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技術 ハニカム構造体、及びその製造方法

出願人 日本碍子株式会社
発明者 中谷隆彦
出願日 2017年11月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2017-213800
公開日 2018年2月22日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-027541
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 触媒による排ガス処理 多孔質人造石または多孔質セラミック製品 触媒
主要キーワード 衝突量 オーバル形状 七角形 掛け流し バーナー装置 高周波誘電加熱 セグメント構造 金属ケース内
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

隔壁の強度が向上され、エロージョンを有効に防止することができるハニカム構造体を提供する。

解決手段

流体流路となる第一端面11から第二端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有する筒状のハニカム基材10と、ハニカム基材10の隔壁1に配設された、隔壁1とは異なる材料からなる多孔質の表面層13と、を備え、表面層13が、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものであり、表面層13の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、隔壁1の気孔率が、25〜35%である、ハニカム構造体100。

概要

背景

自動車エンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX)などの有害物質が含まれている。こうした有害物質を低減し、排ガスを浄化する際には、触媒反応が広く用いられている。触媒を用いる排ガス浄化には、ハニカム構造体に触媒を担持させたものが広く採用されている。

ハニカム構造体では、流体流路となるセル区画形成する隔壁によって、蜂の構造(ハニカム構造)が形作られている。ハニカム構造の隔壁に触媒を担持させることにより、触媒体における容積当たりの触媒の表面積が大きくなるので、排ガスと触媒とが高頻度で接触することになる。その結果、触媒を担持させたハニカム構造体では、触媒反応が促進され、高効率の排ガスの浄化が可能になる。

また、触媒を担持させるためのハニカム構造体としては、例えば、ハニカム構造体の表面に、アルカリ金属アルカリ土類金属等の拡散を防止する拡散防止層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。

概要

隔壁の強度が向上され、エロージョンを有効に防止することができるハニカム構造体を提供する。流体の流路となる第一端面11から第二端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有する筒状のハニカム基材10と、ハニカム基材10の隔壁1に配設された、隔壁1とは異なる材料からなる多孔質の表面層13と、を備え、表面層13が、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものであり、表面層13の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、隔壁1の気孔率が、25〜35%である、ハニカム構造体100。

目的

本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、排ガスを浄化するための触媒を担持するための触媒担体として好適に用いることが可能なハニカム構造体、及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

流体流路となる第一端面から第二端面まで延びる複数のセル区画形成する多孔質隔壁を有する筒状のハニカム基材と、前記ハニカム基材の前記隔壁に配設された、前記隔壁とは異なる材料からなる多孔質の表面層と、を備え、前記表面層が、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものであり、前記表面層の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、前記隔壁の気孔率が、25〜35%である、ハニカム構造体

請求項2

前記表面層が、ジルコニア、及びダブルペロブスカイト構造物質からなる群より選択される少なくとも1種からなるものである、請求項1に記載のハニカム構造体。

請求項3

前記表面層が配設された前記ハニカム構造体のA軸4点曲げ強度が、1.0MPa以上である、請求項1又は2に記載のハニカム構造体。

請求項4

前記隔壁が、炭化珪素珪素炭化珪素系複合材料コージェライトムライトアルミナスピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種からなるものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項5

前記表面層の気孔率が、30〜90%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項6

前記表面層の厚さが、50μm以上200μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項7

前記表面層が、前記隔壁の前記セルを区画する表面から前記第一端面及び前記第二端面の少なくとも一方まで延設して配設され、前記表面層により、前記第一端面及び前記第二端面の少なくとも一方が被覆されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム構造体。

請求項8

第一のセラミック材料を含有する坏土ハニカム形状成形し、焼成して、第一端面から第二端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する筒状のハニカム基材を得る工程と、得られた前記ハニカム基材の前記隔壁に、第二のセラミック材料を含有するスラリー又は粉体を塗工し、乾燥させた後、焼成して、多孔質の表面層を形成する工程と、を備え、前記第二のセラミック材料は、前記第一のセラミック材料と異なる材料であり、且つ、前記第二のセラミック材料は、得られる前記表面層が、酸化物、窒化物、又は炭化物となる材料であり、前記表面層の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、前記隔壁の気孔率が、25〜35%である、ハニカム構造体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ハニカム構造体、及びその製造方法に関する。更に詳しくは、排ガス浄化するための触媒担持する触媒担体として好適に用いることが可能なハニカム構造体、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

自動車エンジンなどの内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX)などの有害物質が含まれている。こうした有害物質を低減し、排ガスを浄化する際には、触媒反応が広く用いられている。触媒を用いる排ガス浄化には、ハニカム構造体に触媒を担持させたものが広く採用されている。

0003

ハニカム構造体では、流体流路となるセル区画形成する隔壁によって、蜂の構造(ハニカム構造)が形作られている。ハニカム構造の隔壁に触媒を担持させることにより、触媒体における容積当たりの触媒の表面積が大きくなるので、排ガスと触媒とが高頻度で接触することになる。その結果、触媒を担持させたハニカム構造体では、触媒反応が促進され、高効率の排ガスの浄化が可能になる。

0004

また、触媒を担持させるためのハニカム構造体としては、例えば、ハニカム構造体の表面に、アルカリ金属アルカリ土類金属等の拡散を防止する拡散防止層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。

先行技術

0005

特開2002−59009号公報
特開平10−137590号公報
特開2013−81883号公報

発明が解決しようとする課題

0006

排ガス浄化用の触媒を担持させたハニカム構造体は、当該触媒を、迅速にその活性温度まで昇温させるために、急激な温度変化を伴う条件下で使用されることがある。例えば、自動車のエンジンから排出される排ガスを浄化する場合には、ハニカム構造体に排ガスの熱が伝達され易いように、エンジン近傍に配置されることがある。

0007

このため、従来のハニカム構造体においては、熱膨張などにより隔壁に応力が発生し、当該隔壁が破損するという問題があった。また、浄化対象である排ガス中に、排気マニホルド酸化スケール溶接ピットはがれ落ち混入した場合に、ハニカム構造体に酸化スケール等が衝突し、ハニカム構造体がエロージョンによって侵食されてしまうという問題もあった。

0008

本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、排ガスを浄化するための触媒を担持するための触媒担体として好適に用いることが可能なハニカム構造体、及びその製造方法を提供する。特に、隔壁の強度が向上され、エロージョンを有効に防止可能なハニカム構造体、及びその製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

0009

本発明によれば、以下に示す、ハニカム構造体、及びその製造方法が提供される。

0010

[1]流体の流路となる第一端面から第二端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する筒状のハニカム基材と、前記ハニカム基材の前記隔壁に配設された、前記隔壁とは異なる材料からなる多孔質の表面層と、を備え、前記表面層が、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものであり、前記表面層の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、前記隔壁の気孔率が、25〜35%である、ハニカム構造体。

0011

[2] 前記表面層が、ジルコニア、及びダブルペロブスカイト構造物質からなる群より選択される少なくとも1種からなるものである、前記[1]に記載のハニカム構造体。

0012

[3] 前記表面層が配設された前記ハニカム構造体のA軸4点曲げ強度が、1.0MPa以上である、前記[1]又は[2]に記載のハニカム構造体。

0013

[4] 前記隔壁が、炭化珪素珪素炭化珪素系複合材料コージェライトムライトアルミナスピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種からなるものである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカム構造体。

0014

[5] 前記表面層の気孔率が、30〜90%である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカム構造体。

0015

[6] 前記表面層の厚さが、50μm以上200μm以下である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカム構造体。

0016

[7] 前記表面層が、前記隔壁の前記セルを区画する表面から前記第一端面及び前記第二端面の少なくとも一方まで延設して配設され、前記表面層により、前記第一端面及び前記第二端面の少なくとも一方が被覆されている、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のハニカム構造体。

0017

[8] 第一のセラミック材料を含有する坏土ハニカム形状成形し、焼成して、第一端面から第二端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する筒状のハニカム基材を得る工程と、得られた前記ハニカム基材の前記隔壁に、第二のセラミック材料を含有するスラリー又は粉体を塗工し、乾燥させた後、焼成して、多孔質の表面層を形成する工程と、を備え、前記第二のセラミック材料は、前記第一のセラミック材料と異なる材料であり、且つ、前記第二のセラミック材料は、得られる前記表面層が、酸化物、窒化物、又は炭化物となる材料であり、前記表面層の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであり、前記隔壁の気孔率が、25〜35%である、ハニカム構造体の製造方法。

発明の効果

0018

本発明のハニカム構造体は、ハニカム基材の隔壁に配設された、当該隔壁とは異なる材料からなる多孔質の表面層を備えている。そして、この表面層が、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものである。このように構成されたハニカム構造体は、排ガスを浄化するための触媒を担持するための触媒担体として好適に用いることができる。特に、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなる表面層により、隔壁の強度が向上され、エロージョンを有効に防止することができる。

0019

また、本発明のハニカム構造体の製造方法は、ハニカム基材の隔壁に、第二のセラミック材料を含有するスラリー又は粉体を塗工し、乾燥させた後、焼成して、多孔質の表面層を形成する工程を備えている。そして、上記第二のセラミック材料は、隔壁を構成する第一のセラミック材料と異なる材料であり、且つ、第二のセラミック材料は、得られる表面層が、酸化物、窒化物、又は炭化物となる材料である。このようなハニカム構造体の製造方法によれば、ハニカム基材の隔壁に、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなる表面層が配設されたハニカム構造体を簡便に得ることができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、第一端面を模式的に示す平面図である。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。
本発明のハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。
本発明のハニカム構造体の他の実施形態の、第一端面を模式的に示す平面図である。
本発明のハニカム構造体の他の実施形態の、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。

0021

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。

0022

(1)ハニカム構造体:
まず、本発明のハニカム構造体の一の実施形態について説明する。本実施形態のハニカム構造体は、図1図3に示すように、ハニカム基材10と、多孔質の表面層13と、を備えたハニカム構造体100である。ハニカム基材10は、流体の流路となる第一端面11から第二端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有するものである。また、表面層13は、ハニカム基材10の隔壁1に配設された、隔壁1とは異なる材料からなるものである。そして、上記表面層13が、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものである。

0023

上記材料からなる表面層13が、隔壁1に配設されることにより、排ガスを浄化するための触媒を担持するための触媒担体として好適に用いることができる。特に、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなる表面層13により、隔壁1の強度が向上され、エロージョンを有効に防止することができる。また、ハニカム構造体100に急激な温度変化が生じた際に、隔壁1に配設された表面層13が断熱層となり、隔壁1の急激な温度変化を抑制することができる。これにより、ハニカム基材10に対して過大な熱応力の発生を抑制することができる。

0024

ハニカム基材10は、隔壁1を囲繞するように最外周に配設された外周壁3を有していてもよい。このような外周壁3を有することにより、ハニカム構造体100を、排ガス浄化装置缶体内収納し易くなる。

0025

ここで、図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、第一端面を模式的に示す平面図である。図3は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。以下、本実施形態のハニカム構造体について、構成要素ごとに更に詳細に説明する。

0026

(1−1)ハニカム基材:
図1図3に示すハニカム基材10は、上述したように、多孔質の隔壁1と、隔壁1を囲繞するように最外周に配設された外周壁3と、を有している。外周壁3は、ハニカム基材10を作製する過程において、ハニカム成形体押出成形する際に、隔壁1とともに形成されたものであってもよい。また、押出成形時には外周壁を形成しなくともよい。例えば、セル2を区画形成する隔壁1の外周部分に、セラミック材料を塗工して外周壁3を形成することもできる。更に、ハニカム基材10の外周部分を研削して一度除去し、隔壁1を囲繞するようにセラミック材料を塗工して外周壁3を形成することもできる。

0027

ハニカム基材の形状については特に制限はない。例えば、ハニカム基材の形状としては、ハニカム基材の端面が円形の筒状(円筒形状)、上記端面がオーバル形状の筒状、上記端面が多角形の筒状の形状を挙げることができる。多角形としては、四角形五角形六角形七角形八角形等を挙げることができる。図1図3においては、ハニカム基材10の形状が、端面が円形の筒状である場合の例を示す。

0028

ハニカム基材の隔壁は、表面層とは異なる材料によって形成されている。このように、本実施形態のハニカム構造体においては、異なる材料からなる隔壁と表面層との2層構造により、隔壁の強度が向上される。

0029

隔壁1が、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種からなるものであることが好ましい。このような材料を用いることにより、耐熱性に優れたハニカム構造体となる。なお、隔壁は、上記群より選択される少なくとも1種を主成分として含む材料からなるものであってもよい。ここで、「主成分」とは、隔壁1を構成する材料中に含まれる成分が70質量%以上の成分のことを意味する。隔壁が、上記群より選択される少なくとも1種を、80質量%以上含む材料からなることが好ましく、90質量%以上含む材料からなることが更に好ましい。

0030

隔壁の厚さが、51〜165μmであることが好ましく、64〜114μmであることが更に好ましく、64〜90μmであることが特に好ましい。隔壁の厚さを上記数値範囲とすることにより、隔壁の強度を維持しつつ、ハニカム構造体の圧力損失の悪化を抑制することができる。

0031

ハニカム基材のセル密度が、62〜140個/cm2であることが好ましい。セル密度を上記数値範囲とすることで、圧力損失の増大を有効に防止することができる。また、ハニカム構造体(別言すれば、ハニカム基材)の隔壁に触媒を担持した際に、高い浄化性能を得ることができる。ハニカム基材のセル密度とは、セルの延びる方向に直交する断面における、単位面積当たりのセルの個数のことを意味する。ハニカム基材のセル密度が、93〜140個/cm2であることが更に好ましく、93〜116個/cm2であることが特に好ましい。

0032

隔壁の気孔率は、25〜35%である。気孔率が小さいと、昇温性が悪化することがある。気孔率が大きいと、ハニカム構造体の強度が低下することがある。隔壁の気孔率は、水銀ポロシメータで測定することができる。水銀ポロシメータとしては、Micromeritics社製、商品名:Autopore 9500を挙げることができる。

0033

セルの延びる方向に直交する断面におけるセルの形状としては、四角形、六角形、八角形、円形、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。四角形の中でも、正方形長方形が好ましい。

0034

図1図3に示すハニカム構造体100の第一端面11から第二端面12までの長さは、50〜150mmであることが好ましく、75〜125mmであることが更に好ましい。但し、ハニカム構造体100の第一端面11から第二端面12までの長さは、上記数値範囲に限定されることはなく、ハニカム構造体100を、種々の排ガス浄化装置に用いた際に、最適な浄化性能を得るように適宜選択すればよい。

0035

ハニカム構造体100の第一端面11から第二端面12に延びる方向に垂直な断面における大きさについては、特に制限はなく、ハニカム構造体100を、種々の排ガス浄化装置に用いた際に、最適な浄化性能を得るように適宜選択すればよい。なお、本実施形態のハニカム構造体100において、上記断面の形状が円形状である場合には、この断面の直径が、50〜150mmであることが好ましく、75〜125mmであることが更に好ましい。

0036

また、図示は省略するが、ハニカム構造体は、セグメント構造のハニカム構造体であってもよい。具体的には、セグメント構造のハニカム構造体として、複数個ハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合されたハニカム構造体を挙げることができる。ハニカムセグメントは、第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁及び隔壁を取り囲むように配設された外壁を有するものである。複数個のハニカムセグメントを接合した接合体の最外周に、外周壁が配置される。また、複数個のハニカムセグメントを接合した接合体の外周部を研削等によって加工し、セルの延びる方向に垂直な断面の形状を円形等にした後、最外周にセラミック材料を塗工することによって外周壁を配置してもよい。このような、所謂、セグメント構造のハニカム構造体であっても、図1図3に示すような、所謂、一体型のハニカム構造体と同様の作用効果を得ることができる。なお、このようなセグメント構造のハニカム構造体は、断面の直径が266.7mm以上の場合に好適である。

0037

外周壁は、隔壁と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。例えば、外周壁は、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種からなるものであることが好ましい。このように構成することによって、耐熱性に優れたハニカム構造体となる。

0038

(1−2)表面層:
図1図3に示すように、表面層13は、ハニカム基材10の隔壁1に配設された、隔壁1とは異なる材料からなる多孔質のものである。そして、この表面層13は、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料からなるものである。

0039

表面層13の材料としては、酸化物、窒化物、及び炭化物のうちのいずれかの材料であれば特に制限はない。表面層13の材料としては、ジルコニア、及びダブルペロブスカイト構造の物質からなる群より選択される少なくとも1種を好適例として挙げることができる。このような材料からなる表面層13とすることで、隔壁1の強度が良好に向上され、エロージョンを有効に防止することができる。

0040

ダブルペロブスカイト構造の物質としては、Sr2FeMoO6、Sr2ErRuO6、(Sr1−xLax)MnMoO6、(Sr1−xLax)ErRuO6などを挙げることができる。なお、上記化学式において、「x」は、0≦x<1を満たす。このようなダブルペロブスカイト構造の物質からなる表面層13は、隔壁1の強度が良好に向上され、エロージョンを有効に防止することができる。

0041

表面層13が配設されたハニカム構造体100のA軸4点曲げ強度が、1.0MPa以上であることが好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましく、1.5〜2.0であることが特に好ましい。A軸4点曲げ強度は、例えば、以下の方法によって測定することができる。本明細書において、「A軸4点曲げ強度」は、JIS R1601に準拠した「曲げ試験」により測定した値である。ここで、「A軸」とは、ハニカム基材の第一端面から第二端面に向かう方向と並行な軸のことをいう。別言すれば、「A軸」とは、ハニカム基材に形成されたセルの延びる方向と並行な軸のことをいう。「A軸4点曲げ強度」では、表面層が配設されたハニカム構造体から、A軸方向の長さが20mmで、縦10mm、横80mmの試験片切り出し、JIS R1601に準拠した曲げ試験により、当該試験片の曲げ強度を測定する。

0042

表面層13の気孔率は、表面層13を構成する材料により、適宜選択することができる。但し、表面層13の気孔率が、30〜90%であることが好ましく、40〜70%であることが更に好ましく、50〜60%であることが特に好ましい。表面層13の気孔率が、30%未満であると、熱伝導率が上がり、昇温性が下がるため好ましくない。また、表面層13の気孔率が90%超であると、耐久性が下がるため好ましくない。表面層13の気孔率は、画像解析にて測定することができ、画像解析装置としては、キーエンス社製、商品名:VHX−1000等を挙げることができる。

0043

表面層13の厚さが、200μm以下であることが好ましく、50〜200μmであることが更に好ましく、50〜100μmであることが特に好ましい。表面層13の厚さが200μm超であると、セル2内に配設される表面層13の厚さが厚すぎて、セル2の流路が狭くなり、ハニカム構造体100の圧力損失が増大することがある。また、ハニカム基材の隔壁の強度を向上する観点から、表面層は、50μm以上の厚さであることが更に好ましい。表面層13の厚さは、以下のように測定することができる。まず、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」ともいう)により、ハニカム基材及び表面層の画像を取得する。そして、得られた画像から、隔壁の1辺につき、5箇所、表面層の厚さを測定する。そして、測定した5箇所の表面層の厚さの平均値を求める。得られた平均値を表面層の厚さとする。

0044

また、本実施形態のハニカム構造体100は、触媒担体として用いた場合に、ハニカム構造体100に担持させた触媒を、排ガスの熱にて速やかに昇温させることができる。したがって、触媒を、早期に活性温度まで昇温させることができ、当該触媒により、排ガスを有効に浄化することができる。すなわち、ハニカム構造体100の隔壁1と触媒との間に配設される表面層13が、断熱層として機能し、排ガスから伝達される熱が、ハニカム基材10に伝わり難くなる。これにより、排ガス中の熱にて、触媒が優先的に昇温し、従来のハニカム構造体に比して、短時間で触媒を活性温度まで昇温させることができる。

0045

表面層13に対して、上述した断熱層としての機能を有効に発現させるためには、表面層13の熱伝導率が、0.1〜1.0W/mKであることが必要である。表面層13の熱伝導率が、0.1〜0.5W/mKであることが好ましく、0.1〜0.2W/mKであることが特に好ましい。表面層13の熱伝導率は、気孔率と熱伝導率の関係より算出することができる。表面層13の気孔率は、画像解析にて測定することができ、画像解析装置としては、キーエンス社製、商品名:VHX−1000等を挙げることができる。測定された気孔率をバルク体の熱伝導率を1とした場合の関係式であるY=−0.013X+1のXに代入し得られたYと表面層13のバルク体熱伝導率との積を、表面層13の熱伝導率とすることができる。ここで、「表面層13のバルク体」とは、表面層13を構成する材料から作製されたブロック状の構造物のことである。「表面層13のバルク体熱伝導率」とは、当該「表面層13のバルク体」の熱伝導率のことである。「表面層13のバルク体熱伝導率」はレーザーフラッシュ法にて測定することができる。直径10mm、厚さ0.5〜3mmの試験片を室温にて測定する。室温とは、例えば、25℃のことである。

0046

表面層13は、少なくともセル2を区画形成する隔壁1の表面に配設されていることが好ましい。ここで、「隔壁1の表面」とは、セル2を区画する面のことである。表面層13は、少なくともセル2を区画形成する隔壁1の表面の全域に配設されていることが更に好ましい。また、表面層が、隔壁の表面から第一端面及び第二端面の少なくとも一方まで延設して配設され、当該表面層により、第一端面及び第二端面の少なくとも一方が被覆されていてもよい。例えば、図4図6に示すハニカム構造体200のように、表面層33が、隔壁21の表面から第一端面31及び第二端面32まで延設して配設されていてもよい。そして、図4図6に示すハニカム構造体200においては、表面層33により、第一端面31及び第二端面32の両方が被覆されている。

0047

ここで、図4は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態を模式的に示す斜視図である。図5は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態の、第一端面を模式的に示す平面図である。図6は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態の、セルの延びる方向に平行な断面を模式的に示す断面図である。

0048

図4図6に示すように、ハニカム基材30は、流体の流路となる第一端面31から第二端面32まで延びる複数のセル22を区画形成する多孔質の隔壁21を有するものである。また、ハニカム基材30は、隔壁21を囲繞するように最外周に配設された外周壁23を有する。表面層33は、ハニカム基材30の第一端面31及び第二端面32の少なくとも一方まで延設して配設されていればよい。ハニカム構造体200の強度向上、及びエロージョンの防止の観点から、ハニカム構造体200に排ガスが流入する側の端面に、表面層33が延設して配設されていることが好ましい。

0049

また、ハニカム構造体200の排ガスが流入する側の端面に、表面層33が延設して配設されていることにより、この表面層33がハニカム基材30の端面において断熱層となり、排ガスの熱が、ハニカム基材30により伝わり難くなる。これにより、ハニカム構造体200に触媒を担持させた場合に、排ガス中の熱にて、触媒がより優先的に昇温し、従来のハニカム構造体に比して、短時間で触媒を活性温度まで昇温させることができる。

0050

(2)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法の一の実施形態について説明する。本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、これまでに説明した本発明のハニカム構造体を製造する方法である。本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、ハニカム基材を得る工程と、ハニカム基材の隔壁の表面に表面層を形成する工程と、を備えている。

0051

ハニカム基材を得る工程は、第一のセラミック材料を含有する坏土をハニカム形状に成形し、焼成して、多孔質の隔壁を有する筒状のハニカム基材を得る工程である。多孔質の隔壁によって、筒状のハニカム基材の第一端面から第二端面まで延びる複数のセルが区画形成される。

0052

表面層を形成する工程は、得られたハニカム基材の隔壁に、第二のセラミック材料を含有するスラリー又は粉体を塗工し、乾燥させた後、焼成して、多孔質の表面層を形成する工程である。この第二のセラミック材料は、第一のセラミック材料と異なる材料であり、且つ、第二のセラミック材料は、得られる表面層が、酸化物、窒化物、又は炭化物となる材料を用いる。

0053

このような製造方法により、例えば、図1図3に示すようなハニカム構造体100を簡便に製造することができる。以下、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について、各工程ごとに更に詳細に説明する。

0054

まず、本実施形態のハニカム構造体の製造方法においては、第一のセラミック材料を含有する成形原料を混合し混練して坏土を得る。この坏土は、ハニカム基材を作製するためのものである。第一のセラミック材料としては、コージェライト、コージェライト化原料、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。なお、コージェライト化原料とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミック材料である。コージェライト化原料は、焼成されてコージェライトになるものである。なお、第一のセラミック材料は、表面層を形成するための第二のセラミック材料とは異なる材料を用いる。

0055

また、成形原料は、第一のセラミック材料に、分散媒有機バインダ無機バインダ界面活性剤造孔材等を更に混合して調製することが好ましい。各原料組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム基材の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。

0056

分散媒としては、水を用いることができる。分散媒の添加量は、第一のセラミック材料100質量部に対して、10〜30質量部であることが好ましい。

0057

有機バインダとしては、メチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースヒドロキシプロピルエチルセルロースヒドロキシエチルセルロースカルボキシメチルセルロースポリビニルアルコール、又はこれらを組み合わせたものとすることが好ましい。また、有機バインダの添加量は、第一のセラミック材料100質量部に対して、0.5〜5質量部が好ましい。

0058

界面活性剤としては、エチレングリコールデキストリン脂肪酸石鹸ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の添加量は、第一のセラミック材料100質量部に対して、0.5〜2質量部が好ましい。

0059

造孔材としては、樹脂粒子デンプンカーボン等を用いることができる。造孔材は、作製するハニカム基材の隔壁に細孔を形成するためのものである。造孔材の添加量は、作製するハニカム基材の隔壁の平均細孔径や気孔率を考慮して適宜調整することが好ましい。

0060

成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。

0061

次に、得られた坏土を成形して、円筒状のハニカム成形体を形成する。ハニカム成形体は、複数のセルを区画形成する隔壁と外周壁とを有するものであることが好ましい。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する押出成形用口金を用いて押出成形する方法等を好適例として挙げることができる。

0062

次に、得られたハニカム成形体を乾燥する。乾燥方法は、例えば、熱風乾燥マイクロ波乾燥誘電乾燥減圧乾燥真空乾燥凍結乾燥等を挙げることができる。なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組み合わせて行うことが好ましい。

0063

次に、ハニカム成形体を焼成する。ハニカム成形体を焼成する前には、このハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものである。仮焼の方法については特に制限はない。例えば、ハニカム成形体中の有機物の少なくとも一部を除去することができればよい。上記有機物としては、有機バインダ、界面活性剤、造孔材等を挙げることができる。有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度である。このため、仮焼は、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、10〜100時間程度加熱することが好ましい。

0064

ハニカム成形体の焼成は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われるものである。焼成の条件は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1350〜1440℃が好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、3〜10時間が好ましい。仮焼、本焼成を行う装置としては、電気炉ガス炉等を挙げることができる。このようにしてハニカム成形体を仮焼、焼成することにより、ハニカム基材を得ることができる。

0065

以上のようにして、多孔質の隔壁を有する筒状のハニカム基材を得ることができる。

0066

次に、表面層を形成するための、第二のセラミック材料を含有するスラリー又は粉体を調製する。このスラリー又は粉体を、ハニカム基材の隔壁に塗工し、乾燥させた後、焼成することにより、表面層が形成される。第二のセラミック材料は、得られる表面層が、酸化物、窒化物、又は炭化物となる材料を用いる。

0067

第二のセラミック材料としては、ジルコニア、及びダブルペロブスカイト構造の物質を挙げることができる。

0068

第二のセラミック材料を含有するスラリーは、例えば、以下のようにして調製することができる。まず、第二のセラミック材料を用意する。この第二のセラミック材料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、界面活性剤等を更に混合して調製することが好ましい。

0069

分散媒としては、水を用いることができる。分散媒の添加量は、第二のセラミック材料100質量部に対して、0.0〜400.0質量部であることが好ましい。

0070

有機バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、又はこれらを組み合わせたものとすることが好ましい。また、有機バインダの添加量は、第二のセラミック材料100質量部に対して、0.0〜10.0質量部が好ましい。

0071

界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の添加量は、第二のセラミック材料100質量部に対して、0.0〜5.0質量部が好ましい。

0072

分散材としては、ヘキサメタリン酸ナトリウム等の縮合リン酸塩などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。分散材の添加量は、第二のセラミック材料100質量部に対して、0.0〜5.0質量部が好ましい。

0073

このようにして調製された第二のセラミック材料を含有するスラリーを、ハニカム基材の一方の端面側から掛け流し、ハニカム基材のセルにスラリーを供給する。これにより、スラリー中の固形分(例えば、第二のセラミック材料)が、ハニカム基材の隔壁の表面に堆積し、第二のセラミック材料が製膜された状態となる。また、スラリーを製膜する他の方法として、例えば、ポンプによるスラリーの圧送による供給や、スラリー中にハニカム基材を浸漬する方法も用いることができる。

0074

そして、第二のセラミック材料を含有するスラリーを塗工したハニカム基材を乾燥させた後、焼成することにより、隔壁に、表面層を形成することができる。表面層は、隔壁のセルを区画する表面全域に形成することが好ましく、当該表面から、ハニカム基材の第一端面及び第二端面の少なくとも一方まで延設して形成してもよい。

0075

また、第二のセラミック材料は、粉体の状態で、隔壁に塗工してもよい。例えば、上述した第二のセラミック材料を、気流とともに、ハニカム基材のセル内に噴射させ、当該粉体を、隔壁に付着させてもよい。このような工程としては、例えば、高速の気流によって生じた負圧を利用して、粉体を吸引し、気流とともに、排出する機構を有するエジェクタなどを用いることができる。

0076

第二のセラミック材料が粉体である場合には、当該粉体の平均粒子径が、0.01〜20.0μmであることが好ましく、0.05〜10.0μmであることが更に好ましく、0.1〜5.0μmであることが特に好ましい。このような平均粒子径の粉体を用いることにより、隔壁の表面全域に、当該粉体を良好に付着させることができる。

0077

このようにして、第二のセラミック材料を含有する粉体を塗工したハニカム基材を、焼成することにより、隔壁の表面全域に、表面層を形成することができる。なお、粉体を塗工した場合には、焼成前に行う乾燥工程を省略してもよい。

0078

以上のようにして、筒状のハニカム基材と、ハニカム基材の隔壁に配設された多孔質の表面層と、を備えたハニカム構造体を製造することができる。但し、本発明のハニカム構造体の製造方法については、これまでに説明した製造方法に限定されることはない。

0079

以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0080

(実施例1)
まず、第一のセラミック材料を含有する成形原料を用いて、ハニカム成形体を成形するための坏土を調製した。第一のセラミック材料として、コージェライト化原料を用いた。コージェライト化原料に、分散媒、有機バインダ、分散剤、造孔材を添加して、成形用の坏土を調製した。分散媒の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、33質量部とした。有機バインダの添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、5.6質量部とした。造孔材の添加量は、コージェライト化原料100質量部に対して、0.5質量部とした。得られた第一のセラミック材料を含有する成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。

0081

次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて押出成形し、ハニカム成形体を得た。次に、ハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。その後、1350〜1440℃で10時間焼成してハニカム基材を得た。

0082

次に、表面層を形成するための第二のセラミック材料を含有するスラリーを調製した。具体的には、第二のセラミック材料として、ジルコニアを用いた。このジルコニアに、アルミナゾル、分散材、分散媒、造孔材を添加して、スラリーを調製した。

0083

次に、得られたスラリーをハニカム基材のセルに供給し、当該スラリーを隔壁のセルを区画する表面に塗工した。その後、スラリーを塗工したハニカム基材を、熱風乾燥機を用いて150℃で0.5時間乾燥した。その後、800〜1200℃で5時間焼成して、隔壁の表面に表面層を形成し、実施例1のハニカム構造体を製造した。

0084

得られたハニカム構造体は、ハニカム構造体の第一端面から第二端面までの長さが90mmで、第一端面から第二端面に延びる方向に垂直な断面の直径が100mmの円筒形状のものであった。また、このハニカム構造体のハニカム基材の隔壁の厚さが90μmで、セル密度が93個/cm2のものであった。隔壁の材質は、コージェライトである。また、隔壁のセルを区画する表面には、ジルコニアからなる表面層が配設されている。この表面層の厚さは、100μmであった。

0085

また、隔壁の気孔率が35%であり、表面層の気孔率が50%であった。隔壁気孔率は、マイクロメリティクス社(Micromeritics社)製の「オートポアIII 9420(商品名)」によって測定した値である。表面層の気孔率は、画像解析にて測定した値である。画像解析装置としては、キーエンス社製の「VHX−1000(商品名)」を用いた。また、隔壁の熱伝導率は、1.0W/mKであり、表面層の熱伝導率は、0.3W/mKであった。

0086

表1に、実施例1のハニカム構造体における、ハニカム基材の隔壁の材質、隔壁の厚さ(μm)、セル密度(個/cm2)、気孔率(%)、熱伝導率(W/mK)を示す。また、表1に、表面層の材質、厚さ(μm)、気孔率(%)、熱伝導率(W/mK)を示す。

0087

0088

得られたハニカム構造体について、以下の方法で、耐久性、耐エロージョン性、昇温性の評価を行った。評価結果を、表2に示す。また、得られたハニカム構造体について、以下の方法で、A軸4点曲げ強度を測定した。結果を、表2に示す。

0089

[耐久性の評価]
ハニカム構造体を収納する缶体内に加熱ガスを供給することができる「ガスバーナー装置」を用いて、ハニカム構造体の耐久性の評価を行った。具体的には、各実施例のハニカム構造体を缶体内に収納(キャニング)し、上記ガスバーナー装置にセットした。次に、ハニカム構造体に燃焼ガスを流す。燃焼ガスの温度を「900℃で10分、その後200℃で10分」というサイクルで変化させ、このサイクルを100サイクル実施する。そして、その後のクラック有無を観察した。このようにして、ハニカム構造体の耐久性の評価を行った。なお、バーナー装置としては、プロパン燃料とするガスバーナーの燃焼ガスと、希釈空気との比率コントロールすることにより、ガス温度過渡的に変化可能なものを用いた。耐久性の評価は、以下の「A」〜「C」の3段階の評価基準にて行った。ハニカム構造体の端面の観察において、比較例1と比較してクラック本数が30%以下に減少した(かなり良い)場合を、「A」とした。ハニカム構造体の端面の観察において、比較例1と比較してクラック本数が30%より多く60%以下に減少した(良い)の場合を、「B」とした。ハニカム構造体の端面の観察において、比較例1と比較してクラック本数が60%より多く90%以下に減少した(やや良い)場合を、「C」とした。

0090

[耐エロージョン性の評価]
ハニカム構造体を収納する缶体内に、ガス砥粒を供給して、当該ガスと砥粒を、ハニカム構造体の端面に衝突させることができる「ガスバーナー装置」を用いて、ハニカム構造体の耐エロージョン性の評価を行った。具体的には、まず、作製したハニカム構造体の体積(cm3)、及び質量(g)を測定し、嵩密度(g/cm3)を算出した。次に、各実施例のハニカム構造体を缶体内に収納(キャニング)し、上記ガスバーナー装置から発生するガスがハニカム構造体端面に対し45°で流入するようにセットした。次に、700℃、270m/secのガスに砥粒(炭化珪素、GC320、平均粒径50μm)を投入し、砥粒の衝突量が15g/200secとなるように、当該砥粒をハニカム構造体の端面に衝突させた。ガスと砥粒を衝突させた後、ハニカム構造体を取り出し、ハニカム構造体の質量(g)を測定し、上記試験前後のハニカム構造体の質量差から、上記試験によって削られたハニカム構造体の量(エロージョン量)を算出した。その後、嵩密度(g/cm3)とエロージョン量(g)により、エロージョン体積(cm3)を算出した。このようにして、ハニカム構造体の耐エロージョン性の評価を行った。なお、バーナー装置としては、プロパンを燃料とするガスバーナーの燃焼ガスと、希釈空気との比率をコントロールすることにより、ガス温度を過渡的に変化可能なものを用いた。耐エロージョン性の評価においては、エロージョン体積が少ないほど良好である。耐エロージョン性の評価は、以下の「A」〜「C」の3段階の評価基準にて行った。比較例1と比較してエロージョン量が30%以下に減少した(かなり良い)場合を、「A」とした。比較例1と比較してエロージョン量が30%より多く60%以下に減少した(良い)場合を、「B」とした。比較例1と比較してエロージョン量が60%より多く90%以下に減少した(やや良い)場合を、「C」とした。

0091

[昇温性の評価]
ハニカム構造体を収納する金属ケース内に加熱ガスを供給することができる「ガスバーナー装置」を用いて、ハニカム構造体の昇温性の評価を行った。具体的には、各実施例のハニカム構造体を金属ケース内に収納(キャニング)し、上記ガスバーナー装置にセットした。次に、室温から450℃まで10secで昇温するガスをハニカム構造体に与え、そのときのハニカム構造体の中心部の温度変化を熱電対にて測定した。ハニカム構造体の中心部とは第一端面から第二端面に向かう方向の中間点における、ハニカム構造体の断面であって、且つ、当該断面の中心点のことである。このようにして、ハニカム構造体の昇温性の評価を行った。なお、バーナー装置としては、プロパンを燃料とするガスバーナーの燃焼ガスと、希釈空気との比率をコントロールすることにより、ガス温度を過渡的に変化可能なものを用いた。昇温性の評価は、10sec後のハニカム構造体内部に設置した熱電対の温度とし、以下の「A」〜「C」の3段階の評価基準にて行った。ハニカム構造体の中心部の温度変化の変化が、比較例1と比較して昇温性が30%以上上昇した(かなり良い)場合を、「A」とした。比較例1と比較して昇温性が20%以上、30%未満上昇した(良い)場合を、「B」とした。比較例1と比較して昇温性が10%以上20%未満上昇した(やや良い)場合を、「C」とした。

0092

[A軸4点曲げ強度]
「A軸4点曲げ強度」は、JIS R1601に準拠した「曲げ試験」により測定した。具体的には、表面層が配設されたハニカム構造体から、A軸方向の長さが20mmで、縦10mm、横80mmの試験片を切り出し、JIS R1601に準拠した曲げ試験により、当該試験片の曲げ強度(MPa)を測定した。

0093

0094

(実施例2〜4)
ジルコニアによって形成された表面層の厚さ及び気孔率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ハニカム構造体を作製した。表1に、実施例2〜4のハニカム構造体における、表面層の厚さ(μm)、気孔率(%)、熱伝導率(W/mK)を示す。また、実施例2〜4のハニカム構造体について、実施例1と同様の方法で、耐久性、耐エロージョン性、昇温性の評価を行った。また、実施例1と同様の方法で、ハニカム構造体のA軸4点曲げ強度を測定した。結果を、表2に示す。

0095

(実施例5〜8)
実施例5〜8においては、表面層の材質を、Sr2FeMoO6に変更した。実施例5〜8においては、第二のセラミック材料としてのSr2FeMoO6に、アルミナゾル、分散材、分散媒、造孔材を添加して、第二のセラミック材料を含有するスラリーを調製した。このようなスラリーを用いて、表1に示すような表面層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハニカム構造体を作製した。表1に、実施例5〜8のハニカム構造体における、表面層の厚さ(μm)、気孔率(%)、熱伝導率(W/mK)を示す。また、実施例5〜8のハニカム構造体について、実施例1と同様の方法で、耐久性、耐エロージョン性、昇温性の評価を行った。また、実施例1と同様の方法で、ハニカム構造体のA軸4点曲げ強度を測定した。結果を、表2に示す。

0096

(実施例9〜11)
実施例9〜11においては、表面層の材質を、ジルコニアとした。第二のセラミック材料については、実施例1と同様の方法で調製した。また、実施例9においては、表面層を、隔壁のセルを区画する表面全域に形成し、更に、当該表面から、ハニカム基材の第一端面及び前記第二端面まで延設して形成した。実施例9のような、表面層をハニカム基材の第一端面及び前記第二端面まで延設して形成したものを、表1の「端面被覆」の欄において、「あり」と示す。一方、表面層を、ハニカム基材の第一端面及び第二端面まで延設せず、隔壁のセルを区画する表面のみに形成したものを、表1の「端面被覆」の欄において、「なし」と示す。実施例9〜11においては、表1に示すような構成の表面層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法でハニカム構造体を作製した。表1に、実施例9〜11のハニカム構造体における、表面層の厚さ(μm)、気孔率(%)、熱伝導率(W/mK)を示す。また、実施例5〜8のハニカム構造体について、実施例1と同様の方法で、耐久性、耐エロージョン性、昇温性の評価を行った。また、実施例1と同様の方法で、ハニカム構造体のA軸4点曲げ強度を測定した。結果を、表2に示す。

0097

(比較例1)
ハニカム基材の隔壁の表面に、表面層を形成しないハニカム構造体を、比較例1のハニカム構造体とした。すなわち、実施例1におけるハニカム基材が、比較例1のハニカム構造体である。表1に、比較例1のハニカム構造体における、隔壁の材質、隔壁の厚さ(μm)、セル密度(個/cm2)、気孔率(%)、熱伝導率(W/mK)を示す。また、実施例1と同様の方法で、比較例1のハニカム構造体のA軸4点曲げ強度を測定した。結果を、表2に示す。

実施例

0098

(結果)
表面層の厚さが厚くなるにしたがって、耐久性、及び耐エロージョン性が向上するという結果となった。また、表面層の気孔率が低くなるにしたがって、耐久性、及び耐エロージョン性が向上するという結果となった。また、実施例1〜11のハニカム構造体は、隔壁の熱伝導率よりも表面層の熱伝導率が小さいため、表面層が断熱層として機能し、ハニカム構造体の中心部の温度変化が小さいものであった。

0099

本発明のハニカム構造体は、排ガス浄化をする触媒を担持させるための触媒担体として用いることができる。また、本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、上述した本発明のハニカム構造体を簡便に製造することができる。

0100

1,21:隔壁、2,22:セル、3,23:外周壁、10,30ハニカム基材、11,31:第一端面、12,32:第二端面、13,33:表面層、100,200:ハニカム構造体。

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