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技術 食塩組成物

出願人 株式会社ADEKA
発明者 菊地宏輔茂木和之根津亨
出願日 2016年8月25日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-165162
公開日 2018年3月1日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-029547
状態 未査定
技術分野 種実、スープ、その他の食品 調味料 肉類、卵、魚製品
主要キーワード パネラー評価 本醸造醤油 マッシュルームエキス 味噌醤油 成分バランス 減塩食品 オイスター 香気化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年3月1日)のものです。
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課題

飲食品風味味質を損ねることなくナトリウム摂取量を低減することができ、塩化ナトリウムと同様の塩味発現パターンを有する食塩組成物、及び該食塩組成物を用いた飲食品を提供すること。

解決手段

(I)塩化ナトリウム及び(II)乳酸発酵物を含有し、上記(II)乳酸発酵物が、乳原料を含む水中油型乳化物基質とした乳酸発酵物である食塩組成物、並びに該食塩組成物を用いた飲食品。該食塩組成物においては、塩化ナトリウムの一部を塩化ナトリウム代替物、好ましくは(III)塩化カリウム置換することができる。また、該食塩組成物は更に、(IV)固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを含有することが好ましく、また(V)エキス類を含有することも好ましい。

概要

背景

5つの基本味の1つとして挙げられる塩味は、飲食品の美味しさを引きたて、食欲増進効果もあることから、飲食品の風味として極めて重要である。
飲食品に塩味を付与するためには、食塩、即ち塩化ナトリウムが使用されるのが一般的である。しかし、その主要構成成分であるナトリウムの過剰摂取は、高血圧をはじめとする多くの疾患の原因の一つとみられており、国立循環器病研究センターが2014年11月14日より「かるしお認定制度」を開始する等、昨今では健康への影響がある塩化ナトリウムの摂取量が以前にも増して注目されている。

斯様な背景から、塩化ナトリウム含量を減じた様々な食塩組成物、及び塩化ナトリウム含量を減じた飲食品が開発され市販されてきた。
しかしながら、単に塩化ナトリウムの添加量を減じただけでは、当然基本風味の一つである塩味が低減するために飲食品を美味しく喫食することができない。そのため、飲食品の風味や味質を維持したままナトリウム摂取量を低減させることのできる食塩組成物及び飲食品がこれまでにも要求され、検討されてきた。

塩味を維持したままナトリウム摂取量を減じる方法としては、塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質を添加する方法と、塩味強化剤を添加し塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる方法の2つに大別することができる。
塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質とは、塩化ナトリウムに似た塩味を有する物質のことであり、その例としては塩化カリウム有機酸アルカリ金属塩等が挙げられ、食品に添加される塩化ナトリウムの一部又は全部を置換することで塩化ナトリウム摂取量を低減することが可能となることが従来から知られている。

一方、塩味強化剤とは、それ自体は塩味を示さないか又は極めて薄い塩味を有するが、塩化ナトリウムに少量添加し併用することで、塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる効果を示すものである。したがって、塩味強化剤を用いることで、少ない塩化ナトリウム含量の飲食品であっても、より塩化ナトリウム含量の高い飲食品と同等の塩味を感じさせることができる。

塩化ナトリウム摂取量を低減する手法として上記2つの手法はこれまで広く用いられてきたが、下記のような課題があった。
まず、塩化カリウムをはじめとする塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質は、それらが有する塩味の強度が塩化ナトリウムと比較して弱く、また塩味発現のパターンが異なるという課題があった。塩化ナトリウムで飲食品を味付けした場合、塩味の立ち上がりシャープでありながら食品素材の味が引き出され、好ましい飲食品が得られるのに対し、塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質の中で風味が比較的良好であるために特に頻用される塩化カリウムを用いても、塩化ナトリウムを使用した時ほどの塩味の立ち上がりがみられない上、食品素材の味を十分に引き出すことができないことが従来から知られている。加えて、塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質は、渋味苦味えぐ味(以下ではこれらを総称して「雑味」という)を有するために、塩化ナトリウムの置換量を増やすと、飲食品の塩味が弱くなってしまうことに加えて、上記の雑味により味質が変化するという課題が生じていた(非特許文献1)。

これらの課題を解決するために、これまで様々な検討が行われてきた。
特許文献1では、塩化カリウムと、塩化マグネシウム塩化カルシウム等の混合物である苦汁を添加し、苦汁により塩化カリウムがもつ雑味を抑え、最終的な塩化ナトリウム添加量を減じる手法が提案されている。
特許文献2では、本醸造醤油から抽出された特定の香気化合物組合せにより、塩化カリウムがもつ雑味を抑える手法が提案されている。

しかし、特許文献1の手法では、塩化カリウムの雑味は抑えられても、塩化マグネシウムや塩化カルシウム等の金属塩を多く含む苦汁そのものの風味が感じられてしまい、食塩・塩化ナトリウムに対して消費者が求める塩味の質とは異なってしまうという問題があった。
特許文献2に公開されている技術は、醤油等の発酵食品、又はこれら発酵食品から抽出した濃縮物を添加するという方法をとるため、上述の特定の香気化合物を十分量添加しようとした場合に、醤油等の発酵食品からナトリウムが供給され十分な減塩を行うことができないという問題があった。また上記の抽出した濃縮物を添加した場合、特定の香気化合物が主として醤油等に多く含まれるために、添加した減塩食品に醤油様の風味が付与されることから、特許文献2に公開されている技術は、非常に有用な技術ではあるものの限られた範囲の食品にのみ適用され得る技術であった。
また、上記特許文献1及び2の方法では、塩味発現パターンの問題は解決されていなかった。

また塩味強化剤を添加し、塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる方法については、酸性アミノ酸塩基性アミノ酸及びコハク酸又はその塩を、食塩を含有する飲食品に添加する方法(特許文献3)や、特定の成分バランス乳清ミネラルを有効成分とする塩味強化剤(特許文献4)等が紹介されているが、これらの方法では、塩味の感じ方が鋭く、塩カドが感じられる場合がある。自然なまろやかな塩味を感じることのできる塩味強化の手法や、それらを用いた食塩組成物は未だ開示されていない。

このように、健康への影響からナトリウム摂取量を抑えるために、減塩への注目度が高まっているにも拘らず、ナトリウム摂取量を低減させることができ、且つ、異味や雑味がなく、自然な、塩カドのないまろやかな塩味が感じられる食塩組成物は、これまで存在していなかった。

概要

飲食品の風味や味質を損ねることなくナトリウム摂取量を低減することができ、塩化ナトリウムと同様の塩味発現パターンを有する食塩組成物、及び該食塩組成物を用いた飲食品を提供すること。(I)塩化ナトリウム及び(II)乳酸発酵物を含有し、上記(II)乳酸発酵物が、乳原料を含む水中油型乳化物基質とした乳酸発酵物である食塩組成物、並びに該食塩組成物を用いた飲食品。該食塩組成物においては、塩化ナトリウムの一部を塩化ナトリウム代替物、好ましくは(III)塩化カリウムに置換することができる。また、該食塩組成物は更に、(IV)固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを含有することが好ましく、また(V)エキス類を含有することも好ましい。なし

目的

本発明の目的は、飲食品の風味や味質を損ねることなくナトリウム摂取量を低減することができ、塩化ナトリウムと同様の塩味発現パターンを有する食塩組成物、及び該食塩組成物を用いた飲食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

(I)塩化ナトリウム及び(II)乳酸発酵物を含有し、上記(II)乳酸発酵物が、乳原料を含む水中油型乳化物基質とした乳酸発酵物である食塩組成物

請求項2

ナトリウム含有量カリウム含有量との質量比が、前者/後者=0.5〜50000である請求項1記載の食塩組成物。

請求項3

更に(III)塩化カリウムを含有する請求項1又は2記載の食塩組成物。

請求項4

更に(IV)固形分中のカルシウム含量が2質量%未満である乳清ミネラルを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の食塩組成物。

請求項5

更に(V)エキス類を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の食塩組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の食塩組成物を用いた飲食品

請求項7

減塩飲食品である請求項6記載の飲食品。

技術分野

0001

本発明は、飲食品風味味質を損ねることなく自然なまろやかな塩味を付与することができ、且つナトリウム摂取量を抑制することのできる食塩組成物、及び該食塩組成物を使用した飲食品に関する。

背景技術

0002

5つの基本味の1つとして挙げられる塩味は、飲食品の美味しさを引きたて、食欲増進効果もあることから、飲食品の風味として極めて重要である。
飲食品に塩味を付与するためには、食塩、即ち塩化ナトリウムが使用されるのが一般的である。しかし、その主要構成成分であるナトリウムの過剰摂取は、高血圧をはじめとする多くの疾患の原因の一つとみられており、国立循環器病研究センターが2014年11月14日より「かるしお認定制度」を開始する等、昨今では健康への影響がある塩化ナトリウムの摂取量が以前にも増して注目されている。

0003

斯様な背景から、塩化ナトリウム含量を減じた様々な食塩組成物、及び塩化ナトリウム含量を減じた飲食品が開発され市販されてきた。
しかしながら、単に塩化ナトリウムの添加量を減じただけでは、当然基本風味の一つである塩味が低減するために飲食品を美味しく喫食することができない。そのため、飲食品の風味や味質を維持したままナトリウム摂取量を低減させることのできる食塩組成物及び飲食品がこれまでにも要求され、検討されてきた。

0004

塩味を維持したままナトリウム摂取量を減じる方法としては、塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質を添加する方法と、塩味強化剤を添加し塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる方法の2つに大別することができる。
塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質とは、塩化ナトリウムに似た塩味を有する物質のことであり、その例としては塩化カリウム有機酸アルカリ金属塩等が挙げられ、食品に添加される塩化ナトリウムの一部又は全部を置換することで塩化ナトリウム摂取量を低減することが可能となることが従来から知られている。

0005

一方、塩味強化剤とは、それ自体は塩味を示さないか又は極めて薄い塩味を有するが、塩化ナトリウムに少量添加し併用することで、塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる効果を示すものである。したがって、塩味強化剤を用いることで、少ない塩化ナトリウム含量の飲食品であっても、より塩化ナトリウム含量の高い飲食品と同等の塩味を感じさせることができる。

0006

塩化ナトリウム摂取量を低減する手法として上記2つの手法はこれまで広く用いられてきたが、下記のような課題があった。
まず、塩化カリウムをはじめとする塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質は、それらが有する塩味の強度が塩化ナトリウムと比較して弱く、また塩味発現のパターンが異なるという課題があった。塩化ナトリウムで飲食品を味付けした場合、塩味の立ち上がりシャープでありながら食品素材の味が引き出され、好ましい飲食品が得られるのに対し、塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質の中で風味が比較的良好であるために特に頻用される塩化カリウムを用いても、塩化ナトリウムを使用した時ほどの塩味の立ち上がりがみられない上、食品素材の味を十分に引き出すことができないことが従来から知られている。加えて、塩化ナトリウムに代わる塩味発現物質は、渋味苦味えぐ味(以下ではこれらを総称して「雑味」という)を有するために、塩化ナトリウムの置換量を増やすと、飲食品の塩味が弱くなってしまうことに加えて、上記の雑味により味質が変化するという課題が生じていた(非特許文献1)。

0007

これらの課題を解決するために、これまで様々な検討が行われてきた。
特許文献1では、塩化カリウムと、塩化マグネシウム塩化カルシウム等の混合物である苦汁を添加し、苦汁により塩化カリウムがもつ雑味を抑え、最終的な塩化ナトリウム添加量を減じる手法が提案されている。
特許文献2では、本醸造醤油から抽出された特定の香気化合物組合せにより、塩化カリウムがもつ雑味を抑える手法が提案されている。

0008

しかし、特許文献1の手法では、塩化カリウムの雑味は抑えられても、塩化マグネシウムや塩化カルシウム等の金属塩を多く含む苦汁そのものの風味が感じられてしまい、食塩・塩化ナトリウムに対して消費者が求める塩味の質とは異なってしまうという問題があった。
特許文献2に公開されている技術は、醤油等の発酵食品、又はこれら発酵食品から抽出した濃縮物を添加するという方法をとるため、上述の特定の香気化合物を十分量添加しようとした場合に、醤油等の発酵食品からナトリウムが供給され十分な減塩を行うことができないという問題があった。また上記の抽出した濃縮物を添加した場合、特定の香気化合物が主として醤油等に多く含まれるために、添加した減塩食品に醤油様の風味が付与されることから、特許文献2に公開されている技術は、非常に有用な技術ではあるものの限られた範囲の食品にのみ適用され得る技術であった。
また、上記特許文献1及び2の方法では、塩味発現パターンの問題は解決されていなかった。

0009

また塩味強化剤を添加し、塩化ナトリウムの塩味を強く感じさせる方法については、酸性アミノ酸塩基性アミノ酸及びコハク酸又はその塩を、食塩を含有する飲食品に添加する方法(特許文献3)や、特定の成分バランス乳清ミネラルを有効成分とする塩味強化剤(特許文献4)等が紹介されているが、これらの方法では、塩味の感じ方が鋭く、塩カドが感じられる場合がある。自然なまろやかな塩味を感じることのできる塩味強化の手法や、それらを用いた食塩組成物は未だ開示されていない。

0010

このように、健康への影響からナトリウム摂取量を抑えるために、減塩への注目度が高まっているにも拘らず、ナトリウム摂取量を低減させることができ、且つ、異味や雑味がなく、自然な、塩カドのないまろやかな塩味が感じられる食塩組成物は、これまで存在していなかった。

0011

特開昭59−198953号公報
特開2015−092874号公報
特開2002−345430号公報
特開2008−054665号公報

先行技術

0012

「月刊フードケミカル」2010年8月、p28−31

発明が解決しようとする課題

0013

したがって、本発明の目的は、飲食品の風味や味質を損ねることなくナトリウム摂取量を低減することができ、塩化ナトリウムと同様の塩味発現パターンを有する食塩組成物、及び該食塩組成物を用いた飲食品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定の乳酸発酵物を含有させた食塩組成物を、食塩の代替品として使用することにより、異味や雑味を付与することなく、塩味強度や発現パターンはそのままにナトリウム摂取量を低減することが可能であることを知見した。
また、本発明者らは、乳清ミネラルを該食塩組成物中に含有させることで、より自然な塩カドのないまろやかな塩味になることも知見した。また、エキス類を該食塩組成物中に含有させることで、食塩組成物にコク味旨味が付与され、ナトリウム摂取量を低減できるだけではなく、乳清ミネラル同様に、より自然な塩カドのないまろやかな塩味とする効果があることも併せて知見した。

0015

本発明は、上記知見に基づいて為されたものであり、(I)塩化ナトリウム及び(II)乳酸発酵物を含有し、上記(II)乳酸発酵物が、乳原料を含む水中油型乳化物基質とした乳酸発酵物である食塩組成物、並びに該食塩組成物を用いた飲食品を提供するものである。

発明の効果

0016

本発明の食塩組成物は、飲食品の風味や味質を損ねることなく、塩化ナトリウムと同様の塩味発現パターンを有する、自然なまろやかな塩味を付与することができ、かつナトリウム摂取量を抑制することができる。

0017

以下、本発明について好ましい実施態様に基づき、詳述する。
本発明の食塩組成物は、(I)塩化ナトリウム及び(II)乳酸発酵物を含有し、上記(II)乳酸発酵物が、乳原料を含む水中油型乳化物を基質とした乳酸発酵物であることを特徴とする。

0018

<(I)塩化ナトリウム>
まず、本発明で使用する(I)塩化ナトリウムについて述べる。
本発明で用いられる塩化ナトリウムの起源としては、例えば、精製塩岩塩天日塩、膜濃縮製塩法や揚式製塩法等の手法で海水を濃縮した食塩、塩から採れる湖塩等が挙げられ、本発明ではこれらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
2種以上を併用する場合は、予め混合しておいてから添加することができ、或いは使用する際にそれぞれ添加することもできる。予め混合する場合は、粉体とした上記の塩化ナトリウムの起源同士を撹拌混合することができ、またこれらを溶解させた水溶液同士を混合して使用することもできる。

0019

<乳酸発酵物>
次に、本発明で使用する(II)乳酸発酵物について述べる。
乳酸発酵物とは、乳酸菌が資化可能な基質を乳酸発酵して得られた風味素材であるが、本発明では、その基質として乳原料を含む水中油型乳化物を使用する。
該乳原料としては、牛乳濃縮乳練乳ホエイクリームバターバタークリームクリームチーズナチュラルチーズプロセスチーズバターオイル乳脂分解物等の乳や乳製品をはじめ、脱脂粉乳、全粉乳ホエイパウダートータルミルクプロテイン等の粉乳類や、脱脂乳脱脂濃縮乳等の乳糖を含有する乳製品も使用可能である。

0020

良好な風味の乳酸発酵物を安定して製造可能な点で、上記水中油型乳化物中の上記乳原料の含量は、無脂乳固形分として2〜50質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることが更に好ましい。
尚、無脂乳固形分とは、乳や乳製品等の乳原料における、油脂以外の固形分のことであり、その主体蛋白質炭水化物である。上記乳原料に含まれる純油脂分は、後述する油脂の含量に含めるものとする。

0021

水中油型乳化物とするために使用する油脂としては、大豆油菜種油コーン油綿実油オリーブ油落花生油米油、べに花油、ひまわり油パーム油パーム核油ヤシ油サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂豚脂カカオ脂魚油鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂大豆由来、向日葵由来乳由来卵由来レシチン及びリン脂質、並びにこれらの油脂に水素添加分別エステル交換酵素分解化学的分解等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0022

上記油脂の中でも、本発明では、塩なれ効果が得られ、且つ食塩組成物に塩化カリウムを含有させた場合に、塩化カリウムが有する異味・雑味を和らげる効果が得られる点で、特に乳脂を用いることが好ましい。乳脂を使用する場合、乳脂そのものを使用することができるほか、上記乳原料として、牛乳、濃縮乳、練乳、クリーム、バター、バタークリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の乳脂を含有する乳や乳製品を使用することによって、乳脂を使用することもでき、これらの乳や乳製品は単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。

0023

上記水中油型乳化物における好ましい油脂含量は1.5〜50質量%であり、より好ましくは1.5〜30質量%、最も好ましくは2〜20質量%である。尚、該油脂含量は、上記油脂、乳原料中の純油脂分に加え、後述するその他の原材料に由来する純油脂分の合計量として算出するものとする。
油脂含量が1.5質量%未満であると、本発明の食塩組成物中の塩化ナトリウム含量が低い場合等に十分な塩味が感じられない恐れがある。また50質量%超であると、本発明の食塩組成物を飲食品に添加した際に、多くの油脂分も同時に添加してしまうことになり、得られる減塩飲食品の風味を阻害してしまう恐れがある。

0024

上記水中油型乳化物を得るためには水を使用することができる。使用する水については、特に限定されず、水道水軟水系・硬水系のミネラルウォーターイオン交換水蒸留水等のいずれも使用可能であり、またこれらを混合して使用することもできる。
また、上記水中油型乳化物においては、水に代えて又は水に加えて、上記乳や乳製品のうちの水を多く含有する乳や乳製品、又は水を多く含有する飲食品を使用することもできるが、本発明では、牛乳、濃縮乳、ホエイ、クリーム、バター、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水分を多く含有する乳や乳製品、あるいは水を使用することが好ましい。
上記水中油型乳化物は、水分含量が好ましくは30〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%となるように調製される。

0025

また、本発明においては、乳酸発酵を行う前の水中油型乳化物中に、遊離脂肪酸を含有させることができ、特に水中油型乳化物中に遊離脂肪酸を0.001〜0.5質量%含有させることにより、本発明の食塩組成物の塩味の先味をより好ましく強化することができる。
一般的に塩化ナトリウムを塩化カリウムや有機酸のアルカリ金属塩等の塩味発現物質で置換していくと、置換度が高くなっていくにつれ、塩化ナトリウム本来の塩味の特徴である塩味の先味が乏しくなりやすいことが知られている。本発明においては、上述のように水中油型乳化物中に遊離脂肪酸を含有させることにより、食塩組成物が既に有している塩味の先味を更に強化したり、塩化カリウムや有機酸のアルカリ金属塩等の塩味発現物質で塩化ナトリウムを一部置換し塩味の先味が乏しくなってしまうことを防ぐことができる。

0026

遊離脂肪酸は、添加する際の形態に制限はないが、上記油脂に、アルカリ等を用いた化学的分解やリパーゼ等の酵素を用いた酵素分解等により、1種又は2種以上の処理を施した、油脂分解物の形で添加されることが、より塩化ナトリウムが呈する塩味の先味に近い食塩組成物が得られる点で、特に好ましい。分解に供する油脂の種類については、特に限定されないが、乳脂の分解物を用いると、特に先味の強い食塩組成物が得られる。尚、この油脂分解物から脂肪酸のみを抽出等の操作により取り出して添加することもでき、市販されている遊離脂肪酸をそのまま添加することもできるが、様々な炭素数飽和度の脂肪酸の混合物であることが、不快臭等がなく塩味の先味を強化できるため、好ましい。

0027

また、上記水中油型乳化物には、上記以外のその他の成分を必要に応じて添加することができる。その他の成分としては、例えば、アルギン酸アルギン酸塩ペクチンLMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物海藻エキス寒天グルコマンナンローカストビーンガムグアーガムジェランガムタラガンガムキサンタンガムカラギーナンカードランタマリンドシードガムカラヤガムタラガムトラガントガムアラビアガムカシアガムメチルセルロースカルボキシメチルセルロースポリデキストロース等のゲル化剤や安定剤、金属イオン封鎖剤、食塩、岩塩等の塩味剤、無機塩有機酸塩無機酸、有機酸、直鎖デキストリン分枝デキストリン環状デキストリン難消化性デキストリン等のデキストリン類蔗糖液糖はちみつブドウ糖果糖麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物還元糖ポリデキストロース、還元乳糖ソルビトールキシリトールマルチトールエリスリトールマンニトール異性化液糖ショ糖結合水飴、オリゴ糖キシローストレハロースフラクトオリゴ糖大豆オリゴ糖ガラクトオリゴ糖キシロオリゴ糖アラビノースパラチノースオリゴ糖アガロオリゴ糖キチンオリゴ糖乳果オリゴ糖ヘミセルロースモラセスイソマルトオリゴ糖マルトオリゴ糖ラフィノースラクチュローステアンデオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖等の糖類、アセスルファムカリウムスクラロースステビアアスパルテームサッカリンネオテーム甘草羅漢果グリチルリチングリチルリチン酸塩ジヒドロカルコンソーマチンモネリン等の甘味料アルコールプロピレングリコール香料苦味料調味料等の呈味成分着色料保存料酸化防止剤pH調整剤乳化剤賦形剤、固結防止剤分散剤光沢剤ビタミン剤等を配合することができる。

0028

その他の成分の添加量は、水中油型乳化物中の固形分中で20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が最も好ましい。
その他の成分を20質量%よりも多く入れると、結果として得られる食塩組成物を飲食品に添加した際に異味を付与する恐れがある上、飲食品が本来有しないテクスチャを付与してしまう恐れがある。

0029

また、上記水中油型乳化物は、該水中油型乳化物中の油脂100質量部に対して、蛋白質が75〜250質量部、炭水化物が120〜300質量部の量比を満たすように調製することが好ましい。尚、蛋白質及び炭水化物の量は、乳成分以外のその他の成分に含まれる蛋白質及び炭水化物の量も併せて算出するものとする。

0030

上記水中油型乳化物において、油脂100質量部に対して蛋白質が75質量部未満となる場合、得られる水中油型乳化脂乳化定性が低下し、得られる食塩組成物の風味やナトリウム低減効果が低下する恐れがある。また蛋白質が250質量部超となる場合、乳酸発酵中の蛋白質分解の際に呈味成分や香気成分が過剰に産生され、得られる本発明の食塩組成物や飲食品に異味を付与してしまう恐れがある。
また、上記水中油型乳化物において、油脂100質量部に対して炭水化物が120質量部未満の場合、風味成分及び香気成分の産生が十分になされない恐れがある上、ナトリウム低減効果が低下する恐れがある。また炭水化物が250質量部超の場合、得られる本発明の食塩組成物や飲食品に異味・雑味を付与してしまう恐れがある。

0031

次に、上記乳原料を含む水中油型乳化物の製造方法について述べる。
上記乳原料を含む水中油型乳化物の製造方法は特に限定されない。例えば、牛乳、濃縮乳、ホエイ、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の水分を多く含有する乳や乳製品、あるいは水に、脱脂粉乳、全粉乳、ホエイパウダー等の粉乳類や、乳蛋白質、乳糖等の乳原料を添加して水相とした後、該水相に、油脂等を含む油相、又は油脂を多く含有する食品素材、特に、バター、クリーム、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等の乳脂を含有する乳原料等を添加し、油脂含量が好ましくは1.5〜50質量%、より好ましくは1.5〜30質量%、最も好ましくは2〜20質量%、且つ、水分含量が好ましくは30〜95質量%、より好ましくは70〜90質量%となるように調整し、これを水中油型に乳化する方法を挙げることができる。尚、その他原料については、水相に添加することも油相に添加することもでき、また別途添加することもできる。

0032

この後、得られた水中油型乳化物を安定なものとするために、均質化を行うことが好ましい。均質化を行なうための均質化機としては、例えば、ケトルチーズ乳、ステファンミキサー等の高速せん断乳化釜、スタティックミキサーインラインミキサーホモゲナイザーコロイドミルディスパーミル等が挙げられ、好ましくは1〜200MPaの均質化圧力にて均質化を行なう。

0033

均質化後、更に必要に応じて、加熱殺菌を行なう。該加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波ジュール加熱式等の直接加熱方式、又は、バッチ式プレート式チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の50〜160℃、好ましくは55〜140℃の加熱処理を行なうことができる。また、加熱殺菌後に必要に応じて、再度均質化の他、急速冷却徐冷却等の冷却操作を施すことができる。

0034

本発明では、上記水中油型乳化物を乳酸発酵の基質であるミックス液として使用する。乳酸発酵に使用する乳酸菌としては、特に限定されるものではないが、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Lactobacillus casei subsp. casei、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii、Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus、Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis、Lactobacillus jugurti、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus kefyr、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris 、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium breve等が挙げられる。これらは単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。

0035

本発明では、良好な風味・香気を有し、且つ、食塩組成物におけるナトリウム低減効果が高い乳酸発酵物が得られる点で、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Streptococcus thermophilus、及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。

0036

本発明では、脂質資化性及び/又は遊離脂肪酸資化性の高い乳酸菌を使用することが、得られる乳酸発酵物の香気成分が一層複雑になることから、食塩組成物におけるナトリウム低減効果が高い点で好ましい。
脂質資化性又は遊離脂肪酸資化性の高い乳酸菌の一例としては、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris等が挙げられる。

0037

即ち、本発明では、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisのうち、Streptococcus thermophilus及び/又はLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisを含む1種又は2種以上を用いることが好ましく、より好ましくはLactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis、Streptococcus thermophilus、及びLeuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を併用する。

0038

乳酸菌の添加量は、後述するpHの乳酸発酵物を効率よく得る観点から、上記水中油型乳化物100質量部に対して、乾燥質量で0.0001質量部以上0.2質量部以下であることが好ましく、0.004質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。

0039

乳酸発酵における温度条件については、使用する乳酸菌の至適温度域を考慮した上で適宜設定すればよいが、発酵乳酸菌死滅を防ぐために、乳酸発酵中の発酵液液温は60℃未満であることが好ましい。

0040

乳酸発酵時間は基質濃度や乳酸菌の添加量等に応じ適宜選択可能であるが、好ましくは、乳酸発酵物の発酵終点はpHによって適宜判断される。具体的には、pH2.8〜5.5の間で発酵を停止するのが好ましく、pH3.0〜5.0の間で発酵を停止するのが更に好ましく、pH3.5〜5.0の間で発酵を停止するのが最も好ましい。pH2.8よりも低いpHを発酵終点とした場合、乳酸発酵物の酸味が強すぎ、食塩組成物や飲食品に酸味が付与されてしまう恐れがあり、pH5.5よりも高いpHを発酵終点とした場合、本発明の食塩組成物におけるナトリウム低減効果が乏しくなる恐れがある。

0041

乳酸発酵時において、乳酸菌を添加したミックス液は静置状態とすることができるが、好ましくは攪拌を行なう。好ましい攪拌条件は、1分間に5〜50回転、より好ましくは10〜30回転である。

0042

発酵終点pH、即ち、乳酸発酵によってpHが低下し、乳酸菌の生育が抑制された状態を迎えた後、発酵を停止させる。あるいは、発酵終点pHが至適pHを下回る場合、至適pH域に達した時点で発酵を停止させる。発酵停止の手段としては加熱殺菌が通常実施される。この時の加熱温度及び加熱時間については十分に乳酸菌が失活する条件が適宜選択され、例えば65℃で30分程度行うことが望ましい。

0043

得られた乳酸発酵物中には、乳酸をはじめとする有機酸の他、炭化水素アルコール類アルデヒド類エステル類、含流化合物ケトン類脂肪酸類脂肪酸エステル類芳香族化合物ラクトン類等の風味成分が、上記の水中油型乳化物を基質とする乳酸発酵により産生され、含有されている。

0044

尚、本発明の食塩組成物を特に飲料やスープ類に添加する場合、上記乳酸発酵物由来の固形分が飲料やスープ類の白濁化を招く恐れがあり、選択される飲料やスープ類によっては外観上好ましくない場合がある。この場合、食塩組成物を調製するより前に乳酸発酵物中の固形分を低減させることができ、その方法としては特に限定されないが、濾過法が好ましく選択される。適切な濾過手法は、飲食品の好ましい外観や風味、使用者の求める性状により適宜判断されるが、濾紙フィルタによる濾過、精密ろ過限外濾過遠心分離等が好ましく選択される。

0045

本発明の食塩組成物は、上記(I)塩化ナトリウム及び上記(II)乳酸発酵物を含有する。本発明の食塩組成物中の(I)塩化ナトリウムと(II)乳酸発酵物の含有量は、塩化ナトリウムと乳酸発酵物の固形分量との質量比を考慮して決定され、乳酸発酵物の固形分含量/塩化ナトリウム含量の値が0.005〜0.3の範囲内となる含有量とすることが好ましく、より好ましくは0.007〜0.05の範囲、最も好ましくは0.01〜0.03の範囲となる含有量とする。
上記の質量比の値が0.005よりも小さい場合、食塩組成物におけるナトリウム低減効果が非常に乏しくなるため、本発明の課題を解決することが難しくなる。また上記の質量比の値が0.3よりも大きい場合、塩化ナトリウム含量が相対的に少なくなってしまい、食塩組成物の塩味が乏しくなるだけでなく、食塩組成物に酸味が付与されてしまう恐れがある。

0046

また本発明の食塩組成物は、飲食品の風味や味質を損ねることなく自然なまろやかな塩味を付与することに加え、食塩組成物中、更には飲食品中のナトリウム低減効果が高くなる点で、ナトリウム含有量カリウム含有量との質量比が、前者/後者=0.5〜50000であることが好ましく、より好ましくは0.7〜10000、最も好ましくは1〜3000である。

0047

<(III)塩化カリウム>
また本発明の食塩組成物は、塩化ナトリウム含量を減じる目的で、塩化ナトリウムの一部、好ましくは塩化ナトリウムの80質量%以下、より好ましくは60質量%以下を公知の塩化ナトリウム代替物に置換することができる。上記塩化ナトリウム代替物としては、塩化カリウム、有機酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。これらの塩化ナトリウム代替物のなかでも、上記乳酸発酵物を含有させることで同等の味質と塩味を維持したまま、塩化ナトリウムをより多く置換することが可能である点で、塩化カリウムを使用することが好ましい。尚、塩化カリウムには鉱物由来のものと海水由来のものが存在し、両者共に市販されているが、何れも使用することができる。

0048

塩化カリウムを使用して塩化ナトリウムを置換する場合、食塩組成物中におけるナトリウム含有量とカリウム含有量との質量比が、前者/後者=0.50〜7.50であることが好ましく、前者/後者=0.93〜3.75がより好ましく、1.25〜3.00が最も好ましい。塩化カリウムを使用して塩化ナトリウムを置換した食塩組成物中におけるナトリウムとカリウムの含有量の質量比が0.50未満の場合、得られる食塩組成物が苦味の強い塩味を呈する恐れがある。また上記質量比が7.50以上の場合、先味に強い塩味が感じることができ好ましい風味の食塩組成物が得られるものの、食塩組成物中、更には飲食品中でのナトリウム低減効果が低いため、本発明の課題を解決できなくなってしまう可能性がある。

0049

また、本発明では、食塩組成物中に乳清ミネラル及び/又はエキス類を含有させることで、更に食塩組成物中の塩化ナトリウム含量を減じることが可能である。

0050

<(IV)乳清ミネラル>
乳清ミネラルとは、乳清より乳清タンパクと乳糖を分離除去し、精製して得られたものである。本発明の食塩組成物に乳清ミネラルを含有させることによって、より自然な塩カドのないまろやかな塩味とすることができる。

0051

本発明で使用する乳清ミネラルは、塩なれ効果を高める目的、及び食塩組成物に対する異味や雑味の付与を防ぐ目的から、蛋白質や乳糖等の不純物含量が低いことが好ましく、固形分に占める灰分含量が30質量%以上である乳清ミネラルを使用することが好ましく、固形分に占める灰分含量が50質量%以上である乳清ミネラルを使用することがより好ましい。尚、該灰分含量は高いほど好ましい。

0052

加えて、得られる食塩組成物に対して異味や雑味を付与しない目的から、該乳清ミネラル中の固形分中のカルシウム含量は好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.5質量%未満である。尚、該カルシウム含量は低いほど好ましい。

0053

食塩組成物に上記乳清ミネラルを含有させる場合は、該乳清ミネラル中の固形分と塩化ナトリウムとの質量比が前者/後者で好ましくは0.00001〜0.10の範囲、より好ましくは0.0001〜0.05の範囲となるように含有させる。
乳清ミネラルが上記質量比で0.00001よりも少なく添加された場合、乳清ミネラルの添加効果がみられない。また上記質量比で0.10よりも多く添加された場合、本発明の食塩組成物及び本発明の食塩組成物を使用した飲食品において、乳清ミネラルが僅かに有する雑味が感ぜられてしまう場合がある。

0054

本発明で使用する際の乳清ミネラルの形態は特に限定されず、液体であっても、粉末状・顆粒状・錠剤等の固体の状態であっても使用可能であるが、粉末又は液体の状態が本発明の食塩組成物を製造する上で均一に混合しやすいため好ましい。

0055

<(V)エキス類>
本発明におけるエキス類とは、畜産物水産物農産物及び微生物の1種又は2種以上から得られた抽出物を指す。具体的には、チキンエキスビーフエキスポークエキス等の畜産エキス鰹エキスエキス・鮭エキス・鰹節エキス煮干エキス・グチエキス・ハモエキス・タラエキス・イカエキス・カキエキスアワビエキス・ホタテエキス・エビエキス・カニエキス・オキアミエキスオイスターエキス・アサリエキス・昆布エキスワカメエキス・、魚醤エキス等の水産エキス、モルトエキス玉葱エキス人参エキス白菜エキス・キャベツエキスセロリエキス・にんにくエキス・ジンジャーエキス椎茸エキスマッシュルームエキス果実エキス等の農産エキス、ビール酵母エキスパン酵母エキストルラ酵母エキス等の酵母エキス等を挙げることができる。本発明ではこれらのエキス類の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。

0056

食塩組成物に上記エキス類を含有させることによって、食塩組成物にコク味や旨味が付与され、より自然な塩カドのないまろやかな塩味とすることができる。本発明では特に畜産エキスや酵母エキスを使用した際に、上記効果が高く、且つ、塩化ナトリウムの塩味の増強効果が高いため、エキス類として畜産エキス及び/又は酵母エキスを使用することが好ましく、特に好ましくは酵母エキスを使用する。

0057

上記エキス類は、液状やペースト状、又は固体状(粉体、顆粒状、錠剤)等、どのような形態のものでも使用することができる。尚、上記のエキス類が液状やペースト状である場合、その固形分含量は好ましくは20〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。

0058

本発明の食塩組成物にエキス類を含有させる場合には、該エキス類の固形分と塩化ナトリウムとの質量比が前者/後者で好ましくは0.01〜1.0の範囲、より好ましくは0.02〜0.4の範囲となるように含有させる。
エキス類の添加量が該質量比で0.01よりも少なく添加された場合、エキス類の添加効果がみられない。また該質量比で1.0よりも多く添加された場合、エキス類が有する旨味が強調されるが、エキス類が有する風味が異味や雑味として感じられる場合がある。

0059

本発明の食塩組成物は、以上に述べた(I)塩化ナトリウム、(II)乳酸発酵物、(III)塩化カリウム、(IV)乳清ミネラル、及び(V)エキス類に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲内で、その他の成分として、必要に応じて抹茶コーヒー等の風味素材、糖類、増粘多糖類、固結防止剤、ビタミン類、香料、ハーブ香辛料、着色料、酸化防止剤、保存料、pH調整剤、乳化剤、賦形剤、分散剤、光沢剤等を含有することができる。本発明の食塩組成物中において、これらのその他の成分の含有量の範囲は、50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。

0060

<食塩組成物の形態及び製造方法>
次に本発明の食塩組成物の形態及び製造方法について述べる。
得られる本発明の食塩組成物の形態は、固体とすることも液体とすることもでき、本発明の食塩組成物が使用される飲食品の形態によって任意に選択される。
本発明の食塩組成物を製造する際の各成分の混合方法や混合順序については、得られる食塩組成物内で含有される成分が均一に混合されれば、特に制限はない。本発明の食塩組成物を製造する際に用いる原料の形態としては、粉体等の固体原料、及び液体原料等を任意に選択することができる。本発明の食塩組成物は、一度水溶液とした後に、溶媒を留去して、均一な粉体に調製することも可能であり、溶媒を留去する場合には任意の方法で溶媒留去を行うことができ、例えば噴霧乾燥造粒乾燥等の方法で溶媒留去を行うことができる。

0061

<飲食品>
次に本発明の飲食品について述べる。
本発明の飲食品は、本発明の食塩組成物を含有する飲食品である。本発明の飲食品における本発明の食塩組成物の含有量は特に限定されるものではなく、使用する飲食品の種類や形態、求める塩味の強さに応じて適宜決定される。

0062

本発明の飲食品は、一般に塩化ナトリウムを主成分とする食塩を使用する食品全般を指し、特に限定されるものではない。例えば、味噌、醤油、麺つゆ、たれ、出汁パスタソースドレッシングマヨネーズトマトケチャップウスターソース、とんかつソース、ふりかけ、調味塩等の調味料、お吸い物の素、カレールウホワイトソース、お漬けの素、スープの素等の即席調理食品味噌汁、お吸い物、コンソメスープポタージュスープ等のスープ類、ビーフジャーキーハムソーセージチーズ等の畜産加工品、かまぼこ、干物塩辛佃煮珍味等の水産加工品漬物等の野菜加工品ポテトチップス煎餅等の菓子スナック類食パン菓子パンクッキー等のベーカリー食品類、煮物揚げ物焼き物カレーシチューグラタン、ごはん、おかゆ、おにぎり等の調理食品等が挙げられる。尚、食塩を含有しない飲食品であっても、飲食時に食塩が含まれる飲食品であれば、本発明の食塩組成物を使用することができる。

0063

<減塩飲食品>
本発明の飲食品は、その味質を維持しながら塩化ナトリウム含量当たりの塩味が強化されている点が特徴として挙げられる。その塩化ナトリウムの一部を塩化カリウム等で置換したものである場合は、塩化ナトリウム含量あたりの塩味が更に強化されたものとすることができる。つまり、本発明の食塩組成物を従来の飲食品に含まれる食塩に対して置換使用する場合、塩化ナトリウム含量が低減されているにもかかわらず、従来の飲食品と同等の塩味と同等の味質を有する飲食品とすることができ、減塩飲食品として好ましく使用することができる。そのため、従来の塩化ナトリウム含量を減じただけの減塩飲食品や、塩化ナトリウムの一部又は全部を塩化ナトリウム代替物で置換した減塩飲食品に比べ、味質が良好である減塩飲食品とすることができる。

0064

逆を言うと、既存の、従来の塩化ナトリウム含量を減じただけの減塩飲食品に対し、本発明の手法を応用する際は、塩化ナトリウムを本発明の食塩組成物に置換すると、塩化ナトリウム含量を更に減量しつつ、塩味発現パターンを変えることなく、より塩味強度が高い減塩飲食品とすることができる。更には、塩化ナトリウムの一部を塩化カリウム等の塩味代替物質に置換することで、更に塩化ナトリウム含量を減量することもできる。また既存の減塩飲食品に、その塩化ナトリウム含量を基準として前述した本発明に係る配合比となるように乳酸発酵物、乳清ミネラル及びエキス類を添加混合することもでき、更には、塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替物を添加することで、飲食品の塩化ナトリウム含量を増やすことなく、また塩味発現パターンを変えることなく、塩味強度をより高めることもできる。
また、従来の塩味増強物質を使用して塩化ナトリウム含量を減じた減塩飲食品に比べ、塩化ナトリウム含量を更に減じた減塩飲食品とすることができる。
尚、既に塩化カリウム等の塩化ナトリウム代替物を使用している減塩飲食品に本発明の手法を応用する際は、上記塩化ナトリウム含量を減じただけの減塩飲食品の場合を基に、塩化ナトリウム代替物の含量を考慮することで対応可能である。

0065

本発明において、減塩飲食品とは、通常の飲食品よりも塩化ナトリウム含量が10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%減じられた食品をいう。塩化ナトリウム含量を減じた割合が10質量%未満であると、減塩飲食品としての優位性に乏しく、90質量%を超えて減ずると、本発明の食塩組成物によっても、同等の強さの塩味を得ることが難しくなってしまう。
本発明の飲食品が減塩飲食品である場合、本発明の食塩組成物の含有量は、上記理由から塩化ナトリウム含量が通常の飲食品の含量に比べて、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%減じた量となるような含有量であることが好ましい。

0066

上記飲食品に本発明の食塩組成物を含有させる方法としては、飲食品の製造時又は飲食時に本発明の食塩組成物を添加する方法を主に用いることができ、飲食品の飲食時までに、飲食品中で好ましくは前述した比率及と含有量で、塩化ナトリウム、乳酸発酵物、及びその他の成分が飲食品中に含まれていればよい。

0067

以下、本発明を具体的な実施例により詳述するが、本発明は下記実施例の記載により何ら制限されない。

0068

<乳酸発酵物の製造>
(製造例1)
水83.0質量%に対して、脱脂粉乳(無脂乳固形分95.2質量%、蛋白質含量34質量%、脂質1質量%)4.5質量%、ホエイパウダー(無脂乳固形分95質量%、蛋白質含量13質量%、脂質1質量%)3.5質量%、トータルミルクプロテイン(無脂乳固形分91質量%、蛋白質含量81質量%、脂質4質量%)1質量%、及び脱脂濃縮乳(無脂乳固形分25.6質量%、蛋白質含量9.2質量%、脂質3.5質量%)4質量%を加え、水浴の温度を60℃に維持しながら撹拌し、十分に分散・溶解を行った後、無塩バター(無脂乳固形分1.20質量%、脂質83質量%)2質量%、及びクリームチーズ(無脂乳固形分14質量%、脂質55質量%)2質量%を加え、水浴の温度を60℃に維持したまま更に撹拌し、水中油型に乳化を行った。
原料のダマがみられなくなるまで撹拌を行った後、三和エンジニアリング社製圧力式ホモゲナイザーH20型にて均質圧力20MPaで均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分含量が9.8質量%であり油脂含量が2.9質量%である、乳原料を含む水中油型乳化物を調製した。

0069

続いて、この乳原料を含む水中油型乳化物をそのままミックス液として使用し、ミックス液100質量部に対し、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を含む、フリーズドライタイプの乳酸菌スターターを0.04質量部加えて、30℃で15回転/分で撹拌しながら12時間発酵した。尚、乳酸菌スターターを加えた時点でのpHは6.4であり、乳酸発酵工程終了時点でのpHは4.5であった。上記乳酸発酵工程を経て、本発明に用いられる乳酸発酵物Aを得た。

0070

(製造例2)
製造例1の配合のうち、無塩バターを2質量%から1.7質量%に減じ、減じた分の0.3質量%を遊離脂肪酸源としての大洋香料社製デリシャンバターテイストHB−2に置き換えたこと以外は、製造例1と同様にして、無脂乳固形分含量が9.3質量%であり油脂含量が3.0質量%である、乳原料を含む水中油型乳化物を調製した。続いて、この水中油型乳化物を製造例1と同様に方法で発酵し、乳酸発酵物Bを得た。

0071

(製造例3)
乳酸発酵物Aを限外濾過(限外濾過膜モジュール;HFK−328、KOCH社製、分画分子量仕様;5000)して得られた透過液を乳酸発酵物Cとした。

0072

(製造例4)
水28.2質量%に対して、豆乳マルサンアイ株式会社製、無脂固形分6.3質量%、蛋白質含量4.7質量%、脂質含量3.1質量%)65.3質量%、及びフジプロF(不二製油社製大豆蛋白質、無脂固形分94.3質量%、蛋白質含量85.8質量%、脂質含量0.20質量%)5.5質量%を加えて、水浴の温度を60℃に維持しながら撹拌し、十分に分散・溶解を行った後、大豆油1質量%を加えて更に撹拌し、水中油型に乳化を行った。
原料のダマがみられなくなるまで撹拌を行った後、三和エンジニアリング社製圧力式ホモゲナイザーH20型にて均質圧力20MPaで均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂固形分含量が9.3質量%であり油脂含量が3.0質量%である、水中油型乳化物を調製した。

0073

続いて、この水中油型乳化物をそのままミックス液として使用し、ミックス液100質量部に対し、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を含むフリーズドライタイプの乳酸菌スターターを0.008質量部加え、乳酸発酵物A製造の際と同一の発酵条件で発酵を行い、乳酸発酵物Dを得た。

0074

(製造例5)
水89.7質量%に対して、脱脂粉乳(無脂乳固形分95.2質量%、蛋白質含量34質量%、脂質含量1.0質量%)を10.3質量%加えて、水浴の温度を60℃に維持しながら撹拌し、十分に分散・溶解を行った。原料のダマがみられなくなるまで撹拌を行った後、三和エンジニアリング社製圧力式ホモゲナイザーH20型にて均質圧力20MPaで均質化し、プレート式熱交換器にて80℃で3分間加熱殺菌後、プレート式熱交換器にて30℃に冷却し、無脂乳固形分が9.8質量%であり油脂含量が0.1質量%である、乳原料を含むミックス液を調製した。

0075

続いて、この乳原料を含むミックス液をそのままミックス液として使用し、ミックス液100質量部に対し、Lactobacillus helveticus、Lactococcus lactis subsp. lactis、Lactococcus lactis subsp. cremoris、Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc mesenteroides subsp. cremorisの6種を含むフリーズドライタイプの乳酸菌スターター群を0.04質量部加え、乳酸発酵物A製造の際と同一の発酵条件で発酵を行い、乳酸発酵物Eを得た。

0076

<乳清ミネラルの製造>
(製造例6)
チーズを製造する際に副産物として得られる甘性ホエーナノ濾過膜分離した後、更に、逆浸透濾過膜分離により固形分が20質量%となるまで濃縮した。続いて、80℃で20分間の加熱処理をして生じた沈殿を遠心分離して除去し、これを更にエバポレーターで濃縮し、スプレードライ法により、固形分97質量%の乳清ミネラルを得た。得られた乳清ミネラルの固形分中のカルシウム含量は0.4質量%、固形分中の灰分含量は55質量%であった。

0077

以下、上記製造例に則って製造された乳酸発酵物等を用いて、下記の通り食塩組成物を調製した。

0078

(実施例1)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人事業センター製)9000gをボール量りとり、乳酸発酵物Aを1000g加えて、タテ型ミキサーでよく撹拌し混合してスラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(A)を得た。

0079

(実施例2)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)8000gをボールに量りとり、乳酸発酵物Bを2000g加えて、均一になる様によく撹拌・混合してスラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(B)を得た。

0080

(実施例3)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)6600gをボールに量りとり、乳酸発酵物Cを3400g加えて、均一になる様によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(C)を得た。

0081

(実施例4)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)6500gをボールに量りとり、塩化カリウム(塩化カリウム99.0%以上、鉱物由来、大塚化学株式会社製)を2500g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した後に、乳酸発酵物Aを1000g加えて、均一になる様に更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(D)を得た。

0082

(実施例5)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)3300gをボールに量りとり、塩化カリウム(塩化カリウム99.0%以上、鉱物由来、大塚化学株式会社製)を3300g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した後に、乳酸発酵物Aを3400g加えて、均一になる様に更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(E)を得た。

0083

(実施例6)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)2650gをボールに量りとり、塩化カリウム(塩化カリウム99.0%以上、鉱物由来、大塚化学株式会社製)を3950g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した後に、乳酸発酵物Aを3400g加えて、均一になる様に更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(F)を得た。

0084

(実施例7)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)9000gをボールに量りとり、乳酸発酵物Aを1000g加えて、タテ型ミキサーでよく撹拌し混合した。ここに乳清ミネラル0.3gを加え均一になる様にタテ型ミキサーで更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(G)を得た。

0085

(実施例8)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)8900gをボールに量りとり、乳酸発酵物Aを900g加えて、タテ型ミキサーでよく撹拌し混合した。ここに乳清ミネラル200gを加え均一になる様にタテ型ミキサーで更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液をハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(H)を得た。

0086

(実施例9)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)4600gをボールに量りとった後、オーシャンカリ(塩化カリウム99.5%以上、海水由来、エフシー化学株式会社製)を2000g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した。この混合粉体に、別途乳酸発酵物Aを3400g量りとり乳清ミネラル0.3gを加えよく撹拌しておいた液を加えて、均一になる様にタテ型ミキサーで更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(I)を得た。

0087

(実施例10)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)4600gをボールに量りとった後、オーシャンカリ(塩化カリウム99.5%以上、海水由来、エフシー化学株式会社製)を2000g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した。この混合粉体に、別途乳酸発酵物Aを3300g量りとり乳清ミネラル100gを加えよく撹拌しておいた液を加えて、均一になる様にタテ型ミキサーで更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(J)を得た。

0088

(実施例11)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)5300gをボールに量りとった後、塩化カリウム(塩化カリウム99.0%以上、鉱物由来、大塚化学株式会社製)を1300g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した。この混合粉体に、別途乳酸発酵物Aを3300g量りとり酵母エキスであるHY−スーパー(大日本明治精糖株式会社製)100gを加えよく撹拌しておいた液を加えて、均一になる様にタテ型ミキサーで更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(K)を得た。

0089

(実施例12)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)4600gをボールに量りとった後、塩化カリウム(塩化カリウム99.0%以上、鉱物由来、大塚化学株式会社製)を2000g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合した。この混合粉体に、別途乳酸発酵物Aを3200g量りとり酵母エキスであるHY−スーパー(大日本明治精糖株式会社製)200gを加えよく撹拌しておいた液を加えて、均一になる様にタテ型ミキサーで更によく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(L)を得た。

0090

(実施例13)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)2500gをボールに量りとった後、オーシャンカリ(塩化カリウム99.5%以上、海水由来、エフシー化学株式会社製)を2500g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合し混合粉体を得た。別途、乳酸発酵物Aを5000g量りとり、これに乳清ミネラル0.05g、及び酵母エキスであるHY−スーパー(大日本明治精糖株式会社製)50gを加え、よく撹拌して混合液を調製した。上記混合粉体に上記混合液を加え、均一になる様にタテ型ミキサーでよく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。得られたスラリー状の混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(M)を得た。

0091

(実施例14)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)6650gをボールに量りとった後、オーシャンカリ(塩化カリウム99.5%以上、海水由来、エフシー化学株式会社製)を2000g加えて粉体のままタテ型ミキサーでよく撹拌・混合し混合粉体を得た。別途、乳酸発酵物Aを1000g量りとり、これに乳清ミネラル50g、及び酵母エキスであるHY−スーパー(大日本明治精糖株式会社製)300gを加え、よく撹拌して混合液を調製した。上記混合粉体に上記混合液を加え、均一になる様にタテ型ミキサーでよく撹拌・混合し、スラリー状の混合液を得た。得られたスラリー状の混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(N)を得た。

0092

(比較例1)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)6600gをボールに量りとり、乳酸発酵物Dを3400g加えて、タテ型ミキサーでよく撹拌し混合してスラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(O)を得た。

0093

(比較例2)
精製塩(塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)6600gをボールに量りとり、乳酸発酵物Eを3400g加えて、タテ型ミキサーでよく撹拌し混合してスラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(P)を得た。

0094

(比較例3)
塩化カリウム(塩化カリウム99.0%以上、鉱物由来、大塚化学株式会社製)6600gをボールに量りとり、乳酸発酵物Aを3400g加えて、タテ型ミキサーでよく撹拌し混合してスラリー状の混合液を得た。この混合液を、ハイスピードバキュームドライヤを用いて常法に従いよく乾燥させ、食塩組成物(Q)を得た。

0095

食塩水による評価>
食塩(精製塩、塩化ナトリウム99.5%以上、公益財団法人塩事業センター製)と局方精製水を用いて調製した1質量%の食塩水をコントロールとし、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムをそれぞれ用いてコントロールと同様に調製した1質量%の食塩組成物水溶液及び1質量%の塩化カリウム水溶液について、「塩味の程度」「塩カドの程度」「異味雑味の程度」の3項目を、下記パネラー評価基準に基づいて10人のパネラーにより5段階評価した。それらの結果を表1に記載した。表1において、「塩味の程度」については各パネラーの採点結果集計した合計点で表し、「塩カドの程度」「異味雑味の程度」については、各パネラーの採点結果を集計した合計点について、下記の合計点評価基準に基づいて5段階評価で表した。
尚、「塩味の程度」については、食塩水2mlを口に含み、1秒程保持して味わい、その後飲み込む方法で評価し、口に含んで直ちに感じられる塩味の強さをトップの塩味、その後飲み込むまでに感じられる塩味をミドルの塩味、飲み込んだ時及びその後に感じられる塩味をラストの塩味と定義した。

0096

(パネラー評価基準:塩味の程度)
2点:コントロールよりも若干強い塩味を感じる
1点:コントロールと同等程度の塩味を感じる
0点:コントロールよりも弱い塩味を感じる
−1点:非常に弱く感じる
(パネラー評価基準:塩カドの程度)
2点:塩カドがコントロールよりも明らかに低減されている
1点:塩カドがコントロールと比べ若干低減している
0点:コントロールと同等程度の塩カドを感じる
−1点:コントロールよりも更に強い塩カドを感じる
(パネラー評価基準:異味・雑味の程度)
2点:異味・雑味を全く感じない
1点:異味・雑味を感じるものの、塩味として違和感がない
0点:異味・雑味を感じ、かつ塩味として違和感がある
−1点:明らかな異味又は雑味が感じられる
(合計点評価基準)
◎…合計点が15〜20点
○…合計点が10〜14点
△…合計点が5〜9点
×…合計点が0〜4点
××…合計点が0点未満

0097

0098

<味噌汁による評価>
沸騰させた水3200ccを火から下した後、「無塩味噌塩分ゼロ」(石山味噌醤油株式会社製)を360g加え、撹拌しながら十分に溶解させ、ベースとなる無塩味噌を調製した。この無塩味噌汁を160ccずつカップに量り、食塩(精製塩)、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれかを無塩味噌汁160ccあたり1.5g加え、ガラス棒でよく撹拌した。精製塩を添加した味噌汁をコントロールとして、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれかを用いて調製した味噌汁について、上記<食塩水による評価>と同様にして、「塩味の程度」「塩カドの程度」「異味雑味の程度」の3項目について評価を行い、それらの結果を表2に記載した。

0099

0100

卵焼きによる評価>
鶏卵白身黄身の区別が無くなるまでよく撹拌した後、食塩(精製塩)、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれかを卵液180gに対して2.5g加えて更に撹拌し、卵焼き液を得た。得られた卵焼き液を常法に則って焼成し、卵焼きを得た。精製塩を用いた卵焼きをコントロールとして、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれかを用いた卵焼きについて、上記<食塩水による評価>と同様にして、「塩味の程度」「塩カドの程度」「異味雑味の程度」の3項目について評価を行い、それらの結果を表3に記載した。

0101

0102

<ゆでによる評価>
Mサイズの鶏卵を固茹での状態まで茹で、殻をむき、ゆで卵を得た。ポリエチレンラップに、食塩(精製塩)、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれかを0.5g広げ、ゆで卵1個をのせ、ラップを包むようにし、ゆで卵に満遍なく精製塩、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれかをまぶし、塩味付きゆで卵を得た。精製塩を用いたゆで卵をコントロールとして、食塩組成物(A)〜(Q)及び塩化カリウムのいずれを用いたゆで卵について、上記<食塩水による評価>と同様にして、「塩味の程度」「塩カドの程度」「異味雑味の程度」の3項目について評価を行い、それらの結果を表4に記載した。

0103

0104

<出汁サンプルを用いた評価(濁り試験)>
イオン交換水1800mLを50℃になるまで加熱した後、「割烹白だし」(ヤマキ株式会社製)200mLを添加して撹拌し、出汁サンプルを調製した。出汁サンプルは、異味異臭等はなく、清澄な外観を有していた。この出汁サンプルを用いて、以下の濁り試験を行った。
出汁サンプル200mLに乳酸発酵物A又は乳酸発酵物Cを15mL添加し撹拌して評価用サンプルをそれぞれ調製し、風味評価を行うと共に、その濁度について目視で評価を行った。
風味は共に良好であり、異味異臭等は感じられなかった。
濁度については、濾過処理を施していない乳酸発酵物Aを用いた評価用サンプルは白濁していたが、乳酸発酵物Cを用いた評価用サンプルは上記出汁サンプルと同様に清澄な外観を有していた。

0105

<カレーによる評価>
表5の処方(表5において、単位は質量部)に従い、以下の手順でカレールーを調製した。
まず、フライパンに、溶解したパーム極度硬化油薄力粉を入れ、焦がさないように弱火キツネ色になるまで炒めた。キツネ色になった後、一旦火を止めてカレー粉以外の全ての原料を投入してよく撹拌した。最後にカレー粉を加えて、撹拌しながら弱火で加熱し、カレールーを調製した。尚、表5のカレールーB〜Gにおいては、これらのカレールーにおける乳酸発酵物の固形分量が同じとなるように、乳酸発酵物の配合量を決定した。
調製したカレールーをプラスチックスプーンで1g喫食し、その塩味の程度を下記パネラー評価基準で評価した。その結果を表6に示す。

0106

(パネラー評価基準:塩味の程度)
◎:コントロールと比較し、塩味の程度がやや強い
○:コントロールと比較し、塩味の程度が同等
△:コントロールと比較し、塩味の程度がやや弱い
×:コントロールと比較し、塩味が弱い

0107

実施例

0108

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