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技術 医療用ナイフ

出願人 マニー株式会社
発明者 田澤祥亨
出願日 2016年8月29日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-166623
公開日 2018年3月8日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-033492
状態 特許登録済
技術分野 手術用機器 眼耳の治療、感覚置換
主要キーワード 平面投影形状 算盤玉状 移動寸法 自己閉鎖性 刺し込み 冷間塑性加工 差し込み方向 音波乳化吸引装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月8日)のものです。
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図面 (5)

課題

高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することができる医療用ナイフを提供する。

解決手段

ナイフAは、刃部1の平面投影形状が、先端部分に形成された尖端2及び該尖端2の近傍を含む先端部3と、最も幅の広い最大幅部4と、先端部3と最大幅部4の間に形成された側面部5とからなる略菱形に形成され、且つ刃部1の外周に沿って形成されたエッジ7を含む仮想面7aを境界とし、表面側にエッジ7を構成する表面側斜面8が、裏面側にエッジ7を構成する裏面側斜面9が夫々形成されており、先端部3に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度αに対する仮想面7aと裏面側斜面9aとのなす角度βの割合が、側面部5に於ける表面側斜面8とのなす角度αに対する仮想面7aと裏面側斜面とのなす角度θの割合よりも大きい。

概要

背景

眼科手術では、医療用ナイフ球面状眼球に刺し込んで角膜又は角膜と強膜の間を切開する際に自己閉鎖性の高い切開創を形成することが好ましいとされている。自己閉鎖性の高い切開創とは、眼球を正面からみたとき、中心に向かって凸となる緩やかな曲線状の所謂フラウン切開である。

眼科手術に使用される医療用ナイフとして、断面形状がエッジを結ぶ面を底面とする台形状に形成されたべベルアップ型、エッジを結ぶ線が略中間位置にある算盤玉状に形成されたバイベル型、などが提供され、夫々選択的に使用されている。

べベルアップ型のナイフの場合、切開時に作用する眼圧及び切開抵抗によって生じる力が上面と下面で異なり、切開の進行に伴って下向きに作用する力が大きくなって、全体に底面方向にずれるという特徴を有する。このナイフは比較的高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することができる。また、バイべベル型のナイフの場合、切開時に上面と下面に作用する力は略等しくなり、差し込み方向は直線的になるという特徴を有するものの、形成された切開創の自己閉鎖性はさほど高くはない。

常に、より好ましい切開創を形成し得る医療用ナイフの開発が要求されており、この要求に応えて特許文献1に記載された医療用ナイフが提案されている。この医療用ナイフは、自己閉鎖性の高い切開創を形成することを目的として開発されたものであり、刃部の先端部分に形成した鋭い尖端頂点とし、菱形最大幅の部分にまでエッジが形成されている。

そして、エッジを含む面を境界として上部側にエッジから内部側に向かい厚さ方向に傾斜した第1傾斜面と、この第1傾斜面に連続した第2傾斜面とが形成され、最も上部側の表面が上部平面として形成されている。また、エッジを含む面を境界として下部側にはエッジから刃部の内部側に向かい厚さ方向に傾斜した下側傾斜面と、この下側傾斜面に連続した平面が形成されている。特に、エッジを含む面を境界として上部面側の厚みが刃部に於ける総厚みの75%〜93%の範囲となるように構成されている。

上記医療用ナイフでは、角膜又は角膜と強膜の間を切開する際に、尖端を球面上の角膜に刺し込んだときに作用する眼圧や切開抵抗によって、上面側に作用する力が下面側に作用する力よりも大きくなるもののその差は小さい。このため、医療用ナイフの刺し込み方向からみた切開創は上に向けて凸となる緩やかな曲線となる。また、眼球の正面から見た切開創は、眼球の中心に向けて凸となる更に緩やかな曲線となる。このような切開創は、自己閉鎖性の高い好ましいものである。

概要

高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することができる医療用ナイフを提供する。ナイフAは、刃部1の平面投影形状が、先端部分に形成された尖端2及び該尖端2の近傍を含む先端部3と、最も幅の広い最大幅部4と、先端部3と最大幅部4の間に形成された側面部5とからなる略菱形に形成され、且つ刃部1の外周に沿って形成されたエッジ7を含む仮想面7aを境界とし、表面側にエッジ7を構成する表面側斜面8が、裏面側にエッジ7を構成する裏面側斜面9が夫々形成されており、先端部3に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度αに対する仮想面7aと裏面側斜面9aとのなす角度βの割合が、側面部5に於ける表面側斜面8とのなす角度αに対する仮想面7aと裏面側斜面とのなす角度θの割合よりも大きい。

目的

本発明の目的は、より高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することができる医療用ナイフを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

刃部の外周に沿ってエッジを形成した医療用ナイフであって、刃部の平面投影形状が、刃部の先端部分に形成された尖端及び該尖端の近傍を含む先端部と、最も幅の広い最大幅部と、先端部と最大幅部の間に形成された側面部とからなる略菱形に形成され、且つ刃部の外周に沿って形成されたエッジを含む仮想面境界とし、表面側にエッジを構成する表面側斜面が、裏面側にエッジを構成する裏面側斜面が夫々形成されており、前記先端部に於ける前記仮想面と前記表面側斜面とのなす角度に対する前記仮想面と前記裏面側斜面とのなす角度の割合が、前記側面部に於ける前記表面側斜面とのなす角度に対する前記仮想面と前記裏面側斜面とのなす角度の割合よりも大きいことを特徴とする医療用ナイフ。

請求項2

前記仮想線を境界とし、該仮想面の表面側の厚みが前記裏面側の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載した医療用ナイフ。

請求項3

前記仮想面と前記表面側斜面とのなす角度に対する前記仮想面と前記裏面側斜面とのなす角度の割合は、前記側面部では略一定であることを特徴とする請求項1又は2に記載した医療用ナイフ。

技術分野

0001

本発明は眼科手術に際し、高い自己閉鎖性を有する切開創を実現し得るようにした医療用ナイフに関するものである。

背景技術

0002

眼科手術では、医療用ナイフを球面状眼球に刺し込んで角膜又は角膜と強膜の間を切開する際に自己閉鎖性の高い切開創を形成することが好ましいとされている。自己閉鎖性の高い切開創とは、眼球を正面からみたとき、中心に向かって凸となる緩やかな曲線状の所謂フラウン切開である。

0003

眼科手術に使用される医療用ナイフとして、断面形状がエッジを結ぶ面を底面とする台形状に形成されたべベルアップ型、エッジを結ぶ線が略中間位置にある算盤玉状に形成されたバイベル型、などが提供され、夫々選択的に使用されている。

0004

べベルアップ型のナイフの場合、切開時に作用する眼圧及び切開抵抗によって生じる力が上面と下面で異なり、切開の進行に伴って下向きに作用する力が大きくなって、全体に底面方向にずれるという特徴を有する。このナイフは比較的高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することができる。また、バイべベル型のナイフの場合、切開時に上面と下面に作用する力は略等しくなり、差し込み方向は直線的になるという特徴を有するものの、形成された切開創の自己閉鎖性はさほど高くはない。

0005

常に、より好ましい切開創を形成し得る医療用ナイフの開発が要求されており、この要求に応えて特許文献1に記載された医療用ナイフが提案されている。この医療用ナイフは、自己閉鎖性の高い切開創を形成することを目的として開発されたものであり、刃部の先端部分に形成した鋭い尖端頂点とし、菱形最大幅の部分にまでエッジが形成されている。

0006

そして、エッジを含む面を境界として上部側にエッジから内部側に向かい厚さ方向に傾斜した第1傾斜面と、この第1傾斜面に連続した第2傾斜面とが形成され、最も上部側の表面が上部平面として形成されている。また、エッジを含む面を境界として下部側にはエッジから刃部の内部側に向かい厚さ方向に傾斜した下側傾斜面と、この下側傾斜面に連続した平面が形成されている。特に、エッジを含む面を境界として上部面側の厚みが刃部に於ける総厚みの75%〜93%の範囲となるように構成されている。

0007

上記医療用ナイフでは、角膜又は角膜と強膜の間を切開する際に、尖端を球面上の角膜に刺し込んだときに作用する眼圧や切開抵抗によって、上面側に作用する力が下面側に作用する力よりも大きくなるもののその差は小さい。このため、医療用ナイフの刺し込み方向からみた切開創は上に向けて凸となる緩やかな曲線となる。また、眼球の正面から見た切開創は、眼球の中心に向けて凸となる更に緩やかな曲線となる。このような切開創は、自己閉鎖性の高い好ましいものである。

先行技術

0008

特許第4269299号公報(特開2001−238890)

発明が解決しようとする課題

0009

上記特許文献1に記載された医療用ナイフでは、眼科手術の際に自己閉鎖性の高い切開創を形成することができる。しかし、常により良い切開創を形成することができる医療用ナイフの開発が求められているのが実情である。

0010

本発明の目的は、より高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することができる医療用ナイフを提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するために本発明に係る医療用ナイフは、刃部の外周に沿ってエッジを形成した医療用ナイフであって、刃部の平面投影形状が、刃部の先端部分に形成された尖端及び該尖端の近傍を含む先端部と、最も幅の広い最大幅部と、先端部と最大幅部の間に形成された側面部とからなる略菱形に形成され、且つ刃部の外周に沿って形成されたエッジを含む仮想面を境界とし、表面側にエッジを構成する表面側斜面が、裏面側にエッジを構成する裏面側斜面が夫々形成されており、前記先端部に於ける前記仮想面と前記表面側斜面とのなす角度に対する前記仮想面と前記裏面側斜面とのなす角度の割合が、前記側面部に於ける前記表面側斜面とのなす角度に対する前記仮想面と前記裏面側斜面とのなす角度の割合よりも大きいことを特徴とするものである。

0012

上記医療用ナイフに於いて、前記仮想線を境界とし、該仮想面の表面側の厚みが前記裏面側の厚みよりも大きいことが好ましい。

0013

また、上記何れかの医療用ナイフに於いて、前記仮想面と前記表面側斜面とのなす角度に対する前記仮想面と前記裏面側斜面とのなす角度の割合は、前記側面部では略一定であることが好ましい。

発明の効果

0014

本発明に係る医療用ナイフ(以下単に「ナイフ」という)では、高い自己閉鎖性を発揮する切開創を形成することができる。

0015

刃部の外周に沿って形成されたエッジを含む仮想面を境界として、表面側に形成された表面側斜面と仮想面とのなす角度に対する裏面側に形成された裏面側斜面と仮想面とのなす角度の割合が、先端部の方が側面部よりも大きい。このため、眼球を切開する際に作用する眼圧や切開抵抗によって表面側から裏面側に生じる力の差は、先端部の方が小さくなり、側面部の方が大きくなる。

0016

従って、眼球を切開する際に、先端部ではナイフを裏面側に下げようとする力が小さく、直進させようとする力が大きくなり、曲率の小さい曲線状の切開創を形成することができる。また、側面部ではナイフを裏面側に下げようとする力が先端部よりも大きくなり、曲率の大きい曲線状の切開創を形成することができる。このようにして自己閉鎖性の高い切開創を形成することができる。

0017

特に、エッジを含む仮想線を境界とし、該仮想面の表面側の厚みが前記裏面側の厚みよりも大きくすることで、眼球を切開する際に表面側に作用する力と裏面側に作用する力との差を小さくすることができる。

0018

また、仮想面と表面側斜面とのなす角度に対する仮想面と裏面側斜面とのなす角度の割合を、側面部では略一定とすることで、眼球に対してナイフを刺し込んだとき、側面部に於ける裏面側に下げるように作用する力を略一定の値とすることができる。このため、医師が安定した状態で切開手術を進めることができる。

図面の簡単な説明

0019

第1実施例に係るナイフの表面と裏面を示す図である。
図1の部分断面図である。
エッジ部分の拡大図である。
第2実施例に係るナイフの表面と裏面を示す図である。

実施例

0020

以下、本発明に係るナイフについて説明する。本発明に係るナイフは、眼球を切開したとき、高い自己閉鎖性を有する切開創を形成することを可能としたものである。

0021

本発明に係るナイフは、眼球に刺し込んで初期切開創を形成し、この初期切開創を起点として切開すると共に押し広げる機能を有する。そして、眼球にレンズ埋設するような手術を実施するに際し、該眼球から水晶体吸引するための超音波乳化吸引装置チップを挿入し、或いは該眼球に埋め込むレンズを挿入し得る長さの切開創を形成するものである。

0022

本発明に係るナイフを構成する材料として特に限定するものではなく、ステンレス鋼炭素鋼等の鋼類を用いることが可能である。しかし、防錆の面や加工のし易さを考慮したとき、ステンレス鋼であることが好ましく、中でもオーステナイト系ステンレス鋼であることが望ましい。

0023

オーステナイト系ステンレス鋼を素材とする場合、素材の硬度を上昇させるために、所定の加工率冷間塑性加工を施して組織ファイバー状伸長させておき、ファイバー状の組織を維持してプレス加工研磨加工及び他の必要な加工を施すことが好ましい。

0024

本発明に係るナイフは、刃部の平面形状が、鋭い尖端と該尖端の近傍を含む先端部と、最大幅部と、先端部と最大幅部の間に形成された側面部と、を有する略菱形に形成されている。そして、尖端から最大幅部に至る外周部分にエッジ(切刃)が形成されている。このため、眼球に尖端を刺し込んでまっすぐに移動させることで最大幅部の寸法に対応する切開創を形成することが可能である。また、眼球に尖端を差し込んで左右方向に移動させることで、最大幅部の寸法の如何に関わらず所望の幅の切開創を形成することが可能である。

0025

本発明に係るナイフに於いて、先端部を構成する尖端の近傍とは、尖端を頂点とし最大幅部のエッジどうしを結ぶ線を底辺とする三角形を想定し、尖端から底辺に至る垂線軸線ともいう)の長さの1/2までの範囲、好ましくは1/4までの範囲である。先端部を構成する尖端を含む尖端の近傍の長さが、尖端から底辺に至る垂線の長さの1/2を超えると、従来のバイべベル型のナイフによる切開創と類似の切開創となり、好ましくない。また、尖端から底辺に至る垂線の長さの1/4よりも小さい1/30程度以下になると、切開を開始した際に生じるナイフの直進性を発揮し得る範囲が狭くなり、高い自己切開性を有する切開創を形成し得なくなる。

0026

更に本発明に係るナイフは、尖端を頂点として刃部の外周に沿って形成された一対のエッジを含む仮想面を想定し、この仮想面を境界として表面側に表面側斜面が形成され、裏面側に裏面側斜面が形成されている。そして、先端部に於ける仮想面と表面側斜面とのなす角度に対する仮想面と裏面側斜面とのなす角度の割合(先端部に於ける角度の割合)が、側面部に於ける表面側斜面とのなす角度に対する仮想面と裏面側斜面とのなす角度の割合(側面部に於ける角度の割合)よりも大きく構成されている。

0027

先端部に於ける角度の割合が、側面部に於ける角度の割合よりどの程度大きいかは特に限定するものではなく、眼科手術を行う際に、先端部では十分な直進性を発揮し、側面部では適度な下向きの力が作用し得るような割合であることが好ましい。即ち、先端部ではバイべベル型のナイフの特性を有し、側面部ではべベルアップ型の特性を有するような割合に設定することが好ましい。

0028

先端部に於ける角度の割合を側面部に於ける角度の割合よりも大きくする場合、先端部に於ける仮想面に対する表面側斜面のなす角度、先端部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度、側面部に於ける仮想面に対する表面側斜面のなす角度、側面部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度、を夫々独立させた角度として設定することで実現することが可能である。

0029

例えば、先端部及び側面部に於ける仮想面に対する表面側斜面のなす角度を一定とし、先端部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度を、側面部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度よりも大きく設定することで実現することが可能である。或いは、先端部に於ける仮想面に対する表面側斜面のなす角度を、側面部に於ける仮想面に対する表面側斜面のなす角度よりも小さくし、先端部及び側面部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度を一定としても実現することが可能である。

0030

また、仮想面を境界として表面側の厚みが裏面側の厚みよりも大きいことが好ましい。表面側の厚みが裏面側の厚みよりもどの程度大きいかは特に限定するものではなく、眼球に側面部が刺し込まれたとき、作用する下向きの力が自己閉鎖性を有する切開創を形成し得るような厚みであることが好ましい。

0031

また、側面部では、仮想面と表面側斜面とのなす角度に対する仮想面と裏面側斜面とのなす角度の割合を略一定とすることが好ましい。この場合、側面部に於ける表面側に作用する力と裏面側に作用する力の差が略一定となる。このため、単位長さ差し込んだときの裏面方向への移動寸法が略一定となり、安定した曲率を有する曲線からなる切開創を形成することが可能となる。

0032

次に図1図3を用いてナイフの第1実施例について説明する。本実施例に係るナイフは、先端部及び側面部に於ける仮想面に対する表面側斜面のなす角度を一定とし、先端部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度を側面部に於ける仮想面に対する裏面側斜面のなす角度よりも大きく設定している。

0033

図に於いて、ナイフAは、刃部1と、この刃部1に連続した図示しないシャンクを有して構成されている。刃部1には鋭い尖端2が形成されており、該尖端2及び該尖端2の近傍を含んで先端部3が形成されている。また、尖端2から離隔した位置に刃部1の最大幅部4が形成されており、先端部3から最大幅部4の間が側面部5として形成されている。

0034

尖端2から最大幅部4までの距離、最大幅部4の幅寸法等の詳細な寸法、及び先端部3の範囲はナイフAの目的、例えば切開創の寸法等の仕様に応じて種々設定されている。

0035

刃部1の外周に沿って、尖端2を頂点とし最大幅部4に至る一対のエッジ7が形成されている。このエッジ7は生体組織切り開く機能を有するものであり、刃部1の外周に沿って形成された一対のエッジ7を含む仮想面7aを境界として表面側に形成された表面側斜面8と裏面側に形成された裏面側斜面9とが交差することで形成されている。このように、表面側斜面8と裏面側斜面9は共同してエッジ7を形成するものであるため、これらの斜面8、9は平滑度の高い研削面として形成されている。

0036

刃部1に於ける表面側に形成された表面側斜面8に沿って第2斜面10が形成され、両斜面8、10の境界には境界線8aが形成されている。従って、第2斜面10は両エッジ7を構成する表面側斜面8の間に形成されている。第2斜面10は切刃としての機能を有することがないため、必ずしも高い平滑度を持った研削面によって形成する必要はなく、プレス面或いは粗い研削面であっても良い。

0037

また、一対の第2斜面10の間に該第2斜面10に沿って表面側平面11が形成されている。この表面側平面11も第2斜面10と同様にプレス面或いは粗い研削面であっても良い。

0038

尚、本実施例に於いては、第2斜面10及び表面側平面11を設けたが、第2斜面10、表面側平面11は必須なものではなく、これらを設けない構成とすることも可能である。例えば、表面側斜面8を刃部1の内側に延長させ中央で交叉させてもよく、第2斜面10を刃部1の内側に延長させ中央で交叉させてもよい。その場合の延長させる面は、平面でも曲面でも良い。

0039

刃部1に於ける裏面側に形成された一対の裏面側斜面9の間に該裏面側斜面9に連続して裏面側平面12が形成されている。この裏面側平面12は、前述の第2斜面10及び表面側平面11と同様に切刃としての機能を有することのない面として形成される。このため、必ずしも高い平滑度を持った研削面である必要はなく、粗い研削面或いはプレス面として形成されていても良い。

0040

先端部3は尖端2及び該尖端2の近傍を含んで形成されている。尖端2の近傍の範囲は限定するものではなく、眼科手術の際に必要とされる自己閉鎖性を発揮するのに適した切開創を形成し得る範囲であることが好ましい。

0041

本実施例では、最大幅部4を結ぶ線(図1(a)のC−C線)を底辺とし、尖端2を通る垂線(軸線)上で、尖端2から底辺までの寸法の約1/5の範囲を先端部3として設定している。しかし、この範囲に限定するものではなく、これ以上長くとも良く、また短くとも良い。

0042

前述したように、本実施例では、先端部3及び側面部5に於ける仮想面7aに対する表面側斜面8のなす角度を一定としている。そして、先端部3に於ける仮想面7aに対する裏面側斜面9aのなす角度を側面部5に於ける仮想面7aに対する裏面側斜面9bのなす角度よりも大きく設定している。

0043

特に、先端部3を構成する裏面側斜面9aから側面部5を構成する裏面側斜面9bに連続して移行し得るように、該移行部は平滑な曲面として形成されている。

0044

次に、先端部3と側面部5に於ける仮想面7aを境界とする、先端部3に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度と、仮想面7aと裏面側斜面9(9a、9b)とのなす角度の関係について説明する。

0045

図2(a)は先端部3に於けるA−A断面図であり、図3(a)はエッジ7の拡大説明図である。図2(b)は側面部5に於けるB−B断面図であり、図3(b)はエッジ7の拡大説明図である。図2(c)は最大幅部4に於けるC−C断面図であり、図3(c)はエッジ7の拡大説明図である。

0046

図に示すように、先端部3に於けるエッジ7は、仮想面7aを境界とし、該仮想面7aに対し角度αで交差した表面側斜面8と、仮想面7aに対し角度βで交差した裏面側斜面9aと、によって構成されている。

0047

また、側面部5に於けるエッジ7は、仮想面7aを境界とし、該仮想面7aに対し角度αで交差した表面側斜面8と、仮想面7aに対し角度θで交差した裏面側斜面9bと、によって構成されている。更に、最大幅部4に於けるエッジ7は、仮想面7aを境界とし、該仮想面7aに対し角度αで交差した表面側斜面8と、仮想面7aに対し角度θで交差した裏面側斜面9と、によって構成されている。

0048

各角度α、β、θの値を限定するものではない。しかし、角度βは角度θよりも大きい角度に設定されている。即ち、先端部3のエッジ7に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度αに対する仮想面7aと裏面側斜面9aとのなす角度βの割合はβ/αとなる。また、側面部5のエッジ7に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度αに対する仮想面7aと裏面側斜面9bとのなす角度の割合はθ/αとなる。従って、先端部3に於ける割合β/αは、側面部5に於ける割合θ/αよりも大きい。

0049

割合β/αが割合θ/αよりも大きいため、ナイフAによって眼球を刺通したとき、先端部3に作用する表面側と裏面側の力の差は、側面部5に作用する表面側と裏面側の力の差よりも小さくなる。従って、眼球に対しナイフAを軸方向に真っ直ぐに刺し込んだとき、先端部3では略直進させて切開することが可能であり、先端部3から側面部5に移行するのに伴ってナイフAは裏面方向に移動(下降)しつつ切開することが可能となる。

0050

この結果、眼球に形成された切開創を正面からみたとき、先端部3による切開創は緩い曲線状となり、側面部5による切開創はより曲率の大きい下向きの曲線となる。そして、このような切開創によってフラウン切開を実現することが可能である。

0051

本件発明者等は、最大幅部4の寸法が2.4mm、尖端2から最大幅部4までの軸方向の寸法が3.0mm、先端部3の寸法が尖端2から軸方向に略0.5mm、側面部5の寸法が先端部3に連続して略3.0mm、尖端2を頂点とする一対のエッジ7どうしのなす角度が略60度、先端部3に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度αを略21.5度、仮想面7aと裏面側斜面9aとのなす角度βを略11.5度とし、側面部5に於ける仮想面7aと表面側斜面8とのなす角度αを略21.5度、仮想面7aと裏面側斜面9bとのなす角度θを略9.5度とするナイフを作成した。

0052

上記ナイフでは、先端部3に於ける割合β/αは0.53であり、側面部5に於ける割合θ/αは0.44である。従って、先端部3に於ける割合β/αが、側面部5に於ける割合θ/αよりも大きい。

0053

上記の如く構成したナイフを用いての眼球に対する切開創を形成する実験を行ったところ、尖端2から先端部3にかけての切開創は曲率の小さい緩い曲線状となり、側面部5の切開創は前記切開創と比較して曲率の大きい曲線状となった。この実験で得られた切開創は充分に好ましいフラウン切開といえる、との結論を得た。

0054

次に第2実施例に係るナイフAの構成について図4を用いて説明する。尚、図に於いて、前述の第1実施例と同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。

0055

本実施例では、裏面側斜面9であって、先端部3を構成する裏面側斜面9aから側面部5を構成する裏面側斜面9bに移行する部位に、境界線9cが形成されている。即ち、先端部3の裏面側斜面9aと側面部5の裏面側斜面9bとが連続的に接続されるものではなく、明確に形成された境界線9cを介して接続されている。このような裏面側斜面9a、9bは、高い剛性を有する研削材を利用し、ナイフの素材を予め設定された角度β、θに対応させて傾斜させて研削することで実現することが可能である。

0056

上記の如く、裏面側斜面9a、9bが境界線9cを介して接続されていても、切開する際の刺通性に影響を与えることはなく、形成された切開創も先端部3では曲率の小さい緩い曲線状で、側面部5では前記切開創と比較して曲率の大きい曲線状となった。

0057

尚、本実施例では、裏面側斜面9に於ける先端部3に対応する裏面側斜面9aから側面側斜面9bに移行する部位に境界線9cを形成するような構成とした。しかし、表面側斜面8に於ける先端部3に対応する範囲と側面部5に対応する範囲の角度を変更することで、先端部3に於ける割合β/αを側面部5に於ける割合θ/αよりも大きくするような場合、表面側斜面8に於ける先端部3と側面部5とを明確な境界線で接続しても良いことは当然である。

0058

本発明に係るナイフAは、眼科手術に於ける自己閉鎖性の高い切開創を形成する際に利用することが可能である。

0059

Aナイフ
1刃部
2尖端
3 先端部
4最大幅部
5 側面部
7エッジ
7a仮想面
8 表面側斜面
9、9a、9b 裏面側斜面
9c境界線
10 第2斜面
11 表面側平面
12 裏面側平面

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