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技術 熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法および熱処理板の製造方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 高坂典晃船川義正
出願日 2017年8月18日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2017-157829
公開日 2018年3月1日 (1年6ヶ月経過) 公開番号 2018-031077
状態 特許登録済
技術分野 薄鋼板の熱処理
主要キーワード すべり帯 疲労強度比 処理加熱 応力付加 共通事項 介在物密度 窒化析出物 ミクロレベル
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課題

フェライト相を一定以上含みつつ、降伏比が低い引張強さ:780MPa以上を有し、かつ良好な曲げ疲労特性を有する薄鋼板等を提供する。

解決手段

特定の成分組成と、組織観察より求めた、フェライト相の面積率が20%以上80%以下、マルテンサイト相の面積率が20%以上80%以下、鋼板表層部の平均フェライト粒径が5.0μm以下、鋼板表層部の介在物密度が200個/mm−2以下である鋼組織と、を有し、鋼板表面硬さが、鋼板表面から厚み方向に1/2t(tは鋼板の厚み)の位置の硬さを100%としたときに、95%以上である薄鋼板とする。

概要

背景

近年、地球環境保全の観点から、CO2排出量の低減を目的として、自動車業界全体で自動車燃費改善指向されている。自動車の燃費改善には、使用部品薄肉化による自動車の軽量化が最も有効である。このため、近年、自動車部品用素材として、高強度鋼板の使用量が増加しつつある。

自動車部材降伏強さ以下の応力を繰り返し与えられるため、耐疲労特性曲げ疲労特性)も重要となる。耐疲労特性を向上させるため、フェライト相を少なくし、ベイナイト相マルテンサイト相もしくは焼き戻しマルテンサイト相で構成される組織設計がなされることも多い。しかし、この組織設計がなされた鋼板は、成形性(加工性)の良いフェライト相を少なくしたため、成形性に劣る欠点も有する。フェライト相を含みながら耐疲労特性を改善した技術も、これまでに提案されている。

例えば、特許文献1では、質量%で、C:0.03〜0.13%、Si≦0.7%、Mn:2.0〜4.0%、P≦0.05%、S≦0.005%、Sol.Al:O.01〜0.1%、N≦0.005%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0002〜0.0040%を含有し、平均粒径が5μm以下のフェライト相と体積率が15〜80%のマルテンサイト相を有することで伸びフランジ性および耐二次加工脆性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

特許文献2では、質量%で、C:0.02%を超え0.20%以下、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.1〜3.0%、P:0.003〜0.10%、S:0.020%以下、Al:0.001〜1.0%、N:0.0004〜0.015%、Ti:0.03〜0.2%を含有し、残部がFeおよび不純物であるとともに、鋼板の金属組織フェライト面積率で30〜95%含有し、残部の第2相マルテンサイトベイナイトパーライトセメンタイトおよび残留オーステナイトのうちの1種または2種以上からなり、かつマルテンサイトを含有するときのマルテンサイトの面積率は0〜50%であり、そして、鋼板が粒径2〜30nmのTi系炭窒化析出物平均粒子間距離30〜300nmで含有し、かつ粒径3μm以上の晶出系TiNを平均粒子間距離50〜500μmで含有することで切り欠き曲げ曲げ疲労特性が良好な高張力溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

特許文献3では、質量%で、C:0.05〜0.30%、Mn:0.8〜3.00%、P:0.003〜0.100%、S:0.010%以下、Al:0.10〜2.50%、Cr:0.03〜0.50%、N:0.007%以下を含有し、フェライト相、残留オーステナイト相及び低温変態相を含み、フェライト相分率体積比で97%以下であり、かつ、めっき層を除く鋼板表面から1μmまでの領域にAlNを析出させることで打ち抜き破面を有する状態での疲労強度が高い溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

特許文献4では、質量%で、C:0.1〜0.2%、Si:2.0%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.07%以下、Al:1.0%以下、Cr:0.1〜3.0%およびN:0.01%以下を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなり、鋼組織として面積率で、フェライトが20〜60%、マルテンサイトが40〜80%、ベイナイトが5%以下および残留オーステナイトが5%以下である複合組織を有し、該フェライトの平均粒径が8μm以下であり、該マルテンサイトのうち面積比で3/4以上が、大きさ:5〜500nmの鉄系炭化物を1mm2あたり1×105個以上析出させたオートテンパードマルテンサイトとすることで、引張強さが980MPa以上で曲げ加工性が良好な鋼板が得られるとしている。

特許文献5では、質量%で、C:0.05%以上0.12%未満、Si:0.35%以上0.80%未満、Mn:2.0〜3.5%、P:0.001〜0.040%、S:0.0001〜0.0050%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0001〜0.0060%、Cr:0.01%〜0.5%、Ti:0.010〜0.080%、Nb:0.010〜0.080%およびB:0.0001〜0.0030%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物の組成からなり、体積分率が20〜70%で、かつ平均結晶粒径が5μm以下のフェライト相を含有する組織を有し、引張強度が980MPa以上で、さらに鋼板表面に付着量(片面当たり):20〜150g/m2の溶融亜鉛めっき層を有することで加工性、溶接性および疲労特性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

概要

フェライト相を一定以上含みつつ、降伏比が低い引張強さ:780MPa以上を有し、かつ良好な曲げ疲労特性を有する薄鋼板等を提供する。特定の成分組成と、組織観察より求めた、フェライト相の面積率が20%以上80%以下、マルテンサイト相の面積率が20%以上80%以下、鋼板表層部の平均フェライト粒径が5.0μm以下、鋼板表層部の介在物密度が200個/mm−2以下である鋼組織と、を有し、鋼板表面硬さが、鋼板表面から厚み方向に1/2t(tは鋼板の厚み)の位置の硬さを100%としたときに、95%以上である薄鋼板とする。なし

目的

本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、フェライト相を一定以上含みつつ、降伏比が低く、引張強さ:780MPa以上を有し、かつ良好な曲げ疲労特性を有する薄鋼板、めっき鋼板およびこれらの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.6%以下、Mn:1.5%以上2.55%以下、P:0.05%以下、S:0.015%以下、Al:0.08%以下、N:0.0100%以下、Ti:0.010%以上0.035%以下、B:0.0002%以上0.0030%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼素材を、1100℃以上1300℃以下で加熱し、粗圧延仕上げ圧延からなる熱間圧延、冷却、巻取りを施すにあたり、仕上げ圧延開始温度を1050℃以下、仕上げ圧延終了温度を820℃以上、仕上げ圧延終了後冷却開始までを3秒以内、600℃までの平均冷却速度を30℃/s以上、巻取温度を350℃以上580℃以下とする熱延鋼板の製造方法。

請求項2

前記成分組成は、質量%で、さらに、Cr:0.001%以上0.8%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Sb:0.001%以上0.2%以下、Nb:0.03%以上0.1%以下の1種または2種以上を含有する請求項1に記載の熱延鋼板の製造方法。

請求項3

前記成分組成は、質量%で、さらに、REM、Cu、Ni、V、Sn、Mg、Ca、Coのうちの1種以上を合計で1.0%以下含有する請求項1または2に記載の熱延鋼板の製造方法。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られた熱延鋼板に、板厚減少量が5μm以上50μm以下の酸洗を施し、該酸洗後冷間圧延を施す冷延フルハード鋼板の製造方法。

請求項5

請求項4に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を780℃以上860℃以下に加熱し、板厚減少量が2μm以上30μm以下の酸洗を施す熱処理板の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、薄鋼板及びめっき鋼板、並びに熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法に関する。本発明の薄鋼板は、引張強さ(TS):780MPa以上を有し、優れた曲げ疲労特性を兼ね備える。このため、本発明の薄鋼板は、自動車用骨格部材素材に適する。

背景技術

0002

近年、地球環境保全の観点から、CO2排出量の低減を目的として、自動車業界全体で自動車燃費改善指向されている。自動車の燃費改善には、使用部品薄肉化による自動車の軽量化が最も有効である。このため、近年、自動車部品用素材として、高強度鋼板の使用量が増加しつつある。

0003

自動車部材降伏強さ以下の応力を繰り返し与えられるため、耐疲労特性(曲げ疲労特性)も重要となる。耐疲労特性を向上させるため、フェライト相を少なくし、ベイナイト相マルテンサイト相もしくは焼き戻しマルテンサイト相で構成される組織設計がなされることも多い。しかし、この組織設計がなされた鋼板は、成形性(加工性)の良いフェライト相を少なくしたため、成形性に劣る欠点も有する。フェライト相を含みながら耐疲労特性を改善した技術も、これまでに提案されている。

0004

例えば、特許文献1では、質量%で、C:0.03〜0.13%、Si≦0.7%、Mn:2.0〜4.0%、P≦0.05%、S≦0.005%、Sol.Al:O.01〜0.1%、N≦0.005%、Ti:0.005〜0.1%、B:0.0002〜0.0040%を含有し、平均粒径が5μm以下のフェライト相と体積率が15〜80%のマルテンサイト相を有することで伸びフランジ性および耐二次加工脆性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

0005

特許文献2では、質量%で、C:0.02%を超え0.20%以下、Si:0.01〜2.0%、Mn:0.1〜3.0%、P:0.003〜0.10%、S:0.020%以下、Al:0.001〜1.0%、N:0.0004〜0.015%、Ti:0.03〜0.2%を含有し、残部がFeおよび不純物であるとともに、鋼板の金属組織フェライト面積率で30〜95%含有し、残部の第2相マルテンサイトベイナイトパーライトセメンタイトおよび残留オーステナイトのうちの1種または2種以上からなり、かつマルテンサイトを含有するときのマルテンサイトの面積率は0〜50%であり、そして、鋼板が粒径2〜30nmのTi系炭窒化析出物平均粒子間距離30〜300nmで含有し、かつ粒径3μm以上の晶出系TiNを平均粒子間距離50〜500μmで含有することで切り欠き曲げ曲げ疲労特性が良好な高張力溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

0006

特許文献3では、質量%で、C:0.05〜0.30%、Mn:0.8〜3.00%、P:0.003〜0.100%、S:0.010%以下、Al:0.10〜2.50%、Cr:0.03〜0.50%、N:0.007%以下を含有し、フェライト相、残留オーステナイト相及び低温変態相を含み、フェライト相分率体積比で97%以下であり、かつ、めっき層を除く鋼板表面から1μmまでの領域にAlNを析出させることで打ち抜き破面を有する状態での疲労強度が高い溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

0007

特許文献4では、質量%で、C:0.1〜0.2%、Si:2.0%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.1%以下、S:0.07%以下、Al:1.0%以下、Cr:0.1〜3.0%およびN:0.01%以下を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなり、鋼組織として面積率で、フェライトが20〜60%、マルテンサイトが40〜80%、ベイナイトが5%以下および残留オーステナイトが5%以下である複合組織を有し、該フェライトの平均粒径が8μm以下であり、該マルテンサイトのうち面積比で3/4以上が、大きさ:5〜500nmの鉄系炭化物を1mm2あたり1×105個以上析出させたオートテンパードマルテンサイトとすることで、引張強さが980MPa以上で曲げ加工性が良好な鋼板が得られるとしている。

0008

特許文献5では、質量%で、C:0.05%以上0.12%未満、Si:0.35%以上0.80%未満、Mn:2.0〜3.5%、P:0.001〜0.040%、S:0.0001〜0.0050%、Al:0.005〜0.1%、N:0.0001〜0.0060%、Cr:0.01%〜0.5%、Ti:0.010〜0.080%、Nb:0.010〜0.080%およびB:0.0001〜0.0030%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物の組成からなり、体積分率が20〜70%で、かつ平均結晶粒径が5μm以下のフェライト相を含有する組織を有し、引張強度が980MPa以上で、さらに鋼板表面に付着量(片面当たり):20〜150g/m2の溶融亜鉛めっき層を有することで加工性、溶接性および疲労特性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。

先行技術

0009

特開2004−211140号公報
特開2006−63360号公報
特開2007−262553号公報
特開2010−275628号公報
特願2010−542856号公報

発明が解決しようとする課題

0010

特許文献1で提案された技術では、曲げ疲労時に最も応力が大きくなる鋼板表層部について、なんら検討されておらず、耐疲労特性が良好な鋼板を得ることはできない。

0011

特許文献2で提案された技術では、表層部に分散したTi系炭窒化物周りに応力集中が発生し、耐疲労特性が劣る場合がある。

0012

特許文献3で提案された技術では、引張強さ780MPa以上の高強度の場合、表層に分散するAlNにより曲げ疲労時の割れが助長されるうえ、AlNを分散させるために空気比を1.0以上とする必要がある。その結果、表層が軟化するために、耐疲労特性が劣化する。

0013

特許文献4で提案された技術では、Si含有量を制御し、ベイナイト相および/またはマルテンサイト相を微細とすることで疲労亀裂伝播を抑制できるとしている。しかし、疲労亀裂の発生について、板厚表層部からの疲労亀裂の発生について、何ら検討されておらず、疲労亀裂が発生した場合、実部品において予期せぬ不具合の原因や、局部的な錆びによって耐疲労特性が低下することがある。

0014

特許文献5で提案された技術では、表層の硬度を保つために分散させた、Tiを含む硬質な炭窒化物が、曲げ疲労時に亀裂発生の原因になり、耐疲労特性が劣化する。

0015

いずれの先行技術においても、引張強さが780MPa以上を有し、優れた曲げ疲労特性を兼備した鋼板を得ることは困難である。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、フェライト相を一定以上含みつつ、降伏比が低く、引張強さ:780MPa以上を有し、かつ良好な曲げ疲労特性を有する薄鋼板、めっき鋼板およびこれらの製造方法を提供することを目的とするとともに、薄鋼板及びめっき鋼板を製造するために必要な熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0016

本発明者らは上記課題を解決するために、引張強さ780MPa以上かつフェライト相を有しながら良好な曲げ疲労特性を兼備する薄鋼板の要件について鋭意検討した。

0017

高強度化にあたり、硬質相を入れる、もしくはフェライト相を析出物強化する手法を検討した結果、析出物で高強度化を図った場合、析出物周りに発生する応力集中により、曲げ疲労特性の低下がみられた。

0018

そこで、硬質相によって高強度化を図ることとしたが、ベイナイト相や焼き戻しマルテンサイト相では強度不足強度ばらつきが大きくなる結果が得られた。

0019

そこで、実質的に高強度化させるには、少なくとも走査電子顕微鏡では内部に炭化物が観察できない、焼入ままマルテンサイト相(以下、マルテンサイト相と呼称する)を活用することとした。フェライト相とマルテンサイト相との二相組織鋼の曲げ疲労特性を評価した結果、板厚方向の表層部(後述する通り、鋼板表面から板厚方向に深さ20μmまでの領域)で最も軟質な部分となる粗大なフェライト粒固執すべり帯が発生し、割れに至ることで曲げ疲労特性が低下していることが明らかとなった。そのため、表層部のフェライト粒径を微細とすることが重要であることを想到した。

0020

表層部は鋼板表面から脱炭しやすく、脱炭によりフェライト粒の粗大化および混粒化を促していることがわかった。脱炭抑制、すなわちフェライト粒の微細化および整粒化には焼鈍時の露点を制御する必要があることがわかった。さらに、熱延時に不可避的に生成される内部酸化層を除去する必要があることも知見し、酸洗ラインで除去する必要があることも判明した。

0021

本発明は上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は次のとおりである。

0022

[1]質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.6%以下、Mn:1.5%以上3.2%以下、P:0.05%以下、S:0.015%以下、Al:0.08%以下、N:0.0100%以下、Ti:0.010%以上0.035%以下、B:0.0002%以上0.0030%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成と、組織観察より求めた、フェライト相の面積率が20%以上80%以下、マルテンサイト相の面積率が20%以上80%以下、鋼板表層部の平均フェライト粒径が5.0μm以下、鋼板表層部の介在物密度が200個/mm2以下である鋼組織と、を有し、鋼板表面硬さが、鋼板表面から厚み方向に1/2t(tは鋼板の厚み)の位置の硬さを100%としたときに、95%以上であり、引張強度が780MPa以上である薄鋼板。

0023

[2]前記成分組成は、質量%で、さらに、Cr:0.001%以上0.8%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Sb:0.001%以上0.2%以下、Nb:0.001%以上0.1%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の薄鋼板。

0024

[3]前記成分組成は、質量%で、さらに、REM、Cu、Ni、V、Sn、Mg、Ca、Coのうちの1種以上を合計で1.0%以下含有する[1]または[2]に記載の薄鋼板。

0025

[4][1]〜[3]のいずれかに記載の高強度薄鋼板の表面にめっき層を備えるめっき鋼板。

0026

[5]前記めっき層が、Fe:20.0質量%以下、Al:0.001質量%以上1.0質量%以下を含有し、さらに、Pb、Sb、Si、Sn、Mg、Mn、Ni、Cr、Co、Ca、Cu、Li、Ti、Be、Bi、REMから選択する1種または2種以上を合計で0質量%以上3.5質量%以下含有し、残部がZn及び不可避不純物からなる溶融亜鉛めっき層又は合金化溶融亜鉛めっき層である[4]に記載のめっき鋼板。

0027

[6][1]から[3]のいずれかに記載の成分組成を有する鋼素材を、1100℃以上1300℃以下で加熱し、粗圧延仕上げ圧延からなる熱間圧延、冷却、巻取りを施すにあたり、仕上げ圧延開始温度を1050℃以下、仕上げ圧延終了温度を820℃以上、仕上げ圧延終了後冷却開始までを3秒以内、600℃までの平均冷却速度を30℃/s以上、巻取温度を350℃以上580℃以下とする熱延鋼板の製造方法。

0028

[7][6]に記載の製造方法で得られた熱延鋼板に、板厚減少量が5μm以上50μm以下の酸洗を施し、該酸洗後冷間圧延を施す冷延フルハード鋼板の製造方法。

0029

[8][7]に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を、焼鈍温度780℃以上860℃以下まで加熱し、該加熱後、550℃までの平均冷却速度が20℃/s以上、冷却停止温度が250℃以上550℃以下の条件で冷却し、600℃以上の温度域の露点が−40℃以下である薄鋼板の製造方法。

0030

[9][7]に記載の製造方法で得られた冷延フルハード鋼板を780℃以上860℃以下に加熱し、板厚減少量が2μm以上30μm以下の酸洗を施す熱処理板の製造方法。

0031

[10][9]に記載の製造方法で得られた熱処理板を、焼鈍温度720℃以上780℃以下まで加熱し、該加熱後、550℃までの平均冷却速度が20℃/s以上、冷却停止温度が250℃以上550℃以下の条件で冷却し、600℃以上の温度域の露点が−40℃以下である薄鋼板の製造方法。

0032

[11][8]又は[10]に記載の製造方法で得られた薄鋼板にめっきを施すめっき鋼板の製造方法。

発明の効果

0033

本発明で得られる薄鋼板は、一定以上のフェライト相を有するとともに、引張強さ(TS):780MPa以上の高強度と、優れた曲げ疲労特性を兼ね備える。本発明の薄鋼板を用いてなるめっき鋼板を自動車部品に適用すれば、自動車部品のさらなる軽量化が実現される。

0034

また、本発明の熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法は、上記の優れた薄鋼板やめっき鋼板を得るための中間製品の製造方法として、薄鋼板やめっき鋼板の上記の特性改善に寄与する。

0035

以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。

0036

本発明は、薄鋼板およびめっき鋼板、並びに、熱延鋼板の製造方法、冷延フルハード鋼板の製造方法、熱処理板の製造方法、薄鋼板の製造方法およびめっき鋼板の製造方法である。先ず、これらの関係について説明する。

0037

本発明の薄鋼板は、有用な最終製品であるだけでなく、本発明のめっき鋼板を得るための中間製品でもある。冷間圧延後に前処理加熱及び酸洗を行わない方法の場合には、めっき鋼板は、スラブ等の鋼素材から出発して、熱延鋼板、冷延フルハード鋼板、薄鋼板となる製造過程を経て製造される。冷間圧延後に前処理加熱及び酸洗を行う方法の場合には、めっき鋼板は、スラブ等の鋼素材から出発して、熱延鋼板、冷延フルハード鋼板、熱処理板、薄鋼板となる製造過程を経て製造される。

0038

また、本発明の熱延鋼板の製造方法は、上記過程の熱延鋼板を得るまでの製造方法である。

0039

本発明の冷延フルハード鋼板の製造方法は、上記過程において熱延鋼板から冷延フルハード鋼板を得るまでの製造方法である。

0040

本発明の熱処理板の製造方法は、上記過程において、冷間圧延後に前処理加熱及び酸洗を行う方法の場合に、冷延フルハード鋼板から熱処理板を得るまでの製造方法である。

0041

本発明の薄鋼板の製造方法は、上記過程において、冷間圧延後に前処理加熱及び酸洗を行わない方法の場合は冷延フルハード鋼板から薄鋼板を得るまでの製造方法、冷間圧延後に前処理加熱及び酸洗を行う方法の場合は熱処理板から薄鋼板を得るまでの製造方法である。

0042

本発明のめっき鋼板の製造方法は、上記過程において、薄鋼板からめっき鋼板を得るまでの製造方法である。

0043

上記関係があることから、熱延鋼板、冷延フルハード鋼板、熱処理板、薄鋼板、めっき鋼板の成分組成は共通し、薄鋼板、めっき鋼板の鋼組織が共通する。以下、共通事項、薄鋼板、めっき鋼板、製造方法の順で説明する。また、薄鋼板の表面硬さに関する特徴はめっき鋼板においても維持される(表面硬さについて、焼鈍中の露点を制御することで、めっき鋼板からめっきを除去した薄鋼板も、めっき前の薄鋼板と同様の特徴を有する)。

0044

<成分組成>
本発明の薄鋼板等の成分組成は、質量%で、C:0.04%以上0.18%以下、Si:0.6%以下、Mn:1.5%以上3.2%以下、P:0.05%以下、S:0.015%以下、Al:0.08%以下、N:0.0100%以下、Ti:0.010%以上0.035%以下、B:0.0002%以上0.0030%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。

0045

また、上記成分組成は、質量%で、さらに、Cr:0.001%以上0.8%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Sb:0.001%以上0.2%以下、Nb:0.001%以上、0.1%以下の1種または2種以上を含有してもよい。

0046

また、上記成分組成は、質量%で、さらに、REM、Cu、Ni、Nb、V、Sn、Mg、Ca、Coのうちの1種以上を合計で1.0%以下含有してもよい。

0047

以下、各成分について説明する。以下の説明において元素含有量を表す「%」は「質量%」を意味する。

0048

C:0.04%以上0.18%以下
Cは、マルテンサイト相の硬度を上昇させ、鋼板の高強度化に寄与する元素である。引張強さ:780MPa以上を得るには、少なくともCを0.04%以上含有させる必要がある。一方、C含有量が0.18%を上回ると、マルテンサイト相の硬度が過度に上昇し、フェライト相とマルテンサイト相との硬度差に起因する応力集中が曲げ疲労時に発生し、曲げ疲労特性を低下させる。そのため、C含有量は0.18%以下とした。下限について望ましいC含有量は0.05%以上である。上限について望ましいC含有量は0.16%以下である。

0049

Si:0.6%以下
Siは、フェライト相を硬化させ、フェライト相とマルテンサイト相との硬度差を減少させる。これにより、曲げ疲労時の応力集中発生を抑制することができる。このような観点から、Siを0.1%以上含有させることが望ましい。一方、Siは鋼板表面にSiを含む酸化物を形成し、曲げ疲労特性を低下させるうえ、化成処理性やめっき性を低下させる。以上の観点から、本発明では、0.6%までは許容できるため、Si含有量上限を0.6%とした。好ましくは、0.45%以下である。下限は特に定めず、0%まで含まれるが、製造上0.001%のSiは不可避的に鋼中に混入する場合がある。したがって、下限は、例えば、0.001%以上である。

0050

Mn:1.5%以上3.2%以下
Mnは、フェライト相からオーステナイト相への変態温度を低下させ、マルテンサイト相生成に寄与する元素である。所望のマルテンサイト相の面積率を得るには、Mnは少なくとも1.5%以上含有させる必要がある。一方、Mn含有量が3.2%を上回ると、Mnのミクロレベルでの偏析により曲げ疲労特性が低下する。以上から、Mn含有量は1.5%以上3.2%以下とした。下限について好ましいMn含有量は1.7%以上である。上限について好ましいMn含有量は3.0%以下である。

0051

P:0.05%以下
Pは、粒界に偏析して曲げ疲労特性を悪化させる元素である。したがって、P含有量は極力低減することが好ましい。本発明では、P含有量は0.05%まで許容できる。好ましくは0.04%以下である。P含有量は極力低減する方が望ましいが、製造上、0.001%は不可避的に混入する場合がある。したがって、下限は、例えば、0.001%以上である。

0052

S:0.015%以下
Sは、鋼中で粗大なMnSを形成し、これが熱間圧延時にフェライトの核生成サイトとなる。フェライトの核生成を促進させることにより、高温でオーステナイト相からフェライト相への変態が開始するため、本発明で求める微細なフェライト粒を有する鋼板が得られる。この効果を得るには、Sは0.0005%以上含有させることが好ましい。より好ましくは0.003%以上である。一方、S含有量が0.015%を超えるとMnSにより加工性が低下する。そのため、S含有量上限を0.015%とした。好ましくは0.010%以下である。

0053

Al:0.08%以下
Alを製鋼の段階で脱酸剤として添加する場合、Al含有量を0.01%以上含有することが好ましい。さらに好ましいAl含有量は0.02%以上である。一方、Alは加工性を悪化させる酸化物を形成する。そのため、Al含有量上限を0.08%とした。好ましくは0.07%以下である。

0054

N:0.0100%以下
Nは、固溶状態では耐時効性を低下させ、窒化物を形成した状態では曲げ疲労時の応力集中発生箇所となるので、有害な元素である。そのため、N含有量はできる限り低減することが望ましい。本発明ではN含有量が0.0100%まで許容できる。好ましくは0.0060%以下である。N含有量は極力低減する方が望ましいが、製造上、0.0005%は不可避的に混入する場合がある。したがって、下限は例えば、0.0005%以上である。

0055

Ti:0.010%以上0.035%以下
TiはNを窒化物として固定し、Bを含む窒化物形成を抑制することで、Bによる焼入性向上効果を促す効果のある元素である。Nは不可避的に混入するため、Tiは0.010%以上必要となる。一方で、Ti含有量が0.035%を上回るとTiを含む炭窒化物による曲げ疲労特性低下が顕在化する。以上から、Ti含有量は0.010%以上0.035%以下とした。下限について好ましいTi含有量は0.015%以上である。上限について好ましいTi含有量は0.030%以下である。固溶Nが特に悪影響をおよぼすことから、(1)式を満足することがより好ましい。(1)式を満足することで、表層部の平均フェライト粒径が小さくなり、曲げ疲労特性が顕著に高まる。曲げ疲労強度比を0.74以上までさらに高めるには、(1)式を満たすことが望ましい。
2.95≧[%Ti]/3.4[%N]≧1.00 (1)
ここで、[%Ti]および[%N]は、それぞれTiおよびNの含有量(質量%)を表す。

0056

B:0.0002%以上0.0030%以下
Bは鋼板の焼入性を向上させ、フェライト粒の微細化に寄与する元素である。一方で、過度に含有させると固溶Bの影響により曲げ疲労特性が低下する。以上から、B含有量は0.0002%以上0.0030%以下とした。下限について好ましいB含有量は0.0005%以上である。上限について好ましいB含有量は0.0020%以下である。

0057

以上が本発明の基本構成であるが、さらに、質量%で、Cr:0.001%以上0.8%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Sb:0.001%以上0.2%以下、Nb:0.001%以上0.1%以下の1種または2種以上を含有してもよい。

0058

Cr、Moは固溶強化により鋼板の高強度化に寄与するうえ、鋼板の焼入性を向上させるため、フェライト粒の微細化に効果がある元素である。これらの効果を得るには、Crの場合は0.001%以上含有させる必要があり、Moの場合は0.001%以上含有させる必要がある。一方、Cr含有量が0.8%を上回ると表面性状が劣化し、化成処理性やめっき性を低下させる。Mo含有量が0.5%を上回ると鋼板の変態温度が大きく変化し、本発明で求める組織構成から逸脱し、曲げ疲労特性が低下する。Sbは表面濃化し、鋼板の表面脱炭の抑制に寄与する元素であり、鋼板表層部のフェライト粒を安定的に微細化することができる。この効果を得るにはSb含有量を0.001%以上にする必要がある。一方、Sb含有量が0.2%を超えると表面性状が悪化し、化成処理性やめっき性を低下させる。Nbは結晶粒の微細化に役に立つ元素であり、この効果を得るには0.001%以上含有させる必要がある。一方、過度にNbを含有させると粗大なNbを含む炭窒化物により、曲げ疲労特性が劣化することから、Nb含有量上限量を0.1%とした。以上の観点から、Cr:0.001%以上0.8%以下、Mo:0.001%以上0.5%以下、Sb:0.001%以上0.2%以下、Nb:0.001%以上0.1%以下とした。下限について好ましいCr含有量は0.01%以上である。上限について好ましいCr含有量は0.7%以下である。下限について好ましいMo含有量は0.01%以上である。上限について好ましいMo含有量は0.3%以下である。下限について好ましいSb含有量は0.001%以上である。上限について好ましいSb含有量は0.05%以下である。下限について好ましいNb含有量は0.003%以上である。上限について好ましいNb含有量は0.07%以下である。

0059

また、REM、Cu、Ni、Sn、V、Mg、Ca、Coのいずれか1種以上を合計で1.0%以下含有してもよい。これら元素は不可避的不純物として混入する元素であり、加工性(成形性)や耐時効性の観点から合計で1.0%までは許容できる。好ましくは合計で0.2%以下である。なお、加工性(成形性)や耐時効性の観点から、下限は、1種以上の合計で、0.01%以上が好ましい。

0060

上記成分以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。なお、Cr、Mo、Sb、Nbが上記下限値未満であっても本発明の効果を害さない。そこで、これらの元素を下限値未満で含む場合、これらの元素は不可避的不純物とする。

0061

<鋼組織>
続いて、本発明の薄鋼板等の鋼組織について説明する。本発明の薄鋼板等の鋼組織は、組織観察より求めた、フェライト相の面積率が20%以上80%以下、マルテンサイト相の面積率が20%以上80%以下、鋼板表層部の平均フェライト粒径5.0μm以下、鋼板表層部の介在物密度が200個/mm2以下である。面積率、平均フェライト粒径、介在物密度は、実施例に記載の方法で得られる値を意味する。

0062

フェライト相の面積率:20%以上80%以下
フェライト相は優れた加工性を有するうえ、軟質であるため降伏強さを低くすることができる。本発明で求める加工性および降伏強さを得るため、フェライト相の面積率は20%以上とした。一方、フェライト相が過度に増加すると、引張強さ780MPaを得ることができなくなる。以上から、フェライト相の面積率を20%以上80%以下とした。下限について好ましいフェライト面積率は30%以上であり、上限について好ましいフェライト面積率は70%以下である。

0063

マルテンサイト相の面積率:20%以上80%以下
マルテンサイト相は高硬度であるため、鋼板の高強度化に寄与する。引張強さ780MPa以上を得るには、マルテンサイト相の面積率は20%以上必要である。一方、マルテンサイト相の面積率が80%を上回ると加工性が低下し、自動車用部材に適さなくなる。そのため、マルテンサイト相の面積率を80%以下とした。下限について好ましいマルテンサイト面積率は30%以上であり、上限について好ましいマルテンサイト面積率は70%以下である。

0064

上記の通り、鋼組織において、フェライトとマルテンサイトが重要であり、これらの合計が面積率で85%以上が好ましい。

0065

残部はベイナイト相、焼き戻しマルテンサイト相、残留オーステナイト相が挙げられる。ベイナイト相および焼き戻しマルテンサイト相は強度および材質定性を低下させるため、可能な限り低減することが好ましい。本発明ではベイナイト相と焼き戻しマルテンサイト相の面積率の合計で15%までは許容できる。より好ましくはそれら合計で10%以下である。残留オーステナイトは本発明では多くは生成されず、最大でも面積率で4%である。

0066

鋼板表層部の平均フェライト粒径:5.0μm以下
鋼板表層部は曲げ疲労時での負荷応力が板厚方向に対して最大となるため、曲げ疲労特性を向上させるためには、板厚中心付近ではなく表層部を制御する必要がある。上述の通り、表層部は熱延時の内部酸化層(表面より内側に形成され少なくとも一部が表層から20μmの深さまでに存在する酸化物の層)の形成、熱延時に生成されるスケールを介した脱炭や焼鈍時の炉内水分を介した脱炭により、表層部の組織は変化しうる。曲げ疲労特性を低下させないためには、鋼板表面から深さ20μmまでの範囲を制御すればよく、これを本発明では「鋼板表層部(鋼板の表層部)」と定義する。鋼板表層部に粗大なフェライト粒が存在していた場合、粗大なフェライト粒に対して集中してひずみが付与されるため、曲げ疲労時の亀裂発生の原因となる固執すべり帯が生成されることで曲げ疲労特性が低下する。この悪影響を抑制するには、鋼板表層部の平均フェライト粒径を5.0μm以下とする必要がある。好ましくは、3.5μm以下である。本発明で得られる平均フェライト粒径の下限値は0.5μm程度である。

0067

鋼板表層部の介在物密度:200個/mm2以下
鋼板表層部に存在する介在物は亀裂発生の原因となるため、できる限りその量を低減することが好ましい。本発明では200個/mm2まで許容できる。好ましくは、150個/mm2以下である。

0068

<特性>
次いで、本発明の薄鋼板等の特性について説明する。本発明の薄鋼板等においては、鋼板表面硬さが、鋼板表面から厚み方向に1/2t(tは鋼板の厚み)の位置の硬さ(鋼板中央部硬さ)を100%としたときに、95%以上である。

0069

鋼板表面硬さ≧鋼板中央部硬さ×0.95
曲げ疲労特性は、表層硬さにも依存する。表層硬さを表す鋼板表面硬さが、中央部硬さの95%を下回ると、疲労強度比(=疲労強度/引張強さ)が低下する。この悪影響を避けるには、鋼板表面硬さが中央部の硬さの95%以上とする必要がある。好ましくは、97%以上である。

0070

<薄鋼板>
薄鋼板の成分組成および鋼組織は上記の通りである。また、薄鋼板の厚みは特に限定されないが、鋼板の張力が増大し、焼鈍時の製造性が低下するという理由で板厚が3.2mm以下であることが好ましい。また、通常、厚みは0.8mm以上である。

0071

<めっき鋼板>
本発明のめっき鋼板は、本発明の薄鋼板と、その表面に形成されためっき層とから構成される。

0072

薄鋼板の成分組成および鋼組織については上記の通りであるため説明を省略する。

0073

続いて、めっき層について説明する。本発明のめっき鋼板において、めっき層は特に限定されず、例えば、溶融めっき層電気めっき層である。溶融めっき層には合金化したものも含む。めっき層は亜鉛めっき層が好ましい。亜鉛めっき層はAlやMgを含有してもよい。また、溶融亜鉛アルミニウムマグネシウム合金めっき(Zn−Al−Mgめっき層)も好ましい。この場合、Al含有量を1質量%以上22質量%以下、Mg含有量を0.1質量%以上10質量%以下とし残部はZnとすることが好ましい。また、Zn−Al−Mgめっき層の場合、Zn、Al、Mg以外に、Si、Ni、Ce及びLaから選ばれる一種以上を合計で1質量%以下含有してもよい。なお、めっき金属は特に限定されないため、上記のようなZnめっき以外に、Alめっき等でもよい。

0074

めっき層を構成する成分は特に限定されず、一般的な成分であればよい。例えば、溶融亜鉛めっき層や合金化溶融亜鉛めっき層の場合、めっき層は、質量%で、Fe:20.0質量%以下、Al:0.001質量%以上1.0質量%以下を含有し、さらに、Pb、Sb、Si、Sn、Mg、Mn、Ni、Cr、Co、Ca、Cu、Li、Ti、Be、Bi、REMから選択する1種または2種以上を合計で0質量%以上3.5質量%以下含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなる溶融亜鉛めっき層又は合金化溶融亜鉛めっき層である。通常、溶融亜鉛めっき層ではFe含有量が0〜5.0質量%であり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板ではFe含有量が5.0質量%超〜20.0質量%である。

0075

なお、めっき金属は特に限定されないため、上記のようなZnめっき以外に、Alめっき等でもよい。

0076

<熱延鋼板の製造方法>
以下、熱延鋼板の製造方法から順に製造方法の発明について説明する。なお、以下の説明において、温度は特に断らない限り鋼板表面温度とする。鋼板表面温度は放射温度計等を用いて測定し得る。また、平均冷却速度は((冷却前の表面温度−冷却後の表面温度)/冷却時間)とする。

0077

熱延鋼板の製造方法は、上記成分組成を有する鋼素材を、1100℃以上1300℃以下で加熱し、粗圧延と仕上げ圧延からなる熱間圧延を施すにあたり、仕上げ圧延開始温度を1050℃以下、仕上げ圧延終了温度を820℃以上、仕上げ圧延終了後冷却開始まで3秒以内で600℃までの平均冷却速度30℃/s以上で冷却し、350℃以上580℃以下で巻き取る方法である。

0078

上記鋼素材製造のための、溶製方法は特に限定されず、転炉電気炉等、公知の溶製方法を採用することができる。また、真空脱ガス炉にて2次精錬を行ってもよい。その後、生産性品質上の問題から連続鋳造法によりスラブ(鋼素材)とするのが好ましい。また、造塊−分塊圧延法、薄スラブ連鋳法等、公知の鋳造方法でスラブとしてもよい。

0079

鋼素材の加熱温度:1100℃以上1300℃以下
本発明においては、粗圧延に先立ち鋼素材を加熱して、鋼素材の鋼組織を実質的に均質なオーステナイト相とする必要がある。820℃以上で仕上げ圧延を完了させるには、加熱温度は1100℃以上とする必要がある。一方、加熱温度が1300℃を上回ると鋼板表層部に生成される内部酸化層の厚さが酸洗で除去できないほど増加するため、曲げ疲労特性が低下する。以上から、鋼素材の加熱温度は1100℃以上1300℃以下とした。下限について望ましい加熱温度は1120℃以上である。上限について望ましい加熱温度は1260℃以下である。なお、上記加熱後の粗圧延の粗圧延条件については特に限定されない。

0080

仕上げ圧延開始温度:1050℃以下
仕上げ圧延終了温度:820℃以上
仕上げ圧延入り側で、一旦スケールが除去されるが、仕上げ圧延中に生成されるスケールや内部酸化層が曲げ疲労特性に悪影響をおよぼす。スケールおよび内部酸化層の生成量は温度に依るので、可能な限り低温圧延を開始する必要がある。また、仕上げ圧延温度が高いとフェライト粒が大きくなる傾向にある。本発明では、1050℃までは許容できるので、仕上げ圧延開始温度を1050℃以下とした。なお、仕上げ圧延開始温度の下限は、1000℃以上が好ましい。一方、仕上げ圧延終了温度が820℃を下回ると、圧延時にオーステナイト相からフェライト相への変態が進行するため、鋼板表面における強度ばらつきが大きくなり、冷間圧延性を大きく低下させ、冷間圧延時の板の破断といったトラブルの原因となる。したがって、仕上げ圧延終了温度は820℃以上とした。また、仕上げ圧延終了温度の上限は、900℃以下が好ましい。

0081

仕上げ圧延終了後冷却開始までの時間:3秒以内(0秒を含む)
600℃までの平均冷却速度:30℃/s以上
仕上げ圧延終了後はスケールおよび内部酸化層の生成を抑制するため、可能な限り早く冷却を開始する必要がある。また、フェライト粒の粗大化を抑える点からも冷却までの時間は短い方が好ましい。本発明では3秒までは許容できるため、仕上げ圧延完了後、冷却開始までの経過時間は3秒以内とした。冷却時の平均冷却速度が小さい場合には、高温に暴露される時間が長くなるため、スケールが生成されることとなる。また、フェライト粒も大きくなる傾向にある。スケールの生成は、短時間では600℃以上で進行する。これを抑制するため、冷却時の冷却開始から600℃まで平均冷却速度は30℃/s以上とした。好ましくは、冷却開始まで2秒以内で580℃までの平均冷却速度35℃/s以上で冷却することである。なお、冷却開始温度は仕上げ圧延終了温度とほぼ一致する(仕上げ圧延終了後冷却開始までの時間である3秒以内において若干温度低下するのみである)。冷却停止温度は通常は下記の巻取温度である。600℃から巻取温度までの平均冷却速度(好ましい範囲においては580℃から巻取温度までの平均冷却速度)は特に限定されず、30℃/s以上であっても、30℃/s未満であってもよい。

0082

巻取温度:350℃以上580℃以下
巻取後の鋼板が室温までに冷却されるには、少なくとも1時間以上を要する。この間の内部酸化層やスケール生成を抑制し、介在物密度を抑えるため、巻き取り温度は580℃以下とする必要がある。一方、巻き取り温度が350℃を下回ると、板の形状が悪化し、冷間圧延性の低下を招く。そのため、巻取温度の範囲を350℃以上580℃以下とした。下限について好ましい巻取温度は400℃以上である。上限について好ましい巻取温度は550℃以下である。

0083

上記巻取後、空冷等により鋼板は冷やされ、下記の冷延フルハード鋼板の製造に用いられる。なお、熱延鋼板が中間製品として取引対象となる場合、通常、巻取後に冷やされた状態で取引対象となる。

0084

<冷延フルハード鋼板の製造方法>
本発明の冷延フルハード鋼板の製造方法は、上記方法で得られた熱延鋼板に、板厚減少量が5μm以上50μm以下の酸洗を施し、該酸洗後、冷間圧延を施す方法である。

0085

板厚減少量:5μm以上50μm以下
曲げ疲労特性向上の観点から、熱延鋼板の製造の際に不可避的に生成された内部酸化層やスケールを介した脱炭層を除去する必要がある。また、介在物密度を抑える点からも一定以上の板厚減少量の酸洗を行う必要がある。曲げ疲労特性を改善するには、少なくとも5μm以上、板厚を酸洗で減少させる必要がある。一方、板厚減少量が50μmを上回ると、鋼板表面の粗度が悪化し冷間圧延性に悪影響をもたらす。そこで、酸洗での板厚減少量の範囲を5μm以上50μm以下とした。下限について好ましい板厚減少量は10μm以上であり、上限について好ましい板厚減少量は40μm以下である。

0086

冷間圧延
所望の板厚を得るため、酸洗後の熱延板(熱延鋼板)に冷間圧延を施す必要がある。冷間圧延における圧延率は特に限定されないが、通常、下限については30%以上であり、上限については95%以下である。

0087

<薄鋼板の製造方法>
薄鋼板の製造方法には、冷延フルハード鋼板を加熱し冷却して薄鋼板を製造する方法と、冷延フルハード鋼板を前処理加熱及び酸洗して熱処理板とし該熱処理板を加熱し冷却して薄鋼板を製造する方法とがある。先ず前処理加熱及び酸洗を行わない方法について説明する。

0088

前処理加熱及び酸洗を行わない薄鋼板の製造方法は、上記で得られた冷延フルハード鋼板を、焼鈍温度780℃以上860℃以下まで加熱し、該加熱後、550℃までの平均冷却速度が20℃/s以上、冷却停止温度が250℃以上550℃以下の条件で冷却する方法であり、上記加熱及び冷却における600℃以上の温度域の露点を−40℃以下とする。

0089

焼鈍温度:780℃以上860℃以下
焼鈍では、冷間圧延で与えられたひずみを除去したうえで、フェライト相を残存させる必要がある。焼鈍温度が780℃を下回ると、冷間圧延で与えられたひずみが除去されず延性が著しく低下し、自動車用途の部材として適さなくなる。一方、焼鈍温度が860℃を上回るとフェライト相がなくなることで加工性が低下する。以上から、焼鈍温度は780℃以上860℃以下とした。下限について好ましい焼鈍温度は790℃以上であり、上限について好ましい焼鈍温度は850℃以下である。なお、通常、所定の焼鈍温度で均熱保持されて、下記の条件の冷却を行う。

0090

550℃までの平均冷却速度:20℃/s以上
冷却停止温度:250℃以上550℃以下
上記焼鈍温度での加熱後は急冷することによってフェライト粒成長を抑制する必要がある。フェライト粒成長を抑制するには550℃までの平均冷却速度が20℃/s以上である必要がある。上限については100℃/s以下が好ましい。550℃以上ではフェライト粒成長する可能性があるため、平均冷却速度を調整する温度範囲を550℃までとし、冷却停止温度の上限を550℃とした。好ましくは、平均冷却速度を調整する温度範囲を530℃までとし、冷却停止温度の上限が530℃である。一方、冷却停止温度が250℃を下回ると鋼板の形状が悪化し、製品として適さなくなるので、冷却停止温度は250℃以上とした。好ましくは、300℃以上である。なお、550℃から冷却停止温度までの平均冷却速度は特に限定されず、20℃/s以上でも、20℃/s未満でもよい。

0091

600℃以上の温度域の露点:−40℃以下
焼鈍時、600℃以上の温度域において露点が高くなると、空気中の水分を介して脱炭が進行し、鋼板表層部のフェライト粒が粗大化するうえ硬さが低下するために、安定的に優れた引張強度が得られなかったり、曲げ疲労特性が低下したりする。そのため、焼鈍時に600℃以上の温度域の露点は−40℃以下とする必要がある。好ましくは、−45℃以下である。なお、通常の加熱、均熱保持、冷却の過程を経る焼鈍の場合は、全過程において600℃以上の温度域については−40℃以下とする必要がある。雰囲気の露点の下限は特に規定はしないが、−80℃未満では効果が飽和し、コスト面で不利となるため−80℃以上が好ましい。なお、上記温度域の温度は鋼板表面温度を基準とする。即ち、鋼板表面温度が上記温度域にある場合に、露点を上記範囲に調整する。

0092

続いて、前処理加熱及び酸洗を行い熱処理板とした後、薄鋼板を製造する方法について説明する。

0093

冷延フルハード鋼板に対して前処理加熱及び酸洗を施すことで、冷間圧延で与えられたひずみを除去することができるので、焼鈍の際に焼鈍温度を低温化させることができ、表層からの脱炭を安定的に抑制することが可能である。

0094

前処理加熱及び酸洗では、鋼板を780℃以上860℃以下に加熱し、酸洗で2μm以上30μm以下の範囲で板厚を減少させる。

0095

前処理加熱の加熱温度が780℃を下回ると冷間圧延時で与えられたひずみを除去することができない。一方、860℃を上回ると、焼鈍ライン炉体に対する熱による損傷が大きくなり生産性を低下させる。そのため、前処理加熱での加熱温度は780℃以上860℃以下とした。下限について好ましい加熱温度は790℃以上であり、上限について好ましい加熱温度は850℃以下である。

0096

上記加熱後に、板厚減少量が2μm以上30μm以下の酸洗を施す。前処理加熱で生成された内部酸化層や脱炭層を除去するため、上記加熱後に板厚減少量が2μm以上の酸洗を施す必要がある。一方、板厚減少量が30μmを上回ると鋼板表層の結晶粒が焼鈍の際にロールで剥がれ落ちやすくなり、鋼板の表面性状を著しく悪化させる。そのため、板厚減少量上限を30μmとした。下限について好ましい板厚減少量は5μm以上であり、上限について好ましい板厚減少量は25μm以下である。

0097

上記酸洗後に焼鈍を行う。その際の焼鈍温度は720℃以上780℃以下である。焼鈍温度が720℃を下回ると焼鈍ラインの通板中に板が蛇行することで生産性の低下につながる。一方、焼鈍温度が780℃を上回ると、前処理加熱酸洗を設けることで鋼板表層部の清浄度を向上させたメリットが失われる。そのため、焼鈍温度は720℃以上780℃以下とした。なお、焼鈍温度以外の条件、露点等は、前処理加熱及び酸洗を行わない場合と同様であるため説明を省略する。

0098

<めっき鋼板の製造方法>
本発明のめっき鋼板の製造方法は、上記薄鋼板にめっきを施す方法である。めっき処理の種類は特に限定されず、例えば、溶融めっき処理電気めっき処理である。溶融めっき処理は、溶融めっき後に合金化を行う処理であってもよい。具体的には、溶融亜鉛めっき処理溶融亜鉛めっき後に合金化を行う処理でめっき層を形成してもよいし、Zn−Ni電合金めっき等の電気めっきにより、めっき層を形成してもよいし、溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム合金めっきを施してもよい。自動車用鋼板に多用される溶融めっきを行う場合には、上記焼鈍を連続溶融めっきラインで行い、焼鈍後の冷却に引き続いて溶融めっき浴に浸漬して、表面にめっき層を形成すればよい。また、上述のめっき層の説明で記載の通り、Znめっきが好ましいが、Alめっき等の他の金属を用いためっき処理でもよい。

0099

表1に示す成分組成を有する厚み250mmの鋼素材に、表2および表3に示す熱延条件で熱間圧延を施して熱延板(熱延鋼板)とし、表2および表3に示す条件で酸洗し、表2および表3に示す条件で冷間圧延を施して冷延板(冷延フルハード鋼板)とし、表2および表3(表3の製造条件は熱処理板を製造し、この熱処理板を焼鈍する製造条件である。)に示す焼鈍条件冷延鋼板(CR材)は連続焼鈍ラインで、溶融めっき鋼板GI材)もしくは合金化溶融めっき鋼板(GA材)は連続溶融めっきラインで焼鈍を施した。合金化めっき鋼板の製造ではめっき後に合金化処理を施した。ここで、連続溶融めっきラインで浸漬するめっき浴(めっき組成:Zn−0.13質量%Al)の温度は460℃であり、めっき付着量はGI材(溶融めっき鋼板)、GA材(合金化溶融めっき鋼板)ともに片面当たり45g/m2以上65g/m2以下とし、合金化溶融亜鉛めっき層の場合にはめっき層中に含有するFe量は6質量%以上14質量%以下の範囲とした。また、溶融亜鉛めっき層の場合にはめっき層中に含有するFe量は4質量%以下の範囲とした。なお、薄鋼板の厚みは1.4mmであった。

0100

上記により得られた薄鋼板(CR材、GI材およびGA材)から試験片採取し、以下の手法で評価した。

0101

(i)組織観察
各相の面積率は以下の手法により評価した。鋼板から、圧延方向に平行な板厚断面観察面となるよう切り出し、中心部を1%ナイタールで腐食現出し、走査電子顕微鏡で2000倍に拡大して板厚1/4部を10視野撮影した。フェライト相は粒内に腐食痕やセメンタイトが観察されない形態を有する組織であり、マルテンサイトは白いコントラストで粒内に炭化物が観察されない形態を指す。これらを画像解析によりフェライト相およびマルテンサイト相を分離し、観察視野に対する面積率を求めた。フェライト相およびマルテンサイト相以外のベイナイト相および残留オーステナイト相を含む場合には記号で表3に示した。なお、表2および表3に示す焼鈍条件では焼き戻しマルテンサイトは観察されなかった。

0102

鋼板表層部のフェライト粒径は、鋼板から、圧延方向に平行な板厚断面が観察面となるよう切り出し、鋼板表面(めっき層の表面ではなく薄鋼板部分の表面)から板厚方向に20μmの領域を1%ナイタールで腐食現出し、走査電子顕微鏡で2000倍に拡大して鋼板表層部を10視野分撮影し、この撮影画像におけるフェライト粒を対象に、画像解析により各フェライト粒の面積を求め、その面積に相当する円相当径を求めた。表4には、その円相当径の平均値を平均フェライト粒径として示した。

0103

鋼板表層部の介在物密度は、鋼板から圧延方向に平行な板厚断面が観察面となるように切り出し、鋼板表面(めっき層の表面ではなく薄鋼板部分の表面)から板厚方向に20μmの領域である観察面を鏡面研磨した後、光学顕微鏡で400倍に拡大して実際の長さで1mm分の鋼板表層部の連続写真を撮影した。得られた写真を用いて、鋼板表面から深さ20μmまでの範囲に黒いコントラストで観察される介在物の個数を数え、その個数を測定面積で除して介在物密度を求めた。

0104

(ii)引張試験
得られた鋼板から圧延方向に対して垂直方向にJIS5号引張試験片を作製し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠した引張試験を5回行い、平均の降伏強度(降伏強さ)(YS)、引張強さ(TS)、全伸び(El)を求めた。引張試験のクロスヘッドスピードは10mm/minとした。表3において、引張強さ:780MPa以上、降伏比(=降伏強さ/引張強さ)が0.75以下の鋼板を本発明で求める機械的性質とした。

0105

(iii)曲げ疲労特性
得られた鋼板から圧延方向に対して垂直方向にJIS Z 2275に準拠した板幅15mmの1号試験片を採取し、平面曲げ疲労試験機を用いてJIS Z 2273に準拠した曲げ疲労試験を行った。応力比−1、繰り返し速度20Hz、最大繰り返し数を107回として、107回の応力付加で破断に至らなかった応力振幅を求め、引張強さで除して疲労強度比を求めた。本発明で求める疲労強度比は0.70以上とした。

0106

(iv)硬さ
鋼板表面と鋼板内部の硬さはビッカース硬さ試験によって求めた。鋼板表面の硬さは、めっき層を有する場合はめっき層を酸洗により除去した鋼板表面から試験荷重0.2kgfで計20点測定し、平均値を求めた。鋼板内部の硬さは圧延方向に平行な断面の板厚1/2部を試験荷重1kgfで計5点測定し、平均値を求めた。鋼板表面の硬さの平均値が鋼板内部の硬さの平均値の95%以上(表中の0.95以上)であれば、本発明で求める特性とした。

0107

0108

0109

実施例

0110

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