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技術 位置推定装置

出願人 株式会社デンソー
発明者 名倉徹松ヶ谷和沖
出願日 2016年8月23日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-163018
公開日 2018年3月1日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2018-032160
状態 特許登録済
技術分野 交通制御システム ビーコン方式 無線による位置決定 航行(Navigation)
主要キーワード 転回位置 仮想軌跡 基準軌跡 車載通信ネットワーク 基準移動 多数決結果 確定判定 推定航法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月1日)のものです。
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図面 (20)

課題

測位用の特別なインフラが多数整備されていなくても、車両の駐車位置を把握可能な位置推定装置の提供。

解決手段

位置推定装置100は、車両Aに搭載され、駐車場において車両Aの駐車位置を推定する。位置推定装置100は、車路判定部22、車路上位置推定部34、駐車動作検出部23、及び駐車位置推定部35を備えている。車路判定部22及び車路上位置推定部34は、車路地図情報及び車両Aの移動に関連したセンシング情報を取得し、車両Aが走行している車路の判定と、車路上における位置の推定とを行う。駐車動作検出部23にて車両の駐車動作が検出されると、駐車位置推定部35は、駐車動作が検出されたときの車路上での位置と、駐車動作の内容とを用いて、車両Aの駐車位置を推定する。

概要

背景

例えばユーザは、広い駐車場において、車両を駐車した位置を失念する場合がある。こうしたシーンにてユーザに駐車位置情報を提供するために、車両の駐車位置を特定する技術には、高いニーズがある。しかし、例えば屋内の駐車場等では、GNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの測位信号の受信が困難となるため、駐車位置の測位が困難になり得た。

こうした測位信号に依らない位置推定技術の一種として、例えば特許文献1に開示の車両測位システムでは、車両に搭載された車載器が、駐車場に設置された三つの受信局へ向けて周波数の異なる二つの電波発信する。各受信局では、車載器から送信された電波の周波数スペクトルの差の周波数成分を位相差が測定される。そして、各受信局にて測定された位相差に基づき各受信局から車両までの距離が算出されることで、車両の駐車位置が特定される。

概要

測位用の特別なインフラが多数整備されていなくても、車両の駐車位置を把握可能な位置推定装置の提供。位置推定装置100は、車両Aに搭載され、駐車場において車両Aの駐車位置を推定する。位置推定装置100は、車路判定部22、車路上位置推定部34、駐車動作検出部23、及び駐車位置推定部35を備えている。車路判定部22及び車路上位置推定部34は、車路地情報及び車両Aの移動に関連したセンシング情報を取得し、車両Aが走行している車路の判定と、車路上における位置の推定とを行う。駐車動作検出部23にて車両の駐車動作が検出されると、駐車位置推定部35は、駐車動作が検出されたときの車路上での位置と、駐車動作の内容とを用いて、車両Aの駐車位置を推定する。

目的

本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、測位用の特別なインフラが多数整備されていなくても、車両の駐車位置を把握可能な位置推定装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両(A)に搭載され、駐車場(IDP)における前記車両の駐車位置推定する位置推定装置であって、前記駐車場に設定された車路地図情報、及び前記車両の移動に関連したセンシング情報を少なくとも取得し、前記車路の地図情報及び前記センシング情報を用いて前記車両が走行している車路を判定し、判定した車路上における位置を推定する車路上位置推定部(22,34,222,234)と、前記車両の駐車に関連した車両情報を取得し、取得した前記車両情報に基づいて前記車両の駐車動作を検出する駐車動作検出部(23)と、前記駐車動作検出部にて前記駐車動作が検出されたときの車路上での位置と、前記駐車動作の内容とを用いて、前記車両の駐車位置(PP)を推定する駐車位置推定部(35)と、を備える位置推定装置。

請求項2

前記駐車動作検出部は、前記車両情報として前記車両のシフトポジション変化情報操舵角の変化情報、及び車速の変化情報の少なくとも一つを取得し、当該変化情報に基づいて前記駐車動作を検出する請求項1に記載の位置推定装置。

請求項3

前記駐車位置推定部は、前記駐車動作検出部にて前記駐車動作が検出されたときに、検出された前記駐車動作の内容から前記車両の駐車が予測される位置を、前記駐車位置として推定する請求項1又は2に記載の位置推定装置。

請求項4

前記駐車動作検出部は、前記駐車動作の検出後における前記車両の移動距離をさらに取得し、前記駐車位置推定部は、前記駐車動作検出部にて前記駐車動作が検出された際に推定した前記駐車位置を、前記駐車動作検出部にて取得された前記移動距離を用いて補正する請求項3に記載の位置推定装置。

請求項5

前記車路の地図情報には、環境中に存在する環境電波受信強度と車路上の位置とを紐付け電波マップが含まれており、車路上の走行によって変動する前記環境電波の受信強度の推移を受信軌跡として生成する受信軌跡生成部(21)、をさらに備え、前記車路上位置推定部は、前記受信軌跡生成部にて生成された前記受信軌跡と前記電波マップとの照合結果を、車路の判定と車路上の位置推定とに用いる請求項1〜4のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項6

前記電波マップは、一箇所以上の路側器から発信された電波の受信強度を車路上の位置と紐付けた内容であり、前記受信軌跡生成部は、前記路側器の電波の受信強度の推移を前記受信軌跡として記録する請求項5に記載の位置推定装置。

請求項7

前記電波マップは、放送波の受信強度を車路上の位置と紐付けた内容であり、前記受信軌跡生成部は、前記放送波の受信強度の推移を前記受信軌跡として記録する請求項5に記載の位置推定装置。

請求項8

前記車路上位置推定部は、前記駐車場が複数のフロアを有する場合に、前記フロア毎に生成された前記電波マップを取得する請求項5〜7のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項9

前記車路上位置推定部は、車路上を走行する前記車両の走行方向毎に生成された前記電波マップを取得する請求項5〜8のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項10

車路に存在する分岐位置(BP)を通過する複数方向について、当該分岐位置の位置情報を含む複数方向毎の前記電波マップが予め生成されており、前記車路上位置推定部は、複数方向毎の前記電波マップを取得する請求項5〜9のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項11

前記電波マップは、前記駐車場に設定された停止線(SL)の位置情報を含んでおり、前記電波マップにおける前記停止線の位置は、前記電波マップの生成に際して前記停止線での車両の一時停止が検出されたときの受信強度と紐付くように補正されている請求項5〜10のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項12

前記電波マップは、前記駐車場において前記車両が方向転換を行う転回位置TP)の位置情報を含んでおり、前記電波マップにおける前記転回位置は、前記電波マップの生成に際して前記転回位置での車両の方向転換を検出したときの受信強度と紐付くように補正されている請求項5〜11のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項13

前記電波マップは、前記駐車場の出入口(GP)の位置情報を含んでおり、前記電波マップにおける前記出入口の位置は、前記電波マップの生成に際して車両の前記出入口の通過又は前記出入口での前記車両の一時停止を検出したときの受信強度と紐付くように補正されている請求項5〜12のいずれか一項に記載の位置推定装置。

請求項14

前記車路上位置推定部は、前記車両に搭載された車速センサジャイロセンサ地磁気センサ、及び前記車両の周囲を探索する光学センサの少なくとも一つの検出結果を、前記センシング情報として用いる請求項1〜13のいずれか一項に記載の位置推定装置。

技術分野

0001

この明細書による開示は、駐車場における車両の駐車位置推定する位置推定装置に関する。

背景技術

0002

例えばユーザは、広い駐車場において、車両を駐車した位置を失念する場合がある。こうしたシーンにてユーザに駐車位置情報を提供するために、車両の駐車位置を特定する技術には、高いニーズがある。しかし、例えば屋内の駐車場等では、GNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの測位信号の受信が困難となるため、駐車位置の測位が困難になり得た。

0003

こうした測位信号に依らない位置推定技術の一種として、例えば特許文献1に開示の車両測位システムでは、車両に搭載された車載器が、駐車場に設置された三つの受信局へ向けて周波数の異なる二つの電波発信する。各受信局では、車載器から送信された電波の周波数スペクトルの差の周波数成分を位相差が測定される。そして、各受信局にて測定された位相差に基づき各受信局から車両までの距離が算出されることで、車両の駐車位置が特定される。

先行技術

0004

特開2009−244026号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、特許文献1に開示の車両測位システムでは、駐車場に設置された複数の受信局が必須となっている。こうした技術では、屋内においても高精度に車両の位置が測位できる一方で、受信局等のインフラストラクチャ(以下、「インフラ」)を多数整備する必要があった。

0006

本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、測位用の特別なインフラが多数整備されていなくても、車両の駐車位置を把握可能な位置推定装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、車両(A)に搭載され、駐車場(IDP)における車両の駐車位置を推定する位置推定装置であって、駐車場に設定された車路地図情報、及び車両の移動に関連したセンシング情報を少なくとも取得し、車路の地図情報及びセンシング情報を用いて車両が走行している車路を判定し、判定した車路上における位置を推定する車路上位置推定部(22,34)と、車両の駐車に関連した車両情報を取得し、取得した車両情報に基づいて車両の駐車動作を検出する駐車動作検出部(23)と、駐車動作検出部にて駐車動作が検出されたときの車路上での位置と、駐車動作の内容とを用いて、車両の駐車位置(PP)を推定する駐車位置推定部(35)と、を備える位置推定装置とされる。

0008

この態様のように、駐車場に設定された車路の地図情報と車両の移動に関連したセンシング情報とを組み合わせれば、車路上での車両の位置が推定され得る。加えて、駐車に関連した車両情報に基づく駐車動作を用いることで、駐車に伴う車両の移動方向又は移動距離が推定され得る。その結果、駐車動作が検出されたときの車路上での推定位置に、駐車動作に伴う移動分を組み合わせれば、位置推定装置は、測位用の特別なインフラが多数整備されていなくても、車両の駐車位置を精度良く把握できる。

0009

尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。

図面の簡単な説明

0010

地図データベースに記憶される車路の地図情報の内容を模式的に示す図である。
車両に搭載された位置推定装置を含む各構成の全体像を示すブロック図である。
位置推定装置によって実施される車路上位置推定処理の詳細を説明するための図である。
分岐位置を含む複数方向の電波マップの態様を説明する図である。
測位処理回路によって実施される測位処理の詳細を示すフローチャートである。
バック駐車の際の車両の動きを模式的に示す図である。
バック駐車の際に用いられる駐車ステータス判定条件を示す図である。
バック駐車における駐車ステータスの状態遷移を示す状態遷移図である。
前向き駐車の際の車両の動きを模式的に示す図である。
前向き駐車の際に用いられる駐車ステータスの判定条件を示す図である。
前向き駐車における駐車ステータスの状態遷移を示す状態遷移図である。
自車両が駐車待ち対向車を避けているシーンを模式的に示す図である。
対向車を避けて走行した場合の多数決結果の一例を示す図である。
対向車を避けて走行した場合の多数決結果の一例を示す図である。
自車両が前走車の駐車完了待機しているシーンを模式的に示す図である。
駐車完了を待機している場合の多数決結果の一例を示す図である。
駐車完了を待機している場合の多数決結果の一例を示す図である。
異なるフロアを走行した場合の各受信軌跡の変化を比較して示す図である。
第二実施形態による位置推定装置等の全体像を示すブロック図である。
第二実施形態による測位処理の詳細を示すフローチャートである。
操舵角に依ることなく、各車輪速度を用いて車両の回転半径を算出する方法を説明するための図である。

実施例

0011

以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。

0012

(第一実施形態)
図1及び図2に示す本開示の第一実施形態による位置推定装置100は、車両Aに搭載され、車両Aと共に移動可能である。位置推定装置100は、車両Aを駐車した駐車位置PPを、車両Aのユーザに通知する駐車位置リマインダの機能を有する。駐車位置リマインダの利用によれば、ユーザは、大規模屋内駐車場IDP等で自車両(車両A)の正しい位置情報を得ることができ、自車両の駐車位置PPに迷うことなく戻ることができる。位置推定装置100は、屋内駐車場IDPのように、GNSSの測位信号が届かいない又は届き難い環境においても、車両Aの駐車位置を推定可能な構成とされている。

0013

車両Aには、衛星信号受信器11、無線測定器12、車載センサ群13、地図データベース14、及び車載通信ネットワーク15等が位置推定装置100と共に搭載されている。これらの構成により、車両Aは、移動端末10として機能する。加えて移動端末10には、例えばブルートゥース登録商標)等の近距離通信又はLTE等の広域通信の機能を備えた外部通信手段が設けられている。外部通信手段は、位置推定装置100にて推定された駐車位置PPの情報を、ユーザの所持する携帯端末110、例えばスマートフォンウェアラブル端末等に送信可能である。

0014

位置推定装置100は、衛星信号受信器11、無線測定器12、車載センサ群13、地図データベース14、及び車載通信ネットワーク15と電気的に接続されており、各構成から情報を取得する。

0015

衛星信号受信器11は、GNSS(例えばGPS(Global Positioning System)等)の複数の測位衛星から送信された測位信号を受信する。衛星信号受信器11は、受信した測位信号を衛星測位処理部32へ向けて逐次出力する。

0016

無線測定器12は、立体駐車場である屋内駐車場IDPの各フロアの環境中に存在する環境電波の強度を計測する。無線測定器12は、一例として、路側器120から送信される無線電波を、環境電波として受信する。路側器120は、例えば複数のフロアを有する屋内駐車場IDPにおいて、特定のフロア(例えば、二階フロア)に設置され、無線信号を送信する基地局として機能している。無線測定器12は、路側器120から送信される無線電波の受信強度RSSI:Received Signal Strength Indicator)を継続的に計測する。無線測定器12は、計測した受信強度を、軌跡生成部21へ向けて逐次出力する。

0017

尚、屋内駐車場IDPの各フロアの環境中に無線電波を届けることができれば、路側器120は、屋内駐車場IDPの屋上又は各フロア外等に設置されていてもよい。また、路側器120は、一箇所だけでなく、複数の箇所に設置されていてもよく、屋内駐車場IDPの内外又は各フロアに設けられていてもよい。

0018

車載センサ群13は、車両Aの移動に関連したセンシング情報及び車両Aの駐車に関連した車両情報を検出する多数のセンサである。車載センサ群13には、一例としてジャイロセンサ13a、車速センサ13b、加速度センサ、及び地磁気センサ等が含まれている。車載センサ群13には、車両Aの周囲を探索するカメラ又はライダ等の光学センサが含まれていてもよい。

0019

車載センサ群13では、センシング情報の一例として、車両Aの移動距離及び車速ヨー角の角速度(ヨーレート)、並びにヨー角から算出する操舵角等の情報が検出される。これらのセンシング情報は、軌跡生成部21及び推測航法処理部33へ向けて逐次出力される。加えて車載センサ群13では、駐車に関連した車両情報の一例として、操舵角の変化情報及び車速の変化情報等が取得される。これらの車両情報は、駐車動作検出部23へ向けて逐次出力される。また車載センサ群13は、車両Aの移動距離を示す情報を、駐車動作検出部23へ向けて出力する。

0020

地図データベース14は、フラッシュメモリ又はハードディスクドライブ等の不揮発性記憶媒体構築されている。記憶媒体は、位置推定装置100と一体的に設けられた構成であってもよく、又はメモリカード等の形態で提供され、位置推定装置100に設けられたカードスロットに挿入される構成であってもよい。地図データベース14に格納された情報は、予め記憶媒体に保持された情報であってもよく、又はネットワーク経由で情報配信用サーバ又は路側器120から取得された情報であってもよい。

0021

地図データベース14には、屋内駐車場IDPの外部の地図情報だけでなく、屋内駐車場IDPの内部の地図情報も格納されている。具体的に、地図データベース14には、路面に描かれた駐車枠によって区切られる個々の駐車スペース(以下、「車室」)の位置及び形状情報と、屋内駐車場IDPに設定された車路の地図情報(以下、「車路地図情報」)とが保持されている。車路は、複数の車室の周囲に設定された道路部分である。車路地図情報には、一つ一つの車路が線状に規定された車路リンクPLとして登録されている。各車路リンクPLには、各車路を区別するための固有の番号が設定されている。車路地図情報では、多数の車路リンクPLを互いに結合させる形態により、各駐車場における車路の全体形状再現されている。

0022

加えて車路地図情報には、無線測定器12にて測定される環境電波の受信強度と、車路上の位置とを紐付けた電波マップが含まれている。屋内駐車場IDPに設定された電波マップは、二階のフロアの路側器120から発信された無線電波の受信強度を車路上の位置と紐付けた内容とされている。電波マップには、各車路についての基準軌跡図3参照)が含まれている。各基準軌跡は、屋内駐車場IDPの全ての車路を巡るように、基準となる基準移動端末を走行させることによって予め生成されている。一つの車路が特定の一方向でなく、複数の方向(例えば往復方向)への車両Aの走行を許容している場合、電波マップの基準軌跡は、車路上を走行する車両Aの走行方向毎に、予め生成されている。

0023

また屋内駐車場IDPのように複数のフロアが設けられている場合、フロア毎に生成された電波マップが地図データベース14に格納されている。さらに、車路に存在する分岐位置BPの位置情報、駐車場に設定された停止線SLの位置情報、駐車場において車両Aが左右等への方向転換を行う転回位置TPの位置情報、及び駐車場又は各フロアの出入口GPの位置情報等が電波マップには記憶されている。電波マップを含む車路地図情報は、車路判定部22に直接的に提供されると共に、車路判定部22を経由して車路上位置推定部34にも間接的に提供される。

0024

さらに、電波マップにおける車両の相対位置(移動距離)と電波強度との関係は、上述したように、基準移動端末が車路上を一度走行することにより、規定されている。こうした電波マップの生成に際し、移動距離を算出するセンサとして基準移動端末にPOS−LVが非搭載の場合、推測航法の累積誤差に起因し、分岐位置BP、停止線SL、転回位置TP、及び出入口GP等の各位置情報は、正確な絶対位置に対してずれ得る。

0025

こうしたずれを低減するために、電波マップにおける上記の各位置は、電波マップの生成に際して、基準移動端末の一時停止等、特徴的な挙動が検出されたときの受信強度と紐付くように補正されている。例えば、電波マップにおける停止線SLの位置は、電波マップの生成に際して、基準移動端末の停止線SLでの一時停止を検出したときの受信強度と紐付くように補正されている。同様に、電波マップにおける転回位置TPは、電波マップの生成に際して、基準移動端末の転回位置TPでの方向転換を検出したときの受信強度と紐付くように補正されている。さらに、電波マップにおける駐車場又は各フロアの出入口GPの位置は、電波マップの生成に際して、基準移動端末の出入口GPの通過又は一時停止を検出したときの受信強度と紐付くように補正されている。

0026

車載通信ネットワーク15は、車両Aに搭載された多数の制御装置を、通信バスを介して相互に通信可能に接続した構成である。車載通信ネットワーク15の通信バスには、各制御装置から種々の情報が出力される。車載通信ネットワーク15は、例えば駐車動作検出部23に、センシング情報及び駐車に関連した車両情報等を提供可能である。具体的に、車載通信ネットワーク15から駐車動作検出部23へは、車両Aのシフトポジションの変化情報が車両情報として提供される。加えて車載通信ネットワーク15は、車載センサ群13に替わって又は車載センサ群13と共に、操舵角及び車速の各変化を示す車両情報を駐車動作検出部23へ提供可能である。

0027

位置推定装置100は、軌跡生成部21、車路判定部22、駐車動作検出部23、及び測位処理回路30等によって構成されている。これらの構成は、例えば個別に設けられた回路部であってもよく、一つ以上のプロセッサに構築される機能ブロックであってもよい。位置推定装置100は、衛星測位機能に加えて、測位信号の受信が不可能な場合に推測航法によって車両Aの位置を推定する測位機能を備えている。こうした推測航法では、誤差が累積して屋内駐車場IDPでの位置推定の精度が悪化し易くなる。そこで位置推定装置100は、測位信号の受信不可時における測位精度の低下を抑えるために、推測航法による測位を補完する機能を備えている。

0028

軌跡生成部21は、無線測定器12にて計測された無線電波の受信強度を取得する。車両Aが走行している場合、受信強度は、車路上の走行によって変動する。軌跡生成部21は、車速及び角速度等のセンシング情報を車載センサ群13から取得することで、車路上を移動する車両Aにおいて、位置変化に伴う受信強度の変動の推移を受信軌跡として記録する。軌跡生成部21は、生成した受信軌跡を、車載センサ群13から取得したセンシング情報と共に車路判定部22へ向けて出力する。

0029

車路判定部22は、屋内駐車場IDP内等の測位信号が受信困難なシーンにおいて、受信軌跡及びセンシング情報を軌跡生成部21から取得する。加えて車路判定部22は、電波マップを含む車路地図情報を地図データベース14から取得する。電波マップにおける基準軌跡は、上述したように各フロアの車路リンクPL毎に生成されており、且つ、駐車場内において車両Aの挙動に変化が生じるポイントの位置情報と関連付けられている。車路判定部22は、センシング情報、各駐車場に設定された車路地図情報、及び軌跡生成部21にて生成された受信軌跡を用いて、車両Aが走行している車路を判定する。

0030

詳記すると、図2及び図3に示すように、軌跡生成部21にて生成の受信軌跡(図3g(s)参照)と、電波マップに含まれる多数の基準軌跡(図3f1(s)及びf2(s)参照)との照合結果が、走行中の車路の判定と車路上の位置の推定に用いられる。受信軌跡と各基準軌跡との照合には、例えば下記の数式1によって算出される一致度Rfg(τ)が用いられる。

0031

車路判定部22は、電波マップにある多数の基準軌跡の中から、上記の数式1によって算出される受信軌跡との一致度Rfg(τ)が最大となる基準軌跡を探索する。一致度の最大値が所定の閾値以上場合、車路判定部22は、車両Aが車路上にいると判定する。加えて車路判定部22は、一致度が最大となった一つの基準軌跡と紐付けされた車路を、車両Aが現在走行している特定の車路であると判定する(図3f1(s)参照)。車路判定部22は、取得した車路地図情報及び受信軌跡を、車路上位置推定部34へ提供する。

0032

一方で、一致度の最大値が所定の閾値未満であった場合、車路判定部22は、車両Aが車路上から外れていると判定する。また、車路判定部22は、一致度の絶対値と所定の閾値を比較することで特定の車路上か否かを判定しているが、例えば分岐位置BP等で複数の車路に分岐した場合、複数の車路における一致度の相対値により、車路上か否かを判定してもよい。

0033

詳記すると、図4に示すように、車路に存在する分岐位置BPを通過する複数方向についての各電波マップは、それぞれ分岐位置BPを跨いだ前後を含むように受信強度の推移を規定されている。こうした分岐位置BPを車両Aが通過した場合、車路判定部22は、複数方向毎の電波マップを取得する。そして、車路判定部22は、分岐位置BPを通過した後の受信強度の推移が複数の電波マップのうちで最も一致度の高くなる一つの車路に、車両Aが存在していると判定する。

0034

駐車動作検出部23は、車載センサ群13及び車載通信ネットワーク15から提供される車両情報に基づき、後述する車両Aの駐車ステータスの判定を実施する。具体的に、駐車動作検出部23は、車両Aのシフトポジションの変化情報、操舵角の変化情報、及び車速の変化情報を組み合わせることにより、車両Aの駐車動作の検出と、駐車位置PPが確定したか否かの判定を行う(図7及び図10参照)。

0035

加えて駐車動作検出部23は、車両Aの駐車動作の検出後に車両Aが移動した移動距離を、車載センサ群13又は車載通信ネットワーク15から取得する。駐車動作検出部23は、車両Aの駐車動作が検出された場合、取得される駐車動作の内容及び駐車動作検出後の移動距離を、駐車位置推定部35へ向けて出力する。

0036

測位処理回路30は、複数の測位処理のうちで、現在のシーンに適した測位処理を選択的に実施することにより、車両Aの現在位置を取得する構成である。測位処理回路30は、衛星測位処理部32、推測航法処理部33、車路上位置推定部34、駐車位置推定部35、過去位置記憶部36、及び統合測位処理部31を機能ブロックとして有している。

0037

衛星測位処理部32は、位置推定装置100の衛星測位機能を実現する機能ブロックである。衛星測位処理部32は、測位衛星から受信した測位信号を衛星信号受信器11から取得する。衛星測位処理部32は、衛星測位処理の実施により、受信している複数の測位信号から車両Aの現在位置を演算する。衛星測位処理部32は、車両Aの現在位置を示す測位結果と、測位信号の受信状態良否を示す情報とを、統合測位処理部31へ向けて出力する。

0038

推測航法処理部33は、測位信号の受信が不可能な場合に、推測航法による測位機能を実現する機能ブロックである。推測航法処理部33は、車載センサ群13からセンシング情報を取得し、車両Aの移動方向及び移動距離を演算する。推測航法処理部33は、衛星測位処理部32によって測位可能であった最終位置に、センシング情報に基づく移動方向及び移動距離の情報を加えることにより、車両Aの現在位置を推定する。推測航法処理部33は、車両Aの現在位置を示す測位結果を、統合測位処理部31へ向けて出力する。

0039

車路上位置推定部34は、推測航法処理部33の推測航法による測位機能を補完する機能ブロックである。車路上位置推定部34は、車路判定部22にて車両Aが車路上を走行していると判定された場合に、センシング情報、車路地図情報、及び受信軌跡を車路判定部22から取得する。車路上位置推定部34は、車路上位置推定処理の実施により、取得した各情報に基づき、車路上における車両Aの位置を推定する。

0040

具体的に、車路上位置推定部34は、上記の数式1に基づき、一致度が最も高い特定の基準軌跡と受信軌跡とを照合させることで、車路上での車両Aの位置(縦位置τ)を探索する。電波マップによれば、基準軌跡上の特定の位置に対応する受信強度が一意に定まり得る。故に、車路上位置推定部34は、受信軌跡と特定の基準軌跡の照合により、車路上の縦位置τから、精度良く自車位置を推定できる。車路上位置推定部34は、マッチング処理によって得られた現在位置の推定結果を、統合測位処理部31へ向けて出力する。

0041

駐車位置推定部35は、駐車動作検出部23によって駐車動作が検出された場合に、駐車位置推定処理を行う。駐車位置推定処理では、車路上位置推定部34にて推定された車路上での車両Aの位置(縦位置τ)と、駐車動作の内容とを用いて、車両Aの駐車位置PPが推定される。駐車位置推定部35は、後述するように、駐車動作検出部23にて駐車動作が検出されたときに、左右の操舵方向及び操舵角の大きさ等の駐車動作の内容を用いて、車両Aの駐車が予測される駐車位置PPを推定する。

0042

加えて駐車位置推定部35は、駐車動作が検出された後に車両Aが移動した移動距離を駐車動作検出部23から取得している。駐車位置推定部35は、駐車動作検出部23によって駐車位置PPの確定判定が実施されると、駐車動作の検出時に推定した駐車位置PPを、取得した移動距離によって補正することができる。

0043

過去位置記憶部36は、例えば位置推定装置100が前回作動していたときに衛星測位処理部32によって測位された最後の位置情報を保持している。過去位置記憶部36は、位置推定装置100の起動開始後、測位信号の受信が可能になるまでの間に、前回の最後の位置情報を、過去位置として統合測位処理部31へ向けて出力する。

0044

統合測位処理部31は、衛星測位処理部32、推測航法処理部33、車路上位置推定部34、及び駐車位置推定部35を統合的に制御することで、車両Aの現在位置を取得する処理部である。統合測位処理部31は、測位信号の受信状態及び車路地図情報の有無等に基づき、各機能ブロック(32〜35)のうちで、現在のシーンにて最も高精度な測位を実施可能なブロックを機能させて、車両Aの現在位置を取得する。統合測位処理部31は、取得した車両Aの現在位置を、外部通信手段を通じて携帯端末110に提供する。

0045

以上の測位処理回路30によって実施される測位処理の詳細を、図5に基づき、図1及び図2を参照しつつ説明する。図5に示す測位処理は、位置推定装置100に電力が供給されることによって開始され、電力供給が終了されるまで繰り返し実施される。

0046

S101では、後述する複数の測位処理のいずれかによって測位された初期位置の有無を判定する。例えば、位置推定装置100の起動直後等、いずれの測位も行っておらず、前回終了時の位置も記憶領域に記憶されていない場合には初期位置がないと判定され、S101からS102に進む。一例として、屋内駐車場IDP内でイグニッションオン状態とされた場合等では、S102に進む。S102では、測位信号が受信可能な状態か否かを判定する。測位に必要な複数の測位信号の受信が不可能である場合、S102からS103に進む。S103では、過去位置記憶部36に保存されていた過去位置情報を出力し、S101に戻る。

0047

一方、S102にて、複数の測位信号の受信が可能であると判定した場合、S105に進む。S105では、衛星測位処理を衛星測位処理部32に実施させることで、測位信号に基づく現在位置を取得して、S101に戻る。尚、S105による衛星測位処理が最初に実施されるまで、S103による過去位置情報の出力が継続される。

0048

S101にて、初期位置があると判定した場合、S104に進む。S104では、測位信号の受信状態に基づき、現在位置を示す解が算出可能な状態か否かを判定する。S104にて、解を定めることができる状態(fix)と判定した場合、S105に進み、衛星測位処理部32に衛星測位処理を実施させる。一方で、S104にて、解が定まらない状態(float)であると判定した場合、S106に進む。

0049

S106では、現在位置の周囲の車路地図情報があるか否か、即ち、予め生成された基準軌跡が地図データベース14に格納されているか否かを判定する。S106にて、車路地図情報が無いと判定した場合、S107に進む。S107では、推測航法処理部33に推定航法処理を実施させることで、センシング情報に基づく現在位置の推定結果を取得し、S101に戻る。

0050

一方、S106にて、車路地図情報があると判定した場合、S108に進む。S108では、車両Aが特定の車路上にいるか否かを示す車路判定部22の判定結果を参照する。車路判定部22にて、閾値以上の一致度を示す基準軌跡が探索されず、車両Aが特定の車路上にいないと判定されていた場合、S108からS109に進む。尚、S108にて用いられる閾値は、例えば線状に規定された車路リンクPLを中心に所定の車路幅分だけ確保された範囲から車両Aがはみ出した場合に、一致度が閾値未満となるよう予め設定されている(図6参照)。

0051

S109では、駐車動作検出部23による駐車動作の検出結果を参照する。駐車動作検出部23にて、駐車動作が検出されていない場合、即ち、駐車動作の検出待ちの状態である場合、S109からS107に進み、推測航法処理部33に推定航法処理を実施させる。一方で、駐車動作検出部23にて駐車動作が検出されたと判定されている場合、S110に進む。S110では、駐車位置推定部35に駐車位置推定処理を実施させることで、駐車位置PPの推定結果又は補正結果を取得し、S101に戻る。

0052

一方、車路判定部22にて、閾値以上の一致度を示す基準軌跡が探索され、特定の車路上に車両Aがいると判定されていた場合、S108からS111に進む。S111では、車路上位置推定部34に車路上位置推定処理を実施させることで、特定の車路上における車両Aの現在位置(縦位置τ)を推定し、S101に戻る。

0053

ここまで説明した測位処理の各ステップのうちで、S108〜S111が屋内駐車場IDPにて実施される測位処理に相当する。こうした屋内駐車場IDPでの測位処理の繰り返し実施により、駐車動作検出部23にて判定される車両Aの駐車ステータスは、駐車動作の検出待ちの状態から、駐車動作を検出した状態、さらに駐車位置PPを確定した状態へと、順に遷移する。以下、車両Aの駐車に伴う駐車ステータスの遷移の詳細を、図6図11に基づいて説明する。

0054

まず図6図8に基づき、図2を参照しつつ、車両Aがバック駐車される際の状態遷移の詳細を説明する。特定の車路上を走行する車両Aは、空いている車室を通り過ぎた地点C(図6参照)にて、駐車のための方向転換を行う。このとき、車両Aは、車路上から僅かに外れた位置に停止すると共に、ステアリング回転角度ハンドル角)を概ね最大にした状態で後退方向への移動を開始し、空いている車室に駐車される(図6の太い実線参照)。

0055

駐車動作検出部23は、上述したように、操舵角、車速、及びシフトポジションの各変化を示す車両情報を、駐車ステータスの判定に用いる。駐車動作検出部23は、これらの車両情報のうちで該当する項目多数決により、バック駐車時における駐車ステータスを遷移させる。尚、以下の説明における操舵角は、例えば車路リンクPLに対する車両Aの向きθとして算出される。こうした対地の操舵角は、例えば駐車枠に対する方向として算出されてもよい。

0056

駐車動作検出部23は、車速が実質的に0となり、且つシフトポジションがリバース(R)に切り替えられたことに基づき、バック駐車の駐車動作の検出を判定する。また駐車動作検出部23は、操舵角が所定の値(例えば±75°)以上とされたこと、車速が実質的に0とされたこと、及びシフトポジションがパーキング(P)又はニュートラル(N)に切り替えられたことに基づき、駐車位置PPの確定判定を行う。

0057

以上の駐車動作検出部23の判定方法によれば、駐車のために特定の車路上から外れたC地点にて(図6の実線参照)、図8に示す車両Aの駐車ステータスは、初期状態から駐車動作の検出待ちの状態に遷移する(図5S108「NO」及びS109「NO」)。駐車検出の待ちの状態では、推測航法処理部33による推定航法処理(図5S107)が繰り返し実施される。

0058

車路上から外れた車両Aにて、シフトポジションがリバース(R)に切り替えられると、上記の多数決によって駐車動作が検出されたと判定される(図5S109「YES」)。その結果、車両Aの駐車ステータスは、駐車検出待ちの状態から、駐車動作を検出した状態へと遷移する。尚、車両が後退前に車路リンクPLに沿った姿勢で停止した場合でも(図6の長い破線参照)、リバース(R)へ切り替えられたタイミングにて、駐車ステータスは、駐車動作を検出した状態へと遷移する。

0059

そして、駐車動作を検出した状態に駐車ステータスが遷移したタイミングにて、駐車位置推定部35による駐車位置推定処理(図5S110)が実施される。このとき駐車位置PPは、車両Aの後退方向の範囲(図6点線範囲を参照)にあると推定され得る。そのため、駐車位置PPの推定処理の一例では、駐車動作の検出されたC地点から最小回転半径で後退方向に移動した場合の仮想軌跡円が用いられる。駐車位置推定部35は、最小回転半径を示す仮想軌跡円よりも大回りした方向(外周側)に中心がある複数の車室のうちで、仮想軌跡円に最近傍となる駐車枠の車室を、駐車位置PPとする。

0060

また、シフトポジションをリバース(R)とドライブ(D)との間で複数回切り替えるような切り返しの動作が行われた場合(図6の短い破線参照)、駐車ステータスは、駐車動作の検出待ちの状態に戻る。このような切り返しが実施されると、駐車位置推定部35は、上記の仮想軌跡円の内周側に位置する複数の車室のうちで、仮想軌跡円に最近傍の駐車枠の車室を、駐車位置PPとして推定する。

0061

上記の多数決に基づき駐車位置PPが確定したと判定されると、駐車ステータスは、駐車動作を検出した状態から、駐車位置PPを確定した状態に遷移する。以上の状態遷移に基づき、駐車位置推定部35(図5参照)は、C地点(図6参照)からの移動距離を用いて、駐車動作の検出時に推定した駐車位置PPを補正し、正式な駐車位置PPを確定する処理を行うことができる。尚、駐車位置推定部35は、確定判定に基づく駐車位置PPの補正を省略し、駐車動作の検出時に推定した位置を正式な駐車位置PPとして確定してもよい。さらに、駐車位置PPを確定した状態への状態遷移自体が省略されてもよい。

0062

次に図9図11に基づき、図2を参照しつつ、車両Aが前向き駐車される際の状態遷移の詳細を説明する。特定の車路上を走行する車両Aは、図9に示すように、空いている車室へ向けて進行方向を変更する。このとき、車両Aは、大きな操舵角が与えられることによって車路(車路リンクPL)上から外れつつ、空いた車室に駐車される。

0063

駐車動作検出部23は、前向き駐車の場合でも、操舵角、車速、及びシフトポジションの各変化を示す車両情報を、駐車ステータスの判定に用いる。駐車動作検出部23は、これらの車両情報のうちで該当する項目の多数決により、前向き駐車時における駐車ステータスを遷移させる。

0064

駐車動作検出部23は、図10の示すように、操舵角が所定の値(例えば±60°)以上となったことに基づき、前向き駐車の駐車動作を検出したと判定する。また駐車動作検出部23は、操舵角が別の所定の値(例えば±75°)以上とされたこと、車速が実質的に0とされたこと、及びシフトポジションがパーキング(P)又はニュートラル(N)に切り替えられたことに基づき、駐車位置PPの確定判定を行う。

0065

以上の駐車動作検出部23の判定方法によれば、操舵操作によって操舵角の絶対値が60°以上とされ、車両Aが車路上から外れたタイミングにて、図11に示す車両Aの駐車ステータスは、初期状態から駐車動作の検出待ちの状態に遷移する。このタイミングにて、駐車位置推定部35による駐車位置推定処理(図5S110)が実施される。一例として駐車位置推定部35は、駐車動作を検出した地点(例えば図9のC地点)から、駐車動作の検出時の操舵角に対応した仮想軌跡円に最も近い車室を、駐車位置PPとして推定する。

0066

そして、上記の多数決に基づき駐車ステータスが駐車位置PPを確定した状態に遷移すると、駐車位置推定部35は、バック駐車の場合と同様に、駐車動作を検出したC地点からの移動距離を用いて、駐車動作の検出時に推定した駐車位置PPを補正する。例えば、駐車動作の検出されたC地点からの移動距離が大きくなるほど、駐車位置推定部35は、C地点から遠い車室を駐車位置PPとする補正を実施する。

0067

ここまで説明したバック駐車及び前向き駐車の各駐車ステータスの遷移は、例えば車両Aが使用される地域に応じて使い分けられてもよい。例えば、日本ではバック駐車が一般的であり、欧米では前向き駐車が一般的である。故に、車両Aが使用される地域をGNSSの受信情報に基づいて推定し、駐車ステータスを切り替える条件(図7及び図10参照)が補正されてもよい。

0068

さらに、図12に示すように、車路上に他の車両A1が存在する場合、車両A(自車両)は、他の車両A1を回避するようにして、特定の車路上から外れる。このような挙動が車両Aに生じた場合でも、図13及び図14に示すように、駐車ステータスは、駐車動作の検出待ちの状態に維持される。

0069

また、図15に示すように、車路上の前方に他の車両A1が存在する場合、車両A(自車両)は、車路上にて一時停止する。こうした挙動が車両Aに生じて、仮に駐車ステータスが推定された場合でも、図16及び図17に示すように、駐車ステータスは、駐車動作の検出待ちの状態に維持される。

0070

ここまで説明した第一実施形態のように、屋内駐車場IDP等に設定された車路地図情報と、車両Aの移動に関連したセンシング情報とを組み合わせれば、車路上での車両Aの位置が推定され得る。加えて、駐車に関連した車両情報に基づく駐車動作を用いることで、駐車に伴う車両Aの移動方向又は移動量が推定され得る。その結果、駐車動作が検出されたときの車路上での推定位置に、駐車動作に伴う移動分を組み合わせれば、位置推定装置100は、測位用の特別なインフラが多数整備されていなくても、車両Aの駐車位置PPを精度良く把握できる。

0071

加えて第一実施形態のように、駐車の際に変化し易いシフトポジション、操舵角、及び車速の各変化情報が駐車動作の検出に用いられれば、車路上位置推定部34は、駐車動作の開始を誤判定することなく検出可能となる。以上によれば、駐車位置推定部35による駐車位置PPの推定も、精度良く実施され得る。

0072

また第一実施形態の駐車位置推定部35は、駐車が検出されたタイミングでの駐車動作の内容に基づいて、駐車位置PPを推定する。例えば、運転者によって切り返しの操作が繰り返されると、主に操舵角に関連した移動方向の推定誤差が増大する。故に、駐車動作の検出時に駐車位置PPを概ね特定する処理の実施によれば、推定誤差の累積に起因して駐車位置PPの推定が大きくずれる事態は、防がれる。

0073

さらに第一実施形態では、駐車動作を検出した際に推定した駐車位置PPが、駐車動作の検出後の移動距離によって補正される。操舵角と関連する移動方向とは異なり、移動距離には大きな誤差が生じ難い。故に、移動距離を取得して駐車位置PPを補正すれば、駐車位置PPの推定精度が向上し得る。

0074

加えて第一実施形態では、電波マップの各基準軌跡と受信軌跡との照合結果が、走行中の車路の判定と車路上の位置推定に用いられる。このように、環境中に存在する環境電波の受信状態は、例え屋内であっても、走行によって変化する。故に、車路判定部22及び車路上位置推定部34は、電波マップと受信軌跡との照合結果を用いることで、車路の判定と車路上位置の推定とを共に高精度に実施できる。

0075

また第一実施形態では、路側器120から発信された電波の受信強度を車路上の位置と紐付けた内容の電波マップが用いられている。このように、路側器120の電波を用いる前提であれば、多数のインフラの整備は、確実に不要となる。加えて路側器120は、送信する電波のペイロード部分に、駐車場に関連した情報、例えば空いている車室の位置情報及び運転支援情報等を載せて、各車両に配信可能である。以上によれば、路側器120は、駐車位置リマインダの機能以上の付加価値を、屋内駐車場IDPの利用者に提供できる。

0076

ここで、図18に示す実線は、屋内駐車場IDPの入口から三階まで上り、三階のフロアを1周して、屋内駐車場IDPの出口まで走行した場合の受信軌跡である。一方、図18の破線は、屋内駐車場IDPの入口から四階まで上り、四階のフロアを1周して、屋内駐車場IDPの出口まで走行した場合の受信軌跡である。路側器120が二階に設置されているため、二階から離れた四階を走行した受信軌跡における受信強度の値は、三階を走行した値よりも低くなる。

0077

以上のように、路側器120の無線信号の電波強度は、同じ経路を辿っている場合には再現するものの、異なるフロアを走行した場合には、確実に異なった推移を示す。そのため第一実施形態では、複数のフロアを有する屋内駐車場IDPに合わせて、各フロアについての電波マップが予め生成されている。このように、フロア毎の電波マップあれば、車路上位置推定部34は、車両Aがどのフロアの車路を走行しているのかを正確に識別して、現在位置を精度良く推定できる。

0078

加えて第一実施形態にて用いられる電波マップは、車路上を走行する車両Aの走行方向毎に予め生成されている。このように、同一の車路を走行していても、進行方向が異なれば、受信強度の推移も異なってくる。故に、走行方向毎に詳細な電波マップが事前に生成されていれば、車路上位置推定部34は、車路上における車両Aの位置をさらに精度良く推定し得る。

0079

さらに、分岐位置BPを通過する複数方向の各電波マップは、分岐位置BPとその前後を含むように受信強度の推移を保持している。故に、分岐位置BPを通過した直後においても、一定距離以上のマッチング長D(図4参照)を確保することが可能となる。その結果、分岐位置BPを過ぎた直後でも、車路判定部22は、迅速に正しい車路を判定できる。

0080

また第一実施形態の電波マップには、停止線SL、転回位置TP、出入口GP等の位置情報が予め記録されている。加えて、電波マップにおけるこれらの位置は、基準移動端末に特徴的な車両挙動が検出されたときの受信強度と紐付くように、予め補正されている。以上による電波マップの精度の向上によれば、車路上位置推定部34は、車路上における車両Aの位置をさらに精度良く推定し得る。

0081

また、電波マップの生成時に位置補正が行われれば、例えば複数回の計測によって異なる結果が取得された場合でも、後処理により、正確と推定される位置に停止線SL等の位置を補正することが可能となる。加えて、例えば屋内駐車場IPDの入口と出口とにおいて、測位信号がfixできた場合、屋内駐車場IPDでの移動距離と、地図上における正確な距離との比較により、移動距離の補正値が算出され得る。こうして算出した補正値を用いて移動距離を補正すれば、位置推定の精度は、さらに向上可能となる。

0082

尚、第一実施形態において、軌跡生成部21が「受信軌跡生成部」に相当し、車路判定部22及び車路上位置推定部34が共に「車路上位置推定部」に相当する。

0083

(第二実施形態)
図19及び図20に示す本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態の地図データベース214に格納された車路地図情報には、電波マップが記憶されていない。加えて、第二実施形態の位置推定装置200からは、第一実施形態の軌跡生成部21(図2)に相当する構成が省略されている。以上の構成により、車路判定部222及び車路上位置推定部234は、受信軌跡と各基準軌跡とのマッチング処理を行うことなく、車両Aが走行している特定の車路を判定すると共に、特定の車路上における車両Aの位置を推定する。

0084

車路判定部222は、車載センサ群13からセンシング情報を取得すると共に、地図データベース214から車路地図情報を取得する。第二実施形態でも、車両挙動に特徴的な変化が生じる分岐位置BP、停止線SL、転回位置TP、及び出入口GP(図1等参照)の各位置情報が各車路リンクPLに紐付けられている。車路判定部222は、センシング情報にある操舵角及び車速の情報等を用いて、車両Aの移動方向及び移動距離を算出する。車路判定部222は、例えば出入口GP等の特定の位置を起点として、算出した車両Aの移動分を加えて、各車路リンクPLの情報とマッチングさせる処理により、車両Aが車路上にいるか否かの判定と、車両Aが走行している車路の判定とを実施する。

0085

車路上位置推定部234は、車路判定部222にて車両Aが車路上を走行していると判定された場合に、センシング情報及び車路地図情報を車路判定部222から取得し、車路上位置推定処理を実施する。車路上位置推定部234は、車路判定部222と同様に、特定の起点位置に、センシング情報に基づく移動分を加えることにより、現在の車両Aの位置を推定する。起点位置は、衛星測位処理によって測位された位置、又は出入口GP及び分岐位置BP等に設定される。

0086

次に、第二実施形態の測位処理回路230によって実施される測位処理の詳細を、図20に基づき、図19を参照しつつ説明する。尚、第二実施形態の測位処理におけるS201〜S207は、第一実施形態のS101〜S107と実質同一の内容であるため、説明を省略する。

0087

S208では、車両Aが特定の車路上にいるか否かを示す車路判定部222の判定結果を参照する。車路判定部222にて、センシング情報と車路地図情報との照合の結果、車両Aが特定の車路上にいないと判定されていた場合、S208からS209に進む。S209では、駐車動作検出部23による駐車動作の検出結果を参照し、駐車ステータスに応じて、S207による推定航法処理又はS210による駐車位置推定処理に移行する。

0088

一方、車路判定部222にて車両Aが特定の車路上のいると判定されていた場合、S208からS211に進む。S211では、車路上位置推定部234に車路上位置推定処理を実施させることで、特定の車路上における車両Aの現在位置(縦位置τ)を推定し、S201に戻る。

0089

ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様に、車路地図情報とセンシング情報とを組み合わせることで、車路上での車両Aの位置が推定される。したがって、位置推定装置200は、測位用の多数のインフラを要することなく、車両Aの駐車位置PP(図1等参照)を精度良く把握できる。加えて第二実施形態では、無線信号の受信軌跡すら用いることなく、車両Aの現在位置が推定可能である。このように、位置推定装置200は、実質的にインフラレスで車両Aの駐車位置PPを特定できる。尚、第二実施形態では、車路判定部222及び車路上位置推定部234が共に「車路上位置推定部」に相当する。

0090

(他の実施形態)
以上、本開示による複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。

0091

上記第一実施形態の変形例1では、電波マップの各基準軌跡は、放送波の受信強度を車路上の位置と紐付けた内容とされている。放送波は、例えばAMラジオ放送FMラジオ放送、及びテレビ放送等である。軌跡生成部は、車両Aの移動に伴う放送波の受信強度の推移を受信軌跡として記録し、車路判定部に提供する。このように、放送波を利用した電波マップを利用することによれば、路側器の設置、維持、及び管理が全て不要となる。故に、実質的にインフラレスでの車両の駐車位置の特定が可能になる。

0092

上記実施形態のセンシング情報を取得する構成及び手法は、適宜変更されてよい。例えば車速は、車速センサから取得したものに限定されず、各車輪ハブ部分に設置された車輪速センサの変化量から算出してもよい。又は、衛星測位に基づく絶対位置の変化量から、車速が算出されてもよい。さらに、自動駐車機能を実現するための周辺監視センサ(例えばカメラ等)により取得される相対位置の変化量から、車速が算出されてもよい。

0093

さらに、操舵角は、ジャイロセンサのヨー角から取得したものに限定されず、ステアリングセンサによって検出されるハンドル角に基づいて取得されてもよい。さらに、図21に示すように、操舵角は、非操舵輪(例えば後輪)の左右の車輪速センサの計測値VOUT,Vinとトレッドの値Tと用いて、下記の数式2によって算出される回転半径rにより、代用されてもよい。上述したように、操舵角よりも移動距離の方が検出精度が良好なため、駐車位置を移動距離のみ用いて補正すれば、高精度な駐車位置の推定が実現される。

0094

上記第一実施形態では、主に運転者が駐車場の場内にて空いている車室を探索して、駐車動作を行う場合が説明されていた。しかし、車両は、自動駐車システムを搭載しており、自動運転システムによって自ら駐車位置PPまで移動してもよい。さらに、バレットパーキング等でユーザ以外が駐車位置PPに車両Aを駐車させてもよい。これらの場合では、駐車位置PPをユーザに通知する駐車位置リマインダの機能は、ユーザにとっていっそう利便性の高い機能となる。

0095

さらに、自動駐車システムを搭載した車両であれば、車路上であるか否かの判定や駐車動作の検出に、自動駐車システムの制御情報が用いられてもよい。システムの情報が直接的に提供されれば、例えば駐車ステータスの遷移は、誤りなく判定され得る。

0096

また、位置推定装置によって推定された位置情報は、ユーザだけでなく、駐車場の管理者又は管理サーバに提供されてよい。こうした情報提供によれば、管理側は、各車両の正確な駐車位置情報を把握して、空き情報等を推定できる。さらに、位置推定装置によって推定される位置情報は、自動駐車システムに提供されてよい。こうした情報提供によれば、自動駐車システムは、周辺監視センサに頼ることなく、又は周辺監視センサの検出情報と組み合わせて、例えば駐車枠が描かれていないような駐車スペースにも円滑に車両を駐車させることができる。

0097

上記実施形態では、シフトポジション、車速、及び操舵角の各車両情報を用いた多数決によって、駐車動作の検出等が判定されていた。しかし、駐車動作の検出等に用いられる車両情報は、適宜変更可能である。また、駐車動作の検出に基づく駐車位置の推定は、実施されなくてもよい。

0098

上記実施形態の位置推定装置における軌跡生成部、車路判定部、駐車動作検出部、及び測位処理回路等の構成は、種々のハードウェア及びソフトウェア、或いはこれらの組み合わせによって提供されてよい。また、位置推定装置は、車両に搭載された他の車載装置の一部であってもよい。或いは、複数の車載装置によって位置推定装置の機能が実現されていてもよい。また、位置推定装置を搭載する車両の形態は、一般的な乗用車に限定されず、貨物自動車トラック)、バス二輪車等であってもよい。

0099

A 車両、IDP屋内駐車場(駐車場)、PP駐車位置、BP分岐位置、SL停止線、TP転回位置、GP出入口、21軌跡生成部(受信軌跡生成部)、22,222車路判定部(車路上位置推定部)、23駐車動作検出部、34,234 車路上位置推定部、35 駐車位置推定部、100,200 位置推定装置

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