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技術 送液装置、それを用いた細胞培養装置及び方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 木山政晴周広斌鈴木大介加藤美登里斉藤洸
出願日 2016年8月29日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-166681
公開日 2018年3月8日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-033322
状態 拒絶査定
技術分野 微生物・酵素関連装置 微生物、その培養処理
主要キーワード 重量変化値 予熱保持 滞留管 気体管路 次減量 気圧調整弁 大径容器 目的容器
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

液体培地細胞懸濁液を目的の容器までそれぞれに適した送液方法で送液する送液装置を提供する。

解決手段

液体培地を保持した第1液体ボトル12と、細胞懸濁液を保持する第2液体ボトル2の間にポンプ6を接続し、第2液体ボトル12の下流に培養容器として用いる受容器8を接続する。第1液体ボトルの液体培地は、第1供給弁17を開放することにより、ポンプ6、分岐点20を経由して受容器に送られ、第2液体ボトルの細胞懸濁液は、第1気体導入弁10、第2気体導入弁15、第2供給弁19を開放することにより、第1気体導入弁10から供給された気体がポンプ6、分岐点16を経由して第2液体ボトルに圧力伝搬することにより、受容器に送られる。

概要

背景

自分の細胞もしくは他人の細胞を用いて疾病治療を行う再生医療では、生体から採取した細胞を培養して細胞数を増やす、あるいはしかるべき形に組織構築させて移植治療に用いられる。治療に用いる細胞の培養は、細胞プロセシングセンタ(Cell Processing Center:CPC)という細胞培養用クリーンルームの中で、GMP(Good Manufacturing Practice)に準拠して行わなければならない。ここでの課題は、細胞培養技術者手作業によって行われるため、労力とコストが非常にかかるという点と、手動で実施することによる生物学的汚染リスクがあるという点である。

このような手作業の課題を解決する手段として、閉鎖系で細胞培養工程を自動化する装置が開発されてきた。培養容器の蓋を開閉する操作が不要な閉鎖系培養容器を用いることで、細胞培養工程の自動化と生物学的汚染リスクの低減が達成されるものである。自動培養装置では、分注器を機械化手操作と同様の分取移送の動作を連動して液体添加を行う方法があるが、装置全体無菌環境に設置する必要から装置は大型化する。一方で、分注操作にポンプを使用した場合、液体ボトルから培養皿までの空間を使い捨てのチューブで接続し、ポンプによる定量と送液を同時に行う方法がある。この場合液体が送液されるチューブ内部を無菌状態に維持できればよく、自動化装置は小型化できる。自動培養装置において機械化分注器を使用したものには、以下の特許文献1に開示されており、ポンプ送液を使用したものには特許文献2に開示されている。

概要

液体培地と細胞懸濁液を目的の容器までそれぞれに適した送液方法で送液する送液装置を提供する。液体培地を保持した第1液体ボトル12と、細胞懸濁液を保持する第2液体ボトル2の間にポンプ6を接続し、第2液体ボトル12の下流に培養容器として用いる受容器8を接続する。第1液体ボトルの液体培地は、第1供給弁17を開放することにより、ポンプ6、分岐点20を経由して受容器に送られ、第2液体ボトルの細胞懸濁液は、第1気体導入弁10、第2気体導入弁15、第2供給弁19を開放することにより、第1気体導入弁10から供給された気体がポンプ6、分岐点16を経由して第2液体ボトルに圧力伝搬することにより、受容器に送られる。

目的

本発明の目的は、このような課題を解決し、送液時に、液体に含まれる細胞や生体試料への応力負荷を低減する送液装置、それを用いた細胞培養装置及び方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、前記第1液体保持部と前記第2液体保持部との間に接続されるポンプと、前記第2液体保持部の下流に接続される受容器と、前記第1液体を前記ポンプ経由で前記受容器に供給する第1供給管と、前記第2液体を前記受容器に供給する第2供給管と、を備える、ことを特徴とする送液装置

請求項2

請求項1記載の送液装置であって、前記第2液体保持部に気体を導入する気体導入弁を備え、前記気体導入弁は、前記第1液体保持部と前記ポンプの間の前記第1供給管に接続される第1気体導入弁と、前記ポンプと前記受容器の間の前記第1供給管と前記第2液体保持部の間に接続される第2気体導入弁からなる、ことを特徴とする細胞培養装置

請求項3

請求項2記載の送液装置であって、前記ポンプと前記受容器の間の前記第1供給管を開閉する第1供給弁と、前記第2液体保持部と前記受容器の間の前記第2供給管を開閉する第2供給弁と、前記ポンプと、前記第1供給弁と、前記第2供給弁と、前記第1気体導入弁と、前記第2気体導入弁を制御する制御部を、備えることを特徴とする送液装置。

請求項4

請求項3記載の送液装置であって、前記制御部は、前記第1供給弁を開放して前記ポンプを動作させることにより、前記第1液体保持部から前記第1供給管を介して前記第1液体を前記受容器に送液し、前記第1気体導入弁を開放して前記ポンプを動作させることにより、所定量の前記第1液体を前記受容器に送液することを特徴とする送液装置。

請求項5

請求項3記載の送液装置であって、前記制御部は、前記第2供給弁と、前記第1気体導入弁と、前記第2気体導入弁を開放して前記ポンプを動作させることにより、前記第2液体保持部から前記第2供給管を介して前記第2液体を前記受容器に送液し、前記第2供給弁と前記第2気体導入弁を閉止した後、前記第1供給弁を開放して、前記ポンプを動作させることにより、所定量の前記第2液体を前記受容器に送液することを特徴とする送液装置。

請求項6

請求項5記載の送液装置であって、前記制御部は、前記第1供給弁を開放して動作させた前記ポンプを停止した後、前記第2気体導入弁を開放し閉止することを特徴とする送液装置。

請求項7

請求項5記載の送液装置であって、前記制御部は、前記第2供給弁と、前記第1気体導入弁と、前記第2気体導入弁を開放して前記ポンプを正逆動作させることにより、前記第2液体保持部の前記第2液体を撹拌することを特徴とする送液装置。

請求項8

請求項1記載の送液装置であって、前記第1液体保持部と前記第2液体保持部はそれぞれ液体ボトルで構成され、前記液体ボトルの径と、前記液体ボトルから前記第1液体と前記第2液体を排出する前記第1供給管と前記第2供給管の径の比は10倍以下であることを特徴とする送液装置。

請求項9

請求項1記載の送液装置であって、前記第1液体保持部と前記第2液体保持部はそれぞれ液体ボトルで構成され、前記液体ボトルの底面部分は三角錐の形状を有することを特徴とする送液装置。

請求項10

請求項1記載の送液装置であって、前記第1液体保持部の前記第1液体と、前記第2液体保持部の前記第2液体の重量をそれぞれ検知する重量センサを備え、前記制御部は、前記重量センサの出力に従い前記ポンプを制御することを特徴とする送液装置。

請求項11

細胞培養装置であって、恒温槽と、前記恒温槽内に配置される培養容器と、前記培養容器への液体の送液と排液を行う送液装置と、前記恒温槽と前記送液装置を制御する制御部とを備え、前記送液装置は、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、前記第1液体保持部と前記第2液体保持部との間に接続されるポンプと、前記第1液体を前記ポンプ経由で前記培養容器に供給する第1供給管と、前記第2液体を前記培養容器に供給する第2供給管を有すること特徴とする細胞培養装置。

請求項12

請求項11記載の細胞培養装置であって、前記第2液体保持部に気体を導入する気体導入弁を有し、前記気体導入弁は、前記第1液体保持部と前記ポンプの間の前記第1供給管に接続される第1気体導入弁と、前記ポンプと前記培養容器の間の前記第1供給管と前記第2液体保持部の間に接続される第2気体導入弁からなる、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項13

請求項12記載の細胞培養装置であって、前記ポンプと前記培養容器の間の前記第1供給管を開閉する第1供給弁と、前記第2液体保持部と前記培養容器の間の前記第2供給管を開閉する第2供給弁と、を備え、前記制御部は、前記ポンプと、前記第1供給弁と、前記第2供給弁と、前記第1気体導入弁と、前記第2気体導入弁を制御することを特徴とする細胞培養装置。

請求項14

請求項13記載の細胞培養装置であって、前記制御部は、前記第1供給弁を開放して前記ポンプを動作させることにより、前記第1液体保持部から前記第1供給管を介して前記第1液体を前記培養容器に送液し、前記第1気体導入弁を開放して前記ポンプを動作させることにより、所定量の前記第1液体を前記培養容器に送液し、前記第2供給弁と、前記第1気体導入弁と、前記第2気体導入弁を開放して前記ポンプを動作させることにより、前記第2液体保持部から前記第2供給管を介して前記第2液体を前記培養容器に送液し、前記第2供給弁と前記第2気体導入弁を閉止した後、前記第1供給弁を開放して、前記ポンプを動作させることにより、所定量の前記第2液体を前記培養容器に送液することを特徴とする細胞培養装置。

請求項15

細胞培養方法であって、恒温槽内に配置される培養容器への液体の送液と排液を行う送液装置として、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、前記第1液体保持部と前記第2液体保持部との間に接続されるポンプと、前記第1液体を前記ポンプ経由で前記培養容器に供給する第1供給管と、前記第2液体を前記培養容器に供給する第2供給管と、を有する構成の送液装置を用いて細胞培養を行うこと特徴とする細胞培養方法。

技術分野

0001

本発明は細胞を培養する細胞培養装置及び方法に係り、特にその送液技術に関するものである。

背景技術

0002

自分の細胞もしくは他人の細胞を用いて疾病治療を行う再生医療では、生体から採取した細胞を培養して細胞数を増やす、あるいはしかるべき形に組織構築させて移植治療に用いられる。治療に用いる細胞の培養は、細胞プロセシングセンタ(Cell Processing Center:CPC)という細胞培養用クリーンルームの中で、GMP(Good Manufacturing Practice)に準拠して行わなければならない。ここでの課題は、細胞培養技術者手作業によって行われるため、労力とコストが非常にかかるという点と、手動で実施することによる生物学的汚染リスクがあるという点である。

0003

このような手作業の課題を解決する手段として、閉鎖系で細胞培養工程を自動化する装置が開発されてきた。培養容器の蓋を開閉する操作が不要な閉鎖系培養容器を用いることで、細胞培養工程の自動化と生物学的汚染リスクの低減が達成されるものである。自動培養装置では、分注器を機械化手操作と同様の分取移送の動作を連動して液体添加を行う方法があるが、装置全体無菌環境に設置する必要から装置は大型化する。一方で、分注操作にポンプを使用した場合、液体ボトルから培養皿までの空間を使い捨てのチューブで接続し、ポンプによる定量と送液を同時に行う方法がある。この場合液体が送液されるチューブ内部を無菌状態に維持できればよく、自動化装置は小型化できる。自動培養装置において機械化分注器を使用したものには、以下の特許文献1に開示されており、ポンプ送液を使用したものには特許文献2に開示されている。

先行技術

0004

特開2006−149268号公報
特開2007−222120号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献2をはじめとして、一般には分注にポンプを使用した場合、送液元となる液体培地や、細胞または生体試料を懸濁した液体培地(以下細胞懸濁液とする)を保持したボトルはポンプの上流に配置し、ポンプの下流に培養皿などの容器を配置して、液体の流れを一方向とする方法が用いられてきた。このときポンプの内部を細胞懸濁液が通過すると、場合によっては、送液に伴う圧力変化によって通過後の細胞または生体試料に過度負荷が生じる懸念があった。

0006

本発明の目的は、このような課題を解決し、送液時に、液体に含まれる細胞や生体試料への応力負荷を低減する送液装置、それを用いた細胞培養装置及び方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記の目的を達成するため、本発明においては、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、第1液体保持部と第2液体保持部との間に接続されるポンプと、第2液体保持部の下流に接続される受容器と、第1液体をポンプ経由で受容器に供給する第1供給管と、第2液体を受容器に供給する第2供給管とを備える構成の送液装置を提供する。

0008

また、上記の目的を達成するため、本発明においては、細胞培養装置であって、恒温槽と、恒温槽内に配置される培養容器と、培養容器への液体の送液と排液を行う送液装置と、恒温槽と送液装置を制御する制御部とを備え、送液装置は、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、第1液体保持部と第2液体保持部との間に接続されるポンプと、第1液体をポンプ経由で培養容器に供給する第1供給管と、第2液体を培養容器に供給する第2供給管を有する構成の細胞培養装置を提供する。

0009

更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、細胞培養方法であって、恒温槽内に配置される培養容器への液体の送液と排液を行う送液装置として、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、第1液体保持部と第2液体保持部との間に接続されるポンプと、第1液体をポンプ経由で培養容器に供給する第1供給管と、第2液体を培養容器に供給する第2供給管を有する構成の送液装置を用いて、細胞培養を行う細胞培養方法を提供する。

発明の効果

0010

本発明によれば、送液時に、液体に含まれる細胞や生体試料への応力負荷を低減することができる。

図面の簡単な説明

0011

実施例1の送液装置の一構成図である。
実施例1の送液装置の制御タイムチャートの一例を示す図である。
実施例1の送液装置の他の構成図である。
実施例1の送液装置の制御タイムチャートの他の例を示す図である。
実施例1の送液装置および細胞培養装置の一構成図である。
実施例1の自動培養装置の制御フローの一例を示す図である。
実施例1の自動培養装置の制御タイムチャート例を示す図である。
実施例2の送液装置の一構成図である。
実施例2の送液装置の制御と重量測定データ例を示す図である。
実施例3の送液装置の一構成図である。
実施例3の送液装置の制御フローチャート例を示す図である。
実施例3の送液装置の他の構成図である。

0012

以下、添付図面を参照して本発明の種々の実施例について説明する。ただし、これらの実施例は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。なお、本明細書において、液体を送る送液管、及び気体を送る送気管を総称して供給管と呼び、この供給管は送液管或いは送気管として機能する。

0013

実施例1は、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、第1液体保持部と第2液体保持部との間に接続されるポンプと、第2液体保持部の下流に接続される受容器と、第1液体をポンプ経由で受容器に供給する第1供給管と、第2液体を受容器に供給する第2供給管とを備える構成の送液装置およびそれを用いた細胞培養装置の実施例である。以下、図1図7を参照しながら、実施例1に係る送液装置およびそれを用いた細胞培養装置を、送液装置、細胞培養容器自動細胞培養装置の構成、細胞培養の操作の順に説明する。

0014

<送液装置>
図1は、第1の実施例における送液装置の一構成を示す図である。送液装置1において、液体を保持する第1液体保持部である第1液体ボトル2は、そのふた(蓋)により内部を気密に保持できる。ふたに設けた気圧調整のための気圧調整管路3は、その開口端に設けられたメッシュサイズ0.22μmのフィルタ4で外気開放されている。ふたに設けられた供給管5は、第1液体ボトル2の内部に開口端を持ち、液体ボトル2内の液体に接して液体排出口となる。ポンプ6の一端は供給管5の他端に接続され、もう一端は供給管7に接続される。なお、ポンプ6がローラーポンプなどの場合、供給管5と供給管7は例えば一つのゴムチューブで構成され、その流路がポンプ6の流体駆動部に接続される。この供給管7の送液の送液先は、受容器8へ液体を供給する液体供給管21である。供給管5と供給管7を総称して第1供給管と呼ぶ場合がある。

0015

供給管5の第1液体ボトル2に保持された第1液体ボトル内の液体の液面より上方に分岐点9が設けられている。これにより、後で説明するように、第1気体導入弁10を開放してガスを送気した際、分岐点9の位置から第1液体ボトル2間の供給管5にある液体を、液体の落差から生じる位置エネルギによって液体ボトル2にまで戻すためである。これは、供給管5の中に液体を保持したままでは、乾燥して詰まりが発生するため、それを防止するためである。

0016

第1気体導入弁10は、分岐点9とフィルタ11に接続された管を開閉する。この第1気体導入弁10に使用する弁機構電磁弁が好適である。いわゆる電磁弁は電磁石の作用により開閉する部品にゴムチューブを挟み込んで取り付け、電磁弁のON/OFFによりゴムチューブを弾性変形させて管部を開放/閉止する機構である。以下、本明細書において、弁なるものは電磁弁を意味する。フィルタ11はメッシュサイズ0.22μmのフィルタであり外気に接している。

0017

液体を保持する第2液体保持部である第2液体ボトル12は、ふたにより内部を気密に保持される。ふたに設けた気体管路13であり、気圧調整管路13の開口端に設けられたメッシュサイズ0.22μmのフィルタ14を介して、第2気体導入弁15に接続される。気体管路13は第2気体導入弁15を経由して分岐16に至る。第1気体導入弁10と第2気体導入弁15で、第2液体保持部である第2液体ボトル12に気体を導入する気体導入弁を構成する。ポンプ6の一端から延びる供給管7の途中に分岐点16が設けられており、分岐点16から上述した気体管路13が分岐される。気体管路13は第2気体導入弁15により開閉され、供給管7は分岐点16と分岐点20の間に挿入された第1供給弁17により開閉される。

0018

第2液体ボトル12のふたに設けられた供給管18は、第2液体ボトル12の内部に開口端を持ち、液体に接して液体排出口となる。なお、この供給管18を第2供給管と称する場合がある。供給管18の途中には第2供給弁19が接続され、第2供給弁19により供給管18を開閉する。供給管7と供給管18の分岐点20は、気密性の高いふたで閉鎖された受容器8への液体供給管21に接続される。なお、受容器8には気圧調整用のフィルタ22が設けられている。この液体供給管21の開口部及び分岐点20は第2液体ボトル12内の液体の液面より上方に設けられている。これは液体を第2液体ボトル12に戻して、詰まりを防止するためである。このような第2液体ボトル12からの加圧型送液では、第2液体ボトル12内の液面より上方に液体供給管21の開口部及び分岐点20を設置することにより、管内の液体が戻らず残留してしまうのを防止する。

0019

以上のポンプ6と、第1気体導入弁10と、第2気体導入弁15と、第1供給弁17と、第2供給弁19の開閉、すなわち開放・閉止の動作は制御部であるコントローラ23で制御される。コントローラ23は、中央処理部(CPU)のプログラム実行により実現できる。

0020

送液装置1は次のように第1液体ボトル2内の液体の送液を行う。ポンプ6の流量をおよそQとする。第1気体導入弁10と第2気体導入弁15と第2供給弁19を閉じ、第1供給弁17を開放したのち、ポンプ6を稼働させると、ポンプ6は供給管5内の気体を送気し、気体に連なった第1液体ボトル2内の液体が供給管5を通過して、送液が開始される。液体は分岐点9を通過し、所定の液量Aが第1液体ボトル2より供給されたときポンプ6を停止する。停止するとポンプ6の内部構造により管は閉塞されており、液体は移動しない。

0021

次いで、第1気体導入弁10を開放すると、フィルタ11より気体導入がされるとともに、分岐点9の位置から第1液体ボトル2側の供給管5にある液体(戻り量B)は、その落差エネルギによって液体ボトル2にまで戻る。分岐点9よりポンプ6側の液体は、上述したポンプ6の内部構造により停止状態を維持している。このポンプ6側の液体が目的とする所定の送液量となる。次いでポンプ6を所定時間作動させると、フィルタ11より順次気体導入がされるとともに供給管7より、液体供給管21に向けて液体が移動する。液体の先端は受容器8に到達し液体の添加が開始され、液体の後端が受容器8に到達すれば、ポンプ6を停止する。

0022

次いで、送液装置1は以下のように第2液体ボトル12内の液体の送液を行う。第1供給弁17を閉じ、第1気体導入弁10と第2気体導入弁15と第2供給弁19を開放したのち、ポンプ6を稼働させると、フィルタ11より気体導入がされるとともに、分岐点9を経由して、ポンプ6は第2液体ボトル12内の液体に加圧が開始される。気相を介した圧力伝播により第2液体ボトル12内の液体は供給管18より第2供給弁19を通過して、受容器8へ送液が開始される。液体は分岐点20を通過し、所定の液量Cが第2液体ボトル12より供給されたときポンプ6を停止するとともに、第2気体導入弁15と第2供給弁19を閉止する。それぞれの弁の働きにより供給管18は閉塞されており、液体は移動しない。このとき供給管18における分岐点20より上流となる管内には液体が満たされており、その管の長さと径から求まる管内体積に相当する液量をDとする。

0023

次いで、第1供給弁17を開放し、ポンプ6を稼動すると、フィルタ11より気体導入がされ、気体は分岐点16と第1供給弁17を経由して、分岐点20の位置から容器側の下流の液体を受容器8に移動させる。液体の先端は受容器8に到達し液体の添加が開始され、液体の後端が受容器8に到達すれば、ポンプ6を停止する。

0024

図2に本実施例の送液装置の制御タイムチャートの一例を示す。第1液体添加、すなわち第1液体の送液のときは「START」で第1供給弁17を開放したのち、ポンプ6を稼働させ送液が開始される。所定の液量Aが第1液体ボトル2より供給されたとき、ポンプ6の稼働を速やかに停止させる。次いで第1気体導入弁10を開放する。ポンプ6を液体の後端が受容器8に到達するまでの時間より大きい時間を設定し稼働させ、任意時間後にポンプ6を停止後全ての弁を閉止する。

0025

次いで、第2液体添加、すなわち第2液体の送液のときは、第1気体導入弁10と第2気体導入弁15と第2供給弁19を開放したのち、ポンプ6を稼働させると送液が開始される。所定の液量Cが第1液体ボトル2より供給されたとき、ポンプ6の稼働を速やかに停止させる。次いで第2供給弁19と第2気体導入弁15を閉止したのち、第1供給弁17を開放し、ポンプ6を液体の後端が受容器8に到達するまでの時間より大きい時間を設定し稼働させ、任意時間後にポンプ6を停止させる。その後第2気体導入弁15を開放した後、全ての弁を閉止する。

0026

所定の液量Cが第1液体ボトル2より供給され、ポンプ6の稼働を一旦停止した後における、各弁の開閉タイミングは精度よく送液するために重要である。最初に第2供給弁19と第2気体導入弁15を閉止し、液体と気体の流れを停止することは、第2液体ボトル12内の高まった圧力をボトル2に保持しておき、液体の後端が受容器8に到達したのち、第2気体導入弁15を開放することにより、ボトル内の気相圧力は第1供給弁17を通じて、容器8側に伝播されて、管内の液体に掛かる圧力が常圧に維持されることとなる。

0027

以上説明した本実施例の送液装置1を使用し、送液元となる液体において圧力変化の影響を小さくしたい液体を第2液体ボトル12に保持し、送液元となる液体において圧力変化の影響が小さい液体を第1液体ボトル2に保持すれば、圧力変化の影響を小さくしたい液体はポンプ6を通過することの影響を小さくして目的の容器へ送液でき、一方で圧力変化の影響のない液体はポンプ6を通過して定量的に繰り返して目的の容器へ送液することができる。

0028

その理由は、圧力変化の影響を小さくしたい液体はポンプ6の下流に配置された第2液体ボトル12に保持されて、気相を介した圧力伝播により目的の容器8に送液することで、ポンプ6の内部を通過することの影響を小さくして目的の容器へ送液できるからである。また一方で圧力変化の影響のない液体はポンプ6の上流に配置された第1液体ボトル2に保持されてポンプ6を通過して送液されるから、ポンプ6の流量精度に準じた定量的制御によって繰り返して目的の容器へ送液することができるからである。

0029

このとき、第2液体ボトル12に細胞や生体試料の懸濁液が保持されていれば、ポンプを通過することなく細胞等の懸濁液を受容器に送液することができ、細胞または生体試料への負荷を低減できる。また、第1液体ボトル2に液体培地等が保持されていれば、液体培地は定量的に繰り返し送液することが可能である。ポンプ6はローラーポンプが好適であるがダイヤフラムポンプギヤポンプなど他の方式のポンプでも適用できる。いわゆるしごきポンプ、チューブポンプともいうローラーポンプは、モータ回転軸に取り付けたローラーにゴムチューブを巻きつけて、モータ回転によってゴムチューブを弾性変形させて内部の気体や液体を送液する機構である。細胞培養装置では送液のチューブの滅菌性を確保する必要があり、使用時にチューブを交換可能であるローラーポンプは有用である。使用前に内部を滅菌可能であれば、どの様な送液ポンプ使用可能である。

0030

また、ポンプの停止時には内部の液体が移動しない構成が必要であるが、液体が移動するポンプの使用時には、ポンプの前後いずれかに送液ボトル側への流れを制限する逆止弁を介して管路を構成すれば、本実施例の装置に適用できる。

0031

図2に示したフローチャート例では、説明の便宜上第1液体を先に送液し、次いで第2液体を後に送液する説明を行ったが、この前後は入れ替えることも可能である。

0032

以上説明した本実施例の送液装置に関して、第2液体ボトル12の液体を繰り返し送液する際において、1回目の液体の液面は第2液体ボトル12内部にあるが、次の送液時の液面は供給管18における分岐点20の位置にある。その液量は前記したように供給管18における分岐点20より上流の管内体積に相当するD量であるが、1回目の送液の際には、その差分量を考慮した送液制御を行えばよい。また2回目以降の送液は、第2液体ボトル12に保持された液量がある限り、常に液面の端部は分岐点20に位置するので、複数回の送液を実施する上では、一定液量を送液するポンプの制御を行えばより精度の高い送液が可能である。

0033

一方で、本実施例の送液装置によれば、別の送液方法により送液する液体を攪拌した後で送液することも可能である。図3における送液装置の構成は図1に示した実施例と同じ構成であり、第2液体ボトル12に関連する構成部分を詳細に図示したものである。

0034

同図において第2液体の送液のとき、第1気体導入弁10と第2気体導入弁15と第2供給弁19を開放したのち、ポンプ6を稼働させると、フィルタ10より気体導入がされるとともに、分岐点16と気体管路13を経由して、ポンプ6は第2液体ボトル12内の液体に加圧を開始する。任意の送液がなされたとき、供給管内に第2液体は液面24a位置まで進行する。次いでポンプ6を通常とは逆の吸引条件で稼働させると、第2液体ボトル12内を陰圧とし、供給管18に保持された第2液体が、第2液体ボトル12内の液体に戻り、その液体の流れによって、第2液体ボトル12内の液体は攪拌される。

0035

この加圧と吸引操作を繰り返し行うことによって、液体の攪拌はより高い効率で得ることができる。送液対象として液体組成が不均一な液体の場合に顕著であり、例えば細胞を培地に懸濁した細胞懸濁液では、手操作では細胞播種前に分注器のピストンを押し戻しすることで、液体に対流を起こさせ撹拌操作を行っており、本実施例の送液装置では受容器としての複数の培養容器に播種するとき、送液の前にポンプの駆動を加圧と吸引運転を行うことで液体の撹拌を実現できる。

0036

次いで送液の液体を攪拌し、かつ再現性が確保できる理由を以下の方法で説明する。上記の攪拌操作の後に、第2液体の送液を行う直前には、ポンプ6を加圧条件より少し多い吸引条件で稼働して停止すれば、供給管18より受容器8に設けられたフィルタ22より気体導入がされて、第2液体ボトル12内の気体供給が行われる。このとき、気体の流れが停止する十分な時間を与えたとき、送液開始点となる液面24bは第2液体ボトル12の内部の供給管18の開口端の位置となる。これ以降は、前述した送液手順、加圧と加圧より少し多い吸引条件手順を行い、次の送液前に上記攪拌および前記送液手順を繰り返し実施すれば、送液開始点は常に一定となる。送液制御はより簡単であり、かつ再現性よい送液が可能である。この効果は、送液対象を複数の培養容器に定量的に送液する場合に顕著であり、送液操作によって液体ボトルの保持液量が減量しても、送液開始となる液面が常に一定の位置に制御できるので、送液制御はポンプの流量と目的の液量と、目的の容器までの管の長さと径から見込まれる管体積に相当する空間を通過するような時間制御によって実現できる。

0037

図4に実施例1における送液の再現性の確保しつつ液体を攪拌した後で送液する方法の制御フローチャートを示す。第1液体の送液のときは、図2で説明した通り、「START」で第1供給弁17を開放したのち、ポンプ6を稼働させ第1液体の送液が開始される。所定の液量Aが第1液体ボトル2より供給されたとき、ポンプ6の稼働を速やかに停止させる。次いで第1気体導入弁10を開放する。ポンプ6を液体の後端が受容器8に到達するまでの時間より大きい時間を設定し稼働させ、任意時間後にポンプ6を停止後全ての弁を閉止する。

0038

次いで、第2液体の送液のときは第1気体導入弁10と第2気体導入弁15と第2供給弁19を開放したのち、ポンプ6を稼働させる。図4に示すように、まずポンプ6を通常とは逆の吸引条件で稼働させ、第2液体ボトル12内を陰圧とし、第2液体ボトル12内の液体を攪拌する。その後は、ポンプ6を通常の条件で稼働させると送液が開始される。所定の液量Cが第2液体ボトル12より供給されたとき、ポンプ6の稼働を速やかに停止させる。次いで供給弁19と第2気体導入弁15を閉止したのち、第1供給弁17を開放し、ポンプ6を液体の後端が受容器8に到達するまでの時間より大きい時間を設定し稼働させ、任意時間後にポンプ6を停止後全ての弁を閉止する。ここで、図2と同様、一端第2気体導入弁15を開放した後、全ての弁を閉止しても良い。

0039

ただし、過度な撹拌は細胞等への負荷を生じさせる場合があるため、本実施例の構成においては、管内送液速度条件に加え、大径容器から小径管への速度変化量目安は100倍以下が望ましい。即ち液体ボトルの径D1と供給管の径D2の比は10倍以下が推奨される。

0040

液体ボトルの形状は円筒型が一般的であるが、通常その内径開口径より底面径は小さく製作され、また底面部分は三角錐の形状であればより好適である。三角錐の形状、すなわちコーン形状とすることにより供給管が底部により近く配置されることは、液体ボトルから供給管への排出時の残存量を低減できる。

0041

<細胞培養容器と自動細胞培養装置の構成>
図5は、実施例1の送液装置1を用いた自動細胞培養装置31の一構成例を示す図である。本実施例の細胞培養装置は、恒温槽と、恒温槽内に配置される培養容器と、培養容器への液体の送液と排液を行う送液装置と、恒温槽と送液装置を制御する制御部とを備え、送液装置は、第1液体を保持する第1液体保持部と、第2液体を保持する第2液体保持部と、第1液体保持部と第2液体保持部との間に接続されるポンプと、第1液体をポンプ経由で培養容器に供給する第1供給管と、第2液体を培養容器に供給する第2供給管と、第2液体保持部に気体を導入する気体導入弁を有する構成の細胞培養装置、及びそれを用いた細胞培養方法の実施例である。

0042

以下、受容器としての細胞培養容器への液体培地の供給または排出するよう制御する制御部を備えた自動細胞培養装置の実施例を説明する。恒温槽32は、細胞培養に最適な培養温度で第1培養容器80、第2培養容器などの細胞培養容器を保持する。冷蔵庫33は、補充用ボトル69など、冷温保持する必要があるものを保持する。

0043

播種用培地を保持する第1液体保持部である第1培地ボトル34は、ふたにより内部を気密に保持できる。第1培地ボトル34には、ふたの一つに設けた気圧調整のための気圧調整管35が設けられている。また、開口端に設けられたメッシュサイズ0.22μmのフィルタ36が設置され、恒温槽32の気相に開放している。ふたに設けられた第1供給管として機能する供給管37の一端は、第1培地ボトル34の内部に開口端を持ち、播種用培地に接して液体排出口となる。第1制御弁38は供給管37の流れを制御する。供給管37は分岐点39を介して、後述する共通管42に接続される。分岐点39は第1培地ボトル34に保持される液体の液面より上方に設けられる。

0044

交換用培地を保持する第2培地ボトル43の構成は第1培地ボトルと同様である。供給管44の一端は、第2培地ボトル43の内部に開口端を持ち、交換用培地に接して液体排出口となる。第2制御弁45は供給管44の流れを制御する。供給管44は分岐点46を介して共通管42に接続される。共通管42の上流は第1気圧調整弁76に接続され、第1気圧調整弁76は後述するガス共通管47に接続される。共通管42の下流にはポンプ41が接続され、また第1ガス導入弁40にも接続される。

0045

第1ガス導入弁40には加湿ボトル48における排出部と接続され、加湿ボトル48の導入部は分岐されて、第2気圧調整弁49を介してガス共通管47に接続される。もうひとつの分岐はフィルタ50を介して、圧力制御弁51に接続され、その上流にはCO2とO2含む混合ガスボンベ52が接続される。ガスボンベ52は細胞培養に最適化されたガス濃度充填加圧されたCO2ガスのボンベであり、細胞培養中の液体培地のpH値調整を行う目的であり、CO2ガスで液体培地の表面よりガス交換を可能とする。加湿ボトル48は滅菌水が保持されており、CO2ガスを滅菌水にくぐらせて加湿されたガスを、培養容器に送気することで、液体培地の蒸発による液体培地成分の濃縮を防止することが可能である。これによりボンベ52より導出したCO2ガスは加湿ボトル48において最適湿度に加湿され待機される。

0046

送液ポンプ41においては第1接続53と第2接続54を有している。また第1接続53と第2接続54は、第2ガス導入弁55に接続されている。第2ガス導入弁55は、送液ポンプ41のバイパス役割を持つ。

0047

送液ポンプ41における第2接続54は分岐点56で分岐されて、供給管57を開閉制御する第3ガス導入弁58と、送気管59を開閉制御する送気弁60に接続される。細胞懸濁液は第2液体保持部である細胞ボトル61に保持され、細胞ボトル61のふたに接続されたフィルタ62を介して送気管59に接続され、もう一方は第2供給管として機能する供給管63であり一端は、細胞ボトル61の内部に開口端を持ち、細胞懸濁液に接して液体排出口となる。第3制御弁64は供給管63を開閉制御する。供給管57は分岐点65で供給管63から分岐され、一方は分岐点66で供給管67を開閉制御する第4制御弁68に接続される。

0048

交換用培地に用いる補充用培地は補充用ボトル69に保持される。補充用ボトル69は、そのふたに接続されたフィルタ70を介して気圧調整管71に接続され、供給管67の一端が、補充用ボトル69の内部に開口端を持ち、補充用培地に接して液体排出口となる。即ち補充用ボトル69の交換用培地は送液ポンプ41の作用によって、第2培地ボトル43に送液される配管の構成である。

0049

共通管42は、第3気圧調整弁77と第1気圧調整弁76を介して、補充用ボトル69の気圧調整管71、第2培地ボトル43における気圧調整管72と接続される。さらに共通管42は、フィルタ73を介して気体バッグ74と、前記した第2気圧調整弁49に接続される。この気体バッグ74には逆止弁75が設けられており、恒温機32内の気相に通じており、第2気圧調整弁49のみを開放して、ガスボンベ52のガスを気体バッグ74に保持できる。さらに気体バッグ74の容量を超えたガス量は逆止弁75より恒温機32内の気相に放出されるので、気体バッグ74の内部のガス圧は常に大気圧で維持されている。即ち、気体バッグ74内に保持されたガスは共通管42を介して、交換用培地ボトル43内の気相と補充用ボトル69の気相と接する構成である。さらに気圧調整弁76と第1制御弁38と第2制御弁45を開放すれば、第2培地ボトル43内の液相、および播種用培地ボトル34の液相と接する構成である。

0050

供給管57は培養容器へ通じる多分岐部78に接続され、第1培養容器80における送液用容器開閉弁82と、第2培養容器81用の容器開閉弁83に接続される。第1培養容器80と第2培養容器81の両者は同じ構成であるので、以下第1培養容器80を代表として構成を説明する。

0051

第1培養容器80は、外観が本体部84とふた部85からなる気密な容器であり、内観は本体部84の内底部に細胞懸濁液86を保持して培養可能な容器87を保持できる。ふた部85には3つの貫通するポートが設けられており、その一つは容器87に液体を添加する送液ポート88であり、前記した容器開閉弁82に接続される。他の一つは、容器87の底面近傍に接し液体を排出する排出ポート89であり、最後の一つは、気圧調整ポート90である。このうち送液ポート88は、ガス導入時における送気ポートを兼ねており、このため送液ポート88と気圧調整ポート90の開口端は容器87に液体が満たされても、接液しない高さに設けられている。気圧調整ポート90は第4気圧調整弁91に接続され、第2培養容器81との多分岐部92を経由して、トラップボトル93に接続される。トラップボトル93は冷蔵庫33に設置されており、ここを通過する気相はフィルタ94を介して冷蔵庫33へと放出される。

0052

第1培養容器80または第2培養容器81より、保持されている液体を排出する構成を説明する。排液ボトル97には排液管98が気密に接続されている。排液管98は排出弁99を介して排液ポンプ96の吐出口に接続されている。排液ポンプ96の吸引口には多分岐部100によって分岐され、第1培養容器80用の第1容器排出弁101と、第2培養容器81用の第1容器排出弁102に接続される。第1容器排出弁101は第1培養容器80における排出ポート89に接続される。即ち排液ボトル97は排液ポンプ96の作用によって、第1培養容器80または第2培養容器81における容器87より液体が排出される配管の構成である。上記に示した種々の電磁弁やポンプ96、恒温槽32、冷蔵庫33等は制御部であるコントローラ103で制御される。

0053

<細胞培養の操作>
図6は、図5に示した制御部であるコントローラ103で制御される細胞培養装置31における細胞培養の全体的な操作のフローチャートを示す図である。「START」についで、恒温槽32に流路を設置したのち(S01)、別途準備した細胞懸濁液を保持する細胞ボトル61と、播種用培地を保持した培地ボトル34、および交換用培地を保持した交換用培地ボトル69を流路に接続する(S02)。次いで自動制御により気体バッグ74にガスを充填する(S03)。第1培養容器80および第2培養容器81にガスを送気したのち、細胞ボトル61より細胞懸濁液を送液する(S04)。直ぐに播種用培地ボトル34より播種用培地を培養容器に送液する(S05)。図示しない揺動機構により各培養容器内の細胞懸濁液を攪拌した後、培養容器に加湿されたガスを送気して、細胞に対し恒温維持して静置する(S06)。細胞培養の進行状態によって、液体培地の交換を開始するかの判定を行う(S07)。液体培地の交換に当たっては、補充用培地ボトル69より第2培地ボトル43に所定量充填後(S08)、培養容器における古い培地を排出したのち(S09)、第2培地ボトル43より新しい液体培地を送液する(S10)。引き続き加湿ガスの送気と静置を行い(S11)、細胞培養の進行状態によって、培養の継続判定を行い(S12)、必要時に培地交換再実行する。細胞培養の終了時には、自動培養を終了し、手作業で培養容器より培養した細胞の取り出しを行い(S13)、細菌増殖の有無を確認するため排液バッグ97を回収して(S14)、使用済みの流路を恒温槽32より取り外して終了(END)する。

0054

図7は、図5のコントローラ103で制御される、培養容器80における送液・送気のタイムチャートの一例を示している。横軸操作項目時間軸を示し、縦方向には図5で明示した第1制御弁38から容器排出弁102の18台の電磁弁、および送液ポンプ48と排液ポンプ96のローラーポンプ等の動作タイミングを示している。初期状態では全ての電磁弁がOFFであるので閉止であり、全てのポンプがOFFであるので、送液停止の状態である。

0055

細胞培養容器80内の容器87に細胞播種を行うとき(図6のS04)は、細胞播種の動作に従う。初期状態から第1気圧調整弁76と送気弁60と第3制御弁64を開放し、さらに容器開閉弁82と第4気圧調整弁91をON(開放)すると、気体バッグ74から送液ポンプ41を通じて、さらに細胞ボトル61と培養容器80が通じ、さらにトラップボトル93が通じる。次いで送液ポンプ41を所定時間ONすると、細胞ボトル61から細胞懸濁液の送液が開始され、送液開始点は容器80に到達する。目的の液量が分岐点65に到達したとき、送液ポンプ41の送液を停止する。

0056

次いで、第3制御弁64を閉止し、送気弁60を閉止し、次いで第3ガス導入弁58を開放して、送液ポンプ41の送液を開始すると、容器開閉弁82を通じて培養容器80の第1ポート88より、細胞液懸濁液が送液される。このとき第3ポート90はトラップボトル93を通じ外気に通じているので、細胞培養容器80の内部の圧力は常圧に調整される。細胞懸濁液の後端が培養容器80に到達すれば、所定量の注入が為されており、送液ポンプ41を停止する。

0057

次いで送気弁60を開放して閉止することにより細胞ボトル61の内圧を開放した後、開放されている各弁をOFFとして閉止して送液を終了する。細胞ボトル61の内圧を常圧に戻す方法としては、タイムチャートでは図示しないが、目的の液量が分岐点65に到達し、送液ポンプ41の送液を停止したとき、第3制御弁64を閉止し、第2ガス導入弁55を開放する方法により、ガスバッグ内のガスを導入することも有効である。

0058

細胞培養容器80、81のように受容器が複数ある時は、予め細胞ボトル61には複数の細胞培養容器に分配できる量の細胞懸濁液を保持し、上記の操作において容器開閉弁82を閉止して、図5における容器開閉弁83を開放し、第4気圧調整弁91を適宜開放して、上記動作を行えば細胞培養容器81に細胞液懸濁液が同量送液することができる。

0059

細胞培養容器80内の容器87に播種用培地の送液を行うとき(図6のS05)は、播種用培地送液の動作に従う。初期状態から第1制御弁38と第3ガス導入弁58を開放し、さらに容器開閉弁82と第4気圧調整弁91をON(開放)すると、播種用培地ボトル34から送液ポンプ41を通じて、培養容器80が通じ、さらにトラップボトル93が通じる。次いで送液ポンプ41を所定時間ONすると、播種用培地ボトル34から播種用培地の送液が開始され、送液開始点は容器80に到達する。

0060

目的の液量が分岐点39に到達したとき、送液ポンプ41の送液を停止する。次いで、次いで第1気圧調整弁76および第1制御弁を開放すれば、供給管37内の播種用培地は分岐点39で分割され、播種用培地ボトル34側の液体は落差でボトル内に戻る。次いで、送液ポンプ41の送液を開始すると、容器開閉弁82を通じて培養容器80の第1ポート88より、播種用培地が送液される。このとき第3ポート90はトラップボトル93を通じ外気に通じているので、細胞培養容器80の内部の圧力は常圧に調整される。播種用培地の後端が培養容器80に到達すれば、所定量の注入が為されており、送液ポンプ41を停止し、開放されている各弁をOFFとして閉止して送液を終了する。

0061

細胞培養容器が複数ある時は、予め播種用培地ボトル34には複数の細胞培養容器に分配できる量の播種用培地を保持し、上記の操作において容器開閉弁82を閉止して、図5における容器開閉弁83を開放し、第4気圧調整弁91を適宜開放して、上記動作を行えば、細胞培養容器81に播種用培地が同量送液することができる。

0062

次に培養容器80の内部に加湿されたCO2ガスで満たすとき(図6のS06)は、培養容器に加湿ガス送気の操作に従う。初期状態から第1ガス導入弁40と第2ガス導入弁55を開放し、さらに容器開閉弁82と第4気圧調整弁91をON(開放)すると、加湿ボトル48から培養容器80が通じ、さらにトラップボトル93が通じる。次いで圧力制御弁51を所定圧に調整しつつ開放し、第1ガス導入弁40を所定時間ONすると、ボンベ52より加湿ボトル48を通じて、培養容器81に最適に加湿されたCO2ガスが到達する。培養容器81は密閉されているが、第3ポート90から外気に通じるフィルタ94までが開放されているので、培養容器の内部の圧力は外気圧と調整された圧となる。所定量のCO2ガスの注入が為された後、まず第1ガス導入弁40を閉止し、次いで第2ガス導入弁55を閉止し、培養容器内の圧力が大気圧と同等となった時、容器開閉弁82、第4気圧調整弁91を閉止する。

0063

細胞培養容器が複数ある時は、上記の操作において容器開閉弁83、第4気圧調整弁91を開放して、上記動作を行えば、培養容器81にCO2ガスが充填される。

0064

次に、細胞培養容器より液体培地の交換を行うことを判断したとき(図6のS07)は、図7動作タイムチャートにおける、補充用培地の充填(図6のS08)の操作に従う。

0065

初期状態から第3気圧調整弁77と第2制御弁45と第3ガス導入弁58と、第4制御弁68を開放する。その結果送液ポンプ41を介して、第2培地ボトル43から補充用培地ボトル69が通じる。次いで送液ポンプ41を通常とは逆の方向で送液する。送液に先端が第2培地ボトル43に到達し、目的の送液量となったとき、ポンプ41の送液を停止する。次いで、第1気圧調整弁76を開放すれば、供給管44における分岐点46で液体は分割され、今回の送液方向である第2培地ボトル43側の供給管44内の液体は、落差によって第2培地ボトル43に送液される。即ち目的の送液量は第2培地ボトル43に送液されている液量と供給管44における分岐点46に保持された液量となる。

0066

次いで、送液ポンプ41を通常の送液方向に送液すると、後端を分岐点66に位置とした液体が移動開始され、元の補充用培地ボトル69に液体が到達する。このとき第2培地ボトル43の気相と、気圧調整管71を通じて補充用培地ボトル69の気相が通じているので、第2培地ボトル43と補充用培地ボトル69の内部の圧力は常圧に調整される。開放されている各弁をOFFとして閉止して送液を終了する。

0067

細胞培養容器が複数ある時は、予め第2培地ボトル43には複数の細胞培養容器に分配できる量の液体培地を保持するように、ポンプの送液量を調整する。また、細胞培養における培地の交換回数が複数予定されているときは、細胞培養容器が複数あるときに必要な液体培地量に培地の交換回数を掛け合わせた液体培地を送液できる量の液体培地を補充用培地ボトル69に保持しておけば、複数の細胞培養容器に、複数回の培地の交換が継続的に可能である。

0068

培養容器80内の容器87より培地排出を行うとき(図6のS09)は、図7の動作タイムチャートにおける容器から培地排出動作に従う。初期状態から第1気圧調整弁76と第2ガス導入弁55、第3ガス導入弁58、容器開閉弁82を開放し、容器排出弁101と排出弁99をON(開放)すると、気体バッグ74から第1気圧調整弁76を通じて、第2培養容器81の第1ポート88までの管路が通じる。また排液ボトル97から排出ポンプ96を介して排出ポート89までの流路が通じる。次いで排出ポンプ96を容器87に保持された液体量を排出するための排出時間を与えて所定時間ONすると、容器から液体培地を吸引し送液が開始され、排液ボトル97に到達する。このとき第1ポート88は気体バッグに通じているので、細胞培養容器55の内部の圧力は常圧に調整され、かつ気体バッグのガスが導入される。所定量の排出が為された後、排出ポンプ96を停止し、開放されている各弁をOFFとして閉止して送液を終了する。

0069

細胞培養容器が複数ある時は、上記の操作において容器開閉弁82を閉止して、図5における容器開閉弁83を開放し、容器排出弁101を閉止して、容器排出弁102を開放して、上記動作を行えば、培養容器81における容器より液体培地を排液することが可能となる。

0070

培養容器80内の容器87に液体培地の添加を行うとき(図6のS10)は、容器への培地添加の動作に従う。第2制御弁45と第3ガス導入弁58をON(開放)し、さらに容器開閉弁82と第4気圧調整弁91をONすると、第2培地ボトル43から送液ポンプ41を通じて、培養容器80が通じ、さらにトラップボトル93が通じる。次いで送液ポンプ41を所定時間ONすると、第2培地ボトル43から交換用培地の送液が開始され、送液開始点は容器80に到達する。

0071

目的の液量が分岐点39に到達したとき、送液ポンプ41の送液を停止する。次いで、次いで第1気圧調整弁76を開放すれば、供給管44内の交換用培地は分岐点46で分割され、第2培地ボトル43側の液体は落差でボトル内に戻る。次いで、送液ポンプ41の送液を開始すると、容器開閉弁82を通じて培養容器80の第1ポート88より、交換用培地が送液される。このとき第3ポート90はトラップボトル93を通じ外気に通じているので、細胞培養容器80の内部の圧力は常圧に調整される。交換用培地の後端が培養容器80に到達すれば、所定量の注入が為されており、送液ポンプ41を停止し、開放されている各弁をOFFとして閉止して送液を終了する。

0072

細胞培養容器が複数ある時は、予め第2培地ボトル43には複数の細胞培養容器に分配できる量の液体培地を保持し、上記の操作において容器開閉弁82を閉止して、図5における容器開閉弁83を開放し、第4気圧調整弁91を適宜開放して、上記動作を行えば、細胞培養容器81に交換用培地を同量送液することができる。

0073

引き続き、培養容器80の内部に加湿されたCO2ガスで満たすとき(図6のS11)は、先に説明した加湿ガス送気の項に従えばよい。

0074

以上のように図5に示した細胞培養装置の実施例においては、図6に示した動作シーケンス図7に示した詳細なタイムチャートに準じた運用によって、培養容器80が恒温器32によって最適な培養温度に保持されること、送液装置によって細胞懸濁液を培養容器に送液できること、ついで送気機構により液体培地は適度なCO2ガス環境と湿度条件に維持されること、細胞は容器87の内底面に接着して増殖するので、培養に伴い成分変化した液体培地を吸引排出して細胞と液体培地を分離できること、交換用培地を適量恒温槽32内に保持された第2培地ボトル43に充填でき予熱保持ができること、次いで、交換用培地を培養容器に順次添加して、培地交換ができることにより、細胞の自動培養が可能であるといえる。

0075

本実施例に係る送液装置によれば、送液元となる液体において圧力変化の影響を小さくしたい液体を第2の液体ボトルに保持し、送液元となる液体において圧力変化の影響が小さい液体を第1の液体ボトルに保持すれば、圧力変化の影響を小さくしたい液体はポンプを通過することの影響を小さくして目的の容器へ送液でき、一方で圧力変化の影響のない液体はポンプを通過して定量的に繰り返して目的容器へ送液することができる。

0076

以上、実施例1に記載の送液装置および細胞培養装置によれば第1の課題である、送液に伴う圧力変化によって細胞または生体試料が損傷する問題を解消でき、さらに細胞の自動培養が可能であるといえる。その理由は、圧力変化の影響を小さくしたい液体はポンプの下流に配置された第2の液体ボトルに保持されて、気相を介した圧力伝播により目的の容器に送液することで、目的の容器へ送液できるからである。また一方で圧力変化の影響のない液体はポンプの上流に配置された第1の液体ボトルに保持されてポンプを通過して送液されるから、ポンプの流量精度に準じた定量的制御によって繰り返して目的の容器へ送液することができるからである。このとき、第2の液体ボトルに細胞懸濁液が保持されていれば、送液に伴う圧力変化による細胞または生体試料が損傷する懸念を低減できる。第2の液体ボトルに液体培地等が保持されていれば液体培地は、定量的に繰り返し送液することが可能である。

0077

さらに本実施例の送液装置およびそれを利用した細胞培養装置によれば次の効果を有している。図6に示したフローチャートでは、細胞懸濁液を先に送液し、次いで播種用培地を後に送液している。このとき先に細胞懸濁液が送液されたあと、培養容器まで通じる液体供給管の管内には細胞懸濁液が少量の液滴となって残留する可能性がある。その後に播種用培地等を送液するとき液体供給管を通過するので、細胞懸濁液を含む少量の液滴と交じり合って目的の容器に到達することができる。所謂共洗いの効果によって、管内に細胞が残留する影響を低減できる効果がある。

0078

実施例2は、実施例1で説明した送液装置の構成に加え以下の方法によって送液量を確認することが可能な送液装置の実施例である。すなわち、本実施例の送液装置は、実施例1の構成に加え、第1液体保持部の第1液体と、第2液体保持部の第2液体の重量をそれぞれ検知する重量センサを備え、制御部は、重量センサの出力に従いポンプを制御する構成の送液装置の実施例である。

0079

図8は、第2の実施例における送液装置110の構成を示す図であり、実施例1と基本的な構成は同じであるが、送液量を確認する方法として、液体ボトルの重量変化値を検出する構成が付加されている。即ち実施例1に対し、第1液体ボトル2、気圧調整管路3、フィルタ4、供給管5、ポンプ6、供給管7、受容器8、分岐点9、第1気体導入弁10、フィルタ11、第2液体ボトル12、気体管路13、フィルタ14、第2気体導入弁15、分岐点16、第1供給弁17、供給管18、第2供給弁19、分岐点20、液体供給管21、フィルタ22、制御部を構成するコントローラ23は図1の構成と同じである。

0080

本実施例においても、分岐点9は、供給管5の第1液体ボトル2に保持された第1液体ボトル内の液体の液面より上方に設ける。これにより、第1気体導入弁10を開放してガスを送気した際、分岐点9の位置から第1液体ボトル2間の供給管5にある液体を、液体の落差から生じる位置エネルギによって液体ボトル2にまで戻すことができ、詰まりを防止できる。更に、以下に説明する送液前後の液体ボトル重量を計測する際、液体ボトル2にまで液体を戻し、管内残留が0であることが望ましい。

0081

本実施例の構成においては、液体を保持した第1液体ボトル2と気圧調整管路3とフィルタ4の一組の重量を測定する第1重量センサ111と、供給管5を固定する固定治具112を備える。供給管5に柔軟性が高いゴムチューブなどの管材を使用すれば、分岐点9より下流に接続された構成品が第1液体ボトル2の重量測定を損なうことなく好適である。更に、本実施例の構成においては、液体を保持した第2液体ボトル12と気体管路13とフィルタ14および供給管18の一組の重量を測定する第2重量センサ113と、気体管路13を固定する固定治具114、供給管18を固定する固定治具115を備える、固定治具114、115は共に、固定治具112と同様の目的で付加される。

0082

本実施例の送液装置110は以下のように送液と送液量の確認を行う。図9に本実施例の制御の順番を横軸に記載し、縦軸はそれに相応して重量センサより得られる重量測定値を示すものである。重量測定の例として第2液体ボトル12内の液体の送液方法と重量センサ113の計測値の変化について説明する。送液前の第2重量センサ113の重量計測値を計測しここではゼロとする。第1供給弁17を閉じ、第1気体導入弁10と第2気体導入弁15と第2供給弁19を開放したのち、ポンプ6を稼働させると、フィルタ11より気体導入がされるとともに、分岐点9を経由してポンプ6は第2液体ボトル12内の液体に加圧を開始する。第2液体ボトル12内の液体は供給管18より第2供給弁19を通過して、容器8へ送液が開始され、それと共に重量は減量する。

0083

目標値重量Eに到達すると同時に、ポンプ6を停止するとともに、第2供給弁19を閉じ次いで第2気体導入弁15を閉止する。供給管18は閉塞されており、液体は移動しない。次いで、第1供給弁17を開放し、ポンプ6を稼動すると、フィルタ11より気体導入がなされ、気体は分岐点16と第1供給弁17を経由して、分岐点20の位置から容器側の下流の液体は移動を開始し、この容器8側の液体が目的送液量となる。液体の先端は受容器8に到達し液体の添加が開始され、液体の後端が受容器8に到達すれば、ポンプ6を停止する。次いで、第2気体導入弁15と第2供給弁19を開放すれば、供給管18内の液体は落差で第2液体ボトル12内に戻り、その時の重量センサ113の重量計測値を計測して送液を終了する。

0084

目標値重量Eは目的の液体の送液量に対しその液量と密度から求められる重量換算値に加えて、分岐点20から液体ボトル2内の液体の液面に相応する供給管18の体積を液体で満たしたときの密度から求められる重量Fを足し合わせた重量である。即ち、容器8に送液された送液量はE−Fで求まる重量計測値より検知できる。繰り返して送液するときは、上記の操作を実行することにより、順次減量する重量を送液重量として扱うことができる。

0085

本実施例の送液装置によれば、細胞播種時における細胞懸濁液の送液量の確認に利用できる。一般に細胞培養の工程では、作業者熟練度作業実施記録によって、こうした分注工程の実行を保証している。本実施例を用いれば、送液元となる細胞ボトルの重量の変化量を、目的重量分減量したことを記録することで1回の分注の作業記録とし、細胞培養工程の確実な実行結果を保証することができる。またポンプは長時間使用していると、チューブ形状の変形と回復が鈍って、ポンプ流量が変化する場合があるが、そのような変化においても、結果として送液される液体の重量変化量によって送液制御されるので、より再現性の高い送液方法といえる。加えてすべてのポンプを作動させた時間記録、ポンプへの印加電圧記録、液面センサの作動時間記録など、自動装置から得られる動作情報を整理すれば、送液および排出の実行結果を信頼性高く保証できる。

0086

さらに本実施例の送液装置を実施例1に示した細胞培養装置に適用すれば、送液に伴う圧力変化によって細胞または生体試料等に与える負荷を低減でき、さらに送液量を精度よく制御しつつ送液でき、さらに細胞の自動培養を可能とすることができる。

0087

実施例3は、実施例1で説明した送液装置の構成に加え以下の方法によって微量な送液量を再現性よく送液することが可能な送液装置の実施例である。すなわち、第1の液体を保持する第1の液体ボトルと、第1液体の導通する供給管と、気体導入弁と、気体導入弁と該液体ボトルと、圧力変化の影響を小さくしたい液体を保持する第2の液体ボトルと、第2液体の導通する供給管、とポンプと目的の容器を備え、該第2の液体ボトルの下流に容器を接続し、該ポンプを自身の方向に吸引したあと、該目的容器に送液することを特徴とする送液装置、さらに、本送液装置を備えた細胞培養装置の実施例である。

0088

図10は、実施例3における送液装置120の一構成を示す図であり、送液元となる液体において圧力変化の影響を小さくしたい液体を供給管内に必要量滞留させたのち、定量的に繰り返して目的容器へ送液する構成を示す。即ち実施例1に対し、第1液体ボトル2、気圧調整管路3、フィルタ4、供給管5、ポンプ6、供給管7、受容器8、分岐点9、第1気体導入弁10、フィルタ11、第2液体ボトル12、フィルタ14、供給管18、第2供給弁19、分岐点20、液体供給管21、フィルタ22、コントローラ23は同じで構成である。更に、121は供給管7と分岐点20で供給管18に接合された滞留管121、さらに滞留管121に接続される液体供給管21を制御する第1供給弁122を備えている。滞留管121は既知の長さと管径であり、他の管である供給管7、供給管18、液体供給管21と同じ径であってもよく、ここでは説明のため図の表記を変えて示している。

0089

本実施例の送液装置120は次のように送液と送液量の確認を行う。図11に本実施例の制御フローチャートの一例を示す。第2液体添加、すなわち、第2液体の送液のときは第1気体導入弁10と第2供給弁19を開放したのち、ポンプ6を目的の送液方向とは逆の吸引方向で稼働させると、第2液体の送液が開始される。所定の液量Cが第2液体ボトル12より供給管18を経由して滞留管121に供給されたとき、ポンプ6の稼働を速やかに停止させる。

0090

次いで第2供給弁19を閉止したのち、第1供給弁122を開放する。ポンプ6を液体の後端が受容器8に到達するまでの時間より大きい時間を設定し稼働させ、任意時間後にポンプ6を停止後全ての弁を閉止する。第1液体添加、すなわち、第1液体を送液するときは、第1供給弁122を開放したのち、ポンプ6を目的の送液方向で稼働させると、第1ボトル2に保持された、第1液体の送液が開始される。

0091

本実施例の送液装置によれば、細胞播種時における細胞懸濁液への圧力変化を小さくすることができ、さらに装置構成も簡素化できる。実施例1における送液装置1に比較して、滞留管を用いて圧力変化の影響を小さくしたい細胞懸濁液などの液体と圧力変化の影響がない液体培地などの液体の供給管を共有化することで、その供給管を制御する制御弁を少なくできる効果がある。

0092

本実施例における送液装置はさらに、機構制御簡単化しつつ、課題を解決できる。図12は、図10に示した送液装置120において、基本的構成は同じであるが、第2供給弁19と第1供給弁122に代え、図示する方向に従って逆止弁131、132を設けた変形構成例を示す図である。より詳細には、逆止弁131、132により、供給管18の送液の方向は常に送液ポンプ6に対して、吸引方向であり、加圧方向は流れが生じない。一方で液体供給管21の送液の方向は常に送液ポンプ6に対して、加圧方向であり、吸引方向には流れが生じない。この構成において、送液ポンプ6は目的の受容器8と逆方向に吸引運転を実施すれば、第2ボトルより液体が所定量吸引され、滞留管121に保持されたのち、送液ポンプ6を目的の容器8方向に加圧運転を実施すれば、滞留管121に保持された液体は、目的の容器8へ送液が可能となる。

0093

本構成のように制御すべき装置構成が少ないことは、コスト低減や小型化等の効果を得ることができる。また、煩雑さを軽減し、信頼性を高めることができる。また、滞留管121は、目的の送液量に応じて適宜変更するものであり、目的とする送液量が多いときは、管径を大きくして過剰な長さの管長とすることは避けるべきである。一方で、目的とする送液量が微量で、精度が要求される場合には管径を小さくして、滞留管121の管内の表面積を小さくすることも有用である。

0094

以上説明した本発明に係る送液装置及びそれを利用した細胞培養装置によれば、送液元となる液体において圧力変化の影響を小さくしたい液体を第2の液体ボトルに保持し、送液元となる液体において圧力変化の影響が小さい液体を第1の液体ボトルに保持すれば、圧力変化の影響を小さくしたい液体はポンプを通過することの影響を小さくして目的の容器へ送液でき、一方で圧力変化の影響のない液体はポンプを通過して定量的に繰り返して目的容器へ送液することができる。

0095

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

実施例

0096

更に、上述した各構成、機能、制御部であるコントローラ等は、それらの一部又は全部を実現するプログラムを作成する例を説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。すなわち、処理部の全部または一部の機能は、プログラムに代え、例えば、ASIC(Application Specific IntegratedCircuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路などにより実現してもよい。

0097

1、110、120、130 送液装置
2 第1液体ボトル
3気圧調整管路
4、11、14、22、36、50、62、70、73、94フィルタ
5、7、18、37、44、57、63、67供給管
6ポンプ
8受容器
9、16、20、39、46、56、65、66分岐点
10 第1気体導入弁
12 第2液体ボトル
13気体管路
15 第2気体導入弁
17、122 第1供給弁
19 第2供給弁
21液体供給管
23、103コントローラ
31自動細胞培養装置
32恒温槽
33冷蔵庫
34 第1培地ボトル
35、71、72 気圧調整管
38 第1制御弁
42共通管
43 第2培地ボトル
45 第2制御弁
76 第1気圧調整弁
47ガス共通管
40 第1ガス導入弁
48加湿ボトル
49 第2気圧調整弁
51圧力制御弁
52混合ガスボンベ
53 第1接続
54 第2接続
55 第2ガス導入弁
58 第3ガス導入弁
59 送気管
60 送気弁
61細胞ボトル
64 第3制御弁
68 第4制御弁
69補充用ボトル
74気体バッグ
75、131、132逆止弁
78、92、100 多分岐部
80 第1培養容器
82、83容器開閉弁
81 第2培養容器
84 本体部
85 ふた部
86 細胞懸濁液
87容器
88 送液ポート
89排出ポート
90 気圧調整ポート
91 第4気圧調整弁
92、100 多分岐部
93トラップボトル
96排液ポンプ
97排液ボトル
98排液管
99排出弁
101 第1容器排出弁
102 第1容器排出弁
111 第1重量センサ
112、114、115固定治具
113 第2重量センサ
121 滞留管

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