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技術 燃料電池システム

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 宇佐美祥
出願日 2016年8月25日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-164909
公開日 2018年3月1日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2018-032559
状態 特許登録済
技術分野 燃料電池(本体)
主要キーワード 暖機運転後 インピーダンスメータ 発電効率低下 発熱している 温度推移 セルモニタ 運転開始直後 冷却水循環路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

燃料ガス循環路内における水の集中的な流入を抑制する燃料電池システムを提供すること。

解決手段

本発明に係る燃料電池システム100は、燃料ガス酸化ガスを反応させることにより発電する燃料電池セルスタック21と、供給された前記燃料ガスが燃料電池セルスタック21内を循環するよう配置された燃料ガス循環路12と、燃料ガス循環路12内の燃料ガスを循環させる循環ポンプ13と、循環ポンプ13の回転数を制御する制御部50とを備える。そして制御部50は、燃料ガス循環路12内の含水量Whpを推定し、含水量Whpが所定量W1を超えたと判定した場合に、循環ポンプ13によって、燃料ガス循環路12内の燃料ガスの流量を上げる。

概要

背景

近年、燃料ガス酸化ガスを混合することによって発電する燃料電池を用いたシステムが開発されている。燃料電池システムは、燃料ガスに水素を用い、酸化ガスに空気を用いる場合、水素と酸素電気化学反応を起こすことにより発電する。そしてこのとき、同時に水が生成される。

燃料電池内に生成された水がシステム内に滞留した場合、結露凍結によって、システムに不具合が発生する可能性がある。そこで、水の滞留を抑えるための技術が提案されている。

例えば特許文献1には、燃料電池の運転停止後に、冷却水を圧送して燃料電池を冷却し、燃料電池の温度を燃料ガスポンプ温度よりも低下させることで、結露を抑制するシステムが記載されている。

概要

燃料ガス循環路内における水の集中的な流入を抑制する燃料電池システムを提供すること。本発明に係る燃料電池システム100は、燃料ガスと酸化ガスを反応させることにより発電する燃料電池セルスタック21と、供給された前記燃料ガスが燃料電池セルスタック21内を循環するよう配置された燃料ガス循環路12と、燃料ガス循環路12内の燃料ガスを循環させる循環ポンプ13と、循環ポンプ13の回転数を制御する制御部50とを備える。そして制御部50は、燃料ガス循環路12内の含水量Whpを推定し、含水量Whpが所定量W1を超えたと判定した場合に、循環ポンプ13によって、燃料ガス循環路12内の燃料ガスの流量を上げる。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、燃料ガス循環路内における水の集中的な流入を抑制することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

燃料ガス酸化ガスを反応させることにより発電する燃料電池セルスタックと、供給された前記燃料ガスが前記燃料電池セルスタック内を循環するよう配置された燃料ガス循環路と、前記燃料ガス循環路内の前記燃料ガスを循環させる循環ポンプと、前記循環ポンプの回転数を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料ガス循環路内の含水量を推定し、前記含水量が所定量を超えたと判定した場合に、前記循環ポンプによって、前記燃料ガス循環路内の前記燃料ガスの流量を上げる、燃料電池システム

技術分野

0001

本発明は燃料電池システムに関する。

背景技術

0002

近年、燃料ガス酸化ガスを混合することによって発電する燃料電池を用いたシステムが開発されている。燃料電池システムは、燃料ガスに水素を用い、酸化ガスに空気を用いる場合、水素と酸素電気化学反応を起こすことにより発電する。そしてこのとき、同時に水が生成される。

0003

燃料電池内に生成された水がシステム内に滞留した場合、結露凍結によって、システムに不具合が発生する可能性がある。そこで、水の滞留を抑えるための技術が提案されている。

0004

例えば特許文献1には、燃料電池の運転停止後に、冷却水を圧送して燃料電池を冷却し、燃料電池の温度を燃料ガスポンプ温度よりも低下させることで、結露を抑制するシステムが記載されている。

先行技術

0005

特開2008−166126号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、燃料電池の運転開始直後に、冷却水が先に温められ、燃料ガス供給系補機との温度差が拡大する場合がある。この場合、燃料ガス供給系補機に結露が起きる可能性が高くなる。また、燃料ガス供給系補機に結露が起きた場合には、結露によって発生した水が燃料電池内の特定のセルに集中的に流入する虞がある。燃料電池内のセルに許容以上の水が付着した場合、燃料ガスの供給が妨げられ、発電効率低下や、セルの不可逆的な劣化を引き起こす。

0007

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、燃料ガス循環路内における水の集中的な流入を抑制することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスと酸化ガスを反応させることにより発電する燃料電池セルスタックと、供給された前記燃料ガスが前記燃料電池セルスタック内を循環するよう配置された燃料ガス循環路と、前記燃料ガス循環路内の前記燃料ガスを循環させる循環ポンプと、前記循環ポンプの回転数を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記燃料ガス循環路内の含水量を推定し、前記含水量が所定量を超えたと判定した場合に、前記循環ポンプによって、前記燃料ガス循環路内の前記燃料ガスの流量を上げるものである。

0009

燃料ガス循環路内の含水量が所定量を超えたと判定された場合、結露水の発生などにより、燃料ガス循環路内に水が滞留している可能性がある。そこで、前記第1のポンプによって前記燃料ガス循環路内の流量を上げることにより、滞留している水を分散させることができる。

発明の効果

0010

本発明により、燃料ガス循環路内における水の集中的な流入を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0011

実施の形態に係る燃料電池システム100のシステム構成図である。
実施の形態に係る燃料電池システム100における冷却水温度水素循環路12内温度の変化を説明するためのグラフである。
実施の形態に係る燃料電池システム100における燃料電池セルスタック21及び流体の循環を説明するための図である。
燃料電池20及び水素供給系補機の模式図である。
実施の形態に係る燃料電池システム100のフローチャートである。

実施例

0012

<実施の形態>
まず、本発明に係る実施の形態について説明する。図1は、実施の形態に係る燃料電池システム100のシステム構成図である。燃料電池システム100は、燃料ガスである水素と、酸化ガスである空気とを反応させて発電し、発電した電気を他のシステムに供給する固体高分子燃料電池を利用したシステムである。また、燃料電池システム100は、かかる反応により生成された水を排出する。燃料電池システム100は、水素タンク10、インジェクタ11、水素循環路12、水素循環ポンプ13、排気水部14、排気排水弁15、燃料電池20、ラジエータ30、冷却水ポンプ31、冷却水循環路32、エアクリーナ40、エアコンプレッサ41、インタークーラ42、マフラ43、エア通過路44、制御部50を備える。

0013

以下、燃料電池システム100の各構成について説明する。水素タンク10は、燃料ガスである水素を密閉して蓄えており、インジェクタ11に接続されている。インジェクタ11は、開閉弁であって、弁を開くことにより、水素タンク10から供給される水素ガスを適宜水素循環路12に送り込む

0014

水素循環路12は、インジェクタ11から送られてきた水素を燃料電池20に送り込むことができるように配管されている燃料ガス循環路である。また、水素循環路12は、燃料電池20において反応しなかった水素ガスや、燃料電池20において生成された水分を回収した後に、再び燃料電池20に送り込むことができるように配管されている。また、水素循環路12は、水素循環ポンプ13及び排気排水部14に接続されている。

0015

水素循環ポンプ13は、水素循環路12内における水分を含んだ水素の流量を制御する循環ポンプである。排気排水部14は、水素循環路12内に溜まった水及び水素を排出する機能を備える。排気排水部14は、排気排水弁15に接続されている。排気排水弁15は、排気排水部14に溜まった水及び水素を適宜排出する。排気排水弁15はマフラ43に接続されており、輩出した水及び水素をマフラ43に送り出すことができるように配管されている。

0016

燃料電池20は、FC(Fuel Cell=燃料電池)セルスタック21、セルモニタ22、電極23、温度計24、温度計25を備える。

0017

FCセルスタック21は、固体高分子電解質膜触媒を塗ったMEA(Membrane Electrode Assembly:膜/電極複合体)をセパレータではさんだセルを複数積層することにより構成されている。

0018

セルモニタ22は、FCセルスタック21の各セルに接続されている。また、セルモニタ22は、図示しない電圧計及びインピーダンスメータを備えており、各セルの電圧及びインピーダンスを測定する。

0019

セルモニタ22は、各セルの電圧を測定する。これにより、セルモニタ22は、発電効率が低下したFCセルがないかを監視する。

0020

また、セルモニタ22は、各セルのインピーダンスを測定する。これにより、セルモニタ22は、各セルの含水量を推定することができる。尚、固体高分子燃料電池のFCセルは、セル内の含水量によりインピーダンスが変化することが知られている。

0021

電極23は、燃料電池20が発電した電気を外部のシステムに接続するための電極である。例えば、図示しない昇圧コンバータ及びモータを電極23に接続する。これにより、燃料電池20はモータを駆動させる駆動源となる。

0022

温度計24は、水素循環路12内の温度を測定する。また、温度計25は、冷却水循環路32内の温度を測定する。

0023

ラジエータ30は、冷却水循環路32に接続されており、冷却水が蓄積した熱を外気の熱と交換し、温まった冷却水の温度を下げる機能を備える。冷却水ポンプ31は、冷却水循環路32に接続されており、冷却水を循環させるポンプである。冷却水循環路32は、ラジエータ30、冷却水ポンプ31に接続され、冷却水が燃料電池20内を通過し、再びラジエータ30に循環するように配管されている。また、冷却水循環路32は、インタークーラ42にも接続しており、圧縮された空気を冷却する。

0024

エアクリーナ40は、外気を取り込みエア通過路44に空気を送り込む。エアコンプレッサ41は、エアクリーナ40が取り込んだ空気を圧縮してインタークーラ42に送り込む。インタークーラ42は、エアコンプレッサ41によって圧縮された空気を受け取り、圧縮された空気の熱を冷却水によって冷却する。また、インタークーラ42は、エア通過路44に接続されている。

0025

エア通過路44は、燃料電池20に空気を送り込むことができるように配管されている酸化ガス通過路である。また、エア通過路44は、発電に使用されなかった空気及び、発電の際に生成された水を回収し、マフラ43に送り込むことができるように配管されている。マフラ43は、エア通過路44から送り込まれた空気及び水と、排気排水部14から送り込まれた水及び水素を、外部へ排出する機能を備える。

0026

制御部50は、インジェクタ11、水素循環ポンプ13、燃料電池20、冷却水ポンプ31、エアコンプレッサ41に接続されており、これらを制御している。また、制御部50は、燃料電池20内が備えているセルモニタ22が測定するFCセルスタック21のインピーダンスから、FCセルスタック21の含水量を推定する。また、制御部50は、燃料電池20内が備えているセルモニタ22が測定するFCセルスタック21の電圧から、局部的な水の滞留などによる発電効率の低下を判定する。さらに、制御部50は、水素循環路12の温度、冷却水の温度、及び、水素循環ポンプ13の回転数に基づいて、水素循環路12内の結露水の量を推定する。

0027

次に、燃料電池20の発電原理について概略を説明する。FCセルスタック21は、燃料ガスである水素と、酸化ガスである空気とを、MEAを介して反応させることにより発電する。具体的には、FCセルスタック21において、以下の式に基づいた化学反応が起きている。
負極: H2→2H++2e−
正極: 4H++O2+4e−→2H2O
この式からも分かるように、FCセルスタック21は、発電の際に水(H2O)を生成する。生成した水がMEAの表面に滞留したままになると、水素又は空気の反応を妨げることになる。そのため、生成した水は、効率よく排出されることが望まれる。

0028

FCセルスタック21は、1つのセルで発電する際の電圧は、例えば1V程度である。FCセルスタック21は、このセルを数百枚積層することにより、数百Vの電圧を発生させる。

0029

続いて、水素循環路12における水素の流れについて説明する。インジェクタ11が開くことにより、水素循環路12に水素が供給される。水素は、水素循環路12を通り、燃料電池20内へ到達する。燃料電池20は、受け取った水素を、水素イオン(H+)と電子(e−)に分解してMEAを通過させる。このとき、反応しなかった水素に加えて、上述した反応により発生した水分が水素極側漏れ出す。水素循環路12は、この水分を含んだ水素ガスを回収し、燃料電池20の外部にある排気排水部14に送り出す。排気排水部14では、適宜過剰な水分を排出する。そして、水素ガスは、水素循環ポンプ13によって圧送され、再び燃料電池20内へ送り込まれる。

0030

次に、冷却水によって燃料電池20が冷却される原理について説明する。燃料電池20が発電する際、燃料電池20は熱を発生する。燃料電池20内の冷却水は、この熱により温められる。すなわち、燃料電池20は冷却水と熱を交換することになる。そのため、燃料電池20は、冷却水により冷やされる。冷却水ポンプ31は、冷却水を圧送し、温められた冷却水をラジエータ30に送り込む。ラジエータ30は、冷却水の熱と、外気の熱を交換することにより、冷却水の温度を下げる。そして、温度の下がった冷却水は、冷却水ポンプ31により圧送され、再び燃料電池20内に送り込まれる。このように、冷却水が燃料電池20とラジエータ30を循環する。これにより、冷却水は発熱している燃料電池の冷却を行う。

0031

次に、図2を参照しながら燃料電池システム100の運転開始直後における主要構成部の温度変化について説明する。図2は、実施の形態に係る燃料電池システム100における冷却水温度と水素循環路12内温度の変化を説明するためのグラフである。一点鎖線曲線c1は、温度計24によって測定された水素循環路12の温度推移を示している。実線の曲線c2は、温度計25によって測定された冷却水の温度推移を示している。二点鎖線の曲線c3は、時刻t1において暖機運転を開始した場合の冷却水の温度推移を示している。時刻t0において各構成部の温度はp0である。燃料電池システム100が運転を開始すると、燃料電池20が発熱し、各構成部の温度が徐々に上昇する。

0032

まず、曲線c1により示した水素循環路12の温度推移について説明する。時刻t0から時刻t1までの水素循環路12の温度は、曲線c1に示されたように、時刻t0における温度p0から、時刻t1における温度p1に上昇している。

0033

次に、曲線c2により示した冷却水の温度推移について説明する。時刻t0から時刻t1までの冷却水の温度は、曲線c2に示されたように、時刻t0における温度p0から、時刻t1における温度p3に上昇している。

0034

このように、各構成部により温度の上がり方は異なる。この、温度p3と温度p1の差は、燃料電池20の温度と、水素循環路12との温度差が広がっていることを意味する。この温度差が広がることにより、結露が起きる可能性がある。

0035

すなわち、燃料電池20内において、水素ガスの温度は温度p3である。この水素ガスは、水素循環路12を通って回収され、一旦燃料電池20の外に出る。そして、水素循環ポンプ13によって再び燃料電池20に送り込まれる。このとき、温度p3の水素ガスが、温度p1の水素循環路12を通過する。そのため、水素循環路12内の壁面において水素ガスに含まれる水蒸気飽和して結露が起きる可能性がある。

0036

次に、燃料電池システム100を暖機運転する場合について説明する。寒冷地などにおいてシステムの運転を開始する場合、燃料電池20内の水分が凍結している可能性がある。そこで、システム全体の温度を早期に上昇させる暖機運転を行う。この場合、燃料電池20を温めるために冷却水を循環させないようにする。すなわち、冷却水ポンプ31の運転を停止した状態、又は冷却水ポンプ31の回転数を低く抑えた状態の運転を行う。そうすることにより、燃料電池20は早期に温度が上昇する。

0037

次に、図2を参照して、時刻t1から暖機運転を開始する場合の、水素循環路12及び冷却水の温度推移について具体的に説明する。

0038

まず、曲線c1により示した水素循環路12の温度推移について説明する。時刻t1から時刻t2までの水素循環路12の温度は、曲線c1に示されたように、時刻t1における温度p1から、時刻t2における温度p2に上昇している。

0039

次に、曲線c2により示した冷却水の温度推移について説明する。時刻t1から時刻t2までの冷却水の温度は、曲線c2に示されたように、時刻t1における温度p3から、時刻t2における温度p5に上昇している。

0040

ここで、暖機運転を行わず、通常運転を行った場合についても説明する。この場合は、曲線c2に示されたように、時刻t1における温度p3から時刻t2における温度p4に上昇している。

0041

続いて、時刻t2における冷却水と水素循環路との温度差を比較する。暖機運転の場合、時刻t2における冷却水と水素循環路との温度差がp5−p2である。また、通常運転の場合、時刻t2における冷却水と水素循環路との温度差がp4−p2である。ここで、冷却水の温度は燃料電池20の温度に略等しいと考えることができる。したがって、暖機運転を行うことにより、燃料電池20と水素循環路12との温度差が拡大することが分かる。すなわち、暖機運転を行うことにより、水素循環路12内において結露が起きる可能性がより高くなる。

0042

次に、水素循環路12内において結露が起きた場合に、燃料電池が受ける影響について説明する。

0043

まず、セルスタックの構造について説明する。図3は、実施の形態に係る燃料電池システム100における燃料電池セルスタック21及び流体の循環を説明するための図である。FCセルスタック21は複数のセルが積層されている。各セルは、発電部の周囲に複数の穴がそれぞれ設けられている。そして、複数の穴は、水素、空気、冷却水をそれぞれ通すように構成されている。例えば、図3において、矢印X1及び矢印X2は、水素の通過を模式的に示したものである。すなわち、矢印X1及び矢印X2は、水素循環路12の一部を示している。水素は、矢印X1からFCセルスタック21に入り、全てのセルを通過した後に、矢印X2から出る。同様に、矢印Y1及び矢印Y2は、エア通過路44の一部を示したものである。また同じく矢印Z1及び矢印Z2は、冷却水循環路32を示したものである。

0044

このように、各流体は、FCセルスタック21において所定の場所から入り、所定の場所から出る構造となっている。

0045

次に、燃料電池20と、水素循環路12との位置関係を説明する。図4は、燃料電池20及び水素供給系補機A1の模式図である。水素供給系補機A1とは、インジェクタ11、水素循環路12、水素循環ポンプ13、排気排水部14、及び、排気排水弁15をいう。

0046

図2において説明した通り、水素供給系補機A1の温度上昇は、燃料電池20の温度上昇に比べて緩やかである。そのため、水素供給系補機A1では、結露が起きやすくなる。その結果、結露により発生した水は、水素循環ポンプ13により圧送されて、燃料電池に流れ込む。FCセルスタック21は、図3において説明したように、所定の場所から水素及び結露水が流れ込むことになる。すなわち、図4エリアA2に集中的に結露水が流れ込むことになる。

0047

このような現象が起きると、エリアA2において水素の供給が妨げられるため好ましくない。そこで、本実施の形態は、このような現象が起きる可能性を検出し、結露水を分散させる。すなわち、所定の条件の場合、水素循環ポンプ13は、ポンプの回転数を上げて水素循環路12内の流量を上昇させる。水素循環路12内の流量が上昇することにより、集中的に流れ込んでいた水は、水素循環路12内に分散する。

0048

以上をまとめると、本実施の形態は、燃料電池システム100の運転開始後において結露が発生した場合に、水素循環路12内の水分を分散する。また本実施の形態は、暖機運転中、または、暖機運転後において結露が発生した場合に、水素循環路12内の水分を分散する。

0049

続いて、水素循環路12内の流量を上昇させるプロセスについて説明する。図5は、実施の形態に係る燃料電池システム100のフローチャートである。

0050

まず、制御部50は、FCセルスタック21のインピーダンスをモニタすることにより、各セルの含水量を推定する。そして、制御部50は、FCセルスタック21の含水量Waが、所定の含水量W1を下回っているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、FCセルスタック21の含水量Waが所定の含水量W1を下回っていた場合(ステップS1:Yes)、燃料電池システム100において結露を起こしている可能性が低いことを意味する。尚、ここで制御部50は、各部の温度又は外気温などを参照して結露の可能性を判定することもできる。

0051

次に、制御部50は、全セルの平均電圧Vaから各セルの電圧Veを引いた値が、所定の電圧V1よりも小さいか否かを判定する(ステップS2)。全セルの平均電圧Vaから各セルの電圧Veを引いた値が、所定の電圧V1よりも小さい場合(ステップS2:Yes)は、結露水などにより局部的に発電効率が低下しているといった現象が起きていないことを意味する。この場合、制御部50は、本フローチャートに係るルーチンを終了する。

0052

一方、ステップS1において、FCセルスタック21の含水量Waが所定の含水量W1を下回っていない場合(ステップS1:No)は、燃料電池システム100において結露を起こしている可能性があることを意味する。この場合、燃料電池システム100は、暖機運転を行うために、冷却水の目標温度T1を設定する(ステップS3)。また、ステップS2において、全セルの平均電圧Vaから各セルの電圧Veを引いた値が、所定の電圧V1よりも小さくない場合(ステップS2:No)は、部分的に結露が起きているか、水が滞留している可能性がある。そこで、この場合も、暖機運転を行うために、冷却水の目標温度T1を設定する(ステップS3)。尚、目標温度T1は、予め定めた温度でもよいし、外気温又は冷却水の温度Waを鑑みて決定してもよい。

0053

次に、燃料電池システム100は、暖機運転を開始する(ステップS4)。具体的には、燃料電池20の温度を上昇させるため、燃料電池20内により多くの水素を送り込んで発電を促進させるか、又は、冷却水の流量を低下させるか、又は、これらの両方を行う。このとき、冷却水ポンプ31の運転を止めておいてもよいし、ポンプの回転数を低下させておいてもよい。暖機運転を行うことにより、冷却水の温度Twが上昇する。

0054

続いて、制御部50は、水素循環路12内の含水量Whpを推定し、所定の含水量W2を上回っているか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、制御部50は、水素循環路12の温度、冷却水の温度、及び、水素循環ポンプ13の回転数に基づいて、水素循環路12内の結露水の量を推定する。そして、制御部50は、推定した含水量Whpと、所定の含水量W2とを比較する。

0055

水素循環路12内の含水量Whpが、所定の含水量W2を上回っている場合(ステップS5:Yes)、制御部50は、水素循環路12の流量を上げる(ステップS6)。具体的には、制御部50は、水素循環ポンプ13の回転数を、所定時間、所定の回転数に上げる。

0056

これにより、水素循環路12内の流量が上がり、水素循環路12内の水分が分散される。

0057

尚、制御部50は、所定の条件に基づいて水素循環ポンプ13の回転数を制御してもよい。すなわち、制御部50は、水素循環ポンプ13の回転数を上げた後に、冷却水の温度と、水素循環路12の温度とをモニタし、これらの温度差が所定値を下回るまで水素循環ポンプ13の回転数を上げたまま運転してもよい。

0058

水素循環路12内の含水量Whpが、所定の含水量W2を上回っていない場合(ステップS5:No)は、水素循環路12において集中的な結露水の流入が起きる可能性はない。よってこの場合、水素循環路12の流量を上げるための処理は行われない。

0059

次に、制御部50は、冷却水の温度Twが目標温度T1を上回ったか否かを判定する(ステップS7)。冷却水の温度Twが目標温度T1を上回っていない場合(ステップS7:No)は、引き続き暖機運転を行う。図2を参照しながら説明したように、暖機運転を行うことにより、水素循環路12内に結露が起きる可能性が高まる。そのため、制御部50は、再び含水量Whpと所定の含水量W2とを比較する処理を繰り返す(ステップS6)。

0060

冷却水の温度Twが目標温度T1を上回っていた場合(ステップS7:Yes)、燃料電池システム100は、暖機運転を終了する(ステップS8)。

0061

燃料電池システム100は、暖機運転終了(ステップS8)の後、再びFCセルスタック21の含水量Waが所定の含水量W1を下回っているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、再びFCセルスタック21の含水量Waが所定の含水量W1を下回っていない場合(ステップS1:No)、冷却水の目標温度T1を再設定する(ステップS3)。この場合、上述した目標よりも高い温度に設定して暖機運転を行う。

0062

同様に、燃料電池システム100は、暖機運転終了(ステップS8)の後、再びFCセルスタック21の含水量Waが所定の含水量W1を下回っており(ステップS1:Yes)、全セルの平均電圧Vaから各セルの電圧Veを引いた値が、所定の電圧V1よりも小さくない場合(ステップS2:No)は、冷却水の目標温度T1を再設定する(ステップS3)。

0063

以上のように、実施の形態に係る燃料電池システム100は、燃料ガス循環路内における水の集中的な流入を抑制することができる。

0064

尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、ここで説明した内容に加えて、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、図5において暖機運転終了(ステップS8)の後に、ステップS5及びステップS6を行ってもよいし、暖機運転とは別に、ステップS5及びステップS6を行ってもよい。

0065

10水素タンク
12水素循環路
13水素循環ポンプ
20燃料電池
21 FCセルスタック
22セルモニタ
24、25温度計
44エア通過路
100 燃料電池システム

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