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技術 連結具

出願人 大倉憲峰大倉義邦
発明者 大倉憲峰大倉義邦
出願日 2016年9月2日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-172140
公開日 2018年3月8日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-035642
状態 特許登録済
技術分野 建築構造の接合一般 異常な外部の影響に耐えるための建築物 振動減衰装置 建築構造一般
主要キーワード 緩衝軸 変形孔 上下二列 弾塑性変形 冷間圧造用炭素鋼 過荷重 最適形状 圧延棒鋼
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

衝撃を吸収する機能を備え、低コスト汎用性にも優れた棒状の連結具を提供すること。

解決手段

部材31、41同士を一体化する連結具は、短軸棒11、12と緩衝軸21で構成する。短軸棒11、12は、個々の部材31、41に設けた下穴35、45に埋め込み、且つ複数本同軸線上に並ぶ。さらに短軸棒11、12は、ドリフトピン29などを用い、埋め込まれた部材31、41と一体化させる。また緩衝軸21は、隣接する短軸棒11、12同士を結び、且つ短軸棒11、12よりも弾塑性変形を生じやすい素材を用い、隣接する部材31、41の境界を跨ぐように配置する。そして緩衝軸21の両端部にはオネジ22を設け、短軸棒11、12の端面にはメネジ18を設け、双方の螺合により、緩衝軸21を介して短軸棒11、12を一体化する。緩衝軸21が衝撃を吸収するほか、短軸棒11、12を自在に選択できるため、低コストで汎用性にも優れる。

概要

背景

木造建築を始めとする各種木構造において、隣接する部材同士一体化する方法は様々だが、近年は強度やコストなどの観点から、棒状の金物を用いることも多い。この棒状の金物は、ホゾパイプホゾシャフトなどと称され、部材同士の境界を貫通するように埋め込んだ後、部材の表面からドリフトピンなどを打ち込むと、この金物を介して部材同士が一体化される。このような金物に関しては、様々な技術開発が進められており、後記の両特許文献のように、衝撃を吸収する機能を有するものも公開されている。

特許文献1では、接合された木材同士を引き離す方向に荷重が作用した場合でも、木材の割れを生じにくくする接合金物が開示されている。この接合金物はパイプ状で、土台と柱など、隣接する木材同士を貫通するように埋め込んだ後、個々の木材の表面から接合金物に向けてピン打ち込み、接合金物を介して木材同士を一体化する。さらに接合金物の中間付近変形孔を設け、接合金物の強度を意図的に低下させている。この変形孔は、木材同士の境界付近に位置しており、接合された木材に過大な引張荷重が作用した場合、変形孔の周辺で大きな弾塑性変形を生じ、衝撃が吸収され、木材の割れを防ぐ。

次の特許文献2では、部材同士を連結するホゾパイプが開示されている。このホゾパイプは、先の特許文献1と同様、隣接する部材同士を貫通するように埋め込んだ後、個々の部材の表面からホゾパイプに向けてドリフトピンなどを打ち込み、ホゾパイプを介して部材同士を一体化する。さらにホゾパイプの中間付近に拡張部を設け、弾塑性変形を生じやすくしている。拡張部は、ホゾパイプの全周を半径方向に膨張させたもので、この部分がバネのように機能し、衝撃が吸収される。当然ながら拡張部は、隣接する二部材の境界付近に配置する。

概要

衝撃を吸収する機能を備え、低コスト汎用性にも優れた棒状の連結具を提供すること。 部材31、41同士を一体化する連結具は、短軸棒11、12と緩衝軸21で構成する。短軸棒11、12は、個々の部材31、41に設けた下穴35、45に埋め込み、且つ複数本同軸線上に並ぶ。さらに短軸棒11、12は、ドリフトピン29などを用い、埋め込まれた部材31、41と一体化させる。また緩衝軸21は、隣接する短軸棒11、12同士を結び、且つ短軸棒11、12よりも弾塑性変形を生じやすい素材を用い、隣接する部材31、41の境界を跨ぐように配置する。そして緩衝軸21の両端部にはオネジ22を設け、短軸棒11、12の端面にはメネジ18を設け、双方の螺合により、緩衝軸21を介して短軸棒11、12を一体化する。緩衝軸21が衝撃を吸収するほか、短軸棒11、12を自在に選択できるため、低コストで汎用性にも優れる。

目的

また緩衝軸により、連結された部材の間に過大な引張荷重が作用した場合でも、衝撃を吸収して部材の破損を防ぎ、安全性に優れた木造建築を低コストで提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

複数の部材(31、41、51)を一体化するために用いる連結具であって、個々の前記部材(31、41、51)に設けた下穴(35、45、55)に埋め込み且つ同軸線上に並ぶ複数本短軸棒(11乃至16)と、隣接する該短軸棒(11乃至16)同士を結ぶ緩衝軸(21)と、からなり、前記短軸棒(11乃至16)は、埋め込まれた前記部材(31、41、51)と一体化させ、前記緩衝軸(21)は、前記短軸棒(11乃至16)よりも弾塑性変形を生じやすい素材を用い、且つ隣接する前記部材(31、41、51)の境界を跨ぐように配置し、前記緩衝軸(21)は、前記短軸棒(11乃至16)よりも小径で且つその両端部にはオネジ(22)を設けてあり、前記短軸棒(11乃至16)の端面にはメネジ(18)を設けてあり、該オネジ(22)と該メネジ(18)との螺合により、前記緩衝軸(21)を介し、同軸線上に並ぶ複数本の前記短軸棒(11乃至16)を全て一体化してあることを特徴とする連結具。

技術分野

0001

本発明は、各種木構造において、隣接する部材同士一体化するため、部材に埋め込む棒状の連結具に関する。

背景技術

0002

木造建築を始めとする各種木構造において、隣接する部材同士を一体化する方法は様々だが、近年は強度やコストなどの観点から、棒状の金物を用いることも多い。この棒状の金物は、ホゾパイプホゾシャフトなどと称され、部材同士の境界を貫通するように埋め込んだ後、部材の表面からドリフトピンなどを打ち込むと、この金物を介して部材同士が一体化される。このような金物に関しては、様々な技術開発が進められており、後記の両特許文献のように、衝撃を吸収する機能を有するものも公開されている。

0003

特許文献1では、接合された木材同士を引き離す方向に荷重が作用した場合でも、木材の割れを生じにくくする接合金物が開示されている。この接合金物はパイプ状で、土台と柱など、隣接する木材同士を貫通するように埋め込んだ後、個々の木材の表面から接合金物に向けてピン打ち込み、接合金物を介して木材同士を一体化する。さらに接合金物の中間付近変形孔を設け、接合金物の強度を意図的に低下させている。この変形孔は、木材同士の境界付近に位置しており、接合された木材に過大な引張荷重が作用した場合、変形孔の周辺で大きな弾塑性変形を生じ、衝撃が吸収され、木材の割れを防ぐ。

0004

次の特許文献2では、部材同士を連結するホゾパイプが開示されている。このホゾパイプは、先の特許文献1と同様、隣接する部材同士を貫通するように埋め込んだ後、個々の部材の表面からホゾパイプに向けてドリフトピンなどを打ち込み、ホゾパイプを介して部材同士を一体化する。さらにホゾパイプの中間付近に拡張部を設け、弾塑性変形を生じやすくしている。拡張部は、ホゾパイプの全周を半径方向に膨張させたもので、この部分がバネのように機能し、衝撃が吸収される。当然ながら拡張部は、隣接する二部材の境界付近に配置する。

先行技術

0005

特開2011−226175号公報
特開2012−52382号公報

発明が解決しようとする課題

0006

前記特許文献1で開示された接合金物や、前記特許文献2で開示されたホゾパイプは、その特異な構造から多品種少量生産が難しく、個別の要望に応じた最適形状製品を低価格で供給することも難しい。そのため両文献で開示された技術は、量産化が見込める場合など、限られた条件での普及に留まっている。しかし、衝撃を吸収する機能は地震対策として極めて有効で、両特許文献のような技術を一段進化させ、汎用性やコストといった課題を克服した新しい連結具が待ち望まれている。

0007

本発明はこうした実情を基に開発されたもので、衝撃を吸収する機能を備え、低コストで汎用性にも優れた棒状の連結具の提供を目的としている。

課題を解決するための手段

0008

前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、複数の部材を一体化するために用いる連結具であって、個々の前記部材に設けた下穴に埋め込み且つ同軸線上に並ぶ複数本短軸棒と、隣接する該短軸棒同士を結ぶ緩衝軸と、からなり、前記短軸棒は、埋め込まれた前記部材と一体化させ、前記緩衝軸は、前記短軸棒よりも弾塑性変形を生じやすい素材を用い、且つ隣接する前記部材の境界を跨ぐように配置し、前記緩衝軸は、前記短軸棒よりも小径で且つその両端部にはオネジを設けてあり、前記短軸棒の端面にはメネジを設けてあり、該オネジと該メネジとの螺合により、前記緩衝軸を介し、同軸線上に並ぶ複数本の前記短軸棒を全て一体化してあることを特徴とする連結具である。

0009

本発明による連結具は、従来のように一本の金属棒で構成される訳ではなく、複数本の短軸棒を緩衝軸で一体化したことを特徴とする。したがって全ての短軸棒は、同軸線上に並ぶ。また短軸棒は、原則として連結される部材ごとに一本の割り当てとなるが、多数の部材を積層させたような場合、一本の短軸棒が複数の部材をまとめて貫通することもある。なお、隣接する二部材をT字状やL字状に連結するケースでは、短軸棒は二本で、個々の部材に一本の短軸棒を埋め込み、二本の短軸棒を緩衝軸で一体化する。ただし条件によっては、一箇所の連結構造において、複数組の連結具を配置することもある。

0010

短軸棒が埋め込まれる部材は、各種木材を前提としており、部材には、あらかじめ短軸棒を埋め込むため、下穴を加工しておく。そして短軸棒は、何らかの手段で部材と一体化し、部材からの抜けを防ぐ必要がある。その具体例としては、部材と短軸棒を貫通するように、ドリフトピンやボルトを差し込むといった方法が挙げられる。他の具体例としては、ラグスクリュー異形棒鋼を短軸棒として利用する方法が挙げられる。ラグスクリューを用いた場合、その側周面から突出する凸条が部材に食い込み、ラグスクリューが固定される。また異形棒鋼を用いた場合、接着剤で部材に固定する。

0011

緩衝軸は、短軸棒よりも小径で、しかも引張荷重が作用した際、弾塑性変形を生じ、衝撃を吸収できる必要がある。ただし日常的な荷重で大きな変形を生じるならば、建築物などの剛性を低下させる。そこで地震などで突発的に過大な荷重が作用した場合に限り、有効に機能するよう、強度を調整する。なお緩衝軸は、短軸棒よりも小径で必然的に応力が増大し、変形を生じやすくなる。

0012

短軸棒の素材の具体例としては、引張荷重が作用した際も弾塑性変形を生じにくい冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)が挙げられる。また緩衝軸については、建築構造圧延棒鋼(SNR)が挙げられる。建築構造用圧延棒鋼は、じん性に優れ衝撃荷重を吸収しやすく、過荷重に対し、破断することなく塑性変形を生じやすい。しかもこれらの素材は、入手や加工に大きな問題がなく、従来の製造技術を流用できる。

0013

緩衝軸の両端部にはオネジを形成し、短軸棒の端面には、このオネジと螺合するメネジを形成し、双方を螺合させることで、緩衝軸を介し、隣接する二本の短軸棒を一体化する。なお実際には、オネジとメネジとの緩みを防ぐため、オネジにナットを螺合させ、このナットを短軸棒の端面に密着させ、オネジとメネジとの摩擦を増やす。当然ながらこのナットは、短軸棒の側周面から突出させないようにする。

0014

このように、複数本の短軸棒を緩衝軸で一体化した連結具を用いることで、部材間に過大な引張荷重が作用した場合でも、緩衝軸が弾塑性変形することで衝撃を吸収し、部材の破損を防ぐ。しかも本発明では、短軸棒や緩衝軸を適宜選択し、施工箇所に応じた最適形状の連結具を都度製造することが容易で、加えてオネジとメネジとの螺合長さを変えることで、短軸棒の埋め込み位置の微調整も実現でき、汎用性が極めて高く、あらゆる連結構造で使用可能である。

発明の効果

0015

請求項1記載の発明のように、複数本の短軸棒を緩衝軸で一体化した連結具を用いることで、短軸棒と緩衝軸を適宜組み合わせ、連結具の構成や全長などを自在に調整できる。そのため本発明品は、極めて汎用性が高く、短軸棒や緩衝軸を都度製造する必要がなく、限られた種類の在庫を持つだけで、あらゆる連結構造に対応でき、コスト面でも有利である。また緩衝軸により、連結された部材の間に過大な引張荷重が作用した場合でも、衝撃を吸収して部材の破損を防ぎ、安全性に優れた木造建築を低コストで提供することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明による連結具の形状例とその使用例を示す斜視図で、連結具を用い、柱と横架材をT字状に一体化する。
図1の二部材をT字状に一体化した状態を示す斜視図と縦断面図で、柱の上端面と、横架材の下面が接触している。
図1の二部材を一体化した後、この二部材を引き離す方向に過大な荷重が作用した場合を示す縦断面図で、図上方には、緩衝軸が引き伸ばされた状態を描いてあり、図下方には、その後に押し戻された状態を描いてある。
三本の短軸棒で構成される連結具と、その使用状態を示す斜視図で、横架材を挟むように柱を配置し、これらを十字状に一体化する。
図4の三部材を十字状に一体化した状態と、ここで用いた連結具の形状を示す斜視図である。
連結具を構成する二本の短軸棒のうち、一方にラグスクリューを用いたほか、横架材の端面を柱の側面に接触させ、これらをL字状に一体化する場合を示す斜視図である。
図6の二部材をL字状に一体化する過程を示す斜視図で、施工時は、まずラグスクリューだけを柱に埋め込む。
図6の一部を変更した形態を示す斜視図で、横架材に埋め込む短軸棒として、異形棒鋼を用いている。

実施例

0017

図1は、本発明による連結具の形状例とその使用例を示す。この連結具は、同軸線上に並ぶ二本の短軸棒11、12を緩衝軸21で一体化した形状で、柱に相当する部材31と、横架材に相当する部材41をT字状に一体化するために用いる。二本の短軸棒11、12は、その側周面にドリフトピン29などを差し込み、部材31、41と一体化する構造で、いずれの短軸棒11、12とも同径だが、下方の短軸棒11は部材31に埋め込まれ、上方の短軸棒12は部材41に埋め込まれ、上下の短軸棒11、12を緩衝軸21で一体化する。そのため緩衝軸21の中央を除く両端部には、オネジ22を形成してある。また下方の短軸棒11の上端面と、上方の短軸棒12の下端面には、このオネジ22と螺合するメネジ18を形成してある。さらに、オネジ22とメネジ18との緩みを防ぐため、ナット23を用いている。

0018

柱に相当する部材31の上端面中央には、短軸棒11を埋め込むため、下穴35を加工してある。この下穴35は有底で、短軸棒11を緩みなく嵌め込み可能な内径仕上げてある。また、埋め込まれた短軸棒11を部材31と一体化するため、部材31の側面から短軸棒11に向け、ドリフトピン29を打ち込む。そのため部材31の側面には、下穴35と交差して反対面に抜けるピン孔39を加工してあり、さらに短軸棒11の側周面には、側孔19を形成してある。当然ながらピン孔39と側孔19は、同心に揃うよう、設計を行う。なお部材31に関しては、直交する二側面の両方にピン孔39を加工してあり、ドリフトピン29は、真上から見て十字状に打ち込まれる。

0019

横架材に相当する部材41については、短軸棒12を埋め込むため、その上下面を貫通するように下穴45を加工してある。また、ドリフトピン29を打ち込むためのピン孔49は、上下三列が平行に揃う。このように、ピン孔39、49の配置は部材31、41毎に様々だが、本発明では、短軸棒11、12を適宜選択することで、ピン孔39、49の配置に対する柔軟性が高く、利便性に優れている。

0020

施工時は、まず緩衝軸21とナット23を用い、二本の短軸棒11、12を強固に一体化するほか、部材31、41に下穴35、45やピン孔39、49を加工する。次に、下方の部材31の下穴35に短軸棒11を埋め込み、そのピン孔39と側孔19を同心に揃え、ピン孔39から側孔19に向け、ドリフトピン29を打ち込み、短軸棒11を部材31と一体化させる。その後、短軸棒12の上端を部材41の下穴45に差し込み、上下の部材31、41が接触すると、側孔19とピン孔49が同心に揃う。そこで、ピン孔49から側孔19に向け、ドリフトピン29を打ち込むと、連結具を介し、上下の部材31、41が一体化する。なおこの手順とは逆に、短軸棒12を部材41に埋め込んだ後、短軸棒11を部材31に埋め込んでも構わない。

0021

図2は、図1の二部材31、41をT字状に一体化した状態を示し、柱に相当する部材31の上端面と、横架材に相当する部材41の下面が接触している。また部材31の下穴35には短軸棒11が埋め込まれ、部材41の下穴45には短軸棒12が埋め込まれ、上下に並ぶ二本の短軸棒11、12を緩衝軸21で一体化している。したがって、二部材31、41を引き離す方向に作用する荷重は、緩衝軸21が単独で受け止める。このように緩衝軸21は、連結構造の剛性を確保する上で極めて重要で、その素材や直径や長さは、諸条件を考慮して決める必要がある。

0022

上下の短軸棒11、12は、緩衝軸21で一体化されているが、オネジ22とメネジ18との螺合長さを調整することで、隣接する短軸棒11、12の間隔を微調整することも容易である。したがって、あらかじめ短軸棒11、12に側孔19を形成してある場合でも、部材31、41に加工するピン孔39、49の位置を柔軟に決めることができ、施工時の利便性に優れる。そのほかドリフトピン29は、部材31、41との摩擦で保持され、不用意脱落することはない。

0023

図3は、図1の二部材31、41を一体化した後、この二部材31、41を引き離す方向に過大な荷重が作用した場合を示す。図3上方の「引き伸ばされた状態」では、荷重によって緩衝軸21が引き伸ばされ、二部材31、41の境界に隙間が生じている。このように、緩衝軸21が引き伸ばされることで衝撃が吸収され、部材31、41の破損を防ぐことができる。なお緩衝軸21が引き伸ばされた際も、それが弾性変形の範囲内であれば、速やかに元の状態に復元する。

0024

二部材31、41を引き離す方向に過大な荷重が作用し、緩衝軸21に塑性変形を生じることもある。その場合、二部材31、41の境界に隙間が残ることになるが、その後、重力などで二部材31、41を接近させる方向に荷重が作用すると、図3下方の「押し戻された状態」のように、緩衝軸21が屈曲し、二部材31、41の隙間が減少し、当初に近い状態を維持できる。仮に緩衝軸21の素材として、建築構造用圧延棒鋼(SNR)を用いるならば、その特性により破断を生じにくく、塑性変形を繰り返しながらも、二部材31、41の連結を維持できる。

0025

図4は、三本の短軸棒11、12、13で構成される連結具と、その使用状態を示す。木造建築の骨格を構成する部材の配置は様々で、この図のように、横架材に相当する部材41を挟むように他の部材31、51を配置し、これらを十字状に一体化することもある。ここで用いる連結具は、三本の部材31、41、51に対応し、短軸棒11、13、12が三本になり、その間を計二本の緩衝軸21で結ぶ構成となる。

0026

連結具は、下方の柱に相当する部材31に埋め込む短軸棒11と、横架材に相当する部材41に埋め込む短軸棒13と、上方の柱の相当する部材51に埋め込む短軸棒12のほか、これらを結ぶ計二本の緩衝軸21で構成され、個々の緩衝軸21の両端部には、緩み止めのナット23を螺合する。そのため中央の短軸棒13には、上下二箇所にメネジ18を形成してある。

0027

柱に相当する二部材31、51については、直交する二側面にピン孔39、59を加工してあり、短軸棒11、12の側孔19も、二方向に形成してある。しかし、横架材に相当する部材41については、平行に揃う二列のピン孔49を上下に加工してあり、短軸棒13の側孔19も、二列を平行に形成してある。このように本発明では、様々な短軸棒11、12、13を組み合わせることで、様々な連結構造に対応することができる。

0028

図5は、図4の三部材31、41、51を十字状に一体化した状態を示し、下方の柱に相当する部材31の上端面は、横架材に相当する部材41の下面に接触し、上方の柱に相当する部材51の下端面は、部材41の上面に接触している。また個々の部材31、41、51の下穴35、45、55には、短軸棒11、13、12が埋め込まれ、その間を緩衝軸21で結んでいる。したがって、上下の部材31、51を引き離す方向に荷重が作用すると、緩衝軸21がこれを受け止め、その弾塑性変形によって衝撃を吸収し、部材31、41、51の破損を防ぐ。

0029

図6は、連結具を構成する二本の短軸棒14、15のうち、一方にラグスクリューを用いたほか、一方の部材(横架材)41の端面を他方の部材(柱)31の側面に接触させ、これらをL字状に一体化する場合を示す。この図の短軸棒15は、ラグスクリューをそのまま流用したもので、その側周面には螺旋状に伸びる凸条25を形成してあり、これが下穴35の内周面に食い込むことで、短軸棒15が部材31と一体化する。また短軸棒15の一端面には、埋め込みの際に工具掛けるため、六角形の頭部26を設け、その中心にはメネジ18を形成してあり、緩衝軸21と螺合することができる。

0030

次に、横架材に相当する部材41に埋め込む短軸棒14は、単純な円柱状で、その側孔19にドリフトピン29を差し込むことで、短軸棒14が部材41に固定される。また短軸棒14の一端面には、緩衝軸21と螺合できるよう、メネジ18を形成してあり、緩衝軸21とナット23を介して左右の短軸棒14、15を一体化すると、一組の連結具が完成する。なおこの図では、部材41に作用する曲げモーメント対抗するため、連結具を上下二組配置してある。そのため下穴35、45も、上下二列に加工してある。

0031

図7は、図6の二部材31、41をL字状に一体化する過程を示し、施工時は、まず短軸棒(ラグスクリュー)15だけを部材(柱)31に埋め込む。この短軸棒15は、部材31に埋め込む際、その頭部26に工具を掛け、回転させる必要がある。そのため緩衝軸21など、他の部品組み込み作業は、短軸棒15を完全に埋め込んだ後に行う。なお緩衝軸21とナット23を介し、左右の短軸棒14、15を一体化すると、図7の上方に描くように、部材31の側面から短軸棒14などが突出した状態になる。その後、部材41の下穴45に短軸棒14を差し込み、部材31、41同士を接触させ、部材41の側面からドリフトピン29を打ち込むと、連結作業が完了する。

0032

図8は、図6の一部を変更した形態を示し、部材(横架材)41に埋め込む短軸棒16として、異形棒鋼を用いている。異形棒鋼は、その側周面にリブ27を規則的に形成してあり、側周面の全域に接着剤28を塗布し、下穴45に埋め込むことで、異形棒鋼が部材41と一体化する。また施工時は、まず短軸棒(ラグスクリュー)15だけを部材(柱)31に埋め込み、緩衝軸21とナット23を介し、左右の短軸棒15、16を一体化し、部材31の側面から短軸棒16などを突出させる。次に短軸棒16の側周面に接着剤28を塗布し、これを部材41の下穴45に差し込み、部材31、41同士を接触させ、接着剤28を乾燥させると連結作業が完了する。

0033

これまでの各図に示すように、短軸棒は、部材の下穴に固定できるならば、ラグスクリューや異形棒鋼など、様々な棒状の金属を使用可能で、その組み合わせについても、無理なく施工できることを前提とするが、自在に決めて構わない。

0034

11短軸棒(図の上端面にメネジ)
12 短軸棒(図の下端面にメネジ)
13 短軸棒(両端面にメネジ)
14 短軸棒(一端面にメネジ・側孔が同方向に二列)
15 短軸棒(ラグスクリュー)
16 短軸棒(異形棒鋼)
18 メネジ
19 側孔
21緩衝軸
22オネジ
23ナット
25凸条
26 頭部
27リブ
28接着剤
29ドリフトピン
31 部材(柱)
35下穴
39ピン孔
41 部材(横架材)
45 下穴
49 ピン孔
51 部材(柱)
55 下穴
59 ピン孔

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