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技術 充填剤、成形物、部材、定着部材、定着装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

出願人 富士ゼロックス株式会社
発明者 小林紘子
出願日 2016年9月2日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-171980
公開日 2018年3月8日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2018-035323
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における定着 ロール及びその他の回転体 高分子組成物
主要キーワード 挟込部材 当り位置 摺動フィルム 熱圧着部材 円柱棒 ポリイミド基材層 円柱状ロール 円筒管状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月8日)のものです。
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図面 (5)

課題

耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現する充填剤を提供すること。

解決手段

体積平均粒径が10nm以上500nm以下の複数の無機粒子と、前記複数の無機粒子を結着する結着樹脂と、を含む粒状物で構成された充填剤。

概要

背景

従来から、充填剤は、例えば、成形物(例えば、樹脂層等の層状物)の表面の耐摩耗性又は耐熱性を向上させるのに利用されている。

例えば、特許文献1には、「粒子(a)の表面にリン酸カルシウムチタン酸カリウム塩基性硫酸マグネシウムケイ酸カルシウムホウ酸アルミニウムシリカ酸化チタン及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機物(b)を有する無機粒子(A)に、予め調製した有機重合体(B)を被覆してなり、前記(A)及び/又は(B)がオルガノアルコキシシラン(C)を含有していることを特徴とする、前記(A)がコアとなり、前記(B)がシェルとなるコア/シェル状有機無機複合体」が開示されている。

また、特許文献2には、「耐熱性樹脂よりなる平均厚みが2〜8μmであり、平均粒径が5〜50nmの酸に対し不活性微粒子0.001〜1.0重量%を平均凝集度が1〜100の範囲に分散されている高密度記録磁気テープベースに好適な耐熱性合成樹脂フィルム。」が開示されている。

また、特許文献3には、「結合剤無機繊維及びゴム粉末を含む平均粒径が2.5〜11mmの造粒物を含有してなる摩擦材組成物。」が開示されている。

概要

耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現する充填剤を提供すること。体積平均粒径が10nm以上500nm以下の複数の無機粒子と、前記複数の無機粒子を結着する結着樹脂と、を含む粒状物で構成された充填剤。なし

目的

本発明の課題は、無機の充填剤に比べ、耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現する充填剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

体積平均粒径が10nm以上500nm以下の複数の無機粒子と、前記複数の無機粒子を結着する結着樹脂と、を含む粒状物で構成された充填剤

請求項2

前記粒状物の体積平均粒径が、1μm以上10μm以下である請求項1に記載の充填剤。

請求項3

前記結着樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1又は請求項2に記載の充填剤。

請求項4

請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の充填剤を含む成形物

請求項5

請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の充填剤を含む層状物を表面に有する部材。

請求項6

基材と、前記基材上に配置された弾性層と、前記弾性層上に配置され、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の充填剤を含む表面層と、を有する定着部材

請求項7

第1回転体と、前記第1回転体の外面に接触して配置される第2回転体と、を備え、前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が請求項6に記載の定着部材であり、トナー像が表面に形成された記録媒体を前記第1回転体と前記第2回転体との接触部に通過させて前記トナー像を定着する定着装置

請求項8

請求項7に記載の定着装置を備え、画像形成装置着脱するプロセスカートリッジ

請求項9

像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段であって、請求項7に記載の定着装置を有する定着手段と、を備える画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、充填剤成形物、部材、定着部材定着装置プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。

背景技術

0002

従来から、充填剤は、例えば、成形物(例えば、樹脂層等の層状物)の表面の耐摩耗性又は耐熱性を向上させるのに利用されている。

0003

例えば、特許文献1には、「粒子(a)の表面にリン酸カルシウムチタン酸カリウム塩基性硫酸マグネシウムケイ酸カルシウムホウ酸アルミニウムシリカ酸化チタン及びアルミナからなる群より選ばれた少なくとも1種の無機物(b)を有する無機粒子(A)に、予め調製した有機重合体(B)を被覆してなり、前記(A)及び/又は(B)がオルガノアルコキシシラン(C)を含有していることを特徴とする、前記(A)がコアとなり、前記(B)がシェルとなるコア/シェル状有機無機複合体」が開示されている。

0004

また、特許文献2には、「耐熱性樹脂よりなる平均厚みが2〜8μmであり、平均粒径が5〜50nmの酸に対し不活性微粒子0.001〜1.0重量%を平均凝集度が1〜100の範囲に分散されている高密度記録磁気テープベースに好適な耐熱性合成樹脂フィルム。」が開示されている。

0005

また、特許文献3には、「結合剤無機繊維及びゴム粉末を含む平均粒径が2.5〜11mmの造粒物を含有してなる摩擦材組成物。」が開示されている。

先行技術

0006

特開2013−003419号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、無機の充填剤を含む成形物(例えば、樹脂層等の層状物)の表面の摩耗が進行すると、成形物から充填剤が脱離し、充填剤が成形物の表面を擦り、成形物の摩耗が促進され、成形物の耐摩耗性が低下することがある。一方で、離脱した充填剤による摩耗促進を低減するために粒径を小さくすると、充填剤効果が得られ難くなり、成形物の耐摩耗性が低下することがある。

0008

そこで、本発明の課題は、無機の充填剤に比べ、耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現する充填剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上記課題は、以下の手段により解決される。

0010

請求項1に係る発明は、
体積平均粒径が10nm以上500nm以下の複数の無機粒子と、前記複数の無機粒子を結着する結着樹脂と、を含む粒状物で構成された充填剤。

0011

請求項2に係る発明は、
前記粒状物の体積平均粒径が、1μm以上10μm以下である請求項1に記載の充填剤。

0012

請求項3に係る発明は、
前記結着樹脂が、熱可塑性樹脂である請求項1又は請求項2に記載の充填剤。

0013

請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の充填剤を含む成形物。

0014

請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の充填剤を含む層状物を表面に有する部材。

0015

請求項6に係る発明は、
基材と、
前記基材上に配置された弾性層と、
前記弾性層上に配置され、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の充填剤を含む表面層と、
を有する定着部材。

0016

請求項7に係る発明は、
第1回転体と、前記第1回転体の外面に接触して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が請求項6に記載の定着部材であり、
トナー像が表面に形成された記録媒体を前記第1回転体と前記第2回転体との接触部に通過させて前記トナー像を定着する定着装置。

0017

請求項8に係る発明は、
請求項7に記載の定着装置を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。

0018

請求項9に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段であって、請求項7に記載の定着装置を有する定着手段と、
を備える画像形成装置。

発明の効果

0019

請求項1、2、又は3に係る発明によれば、無機の充填剤に比べ、耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現する充填剤が提供される。
請求項4に係る発明によれば、充填剤として無機の充填剤のみを含む成形物に比べ、耐摩耗性に優れた成形物が提供される。
請求項5に係る発明によれば、充填剤として無機の充填剤のみを層状物に含む部材に比べ、耐摩耗性に優れた層状物を表面に有する部材が提供される。
請求項6に係る発明は、充填剤として無機の充填剤のみを表面層に含む定着部材に比べ、耐摩耗性に優れた表面層を有する定着部材が提供される。
請求項7、8、9に係る発明によれば、充填剤として無機の充填剤のみを表面層に含む定着部材を適用した場合に比べ、耐摩耗性に優れた表面層を有する定着部材を備える定着装置、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。

図面の簡単な説明

0020

本実施形態に係る定着部材の一例を示す模式断面図である。
第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。
第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る充填剤の作用を説明するための模式図である。

0021

以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。

0022

[充填剤]
本実施形態に係る充填剤は、体積平均粒径が10nm以上500nm以下の無機粒子と無機粒子を結着する結着樹脂とを含む粒状物で構成されている。

0023

本実施形態に係る充填剤は、上記構成により、耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現する。その理由は、次の通り推測される。

0024

結着樹脂で結着され、ナノ又はサブミクロンサイズの複数の無機粒子を含む粒状物は、樹脂単独の粒状物に比べ硬度が高く、サブ又はミクロンサイズ(例えば、1μm以上10μm以下の体積平均粒径)を持つようになるので、成形物(例えば、樹脂層等の層状物)に充填剤として配合すると、充填剤効果を発揮し、成形物の耐摩耗性を向上する(図5(A)参照)。

0025

一方で、上記粒状物が配合された成形物の表面の摩耗が進行すると、成形物の表層部に存在する粒状物は、無機粒子同士の結着部から優先的に破壊されることになる。つまり、成形物の表面の摩耗が進行しても、粒状物全体が成形物から離脱するのではなく、粒状物が部分的に破壊され、無機粒子のみが成形物から離脱することなる(図5(B))。

0026

そして、粒状物の無機粒子は、ナノ又はサブミクロンサイズの粒子であるため、成形物から離脱しても、成形物の表面の摩耗に寄与し難く、離脱した無機粒子による成形物の摩耗の進行が抑えられる。さらに、成形物から離脱した無機粒子は、成形物の表面に食い込むように成形物の表面を被覆するため、さらに成形物の耐摩耗性を向上する。

0027

以上から、本実施形態に係る充填剤は、耐摩耗性に優れた成形物の形成を実現すると推測される。
なお、図5中、120は充填剤、120Aは無機粒子、120Bは結着樹脂、130は成形物を示す。

0028

以下、本実施形態に係る充填剤の詳細について説明する。

0029

本実施形態に係る充填剤は、無機粒子と無機粒子を結着する結着樹脂とを含む粒状物で構成されている。粒状物は、必要に応じて、樹脂粒子、その他成分を含んでもよい。

0030

結着樹脂について説明する。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、熱可塑性樹脂等が好適に挙げられる。熱可塑性樹脂を適用すると、成形物の摩耗が進行したとき、無機粒子同士の結着部から優先的に破壊され易くなり、成形物の耐摩耗性が向上し易くなる。

0032

熱可塑性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂ポリエステル樹脂ポリウレタン樹脂ポリアミド樹脂セルロース樹脂ポリエーテル樹脂変性ロジン樹脂等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。

0033

熱可塑性樹脂は、架橋物であってもよしい、非架橋物であってもよい。
熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0034

これらの中でも、結着樹脂としては、汎用性の高さから、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂等が好適に挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含む表現である。

0035

結着樹脂の含有量は、成形物の耐摩耗性向上の観点から、粒状物全体に対して、10質量%以上99質量%以下が好ましく、50質量%以上95質量%以下がより好ましい。

0036

無機粒子について説明する。
無機粒子としては、無機酸化物、無機炭化物無機窒化物、無機ホウ化物等の粒子が挙げられる、具体的には、無機粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニアジルコニアチタン酸バリウムチタン酸アルミニウムチタン酸ストロンチウムチタン酸マグネシウム酸化亜鉛酸化クロム酸化セリウム酸化アンチモン酸化タングステン酸化スズ酸化テルル酸化マンガン酸化ホウ素酸化鉄炭化ケイ素炭化ホウ素炭化チタン窒化ケイ素窒化チタン窒化ホウ素硫酸バリウム硫酸マグネシウム等の各種の粒子が挙げられる。なお、無機粒子は、これらに限られるわけではなく、例えば、2種以上の無機物質複合無機粒子であってもよい。無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0037

これらの中でも、無機粒子としては、成形物の耐摩耗性向上の観点から、シリカ粒子酸化チタン粒子炭酸カルシウム粒子が好ましい。

0038

無機粒子は、シラン系カップリング剤シリコーンオイルチタネート系カップリング剤アルミニウム系カップリング剤、シリコーンオイル等の周知の処理剤表面処理されていてもよい。

0039

無機粒子の体積平均粒径は、10nm以上500nm以下であり、成形物の耐摩耗性向上の観点から、30nm以上400nm以下が好ましく、50nm以上300nm以下がより好ましい。

0040

ここで、無機粒子の体積平均粒径は、次の方法により測定される値である。
無機粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の体積基準累積頻度における50%径(D50v)を無機粒子の平均粒径(つまり体積平均粒径)とする。

0041

無機粒子は、成形物の耐摩耗性向上の観点から、一つ粒状物(充填剤)当たりに、複数含むことが好ましく、具体的には10個以上200個以下含まれていることが好ましく、20個以上100個以下で含まれていることがより好ましい。
無機粒子の含有量は、成形物の耐摩耗性向上の観点から、粒状物(充填剤)全体に対して、1質量%以上90質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下がより好ましく、。

0042

樹脂粒子について説明する。
樹脂粒子としては、特に制限はないが、フッ素樹脂シリコーン樹脂ポリ(メタ)アクリレート樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エラストマー等の粒子が挙げられる。これら樹脂粒子を粒状物(充填剤)に配合することで、粒状物が破砕され成形物から離脱した無機粒子が成形物の表面を被覆しやすくなるといった利点が得られる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、成形物の耐摩耗性の観点から、30nm以上300nm以下が好ましく、50nm以上250nm以下がより好ましい。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、無機粒子の体積平均粒径と同じ方法により測定される。

0043

樹脂粒子の含有量は、成形物の耐摩耗性の観点から、粒状物(充填剤)全体に対して、0.05質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。

0044

その他成分について説明する。
その他成分としては、紫外線防止剤酸化防止剤凝集剤界面活性剤、分散安定化、NaOH等のアルカリ、HCl等の酸等の添加剤が挙げられる。

0045

粒状物の特性について説明する。
粒状物の形状は、球状、棒状、板状等、充填剤効果(フィラー効果)を発揮する形状であれば、特に制限はない。

0046

粒状物の体積平均粒径は、成形物の耐摩耗性向上の観点から、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上6μm以下がより好ましい。

0047

ここで、粒状物の体積平均粒径は、次の方法により測定される値である。
粒状物の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の体積基準の累積頻度における50%径(D50v)を粒状物の平均粒径(つまり体積平均粒径)とする。

0048

粒状物(充填剤)の製造方法について説明する。
粒状物は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。粒状物の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。

0049

例えば、乾式製法には、1)無機粒子、結着樹脂等の原料を混練、粉砕、及び分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる乾式製法等がある。
一方、湿式製法には、例えば、1)結着樹脂を得るための重合性単量体乳化重合させた樹脂粒子の分散液と、無機粒子等の他の原料の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、粉体粒子を得る凝集合一法、2)結着樹脂を得るための重合性単量体と、無機粒子等の他の原料の溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、3)結着樹脂と、無機粒子等の他の原料の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等がある。なお、湿式製法の方が、熱的な影響が小さいことから好適に使用できる。
また、上記製法で得られた粒子を芯部(コア)にして、さらに結着樹脂となる樹脂粒子を付着、加熱融合して、コア・シェル型粒子である粒状物を得てもよい。

0050

以下、粒状物の製造方法について、凝集合一法を例に挙げて説明する。
例えば、凝集合一法による粒状物の製造方法は、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、無機粒子が分散された無機粒子分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、
樹脂粒子分散液と無機粒子分散液とを混合した分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子と無機粒子とを凝集(必要に応じて他の粒子も凝集)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、粒状物を形成する工程(融合・合一工程)と、
を有する製造方法である。

0051

以下、各工程の詳細について説明する。

0052

−分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、無機粒子が分散された無機粒子分散液を準備する。

0053

ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。

0054

樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0055

界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤ポリエチレングリコール系アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0056

樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミルサンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中粒子状に分散する方法である。

0057

樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。

0058

樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。

0059

一方、無機粒子分散液は、例えば、樹脂粒子分散液の分散方法に準じて、水系媒体に無機粒子を分散させて調製する。

0060

−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と、無機粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と無機粒子とをヘテロ凝集させ目的とする粒状物の径に近い径を持つ、樹脂粒子と無機粒子とを含む凝集粒子を形成する。

0061

具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。

0062

凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオン錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。

0063

無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム硝酸カルシウム塩化バリウム塩化マグネシウム塩化亜鉛塩化アルミニウム硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウムポリ水酸化アルミニウム多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸クエン酸グルコン酸等のオキシカルボン酸イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。

0064

−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。

0065

以上の工程を経て、粒状物が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造の粒状物を形成する工程と、を経て、粒状物を製造してもよい。

0066

ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態の粒状物を得る。
洗浄工程は、例えば、イオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥気流乾燥流動乾燥振動型流動乾燥等を施すことがよい。

0067

[成形物/部材]
本実施形態に係る成形物は、本実施形態に係る充填剤を含む。一方、本実施形態に係る部材は、本実施形態に係る充填剤を含む層状物を有する。つまり、本実施形態に係る部材は、表面層として、本実施形態に係る成形物を層状とした成形物(層状物)を有する部材、又は、本実施形態に係る成形物を層状とした成形物(層状物)の単層体からなる部材である。

0068

本実施形態に係る成形物及び部材において、成形物及び層状物は、例えば、充填剤と樹脂又はゴムとを含んで構成される。

0069

ここで、充填剤の含有量は、目的とする成形物及び層状物に応じて異なるが、例えば、成形物又は層状物に対して、1質量%以上40質量%以下であることがよく、好ましくは1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
なお、充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0070

樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂硬化物等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、充填剤で説明した熱可塑性樹脂が適用される。
硬化性樹脂としては、フェノール樹脂尿素ホルムアルデヒド樹脂メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の周知の硬化性樹脂が挙げられる。硬化性樹脂は、熱硬化性紫外線硬化性、及び電子線硬化性のいずれの硬化性樹脂であってもよい。

0071

ゴム材としては、イソプレンゴムクロロプレンゴムエピクロルヒドリンゴムブチルゴムポリウレタンゴムシリコーンゴムフッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴムエチレンプロピレンゴムエピクロルヒドリンエチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、天然ゴムなど、及びこれらのブレンドゴムなどの周知のゴム材が挙げられる。

0072

本実施形態に係る成形物は、表面に耐摩耗性が要求される部材(例えば、シート部材フィルム部材ベルト部材柱状部材等の他、目的とする形状の部材)として適用される。

0073

一方、本実施形態に係る部材も、例えば、基材と基材上に設けられた層状物とを有する部材であって、表面層としての層状物に耐摩耗性が要求される部材(例えば、シートフィルムベルト、柱状部材等の他、目的とする形状の部材)として提供される。

0074

具体的には、例えば、本実施形態に係る成形物及び部材は、摺動部材摺動シート摺動フィルム等)、搬送ベルト搬送ロール定着ベルト定着ロール加圧ベルト加圧ロール等の「表面に耐摩耗性が要求される部材」として適用される。

0075

[定着部材]
本実施形態に係る定着部材について説明する。
図1は、本実施形態に係る定着部材の一例を示す概略断面図である。

0076

本実施形態に係る定着部材110は、例えば、図1に示すように、基材110Aと、基材110A上に設けられた弾性層110Bと、弾性層110B上に設けられた表面層110Cと、を有している。そして、表面層110Cは、本実施形態に係る充填剤を含む。

0077

以下、本実施形態に係る定着部材110の構成要素について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。

0078

(定着部材の形状)
本実施形態に係る定着部材は、ロール状であってもよいし、ベルト状であってもよい。また、熱源をその内部又は外部に備えた加熱定着部材であってもよいし、熱源を備えない加圧定着部材であってもよい。

0079

(基材)
定着部材がロール状の場合、基材としては、例えば、金属(アルミ、SUS、鉄、銅等)、合金セラミックスFRM繊維強化メタル)等で構成された円筒体が挙げられる。
定着部材がロール状の場合、基材の外径及び肉厚は、例えば、外径10mm以上50mm以下であることがよく、例えば、アルミニウム製の場合は厚さ0.5mm以上4mm以下、SUS(ステンレス鋼)製又は鉄製の場合は厚さ0.1mm以上2mm以下である。

0080

一方、定着部材がベルト状の場合、基材としては、例えば、金属ベルト(例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属ベルト)、樹脂ベルト(例えば、ポリイミドポリアミドイミドポリフェニレンサルファイドポリエーテルエーテルケトンポリベンゾイミダゾール等の樹脂ベルト)が挙げられる。

0081

なお、樹脂ベルトには導電剤などを添加分散して、体積抵抗率が制御されていてもよい。具体的には、樹脂ベルトとしては、例えば、カーボンブラックを添加し分散して体積抵抗率を制御したポリイミドベルトが挙げられる。また、樹脂ベルトとしては、例えば、長尺ポリイミドシートの両端部をパズル上に組合せ、熱圧着部材を用いて熱圧着し、ベルト状に仕立てたものも挙げられる。

0082

定着部材がベルト状の場合、基材の厚みは、例えば、20μm以上200μm以下であることがよく、好ましくは30μm以上150μm以下、より好ましくは40μm以上130μm以下である。
一方、定着部材がロール状の場合、基材の外径及び肉厚は、例えば、外径10mm以上50mm以下であることがよく、例えば、アルミニウム製の場合は厚さ0.5mm以上4mm以下、SUS(ステンレス鋼)製又は鉄製の場合は厚さ0.1mm以上2mm以下である。

0083

(弾性層)
弾性層は、耐熱性弾性材料を含んで構成される。
耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴムHTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
なお、「耐熱性」とは、定着装置の昇温温度(例えば定着温度)に達しても、溶けたり分解したりしない特性を意味する。以下、同様である。

0084

弾性層には、各種周知の添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、導電剤、軟化剤パラフィン系等)、加工助剤ステアリン酸等)、老化防止剤アミン系等)、加硫剤硫黄金属酸化物過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等が挙げられる。

0085

弾性層の厚みは、例えば、30μm以上600μm以下であることがよく、望ましくは100μm以上500μm以下である。

0086

(表面層)
表面層は、本実施形態に係る充填剤を含んで構成される。具体的には、表面層は、例えば、充填剤と、耐熱性離型材料と、を含んで構成される。

0087

ここで、充填剤の含有量は、表面層に対して1質量%以上40質量%以下であることがよく、好ましくは1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
なお、充填剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0088

一方、耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデンPVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。

0089

表面層には、各種周知の添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、導電剤、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等が挙げられる。

0090

表面層の厚みは、例えば、定着部材がベルト状の場合、5μm以上50μm以下であることがよく、望ましくは10μm以上40μm以下である。

0091

なお、予め管状物チューブ)を形成し、弾性層が設けられた基材に管状物を被覆して表面層を形成する場合、管状物の内周面には、接着性を高めるため予め接着処理が施されてもいてもよい。この接着処理としては、例えば、液体アンモニア処理ナトリウムナフタレン処理、エキシマレーザ処理、プラズマ処理が挙げられる。

0092

(定着部材の用途)
本実施形態に係る定着部材は、例えば、加熱ロール、加圧ロール、加熱ベルト、加圧ベルト等に適用される。なお、加圧ロール又は加熱ベルトとしては、電磁誘導方式により加熱する加圧ロール又は加熱ベルト、外部又は内部の熱源から加熱する加圧ロール又は加熱ベルトのいずれであってもよい。
ただし、本実施形態に係る定着部材を電磁誘導方式により加熱する加圧ロール又は加熱ベルトトに適用する場合、基材と弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層発熱層)を設けることがよい。

0093

[定着装置]
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、トナー像が表面に形成された記録媒体を前記第1回転体と前記第2回転体との接触部に通過させてトナー像を定着する定着装置がある。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本実施形態に係る定着部材が適用される。

0094

以下に、第1及び2実施形態として、加熱ベルトと加圧ロールとを備えた定着装置を説明する。そして、第1及び2実施形態において、本実施形態に係る定着部材は、加熱ベルト、及び加圧ロールのいずれにも適用され得る。

0095

なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る定着部材は、加熱ロール、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。

0096

(定着装置の第1実施形態)
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。

0097

第1実施形態に係る定着装置60は、図2に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、加圧ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64(押圧部材の一例)とを備えて構成されている。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。

0098

加熱ロール61の内部には、ハロゲンランプ66(加熱手段の一例)が配設されている。加熱手段としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。

0099

一方、加熱ロール61の表面には、例えば、感温素子69が接触して配置されている。この感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が目的とする設定温度(例えば、150℃)を維持される。

0100

加圧ベルト62は、例えば、内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域N(ニップ部)において押圧パッド64により加熱ロール61に対して押圧されて配置されている。

0101

押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62の内側において、加圧ベルト62を介して加熱ロール61に加圧される状態で配置され、加熱ロール61との間で挟込領域Nを形成している。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。

0102

加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、例えば、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bの加圧ベルト62と接する面にシート状の摺動部材68が設けられている。そして、押圧パッド64と摺動部材68とは、金属製の保持部材65に保持されている。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。

0103

保持部材65には、例えば、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、加圧ベルト62が回転する構成となっている。

0104

加熱ロール61は、例えば、図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加熱ロール61が図2における時計方向へ回転するのに対して、加圧ベルト62は反時計方向へ回転する。

0105

そして、未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体の一例)は、例えば、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。

0106

第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に倣う凹形状の前挟込部材64aにより、前挟込部材64aがない構成に比して、広い挟込領域Nを確保される。

0107

また、第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に対し突出させて剥離挟込部材64bを配置することにより、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。

0108

このように剥離挟込部材64bを配置すれば、例えば、定着後の用紙Kは、剥離挟込領域を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが加熱ロール61から剥離しやすい。

0109

剥離の補助手段として、例えば、加熱ロール61の挟込領域Nの下流側に、剥離部材70を配設されている。剥離部材70は、例えば、剥離爪71が加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で保持部材72によって保持されている。

0110

(定着装置の第2実施形態)
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。

0111

第2実施形態に係る定着装置80は、図3に示すように、例えば、加熱ベルト84(第1回転体の一例)を備える定着ベルトモジュール86と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置された加圧ロール88(第2回転体の一例)とを含んで構成されている。そして、例えば、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する挟込領域N(ニップ部)が形成されている。挟込領域Nでは、用紙K(記録媒体の一例)が加圧及び加熱されトナー像が定着される。

0112

定着ベルトモジュール86は、例えば、無端状の加熱ベルト84と、加圧ロール88側で加熱ベルト84が巻き掛けられ、モータ(不図示)の回転力で回転駆動すると共に加熱ベルト84をその内周面から加圧ロール88側へ押し付け加熱押圧ロール89と、加熱押圧ロール89と異なる位置で内側から加熱ベルト84を支持する支持ロール90とを備えている。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。

0113

そして、定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84と加熱押圧ロール89との間に、シート状の摺動部材82が介在するように設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。

0114

加熱押圧ロール89の内部には、例えば、ハロゲンヒータ89A(加熱手段の一例)が設けられている。

0115

支持ロール90は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、内部にはハロゲンヒータ90A(加熱手段の一例)が配設されており、加熱ベルト84を内周面側から加熱するようになっている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。

0116

支持ロール92は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、支持ロール92の表面には厚み20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。

0117

つまり、例えば、加熱押圧ロール89と支持ロール90及び支持ロール92とによって、加熱ベルト84が加熱される構成となっている。

0118

姿勢矯正ロール94は、例えば、アルミニウムで形成された円柱状ロールであり、姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置されている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。

0119

一方、加圧ロール88は、例えば、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢手段によって加熱ベルト84が加熱押圧ロール89に巻き回された部位に押圧されて設けられている。これにより、定着ベルトモジュール86の加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)が矢印S方向へ回転移動するのに伴って、加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)に従動して加圧ロール88が矢印R方向に回転移動するようになっている。

0120

そして、未定着トナー像(不図示)を有する用紙Kは、矢印P方向に搬送され、定着装置80の挟込領域Nに導かれると、挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。

0121

なお、第2実施形態に係る定着装置80では、加熱源の一例としてハロゲンヒータ(ハロゲンランプ)を適用した形態を説明したが、これに限られず、ハロゲンヒータ以外の輻射ランプ発熱体放射線赤外線等)を発する発熱体)、抵抗発熱体抵抗電流を流すことによりジュール熱を発生させる発熱体:例えばセラミック基板に抵抗を有する膜を形成して焼成させたもの等)を適用してもよい。

0122

[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。

0123

以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。

0124

本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像中間転写ベルト15に順次転写一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。

0125

この定着装置60が既述の第1実施形態に係る定着装置60である。なお、画像形成装置100は、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備える構成であってもよい。

0126

画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。

0127

感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。

0128

また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。

0129

更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。

0130

中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。

0131

中間転写ベルト15は、各種ロールによって図4に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。

0132

一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。

0133

そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。

0134

二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。

0135

背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が107Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。

0136

一方、二次転写ロール22は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。

0137

そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。

0138

また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。

0139

なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写手段の一例に該当する。

0140

一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。

0141

更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。

0142

次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。

0143

画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正位置ズレ補正明度色空間変換ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。

0144

レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。

0145

画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。

0146

トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。

0147

二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。

0148

その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。

0149

一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。

0150

以上、本実施形態について説明したが、上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。

0151

以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない場合、「部」及び「%」は質量基準である。

0152

<実施例1>
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
テレフタル酸:30モル
フマル酸:70モル部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物: 5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
攪拌装置窒素導入管温度センサー、及び精留塔を備えた内容量5リットルフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂を得た。

0153

温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間攪拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素置換し、温度を40℃に保持して、混合液攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した分散液を得た。該分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。

0154

(無機粒子分散液(1)の調製)
・シリカ粒子(体積平均粒径D50v=100nm) : 70部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK) : 1部
・イオン交換水:200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20%となるようイオン交換水を加え、無機粒子が分散された無機粒子分散液を得た。

0155

(充填剤の作製)
・樹脂粒子分散液(1) :100部
・無機粒子分散液(1) : 15部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower): 10部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液15部を緩やかに追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、実施例1の充填剤を得た。
なお、実施例1の充填剤をSEMにて観察したところ、一つの充填剤(粒状物)中に、複数の無機粒子が含まれていることが確認された。

0156

<実施例2〜9>
無機粒子の種類及び充填剤中の無機粒子の含有量が表1に示す種類及び含有量となるように、無機粒子分散液(1)の種類(無機粒子の種類)及び部数を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9の充填剤を得た。
なお、実施例2〜9の充填剤をSEMにて観察したところ、一つの充填剤(粒状物)中に、複数の無機粒子が含まれていることが確認された。

0157

<比較例1>
無機粒子分散液(1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、樹脂のみの粒状物(体積平均粒径120μmの樹脂粒子)からなる比較例1の充填剤を得た。

0158

<比較例2〜5>
体積平均粒径200μmのシリカ粒子、体積平均粒径100μmの炭酸カルシウム粒子、及び体積平均粒径50μmの酸化チタン粒子を、各々、比較例2〜4の充填剤として使用した。
また、無機粒子の種類及び充填剤中の無機粒子の含有量が表1に示す種類及び含有量となるように、無機粒子分散液(1)の種類(無機粒子の種類)及び部数を変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の充填剤を得た。

0159

<実施例A1〜A3>
無機粒子の種類及び充填剤中の無機粒子の含有量が表1に示す種類及び含有量となるように、無機粒子分散液の種類及び部数を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例A1〜A3の充填剤を得た。
なお、実施例A1〜A3の充填剤は、無機粒子の含有量が多すぎたため、径の揃った複合粒子が得られなかった。

0160

<評価>
各例の充填剤を使用して、次の評価を実施した。

0161

(充填剤含有塗布液の作製)
以下の操作に従い、塗布液を調製した。
界面活性剤を添加した水中に平均粒径10μmのPFA粉末(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名350J)を分散した後、全フッ素樹脂粒子中の小粒径の粒子と大粒径の粒子の比率が6:4となるように平均粒径0.2μmのPFA分散液(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製:商品名945HP−Plus)を更に加えて混合した。そして、この混合物に、各例の充填剤を、固形分中の割合が5質量%となるように配合した。
次に、充填剤が配合された混合物に、導電剤としてカーボンブラック(ライオン株式会社製ケッチェンブラック分散溶液)を、固形分中の割合が2質量%となるように配合した。さらに、得られた混合物に、水および増粘剤ヒドロキシプロピルメチルセルロース)により溶液の粘度を調整し、充填剤含有塗布液を調製した。

0162

(成形物の作製)
得られた充填剤含有塗布液をポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に滴下し、バーコータにて塗膜を形成させ、層状の成形物を成形した。
そして、得られた層状の成形物を使用して摩耗試験を行った。

0163

(成形物の摩耗試験)
作製した層状の成形物を幅8mm、長さ5cmの短冊状に切断し、重量を測定した。
次に、短冊状の成形物を、ピンオンディスク形式フリクションプレーヤー(Rheasca社製FPR−2100)に装着した。そして、短冊状の成形物をステージ上に載せ、圧子に取り付けた状態で、ステージ上を32回螺旋状に移動させた後、成形物の重量を測定した。そして、使用前後の重量変化量を摩耗量とした。なお、ステージ上は8cm四辺に切断した用紙CX−90を取付け、用紙を介して成形物を載せた。ステージは120℃に加熱した。圧子の上のおもりは2kgとした。摩耗量の結果を表1に示す。

0164

無端ベルトの作製)
以下の操作に従い、無端ベルトを作製した。
まず、外径30mm、長さ500mmのアルミニウム製の円筒管の表面をブラスト処理により粗面化し、さらに、シリコーン系離型剤を塗布し、200℃で60分間乾燥した。その後、さらに340℃で30分間加熱して焼き付け、表面粗さRaが0.8μmで、表面にシリコーン系離型剤を焼き付けた金型を用意した。
次に、用意した金型の中央部470mmに、フローコーティング螺旋巻き塗布)法により、粘度120Pa・sに調整したポリイミド前駆体のN−メチルピロリドン溶液(宇部興産株式会社製:商品名UワニスS)を塗布した。次いで、金型を100℃で50分間回転しながら塗布液を乾燥し、塗布したポリイミド前駆体の塗膜を平滑化した。

0165

得られた充填剤含有塗布液を塗液圧供給容器に入れた。次に、予め表面にポリイミド前駆体を塗布した金型(アルミニウム製円筒管)の軸方向に塗液圧送供給容器を隣接させ、且つ塗液吐出口がポリイミド前駆体の表面近傍に配置されるように塗液圧送供給容器を装着した。次に、円筒管状の金型を回転させ、金型の軸方向に沿って塗液圧送供給容器を移動しつつ、塗液吐出口から塗布液を吐出させて金型に塗布したポリイミド前駆体の表面に充填剤含有塗布液を塗布した。
そして金型を回転し、充填剤含有塗布液の塗膜を80℃で10分間乾燥させて、表面層を形成した。さらに、380℃で60分間焼成を行い、ポリイミド前駆体を硬化させ、ポリイミド基材を形成した。

0166

次いで、金型の表面に形成された被膜を金型表面から取り外し、さらに、両端部を切断して無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、ポリイミド樹脂からなる厚さ70μmの基材と、ポリイミド基材層基層の外周に積層された厚さ30μmの表面層とを有している。また、無端ベルトは、内径30mm、全長249mmである。
そして、得られた無端ベルトを使用して摩耗試験を行った。

0167

(無端ベルトの摩耗試験)
得られた無端ベルトを、画像形成装置「DocuCentre Color 400(富士ゼロックス社製)」の定着装置の定着ベルトとして装着した。
この画像形成装置を用いて、A4用紙に、画像濃度50%のハーフトーン画像を50,000枚出力した。そして、画像形成前の定着ベルトの厚さと画像形成後の定着ベルトの厚さと、をそれぞれ測定し、画像形成前後でのベルトの膜厚変化量を定着ベルトの表面層の摩耗量とした。
ここで、定着ベルトの厚さは、定着ベルトの軸方向に沿って定着ベルトの全長を5mm間隔で測定した。また、定着ベルトの周方向の測定位置は90°置きの4ヶ所とした。そして、表面層の膜厚変化量は、この測定値の中で、ベルトの膜厚変化量の最大値表記する。
なお、定着ベルトの厚さの測定は、(株)フィッシャーインストルメンツ製の渦電流式膜厚計SOSCOPE MP30を使用して行った。

0168

以下、各例の詳細を表1に一覧にして示す。
なお、表1中、「粒径D50v」は体積平均粒径を示す。充填剤の「無機粒子の含有量」の欄は充填剤中の無機粒子の含有量を示す。

0169

実施例

0170

上記結果から、本実施例の充填剤は、比較例の充填剤に比べ、成形物、特に、ベルトの表面層の耐摩耗性を向上することがわかる。

0171

62加圧ベルト
63ベルト走行ガイド
64押圧パッド
64a 前挟込部材
64b剥離挟込部材
65保持部材
66ハロゲンランプ
68摺動部材
69感温素子
70剥離部材
71剥離爪
72 保持部材
80定着装置
82 摺動部材
84加熱ベルト
86定着ベルトモジュール
88加圧ロール
89Aハロゲンヒータ
89加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94姿勢矯正ロール
96支持部材
98 支持ロール
100画像形成装置
110定着部材
110A基材
110B弾性層
110C 表面層

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