風機から送風された外気から吸熱して蒸発する。

0102

室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15へ流入する。この際、第2膨張弁15を全開状態としているので、室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15にて減圧されることなく、低圧側熱交換器16に流入する。

0103

ここで、暖房モードでは低温側ポンプ25が停止しているので、低圧側熱交換器16に低温冷却水回路22の冷却水が循環しない。そのため、低圧側熱交換器16に流入した低圧冷媒は、低温冷却水回路22の冷却水から殆ど吸熱することなく、低圧側熱交換器16から流出する。

0104

低圧側熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。

0105

このように暖房モードでは、高圧側熱交換器12にて圧縮機11から吐出された高圧冷媒の有する熱を高温冷却水回路21の冷却水に放熱させ、ヒータコア24にて高温冷却水回路21の冷却水が有する熱を車室内送風空気に放熱させている。

0106

この為、冷凍サイクル装置10は、暖房モードで作動することで、加熱された車室内送風空気を車室内へ吹き出すことができる。即ち、冷凍サイクル装置10は、車室内の暖房を実現することができる。

0107

(冷房モード)
冷房モードでは、制御装置40は、第1膨張弁13を全開状態とし、第2膨張弁15を絞り状態とする。又、冷房モードでは、制御装置40は、高温側ポンプ23を停止させ、低温側ポンプ25を駆動させる。

0108

そして、制御装置40は、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、制御装置40に接続された各種制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。

0109

第2膨張弁15へ出力される制御信号については、第2膨張弁15へ流入する冷媒の過冷却度が目標過冷却度に近づくように決定される。この目標過冷却度は、COPが最大値に近づくように予め定められている。

0110

エアミックスドア36のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドアがヒータコア24の空気通路を閉塞し、クーラコア26を通過した送風空気の全流量が、冷風バイパス通路35を流れるように決定される。

0111

次に、冷房モードにおいて、冷凍サイクルを循環する冷媒の状態について説明する。

0112

冷房モードにおいて、圧縮機11から吐出された高圧冷媒は高圧側熱交換器12に流入する。この際、高温側ポンプ23が停止しているので、高圧側熱交換器12に高温冷却水回路21の冷却水が循環にすることはない。その為、高圧側熱交換器12に流入した冷媒は、高温冷却水回路21の冷却水と殆ど熱交換することなく、高圧側熱交換器12から流出する。

0113

そして、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13に流入する。ここで冷房モードでは、第1膨張弁13が冷媒通路を全開状態としている。従って、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13にて減圧されることなく、室外熱交換器14に流入する。

0114

その後、室外熱交換器14に流入した冷媒は、室外熱交換器14にて室外送風機から送風された外気へ放熱する。そして、室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15へ流入して、第2膨張弁15にて低圧冷媒となるまで減圧膨張される。

0115

こうして、第2膨張弁15で減圧された低圧冷媒は、低圧側熱交換器16に流入し、低温冷却水回路22の冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温冷却水回路22の冷却水が冷却される。即ち、クーラコア26で車室内送風空気が冷却される。

0116

そして、低圧側熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。

0117

このように冷房モードでは、低圧側熱交換器16に低圧冷媒との熱交換によって、低温冷却水回路22の冷却水を冷却する。これにより、クーラコア26において、冷却水によって車室内送風空気を冷却することができる。

0118

この為、冷凍サイクル装置10は、冷房モードで作動することで、冷却された車室内送風空気を車室内へ吹き出すことができる。即ち、冷凍サイクル装置10は、車室内の冷房を実現することができる。

0119

(除湿暖房モード)
除湿暖房モードでは、制御装置40は、第1膨張弁13及び第2膨張弁15の開度を所定の状態とする。第1実施形態では、第1膨張弁13の開度は所定値とされ、第2膨張弁15の開度は全開状態とされる。又、除湿暖房モードでは、制御装置40は、高温側ポンプ23及び低温側ポンプ25の両方を駆動させる。

0120

そして、制御装置40は、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、制御装置40に接続された各種制御機器の作動状態(各種制御機器へ出力する制御信号)を決定する。

0121

エアミックスドア36のサーボモータへ出力される制御信号については、エアミックスドア36がヒータコア24の空気通路を全開し、クーラコア26を通過した空気の全流量がヒータコア24の空気通路を通過するように決定される。

0122

除湿暖房モードでは、制御装置40は、目標吹出温度TAO、センサ群の検出信号等に基づいて、第1膨張弁13及び第2膨張弁15における弁の開度を所定値に調整する。これにより、第1膨張弁13における減圧量及び、第2膨張弁15における減圧量が設定される。そして、この目標吹出温度TAO等に基づき定められた状態を、除湿暖房モードにおける通常状態という。

0123

次に、除湿暖房モードにおいて、冷凍サイクルを循環する冷媒の状態を説明する。

0124

圧縮機11から吐出された高圧冷媒は、高圧側熱交換器12へ流入して、高温冷却水回路21の冷却水と熱交換して放熱する。これにより、高温冷却水回路21の冷却水が加熱される。

0125

そして、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13に流入し、低圧冷媒となるまで減圧される。第1膨張弁13にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器14に流入して、室外送風機から送風された外気へ放熱する。

0126

その後、室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15へ流入する。この際、第2膨張弁15を全開状態としているので、室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15にて減圧されることなく、低圧側熱交換器16に流入する。

0127

低圧側熱交換器16に流入した低圧冷媒は、低温冷却水回路22の冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温冷却水回路22の冷却水が冷却される。

0128

そして、低圧側熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。

0129

このように除湿暖房モードでは、クーラコア26にて冷却され除湿された車室内送風空気を、ヒータコア24にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。

0130

この為、冷凍サイクル装置10は、除湿暖房モードで作動することで、車室内を除湿しつつ所望の温度に暖房することができ、車室内の快適性を高めることができる。

0131

ここで、冷凍サイクル装置10が除湿暖房モードで作動している場合、低温冷却水回路22を循環する冷却水によって冷却される冷却対象機器(例えば、クーラコア26)が過冷却される場合がある。

0132

特に、冬場のように外気が所定温度以下となる環境では、冷却対象機器の過冷却が生じやすい。そして、冷却対象機器の過冷却は、冷却対象機器が本来有する性能を充分に発揮することができない状態にしてしまう場合がある。

0133

例えば、第1実施形態のように冷却対象機器をクーラコア26とした場合、クーラコア26が0℃以下に過冷却されてしまうと、クーラコア26の表面で発生した凝縮水が凍結して着霜してしまう。クーラコア26の着霜が生じると、クーラコア26の熱交換能力を低下させてしまう。

0134

一方で、冷却対象機器の過冷却を抑制すると同時に、除湿暖房モードにおける暖房性能を維持しておく必要もある。この為、冷凍サイクル装置10において、制御装置40は、図3に示す制御プログラムを制御装置40のROMから読み出して実行する。

0135

図3に示す制御プログラムは、冷凍サイクル装置10が除湿暖房モードで作動している間、制御装置40によって繰り返し実行される。しかしながら、外気温度センサ42と連動させて、外気が所定温度(例えば、5℃)以下となった場合に、制御装置40によって制御プログラムの実行を開始させてもよい。

0136

図3に示すように、先ず、ステップS10において、冷却対象機器(例えば、クーラコア26)が過冷却となる危険性を判定する過冷却判定が行われる。

0137

具体的には、制御装置40は、各種センサ群からの検出信号と、ROM等に設定されている判定基準値とを読み込む。そして、各種センサ群からの検出信号に基づく値と判定基準値を比較して、冷却対象機器が過冷却となる危険性があることを検出する。ステップS10を実行する場合の制御装置40は、本発明における過冷却検出部に相当する。

0138

第1実施形態では、ステップS10において、クーラコア温度センサ44の検出信号が示すクーラコア26の温度と判定基準値(例えば、約0℃付近)とが比較される。

0139

クーラコア26の温度が判定基準値以下である場合、制御装置40により、クーラコア26が過冷却となる危険性がある(S10:YES)と判定される。この場合、クーラコア26の過冷却に伴う着霜を抑制する為、後述する過熱度制御(S20)が実行される。

0140

一方、クーラコアの温度が判定基準値より高い場合、制御装置40により、クーラコア26が過冷却となる危険性がない(S10:NO)と判定される。この場合、制御装置40は、そのまま、この制御プログラムを終了する。その後、制御装置40は、図3に示す制御プログラムの実行を再び開始して、S10の処理を行う。

0141

ステップS20に移行すると、除湿暖房モードにおける暖房性能を維持しつつ、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却を抑制する為に、過熱度制御が制御装置40によって実行される。ステップS20を実行する場合の制御装置40は、本発明における過冷却制御部に相当する。

0142

上述した構成の冷凍サイクル装置10において、除湿暖房モードにおける暖房性能(例えば、ヒータコア24よりも下流における送風温度)を一定以上に保つためには、室外熱交換器14における吸熱量を確保する必要がある。

0143

一方で、冷凍サイクル装置10における冷却対象機器の冷却は、低温冷却水回路22の冷却水によって行われる為、この冷却水の温度の影響を強く受ける。そして、低温冷却水回路22を循環する冷却水は、低圧側熱交換器16で低圧冷媒と熱交換することで冷却される。従って、冷却対象機器の過冷却を抑制する為には、低圧側熱交換器16の温度効率を制御することが重要となる。

0144

ここで、空気冷媒熱交換器(例えば、室外熱交換器14)、及び冷却水冷媒熱交換器(例えば、低圧側熱交換器16)の温度効率と、これらから流出する冷媒の過熱度の関係について、図4を参照しつつ説明する。

0145

図4においては、空気冷媒熱交換器の温度効率をEaとして図示し、冷却水冷媒熱交換器の温度効率をEwとして図示する。又、空気冷媒熱交換器及び冷却水冷媒熱交換器から流出する冷媒の過熱度が1Kである場合を100とした場合における各温度効率と過熱度との関係性を示す。

0146

図4におけるEaに示すように、空気冷媒熱交換器の温度効率は、空気冷媒熱交換器から流出する冷媒の過熱度が大きくなるほど緩やかに低下していく。一方、図4におけるEwに示すように、冷却水冷媒熱交換器の温度効率は、冷却水冷媒熱交換器から流出する冷媒の過熱度が大きくなるほど低下していき、所定値を超えた時点で大きく低下している。

0147

流出する冷媒の過熱度が大きくなると、冷却水冷媒熱交換器や空気冷媒熱交換器の内部において、気相冷媒が占める割合が増大していき、液相冷媒が占める割合が減少する。この為、空気冷媒熱交換器、冷却水冷媒熱交換器の温度効率は、熱交換器内部における液相冷媒の少なさに起因していずれも低下する。

0148

又、空気冷媒熱交換器では、空気と冷媒との間で熱交換が行われ、冷却水冷媒熱交換器では、空気よりも比熱の大きな冷却水と冷媒との間で熱交換が行われる。

0149

そして、冷却水と冷媒との温度差が小さい為、空気よりも比熱の大きな冷却水を対象とする冷却水冷媒熱交換器の温度効率は、流出する冷媒の過熱度を所定値(例えば、5K程度)よりも大きくすると、空気冷媒熱交換器の温度効率に比べて大きく低下する。

0150

従って、冷却水冷媒熱交換器から流出する冷媒の過熱度を大きくして、冷却水冷媒熱交換器の温度効率を低下させることで、冷媒によって冷却される冷却水の温度低下を抑制することができる。

0151

この冷却水の温度低下を抑制すれば、冷却水によって冷却される冷却対象機器の温度低下も抑制することができる為、冷却対象機器の過冷却を抑制することも可能となる。

0152

図3に示すステップS20では、上述した空気冷媒熱交換器と冷却水冷媒熱交換器における過熱度に対する特性の差を利用した過熱度制御が行われる。具体的には、S20においては、冷却水冷媒熱交換器である低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)に変更する。

0153

ステップS20で低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を変更した後、制御装置40は、そのまま、この制御プログラムを終了する。その後、制御装置40は、図3に示す制御プログラムの実行を再び開始してS10の処理を行う。

0154

第1実施形態におけるステップS20の処理内容について具体的に説明する。第1実施形態においては、制御装置40は、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)に変更する為に、第1膨張弁13における減圧量を通常状態よりも大きくする。

0155

即ち、制御装置40は、第1膨張弁13の開度(即ち、流路面積)を通常状態よりも小さく制御して、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)に変更する。

0156

上述したように、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値とすることで、低圧側熱交換器16における温度効率を低下させることができる。

0157

これにより、低圧側熱交換器16を含む低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度低下が抑制される為、冷却水によって冷却される冷却対象機器の温度低下を抑制することができる。

0158

この過熱度の制御を行った場合であっても、空気冷媒熱交換器である室外熱交換器14の温度効率は、図4に示すように或る程度の能力を維持している。この点を踏まえると、冷凍サイクル装置10は、冷却対象機器の過冷却を抑制した場合であっても、室外熱交換器14における吸熱量を確保することができる。

0159

つまり、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、ステップS20を実行することで、除湿暖房モードにおける暖房性能を保ちつつ、クーラコア26の過冷却及び着霜を防止することができる。更に、冷凍サイクル装置10は、クーラコア26の着霜に起因する風量の低下を防止することができる。

0160

続いて、除湿暖房モード作動中に上述した過熱度制御が行われている場合の冷凍サイクルにおける冷媒の状態について、図5に示すモリエル線図を参照しつつ説明する。

0161

この場合において、第1膨張弁13及び第2膨張弁15の開度を除き、エアミックスドア36、高温側ポンプ23、低温側ポンプ25等の状態については、上述した暖房除湿モードの通常状態と同様である。

0162

そして、第1膨張弁13の開度は、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)とするように定められ、制御装置40からの制御指令により変更されている。又、第2膨張弁15の開度は、全開状態に設定されている。

0163

図5の点a1及び点a2に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒は、高圧側熱交換器12へ流入し、高温冷却水回路21の冷却水と熱交換して放熱する。これにより、高温冷却水回路21の冷却水が加熱される。

0164

そして、図5の点a2及び点a3に示すように、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13に流入し、低圧冷媒となるまで減圧される。続いて、図5の点a3及び点a4に示すように、第1膨張弁13にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器14に流入して、室外送風機から送風された外気へ放熱する。

0165

次に、室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15へ流入する。室外熱交換器14から流出した冷媒は気液二相状態である。そして、第2膨張弁15は全開状態であるので、室外熱交換器14から流出した冷媒は、第2膨張弁15で減圧されることなく、低圧側熱交換器16に流入する。

0166

図5の点a4及び点a5に示すように、低圧側熱交換器16に流入した低圧冷媒は、低温冷却水回路22の冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温冷却水回路22の冷却水が冷却される。

0167

そして、図5の点a5及び点a1に示すように、低圧側熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。

0168

このように除湿暖房モードで過熱度制御を行った場合でも、クーラコア26にて冷却され除湿された車室内送風空気を、ヒータコア24にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。

0169

この為、冷凍サイクル装置10は、外気温が低い場合においても、除湿暖房モードで作動することで、車室内を除湿しつつ所望の温度に暖房することができ、車室内の快適性を高めることができる。

0170

次に、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10における冷却対象機器の過冷却に対して、過熱度制御の有無が与える影響について、図6を参照しつつ説明する。

0171

図6に示す2つの例は、第1膨張弁13の開度制御による過熱度制御の有無を除いて、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10と同様の構成である。即ち、この2つの例は、何れも、低温環境において除湿暖房モードで作動しており、クーラコア26が過冷却となる危険性がある(S10:YES)と判定されているものとする。

0172

先ず、クーラコア26が過冷却となる危険性がある場合において、過熱度制御が実行されなかった例について、図6における左図を参照しつつ説明する。

0173

この場合、図5を用いて説明したように、冷凍サイクル装置10を循環する冷媒は、低圧側熱交換器16に流入する際に、低温低圧状態になっている。低圧側熱交換器16における冷凍サイクル側入口の温度は、例えば、−10℃を示す。

0174

この時、低圧側熱交換器16では、低温低圧の冷媒と、低温冷却水回路22の冷却水の間で熱交換が行われ、冷却水が冷却される。

0175

これにより、低圧側熱交換器16の冷凍サイクル側入口の温度と、低圧側熱交換器16の低温冷却水回路22側出口の温度との間で、第1温度変化量Taの温度変化が生じる。図6に示すように、この場合の低圧側熱交換器16における低温冷却水回路22側出口の温度は、例えば、−7℃を示す。

0176

低圧側熱交換器16によって冷却された冷却水は、クーラコア26に流入する。クーラコア26は、冷却された冷却水と室内送風機32によって送風される送風空気との間で熱交換することで、送風空気を冷却する。

0177

これにより、クーラコア26における冷却水の流入側と送風空気の吹出側との間で、クーラコア温度変化量Twaの温度変化が生じる。図6に示すように、この場合において、クーラコア26における送風空気の吹出側の温度は、例えば、−5℃となる。

0178

つまり、クーラコア26が過冷却となる危険性がある場合において、過熱度制御が実行されなかったとすると、クーラコア26の吹出側の温度は、着霜限界値Tf(例えば、−4℃〜−2℃)よりも低くなってしまう。

0179

このように、過熱度制御をおこなわなかった場合、クーラコア26の過冷却を抑制することができずに、クーラコア26を着霜限界値Tfよりも低い温度まで冷却してしまう。この場合、クーラコア26が着霜して通風抵抗が増大した結果、室内送風機32により車室内に所定の風量の空気を送風できなくなってしまう。

0180

続いて、クーラコア26が過冷却となる危険性がある場合において、過熱度制御が実行された例について説明する。

0181

この場合においても、冷凍サイクル装置10を循環する冷媒は、低圧側熱交換器16に流入する際に低温低圧状態になっている。従って、低圧側熱交換器16における冷凍サイクル側入口の温度は、例えば、−10℃を示す。

0182

そして、低圧側熱交換器16では、低温低圧の冷媒と、低温冷却水回路22の冷却水の間で熱交換が行われ、冷却水が冷却される。

0183

この場合の冷凍サイクル装置10では、制御装置40による過熱度制御が行われ、第1膨張弁13の開度を通常状態よりも小さく制御して、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)に変更している。これにより、低圧側熱交換器16における温度効率が低下する。

0184

そして、低圧側熱交換器16における温度効率が低下した状態で、低圧側熱交換器16では、低温低圧の冷媒と、低温冷却水回路22の冷却水の間で熱交換が行われる。これにより、この冷却水は、低圧側熱交換器16における熱交換により冷却される。

0185

しかしながら、この場合における冷却水の温度低下は、過熱度制御が行われなかった場合よりも小さくなる。

0186

つまり、低圧側熱交換器16の冷凍サイクル側入口の温度と、低圧側熱交換器16の低温冷却水回路22側出口の温度との間においては、第1温度変化量Taよりも大きな第2温度変化量Tbの温度変化が生じる。図6に示すように、この場合の低圧側熱交換器16における低温冷却水回路22側出口の温度は、例えば、−1℃を示す。

0187

そして、低圧側熱交換器16で冷却された冷却水は、クーラコア26に流入する。クーラコア26は、冷却された冷却水と室内送風機32によって送風される送風空気との間で熱交換することによって、送風空気を冷却する。

0188

この時、クーラコア26における冷却水の流入側と送風空気の吹出側との間で、クーラコア温度変化量Twaの温度変化が生じる。このクーラコア温度変化量Twaは、上述した過熱度制御を行わない場合と等しくなる。従って、図6に示すように、この場合のクーラコア26における送風空気の吹出側の温度は、例えば、+1℃となる。

0189

つまり、クーラコア26が過冷却となる危険性がある場合において、過熱度制御を実行すると、クーラコア26の吹出側の温度は、着霜限界値Tf(例えば、−4℃〜−2℃)よりも高くなる。

0190

このように過熱度制御を実行することで、クーラコア26の過冷却を抑制することができ、クーラコア26を着霜限界値Tfよりも高い温度に維持することができる。即ち、車両用空調装置1によれば、クーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができ、室内送風機32により車室内に所定の風量の空気を送風し続けることが可能である。

0191

以上説明したように、第1実施形態の冷凍サイクル装置10は、圧縮機11と、高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、室外熱交換器14と、低圧側熱交換器16と、クーラコア26とを有して構成されている。

0192

そして、第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、高圧側熱交換器12、高圧側熱交換器12及びヒータコア24を有する高温冷却水回路21と、低圧側熱交換器16及びクーラコア26を有する低温冷却水回路22と共に、車両用空調装置1を構成している。

0193

従って、冷凍サイクル装置10によれば、冷凍サイクル装置10、高温冷却水回路21、低温冷却水回路22の作動を制御することにより、車室内の適切な冷房、暖房および除湿暖房を実行することができ、車室内の快適な空調を実現することができる。

0194

図1に示すように、第1実施形態における冷凍サイクル装置10においては、第1膨張弁13の下流側において、室外熱交換器14、低圧側熱交換器16の順で直列に接続されている。

0195

そして、制御装置40は、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性があると判定した場合(S10:YES)、第1膨張弁13における減圧量を大きくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも上昇させる過熱度制御を行う(S20)。

0196

図4に示すように、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を通常状態よりも上昇させることで、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を大きく低下させることができる。

0197

これにより、冷凍サイクル装置10によれば、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を低下させることで、クーラコア26を冷却する冷却水の温度を一定以上に保つことができる。

0198

即ち、冷凍サイクル装置10によれば、低温環境において除湿暖房モードで作動させた場合であっても、室外熱交換器14における外気からの吸熱量を保ちつつ、冷却水によって冷却されるクーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。

0199

そして、第1実施形態においては、第1膨張弁13の開度を通常状態よりも小さくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を上昇させている。即ち、定圧弁等の他の構成を必要とするものではない。即ち、冷凍サイクル装置10によれば、部品点数の増加やサイクル構成の複雑化を招くことなく、クーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。

0200

更に、第1実施形態によれば、定圧弁等の構成を必要としない為、冷房モード時に定圧弁等が圧損となることはなく、冷房性能の低下を抑制することができる。

0201

又、第1実施形態においては、制御装置40は、クーラコア温度センサ44によって検出されるクーラコア26本体の温度と判定基準値とを比較することで、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性を判定している(S10)。

0202

従って、冷凍サイクル装置10によれば、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性を高い精度で判定することができ、クーラコア26の過冷却及び着霜を適切に抑制することができる。

0203

(第2実施形態)
続いて、上述した第1実施形態とは異なる第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と同様に、高温冷却水回路21及び低温冷却水回路22と共に、車両用空調装置1を構成している。

0204

第2実施形態においても、冷凍サイクル装置10、高温冷却水回路21、低温冷却水回路22及び室内空調ユニット30の各構成は、第1実施形態と基本的に同様である。第2実施形態では、冷凍サイクル装置10における各構成の配置及び、ステップS20における過熱度制御の内容が相違する。

0205

従って、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。

0206

第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、高圧側熱交換器12、第1膨張弁13、室外熱交換器14、第2膨張弁15、低圧側熱交換器16を有している。

0207

図7に示すように、第2実施形態では、高圧側熱交換器12よりも下流側において、第1膨張弁13及び室外熱交換器14と、第2膨張弁15及び低圧側熱交換器16は、冷媒の流れに対して相互に並列に接続されている。

0208

つまり、第2実施形態では、高圧側熱交換器12から流出した冷媒の流れは、第1膨張弁13に流入する流れと、第2膨張弁15に流入する流れとに分岐する。

0209

第1膨張弁13に流入した高圧冷媒は、第1膨張弁13で低圧冷媒となるまで減圧される。そして、第1膨張弁13にて減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器14に流入して、室外送風機から送風された外気から吸熱する。

0210

一方、第2膨張弁15に流入した高圧冷媒は、第2膨張弁15で低圧冷媒となるまで減圧される。ここで、第2実施形態に係る第2膨張弁15は、第1実施形態と異なり所定の絞り状態であり、その開度は、所定値である。

0211

そして、第2膨張弁15にて減圧された低圧冷媒は、低圧側熱交換器16に流入して、低温冷却水回路22を循環する冷却水と熱交換する。これにより、低温冷却水回路22を循環する冷却水が冷却される。従って、第2実施形態においても、低温冷却水回路22の冷却水によって、クーラコア26が冷却される。

0212

室外熱交換器14から流出した冷媒と、低圧側熱交換器16から流出した冷媒は、圧縮機11の上流側で合流して、圧縮機11に対して流入する。

0213

そして、第2実施形態においても、除湿暖房モードで作動している場合には、制御装置40は、図3に示す制御プログラムを制御装置40のROMから読み出して実行する。

0214

この場合においても、制御装置40は、ステップS10において、冷却対象機器(例えば、クーラコア26)が過冷却となる危険性を判定する。具体的には、第2実施形態においても、クーラコア温度センサ44により検出されたクーラコア26の温度と、ROMに記憶された判定基準値(例えば、約0℃付近)とが比較される。

0215

クーラコア26の温度が判定基準値準値以下で、クーラコア26が過冷却となる危険性があると判定された場合(S10:YES)、過熱度制御(S20)が実行される。一方、クーラコア26の温度が判定基準値より高く、クーラコア26が過冷却となる危険性がない(S10:NO)と判定された場合、そのまま制御プログラムの実行が終了される。

0216

第2実施形態におけるステップS20では、制御装置40は、過熱度制御として、第1膨張弁13の減圧量に対する第2膨張弁15の減圧量の比を通常状態よりも大きくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を上昇させる。

0217

具体的には、制御装置40は、第1膨張弁13の開度(即ち、流路面積)を変更することなく、第2膨張弁15の開度(即ち、流路面積)を通常状態よりも小さくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を所定値以上(例えば、5K以上)に上昇させる。

0218

これにより、第2実施形態においても、低圧側熱交換器16における温度効率を低下させることができる。そして、冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16を含む低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度低下を抑制できる。この結果、冷凍サイクル装置10は、冷却水によって冷却される冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。

0219

第2実施形態においても、空気冷媒熱交換器である室外熱交換器14の温度効率は、図4に示すようにある程度の能力を維持している。この点を踏まえると、冷凍サイクル装置10は、冷却対象機器の過冷却を抑制した場合であっても、室外熱交換器14における吸熱量を確保することができる。

0220

つまり、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10においても、ステップS20を実行することで、除湿暖房モードにおける暖房性能を保ちつつ、クーラコア26の過冷却及び着霜を防止することができる。更に、車両用空調装置1は、クーラコア26の着霜に起因する風量の低下を防止することができる。

0221

続いて、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10において、除湿暖房モードで過熱度制御が行われている場合の冷媒の状態について、図8に示すモリエル線図を参照しつつ説明する。

0222

この場合における第1膨張弁13の開度は、通常状態と同じ開度である。一方、第2膨張弁15の開度は、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)とするように定められる。即ち、第2膨張弁15の開度は、制御装置40からの制御指令により、通常状態よりも小さく変更されている。

0223

図8の点b1及び点b2に示すように、圧縮機11から吐出された高圧冷媒は、高圧側熱交換器12へ流入し、高温冷却水回路21の冷却水と熱交換して放熱する。これにより、高温冷却水回路21の冷却水が加熱される。

0224

上述したように、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13へ向かう流れと、第2膨張弁15へ向かう流れとに分岐する。

0225

図8の点b2及び点b3に示すように、第1膨張弁13に流入した高圧冷媒は、低圧冷媒となるまで減圧される。この時の第1膨張弁13の開度は、過熱度制御が行われていない通常状態と同じである。

0226

続いて、図8の点b3及び点b4に示すように、第1膨張弁13で減圧された低圧冷媒は、室外熱交換器14に流入して、室外送風機から送風された外気へ放熱する。室外熱交換器14の出口における冷媒は、気液二相状態となる。

0227

一方、図8の点b2及び点b5に示すように、第2膨張弁15に流入した高圧冷媒は、上述した過熱度制御に従った減圧量で、低圧冷媒となるまで減圧される。第2膨張弁15の開度は、過熱度制御に従って通常状態よりも小さく変更されている。従って、第2膨張弁15から流出する冷媒は、第1膨張弁13から流出する冷媒よりも低圧となる。

0228

そして、図8の点b5及び点b6に示すように、第2膨張弁で減圧された低圧冷媒は、低圧側熱交換器16に流入して、低温冷却水回路22の冷却水から吸熱して蒸発する。これにより、低温冷却水回路22の冷却水が冷却される。

0229

上述した過熱度制御によって、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度が通常よりも大きく変更されている為、低圧側熱交換器16内における冷媒は、ほぼ気相状態となる。これにより、低圧側熱交換器16における温度効率が低下する。

0230

従って、低圧側熱交換器16において冷却される冷却水の温度低下は、通常状態よりも少なくなる。即ち、冷凍サイクル装置10によれば、冷却対象機器であるクーラコア26を冷却する冷却水の過冷却を抑制することができ、もって、クーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。

0231

ここで、低圧側熱交換器16における圧力損失は、室外熱交換器14における冷媒流量と低圧側熱交換器16における冷媒流量が異なる為、室外熱交換器14における圧力損失よりも小さな値を示している。

0232

そして、図8の点b4及び点b7と、点b6及び点b7に示すように、室外熱交換器14から流出した冷媒は、低圧側熱交換器16から流出した冷媒と合流する。図8の点b7に示す合流時における冷媒の過熱度は、1K〜5Kである状態であることが望ましい。

0233

図8の点b7及び点b1に示すように、室外熱交換器14及び低圧側熱交換器16の下流側で合流すると、冷媒は、圧縮機11の吸入側へと流れて再び圧縮機11にて圧縮される。

0234

このように第2実施形態においても、冷凍サイクル装置10は、除湿暖房モードで過熱度制御を行った場合に、クーラコア26にて冷却され除湿された車室内送風空気を、ヒータコア24にて加熱して車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の除湿暖房を実現することができる。

0235

この為、冷凍サイクル装置10は、除湿暖房モードで作動することで、車室内を除湿しつつ所望の温度に暖房することができ、車室内の快適性を高めることができる。

0236

そして、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を通常状態よりも大きな値とすることで、低圧側熱交換器16における温度効率を低下させることができる。

0237

これにより、冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16を含む低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度低下を抑制できる為、冷却水によって冷却される冷却対象機器の温度低下を抑制することができる。

0238

又、この過熱度制御を行った場合であっても、空気冷媒熱交換器である室外熱交換器14の温度効率は、図4に示すようにその能力を維持している。従って、冷凍サイクル装置10は、冷却対象機器の過冷却を抑制した場合であっても、室外熱交換器14における吸熱量を確保することができる。

0239

つまり、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、ステップS20を実行することで、除湿暖房モードにおける暖房性能を保ちつつ、クーラコア26の過冷却及び着霜を防止することができる。更に、車両用空調装置1は、クーラコア26の着霜に起因する風量の低下を防止することができる。

0240

以上説明したように、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、第1実施形態と同様に、冷凍サイクル装置10、高温冷却水回路21、低温冷却水回路22の作動を制御することにより、車室内の適切な冷房、暖房および除湿暖房を実行することができ、車室内の快適な空調を実現することができる。

0241

図7に示すように、第2実施形態における冷凍サイクル装置10においては、高圧側熱交換器12の下流側において、第1膨張弁13及び室外熱交換器14と、第2膨張弁15及び低圧側熱交換器16とが、冷媒の流れに対して相互に並列に接続されている。

0242

この構成においても、制御装置40は、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性があると判定した場合(S10:YES)、過熱度制御(S20)を実行する。具体的には、第1膨張弁13の減圧量に対する第2膨張弁15の減圧量の比を通常状態よりも大きくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を上昇させる。これにより、冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と同様に、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を大きく低下させることができる。

0243

そして、冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を低下させることで、クーラコア26を冷却する冷却水の温度を一定以上に保つことができる。

0244

即ち、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、低温環境において除湿暖房モードで作動させた場合であっても、室外熱交換器14における外気からの吸熱量を保ちつつ、冷却水によって冷却されるクーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。

0245

又、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、定圧弁等の他の構成を必要とすることなく、クーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。即ち、この冷凍サイクル装置10も、部品点数の増加やサイクル構成の複雑化を招くことはない。

0246

又、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性は、クーラコア温度センサ44によって検出されるクーラコア26本体の温度と判定基準値とを比較して判定されている。従って、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置10も、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性を高い精度で判定できる。

0247

ここで、第2実施形態における過熱度制御(S20)では、第1膨張弁13の開度を変更することなく、第2膨張弁15の開度を通常状態よりも小さくしていたが、この態様に限定されるものではない。

0248

即ち、この場合における過熱度制御(S20)としては、第1膨張弁13及び第2膨張弁15の合成開度によって、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を制御すればよい。

0249

第1膨張弁13における減圧量と第2膨張弁15における減圧量の比によって、室外熱交換器14と低圧側熱交換器16に対する冷媒の流量分配を調整して、各々から流出する冷媒の過熱度を制御してもよい。

0250

(第3実施形態)
続いて、上述した各実施形態とは異なる第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、上述した各実施形態と同様に、高温冷却水回路21及び低温冷却水回路22と共に、車両用空調装置1を構成している。

0251

第3実施形態においては、冷凍サイクル装置10、高温冷却水回路21、低温冷却水回路22及び室内空調ユニット30の各構成及び配置は、第2実施形態と基本的に同様である。第3実施形態では、ステップS20における過熱度制御の内容が主に相違する。

0252

従って、以下の説明において、第1実施形態、第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。

0253

第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、基本的に第2実施形態と同様の配置である。即ち、図7に示すように、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10では、高圧側熱交換器12の下流側において、第1膨張弁13及び室外熱交換器14と、第2膨張弁15及び低圧側熱交換器16は、冷媒の流れに対して相互に並列に接続されている。

0254

そして、第3実施形態においても、除湿暖房モードで作動している場合には、制御装置40は、図3に示す制御プログラムを制御装置40のROMから読み出して実行する。

0255

この場合のステップS10でも、制御装置40は、冷却対象機器(例えば、クーラコア26)が過冷却となる危険性を判定する。この判定に係る処理内容は、上述した実施形態と同様である。

0256

ステップS20においては、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を通常状態よりも大きくする為に、過熱度制御が実行される。第3実施形態においては、この過熱度制御の処理内容が、第2実施形態と相違している。

0257

第3実施形態における過熱度制御(S20)では、制御装置40は、第1膨張弁13の開度(即ち、流路面積)を変更することなく、周期的に第2膨張弁15の開度(即ち、流路面積)を小さく変更する。具体的には、制御装置40は、第2膨張弁15を周期的に全閉することで、低圧側熱交換器16に対して冷媒を間欠的に流すように制御する。

0258

即ち、第1膨張弁13及び第2膨張弁15の開度が何れも所定の開度である状態が、本発明における通常状態に相当する。そして、第1膨張弁13の開度は所定の開度であり、第2膨張弁15が全閉されている状態が、本発明における過熱度増大状態に相当する。

0259

これにより、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度は、通常状態の過熱度と、全閉直前の過熱度の間で周期的に変動することになり、時間平均をとると通常状態よりも大きくなる。

0260

即ち、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10においては、過熱度制御(S20)を実行することで、低圧側熱交換器16における温度効率を時間平均で低下させることができる。

0261

これにより、低圧側熱交換器16を含む低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度低下が抑制される為、冷凍サイクル装置10は、冷却水によって冷却される冷却対象機器の温度低下を抑制することができる。

0262

又、この過熱度制御を行った場合であっても、空気冷媒熱交換器である室外熱交換器14の温度効率は、図4に示すようにその能力を維持している。従って、冷凍サイクル装置10は、冷却対象機器の過冷却を抑制した場合であっても、室外熱交換器14における吸熱量を確保することができる。

0263

つまり、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、ステップS20を実行することで、除湿暖房モードにおける暖房性能を保ちつつ、クーラコア26の過冷却及び着霜を防止することができる。更に、車両用空調装置1は、クーラコア26の着霜に起因する風量の低下を防止することができる。

0264

以上説明したように、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、第2実施形態と同様に、冷凍サイクル装置10、高温冷却水回路21、低温冷却水回路22の作動を制御することにより、車室内の適切な冷房、暖房および除湿暖房を実行することができ、車室内の快適な空調を実現することができる。

0265

第3実施形態における冷凍サイクル装置10では、高圧側熱交換器12の下流側において、第1膨張弁13及び室外熱交換器14と、第2膨張弁15及び低圧側熱交換器16とが、冷媒の流れに対して相互に並列に接続されている。

0266

この構成において、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性があると判定された場合(S10:YES)、制御装置40は、第1膨張弁13の開度に対する第2膨張弁15の開度の比が所定値を示す通常状態と、第1膨張弁13の開度に対する第2膨張弁15の比が通常状態よりも小さな過熱度増大状態とを周期的に変化させる(S20)。

0267

これにより、冷凍サイクル装置10は、第2実施形態と同様に、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を大きく低下させることができる。

0268

即ち、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、低温環境において除湿暖房モードで作動させた場合であっても、室外熱交換器14における外気からの吸熱量を保ちつつ、冷却水によって冷却されるクーラコア26の過冷却及び着霜を抑制できる。

0269

又、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、上述した第2実施形態と同様の効果を発揮することができる。

0270

ここで、第3実施形態における過熱度制御(S20)では、第1膨張弁13の開度を変更することなく、第2膨張弁15の開度を周期的に全閉していたが、この態様に限定されるものではない。即ち、第1膨張弁13の開度に対する第2膨張弁15の開度の比を、周期的に通常状態と比較して小さくすることができれば、種々の態様を採用できる。

0271

例えば、第1膨張弁13の開度を変更しない場合においては、第2膨張弁15を全閉する場合に限られるものではなく、第2膨張弁15の開度を通常状態より小さくする態様であってもよい。又、第2膨張弁15の開度を変更することなく、第1膨張弁13の開度を周期的に通常状態よりも大きくする構成としてもよい。

0272

そして、第3実施形態においては、本発明における第2減圧部として第2膨張弁15を用いていたが、この態様に限定されるものではない。本発明においては、高圧側熱交換器12から低圧側熱交換器16に向かって流れる冷媒流路上において、冷媒の減圧量を変更可能な構成であれば、種々の態様を採用することができる。

0273

例えば、図9に示すように、第3実施形態における第2膨張弁15に代えて、開閉弁15aと、開閉弁15aの下流側に位置する箱型膨張弁15bを採用しても良い。

0274

この場合、開閉弁15aは、高圧側熱交換器12から低圧側熱交換器16へ向かる冷媒流路を開放又は遮断する。箱型膨張弁15bは、開閉弁15aから流出した液相冷媒を減圧膨張させて低圧冷媒とする。

0275

図9に示す構成を採用した場合であっても、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10と同様の効果を発揮させることができる。

0276

又、図9における開閉弁15aと箱型膨張弁15bとの組み合わせに限定されるものではなく、種々の態様を採用することができる。例えば、開閉弁15aに対して冷媒流れの下流側に固定絞りを配置してもよい。この構成であっても、第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10と同様の効果を発揮させることができる。

0277

(第4実施形態)
又、低温冷却水回路22における冷却水で冷却される冷却対象機器は、上述した実施形態におけるクーラコア26に限定されるものではない。本発明における冷却対象機器として、車両走行用のバッテリ27を採用した第4実施形態について、図10を参照しつつ説明する。

0278

図10に示すように、第4実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、室外熱交換器12a、第1膨張弁13、車両用冷却器14a、第2膨張弁15、低圧側熱交換器16を有して構成されている。

0279

そして、第4実施形態に係る冷凍サイクル装置10では、第1実施形態と同様に、冷媒の流れに対して室外熱交換器12aの下流側に、第1膨張弁13、車両用冷却器14a、第2膨張弁15、低圧側熱交換器16の順で直列に配置されている。

0280

第4実施形態における室外熱交換器12aは、前記圧縮機11から吐出された前記冷媒を凝縮させた凝縮熱車室外へ放熱する。即ち、第4実施形態に係る室外熱交換器12aは、本発明における放熱器として機能する。

0281

そして、車両用冷却器14aは、室内空調ユニット30内に設置されたクーラコア26の代わりに設置され、冷媒と空気を熱交換させることにより車室内を冷房する。即ち、車両用冷却器14aは、本発明における蒸発器として機能する。

0282

又、第4実施形態における低温冷却水回路22は、上述した低圧側熱交換器16、低温側ポンプ25を有しており、クーラコア26に代えてバッテリ27を備えている。即ち、第4実施形態に係る低温冷却水回路22は、低温側ポンプ25の駆動によって冷却用熱媒体としての冷却水を循環させて、バッテリ27を冷却することができる。

0283

そして、第4実施形態に係る低温冷却水回路22において、冷却水の流路は、車両走行用のバッテリ27の外表面に沿って配設されている。従って、このバッテリ27に生じた熱は、低温冷却水回路22における冷却水の流路を介して、低圧側熱交換器16によって冷却された冷却水に放熱される。

0284

そして、第4実施形態においても、制御装置40は、図3に示す制御プログラムを制御装置40のROMから読み出して実行する。

0285

この場合のステップS10では、制御装置40は、冷却対象機器であるバッテリ27が過冷却となる危険性を判定する。具体的には、第4実施形態では、バッテリ温度センサ49により検出されたバッテリ27の温度と、ROMに記憶された判定基準値(例えば、約10℃付近)を比較する。

0286

バッテリ27の温度が判定基準値準値以下で、バッテリ27が過冷却となる危険性があると判定された場合(S10:YES)、第1実施形態と同様に、過熱度制御(S20)が実行される。一方、バッテリ27の温度が判定基準値より高く、バッテリ27が過冷却となる危険性がない(S10:NO)と判定された場合、そのまま制御プログラムの実行が終了される。

0287

第4実施形態におけるステップS20では、制御装置40は、第1実施形態と同様に、過熱度制御を行う。即ち、制御装置40は、第1膨張弁13における減圧量を通常状態よりも大きくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を上昇させる。

0288

これにより、第4実施形態においても、低圧側熱交換器16における温度効率を低下させることができる為、冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16を含む低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度低下を抑制できる。

0289

この結果、冷凍サイクル装置10は、冷却水によって冷却されるバッテリ27の過冷却を抑制することができ、バッテリ27の入力、出力性能の低下を抑制することができる。

0290

以上説明したように、第4実施形態に係る冷凍サイクル装置10において、制御装置40は、冷却対象機器であるバッテリ27の過冷却の危険性があると判定した場合(S10:YES)、過熱度制御(S20)を実行する。

0291

これにより、冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と同様に、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を通常状態よりも大きくすることで、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を大きく低下させることができる。

0292

つまり、冷凍サイクル装置10によれば、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を低下させることで、バッテリ27を冷却する冷却水の温度を一定以上に保つことができる。

0293

即ち、第4実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、低温環境においても、車両用冷却器14aにおける外気からの吸熱量を保ちつつ、冷却水によって冷却されるバッテリ27の過冷却を抑制することができる。

0294

又、冷却対象機器であるバッテリ27の過冷却の危険性は、バッテリ温度センサ49によって検出されるバッテリ27本体の温度と判定基準値とを比較して判定される。即ち、第4実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、冷却対象機器であるバッテリ27の過冷却の危険性を高い精度で判定できる。

0295

ここで、第4実施形態においては、冷却対象機器であるバッテリ27の過冷却を、第1実施形態に相当する構成及び過熱度制御によって抑制していたが、この態様に限定されるものではない。バッテリ27の過冷却を、第2実施形態や第3実施形態に相当する構成及び過熱度制御によって抑制してもよい。

0296

(第5実施形態)
続いて、上述した各実施形態とは異なる第5実施形態について、図11を参照しつつ説明する。第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と同様に、高温冷却水回路21及び低温冷却水回路22と共に、車両用空調装置1を構成している。

0297

ここで、第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、図11に示すように、圧縮機11、高圧側熱交換器12、第1膨張弁13、低圧側熱交換器16を有して構成され、室外熱交換器14及び第2膨張弁15を有していない点で第1実施形態と相違している。

0298

又、第5実施形態における制御系についても、制御装置40の出力側に接続される制御対象機器から第2膨張弁15が除外されている点を除いて、上述した第1実施形態と同様の構成である。そして、第5実施形態においては、制御装置40は冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却を抑制する際に、図3に示す制御プログラムを実行する。

0299

尚、第5実施液体における高温冷却水回路21、低温冷却水回路22及び室内空調ユニット30の各構成については、第1実施形態と同様の構成である。従って、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。

0300

第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と同様に、蒸気圧縮式冷凍機として構成されており、図11に示すように、圧縮機11と、高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、低圧側熱交換器16とを有している。

0301

つまり、第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10においては、圧縮機11から吐出された高圧冷媒は、第1実施形態と同様に、高圧側熱交換器12へ流入して、高温冷却水回路21の冷却水と熱交換して放熱する。これにより、高温冷却水回路21の冷却水が加熱される。従って、圧縮機11は、本発明における圧縮機として機能し、高圧側熱交換器12は、本発明における放熱器として機能する。

0302

次に、高圧側熱交換器12から流出した冷媒は、第1膨張弁13に流入し、低圧冷媒となるまで減圧される。第1膨張弁13で低圧冷媒となるまで減圧された冷媒は、そのまま低圧側熱交換器16に流入して、低温冷却水回路22を循環する冷却水と熱交換する。即ち、第1膨張弁13は、本発明における減圧部として機能し、低圧側熱交換器16は、本発明における熱媒体冷却蒸発器として機能する。

0303

これにより、低温冷却水回路22を循環する冷却水が冷却される。従って、第5実施形態においても、低温冷却水回路22の冷却水によって、クーラコア26が冷却される。即ち、クーラコア26は、本発明における冷却対象機器として機能する。そして、低圧側熱交換器16から流出した冷媒は、再び圧縮機11に流入して、当該冷凍サイクル装置10を循環する。

0304

第5実施形態においても、制御装置40は、図3に示す制御プログラムを制御装置40のROMから読み出して実行することで、冷却対象機器(例えば、クーラコア26)の過冷却を抑制する。

0305

この場合においても、制御装置40は、ステップS10において、冷却対象機器(例えば、クーラコア26)が過冷却となる危険性を判定する。具体的には、第5実施形態においても、クーラコア温度センサ44により検出されたクーラコア26の温度と、ROMに記憶された判定基準値(例えば、約0℃付近)とが比較される。

0306

クーラコア26の温度が判定基準値準値以下で、クーラコア26が過冷却となる危険性があると判定された場合(S10:YES)、過熱度制御(S20)が実行される。一方、クーラコア26の温度が判定基準値より高く、クーラコア26が過冷却となる危険性がない(S10:NO)と判定された場合、そのまま制御プログラムの実行が終了される。

0307

第5実施形態におけるステップS20では、制御装置40は、過熱度制御として、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)に変更する為に、第1膨張弁13における減圧量を通常状態よりも大きくする。

0308

即ち、制御装置40は、第1膨張弁13の開度(即ち、流路面積)を通常状態よりも小さく制御して、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を、通常状態よりも大きな値(例えば、5K以上)に変更する。

0309

これにより、第5実施形態においても、低圧側熱交換器16における温度効率を低下させることができる。そして、当該冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16を含む低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度低下を抑制して、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却を抑制することができる。

0310

以上説明したように、第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10によれば、第1実施形態と同様に、圧縮機11、高圧側熱交換器12、第1膨張弁13、低圧側熱交換器16から構成されて冷凍サイクル装置10と、高温冷却水回路21と、低温冷却水回路22との作動を制御することにより、車室内の快適な空調を実現することができる。

0311

この構成においても、制御装置40は、冷却対象機器であるクーラコア26の過冷却の危険性があると判定した場合(S10:YES)、過熱度制御(S20)を実行する。具体的には、第1膨張弁13における減圧量を通常状態よりも大きくすることで、低圧側熱交換器16から流出する冷媒の過熱度を上昇させる。

0312

これにより、冷凍サイクル装置10は、第1実施形態と同様に、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を大きく低下させることができる。そして、冷凍サイクル装置10は、低圧側熱交換器16における冷媒と冷却水との間の温度効率を低下させることで、クーラコア26を冷却する冷却水の温度を一定以上に保つことができる。

0313

即ち、第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、冷却水によって冷却されるクーラコア26の過冷却及び着霜を抑制することができる。又、第5実施形態に係る冷凍サイクル装置10は、定圧弁等の他の構成を必要とすることなく、クーラコア26の過冷却を抑制することができる。即ち、この冷凍サイクル装置10も、部品点数の増加やサイクル構成の複雑化を招くことはない。

0314

(他の実施形態)
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した各実施形態を適宜組み合わせても良い。

0315

又、上述した実施形態を、例えば、以下のように種々変形することも可能である。
(1)本発明における冷却対象機器は、上述した各実施形態におけるクーラコア26やバッテリ27に限定されるものではない。例えば、本発明における冷却対象機器として、以下の機器を採用することも可能である。

0316

本発明における冷却対象機器として、車両を駆動する為のモータを採用することも可能である。冷却水によってモータが過冷却されてしまうと、モータ内部におけるオイル(即ち、潤滑油)の粘性上がり動力伝達効率が悪化してしまう為である。

0317

又、本発明における冷却対象機器として、電気直流交流とに相互に変換するインバータを採用しても良い。冷却水によってインバータが過冷却された場合、スイッチング素子の過冷却を誘引し、結露が発生する危険性が高まる為である。

0318

そして、本発明における冷却対象機器として、電圧を変換するDC−DCコンバータを採用しても良い。冷却水によってDC−DCコンバータが過冷却された場合、スイッチング素子の過冷却を誘引し、結露が発生する危険性が高まる為である。

0319

又、本発明における冷却対象機器として、吸入した過給機を冷却する為の水冷インタークーラを採用しても良い。冷却水によって水冷インタークーラが過冷却された場合、過冷却により発生した結露水がエンジンに流入し、エンジンの故障原因となる為である。

0320

(2)上述した第1実施形態〜第3実施形態、第5実施形態のステップS10においては、冷却対象機器であるクーラコア26が過冷却となる危険性を、クーラコア温度センサ44により検出されるクーラコア26の温度を用いて判定していたが、これに限定されるものではない。クーラコア26が過冷却となる危険性を判定可能であれば、種々の態様を採用しうる。

0321

例えば、ステップS10の判定処理において、図2に示す冷風吹出温度センサ45により検出したクーラコア26を通過した空気の温度と、ROMに格納されている判定基準値(例えば、約0℃付近)とを比較することで行っても良い。

0322

又、ステップS10の判定処理において、図2に示す冷却水温度センサ46により検出した低温冷却水回路22を循環する冷却水の温度と、ROMに格納されている判定基準値(例えば、約0℃付近)とを比較することで行っても良い。

0323

そして、ステップS10の判定処理において、図2に示す冷媒圧力センサ47により検出した冷凍サイクルの低圧側を流れる冷媒の圧力と、ROMに格納されている判定基準値(例えば、約0℃の飽和圧付近)とを比較することで行っても良い。

0324

同様に、ステップS10の判定処理において、図2に示す冷媒温度センサ48により検出した冷凍サイクルの低圧側を流れる冷媒の温度と、ROMに格納されている判定基準値(例えば、約0℃付近)とを比較することで行っても良い。

0325

又、ステップS10においては、クーラコア温度センサ44〜冷媒温度センサ48で検出される複数の物理量を用いて、クーラコア26の過冷却を総合的に判定しても良い。

0326

そして、第4実施形態においても、冷却水温度センサ46、冷媒圧力センサ47、冷媒温度センサ48の計測値に応じて、バッテリ27の過冷却を判定することも可能である。この場合における過冷却判定の判定基準値は、冷却対象機器であるバッテリ27の特性等によって定められる。

0327

(3)上述した実施形態では、高圧側熱交換器12で発生した高温の冷却水を高温側ポンプ23にてヒータコア24へ送水し、室内送風機32により熱交換させて暖房を行っていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、室内空調ユニット30内に、高圧冷媒と空気を熱交換する室内熱交換器を設置し、室内送風機32を作動させることで熱交換させて暖房を行ってもよい
(4)上述した各実施形態では、冷却対象機器を冷却するための熱媒体として冷却水を用いているが、油などの各種媒体を熱媒体として用いてもよい。

0328

熱媒体として、ナノ流体を用いてもよい。ナノ流体とは、粒子径ナノメートルオーダーナノ粒子混入された流体のことである。ナノ粒子を熱媒体に混入させることで、エチレングリコールを用いた冷却水のように凝固点を低下させて不凍液にする作用効果に加えて、次のような作用効果を得ることができる。

0329

即ち、特定の温度帯での熱伝導率を向上させる作用効果、熱媒体の熱容量を増加させる作用効果、金属配管防食効果ゴム配管劣化を防止する作用効果、および極低温での熱媒体の流動性を高める作用効果を得ることができる。

0330

このような作用効果は、ナノ粒子の粒子構成、粒子形状、配合比率付加物質によって様々に変化する。

0331

これによると、熱伝導率を向上させることができるので、エチレングリコールを用いた冷却水と比較して少ない量の熱媒体であっても同等の冷却効率を得ることが可能になる。

0332

又、熱媒体の熱容量を増加させることができるので、熱媒体自体の顕熱による蓄冷熱量を増加させることができる。

0333

蓄冷熱量を増加させることにより、圧縮機11を作動させない状態であっても、ある程度の時間は蓄冷熱を利用した機器の冷却、加熱の温度調節が実現できる。

0334

ナノ粒子のアスペクト比は50以上であるのが好ましい。十分な熱伝導率を得ることができるからである。アスペクト比は、ナノ粒子の縦×横の比率を表す形状指標である。

0335

ナノ粒子としては、Au、Ag、CuおよびCのいずれかを含むものを用いることができる。具体的には、ナノ粒子の構成原子として、Auナノ粒子、Agナノワイヤー、CNTグラフェングラファイトコアシェル型ナノ粒子、およびAuナノ粒子含有CNTなどを用いることができる。

0336

CNTはカーボンナノチューブである。グラファイトコアシェル型ナノ粒子は、上記原子を囲むようにカーボンナノチューブ等の構造体があるような粒子体である。

0337

(5)上述した各実施形態の冷凍サイクル装置10では、冷媒としてフロン系冷媒を用いているが、冷媒の種類はこれに限定されるものではない。本発明における冷媒として、二酸化炭素等の自然冷媒や炭化水素系冷媒等を用いてもよい。

0338

また、上述した各実施形態における冷凍サイクル装置10は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルを構成していてもよい。

0339

10冷凍サイクル装置
11圧縮機
12高圧側熱交換器
13 第1膨張弁(第1減圧部)
14室外熱交換器(冷媒外気熱交換器
15 第2膨張弁(第2減圧部)
16低圧側熱交換器
26クーラコア
40制御装置(制御部)
44 クーラコア温度センサ

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