図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2018年3月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

保存安定性が良好であり、ポリ塩化ビニルフィルムポリプロピレンフィルム等の非浸透性記録媒体に対する、定着性耐擦過性耐溶剤性画像光沢性、及び密着性に優れる画像が得られるインクの提供。

解決手段

水、有機溶剤ポリシロキサン界面活性剤アクリルシリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であるインクである。

概要

背景

広告看板等の産業用途において、耐光性耐水性耐摩耗性等の耐久性を向上させるため、例えば、プラスチックフィルム等の非浸透性記録媒体が使用されており、前記非浸透性記録媒体に用いられるインクが種々開発されている。

このようなインクとしては、例えば、有機溶剤溶媒として用いた溶剤系インク重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクなどが広く用いられている。しかし、前記溶剤系インクは、有機溶剤蒸発による環境への影響が懸念される。前記紫外線硬化型インクは、安全性の面から使用する重合性モノマーの選択肢が限られる場合がある。
そこで、環境負荷が少なく、非浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。

概要

保存安定性が良好であり、ポリ塩化ビニルフィルムポリプロピレンフィルム等の非浸透性記録媒体に対する、定着性耐擦過性耐溶剤性画像光沢性、及び密着性に優れる画像が得られるインクの提供。水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤アクリルシリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であるインクである。なし

目的

本発明は、保存安定性が良好であり、ポリ塩化ビニルフィルムやポリプロピレンフィルム等の非浸透性記録媒体に対する、定着性、耐擦過性、耐溶剤性、画像光沢性、及び密着性に優れる画像が得られるインクを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

水、有機溶剤ポリシロキサン界面活性剤アクリルシリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とするインク

請求項2

前記有機溶剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1に記載のインク。ただし、前記一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、エーテル結合を有していてもよい炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。

請求項3

前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、4以下である請求項1から2のいずれかに記載のインク。

請求項4

前記ポリシロキサン界面活性剤の含有量が、1.0質量%以上2.0質量%以下である請求項1から3のいずれかに記載のインク。

請求項5

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子のガラス転移温度が、0℃以下である請求項1から4のいずれかに記載のインク。

請求項6

請求項1から5のいずれかに記載のインクに刺激印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法

請求項7

前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む請求項6に記載のインクジェット記録方法。

請求項8

前記加熱工程における加熱温度が、40℃以上100℃以下である請求項7に記載のインクジェット記録方法。

請求項9

記録媒体と、前記記録媒体上に、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂、及びウレタン樹脂を含有する画像と、を有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂/ウレタン樹脂)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とする記録物

技術分野

0001

本発明は、インクインクジェット記録方法、及び記録物に関する。

背景技術

0002

広告看板等の産業用途において、耐光性耐水性耐摩耗性等の耐久性を向上させるため、例えば、プラスチックフィルム等の非浸透性記録媒体が使用されており、前記非浸透性記録媒体に用いられるインクが種々開発されている。

0003

このようなインクとしては、例えば、有機溶剤溶媒として用いた溶剤系インク重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクなどが広く用いられている。しかし、前記溶剤系インクは、有機溶剤蒸発による環境への影響が懸念される。前記紫外線硬化型インクは、安全性の面から使用する重合性モノマーの選択肢が限られる場合がある。
そこで、環境負荷が少なく、非浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、保存安定性が良好であり、ポリ塩化ビニルフィルムポリプロピレンフィルム等の非浸透性記録媒体に対する、定着性耐擦過性耐溶剤性画像光沢性、及び密着性に優れる画像が得られるインクを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤アクリルシリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下である。

発明の効果

0006

本発明によると、保存安定性が良好であり、ポリ塩化ビニルフィルムやポリプロピレンフィルム等の非浸透性記録媒体に対する、定着性、耐擦過性、耐溶剤性、画像光沢性、及び密着性に優れる画像が得られるインクを提供することができる。

図面の簡単な説明

0007

図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。
図2は、図1の装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。
図3は、図1の装置の加熱手段の一例を示す概略図である。

0008

(インク)
本発明にインクは、水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明のインクは、一般的に、溶剤系インクは、インク中の有機溶剤により非浸透性記録媒体を膨潤させながら定着するため、非浸透性記録媒体に対する定着性に優れるが、従来の水性インクでは、最終記録物としてはインク塗膜が記録媒体上に留まる構成となるため、インク塗膜の記録媒体への定着性が不十分であり、高速記録性に劣るという問題があるという知見に基づくものである。また、屋外用途を想定した場合、記録物の耐擦過性についても、屋内向けとは比較できないほどの強靭な耐擦過性、画像硬度などの性質が求められている。しかし、従来の水性インクでは溶剤系インクに匹敵する十分な前記性質が得られていないという問題があるという知見に基づくものである。

0009

また、本発明者らは、以下のことを知見した。
インクに含まれる成分のうち、界面活性剤選定は記録する非浸透性記録媒体へのインクの定着性を左右するため、その果たす役割は非常に大きい。本発明者らは、ポリシロキサン界面活性剤のうち、HLB値が、8以下である化合物をインクに加えることでインクの定着性が著しく向上することを知見した。その理由については定かではないが、HLB値が8以下であると疎水性が高まることで、各種非浸透性記録媒体との親和性が向上するためと推察される。
また、前記インクの非浸透性記録媒体への定着性が向上することにより、高速記録時においても隣接インク滴同士が着弾後に合一収縮する現象ビーディング)を抑制することができ、高品位の画像を得ることができることを見出した。また、定着速度の向上は、乾燥性向上も高めることができ、密着性を向上できることから、記録後の記録媒体巻き取り時に裏紙への転写を抑制できることを知見した。

0010

しかし、HLB値が8以下であると水溶性油溶性バランスが油溶性に偏ることがある。そのような場合、水分がインクの全成分のうち30質量%を超えるような水性インクにおいて、界面活性剤がインク中に溶け難くなり、油相水相に分離する相分離を引き起こしやすくなる。その結果、インクの保存安定性の低下を招くことがある。

0011

そこで、本発明者らは、アクリル−シリコーン樹脂粒子をインク中に所定量添加したところ、前記ポリシロキサン界面活性剤をインク中に安定化させることができることを見出した。これにより、インクジェット記録用インクとして想定される使用温度範囲内において、インクの相分離を解消することができる。

0012

<ポリシロキサン界面活性剤>
前記ポリシロキサン界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の側鎖に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の末端に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物などが挙げられる。なお、前記ポリシロキサン界面活性剤とは、その構造中にポリシロキサン構造を有していればよく、ポリシロキサン系界面活性剤も含む意味である。

0013

前記親水性の基や前記親水性ポリマー鎖としては、例えば、ポリエーテル基ポリエチレンオキシドポリプロピレンキンドやこれらの共重合体等)、ポリグリセリン(C3Η6O(CH2CH(OH)CH2O)n−H等)、ピロリドンベタイン(C3Η6N+(C2H4)2−CH2COO—等)、硫酸塩(C3H6O(C2H4O)n−SO3Na等)、リン酸塩(C3Η6O(C2H4O)n−P(=O)OHONa等)、4級塩(C3H6N+(C2H4)3Cl−等)などが挙げられる。ただし、前記化学式中、nは1以上の整数を表す。これらの中でも、ポリエーテル基を有することが好ましい。
また、末端に重合性ビニル基を有するポリジメチルシロキサン等と、共重合可能なその他のモノマー(前記モノマーの少なくとも一部には(メタアクリル酸、又はその塩などの親水性モノマーを用いることが好ましい)と、の共重合で得られる側鎖にポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系化合物鎖を有するビニル系共重合体なども好適に挙げられる。
これらの中でも、ポリシロキサン構造を有する化合物であり、かつ親水性ポリマー鎖を有する化合物が好ましく、前記親水性ポリマー鎖としてポリエーテル基を含有することがより好ましく、ポリシロキサン界面活性剤が疎水基としてメチルポリシロキサンを有し、親水基としてポリオキシエチレンの構造を有する非イオン界面活性剤であることが特に好ましい。

0014

前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値としては、8以下であり、4以下が好ましい。前記HLB値が、8以下であると、各種非浸透性記録媒体に対して、インクジェット記録しても、優れたインク定着性を確保することができ、さらに、4以下であると画像光沢度を高めることができる。

0015

ここで、HLB値とは界面活性剤の親水基と親油基とのバランスを意味し、前記HLB値は0〜20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。前記HLB値は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
HLB値=20×(親水部の式量の総和/分子量)

0016

前記ポリシロキサン界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物などが挙げられる。

0017

前記ポリシロキサン界面活性剤としては、市販品を用いることができ、前記市販品としては、例えば、シルフェイスSAG005(HLB値:7.0)、シルフェイスSAG008(HLB値:7.0)、(以上、日信化学工業株式会社製)、FZ2110(HLB:1.0)、FZ2166(HLB値:5.8)、SH−3772M(HLB値:6.0)、L7001(HLB値:7.4)、SH−3773M(HLB値:8.0)、(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、KF−945(HLB値:4.0)、KF−6017(HLB値:4.5)、(以上、信越化学工業株式会社製)、FormBan MS−575(Ultra Addives Inc.社製、HLB値:5.0)などが挙げられる。

0018

前記ポリシロキサン界面活性剤の含有量としては、インク全量に対して、0.1質量%以上4.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上4.0質量%以下であると、各種非浸透性記録媒体へのインクの定着性を向上でき、さらに光沢等の画像品質も向上できる。

0019

<アクリル−シリコーン樹脂粒子>
前記アクリル−シリコーン樹脂粒子は、インク中における前記ポリシロキサン界面活性剤の分離の発生を抑制でき、他の諸特性を向上させることができる。

0020

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子は、アクリル系モノマーシラン化合物とを乳化剤、更に必要に応じてシランカップリング剤の存在下で重合して得ることのできるシリコーン変性アクリル樹脂粒子である。

0023

前記乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩エチレンジアミンポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン縮合物ソルビタン脂肪酸エステル又はその塩、芳香族乃至脂肪族リン酸エステル又はその塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸塩ラウリル硫酸塩ジアルキルスルホコハク酸塩ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩アルキルフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステルラウリルアルコールエトキシレートラウリルエーテル硫酸エステル塩、ラウリルエーテルリン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミドナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記塩としては、例えば、ナトリウム塩アンモニウム塩などが挙げられる。

0024

前記乳化剤としては、不飽和二重結合を有する反応性乳化剤を使用することもできる。
前記反応性乳化剤としては、例えば、アデカリアソープSE、NE、PP(株式会社ADEKA製)、ラテムルS−180(花王株式会社製)、エレミノールJS−2、エレミノールRS−30(三洋化成工業株式会社製)、アクアロンRN−20(第一工業製薬株式会社製)などが挙げられる。

0025

前記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデンプロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビストリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。

0026

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の体積平均粒径としては、10nm以上300nm以下が好ましく、40nm以上200nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が10nm以上であると、合成した時に樹脂エマルジョンの粘度が高くなることを防止し、吐出安定性を向上でき、300nm以下であると、プリンタノズル内でアクリル−シリコーン樹脂粒子が詰まり吐出不良が発生することを防止できる。

0027

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子に由来するシリコーンの含有量としては、インク全量に対して、0.01質量%以上0.04質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.01質量%以上であると、耐擦過性、及び耐マーカー性に優れた塗膜を得ることができ、0.04質量%以下であると、保存安定性を向上できる。

0028

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)としては、0℃以下が好ましく、−15℃以上0℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が、0℃以下であると、耐擦過性を向上できる。

0029

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の最低造膜温度としては、20℃以下が好ましい。前記最低造膜温度が、20℃以下であると、定着性を向上できる。すなわち、記録部を擦ったりマーカーでなぞったりすると顔料が取れて記録媒体を汚すことを防止できる。

0030

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子としては、市販品を使用することができ、例えば、AQ914(ダイセルフインケム株式会社製、固形分濃度:24質量%、Tg:50℃)、SA−6360(DIC株式会社製、固形分濃度:50質量%、Tg:21℃)、サイマック480(東亞合成株式会社製、固形分濃度:30質量%、Tg:0℃)、AE980(株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:−14℃)、AE981A(株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:−15℃)、AE982(株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:0℃)などが挙げられる。

0031

前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量としては、インク全量に対して、0.5質量%以上5質量%以下が好ましく、0.8質量%以上2.5質量%以下がより好ましい。

0032

ポリウレタン樹脂粒子
前記ポリウレタン樹脂粒子は、高い画像光沢度、及び耐擦過性を付与することができることができる。さらに、驚くべきことに、前記ポリシロキサン界面活性剤、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びポリウレタン樹脂粒子を併用することにより、記録後に形成される塗膜の耐擦過性だけでなく、耐溶剤性も大きく向上することができる。

0033

前記ポリウレタン樹脂粒子としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂粒子、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子、ポリエステル系ポリウレタン樹脂粒子などが挙げられる。

0034

前記ポリウレタン樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂粒子などが挙げられる。

0035

−ポリオール−
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールポリカーボネートポリオールポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0036

−−ポリエーテルポリオール−−
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の少なくとも1種を出発原料として、アルキレンオキサイド付加重合させたものなどが挙げられる。

0037

前記活性水素原子を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールプロピレングリコールトリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールグリセリントリメチロールエタントリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0038

前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブチレンオキサイドスチレンオキサイドエピクロルヒドリンテトラヒドロフランなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0039

前記ポリエーテルポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非常に優れた耐擦過性を付与できるインク用バインダーを得る点から、ポリオキシテトラメチレングリコールポリオキシプロピレングリコールが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0040

−−ポリカーボネートポリオール−−
また、前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0041

前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネートジメチルカーボネートエチルカーボネートジエチルカーボネートシクロカーボネートジフェニルカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0042

前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールハイドロキノンレゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネートポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0043

−−ポリエステルポリオール−−
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0044

前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸アジピン酸セバシン酸ドデカンジカルボン酸テレフタル酸イソフタル酸フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0045

−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネートトリレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネートナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートヘキサメチレンジイソシアネートリジンジイソシアネートシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートジシクロヘキシルメタンジイソシアネートキシリレンジイソシアネートテトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明のインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂環式ジイソシアネートが好ましい。

0046

更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを使用することにより、目的とする塗膜強度、及び耐擦過性を得やすくなる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。

0047

[ポリウレタン樹脂粒子の製造方法]
前記ポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。

0048

前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できる有機溶剤としては、例えば、アセトンメチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類酢酸エチル酢酸ブチル等の酢酸エステル類アセトニトリル等のニトリル類ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。

0050

前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコールサッカロースメチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類;水などが挙げられる。これらは、インクの保存安定性が低下しない範囲内であれば、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0051

前記ポリウレタン樹脂粒子としては、カーボネート基の高い凝集力により耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性、及び画像の耐擦過性の点から、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子が好ましい。前記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子である場合、屋外用途のような過酷な環境において使用される記録物に適したインクが得られる。

0052

前記ポリウレタン樹脂粒子としては、市販品を使用してもよく、例えば、ユーコートUX−485(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子)、ユーコートUWS−145(ポリエステル系ポリウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−368T(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子)、パーマリンUA−200(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂粒子)(以上、三洋化成工業株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0053

前記樹脂粒子は、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが好ましい。
有機溶剤、色材、及び水と配合して水性のインクを調製する作業の容易性や、前記インク中にできるだけ均一に分散させること等を考慮すると、樹脂粒子が水を分散媒として安定に分散した状態である、樹脂エマルジョンの状態でインクに添加することが好ましい。

0054

前記樹脂粒子は、インクへ添加する有機溶剤に溶解することで容易に造膜し、膜状の記録層が形成される。有機溶剤及び水の蒸発に伴い樹脂粒子の造膜が促進される。そのため、本発明のインクを使用すると、加熱工程を有さない記録を行うことも可能である。

0055

前記樹脂粒子を、水を分散媒として分散させるにあたり、樹脂粒子としては、分散剤を利用した強制乳化型の樹脂粒子、分子構造中にアニオン性基を有する、いわゆる自己乳化型の樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、記録物の強度を上げる点から、分子構造中にアニオン性基を有する自己乳化型の樹脂粒子が好ましい。

0056

前記自己乳化型の樹脂粒子のアニオン性基の酸価としては、水分散性、耐擦過性、及び耐薬品性の点から、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下がより好ましい。

0057

前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基カルボキシレート基スルホン酸基スルホネート基などが挙げられる。これらの中でも、良好な水分散安定性を維持する点から、一部又は全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基が好ましい。前記アニオン性基を樹脂中に導入するには、前記アニオン性基を持ったモノマーを使用すればよい。

0058

前記アニオン性基を有する樹脂粒子の水分散体を製造する方法としては、水分散体にアニオン性基の中和に使用できる塩基性化合物を添加する方法などが挙げられる。
前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニアトリエチルアミンピリジンモルホリン等の有機アミンモノエタノールアミン等のアルカノールアミン;Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する方法としては、例えば、ノニオン性界面活性剤アニオン性界面活性剤等の界面活性剤を用いる方法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐水性の点から、ノニオン性界面活性剤を用いる方法が好ましい。

0059

前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルポリオキシエチレン誘導体ポリオキシエチレン脂肪酸エステルポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレン硬化ひまし油ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテルポリオキシエチレンアルキルアミンアルキルアルカノールアミドポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0060

前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩アルキルベンゼンスルホン酸塩α−オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリ酸塩スルホコハク酸塩エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩脂肪酸塩ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物アルキルアミン塩第四級アンモニウム塩アルキルベタインアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩が好ましい。

0061

前記強制乳化型の樹脂粒子を用いて水分散体を製造する場合、前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、強制乳化型の樹脂粒子全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上30質量%以下の範囲内であれば、好適に樹脂粒子が造膜し、付着性や耐水性に優れたインクが得られ、記録物がブロッキングすることなく好適に用いられる。

0062

前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、インクジェット記録装置に使用することを考慮すると、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上500nm以下がより好ましく、10nm以上200nm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が、10nm以上1,000nm以下であると、有機溶剤と樹脂粒子表面との接触部位が増加し、樹脂粒子の造膜性が高まり、強靭な樹脂の連続被膜が形成されるため、高い強度の記録物を得ることができる。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラックODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。

0063

前記樹脂粒子の定性及び定量としては、例えば、「プラスチック材料の各動特性試験法と評価結果(22);安田武夫著、プラスチックス:日本プラスチック工業連盟誌/「プラスチックス」編集委員会編」に詳述されているような手順で確認することができる。具体的には、赤外線分光分析(IR)、熱分析DSC、TG/DTA)、熱分解ガスクロマトグラフィ(PyGC核磁気共鳴法(NMR)などで分析することにより確認することができる。

0064

前記樹脂粒子のガラス転移温度としては、示差走査熱量計セイコーインスツルメンツ株式会社製、DSC6200)を用いて測定することができる。具体的には、下記の連続する温度プログラム1〜4の条件で測定を行い、温度プログラム3で測定された値をガラス転移温度とする。前記温度プログラムにおいて測定を行い、温度プログラム3の測定値を用いるのは、測定値の再現性を確保するためである。
温度プログラム:
1.30℃以上250℃以下:昇温速度30℃/分間、保持時間1分間
2.250以上−100℃以下:冷却速度30℃/分間、保持時間30分間
3.−100以上250℃以下:昇温速度5℃/分間、保持時間1分間
4.250以上30℃以下:冷却速度30℃/分間、保持時間2分間

0065

本発明のインクは、加熱を行うと、残留溶剤が低減して接着性が向上することができる。特に、樹脂粒子の最低造膜温度(以下、「MFT」とも称することがある)が80℃を超える場合、樹脂の造膜不良なく、画像堅牢性を向上できる点から、加熱をすることが好ましい。また、加熱は、記録媒体にインクを付与した後、記録後に行うことが好ましい。

0066

なお、本発明のインクを得るために樹脂エマルジョンの最低造膜温度を調整する場合、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度(以下、「Tg」とも称することがある)をコントロールすることで調整することができ、樹脂粒子が共重合体である場合には、前記共重合体を形成するモノマーの比率を変えることにより調整することができる。なお、前記最低造膜温度とは、樹脂粒子をアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていったときに透明な連続フィルムが形成される最低温度のことをいい、前記最低造膜温度未満の温度領域では、エマルジョン白色粉末状となる点をいう。前記最低造膜温度は、例えば、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)、「TP−801MFTテスター」(テスター産業株式会社製)などの市販の最低造膜温度測定装置により測定することができる。
また、前記最低造膜温度は、樹脂粒子の体積平均粒径によっても変化するため、樹脂粒子の体積平均粒径の制御因子により樹脂粒子の最低造膜温度を狙いの値とすることができる。

0067

[質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)]
前記質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)としては、0.5以上4.0以下である。前記質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であると、耐擦過性、及び密着性を向上することができる。

0068

<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性有機溶剤などが挙げられる。なお、水溶性とは、例えば、25℃の水100gに5g以上溶解することを意味する。

0069

前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルテトラエチレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類エチレングリコールモノフェニルエーテルエチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類2−ピロリドンN−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムγ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類ジメチルスルホキシドスルホランチオジエタノール等の含硫黄化合物プロピレンカーボネイト炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0070

また、有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、樹脂溶解性が高いことから、樹脂粒子の造膜性が良くなるために、耐擦過性の優れた印字画像を得ることが出来る。



ただし、前記一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、エーテル結合を有していてもよい炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。

0071

前記一般式(1)中、R1、R2、及びR3としては、エーテル結合を有していてもよい炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。
前記炭素数1以上8以下の炭化水素基としては、例えば、メチル基エチル基ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
前記エーテル結合を有する炭素数1以上8以下の炭化水素基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などが挙げられる。
これらの中でも、R1は、吐出安定性の点から、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が好ましく、ペンチル基、ヘキシル基がより好ましく、R2、及びR3は、メチル基が好ましい。

0072

前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−2−エチルヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−オクトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−オクトキシプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドが好ましい。

0073

前記有機溶剤の含有量としては、インクの乾燥性、及び吐出信頼性の点から、インク全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。

0074

前記一般式(1)で表される化合物の含有量としては、インク全量に対して、5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。前記含有量が、5質量%以上であると、耐擦過性を向上でき、30質量%以下であると、吐出信頼性を向上できる。

0075

<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水限外ろ過水、逆浸透水蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0076

前記水の含有量は、インク全量に対して、15質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上40質量%以下がより好ましい。前記含有量が、15質量%以上であると、高粘度になることを防止し、吐出安定性を向上でき、60質量%以下であると、非浸透性記録媒体への濡れ性が好適となり、画像品位を向上できる。

0077

<その他の成分>
前記その他の成分としては、色材、ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤、防腐防黴剤防錆剤pH調整剤ヒンダードフェノールやヒンダードフェノールアミンのようなゴム及びプラスチックス用無色老化防止剤などが挙げられる。

0078

<色材>
前記色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、顔料、染料などが挙げられる。これらの中でも、顔料が好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料有機顔料などが挙げられる。

0079

前記無機顔料として、例えば、酸化チタン酸化鉄炭酸カルシウム硫酸バリウム水酸化アルミニウムバリウムイエローカドミウムレッドクロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0080

前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ不溶性アゾ顔料縮合アゾ顔料キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料ジオキサジン顔料インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他、中空樹脂粒子無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。

0081

前記顔料としては、黒色用としては、例えば、ファーネスブラックランプブラックアセチレンブラックチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0082

また、カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0083

前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、45、249;C.I.アシッドブラック1、2、24、94;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227;C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202;C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195;C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249;C.I.リアクティブブラック3、4、35などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0084

顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセル包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤カチオン界面活性剤両性界面活性剤ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0085

顔料分散体
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラックWave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。

0086

前記顔料の数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最大個数換算で最大頻度は20nm以上150nm以下が好ましい。前記数平均粒径が、20nm以上であると、分散操作分級操作が容易になり、150nm以下であると、インクとしての顔料分散安定性が良くなるばかりでなく、吐出安定性にも優れ、画像濃度などの画像品質も高くなり好ましい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラックMODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。

0087

前記色材の含有量としては、画像濃度、定着性、及び吐出安定性の点から、インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であると、吐出信頼性が高く、また高い彩度の画像を得ることができる。

0088

前記顔料の含有量としては、インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上15質量%以下であると、画像濃度、定着性、及び吐出安定性を向上できる。

0089

<ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤>
本発明のインクは、記録媒体への濡れ性を確保する点から、ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤を併用してもよい。

0090

前記ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分散安定性、及び画像品質の点から、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
また、組成によってはフッ素系界面活性剤シリコーン系界面活性剤を併用又は単独で使用することもできる。

0091

前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0092

前記ポリシロキサン界面活性剤以外の前記界面活性剤の含有量としては、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上であると、非浸透性記録媒体への濡れ性が確保できるため、画像品質が向上でき、5質量%以下であると、インクが泡立ちにくくなるため、優れた吐出安定性が得られる。

0093

消泡剤
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。

0094

<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。

0095

<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。

0096

<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。

0097

[インクの製造方法]
前記インクの製造方法としては、例えば、前記水、前記有機溶剤、前記ポリシロキサン界面活性剤、前記アクリル−シリコーン樹脂粒子、前記ポリウレタン樹脂粒子、及び必要に応じて前記その他の成分を、撹拌混合することにより製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミルホモジナイザーボールミルペイントシェイカー超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機マグネチックスターラー高速の分散機などを用いることができる。

0098

インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。

0099

本発明のインクは、インクジェット記録用に好適に用いることができる。

0100

<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルムポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。

0101

また、カラー記録の際にカラーインクより前に、ホワイトインクを塗布することによって記録媒体が着色されたもの(着色記録媒体)であっても記録媒体の色を白に揃えることができ、カラーインクの発色を向上させることができる。
前記着色記録媒体としては、着色された紙や前記フィルム、生地衣服セラミックスなどが代表例である。

0102

インク収容容器
前記インク収容容器は、本発明の前記インクを容器に収容してなる。
前記インク収容容器としては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。

0103

前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。

0104

記録装置記録方法
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置複写装置、プリンタ/ファックスコピア複合機立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。

0105

本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を含み、加熱工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記インクジェット記録装置は、インク飛翔手段を有し、加熱手段を有することが好ましく、更に必要に応じて更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、前記インクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。前記加熱工程は、前記加熱手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。

0106

<<インク飛翔工程及びインク飛翔手段>>
前記インク飛翔工程は、本発明の前記インクに、刺激印加し、前記インクを飛翔させて画像を形成する工程であり、インク飛翔手段により実施することができる。
前記インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インクジェットヘッドなどが挙げられる。

0107

前記インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などいずれの場合も含まれる。

0108

前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好ましい。

0109

前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを、例えば、サーマルヘッド等を用いて付与し、前記熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、前記気泡の圧力により、前記記録ヘッドノズル孔から前記インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば、記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法などが挙げられる。

0110

前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pL以上40pL以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上が好ましく、その解像度としては300dpi以上が好ましい。

0111

<<加熱工程及び加熱手段>>
前記加熱工程は、画像を記録した記録媒体を加熱する工程であり、加熱手段により実施することができる。
前記インクジェット記録方法としては、前記記録媒体としての非浸透性記録媒体に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び記録媒体への密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記非浸透性記録媒体を加熱することが好ましい。記録後に加熱工程を含むと、インク中に含有される樹脂粒子の造膜が促進されるため、記録物の画像硬度を向上させることができる。

0112

前記加熱温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上100℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。前記加熱温度が、40℃以上120℃以下であると、非浸透性記録媒体の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。

0113

図3は、図1の装置の加熱手段の一例を示す概略図である。図3に示すように、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッドを駆動することにより、停止している記録媒体142にインク滴を吐出して画像を記録する。記録媒体を下ざさえするガイド部材153上であり、かつ搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架される搬送ベルト151上を搬送される記録媒体142に形成された画像に、温風発生部として加熱ファン201により温風202を吹き付けることにより乾燥させる。
なお、搬送ベルト151の記録媒体142と反対側には、ヒーター群203が設けられており、画像形成された記録媒体142を加熱可能である。

0114

<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、刺激発生工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、刺激発生手段、制御手段などが挙げられる。
前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置加圧装置、圧電素子、振動発生装置超音波発振器ライトなどが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエーター、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエーター温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエーター、静電力を用いる静電アクチュエーターなどが挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサーコンピュータ等の機器が挙げられる。

0115

本発明のインクジェット記録方法の一例としては、顔料を含まないクリアインク、又は色材として白色(ホワイト)の顔料を含有するインク(ホワイトインク)を記録媒体に塗布する工程と、カラー色材を有するインクを用いて記録する記録工程とを有する記録方法とすることもできる。この際、クリアインク、又はホワイトインクは、記録媒体の全面に塗布することも可能であり、また、記録媒体の一部に塗布してもよい。記録媒体の一部に塗布する場合は、例えば、記録を行う箇所と同一の箇所に塗布してもよいし、又は記録を行う箇所と一部共通する箇所に塗布してもよい。

0116

前記ホワイトインクを用いる場合、以下の記録方法を用いることも有効である。ホワイトインクを記録媒体に塗布し、その上に、ホワイト以外の色のインクで記録する。この方法によれば、例えば、透明フィルムを用いた場合であっても、前記ホワイトインクを記録媒体表面に付着させるため、記録の視認性を確保することができる。本発明のインクは、非浸透性記録媒体に対しても良好な乾燥性、高光沢、耐擦過性等を有するので、視認性を向上させるために透明フィルム等の非浸透性記録媒体にホワイトインクを塗布することが可能である。

0117

また、透明フィルムの上に記録を行った後、ホワイトインクを塗布することによっても、同様の視認性に優れた画像を得ることが可能となる。ホワイトインクの代わりにクリアインクを用いれば、保護層としても機能することが可能である。

0118

本発明のインクは、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法グラビアコート法グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法スプレーコート法などが挙げられる。
実施態様の一例として、前記ホワイトインクを記録媒体の全面に塗布する場合は、インクジェット記録方法以外の塗工方法で塗工し、ホワイト以外の色のインクで記録する場合は、インクジェット記録方法で記録する態様が可能である。
別の実施態様として、ホワイトインクを用いた記録も、ホワイト以外の色のインクを用いた記録も、インクジェット記録方法で記録する態様が可能である。
ホワイトインクの代わりにクリアインクを用いた場合も同様である。

0119

(記録物)
本発明の記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
また、本発明の記録物は、記録媒体と、前記記録媒体上に、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂、及びウレタン樹脂を含有する画像と、を有し、前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、前記アクリル−シリコーン樹脂の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂/ウレタン樹脂)が、0.5以上4.0以下である。

0120

以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。

0121

(顔料分散体の調製例)
自己分散型ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物プレミックスした後、ディスクタイプビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散して自己分散型ブラック顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
カーボンブラック顔料商品名:Monarch800、キャボット社製)・・・15質量部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2質量部
・イオン交換水・・・83質量部

0122

(ポリウレタン樹脂粒子の調製例1)
<ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200)1,500質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」とも称することがある)220質量部、及びN−メチルピロリドン(以下、「NMP」とも称することがある)1,347質量部を窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次に、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445質量部、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6質量部を加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149質量部を添加し、混合したものの中から4,340質量部を抜き出して、強撹拌下、水5,400質量部、及びトリエチルアミン15質量部の混合溶液の中に加えた。
次に、1,500質量部を投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626質量部を加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、「造膜温度試験装置」(株式会社井元製作所製)で測定したところ、最低造膜温度は55℃であった。

0123

(ポリウレタン樹脂粒子の調製例2)
<ポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
温度計、窒素ガス導入管、及び撹拌器を備えた窒素置換された容器中で、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」、三菱化学株式会社製、重量平均分子量:1,000)100.2質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.7質量部、イソホロンジイソシアネート48.0質量部、及び有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1質量部を、触媒としてジブチルスズジラウレート(以下、「DMTDL」とも称することがある)0.06質量部を使用し、反応させた。
前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7質量部を供給し、更に反応を継続した。
前記反応物の重量平均分子量が20,000以上60,000以下の範囲に達した時点で、メタノール1.4質量部を投入し、前記反応を終了することによって、ウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液を13.4質量部加えることで前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和した。次いで、水715.3質量部を加え十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%のポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製例1と同様にして、最低造膜温度を測定した。その結果、最低造膜温度は43℃であった。

0124

(ポリウレタン樹脂粒子の調製例3)
<ポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
前記ポリウレタン樹脂粒子の調製例2において、ポリエーテルポリオール(「PTMG1000」、三菱化学株式会社製、重量平均分子量:1,000)を、ポリエステルポリオール(「ポリライトOD−X−2251」、DIC株式会社製、重量平均分子量:2,000)に変更した以外は、前記ポリウレタン樹脂粒子の調製例2と同様にして、固形分濃度が30質量%のポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンについて、前記ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製例1と同様にして、最低造膜温度を測定した。その結果、最低造膜温度は74℃であった。

0125

(実施例1)
自己分散型ブラック顔料分散体20.0質量%、ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物(ポリシロキサン界面活性剤、商品名:FZ2110、東レ・ダウコーニング株式会社製、HLB値:1.0)1.0質量%、アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン4(商品名:AE980、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、ガラス転移温度(Tg):−14℃)1.5質量%、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度:30質量%)5.0質量%、1,2−プロパンジオール(株式会社ADEKA製)12.0質量%、2,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)3.0質量%、3−メトキシ−3−メチルブタノール(株式会社クラレ製)3.0質量%、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(和光純薬工業株式会社製)3.0質量%、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド(出光興産株式会社製)25.0質量%、防腐剤として商品名:プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、及び合計が100質量%となるように高純水を添加し、混合撹拌して、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:BetafineポリプロピレンプリーツフィルターPGシリーズ、3M社製)にてろ過することにより、インクを作製した。

0126

(実施例2〜9、及び比較例1〜5)
実施例1において、下記表1〜表3に記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9、及び比較例1〜5のインクを作製した。

0127

0128

0129

0130

なお、前記表1〜表3において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・ポリオキシアルキレン基含有シリコーン化合物:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:FZ2110、HLB値:1.0
・ポリエーテル変性シリコーン1:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−945、HLB値:4.0
・ポリエーテル変性シリコーン2:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−6017、HLB値:4.5
・ポリエーテル変性シリコーン3:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SH−3772M、HLB値:6.0
・ポリエーテル変性シリコーン4:日信化学工業株式会社製、商品名:シルフェイスSAG005、HLB値:7.0
・ポリエーテル変性シリコーン5:東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名:SH−3773M、HLB値:8.0
・ポリエーテル変性シリコーン6:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−353、HLB値:10.0
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン1:ダイセルファインケム株式会社製、商品名:AQ914、固形分濃度:24質量%、Tg:50℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン2:DIC株式会社製、商品名:SA−6360、固形分濃度:50質量%、Tg:21℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン3:東亞合成株式会社製、商品名:サイマック480、固形分濃度:30質量%、Tg:0℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン4:商品名:AE980、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:−14℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン5:商品名:AE981A、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:−15℃
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン6:商品名:AE982、株式会社イーテック製、固形分濃度:50質量%、Tg:0℃
・1,2−プロパンジオール:株式会社ADEKA製
・2,3−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・3−メトキシ−3−メチルブタノール:株式会社クラレ製
・2−メチル−2,4−ペンタンジオール:和光純薬工業株式会社製
・N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド:出光興産株式会社製
・防腐剤:アビシア株式会社製、商品名:プロキセルLV

0131

次に、以下のようにして、「保存安定性」、「定着性(ビーディング)」、「耐擦過性」、「耐溶剤性」、「画像光沢度」、及び「密着性」を評価した。結果を下記表4に示す。

0132

なお、屋外用途への利用を考慮して、「定着性(ビーディング)」、及び「耐擦過性」の評価については、一般の紙に記録する場合と比べてかなり厳しい評価基準を採用した。

0133

<保存安定性(外観評価)>
得られた実施例1〜9、及び比較例1〜5のインクを30mL容量の容器(商品名:ガラスバイヤSV−30、日電理化硝子株式会社製)、50℃、60℃、及び70℃でそれぞれ7日間保管し、目視により観察し、下記基準に基づいて、「保存安定性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
A:70℃保存において相分離していない
B:60℃保存において相分離していないが、70℃保存において相分離している
C:50℃保存において相分離していないが、60℃保存において相分離している
D:50℃保存において相分離している

0134

ベタ画像の形成]
次に、得られた実施例1〜9、及び比較例1〜5のインクをインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(CPPVWP1300、井株式会社製、以下、「PVCフィルム」とも称することがある)記録媒体に対し、インク付着量が0.6g/cm2で、ベタ画像を記録した。記録後、前記ベタ画像を80℃に設定したホットプレート(NINOS ND−1、アズワン株式会社製)上で1時間乾燥させた。
なお、前記IPSiO GXe5500改造機は、IPSiO GXe5500機を、150cmの印字幅で30m2/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、前記ポットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造した。

0135

<定着性(ビーディング)>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の記録ムラを目視により観察し、下記評価基準に基づいて、「定着性(ビーディング)」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
A:非常に良好(ビーディングが全くなかった)
B:良好(わずかにビーディングが観察された)
C:普通(ビーディングがあった)
D:不良(著しいビーディングがあった)

0136

<耐擦過性>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像を乾いた木綿カナキン3号)で400gの荷重をかけて擦過し、画像の状態を目視で観察し、下記評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:50回以上擦っても画像が変化しなかった
A:50回擦った段階で多少の傷が残るが画像には影響しなかった
B:31回以上49回以下擦っても画像が変化しなかった
C:30回以下擦っても画像が変化しなかった

0137

<耐溶剤性>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像を、60質量%エタノール水溶液常温(25℃)で24時間浸漬し、次いで、室温(25℃)で24時間自然乾燥させた後、X−Rite938(X−Rite社製)を用いて、画像濃度を測定し、浸漬前の画像の初期濃度に対する浸漬後の画像における画像濃度値減少量を算出し、下記の評価基準に基づいて、「耐溶剤性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:画像濃度値の減少が10%未満
A:画像濃度値の減少が10%以上20%未満
B:画像濃度値の減少が20%以上30%未満
C:画像濃度値の減少が30%以上

0138

<画像光沢度>
PVCフィルム記録媒体に形成されたベタ画像の60°光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により4回測定し、光沢値平均値を求め、下記評価基準に基づいて、「画像光沢度」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:光沢値が100以上
A:光沢値が90以上100未満
B:光沢値が80以上90未満
C:光沢値が80未満

0139

<密着性>
前記ベタ画像の形成方法と同様にして、PPフィルム記録媒体(東洋紡株式会社製、P2161)に形成されたベタ画像に対し、布粘着テープ(ニチバン株式会社製、123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験により、試験マス目100個の残存マス数カウントし、下記評価基準に基づいて、記録媒体に対する「密着性」を評価した。前記評価がB以上であることが実使用上望ましい。
[評価基準]
AA:残存マス数が98個以上
A:残存マス数が90個以上98個未満
B:残存マス数が70個以上90個未満
C:残存マス数が70個未満

0140

0141

実施例1、及び実施例2は、本発明の好ましい実施例であり、PPフィルム記録媒体に対する密着性に優れ、非浸透性記録媒体に印字した際にも高い画像光沢度が得られると共に、耐擦過性、及び耐溶剤性を有する画像を得られることが分かる。
実施例3は、一般式(1)で表される化合物を含有しない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。
実施例4、及び実施例5は、ポリシロキサン界面活性剤のHLB値がやや高い例であり、実施例1、及び実施例2に比べ画像光沢度が劣る結果となった。
実施例6は、ポリシロキサン界面活性剤の添加量がやや少ない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ定着性及び耐溶剤性が劣る結果となった。
実施例7は、ポリシロキサン界面活性剤の添加量がやや多い例であり、実施例1、及び実施例2に比べ保存安定性が劣る結果となった。
実施例8、及び実施例9は、アクリル−シリコーン樹脂エマルジョンのTgが0℃より高い例であり、実施例1、及び実施例2に比べて耐擦過性が劣る結果となった。

0142

比較例1は、アクリル−シリコーン樹脂粒子を含むインクではない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ保存安定性、密着性が劣る結果となった。
比較例2は、ウレタン樹脂粒子を含むインクではない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。
比較例3は、HLB値が8以上であるポリシロキサン界面活性剤を用いた例であり、実施例1、及び実施例2に比べ定着性が劣る結果となった。
比較例4は、ウレタン樹脂粒子に対してアクリル−シリコーン樹脂粒子が十分でない例であり、実施例1、及び実施例2に比べ密着性が劣る結果となった。
比較例5は、ウレタン樹脂粒子に対してアクリル−シリコーン樹脂粒子が過剰である例であり、実施例1、及び実施例2に比べ耐擦過性が劣る結果となった。

0143

前記表4の結果から、本発明のインクが屋外用途に適したものであることが分かる。また、実施例1〜9のインクは、保存安定性、定着性、耐擦過性、耐溶剤性、画像光沢度、及び密着性に優れていた。

0144

加熱乾燥における影響の評価)
<試験例1>
実施例1のインクにおいて、下記表5に示すように記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)に変更した以外は、実施例1と同様にして、「保存安定性」、「定着性(ビーディング)」、「耐擦過性」、「耐溶剤性」、「画像光沢度」、及び「密着性」を評価した。結果を下記表5に示した。
なお、試験例1は、実施例1と同様にして、ベタ画像の記録を行い、記録後の加熱なし(25℃で24時間放置)することにより乾燥させた。

0145

0146

前記表5の結果から、試験例1は、ベタ画像の記録を行い、記録後の加熱なし(25℃で24時間放置)することにより乾燥させた例であり、実施例1、及び実施例2に比べて耐擦過性、画像光沢度が劣る結果となった。

0147

本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、有機溶剤、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂粒子、及びウレタン樹脂粒子を含有し、
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、
前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とするインクである。
<2> 前記有機溶剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含有する前記<1>に記載のインクである。



ただし、前記一般式(1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、エーテル結合を有していてもよい炭素数1以上8以下の炭化水素基を表す。
<3> 前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、4以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記ポリシロキサン界面活性剤の含有量が、1.0質量%以上2.0質量%以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子のガラス転移温度が、0℃以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子に由来するシリコーンの含有量が、0.01質量%以上0.04質量%以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂粒子/ウレタン樹脂粒子)が、0.5以上4.0以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の最低造膜温度が、20℃以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記アクリル−シリコーン樹脂粒子の含有量が、0.5質量%以上5質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記フッ素樹脂粒子のガラス転移温度が、100℃以上300℃以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 前記有機溶剤の含有量が、10質量%以上60質量%以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、5質量%以上30質量%以下である前記<2>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記一般式(1)で表される化合物が、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドである前記<2>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14>色材をさらに含有する前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 前記色材が、顔料である前記<14>に記載のインクである。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<17> 前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む前記<16>に記載のインクジェット記録方法である。
<18> 前記加熱工程における加熱温度が、40℃以上100℃以下である前記<17>に記載のインクジェット記録方法である。
<19> 記録媒体と、前記記録媒体上に、ポリシロキサン界面活性剤、アクリル−シリコーン樹脂、及びウレタン樹脂を含有する画像と、を有し、
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、8以下であり、
前記アクリル−シリコーン樹脂の含有量(質量%)と、前記ウレタン樹脂の含有量(質量%)との質量比(アクリル−シリコーン樹脂/ウレタン樹脂)が、0.5以上4.0以下であることを特徴とする記録物である。
<20> 前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値が、4以下である前記<19>に記載の記録物である。

0148

前記<1>から<15>のいずれかに記載のインク、前記<16>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録方法、及び前記<19>から<20>のいずれかに記載の記録物は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。

実施例

0149

特開2005−220352号公報
特開2011−094082号公報

0150

142:記録媒体

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ