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技術 正極合材ペースト製造用二軸混練機

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 山下瑛
出願日 2016年8月23日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-162968
公開日 2018年3月1日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2018-032494
状態 特許登録済
技術分野 回転撹拌具形混合機 電池の電極及び活物質
主要キーワード 平面視略三角形 溶媒添加量 工程能力指数 蓋表面 低温出力 投入口側 連続型 定電力放電
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月1日)のものです。
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図面 (11)

課題

正極合材ペーストの粘度のバラツキを小さくすることができる正極合材ペースト製造用二軸混練機を提供する。

解決手段

正極合材ペースト製造用二軸混練機10では、それぞれの軸35,36について、複数の抵抗パドル部61b〜64b,61c〜64cを、投入口31側に位置する投入口側抵抗パドル部65b,65cと、排出口32側に位置する排出口側抵抗パドル部66b,66cとの2つに分けると、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51〜54の外周面51f〜54fとの間のクリアランスB1〜B4は、排出口側抵抗パドル部66b,66cよりも投入口側抵抗パドル部65b,65cのほうが大きい。

概要

背景

特許文献1には、正極材料である正極活物質アセチレンブラックバインダー溶媒混練して、正極合材ペーストを製造する正極合材ペースト製造用二軸混練機が開示されている。この正極合材ペースト製造用二軸混練機は、平行に配置された二つの軸と、前記軸が延びる方向である軸方向に延びる筒状のバレルと、前記バレルの内部に配置されたせん断パドルを有し、前記軸を回転軸として回転するせん断パドル部と、前記バレルの内部に配置された抵抗パドルを有し、前記せん断パドル部と共に前記軸を回転軸として回転する抵抗パドル部とを備えている。

概要

正極合材ペーストの粘度のバラツキを小さくすることができる正極合材ペースト製造用二軸混練機を提供する。正極合材ペースト製造用二軸混練機10では、それぞれの軸35,36について、複数の抵抗パドル部61b〜64b,61c〜64cを、投入口31側に位置する投入口側抵抗パドル部65b,65cと、排出口32側に位置する排出口側抵抗パドル部66b,66cとの2つに分けると、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51〜54の外周面51f〜54fとの間のクリアランスB1〜B4は、排出口側抵抗パドル部66b,66cよりも投入口側抵抗パドル部65b,65cのほうが大きい。

目的

本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、正極合材ペーストの粘度のバラツキを小さくすることができる正極合材ペースト製造用二軸混練機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

平行に配置された二つの軸と、前記軸が延びる方向である軸方向に延びる筒状のバレルと、前記バレルの内部に配置されたせん断パドルを有し、前記軸を回転軸として回転するせん断パドル部と、前記バレルの内部に配置された抵抗パドルを有し、前記せん断パドル部と共に前記軸を回転軸として回転する抵抗パドル部と、を備え、正極材料である正極活物質アセチレンブラックバインダー溶媒混練して、正極合材ペーストを製造する正極合材ペースト製造用二軸混練機において、前記バレルが、前記軸方向の一方端側に位置し、前記正極材料を当該バレルの内部に投入するための投入口と、前記軸方向の他方端側に位置し、前記正極材料が混練されてなる前記正極合材ペーストを当該バレルの外部に排出するための排出口と、を有し、前記抵抗パドル部が、それぞれの前記軸において、複数、前記投入口側から前記排出口側に向かって前記軸方向に並んで配置されており、前記せん断パドル部が、それぞれの前記軸において、各々の前記抵抗パドル部に対し、前記軸方向に隣接して配置されており、それぞれの前記軸について、複数の前記抵抗パドル部を、前記投入口側に位置する投入口側抵抗パドル部と、前記排出口側に位置する排出口側抵抗パドル部との2つに分けると、前記バレルの内周面と前記抵抗パドルの外周面との間のクリアランスは、前記排出口側抵抗パドル部よりも前記投入口側抵抗パドル部のほうが大きい正極合材ペースト製造用二軸混練機。

技術分野

0001

本発明は、正極合材ペースト製造用二軸混練機に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、正極材料である正極活物質アセチレンブラックバインダー溶媒混練して、正極合材ペーストを製造する正極合材ペースト製造用二軸混練機が開示されている。この正極合材ペースト製造用二軸混練機は、平行に配置された二つの軸と、前記軸が延びる方向である軸方向に延びる筒状のバレルと、前記バレルの内部に配置されたせん断パドルを有し、前記軸を回転軸として回転するせん断パドル部と、前記バレルの内部に配置された抵抗パドルを有し、前記せん断パドル部と共に前記軸を回転軸として回転する抵抗パドル部とを備えている。

0003

特開2015−109175号公報

先行技術

0004

バレルは、前記軸方向の一方端側に位置し、前記正極材料を当該バレルの内部に投入するための投入口と、前記軸方向の他方端側に位置し、前記正極材料が混練されてなる前記正極合材ペーストを当該バレルの外部に排出するための排出口と、を有している。抵抗パドル部は、それぞれの前記軸において、複数、前記投入口側から前記排出口側に向かって前記軸方向に並んで配置されている。また、せん断パドル部は、それぞれの前記軸において、各々の前記抵抗パドル部に対し、前記軸方向に隣接して配置されている。この正極合材ペースト製造用二軸混練機では、いずれの抵抗パドルも同一寸法とされており、正極合材ペースト製造用二軸混練機の全体にわたって、バレルの内周面と抵抗パドルの外周面との間のクリアランスは一定とされている。

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、同一ロット内の正極材料に含まれる正極活物質において、その物性にバラツキがある場合がある。具体的には、正極活物質の表面に溶媒を吸着する溶媒吸着性(溶媒吸着量)が、同一ロット内の正極材料に含まれる正極活物質において、バラツキがある場合がある。溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料では、正極活物質に多くの溶媒が吸着されることで、自由状態の溶媒の量が少なくなる。一方、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料では、正極活物質に吸着される溶媒の量が少ないため、自由状態の溶媒の量が多くなる。

0006

このため、前述の正極合材ペースト製造用二軸混練機によって正極材料を混練したとき、混練の初期段階(投入口側抵抗パドル部を通過する段階)において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物と、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物とでは、その粘度が異なる。具体的には、混練の初期段階において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物は、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物に比べて、その粘度が高いため、投入口側抵抗パドル部とバレルとの隙間(クリアランス)を通過し難くなり、排出口側に向かって移動する速度が遅くなる。

0007

このため、混練の初期段階において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物は、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物に比べて、せん断パドル部(投入口側せん断パドル部)によってせん断力を受ける時間(せん断時間)が長くなる。その結果、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物では、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物に比べて、投入口側せん断パドル部によって加えられるせん断力が大きくなり、一次粒子が線状に繋がった形状のアセチレンブラックが短くなる(小粒径化する)傾向にあった。

0008

従って、前述の正極合材ペースト製造用二軸混練機によって作製された同一ロット内の正極合材ペーストにおいて、アセチレンブラックの長さ(一次粒子が線状に繋がった二次粒子の長さ)のバラツキが大きくなることがあった。アセチレンブラックの長さのバラツキが大きくなると、これらの正極合材ペーストを用いて作製した複数の電池間(同一ロット内の電池間)において、内部抵抗(ひいては出力)のバラツキが大きくなることがあった。正極合材ペーストに含まれているアセチレンブラックの長さは、正極合材ペーストの粘度と相関があるため、アセチレンブラックの長さのバラツキが大きくなることで、正極合材ペーストの粘度のバラツキが大きくなっていた。

0009

本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、正極合材ペーストの粘度のバラツキを小さくすることができる正極合材ペースト製造用二軸混練機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の一態様は、平行に配置された二つの軸と、前記軸が延びる方向である軸方向に延びる筒状のバレルと、前記バレルの内部に配置されたせん断パドルを有し、前記軸を回転軸として回転するせん断パドル部と、前記バレルの内部に配置された抵抗パドルを有し、前記せん断パドル部と共に前記軸を回転軸として回転する抵抗パドル部と、を備え、正極材料である正極活物質とアセチレンブラックとバインダーと溶媒を混練して、正極合材ペーストを製造する正極合材ペースト製造用二軸混練機において、前記バレルが、前記軸方向の一方端側に位置し、前記正極材料を当該バレルの内部に投入するための投入口と、前記軸方向の他方端側に位置し、前記正極材料が混練されてなる前記正極合材ペーストを当該バレルの外部に排出するための排出口と、を有し、前記抵抗パドル部が、それぞれの前記軸において、複数、前記投入口側から前記排出口側に向かって前記軸方向に並んで配置されており、前記せん断パドル部が、それぞれの前記軸において、各々の前記抵抗パドル部に対し、前記軸方向に隣接して配置されており、それぞれの前記軸について、複数の前記抵抗パドル部を、前記投入口側に位置する投入口側抵抗パドル部と、前記排出口側に位置する排出口側抵抗パドル部との2つに分けると、前記バレルの内周面と前記抵抗パドルの外周面との間のクリアランスは、前記排出口側抵抗パドル部よりも前記投入口側抵抗パドル部のほうが大きい正極合材ペースト製造用二軸混練機である。

0011

上述の正極合材ペースト製造用二軸混練機(以下、単に、二軸混練機ともいう)では、バレルの内周面と抵抗パドルの外周面との間のクリアランス(最短距離)が、排出口側抵抗パドル部よりも投入口側抵抗パドル部のほうが大きくされている。すなわち、投入口側抵抗パドル部に含まれる抵抗パドルの外周面とバレルの内周面との間のクリアランス(隙間)は、いずれも、排出口側抵抗パドル部に含まれる抵抗パドルの外周面とバレルの内周面との間のクリアランス(隙間)のいずれよりも大きくされている。

0012

これにより、二軸混練機内に投入される正極材料に含まれる正極活物質において、溶媒吸着性(溶媒吸着量)にバラツキがある場合でも、混練の初期段階(投入口側抵抗パドル部とバレルとの隙間を通過する段階)において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物と、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物との間で、投入口側抵抗パドル部とバレルとの隙間を通過するし易さの差が小さくなる。

0013

このため、混練の初期段階において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物と、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物との間で、せん断パドル部(投入口側せん断パドル部)によってせん断力を受ける時間(せん断時間)の差を小さくすることができる。これにより、バレル内に投入された正極材料の混合物に対し、二軸混練機に設けられている全てのせん断パドル部(投入口側せん断パドル部及び排出口側せん断パドル)によるせん断時間(総せん断時間)のバラツキを小さくすることができる。

0014

なお、混練後半(排出口側抵抗パドル部とバレルとの隙間を通過する段階)では、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物(ペースト)においても、混練が進んで粘度が低下しているため、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質が多く含まれる正極材料の混合物と比較して、排出口側抵抗パドル部を通過するし易さはほぼ同等になり、排出口側せん断パドルによるせん断時間もほぼ同等になる。

0015

従って、上述の正極合材ペースト製造用二軸混練機によって作製された正極合材ペーストにおいて、アセチレンブラックの長さのバラツキが小さくなり、その結果、正極合材ペーストの粘度のバラツキが小さくなる。以上より、上述の正極合材ペースト製造用二軸混練機によれば、正極合材ペーストの粘度のバラツキを小さくすることができる。

0016

なお、それぞれの軸について、軸方向(二軸混練機の軸が延びる方向)に並ぶ複数の抵抗パドル部の列を軸方向に2分割(2等分)したとき、投入口側に位置する抵抗パドル部を投入口側抵抗パドル部といい、排出口側に位置する抵抗パドル部を排出口側抵抗パドル部という。

0017

また、抵抗パドルは、二軸混練機のバレル内を投入口側から排出口側に向かって移動する(搬送される)正極材料の移動を妨げて、バレル内における正極材料の移動速度(搬送速度)を制御(制限、抑制)する部材である。一方、せん断パドルは、二軸混練機のバレル内を投入口側から排出口側に向かって移動する(搬送される)正極材料に対し、せん断力を与えつつ、正極材料を混練する部材である。

0018

また、投入口を通じてバレル(二軸混練機)の内部に投入する正極材料(正極活物質、アセチレンブラック、バインダー、溶媒など)は、それぞれを単独で(すなわち、複数種類の正極材料を予め混合した混合物とすることなく)投入するようにしても良いし、複数種類を予め混合した混合物の状態で投入するようにしても良い。いずれの態様でも、二軸混練機を用いて、正極材料である正極活物質とアセチレンブラックとバインダーと溶媒を混練して、正極合材ペーストを製造することになる。後者としては、例えば、アセチレンブラックとバインダーと溶媒を予め混合した混合物(ペースト)(以下、この混合物をABペーストともいう)としておき、このABペーストと正極活物質を、投入口を通じてバレル(二軸混練機)の内部に投入する態様が挙げられる。
また、正極合材ペーストの原料となる正極材料は、正極活物質とアセチレンブラックとバインダーと溶媒のみに限らず、これら以外の材料を含むものでも良い。

図面の簡単な説明

0019

実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の斜視図である。
同リチウムイオン二次電池の正極の斜視図である。
同リチウムイオン二次電池の負極の斜視図である。
実施形態にかかる正極合材ペースト製造用二軸混練機の側面図である。
同正極合材ペースト製造用二軸混練機の内部の構成を示す部分断面図である。
同正極合材ペースト製造用二軸混練機のバレルの内部に配置された抵抗パドルを示す図である。
同正極合材ペースト製造用二軸混練機のバレルの内部に配置されたせん断パドルを示す図である。
リチウムイオン二次電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。
同フローチャートのサブルーチンである。
図9に示すフローチャートのサブルーチンである。

実施例

0020

次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池100について説明する。
リチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、電極体110と、これを収容する電池ケース180とを備える。電極体110は、正極130、負極120、及びセパレータ150を有している。セパレータ150は、電気絶縁性樹脂フィルム(例えば、ポリエチレン)からなり、正極130と負極120との間に介在して、これらを離間させている。このセパレータ150には、リチウムイオンを有する非水電解液160を含浸させている。なお、非水電解液160は、有機溶媒中に、溶質としてLiPF6を添加した非水電解液である。

0021

電池ケース180は、アルミニウムからなり、直方体形状をなしている。この電池ケース180は、電池ケース本体181と封口蓋182を有する。このうち、電池ケース本体181は、有底矩形箱形状をなしている。なお、電池ケース本体181と電極体110との間には、樹脂からなり、箱状に折り曲げ絶縁フィルム(図示しない)を介在させている。

0022

また、封口蓋182は、矩形板状であり、電池ケース本体181の開口を閉塞して、この電池ケース本体181に溶接されている。この封口蓋182には、矩形板状の安全弁197が設けられている。

0023

電極体110は、帯状の正極130と帯状の負極120とが、両者の間に帯状のセパレータ150を介在させて扁平形状に捲回された扁平捲回型の電極体である(図1参照)。詳細には、長手方向DBに延びる帯状の正極130、負極120、及びセパレータ150を、長手方向DBに捲回して、扁平捲回型の電極体110を形成している(図1図3参照)。

0024

正極130は、図2に示すように、長手方向DBに延びる帯状でアルミニウム箔からなる正極集電箔138と、この正極集電箔138の表面(両面)に配置された2つの正極合材層131,131とを有している。2つの正極合材層131,131は、それぞれ、長手方向DBに延びる帯状をなしている。この正極合材層131は、正極活物質137と、アセチレンブラック133(導電材)と、PVDFからなるバインダー134とを含んでいる。なお、本実施形態では、正極活物質137として、リチウム遷移金属複合酸化物(具体的には、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2 )を用いている。また、アセチレンブラック133は、一次粒子が線状に繋がった形状をなしている。

0025

また、負極120は、図3に示すように、長手方向DBに延びる帯状で銅箔からなる負極集電箔128と、この負極集電箔128の表面(両面)に配置された2つの負極合材層121,121とを有している。2つの負極合材層121,121は、それぞれ、長手方向DBに延びる帯状をなしている。この負極合材層121は、負極活物質127とバインダーとを含んでいる。なお、本実施形態では、負極活物質127として、黒鉛を用いている。

0026

また、電極体110のうち正極130には、クランク状に屈曲した板状の正極集電部材191が溶接されている(図1参照)。さらに、負極120には、クランク状に屈曲した板状の負極集電部材192が溶接されている。正極集電部材191及び負極集電部材192のうち、それぞれの先端に位置する正極端子部191A及び負極端子部192Aは、封口蓋182を貫通して蓋表面182Aから突出している。なお、正極端子部191Aと封口蓋182との間、及び、負極端子部192Aと封口蓋182との間には、それぞれ、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材195を介在させている。

0027

次に、本実施形態にかかる正極合材ペースト製造用二軸混練機10(以下、単に、二軸混練機10ともいう)について説明する。図4は、正極合材ペースト131Aを製造するための二軸混練機10の側面図である。また、図5は、二軸混練機10の内部の構成を示す図であり、二軸混練機10を軸方向DAに切断した部分断面図である。図6は、二軸混練機10のバレル30の内部に配置された抵抗パドル51(52,53,54)を示す図であり、図5のF−F(G−G、H−H、I−I)で示す位置における二軸混練機10の断面図に相当する。図7は、二軸混練機10のバレル30の内部に配置されたせん断パドル11(12,13,14)を示す図であり、図5のB−B(C−C、D−D、E−E)で示す位置における二軸混練機10の断面図に相当する。

0028

本実施形態の二軸混練機10は、正極材料である正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135を混練して、正極合材ペースト131Aを製造する連続型二軸混練機である。この二軸混練機10は、互いが平行に配置された二つの軸35,36(図5図7参照)と、軸方向DA(軸35,36が延びる方向、図4及び図5において左右方向)に延びる筒状のバレル30と、中心軸線AX1を有する円柱形状の軸35と、中心軸線AX2を有する円柱形状の軸36と、第1せん断パドル部21b,21cと、第2せん断パドル部22b,22cと、第3せん断パドル部23b,23cと、第4せん断パドル部24b,24cと、スクリュー41b,41c,42b,42cと、第1抵抗パドル部61b,61cと、第2抵抗パドル部62b,62cと、第3抵抗パドル部63b,63cと、第4抵抗パドル部64b,64cとを有している。

0029

軸35,36と、第1せん断パドル部21b,21cと、第2せん断パドル部22b,22cと、第3せん断パドル部23b,23cと、第4せん断パドル部24b,24cと、スクリュー41b,41c,42b,42cと、第1抵抗パドル部61b,61cと、第2抵抗パドル部62b,62cと、第3抵抗パドル部63b,63cと、第4抵抗パドル部64b,64cとは、軸方向DA(軸35,36が延びる方向、図4及び図5において左右方向)に延びるバレル30の内部に配置されている。

0030

バレル30は、軸方向DAの一方端側(図4及び図5において左端側)に、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)をバレル30の内部に投入するための投入口31を有する。さらに、バレル30は、軸方向DAの他方端側(図4及び図5において右端側)に、正極材料が混練されてなる正極合材ペースト131Aをバレル30の外部に排出するための排出口32を有する。

0031

なお、バレル30の内周面30bは、図6及び図7に示すように、中心軸線AX1を中心とした半径R1の円筒形状の内周面30b1と中心軸線AX2を中心とした半径R1の円筒形状の内周面30b2とを、これらの周方向一部が重なる(交わる)ように連結した形態(断面C形状の内周面30b1と断面逆向きC形状の内周面30b2とを連結した形態)をなしている。

0032

また、軸35と36は、バレル30内において、平行に配置されている。このうち、軸35は、中心軸線AX1を回転中心として回転する。一方、軸36は、中心軸線AX2を回転中心として回転する。なお、図5図7に矢印で示すように、軸35と36の回転方向は同じである。

0033

第1抵抗パドル部61bと第2抵抗パドル部62bと第3抵抗パドル部63bと第4抵抗パドル部64bとは、軸35に固定されており、軸35を回転軸として軸35と共に回転(回動)する。なお、第1抵抗パドル部61bと第2抵抗パドル部62bと第3抵抗パドル部63bと第4抵抗パドル部64bは、この順で、投入口31側から排出口32側に向かって軸方向DAに間隔を空けて並んで配置されている(図5参照)。

0034

ここで、軸35にかかる4つの抵抗パドル部を、投入口31側に位置する投入口側抵抗パドル部65bと、排出口32側に位置する排出口側抵抗パドル部66bとの2つに半分ずつ分ける。すると、第1抵抗パドル部61bと第2抵抗パドル部62bと第3抵抗パドル部63bと第4抵抗パドル部64bのうち、第1抵抗パドル部61bと第2抵抗パドル部62bが、投入口31側に位置する投入口側抵抗パドル部65bとなる。一方、第3抵抗パドル部63bと第4抵抗パドル部64bが、排出口32側に位置する排出口側抵抗パドル部66bとなる(図5参照)。

0035

また、第1抵抗パドル部61cと第2抵抗パドル部62cと第3抵抗パドル部63cと第4抵抗パドル部64cは、軸36に固定されており、軸36を回転軸として軸36と共に回転(回動)する。なお、第1抵抗パドル部61cと第2抵抗パドル部62cと第3抵抗パドル部63cと第4抵抗パドル部64cは、この順で、投入口31側から排出口32側に向かって軸方向DAに間隔を空けて並んで配置されている(図5参照)。

0036

ここで、軸36にかかる4つの抵抗パドル部を、投入口31側に位置する投入口側抵抗パドル部65cと、排出口32側に位置する排出口側抵抗パドル部66cとの2つに半分ずつ分ける。すると、第1抵抗パドル部61cと第2抵抗パドル部62cと第3抵抗パドル部63cと第4抵抗パドル部64cのうち、第1抵抗パドル部61cと第2抵抗パドル部62cが、投入口31側に位置する投入口側抵抗パドル部65cとなる。一方、第3抵抗パドル部63cと第4抵抗パドル部64cが、排出口32側に位置する排出口側抵抗パドル部66cとなる(図5参照)。

0037

第1抵抗パドル部61b(または61c)は、軸35(または36)に固定された抵抗パドル51を有している(図5参照)。抵抗パドル51は、直径の異なる2つの円板形状をなす部位が軸方向DAに重なった形態を有している。具体的には、抵抗パドル51は、直径(外径)が大きい大径部51cと、この大径部51cよりも直径(外径)が小さい小径部51dとを有し、大径部51cと小径部51dとが一体に形成されたものである。抵抗パドル51の中心部には、貫通孔51bが形成されている(図6参照)。抵抗パドル51は、貫通孔51b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。なお、大径部51cの直径(外径)はR51である。

0038

但し、第1抵抗パドル部61bの抵抗パドル51は、大径部51cが軸方向DAの一方端側(投入口31側)に位置する向きで軸35に固定されており、一方、第1抵抗パドル部61cの抵抗パドル51は、大径部51cが軸方向DAの他方端側(排出口32側)に位置する向きで軸36に固定されている。従って、第1抵抗パドル部61bをなす抵抗パドル51の大径部51cと第1抵抗パドル部61cをなす抵抗パドル51の小径部51dとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置し、第1抵抗パドル部61bをなす抵抗パドル51の小径部51dと第1抵抗パドル部61cをなす抵抗パドル51の大径部51cとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置している。

0039

なお、図6に示すように、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51の外周面51fとの間のクリアランスB1(最短距離)は、第1抵抗パドル部61b,61cのいずれも、R1からR51を差し引いた値(B1=R1−R51)となる。

0040

第2抵抗パドル部62b(または62c)は、軸35(または36)に固定された抵抗パドル52を有している(図5参照)。抵抗パドル52も、直径の異なる2つの円板形状をなす部位が軸方向DAに重なった形態を有している。具体的には、抵抗パドル52は、直径(外径)が大きい大径部52cと、この大径部52cよりも直径(外径)が小さい小径部52dとを有し、大径部52cと小径部52dとが一体に形成されたものである。抵抗パドル52の中心部には、貫通孔52bが形成されている(図6参照)。抵抗パドル52は、貫通孔52b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。なお、大径部52cの直径(外径)はR52である。

0041

但し、第2抵抗パドル部62bの抵抗パドル52は、大径部52cが軸方向DAの一方端側(投入口31側)に位置する向きで軸35に固定されており、一方、第2抵抗パドル部62cの抵抗パドル52は、大径部52cが軸方向DAの他方端側(排出口32側)に位置する向きで軸36に固定されている。従って、第2抵抗パドル部62bをなす抵抗パドル52の大径部52cと第2抵抗パドル部62cをなす抵抗パドル52の小径部52dとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置し、第2抵抗パドル部62bをなす抵抗パドル52の小径部52dと第2抵抗パドル部62cをなす抵抗パドル52の大径部52cとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置している。

0042

なお、図6に示すように、バレル30の内周面30bと抵抗パドル52の外周面52fとの間のクリアランスB2(最短距離)は、第2抵抗パドル部62b,62cのいずれも、R1からR52を差し引いた値(B2=R1−R52)となる。

0043

第3抵抗パドル部63b(または63c)は、軸35(または36)に固定された抵抗パドル53を有している(図5参照)。抵抗パドル53も、直径の異なる2つの円板形状をなす部位が軸方向DAに重なった形態を有している。具体的には、抵抗パドル53は、直径(外径)が大きい大径部53cと、この大径部53cよりも直径(外径)が小さい小径部53dとを有し、大径部53cと小径部53dとが一体に形成されたものである。抵抗パドル53の中心部には、貫通孔53bが形成されている(図6参照)。抵抗パドル53は、貫通孔53b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。なお、大径部53cの直径(外径)はR53である。

0044

但し、第3抵抗パドル部63bの抵抗パドル53は、大径部53cが軸方向DAの一方端側(投入口31側)に位置する向きで軸35に固定されており、一方、第3抵抗パドル部63cの抵抗パドル53は、大径部53cが軸方向DAの他方端側(排出口32側)に位置する向きで軸36に固定されている。従って、第3抵抗パドル部63bをなす抵抗パドル53の大径部53cと第3抵抗パドル部63cをなす抵抗パドル53の小径部53dとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置し、第3抵抗パドル部63bをなす抵抗パドル53の小径部53dと第3抵抗パドル部63cをなす抵抗パドル53の大径部53cとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置している。

0045

なお、図6に示すように、バレル30の内周面30bと抵抗パドル53の外周面53fとの間のクリアランスB3(最短距離)は、第3抵抗パドル部63b,63cのいずれも、R1からR53を差し引いた値(B3=R1−R53)となる。

0046

第4抵抗パドル部64b(または64c)は、軸35(または36)に固定された抵抗パドル54を有している(図5参照)。抵抗パドル54も、直径の異なる2つの円板形状をなす部位が軸方向DAに重なった形態を有している。具体的には、抵抗パドル54は、直径(外径)が大きい大径部54cと、この大径部54cよりも直径(外径)が小さい小径部54dとを有し、大径部54cと小径部54dとが一体に形成されたものである。抵抗パドル54の中心部には、貫通孔54bが形成されている(図6参照)。抵抗パドル54は、貫通孔54b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。なお、大径部54cの直径(外径)はR54である。

0047

但し、第4抵抗パドル部64bの抵抗パドル54は、大径部54cが軸方向DAの一方端側(投入口31側)に位置する向きで軸35に固定されており、一方、第4抵抗パドル部64cの抵抗パドル54は、大径部54cが軸方向DAの他方端側(排出口32側)に位置する向きで軸36に固定されている。従って、第4抵抗パドル部64bをなす抵抗パドル54の大径部54cと第4抵抗パドル部64cをなす抵抗パドル54の小径部54dとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置し、第4抵抗パドル部64bをなす抵抗パドル54の小径部54dと第4抵抗パドル部64cをなす抵抗パドル54の大径部54cとが、中心軸線AX1とAX2とに直交する方向(図5において上下方向)に隣り合って位置している。

0048

なお、図6に示すように、バレル30の内周面30bと抵抗パドル54の外周面54fとの間のクリアランスB4(最短距離)は、第4抵抗パドル部64b,64cのいずれも、R1からR54を差し引いた値(B4=R1−R54)となる。
以上説明した抵抗パドル51〜54は、二軸混練機10のバレル30内を投入口31側から排出口32側に向かって(図5において左から右に向かって)移動する(搬送される)正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135との混合物)の移動を妨げて、バレル30内における正極材料の移動速度(搬送速度)を制御(制限、抑制)する。

0049

また、本実施形態では、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51,52,53,54の外周面51f,52f,53f,54fとの間のクリアランスB1,B2,B3,B4(最短距離)は、排出口側抵抗パドル部66b,66cよりも投入口側抵抗パドル部65b,65cのほうが大きくされている。すなわち、投入口側抵抗パドル部65b,65cに含まれる抵抗パドル51,52の外周面51f,52fとバレル30の内周面30bとの間のクリアランスB1,B2(最短距離)は、いずれも、排出口側抵抗パドル部66b,66cに含まれる抵抗パドル53,54の外周面53f,54fとバレル30の内周面30bとの間のクリアランスB3,B4(最短距離)のいずれよりも大きくされている。

0050

また、第1せん断パドル部21bと第2せん断パドル部22bと第3せん断パドル部23bと第4せん断パドル部24bは、軸35に固定されており、軸35を回転軸として軸35と共に回転(回動)する。なお、第1せん断パドル部21bと第2せん断パドル部22bと第3せん断パドル部23bと第4せん断パドル部24bは、この順で、投入口31側から排出口32側に向かって軸方向DAに間隔を空けて並んで配置されている。
より具体的には、第1せん断パドル部21bは、第1抵抗パドル部61bに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。また、第2せん断パドル部22bは、第2抵抗パドル部62bに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。また、第3せん断パドル部23bは、第3抵抗パドル部63bに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。また、第4せん断パドル部24bは、第4抵抗パドル部64bに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。

0051

ここで、軸35にかかる4つのせん断パドル部を、投入口31側に位置する投入口側せん断パドル部25bと、排出口32側に位置する排出口側せん断パドル部26bとの2つに半分ずつ分ける。すると、第1せん断パドル部21bと第2せん断パドル部22bと第3せん断パドル部23bと第4せん断パドル部24bのうち、第1せん断パドル部21bと第2せん断パドル部22bが、投入口31側に位置する投入口側せん断パドル部25bとなる。一方、第3せん断パドル部23bと第4せん断パドル部24bが、排出口32側に位置する排出口側せん断パドル部26bとなる。

0052

また、第1せん断パドル部21cと第2せん断パドル部22cと第3せん断パドル部23cと第4せん断パドル部24cは、軸36に固定されており、軸36を回転軸として軸36と共に回転(回動)する。なお、第1せん断パドル部21cと第2せん断パドル部22cと第3せん断パドル部23cと第4せん断パドル部24cは、この順で、投入口31側から排出口32側に向かって軸方向DAに間隔を空けて並んで配置されている。
より具体的には、第1せん断パドル部21cは、第1抵抗パドル部61cに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。また、第2せん断パドル部22cは、第2抵抗パドル部62cに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。また、第3せん断パドル部23cは、第3抵抗パドル部63cに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。また、第4せん断パドル部24cは、第4抵抗パドル部64cに対し、軸方向DAの一方端側(図5において左側)に隣接している。

0053

なお、軸36にかかる4つのせん断パドル部を、投入口31側に位置する投入口側せん断パドル部25cと、排出口32側に位置する排出口側せん断パドル部26cとの2つに半分ずつ分ける。すると、第1せん断パドル部21cと第2せん断パドル部22cと第3せん断パドル部23cと第4せん断パドル部24cのうち、第1せん断パドル部21cと第2せん断パドル部22cが、投入口31側に位置する投入口側せん断パドル部25cとなる。一方、第3せん断パドル部23cと第4せん断パドル部24cが、排出口32側に位置する排出口側せん断パドル部26cとなる。

0054

第1せん断パドル部21b(または21c)は、軸35(または36)に固定された3つのせん断パドル11,11,11を有している(図5参照)。せん断パドル11は、平面視略三角形外形を有する板状部材であり、その中央部に貫通孔11bが形成されている(図7参照)。3つのせん断パドル11,11,11は、それぞれの貫通孔11b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。

0055

従って、第1せん断パドル部21b(または21c)を構成する3つのせん断パドル11,11,11は、軸35(または36)を回転軸として、軸35(または36)と共に回転(回動)する。これにより、第1せん断パドル部21b(または21c)において、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)に対しせん断力を加えて、正極材料を混練することができる。

0056

なお、第1せん断パドル部21b(または36)を構成する3つのせん断パドル11,11,11は、軸方向DAに隣り合うせん断パドル11同士が接触した態様で、軸方向DAに並んで配置されている(図5参照)。この態様は、後述する第2せん断パドル部22b(または22c)を構成する3つのせん断パドル12,12,12、第3せん断パドル部23b(または23c)を構成する3つのせん断パドル13,13,13、及び、第4せん断パドル部24b(または24c)を構成する3つのせん断パドル14,14,14についても同様である。

0057

また、第1せん断パドル部21b(または21c)を構成する3つのせん断パドル11,11,11のうち、軸方向DAについて中央に位置するせん断パドル11(図7においてハッチングしていないせん断パドル11)は、軸方向DAについて両側に位置するせん断パドル11,11に対し、軸35(または36)回りに180度(半周)ずらした向きで軸35(または36)に固定されている(図7参照)。この態様は、後述する第2せん断パドル部22b(または22c)を構成する3つのせん断パドル12,12,12、第3せん断パドル部23b(または23c)を構成する3つのせん断パドル13,13,13、及び、第4せん断パドル部24b(また24c)を構成する3つのせん断パドル14,14,14についても同様である。

0058

なお、図7に示すように、せん断パドル11の3つの角部11c,11d,11eは、いずれも、中心軸線AX1(またはAX2)を中心とした半径R11の円弧をなしている。そして、せん断パドル11の最大径は、3つの角部11c,11d,11eの半径R11となっている。従って、バレル30の内周面30bとせん断パドル11の外周面11fとの間のクリアランスC1(最短距離)は、R1からR11を差し引いた値(C1=R1−R11)となる。

0059

第2せん断パドル部22b(または22c)は、軸35(または36)に固定された3つのせん断パドル12,12,12を有している(図5参照)。せん断パドル12は、平面視略三角形の外形を有する板状部材であり、その中央部に貫通孔12bが形成されている(図7参照)。3つのせん断パドル12,12,12は、それぞれの貫通孔12b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。

0060

従って、第2せん断パドル部22b(22c)を構成する3つのせん断パドル12,12,12は、軸35(または36)を回転軸として、軸35(または36)と共に回転(回動)する。これにより、第2せん断パドル部22b(または22c)においても、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)に対しせん断力を加えて、正極材料を混練することができる。

0061

なお、図7に示すように、せん断パドル12の3つの角部12c,12d,12eは、いずれも、中心軸線AX1(またはAX2)を中心とした半径R12の円弧をなしている。そして、せん断パドル12の最大径は、3つの角部12c,12d,12eの半径R12となっている。従って、バレル30の内周面30bとせん断パドル12の外周面12fとの間のクリアランスC2(最短距離)は、R1からR12を差し引いた値(C2=R1−R12)となる。

0062

第3せん断パドル部23b(または23c)は、軸35(または36)に固定された3つのせん断パドル13,13,13を有している(図5参照)。せん断パドル13は、平面視略三角形の外形を有する板状部材であり、その中央部に貫通孔13bが形成されている(図7参照)。3つのせん断パドル13,13,13は、それぞれの貫通孔13b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。

0063

従って、第3せん断パドル部23b(23c)を構成する3つのせん断パドル13,13,13は、軸35(または36)を回転軸として、軸35(または36)と共に回転(回動)する。これにより、第3せん断パドル部23b(または23c)においても、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)に対しせん断力を加えて、正極材料を混練することができる。

0064

なお、図7に示すように、せん断パドル13の3つの角部13c,13d,13eは、いずれも、中心軸線AX1(またはAX2)を中心とした半径R13の円弧をなしている。そして、せん断パドル13の最大径は、3つの角部13c,13d,13eの半径R13となっている。従って、バレル30の内周面30bとせん断パドル13の外周面13fとの間のクリアランスC3(最短距離)は、R1からR13を差し引いた値(C3=R1−R13)となる。

0065

第4せん断パドル部24b(または24c)は、軸35(または36)に固定された3つのせん断パドル14,14,14を有している(図5参照)。せん断パドル14は、平面視略三角形の外形を有する板状部材であり、その中央部に貫通孔14bが形成されている(図7参照)。3つのせん断パドル14,14,14は、それぞれの貫通孔14b内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。

0066

従って、第4せん断パドル部24b(24c)を構成する3つのせん断パドル14,14,14は、軸35(または36)を回転軸として、軸35(または36)と共に回転(回動)する。これにより、第4せん断パドル部24b(または24c)においても、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)に対しせん断力を加えて、正極材料を混練することができる。

0067

なお、図7に示すように、せん断パドル14の3つの角部14c,14d,14eは、いずれも、中心軸線AX1(またはAX2)を中心とした半径R14の円弧をなしている。そして、せん断パドル14の最大径は、3つの角部14c,14d,14eの半径R14となっている。従って、バレル30の内周面30bとせん断パドル14の外周面14fとの間のクリアランスC4(最短距離)は、R1からR14を差し引いた値(C4=R1−R14)となる。

0068

スクリュー41b,42b(または41c,42c)は、螺旋形状をなす外周面を有する筒状部材であり(図5参照)、その中央部に貫通孔が形成されている。スクリュー41b,42b(または41c,42c)は、貫通孔内に軸35(または36)を挿通させて、軸35(または36)に固定されている。

0069

従って、スクリュー41b,42b(または41c,42c)は、軸35(または36)を回転軸として、軸35(または36)と共に回転(回動)する。これにより、スクリュー41b,42b(または41c,42c)によって、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)が、搬送方向である第1軸方向DA1(軸方向DAのうち投入口31から排出口32へ向かう方向、図5において左から右に向かう方向)に搬送される。

0070

次に、リチウムイオン二次電池100の製造方法、正極130の製造方法、及び、正極合材ペースト131Aの製造方法について説明する。図8は、リチウムイオン二次電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。また、図9は、図8のフローチャートのサブルーチンであり、正極の製造方法の流れを示すフローチャートである。図10は、図9のフローチャートのサブルーチンであり、正極合材ペーストの製造方法の流れを示すフローチャートである。

0071

図8に示すように、まず、ステップS1において、正極130を作製する。具体的には、図9に示すように、まず、ステップS11(正極合材ペースト作製工程)において、正極合材ペースト131Aを作製する。ここで、正極合材ペースト131Aの製造方法について、具体的に説明する。

0072

本実施形態では、前述の二軸混練機10(図4図7参照)を用いて、正極材料である正極活物質137とアセチレンブラック133(導電材)とバインダー134(本実施形態では、PVDF)と溶媒135とを混練して、正極合材ペースト131Aを製造する。
具体的には、図10に示すように、まず、ステップS111において、二軸混練機10の内部に正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)を投入する。具体的には、バレル30に設けられている投入口31を通じて、二軸混練機10の内部に正極材料を投入する。なお、本実施形態では、予め、アセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135を混合して混合物(この混合物をABペースト132とする)としておき、このABペースト132と正極活物質137を、投入口31を通じてバレル30(二軸混練機10)の内部に投入する。

0073

また、本実施形態では、正極合材ペースト131Aの固形分率が54%よりも大きく(例えば、63.5%)となるように、正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135の添加量を調整している。なお、正極合材ペースト131Aの固形分率は、正極合材ペースト131A中における正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134の含有率(wt%)である。このように正極合材ペースト131Aの固形分率を高くすることで、後述するステップS13(乾燥工程)において、正極合材ペーストを短時間で乾燥させることが可能となる。

0074

次に、ステップS112に進み、投入口31を通じて二軸混練機10の内部に投入された正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)を、排出口32側に搬送しつつ混練する。具体的には、軸35と36を同一の回転速度で同一方向に回転させることで、スクリュー41b,42bと第1〜第4せん断パドル部21b〜24bと第1〜第4抵抗パドル部61b〜64bを軸35と一緒に回転させると共に、スクリュー41c,42cと第1〜第4せん断パドル部21c〜24cと第1〜第4抵抗パドル部61c〜64cを軸36と一緒に回転させる。

0075

これにより、投入口31から投入された正極材料が、第1〜第4抵抗パドル部61b〜64bによって搬送速度を制御(制限、抑制)されながら、スクリュー41b,41cと42b,42cによって第1軸方向DA1に搬送されつつ、第1せん断パドル部21b,21cと第2せん断パドル部22b,22cと第3せん断パドル部23b,23cと第4せん断パドル部24b,24cからせん断力を受けて混練される。これにより、正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)が、投入口31側から排出口32側に進むにしたがって、正極活物質137等の固形分の分散性が高まってゆくと共に、正極材料の混合物(ペースト)の粘度が低下してゆき、正極合材ペースト131Aになる。

0076

次いで、ステップS113に進み、上述のようにして正極材料(正極活物質137とアセチレンブラック133とバインダー134と溶媒135)が混練されてなる正極合材ペースト131Aが、排出口32を通じて二軸混練機10の外部に排出される。
以上のようにして、正極合材ペースト131Aが製造される。

0077

ところで、同一ロット内の正極材料に含まれる正極活物質137において、その物性にバラツキがある場合がある。具体的には、正極活物質137の表面に溶媒135を吸着する溶媒吸着性(溶媒吸着量)が、同一ロット内の正極材料に含まれる正極活物質137において、バラツキがある場合がある。溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料では、正極活物質137に多くの溶媒135が吸着されることで、自由状態の溶媒135の量が少なくなる。特に、正極合材ペーストの固形分率を54%よりも大きくする場合(すなわち、溶媒添加量を少なくする場合)には、自由状態の溶媒135の量が特に少なくなる。一方、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料では、正極活物質137に吸着される溶媒135の量が少ないため、自由状態の溶媒135の量が多くなる。

0078

このため、従来、正極合材ペースト製造用二軸混練機によって正極材料を混練したとき、混練の初期段階(投入口側抵抗パドル部を通過する段階)において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物と、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物とでは、その粘度が異なることになる。具体的には、従来、混練の初期段階において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物は、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物に比べて、その粘度が高いため、投入口側抵抗パドル部とバレルとの隙間を通過し難くなり、排出口側に向かって移動する速度が遅くなる。

0079

このため、従来、混練の初期段階において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物は、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物に比べて、せん断パドル部(投入口側せん断パドル部)によってせん断力を受ける時間(せん断時間)が長くなる。その結果、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物では、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物に比べて、投入口側せん断パドル部によって加えられるせん断力が大きくなり、一次粒子が線状に繋がった形状のアセチレンブラック133が短くなる(小粒径化する)傾向にあった。特に、正極合材ペーストの固形分率を54%よりも大きくする場合(すなわち、溶媒添加量を少なくする場合)には、その傾向が強くなる。

0080

従って、従来、正極合材ペースト製造用二軸混練機によって作製された同一ロット内の正極合材ペーストにおいて、アセチレンブラック133の長さのバラツキが大きくなることがあった。アセチレンブラック133の長さのバラツキが大きくなると、これらの正極合材ペーストを用いて作製した複数のリチウムイオン二次電池の間(同一ロット内のリチウムイオン二次電池の間)において、内部抵抗(ひいては出力)のバラツキが大きくなることがあった。正極合材ペーストに含まれているアセチレンブラック133の長さは、正極合材ペーストの粘度と相関があるため、アセチレンブラック133の長さのバラツキが大きくなることで、正極合材ペーストの粘度のバラツキが大きくなっていた。特に、本実施形態のように、正極合材ペーストの固形分率を54%よりも大きくする場合(すなわち、溶媒添加量を少なくする場合)には、正極合材ペーストの粘度のバラツキが大きくなる傾向にあった。

0081

これに対し、本実施形態の二軸混練機10では、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51,52,53,54の外周面51f,52f,53f,54fとの間のクリアランスB1,B2,B3,B4(最短距離)は、排出口側抵抗パドル部66b,66cよりも投入口側抵抗パドル部65b,65cのほうが大きくされている。すなわち、投入口側抵抗パドル部65b,65cに含まれる抵抗パドル51,52の外周面51f,52fとバレル30の内周面30bとの間のクリアランスB1,B2(最短距離)は、いずれも、排出口側抵抗パドル部66b,66cに含まれるせん断パドル53,54の外周面53f,54fとバレル30の内周面30bとの間のクリアランスB3,B4(最短距離)のいずれよりも大きくされている。

0082

このように、投入口側抵抗パドル部65b,65cとバレル30との間のクリアランスB1,B2を大きくすることで、二軸混練機10内に投入される正極材料に含まれる正極活物質137において、溶媒吸着性(溶媒吸着量)にバラツキがある場合でも、混練の初期段階(投入口側抵抗パドル部65b,65cを通過する段階)において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物と、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物との間で、投入口側抵抗パドル部65b,65cとバレル30との隙間を通過するし易さの差が小さくなる。

0083

このため、混練の初期段階において、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物と、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物との間で、投入口側せん断パドル部25b,25cによってせん断力を受ける時間(せん断時間)の差を小さくすることができる。これにより、バレル30内に投入された正極材料の混合物に対し、二軸混練機10に設けられている全てのせん断パドル部21b〜24b,21c〜24c(投入口側せん断パドル部25b,25c及び排出口側せん断パドル26b,26c)によるせん断時間(総せん断時間)のバラツキを小さくすることができる。

0084

なお、混練後半(排出口側抵抗パドル部66b,66cを通過する段階)では、溶媒吸着性が高い(溶媒吸着量が多い)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物(ペースト)においても、混練が進んで粘度が低下しているため、溶媒吸着性が低い(溶媒吸着量が少ない)正極活物質137が多く含まれる正極材料の混合物と比較して、排出口側抵抗パドル部66b,66cを通過するし易さはほぼ同等になり、排出口側せん断パドル26b,26cによるせん断時間もほぼ同等になる。

0085

従って、本実施形態の二軸混練機10によって作製された正極合材ペースト131Aにおいて、アセチレンブラック133の長さのバラツキが小さくなり、その結果、正極合材ペースト131Aの粘度のバラツキが小さくなる。以上より、本実施形態の二軸混練機10によれば、正極合材ペースト131Aの粘度のバラツキを小さくすることができる。

0086

引き続き、本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の製造方法、及び、正極の製造方法について説明する。
図9のフローチャートに戻り、ステップS12(塗布工程)において、アルミニウム箔からなる正極集電箔138の表面(両面)に、ステップS11で製造した正極合材ペースト131Aを塗布する。

0087

次いで、ステップS13(乾燥工程)に進み、正極集電箔138の表面(両面)に塗布した正極合材ペースト131Aを乾燥させる。その後、ステップS14(プレス工程)に進み、乾燥させた正極合材ペースト131Aをロールプレス圧縮成形する。これにより正極集電箔138の表面(両面)に正極合材層131が積層された正極130(図2参照)が完成する。

0088

その後、図8のフローチャートに戻り、ステップS2において、負極120を作製する。具体的には、負極活物質127とバインダーと溶媒とを混練して、負極合材ペーストを作製する。その後、この負極合材ペーストを、銅箔からなる負極集電箔128の表面(両面)に塗布し、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形した。これにより、負極集電箔128の表面(両面)に負極合材層121が積層された、負極120(図3参照)が完成する。

0089

次に、ステップS3において、電極体110を作製する。具体的には、帯状の正極130と帯状の負極120との間に帯状のセパレータ150が介在するようにして、これらを捲回し、扁平捲回型の電極体110を作製する。その後、負極120(負極集電箔128)に負極集電部材192を溶接し、正極130(正極集電箔138)に正極集電部材191を溶接する。なお、この溶接を行う前に、正極集電部材191と負極集電部材192は、封口蓋182に組み付けられており、これらが一体になっている。

0090

次いで、ステップS4に進み、負極集電部材192及び正極集電部材191を溶接した電極体110を、電池ケース本体181内に収容した。このとき、封口蓋182によって、電池ケース本体181の開口が閉塞される。その後、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接して、電池ケース180とする。
次に、ステップS5に進み、図示しない注液孔を通じて、電池ケース180内に非水電解液160を注入する。その後、所定の処理(初期充電など)を行うことで、リチウムイオン二次電池100が完成する。

0091

(実施例1)
実施例1では、クリアランスB1=2.5mm、B2=2.0mm、B3=1.0mm、B4=1.0mmとした二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。この正極合材ペースト131Aを用いて、正極130及びリチウムイオン二次電池100を製造した。なお、本実施例1及び後述する実施例2〜7では、正極合材ペースト131Aの固形分率が63.5%となるように、二軸混練機10内に正極材料を投入している。また、実施例1及び後述する実施例2〜6では、クリアランスC1=C2=4.0mm、C3=1.5mm、C4=1.0mmとしている。

0092

(実施例2)
実施例2では、実施例1と比較して、二軸混練機10のクリアランスB2のみを異ならせ、その他は同様にして、正極合材ペースト131A、正極130、及びリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、クリアランスB1=2.5mm、B2=2.5mm、B3=1.0mm、B4=1.0mmとした二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。この正極合材ペースト131Aを用いて、正極130及びリチウムイオン二次電池100を製造した。

0093

(実施例3)
実施例3では、実施例1と比較して、二軸混練機10のクリアランスB3のみを異ならせ、その他は同様にして、正極合材ペースト131A、正極130、及びリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、クリアランスB1=2.5mm、B2=2.0mm、B3=1.3mm、B4=1.0mmとした二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。この正極合材ペースト131Aを用いて、正極130及びリチウムイオン二次電池100を製造した。

0094

(実施例4)
実施例4では、実施例1と比較して、二軸混練機10のクリアランスB4のみを異ならせ、その他は同様にして、正極合材ペースト131A、正極130、及びリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、クリアランスB1=2.5mm、B2=2.0mm、B3=1.0mm、B4=1.3mmとした二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。この正極合材ペースト131Aを用いて、正極130及びリチウムイオン二次電池100を製造した。

0095

(実施例5)
実施例5では、実施例1と比較して、二軸混練機10のクリアランスB3及びB4を異ならせ、その他は同様にして、正極合材ペースト131A、正極130、及びリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、クリアランスB1=2.5mm、B2=2.0mm、B3=1.3mm、B4=1.3mmとした二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。この正極合材ペースト131Aを用いて、正極130及びリチウムイオン二次電池100を製造した。

0096

(実施例6)
実施例6では、実施例1と比較して、二軸混練機10のクリアランスB3のみを異ならせ、その他は同様にして、正極合材ペースト131A、正極130、及びリチウムイオン二次電池100を製造した。具体的には、クリアランスB1=2.5mm、B2=2.0mm、B3=1.5mm、B4=1.0mmとした二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。この正極合材ペースト131Aを用いて、正極130及びリチウムイオン二次電池100を製造した。

0097

(比較例1)
比較例1では、実施例1と比較して、二軸混練機におけるバレルの内周面と抵抗パドルの外周面との間のクリアランス(最短距離)のみを異ならせ、その他は同様にして、正極合材ペースト、正極、及びリチウムイオン二次電池を製造した。具体的には、クリアランスB1=B2=B3=B4=1.0mmとした二軸混練機を用いて、正極合材ペーストを製造した。すなわち、比較例1では、二軸混練機の全体にわたってバレルの内周面と抵抗パドルの外周面との間のクリアランス(最短距離)を一定とした二軸混練機を用いて、正極合材ペーストを製造した。この正極合材ペーストを用いて、正極及びリチウムイオン二次電池を製造した。
なお、本比較例1でも、実施例1〜6と同様に、正極合材ペーストの固形分率が63.5%となるように、二軸混練機内に正極材料を投入している。また、実施例1〜6と同様に、クリアランスC1=C2=4.0mm、C3=1.5mm、C4=1.0mmとしている。

0098

(正極合材ペーストの粘度バラツキの評価)
上述の実施例1〜6及び比較例1で作製した正極合材ペーストについて、それぞれの粘度バラツキを調査した。具体的には、各実施例において、二軸混練機10の排出口32から連続的に排出される正極合材ペースト131Aについて、45分間にわたって、1分間ずつに区切って、サンプルペースト(正極合材ペースト131A)として採取した。これにより、各実施例について、45個のサンプルペーストを取得した。その後、公知の粘度計を用いて、これらのサンプルペーストの粘度を測定した。さらに、測定された各サンプルペーストの粘度の値に基づいて、各実施例について、正極合材ペースト131Aの粘度に関する工程能力指数Cpkの値を算出した。工程能力指数Cpkの値が大きいほど、粘度バラツキが小さいことになる。また、比較例1についても同様にして工程能力指数Cpkを求めた。これらの結果を表1に示す。

0099

0100

表1に示すように、比較例1では、工程能力指数Cpkの値が1.34となり、二軸混練機を用いて作製される正極合材ペーストの粘度バラツキが大きいことがわかった。
これに対し、実施例1〜6では、工程能力指数Cpkの値が1.85以上となり、二軸混練機10を用いて作製される正極合材ペースト131Aの粘度バラツキが小さいことがわかった。
この結果より、実施例1〜6の二軸混練機10は、正極合材ペースト131Aの粘度バラツキを小さくすることができる二軸混練機であるといえる。

0101

このような結果になった理由は、実施例1〜6の二軸混練機10では、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51,52,53,54の外周面51f,52f,53f,54fとの間のクリアランスB1,B2,B3,B4(最短距離)について、排出口側抵抗パドル部66b,66cよりも投入口側抵抗パドル部65b,65cのほうを大きくしているからであるといえる。すなわち、投入口側抵抗パドル部65b,65cに含まれる抵抗パドル51,52の外周面51f,52fとバレル30の内周面30bとの間のクリアランスB1,B2(最短距離)を、いずれも、排出口側抵抗パドル部66b,66cに含まれるせん断パドル53,54の外周面53f,54fとバレル30の内周面30bとの間のクリアランスB3,B4(最短距離)のいずれよりも大きくしているからであるといえる。その作用効果は、前述した通りである。

0102

低温出力試験
次に、実施例1〜6のリチウムイオン二次電池について、低温出力試験を行った。
具体的には、各リチウムイオン二次電池について、SOC27%の状態に調整し、−30℃の低温環境下において、ある一定の出力値(W)で定電力放電を行って、放電開始からSOC0%となるまでに要した時間(放電秒数)を測定した。さらに、出力値を様々な値に設定して、同様な定電力放電を行い、放電開始からSOC0%となるまでに要した時間(放電秒数)を測定した。

0103

これらの測定結果に基づいて、各リチウムイオン二次電池について、放電秒数と出力値との相関を取得し、この相関から、放電秒数が2秒となる出力値(すなわち、−30℃の温度環境下において、SOC27%から2秒間でSOC0%まで定電力放電した場合の出力値)を、低温出力値(W)として求めた。これらの結果を表1に示す。なお、本試験では、各実施例について、前述のサンプルペーストを用いて、複数のサンプル電池を作製し、これらのサンプル電池の低温出力値の平均値を、各実施例の低温出力値(W)として表1に示している。

0104

表1に示すように、実施例2及び実施例6のリチウムイオン二次電池は、低温出力値が110W未満であった。
これに対し、実施例1及び実施例3〜5のリチウムイオン二次電池は、いずれも、低温出力値が117W以上であった。
この結果より、実施例1及び実施例3〜5のリチウムイオン二次電池は、実施例2及び実施例6のリチウムイオン二次電池に比べて、出力特性が良好(低温出力が良好)であるといえる。

0105

このように電池の出力に差が生じた理由は、二軸混練機10における、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51,52,53,54の外周面51f,52f,53f,54fとの間のクリアランスB1,B2,B3,B4の比率の違いによるものと考えられる。
具体的には、実施例1及び実施例3〜5では、B1:B2:B3:B4=2.5:2.0:1.0〜1.3:1.0〜1.3とした。
これに対し、実施例2では、B2の比率を大きくし、B1:B2:B3:B4=2.5:2.5:1.0:1.0とした。また、実施例6では、B3の比率を大きくし、B1:B2:B3:B4=2.5:2.0:1.5:1.0とした。

0106

実施例2,6では、他の実施例に比べて、B2またはB3の比率を大きくしたことで、二軸混練機10内での正極材料の移動速度が速くなり、正極材料に対するせん断時間が短くなったと考えられる。このために、実施例2,6では、他の実施例と比較して、アセチレンブラック133の解砕の程度が若干低くなり、アセチレンブラック133によって正極活物質137間を連結して形成される導電性ネットワークの程度が若干低くなったと考えられる。このために、実施例2,6では、他の実施例と比較して、リチウムイオン二次電池100の内部抵抗が若干大きくなり、リチウムイオン二次電池100の出力特性(低温出力特性)が若干低くなったと考えられる。

0107

以上の結果より、クリアランスB1,B2,B3,B4の比率を、B1:B2:B3:B4=2.5:2.0:1.0〜1.3:1.0〜1.3とすることで、正極合材ペースト131Aの粘度バラツキを小さくすることができ、且つ、電池の出力特性をも良好にすることができるといえる。

0108

(実施例7)
実施例7では、実施例3と比較して、クリアランスC1〜C3の値のみを異ならせた二軸混練機10を用いて、正極合材ペースト131Aを製造した。具体的には、実施例7では、クリアランスC1=C2=C3=C4=1.0mmとしている。なお、本実施例7でも、正極合材ペースト131Aの固形分率が63.5%となるように、二軸混練機10内に正極材料を投入している。

0109

本実施例7についても、前述した実施例1〜6と同様にして、作製される正極合材ペースト131Aの粘度に関する工程能力指数Cpkの値を算出した。この結果を表2に示す。

0110

0111

表2に示すように、実施例7では、工程能力指数Cpkの値が1.90となり、実施例3(Cpk=1.91)と同程度に、二軸混練機10を用いて作製される正極合材ペースト131Aの粘度バラツキが小さくできることがわかった。
この結果より、クリアランスC1〜C4(バレル30とせん断パドルとの間のクリアランス)の比率に関係なく、バレル30の内周面30bと抵抗パドル51,52,53,54の外周面51f,52f,53f,54fとの間のクリアランスB1,B2,B3,B4(最短距離)について、排出口側抵抗パドル部66b,66cよりも投入口側抵抗パドル部65b,65cのほうを大きくすることで、二軸混練機10を用いて作製される正極合材ペースト131Aの粘度バラツキを小さくできるといえる。

0112

以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。

0113

10正極合材ペースト製造用二軸混練機
11,12,13,14せん断パドル
21b,21c 第1せん断パドル部
22b,22c 第2せん断パドル部
23b,23c 第3せん断パドル部
24b,24c 第4せん断パドル部
25b,25c投入口側せん断パドル部
26b,26c 排出口側せん断パドル部
30バレル
31投入口
32 排出口
35,36 軸
41b,41c,42b,42cスクリュー
51,52,53,54抵抗パドル
61b,61c 第1抵抗パドル部
62b,62c 第2抵抗パドル部
63b,63c 第3抵抗パドル部
64b,64c 第4抵抗パドル部
65b,65c 投入口側抵抗パドル部
66b,66c 排出口側抵抗パドル部
100リチウムイオン二次電池
110電極体
120 負極
121負極合材層
127負極活物質
130 正極
131正極合材層
131A 正極合材ペースト
132 ABペースト
133アセチレンブラック(正極材料)
134バインダー(正極材料)
135溶媒(正極材料)
137正極活物質(正極材料)
150セパレータ
160非水電解液
180電池ケース
B1,B2,B3,B4クリアランス
DA 軸方向

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