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技術 リブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シート

出願人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構オーウエル株式会社公立大学法人首都大学東京
発明者 西沢啓篠原涼子淺井雅人
出願日 2016年8月15日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2016-159329
公開日 2018年2月22日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2018-027510
状態 特許登録済
技術分野 流動性材料の適用方法、塗布方法 積層体(2)
主要キーワード 乱流摩擦抵抗 保護シート付き 航空機機体 回転物体 台形状断面 紫外線透過型 リブレット 成形対象物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月22日)のものです。
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図面 (14)

課題

被転写対象物の形状に影響されることなく、優れた転写精度を有するリブレット転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シートを提供すること。

解決手段

リブレット用転写シートは、一方の面にリブレットを成形する凹部を有する雌型水溶性樹脂層と、前記一方の面上に形成されたコーティング材層とを具備する。

概要

背景

航空機の表面や船舶の表面等にリブレットパターンを設けることで、これらの表面を流れる気体液体乱流摩擦抵抗が低減することが知られており、この乱流摩擦抵抗の低減により燃料費削減の効果を得ることが可能である。

1980年代に試みられたリブレットの機体実装技術は、リブレット形状が既に成形されている薄いプラスチックフィルムを何枚も機体表面に貼りつけるというものであったが、その方法には実装に費やす時間とコストの問題、フィルムによる重量増の問題、フィルム自体の耐久性整備性の問題など種々の欠陥があったため、実用化には程遠いものであった。しかし、近年はその欠点を克服するため、紫外線硬化型塗料紫外線透過型樹脂雌型を押し当て、紫外線照射しながら機体表面に直接リブレット施工する技術が提案されている(特許文献1参照。)。

また、対象物の表面に凹凸を成形する手法として、支持体層水溶性樹脂層インク層とからなる加圧転写用フィルムを用いることが提案されている(特許文献2参照。)。この加圧転写用フィルムは、水溶性樹脂層に凹凸面が形成され、この凹凸面側にインク層が設けられている。この加圧転写用フィルムを用いた転写では、被転写対象物の表面にインク層が接するように加圧転写用フィルムを配置し、加圧し、支持体層を取り除いた後、水溶性樹脂層を除去している。

概要

被転写対象物の形状に影響されることなく、優れた転写精度を有するリブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シートを提供すること。リブレット用転写シートは、一方の面にリブレットを成形する凹部を有する雌型水溶性樹脂層と、前記一方の面上に形成されたコーティング材層とを具備する。

目的

本発明の目的は、被転写対象物の形状に影響されることなく、優れた転写精度を有するリブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シートを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

一方の面にリブレット成形する凹部を有する雌型水溶性樹脂層と、前記一方の面上に形成されたコーティング材層とを具備するリブレット用転写シート

請求項2

請求項1に記載の転写シートであって、前記雌型水溶性樹脂層の厚さは、80μm以上200μm以下であるリブレット用転写シート。

請求項3

請求項1又は2に記載の転写シートであって、前記凹部の深さは10μm以上150μm以下であるリブレット用転写シート。

請求項4

請求項1から3のいずれか1項に記載の転写シートであって、前記雌型水溶性樹脂は着色されているリブレット用転写シート。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の転写シートであって、前記コーティング材層の、前記雌型水溶性樹脂層が形成されている面と対向する面上に設けられた保護シートを更に具備するリブレット用転写シート。

請求項6

水溶性樹脂シートの一方の面にリブレットを成形する凹部を形成して雌型水溶性樹脂層を形成し、前記雌型水溶性樹脂層の前記一方の面上にコーティング材料を塗布し、前記コーティング材料を乾燥しコーティング材層を形成するリブレット用転写シートの製造方法。

請求項7

請求項6に記載のリブレット用転写シートの製造方法において、前記凹部形成工程、前記コーティング材料塗布工程及び前記コーティング材層形成工程は、前記水溶性樹脂シートを連続走行させて行われるリブレット用転写シートの製造方法。

請求項8

請求項7に記載のリブレット用転写シートの製造方法であって、前記凹部形成工程は、連続走行している前記水溶性樹脂シートの一方の面に凹凸ローラ押圧させることにより行うリブレット用転写シートの製造方法。

請求項9

請求項7又は8に記載のリブレット用転写シートの製造方法であって、前記コーティング材層形成工程後、前記リブレット用転写シートを巻き取るリブレット用転写シートの製造方法。

請求項10

請求項6から9のいずれか1項に記載のリブレット用転写シートの製造方法であって、前記コーティング材料塗布工程及び前記コーティング材層形成工程は、前記凹部が形成された前記水溶性樹脂シートの他方の面に支持体が設けられた状態で行われ、前記コーティング材層形成工程後に前記支持体は除去されるリブレット用転写シートの製造方法。

請求項11

リブレット成形対象物上にコーティング材を塗布し、前記コーティング材が未硬化の状態で、一方の面にリブレットを成形する凹部を有する雌型水溶性樹脂層と前記一方の面上に形成されたコーティング材層とを具備するリブレット用転写シートを、前記コーティング材層と前記コーティング材とが接するように配置し、加圧し、前記コーティング材が硬化後、前記雌型水溶性樹脂層を除去するリブレット成形方法

請求項12

請求項11に記載のリブレット成形方法であって、前記雌型水溶性樹脂層は着色されているリブレット成形方法。

請求項13

一方の面に凹部を有する厚さ80μm以上200μm以下の雌型水溶性樹脂層と、前記一方の面上に形成されたコーティング材層とを具備する転写シート。

請求項14

請求項13に記載の転写シートであって、前記凹部の深さは10μm以上150μm以下である転写シート。

請求項15

請求項13又は14に記載の転写シートであって、前記転写シートは転写対象物に前記コーティング材層を転写するものであり、前記雌型水溶性樹脂は着色されている転写シート。

請求項16

請求項14又は15に記載の転写シートであって、前記コーティング材層の、前記雌型水溶性樹脂層が形成されている面と対向する面上に設けられた保護シートを更に具備する転写シート。

技術分野

0001

本発明は、流体が流れる表面を有する物体に適用されるリブレットに用いられるリブレット用転写シート、その製造方法、それを用いたリブレット成形方法、及び転写シートに関する。

背景技術

0002

航空機の表面や船舶の表面等にリブレットパターンを設けることで、これらの表面を流れる気体液体乱流摩擦抵抗が低減することが知られており、この乱流摩擦抵抗の低減により燃料費削減の効果を得ることが可能である。

0003

1980年代に試みられたリブレットの機体実装技術は、リブレット形状が既に成形されている薄いプラスチックフィルムを何枚も機体表面に貼りつけるというものであったが、その方法には実装に費やす時間とコストの問題、フィルムによる重量増の問題、フィルム自体の耐久性整備性の問題など種々の欠陥があったため、実用化には程遠いものであった。しかし、近年はその欠点を克服するため、紫外線硬化型塗料紫外線透過型樹脂雌型を押し当て、紫外線照射しながら機体表面に直接リブレット施工する技術が提案されている(特許文献1参照。)。

0004

また、対象物の表面に凹凸を成形する手法として、支持体層水溶性樹脂層インク層とからなる加圧転写用フィルムを用いることが提案されている(特許文献2参照。)。この加圧転写用フィルムは、水溶性樹脂層に凹凸面が形成され、この凹凸面側にインク層が設けられている。この加圧転写用フィルムを用いた転写では、被転写対象物の表面にインク層が接するように加圧転写用フィルムを配置し、加圧し、支持体層を取り除いた後、水溶性樹脂層を除去している。

先行技術

0005

米国特許第7736570号公報
特開2015−147385号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上述の紫外線硬化型の塗料を塗布し、紫外線透過型の樹脂雌型を押し当てて、紫外線を照射しながらリブレットを成形する方法では、紫外線硬化型の塗料を用いるため、耐衝撃性耐候性耐溶剤性などに問題があると考えられる。すなわち、航空機用に認証されている表面コーティング材に対する耐環境性要求は厳しく、紫外線硬化型塗料ではこの要求を十分に満たすのは難しい。また、このような紫外線照射を用いたリブレット成形では、航空機機体全体に適用可能な大規模自動化装置が必要なため、設備初期投資額が燃料費削減効果を相殺する可能性がある。

0007

また、上述の加圧転写用フィルムは、水溶性樹脂層及びインク層の取り扱い性を十分なものとするために支持体層が必要であり、その支持体層は手や治具等で保持しやすい程度の強度を必要とし、またそのためにある程度の厚さを要する。このような加圧転写用フィルムを用いてリブレットを成形することも考えられるが、被転写対象物が航空機のような3次元曲面形状を有する場合、加圧転写用フィルムの支持体層の存在により転写精度が悪くなってしまう。特に、リベット等の局所的な突起物がある場合、支持体層が存在すると、加圧転写用フィルムを被転写対象物の表面に沿って形状を変えることができないため、突起物周辺の転写精度は著しく悪くなってしまう。

0008

以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、被転写対象物の形状に影響されることなく、優れた転写精度を有するリブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シートを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るリブレット用転写シートは、雌型水溶性樹脂層と、コーティング材層とを具備する。
上記雌型水溶性樹脂層は、一方の面にリブレットを成形する凹部を有する。
上記コーティング材層は、上記一方の面上に形成される。

0010

本発明のこのような構成のリブレット用転写シートを用いることにより、表面が3次元の曲面形状を有する被転写対象物に対してでも、リブレットを有するコーティング材層を転写精度よく転写し、リブレットを成形することができる。すなわち、リブレット用転写シートは支持体層を有さないのでフレキシブル性が高く、被転写対象物の表面が3次元の曲面形状を有していても、その曲面に沿ってリブレット用転写シートを貼りつけることができるので転写精度が高く、また、被転写対象物表面に突起があっても、その突起物周辺への転写精度も高い。更に、例えば航空機、自動車鉄道車両等の表面にリブレットを成形する場合、直線的にリブレットを成形するわけではなく、流体の流れに沿って曲線を描いてリブレットを成形する必要があるので、本発明のフレキシブル性の高いリブレット用転写シートを用いることにより、リブレット用転写シートを引っ張りながらリブレットが所望の配置となるようにリブレットを成形することが可能となる。

0011

上記雌型水溶性樹脂層の厚さは80μm以上200μm以下であってもよい。
雌型水溶性樹脂層の厚さを80μm以上とすることにより、コーティング材層を転写したときに、コーティング材層にしわやひずみなく転写することができる。厚さが80μmよりも薄いと、転写したときにコーティング材層にしわやひずみが生じてしまい、所望の配列形状のリブレットが得られない。また、製造上、雌型水溶性樹脂層の厚みは200μmが限度である。更に、200μmよりも厚くなると、厚さの誤差が大きくなり、平面的な厚みのばらつきが大きくなり、それが転写時のリブレット精度に影響を及ぼす。加えて、200μmよりも厚くなると、雌型水溶性樹脂層の除去に時間がかかり、また、リブレット用転写シートの重さが重くなり、転写時にはがれてくる可能性があり、作業性が悪い。

0012

上記凹部の深さは10μm以上150μm以下であってもよい。
凹部の深さ、すなわちリブレットを有するコーティング材層のリブレットの高さを10μm以上150μm以下とすることができる。

0013

上記雌型水溶性樹脂は着色されていてもよい。このような雌型水溶性樹脂層が着色されたリブレット用転写シートを用いることにより、リブレットを成形する際、雌型水溶性樹脂層の除去工程で雌型水溶性樹脂層の残渣が視認で容易に確認できる。

0014

上記コーティング材層の、上記雌型水溶性樹脂層が形成されている面と対向する面上に設けられた保護シートを更に具備してもよい。これにより、転写直前まで、コーティング材層にごみほこりといったものが付着することを防止できる。

0015

本発明の一形態に係るリブレット用転写シートの製造方法は、雌型水溶性樹脂層を形成し、コーティング材料を塗布し、コーティング材層を形成する。
上記雌型水溶性樹脂層の形成工程は、水溶性樹脂シートの一方の面にリブレットを成形する凹部を形成する。
上記コーティング材料を塗布する工程は、上記雌型水溶性樹脂層の上記一方の面上にコーティング材料を塗布する。
上記コーティング材層を形成する工程は、上記コーティング材料を乾燥してコーティング材層を形成する。
このように、リブレット用転写シートを製造することができる。

0016

上記凹部形成工程、上記コーティング材料塗布工程及び上記コーティング材層形成工程は、上記水溶性樹脂シートを連続走行させて行われてもよい。これにより、1つのラインでリブレット用転写シートを製造することができ、所望の長さのリブレット用転写シートが得られる。

0017

上記凹部形成工程は、連続走行している上記水溶性樹脂シートの一方の面に凹凸ローラ押圧させることにより行ってもよい。このようにリブレットを成形する凹部を形成することができる。

0018

上記コーティング材層形成工程後、上記リブレット用転写シートを巻き取ってもよい。このように製造されたリブレット用転写シートを巻き取ってもよく、巻き取ってロール状にすることによって保管運搬が容易となり、また、被転写対象物に対して転写をする際に作業効率がよい。

0019

上記コーティング材料塗布工程及び上記コーティング材層形成工程は、上記凹部が形成された上記水溶性樹脂シートの他方の面に支持体が設けられた状態で行われ、上記コーティング材層形成工程後に上記支持体が除去されてもよい。
このように、支持体120を設けた状態で、例えば加熱などにより乾燥してコーティング材層を形成する際に、加熱による雌型水溶性樹脂層の収縮を支持体によって抑制できる。したがって、リブレットを成形する凹部の形状が変形しにくく、所望の形状のリブレットを有するコーティング材層を得ることができる。

0020

本発明の一形態に係るリブレット成形方法は、リブレット成形対象物上にコーティング材を塗布し、リブレット用転写シートを上記コーティング材に接するように配置し、加圧し、雌型水溶性樹脂層を除去する。
上記リブレット用転写シートを上記コーティング材に接するように配置し、加圧する工程は、上記コーティング材が未硬化の状態で行われる。上記リブレット用転写シートは、一方の面にリブレットを成形する凹部を有する雌型水溶性樹脂層と上記一方の面上に形成されたコーティング材層とを具備する。上記リブレット用転写シートを上記コーティング材に接するように配置する工程は、上記リブレット用転写シートの上記コーティング材層と上記コーティング材とが接するように行われる。
上記雌型水溶性樹脂層の除去工程は、上記コーティング材が硬化した後、行われる。

0021

上記雌型水溶性樹脂層は着色されていてもよい。これにより、雌型水溶性樹脂層の除去工程で雌型水溶性樹脂層の残渣が視認で容易に確認できる。

0022

本発明の一形態に係る転写シートは、雌型水溶性樹脂層と、コーティング材層とを具備する。
上記雌型水溶性樹脂層は、一方の面に凹部を有し、厚さが80μm以上200μm以下である。
上記コーティング材層は、上記一方の面上に形成される。

0023

本発明のこのような構成の転写シートを用いることにより、表面が3次元の曲面形状を有する被転写対象物に対してでも、コーティング材層を転写精度よく転写することができる。すなわち、転写シートは支持体層を有さないのでフレキシブル性が高く、被転写対象物の表面が3次元の曲面形状を有していても、その曲面に沿って転写シートを貼りつけることができるので転写精度が高く、また、被転写対象物表面に突起があっても、その突起物周辺への転写精度も高い。

0024

また、雌型水溶性樹脂層の厚さを80μm以上とすることにより、支持体層がなくとも、コーティング材層を転写したときに、コーティング材層にしわやひずみなく転写することができる。厚さが80μmよりも薄いと、転写したときにコーティング材層にしわやひずみが生じてしまい、所望の形状のコーティング材層が転写で得られない。また、製造上、雌型水溶性樹脂層の厚みは200μmが限度である。更に、200μmよりも厚くなると、厚さの誤差が大きくなり、平面的な厚みのばらつきが大きくなり、それが転写時のリブレット精度に影響を及ぼす。加えて、200μmよりも厚くなると、雌型水溶性樹脂層の除去に時間がかかり、また、リブレット用転写シートの重さが重くなり、転写時にはがれてくる可能性があり、作業性が悪い。

0025

上記凹部の深さは10μm以上150μm以下であってもよい。凹部の深さ、すなわち被転写対象物に対して転写されるコーティング材層の突起高さを10μm以上150μm以下とすることができる。

0026

上記雌型水溶性樹脂は、上記転写対象物と異なる色に着色されていてもよい。このような雌型水溶性樹脂層が着色されたリブレット用転写シートを用いることにより、リブレットを成形する際、雌型水溶性樹脂層の除去工程で雌型水溶性樹脂層の残渣が視認で容易に確認できる。

0027

上記コーティング材層の、上記雌型水溶性樹脂層が形成されている面と対向する面上に設けられた保護シートを更に具備してもよい。これにより、転写直前まで、コーティング材層にごみやほこりといったものが付着することを防止できる。

発明の効果

0028

以上述べたように、本発明によれば、被転写対象物の形状に影響されることなく、優れた転写精度を有するリブレット用転写シート、リブレット用転写シートの製造方法、リブレット成形方法及び転写シートが得られる。

図面の簡単な説明

0029

リブレット用転写シートの概略断面図である。
雌型水溶性樹脂層の概略斜視図である。
雌型水溶性樹脂層の部分拡大図である。
リブレット用転写シート製造装置の概略図である。
リブレット用転写シートの製造工程を示す図である。
リブレット用転写シートの製造フローチャート図である。
リブレットの成形工程を示す図である。
リブレットの成形フローチャート図である。
表面コーティング材層及び/又はリブレット用転写シートのコーティング材層を複数の層(膜)から構成した例を説明するための図である(その1)。
表面コーティング材層及び/又はリブレット用転写シートのコーティング材層を複数の層(膜)から構成した例を説明するための図である(その2)。
表面コーティング材層及び/又はリブレット用転写シートのコーティング材層を複数の層(膜)から構成した例を説明するための図である(その3)。
他のリブレット用転写シート製造装置の概略図である。
更に他のリブレット用転写シート製造装置の概略図である。

実施例

0030

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
本実施形態においては、リブレット成形対象物として航空機を例にあげ、航空機の表面にリブレットを成形するのに用いられるリブレット用転写シートについて説明する。
[リブレット用転写シート]

0031

図1は、本発明の一実施形態に係るリブレット用転写シート1の概略断面図である。
図2及び図3はそれぞれ、図1に示すリブレット用転写シート1の一部を構成する雌型水溶性樹脂層2の概略斜視図、部分拡大図である。

0032

図1に示すように、リブレット用転写シート1は、雌型水溶性樹脂層2と、コーティング材層3とを具備する。

0033

図2及び図3に示すように、雌型水溶性樹脂層2は、対向する面2a及び2bのうち一方の面2bに、リブレットを成形するための凹部21を有する。凹部21は、複数の平行した溝である。凹部21は、溝方向に直交した断面が、他方の面2aから一方の面2bに向かってテーパ状に広がる台形形状を有している。尚、本実施形態においては、断面が台形形状の凹部21を例にあげたが、これに限定されない。例えば三角形状であってもよいし、断面形状が直線をもたず曲線を有する形状であってもよい。

0034

雌型水溶性樹脂層2の厚さaは80μm以上200μm以下である。凹部21の深さ(溝深さ)hは10μm以上150μm以下である。この凹部21の深さは、雌型水溶性樹脂層2により成形されるリブレットを有するコーティング材層3の突起部分であるリブレット32の高さに相当する。複数の凹部21は所定の間隔をおいて形成されており、隣りあう2つの凹部21間距離(凹部21間ピッチ)sは、10μm以上400μm以下である。台形状断面の面2a側の辺の長さ、すなわち、凹部21の底面の幅tは0μm以上40μm以下である。幅tが0μmであれば、断面は三角形状を有する。凹部21のテーパ角θは10°以上90°以下である。

0035

雌型水溶性樹脂層2の厚さは80μm以上200μmとすることが望ましい。厚さを80μm以上とすることにより、支持体層がなくとも、コーティング材層3を転写したときに、コーティング材層3にしわやひずみなく転写することができる。厚さが80μmよりも薄いと、転写したときにコーティング材層3にしわやひずみが生じてしまい、所望の配列形状のリブレットが得られない。また、製造上、雌型水溶性樹脂層の厚みは200μmが限度である。更に、200μmよりも厚くなると、厚さの誤差が大きくなり、平面的な厚みのばらつきが大きくなり、それが転写時のリブレット精度に影響を及ぼす。加えて、200μmよりも厚くなると、雌型水溶性樹脂層の除去に時間がかかり、また、リブレット用転写シートの重さが重くなり、転写時にはがれてくる可能性があり、作業性が悪い。

0036

尚、凹部21の深さh、凹部21間ピッチs、凹部21のテーパ角θ、凹部21の底面幅tは、雌型水溶性樹脂層2の厚さa等の具体的な数値は、コーティング材層3を転写する対象物である航空機の外形状と、飛行高度飛行速度迎え角等の運用条件で決定される。

0037

雌型水溶性樹脂層2には、ポリビニルアルコール系樹脂等を用いることができる。また、これら水溶性樹脂からなる雌型水溶性樹脂層はフレキシブル性に優れ、3次元の曲面形状を有する航空機に対しても、その曲面に沿ってリブレット用転写シートを貼りつけることができるので転写精度が高く、また、リブレッド等の局所的な突起物があっても、その突起物周辺への転写精度も高い。

0038

コーティング材層3の突起部分であるリブレット32を除いた厚さbは5〜70μmである。コーティング材層3のリブレット32の高さは10μm以上150μm以下であり、雌型水溶性樹脂層2の凹部21の深さにより決定される。リブレット32の形状は、雌型水溶性樹脂層2の凹部21の形状により決定される。ここで、後述するようにコーティング材層3の突起部分であるリブレット32を除いた層は複数の層(膜)から構成してもよい。

0039

詳細については後述するが、リブレットの成形方法においては、リブレット成形対象物に表面コーティング材を塗布した後、上述のリブレット用転写シートを用いて表面コーティング材上にコーティング材層を転写する。これにより、表面コーティング材とコーティング材層からなる膜が形成される。この膜のコーティング材層の突起部分であるリブレットを除いた厚さは、例えばリブレット成形対象物が航空機の場合は5〜150μm程度である。また、リブレット成形対象物が鉄道車両であれば5〜250μm程度、船舶であれば、5〜500μm程度である。このコーティング材とコーティング材層からなる膜のコーティング材層の突起部分であるリブレットを除いた膜厚は、リブレット成形対象物にコーティングされる膜として求められる耐候性や耐衝撃性を確保できる膜厚となっている。
ここで、上記表面コーティング材は、上記のコーティング材層3と同様に、複数の層(膜)から構成してもよい。これについても後述する。

0040

コーティング材層3には、アルキド樹脂系、アミノアルキド樹脂系、アクリル樹脂系アクリルウレタン樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、塩化ゴム系、紫外線硬化系、電子線硬化系、珪素樹脂系、石油系、ビニル樹脂系、フェノール樹脂系フッ素樹脂系、ポリエステル樹脂系メラミン樹脂系、ラッカー系などを用いることができる。

0041

本実施形態のリブレット成形対象物として挙げている航空機においては、耐衝撃性、耐候性、耐溶剤性、長期耐久性を確保する上で、アルキド樹脂系、アクリル‐ウレタン樹脂系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、フッ素樹脂系、ポリエステル樹脂系、ラッカー系が好ましく、より好ましくはウレタン樹脂系やフッ素樹脂系がよい。

0042

鉄道車両においては、耐候性、防汚性耐油性確保から、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系がより好ましい。
船舶においては、防食性、防汚性確保からアクリル系樹脂、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系がより好ましい。

0043

本実施形態においては、コーティング材層3及び雌型水溶性樹脂層2はいずれも無色透明であるが、雌型水溶性樹脂層2を顔料染料等を用いて着色してもよい。着色する場合、リブレット成形対象物(被転写対象物)と異なる色に着色するのが好ましい。これにより、このような雌型水溶性樹脂層2が着色されたリブレット用転写シート1を用いてリブレットを成形する際、雌型水溶性樹脂層2の除去工程で雌型水溶性樹脂層2の残渣の確認が容易となる。

0044

また、着色されたコーティング材層3を用いる場合には、雌型水溶性樹脂層2を、コーティング材層3と異なる色に着色してもよい。これにより、このような雌型水溶性樹脂層2が着色されたリブレット用転写シート1を用いてリブレットを成形する際、雌型水溶性樹脂層2の除去工程で雌型水溶性樹脂層2の残渣の確認が容易となる。

0045

[リブレット用転写シート製造装置]
次に、上述のリブレット用転写シート1の製造装置4について図4を用いて説明する。

0046

図4に示すように、リブレット用転写シート製造装置4は、供給ロール41と、加熱凹凸ローラ42と、加圧ローラ43と、第1の送出ローラ47と、コーティング材供給器44と、乾燥・硬化室45と、第2の送出ローラ48と、ガイドローラ49と、巻き取りロール46とを具備する。

0047

リブレット用転写シート製造装置4において、水溶性樹脂シート22は、図4上、左から右に連続走行する。尚、本実施形態においては、連続走行してリブレット用転写シートを製造しているが、これに限定されない。

0048

リブレット用転写シート製造装置4は、凹部形成工程部分50とコーティング材加工工程部分51とを有する。凹部形成工程部分50は、加熱凹凸ローラ42と加圧ローラ43による凹部形成の工程部分である。コーティング材加工工程部分51はコーティング材供給器44によるコーティング材料供給及び供給されたコーティング材料の乾燥・硬化を行う工程部分である。

0049

供給ロール41は、図示しない軸芯に水溶性樹脂シート22が巻回してロール状になったものである。軸芯の回転により、水溶性樹脂シート22は巻き取りがとけて送り出される。

0050

加熱凹凸ローラ42は、水溶性樹脂シート22の一方の面2b上にリブレットを成形する凹部21を形成するためのものである。加熱凹凸ローラ42と加圧ローラ43とで水溶性樹脂シート22を挟みこみ、これらローラの回転により加圧され、水溶性樹脂シート22に凹部21が形成され、凹部21が形成された雌型水溶性樹脂層2が、送り出される。尚、本実施形態においては、加熱凹凸ローラ42を用いたが、加熱機能のない凹凸ローラや冷却機能のある凹凸ローラを用いてもよく、常温又は冷却状態でローラによって押圧する構成としてもよい。

0051

一対の第1の送出ローラ47は、加熱凹凸ローラ42とコーティング材供給器44との間に配置される。雌型水溶性樹脂層2は、一対の第1の送出ローラ47間に挟まれ、送り出される。

0052

コーティング材供給器44は、雌型水溶性樹脂層2上に塗布するコーティング材料31を供給するものである。

0053

乾燥・硬化室45は、雌型水溶性樹脂層2上にコーティング材供給器44により供給されたコーティング材料31を、加熱して、溶媒揮発させて、乾燥して硬化するためのものである。

0054

乾燥・硬化室45は、コーティング材料31が塗布された雌型水溶性樹脂層2が搬入する搬入口と、雌型水溶性樹脂層2とコーティング材料31が乾燥・硬化されてなるコーティング材層3とからなるリブレット用転写シート1が搬出される搬出口とを有する。乾燥・硬化工程は、例えば大気中で、50〜200℃で1〜15分、好ましくは80〜150℃の温度で2〜3分行う。加熱によりコーティング材料31の溶媒を揮発させて、乾燥して硬化させる。

0055

尚、本実施形態においては、コーティング材料31として加熱硬化タイプのものを例にあげて説明したが、これに限定されない。例えば、コーティング材料31として、常温乾燥硬化タイプ、紫外線乾燥硬化タイプ、電子線乾燥硬化タイプを用いてもよい。この場合、材料の種類によって、リブレット用転写シート製造装置の乾燥・硬化室を紫外線照射室電子線照射室等に置き換えればよい。

0056

一対の第2の送出ローラ48は、乾燥・硬化室45と巻き取りロール46との間に配置される。リブレット用転写シート1は、一対の第2の送出ローラ48間に挟まれ、ローラの回転により送り出される。

0057

ガイドローラ49は第2の送出ローラ48により送り出されたリブレット用転写シート1を巻き取りロール46までガイドするものである。

0058

巻き取りロール46は、図示しない軸芯にリブレット用転写シート1が巻回してロール状になったものである。製造されたリブレット用転写シート1は、軸芯に巻き取られて巻き取りロール46となる。

0059

[リブレット用転写シートの製造方法]
次に、上述のリブレット用転写シート製造装置4を用いたリブレット用転写シート1の製造方法について説明する。
図5はリブレット用転写シート1の製造方法を示す。図6はリブレット用転写シート1の製造フローチャート図である。以下、図6に示すフローに従い図4及び図5を交えて製造方法について説明する。

0060

まず、水溶性樹脂シート22がロール状になった供給ロール41を準備し、リブレット用転写シート製造装置4にセットする。装置4を稼働すると、水溶性樹脂シート22は加熱凹凸ローラ42と加圧ローラ43とにより加圧され、図5(a)に示すように、水溶性樹脂シート22の一方の面にリブレットを成形する凹部21が形成される(S101)。

0061

水溶性樹脂シート22に凹部21が形成された雌型水溶性樹脂層2は、第1の送出ローラ47により送り出される。次に、雌型水溶性樹脂層2の凹部21が形成された面上に、コーティング材供給器44からコーティング材料31が供給、塗布される(S102)。

0062

その後、コーティング材料31が塗布された雌型水溶性樹脂層2は、乾燥・硬化室45に搬入される。乾燥・硬化室45内で、コーティング材料31は、80〜150℃で2〜3分、加熱される。この加熱によりコーティング材料31の溶媒は揮発し、乾燥し硬化され(S103)、図5(b)に示すように、雌型水溶性樹脂層2とリブレット32を有するコーティング材層3とからなるリブレット用転写シート1が製造される。

0063

製造されたリブレット用転写シート1は軸芯に巻き取られ、リブレット用転写シート1の巻き取りロール46が得られる。

0064

以上のように、本実施形態におけるリブレット用転写シート製造装置4では、水溶性樹脂シートを連続走行させ、凹部形成、コーティング加工を施して、リブレット用転写シート1が製造される。このように、1つのラインでリブレット用転写シート1を製造することができ、所望の長さのリブレット用転写シート1を得ることができる。また、ロール状になったリブレット用転写シート1は、保管や運搬に適した形状であり、また、被転写対象物(本実施形態では航空機)に対して転写をする際に作業効率がよい。

0065

[リブレット成形方法]

0066

次に、リブレット成形対象物(被転写対象物)である航空機に上述のリブレット用転写シート1を用いてリブレットを成形する方法について説明する。

0067

図7はリブレット成形方法の製造方法を示す。図8はリブレット成形フローチャート図である。以下、図8に示すフローに従い図7を交えて成形方法について説明する。

0068

まず、図7(a)に示すように、アルミニウム合金炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等を用いて構成される航空機60の表面に表面コーティング材層61を構成する表面コーティング材を塗布する(S201)。この表面コーティング材は、リブレット用転写シート1のコーティング材層3と同じ材料からなる。ここでは、表面コーティング材にコーティング材層3と同じ材料を用いたが、これに限定されない。コーティング材層3に含まれる複数の樹脂の中から選択したものを用いてもよく、例えばプライマ塗料等を用いてもよい。また、表面コーティング材層61は材質が同一又は異なる複数の層(膜)から構成してもよい。同様に、リブレット用転写シート1のコーティング材層3も材質が同一又は異なる複数の層(膜)から構成してもよい。

0069

次に、図7(b)に示すように、表面コーティング材層61が未硬化の状態で、リブレット用転写シート1のコーティング材層3と表面コーティング材層61とが接するように配置し、航空機60とリブレット用転写シート1とを密着させ、加圧して固定する(S202)。ここで、未硬化の状態とは、半硬化の状態も含み、完全に硬化していない状態を指す。リブレット用転写シート1を航空機60の表面に貼りつける際、流体の流れに沿ってリブレットが配置されるように、リブレット用転写シートを引っ張りながら貼りつける。

0070

その後、表面コーティング材層61を放置し、硬化させる。表面コーティング材層61が硬化したのち、水により雌型水溶性樹脂層2を除去する(S203)。これにより、図7(c)に示すように、航空機60の表面上に、リブレット32を有するコーティング膜63が成形される。

0071

本実施形態においては、表面コーティング材層61、コーティング材層3及び雌型水溶性樹脂層2に無色透明の材料を用いたが、雌型水溶性樹脂層2を下地層と異なる色で着色してもよい。これにより、リブレット成形時の雌型水溶性樹脂層2の除去工程(S203)で、雌型水溶性樹脂層2の残渣の確認が視認で容易となる。例えば、航空機の機体の色が白色で、赤色に着色された雌型水溶性樹脂層2を備えた転写シート1を用いてリブレットを成形する場合、雌型水溶性樹脂層2の除去工程で、赤色が視認できなくなるまで除去工程を行えばよい。

0072

また、表面コーティング材層61及びコーティング材層3が着色されている場合には、雌型水溶性樹脂層2を、表面コーティング材層61及びコーティング材層3と異なる色に着色してもよい。これにより、リブレット成形時の雌型水溶性樹脂層2の除去工程(S203)で、雌型水溶性樹脂層2の残渣の確認が視認で容易となる。

0073

以上のように、本実施形態のリブレット用転写シートは支持体層を有さないのでフレキシブル性が高く、航空機のように3次元の曲面形状を有していても、その曲面に沿ってリブレット用転写シートを貼りつけることができるので転写精度が高く、また、被転写対象物表面に突起があっても、その突起物周辺への転写精度も高い。
また、支持体層の剥離が必要ないので、成形方法が容易である。更に、支持体層の剥離によるコーティング材層へのダメージといった問題もない。

0074

ここで、上記した表面コーティング材層61及び/又はリブレット用転写シート1のコーティング材層3を複数の層(膜)から構成した例を図9乃至図11に基づき説明する。
図9は表面コーティング材層61を3層、リブレット用転写シート1のコーティング材層3を1層とした例を示している。同図に示すように、表面コーティング材層61は、プライマ下塗り)61a、ベース中塗り)61b及びクリア上塗り)61cから構成される。プライマ(下塗り)61a、ベース(中塗り)61b及びクリア(上塗り)61cは同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。また、リブレット用転写シート1のコーティング材層3はクリア(上塗り)3cから構成される。そして、コーティング材層3のクリア(上塗り)3cと表面コーティング材層61のクリア(上塗り)61cとを貼り付けることで成形する。この場合に、コーティング材層3のクリア(上塗り)3cと表面コーティング材層61のクリア(上塗り)61cとを同じ材料とすることで接着性を良好にすることができる。
この例では、表面コーティング材層61のクリア(上塗り)61c以下の層によって、隣接するリブレット用転写シート1のコーティング材層3間から侵入する水分などがそれより内部に浸み込むことを効果的に防止することができる。また、製品としてのリブレット用転写シートを薄く、かつ、軽量化できる。

0075

図10は表面コーティング材層61を2層、リブレット用転写シート1のコーティング材層3を2層とした例を示している。同図に示すように、表面コーティング材層61は、プライマ(下塗り)61a及びベース(中塗り)61bから構成される。プライマ(下塗り)61a及びベース(中塗り)61bは同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。また、リブレット用転写シート1のコーティング材層3はベース(中塗り)3b及びクリア(上塗り)3cから構成される。ベース(中塗り)3b及びクリア(上塗り)3cも同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。そして、コーティング材層3のベース(中塗り)3bと表面コーティング材層61のベース(中塗り)61bとを貼り付けることで成形する。この場合に、コーティング材層3のベース(中塗り)3bと表面コーティング材層61のベース(中塗り)61bとを同じ材料とすることで接着性を良好にすることができる。

0076

図11は表面コーティング材層61を1層、リブレット用転写シート1のコーティング材層3を3層とした例を示している。同図に示すように、表面コーティング材層61は、プライマ(下塗り)61aから構成される。また、リブレット用転写シート1のコーティング材層3はプライマ(下塗り)3a、ベース(中塗り)3b及びクリア(上塗り)3cから構成される。プライマ(下塗り)3a、ベース(中塗り)3b及びクリア(上塗り)3cも同一の材料であってもよく、異なる材料であってもよい。そして、コーティング材層3のプライマ(下塗り)3aと表面コーティング材層61のプライマ(下塗り)61aとを貼り付けて成形する。この場合に、コーティング材層3のプライマ(下塗り)3aと表面コーティング材層61のプライマ(下塗り)61aとを同じ材料とすることで接着性を良好にすることができる。
この例では、表面コーティング材層61がプライマ(下塗り)61aの1層だけなので、有機溶剤である表面コーティング材層61を塗布する工数を減らし、かつ、有機溶剤の飛翔機会を減らして作業環境を良好に保つことができる。

0077

以上のように表面コーティング材層61及び/又はリブレット用転写シート1のコーティング材層3を複数の層(膜)から構成した場合の膜厚及び材質の具体例を以下に示す。
表1及び表2は、航空機での膜厚及び材質の例である。表1は3層、表2は2層の場合を示している。

0078

0079

表3は、鉄道車両での膜厚及び材質の例である。

0080

表4は、鉄道車両での膜厚及び材質の例である。

0081

0082

[リブレット用転写シート製造装置の他の実施形態]
上述のリブレット用転写シート1の製造装置4では、コーティング材塗布は、水溶性樹脂シート22上に塗布して行われるが、図12に示すように、水溶性樹脂シート22に支持体を貼りつけた状態でコーティング材の塗布及び硬化を行っても良い。そして、コーティング材硬化後は、支持体と保護シートとの間にリブレット用転写シート1を挟み込んだ状態で一定区間、リブレット用転写シート1を流した後、支持体と保護シートを巻き取ってリブレット用転写シート1から離間させてもよい。

0083

図12は、本実施形態におけるリブレット用転写シート製造装置104の概略図である。上述のリブレット用転写シート製造装置4と同様の構成については同様の符号を付し、説明については省略する。

0084

図12に示すように、リブレット用転写シート製造装置104は、供給ロール41と、加熱凹凸ローラ42と、加圧ローラ43と、送出ローラ106〜111と、コーティング材供給器44と、乾燥・硬化室45と、ガイドローラ49と、巻き取りロール46と、支持体供給ロール105と、支持体巻き取りロール114と、保護シート供給ロール112と、保護シート巻き取りロール113を具備する。

0085

リブレット用転写シート製造装置104は、凹部形成工程部分50とコーティング材加工工程部分51とを有する。

0086

支持体供給ロール105は、図示しない軸芯にシート状の支持体120が巻回してロール状になったものである。軸芯の回転により、支持体120は巻き取りがとけて送り出される。支持体120は粘着性を有し、容易に剥離可能なものである。支持体120は、製造中、雌型水溶性樹脂層2と、コーティング材料31又はコーティング材層3とを支持するものである。支持体120は、水溶性樹脂シート22の一方の面に凹部21が形成されてなる雌型水溶性樹脂層2の他方の面に設けられる。

0087

支持体巻き取りロール114は、図示しない軸芯に支持体120が巻き取られてロール状になったものである。

0088

送出ローラ106及び107は、加熱凹凸ローラ42とコーティング材供給器44との間に配置される。支持体供給ロール105から供給される支持体120は、支持体巻き取りロール114によって巻き取られ、両ロール105及び114の間に位置する4つの送出ローラ106、107、110、111によって、水溶性樹脂シート22又は雌型水溶性樹脂層2の凹部21が形成されていない他方の面に貼りつけられる。

0089

保護シート供給ロール112は、図示しない軸芯にシート状の保護シート121が巻回してロール状になったものである。軸芯の回転により、保護シート121は巻き取りがとけて送り出される。

0090

保護シート巻き取りロール113は、図示しない軸芯に保護シート121が巻き取られてロール状になったものである。

0091

送出ローラ108、109、110及び111は、乾燥・硬化室45と巻き取りロール46との間に配置される。保護シート供給ロール112から供給される保護シート121は、保護シート巻き取りロール113によって巻き取られ、両ロール112及び113の間に位置する4つの送出ローラ108〜111によって、コーティング材層3上を覆うように配置される。

0092

本実施形態の製造装置104においては、支持体120上に雌型水溶性樹脂層2及びコーティング材料31が順次積層された状態で、乾燥・硬化室45に搬入される。コーティング材料31は乾燥・硬化室45で加熱、硬化され。コーティング材層3となる。このように、支持体120を設けた状態で加熱、硬化が行われるので、加熱による雌型水溶性樹脂層2の収縮を支持体120によって抑制できる。したがって、雌型水溶性樹脂層2のリブレットを成形する凹部21の形状が変形しにくく、所望の形状のリブレットを有するコーティング材層3を得ることができる。

0093

更に、本実施形態の製造装置104においては、支持体120上に雌型水溶性樹脂層2及びコーティング材層3を挟み込むように保護シート121及び支持体120が配置されたものを、送出ローラ108〜111によって押圧する。雌型水溶性樹脂層2及びコーティング材層3は支持体120によって支持されているので、押圧による伸展が抑制される。

0094

本実施形態においては、巻き取りロール46によるリブレット用転写シート1の巻き取りの前に、保護シート121及び支持体120は、リブレット用転写シート1から離間されて除去され、巻き取られる。

0095

[リブレット用転写シート製造装置の更に他の実施形態]
上述の他の実施形態としてのリブレット用転写シート製造装置104では、巻き取りロール46によるリブレット用転写シート1の巻き取りの前に、保護シート121及び支持体120は、リブレット用転写シート1から離間されて巻き取られていた。これに対し、本実施形態においては、リブレット用転写シートの巻き取りに先立って支持体120のみを巻き取って除去し、保護シート121はリブレット用転写シート1に残している。

0096

図13は、本実施形態におけるリブレット用転写シート製造装置204の概略図である。上述のリブレット用転写シート製造装置104と同様の構成については同様の符号を付し、説明については省略する。

0097

図13に示すように、リブレット用転写シート製造装置204は、供給ロール41と、加熱凹凸ローラ42と、加圧ローラ43と、冷却器130と、送出ローラ106〜111と、コーティング材供給器44と、乾燥・硬化室45と、ガイドローラ49と、巻き取りロール246と、支持体供給ロール105と、支持体巻き取りロール114と、保護シート供給ロール112とを具備する。

0098

リブレット用転写シート製造装置204は、凹部形成工程部分50とコーティング材加工工程部分51とを有する。

0099

冷却器130は、加熱凹凸ローラ42と支持体供給ロール105との間に配置される。冷却器130は、加熱凹凸ローラ42を通って形成された雌型水溶性樹脂層2を冷却するものである。このように、冷却機構を設けてもよい。

0100

送出ローラ106及び107は、加熱凹凸ローラ42とコーティング材供給器44との間に配置される。送出ローラ108、109、110及び111は、乾燥・硬化室45と巻き取りロール246との間に配置される。

0101

保護シート供給ロール112から供給される保護シート121は、雌型水溶性樹脂層2とコーティング材層3とからなるリブレット用転写シート1に付いた状態で巻き取りロール246によって巻き取られ、保護シート供給ロール112の間に位置する4つの送出ローラ108〜111によって、コーティング材層3上を覆うように配置される。

0102

巻き取りロール246は、図示しない軸芯に保護シート付きリブレット用転写シート201が巻回してロール状になったものである。製造された保護シート付きリブレット用転写シート201は、一方の面にリブレットを成形する凹部を有する雌型水溶性樹脂層2と、雌型水溶性樹脂層2の一方の面上に形成されたコーティング材層3と、コーティング材層3の雌型水溶性樹脂層2が形成されている面と対向する面上に設けられた保護シート121からなる。

0103

本実施形態のリブレット用転写シート製造装置204により製造された保護シート付きリブレット用転写シート201は、保護シート121が設けられているので、例えば巻き取られたときにシート同士がくっつきあうことがなく、また外部からのほこりやごみ等の付着を防止することができ、保管に適している。

0104

また、この保護シート付きリブレット用転写シート201を用いて、リブレット成形対象物にリブレットを成形する場合は、保護シート121をはがしてからリブレット成形対象物に転写シートを貼りつければよい。

0105

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上述の実施形態においては、リブレット用転写シートを例にあげて説明したが、リブレット成形に限定されず、突起部を有するコーティング材層を成形するための転写シートとして用いることもできる。
また、上述の実施形態においては、被転写対象物として航空機を例にあげて説明したが、これに限定されない。例えば、ロケット電車、自動車等の輸送系分野に適用できる。また、スキーなどの高速スピードを伴うスポーツ水泳等のスポーツ分野等に適用可能であり、スキー板ウエア水着などにも適用可能である。また、流体が流れるパイプラインにも適用可能である。また、回転物体である風車にも適用可能である。

0106

1リブレット用転写シート
2雌型水溶性樹脂層
2b 一方の面
3コーティング材層
21 凹部
22水溶性樹脂シート
31コーティング材料
32 リブレット
42凹凸ローラ
46巻き取りロール
61表面コーティング材
120支持体
121保護シート
201保護シート付きリブレット用転写シート

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