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技術 単結晶引き上げ装置および単結晶の製造方法

出願人 株式会社SUMCO
発明者 金原崇浩
出願日 2016年8月29日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2016-166587
公開日 2018年3月8日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-035003
状態 特許登録済
技術分野 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 円錐台筒 内側流 逆流ガス 外側ガス流路 ドローチューブ メインチャンバ内 熱遮蔽体 断熱筒
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重要な関連分野

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図面 (5)

課題

原料溶融時の消費電力量の削減を図りつつ、単結晶化阻害を抑制可能な単結晶引き上げ装置を提供すること。

解決手段

単結晶引き上げ装置1は、坩堝22と、加熱部23と、熱遮蔽体25と、水冷体26と、チャンバ21とを備え、水冷体26の内側には、シリコン単結晶を囲む筒状部材27が設けられ、筒状部材27は、坩堝22内のシリコン融液Mおよび加熱部23からの熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを抑制するとともに、当該筒状部材27の上端不活性ガスG1を当該筒状部材27の内側を通る内側流ガスG11と外側を通る外側流通ガスG12とに分離して熱遮蔽体25の下方まで導く。

概要

背景

従来、図1に示すような単結晶引き上げ装置9が知られている。
単結晶引き上げ装置9は、チョクラルスキー法CZ法)によりシリコン単結晶を製造する装置であって、引き上げ装置本体2と、図示しない制御部とを備えている。引き上げ装置本体2は、チャンバ21と、坩堝22と、加熱部23と、断熱筒24と、熱遮蔽体25と、冷却部としての水冷体26とを備えている。

チャンバ21は、坩堝22、加熱部23、断熱筒24、熱遮蔽体25および水冷体26を収容するメインチャンバ21Aと、このメインチャンバ21Aの上面部に連結され、シリコン単結晶が通過するプルチャンバ21Bとを備えている。プルチャンバ21Bには、Arガスなどの不活性ガスG1をメインチャンバ21A内に導入する図示しないガス導入口が設けられている。メインチャンバ21Aの下部には、図示しない真空ポンプの駆動により、不活性ガスG1をメインチャンバ21Aから排出するガス排気口21Cが設けられている。

坩堝22は、シリコン単結晶の原料である多結晶シリコンSを溶融し、シリコン融液Mとするものである。
加熱部23は、坩堝22を囲むように設けられ、坩堝22を加熱して、坩堝22内のシリコンSを溶融する。
断熱筒24は、坩堝22および加熱部23の周囲を取り囲むように配置されている。
熱遮蔽体25は、坩堝22の上方においてシリコン単結晶を囲む筒状に形成され、加熱部23から上方に向かって放射される輻射熱遮断する。
水冷体26は、熱遮蔽体25の内側においてシリコン単結晶を囲む筒状に形成され、内部を流通する冷却水などの冷媒によりシリコン単結晶を冷却する。

このような単結晶引き上げ装置9を用いてシリコン単結晶を製造するに際し、まず、坩堝22内のシリコンSを溶融する溶融工程を行う。この溶融工程は、水冷体26に冷却水を流通させる工程と、メインチャンバ21A内の上方から下方に向けて不活性ガスG1を流通させる工程と、坩堝22を加熱する工程とを備えている。

しかし、図1の単結晶引き上げ装置9で溶融工程を行うと、坩堝22内のシリコン融液Mからの熱H1および加熱部23からの熱H2が水冷体26に到達し、この水冷体26で吸熱されてしまうことで、シリコンSの溶融を完了させるまでの消費電力量が増加してしまう。なお、図1および以下に示す図2(A),(B)、図3、図4において、各図の左右のうち一方で生じる熱やガスの挙動について図示して説明する場合があるが、これらの挙動は周方向全体にわたって起きている。
そこで、特許文献1に記載のような板状の遮蔽体(以下、「蓋体」という)を用い、図2(A)に示すように、蓋体91を坩堝22の上方を覆うように配置してから坩堝22を加熱することで、シリコン融液Mおよび加熱部23からの熱H1,H2が水冷体26に到達することを抑制し、シリコン溶融時の消費電力量の削減を図ることが考えられる。

概要

原料溶融時の消費電力量の削減をりつつ、単結晶化阻害を抑制可能な単結晶引き上げ装置を提供すること。単結晶引き上げ装置1は、坩堝22と、加熱部23と、熱遮蔽体25と、水冷体26と、チャンバ21とを備え、水冷体26の内側には、シリコン単結晶を囲む筒状部材27が設けられ、筒状部材27は、坩堝22内のシリコン融液Mおよび加熱部23からの熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを抑制するとともに、当該筒状部材27の上端で不活性ガスG1を当該筒状部材27の内側を通る内側流通ガスG11と外側を通る外側流通ガスG12とに分離して熱遮蔽体25の下方まで導く。

目的

本発明の目的は、原料溶融時の消費電力量の削減を図りつつ、単結晶化の阻害を抑制可能な単結晶引き上げ装置および単結晶の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

原料収納する坩堝と、前記坩堝を囲むように設けられ、当該坩堝を加熱して前記原料を溶融する加熱部と、前記坩堝の上方において単結晶を囲むように配置され、前記加熱部からの熱を遮蔽する筒状の熱遮蔽体と、前記熱遮蔽体の内側において前記単結晶を囲むように配置され、前記単結晶を冷却する筒状の冷却部と、前記坩堝、前記加熱部、前記熱遮蔽体および前記冷却部を収容するメインチャンバ、並びに、前記単結晶および不活性ガスが通過するプルチャンバを有し、当該プルチャンバから供給される不活性ガスを前記メインチャンバの下方から排出可能に構成されたチャンバとを備え、チョクラルスキー法により単結晶を製造する単結晶引き上げ装置であって、前記冷却部の内側には、前記単結晶を囲む筒状部材が設けられ、前記筒状部材は、前記坩堝内融液および前記加熱部からの熱が前記冷却部で吸熱されることを抑制するとともに、当該筒状部材の上端で前記不活性ガスを当該筒状部材の内側を通る内側流ガスと外側を通る外側流通ガスとに分離して前記熱遮蔽体の下方まで導くことを特徴とする単結晶引き上げ装置。

請求項2

請求項1に記載の単結晶引き上げ装置において、前記筒状部材は、その上端が前記プルチャンバ内に位置し、かつ、前記プルチャンバの内周面との間に前記外側流通ガスが通る第1外側ガス流路が形成されるように設けられていることを特徴とする単結晶引き上げ装置。

請求項3

請求項1に記載の単結晶引き上げ装置において、前記冷却部の上方には、前記単結晶を冷却する筒状の上側冷却部が前記単結晶を囲むように設けられ、前記上側冷却部は、前記メインチャンバの上面部または前記プルチャンバに連結され、前記筒状部材は、その上端が前記上側冷却部内に位置し、かつ、前記上側冷却部の内周面との間に前記外側流通ガスが通る第1外側ガス流路が形成されるように設けられていることを特徴とする単結晶引き上げ装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の単結晶引き上げ装置において、前記熱遮蔽体の下端には、当該熱遮蔽体の内側に鍔状に突出する突出部が設けられ、前記筒状部材は、その下端が前記突出部の上端と下端との間に位置し、かつ、前記突出部の先端との間に前記外側流通ガスが通る第2外側ガス流路が形成されるように設けられていることを特徴とする単結晶引き上げ装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の単結晶引き上げ装置において、前記筒状部材は、前記メインチャンバの外部に搬出可能に構成されていることを特徴とする単結晶引き上げ装置。

請求項6

請求項1または請求項2に記載の単結晶引き上げ装置を用いたチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、前記坩堝内の前記原料を溶融する工程は、前記冷却部を冷却するとともに、前記メインチャンバ内の上方から下方に向けて不活性ガスを流通させ、前記坩堝を加熱することで、前記坩堝内の融液および前記加熱部からの熱が前記冷却部で吸熱されることを前記筒状部材で抑制するとともに、前記筒状部材で前記不活性ガスを前記内側流通ガスと前記外側流通ガスとに分離して前記熱遮蔽体の下方まで導き、前記内側流通ガスを前記坩堝と前記加熱部との隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出し、当該内側流通ガスのうち前記坩堝の内側に逆流しようとするガスを前記外側流通ガスで押し戻して前記隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出することを特徴とする単結晶の製造方法。

請求項7

請求項3に記載の単結晶引き上げ装置を用いたチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、前記坩堝内の前記原料を溶融する工程は、前記冷却部および前記上側冷却部を冷却するとともに、前記メインチャンバ内の上方から下方に向けて不活性ガスを流通させ、前記坩堝を加熱することで、前記坩堝内の融液および前記加熱部からの熱が前記冷却部で吸熱されることを前記筒状部材で抑制するとともに、前記筒状部材で前記不活性ガスを前記内側流通ガスと前記外側流通ガスとに分離して前記熱遮蔽体の下方まで導き、前記内側流通ガスを前記坩堝と前記加熱部との隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出し、当該内側流通ガスのうち前記坩堝の内側に逆流しようとするガスを前記外側流通ガスで押し戻して前記隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出することを特徴とする単結晶の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、単結晶引き上げ装置および単結晶の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来、図1に示すような単結晶引き上げ装置9が知られている。
単結晶引き上げ装置9は、チョクラルスキー法CZ法)によりシリコン単結晶を製造する装置であって、引き上げ装置本体2と、図示しない制御部とを備えている。引き上げ装置本体2は、チャンバ21と、坩堝22と、加熱部23と、断熱筒24と、熱遮蔽体25と、冷却部としての水冷体26とを備えている。

0003

チャンバ21は、坩堝22、加熱部23、断熱筒24、熱遮蔽体25および水冷体26を収容するメインチャンバ21Aと、このメインチャンバ21Aの上面部に連結され、シリコン単結晶が通過するプルチャンバ21Bとを備えている。プルチャンバ21Bには、Arガスなどの不活性ガスG1をメインチャンバ21A内に導入する図示しないガス導入口が設けられている。メインチャンバ21Aの下部には、図示しない真空ポンプの駆動により、不活性ガスG1をメインチャンバ21Aから排出するガス排気口21Cが設けられている。

0004

坩堝22は、シリコン単結晶の原料である多結晶シリコンSを溶融し、シリコン融液Mとするものである。
加熱部23は、坩堝22を囲むように設けられ、坩堝22を加熱して、坩堝22内のシリコンSを溶融する。
断熱筒24は、坩堝22および加熱部23の周囲を取り囲むように配置されている。
熱遮蔽体25は、坩堝22の上方においてシリコン単結晶を囲む筒状に形成され、加熱部23から上方に向かって放射される輻射熱遮断する。
水冷体26は、熱遮蔽体25の内側においてシリコン単結晶を囲む筒状に形成され、内部を流通する冷却水などの冷媒によりシリコン単結晶を冷却する。

0005

このような単結晶引き上げ装置9を用いてシリコン単結晶を製造するに際し、まず、坩堝22内のシリコンSを溶融する溶融工程を行う。この溶融工程は、水冷体26に冷却水を流通させる工程と、メインチャンバ21A内の上方から下方に向けて不活性ガスG1を流通させる工程と、坩堝22を加熱する工程とを備えている。

0006

しかし、図1の単結晶引き上げ装置9で溶融工程を行うと、坩堝22内のシリコン融液Mからの熱H1および加熱部23からの熱H2が水冷体26に到達し、この水冷体26で吸熱されてしまうことで、シリコンSの溶融を完了させるまでの消費電力量が増加してしまう。なお、図1および以下に示す図2(A),(B)、図3図4において、各図の左右のうち一方で生じる熱やガスの挙動について図示して説明する場合があるが、これらの挙動は周方向全体にわたって起きている。
そこで、特許文献1に記載のような板状の遮蔽体(以下、「蓋体」という)を用い、図2(A)に示すように、蓋体91を坩堝22の上方を覆うように配置してから坩堝22を加熱することで、シリコン融液Mおよび加熱部23からの熱H1,H2が水冷体26に到達することを抑制し、シリコン溶融時の消費電力量の削減を図ることが考えられる。

先行技術

0007

特開平3−193694号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、図2(A)に示す特許文献1に記載の蓋体91を用いた方法では、シリコン融液Mからの蒸発ガスEGがシリコンSやシリコン融液Mと蓋体91との間で滞留し、この蒸発ガスEG中の粒子がシリコン融液Mに取り込まれ、単結晶化阻害されるおそれがある。
また、蓋体91を用いない場合でも、不活性ガスG1は、図2(B)に示すように、坩堝22の外側に導かれ、そのほとんどが坩堝22の側面と加熱部23との隙間を介してガス排気口21Cから排出されるが、一部が加熱部23に衝突して坩堝22の内側に向かう逆流ガスG2となる。そして、チャンバ21内のパーティクルが逆流ガスG2によりシリコン融液Mに運ばれ、単結晶化が阻害されるおそれがある。

0009

本発明の目的は、原料溶融時の消費電力量の削減を図りつつ、単結晶化の阻害を抑制可能な単結晶引き上げ装置および単結晶の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明の単結晶引き上げ装置は、原料を収納する坩堝と、前記坩堝を囲むように設けられ、当該坩堝を加熱して前記原料を溶融する加熱部と、前記坩堝の上方において単結晶を囲むように配置され、前記加熱部からの熱を遮蔽する筒状の熱遮蔽体と、前記熱遮蔽体の内側において前記単結晶を囲むように配置され、前記単結晶を冷却する筒状の冷却部と、前記坩堝、前記加熱部、前記熱遮蔽体および前記冷却部を収容するメインチャンバ、並びに、前記単結晶および不活性ガスが通過するプルチャンバを有し、当該プルチャンバから供給される不活性ガスを前記メインチャンバの下方から排出可能に構成されたチャンバとを備え、チョクラルスキー法により単結晶を製造する単結晶引き上げ装置であって、前記冷却部の内側には、前記単結晶を囲む筒状部材が設けられ、前記筒状部材は、前記坩堝内融液および前記加熱部からの熱が前記冷却部で吸熱されることを抑制するとともに、当該筒状部材の上端で前記不活性ガスを当該筒状部材の内側を通る内側流通ガスと外側を通る外側流通ガスとに分離して前記熱遮蔽体の下方まで導くことを特徴とする。

0011

本発明によれば、冷却部の内側に設けられた筒状部材により、融液および加熱部からの熱が冷却部で吸熱されることを抑制でき、原料溶融時の消費電力量を削減できる。また、筒状部材により生成された内側流通ガスを、融液からの蒸発ガスとともに坩堝と加熱部との隙間を介してメインチャンバの下方から排出し、当該内側流通ガスのうち坩堝の内側に向かおうとする逆流ガスを、外側流通ガスで押し戻して前記隙間を介してメインチャンバの下方から排出することで、蒸発ガス中の粒子やチャンバ内のパーティクルが融液に入ることを抑制し、単結晶化が阻害されることを抑制できる。

0012

本発明の単結晶引き上げ装置において、前記筒状部材は、その上端が前記プルチャンバ内に位置し、かつ、前記プルチャンバの内周面との間に前記外側流通ガスが通る外側ガス流路が形成されるように設けられていることが好ましい。
本発明の記載の単結晶引き上げ装置において、前記冷却部の上方には、前記単結晶を冷却する筒状の上側冷却部が前記単結晶を囲むように設けられ、前記上側冷却部は、前記メインチャンバの上面部または前記プルチャンバに連結され、前記筒状部材は、その上端が前記上側冷却部内に位置し、かつ、前記上側冷却部の内周面との間に前記外側流通ガスが通る第1外側ガス流路が形成されるように設けられていることが好ましい。

0013

本発明によれば、筒状部材を、その上端がプルチャンバ内または上側冷却部内に位置し、かつ、第1外側ガス流路が形成されるように配置するだけの簡単な方法で、原料溶融時の消費電力量の削減と単結晶化の阻害抑制とを図ることができる。

0014

本発明の単結晶引き上げ装置において、前記熱遮蔽体の下端には、当該熱遮蔽体の内側に鍔状に突出する突出部が設けられ、前記筒状部材は、その下端が前記突出部の上端と下端との間に位置し、かつ、前記突出部の先端との間に前記外側流通ガスが通る第2外側ガス流路が形成されるように設けられていることが好ましい。

0015

本発明によれば、第2外側ガス流路が、突出部の上側と筒状部材との間の流路よりも狭くなるので、この第2外側ガス流路を外側流通ガスが通過するときに、その流速を速くすることができる。したがって、逆流ガスを押し戻す力を大きくすることができる。

0016

本発明の単結晶引き上げ装置において、前記筒状部材は、前記メインチャンバの外部に搬出可能に構成されていることが好ましい。

0017

本発明によれば、原料を溶融する工程時に筒状部材をメインチャンバ内に位置させ、単結晶の育成時には筒状部材をメインチャンバ外に搬出することで、単結晶の育成を従来と同じ条件で行うことができる。

0018

本発明の単結晶の製造方法は、上述の単結晶引き上げ装置を用いたチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、前記坩堝内の前記原料を溶融する工程は、前記冷却部を冷却するとともに、前記メインチャンバ内の上方から下方に向けて不活性ガスを流通させ、前記坩堝を加熱することで、前記坩堝内の融液および前記加熱部からの熱が前記冷却部で吸熱されることを前記筒状部材で抑制するとともに、前記筒状部材で前記不活性ガスを前記内側流通ガスと前記外側流通ガスとに分離して前記熱遮蔽体の下方まで導き、前記内側流通ガスを前記坩堝と前記加熱部との隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出し、当該内側流通ガスのうち前記坩堝の内側に逆流しようとするガスを前記外側流通ガスで押し戻して前記隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出することを特徴とする。

0019

本発明の単結晶の製造方法は、上述の単結晶引き上げ装置を用いたチョクラルスキー法による単結晶の製造方法であって、前記坩堝内の前記原料を溶融する工程は、前記冷却部および前記上側冷却部を冷却するとともに、前記メインチャンバ内の上方から下方に向けて不活性ガスを流通させ、前記坩堝を加熱することで、前記坩堝内の融液および前記加熱部からの熱が前記冷却部で吸熱されることを前記筒状部材で抑制するとともに、前記筒状部材で前記不活性ガスを前記内側流通ガスと前記外側流通ガスとに分離して前記熱遮蔽体の下方まで導き、前記内側流通ガスを前記坩堝と前記加熱部との隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出し、当該内側流通ガスのうち前記坩堝の内側に逆流しようとするガスを前記外側流通ガスで押し戻して前記隙間を介して前記メインチャンバの下方から排出することを特徴とする。

図面の簡単な説明

0020

従来の単結晶引き上げ装置の断面図。
本発明の課題の説明図であり、(A)は蓋体を用いた場合の課題、(B)は蓋体を用いない場合の課題を示す。
本発明の第1実施形態に係る単結晶引き上げ装置の断面図。
本発明の第2実施形態に係る単結晶引き上げ装置の断面図。

0021

[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図1に示す単結晶引き上げ装置9と同じ構成については、説明を簡略にする。

0022

〔単結晶引き上げ装置の構成〕
図3に示すように、単結晶引き上げ装置1の引き上げ装置本体2は、チャンバ21と、坩堝22と、加熱部23と、断熱筒24と、熱遮蔽体25と、水冷体26と、筒状部材27とを備えている。
坩堝22は、所定の速度で昇降するとともに、その下端に接続された支持軸22Aを中心にして回転する。
熱遮蔽体25は、円筒状の本体部25Aと、当該本体部25Aの下端から内側に鍔状に突出する突出部25Bとを備えている。突出部25Bは、加熱部23の上端よりも低い位置に設けられている。突出部25Bは、水冷体26の下面とシリコン融液Mとの間に位置するように設けられ、シリコン融液Mからの熱が水冷体26の下面に到達することを抑制する。

0023

筒状部材27は、水冷体26の内側においてシリコン単結晶を囲むように設けられ、その上端で不活性ガスG1を当該筒状部材27の内側を通る内側流通ガスG11と外側を通る外側流通ガスG12とに分離する。筒状部材27は、黒鉛材またはSiCコートが施された黒鉛材で形成されることが好ましい。なお、筒状部材27は、黒鉛材の間に断熱材を設けた三層構造であってもよいし、二層または四層以上の構造であってもよい。
筒状部材27は、その外径がプルチャンバ21Bの内径の0.5倍以上0.95倍以下の円筒状に形成されていることが好ましい。0.5倍以上にすることで、筒状部材27の外周と熱遮蔽体25の突出部25Bとの間のガス流速が速くなり、上部へのガスの逆流を防ぐことができる。また、0.95倍以下にすることで、筒状部材27がプルチャンバ21B内部を容易に通過することができる。
筒状部材27は、その上端がプルチャンバ21B内(メインチャンバ21A上面の開口部の下端25Dよりも上側)に位置し、プルチャンバ21Bの内周面との間に外側流通ガスG12が通る第1外側ガス流路21Eが形成されるように設けられている。筒状部材27は、その下端が突出部25Bの上端25Cと下端25Dとの間に位置し、かつ、突出部25Bの先端との間に外側流通ガスG12が通る第2外側ガス流路21Fが形成されるように設けられている。
筒状部材27は、種子結晶を昇降させる図示しない引き上げケーブルにより、メインチャンバ21Aの外部に搬出される。

0024

〔シリコン単結晶の製造方法〕
次に、単結晶引き上げ装置1を用いたシリコン単結晶の製造方法について説明する。
シリコン単結晶を製造するに際し、坩堝22内のシリコンSの溶融工程を行う。この工程では、引き上げケーブルを用いて筒状部材27をメインチャンバ21A内に搬入し、図3に示すように、シリコンSが収容された坩堝22上に位置させる。その後、水冷体26を冷却するとともに、メインチャンバ21Aの上方から下方に向けて不活性ガスG1を流通させ、加熱部23で坩堝22を加熱する。不活性ガスG1の流量は、100L/min以上600L/min以下であることが好ましい。以上の処理により、減圧された不活性雰囲気でのシリコンSの溶融が開始される。

0025

このとき、シリコン融液M、加熱部23から熱H1,H2が放射されるが、この熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを筒状部材27が抑制する。
また、筒状部材27を設けない場合、図3二点鎖線で示すように、シリコン融液Mからの熱H3がメインチャンバ21Aの上面部と水冷体26との間を通過してメインチャンバ21Aの内壁上端側に到達する。この内壁上端側には断熱筒24が設けられていないため熱H3が吸熱されてしまうが、この吸熱を筒状部材27が抑制する。

0026

また、不活性ガスG1は、筒状部材27の上端により内側流通ガスG11と外側流通ガスG12とに分離される。内側流通ガスG11は、筒状部材27の内側を通ってシリコンSやシリコン融液Mの表面に到達し、この表面に沿って坩堝22の外側に導かれ、そのほとんどがシリコン融液Mからの蒸発ガスとともに、坩堝22の側面と加熱部23との隙間を介してガス排気口21Cから排出される。このとき、内側流通ガスG11の一部が加熱部23に衝突し、二点鎖線で示すように、坩堝22の内側に向かう逆流ガスG2となる可能性がある。しかし、第2外側ガス流路21Fを通った外側流通ガスG12が内側流通ガスG11により坩堝22の外側に導かれ、この外側流通ガスG12が逆流ガスG2を押し戻して坩堝22と加熱部23との隙間を介してガス排気口21Cから排出する。
また、第2外側ガス流路21Fが、その上側の流路よりも狭くなっているため、外側流通ガスG12が第2外側ガス流路21Fを通過するときに流速が速くなり、第2外側ガス流路21Fが狭くなっていない場合と比べて逆流ガスG2を押し戻す力が大きくなる。

0027

溶融工程が終了すると、引き上げケーブルを用いて筒状部材27を上昇させ、その全体をプルチャンバ21B内に収容することで、メインチャンバ21Aの外部に搬出する。
その後、必要に応じて、シリコン単結晶の抵抗率調整のためにシリコン融液Mにドーパントを添加した後、引き上げケーブルを下降させることで種子結晶をシリコン融液Mに接触させ、引き上げケーブルを適宜回転させながら引き上げるとともに、坩堝22を適宜回転させながら上昇させることで、シリコン単結晶を引き上げる(育成工程)。

0028

〔第1実施形態の作用効果
上述したような第1実施形態では、水冷体26の内側に筒状部材27を設けることで、シリコン融液M、加熱部23からの熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを抑制することができ、シリコン溶融時の消費電力量を削減できる。また、筒状部材27で生成した内側流通ガスG11をシリコン融液Mからの蒸発ガスとともに、ガス排気口21Cから排出するとともに、内側流通ガスG11の一部である逆流ガスG2を外側流通ガスG12で押し戻してガス排気口21Cから排出するため、蒸発ガス中の粒子やチャンバ内のパーティクルがシリコン融液Mに入ることを抑制でき、シリコン単結晶の単結晶化が阻害されることを抑制できる。

0029

特に、シリコン融液Mからの熱H3がメインチャンバ21Aの内壁上端側で吸熱されることも筒状部材27で抑制することができ、シリコン溶融時の消費電力量をさらに削減できる。
また、第2外側ガス流路21Fで外側流通ガスG12の流速を速くすることで、逆流ガスG2を押し戻す力を大きくすることができ、蒸発ガス中の粒子やパーティクルがシリコン融液Mに入る可能性をより低減できる。
さらに、筒状部材27をメインチャンバ21A外部に搬出することができ、シリコン単結晶の育成を従来と同じ条件で行うことができる。

0030

[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
図4に示すように、第1実施形態の単結晶引き上げ装置1と第2実施形態の単結晶引き上げ装置1Aとの相違点は、チャンバ21に上側冷却部としてのドローチューブ28が設けられたことと、このドローチューブ28の設置に伴い筒状部材27の形状を変えたことである。

0031

ドローチューブ28は、メインチャンバ21A内における水冷体26の上方に設けられている。ドローチューブ28は、シリコン単結晶を囲む筒状に形成され、水冷体26と同様に、内部を流通する冷却水などの冷媒によりシリコン単結晶の冷却を促進するとともに、プルチャンバ21B内の不活性ガスG1を整流してメインチャンバ21A内に導く。ドローチューブ28は、プルチャンバ21Bに連結されているが、メインチャンバ21Aの上面部に連結されてもよい。

0032

筒状部材27Aは、その外径がドローチューブ28の内径の0.5倍以上0.95倍以下の円筒状に形成され、その上端で不活性ガスG1を内側流通ガスG11と外側流通ガスG12とに分離する。
筒状部材27Aは、その上端がドローチューブ28内に位置し、かつ、ドローチューブ28の内周面との間に第1外側ガス流路21Eが形成されるように設けられている。また、筒状部材27Aは、その下端が突出部25Bの上端25Cと下端25Dとの間に位置し、第2外側ガス流路21Fが形成されるように設けられている。さらに、筒状部材27Aは、引き上げケーブルにより、メインチャンバ21Aの外部に搬出可能に設けられている。

0033

このような単結晶引き上げ装置1Aにおいても、第1実施形態の単結晶引き上げ装置1と同様に、熱H1,H2,H3の水冷体26やメインチャンバ21Aの内壁上端側での吸熱が抑制され、シリコン溶融時の消費電力量を削減できるとともに、蒸発ガス中の粒子やチャンバ内のパーティクルがシリコン融液Mに入ることを抑制でき、シリコン単結晶の単結晶化が阻害されることを抑制できる。

0034

[変形例]
なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。
例えば、熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを抑制でき、かつ、不活性ガスG1を内側流通ガスG11と外側流通ガスG12とに分離可能できれば、筒状部材27,27Aの上端をプルチャンバ21B、ドローチューブ28の下端よりも下側に位置させてもよい。
熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを抑制できれば、筒状部材27,27Aの下端を突出部25Bの上端25Cよりも上側に位置させてもよい。
不活性ガスG1を内側流通ガスG11と外側流通ガスG12とに分離できれば、筒状部材27,27Aの外径をプルチャンバ21B、ドローチューブ28の内径より大きくし、育成工程時にもメインチャンバ21A内に位置させてもよい。
内側流通ガスG11と外側流通ガスG12とを熱遮蔽体25の熱遮蔽体25の下方まで導ければ、筒状部材27,27Aをメインチャンバ21Aやプルチャンバ21Bに固定してもよい。
筒状部材27,27Aは、円筒状に限らず、円錐台筒状、角筒状であってもよい。
本発明をSiC、GaAS、サファイアなどの単結晶を製造する装置に適用してもよい。

0035

次に、本発明を実施例および比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。

0036

〔実施例〕
まず、図4に示すような単結晶引き上げ装置1Aを準備した。坩堝22の上端開口部の直径は810mm、熱遮蔽体25下端の開口径(突出部25Bの先端で囲まれる円形領域(以下、「熱遮蔽体25下端の開口部」という)の直径)は400mm、筒状部材27Aの内径、外径はそれぞれ310mm、324mm、ドローチューブ28の内径は400mmであった。また、筒状部材27Aの上端をドローチューブ28内に位置させ、下端を突出部25Bの上端25Cと下端25Dとの間に位置させた。
そして、筒状部材27Aを用いたシリコンSの溶融工程、筒状部材27Aをチャンバ21外部に搬出する工程、直胴部の直径および長さがそれぞれ310mm、2000mmのシリコン単結晶の育成工程を行い、融解工程時の加熱部23の消費電力量((融解工程時の加熱部23の平均電力)×(加熱開始からシリコンSの融解が完了するまでの時間)と、シリコン単結晶の有転位化発生状況とを調べた。なお、不活性ガスG1の流量は、200L/minとした。

0037

〔比較例〕
図2(A)に示すような、下面の直径が310mmの蓋体を準備し、この蓋体を筒状部材27Aの代わりに熱遮蔽体25下端の開口部内中央に位置させた溶融工程、蓋体をチャンバ21外部に搬出する工程、実施例と同じ育成工程を行い、融解工程時の消費電力量と、シリコン単結晶の有転位化の発生状況とを調べた。

0038

〔参考例〕
単結晶引き上げ装置1Aに、筒状部材27Aおよび蓋体のいずれも配置しないで、溶融工程、育成工程を行い、融解工程時の消費電力量を調べた。なお、参考例のシリコン単結晶の製造条件は、一般的に行われている条件である。

0039

〔評価〕
実施例、比較例、参考例の融解工程時の消費電力量と、参考例以外のシリコン単結晶の有転位化の発生状況とを表1に示す。
消費電力量については、比較例とほぼ同水準であり、参考例と比べて融解工程時の消費電力量を削減できることがわかった。このことから、筒状部材27Aは、シリコン融液M、加熱部23からの熱H1,H2が水冷体26で吸熱されることを抑制できると考えられる。
また、比較例ではシリコン単結晶に有転位化が発生したが、実施例では発生しなかった。このことから、筒状部材27Aが不活性ガスG1を内側流通ガスG11と外側流通ガスG12とに分離することにより、蒸発ガス中の粒子やチャンバ21内のパーティクルがシリコン融液Mに入ることを抑制し、その結果、シリコン単結晶の有転位化を抑制できると考えられる。

実施例

0040

0041

1,1A…単結晶引き上げ装置、21…チャンバ、21A…メインチャンバ、21B…プルチャンバ、21E…第1外側ガス流路、21F…第2外側ガス流路、22…坩堝、23…加熱部、25…熱遮蔽体、25B…突出部、25C…上端、25D…下端、26…水冷体(冷却部)、27,27A…筒状部材、28…ドローチューブ(上側冷却部)、G1…不活性ガス、G11…内側流通ガス、G12…外側流通ガス、M…シリコン融液(融液)、S…シリコン(原料)。

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