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技術 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

出願人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社
発明者 清水智文丸尾敬司
出願日 2016年8月10日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2016-157137
公開日 2018年2月15日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2018-025657
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 定速モータ 高温乾燥機 付着成分 内部標準試料 ベースペーパー 中間層用樹脂 芳香族ジカルボン酸誘導体 非金属酸化物
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この項目の情報は公開日時点(2018年2月15日)のものです。
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図面 (10)

課題

形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる電子写真感光体を提供する。

解決手段

電子写真感光体30は、導電性基体31と、感光層32とを備える。感光層32は、単層である。感光層32は、電荷発生剤正孔輸送剤電子輸送剤バインダー樹脂とを含む。感光層32の引っかき深さは、0.50μm以下である。感光層32の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率は、0.47以上0.60以下であることが好ましい。

概要

背景

電子写真感光体は、電子写真方式画像形成装置に用いられる。電子写真感光体としては、例えば、単層感光層を備える電子写真感光体が用いられる。単層の感光層は、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する。

特許文献1に記載の電子写真感光体は、感光層を備える。感光層に含有される樹脂の例として、化学式(R−D)で表されるポリアリレート樹脂が開示されている。

概要

形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる電子写真感光体を提供する。電子写真感光体30は、導電性基体31と、感光層32とを備える。感光層32は、単層である。感光層32は、電荷発生剤正孔輸送剤電子輸送剤バインダー樹脂とを含む。感光層32の引っかき深さは、0.50μm以下である。感光層32の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率は、0.47以上0.60以下であることが好ましい。

目的

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる電子写真感光体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

導電性基体と、単層感光層とを備え、前記感光層は、電荷発生剤正孔輸送剤電子輸送剤バインダー樹脂とを含み、前記感光層の引っかき深さは、0.50μm以下である、電子写真感光体

請求項2

前記感光層の総質量に対する前記バインダー樹脂の質量の比率は、0.47以上0.60以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。

請求項3

前記バインダー樹脂は、下記一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂を含む、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。前記一般式(1)中、kr及びktは、各々独立に、2又は3を表し、r、s、t及びuは、各々独立に、0以上の整数を表し、r+s+t+u=100であり、r+t=s+uであり、r/(r+t)は、0.00以上0.90以下であり、s/(s+u)は、0.00以上0.90以下であり、X及びYは、各々独立に、下記化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−5)又は(1−6)で表される二価の基を表す。

請求項4

前記一般式(1)中、r、s、t及びuは、各々独立に、1以上の整数を表し、r/(r+t)は0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)は0.00より大きく0.90以下であり、前記化学式(1−1)で表される前記二価の基を表す、請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項5

前記一般式(1)中、X及びYの他方は、前記化学式(1−2)で表される前記二価の基を表す、請求項4に記載の電子写真感光体。

請求項6

前記一般式(1)中、r及びsは、各々、0を表し、t及びuは、各々独立に、1以上の整数を表し、r/(r+t)は0.00であり、s/(s+u)は0.00であり、Yは前記化学式(1−3)で表される前記二価の基を表す、請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項7

前記一般式(1)中、r、s、t及びuは、各々独立に、1以上の整数を表し、r/(r+t)は0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)は0.00より大きく0.90以下であり、X及びYの一方は前記化学式(1−2)で表される前記二価の基を表し、X及びYの他方は前記化学式(1−4)で表される前記二価の基を表す、請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項8

前記一般式(1)中、r、s、t及びuは、各々独立に、1以上の整数を表し、r/(r+t)は0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)は0.00より大きく0.90以下であり、X及びYの一方は前記化学式(1−3)で表される前記二価の基を表し、X及びYの他方は前記化学式(1−4)で表される前記二価の基を表す、請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項9

前記一般式(1)中、r、s、t及びuは、各々独立に、1以上の整数を表し、r/(r+t)は0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)は0.00より大きく0.90以下であり、s及びuは、互いに異なる整数を表す、請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項10

前記一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂は、下記化学式(R−1)、(R−2)、(R−3)、(R−4)、(R−5)、(R−6)、(R−7)又は(R−8)で表されるポリアリレート樹脂である、請求項3に記載の電子写真感光体。

請求項11

前記電子輸送剤は、下記一般式(ETM1)で表される化合物を含む、請求項1〜10の何れか一項に記載の電子写真感光体。前記一般式(ETM1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。

請求項12

前記正孔輸送剤は、下記一般式(HTM1)で表される化合物を含む、請求項1〜11の何れか一項に記載の電子写真感光体。前記一般式(HTM1)中、R21、R22、R23、R24、R25及びR26は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表し、a、b、e及びfは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、c及びdは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。

請求項13

前記感光層の前記引っかき深さは、JISK5600−5−5で規定される引っかき装置を用いて、第一ステップ、第二ステップ、第三ステップ及び第四ステップを行うことにより測定され、前記引っかき装置は、固定台と引っかき針とを備え、前記引っかき針は、直径1mmの半球状のサファイアの先端を有しており、前記第一ステップでは、前記電子写真感光体の長手方向が前記固定台の長手方向と平行になるように、前記電子写真感光体を前記固定台の上面に固定し、前記第二ステップでは、前記引っかき針を前記感光層の表面に対して垂直に当接させ、前記第三ステップでは、前記引っかき針を前記感光層の前記表面に対して垂直に当接させた状態で、前記引っかき針から前記感光層に10gの荷重を付与しながら、前記固定台及び前記電子写真感光体を前記固定台の長手方向に30mm/分の速度で30mm移動させて、前記引っかき針によって前記感光層の前記表面に引っかき傷を形成し、前記第四ステップでは、前記引っかき傷の最大深さである前記引っかき深さを測定する、請求項1〜12の何れか一項に記載の電子写真感光体。

請求項14

請求項1〜13の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ

請求項15

請求項1〜13の何れか一項に記載の電子写真感光体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える画像形成装置であって、前記帯電部は、前記電子写真感光体の表面を正極性に帯電し、前記露光部は、帯電された前記電子写真感光体の前記表面を露光して、前記電子写真感光体の前記表面に静電潜像を形成し、前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像し、前記転写部は、前記トナー像を前記電子写真感光体から記録媒体へ転写し、前記転写部が前記トナー像を前記電子写真感光体から前記記録媒体へ転写するときに、前記電子写真感光体は前記記録媒体と接触している、画像形成装置。

請求項16

前記現像部は、前記電子写真感光体と接触しながら、前記静電潜像を前記トナー像として現像する、請求項15に記載の画像形成装置。

請求項17

前記現像部は、前記電子写真感光体の前記表面を清掃する、請求項15又は16に記載の画像形成装置。

請求項18

前記帯電部は、帯電ローラーである、請求項15〜17の何れか一項に記載の画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。

背景技術

0002

電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる。電子写真感光体としては、例えば、単層感光層を備える電子写真感光体が用いられる。単層の感光層は、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する。

0003

特許文献1に記載の電子写真感光体は、感光層を備える。感光層に含有される樹脂の例として、化学式(R−D)で表されるポリアリレート樹脂が開示されている。

0004

先行技術

0005

特開2007−121751号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1に記載の化学式(R−D)で表されるポリアリレート樹脂を含む感光層を備える電子写真感光体には、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することについて、いまだ改善の余地が残されている。

0007

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる電子写真感光体を提供することである。また、本発明の目的は、このような電子写真感光体を備えることで、形成画像におけるかぶりの発生を抑制可能なプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、単層の感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生剤正孔輸送剤電子輸送剤バインダー樹脂とを含む。前記感光層の引っかき深さは、0.50μm以下である。

0009

本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体を備える。

0010

本発明の画像形成装置は、上述の電子写真感光体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記帯電部は、前記電子写真感光体の表面を正極性に帯電する。前記露光部は、帯電された前記電子写真感光体の前記表面を露光して、前記電子写真感光体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記電子写真感光体から記録媒体へ転写する。前記転写部が前記トナー像を前記電子写真感光体から前記記録媒体へ転写するときに、前記電子写真感光体は前記記録媒体と接触している。

発明の効果

0011

本発明の電子写真感光体によれば、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。また、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置によれば、このような電子写真感光体を備えることで、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0012

(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の一例を示す部分断面図である。
画像形成装置の構成の一例を示す図であり、この画像形成装置は本発明の実施形態に係る電子写真感光体を備える。
化学式(R−2)で表されるポリアリレート樹脂の1H−NMRスペクトルである。
化学式(R−4)で表されるポリアリレート樹脂の1H−NMRスペクトルである。
化学式(R−5)で表されるポリアリレート樹脂の1H−NMRスペクトルである。
引っかき装置の構成の一例を示す図である。
図6のVII−VII線における断面図である。
図6に示す固定台と、引っかき針と、電子写真感光体との側面図である。
感光層の表面に形成された引っかき傷を示す図である。

0013

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。

0014

以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。

0015

以下、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及び炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。

0016

炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基イソペンチル基、ネオペンチル基又はヘキシル基が挙げられる。

0017

炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基が挙げられる。

0018

感光体
本実施形態は電子写真感光体(以下、感光体と記載する)に関する。以下、図1を参照して、本実施形態に係る感光体30の構造について説明する。図1は、本実施形態に係る感光体30の一例を示す部分断面図である。

0019

図1(a)に示すように、感光体30は、例えば、導電性基体31と感光層32とを備える。感光層32は単層である。感光体30は、いわゆる単層型感光体である。

0020

図1(b)に示すように、感光体30は、導電性基体31と、感光層32と、中間層33(下引き層)とを備えてもよい。中間層33は、導電性基体31と感光層32との間に設けられる。図1(a)に示すように、感光層32は導電性基体31上に直接設けられてもよい。或いは、図1(b)に示すように、感光層32は導電性基体31上に中間層33を介して間接的に設けられてもよい。

0021

感光体30は、導電性基体31と、感光層32と、保護層(不図示)とを備えてもよい。感光体30が保護層を備える場合、保護層は感光層32上に設けられる。しかし、所定の引っかき深さを有する感光層32によってかぶりの発生を好適に抑制するためには、感光体30は保護層を備えないことが好ましい。同じ理由から、感光層32が感光体30の最表面層として備えられることが好ましい。

0022

感光層32の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できる限り、特に限定されない。感光層32の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。

0023

感光層32は、電荷発生剤と正孔輸送剤と電子輸送剤とバインダー樹脂とを含む。感光層32は、必要に応じて、各種添加剤を含有してもよい。電荷発生剤と正孔輸送剤と電子輸送剤とバインダー樹脂と必要に応じて添加される成分(例えば、添加剤)とは、一層の感光層32に含有される。

0024

以上、図1を参照して、感光体30の構造について説明した。次に、感光体の要素について説明する。

0025

(感光層)
本実施形態の感光体が備える感光層の引っかき深さは、0.50μm以下である。感光層は、引っかき深さが0.50μm以下であるような硬度を有する。感光層の引っかき深さが0.50μmより大きいと、形成画像にかぶりが発生する。その理由は、次のように考えられる。画像形成時に画像形成装置の部材又は紙粉と、感光体とが接触する。これにより、感光体の感光層の表面に、細かな傷が多数発生する。感光層の表面に発生した傷にトナー入り込むと、形成画像にかぶりが発生する。本実施形態の感光体では、感光層の引っかき深さが0.50μm以下であるため、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。

0026

形成画像におけるかぶりの発生を更に抑制するためには、感光層の引っかき深さは、0.00μm以上0.50μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.50μm以下であることがより好ましく、0.05μm以上0.35μm以下であることが更に好ましい。

0027

感光層の引っかき深さは、以下の方法で測定される。感光層の引っかき深さは、JIS K5600−5−5で規定される引っかき装置を用いて、第一ステップ、第二ステップ、第三ステップ及び第四ステップを行うことにより測定される。引っかき装置は、固定台と引っかき針とを備える。引っかき針は、直径1mmの半球状のサファイアの先端を有している。第一ステップでは、感光体の長手方向が固定台の長手方向と平行になるように、感光体を固定台の上面に固定する。第二ステップでは、引っかき針を感光層の表面に対して垂直に当接させる。第三ステップでは、引っかき針を感光層の表面に対して垂直に当接させた状態で、引っかき針から感光層に10gの荷重を付与しながら、固定台及び固定台の上面に固定された感光体を、固定台の長手方向に30mm/分の速度で30mm移動させて、引っかき針によって感光層の表面に引っかき傷を形成する。第四ステップでは、引っかき傷の最大深さである引っかき深さを測定する。以上、引っかき深さの測定方法概要を説明した。引っかき深さの測定方法は、実施例で詳細に説明する。

0028

(バインダー樹脂)
感光層はバインダー樹脂を含有する。感光層の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率は、0.47以上0.60以下であることが好ましく、0.49以上0.59以下であることがより好ましい。感光層の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率が0.47以上であると、形成画像におけるかぶりの発生を更に抑制することができる。感光層の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率が0.60以下であると、感光体の電気特性を向上させることができる。

0029

バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体ポリエチレン樹脂エチレン酢酸ビニル共重合体塩素化ポリエチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリプロピレン樹脂アイオノマー樹脂塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂ポリアミド樹脂ウレタン樹脂ポリスルホン樹脂ジアリルフタレート樹脂ケトン樹脂ポリビニルブチラール樹脂ポリエステル樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂尿素樹脂又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレートエポキシ化合物アクリル酸付加物)又はウレタンアクリレートウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0030

これらの樹脂の中でも、感光層の引っかき深さを0.50μm以下に調整し易いことから、下記一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(1)と記載することがある)が好ましい。

0031

0032

一般式(1)中、kr及びktは、各々独立に、2又は3を表す。r、s、t及びuは、各々独立に、0以上の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.00以上0.90以下である。s/(s+u)は、0.00以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、下記化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−5)又は(1−6)で表される二価の基を表す。

0033

0034

XとYとが互いに同一であっても異なってもよい。XとYとは互いに異なることが好ましい。化学式(1−4)で表される二価の基の好適な例は、化学式(1−7)で表される二価の基である。

0035

0036

krとktとは、互いに同一であっても異なってもよい。krとktとが互いに異なる場合、kr及びktのうちの一方が2を表し、kr及びktのうちの他方が3を表す。

0037

ポリアリレート樹脂(1)は、化学式(1−a)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−a)と記載することがある)、一般式(1−b)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−b)と記載することがある)、一般式(1−c)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−c)と記載することがある)及び一般式(1−d)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−d)と記載することがある)を有する。

0038

0039

一般式(1−a)〜(1−d)中のkr、X、kt及びYは、それぞれ一般式(1)中のkr、X、kt及びYと同義である。

0040

ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−a)〜(1−d)の配列は、芳香族ジオール由来の繰返し単位と芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位とが互いに隣接する限り、特に限定されない。芳香族ジオール由来の繰返し単位は、繰り返し単位(1−a)及び(1−c)である。芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位は、繰り返し単位(1−b)及び(1−d)である。例えば、繰返し単位(1−a)は、繰返し単位(1−b)又は繰返し単位(1−d)と隣接して互いに結合している。また、繰返し単位(1−c)は、繰返し単位(1−b)又は繰返し単位(1−d)と隣接して互いに結合している。

0041

一般式(1)中のr、s、t及びuは、各々独立に、0以上の整数を表す。r及びsは、各々独立に、0以上の整数を表し、t及びuは、各々独立に、1以上の整数を表すことが好ましい。r及びsは、各々独立に、0以上98以下の整数を表し、t及びuは、各々独立に、1以上99以下の整数を表すことがより好ましい。r+s+t+u=100である。r、s、t及びuは、各々、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる繰り返し単位の総物質量(総モル数)に対する、繰り返し単位(1−a)、(1−b)、(1−c)及び(1−d)の物質量(モル数)の百分率を示す。r+t=s+uである。r及びsは、各々独立に、0以上100以下の整数を表すことが好ましい。t及びuは、各々独立に、1以上100以下の整数を表すことが好ましい。rは0以上25以下の整数を表すことが好ましい。sは0以上25以下の整数を表すことが好ましい。tは25以上50以下の整数を表すことが好ましい。uは25以上50以下の整数を表すことが好ましい。rとsとは互いに同一であっても異なっていてもよい。rとuとは互いに同一であっても異なっていてもよい。tとsとは互いに同一であっても異なっていてもよい。tとuとは互いに同一であっても異なっていてもよい。sとuとは互いに同一であっても異なっていてもよい。sとuとは、互いに異なることが好ましい。

0042

r/(r+t)は、ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−a)の物質量(モル数)及び繰返し単位(1−c)の物質量(モル数)の合計に対する繰返し単位(1−a)の物質量(モル数)の比率を表す。s/(s+u)は、ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−b)の物質量(モル数)及び繰返し単位(1−d)の物質量(モル数)の合計に対する繰返し単位(1−b)の物質量(モル数)の比率を表す。

0043

r/(r+t)は、0.00以上0.90以下である。r/(r+t)が0.00である場合、rは0を表し、tは1以上の整数を表す。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下であることが好ましく、0.20以上0.80以下であることがより好ましく、0.30以上0.60以下であることが更に好ましい。r/(r+t)は、0.00であることも好ましい。s/(s+u)は、0.00以上0.90以下である。s/(s+u)が0.00を表す場合、sは0を表し、uは1以上の整数を表す。s/(s+u)は、0.10以上0.90以下であることが好ましく、0.20以上0.80以下であることがより好ましく、0.30以上0.60以下であることが更に好ましい。s/(s+u)は、0.00であることも好ましい。繰り返し単位(1−a)が繰り返し単位(1−c)と同じ化学構造である場合には、s/(r+t)が0.00以上0.50以上であり、u/(r+t)が0.00以上0.50以上であり、s/uが0.00以上1.00以下であることが好ましい。

0044

ポリアリレート樹脂(1)の好適な例は、化学式(R−1)、(R−2)、(R−3)、(R−4)、(R−5)、(R−6)、(R−7)又は(R−8)で表されるポリアリレート樹脂である。以下、化学式(R−1)、(R−2)、(R−3)、(R−4)、(R−5)、(R−6)、(R−7)及び(R−8)で表されるポリアリレート樹脂の各々を、ポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)、(R−3)、(R−4)、(R−5)、(R−6)、(R−7)及び(R−8)と記載することがある。

0045

0046

0047

0048

0049

0050

0051

0052

0053

形成画像におけるかぶりの発生の抑制に加え、感光層を形成するための溶剤に対するポリアリレート樹脂(1)の溶解性を向上させるためには、一般式(1)中のr、s、t及びuが各々独立に1以上の整数を表し、r/(r+t)が0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)が0.00より大きく0.90以下であり、X及びYの一方が化学式(1−1)で表される二価の基を表すことが好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(R−4)又は(R−5)である。

0054

形成画像におけるかぶりの発生の抑制及び感光体の電気特性の向上を両立させるためには、r、s、t及びuが各々独立に1以上の整数を表し、一般式(1)中のr/(r+t)が0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)が0.00より大きく0.90以下であり、X及びYの一方が化学式(1−1)で表される二価の基を表し、X及びYの他方が化学式(1−2)で表される二価の基を表すことが好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(R−5)である。

0055

形成画像におけるかぶりの発生の抑制及び感光体の電気特性の向上を両立させるためには、一般式(1)中のr及びsが各々0を表し、t及びuが各々独立に1以上の整数を表し、r/(r+t)が0.00であり、s/(s+u)が0.00であり、Yが化学式(1−3)で表される二価の基を表すことも好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(R−6)である。

0056

感光層の引っかき深さを更に小さくし、形成画像におけるかぶりの発生を更に抑制するためには、一般式(1)中のr、s、t及びuが各々独立に1以上の整数を表し、r/(r+t)が0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)が0.00より大きく0.90以下であり、X及びYの一方が化学式(1−2)で表される二価の基を表し、X及びYの他方が化学式(1−4)で表される二価の基を表すことが好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(R−2)である。

0057

形成画像におけるかぶりの発生の抑制及び感光体の電気特性の向上を両立させるためには、一般式(1)中のr、s、t及びuが各々独立に1以上の整数を表し、r/(r+t)が0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)が0.00より大きく0.90以下であり、X及びYの一方が化学式(1−3)で表される二価の基を表し、X及びYの他方が化学式(1−4)で表される二価の基を表すことが好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(R−7)である。

0058

感光層の引っかき深さを更に小さくし、形成画像におけるかぶりの発生を更に抑制するためには、一般式(1)中のr、s、t及びuが各々独立に1以上の整数を表し、r/(r+t)が0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)が0.00より大きく0.90以下であり、s及びuが互いに異なる整数を表すことが好ましい。同じ理由から、一般式(1)中のr/(r+t)が0.00より大きく0.90以下であり、s/(s+u)が0.00より大きく0.90以下であり、s及びuが互いに異なる整数を表し、X及びYの一方が化学式(1−1)で表される二価の基を表し、X及びYの他方が化学式(1−4)で表される二価の基を表すことがより好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(R−8)である。

0059

ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が10,000以上である場合、バインダー樹脂の耐摩耗性が高まり、電荷輸送層摩耗しにくくなる。一方、バインダー樹脂の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、51,000以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が80,000以下である場合、ポリアリレート樹脂(1)が感光層形成用の溶剤に溶解し易くなり、感光層の形成が容易になる傾向がある。

0060

ポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、特に限定されない。ポリアリレート樹脂(1)の製造方法として、例えば、ポリアリレート樹脂の繰返し単位を構成するための芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法が挙げられる。ポリアリレート樹脂(1)の合成方法は特に限定されず、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合溶融重合又は界面重合等)を採用することができる。

0061

ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジカルボン酸は、一般式(1−e)及び(1−f)で表される化合物である。一般式(1−e)中のX及び一般式(1−f)中のYは、それぞれ一般式(1)中のX及びYと同義である。ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジカルボン酸は、芳香族ジカルボン酸誘導体誘導体化して使用されてもよい。芳香族ジカルボン酸誘導体の例は、芳香族ジカルボン酸ジクロライド、芳香族ジカルボン酸ジメチルエステル、芳香族ジカルボン酸ジエチルエステル又は芳香族ジカルボン酸無水物である。芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、2個の「−C(=O)−Cl」基を有する。

0062

0063

ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジカルボン酸である一般式(1−e)及び(1−f)で表される化合物の具体例は、下記化学式(1−g)〜(1−l)で表される化合物である。以下、化学式(1−g)〜(1−l)で表される化合物の各々を、化合物(1−g)〜(1−l)と記載することがある。

0064

0065

ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジカルボン酸である化学式(1−j)で表される化合物の好適な例は、下記化学式(1−jj)で表される化合物である。以下、化学式(1−jj)で表される化合物を、化合物(1−jj)と記載することがある。

0066

0067

ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジオールは、化学式(1−m)及び一般式(1−n)で表される化合物である。一般式(1−m)中のkr及び一般式(1−n)中のktは、各々一般式(1)中のkr及びktと同義である。ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジオールは、芳香族ジアセテートに変形させて使用されてもよい。

0068

0069

ポリアリレート樹脂(1)を合成するための芳香族ジオールである化学式(1−m)及び一般式(1−n)で表される化合物の具体例は、下記化学式(1−о)又は(1−p)で表される化合物である。以下、化学式(1−о)及び(1−p)で表される化合物の各々を、化合物(1−о)及び(1−p)と記載することがある。

0070

0071

感光層は、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(1)に加えて、ポリアリレート樹脂(1)以外のバインダー樹脂を更に含んでいてもよい。ポリアリレート樹脂(1)の含有率は、バインダー樹脂の質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。

0072

(電荷発生剤)
感光層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料ペリレン系顔料ビスアゾ顔料トリスアゾ顔料ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末ピリリウム顔料、アンサンスロン系顔料トリフェニルメタン系顔料スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0073

フタロシアニン系顔料としては、例えば、化学式(CGM−1)で表される無金属フタロシアニン又は金属フタロシアニンが挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニンヒドロキシガリウムフタロシアニン又はクロロガリウムフタロシアニンが挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、Y型、V型又はII型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。

0074

0075

0076

無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型又はY型結晶(以下、α型、β型又はY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。ヒドロキシガリウムフタロシアニンの結晶としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニンのV型結晶が挙げられる。

0077

例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。700nm以上の波長領域で高い量子収率を有することから、電荷発生剤としては、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンがより好ましく、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが更に好ましい。感光層に正孔輸送剤として化合物(1)が含有される場合に電気特性を特に向上させるためには、電荷発生剤としてはY型チタニルフタロシアニンがより好ましい。

0078

短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料が好適に用いられる。

0079

電荷発生剤の含有量は、感光層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。

0080

(電子輸送剤)
感光層は、電子輸送剤を含有する。電子輸送剤の例としては、キノン系化合物ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントンジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸無水マレイン酸又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物ナフトキノン系化合物、ニトロアトラキノン系化合物又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。電子輸送剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0081

形成画像におけるかぶり発生を抑制するためには、電子輸送剤として、一般式(ETM1)で表される化合物が好ましい。一般式(ETM1)で表される化合物は、分子量が比較的小さい。そのため、一般式(ETM1)で表される化合物がバインダー樹脂の微小な空隙を埋め、引っかき深さの小さい感光層を形成できると考えられる。

0082

0083

一般式(ETM1)中、R1及びR2は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。

0084

一般式(ETM1)で表される化合物の好適な例は、化学式(ETM1−1)で表される化合物(以下、化合物(ETM1−1)と記載することがある)である。

0085

0086

一般式(ETM1)で表される化合物の含有量は、電子輸送剤の総質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。

0087

感光層に含有される電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。

0088

(正孔輸送剤)
感光層は、正孔輸送剤を含有する。正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体又はジ(アミノフェニルエテニルベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物オキサゾール系化合物イソオキサゾール系化合物チアゾール系化合物チアジアゾール系化合物イミダゾール系化合物ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0089

形成画像におけるかぶり発生を抑制するためには、正孔輸送剤として、一般式(HTM1)で表される化合物が好ましい。一般式(HTM1)で表される化合物は、分子量が比較的小さい。そのため、一般式(HTM1)で表される化合物がバインダー樹脂の微小な空隙を埋め、引っかき深さの小さい感光層を形成できると考えられる。

0090

0091

一般式(HTM1)中、R21、R22、R23、R24、R25及びR26は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基を表す。a、b、e及びfは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。c及びdは、各々独立に、0以上4以下の整数を表す。

0092

一般式(HTM1)中、R21〜R26は、各々独立して、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基を表すことがより好ましい。a、b、e及びfは、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。c及びdは、各々独立に、0又は1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。

0093

一般式(HTM1)で表される化合物の好適な例は、化学式(HTM1−1)で表される化合物(以下、化合物(HTM1−1)と記載することがある)である。

0094

0095

一般式(HTM1)で表される化合物の含有量は、正孔輸送剤の総質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。

0096

感光層に含有される正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。

0097

(添加剤)
感光層は、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤ラジカル捕捉剤、1重項消光剤又は紫外線吸収剤)、軟化剤表面改質剤増量剤増粘剤、分散安定剤、ワックスアクセプタードナー界面活性剤可塑剤増感剤又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール(例えば、ジ(tert−ブチル)p−クレゾール)、ヒンダードアミンパラフェニレンジアミンアリールアルカンハイドロキノンスピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物又は有機燐化合物が挙げられる。

0098

(導電性基体)
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で形成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウムモリブデンクロムカドミウムチタンニッケルパラジウムインジウムステンレス鋼又は真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。これらの導電性を有する材料のなかでも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。

0099

導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。

0100

(中間層)
中間層(下引き層)は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層が存在することにより、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、抵抗の上昇が抑えられると考えられる。

0101

無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄又は銅)、金属酸化物(例えば、酸化チタンアルミナ酸化ジルコニウム酸化スズ又は酸化亜鉛)の粒子又は非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。

0102

中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる限り、特に限定されない。中間層は、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤の例は、感光層の添加剤の例と同じである。

0103

(感光体の製造方法)
感光体の製造方法の一例を説明する。感光体は、感光層用塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥することによって製造される。感光層用塗布液は、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂及び必要に応じて添加される成分(例えば、添加剤)を、溶剤に溶解又は分散させることにより製造される。

0104

感光層用塗布液に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノールエタノールイソプロパノール又はブタノール)、脂肪族炭化水素(例えば、n−ヘキサンオクタン又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼントルエン又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタンジクロロエタン四塩化炭素又はクロロベンゼン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテルジエチルエーテルテトラヒドロフランエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテル又はプロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン類(例えば、アセトンメチルエチルケトン又はシクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸エチル又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒドジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。感光体の製造時の作業性を向上させるためには、溶剤として非ハロゲン溶剤(ハロゲン化炭化水素以外の溶剤)を用いることが好ましい。

0105

塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミルロールミルボールミルアトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散機を用いることができる。

0106

感光層用塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。

0107

感光層用塗布液を塗布する方法としては、塗布液を導電性基体上に均一に塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法スプレーコート法スピンコート法又はバーコート法が挙げられる。

0108

感光層用塗布液を乾燥する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る限り、特に限定されない。例えば、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。

0109

なお、感光体の製造方法は、必要に応じて、中間層を形成する工程及び保護層を形成する工程の一方又は両方を更に含んでもよい。中間層を形成する工程及び保護層を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。

0110

<画像形成装置>
次に、図2を参照して、本実施形態に係る感光体30を備える画像形成装置100について説明する。図2に画像形成装置100の構成の一例を示す。

0111

画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置である限り、特に限定されない。画像形成装置100は例えば、モノクロ画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置であってもよい。画像形成装置100がカラー画像形成装置である場合、画像形成装置100は、例えばタンデム方式を採用する。以下、タンデム方式の画像形成装置100を例に挙げて説明する。

0112

画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部52とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。なお、画像形成装置100がモノクロ画像形成装置である場合には、画像形成装置100は、画像形成ユニット40aを備え、画像形成ユニット40b〜40dは省略される。

0113

画像形成ユニット40は、感光体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。画像形成ユニット40の中央位置に、感光体30が設けられる。感光体30は、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。感光体30の周囲には、帯電部42を基準として感光体30の回転方向上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。

0114

帯電部42は、感光体30の表面(周面)を正極性に帯電する。感光体30が保護層を備えない場合、感光体30の表面は感光層32の表面32aに相当する。帯電部42は、非接触方式又は接触方式である。非接触方式の帯電部42の例は、コロトロン帯電器又はスコロトロン帯電器である。接触方式の帯電部42の例は、帯電ローラー又は帯電ブラシである。

0115

画像形成装置100は、帯電部42として帯電ローラーを備えることができる。感光体30の表面を帯電するときに、帯電ローラーは感光体30と接触する。帯電ローラーと感光体30との接触によって、感光体30の表面に傷が付くことがある。また、帯電ローラーと感光体30との接触によって、感光体30の表面の傷にトナーが押し込まれることがある。これらの結果、形成画像にかぶりが発生することがある。しかし、画像形成装置100は、感光体30を備えている。感光体30は、既に述べたように、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。このため、画像形成装置100は、帯電部42として帯電ローラーを備える場合であっても、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。

0116

露光部44は、帯電された感光体30の表面を露光する。これにより、感光体30の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。

0117

現像部46は、感光体30に形成された静電潜像にトナーを供給する。これにより、静電潜像がトナー像として現像される。感光体30は、トナー像を担持する像担持体に相当する。トナーは、一成分現像剤として用いられてもよい。或いは、トナーと所望のキャリアとを混合して、トナーを二成分現像剤において用いてもよい。トナーが一成分現像剤として用いられる場合、現像部46は、感光体30に形成された静電潜像に、一成分現像剤であるトナーを供給する。トナーが二成分現像剤において用いられる場合、現像部46は、感光体30に形成された静電潜像に、二成分現像剤に含まれるトナーとキャリアとのうちのトナーを供給する。

0118

現像部46は、感光体30と接触しながら静電潜像をトナー像として現像することができる。すなわち、画像形成装置100は、いわゆる接触現像方式を採用することができる。現像部46と感光体30との接触によって、感光体30の表面に傷が付くことがある。また、現像部46と感光体30との接触によって、感光体30の表面の傷にトナーが押し込まれることがある。これらの結果、形成画像にかぶりが発生することがある。しかし、画像形成装置100は、感光体30を備えている。感光体30は、既に述べたように、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。このため、画像形成装置100は、接触現像方式の現像部46を備える場合であっても、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。

0119

現像部46は、感光体30の表面を清掃することができる。すなわち、画像形成装置100は、いわゆるクリーナーレス方式を採用することができる。現像部46は、感光体30の表面に残留する成分(以下、「残留成分」と記載することがある)を除去することができる。残留成分の一例は、トナー成分であり、より具体的には、トナー又は遊離した外添剤である。残留成分の別の例は、非トナー成分であり、より具体的には記録媒体Mの微小成分(例えば、紙粉)である。クリーナーレス方式を採用する画像形成装置100では、クリーニング部(例えば、クリーニングブレード)によって感光体30の表面の残留成分が掻き取られない。そのため、クリーナーレス方式を採用する画像形成装置100では、通常、感光体30の表面に残留成分が残り易く、残留成分によって感光体30の表面に傷が付き易い。また、感光体30の表面の傷に残留成分が押し込まれることがある。これらの結果、形成画像にかぶりが発生することがある。しかし、画像形成装置100は、感光体30を備えている。感光体30は、既に述べたように、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。このため、画像形成装置100がクリーナーレス方式を採用する場合であっても、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。

0120

現像部46が感光体30の表面を効率的に清掃するためには、以下に示す条件(a)及び条件(b)を満たすことが好ましい。
条件(a):接触現像方式を採用し、感光体30と現像部46との間に周速(回転速度)差が設けられる。
条件(b):感光体30の表面電位と、現像バイアス電位とが以下の数式(b−1)及び数式(b−2)を満たす。
0(V)<現像バイアスの電位(V)<感光体30の未露光領域の表面電位(V)・・・(b−1)
現像バイアスの電位(V)>感光体30の露光領域の表面電位(V)>0(V)・・・(b−2)

0121

条件(a)に示す接触現像方式を採用し、感光体30と現像部46との間に周速差が設けられていると、感光体30の表面は現像部46と接触し、感光体30の表面の付着成分が現像部46との摩擦により除去される。現像部46の周速は、感光体30の周速よりも速いことが好ましい。

0122

条件(b)では、現像方式反転現像方式である場合を想定している。トナーの帯電極性、感光体30の未露光領域の表面電位、感光体30の露光領域の表面電位及び現像バイアスの電位が何れも正極性であることが好ましい。なお、感光体30の未露光領域の表面電位及び露光領域の表面電位は、転写部48がトナー像を感光体30から記録媒体Mへ転写した後、帯電部42が次周回の感光体30の表面を帯電する前に測定される。

0123

条件(b)の数式(b−1)を満たすと、感光体30に残留したトナー(以下、残留トナーと記載することがある)と感光体30の未露光領域との間に作用する静電斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ大きくなる。このため、感光体30の未露光領域の残留トナーは、感光体30の表面から現像部46へと移動し、回収される。

0124

条件(b)の数式(b−2)を満たすと、残留トナーと感光体30の露光領域との間に作用する静電的斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ小さくなる。このため、感光体30の露光領域の残留トナーは、感光体30の表面に保持される。感光体30の露光領域に保持されたトナーは、そのまま画像形成に使用される。

0125

転写ベルト50は、感光体30と転写部48との間に記録媒体Mを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。

0126

転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、感光体30から記録媒体Mへ転写する。転写部48は、例えば転写ローラーである。感光体30から記録媒体Mにトナー像が転写されるときに、感光体30は記録媒体Mと接触している。感光体30から記録媒体Mにトナー像が転写されるときに、転写部48上に転写ベルト50が位置し、転写ベルト50上に記録媒体Mが位置し、記録媒体M上に感光体30が位置している。すなわち、画像形成装置100は、いわゆる直接転写方式を採用する。直接転写方式を採用する画像形成装置100では、記録媒体Mと感光体30との接触によって、感光体30の表面に傷が付くことがある。また、記録媒体Mと感光体30との接触によって、記録媒体Mの微小成分(例えば、紙粉)が感光体30の表面に付着し、付着した微小成分によって感光体30の表面に傷が付くことがある。これらの結果、形成画像にかぶりが発生することがある。しかし、画像形成装置100は、感光体30を備えている。感光体30は、既に述べたように、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。このため、画像形成装置100は、直接転写方式の転写部48を備える場合であっても、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することができる。

0127

画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Mに、複数色(例えば、ブラックシアンマゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。

0128

定着部52は、転写部48によって記録媒体Mに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部52は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Mにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Mに画像が形成される。

0129

<プロセスカートリッジ>
次に、図2を引き続き参照して、本実施形態の感光体30を備えるプロセスカートリッジについて説明する。プロセスカートリッジは、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジは、感光体30を備える。プロセスカートリッジは、感光体30に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48からなる群より選択される少なくとも1つを備える。プロセスカートリッジには、クリーニング装置(不図示)及び除電器(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、感光体30の感度特性等が劣化した場合に、感光体30を含めて容易かつ迅速に交換することができる。

0130

以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。しかし、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。

0131

感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂を準備した。

0132

(電荷発生剤)
電荷発生剤として、X型無金属フタロシアニンを準備した。X型無金属フタロシアニンは、実施形態で述べた化学式(CGM−1)で表される無金属フタロシアニンであった。また、X型無金属フタロシアニンの結晶構造はX型であった。

0133

(正孔輸送剤)
正孔輸送剤として、実施形態で述べた化合物(HTM1−1)を準備した。

0134

(電子輸送剤)
電子輸送剤として、実施形態で述べた化合物(ETM1−1)を準備した。

0135

(バインダー樹脂)
バインダー樹脂として、実施形態で述べたポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−8)の各々を作製した。

0136

[ポリアリレート樹脂(R−2)の作製]
三口フラスコ反応容器として用いた。この反応容器は、温度計三方コック及び滴下ロート200mLを備えた容量1Lの三口フラスコである。反応容器に1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(実施形態で述べた化合物(1−p))12.24g(41.28ミリモル)と、tert−ブチルフェノール0.062g(0.413ミリモル)と、水酸化ナトリウム3.92g(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.120g(0.384ミリモル)とを投入した。次いで、反応容器内をアルゴン置換した。その後、水300mLを更に反応容器に投入した。反応容器の内温を50℃に昇温させた。反応容器の内温50℃を保持して反応容器内の内容物を1時間攪拌した。その後、反応容器の内温を10℃に冷却した。その結果、アルカリ性水溶液を得た。

0137

一方、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(実施形態で述べた化合物(1−jj)のジカルボン酸ジクロライド)4.10g(16.2ミリモル)と、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(実施形態で述べた化合物(1−h)のジカルボン酸ジクロライド)4.52g(16.2ミリモル)とをクロロホルム150mLに溶解させた。これにより、クロロホルム溶液を得た。

0138

次いで、クロロホルム溶液を滴下ロートからアルカリ性水溶液に110分間かけてゆっくりと滴下して、重合反応を開始させた。反応容器内の内温を15±5℃に調節して、反応容器の内容物を4時間攪拌して重合反応を進行させた。

0139

その後、デカントを用いて反応容器の内容物における上層水層)を除去し、有機層を得た。次いで、容量1Lの三口フラスコにイオン交換水400mLを投入した後に、得られた有機層を投入した。更にクロロホルム400mLと、酢酸2mLとを投入した。三口フラスコの内容物を室温(25℃)で30分攪拌した。その後、デカントを用いて密口フラスコの内容物における上層(水層)を除去し、有機層を得た。水1Lを用いて得られた有機層を分液ロートにて5回洗浄した。その結果、水洗した有機層を得た。

0140

次に、水洗した有機層をろ過し、ろ液を得た。容量1Lの三角フラスコにメタノール1Lを投入した。得られたろ液を三角フラスコにゆっくり滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過によりろ別した。得られた沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥した。その結果、ポリアリレート樹脂(R−2)を得た。ポリアリレート樹脂(R−2)の収量は12.2gであり、収率は77モル%であった。ポリアリレート樹脂(R−2)の粘度平均分子量は46,000であった。

0141

[ポリアリレート樹脂(R−1)及び(R−3)〜(R−8)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−2)と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−1)及び(R−3)〜(R−8)の各々を作製した。

0142

ポリアリレート樹脂(R−1)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−k)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及び化合物(1−l)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−1)の粘度平均分子量は35300であった。

0143

ポリアリレート樹脂(R−3)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−g)のジカルボン酸ジクロライド(32.4ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−3)の粘度平均分子量は36600であった。

0144

ポリアリレート樹脂(R−4)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−g)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及び化合物(1−jj)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−4)の粘度平均分子量は34400であった。

0145

ポリアリレート樹脂(R−5)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−g)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及び化合物(1−h)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−5)の粘度平均分子量は35600であった。

0146

ポリアリレート樹脂(R−6)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−i)のジカルボン酸ジクロライド(32.4ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−6)の粘度平均分子量は35800であった。

0147

ポリアリレート樹脂(R−7)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−i)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及び化合物(1−jj)のジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−7)の粘度平均分子量は34000であった。

0148

ポリアリレート樹脂(R−8)の作製では、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)及びビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロライド(16.2ミリモル)の代わりに、化合物(1−g)のジカルボン酸ジクロライド(9.7ミリモル)及び化合物(1−jj)のジカルボン酸ジクロライド(22.7ミリモル)を用いた。得られたポリアリレート樹脂(R−8)の粘度平均分子量は33600であった。

0149

次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、300MHz)を用いて、作製したポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−8)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシランTMS)を用いた。これらのうちポリアリレート樹脂(R−2)、(R−4)及び(R−5)を代表例として挙げる。

0150

図3図5は、それぞれポリアリレート樹脂(R−2)、(R−4)及び(R−5)の1H−NMRスペクトルを示す。図3図5中、横軸化学シフト(単位:ppm)を示し、縦軸信号強度(単位:任意単位)を示す。1H−NMRスペクトルにより、ポリアリレート樹脂(R−2)、(R−4)及び(R−5)が得られていることを確認した。ポリアリレート樹脂(R−1)、(R−3)及び(R−6)〜(R−8)についても、1H−NMRスペクトルにより、それぞれポリアリレート樹脂(R−1)、(R−3)及び(R−6)〜(R−8)が得られていることを確認した。

0151

バインダー樹脂として、下記化学式(R−A)〜(R−C)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(R−A)〜(R−C)と記載することがある)も準備した。また、バインダー樹脂として、下記化学式(R−D)〜(R−F)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(R−D)〜(R−F)と記載することがある)も準備した。ポリカーボネート樹脂(R−A)〜(R−C)及びポリアリレート樹脂(R−D)〜(R−F)の粘度平均分子量は、各々、31000、32500、33000、34500、33200及び32400であった。なお、化学式(R−A)〜(R−F)中の繰り返し単位に付された添え字は、樹脂に含まれる繰り返し単位の総物質量(総モル数)に対する、添え字が付された繰り返し単位の物質量(モル数)の百分率を示す。

0152

0153

0154

0155

0156

0157

0158

<感光体の製造>
感光層を形成するための材料を用いて、感光体(P−A1)〜(P−A26)及び(P−B1)〜(P−B20)を製造した。

0159

(感光体(P−A1)の製造)
容器内に、電荷発生剤としてのX型無金属フタロシアニン2質量部、正孔輸送剤としての化合物(HTM1−1)50質量部、電子輸送剤としての化合物(ETM1−1)30質量部、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)120質量部及び溶剤としてのテトラヒドロフラン800質量部を投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して、溶剤に材料を分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。感光層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長238.5mm)上に、ディップコート法を用いて塗布した。塗布した感光層用塗布液を、120℃で60分間熱風乾燥させた。これにより、導電性基体上に、感光層(膜厚30μm)を形成した。その結果、感光体(P−A1)が得られた。

0160

(感光体(P−A2)〜(P−A26)及び(P−B1)〜(P−B20)の製造)
下記(1)及び(2)の点を変更した以外は、感光体(P−A1)の製造と同じ方法で、感光体(P−A2)〜(P−A26)及び(P−B1)〜(P−B20)の各々を製造した。
(1)感光体(P−A1)の製造に用いたポリアリレート樹脂R−1を、表1及び表2に示す種類のバインダー樹脂に変更した。
(2)バインダー樹脂の量を、感光体(P−A1)の製造における120質量部から、表1及び表2に示す量に変更した。これにより、感光層の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率を、感光体(P−A1)の0.40から、表1及び表2に示す比率に変更した。

0161

<引っかき深さの測定>
感光体(P−A1)〜(P−A26)及び(P−B1)〜(P−B20)の各々について、感光層の引っかき深さを測定した。引っかき深さは、JIS K5600−5−5(日本工業規格K5600:塗料一般試験方法、第5部:塗膜機械的性質、第5節:引っかき硬度(荷重針法))で規定される引っかき装置200を用いて測定した。

0162

以下、図6を参照して、引っかき装置200を説明する。図6は、引っかき装置200の構成の一例を示す図である。引っかき装置200は、固定台201と、固定具202と、引っかき針203と、支持腕部204と、2つの軸支持部205と、基台206と、2つのレール部207と、分銅皿208と、定速モーター(不図示)とを備える。

0163

図6において、X軸方向及びY軸方向が水平方向であり、Z軸方向が鉛直方向である。X軸方向は固定台201の長手方向を示す。Y軸方向は、固定台201の上面201a(載置面)に平行な面内でX軸方向に直交する方向を示す。なお、後述する図7図9におけるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向も図6と同義である。

0164

固定台201は、JIS K5600−5−5における試験板固定台に相当する。固定台201は、上面201aと、一端201bと、他端201cとを備える。一端201bは、2つの軸支持部205に対向している。

0165

固定具202は、固定台201の上面201aにおける他端201cの側に設けられる。固定具202は、固定台201の上面201aに測定対象(感光体30)を固定する。固定台201の上面201aは水平面である。

0166

引っかき針203は、先端203b(図7参照)を有する。先端203bの構造は、直径1mmの半球状である。先端203bの材質は、サファイアである。

0167

支持腕部204は、引っかき針203を支持する。支持腕部204は、支軸204aを中心として、引っかき針203が感光体30に接近する方向及び離間する方向に回動する。

0168

2つの軸支持部205は、支持腕部204を回動可能に支持する。

0169

基台206は、上面206aを備える。上面206aの一端側には、2つの軸支持部205が設けられる。

0170

2つのレール部207は、上面206aの他端側に設けられる。2つのレール部207は、互いに平行に対向するように設けられる。2つのレール部207は、各々、固定台201の長手方向(X軸方向)と平行に設けられる。固定台201は、2つのレール部207の間に取り付けられる。固定台201は、レール部207に沿って、固定台201の長手方向(X軸方向)に、水平に移動可能である。

0171

分銅皿208は、支持腕部204を介して引っかき針203の上に設けられる。分銅皿208には、分銅209が載せられる。

0172

定速モーターは、レール部207に沿って固定台201の長手方向(X軸方向)に移動させる。

0173

以下、引っかき深さの測定方法を説明する。引っかき深さの測定方法は、第一ステップと、第二ステップと、第三ステップと、第四ステップとを含んでいた。引っかき深さは、JIS K5600−5−5で規定される引っかき装置200を用いて測定した。引っかき装置200として、表面性測定機(新東科学株式会社製「HEDON TYPE14」)を使用した。引っかき深さの測定は、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で行った。感光体の形状はドラム状(円筒状)であった。以下の引っ掻き深さの測定方法を採用することで、形成画像におけるかぶりの発生に影響する感光層の特性を、精度よく測定することができた。

0174

(第一ステップ)
第一ステップでは、感光体30の長手方向が固定台201の長手方向と平行になるように、感光体30を固定台201の上面201aに固定した。感光体30の中心軸L2(回転軸)方向が感光体30の長手方向に相当していた。なお、感光体30がシート状である場合には、感光体30の長辺方向が感光体30の長手方向に相当する。

0175

(第二ステップ)
第二ステップでは、引っかき針203を感光体30の感光層32の表面32aに対して垂直に当接させた。図6に加えて、図7及び図8を参照して、ドラム状の感光体30の感光層32の表面32aに、引っかき針203を垂直に当接させる方法を説明する。図7は、図6に示すVII−VII線における断面図である。図7は、感光体30に引っかき針203を当接させたときの断面図である。図8は、図6に示す固定台201と、引っかき針203と、感光体30との側面図である。

0176

引っかき針203の中心軸A1の延長線が固定台201の上面201aに対して垂直になるように、引っかき針203を感光体30に接近させた。そして、感光体30の感光層32の表面32aにおける、固定台201の上面201aから垂直方向(Z軸方向)に最も離れた点に、引っかき針203の先端203bを当接させた。これにより、引っかき針203の先端203bは、当接点P3で、感光体30の感光層32の表面32aと当接した。更に、引っかき針203の中心軸A1が接線A2に対して垂直になるように、引っかき針203の先端203bを感光体30に当接させた。なお、接線A2は、感光体30の中心軸L2に対して垂直な感光体30の断面が構成する外周円の当接点P3における接線である。これにより、感光体30の感光層32の表面32aに、引っかき針203が垂直に当接した。なお、感光体30がシート状である場合には、感光体30の感光層32の表面32a(平面)に対して、引っかき針203の中心軸A1の延長線が垂直になるように、引っかき針203を感光層32の表面32aに当接させる。

0177

上述の方法で引っかき針203を当接させたとき、固定台201、感光体30及び引っかき針203の位置関係は次のとおりであった。引っかき針203の中心軸A1の延長線と感光体30の中心軸L2とが、交点P2で垂直に交わっていた。感光層32及び上面201aの接点P1と、交点P2と、感光層32及び引っかき針203の先端203bの当接点P3とが、引っかき針203の中心軸A1の延長線上に位置していた。また、引っかき針203の中心軸A1の延長線は、固定台201の上面201a及び接線A2に対して、それぞれ垂直であった。

0178

(第三ステップ)
第三ステップでは、引っかき針203を感光層32の表面32aに対して垂直に当接させた状態で、引っかき針203から感光層32に10gの荷重Wを付与した。具体的には、分銅皿208に10gの分銅209を載せた。この状態で、固定台201を移動させた。具体的には、定速モーターを駆動させ、レール部207に沿って、固定台201の長手方向(X軸方向)に水平に移動させた。すなわち、固定台201の一端201bを、第一位置N1から第二位置N2まで移動させた。なお、第二位置N2は、第一位置N1に対して、固定台201の長手方向であって固定台201が2つの軸支持部205から離間する方向の下流側に位置していた。固定台201の長手方向への移動に伴い、感光体30も、固定台201の長手方向へ水平に移動した。固定台201及び感光体30の移動速度は、30mm/分であった。固定台201及び感光体30の移動距離は、30mmであった。固定台201及び感光体30の移動距離は、第一位置N1及び第二位置N2の間の距離D1-2に相当していた。固定台201及び感光体30が移動した結果、引っかき針203によって感光体30の感光層32の表面32aに引っかき傷Sが形成された。図6図8に加えて図9を参照して、引っかき傷Sを説明する。図9は、感光層32の表面32aに形成された引っかき傷Sを示す。引っかき傷Sは、固定台201の上面201a及び接線A2に対して、それぞれ垂直に形成された。また、引っかき傷Sは、図8に示す線L3を通るように形成された。なお、線L3は複数の当接点P3から構成される線である。線L3は、固定台201の上面201a及び感光体30の中心軸L2に対して、それぞれ平行であった。線L3は、引っかき針203の中心軸A1に対して垂直であった。

0179

(第四ステップ)
第四ステップでは、引っかき傷Sの最大深さDsmaxである引っかき深さを測定した。具体的には、感光体30を固定台201から取り外した。三次元干渉顕微鏡(Bruker社販売「WYKONT−1100」)を用いて、感光体30の感光層32に形成された引っかき傷Sを倍率5倍で観察し、引っかき傷Sの深さDsを測定した。引っかき傷Sの深さDsは、接線A2から、引っかき傷Sの谷部までの距離に相当していた。引っかき傷Sの深さDsのうちの最大深さDsmaxを、引っかき深さとした。測定された引っかき深さ(単位:μm)を、表1及び表2に示す。

0180

<耐かぶり性の評価>
感光体(P−A1)〜(P−A26)及び(P−B1)〜(P−B20)の各々に対して、形成画像における耐かぶり性を評価した。耐かぶり性の評価は、温度32.5℃、湿度80%RHの環境下で行った。

0181

評価機として、画像形成装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「モノクロプリンターFS−1300D」の改造機)を用いた。この画像形成装置は、直接転写方式、接触現像方式及びクリーナーレス方式を採用する。この画像形成装置では、現像部が感光体上に残留しているトナーを清掃する。この画像形成装置は、帯電部として帯電ローラーを備える。用紙として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社販売「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4」(A4サイズ)を使用した。評価機による評価には、一成分現像剤(試作品)を使用した。

0182

評価機を用いて、感光体の回転速度168mm/秒の条件で、12000枚の用紙に画像Iを連続して印刷した。画像Iは、印字率1%の画像であった。続いて、1枚の用紙に白紙画像を印刷した。得られた白紙画像について、白紙画像内の3箇所の画像濃度を、反射濃度計(X−rite社製「RD914」)を用いて測定した。白紙画像の3箇所の画像濃度の和を測定箇所数で除算した。これにより、白紙画像の画像濃度の数平均値を得た。白紙画像の画像濃度の数平均値からベースペーパーの画像濃度を引いた値を、かぶり濃度とした。測定されたかぶり濃度を、下記評価基準に従って評価した。評価がAである感光体を、耐かぶり性が良好であると評価した。かぶり濃度(FD)及び評価結果を、表1及び表2に示す。

0183

耐かぶり性の評価基準
評価A:かぶり濃度が0.010以下である。
評価B:かぶり濃度が0.010より大きく、0.020以下である。
評価C:かぶり濃度が0.020より大きい。

0184

<電気特性の評価>
感光体(P−A1)〜(P−A26)及び(P−B1)〜(P−B20)の各々に対して、電気特性を評価した。電気特性の評価は、温度23℃及び相対湿度50%RHの環境下で行った。まず、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面を+600Vに帯電させた。次いで、バンドパスフィルターを用いて、ハロゲンランプ白色光から単色光(波長780nm、半値幅20nm、光エネルギー1.5μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を、感光体の表面に照射した。照射が終了してから0.5秒経過した時の感光体の表面電位を測定した。測定された表面電位を、感度電位(VL、単位:+V)とした。測定された感光体の感度電位(VL)を、表1及び表2に示す。なお、感度電位(VL)が小さい正の値であるほど、感光体の電気特性が優れていることを示す。

0185

表1及び表2中、R−1〜R−8は、各々、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−8)を示す。表1及び表2中、R−A〜R−Fは、各々、ポリカーボネート樹脂(R−A)〜(R−C)及びポリアリレート樹脂(R−D)〜(R−F)を示す。表1及び表2中、部、FD及びVLは、各々、質量部、かぶり濃度及び感度電位を示す。表1及び表2中、バインダー樹脂の比率は、感光層の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率を示す。バインダー樹脂の比率は、下記計算式から求められる。
バインダー樹脂の比率=バインダー樹脂の質量/(電荷発生剤の質量+正孔輸送剤の質量+電子輸送剤の質量+バインダー樹脂の質量)

0186

0187

0188

感光体(P−A1)〜(P−A26)の感光層は、導電性基体と、単層の感光層とを備えていた。感光層は、電荷発生剤と正孔輸送剤と電子輸送剤とバインダー樹脂とを含んでいた。感光層の引っかき深さは、0.50μm以下であった。そのため、表1から明らかなように、感光体(P−A1)〜(P−A26)では、耐かぶり性の評価がAであり、形成画像におけるかぶりの発生が抑制されていた。

0189

感光体(P−A1)〜(P−A18)及び(P−A21)〜(P−A26)では、各々、感光層の総質量に対するバインダー樹脂の質量の比率が0.47以上0.60以下であった。そのため、表1から明らかなように、感光体(P−A1)〜(P−A18)及び(P−A21)〜(P−A26)では、耐かぶり性が良好であるだけでなく、感度電位VLが小さい正の値であり、電気特性も良好であった。

0190

一方、感光体(P−B1)〜(P−B14)及び(P−B18)〜(P−B20)では、感光層の引っかき深さが、0.50μm超であった。そのため、表2から明らかなように、感光体(P−B1)〜(P−B20)では、耐かぶり性の評価がB又はCであり、形成画像にかぶりが発生していた。

0191

感光体(P−B15)〜(P−B17)では、ポリアリレート樹脂(R−E)が感光層形成用の溶剤に溶解せず、感光層を形成することができなかった。そのため、表2に示すように、感光層の引っかき深さ、かぶり濃度及び感度電位を測定することができなかった。

実施例

0192

以上のことから、本発明に係る感光体は、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することが示された。また、本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、形成画像におけるかぶりの発生を抑制することが示された。

0193

本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用することがきる。本発明に係るプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、記録媒体に画像を形成するために利用することができる。

0194

30電子写真感光体
31導電性基体
32感光層
32a 感光層の表面
42帯電部
44露光部
46現像部
48転写部
100画像形成装置
200 引っかき装置
201固定台
201a 固定台の上面
203 引っかき針
203b 引っかき針の先端
M記録媒体
S 引っかき傷

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