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課題

補体関連障害処置するための方法および組成物の提供

解決手段

本開示は、とりわけ、ヒト補体インヒビターを含む組成物、および補体関連障害を処置または予防するための方法におけるこの組成物の使用に関する。いくつかの実施形態では、このインヒビターは患者に長期に投与される。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、全身の補体阻害を維持し、かつ急進展を妨げる量および頻度で患者に投与される。いくつかの実施形態では、この組成物は、ヒト補体成分C5タンパク質またはそのタンパク質のフラグメント、例えば、C5aもしくはC5bに結合する抗体、またはその抗原結合フラグメントを含む。

概要

背景

補体系は、細胞性およびウイルス性病原侵入に対して防御するために身体の他の免疫学的系と連動して作用する。血漿タンパク質と膜補因子との複合集合として見出されている、少なくとも25個の補体タンパク質が存在する。血漿タンパク質は、脊椎動物血清におけるグロブリンのうち約10%を構成する。補体成分は、一連の複雑だが正確な酵素切断および膜結合事象相互作用することによってそれらの免疫防御機能を達成する。得られた補体カスケードは、オプソニン免疫調節および溶解性機能を有する生成物の産生をもたらす。補体活性化に関連する生物学的活性簡潔な要約は、例えば、Merck Manual,第16版に提供される。

補体カスケードは、古典的経路(CP)、レクチン経路、または代替経路AP)を介して進行し得る。レクチン経路は代表的には、高マンノース基質に対するマンノース結合レクチン(MBL)の結合で開始される。APは、抗体依存性であり得、かつ病原体表面上の特定の分子によって開始され得る。CPは代表的には、標的細胞上の抗原性部位の抗体認識およびその部位に対する結合によって開始される。これらの経路は、C3コンバターゼ(補体成分C3が活性プロテアーゼによって切断されてC3aおよびC3bを生じるポイント)に集中する。

APC3コンバターゼは、血液中血漿豊富である補体成分C3の自然な加水分解によって開始される。このプロセスはまた、「ティックオーバー(tickover)」としても公知であり、C3中のチオエステル結合の自然な切断を通じて生じてC3iまたはC3(H2O)を形成する。ティックオーバーは、活性化C3の結合を支持するか、および/または天然もしくは陽性の荷電特徴を有する表面(例えば、細菌細胞表面)の存在によって容易になる。C3(H2O)のこの形成によって、血漿タンパク質B因子の結合が可能になり、これによって次にD因子がB因子をBaおよびBbに切断することが可能になる。Bbフラグメントは、C3に結合したまま残り、C3(H2O)Bbを含む複合体を形成する(「液相」または「初期」C3コンバターゼ)。少量産生されるだけだが、液相C3コンバターゼは、多数のC3タンパク質をC3aおよびC3bに切断し、かつC3bの生成およびその引き続く表面(例えば、細菌表面)への共有結合を生じ得る。表面結合したC3bに対するB因子は、D因子により切断され、これによってC3b,Bbを含む表面結合したAP C3コンバターゼ複合体が形成される(例えば、非特許文献1を参照のこと)。

APC5コンバターゼ((C3b)2,Bb)は、APC3コンバターゼに対する第二のC3bモノマーの付加の際に形成される。(例えば、非特許文献2および非特許文献3を参照のこと)。第二のC3b分子の役割は、C5を結合し、かつそれらをBbによって切断させることである(例えば、非特許文献4を参照のこと。)AP C3およびC5コンバターゼは、例えば、非特許文献2に記載の三量体タンパク質プロパージンの添加によって安定化される。しかし、プロパージン結合は、機能的な別の経路C3またはC5コンバターゼを形成する必要はない。(例えば、非特許文献5および非特許文献6を参照のこと)。

CPC3コンバターゼは、標的抗原(例えば、微生物抗原)に結合される抗体とのC1q、C1r、およびC1sの複合体である、補体成分C1の相互作用の際に形成される。抗体−抗原複合体に対するC1のC1q部分の結合によって、C1における高次構造変化が生じ、これがC1rを活性化する。次いで、活性なC1rはC1−会合したC1sを切断し、それによって活性なセリンプロテアーゼを生じる。活性なC1sは補体成分C4をC4bおよびC4aに切断する。C3bと同様に、新しく生成されたC4bフラグメントは、極めて反応性チオールを含み、これが標的表面(例えば、微生物細胞表面)上で適切な分子とアミドまたはエステル結合を容易に形成する。C1sはまた、補体成分C2をC2bおよびC2aに切断する。C4bおよびC2aによって形成される複合体は、CP C3コンバターゼであり、これがC3をC3aおよびC3bにプロセシングし得る。CP C5コンバターゼ(C4b、C2a、C3b)はCP C3コンバターゼへのC3b単量体の付加の際に形成される(例えば、非特許文献1および非特許文献7を参照のこと)。

C3およびC5コンバターゼにおけるその役割に加えて、C3bはまた、オプソニンとして、マクロファージおよび樹状細胞などの抗原提示細胞の表面上に存在する補体レセプターとの相互作用を通じて機能する。C3bのオプソニン機能は一般には、補体系の最も重要な抗感染性機能の1つであるとみなされる。C3b機能をブロックする遺伝子病変を有する患者は、広範な種々の病原性生物体による感染を受けやすいが、補体カスケードシーケンスで後の病変を有する患者、すなわち、C5機能をブロックする病変を有する患者は、Nisseria感染にのみさらに易感染性であり、次にごくわずかにさらに易感染性であることが見出される。

APおよびCP C5のコンバターゼは、正常な血清中で約75μg/ml(0.4μM)で見出される190kDaのβグロブリンであるC5を切断する。C5は、グリコシル化され、その質量のうち約1.5〜3パーセント炭水化物による。成熟C5は、655アミノ酸の75kDaのβ鎖ジスルフィド結合される999アミノ酸の115kDaのα鎖ヘテロ二量体である。C5は、単一コピー遺伝子の単鎖前駆体タンパク質産物として合成される(非特許文献8)。この遺伝子の転写物cDNA配列は、18アミノ酸リーダー配列にそった1658アミノ酸の分泌されたプロC5前駆体を予測する(例えば、特許文献1を参照のこと)。

プロ−C5前駆体は、アミノ酸655および659の後で切断されて、β鎖をアミノ末端フラグメント(上記配列のアミノ酸残基+1〜655)として、およびα鎖をカルボキシル末端フラグメント(上記配列のアミノ酸残基660〜1658)として生じる(ここでは4つのアミノ酸(上記の配列のアミノ酸残基656〜659)が2つの間で欠失している)。

C5aは、C5のα鎖から、別のまたは古典的なC5コンバターゼのいずれかによって、α鎖の最初の74アミノ酸(すなわち、上記の配列のアミノ酸残基660〜733)を含むアミノ末端フラグメントとして切断される。C5aの11kDaの質量のうち約20パーセントは、炭水化物による。コンバターゼ作用の切断部位は、上記の配列のアミノ酸残基733であるか、またはそれにすぐ隣接する。この切断部位に結合するかまたはそれに隣接する化合物は、切断部位に対するC5コンバターゼ酵素の接近をブロックする能力を有し、それによって補体インヒビターとして作用する。

C5はまた、C5コンバターゼ活性以外の方法で活性化されてもよい。制限トリプシン消化(例えば、非特許文献9、ならびに非特許文献10を参照のこと)および酸処理(非特許文献11ならびに非特許文献12)もC5を切断し、かつ活性なC5bを生じ得る。

C5の切断は、C5a、強力なアナフィラトキシンおよび走化性因子を放出し、かつ溶解性末端成分複合体C5b−9の形成をもたらす。C5aおよびC5b−9はまた、下流の炎症性因子、例えば、加水分解酵素反応性酸素種アラキドン酸代謝物および種々のサイトカインの放出を増幅することによって、多面的な細胞活性化特性を有する。

末端の補体複合体の形成における第一工程は、C5bとC6、C7、およびC8とを組み合わせて標的細胞の表面にC5b−8複合体を形成する工程を包含する。C5b−8複合体といくつかのC9分子との結合の際、膜攻撃複合体(MAC、C5b−9、末端補体複合体−TCC)が形成される。十分な数のMACsが標的細胞膜開口部に挿入される場合、それらは標的細胞の(MAC細孔)媒介性急速浸透圧溶解を生じる。MACの非溶解濃度が低いほど、他の影響が生じ得る。詳細には、内皮細胞および血小板への少数のC5b−9複合体の膜挿入は、有害な細胞活性化を生じ得る。ある場合には、活性化が、細胞溶解に先んじる場合がある。

上述のとおり、C3aおよびC5aは、アナフィラトキシンである。これらの活性化された補体成分は、肥満細胞脱顆粒を誘発し得、これが好塩基球および肥満細胞からヒスタミンを、ならびに炎症の他のメディエーターを放出し、これが平滑筋収縮血管透過性の増大、白血球活性化、および他の炎症現象、例としては、細胞増殖を生じ、これが過形成を生じる。C5aはまた、補体活性化の部位へ炎症促進性顆粒誘引するように機能する走化性ペプチドとしても機能する。

C5aレセプターは、気管支および肺胞上皮細胞および気管支平滑筋細胞の表面上で見出される。C5aレセプターはまた、好酸球、肥満細胞、単球好中球および活性化リンパ球でも見出されている。

適切に機能する補体系は、微生物の感染に対して堅強な防御をもたらすが、補体の調節または活性化が不適切なことは、例えば、関節リウマチ(RA);ループス腎炎虚血性再灌流傷害非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS);デンス・デポジット病(dense deposit disease)(DDD);黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性症(AMD));溶血、肝酵素上昇、および低血小板(HELLP)症候群血栓性血小板減少性紫斑病(TTP);自然胎児消失(spontaneous fetal loss);寡免疫性血管炎(Pauci−immune vasculitis);表皮水泡症;再発性胎児消失;多発性硬化症(MS);外傷性脳損傷;ならびに心筋梗塞心肺バイパスおよび血液透析から生じる損傷を含めて、種々の障害病因関与している(例えば、非特許文献13を参照のこと)。

概要

補体関連障害処置するための方法および組成物の提供本開示は、とりわけ、ヒト補体のインヒビターを含む組成物、および補体関連障害を処置または予防するための方法におけるこの組成物の使用に関する。いくつかの実施形態では、このインヒビターは患者に長期に投与される。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、全身の補体阻害を維持し、かつ急進展を妨げる量および頻度で患者に投与される。いくつかの実施形態では、この組成物は、ヒト補体成分C5タンパク質またはそのタンパク質のフラグメント、例えば、C5aもしくはC5bに結合する抗体、またはその抗原結合フラグメントを含む。なし

目的

詳細な説明
本開示は、ヒト補体成分C5のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5タンパク質またはその生物学的に活性なフラグメント、例えば、C5aおよびC5bに結合する抗体)を含む組成物、およびこの組成物を用いてヒトにおける補体媒介性の障害を処置または予防するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

本願明細書に記載のヒト補体インヒビターを含む組成物など。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本出願は、2008年11月10日出願の、米国仮特許出願第61/198,803号;2008年11月18日出願の、米国仮特許出願第61/199,563号;2008年11月18日出願の、米国仮特許出願第61/199,562号;2008年11月18日出願の、米国仮特許出願第61/199,569号;2008年11月19日出願の、米国仮特許出願第61/199,764号;2008年12月1日出願の、米国仮特許出願第61/200,640号;2008年12月1日出願の、米国仮特許出願第61/200,634号;2008年12月1日出願の、米国仮特許出願第61/200,635号;2009年5月28日出願の、米国仮特許出願第61/181,788号;2009年7月23日出願の、米国仮特許出願第61/228,047号;の利益を主張し、これらの各々の開示はその全体が本明細書中で参考として援用される。

0002

本発明の技術分野は、医薬免疫学分子生物学およびタンパク質化学である。

背景技術

0003

補体系は、細胞性およびウイルス性病原侵入に対して防御するために身体の他の免疫学的系と連動して作用する。血漿タンパク質と膜補因子との複合集合として見出されている、少なくとも25個の補体タンパク質が存在する。血漿タンパク質は、脊椎動物血清におけるグロブリンのうち約10%を構成する。補体成分は、一連の複雑だが正確な酵素切断および膜結合事象相互作用することによってそれらの免疫防御機能を達成する。得られた補体カスケードは、オプソニン免疫調節および溶解性機能を有する生成物の産生をもたらす。補体活性化に関連する生物学的活性簡潔な要約は、例えば、Merck Manual,第16版に提供される。

0004

補体カスケードは、古典的経路(CP)、レクチン経路、または代替経路AP)を介して進行し得る。レクチン経路は代表的には、高マンノース基質に対するマンノース結合レクチン(MBL)の結合で開始される。APは、抗体依存性であり得、かつ病原体表面上の特定の分子によって開始され得る。CPは代表的には、標的細胞上の抗原性部位の抗体認識およびその部位に対する結合によって開始される。これらの経路は、C3コンバターゼ(補体成分C3が活性プロテアーゼによって切断されてC3aおよびC3bを生じるポイント)に集中する。

0005

APC3コンバターゼは、血液中血漿豊富である補体成分C3の自然な加水分解によって開始される。このプロセスはまた、「ティックオーバー(tickover)」としても公知であり、C3中のチオエステル結合の自然な切断を通じて生じてC3iまたはC3(H2O)を形成する。ティックオーバーは、活性化C3の結合を支持するか、および/または天然もしくは陽性の荷電特徴を有する表面(例えば、細菌細胞表面)の存在によって容易になる。C3(H2O)のこの形成によって、血漿タンパク質B因子の結合が可能になり、これによって次にD因子がB因子をBaおよびBbに切断することが可能になる。Bbフラグメントは、C3に結合したまま残り、C3(H2O)Bbを含む複合体を形成する(「液相」または「初期」C3コンバターゼ)。少量産生されるだけだが、液相C3コンバターゼは、多数のC3タンパク質をC3aおよびC3bに切断し、かつC3bの生成およびその引き続く表面(例えば、細菌表面)への共有結合を生じ得る。表面結合したC3bに対するB因子は、D因子により切断され、これによってC3b,Bbを含む表面結合したAP C3コンバターゼ複合体が形成される(例えば、非特許文献1を参照のこと)。

0006

APC5コンバターゼ((C3b)2,Bb)は、APC3コンバターゼに対する第二のC3bモノマーの付加の際に形成される。(例えば、非特許文献2および非特許文献3を参照のこと)。第二のC3b分子の役割は、C5を結合し、かつそれらをBbによって切断させることである(例えば、非特許文献4を参照のこと。)AP C3およびC5コンバターゼは、例えば、非特許文献2に記載の三量体タンパク質プロパージンの添加によって安定化される。しかし、プロパージン結合は、機能的な別の経路C3またはC5コンバターゼを形成する必要はない。(例えば、非特許文献5および非特許文献6を参照のこと)。

0007

CPC3コンバターゼは、標的抗原(例えば、微生物抗原)に結合される抗体とのC1q、C1r、およびC1sの複合体である、補体成分C1の相互作用の際に形成される。抗体−抗原複合体に対するC1のC1q部分の結合によって、C1における高次構造変化が生じ、これがC1rを活性化する。次いで、活性なC1rはC1−会合したC1sを切断し、それによって活性なセリンプロテアーゼを生じる。活性なC1sは補体成分C4をC4bおよびC4aに切断する。C3bと同様に、新しく生成されたC4bフラグメントは、極めて反応性チオールを含み、これが標的表面(例えば、微生物細胞表面)上で適切な分子とアミドまたはエステル結合を容易に形成する。C1sはまた、補体成分C2をC2bおよびC2aに切断する。C4bおよびC2aによって形成される複合体は、CP C3コンバターゼであり、これがC3をC3aおよびC3bにプロセシングし得る。CP C5コンバターゼ(C4b、C2a、C3b)はCP C3コンバターゼへのC3b単量体の付加の際に形成される(例えば、非特許文献1および非特許文献7を参照のこと)。

0008

C3およびC5コンバターゼにおけるその役割に加えて、C3bはまた、オプソニンとして、マクロファージおよび樹状細胞などの抗原提示細胞の表面上に存在する補体レセプターとの相互作用を通じて機能する。C3bのオプソニン機能は一般には、補体系の最も重要な抗感染性機能の1つであるとみなされる。C3b機能をブロックする遺伝子病変を有する患者は、広範な種々の病原性生物体による感染を受けやすいが、補体カスケードシーケンスで後の病変を有する患者、すなわち、C5機能をブロックする病変を有する患者は、Nisseria感染にのみさらに易感染性であり、次にごくわずかにさらに易感染性であることが見出される。

0009

APおよびCP C5のコンバターゼは、正常な血清中で約75μg/ml(0.4μM)で見出される190kDaのβグロブリンであるC5を切断する。C5は、グリコシル化され、その質量のうち約1.5〜3パーセント炭水化物による。成熟C5は、655アミノ酸の75kDaのβ鎖ジスルフィド結合される999アミノ酸の115kDaのα鎖ヘテロ二量体である。C5は、単一コピー遺伝子の単鎖前駆体タンパク質産物として合成される(非特許文献8)。この遺伝子の転写物cDNA配列は、18アミノ酸リーダー配列にそった1658アミノ酸の分泌されたプロC5前駆体を予測する(例えば、特許文献1を参照のこと)。

0010

プロ−C5前駆体は、アミノ酸655および659の後で切断されて、β鎖をアミノ末端フラグメント(上記配列のアミノ酸残基+1〜655)として、およびα鎖をカルボキシル末端フラグメント(上記配列のアミノ酸残基660〜1658)として生じる(ここでは4つのアミノ酸(上記の配列のアミノ酸残基656〜659)が2つの間で欠失している)。

0011

C5aは、C5のα鎖から、別のまたは古典的なC5コンバターゼのいずれかによって、α鎖の最初の74アミノ酸(すなわち、上記の配列のアミノ酸残基660〜733)を含むアミノ末端フラグメントとして切断される。C5aの11kDaの質量のうち約20パーセントは、炭水化物による。コンバターゼ作用の切断部位は、上記の配列のアミノ酸残基733であるか、またはそれにすぐ隣接する。この切断部位に結合するかまたはそれに隣接する化合物は、切断部位に対するC5コンバターゼ酵素の接近をブロックする能力を有し、それによって補体インヒビターとして作用する。

0012

C5はまた、C5コンバターゼ活性以外の方法で活性化されてもよい。制限トリプシン消化(例えば、非特許文献9、ならびに非特許文献10を参照のこと)および酸処理(非特許文献11ならびに非特許文献12)もC5を切断し、かつ活性なC5bを生じ得る。

0013

C5の切断は、C5a、強力なアナフィラトキシンおよび走化性因子を放出し、かつ溶解性末端成分複合体C5b−9の形成をもたらす。C5aおよびC5b−9はまた、下流の炎症性因子、例えば、加水分解酵素反応性酸素種アラキドン酸代謝物および種々のサイトカインの放出を増幅することによって、多面的な細胞活性化特性を有する。

0014

末端の補体複合体の形成における第一工程は、C5bとC6、C7、およびC8とを組み合わせて標的細胞の表面にC5b−8複合体を形成する工程を包含する。C5b−8複合体といくつかのC9分子との結合の際、膜攻撃複合体(MAC、C5b−9、末端補体複合体−TCC)が形成される。十分な数のMACsが標的細胞膜開口部に挿入される場合、それらは標的細胞の(MAC細孔)媒介性急速浸透圧溶解を生じる。MACの非溶解濃度が低いほど、他の影響が生じ得る。詳細には、内皮細胞および血小板への少数のC5b−9複合体の膜挿入は、有害な細胞活性化を生じ得る。ある場合には、活性化が、細胞溶解に先んじる場合がある。

0015

上述のとおり、C3aおよびC5aは、アナフィラトキシンである。これらの活性化された補体成分は、肥満細胞脱顆粒を誘発し得、これが好塩基球および肥満細胞からヒスタミンを、ならびに炎症の他のメディエーターを放出し、これが平滑筋収縮血管透過性の増大、白血球活性化、および他の炎症現象、例としては、細胞増殖を生じ、これが過形成を生じる。C5aはまた、補体活性化の部位へ炎症促進性顆粒誘引するように機能する走化性ペプチドとしても機能する。

0016

C5aレセプターは、気管支および肺胞上皮細胞および気管支平滑筋細胞の表面上で見出される。C5aレセプターはまた、好酸球、肥満細胞、単球好中球および活性化リンパ球でも見出されている。

0017

適切に機能する補体系は、微生物の感染に対して堅強な防御をもたらすが、補体の調節または活性化が不適切なことは、例えば、関節リウマチ(RA);ループス腎炎虚血性再灌流傷害非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS);デンス・デポジット病(dense deposit disease)(DDD);黄斑変性症(例えば、加齢性黄斑変性症(AMD));溶血、肝酵素上昇、および低血小板(HELLP)症候群血栓性血小板減少性紫斑病(TTP);自然胎児消失(spontaneous fetal loss);寡免疫性血管炎(Pauci−immune vasculitis);表皮水泡症;再発性胎児消失;多発性硬化症(MS);外傷性脳損傷;ならびに心筋梗塞心肺バイパスおよび血液透析から生じる損傷を含めて、種々の障害病因関与している(例えば、非特許文献13を参照のこと)。

0018

米国特許第6,355,245号明細書

先行技術

0019

Mueller−Eberhard(1988)Ann Rev Biochem 57:321〜347
Medicusら、(1976)J Exp Med 144:1076〜1093
Fearonら、(1975)J Exp Med 142:856〜863
Isenmanら、(1980)J Immunol 124:326〜331
Schreiberら、(1978)Proc Natl Acad Sci USA 75:3948−3952
Sissonsら、(1980)Proc Natl Acad Sci USA 77:559−562
Cooperら、(1970)J Exp Med 132:775〜793
Havilandら、(1991) J. Immunol.146:362〜368
Minta and Man(1997)J Immunol.119:1597〜1602
WetselおよびKolb(1982)J Immunol.128:2209〜2216
YamamotoおよびGewurz(1978)J Immunol.120:2008
Damerauら、(1989)Molec.Immunol.26:1133〜1142
Holersら、(2008)Immunological Reviews 223:300〜316

課題を解決するための手段

0020

要約
本発明の開示は、ヒト補体のインヒビター(例えば、抗C5抗体などの補体成分C5のインヒビター)を含む組成物、およびこの組成物を用いて補体関連障害処置または予防するための方法に関する。いくつかの実施形態では、この組成物は、ヒト補体成分C5タンパク質に結合する、抗体、またはその抗原結合フラグメントを含む。いくつかの実施形態では、この組成物は、ヒトC5フラグメントC5aもしくはC5bに結合する、抗体、またはその抗原結合フラグメントを含む。いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、低分子または核酸、例えば、siRNAまたはアンチセンスRNA哺乳動物でC5mRNAに結合しかつ不活性化を促進する)である。

0021

補体関連障害としては、ヒトにおける任意の内科的障害であって、その処置は、補体系の阻害から直接または間接的に利益がある障害が挙げられる。この障害は一般には、補体系の不適切な調節、例えば、以下が不適切であることによって特徴付けられる:(i)補体系の活性化、または(ii)被験体の活性化された補体系の期間。補体関連障害としては限定するものではないが、炎症および自己免疫障害が挙げられる。補体関連障害は、例えば、RA;抗リン脂質抗体症候群APS);ループス腎炎;虚血性再灌流傷害;aHUS;定型下痢または感染性とも呼ばれる)溶血性尿毒症症候群(tHUS);DDD;視神経脊髄炎(NMO);多巣性運動ニューロパチー(MMN);MS;黄斑変性症(例えば、AMD);HELLP症候群;TTP;自然胎児消失;寡免疫性血管炎(Pauci−immune vasculitis);表皮水泡症;再発性胎児消失;および外傷性脳損傷であり得る。いくつかの実施形態では、補体関連障害は、補体関連の血管障害、例えば、心血管系障害、心筋炎、心血管系障害、末梢(例えば、筋骨格)血管障害、腎血管障害、腸間膜/腸内の血管障害、血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑腎炎全身性紅斑性狼瘡関連血管炎、関節リウマチ関連血管炎、免疫複合体血管炎、高安病拡張型心筋症糖尿病性血管症、川崎病動脈炎)、静脈気体塞栓(VGE)、およびステント留置再狭窄回転式粥腫切除術(rotational atherectomy)、および経皮経管冠動脈形成拡張術(PTCA)である。さらなる補体関連障害としては限定するものではないが、重症筋無力症(MG)、寒冷凝集素症CAD)、皮膚筋炎発作性寒冷血色素尿症(PCH)、グレーブス病アテローム性動脈硬化症アルツハイマー病全身炎症反応敗血症敗血性ショック脊髄損傷糸球体腎炎橋本甲状腺炎I型糖尿病乾癬天疱瘡自己免疫溶血性貧血AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病ITP)、グッドパスチャー症候群ドゴー病、および劇症型(catastrophic)APS(CAPS)が挙げられる。

0022

一態様では、本開示は、ヒトでの補体関連障害を処置または予防するための方法を特徴付ける。この方法は、ヒト補体のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5のインヒビター)を含む治療上有効な量の組成物を、それを必要とするヒトに対して投与する工程を包含する。

0023

別の態様では、本開示は、ヒトにおいて補体関連障害を処置または予防するための方法を特徴付け、この方法は、治療上有効な量のヒト補体のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5のインヒビター)を含む組成物を、それを必要とするヒトに対して投与する工程を包含する。

0024

本明細書に記載の任意の方法のいくつかの実施形態では、このインヒビターは、ヒト補体成分C5タンパク質の発現を阻害し得る。このインヒビターは、ヒト補体成分C5タンパク質のタンパク質発現を阻害してもよいし、またはこのタンパク質をコードするmRNAの発現を阻害してもよい。本明細書に記載の任意の方法のいくつかの実施形態では、このインヒビターは、ヒト補体成分C5のフラグメントC5aおよびC5bへの切断を阻害し得る。

0025

本明細書に記載の任意の方法のいくつかの実施形態では、このインヒビターは、C5aおよびC5bの一方または両方に結合し、かつ阻害する。このインヒビターは、例えばC5aまたはC5bに結合する抗体であってもよい。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、C5aに結合するが、全長C5には結合しない抗体である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、C5bに結合するが、全長C5には結合しない抗体である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、配列番号12〜25のいずれか1つに示される少なくとも4つ(例えば、少なくとも、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17以上)連続のアミノ酸を含むか、またはそのアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する、ヒトC5aタンパク質またはそのフラグメントに結合する抗体である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、配列番号12に示されるアミノ酸配列を有するヒトC5aタンパク質に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、配列番号4または26のいずれか1つに示される少なくとも4つ(例えば、少なくとも、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17以上)連続のアミノ酸を含むか、またはそのアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する、ヒトC5bタンパク質またはそのフラグメントに結合する抗体である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、配列番号4または26に示されるアミノ酸配列を有するヒトC5bタンパク質に結合する抗体である。

0026

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、このインヒビターは、ポリペプチドポリペプチドアナログ、核酸、核酸アナログ、および低分子からなる群より選択され得る。このポリペプチドは、本明細書に記載の任意のものなどのヒト補体成分C5タンパク質に結合する、抗体、またはその抗原結合フラグメントであってもよいし、またはそれからなってもよい。いくつかの実施形態では、この抗体は、補体成分C5タンパク質のα鎖に結合し得る。いくつかの実施形態では、この抗体は、補体成分C5タンパク質のβ鎖に結合し得る。いくつかの実施形態では、この抗体は、ヒト補体成分C5のα鎖に結合し得、かつこの抗体は、(i)ヒト体液での補体活性化を阻害し得、(ii)精製されたヒト補体成分C5のヒト補体成分C3bもしくはヒト補体成分C4bのいずれかへの結合を阻害し得、および/または(iii)ヒト補体活性化産物なしのC5aに結合し得ない(または前述の特性のいずれかの組み合わせ)。この抗体は、配列番号1〜11のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するか、またはそれからなるヒト補体成分C5タンパク質に結合し得る。この抗体は、配列番号5のアミノ酸8位置〜アミノ酸位置12に相当するアミノ酸配列を含む単離されたオリゴペプチドに結合し得る。いくつかの実施形態では、この抗体は、モノクローナル抗体単鎖抗体ヒト化抗体、完全ヒト抗体ポリクローナル抗体組み換え抗体ダイアボディキメラ化抗体もしくはキメラ抗体脱免疫化ヒト抗体、完全ヒト抗体、単鎖抗体、Fvフラグメント、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、またはF(ab’)2フラグメントであってもよい。いくつかの実施形態では、この抗体は、エクリズマブであってもまたはパキセリズマブであってもよい。

0027

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、この組成物は、ヒトに静脈内投与されてもよい。

0028

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、補体関連障害は、別の補体経路関連障害である。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、この補体関連障害は、古典的な補体経路関連障害である。いくつかの実施形態では、この補体関連障害は、関節リウマチ、虚血性再灌流傷害、非定型溶血性尿毒症症侯群、血栓性血小板減少性紫斑病、デンス・デポジット病(DDD);加齢性黄斑変性症、自然胎児消失、寡免疫性血管炎、表皮水泡症、再発性胎児消失、多発性硬化症、HELLP、子癇前症、外傷性脳損傷、アルツハイマー病、重症筋無力症、寒冷凝集素症、皮膚筋炎、グレーブス病、橋本甲状腺炎、I型糖尿病、乾癬、天疱瘡、自己免疫溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、抗リン脂質抗体症候群、劇症型抗リン脂質症候群、視神経脊髄炎(NMO)、多巣性運動ニューロパチー(MMN)、デゴス(Degos)病、および本明細書に記載される任意の他の補体関連障害からなる群より選択される。

0029

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、ヒトが補体関連障害を有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあると特定する工程をさらに包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法はまた、投与後に、補体関連障害の1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0030

補体関連障害がaHUSである、本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、aHUSは、遺伝型であっても、後天性であっても、または特発型であってもよい。いくつかの実施形態では、aHUSは、補体H因子(CFH)関連のaHUS(例えば、CFHの変異、またはCFHに結合する被験体における抗体の存在に起因する)、膜補因子タンパク質MCP)関連のaHUS、補体I因子CFI)関連のaHUS、C4b結合タンパク質(C4BP)関連のaHUS、フォン・ヴィレブランド因子(vWF)関連の障害、補体B因子(CFB)関連のaHUS、またはC3消費増大の結果として低C3レベルを生じる別の経路の障害であってもよい。

0031

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、被験体がaHUSを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあることを特定する工程をさらに包含し得る。

0032

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、aHUSの1つ以上の症状の改善について被験体をモニタリングする工程を包含し得る。

0033

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、この組成物は、血漿療法(例えば、血漿交換または血漿注入)の前、間、または後に被験体に投与され得る。いくつかの実施形態では、被験体に対するC5インヒビターの投与によって、患者による血漿療法の必要性が軽減され得る。例えば、いくつかの実施形態では、被験体へのC5インヒビターの投与(例えば、慢性投与)は、患者による血漿療法の必要性を少なくとも2カ月まで軽減または実質的に減少し得る(例えば、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月もしくは12カ月、または1、2、3、4、5もしくは6年以上)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、定型HUSまたはaHUSを処置するために有用な1つ以上の追加の活性剤を被験体に投与する工程を包含し得る。この1つ以上の追加の活性剤は、例えば、降圧剤抗血小板剤プロスタサイクリン線維素溶解剤および抗酸化剤からなる群より選択され得る。

0034

いくつかの実施形態では、ヒトとは乳児である。乳児とは、例えば、0.5(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5歳)であってもよい。乳児は、10歳未満であってもよい(例えば、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、または1歳未満)。

0035

補体関連障害が定型HUSである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、定型HUSは、ヒトでの大腸菌感染に関連し得る。大腸菌感染は、例えば、大腸菌O157(例えば、O157:H7)、O26、O103、O111、またはO145感染であり得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、代表的な溶血性尿毒症症候群は、ヒトでのShigella dysenteriae感染と関連し得る。Shigella dysenteriae感染は、Shigella dysenteriaeの1型の感染であり得る。

0036

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法はさらに、ヒトが定型溶血性尿毒症症候群を有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあると特定する工程を包含し得る。

0037

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後に、定型溶血性尿毒症症候群の1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0038

補体関連障害がCAPSである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、CAPSは、誘発条件に関連し得る。誘発条件としては、例えば、癌、移植、感染、手術原発性抗リン脂質抗体症候群、または自己免疫障害、例えば、関節リウマチまたは全身性紅斑性狼瘡を挙げることができる。したがって、いくつかの実施形態では、CAPSは、癌、例えば、限定するものではないが、胃癌卵巣癌リンパ腫白血病子宮内膜癌腺癌腫、肺癌、またはCAPSを誘発するかまたはCAPSと関連することが当該分野で公知の任意の他の癌と関連し得る。いくつかの実施形態では、CAPSは特発性であってもよい。

0039

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法はまた、ヒトがCAPSを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあることを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、CAPSの1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0040

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、プラズマフェレーシス、IVIG、またはCAPSを処置するための任意の他の追加の療法の前、間または後にヒトに対して投与され得る。

0041

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法はまた、CAPSを処置するために有用な1つ以上の追加の活性剤をヒトに投与する工程を包含し得る。この1つ以上の追加の活性剤は、降圧剤、抗サイトカイン剤ステロイド抗凝固剤または線維素溶解剤からなる群より選択され得る。

0042

補体関連障害がTTPである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、TTPは、遺伝性であってもよい。例えば、ヒトは、ADAMTS13遺伝子に1つ以上の(例えば、2、3、4、または5以上)の変異を担持し得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、TTPは、後天性であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ヒトは、ADAMTS13メタロプロテイナーゼに結合し、かつ阻害する抗体を産生し得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、TTPは、再発型であり得る。例えば、ヒトとは、TTPを有するヒトであってもよい。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、TTP(または再発性TTP)は、誘発条件、例えば、限定するものではないが、癌、妊娠、細菌もしくはウイルスの感染、手術、または当該分野で公知であるかもしくは本明細書で記載される任意の他のTTP関連状態に関連する。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、TTP(または再発性TTP)は、TTPに関連する治療剤の使用に関連する。例えば、TTPは、例えば、チクロピジンもしくはクロピドグレルなどの血小板凝集インヒビターまたは免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンマイトマイシンC、FK506、またはインターフェロンα)の使用に関連し得る。

0043

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、ヒトがTTPを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあることを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、TTPの1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0044

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、血漿注入、プラズマフェレーシス、または脾臓摘出の前、間、または後にヒトに投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、ヒトに対して、TTPを処置または予防するために有用な1つ以上の追加の活性剤を投与する工程を包含し得る。この1つ以上の追加の活性剤は、降圧剤、ステロイド、抗凝固剤、または線維素溶解剤からなる群より選択され得る。

0045

補体関連障害がDDDである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、DDDは、遺伝型の障害であり得る。例えば、ヒトは、補体H因子遺伝子、補体因子H関連5遺伝子、または補体成分C3遺伝子におけるDDD関連の変異を有し得る。

0046

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、ヒトがDDDを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあることを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、DDDの1つ以上の症状における改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0047

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、血漿補充、プラズマフェレーシス、または静脈内γグロブリン療法の前、間または後にヒトに投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、DDDを処置するために有用な1つ以上の追加の活性剤をヒトに対して投与する工程を包含し得る。1つ以上の追加の活性剤は、降圧剤、コルチコステロイド、抗凝固剤、または線維素溶解剤からなる群より選択され得る。

0048

補体関連障害がMGである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、ヒトは、MG関連自己抗体、例えば、限定はしないが、MG関連抗AChR抗体、MG関連抗MuSK抗体、またはMG関連抗横紋(striational)タンパク質抗体を発現するヒトであってもよい。MGは、眼のMGおよび/またはMGの薬物誘発型、例えば、D−ペニシラミン誘発性MGであってもよい。いくつかの実施形態では、ヒトは、筋無力症クリーゼである場合もあるし、または筋無力症クリーゼを発症するリスクがある場合もある。いくつかの実施形態では、ヒトとは、新生児のMGを有する新生児であり得て、ここではMGを有する母が、胎盤から乳児へMG関連抗体を渡す。

0049

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、MGを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあるヒトを特定する工程をさらに包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、MGの1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程をさらに包含し得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、プラズマフェレーシス、IVIG、または免疫吸着療法の前、間、または後にヒトに投与され得る。

0050

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、MGを処置または予防するために有用な1つ以上の追加の活性剤をヒトに投与する工程を包含し得る。1つ以上の追加の活性剤は、例えば、アセチルコリンテラーゼインヒビター、免疫抑制剤、または当該分野で公知であるかもしくは本明細書に記載される、MGを処置するために有用な任意の他の追加の活性剤であってもよい。

0051

補体関連障害が発作性寒冷血色素尿症(PCH)である本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、PCHは、感染(例えば、ウイルスもしくは細菌の感染)または新生物に関連し得る。例えば、PCHは、Treponema palladium感染、インフルエンザウイルス感染水痘帯状疱疹ウイルス感染、サイトメガロウイルス(CMV)感染、エプスタイン・バーウイルス(EBV)感染、アデノウイルス感染パルボウイルスB19感染、コクサッキーA9感染、Haemophilusインフルエンザ感染、Mycoplasma pneumoniae感染、またはKlebsiella pneumoniae感染に関連し得る。いくつかの実施形態では、PCHは、非ホジキンリンパ腫に関連し得る。いくつかの実施形態では、PCHは、免疫(例えば、麻疹免疫)に関連し得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、PCHは、急性であってもまたは再発性であってもよい。

0052

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、ヒトがPCHを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあることを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、PCHの1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0053

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、血漿注入、IVIG療法、赤血球輸血、またはプラズマフェレーシスの前、間、または後にヒトに投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、PCHを処置または予防するために有用な1つ以上の追加の活性剤をヒトに投与する工程を包含し得る。1つ以上の追加の活性剤は、降圧剤、ステロイド、免疫抑制剤(例えば、リツキシマブ)、抗生物質抗ウイルス剤、および化学療法剤からなる群より選択され得る。

0054

補体関連障害がCADである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、CADは、感染(例えば、ウイルスもしくは細菌の感染)または新生物と関連し得る。例えば、CADは、HIV感染、サイトメガロウイルス(CMV)感染、エプスタイン・バーウイルス(EBV)感染、またはMycoplasma pneumoniae感染に関連し得る。いくつかの実施形態では、CADは、非ホジキンリンパ腫に関連し得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、CADは、原発性であっても、または二次性であってもよい。

0055

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、ヒトがCADを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあるということを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、CADの1つ以上の症状の改善についてヒトをモニタリングする工程を包含し得る。

0056

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、血漿補充、IVIG療法、またはプラズマフェレーシスの前、間、または後にヒトに投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、CADを処置または予防するために有用な1つ以上の追加の活性剤をヒトに投与する工程を包含し得る。1つ以上の追加の活性剤は、降圧剤、ステロイド、免疫抑制剤(例えば、リツキシマブ)、抗生物質、抗ウイルス剤、および化学療法剤からなる群より選択され得る。

0057

補体関連障害がHELLP症候群である本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、罹患した女性は妊娠している場合もあるし、または最近妊娠した女性である場合もある。例えば、女性は、投与の前14日内(例えば、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、24時間、18時間、12時間、6時間未満、または4、3、2もしくは1時間内)に出産した女性であってもよい。いくつかの実施形態では、女性は、2回以上妊娠している。いくつかの実施形態では、女性は、少なくとも1回の以前の妊娠の間に子癇前症またはHELLP症候群を発症した女性であってもよい。

0058

補体関連障害がHELLP症候群である実施形態では、本明細書に記載の方法はさらに、女性がHELLP症候群を有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあるということを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法はさらに、投与後、HELLP症候群の1つ以上の症状の改善について女性をモニタリングする工程を包含し得る。

0059

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、組成物は、血漿交換、プラズマフェレーシス、血小板輸血、または赤血球輸血の前、間、または後に女性に投与されてもよい。

0060

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、女性においてHELLP症候群を処置または予防するために有用な少なくとも1つ以上の追加の活性剤を女性に投与する工程を包含し得る。1つ以上の追加の活性剤は、降圧剤、ステロイド、抗けいれん剤、および抗血栓剤からなる群より選択され得る。

0061

さらに別の態様では、本開示は、表示とヒト補体のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5のインヒビター)を含む組成物とを有する容器を備える(かまたはそれからなる)製品を特徴付ける。この表示は、本明細書に記載される任意の補体関連障害などの補体関連障害を有しているか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあるヒトに対してこの組成物を投与することを示す。このインヒビターは、補体成分C5またはそのフラグメント、例えば、C5aまたはC5bに結合する、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメントであってもよい。いくつかの実施形態では、この製品は、補体関連障害を処置または予防する(例えば、障害の1つ以上の症状を緩和する)ために有用な1つ以上の追加の活性剤を含む。

0062

本開示はまた、C5インヒビターエクリズマブでの処置の際、補体関連障害aHUSおよび腎臓血栓性微小血管症(TMA)を有する患者が、TMAのさらなる発症なしに腎臓のTMAの完全な回復を経験したという本発明者らによる発見に一部は基づく。したがって、別の態様では、本開示は、TMAを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがある患者において、血栓性微小血管症(TMA)を処置するか、またはTMAの発症もしくは重篤度を軽減するための方法を特徴付ける。この方法は、補体のインヒビター、例えば、補体成分C5のインヒビターを患者(それを必要とする)に投与し、それによって患者のTMAを処置する工程を包含する。このインヒビターは、例えば、本明細書に記載される任意のC5インヒビター、例えば、エクリズマブであってもよい。C5インヒビターの投与は、患者の脳および/または腎臓においてTMAの発症または重篤度を低減し得る。いくつかの実施形態では、C5インヒビターの投与は、患者における既存のTMA、例えば、患者の脳または腎臓に既に存在しているTMAを処置するかまたは回復を促進する。

0063

いくつかの実施形態では、患者は、本明細書に記載の任意の補体関連障害などの障害、例えば、膜性増殖性糸球体腎炎、ドゴー病、非定型溶血性尿毒症症侯群、抗体媒介性拒絶、HELLP症候群、または劇症型抗リン脂質抗体症候群を有する。

0064

本発明者らはまた、例えば、aHUSまたはCAPSを有する患者に対するエクリズマブの投与が、その疾患の1つ以上の症状の予期されない急速な緩和を生じることを発見している。例えば、本発明者らは、高血圧、尿排出の減少、および低血小板レベルが、エクリズマブでの慢性的な処置を開始して1カ月内(例えば、2週間内)にエクリズマブ処置aHUS患者では緩和されることを発見した。別の例では、本発明者らは、膜性増殖性糸球体腎炎を有する患者でのタンパク質尿は、エクリズマブでの慢性的な処置の開始後1カ月内に緩和されたことを発見した。したがって、さらに別の態様では、本開示は、発作性夜間血色素尿症の排除によって、本明細書に記載の任意の補体関連障害などの補体関連障害に関連する1つ以上の症状を緩和するための方法を特徴付ける。この方法は、補体のインヒビター(例えば、補体成分C5のインヒビター)を、それを必要とする患者に対して、補体関連障害に関連する1つ以上の症状を緩和するのに有効な量で投与する工程を包含し、ここでこの症状は、このインヒビターの投与後2カ月内に(例えば、7、6、5、4、3、または2週内に;20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1日内に;または12、11、10、9、8、7、6内、もしくは5時間内でさえ)緩和される。補体関連障害の症状は、医薬の当該分野で周知であり、本明細書に記載されている。この補体インヒビターは、本明細書に記載される任意のC5インヒビター、例えば、エクリズマブであってもよい。2カ月内にC5インヒビターによって緩和され得る例示的な症状としては、例えば、タンパク質尿、高血圧、血小板数減少、および腎臓からの尿排出の減少が挙げられる。いくつかの実施形態では、この少なくとも1つの症状は、その正常な水準または値の40%(例えば、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、またはさらに1%)内まで緩和される。例えば、いくつかの実施形態では、aHUSを有する高血圧患者に対するC5インヒビターエクリズマブの投与は、患者の高血圧をその患者の正常血圧拡張期および/または収縮期)の40%内まで緩和し得る。いくつかの実施形態では、C5インヒビターの投与は、被験体における補体関連障害の1つ以上の症状を完全寛解し得る。いくつかの実施形態では、患者は、腎臓移植をした患者、例えば、腎臓移植を最近受けたaHUS患者である。補体関連障害は、本明細書に記載される任意の障害、例えば、膜性増殖性糸球体腎炎、ドゴー病、非定型溶血性尿毒症症侯群、抗体媒介性拒絶、HELLP症候群、および劇症型抗リン脂質抗体症候群であってもよい。

0065

本明細書に記載の補体関連障害の多くは、偶発性または散発性の症状提示によって特徴付けられ、歴史的には症状が顕在する時にのみ処置されている。しかし、本発明者らは、患者が無症候性である場合にさえ、背景にある補体関連障害が存在したままであることを発見している。本発明者らはまた、この障害の再発または再燃が、補体媒介性インヒビターを用いて慢性的処置によって防止されるか、または少なくとも最小化され得ることも発見している。このような、このインヒビターの慢性的な投与は、再燃が生じる場合重篤な補体関連障害(例えば、aHUSまたはCAPS)を有する患者が被っているしばしば不可逆性の損傷(例えば、腎臓のような器官喪失)を防止または最小化するために有用である。したがって、この患者に対して補体インヒビターを、その患者の全身の補体活性を防止または実質的に阻害するのに十分高いインヒビターの濃度を継続して維持するのに十分な量および頻度で投与することが、最も重要である。

0066

したがって、別の態様では、本開示は、補体関連障害を処置するための方法を特徴付けており、この方法は、補体インヒビター(例えば、抗C5抗体などのC5インヒビター)を、それを必要とする患者に対して、この患者で全身の補体阻害を維持するのに有効な量および頻度で長期に投与する工程を包含し、ただしこの補体関連障害は発作性夜間血色素尿症ではない。

0067

本明細書で使用する場合、「長期に投与される」、「慢性的な処置」、「長期に処置すること」またはその類似の文法的なバリエーションとは、長期間にわたって患者において全身の補体活性を完全にまたは実質的に抑制するために患者の血液中で治療剤の特定の域値濃度を維持するために使用される処置計画を指す。したがって、補体インヒビターで長期に処置される患者は、その患者の全身の補体活性を阻害または実質的に阻害する、患者の血液におけるインヒビターの濃度を維持するために十分な量および投与頻度でインヒビターを用いて、2週間以上の期間(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51もしくは52週;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月;または1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5もしくは12年、または患者の寿命の残りにわたって)処置され得る。いくつかの実施形態では、補体インヒビターは、それを必要とする患者に対して、血清溶血性活性を20%以下(例えば、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、またはさらに5%未満)に維持するため、および血清溶血性活性を20%以下に維持するために有効である量および頻度で長期に投与され得る。例えば、Hillら、(2005)Blood 106(7):2559を参照のこと。いくつかの実施形態では、補体インヒビターは、血清乳酸脱水素酵素LDH)レベルをLDHについての正常範囲の少なくとも20%(例えば、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、またはさらに5%未満)内で維持するのに有効な量および頻度で患者に投与され得る。Hillら、(2005)(上記)を参照のこと。いくつかの実施形態では、補体インヒビターは、血清LDHレベルを550IU/L未満(例えば、540、530、520、510、500、490、480、470、460、450、430、420、410、400、390、380、370、360、350、340、330、320、310、300、290、280、または270IU/L未満)で維持するのに有効な量および頻度で患者に投与される。患者の全身の補体阻害を維持するため、補体インヒビターを、患者に対して、例えば、週に1回、2週に1回、週に2回、1日に1回、1カ月に1回、または3週ごとに1回長期に投与してもよい。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、C5インヒビター(例えば、抗C5抗体)は、患者に対して、患者血液中で1つのC5分子あたり、少なくとも0.7(例えば、少なくとも0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上)の二価C5インヒビター分子(単数または複数)(例えば、全抗C5抗体、例えば、エクリズマブ)濃度を維持するために有効な投与の量および頻度で投与され得る。C5インヒビターに関して「二価(divalent)」または「2価(bivalent)」とは、C5分子のための少なくとも2つの結合部位を含むC5インヒビターを指す。C5インヒビターが一価である場合(例えば、単鎖抗C5抗体またはC5に結合するFab)、このインヒビターは、血中のC5分子1個あたり少なくとも1.5(例えば、少なくとも2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5以上)の一価C5インヒビターの濃度を維持するために有効な量および頻度でこの患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、一価C5インヒビターは、少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または少なくとも6:1以上)という一価C5インヒビター対C5の比を維持するために有効な量および頻度で患者に投与され得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、全(2価)抗C5抗体は、患者の血液の1ミリリットルあたり、少なくとも40μg(例えば、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、75、80、85、90、95、100、110、または120μg以上)という濃度でこの抗体を維持するのに有効な量および頻度で患者に投与される。好ましい実施形態では、全抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)は、患者の血液1ミリリットルあたり少なくとも50μgという濃度でこの抗体を維持するための量および頻度で投与される。好ましい実施形態では、全抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)は、患者の血液1ミリリットルあたり少なくとも100μgという濃度でこの抗体を維持するための量および頻度で投与される。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、一価の抗C5抗体(例えば、単鎖抗体またはFabフラグメント)は、患者の血液1ミリリットルあたり少なくとも80μg(例えば、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、または170μg以上)という濃度でこの抗体を維持するために有効な量および頻度でこの患者に投与され得る。例示的な慢性的な投薬ストラテジーは本明細書に記載されている。

0068

別の態様では、本開示は、補体関連障害を処置するための方法を特徴付けており、この方法は、患者において全身の補体阻害を維持するのに有効な量および頻度で抗C5抗体を、それを必要とする患者に対して長期に投与する工程を包含する。いくつかの実施形態では、抗C5抗体は、それを必要とする患者に対して、血清溶血性活性を20%以下(例えば、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、またはさらに5%未満)で維持し、かつ血清溶血性活性を20%以下で維持するのに有効な量および頻度で長期に投与され得る。例えば、Hillら、(2005)Blood 106(7):2559を参照のこと。いくつかの実施形態では、抗C5抗体は、血清乳酸脱水素酵素(LDH)レベルをLDHについての正常範囲内に:少なくとも20%(例えば、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、またはさらに5%未満);または550IU/L以下(例えば、550、540、530、520、510、500、490、480、470、460、450、430、420、410、400、390、380、370、360、350、340、330、320、310、300、290、280以下、または270IU/L未満)に維持するのに有効な量および頻度で患者に投与され得る。例えば、Hillら、(2005)(上記)を参照のこと。いくつかの実施形態では、抗C5抗体は、患者の血液中でC5分子1個あたり少なくとも0.7(例えば、少なくとも0.8、0.9、1、2、3または4以上)という全(2価)抗C5抗体分子(単数または複数)の濃度を維持するための量および頻度でこの患者に投与される。いくつかの実施形態では、抗C5抗体は、少なくとも1:1(例えば、少なくとも3:2、2:1、5:2、または3:1)という血中の全(2価)抗C5抗体対C5の比を維持するために有効な量および頻度で患者に投与され得る。抗C5抗体が一価である場合、抗C5抗体は、血中でC5分子1個あたり少なくとも2という一価抗C5抗体の濃度を維持するのに有効な量および頻度でこの患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、一価抗C5抗体は、少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、または6:1以上)という一価抗C5抗体対C5の比を維持するために有効な量および頻度で患者に投与され得る。この抗C5抗体は、例えば、エクリズマブであってもよい。患者は、補体関連障害を有する場合も、有する疑いがある場合も、または発症するリスクがある場合もあるが、ただしこの障害は発作性夜間血色素尿症ではない。例えば、補体関連障害は、膜性増殖性糸球体腎炎、ドゴー病、非定型溶血性尿毒症症侯群、抗体媒介性拒絶、HELLP症候群、および劇症型抗リン脂質抗体症候群からなる群より選択される障害であってもよい。

0069

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、抗C5抗体は、患者の体重に基づいてその患者に長期に投与され得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)は、患者の体重に基づいて、表1に示される投薬スケジュールのもとで患者に長期に投与され得る。

0070

0071

*本開示によれば、(B)の維持投薬スケジュールは、処置投与計画の期間、例えば、少なくとも1カ月(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、36、または48カ月以上);少なくとも1年(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15年以上);またはその患者の余生にわたって維持され得る。

0072

好ましい実施形態では、抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)は、表2に示される投薬スケジュールのもとで患者の体重に基づいてその患者に投与され得る。

0073

0074

*本開示によれば、(B)の維持投薬スケジュールは、処置投与計画の期間、例えば、少なくとも1カ月(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、36、または48カ月以上);少なくとも1年(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15年以上);またはその患者の余生にわたって維持され得る。

0075

表1または2の例示的な投薬スケジュールは、投薬計画の期間にわたって患者における全身の補体活性の完全または実質的に完全な阻害を維持するような方法で必要に応じて医療従事者によって調節され得る(投与される抗体の頻度、期間および/または総量において)ことが理解される。

0076

別の態様では、本開示は、補体関連障害を処置するための方法を特徴付けており、この方法は、抗C5抗体を、それを必要とする患者に対して、患者の血液1ミリリットルあたり少なくとも40μg(例えば、少なくとも41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、75、80、85、90、95、100、110、または120μg以上)の抗体という濃度を維持するのに有効な量および頻度で長期に投与する工程を包含し、ここでこの患者は、補体関連障害を有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあり、ただしこの障害は発作性夜間血色素尿症ではない。

0077

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、2週ごとに少なくとも1回患者に投与される。いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、1週あたり1回患者に投与される。いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、以下の投薬スケジュールのもとで少なくとも9週間(例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51もしくは52週;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月;または1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5もしくは12年、またはその患者の余生の間)患者に投与され得る:少なくとも800mg(例えば、少なくとも810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を4連続週の間に1週に1回;少なくとも800mg(例えば、少なくとも810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を5週の間に1回;および少なくとも800mg(例えば、少なくとも810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を、その後は、この投薬スケジュールの残りの期間、隔週に。好ましい実施形態では、少なくとも900mgの抗C5抗体を患者に対して4週間にわたり週に1回投与し;少なくとも1200mgを患者に対して、第5週の間に投与し;そして少なくとも1200mgの抗C5抗体を患者に対して、その後、慢性投薬スケジュールの残りの期間、隔週に投与する。

0078

さらに別の態様では、本開示は、器官または組織を移植するための方法を特徴付ける。この方法は、器官または組織を、それを必要とする患者に対して移植する工程を包含し、ここでこの移植の前および後に長期に、ヒト補体のインヒビターは、その患者における全身性の補体活性を実質的に阻害するのに有効な量および頻度でその患者に投与される。補体インヒビターは、例えば、C5インヒビター、例えば、抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)であってもよい。本明細書に記載されるとおり、C5インヒビター(例えば、抗C5抗体)は、患者の血液中でC5分子1個について少なくとも0.7個の2価C5インヒビター分子(単数または複数)(または少なくとも1.5個の一価C5インヒビター分子(単数または複数))の濃度を維持する量および頻度で投与され得る。いくつかの実施形態では、C5インヒビター(例えば、抗C5抗体)は、患者の血液中で、少なくとも少なくとも40μg(例えば、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、75、80、85、90、95、100、110、または120μg以上)のインヒビター(例えば、この抗C5抗体)の濃度を維持する量および頻度でこの患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも800mg(例えば、少なくとも810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体(例えば、エクリズマブ)が、患者に対して、その患者に器官または組織を移植する前24時間内に(例えば、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、または2時間内に)投与される。いくつかの実施形態では、この方法はまた、移植の際、器官または組織中の補体活性化を阻害する時間および条件下で、この器官または組織とC5インヒビター(例えば、抗C5抗体、例えば、エクリズマブ)とを接触(例えば、浸漬)する工程を移植の前に包含し得る。この器官は、例えば、皮膚、腎臓、心臓四肢(例えば、指またはつま先)、眼、幹細胞集団骨髄脈管の組織、筋肉神経組織、または肝臓であってもよい。患者は、aHUSを有する場合もあるし、発症するリスクがある場合もあるし、または有する疑いがある場合もある。いくつかの実施形態では、少なくとも700mg(例えば、少なくとも710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体が、患者に対して、移植後24時間内に(例えば、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3時間内、または2時間内)に投与される。いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、患者に対して、移植後に長期に投与される。例えば、抗C5抗体は、患者に対して、少なくとも9週間(例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51もしくは52週;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月;または1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5もしくは12年、またはその患者の余生の間)以下の投薬スケジュールのもとで長期に投与される:少なくとも700mg(例えば、少なくとも710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を器官または組織移植後24時間内に;少なくとも700mg(例えば、少なくとも710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を最初の移植用量後、4週間にわたって週に1回;少なくとも700mg(例えば、少なくとも710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を第5週の間に1回;および少なくとも700mg(例えば、少なくとも710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、または1200mg以上)の抗C5抗体を、その後、その投薬スケジュールの残りの間は隔週に。好ましい実施形態では、抗C5抗体は、以下の投薬スケジュールのもとで移植操作を受けている患者に対して投与される:少なくとも1200mgの抗C5抗体が、患者に対して移植の前24時間内に投与される;少なくとも900mgの抗C5抗体が患者に対して移植後24時間内に投与される;少なくとも1200mgの抗C5抗体が、抗C5抗体の最初の術後投与後4週間にわたって1週あたり1回患者に投与される;1200mgが患者に対して抗C5抗体の最初の術後投与後第5週で投与される;そして少なくとも1200mgの抗C5抗体が、患者に対して、この慢性処置計画の残りの間、その後隔週に投与される。

0079

いくつかの実施形態では、この方法はさらに、患者に対して1つ以上の免疫抑制剤、例えば、限定するものではないが、ラパマイシンサイクロスポリンA、抗IL−2剤、OKT3、およびタクロリムスを投与する工程を包含し得る。1つ以上の免疫抑制剤が、移植の前、間または後に投与されてもよい。1つ以上の免疫抑制剤がまた、C5インヒビターの投与の前、同時または後に投与されてもよい。

0080

本開示はまた、患者に対して移植される場合、器官または組織に対する補体媒介性の傷害の軽減のための方法を特徴付ける。この方法は、器官または組織を、それを必要とする患者に対して移植する前に、その器官または組織とC5のインヒビターを含む薬学的溶液とを、その患者に移植された場合その器官または組織に対する補体媒介性の傷害を軽減する時間および条件下で接触させる工程を包含する。C5インヒビターはまた、この患者に対してこの器官または組織の移植の前、間および/または後に投与され得る。この溶液はまた、1つ以上の免疫抑制剤、例えば、限定するものではないが、ラパマイシン、サイクロスポリンA、抗IL−2剤、OKT3、およびタクロリムスを含んでもよい。

0081

本発明者らはまた、重篤な補体関連障害、例えば、CAPSおよびAPSならびに寛解があった患者において、再燃または再発について患者を罹りやすくする低レベルの補体活性が患者で保持され続けることを発見した。上で注記のとおり、これらの重篤な障害を有する患者での症状の再発は、腎臓などの主要な器官に対する即時的かつときどき不可逆性の傷害に相当し得る。したがって、本開示は1つの特定の理論または作用機序には決して限定はされないが、本発明者らは、急激な再燃または再発を防止するために、補体関連障害(例えば、aHUSおよびCAPS)を有する患者が、その障害の1つ以上の症状が緩和された後でさえ、および/または患者が臨床的寛解があった後でさえC5インヒビターで長期に処置されなければならないと断言する。したがって、さらに別の態様では、本開示は補体関連障害を処置するための方法を特徴付け、ただし、この障害は、発作性夜間血色素尿症ではない。この方法は、補体関連障害に罹患した患者に対してC5インヒビター(例えば、抗C5抗体、例えば、エクリズマブ)を、補体関連障害を処置するために有効な量で投与する工程を包含する。C5インヒビターは、この障害の1つ以上(例えば、2、3、4、5、または6以上)の症状が緩和された後でさえ患者に投与される。いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、患者に対して、1つ以上の症状が完全に緩和された後でさえ投与される。いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、患者が臨床的寛解した後でさえその患者に投与される。C5インヒビターは、患者に対して、1つ以上の症状がその患者において緩和されるか、および/またはその患者が臨床的寛解をした後、少なくとも8週の間(例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51もしくは52週;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月;または1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5もしくは12年、またはその患者の余生の間)、例えば、患者に長期に投与され得る。補体関連障害は、本明細書に記載の任意の障害、例えば、膜性増殖性糸球体腎炎、ドゴー病、非定型溶血性尿毒症症侯群、抗体媒介性拒絶、HELLP症候群、および劇症型抗リン脂質抗体症候群であってもよい。

0082

本開示は、例えば、aHUS患者における、エクリズマブの効果の観察に基づいて、特定の理論または作用機序には決して限定されないが、本発明者らは、補体成分C5aの生物学的活性が、aHUSに関連する血管収縮および高血圧に実質的に寄与し得ると結論した。したがって、C5aインヒビターを用いるC5aの阻害は、aHUSを処置するためならびに/またはaHUSに関連する血管収縮および高血圧を緩和するために有用である。この方法は、それを必要とする患者に対して、補体成分C5のインヒビターを、患者におけるaHUSを処置するのに有効な量で投与する工程を包含する。いくつかの実施形態では、aHUSに関連する血管収縮および高血圧は、C5aインヒビターの投与後、2カ月内(例えば、7、6、5、4、3もしくは2週内に;14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1日内に;または12、11、10、9、8、7、6もしくは5時間内に)緩和され得る。いくつかの実施形態では、C5aインヒビターは配列番号12〜25のいずれか1つに示される少なくとも4(例えば、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17以上)連続のアミノ酸を含むか、またはそれからなるアミノ酸配列を有するヒトC5aタンパク質またはそのフラグメントに結合する抗体(またはその抗原結合フラグメント)である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、配列番号12に示されるアミノ酸配列を有するヒトC5aタンパク質に結合する抗体である。C5aインヒビターは、C5をフラグメントC5aおよびC5bに切断することを阻害しない。C5aインヒビターはまた、C5bも膜攻撃複合体の形成も阻害しない。本明細書に記載されるとおり、いくつかの実施形態では、C5aインヒビター(例えば、抗C5a抗体)は、C5aとC5aレセプター(例えば、C5aRまたはC5L2)との間の相互作用を阻害し得る。いくつかの実施形態では、この抗体は、モノクローナル抗体、単鎖抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、ポリクローナル抗体、組み換え抗体、ダイアボディ、キメラ化抗体もしくはキメラ抗体、脱免疫化ヒト抗体、完全ヒト抗体、単鎖抗体、Fvフラグメント、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、またはF(ab’)2フラグメントであってもよい。

0083

補体関連障害がaHUSである本明細書に記載の任意の方法の実施形態では、aHUSは、遺伝子型であっても、後天性型であっても、または特発性型であってもよい。いくつかの実施形態では、aHUSは、補体H因子(CFH)関連のaHUS(例えば、H因子またはH因子に結合しかつ不活性化する自己抗体における変異に関連するaHUS)、膜補因子タンパク質(MCP)関連のaHUS、補体I因子(CFI)関連のaHUS、C4b−結合タンパク質(C4BP)関連のaHUS、補体B因子−(CFB)関連のaHUS、vWF障害、またはC3消費の増大の結果として低レベルのC3を生じる補体活性化の別の経路における任意の他の変異に関連するaHUSであってもよい。

0084

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法はさらに、患者がaHUSを有するか、有する疑いがあるか、または発症するリスクがあることを特定する工程を包含し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、投与後、aHUSの1つ以上の症状の改善について患者をモニタリングする工程を包含し得る。本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、C5aインヒビターは、血漿療法(例えば、血漿交換または血漿注入)の前、間または後に患者に投与され得る。いくつかの実施形態では、患者に対するC5aインヒビターの投与は、患者による血漿療法の必要性を緩和し得る。例えば、いくつかの実施形態では、患者に対するC5aインヒビターの投与(例えば、慢性投与)は、少なくとも2カ月(例えば、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月もしくは12カ月または1、2、3、4、5、または6年以上)、患者による血漿療法の必要性を緩和または実質的に減少し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の方法は、患者に対して、定型のHUSまたはaHUSを処置するために有用な1つ以上の追加の活性剤を投与する工程を包含し得る。1つ以上の追加の活性剤は、例えば、降圧剤、抗血小板剤、プロスタサイクリン、線維素溶解剤、および抗酸化剤からなる群より選択され得る。

0085

いくつかの実施形態では、ヒトとは乳児である。乳児は、例えば、0.5歳(例えば、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、または9.5歳)であってもよい。乳児は、10歳未満(例えば、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1未満、または1歳未満)であってもよい。

0086

本明細書に記載される任意の方法のいくつかの実施形態では、補体関連障害は発作性夜間血色素尿症ではない。

0087

「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、交換可能に用いられ、かつ長さにも翻訳後修飾にもかかわらず、アミノ酸の任意のペプチド連結鎖を意味する。本明細書に記載される補体成分C5タンパク質は、野生型タンパク質を含んでも、もしくは野生型タンパク質であってもよく、または多くとも50(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、または50)まで連続のアミノ酸置換を有する改変体であってもよい。保存的置換は代表的には、以下の群のなかの置換を包含する:グリシンおよびアラニンバリンイソロイシン、およびロイシンアスパラギン酸およびグルタミン酸アスパラギングルタミンセリンおよびトレオニンリジンヒスチジンおよびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン

0088

本明細書に記載されるヒト補体成分C5タンパク質はまた、全長タンパク質および/または未熟プレ−プロ)C5タンパク質よりも短いが、全長タンパク質が哺乳動物における抗原性応答誘導する能力(下の「抗体産生のための方法」を参照のこと)の少なくとも10%(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%以上)を保持している、タンパク質の「抗原性ペプチドフラグメント」を包含する。C5タンパク質の抗原性ペプチドフラグメントは、末端、およびタンパク質の内部欠失改変体を包含する。欠失改変体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のアミノ酸セグメント(2つ以上のアミノ酸の)または連続しない単一のアミノ酸を欠いてもよい。抗原性ペプチドフラグメントは、少なくとも6(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450、500、または600以上)のアミノ酸残基長(例えば、配列番号1〜11のいずれか1つの少なくとも6連続のアミノ酸残基)であってもよい。いくつかの実施形態では、ヒトC5タンパク質の抗原性ペプチドフラグメントは、500未満(例えば、450、400、350、325、300、275、250、225、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、または6未満)のアミノ酸残基長(例えば、配列番号1〜11のいずれか1つにおける500未満連続のアミノ酸残基)を有する。いくつかの実施形態では、全長の抗原性ペプチドフラグメント、未熟ヒトC5タンパク質(プレプロ−C5タンパク質)は、少なくとも6、ただし500未満のアミノ酸残基長を有する。

0089

いくつかの実施形態では、ヒト補体成分C5タンパク質は、配列番号1(下を参照のこと)に示されるアミノ酸配列を有するヒトC5タンパク質に対して70%(例えば、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)以上同一であるアミノ酸配列を有し得る。

0090

アミノ酸配列同一性(%)は、最大配列同一性パーセントを達成するように、必要な場合、配列を整列させギャップを導入した後、参照配列中のアミノ酸に同一である候補配列中のアミノ酸の割合として規定される。配列同一性のパーセントを決定する目的のためのアライメントは、当該分野の技術の範囲内の種々の方法、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、ALIGN−2またはMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような市販のコンピュータソフトウエアを用いて達成することができる。比較されている配列の完全長渡り最大アライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含むアライメントを測定するための適切なパラメーターは、公知の方法によって決定され得る。

0091

例示的なヒトC5タンパク質およびその抗原性ペプチドフラグメントのアミノ酸配列は、当該分野で公知であり、下に示される。

0092

本開示を通じて用いる場合、「抗体」という用語は、当該分野で公知であり、本明細書に記載される種々の方法のうちいずれかによって生成される、抗体全体またはインタクトな抗体(例えば、IgMIgGIgAIgD、またはIgE)分子を指す。「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化ヒト抗体、および完全ヒト抗体を包含する。抗体は、任意の種々の種、例えば、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サルヒヒ、またはチンパンジー)、ウマウシブタヒツジヤギイヌネコウサギモルモットスナネズミアレチネズミ)、ハムスターラット、およびマウスの中で生成されても、またはそれに由来してもよい。この抗体は、精製されても、または組み換え抗体であってもよい。

0093

本明細書で使用する場合、「抗体フラグメント」、「抗原結合フラグメント」という用語、または類似の用語は、抗原(例えば、補体成分C5タンパク質)に結合する能力を保持している抗体のフラグメント、例えば、単鎖抗体、単鎖Fvフラグメント(scFv)、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、またはF(ab’)2フラグメントを指す。scFvフラグメントは、単一のポリペプチド鎖であって、scFvが由来する抗体の重鎖および軽鎖の両方の可変領域を含む単一のポリペプチド鎖である。さらに、ダイアボディ(Poljak(1994) Structure 2(12):1121〜1123;Hudsonら、(1999)J.Immunol.Methods 23(1−2):177−189、(その各々の開示はその全体が参照によって本明細書に援用される))およびイントラボディ(intrabodies)(Hustonら、(2001)Hum.Antibodies 10(3−4):127〜142;Wheelerら、(2003)Mol Ther 8(3):355〜366;Stocks(2004)Drug Discov. Today 9(22):960〜966(その各々の開示はその全体が参照によって本明細書に援用される))(補体成分C5タンパク質に結合する)は、組成物中に組み込まれてもよいし、本明細書に記載される方法で用いられてもよい。

0094

他に規定しない限り、本明細書に用いる全ての技術用語および科学用語は、本開示が関与する当該分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。好ましい方法および材料が下に記載されるが、本明細書に開示される方法および材料と類似または等価な方法および材料が、現在開示される方法および組成物の実施または試験で用いられ得る。本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許および他の引用文献は、その全体が参照によって援用される。

0095

本開示の他の特徴および利点、例えば、補体関連障害を処置または予防するための方法は、以下の説明、実施例から、および特許請求の範囲から明らかである。また、本発明は例えば、以下を提供する:
(1)
補体関連障害を処置するための方法であって、補体インヒビターを、補体関連障害の処置を必要とする患者に対して、該患者における全身的な補体活性を実質的に阻害するのに有効な量および頻度で長期に投与する工程を包含し、ここで該患者は、補体関連障害を有するか、補体関連障害を有する疑いがあるか、または補体関連障害を発症するリスクがあり、ただし該補体関連障害は、発作性夜間血色素尿症ではない、方法。
(2)
同種の器官または組織を移植するための方法であって、器官または組織を、器官または組織の移植を必要とする患者に対して移植する工程を包含し、ここで該移植の前およびその後に、補体インヒビターが、該患者における全身性の補体活性を実質的に阻害するのに有効な量および頻度で該患者に投与される、方法。
(3)
前記器官または組織が、肝臓、腎臓、心臓、肺、皮膚、眼、骨髄、および脈管の組織からなる群より選択される、2に記載の方法。
(4)
前記患者が、補体関連障害を有するか、補体関連障害を有する疑いがあるか、または補体関連障害を発症するリスクがある、2または3に記載の方法。
(5)
前記補体インヒビターが、血清溶血性活性を20%以下まで低下し、かつ該血清溶血性活性を20%以下に維持するのに有効な量および頻度で患者に長期に投与される、1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(6)
前記補体インヒビターが、血清LDHレベルを500IU/L以下に維持するのに有効な量および頻度で患者に対して長期に投与される、1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(7)
前記補体インヒビターが、ポリペプチド、ポリペプチドアナログ、核酸、核酸アナログ、および低分子からなる群より選択される、1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(8)
前記補体インヒビターが、可溶性のCR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される、1〜7のいずれか1項に記載の方法。
(9)
前記補体インヒビターがヒト補体成分タンパク質の発現を阻害する、1〜7のいずれか1項に記載の方法。
(10)
前記補体インヒビターが、ヒト補体成分C5、C4、C3、またはC2の切断を阻害する、1〜7のいずれか1項に記載の方法。
(11)
前記補体インヒビターが補体成分C5のフラグメントC5aおよびC5bへの切断を阻害する、10に記載の方法。
(12)
前記補体インヒビターがヒト補体成分タンパク質に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントである、10または11に記載の方法。
(13)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントがヒト補体成分C5タンパク質に結合する、12に記載の方法。
(14)
前記抗体が前記補体成分C5タンパク質のα鎖に結合する、13に記載の方法。
(15)
前記抗体が、前記ヒト補体成分C5のα鎖に結合し、該抗体が、(i)ヒト体液における補体活性化を阻害し、(ii)精製されたヒト補体成分C5の、ヒト補体成分C3bまたはヒト補体成分C4bのいずれかへの結合を阻害し、(iii)該ヒト補体活性化産物がないC5aに結合しない、13または14に記載の方法。
(16)
前記抗体が、配列番号1〜26のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する前記ヒト補体成分C5タンパク質に結合する、13に記載の方法。
(17)
前記抗体が、配列番号5のアミノ酸位置8からアミノ酸位置12までに相当するアミノ酸配列を含む、単離されたオリゴペプチドに結合する、13に記載の方法。
(18)
前記ポリペプチドが、補体成分C5フラグメントC5bに結合する抗体を含む、12または13に記載の方法。
(19)
前記抗体がモノクローナル抗体である、12〜18のいずれか1項に記載の方法。
(20)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、ヒト化抗体、組み換え抗体、ダイアボディ、キメラ化抗体またはキメラ抗体、脱免疫化ヒト抗体、完全ヒト抗体、単鎖抗体、Fvフラグメント、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、およびF(ab’)2フラグメントからなる群より選択される、12〜19のいずれか1項に記載の方法。
(21)
前記抗体がエクリズマブである、12または13に記載の方法。
(22)
前記抗体が、前記患者の血液中でC5分子1個ごとに少なくとも0.7個の抗C5抗体分子という濃度を維持するための量および頻度で該患者に投与される、12、13または21のいずれか1項に記載の方法。
(23)
前記抗体が、前記患者の血液1ミリリットルあたり少なくとも50μgという該抗体を維持するための量および頻度で該患者に投与される、12、13または21のいずれか1項に記載の方法。
(24)
前記抗体が、前記患者の血液1ミリリットルあたり少なくとも100μgという該抗体の濃度を維持するために有効な量および頻度で該患者に投与される、23に記載の方法。
(25)
前記患者の体重が40kg以上である、1〜24のいずれか1項に記載の方法。
(26)
前記抗体が、以下:
少なくとも800mgの該抗体を、1週あたり1回で4週間連続;
少なくとも800mgの該抗体を、第5週の間に1回;および
少なくとも800mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも7週間、前記患者に投与される、12、13または21〜25のいずれか1項に記載の方法。
(27)
前記抗体が、以下:
少なくとも900mgの該抗体を、1週あたり1回で4週間連続;
少なくとも1200mgの該抗体を、第5週の間に1回;および
少なくとも1200mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも7週間、前記患者に投与される、26に記載の方法。
(28)
前記患者の体重が40kg未満だが、30kg以上である、1〜24のいずれか1項に記載の方法。
(29)
前記抗体が、以下:
少なくとも500mgの該抗体を、1週あたり1回で2週間連続;
少なくとも700mgの該抗体を、第3週の間に1回;および
少なくとも700mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも5週間、前記患者に長期に投与される、28に記載の方法。
(30)
前記抗体が、以下:
少なくとも600mgの該抗体を、1週あたり1回で2週間連続;
少なくとも900mgの該抗体を、第3週の間に1回;および
少なくとも900mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも5週間、前記患者に長期に投与される、29に記載の方法。
(31)
前記患者の体重が30kg未満だが、20kg以上である、1〜24のいずれか1項に記載の方法。
(32)
前記抗体が、以下:
少なくとも500mgの該抗体を、1週あたり1回で2週間連続;
少なくとも500mgの該抗体を、第3週の間に1回;および
少なくとも500mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも5週間、前記患者に長期に投与される、31に記載の方法。
(33)
前記抗体が、以下:
少なくとも600mgの該抗体を、1週あたり1回で2週間連続;
少なくとも600mgの該抗体を、第3週の間に1回;および
少なくとも600mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも5週間、前記患者に長期に投与される、32に記載の方法。
(34)
前記患者の体重が20kg未満だが、10kg以上である、1〜24のいずれか1項に記載の方法。
(35)
前記抗体が、以下:
少なくとも500mgの該抗体を、1週あたり1回で1週間;
少なくとも200mgの該抗体を、第2週の間に1回;および
少なくとも200mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも4週間、前記患者に長期に投与される、34に記載の方法。
(36)
前記抗体が、以下:
少なくとも600mgの該抗体を、1週あたり1回で1週間;
少なくとも300mgの該抗体を、第2週の間に1回;および
少なくとも300mgの該抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも4週間、前記患者に長期に投与される、36に記載の方法。
(37)
前記患者の体重が10kg未満だが、5kg以上である、1〜24のいずれか1項に記載の方法。
(38)
前記抗体が、以下:
少なくとも200mgの該抗体を、1週あたり1回で1週間;
少なくとも200mgの該抗体を、第2週の間に1回;および
少なくとも200mgの該抗体を、その後3週間ごとに1回;
というスケジュールのもとで、少なくとも5週間、前記患者に長期に投与される、37に記載の方法。
(39)
前記抗体が、以下:
少なくとも300mgの該抗体を、1週あたり1回で1週間;
少なくとも300mgの該抗体を、第2週の間に1回;および
少なくとも300mgの該抗体を、その後3週間ごと;
というスケジュールのもとで、少なくとも5週間、前記患者に長期に投与される、38に記載の方法。
(40)
前記補体インヒビターが、前記移植の前24時間内に前記患者に投与される、2〜24のいずれか1項に記載の方法。
(41)
前記補体インヒビターが、移植の前12時間内に前記患者に投与される、2〜24または40のいずれか1項に記載の方法。
(42)
前記補体インヒビターが、前記器官または組織の前記移植後24時間内に前記患者に投与される、2〜24、40または41のいずれか1項に記載の方法。
(43)
前記補体インヒビターが、前記器官または組織の前記移植後12時間内に前記患者に投与される、2〜24、40、41または42のいずれか1項に記載の方法。
(44)
前記補体インヒビターが、補体成分C5に結合する全抗体であり、前記移植の前、該抗体の少なくとも900mgが前記患者に投与される、2〜4、または40〜43に記載の方法。
(45)
前記移植の前、前記抗体の少なくとも1,200mgが前記患者に投与される、44に記載の方法。
(46)
前記補体インヒビターが、補体成分C5に結合する全抗体であり、前記移植の後、該抗体の少なくとも800mgが前記患者に投与される、2〜4、または40〜45のいずれか1項に記載の方法。
(47)
前記移植の後、前記抗体の少なくとも900mgが前記患者に投与される、46に記載の方法。
(48)
前記移植の後、前記抗C5抗体が以下:
少なくとも800mgの該抗C5抗体を、前記器官または組織移植後24時間内;
少なくとも800mgの該抗C5抗体を、1週あたり1回で4週間;
少なくとも800mgの該抗C5抗体を、第5週の間に1回;および
少なくとも800mgの該抗C5抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも7週間、前記患者に投与される、46または47に記載の方法。
(49)
前記移植の後、前記抗C5抗体が以下:
少なくとも1200mgの該抗C5抗体を前記器官または組織移植後24時間内;
少なくとも900mgの該抗C5抗体を、1週あたり1回で4週間;
少なくとも1200mgの該抗C5抗体を、第5週の間に1回;および
少なくとも1200mgの該抗C5抗体を、その後隔週に;
というスケジュールのもとで、少なくとも7週間、前記患者に投与される、46、47または48のいずれか1項に記載の方法。
(50)
前記抗体が前記スケジュールのもとで少なくとも21週間前記患者に投与される、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、48、または49のいずれか1項に記載の方法。
(51)
前記抗体が、前記スケジュールのもとで少なくとも1年間前記患者に投与される、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、48、49、または50のいずれか1項に記載の方法。
(52)
前記インヒビターが、前記患者の余生の間、該患者に投与される、26、27、29、30、32、33、35、36、38、39、または48〜51のいずれか1項に記載の方法。
(53)
前記インヒビターが、1週間あたり少なくとも1回、前記患者に長期に投与される、1〜25、28、31、34、37、または40〜47のいずれか1項に記載の方法。
(54)
前記インヒビターが、2週間ごとに少なくとも1回、前記患者に長期に投与される、1〜25、28、31、34、37、または40〜47のいずれか1項に記載の方法。
(55)
前記インヒビターが、前記患者の余生の間、該患者に長期に投与される、1〜54のいずれか1項に記載の方法。
(56)
血栓性微小血管症(TMA)を有するか、TMAを有する疑いがあるか、またはTMAを発症するリスクがある患者においてTMAを処置するための方法であって、ヒト補体のインヒビターを、TMAの処置を必要とする患者に対して投与し、それによって該患者におけるTMAを処置する工程を包含する、方法。
(57)
血栓性微小血管症(TMA)を有するか、TMAを有する疑いがあるか、またはTMAを発症するリスクがある患者において、TMAの発症または重篤度を低減するための方法であって、ヒト補体のインヒビターを、TMAの発症または重篤度の低減を必要とする患者に対して投与し、それによって該患者における該TMAの発症または重篤度を低減する工程を包含する、方法。
(58)
前記患者が補体関連障害を有する、56または57に記載の方法。
(59)
前記インヒビターの投与が前記患者の脳において前記TMAの発症または重篤度を低減する、56〜58のいずれか1項に記載の方法。
(60)
前記インヒビターの投与が、腎臓における前記TMAの発症または重篤度を低減する、56〜59のいずれか1項に記載の方法。
(61)
前記患者への前記インヒビターの投与が、該患者における既存のTMAの解決を促進する、56〜60のいずれか1項に記載の方法。
(62)
補体関連障害に関連する1つ以上の症状を緩和するための方法であって、該方法は補体関連障害に関連する1つ以上の症状を緩和するのに有効な量で、ヒト補体のインヒビターを、補体関連障害に関連する1つ以上の症状の緩和を必要とする患者に対して投与する工程を包含し、ここで該症状が該インヒビターの投与後14日内で緩和され、ただし該補体関連障害は、発作性夜間血色素尿症ではない、方法。
(63)
前記1つ以上の症状が、前記インヒビターの投与後10日内に緩和される、62に記載の方法。
(64)
前記1つ以上の症状が、前記インヒビターの投与後5日内に緩和される、62または63に記載の方法。
(65)
前記1つ以上の症状が、前記インヒビターの投与後2日内に緩和される、62〜64のいずれか1項に記載の方法。
(66)
前記1つ以上の症状が、前記インヒビターの投与後1日内に緩和される、62〜65のいずれか1項に記載の方法。
(67)
前記1つ以上の症状が、前記インヒビターの投与後12時間内に緩和される、62〜66のいずれか1項に記載の方法。
(68)
前記1つ以上の症状が、タンパク質尿、LDHレベルの上昇、高血圧、血小板数減少、および尿排出量減少からなる群より選択される、62〜67のいずれか1項に記載の方法。
(69)
前記1つ以上の症状の少なくとも1つが正常の40%内まで緩和されている、62〜68のいずれか1項に記載の方法。
(70)
前記1つ以上の症状の少なくとも1つが正常の20%内まで緩和されている、62〜69のいずれか1項に記載の方法。
(71)
前記1つ以上の症状の少なくとも1つが、前記患者において完全に緩和される、62〜70のいずれか1項に記載の方法。
(72)
補体関連障害を処置するための方法であって、補体関連障害に罹患している患者に対して、該補体関連障害を処置するのに有効な量でヒト補体のインヒビターを投与する工程を包含し、ここで該インヒビターは、該障害の1つ以上の症状が緩和された後でさえ該患者に投与され、ただし該補体関連障害は、発作性夜間血色素尿症ではない、方法。
(73)
前記インヒビターが、1つ以上の症状が完全寛解された後でさえ前記患者に投与される、72に記載の方法。
(74)
前記インヒビターが、前記患者が臨床寛解に入った後でさえ、該患者に投与される、72または73に記載の方法。
(75)
前記インヒビターが、前記障害の1つ以上の症状が緩和された後でさえ、少なくとも2カ月間、前記患者に投与される、62〜74のいずれか1項に記載の方法。
(76)
前記インヒビターが、前記障害の1つ以上の症状が緩和された後、少なくとも6カ月間、前記患者に投与される、62〜75のいずれか1項に記載の方法。
(77)
前記インヒビターが、前記障害の1つ以上の症状が緩和された後、少なくとも1年間、前記患者に投与される、62〜76のいずれか1項に記載の方法。
(78)
前記インヒビターが、前記障害の1つ以上の症状が緩和された後、少なくとも2年間、前記患者に投与される、62〜77のいずれか1項に記載の方法。
(79)
前記インヒビターが、前記患者に長期に投与される、62〜78のいずれか1項に記載の方法。
(80)
前記補体関連障害が、膜性増殖性糸球体腎炎、非定型溶血性尿毒症症侯群、抗体媒介性拒絶、HELLP症候群、および劇症型抗リン脂質抗体症候群からなる群より選択される、1または4〜79のいずれか1項に記載の方法。
(81)
aHUSを処置するための方法であって、補体成分C5aのインヒビターを、aHUSの処置を必要とする患者に対して、該患者のaHUSを処置するのに有効な量で投与する工程を包含する、方法。
(82)
前記インヒビターが:(i)C5aに結合する抗体;または(ii)該抗体の抗原結合フラグメントである、81に記載の方法。
(83)
前記抗体が、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むヒトC5aに結合する、81または82に記載の方法。
(84)
前記抗体がモノクローナル抗体である、81〜83のいずれか1項に記載の方法。
(85)
前記抗体が単鎖抗体である、81または84のいずれか1項に記載の方法。
(86)
前記抗体がヒト化抗体である、81または85のいずれか1項に記載の方法。
(87)
前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、組み換え抗体、ダイアボディ、キメラ化抗体またはキメラ抗体、脱免疫化ヒト抗体、完全ヒト抗体、単鎖抗体、Fvフラグメント、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、およびF(ab’)2フラグメントからなる群より選択される、81〜86のいずれか1項に記載の方法。
(88)
前記インヒビターが、前記患者における高血圧および血管収縮の一方または両方を緩和する、81〜87のいずれか1項に記載の方法。
(89)
前記高血圧が、前記インヒビターの投与後7日内に緩和される、88に記載の方法。
(90)
前記インヒビターが前記患者に長期に投与される、81〜89のいずれか1項に記載の方法。
(91)
製品であって:
表示を備えた容器;と
ヒト補体成分C5のインヒビターを含む組成物とを備え、該表示は、補体関連障害を有するか、補体関連障害を有する疑いがあるか、または補体関連障害を発症するリスクがあるヒトに対して、該組成物が投与されることを示しており、ただし該補体関連障害が発作性夜間血色素尿症ではない、製品。
(92)
前記インヒビターが、ヒト補体成分C5タンパク質に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントである、91に記載の製品。
(93)
1つ以上の追加の活性剤をさらに含む、91または92に記載の製品。

0096

詳細な説明
本開示は、ヒト補体成分C5のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5タンパク質またはその生物学的に活性なフラグメント、例えば、C5aおよびC5bに結合する抗体)を含む組成物、およびこの組成物を用いてヒトにおける補体媒介性の障害を処置または予防するための方法を提供する。決して限定するものではないが、例示的な組成物(例えば、薬学的組成物および処方物)ならびにこの組成物を用いるための方法を下に詳述する。

0097

組成物
本明細書に記載される組成物は、ヒト補体のインヒビターを含む。任意のヒト補体成分に結合するか、そうでなければその生成および/または活性化をブロックする任意の化合物は、本開示に従って利用され得る。例えば、補体のインヒビターは、例えば、低分子でも、核酸でも、または核酸アナログ、ペプチド模倣物、または高分子であってもよく、これは核酸でもタンパク質でもない。これらの剤としては限定するものではないが、低分子有機分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、Spiegelmer類、アンチセンス化合物二本鎖RNA、低分子干渉性RNA、ロック(locked)核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターが挙げられる。いくつかの実施形態では、補体インヒビターは、タンパク質であっても、またはタンパク質フラグメントであってもよい。

0098

いくつかの実施形態では、組成物は、ヒト補体成分に特異的な抗体を含む。いくつかの化合物は、補体成分C1、C2、C3、C4、C5(またはそのフラグメント;下を参照のこと)、C6、C7、C8、C9、D因子、B因子、P因子、MBL、MASP−1、およびMASP−2に対する抗体を含み、これによって、C5aに関連するアナフィラキシー毒性活性の発生を防ぐか、および/またはC5bに会合する膜攻撃複合体のアセンブリを防ぐ。

0099

この組成物はまた、天然に存在するかまたは可溶型の補体阻害性化合物、例えば、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76COOHを含んでもよい。任意のヒト補体成分に結合するか、そうでなければその生成および/または活性化をブロックするために利用され得る他の化合物としては限定するものではないが、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、例としては、ARC187(Archemix Corporation、Cambridge,MAから市販されている)、L−RNAアプタマー、spiegelmer類、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、RNA干渉(RNAi)に利用され得る分子、例えば、二本鎖RNA、例としては、低分子干渉性RNA(siRNA)、ロック(locked)核酸(LNA)インヒビター、ペプチド核酸(PNA)インヒビターなどが挙げられる。

0100

いくつかの実施形態では、補体インヒビターは、補体の活性化を阻害する。例えば、補体インヒビターは、C1(例えば、C1q、C1r、またはC1s)に結合しかつその補体活性化活性を阻害し得、または補体インヒビターは、C2、C3、またはC4に結合しかつ阻害(例えば、その切断を阻害)し得る。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、補体の別の経路および/または古典的な経路のC3コンバターゼおよび/またはC5コンバターゼの形成またはアセンブリを阻害する。いくつかの実施形態では、補体インヒビターは、末端補体の形成、例えば、C5b−9膜攻撃複合体の形成を阻害する。例えば、抗体補体インヒビターは、抗C5抗体を包含し得る。このような抗C5抗体は、C5および/またはC5bと直接相互作用して、C5bの形成および/または生理学的な機能を阻害し得る。

0101

いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ヒト補体成分C5のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5タンパク質、またはその生物学的に活性なフラグメント、例えば、C5aまたはC5bに結合する、抗体、またはその抗原結合フラグメント)を含んでもよい。本明細書で使用する場合、「補体成分C5のインヒビター」とは、以下を阻害する任意の剤である:(i)補体成分C5タンパク質の細胞による発現、または適切な細胞内輸送もしくは分泌;(ii)C5切断フラグメントC5aまたはC5bの活性(例えば、同族細胞レセプターに対するC5aの結合、またはC6および/もしくは末端補体複合体の他の成分に対するC5bの結合;上記を参照のこと);(iii)C5aおよびC5bを形成するためのヒトC5タンパク質の切断;あるいは(iv)補体成分C5タンパク質の適切な細胞内輸送、または細胞による分泌。補体成分C5タンパク質発現の阻害としては以下が挙げられる:ヒトC5タンパク質をコードする遺伝子の転写の阻害;ヒトC5タンパク質をコードするmRNAの分解の増大;ヒトC5タンパク質をコードするmRNAの翻訳の阻害;ヒトC5タンパク質の分解の増大;プレ−プロヒトC5タンパク質の適切な処理の阻害;またはヒトC5タンパク質の細胞による適切な輸送もしくは分泌の阻害。候補剤が、ヒト補体成分C5のインヒビターであるか否かを決定する方法は、当該分野で公知であり、本明細書に記載される。

0102

ヒト補体成分C5タンパク質のインヒビターは、例えば、低分子、ポリペプチド、ポリペプチドアナログ、核酸、または核酸アナログであってもよい。

0103

「低分子」とは本明細書で使用する場合、約6kDa未満、最も好ましくは約2.5kDa未満という分子量を有する剤を指すことを意味する。多くの製薬会社は、本出願の任意のアッセイスクリーニングされ得る、低分子、しばしば、真菌、細菌、または藻類抽出物アレイを含む化学的および/または生物学的混合物の広範なライブラリーを有する。本出願は、とりわけ、低分子化合物ライブラリー、ペプチドライブラリー、または天然の産物のコレクションの使用を意図する。Tanらは、小型化された細胞ベースのアッセイと適合する二百万を超える合成化合物を有するライブラリーを記載している(J.Am.Chem.Soc.(1998)120:8565〜8566)。このようなライブラリーがヒト補体成分C5のインヒビターについてスクリーニングするために用いられ得るということは本出願の範囲内である。多数の市販の化合物のライブラリー、例えば、Chembridge DIVERSetがある。ライブラリーはまた、NCI開発治療プログラム由来の多様性(Diversity)セットなどの学問的研究者からも入手可能である。合理的な薬物設計も使用され得る。例えば、合理的な薬物設計は、ヒト補体成分C5タンパク質に対する結晶のまたは溶液の構造の情報を利用し得る。例えば、Hagemannら、(2008)J Biol Chem 283(12):7763〜75およびZuiderwegら、(1989)Biochemistry 28(1):172〜85に記載の構造を参照のこと。合理的な薬物設計はまた、公知の化合物、例えば、C5の公知のインヒビター(例えば、ヒト補体成分C5タンパク質に結合する、抗体、またはその抗原結合フラグメント)に基づいて達成され得る。

0104

ペプチド模倣物とは、本発明のポリペプチドの少なくとも一部が修飾されており、このペプチド模倣物の三次元構造がその本発明のポリペプチドのものと実質的に同じままである化合物であり得る。ペプチド模倣物は、本開示の本発明のポリペプチドのアナログであってもよく、これはそれ自体が、この本発明のポリペプチド配列内に1つ以上の置換または他の修飾を含むポリペプチドである。あるいは、本発明のポリペプチド配列の少なくとも一部は、非ペプチド構造で置き換えられてもよく、その結果この本発明のポリペプチドの三次元構造は実質的に保持される。換言すれば、本発明のポリペプチド配列内の1、2または3つのアミノ酸残基は、非ペプチド構造で置き換えられてもよい。さらに、本発明のポリペプチドの他のペプチド部分は、必然ではないが、非ペプチド構造で置き換えられてもよい。ペプチド模倣物(ペプチドおよび非ペプチジルアナログの両方)は、改善された特性(例えば、タンパク質分解の減少、保持の増大、またはバイオアベイラビリティの増大)を有し得る。ペプチド模倣物は一般に、改善された経口アベイラビリティを有し、これによってヒトまたは動物における障害の処置に特に適することになる。ペプチド模倣物は、類似の2次元化学構造を有してもよいし、有さなくてもよいが、共通の三次元構造特徴および幾何形状共有することに注意すべきである。各々のペプチド模倣物はさらに、1つ以上の固有の追加の結合構成要素を有してもよい。

0105

核酸インヒビターを用いて、ヒト補体成分C5をコードする内因性遺伝子の発現を減少してもよい。核酸アンタゴニストとは、例えば、siRNA、dsRNA、リボザイム三重らせん形成体アプタマー、またはアンチセンス核酸であってもよい。siRNAは、必要に応じてオーバーハングを含む低分子二本鎖RNA(double stranded RNA)(dsRNA)である。例えば、siRNAの二本鎖領域は約18〜25ヌクレオチド長、例えば、約19、20、21、22、23、または24ヌクレオチド長である。siRNA配列は、いくつかの実施形態では、標的mRNAに対して正確に相補性であり得る。dsRNAおよびsiRNAは詳細には、哺乳動物細胞(例えば、ヒト細胞)中での遺伝子発現サイレンシングするために用いられ得る。例えば、Clemensら、(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:6499〜6503;Billyら、(2001)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
98:14428〜14433;Elbashirら、(2001)Nature 411:494〜8;Yangら、(2002)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 99:9942〜9947、および米国特許出願公開第20030166282号、同第20030143204号、同第20040038278号、および同第20030224432号を参照のこと。アンチセンス剤は、例えば、約8〜約80核酸塩基(すなわち、約8〜約80ヌクレオチド)、例えば、約8〜約50核酸塩基、または約12〜約30核酸塩基を含み得る。アンチセンス化合物としては、リボザイム、外部ガイド配列(external guide sequence)(EGSオリゴヌクレオチドオリゴザイム)、および他の短い触媒性RNAまたは触媒性オリゴヌクレオチド(標的核酸ハイブリダイズしてその発現を調節する)が挙げられる。アンチセンス化合物としては、標的遺伝子における配列に相補的である少なくとも8連続の核酸塩基のストレッチを含んでもよい。オリゴヌクレオチドは、特異的にハイブリダイズ可能であるように、その標的核酸配列に対してかならずしも100%相補性である必要はない。オリゴヌクレオチドは、標的に対するそのオリゴヌクレオチドの結合が標的分子の正常な機能を妨害して有用性を損ない、また特異的な結合が所望される条件下で、すなわち、インビボのアッセイもしくは治療処置の場合には生理学的条件下で、またはインビトロのアッセイの場合には、そのアッセイが行われる条件下で、非標的配列に対してそのオリゴヌクレオチドの非特異的な結合を回避するのに十分な程度の相補性がある場合に、特異的にハイブリダイズ可能である。mRNA(例えば、ヒトC5タンパク質をコードするmRNA)とのアンチセンスオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションは、mRNAの正常な機能のうち1つ以上を妨害し得る。妨害されるmRNAの機能としては、全ての重要な機能、例えば、タンパク質翻訳の部位へのRNAの転位、RNAからのタンパク質の翻訳、1つ以上のmRNA種を生じるRNAのスプライシング、およびRNAが従事し得る触媒性活性が挙げられる。RNAに対する特異的なタンパク質(単数または複数)の結合はまた、RNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって妨害され得る。例示的なアンチセンス化合物としては、標的核酸、例えば、ヒト補体成分C5タンパク質をコードするmRNAに特異的にハイブリダイズするDNA配列またはRNA配列が挙げられる。相補性領域は、約8〜約80核酸塩基にわたって伸長し得る。化合物は、1つ以上の修飾された核酸塩基を含んでもよい。

0106

修飾された核酸塩基としては、例えば、5置換のピリミジン類、例えば、5−ヨードウラシル、5−ヨードシトシン、およびC5−プロピニルピリミジン、例えば、C5−プロピニルシトシンおよびC5−プロピニルウラシルを挙げることができる。他の適切な修飾された核酸塩基としては、例えば、7置換−8−アザ−7−デアザプリン類および7置換−7−デアザプリン類、例えば、7−ヨード−7−デアザプリン類、7−シアノ−7−デアザプリン類、7−アミノカルボニル−7−デアザプリン類などが挙げられる。これらの例としては、6−アミノ−7−ヨード−7−デアザプリン類、6−アミノ−7−シアノ−7−デアザプリン類、6−アミノ−7−アミノカルボニル−7−デアザプリン類、2−アミノ−6−ヒドロキシ−7−ヨード−7−デアザプリン類、2−アミノ−6−ヒドロキシ−7−シアノ−7−デアザプリン類、および2−アミノ−6−ヒドロキシ−7−アミノカルボニル−7−デアザプリン類が挙げられる。例えば、米国特許第4,987,071号;同第5,116,742号;および同第5,093,246号;「Antisense RNA and DNA」D.A.Melton,編集,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.(1988);Haselhoff and Gerlach(1988)Nature 334:585〜59;Helene, C.(1991)Anticancer Drug D 6:569〜84;Helene(1992)Ann.NY.Acad.Sci.660:27〜36;ならびにMaher(1992)Bioassays 14:807〜15を参照のこと。

0107

アプタマーとは、細胞表面タンパク質を含む、ほとんどの任意の分子を認識し、かつ特異的に結合するために用いられ得る短いオリゴヌクレオチド配列である。指数関数富化(SELEX)プロセスによるリガンド系統進化は強力であって、かつこのようなアプタマーを容易に特定するために用いられ得る。アプタマーは、増殖因子および細胞表面抗原のような治療および診断のための広範なタンパク質の重要性について作製され得る。これらのオリゴヌクレオチドは、それらの標的に対して、類似の親和性および特異性で、抗体が結合するのと同じように結合する(例えば、Ulrich(2006)Handb Exp Pharmacol.173:305〜326を参照のこと)。

0108

いくつかの実施形態では、ヒトC5のインヒビターは、ヒト補体成分C5タンパク質に結合する、抗体、またはその抗原結合フラグメントである。(本明細書において以降では、この抗体は、時に「抗C5抗体」と呼ばれ得る)。

0109

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒトのプロ−C5前駆体タンパク質におけるエピトープに結合する。例えば、この抗C5抗体は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるヒト補体成分C5タンパク質中のエピトープに結合し得る(NCBIアクセッション番号.AAA51925およびHavilandら、(上記))。

0110

「エピトープ」とは、抗体に結合されるタンパク質(例えば、ヒト補体成分C5タンパク質)の部位をいう。「重複するエピトープ」には、少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5、または6個)の共通のアミノ酸残基(単数または複数)を含む。

0111

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、リーダー配列を欠く、ヒトプロ−C5前駆体タンパク質中のエピトープに結合する。例えば、この抗C5抗体は、アミノ末端リーダー配列を欠いているヒトC5タンパク質である、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むか、またはそのアミノ酸配列からなるヒト補体成分C5タンパク質中のエピトープに結合し得る。

0112

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質のα鎖におけるエピトープに結合し得る。例えば、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5α鎖タンパク質である、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質内のエピトープまたはそれと重複するエピトープに結合し得る。C5のα鎖に結合する抗体は、例えば、Amesら、(1994)J Immunol 152:4572〜4581に記載される。

0113

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質のβ鎖におけるエピトープに結合し得る。例えば、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5β鎖タンパク質である、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質内のエピトープまたはそれと重複するエピトープに結合し得る。C5のβ鎖に結合する抗体は、例えば、Moongkarndiら、(1982)Immunobiol.162:397;Moongkarndiら、(1983)Immunobiol.165:323;およびMollnesら、(1988)Scand.J.Immunol.28:307〜312に記載される。

0114

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質の抗原性ペプチドフラグメント内のエピトープまたはそれと重複するエピトープに結合し得る。例えば、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質の抗原性ペプチドフラグメント内のエピトープまたはそれと重複するエピトープに結合し得、このフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含むか、または以下のアミノ酸配列からなる:

0115

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質のフラグメント内のエピトープまたはそれと重複するエピトープに結合し得、このフラグメントは、以下のアミノ酸配列のうち任意の1つ(これは配列番号1の例示的な抗原性フラグメントである)を含むか、または以下のアミノ酸配列のうち任意の1つからなる:

0116

ヒト補体成分C5の追加の例示的な抗原性フラグメントは、その開示が参照によって本明細書に援用される、例えば、米国特許第6,355,245号に開示される。

0117

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質(例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するヒトC5タンパク質)に特異的に結合する。「特異的な結合」または「特異的に結合する」という用語は、2つの分子が生理学的な条件下で相対的に安定である複合体(例えば、抗体と補体成分C5タンパク質との間の複合体)を形成することを指す。代表的には、結合は、会合定数(Ka)が106M−1より高い場合に特異的とみなされる。したがって、抗体は、C5タンパク質に対して、少なくとも106(例えば、少なくとも107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014または1015以上、またはそれより大きい)M−1(またはそれより大きい)というKaで特異的に結合し得る。ヒト補体成分C5タンパク質に特異的に結合する抗体の例は、例えば、米国特許第6,355,245号(その開示が全体として参照によって本明細書に援用される)に記載される。

0118

抗体が、タンパク質抗原に結合するか否か、および/またはタンパク質抗原に対する抗体の親和性を決定する方法は当該分野で公知である。例えば、タンパク質抗原に対する抗体の結合は、限定するものではないが、ウエスタンブロットドットブロットプラズモン表面共鳴法(例えば、BIAcoreシステム;Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden and Piscataway,N.J.)、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などの種々の技術を用いて検出および/または定量され得る。例えば、Harlow and Lane(1988)「Antibodies:A Laboratory Manual」Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Benny K.C.Lo(2004)「Antibody Engineering:Methodsand Protocols,」Humana Press(ISBN:1588290921);Borrebaek(1992)「Antibody Engineering,A Practical Guide,」W.H.Freeman and Co.,NY;Borrebaek(1995)「Antibody Engineering,」第2版,Oxford University Press,NY,Oxford;Johneら、(1993)J.Immunol.Meth.160:191〜198;Jonssonら、(1993)Ann.Biol.Clin.51:19〜26;およびJonssonら、(1991)Biotechniques 11:620〜627を参照のこと。米国特許第6,355,245号も参照のこと。

0119

いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質内のエピトープまたはそれと重複するエピトープに結合する別の抗体の結合を交差ブロックし得る。いくつかの実施形態では、この抗C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質のペプチドフラグメント内のエピトープ、またはそれと重複するエピトープに結合する抗体の結合を交差ブロックし得る。このペプチドフラグメントは、配列番号:1〜11のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するヒト補体成分C5タンパク質のフラグメントであってもよい。例えば、ペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含んでも、またはそれからなってもよい:

0120

本明細書で使用する場合、「交差ブロックする抗体」という用語は、その抗体の非存在下におけるエピトープに対する抗C5抗体の結合の量に対して、補体成分C5タンパク質上のエピトープに対する抗C5抗体の結合の量を少なくする抗体をいう。第一の抗体がエピトープに対する第二の抗体の結合を交差ブロックするか否かを決定するために適切な方法は、当該分野で公知である。例えば、交差ブロックする抗体は、試験抗体の有無において、5G1.1抗C5モノクローナル抗体(ハイブリドーマ細胞株ATCC記号HB−11625によって産生される;米国特許第6,355,245号を参照のこと)の結合を比較することによって特定され得る。試験抗体の非存在下における5G1.1抗体の結合に比較した試験抗体の存在下における5G1.1抗体の結合の減少によって、この試験抗体が交差ブロックする抗体であることが示される。

0121

特定の抗体(例えば、抗C5抗体)が結合するエピトープを特定する方法も、当該分野で公知である。例えば、抗C5抗体の結合エピトープは、補体成分C5タンパク質のいくつか(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、または30以上)重複するペプチドフラグメント(例えば、配列番号1〜11のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するタンパク質のいくつか重複するフラグメント)に対する抗体の結合を測定することによって特定され得る。次いで、各々の異なる重複するペプチドを、固体支持体上の固有のアドレス、例えば、マルチウェルアッセイプレートの別々のウェルに結合する。次に、抗C5抗体を、その抗体がそのエピトープに結合することを可能にする時間および条件下でアッセイプレート中で各々のペプチドに対して接触させることによって取り調べる。未結合の抗C5抗体を、各々のウェルを洗浄することによって除去する。次に、もしプレートのウェルに存在するのであれば、抗C5抗体に結合する検出可能に標識された二次抗体をお互いのウェルと接触させ、未結合の二次抗体を洗浄工程によって除去する。ウェル中で検出可能に標識された二次抗体によって産生される検出可能シグナルの存在または量は、この抗C5抗体が、ウェルに会合した特定のペプチドフラグメントに結合していることの指標である。例えば、HarlowおよびLane(上記),Benny K.C.Lo(上記),ならびに米国特許出願公開第20060153836号(その開示は全体が参照によって援用される)を参照のこと。抗体が結合する特定のエピトープはまた、BIAcoreクロマトグラフィー技術(例えば、Pharmacia BIAtechnology Handbook,「Epitope Mapping,」Section 6.3.2、(May 1994);およびJohneら、(1993)J.Immunol.Methods160:20191〜8を参照のこと)を用いて特定され得る。

0122

本明細書に記載される抗C5抗体は、補体成分C5タンパク質(例えば、ヒトC5タンパク質)のC5aおよび/またはC5bの活性なフラグメントの生成または活性をブロックするのにおいて活性を有し得る。このブロッキング効果を通じて、抗C5抗体は、例えば、C5aの炎症促進効果およびC5b−9膜攻撃複合体(MAC)の生成を、細胞の表面で阻害する。C5aの生成をブロックする能力を有する抗C5抗体は、例えば、Moongkarndiら、(1982)Immunobiol.162:397およびMoongkarndiら、(1983)Immunobiol.165:323に記載される。

0123

いくつかの実施形態では、抗C5抗体、またはその抗原結合フラグメントは、C5タンパク質がヒト補体成分C3b(例えば、APまたはCP C5コンバターゼ複合体に存在するC3b)に結合する能力を、50%を超える(例えば、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%以上)まで低下し得る。いくつかの実施形態では、C5タンパク質に対する結合の際、抗C5抗体またはその抗原結合フラグメントは、C5タンパク質が補体成分C4b(例えば、CP C5コンバターゼに存在するC4b)に結合する能力を50%を超える(例えば、55、60、65、70、75、80、85、90、または95%以上)まで低下し得る。抗体が、補体成分C5タンパク質のC5aおよび/またはC5bの活性なフラグメントの生成または活性を、あるいは補体成分C4bまたはC3bに対する結合をブロックし得るか否かを決定する方法は、当該分野で公知であって、例えば、米国特許第6,355,245号およびWurznerら、(1991)Complement Inflamm 8:328〜340.(以下も参照のこと)に記載されている。

0124

いくつかの実施形態では、抗C5抗体は、補体成分C5タンパク質のα鎖のアミノ末端領域に結合するが、遊離のC5aには結合しない。α鎖のアミノ末端領域内の抗C5抗体のエピトープとしては、例えば、ヒト配列内のエピトープ

0125

が挙げられる。

0126

いくつかの実施形態では、組成物が、エクリズマブ(Soliris(登録商標);Alexion Pharmaceuticals,Inc.,Cheshire,CT)を含むか、および/または抗体がエクリズマブである。(例えば、Kaplan(2002)Curr Opin Investig Drugs 3(7):1017〜23;Hill(2005)Clin Adv Hematol Oncol 3(11):849〜50;およびRotherら、(2007)Nature Biotechnology 25(11):1256〜1488を参照のこと)。

0127

いくつかの実施形態では、この組成物は、パキセリズマブ(Alexion Pharmaceuticals,Inc.,Cheshire,CT)を含むか、および/または抗体がパキセリズマブである。(例えば、Whiss(2002)Curr Opin Investig Drugs 3(6):870〜7;Patelら、(2005)Drugs Today(Barc)41(3):165〜70;およびThomasら、(1996)Mol Immunol.33(17〜18):1389−401を参照のこと)。

0128

いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、C5a(本明細書では「抗C5a抗体」と呼ばれるときがある)に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、この抗体は、C5aには結合するが、全長C5には結合しない。上記のとおり、C5のプロ型である1676アミノ酸残基の前駆体タンパク質は、一連のタンパク質分解性切断事象によって処理される。最初の18ペプチド(番号付け−18〜−1)は、前駆体タンパク質から切断されるシグナルペプチドを構成する。残りの1658アミノ酸タンパク質は、2つの場所で切断されてα鎖およびβ鎖が形成される。最初の切断事象は、アミノ酸残基655〜656の間で生じる。第二の切断はアミノ酸残基659と660との間で生じる。この2つの切断事象が、3つの別個ポリペプチドフラグメントの形成を生じる:(i)β鎖と呼ばれるアミノ酸1〜655を含むフラグメント;(ii)α鎖と呼ばれるアミノ酸660〜1658を含むフラグメント;および(iii)アミノ酸656〜659からなるテトラペプチドフラグメント。α鎖およびβ鎖ポリペプチドフラグメントは、ジスルフィド結合を介してお互いと接続されて、成熟C5タンパク質を構成する。CPまたはAPC5コンバターゼは、残基733と734との間でα鎖を切断することによって成熟C5を活性化し、これがC5aフラグメントの遊離を生じる(アミノ酸660〜733)。成熟C5の残りの部分は、フラグメントC5bであって、これは、β鎖に結合したα鎖ジスルフィドの残基734〜1658を含む。

0129

インビボでは、C5aは、血清酵素、カルボキシペプチダーゼBによって、カルボキシ末端アルギニン残基を失っている「C5a des−Arg」と名付けられた73アミノ酸型へ急速に代謝される。したがって、いくつかの実施形態では、C5aに結合する抗体はまた、デサージネート(desarginated)C5aに結合する。いくつかの実施形態では、C5aに結合する抗体は、デサージネート(desarginated)C5aには結合しない。

0130

いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、C5aに存在するネオエピトープ(すなわち、成熟C5のα鎖フラグメントからのC5aの遊離の際に露出されるエピトープ)に結合する抗体である。C5aに結合する抗体(例えば、C5aに存在するネオ−エピトープ)は、当該分野では、公知であり、このような抗体を産生するための方法も公知である。例えば、C5aに結合する抗体は、例えば、PCT公開番号WO 01/15731;Amesら、(1994)J Immunol 152(9):4572〜4581;Inoue(1989)Complement Inflamm 6(3):219〜222;および米国特許第6,866,845号のうちのいずれか1つに記載のC5aネオエピトープ特異的抗体の結合特異性を有し得る。別の例では、C5aに結合する抗体は、限定するものではないが、sc−52633(Santa Cruz Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,California)、I52−1486(BD Pharmingen/BD Biosciences)、ab11877(Abcam,Cambridge,Massachusetts)、およびHM2079(クローン2952;HyCult Biotechnology,the Netherlands)などの市販のC5aネオエピトープ特異的抗体の結合特異性を有し得る。いくつかの実施形態では、C5aに結合する抗体は、上述の任意のC5aネオエピトープ特異的抗体の結合を交差ブロックし得る。

0131

いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、哺乳動物(例えば、ヒト)C5aタンパク質に結合する抗体であってもよい。例えば、この抗体は、以下のアミノ酸配列を有するヒトC5aタンパク質に結合し得る:

0132

この抗体は、以下のアミノ酸内のエピトープまたはそれと重複するエピトープでヒトC5aに結合し得る:

0133

いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号12〜25のいずれか1つに示される、少なくとも4(例えば、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17以上)連続のアミノ酸を含むか、またはそれからなるアミノ酸配列を含む、ヒトC5aタンパク質またはそのフラグメントに結合し得る。本明細書に記載される抗体が結合し得るさらなるC5aタンパク質フラグメント、ならびに適切なC5a特異的な抗原組み合わせ部位を生成するための方法は、例えば、その開示が全体として本明細書に参照によって援用される、米国特許第4,686,100号に示される。

0134

いくつかの実施形態では、C5aに対する抗体の結合は、C5aの生物学的活性を阻害し得る。C5a活性を測定するための方法としては例えば、走化性アッセイ、RIA、またはELISAが挙げられる(例えば、Ward and Zvaifler(1971)J Clin Invest 50(3):606〜16およびWurznerら、(1991)Complement Inflamm 8:328〜340を参照のこと)。いくつかの実施形態では、C5aに対する抗体の結合は、C5aとC5aR1との間の相互作用を阻害し得る。C5aとC5aR1との間の相互作用を決定および/または測定するために適切な方法(抗体の有無における)は、当該分野で公知であり、例えば、MaryおよびBoulay(1993)Eur J Haematol 51(5):282〜287;Kanekoら、(1995)Immunology 86(1):149〜154;Gianniniら、(1995)J Biol Chem 270(32):19166〜19172;ならびに米国特許出願公開第20060160726号に記載されている。例えば、C5aR1発現末梢血単核球に対する検出可能に標識された(例えば放射性活性で標識された)C5aの結合は、抗体の有無で評価され得る。抗体の非存在下での結合の量に比較して、抗体の存在下でC5aR1に結合する検出可能に標識されたC5aの量の減少は、この抗体がC5aとC5aR1との間の相互作用を阻害することの指標である。いくつかの実施形態では、C5aに対する抗体の結合は、C5aとC5L2との間の相互作用を阻害し得る(下を参照のこと)。C5aとC5L2との間の相互作用を検出および/または測定するための方法は、当該分野で公知であり、例えば、Ward(2009)J Mol Med 87(4):375〜378およびChenら、(2007)Nature 446(7132):203〜207に記載されている(下を参照のこと)。

0135

いくつかの実施形態では、C5インヒビターとは、C5bに結合する抗体(本明細書において、時に「抗C5b抗体」とも呼ばれる)である。いくつかの実施形態では、この抗体は、C5bに結合するが、全長C5には結合しない。C5bの構造は、上記されており、例えば、Mueller−Eberhard(1985)Biochem Soc Symp 50:235〜246;Yamamoto and Gewurz(1978)J Immunol 120(6):2008〜2015;およびHavilandら、(1991)(上記)にも詳細である。上記のとおり、C5bは、C6、C7、およびC8と組み合わさって、標的細胞の表面でC5b−8複合体を形成する。組み合わせの連続の間に形成されるタンパク質複合体中間体としては、C5b−6(C5bおよびC6を含む)、C5b−7(C5b,C6、およびC7を含む)、およびC5b−8(C5b、C6、C7、およびC8を含む)が挙げられる。いくつかのC9分子の結合の際、膜攻撃複合体(MAC、C5b−9末端補体複合体(TCC))が形成される。十分な数のMACが標的細胞膜に入る場合、それらが作製する開口部(MAC細孔)は、標的細胞の急速な浸透圧溶解を媒介する。

0136

いくつかの実施形態では、C5bに対する抗体の結合は、C5bとC6との間の相互作用を阻害し得る。いくつかの実施形態では、C5bに対する抗体の結合は、C5b−9 MAC−TCCのアセンブリまたは活性を阻害し得る。いくつかの実施形態では、C5bに対する抗体の結合は、補体依存性の細胞溶解を阻害し得る(例えば、インビトロおよび/またはインビボで)。抗体が補体依存性溶解を阻害するか否かを評価するために適切な方法としては、例えば、溶血アッセイまたは溶解性C5b−9の活性を検出するための他の機能的なアッセイが挙げられる。例えば、抗体の存在下における補体の細胞溶解能力の低下は、KabatおよびMayer(編集)「Experimental Immunochemistry,第2版,」135〜240、Springfield,IL,CC Thomas(1961),135〜139頁、または、例えば、Hillmenら、(2004)N Engl J Med 350(6):552に記載されるようなニワトリ赤血球溶血方法などのアッセイの従来のバリエーションによって記載される溶血アッセイによって測定され得る。

0137

C5bに結合する抗体、およびこのような抗体を作製するための方法は、当該分野で公知である。例えば、米国特許第6,355,245号を参照のこと。市販の抗C5b抗体は、例えば、Hycult Biotechnology(カタログ番号:HM2080;クローン568)およびAbcam(商標)(ab46151またはab46168)を含む多数のベンダーから入手可能である。

0138

いくつかの実施形態では、C5インヒビターは、C5bの哺乳動物(例えば、ヒト)型に結合する抗体である。例えば、この抗体は、以下のアミノ酸配列を有するヒトC5bタンパク質の一部に結合し得る:

0139

いくつかの実施形態では、この抗体は、以下のアミノ酸配列を有するヒトC5bタンパク質の一部に結合し得る:

0140

いくつかの実施形態では、この抗体は、配列番号4または配列番号26に示される少なくとも4(例えば、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20以上)連続のアミノ酸を含むか、またはそれからなるアミノ酸配列を含むヒトC5bタンパク質またはそのフラグメントに結合し得る。

0141

C5インヒビター抗体が結合し得るヒトC5bまたはC5aのさらなる例示的なサブフラグメントは、その開示が参照によって本明細書に援用される、例えば、米国特許第6,355,245号に開示されている。

0142

いくつかの実施形態では、このインヒビターは、C5aポリペプチド(例えば、配列番号12に示されるアミノ酸配列を有するヒトC5aポリペプチド)に特異的に結合する抗体である。いくつかの実施形態では、このインヒビターは、C5bポリペプチドに特異的に結合する抗体である。

0143

ある特定の因子が、ヒト補体成分C5のインヒビターであるか否かを決定するための方法は、本明細書に記載されており、当該分野で公知である。例えば、体液中のC5aおよびC5bの濃度および/または生理学的活性は、当該分野で周知の方法によって測定され得る。C5a濃度または活性を測定するための方法としては、例えば、走化性アッセイ、RIA、またはELISAが挙げられる(例えば、WardおよびZvaifler(1971)J Clin Invest.50(3):606〜16、ならびにWurznerら、(1991)Complement Inflamm.8:328〜340を参照のこと)。C5bについては、本明細書に考察されるような溶血性アッセイまたは可溶性のC5b−9についてのアッセイを用いてもよい。当該分野で公知の他のアッセイも用いてもよい。これらおよび他の適切なタイプのアッセイを用いて、抗C5抗体のようなヒト補体成分C5を阻害し得る候補因子をスクリーニングして、例えば、本明細書に記載の方法で有用な化合物を特定し、かつこのような化合物の適切な投与レベルを決定してもよい。

0144

mRNAまたはタンパク質の発現の阻害(例えば、ヒトC5タンパク質発現、またはヒトC5タンパク質をコードするmRNAの発現の阻害)を検出するための方法は、分子生物学の当該分野で周知であり、これには、例えば、mRNAについておよびタンパク質検出についてのノーザンブロットおよびRTPCR(または定量的RT−PCR)技術、ウエスタンブロット、ドットブロットまたはELISA技術(例えば、Sambrookら、(1989)「Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版」Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.を参照のこと)が挙げられる。

0145

候補化合物がヒトC5のC5aおよびC5b型への切断を阻害するか否かを決定するための方法は、当該分野で公知であり、例えば、Moongkarndiら、(1982)Immunobiol.162:397;Moongkarndiら、(1983)Immunobiol.165:323;Isenmanら、(1980)J Immunol.124(1):326〜31;Thomasら、(1996)Mol.Immunol.33(17〜18):1389〜401;およびEvansら、(1995)Mol.Immunol.32(16):1183〜95に記載されている。

0146

ヒト補体成分C5の阻害はまた、被験体の体液における補体の細胞溶解能力を減少し得る。存在する補体の細胞溶解能力のこのような減少は、例えば、KabatおよびMayer(編集),「Experimental Immunochemistry,第2版」135〜240、Springfield,IL,CC Thomas(1961),第135〜139頁に記載の溶血アッセイなどの従来の溶血性アッセイ、または例えば、Hillmenら、(2004)N Engl J Med 350(6):552に記載のようなニワトリ赤血球溶血法などのそのアッセイの従来のバリエーションなどの当該分野で周知の方法によって測定され得る。

0147

薬学的組成物および処方物。補体インヒビター(例えば、ヒト補体成分C5のインヒビター、例えば、抗C5抗体またはその抗原結合フラグメント)を含む組成物は、例えば、aHUS、CAPS、ドゴー病またはTMAを処置するための被験体への投与のための薬学的組成物として、処方され得る。この薬学的組成物は一般には、薬学的に許容され得るキャリアを含む。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容され得るキャリア」とは、薬学的に適合性である、任意のおよび全ての溶媒分散媒体コーティング抗菌剤および抗真菌剤等張剤および吸収遅延剤などを指し、これらを包含する。組成物は、薬学的に許容され得る塩、例えば、酸付加塩、または塩基付加塩を含んでもよい(例えば、Bergeら、(1977)J.Pharm.Sci.66:1〜19を参照のこと)。

0148

組成物は、標準的な方法に従って処方され得る。薬学的処方物は、十分確立された技術であり、さらに、例えば、Gennaro(2000)「Remington:The Science and Practice of Pharmacy,」第20版、Lippincott,Williams & Wilkins(ISBN:0683306472);Anselら、(1999)「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,」第7版,Lippincott Williams & Wilkins Publishers(ISBN:0683305727);およびKibbe(2000)「Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association」第3版(ISBN:091733096X)に記載されている。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、適切な濃度および2〜8℃での保管に適している緩衝化溶液として処方されてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、0℃未満の温度での保管のために処方され得る(例えば、−20℃または−80℃)。

0149

薬学的組成物は、種々の形態であってもよい。これらの形態としては、例えば、液体半固体、および固体剤形、例えば、液体溶液(例えば、注射用液および注入可能溶液)、分散剤または懸濁剤錠剤丸剤粉末リポソームおよび坐剤が挙げられる。好ましい剤形は、一部は、投与および治療適用の意図される方式に依存する。例えば、全身送達または局所送達を意図する抗C5抗体を含む組成物は、注射溶液または注入可能溶液の形態であってもよい。したがって、組成物は、非経口の方式(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内の注射)での投与のために処方されてもよい。「非経口投与」、「非経口的に投与される」および他の文法的に等価なは、本明細書で使用する場合、通常は注射による、外部投与および局所投与以外の投与方式を指し、これには、限定するものではないが、静脈内、鼻腔内、眼内、肺、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節内(intracapsular)、眼窩内心臓内、皮内、肺内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内(intraarticular)、被膜下、くも膜下脊髄内硬膜外、脳内、頭蓋内、頸動脈内および胸骨内の注射および注入が挙げられる(下を参照のこと)。

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