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図面 (11)

課題

検出ユニット位置ずれを検出することが可能な建設機械を提供する。

解決手段

建設機械1は、ブーム15と、運転室31と、距離センサ110と、位置ずれ検出部121と、記憶部124と、位置情報取得部125と、を備える。距離センサ110は、所定の視野を備え、運転室31の周辺環境距離分布を示す距離画像データを取得する。記憶部124は、ブーム15の初期位置情報を記憶する。位置ずれ検出部121は、初期設定後であってブーム15が再び初期姿勢とされた際に、位置情報取得部125が距離画像データから取得するブーム15の比較位置情報と、記憶部124に記憶されたブーム15の初期位置情報とを比較することで、運転室31に対する距離センサ110の位置ずれを検出する。

概要

背景

建設機械においては、建設機械の製造者が想定しているアタッチメント以外のアタッチメントがユーザーによって取り付けられることがある。また、解体機などの建設機械では、解体した建物などの部材が把持されることがある。これらの場合、アタッチメントや解体した建物の部材等が干渉対象物となって運転室干渉する可能性が高まるため、それを未然に防止する必要がある。そこで、建設機械の本体にセンサ取付け、運転室と干渉対象物との距離を検知することで、干渉対象物による運転室への干渉防止が図られている。

特許文献1には、複数の超音波センサを用いて、運転室の前方に設定された干渉危険領域バケット侵入したか否かを判定する干渉防止装置が開示されている。また、特許文献2には、作業者が装着している安全ベストの色を広域カメラで検出し、この色が検出された場合、作業者が作業機械稼働範囲に存在するか否かがレーザー距離計を用いて判断される技術が開示されている。また、特許文献3には、油圧ショベルキャビンの正面方向の上部に、所要の間隔をおいて第1ステレオカメラ及び第2ステレオカメラが取り付けられ、これらのステレオカメラによって得られたステレオ画像に基づいて、障害物を検出する技術が開示されている。

概要

検出ユニット位置ずれを検出することが可能な建設機械を提供する。建設機械1は、ブーム15と、運転室31と、距離センサ110と、位置ずれ検出部121と、記憶部124と、位置情報取得部125と、を備える。距離センサ110は、所定の視野を備え、運転室31の周辺環境距離分布を示す距離画像データを取得する。記憶部124は、ブーム15の初期位置情報を記憶する。位置ずれ検出部121は、初期設定後であってブーム15が再び初期姿勢とされた際に、位置情報取得部125が距離画像データから取得するブーム15の比較位置情報と、記憶部124に記憶されたブーム15の初期位置情報とを比較することで、運転室31に対する距離センサ110の位置ずれを検出する。

目的

本発明は、検出ユニットの位置ずれを検出することが可能な建設機械を提供する

効果

実績

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請求項1

第1構造体と、前記第1構造体に対して所定の軸心回りに相対的に回動可能な第2構造体と、前記第1構造体に配置され、所定の検出範囲を備え、前記第1構造体の周辺環境の情報を示す環境データを検出する検出ユニットと、前記検出ユニットによって検出された前記環境データから、前記検出ユニットに対する前記第2構造体の特定部位位置情報を取得する位置情報取得部と、前記第2構造体が前記検出ユニットの前記検出範囲内に含まれるように予め設定された前記軸心回りの初期姿勢に前記第2構造体が配置された初期設定時において、前記位置情報取得部が前記環境データから取得した前記特定部位の初期位置情報を記憶するとともに、前記初期位置情報を出力可能な記憶部と、前記初期設定後であって前記第2構造体が再び前記初期姿勢とされた際に、前記位置情報取得部が前記環境データから取得する前記特定部位の比較位置情報と、前記記憶部から出力された前記初期位置情報とを比較することで、前記第1構造体における前記検出ユニットの位置ずれを検出する位置ずれ検出部と、を有する建設機械

請求項2

前記位置情報取得部は、前記環境データの中で、前記第2構造体の前記特定部位のうち前記検出ユニットに最も近い最近接位置のデータを前記位置情報として取得する請求項1に記載の建設機械。

請求項3

前記第1構造体に対する前記第2構造体の姿勢情報を取得する姿勢情報取得部を更に有し、前記記憶部は、更に、前記初期設定時に前記姿勢情報取得部によって取得された前記第2構造体の初期姿勢情報を記憶するとともに、前記初期姿勢情報を出力可能であり、前記初期設定後に前記姿勢情報取得部によって取得された前記姿勢情報と、前記記憶部から出力された前記初期姿勢情報とを比較することで、前記第2構造体が再び前記初期姿勢となったことを判定する姿勢判定部を更に有し、前記位置ずれ検出部は、前記姿勢判定部によって前記第2構造体が再び前記初期姿勢となったと判定された場合に、前記検出ユニットの位置ずれを検出する請求項1または2に記載の建設機械。

請求項4

前記姿勢情報取得部は、前記第2構造体の前記姿勢情報として前記第1構造体に対する前記第2構造体の前記軸心回りの回転角度を検出する角度センサを含む請求項3に記載の建設機械。

請求項5

前記第1構造体は、運転室を備えた車体であり、前記第2構造体は、前記運転室に隣接して配置され前記車体に対して起伏可能なように水平方向に延びる前記軸心回りに回動されるブームと、前記ブームの先端側に接続され、所定の把持物把持可能な把持アタッチメントと、を含み、前記検出ユニットは、前記検出範囲が前記ブームおよび前記把持アタッチメントの少なくとも一方を含むように前記運転室に配置されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の建設機械。

請求項6

前記検出ユニットは、前記検出範囲が前記把持アタッチメントを含むように前記運転室に配置され、前記検出ユニットによって検出された前記環境データを用いて、前記把持アタッチメントまたは前記把持物である干渉対象物を検出し、前記検出した干渉対象物の前記運転室への干渉の危険性を判定する干渉防止部を更に有する請求項5に記載の建設機械。

請求項7

前記第1構造体は、鉛直方向に延びる前記軸心回りに旋回する上部旋回体であり、前記第2構造体は、下部走行体である請求項1乃至4の何れか1項に記載の建設機械。

請求項8

上面視で前記上部旋回体の側縁と前記下部走行体の側縁とが交差するように前記上部旋回体が旋回された姿勢が前記初期姿勢に設定されることで、前記初期姿勢において前記検出ユニットの前記検出範囲内に前記下部走行体が含まれる請求項7に記載の建設機械。

請求項9

前記検出ユニットは、前記検出範囲として所定の視野を備え、前記第1構造体の周辺環境の距離分布を示す距離画像データを前記環境データとして検出する距離センサである請求項1乃至8の何れか1項に記載の建設機械。

請求項10

前記距離センサは、赤外線照射する光源と、前記赤外線の反射光受光するカメラとを備える請求項9に記載の建設機械。

請求項11

前記距離センサは、ステレオカメラを備える請求項9に記載の建設機械。

技術分野

0001

本発明は、検出ユニットを備えた建設機械に関するものである。

背景技術

0002

建設機械においては、建設機械の製造者が想定しているアタッチメント以外のアタッチメントがユーザーによって取り付けられることがある。また、解体機などの建設機械では、解体した建物などの部材が把持されることがある。これらの場合、アタッチメントや解体した建物の部材等が干渉対象物となって運転室干渉する可能性が高まるため、それを未然に防止する必要がある。そこで、建設機械の本体にセンサ取付け、運転室と干渉対象物との距離を検知することで、干渉対象物による運転室への干渉防止が図られている。

0003

特許文献1には、複数の超音波センサを用いて、運転室の前方に設定された干渉危険領域バケット侵入したか否かを判定する干渉防止装置が開示されている。また、特許文献2には、作業者が装着している安全ベストの色を広域カメラで検出し、この色が検出された場合、作業者が作業機械稼働範囲に存在するか否かがレーザー距離計を用いて判断される技術が開示されている。また、特許文献3には、油圧ショベルキャビンの正面方向の上部に、所要の間隔をおいて第1ステレオカメラ及び第2ステレオカメラが取り付けられ、これらのステレオカメラによって得られたステレオ画像に基づいて、障害物を検出する技術が開示されている。

先行技術

0004

特開2001−64992号公報
特開2012−225111号公報
特開2014−215039号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1乃至3に示された技術では、建設機械の使用に伴ってセンサの位置がずれることがある(位置ずれ)。特に、建設機械の振動機体に加わる外力などによってセンサの位置が工場出荷時からずれると、センサが建設機械の周辺環境を正確に把握できないという課題が発生する。

0006

本発明は、検出ユニットの位置ずれを検出することが可能な建設機械を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一の局面に係る建設機械は、第1構造体と、前記第1構造体に対して所定の軸心回りに相対的に回動可能な第2構造体と、前記第1構造体に配置され、所定の検出範囲を備え、前記第1構造体の周辺環境の情報を示す環境データを検出する検出ユニットと、前記検出ユニットによって検出された前記環境データから、前記検出ユニットに対する前記第2構造体の特定部位位置情報を取得する位置情報取得部と、前記第2構造体が前記検出ユニットの前記検出範囲内に含まれるように予め設定された前記軸心回りの初期姿勢に前記第2構造体が配置された初期設定時において、前記位置情報取得部が前記環境データから取得した前記特定部位の初期位置情報を記憶するとともに、前記初期位置情報を出力可能な記憶部と、前記初期設定後であって前記第2構造体が再び前記初期姿勢とされた際に、前記位置情報取得部が前記環境データから取得する前記特定部位の比較位置情報と、前記記憶部から出力された前記初期位置情報とを比較することで、前記第1構造体における前記検出ユニットの位置ずれを検出する位置ずれ検出部と、を有する。

0008

本構成によれば、初期設定時と、初期設定後であって第2構造体が再び初期姿勢とされた時との間で、環境データから取得される第2構造体の特定部位の位置情報同士が比較されることで、検出ユニットの第1構造体に対する位置ずれを検出することができる。

0009

上記の構成において、前記環境データの中で、前記第2構造体の前記特定部位のうち前記検出ユニットに最も近い最近接位置のデータを前記位置情報として取得することが望ましい。

0010

本構成によれば、環境データのうち検出ユニットに最も近い最近接位置のデータを第2構造体の特定部位の位置情報とすることで、環境データから特定部位の位置情報を容易に取得することができる。

0011

上記の構成において、前記第1構造体に対する前記第2構造体の姿勢情報を取得する姿勢情報取得部を更に有し、前記記憶部は、更に、前記初期設定時に前記姿勢情報取得部によって取得された前記第2構造体の初期姿勢情報を記憶するとともに、前記初期姿勢情報を出力可能であり、前記初期設定後に前記姿勢情報取得部によって取得された前記姿勢情報と、前記記憶部から出力された前記初期姿勢情報とを比較することで、前記第2構造体が再び前記初期姿勢となったことを判定する姿勢判定部を更に有し、前記位置ずれ検出部は、前記姿勢判定部によって前記第2構造体が再び前記初期姿勢となったと判定された場合に、前記検出ユニットの位置ずれを検出することが望ましい。

0012

本構成によれば、第2構造体が再び初期姿勢となったことが、姿勢情報取得部が取得する姿勢情報に基づいて判定される。このため、位置ずれ検出部が検出ユニットの位置ずれを確認するタイミングを容易に決定することができる。

0013

上記の構成において、前記姿勢情報取得部は、前記第2構造体の前記姿勢情報として前記第1構造体に対する前記第2構造体の前記軸心回りの回転角度を検出する角度センサを含むことが望ましい。

0014

本構成によれば、角度センサが検出する第2構造体の回転角度によって、第2構造体が初期姿勢になったことを検出することができる。

0015

上記の構成において、前記第1構造体は、運転室を備えた車体であり、前記第2構造体は、前記運転室に隣接して配置され、前記車体に対して起伏可能なように水平方向に延びる前記軸心回りに回動されるブームと、前記ブームの先端側に接続され、所定の把持物を把持可能な把持アタッチメントと、を含み、前記検出ユニットは、前記検出範囲が前記ブームおよび前記把持アタッチメントの少なくとも一方を含むように前記運転室に配置されていることが望ましい。

0016

本構成によれば、検出ユニットの検出範囲内に含まれるブームまたは把持アタッチメントを利用して、運転室に配置された検出ユニットの位置ずれを検出することができる。

0017

上記の構成において、前記検出ユニットは、前記検出範囲が前記把持アタッチメントを含むように前記運転室に配置され、前記検出ユニットによって検出された前記環境データを用いて、前記把持アタッチメントまたは前記把持物である干渉対象物を検出し、前記検出した干渉対象物の前記運転室への干渉の危険性を判定する干渉防止部を更に有することが望ましい。

0018

本構成によれば、位置ずれ検出部が検出ユニットの位置ずれを検出可能であるため、干渉防止部による干渉判定が正確に実行可能とされる。

0019

上記の構成において、前記第1構造体は、鉛直方向に延びる前記軸心回りに旋回する上部旋回体であり、前記第2構造体は、下部走行体であることが望ましい。

0020

本構成によれば、検出ユニットの検出範囲内に含まれる下部走行体を利用して、上部旋回体に配置された検出ユニットの位置ずれを検出することができる。

0021

上記の構成において、上面視で前記上部旋回体の側縁と前記下部走行体の側縁とが交差するように前記上部旋回体が旋回された姿勢が前記初期姿勢に設定されることで、前記初期姿勢において前記検出ユニットの前記検出範囲内に前記下部走行体が含まれることが望ましい。

0022

本構成によれば、上部旋回体が所定の位置に旋回され、下部走行体が初期姿勢とされることで、上部旋回体に配置された検出ユニットの位置ずれを安定して検出することができる。

0023

上記の構成において、前記検出ユニットは、前記検出範囲として所定の視野を備え、前記第1構造体の周辺環境の距離分布を示す距離画像データを前記環境データとして検出する距離センサであることが望ましい。

0024

本構成によれば、距離センサが検出する距離画像データに基づいて、距離センサの第1構造体に対する位置ずれを検出することができる。

0025

上記の構成において、前記距離センサは、赤外線照射する光源と、前記赤外線の反射光受光するカメラとを備えることが望ましい。

0026

本構成によれば、赤外線を照射する光源およびカメラによって、距離センサの検出動作が安定して実現される。

0027

上記の構成において、前記距離センサは、ステレオカメラを備えることが望ましい。

0028

本構成によれば、ステレオカメラによって、距離センサの検出動作が安定して実現される。

発明の効果

0029

本発明によれば、検出ユニットの位置ずれを検出することが可能な建設機械が提供される。

図面の簡単な説明

0030

本発明の一実施形態における建設機械の模式的な側面図である。
図1に示す建設機械のシステム構成の一例を示すブロック図である。
本発明の一実施形態における建設機械の作業アタッチメントを簡略化して示した図である。
本発明の一実施形態における建設機械の初期設定時の処理を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態における建設機械の座標領域重畳して第2構造体が映り込んだ距離画像データを示す図である。
本発明の一実施形態における建設機械の使用時の処理を示すフローチャートである。
本発明の変形実施形態における建設機械の座標領域に重畳して第2構造体が映り込んだ距離画像データを示す図である。
本発明の変形実施形態における建設機械の平面図である。
図8Aに示される状態から上部旋回体が旋回した様子を示す平面図である。
本発明の変形実施形態における建設機械の使用時の処理を示すフローチャートである。

実施例

0031

以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る建設機械1の模式的な側面図である。以下、運転室31の前側の方向を前方と記述し、運転室31の後側の方向を後方と記述し、運転室31の上側の方向を上方と記述し、運転室31の下側の方向を下方と記述する。また、前方と後方とを総称して前後方向と記述し、上方と下方とを総称して上下方向と記述する。また、運転室31から前方を見て左側の方向を左方と記述し、右方向を右方と記述する。また、左方と右方とを総称して左右方向と記述する。

0032

建設機械1は、クローラ式の下部走行体2と、下部走行体2の上部に配置され、旋回可能に設けられた上部旋回体3(第1構造体、車体の一例)と、上部旋回体3に取り付けられ、姿勢が変更可能な作業アタッチメント4(第2構造体の一例)とを備えている。上部旋回体3上には、運転室31に加え、上部本体32が配置されている。

0033

作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対し、運転室31の例えば右方に隣接して配置され、上部旋回体3に対して起伏可能に取り付けられている。作業アタッチメント4は、ブーム15と、ブーム15の先端部に対して揺動可能に取り付けられたアーム16と、アーム16の先端部(ブーム15の先端側)に揺動可能に取り付けられたバケット17(把持アタッチメント)とを備えている。バケット17は、所定の把持物を把持可能である。ブーム15、アーム16およびバケット17は、それぞれ、水平方向に延びる所定の軸心周りに回動することで、姿勢変更が可能とされている。特に、上部旋回体3は、ブーム15を回動可能に支持している。換言すれば、ブーム15は、上部旋回体3に対して所定の軸心4A回りに相対的に回動可能とされる。なお、作業アタッチメント4としては、バケットに加え、破砕機、解体機などが採用できる。

0034

上部旋回体3は、箱体で構成され、オペレータ搭乗する運転室31を備える。運転室31において、前方側の面を前面31a、上方側の面を上面31bと定義する(図1)。

0035

運転室31の前方には、前方側から順に警告領域D1及び自動規制領域D2が設定されている。警告領域D1は、干渉対象物が侵入した場合、干渉対象物が運転室31に接近しており、危険が迫っていることをオペレータに報知したり、作業アタッチメント4の動作を制限させたりするための領域である。自動規制領域D2は、干渉対象物が侵入した場合、作業アタッチメント4の動作を自動停止或いは制限させるための領域である。

0036

警告領域D1は、境界面L1と境界面L2とによって区画される。境界面L1は、前面31aを臨む境界面L11と上面31bを臨む境界面L12とで構成される。境界面L11は、前面31aから前方に距離d11離れた位置において、前面31aと平行に設定された平面である。境界面L12は、上面31bから上方に距離d11離れた位置において、上面31bと平行に設定された平面である。

0037

自動規制領域D2は、境界面L2と前面31a及び上面31bとで区画される。境界面L2は、前面31aを臨む境界面L21と上面31bを臨む境界面L22とで構成される。境界面L21は、前面31aから前方に距離d12(<d11)離れた位置において、前面31aと平行に設定された平面である。境界面L22は、上面31bから上方に距離d12離れて設定された平面である。

0038

なお、警告領域D1及び自動規制領域D2の最下端は、例えば、運転室31の下部の前方に設けられている。また、警告領域D1及び自動規制領域D2の左右方向の幅は、例えば、前面31aの左右方向の幅或いはその幅に多少のマージンを設けた幅に設定されている。但し、これらは、一例であり、警告領域D1及び自動規制領域D2の最下端、及び左右方向の幅は規定されていなくてもよい。また、警告領域D1及び自動規制領域D2は、前面31aの前方にのみ設けられ、上面31bの上方には設けられていなくてもよい。なお、警告領域D1及び自動規制領域D2が設定されている3次元座標系を建設機械1の3次元座標系と定義する。

0039

運転室31の前面31aの所定の位置(ここでは、上端)には、距離センサ110が設けられている。距離センサ110は、所定の視野を備え、上部旋回体3の周辺環境(ここでは、前方)の距離分布を示す距離画像データを取得する。詳しくは、距離センサ110は、計測範囲が少なくとも境界面L21の全域カバーできるように、前面31aに設置されている。これにより、前面31aに対向する警告領域D1において距離センサ110の死角が発生せず、干渉対象物が自動規制領域D2に侵入するまでに建設機械1は、オペレータに警告を発することが可能となる。距離センサ110は、本発明の検出ユニットを構成する。

0040

建設機械1は、更に、第1角度センサ101、第2角度センサ102および第3角度センサ103を備える。第1角度センサ101は、ブーム15の回転支点(軸心4A)に設けられ、ブーム15の軸心周りの回転角度を計測する。第2角度センサ102は、アーム16の回転支点に設けられ、アーム16の軸心周りの回転角度を計測する。第3角度センサ103は、バケット17の回転支点に設けられ、バケット17の軸心周りの回転角度を計測する。

0041

上部旋回体3には、距離センサ110と電気的に接続され、建設機械1の全体を制御するコントローラ120が設けられている。また、運転室31内には、コントローラ120の制御の下、建設機械1の状態等をオペレータに報知する報知部140が設けられている。

0042

図2は、図1に示す建設機械1のシステム構成の一例を示すブロック図である。建設機械1は、エンジン210と、エンジン210の出力軸に連結された油圧ポンプ250及び発電電動機220と、油圧ポンプ250から油圧シリンダ271に対する作動油の給排を制御するコントロールバルブ260と、発電電動機220により発電された電力充電可能な蓄電装置240と、蓄電装置240と発電電動機220との電力の変換を行うインバータ230とを備えている。

0043

油圧ポンプ250は、エンジン210の動力により作動して、作動油を吐出する。油圧ポンプ250から吐出された作動油は、コントロールバルブ260によって流量制御された状態で、油圧シリンダ271に導かれる。なお、コントロールバルブ260内には、パイロットバルブと、比例弁とが備えられている。

0044

コントローラ120は、操作レバー130の操作量に応じて、コントロールバルブ260内の比例弁の開度を設定するバルブ調整部126(図2)を備える。

0045

油圧シリンダ271は、作動油の供給を受けて伸縮する。なお、上部旋回体3に対してブーム15を起伏させるブームシリンダと、ブーム15に対してアーム16を揺動させるアームシリンダと、アーム16に対してバケット17を揺動させるバケットシリンダとが、それぞれ油圧シリンダ271の一例を構成する。各シリンダには、上記のコントロールバルブ260がそれぞれ備えられている、コントローラ120の制御信号を受けて、各シリンダは独立して制御可能とされる。

0046

発電電動機220は、エンジン210の動力を電力に変換する発電機としての構成と、蓄電装置240が蓄える電力を動力に変換する電動機としての構成とを備えている。図2の例では、発電電動機220は例えば三相モータで構成されているが、これは一例であり、単相モータで構成されていてもよい。

0047

蓄電装置240は、例えば、リチウムイオンバッテリニッケル水素バッテリ電気二重層キャパシタ、及び鉛バッテリといった種々の二次電池で構成される。

0048

インバータ230は、コントローラ120の制御の下、発電電動機220の発電機としての作動と、発電電動機220の電動機としての作動との切り換えを制御する。また、インバータ230は、コントローラ120の制御の下、発電電動機220に対する電流及び発電電動機220のトルクを制御する。図2の例では、インバータ230は例えば、3相インバータで構成されているが、これは一例であり単相インバータで構成されていてもよい。

0049

図3は、作業アタッチメント4を簡略化して示した図である。図4は、本実施形態における建設機械1の初期設定時の処理を示すフローチャートである。図5は、建設機械1の座標領域に重畳して作業アタッチメント4が映り込んだ距離画像データを示す図である。図6は、建設機械1の使用時の処理(位置ずれ判定処理)を示すフローチャートである。

0050

建設機械1は、更に、取得部100(姿勢情報取得部)と、図1に示した距離センサ110、コントローラ120、及び報知部140と、作業アタッチメント4の姿勢を変更するためのオペレータによる操作を受け付ける操作レバー130とを備えている(図2)。

0051

取得部100は、図1で説明した第1角度センサ101、第2角度センサ102および第3角度センサ103を備え、作業アタッチメント4(第2構造体)の姿勢を示す姿勢情報を取得する。ここでは、ブーム15の回転角度、アーム16の回転角度、及びアタッチメント17の回転角度が姿勢情報に該当する。

0052

距離センサ110は、その視野が運転室31の前方を含むように配置されており、自身から運転室31の周囲に位置する物体までの距離を計測する。本実施の形態では、距離センサ110としては、例えば、赤外線を照射する光源と、赤外線及び可視光が受光可能なカメラと、カメラが撮像した画像データを処理するプロセッサとを備える深度センサで構成されている。距離センサ110は、例えば、一定の時間毎(例えば30fps)で赤外線を照射し、赤外線を照射してから反射光を受信するまでの時間を画素単位で計測し、運転室31の周辺環境の距離分布を示す距離画像データを取得する。

0053

なお、赤外線を照射する深度センサは、距離計測手段として近年実用化例が増えてきており、ゲームなどでゼスチャ入力を行うための入力インターフェースとして活用されている。また、建設機械1は夜間に使用されることもあるので、赤外線を用いた深度センサは建設機械1にとって有用である。なお、赤外線を照射する深度センサにおいては、上記のように赤外線を照射してから反射光を受信するまでの時間を計測する方式はToF(Time of flight)方式として知られている。その他、深度センサとしては、特定パターンを照射した際の反射光の受光パターンから距離を計測するパターン照射方式が知られており、このパターン照射方式の深度センサが採用されてもよい。建設機械1は屋外で作業することが多いため、太陽光との干渉に強いレーザー走査ToF方式の深度センサが採用されてもよい。赤外線を照射する深度センサの信頼性が高く、実用的な特徴によって、距離センサ110の検出動作が安定して実現される。

0054

ここでは、距離センサ110として深度センサを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、深度センサに比べて比較的安価なステレオカメラで距離センサ110が構成されてもよい。この場合、距離センサ110は、例えば、ステレオカメラと、ステレオカメラを構成する複数のカメラで撮像された複数枚の画像データから物体までの距離分布を算出するプロセッサとで構成される。ステレオカメラの低コストかつ信頼性が高く、実用的な特徴によって、距離センサ110の検出動作が安定して実現される。

0055

操作レバー130は、例えば、オペレータによって操作され、操作量を示す信号をコントローラ120に出力する。

0056

コントローラ120は、例えば、マイクロコントローラ等のプロセッサ及びプログラム等を記憶する記憶装置で構成されている。そして、コントローラ120は、位置ずれ検出部121、姿勢判定部122、干渉防止部123、記憶部124、位置情報取得部125を備えている。位置ずれ検出部121〜位置情報取得部125は、専用のハードウェア回路で構成されてもよいし、CPUがプログラムを実行することで実現されてもよい。

0057

位置ずれ検出部121は、上部旋回体3の運転室31に対する距離センサ110の位置ずれを検出する機能を備えている。

0058

姿勢判定部122は、初期設定後に取得部100によって取得された姿勢情報と、記憶部124に記憶された初期姿勢情報とを比較することで、作業アタッチメント4のブーム15が再び初期姿勢となったことを判定する。

0059

干渉防止部123は、距離センサ110によって取得された距離画像データを用いて、作業アタッチメント4または作業アタッチメント4の把持物である干渉対象物を検出し、検出した干渉対象物の運転室31への干渉の危険性を判定する。更に、干渉防止部123は、干渉の危険性が有ると判定した場合に、危険性の報知および建設機械1の動作制限のうちの少なくとも一方を行う。

0060

記憶部124は、後記の初期設定時に位置情報取得部125によって取得されるブーム15の初期位置情報を予め記憶するとともに出力可能とされている。また、記憶部124は、初期設定時に取得部100によって取得されたブーム15の初期姿勢情報を予め記憶するとともに出力可能とされている。

0061

位置情報取得部125は、距離センサ110によって取得された距離画像データから、距離センサ110に対するブーム15の特定部位の位置情報(画素データ)を取得する。

0062

図3において、ブーム15、アーム16、及びアタッチメント17は説明を簡略化するために直線で示されている。図3の例では、建設機械1の座標系は、前面31aが前後方向の原点に設定され、基準面SEが上下方向の原点に設定され、前面31aの左右方向の中心が左右方向の原点に設定されている。

0063

ブーム15、アーム16、及びアタッチメント17の長さは既知である。また、運転室31の前面31aと角度センサ101との前後方向の距離dαも既知である。よって、ブーム15の前面31aに対する回転角度θ1、アーム16のブーム15に対する回転角度θ2、及びアタッチメント17のアーム16に対する回転角度θ3が分かれば、三角関数を用いることで、作業アタッチメント4の代表的な点P(例えば、アタッチメント17の先端P1や、アームの先端P2や、ブームの先端P3)の高度dy及び深度dzを算出できる。ここで、高度dyとは、例えば、前後方向と平行な基準面SEから点Pまでの上下方向の距離を指し、深度dzとは、例えば、前面31aから点Pまでの前後方向の距離を指す。

0064

したがって、取得部100が取得する回転角度θ1〜θ3が分かれば、建設機械1の3次元座標系、すなわち、実空間での点Pの位置を特定できる。そして、点Pが分かれば、距離センサ110の画角、取り付け位置、及び光軸の角度から、距離センサ110で計測される距離画像データのどの座標領域にブーム15、アーム16、及びアタッチメント17が表れているのかを判断することができる。この結果、位置情報取得部125は、距離センサ110によって取得された距離画像データからブーム15に対応する位置情報(画素データ)を取得することが可能となる。

0065

本実施形態では、位置情報取得部125は、取得部100が取得する姿勢情報に応じて、ブーム15が距離画像データ内でどの座標領域に位置するかを予め示す対応情報を備えている。そして、位置情報取得部125は、当該対応情報を用いて、取得部100の角度センサが計測した姿勢情報に応じてブーム15に対応する位置情報を決定する。

0066

対応情報としては、例えば、ブーム15の回転角度θ1と、回転角度θ1に応じた座標領域の外縁の複数の代表点座標とが対応付けられたデータが採用できる。代表点としては、例えば、座標領域の頂点の座標が採用できる。なお、図5に示す矩形状の距離画像データG401の例では、座標領域411はブーム15を示しているが、この座標領域411には頂点が含まれていない。この場合、代表点としては、例えば、距離画像データG401に表れている三角形状の座標領域411の3つの頂点の座標が採用できる。特に、位置情報取得部125は、図5に示す距離画像データG401(距離センサ110の視野)内に含まれるブーム15の距離画像データ(座標領域411)のうち、距離センサ110に最も近い最近接位置のデータ(図5では、P401)をブーム15の位置情報として取得することができる。なお、図5では、座標領域412、413がそれぞれアーム16、バケット17に対応している。

0067

干渉防止部123は、距離センサ110が取得する距離画像データを用いて、作業アタッチメント4又は作業アタッチメント4の把持物である干渉対象物を検出し、検出した干渉対象物の運転室31への干渉の危険性を判定する。ここで、干渉防止部123は、検出した干渉対象物の深度が警告領域D1或いは自動規制領域D2に侵入しているか否かにより、干渉対象物による干渉の危険性を判定する。具体的には、干渉防止部123は、距離画像データにおいて深度が最小の座標に干渉対象物が位置すると判定し、その座標の深度を干渉対象物の深度として検出すればよい。そして、干渉防止部123は、検出した干渉対象物の高さ及び深度を、距離センサ110の3次元座標系から建設機械1の3次元座標系に変換し、変換した高さ及び深度が警告領域D1或いは自動規制領域D2に侵入しているか否かを判定すればよい。

0068

或いは、干渉防止部123は、深度のみを用いて干渉対象物が警告領域D1或いは自動規制領域D2に侵入しているか否かを判定してもよい。この場合、干渉防止部123は、距離画像データ内の最小の深度を建設機械1の3次元座標系に座標変換し、得られた深度が前面31aから距離d12の範囲内に位置すれば自動規制領域D2に侵入していると判定し、得られた深度が前面31aから距離d12以上、距離d11の範囲内に位置すれば警告領域D1に侵入していると判定すればよい。

0069

更に、干渉防止部123は、干渉の危険性が有ると判定した場合、オペレータへの警告及び作業アタッチメント4の動作制限の少なくとも一方を行う。具体的には、干渉対象物が警告領域D1に位置すると判定した場合、干渉防止部123は、報知部140に警告をさせる。警告の態様としては、ブザー鳴動させる態様や、警告ランプ点灯又は点滅させる態様や、表示パネルに警告のメッセージを表示させる態様が採用できる。或いは、これらの態様を組み合わせた態様が警告の態様として採用されてもよい。また、干渉対象物が自動規制領域D2に位置すると判定した場合、干渉防止部123は、作業アタッチメント4を減速させる或いは自動停止させることで、作業アタッチメント4の動作を制限する。

0070

この場合、干渉防止部123は、バルブ調整部126が操作レバー130の操作量に応じて設定するコントロールバルブ260の比例弁の開度を、作業アタッチメント4を減速させる方向に補正することで、作業アタッチメント4を減速させればよい。更に、この場合、干渉防止部123は、干渉対象物の深度が運転室31に近づくにつれて作業アタッチメント4の減速量を増大させてもよい。なお、報知部140は、運転室31の内部に設けられたブザー、表示パネル、及び警告ランプを備え、干渉防止部123の制御の下、オペレータに警告を行う。

0071

次に、図4乃至図6を参照して、本実施形態に係る位置ずれ検出部121が実行する距離センサ110の位置ずれ判定処理について詳述する。

0072

図4を参照して、建設機械1が製造される工場において、出荷時に所定の初期設定が実行される。運転室31の内部に備えられた表示パネルには、初期設定モード実行用のスイッチボタンが備えられている。作業者が当該スイッチボタンを押圧すると、コントローラ120によって建設機械1の初期設定モードが開始される(図4のステップS1)。次に、コントローラ120は、上記の表示パネルにブーム15の「初期設定姿勢」を表示させる(ステップS2)。ここで、初期設定姿勢とは、ブーム15が距離センサ110の視野内に含まれるように予め設定されたブーム15の軸心回りの姿勢である。表示パネルに表示されるブーム15の初期設定姿勢は、角度センサ101,102,103がそれぞれ検出する、ブーム15、アーム16およびバケット17の回転角度θ1〜θ3を含む。回転角度θ1〜θ3が予め設定された値に設定されることで、上部旋回体3に対する作業アタッチメント4の姿勢が固定される。

0073

作業者は、表示パネルに表示された回転角度θ1〜θ3を見ながら、操作レバー130を操作し、作業アタッチメント4、特に、ブーム15を初期設定姿勢に近づける(ステップS3)。そして、コントローラ120は、距離センサ110によってブーム15が検出されたか否かを判定する(ステップS4)。なお、前述のとおり、位置情報取得部125は、取得部100が取得する姿勢情報に応じて、ブーム15が距離センサ110の距離画像データ内でどの座標領域に位置するかを予め示す対応情報を備えている。このため、コントローラ120は、当該対応情報を用いて、ブーム15が距離センサ110によって検出されているか否かを判定することができる。

0074

距離センサ110によってブーム15が検出された場合(ステップS4でYES)、コントローラ120は、その時のブーム15の姿勢を初期設定位置(初期姿勢)として決定する(ステップS5)。なお、ステップS4でブーム15が距離センサ110によって検出されていない場合(ステップS4でNO)、コントローラ120は、作業者の更なるブーム15の操作によって、ブーム15が検出されるまで待機する。

0075

ステップS5において初期設定位置が決定されると、コントローラ120は、この時に第1角度センサ101が検出したブーム15の角度θi(初期姿勢情報)を記憶部124に記憶させる(ステップS6)。更に、コントローラ120は、位置情報取得部125を制御して、ブーム15の初期姿勢において距離センサ110が取得した距離画像データから、ブーム15の初期位置情報を取得させる。本実施形態では、初期位置情報は、距離センサ110の視野内に含まれるブーム15の距離画像データのうち、距離センサ110に最も近い最近接位置Miのデータ(座標、距離データ)に相当する。図5では、ブーム15に対応して、距離画像データG401に表れている三角形状の座標領域411のうち、最近接位置P401のデータが、位置情報取得部125によって取得される。コントローラ120は、位置情報取得部125によって取得されたブーム15の初期位置情報を記憶部124に記憶させる(ステップS6)。この結果、建設機械1の初期設定モードが終了する。

0076

初期設定モードが終了し、工場から出荷された建設機械1が使用現場に設置されると、位置ずれ判定処理が実行される。本実施形態では、建設機械1の使用中、常に位置ずれ判定処理が実行される。図6を参照して、建設機械1の使用が開始されると、作業者が操作レバー130(図2)を操作し、ブーム15が回動する(ステップS11)。この際、コントローラ120は、距離センサ110を制御して建設機械1の周辺の距離画像データを取得させ、記憶部124に記憶させる(ステップS12)。なお、記憶部124の記憶容量は限られているため、最新所定時間分(たとえば、1分)の距離画像データが記憶部124に記憶されればよい。

0077

ブーム15が操作されると、やがてブーム15が再び初期姿勢となったことが姿勢判定部122によって判定される(ステップS13)。詳しくは、姿勢判定部122は、取得部100の角度センサ101によって取得されたブーム15の回転角度θ1(姿勢情報)と、記憶部124に記憶された角度θi(初期姿勢情報)とを比較する。そして、θ1=θiとなった場合(ステップS13でYES)、姿勢判定部122は、ブーム15が再び初期姿勢となったと判定する。位置情報取得部125は、記憶部124に記憶されたθ1=θiとなった際の距離画像データから、ブーム15の比較位置情報を取得する(ステップS14)。本実施形態では、比較位置情報は、初期設定時の初期位置情報と同様に、距離センサ110の視野内に含まれるブーム15の距離画像データのうち、距離センサ110に最も近い最近接位置Msのデータ(座標、距離データ)に相当する。

0078

位置ずれ検出部121は、最近接位置Msのデータ(座標、距離データ)を含む比較位置情報と、記憶部124に記憶され初期設定時の最近接位置Miのデータ(座標、距離データ)を含む初期位置情報とを比較する(ステップS15)。ここで、比較位置情報と初期位置情報との差分Δ≦aの場合(ステップS16でYES)、位置ずれ検出部121は、運転室31に固定された距離センサ110に位置ずれが生じていないと判定する。この場合、建設機械1の使用が継続されながら、ステップS11からステップS16までが繰り返される。なお、ステップS16で比較される閾値aの値は、予め行われた実験によって決定され、記憶部124に記憶されている。

0079

一方、比較位置情報と初期位置情報との差分Δ>aの場合(ステップS16でNO)、位置ずれ検出部121は、運転室31に固定された距離センサ110に位置ずれが生じていると判定する。この場合、位置ずれ検出部121は、報知部140に位置ずれの警告情報を報知させる(ステップS17)。作業者によって距離センサ110の位置ずれが修復されることで、位置ずれ検出部121による位置ずれ検出処理が終了する。

0080

以上のように、本実施形態によれば、初期設定時と、初期設定後であってブーム15が再び初期姿勢とされた時との間で、距離センサ110が取得する距離画像データのうちブーム15に対応する位置情報同士が比較されることで、距離センサ110の運転室31に対する位置ずれを検出することができる。特に、第2構造体としてのブーム15が初期姿勢に固定された状態で、距離センサ110によって距離画像データが取得される。距離センサ110がずれている場合、距離画像データに含まれるブーム15の位置情報がずれることとなる。すなわち、初期設定時と比較して距離センサ110がブーム15から離れる方向にずれている場合、取得される位置情報上では、ブーム15が初期設定時よりも遠くに検出される。この差分を利用して、距離センサ110の位置ずれが検出される。また、ブーム15に対応する位置情報として、距離画像データのうち距離センサ110に最も近い最近接位置Msのデータが取得される。距離センサ110の視野内(図4)において、最近接位置Ms(図4のP401)は、ブーム15の側縁と距離画像データの外周線との交点となる。このため、最近接位置Msが一点に決定されるため、位置情報を決定するために位置情報取得部125が実行する処理動作負荷が軽減される。このため、距離画像データからブーム15の位置情報を容易かつ効率的に取得することができる。

0081

また、本実施形態では、建設機械1の出荷後に、ブーム15が再び初期姿勢となったことが、取得部100が取得するブーム15の姿勢情報に基づいて判定される。このため、位置ずれ検出部121が距離センサ110の位置ずれを確認するタイミングを容易に決定することができる。換言すれば、位置ずれ検出作業のために、作業者がブーム15の姿勢を初期姿勢に調整する必要がない。また、本実施形態では、第1角度センサ101が検出するブーム15の回転角度θ1によって、ブーム15が初期姿勢になったことを容易に検出することができる。また、本実施形態では、距離センサ110の視野内に含まれるブーム15を利用して、距離センサ110の位置ずれを検出することができる。特に、ブーム15は、運転室31に備えられた距離センサ110から離れるように、前方に向かって延びている。このため、距離センサ110の視野内において、ブーム15の最近接位置が一義的に決まりやすく、距離センサ110の位置ずれ検出処理が安定して実行される。

0082

また、本実施形態では、距離センサ110が取得する距離画像データに基づいて、干渉防止部123が、作業アタッチメント4や把持物の運転室31に対する干渉防止処理動作を実行する。このため、距離センサ110の位置ずれが生じた場合、距離センサ110の誤認識が発生し、干渉防止処理動作が正確に実行されない。したがって、上記のような距離センサ110の位置ずれ検出処理が実行されることで、干渉防止部123による干渉防止処理動作が正確に実行可能とされる。

0083

以上、本発明の一実施形態に係る建設機械1について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係る建設機械として、以下のような変形実施形態が可能である。

0084

(1)上記の実施形態では、位置情報取得部125が、距離センサ110の視野内に含まれるブーム15の距離画像データのうち距離センサ110に最も近い最近接位置Msのデータを位置情報として取得する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図7は、本発明の変形実施形態における建設機械の座標領域G401に重畳して、ブーム15(第2構造体)を含む作業アタッチメント4(図1)が映り込んだ距離画像データを示す図である。本変形実施形態では、位置情報取得部125(図2)は、ブーム15に対応する座標領域411のうち、側縁411(411G、411A)を位置情報として取得する。すなわち、初期設定時には、距離画像データに映り込んだブーム15の側縁411Gの座標(初期位置情報)が記憶部124に記憶される。一方、建設機械1が使用され、ブーム15が再び初期姿勢とされると、距離画像データに映り込んだブーム15の側縁411Aの座標(比較位置情報)が取得される。この場合も、位置ずれ検出部121(図2)は、取得された比較位置情報と、記憶部124に記憶された初期位置情報とを比較することで、上部旋回体3の運転室31に対する距離センサ110の位置ずれを検出することができる。

0085

(2)また、上記の実施形態では、上部旋回体3が本発明の第1構造体を構成し、作業アタッチメント4のブーム15が本発明の第2構造体を構成する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第2構造体は、作業アタッチメント4全体であってもよく、また、アーム16またはバケット17(把持アタッチメント)が第2構造体として機能する、または、第2構造体に含まれる態様でもよい。また、図8Aは、本発明の変形実施形態における建設機械の平面図である。本変形実施形態では、先の実施形態と比較して、下部走行体2が本発明の第2構造体として機能する点で主に相違するため、当該相違点を中心に説明する。図8Bは、図8Aに示される状態から上部旋回体3が旋回した様子を示す平面図である。

0086

上部旋回体3は、鉛直方向に延びる軸心3A周りに、下部走行体2に対して旋回する。換言すれば、下部走行体2は、軸心3A周りに上部旋回体3に対して相対的に回転する。上部旋回体3および下部走行体2の軸心3Aには、上部旋回体3の回転角度を検出する不図示の角度センサが備えられている。当該角度センサの出力によって、下部走行体2に対する上部旋回体3の姿勢が検出される。上部旋回体3は、作業アタッチメント4および運転室31を備える。先の実施形態と同様に、運転室31には距離センサ110が備えられている。更に、本変形実施形態では、上部旋回体3の左側部に左側距離センサ111が備えられ、上部旋回体3の後部には後側距離センサ112が備えられている。更に、上部旋回体3の右側部に右側距離センサ113が備えられている。左側距離センサ111、後側距離センサ112および右側距離センサ113は、建設機械の周囲に作業者や障害物が存在しないことを検出する。この結果、建設機械の作業を安全に行うことができる。なお、建設機械は、左側距離センサ111、後側距離センサ112および右側距離センサ113の、何れかを備えるものでもよい。

0087

本変形実施形態では、図8Aに示される通常姿勢から矢印で示すように上部旋回体3が旋回すると、図8Bに示す姿勢とされる。図8Bに示される姿勢が、本変形実施形態に係る各センサの初期設定が可能な、下部走行体2の初期設定姿勢(初期姿勢)に相当する。図8Aに示される通常姿勢、すなわち、上部旋回体3の前後方向と下部走行体2の前後方向とが同じ方向を向くような姿勢では、左側距離センサ111、後側距離センサ112および右側距離センサ113の視界には、下部走行体2が含まれていない。一方、図8Bに示す初期姿勢では、左側距離センサ111は、下部走行体2の左側部からなる左ターゲット111Gを検出することができる。同様に、後側距離センサ112は、下部走行体2の後部からなる後ターゲット112Gを検出し、右側距離センサ113は、下部走行体2の右側部からなる右ターゲット113Gを検出可能である。そして、左ターゲット111G、後ターゲット112Gおよび右ターゲット113Gが、位置情報として取得され、先の実施形態と同様の位置ずれ検出処理が実行される。この結果、左側距離センサ111、後側距離センサ112および右側距離センサ113の位置ずれを精度良く検出することが可能となる。なお、本変形実施形態は、上記に限定されるものではなく、不図示の距離センサが運転室31の前面部などに配置されてもよい。この場合も、下部走行体2の初期設定姿勢(初期姿勢)において、距離センサの視界に下部走行体2が含まれればよい。

0088

(3)また、上記の実施形態では、建設機械1の使用中に、位置ずれ検出部121が距離センサ110の位置ずれ検出を実行する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図9は、本発明の変形実施形態における建設機械の使用時の処理を示すフローチャートである。本変形実施形態では、建設機械の使用時に、作業者の意志によって距離センサ110(図1)の位置ずれ検出動作が実行される。なお、本変形実施形態でも、建設機械の工場出荷時に、図3の初期設定が実行されている。

0089

作業者は、運転室31内の表示パネルを操作することで、位置ずれ検出のチェックモードを実行する(ステップS21)。この結果、先の実施形態における初期設定時と同様に、表示パネルには、ブーム15(図1)の「初期設定姿勢」が表示される(ステップS22)。作業者は、表示パネルに表示された回転角度θ1〜θ3を見ながら、操作レバー130(図2)を操作し、作業アタッチメント4、特に、ブーム15を初期設定姿勢に近づける(ステップS23)。

0090

作業者の操作によってブーム15が初期設定姿勢とされると、位置情報取得部125(図2)は、距離センサ110によって取得された距離画像データから、ブーム15の比較位置情報を取得する(ステップS24)。

0091

位置ずれ検出部121は、最近接位置Msのデータ(座標、距離データ)を含む比較位置情報と、記憶部124に記憶され、最近接位置Miのデータ(座標、距離データ)を含む初期位置情報とを比較する(ステップS25)。ここで、比較位置情報と初期位置情報との差分Δ≦aの場合(ステップS26でYES)、位置ずれ検出部121は、運転室31に固定された距離センサ110に位置ずれが生じていないと判定する。この場合、位置ずれ検出部121は運転室31の表示パネルに「OK表示」を表示させる(ステップS27)。

0092

一方、比較位置情報と初期位置情報との差分Δ>aの場合(ステップS26でNO)、位置ずれ検出部121は、運転室31に固定された距離センサ110に位置ずれが生じていると判定する。この場合、位置ずれ検出部121は、報知部140に位置ずれの警告情報を報知させる(ステップS28)。そして、位置ずれ検出部121による位置ずれチェックモードが終了すると、作業者によって距離センサ110の位置ずれが修復される。したがって、距離センサ110の位置ずれを安定して検出、修復することが可能となる。

0093

(4)また、上記の実施形態では、本発明に係る建設機械として、ハイブリッドショベルを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る建設機械は、クレーン、解体機、掘削機ハンドリング機などであってもよい。また、建設機械は、図1に示すように、下部走行体11および上部旋回体12の上下に分離した車体を備えることなく、単体の車体からなるものでもよい。

0094

(5)また、上記の実施形態では、本発明の検出ユニットとして、距離センサを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。検出ユニットとして、カメラが上部旋回体3(第1構造体)に配置されてもよい。カメラによって撮影された撮影データには、上部旋回体3の周辺環境の情報(距離分布)を示す環境データが含まれる。そして、当該撮影データから、位置情報取得部125が、ブーム15の特定部位の位置情報を取得する態様でもよい。また、上記のカメラは、公知の距離画像カメラであってもよい。

0095

1建設機械
2下部走行体(第2構造体)
3上部旋回体(第1構造体)
4作業アタッチメント(第2構造体)
15ブーム(第2構造体)
16アーム
17バケット(把持アタッチメント)
31運転室
32 上部本体
100 取得部(姿勢情報取得部)
101 第1角度センサ(角度センサ)
102 第2角度センサ
103 第3角度センサ
110距離センサ
111 左側距離センサ(距離センサ)
112後側距離センサ(距離センサ)
113右側距離センサ(距離センサ)
120コントローラ
121位置ずれ検出部
122姿勢判定部
123干渉防止部
124 記憶部
125位置情報取得部
130操作レバー
140報知部

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