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技術 水素回生システムおよび水素回生運転方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 矢敷達朗川村徹
出願日 2016年8月8日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-155186
公開日 2018年2月15日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-026886
状態 特許登録済
技術分野 ガスタービン、高圧・高速燃焼室 水素、水、水素化物 発電機の制御
主要キーワード 所定後 最低出力値 水素濃度上昇 回生ユニット 定格出力値 天然ガス流量 規定開度 定格負荷状態
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課題

発電機出力下降速度の制限を小さくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することが可能な水素回生システムを提供する。

解決手段

水素回生システム1は、停止状態定格出力切り替え運転して電力を供給する定格出力水素回生ユニット3と、水素と燃料比率である水素混合比を前記定格出力水素回生ユニットの水素混合比より低い範囲で可変にして電力を供給する出力調整水素回生ユニット4から構成される複数の水素回生ユニットと、要求負荷を入力として、前記定格出力水素回生ユニット3の要求値と前記出力調整水素回生ユニット4の要求値を計算するユニット発電出力演算部2を有し、前記定格水素回生ユニット3は、前記定格出力水素回生ユニット3の要求値に基づいて動作し、前記出力調整水素回生ユニット4は、前記出力調整水素回生ユニット4の要求値に基づいて動作することを特徴とする。

概要

背景

地球温暖化の防止、および化石燃料枯渇の防止のため、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないエネルギーとして水素が注目されている。水素エネルギーの利用に関して、水素の備蓄輸送方法が重要であり、例えば、水素を可逆的に放出する貯蔵として、適切な触媒反応を介する有機化合物として、有機ハイドライドを用いた水素備蓄・輸送方法が検討されている。有機ハイドライドとは芳香族化合物に水素を添加して得られる水素芳香族化合物の総称であり、触媒を用いた可逆反応である水素添加反応脱水素反応により、芳香族化合物との間で水素貯蔵回収が可能である。有機ハイドライドを用いた水素備蓄・輸送方法では、水素備蓄システムにて、芳香族化合物を水素添加反応させて有機ハイドライドに転換し、これを水素備蓄媒体として常温・常圧の液体状態で備蓄する。さらに、備蓄した有機ハイドライドを使用場所まで輸送し、水素回生システムにて、有機ハイドライドから脱水素反応によって水素を回生する。

水素備蓄・輸送システムにより、エネルギーを水素に変換して、容易に再利用できるため、風力太陽光発電などの出力変動が大きい再生可能エネルギーの安定供給に貢献できる。特に、エネルギー供給が不安定な離島極地等において、水素備蓄・輸送システムを活用して、再生可能エネルギーの余剰電力から水素を生成、備蓄し、電力不足時に水素を回生して電力を供給することにより、エネルギーを安定的に供給できる。

有機ハイドライドを用いた例の水素備蓄・輸送システムとして、水素回生システムに関して、例えば特開2006−232607号公報(特許文献1)には、有機ハイドライドから脱水素反応によって水素を生成し、水素分離膜を用いて高純度の水素を得ることが可能な水素の製造方法が開示されている。特許文献1に開示されている水素回生システムでは、タンク等の貯蔵設備に蓄えられた有機ハイドライドが脱水素反応器に流入し、脱水素反応により水素と芳香族化合物に分解する。脱水素反応は吸熱反応であるため、反応を進行させるために、外部から脱水素反応器内の有機ハイドライドに熱を供給する。分解した水素と芳香族化合物が水素分離膜に流入して水素を精製し、高純度の水素を得る。

概要

発電機出力下降速度の制限を小さくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することが可能な水素回生システムを提供する。水素回生システム1は、停止状態定格出力切り替え運転して電力を供給する定格出力水素回生ユニット3と、水素と燃料比率である水素混合比を前記定格出力水素回生ユニットの水素混合比より低い範囲で可変にして電力を供給する出力調整水素回生ユニット4から構成される複数の水素回生ユニットと、要求負荷を入力として、前記定格出力水素回生ユニット3の要求値と前記出力調整水素回生ユニット4の要求値を計算するユニット発電出力演算部2を有し、前記定格水素回生ユニット3は、前記定格出力水素回生ユニット3の要求値に基づいて動作し、前記出力調整水素回生ユニット4は、前記出力調整水素回生ユニット4の要求値に基づいて動作することを特徴とする。

目的

本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、発電機出力の下降速度の制限を小さくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することが可能な水素回生システム及び水素回生運転方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

水素貯蔵する貯蔵化合物から水素を回生して水素と異なる燃料と前記回生水素を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の水素回生ユニットと、前記複数の水素回生ユニットの供給電力を入力して所定の電力となるように調整して負荷に供給する調整機を有するものであって、前記複数の水素回生ユニットは、定格出力水素回生ユニットと出力調整水素回生ユニットから構成され、前記定格出力水素回生ユニットは、停止状態と定格出力を切り替え運転して電力を供給するものであり、前記出力調整水素回生ユニットは、水素と燃料の比率である水素混合比を前記定格出力水素回生ユニットの水素混合比より低い範囲で可変にして電力を供給するものであり、要求負荷を入力として、前記定格出力水素回生ユニットの要求値と前記出力調整水素回生ユニットの要求値を計算するユニット発電出力演算部を有し、前記定格水素回生ユニットは、前記定格出力水素回生ユニットの要求値に基づいて動作し、前記出力調整水素回生ユニットは、前記出力調整水素回生ユニットの要求値に基づいて動作することを特徴とする水素回生システム

請求項2

請求項1において、前記定格出力水素回生ユニットは、前記貯蔵化合物としての有機ハイドライドを貯蔵する有機ハイドライド貯蔵設備と、前記有機ハイドライドから脱水素反応により前記水素と芳香族化合物を得る脱水素反応機と、前記水素と前記芳香族化合物を分離する気液分離器と、前記芳香族化合物を貯蔵する芳香族化合物貯蔵設備と、前記燃料としての前記軽油あるいは天然ガスを貯蔵する燃料貯蔵設備と、前記水素と、前記軽油あるいは天然ガスを混合後、空気と燃焼させ、燃焼による熱エネルギー駆動力に変換する熱機関と、前記熱機関が出力する駆動力を電気エネルギーに変換し、前記調整機としての同期機に電力を供給する発電機と、前記有機ハイドライド貯蔵設備と前記脱水素反応器を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記脱水素反応器に流入する前記有機ハイドライド流量を調節する有機ハイドライド流量調節弁と、前記気液分離器と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記水素流量を調節する水素流量調節弁と、前記燃料貯蔵設備と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記軽油あるいは天然ガス流量を調節する燃料流量調節弁と、前記要求発電出力、前記発電機の供給電力計測値を入力として、前記定格出力水素回生ユニットの運転状態を決定して、前期有機ハイドライド流量調節弁、前記水素流量調節弁、前記燃料流量調節弁を制御し、前記有機ハイドライド流量調節弁、前期水素流量調節弁、前記燃料流量調節弁の弁開度指令値を計算、出力する停止・定格出力判定部とを備えたことを特徴とする水素回生システム。

請求項3

請求項1において、前記出力調整水素回生ユニットは、前記有機ハイドライドを貯蔵する有機ハイドライド貯蔵設備と、前記前記貯蔵化合物としての有機ハイドライドから脱水素反応により前記水素と芳香族化合物を得る脱水素反応機と、前記水素と前記芳香族化合物を分離する気液分離器と、前記芳香族化合物を貯蔵する芳香族化合物貯蔵設備と、前記燃料としての軽油あるいは天然ガスを貯蔵する燃料貯蔵設備と、前記水素と、前記軽油あるいは天然ガスを混合後、空気と燃焼させ、燃焼による熱エネルギーを駆動力に変換する熱機関と、前記熱機関が出力する駆動力を電気エネルギーに変換し、前記調整機としての同期機に電力を供給する発電機と、前記有機ハイドライド貯蔵設備と前記脱水素反応器を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記脱水素反応器に流入する前記有機ハイドライド流量を調節する有機ハイドライド流量調節弁と、前記気液分離器と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記水素流量を調節する水素流量調節弁と、前記燃料貯蔵設備と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記軽油あるいは天然ガス流量を調節する燃料流量調節弁と、前記気液分離器と前記熱機関を接続する配管に設置され、前記熱機関に流入する前記水素流量を検出する水素流量計と、前記燃料貯蔵設備と前記熱機関を接続する配管に設置され、前記熱機関に流入する前記軽油あるいは天然ガス流量を検出する燃料流量計と、前記要求発電出力、前記発電機の供給電力計測値を入力として、前記同期機に供給する電力が前記要求発電出力に一致するように、前記有機ハイドライド流量調節弁、前記燃料流量調節弁を制御し、前記有機ハイドライド流量調節弁、前記燃料流量調節弁の弁開度指令値を計算、出力するとともに、前記水素流量計の水素流量計測値、前記燃料流量計の燃料流量計測値を入力として、前記熱機関に流入する水素濃度設定値と一致するように、前記水素流量調節弁を制御し、前記水素流量調節弁の弁開度指令値を計算、出力する流量演算部とを備えたことを特徴とする水素回生システム。

請求項4

少なくとも水素と異なる燃料を含む燃料を燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の電力供給ユニットと、前記電力供給ユニットの供給電力を入力し所定の電力となるように調整して負荷に供給する調整機を有し、前記複数の電力供給ユニットは、水素を貯蔵する化合物から水素を回生して燃料と前記回生水素を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する水素回生ユニットを含み、前記水素回生ユニットとして、少なくとも運転開始から所定後にほぼ定格出力状態で運転した後に前記ほぼ定格出力状態から停止状態に遷移する定格出力水素回生ユニットを含み、前記定格出力水素回生ユニット以外の少なくとも一部の電力供給ユニットは、要求負荷に対する電力供給が連続的な可変に構成されることを特徴とする水素回生システム。

請求項5

請求項4において、前記定格出力水素回生ユニットは、前記貯蔵化合物としての有機ハイドライドを貯蔵する有機ハイドライド貯蔵設備と、前記有機ハイドライドから脱水素反応により前記水素と芳香族化合物を得る脱水素反応機と、前記水素と前記芳香族化合物を分離する気液分離器と、前記芳香族化合物を貯蔵する芳香族化合物貯蔵設備と、前記燃料としての前記軽油あるいは天然ガスを貯蔵する燃料貯蔵設備と、前記水素と、前記軽油あるいは天然ガスを混合後、空気と燃焼させ、燃焼による熱エネルギーを駆動力に変換する熱機関と、前記熱機関が出力する駆動力を電気エネルギーに変換し、前記同期機に電力を供給する発電機と、前記有機ハイドライド貯蔵設備と前記脱水素反応器を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記脱水素反応器に流入する前記有機ハイドライド流量を調節する有機ハイドライド流量調節弁と、前記気液分離器と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記水素流量を調節する水素流量調節弁と、前記燃料貯蔵設備と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記軽油あるいは天然ガス流量を調節する燃料流量調節弁と、前記要求発電出力、前記発電機の供給電力計測値を入力として、前記定格出力水素回生ユニットの運転状態を決定して、前期有機ハイドライド流量調節弁、前記水素流量調節弁、前記燃料流量調節弁を制御し、前記有機ハイドライド流量調節弁、前記水素流量調節弁、前記燃料流量調節弁の弁開度指令値を計算、出力する停止・定格出力判定部とを有することを特徴とする水素回生システム。

請求項6

請求項4において、前記要求負荷に対する電力供給が連続的な可変に構成される電力供給ユニットは、前記出力調整ユニットとして、前記燃料としての軽油あるいは天然ガスを貯蔵する燃料貯蔵設備と、前記水素と、前記軽油あるいは天然ガスを混合後、空気と燃焼させ、燃焼による熱エネルギーを駆動力に変換する熱機関と、前記熱機関が出力する駆動力を電気エネルギーに変換し、前記同期機に電力を供給する発電機と、前記燃料貯蔵設備と前記熱機関を接続する配管に設置され、弁開度指令値を入力として弁開度を操作し、前記熱機関に流入する前記軽油あるいは天然ガス流量を調節する燃料流量調節弁と、前記要求発電出力、前記発電機の供給電力計測値を入力として、前記同期機に供給する電力が前記要求発電出力に一致するように、前記燃料流量調節弁を制御し、前記燃料流量調節弁の弁開度指令値を計算、出力する流量演算部とを備えたことを特徴とする水素回生システム。

請求項7

請求項4において、前記定格出力水素回生ユニット以外の少なくとも一部の電力供給ユニットは、燃料としての軽油または天然ガスを混合、燃焼させて発電機を駆動し、最低出力状態と発電機出力変化を切り替えて運転して電力を供給する、複数の出力調整ユニットであることを特徴とする水素回生システム。

請求項8

水素を貯蔵する貯蔵化合物から水素を回生して水素と異なる燃料と前記回生水素を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の水素回生ユニットと、要求負荷を入力として、定格出力水素回生ユニット要求値と出力調整水素回生ユニットの要求値を計算するユニット発電出力演算部と、前記複数の水素回生ユニットの供給電力を入力し所定の電力となるように調整して負荷に電力を供給する調整機を有する水素回生システムの水素回生運転方法であって、前記水素回生ユニットのうちの定格出力水素回生ユニットは、前記定格出力水素回生ユニット要求値に基づいて、停止状態と定格出力を切り替えて運転して電力を供給し、前記水素回生ユニットのうちの出力調整水素回生ユニットは、前記出力調整水素回生ユニットの要求値に基づいて、水素流量と燃料の比率である水素混合比を前記定格出力水素回生ユニットの水素混合比より低い範囲で可変にして電力を供給する水素回生運転方法。

請求項9

少なくとも水素と異なる燃料を含む燃料を燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の電力供給ユニットと、前記電力供給ユニットの供給電力を入力し所定の電力となるように調整して負荷に電力を供給する調整機を有する水素回生システムの水素回生運転方法であって、前記複数の電力供給ユニットのうちの、水素を貯蔵する有機化合物から水素を回生して前記水素と燃料を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する水素回生ユニットは、少なくとも運転開始から所定後はほぼ定格出力状態で運転し前記ほぼ定格出力状態からは停止状態に移行して運転し、前記複数の電力供給ユニットのうちの、前記定格出力水素回生ユニット以外の少なくとも一部の電力供給ユニットは、要求負荷に対する電力供給が連続的な可変に運転する水素回生運転方法。

技術分野

0001

本発明は、水素回生システムおよび水素回生運転方法に関し、特に、有機ハイドライドから水素を回生し、回生した水素を燃料として需要者電力を供給するのに好適な水素回生システムおよび水素回生運転方法に関する

背景技術

0002

地球温暖化の防止、および化石燃料枯渇の防止のため、温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないエネルギーとして水素が注目されている。水素エネルギーの利用に関して、水素の備蓄輸送方法が重要であり、例えば、水素を可逆的に放出する貯蔵として、適切な触媒反応を介する有機化合物として、有機ハイドライドを用いた水素備蓄・輸送方法が検討されている。有機ハイドライドとは芳香族化合物に水素を添加して得られる水素芳香族化合物の総称であり、触媒を用いた可逆反応である水素添加反応脱水素反応により、芳香族化合物との間で水素貯蔵回収が可能である。有機ハイドライドを用いた水素備蓄・輸送方法では、水素備蓄システムにて、芳香族化合物を水素添加反応させて有機ハイドライドに転換し、これを水素備蓄媒体として常温・常圧の液体状態で備蓄する。さらに、備蓄した有機ハイドライドを使用場所まで輸送し、水素回生システムにて、有機ハイドライドから脱水素反応によって水素を回生する。

0003

水素備蓄・輸送システムにより、エネルギーを水素に変換して、容易に再利用できるため、風力太陽光発電などの出力変動が大きい再生可能エネルギーの安定供給に貢献できる。特に、エネルギー供給が不安定な離島極地等において、水素備蓄・輸送システムを活用して、再生可能エネルギーの余剰電力から水素を生成、備蓄し、電力不足時に水素を回生して電力を供給することにより、エネルギーを安定的に供給できる。

0004

有機ハイドライドを用いた例の水素備蓄・輸送システムとして、水素回生システムに関して、例えば特開2006−232607号公報(特許文献1)には、有機ハイドライドから脱水素反応によって水素を生成し、水素分離膜を用いて高純度の水素を得ることが可能な水素の製造方法が開示されている。特許文献1に開示されている水素回生システムでは、タンク等の貯蔵設備に蓄えられた有機ハイドライドが脱水素反応器に流入し、脱水素反応により水素と芳香族化合物に分解する。脱水素反応は吸熱反応であるため、反応を進行させるために、外部から脱水素反応器内の有機ハイドライドに熱を供給する。分解した水素と芳香族化合物が水素分離膜に流入して水素を精製し、高純度の水素を得る。

先行技術

0005

特開2006−232607号公報

発明が解決しようとする課題

0006

水素回生システムを用いて電力を供給する場合は、一般的に、水素回生システムにて回生した水素を軽油天然ガス等の燃料と混合した後、エンジンガスタービン等の熱機関燃焼させて発電機を駆動する。電力の供給対象が離島、極地等の場合、主要な電力供給源である再生可能エネルギーの出力変動が大きく、また系統規模が小さいため、水素回生システム側で需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整する必要がある。需要者側の要求負荷に追従して発電機の出力を調整する方法として、タービンと発電機を一つのユニットとして複数のユニットを並列に接続し、要求負荷に応じて、各ユニットが停止、発電機出力変化を切り替え運転することで、要求負荷に追従して発電することが考えられる。

0007

しかしながら、この場合、熱機関に供給される軽油・天然ガスを例として水素の流量応答時間の違いにより、発電機出力変化時に、熱機関に流入する水素濃度が変化する。ここで、軽油・天然ガスと水素で流量応答が異なるのは以下の理由による。すなわち、軽油・天然ガスは、タンク等の貯蔵設備より直接熱機関に供給されるため、流量応答時間は短い。一方、水素については、外部から有機ハイドライドを例として熱を供給することにより脱水素反応が進行し、その結果、有機ハイドライドから水素が回生され、熱機関に供給される。ここで、脱水素反応器の熱容量の影響により、外部から有機ハイドライドに熱を供給する際に遅れが生じるため、水素流量の応答時間は軽油・天然ガス流量と比較して長くなる。

0008

発電機出力が上昇する場合は、軽油・天然ガス流量の増加に対して、水素流量は遅れて増加するため、水素濃度は下降する。一方、発電機出力が下降する場合は、軽油・天然ガス流量の減少に対して、水素流量は遅れて減少するため、水素濃度は上昇する。水素濃度が上昇すると、熱機関内の燃焼状態が不安定となり、熱機関が停止、破損する可能性がある。これを避けるために、発電機出力の下降速度には制限があり、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することが困難であった。

0009

また、各ユニットは停止、発電機出力変化を切り替えて運転する。上で述べた同じ理由により、発電機出力が下降する場合は、熱機関に流入する水素濃度が上昇するため、熱機関の停止、破損を避けるために、発電機出力の下降速度には制限があり、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することが困難であった。

0010

本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、発電機出力の下降速度の制限を小さくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することが可能な水素回生システム及び水素回生運転方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するために、本発明は、水素を貯蔵する貯蔵化合物から水素を回生して水素と異なる燃料と前記回生水素を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の水素回生ユニットと、前記複数の水素回生ユニットの供給電力を入力して所定の電力となるように調整して負荷に供給する調整機を有するものであって、前記複数の水素回生ユニットは、定格出力水素回生ユニットと出力調整水素回生ユニットから構成され、前記定格出力水素回生ユニットは、停止状態と定格出力を切り替えて運転して電力を供給するものであり、前記出力調整水素回生ユニットは、水素と燃料の比率である水素混合比を前記定格出力水素回生ユニットの水素混合比より低い範囲で可変にして電力を供給するものであり、要求負荷を入力として、前記定格出力水素回生ユニットの要求値と前記出力調整水素回生ユニットの要求値を計算するユニット発電出力演算部を有し、前記定格水素回生ユニットは、前記定格出力水素回生ユニットの要求値に基づいて動作し、前記出力調整水素回生ユニットは、前記出力調整水素回生ユニットの要求値に基づいて動作するように構成した。

0012

あるいは、少なくとも水素と異なる燃料を含む燃料を燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の電力供給ユニットと、前記電力供給ユニットの供給電力を入力し所定の電力となるように調整して負荷に供給する調整機を有し、前記複数の電力供給ユニットは、水素を貯蔵する化合物から水素を回生して燃料と前記回生水素を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する水素回生ユニットを含み、前記水素回生ユニットとして、少なくとも運転開始から所定後にほぼ定格出力状態で運転した後に前記ほぼ定格出力状態から停止状態に遷移する定格出力水素回生ユニットを含み、前記定格出力水素回生ユニット以外の少なくとも一部の電力供給ユニットは、要求負荷に対する電力供給が連続的な可変に構成されるように構成した。

0013

より具体的には、有機ハイドライドから水素を回生し、水素を燃料として需要者側の要求負荷に応じて電力を供給する水素回生システムであって、有機ハイドライドから水素を回生し、水素と軽油または天然ガスを混合、燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する、複数の水素回生ユニットと、複数の水素回生ユニットのうち、一台以上のユニットは、水素流量と軽油または天然ガス流量の比率である水素混合比を、上記ユニット以外の残りのユニットの水素混合比より低くし、停止状態と発電機出力変化を切り替えて運転して電力を供給する出力調整水素回生ユニットであり、複数の水素回生ユニットのうち、出力調整水素回生ユニット以外のユニットは、停止状態と定格出力を切り替えて運転して電力を供給する定格出力水素回生ユニットであり、要求負荷を入力として、定格出力水素回生ユニットの要求電力と出力調整水素回生ユニットの要求電力を計算するユニット発電出力演算部と、定格出力水素回生ユニットの供給電力と出力調整水素回生ユニットの供給電力を入力し、電圧周波数を調整して負荷に電力を供給する同期機とを備えたことを特徴とする水素回生システムを提供する。

発明の効果

0014

本発明によれば、発電機出力の下降速度の制限を小さくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第1の実施の形態に係る水素回生システムの概略構成図である。
本発明の第1の実施の形態に係る要求負荷に対する要求発電出力の関係を示す図である。
本発明の第1の実施の形態に係る要求発電出力、供給電力計測値に対する、定格出力水素回生ユニットの運転状態流量調節弁弁開度指令値の関係を示す図である。
本発明の第1の実施の形態に係る水素回生システムの動作の例を示す図である。
本発明の第2の実施の形態に係る水素回生システムの概略構成図である。
本発明の第3の実施の形態に係る水素回生システムの概略構成図である。
本発明の第3の実施の形態に係る要求負荷に対する要求発電出力の関係を示す図である

0016

以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。

0017

図1は本発明の第1の実施の形態に係る水素回生システムの概略構成図である。

0018

図1に示した水素回生システム1は、ユニット発電出力演算部2、複数の定格出力水素回生ユニット3、出力調整水素回生ユニット4、同期機5を備えている。同期機5(あるいは調整機と称する)は、複数の定格出力水素回生ユニット3の供給電力と、出力調整水素回生ユニット4の供給電力を例えば所望の電圧で50Hz(60Hz)に変換するものであれば良い。また、複数の定格出力水素回生ユニット3の供給電力と、出力調整水素回生ユニット4を総称して電力供給ユニットとも称する。ユニット発電出力演算部2は、水素回生システムの電力供給対象である負荷6の要求負荷を入力として、定格出力水素回生ユニット3に対する要求発電出力7、および出力調整水素回生ユニット4に対する要求発電出力8を演算、出力する。要求発電出力7(WRi)、要求発電出力8(WL)は、負荷6の要求負荷(WD)を用いて、以下の式より計算される。

0019

0020

0021

式1において、WR0は定格出力水素回生ユニット3の定格出力値である。また、式2において、Nは定格出力水素回生ユニット3のユニット数である。

0022

図2は、水素回生システム1が3台の定格出力水素回生ユニット3から構成される場合に、負荷6の要求負荷(WD)に対する、要求発電出力7(WRi)、要求発電出力8(WL)の関係を示す図である。1台目の定格出力水素回生ユニット3の要求発電出力7(WR1)は、WD<WR0ではゼロとなり、WD≧WR0ではWR0となる。2台目の定格出力水素回生ユニット3の要求発電出力7(WR2)は、WD<2×WR0ではゼロとなり、WD≧2×WR0ではWR0となる。3台目の定格出力水素回生ユニット3の要求発電出力7(WR3)は、WD<3×WR0ではゼロとなり、WD≧3×WR0ではWR0となる。出力調整水素回生ユニット4の要求発電出力8(WL)は、式3の範囲でゼロからWR0まで変化する。

[式3]i×WR0≦WD≦(i+1)×WR0、i=0〜3

0023

定格出力水素回生ユニット3は、要求発電出力7を入力として、同期機5に電力を供給する。定格出力水素回生ユニット3は、水素を貯蔵する貯蔵化合物から水素を回生して水素と異なる燃料と前記回生水素を混合して燃焼させて発電機を駆動することにより電力を供給する複数の水素回生ユニットと、前記複数の水素回生ユニットの供給電力を入力して所定の電力となるように調整して負荷に供給する調整機を有するものであって、
貯蔵設備100、脱水素反応器101、気液分離器102、芳香族化合物貯蔵設備103、燃料貯蔵設備104、熱機関105、発電機106、停止・定格出力判定部107、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110から構成される。以下では、定格出力水素回生ユニット3の概略構成について説明する。なお、有機ハイドライド以外に水素を可逆的に貯蔵する化合物に応用できる。有機ハイドライド貯蔵設備100は、有機ハイドライドを貯蔵する。

0024

脱水素反応器101は、配管を介して有機ハイドライド貯蔵設備100、気液分離器102と接続している。有機ハイドライド貯蔵設備100に蓄えられている有機ハイドライドが脱水素反応器101に流入し、脱水素反応によって水素と芳香族化合物に分解する。脱水素反応は吸熱反応であるため、反応を進行させるために、外部から脱水素反応器内の有機ハイドライドに熱を供給する。熱源としては、例えば熱機関105から排出される燃焼ガスを利用しても良いし、図1には表示していないバーナーを設置し、バーナーから供給される燃焼ガスを利用しても良い。

0025

気液分離器102は、配管を介して脱水素反応器101、芳香族化合物貯蔵設備103、熱機関105と接続している。気液分離器102は、脱水素反応器101から流入する水素と芳香族化合物を分離した後、水素を熱機関105に送出し、芳香族化合物を芳香族化合物貯蔵設備103に送出する。

0026

芳香族化合物貯蔵設備103は、芳香族化合物を貯蔵する。

0027

燃料貯蔵設備104は、軽油・天然ガス等の燃料を貯蔵する。

0028

熱機関105は、配管を介して気液分離器102、燃料貯蔵設備104と接続している。熱機関105は、水素と軽油・天然ガス等の燃料を混合後、空気と燃焼させ、燃焼による熱エネルギー駆動力に変換する。熱機関105の具体例は、エンジン、タービンである。

0029

発電機106は、回転軸を介して熱機関105と結合しており、熱機関105が出力する駆動力を電気エネルギーに変換し、同期機5に電力を供給する。

0030

停止・定格出力判定部107は、要求発電出力7、発電機106の供給電力計測値を入力として、定格出力水素回生ユニット3の運転状態を決定して、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110を制御し、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110の弁開度指令値を計算、出力する。

0031

以下では、図3を用いて、要求発電出力7、発電機106の供給電力計測値に対する、定格出力水素回生ユニット3の運転状態、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110の弁開度指令値の関係を説明する。

0032

要求発電出力7、発電機106の供給電力計測値がともにゼロである場合は、定格出力水素回生ユニット3を停止状態とし、各弁の弁開度指令値を全閉状態とする。

0033

要求発電出力7が定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)で、発電機106の供給電力計測値がゼロである場合は、定格出力水素回生ユニット3を停止状態から定格出力状態に変更し、各弁の弁開度指令値を全閉状態から規定開度に変更する。ここで、各弁の規定開度は、定格出力水素回生ユニット3の電力出力値が定格出力値に一致し、熱機関105に流入する水素濃度(CR)が、熱機関105内の燃焼状態が安定となる水素濃度許容値に一致するようにあらかじめ設定される。

0034

要求発電出力7、発電機106の供給電力計測値がともに定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)である場合は、定格出力水素回生ユニット3を定格出力状態とし、各弁の弁開度指令値を規定開度とする。

0035

要求発電出力7がゼロで、発電機106の供給電力計測値が定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)である場合は、定格出力水素回生ユニット3を定格出力状態から停止状態に変更し、各弁の弁開度指令値を規定開度から全閉状態に変更する。このように、定格出力水素回生ユニット3では、負荷6の要求負荷(WD)が減少したときは、定格出力状態から停止状態に変更し、これに伴い、各弁の弁開度指令値を規定開度から全閉状態にするので、熱機関105への気液分離器102からの水素の供給が遮断され、熱機関105における水素と軽油あるいは天然ガスの比率が高くなることはない。

0036

以上が要求発電出力7、発電機106の供給電力計測値に対する、定格出力水素回生ユニット3の運転状態、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110の弁開度指令値の関係である。

0037

有機ハイドライド流量調節弁108は、有機ハイドライド貯蔵設備100と脱水素反応器101を接続する配管に設置され、停止・定格出力判定部107が出力する弁開度指令値に一致するように有機ハイドライド流量調節弁108の弁開度を操作し、脱水素反応器101に流入する有機ハイドライド流量を調節する。

0038

水素流量調節弁109は、気液分離器102と熱機関105を接続する配管に設置され、停止・定格出力判定部107が出力する弁開度指令値に一致するように水素流量調節弁109の弁開度を操作し、熱機関105に流入する水素流量を調節する。

0039

燃料流量調節弁110は、燃料貯蔵設備104と熱機関105を接続する配管に設置され、停止・定格出力判定部107が出力する弁開度指令値に一致するように燃料流量調節弁110の弁開度を操作し、熱機関105に流入する軽油・天然ガス等の燃料流量を調節する。

0040

以上が定格出力水素回生ユニット3の概略構成である。

0041

出力調整水素回生ユニット4は、要求発電出力8を入力として、同期機5に電力を供給する。出力調整水素回生ユニット4は、有機ハイドライド貯蔵設備100、脱水素反応器101、気液分離器102、芳香族化合物貯蔵設備103、燃料貯蔵設備104、熱機関105、発電機106、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110、水素流量計200、燃料流量計201、流量演算部202から構成される。以下では、出力調整水素回生ユニット4の概略構成について説明する。なお、構成要素のうち、定格出力水素回生ユニット3の構成要素と同様の部分については同符号を付して説明を省略する。

0042

水素流量計200は、気液分離器102と熱機関105を接続する配管に設置され、熱機関105に流入する水素流量を検出する。

0043

燃料流量計201は、燃料貯蔵設備104と熱機関105を接続する配管に設置され、熱機関105に流入する軽油・天然ガス等の燃料流量を検出する。

0044

流量演算部202は、要求発電出力8、発電機106の供給電力計測値を入力として、同期機5に供給する電力が要求発電出力8に一致するように、有機ハイドライド流量調節弁110、燃料流量調節弁112を制御し、有機ハイドライド流量調節弁110、燃料流量調節弁112の弁開度指令値を計算、出力する。また、流量演算部202は、水素流量計200の水素流量計測値、燃料流量計201の燃料流量計測値を入力として、熱機関105に流入する水素濃度があらかじめ設定されている水素濃度設定値と一致するように、水素流量調節弁109を制御し、水素流量調節弁109の弁開度指令値を計算、出力する。ここで、水素濃度設定値(CL0)には、定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度(CR)よりも低い値を設定する。

0045

以上が出力調整水素回生ユニット4の概略構成である。

0046

同期機5は、定格出力水素回生ユニット3、および出力調整水素回生ユニット4からの電力を入力として、周波数、電圧を調整して、負荷6に電力を供給する。

0047

以上が水素回生システム1の概略構成である。

0048

次に、図1に示した水素回生システム1の動作の例を図4にて説明する。図4は、負荷6の要求負荷(WD)の変動に対する、定格出力水素回生ユニット3の供給電力(LR1、LR2、LR3)、出力調整水素回生ユニット4の供給電力(LL)、出力調整水素回生ユニット4の熱機関105に流入する水素濃度(CL)の特性を示す図である。図4に示す例では、水素回生システム1が3台の定格出力水素回生ユニット3を含む場合を仮定している。

0049

以下に図4の4(a)〜(i)を図4(a)〜(i)と略して記す。

0050

図4(a)は、負荷6の要求負荷(WD)の変動を表す図である。

0051

図4(b)は、1台目の定格出力水素回生ユニット3の供給電力(LR1)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)よりも大きくなる時間帯であるt1〜t3、t5〜において、1台目の定格出力水素回生ユニット3は定格出力状態で運転し、それ以外の時間帯では停止している。

0052

図4(c)は、1台目の定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度(CR1)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)よりも大きくなる時間帯であるt1〜t3、t5〜において、1台目の定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度はCRとなるように水素と軽油あるいは天然ガスの比率が定められる。ここで、水素濃度はCRは、実質的に水素が過度となり熱機関105の動作が困難となる水素と軽油あるいは天然ガスの比率(CRmax)よりもやや低い濃度に定められる。

0053

図4(d)は、2台目の定格出力水素回生ユニット3の供給電力(LR2)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が2×WR0より大きくなる時間帯であるt6〜t13において、2台目の定格出力水素回生ユニット3は定格出力状態で運転し、それ以外の時間帯では停止し
図4(e)は、2台目の定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度(CR2)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)よりも大きくなる時間帯であるt6〜t13において、2台目の定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度はCRとなるように水素と軽油あるいは天然ガスの比率が定められる。ここで、水素濃度はCRは、実質的に水素が過度となり熱機関105の動作が困難となる水素と軽油あるいは天然ガスの比率(CRmax)よりもやや低い濃度に定められる。

0054

図4(f)は、3台目の定格出力水素回生ユニット3の供給電力(LR3)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が3×WR0より大きくなる時間帯であるt9〜t12において、3台目の定格出力水素回生ユニット3は定格出力状態で運転し、それ以外の時間帯では停止している。

0055

図4(g)は、3台目の定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度(CR2)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が定格出力水素回生ユニット3の定格出力値(WR0)よりも大きくなる時間帯であるt9〜t12において、3台目の定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度はCRとなるように水素と軽油あるいは天然ガスの比率が定められる。ここで、水素濃度はCRは、実質的に水素が過度となり熱機関105の動作が困難となる水素と軽油あるいは天然ガスの比率(CRmax)よりもやや低い濃度に定められる。

0056

図4(h)は、出力調整水素回生ユニット4の供給電力(LL)の特性を示す図である。負荷6の要求負荷(WD)が変化している時間帯である0〜t7、t8〜t10、t11〜t14において、負荷6の要求負荷(WD)の変動に追従するように、出力調整水素回生ユニット4は発電機106の出力を変化させて運転する。

0057

次に、負荷6の要求負荷(WD)が一定値をとる時間帯であるt7〜t8、t10〜t11、t14〜において、出力調整水素回生ユニット4は発電機106の出力が一定となるように運転する。

0058

また、定格出力水素回生ユニット3が運転状態を停止から定格出力状態に切り替える時間t1、t5、t6、t9において、出力調整水素回生ユニット4は運転状態を定格出力状態から停止に切り替える。

0059

さらに、定格出力水素回生ユニット3が運転状態を定格出力状態から停止に切り替える時間t3、t12、t13において、出力調整水素回生ユニット4は運転状態を停止から定格出力状態に切り替える。

0060

図4(i)は、出力調整水素回生ユニット4の熱機関105に流入する水素濃度(CL)の特性を示す図である。出力調整水素回生ユニット4の発電機106の出力が一定となる時間帯であるt7〜t8、t10〜t11、t14〜において、CLは目標値である水素濃度設定値CL0となる。CL0には、定格出力水素回生ユニット3の熱機関105に流入する水素濃度(CR)よりも低い値が設定されているため、CLはCRよりも小さい値となる。

0061

次に、出力調整水素回生ユニット4の発電機106の出力が上昇する時間帯である0〜t2、t4〜t7、t8〜t10において、CLは水素濃度設定値CL0よりも小さい値CLuとなる。これは、脱水素反応器の熱容量の影響により、発電機106の出力が上昇する場合は、熱機関105に流入する軽油・天然ガス流量の増加に対して、水素流量は遅れて増加するため、水素濃度が下降するためである。

0062

次に、出力調整水素回生ユニット4の発電機106の出力が下降する時間帯であるt2〜t4、t11〜t14において、CLは水素濃度設定値CL0よりも大きい値CLdとなる。これは、脱水素反応器の熱容量の影響により、発電機106の出力が下降する場合は、熱機関105に流入する軽油・天然ガス流量の減少に対して、水素流量は遅れて減少するため、水素濃度が上昇するためである。

0063

水素と軽油あるいは天然ガスの比率(水素濃度CL=(水素量)/(水素量+軽油あるいは天然ガス)は、単位時間当たりの水素濃度の減少量(dCL/dt)に応じて決まる。ここで、出力調整水素回生ユニット4において、予め水素濃度を小さくしておき、所定の単位時間当たりの水素濃度の減少量のときでも、水素濃度上限値(CLMax)を超えないように設定している。すなわち、まず、水素濃度設定値CL0を設定した後に、水素濃度上限値(CLMax)を超えないような単位時間当たりの水素濃度の減少量(dCL/dt)で出力調整水素回生ユニット4の発電機106の出力WDを減少させているのである。

0064

以上が、図1に示した水素回生システム1の動作の例である。

0065

本実施形態では、定格出力水素回生ユニット3は、負荷6の要求負荷の変動に対して、停止と定格出力状態を切り替えて運転する。ユニット稼働中は発電機106の出力は変化しないので、熱機関105に流入する水素濃度が上昇することはない。次に、出力調整水素回生ユニット4は、負荷6の要求負荷の変動に対して、発電機106の出力は変化するので、発電機106の出力が下降する時間帯では、熱機関105に流入する水素濃度が上昇する。しかし、水素濃度設定値(CL0)には、熱機関105に流入する水素濃度(CR)よりも低い値が設定されているため、水素濃度の上昇幅に対して裕度がある。ここで、図4(f)において、裕度はCR−CL0で表される。CL0値をより低く設定することにより、裕度が大きくなり、発電機106の出力の下降速度を大きくすることができる。

0066

上述の通り、本実施形態では、発電機出力の下降速度の制限を小さくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整できる。

0067

図5は本発明の第2の実施の形態に係る水素回生システムの概略構成図である。第1の実施の形態と同様の部分については同図において既出図面と同符号を付して説明を省略する。

0068

本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点は、需要者側の要求負荷の変動に応じて発電機出力を調節するユニットにおいて、熱機関が軽油・天然ガス等の燃料のみにて駆動し、水素を用いない点である。具体的には、本実施の形態における水素回生システムは、出力調整水素回生ユニット4の代わりに、出力調整ユニット304を備える。また、この出力調整ユニットを含んで電力供給ユニットとも称する。出力調整ユニット304は、要求発電出力8を入力として、同期機5に電力を供給する。出力調整ユニット304は、燃料貯蔵設備104、熱機関305、発電機106、燃料流量調節弁110、流量演算部302から構成される。以下では、出力調整ユニット304の概略構成を説明する。なお、構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の部分については同図において既出図面と同符号を付して説明を省略する。

0069

熱機関305は、配管を介して燃料貯蔵設備104と接続している。熱機関105は、軽油・天然ガス等の燃料を空気と燃焼させ、燃焼による熱エネルギーを駆動力に変換する。

0070

流量演算部302は、要求発電出力8、発電機106の供給電力計測値を入力として、同期機5に供給する電力が要求発電出力8に一致するように、燃料流量調節弁112を制御し、燃料流量調節弁112の弁開度指令値を計算、出力する。

0071

以上が、本実施の形態が第1の実施の形態と相違する点であり、その他の点は第1の実施の形態と同様である。

0072

本実施形態では、出力調整ユニット304は、熱機関は軽油・天然ガス等の燃料のみにて駆動し、水素を用いないので、発電機106の出力が下降する場合に、水素濃度が上昇することはない。すなわち、発電機器出力の下降速度は、水素濃度上昇に対する制限がなくなり、値を大きくすることができる。

0073

上述の通り、本実施形態では第1実施形態で得られる各効果に加えて、要者側の要求負荷の変動に応じて発電機出力を調節するユニットにおいて、熱機関が軽油・天然ガス等の燃料のみにて駆動することで、水素濃度上昇に対する発電機出力下降速度の制限をなくし、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整できる。

0074

図6は本発明の第3の実施の形態に係る水素回生システムの概略構成図である。第2の実施の形態と同様の部分については同図において既出図面と同符号を付して説明を省略する。

0075

本実施の形態が第2の実施の形態と相違する点は、需要者側の要求負荷の変動に応じて発電機出力を調節するユニットは、最低出力値と定格出力値の範囲で発電機出力を変化させる点である。具体的には、本実施の形態における水素回生システムは、ユニット発電出力演算部2の代わりに、ユニット発電出力演算部402を備え、複数の定格出力水素回生ユニット3の代わりに、複数の定格出力水素回生ユニット403を備える。

0076

ユニット発電出力演算部402は、水素回生システムの電力供給対象である負荷6の要求負荷を入力として、定格出力水素回生ユニット403に対する要求発電出力7、および出力調整ユニット304に対する要求発電出力8を演算、出力する。要求発電出力7(WRi)、要求発電出力8(WL)は、負荷6の要求負荷(WD)を用いて、以下の式より計算される。

0077

0078

0079

式4において、WR0は定格出力水素回生ユニット403の定格出力値、WLminは出力調整ユニット304の最低出力値である。また、式5において、Nは定格出力水素回生ユニット403のユニット数である。

0080

図7は、水素回生システム1が3台の定格出力水素回生ユニット403から構成される場合に、負荷6の要求負荷(WD)に対する、要求発電出力7(WRi)、要求発電出力8(WL)の関係を示す図である。1台目の定格出力水素回生ユニット403の要求発電出力7(WR1)は、WD<WR0ではゼロとなり、WR0≦WD<WR0+WLminではWR0−WLminからWR0まで変化し、WD≧WR0+WLminではWR0となる。2台目の定格出力水素回生ユニット403の要求発電出力7(WR2)は、WD<2×WR0ではゼロとなり、2×WR0≦WD<2×WR0+WLminではWR0−WLminからWR0まで変化し、WD≧2×WR0+WLminではWR0となる。3台目の定格出力水素回生ユニット403の要求発電出力7(WR3)は、WD<3×WR0ではゼロとなり、3×WR0≦WD<3×WR0+WLminではWR0−WLminからWR0まで変化し、WD≧3×WR0+WLminではWR0となる。出力調整ユニット403の要求発電出力8(WL)は、0≦WD<WR0ではゼロからWR0まで変化し、式6の範囲ではWLminとなり、式7の範囲ではWLminからWR0まで変化する。

[式6]i×WR0≦WD≦i×WR0+WLmin、i=1〜3

[式7]i×WR0+WLmin≦WD≦(i+1)×WR0、i=1〜3

0081

定格出力水素回生ユニット403は、要求発電出力7を入力として、同期機5に電力を供給する。定格出力水素回生ユニット403は、有機ハイドライド貯蔵設備100、脱水素反応器101、気液分離器102、芳香族化合物貯蔵設備103、燃料貯蔵設備104、熱機関105、発電機106、流量演算部407、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110から構成される。以下では、定格出力水素回生ユニット403の概略構成について説明する。なお、構成要素のうち、第2の実施の形態と同様の部分については同図において既出図面と同符号を付して説明を省略する。

0082

流量演算部407は、要求発電出力7、発電機106の供給電力計測値を入力として、同期機5に供給する電力が要求発電出力7に一致するように、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110を制御し、有機ハイドライド流量調節弁108、水素流量調節弁109、燃料流量調節弁110の弁開度指令値を計算、出力する。

0083

以上が、本実施の形態が第2の実施の形態と相違する点であり、その他の点は第2の実施の形態と同様である。

0084

本実施形態では、出力調整ユニット304は、最低出力値(WLmin)と定格出力値(WR0)の範囲で発電機出力を変化させる。熱機関305は、停止から最低出力状態の運転範囲では、燃焼の熱エネルギーを駆動エネルギーに変換する効率が悪く、この範囲で運転する時間が増えると燃料消費量が増大する。本実施形態では、出力調整ユニット304は最低出力状態から定格負荷状態で運転し、効率が低下しないため、燃料流量は増大しない。なお、本実施形態では、定格出力水素回生ユニット403が発電機106の出力を変化させて運転する場合があるが、出力の変化幅は小さいので、定格出力水素回生ユニット403の熱機関305に流入する水素濃度の上昇幅は小さく、熱機関内の燃焼状態が不安定となることはない。

0085

上述の通り、本実施形態では第2実施形態で得られる各効果に加えて、需要者側の要求負荷の変動に応じて発電機出力を調節するユニットにおいて、最低出力値と定格出力値の範囲で発電機出力を変化させることで、燃料消費量を増大させることなく、需要者側の要求負荷の変動に応じて、発電機の出力を調整できる。

実施例

0086

本発明における上記実施の形態では、需要者側の要求負荷の変動に応じて発電機出力を調節するユニットが1台である形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発電機出力調節用のユニットが複数台となる形態としてよい。

0087

1水素回生システム
2、402ユニット発電出力演算部
3、403定格出力水素回生ユニット
4出力調整水素回生ユニット
5同期機
6負荷
7、8 要求発電出力
100有機ハイドライド貯蔵設備
101脱水素反応器
102気液分離器
103芳香族化合物貯蔵設備
104燃料貯蔵設備
105、305熱機関
106発電機
107 停止・定格出力判定部
108 有機ハイドライド流量調節弁
109水素流量調節弁
110燃料流量調節弁
200 水素流量計
201燃料流量計
202、302、407流量演算部
304 出力調整ユニット

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