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技術 車両試験システム、車両試験システム用プログラム、車両試験方法、及び走行抵抗設定装置

出願人 株式会社堀場製作所
発明者 小川恭広足立正之
出願日 2017年5月19日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2017-100346
公開日 2018年2月15日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-025539
状態 特許登録済
技術分野 エンジンの試験 車両の試験
主要キーワード 自動設定装置 目標指定 認証試験 風速成分 排ガス測定装置 想定範囲 運転ロボット 完成車両
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

ユーザの操作ミスが起きることを防ぐとともに、ダイナモメータ不適切走行抵抗が設定されることを防ぐ。

解決手段

車両V又はその一部の性能を試験する車両試験システム100において、車両V又はその一部に負荷を与えるダイナモメータ1と、路上を走行する実走行車両V’から実走行データを取得する実走行データ取得部61と、実走行データに基づいて車両V又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部62、41と、走行抵抗をダイナモメータ1に設定する走行抵抗データ設定部43と、ダイナモメータ1に設定される前に、走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部44とを備えるようにした。

概要

背景

従来、例えば車両の燃費計測する試験では、試験車両が路上を走行した際に受ける走行抵抗再現するようにシャシダイナモメータ負荷を設定する必要があり、このために事前に車両を路上で実走行させたときの走行抵抗を例えば惰行法により測定するようにしている。

具体的には、惰行法を用いて車速毎の走行抵抗を算出し、この走行抵抗から実走行時の温度や気圧などの影響を補正した目標走行抵抗を求め、この目標走行抵抗をシャシダイナモメータに設定している。

ところで、走行抵抗の算出から目標走行抵抗の設定までの間に、ユーザの操作が介入すると、例えばユーザの操作ミスにより正しい目標走行抵抗が設定されずに適切な試験を行なうことができなかったり、試験結果が有利になるように意図的に目標走行抵抗等の値を変えて設定する可能性がある。

そこで、引用文献1には、ユーザによる操作ミスが生じることを防ぐべく、走行抵抗の算出や設定をコントローラに行なわせることで、ユーザの操作を不要にした走行抵抗設定装置が記載されている。

しかしながら、上述した走行抵抗設定装置では、コントローラにより設定される走行抵抗をユーザが確認することができず、仮に走行抵抗として不適切な値が算出されていたとしても、その走行抵抗が設定されてしまい、無駄な試験が行なわれるという問題が生じ得る。

概要

ユーザの操作ミスが起きることを防ぐとともに、ダイナモメータに不適切な走行抵抗が設定されることを防ぐ。車両V又はその一部の性能を試験する車両試験システム100において、車両V又はその一部に負荷を与えるダイナモメータ1と、路上を走行する実走行車両V’から実走行データを取得する実走行データ取得部61と、実走行データに基づいて車両V又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部62、41と、走行抵抗をダイナモメータ1に設定する走行抵抗データ設定部43と、ダイナモメータ1に設定される前に、走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部44とを備えるようにした。

目的

本発明は、上述した課題を一挙に解決すべくなれたものであり、ユーザの操作ミスが起きることを防ぐとともに、ダイナモメータに不適切な走行抵抗が設定されることを防ぐことをその主たる課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

車両又はその一部の性能を試験する車両試験システムにおいて、前記車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータと、路上を走行する実走行車両から実走行データを取得する実走行データ取得部と、前記実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定部と、前記ダイナモメータに設定される前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部とを備える車両試験システム。

請求項2

前記ダイナモメータに設定される前の前記走行抵抗を前記ユーザが編集できないように構成されている請求項1記載の車両試験システム。

請求項3

前記走行抵抗が、所定の規則に従って算出される値であり、前記所定の規則に従って算出された複数の走行抵抗のうち、ユーザにより選択された1つ又は複数の値を受け付ける受付部をさらに備え、前記走行抵抗データ設定部が、前記受付部により受け付けられた走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する請求項1又は2記載の車両試験システム。

請求項4

前記走行抵抗が、所定の規則に従って算出される値であり、前記所定の規則に従って算出された複数の走行抵抗のうち、所定の条件を満たす1つ又は複数の走行抵抗を自動的に選択する選択部をさらに備えており、前記走行抵抗データ設定部が、前記選択部により選択された走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する請求項1又は2記載の車両試験システム。

請求項5

実走行データ取得時の環境データが所定の環境条件を満たさない場合に、前記走行抵抗算出部により算出された走行抵抗を前記走行抵抗データ設定部による設定から除外するフィルタリング部をさらに備えている請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の車両試験システム。

請求項6

前記走行抵抗データ設定部が、実走行データ取得時の環境データを、前記走行抵抗とともに前記ダイナモメータに設定する請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の車両試験システム。

請求項7

前記走行抵抗データ設定部が、前記実走行車両の車両重量、前記実走行車両の車両慣性重量、又は実走行における惰行時間の少なくとも何れかを、前記走行抵抗とともに前記ダイナモメータに設定する請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の車両試験システム。

請求項8

前記実走行車両の走行時にドライバーに対して、前記所定の規則に従って走行させるためのガイダンスをするガイダンス部をさらに備える請求項3又は4のうち何れか一項に記載の車両試験システム。

請求項9

前記ガイダンス部は、実走行データ取得時の環境データが所定の条件を満たさない場合に、試験の中断又は再計測を促すガイダンスをする請求項8記載の車両試験システム。

請求項10

車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータを備えた車両試験システムに用いられる車両試験システム用プログラムにおいて、路上を走行する実走行車両から実走行データを取得する実走行データ取得部と、前記実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定部と、前記ダイナモメータに設定される前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部としての機能をコンピュータに発揮させる車両試験システム用プログラム。

請求項11

車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータを備えた車両試験システムに用いて前記車両又はその一部の性能を試験する車両試験方法において、路上を走行する実走行車両から取得された実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出ステップと、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定ステップと、前記走行抵抗データ設定ステップの前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力ステップとを備える車両試験方法。

請求項12

車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータに走行抵抗を設定する走行抵抗設定装置において、路上を走行する実走行車両から取得された実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定部と、前記ダイナモメータに設定される前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部とを備える走行抵抗設定装置。

技術分野

0001

本発明は、車両又はその一部を試験する車両試験システム及び車両試験方法、この車両試験システムに用いられる車両試験システム用プログラム、及びダイナモメータ走行抵抗を設定する走行抵抗自動設定装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、例えば車両の燃費計測する試験では、試験車両が路上を走行した際に受ける走行抵抗を再現するようにシャシダイナモメータ負荷を設定する必要があり、このために事前に車両を路上で実走行させたときの走行抵抗を例えば惰行法により測定するようにしている。

0003

具体的には、惰行法を用いて車速毎の走行抵抗を算出し、この走行抵抗から実走行時の温度や気圧などの影響を補正した目標走行抵抗を求め、この目標走行抵抗をシャシダイナモメータに設定している。

0004

ところで、走行抵抗の算出から目標走行抵抗の設定までの間に、ユーザの操作が介入すると、例えばユーザの操作ミスにより正しい目標走行抵抗が設定されずに適切な試験を行なうことができなかったり、試験結果が有利になるように意図的に目標走行抵抗等の値を変えて設定する可能性がある。

0005

そこで、引用文献1には、ユーザによる操作ミスが生じることを防ぐべく、走行抵抗の算出や設定をコントローラに行なわせることで、ユーザの操作を不要にした走行抵抗設定装置が記載されている。

0006

しかしながら、上述した走行抵抗設定装置では、コントローラにより設定される走行抵抗をユーザが確認することができず、仮に走行抵抗として不適切な値が算出されていたとしても、その走行抵抗が設定されてしまい、無駄な試験が行なわれるという問題が生じ得る。

先行技術

0007

特開平1−173848号公報

発明が解決しようとする課題

0008

そこで、本発明は、上述した課題を一挙に解決すべくなれたものであり、ユーザの操作ミスが起きることを防ぐとともに、ダイナモメータに不適切な走行抵抗が設定されることを防ぐことをその主たる課題とするものである。

課題を解決するための手段

0009

すなわち本発明に係る車両試験システムは、車両又はその一部の性能を試験する車両試験システムにおいて、前記車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータと、路上を走行する実走行車両から実走行データを取得する実走行データ取得部と、前記実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定部と、前記ダイナモメータに設定される前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部とを備えることを特徴とするものである。
なお、ここでいう性能試験に用いる走行抵抗とは、実走行車両に加わる実走行抵抗から算出される目標走行抵抗の値や、この目標走行抵抗を表す算出式や、この算出式に用いられる係数などを含む概念である。

0010

このような車両試験システムであれば、走行抵抗が自動的に算出されて自動的にダイナモメータに設定されるので、ユーザの操作ミスが起こることを防ぐことができる。
そのうえ、ダイナモメータに設定される走行抵抗をユーザが確認することができ、確認した走行抵抗がダイナモメータの設定値として不適切であれば、その試験を中断するなどして無駄な試験を行なわずに済む。

0011

ユーザの操作ミスが起こることをより確実に防ぐためには、車両試験システムが、前記ダイナモメータに設定される前の前記走行抵抗を前記ユーザが編集できないように構成されていることが好ましい。

0012

前記走行抵抗が、所定の規則に従って算出される値であり、前記所定の規則に従って複数の走行抵抗が算出される場合、これらの走行抵抗の中から最適な値をダイナモメータに設定するためには、ユーザにより選択された1つ又は複数の値を受け付ける受付部をさらに備え、前記走行抵抗データ設定部が、前記受付部により受け付けられた走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する構成が挙げられる。

0013

また、上述した複数の走行抵抗の中から最適な値をダイナモメータに設定するための別の態様としては、所定の条件を満たす1つ又は複数の走行抵抗を自動的に選択する選択部をさらに備えており、前記走行抵抗データ設定部が、前記選択部により選択された走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する構成が挙げられる。

0014

ところで、各国で定められている規格や規則として、実走行データ取得時の環境データの値に数値範囲などの環境条件が定められている場合がある。そこで、不適切な走行抵抗がダイナモメータに設定されてしまうことを防ぐためには、実走行データ取得時の環境データが所定の環境条件を満たさない場合に、前記走行抵抗算出部により算出された走行抵抗を前記走行抵抗データ設定部による設定から除外するフィルタリング部をさらに備えていることが好ましい。

0015

前記走行抵抗データ設定部が、実走行データ取得時の環境データを、前記走行抵抗とともに前記ダイナモメータに設定することが好ましい。
このような構成であれば、実走行時の環境をユーザが確認することができ、例えば実走行時の環境が通常とは大きく異なる場合などは、その実走行から得られた走行抵抗の使用を避け、ダイナモメータに不適切な走行抵抗が設定されることを防ぐことができる。

0016

前記走行抵抗データ設定部が、前記実走行車両の車両重量、前記実走行車両の車両慣性重量、又は実走行時の惰行時間の少なくとも何れかを、前記走行抵抗とともに前記ダイナモメータに設定することが好ましい。
このような構成であれば、ダイナモメータにおいて走行抵抗を算出させることで、走行抵抗算出部により算出された走行抵抗を用いた試験を再現することができる。

0017

ところで、例えばドライバーによって車両を実走行する際の手順が異なる場合、走行抵抗の測定に公平性を保てず、ドライバーによって試験結果に差が生じ得る。
そこで、走行抵抗の測定を公平に行なうためには、前記実走行車両の走行時にドライバーに対して、前記所定の規則に従って走行させるためのガイダンスをするガイダンス部をさらに備えることが好ましい。
このような構成であれば、ドライバーは同じ手順や同じ条件で車両を実走行させることができ、走行抵抗を公平に測定することができる。

0018

無駄な試験を行わないようにするためには、前記ガイダンス部が、実走行データ取得時の環境データが所定の条件を満たさない場合に、試験の中断又は再計測を促すガイダンスをすることが好ましい。

0019

また、本発明に係る車両試験用プログラムは、車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータを備えた車両試験システムに用いられる車両試験システム用プログラムにおいて、路上を走行する実走行車両から実走行データを取得する実走行データ取得部と、前記実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定部と、前記ダイナモメータに設定される前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部としての機能をコンピュータに発揮させることを特徴とするプログラムである。

0020

さらに、本発明に係る車両試験方法は、車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータを備えた車両試験システムに用いて前記車両又はその一部の性能を試験する車両試験方法において、路上を走行する実走行車両から取得された実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出ステップと、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定ステップと、前記走行抵抗データ設定ステップの前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力ステップとを備えることを特徴とする方法である。

0021

加えて、本発明に係る走行抵抗設定装置は、車両又はその一部に負荷を与えるダイナモメータに走行抵抗を設定する走行抵抗設定装置において、路上を走行する実走行車両から取得された実走行データに基づいて前記車両又はその一部の性能試験に用いる走行抵抗を算出する走行抵抗算出部と、前記走行抵抗を前記ダイナモメータに設定する走行抵抗データ設定部と、前記ダイナモメータに設定される前に、前記走行抵抗をユーザに視認可能に出力する出力部とを備えることを特徴とするものである。

0022

このような車両試験システム用プログラムや車両試験方法や走行抵抗設定装置であれば、上述した車両試験システムと同様の作用効果を得ることができる。

発明の効果

0023

このように構成した本発明によれば、ユーザの操作ミスが起きることを防ぐとともに、ダイナモメータに不適切な走行抵抗が設定されることを防ぐことができる。

図面の簡単な説明

0024

本実施形態の車両試験システムの全体構成を示す模式図。
本実施形態の車両試験システムの機能を示す機能ブロック図。
本実施形態において惰行時間に対する車速の時系列データを説明するグラフ
本実施形態の車両試験システムの動作を説明するためのフローチャート
本実施形態の車両試験システムの動作を説明するためのフローチャート。
本実施形態の車両試験システムの動作を説明するためのフローチャート。
その他の実施形態における車両試験システムの機能を示す機能ブロック図。
その他の実施形態における車両試験システムの機能を示す機能ブロック図。

実施例

0025

以下に本発明に係る車両試験システムの一実施形態について図面を参照して説明する。

0026

本実施形態に係る車両試験システム100は、セルと称される室内で車両Vを所定の運転モードで走行試験し、そのときの排ガス分析や燃費測定、認証試験耐久性試験等を行うためものであり、図1に示すように、少なくともシャシダイナモメータ1及び管理装置4等を備えている。本実施形態の車両試験システム100は、排ガス分析を行うものであり、シャシダイナモメータ1、自動運転装置2、排ガス測定装置3、及び管理装置4等を備えている。なお、車両試験システム100は、自動運転装置2の代わりに、テストドライバが車両Vを運転するものであっても構わない。この場合、テストドライバに運転モードを表示する運転モード表示装置であるドライバーズエイドを備えていてもよい。

0027

シャシダイナモメータ1は、例えば1軸式のもので、車両Vの駆動輪を載せる回転ドラム11等を有するダイナモ本体1bと、回転ドラム11を制御して車両Vに路上と同様な走行負荷を与えるダイナモ制御装置1aとを具備するものである。このダイナモ制御装置1aは、例えばCPU、メモリ等からなるコンピュータシステムを利用して構成してあり、外部との間で制御信号やデータ等を相互に通信できる機能を有する。なお、この図1では2WD、FF車用のものを示しているが、もちろん4WDに対応できるように回転ドラムを前後に一対備えたものでも構わないし、2軸式のもので構わないのは言うまでもない。

0028

自動運転装置2は、車両の運転室に搭載されてアクセルブレーキクラッチ等を駆動する運転ロボットを備えたもので、後述する管理装置4から種々の指令信号によって前記運転ロボットが制御され、例えば規格化されている種々のレギュレーション(例えばCFR1065、10モードなど)にしたがった、車両Vあるいはエンジンパワートレインの性能試験ができるようにしてある。

0029

排ガス測定装置3は、測定原理の異なる複数のガス分析計を搭載しており、エンジン排ガス中に含まれるHC、NOX、CO、CO2等の各成分を各別に連続測定することが可能なものである。なお本実施形態では、排ガスを大気希釈し希釈された排ガスをサンプルガスとして一定の容量でサンプリングする排ガス定容量試料採取装置5と組み合わせることにより、単位走行距離あたりのCO、HC、NOなどの重量測定も行えるように構成してある。この排ガス測定装置3は、CPU、メモリ等を利用して構成したコンピュータシステムを備え、外部との間で制御信号やデータ等を相互に通信できる機能を有する。

0030

管理装置4は、例えばCPU、メモリ、通信ポートなどからなる本体部と、ディスプレイ等からなるコンソールとを備えたコンピュータシステムである。そして、ダイナモ制御装置1a、自動運転装置2、及び排ガス測定装置3との間で、LAN等のネットワークを介してデータの授受を行い、ダイナモ制御装置1aや自動運転装置2や排ガス測定装置3あるいは他の機器の統括的な制御やデータ取得を行うことができるようにしてある。なお、上述した例では、管理装置4とダイナモ制御装置1aとが別々に記載されていたが、管理装置4とダイナモ制御装置1aとを1つのものとしてもよい。

0031

上述した構成により、ユーザが管理装置4に車両試験のスケジュールを設定すると、管理装置4は、そのレギュレーションにしたがったコマンドをダイナモ制御装置1aや自動運転装置2等に送信し、レギュレーション通りの試験が自動的に行われるようにそれらを制御する。

0032

そして、本実施形態の車両試験システム100は、実際に路上を走行した実走行車両V’が受ける実走行抵抗を回転ドラム11上の車両Vに与えるように、シャシダイナモメータ1に適切な目標走行抵抗を自動的に設定できるように構成されている。

0033

この車両試験システムは、性能試験に用いる実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を所定の規則に従って算出するように構成されている。ここでいう、所定の規則とは、走行抵抗を求めるために決められた算出方法であり、例えば各国の規格や法規等に定められている。
以下、性能試験に用いる実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を算出する方法の一例として、TRIAS(Trafic Safety and Nuisance Research Institute’s Automobile Type Approval Test Standard)に規定される以下の算出式(1)〜(5)に基づいて、各指定速度における実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を算出する方法について説明する。
なお、例えば各国で定められているSAEGTR等の他の規格で定められている式に基づいて実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を算出しても良い。

0034

まず、実際に路上を走行した際に実走行車両V’が受ける実走行抵抗Fを算出する方法について説明する。
本実施形態では、いわゆる惰行法を用いて実走行抵抗Fを算出するようにしており、試験路を走行させた実走行車両V’から得られる実走行データに基づいて例えば20km/h、30km/h、40km/h、50km/h、60km/h、70km/h、80km/h、及び90km/hそれぞれの車速(以下、指定速度ともいう)における実走行抵抗Fを算出する。

0035

各指定速度での実走行抵抗Fは、実走行車両V’を指定速度+5km/hを超える速度から変速機ニュートラルにして惰行させ、指定速度+5km/hから指定速度-5km/hに至るまでの惰行時間を0.1秒以下の単位で測定することにより算出する。なお、惰行時間の測定中は、ブレーキ操作及びハンドル操作は行なわないものとし、クラッチはつないだ状態とする。
各指定速度における惰行時間の測定は、往路及び復路をそれぞれ3回行なうものとし、その平均値を求める。

0036

ここでは、TRIAS(Trafic Safety and Nuisance Research Institute’s Automobile Type Approval Test Standard)に規定される以下の算出式(1)に基づいて、各指定速度における実走行抵抗Fを算出する。

F:各指定速度における実走行抵抗
W:実走行車両V’の重量
W4:実走行車両V’の回転部分の相当慣性重量
t:各指定速度における平均惰行時間

0037

このように実走行抵抗Fを算出すべく、実走行車両V’には、図1及び図2に示すように、実走行データを測定する実走行データ測定計S1と、実走行時の環境データを測定する環境データ測定計S2と、前記実走行データ測定計及び前記環境データ測定計から種々のデータを取得する情報処理装置6とが搭載されている。
実走行データは、実走行車両V’の走行により得られるデータである。本実施形態では、実走行データ測定計S1として、少なくとも速度計及び時間計タイマー)を用いて、実走行データとして車両速度及び走行時間を測定している。
環境データは、実走行車両V’の走行時における走行環境を示すデータである。本実施形態では、環境データ測定計S2として、少なくとも大気圧計、温度計風向風速計を用いて、環境データとして大気圧、気温風向、及び風速を測定している。なお、環境データ測定計S2に関しては、一部又は全部を試験路に設けても良い。また、上記に挙げた環境データ測定計S2を全て用いる必要はなく、少なくとも1つ用いれば良い。

0038

前記情報処理装置6は、CPU、メモリ、A/Dコンバータ通信インタフェースなどを備えたものであり、前記メモリに記憶されたプログラムにしたがってCPUやその周辺機器協働することによって、図2に示すように、実走行データ取得部61及び実走行抵抗算出部62としての機能を発揮するように構成されている。

0039

この実走行データ取得部61は、上述した実走行データ測定計S1及び環境データ測定計S2から実走行データ及び環境データを取得するとともに、これらのデータを実走行抵抗算出部62に送信する。なお、実走行データには、例えば図3に示されるように、少なくとも惰行時間に対する車速の時系列データが含まれている。

0040

実走行抵抗算出部62は、前記実走行データ取得部61から送信された惰行時間に対する車速の時系列データを受け取り、算出式(1)に基づいて各車速毎の実走行抵抗Fを算出するとともに、その算出結果を上述した管理装置4に送信する。

0041

本実施形態の管理装置4は、シャシダイナモメータ1に目標走行抵抗F0を自動的に設定する走行抵抗設定装置であり、CPUやその周辺機器が協働することによって、図2に示すように、目標走行抵抗算出部41、選択部42、及び走行抵抗データ設定部43としての機能を発揮するように構成されている。
なお、請求項でいう走行抵抗算出部は、上述した実走行抵抗算出部62としての機能と、目標走行抵抗算出部41としての機能とを備えた概念である。

0042

目標走行抵抗算出部41は、実走行抵抗算出部62により算出された実走行抵抗Fから、実走行時の環境の違いによる影響を補正したものを目標走行抵抗F0として算出する。
具体的な算出方法は惰行法により定められており、算出式(1)により算出された各速度毎の実走行抵抗Fをもとに、最小二乗法により実走行抵抗Fを車速をパラメータとした関数として表す。この関数は、下記に示されるものであり、実走行抵抗Fを車速の二乗で表したものである。

F:実走行抵抗
a:ころがり抵抗に相当する値
b:空気抵抗係数に相当する値
V:車速

0043

そして、前記目標走行抵抗算出部41は、関数(2)に用いられている係数a、bについて、上述した環境データを用いて補正式(3)及び補正式(4)により標準大気状態への補正を行い、その結果求まる目標走行抵抗F0を関数(5)として得る。

F0:目標走行抵抗
a0:標準大気状態におけるころがり抵抗に相当する値
b0:標準大気状態における空気抵抗係数に相当する値
v:試験路に平行な風速成分の平均値
Te:試験路における平均温度
P:試験路における平均大気圧

0044

このようにして得られる目標走行抵抗F0を、本実施形態では複数回算出するとともに、それぞれの算出結果(すなわち、目標走行抵抗F0を車速の二乗で表す関数(5))をメモリの所定領域に記憶させている。
なお、本実施形態の管理装置4及び情報処理装置6は、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を外部から編集可能にするインターフェースを備えておらず、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0のユーザによる編集を不可能にしている。これにより、排ガス分析や燃費測定等における不正を防いでいる。

0045

選択部42は、複数の算出結果のうち所定の条件を満たす1つ又は複数の目標走行抵抗F0を自動的に選択する。前記所定の条件は、ユーザにより予め決められた条件であり、所定の条件を満たすかどうかの判断には、目標走行抵抗F0を表す関数に用いられる係数(ここでは、係数a0、係数b0)又は目標走行抵抗F0の値そのものが用いられる。なお、複数の算出結果としては、各仕向地(各国)の測定条件算出条件を満たさない結果を除いて、これらの条件を満たす結果のみが含まれるようにしても良い。
具体的には、例えば関数(5)で求めた目標走行抵抗F0の一覧から適切なものを一つ選択しても良いし(例えば目標走行抵抗F0の値が最も大きくなる或いは最も小さくなる係数a0、係数b0を選択する)、複数の算出結果の平均値を選択できるようにしてもよい。その際に、いくつかの特異な算出結果を除外してから平均値を算出するようにしてもよい。

0046

走行抵抗データ設定部43は、目標走行抵抗F0をシャシダイナモメータ1に設定するように構成されており、ここでは前記選択部42により選択された関数(5)に用いられている係数a0、b0をダイナモ制御装置1aに送信して設定する。走行抵抗データ設定部43は、有線又は無線により、目標走行抵抗F0をシャシダイナモメータ1に設定してもよいし、メモリーカード等の媒体を用いて、目標走行抵抗F0をシャシダイナモメータ1に設定してもよい。

0047

しかして、本実施形態の管理装置4は、前記走行抵抗データ設定部43がダイナモ制御装置1aに設定される前に、目標走行抵抗F0をユーザに視認可能に出力する出力部44をさらに備えている。

0048

この出力部44は、走行抵抗データ設定部43により設定される目標走行抵抗F0(ここでは、係数a0及び係数b0)を管理装置4やダイナモ制御装置1aが備えているディスプレイに表示出力するものである。なお、出力部44としては、目標走行抵抗F0をプリント出力するものであっても良い。

0049

ところで、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0の算出に必要な実走行データを得るためには、実走行車両V’のドライバーには、多数の工程をそれぞれの工程に定められた条件を満たしながら進めていくことが求められる。
そこで、本実施形態では、実走行車両V’に搭載されている情報処理装置6が、CPUやその周辺機器が協働することによって、図2に示すように、判断部63及びガイダンス部64としての機能をさらに発揮するように構成されている。

0050

判断部63は、実走行データ測定計S1や環境データ測定計S2からのデータに基づいて、実走行が惰行法に定められている種々の条件を満たしているかを判断するものである。なお、この判断部63は、環境データ測定計S2からの環境データが所定の条件を満たさない場合は、実走行データ取得部61に信号を送信して実走行データを取得しないようにする。

0051

ガイダンス部64は、実走行車両V’の走行時にドライバーに対して、惰行法に定められている規則に従って実走行車両V’を走行させるためのガイダンスをするものであり、具体的には、各工程に定められているガイダンス内容を実走行車両V’に搭載されたディスプレイに順次表示する。

0052

以下、判断部63及びガイダンス部64の詳細な説明を兼ねて、目標走行抵抗F0をシャシダイナモメータ1に設定するまでのフローを図4図6を参照しながら説明する。

0053

まず、ガイダンス部64は、ユーザが予め設定した試験条件をドライバーに対して表示する(S1)。この試験条件には、上述した指定速度の最大値及び最小値(本実施形態の最大指定速度は90km/h、最小指定速度は20km/h)、この範囲において何km/h毎に実走行抵抗Fを算出するかを示す速度幅(本実施形態では10km/h)、実走行抵抗Fの測定回数、及び実走行車両の重量などが含まれている。

0054

実走行が始まると(S2)、惰行走行を開始する前の暖機走行をさせるべく、ガイダンス部64は「暖機走行中」というメッセージを表示する(S3)。そして、判断部63が、走行速度や走行時間或いは図示しない温度センサにより得られる実走行車両V’やタイヤの温度に基づいて、暖機走行が完了したことを判断すると(S4)、ガイダンス部64は、「惰行走行開始」というメッセージを表示する(S5)。このとき、ガイダンス部64は、例えば「車速を90km/h以上に加速」という目標とする目標指定速度を表示し、この表示を見たドライバーは、実走行車両を指定速度+5km/hを超える速度から惰行走行すべく、車速を95km/h以上に加速すれば良いことを認識することができる。

0055

判断部63が、車速が表示された目標指定速度以上になったと判断すると(S6)、惰行時間を計測する前に、試験開始時の大気圧、温度、及び風向風速等の環境データを測定すべく、前記ガイダンス部64は「環境データ測定中」というメッセージを表示する(S7)。そして、判断部63が例えば所定時間が経過して環境データの測定が完了したと判断すると(S8)、前記ガイダンス部64は「惰行時間計測開始」というメッセージを表示する(S9)。

0056

惰行時間の計測中、判断部63はアクセル操作やハンドル操作や計測中のステータスモニタリングしながら、直線路を実走行しているか、すなわち惰行時間の計測を継続するかを判断する(S10)。
ハンドル操作が行なわれたり何らかの理由で計測が中断されたりして、判断部63が直線路を実走行していないと判断すると、ガイダンス部64は実走行車両V’が周回路を走行していることを示す「周回路走行中」というメッセージを表示する(S11)。このとき、ガイダンス部64は、次の直線路に至る際に必要な目標指定速度を表示する(S12)。より詳細に説明すると、例えば実走行車両V’が直線路から周回路に移行したときの車速が57km/hであったとすると、65km/hから55km/hまでの惰行時間を必要とする60km/hにおける実走行抵抗Fを算出することができない。そこで、ガイダンス部64は「車速を65km/h以上に加速」というメッセージを表示し、ドライバーは65km/hを目指す

0057

一方、直線路を惰行走行している間は、惰行時間が測定されており、このとき前記ガイダンス部64は、そのときの指定車速とともに「惰行時間測定中」というメッセージを表示する(S13)。このとき、走行時間計によって惰行時間が計測される(S14)。

0058

そして、判断部63によって最小指定速度における惰行時間が測定されているかが判断され(S15)、最小指定速度における惰行時間が測定されていなければ、ステップS10に戻る。
一方、最小指定速度における惰行時間の測定が完了すると、ガイダンス部64は「惰行時間測定完了」というメッセージを表示する(S16)。

0059

その後、判断部63は、復路の測定が完了しているかを判断し(S17)、復路の測定がなされていなければ、ステップS2に戻る。
なお、復路における測定時には、ガイダンス部64は「復路測定実施」というメッセージを表示する(S18)。

0060

復路における測定が完了すると、判断部63は、往路及び復路における惰行時間の計測前の風速差が許容範囲内であるかを判断する(S19)。
風速差が許容範囲を超えている場合は、ガイダンス部64が再計測を促すメッセージを表示し(S20)、ステップS2に戻る。

0061

一方、風速差が許容範囲内である場合は、判断部63が、往路と復路での同一車速における惰行時間差が許容範囲内であるかを判断する(S21)。
惰行時間差が許容範囲を超えている場合は、ガイダンス部64が再計測を促すメッセージを表示し(S20)、ステップS2に戻る。

0062

一方、惰行時間差が許容範囲内である場合は、実走行抵抗算出部62が、上述した算出式(1)を用いて実走行抵抗Fを算出して(S22)、算出結果を管理装置4に送信する。

0063

そして、判断部63は、実走行抵抗Fの算出された回数が、試験条件として定められている測定回数を満たしている場合は、惰行走行が終了したと判断し(S23)、測定回数を満たしていない場合は、ステップS2に戻る。なお、各測定における測定回数は、ガイダンス部64によって表示される(S24)。

0064

惰行走行が終了すると、終了時の大気圧、温度、及び風向風速等の環境データを測定すべく、前記ガイダンス部64は「環境データ測定中」というメッセージを表示する(S25)。そして、判断部63が例えば所定時間が経過して環境データの測定が完了したと判断すると(S26)、目標走行抵抗算出部41が、実走行抵抗算出部62により送信された実走行抵抗Fに基づいて目標走行抵抗F0を算出する(S27)。

0065

本実施形態では、上述したように出力部44がシャシダイナモメータ1に設定される目標走行抵抗F0を表示するようにしており(S28)、ユーザはこの値を確認してシャシダイナモメータの設定値として適切かを判断し(S29)、適切であると判断した場合は、その値を走行抵抗データ設定部43を介してシャシダイナモメータ1に送信して設定する(S30)。
一方、出力部44により表示された目標走行抵抗F0が、設定値として不適切であると判断した場合は、ユーザは管理装置4に再計測するための指示を入力することができる。
管理装置4は、再計測の指示を受けているかを判断し(S31)、指示を受けた場合は実走行車両V’の情報処理装置6にその指示を送信する。そうすると、前記ガイダンス部64が、再計測を促すメッセージを表示し(S32)、ステップS2に戻る。
なお、ユーザは表示された目標走行抵抗F0が設定値として適切でないと判断した場合に、再計測をすることなく、測定を中断しても構わない(S33)。

0066

このように構成された本実施形態に係る車両試験システム100によれば、走行抵抗算出部たる実走行抵抗算出部41及び目標走行抵抗算出部62が実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を自動的に算出するとともに、走行データ設定部43が目標走行抵抗F0を自動的にダイナモメータ1に設定するので、ユーザの操作ミスが起こることを防ぐことができる。
そのうえで、出力部44がダイナモメータ1に設定される目標走行抵抗F0を表示するので、この値をユーザが確認することができ、確認した値が不適切であれば、その試験を中断したり再試験したりすることができ、無駄な試験を行なわずに済む。

0067

また、選択部42が、算出された複数の目標走行抵抗F0の中から所定の条件を満たすものを自動的に選択するので、算出された複数の目標走行抵抗F0の中から最適な値をシャシダイナモメータ1に設定することができる。

0068

さらに、ガイダンス部64が、走行時にドライバーに対して、惰行法により定められている規則に従って走行させるためのガイダンスをするので、ドライバーは同じ手順で実走行車両V’を実走行させることができ、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を公平に測定することができる。

0069

そのうえ、判断部63がアクセル操作やハンドル操作や計測中のステータスをモニタリングしながら、直線路を実走行しているかを判断しており、直線路を実走行していないと判断されると、ガイダンス部64が、次の直線路に至る際に必要な目標指定速度を表示するので、ドライバーはガイダンスに従って走行するだけで、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0の算出に必要なデータを確実に取得することができる。

0070

なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。

0071

例えば、前記実施形態では、実走行車両に搭載された情報処理装置6に実走行抵抗算出部62としての機能を備えさせていたが、管理装置4やダイナモ制御装置1aなどに実走行抵抗算出部62としての機能を備えさせても良い。

0072

また、目標走行抵抗算出部41、選択部42、走行抵抗データ設定部43及び出力部44としての機能に関しては、これらの一部又は全部をダイナモ制御装置1aや実走行車両に搭載された情報処理装置6に備えさせても良い。

0073

そのうえ、前記実施形態では、惰行法に基づいて算出された複数の目標走行抵抗F0のうち、所定の条件を満たすものを選択部42が自動的に選択するようにしていたが、図7に示すように、これらの目標走行抵抗F0の中からユーザが選択した1つ又は複数の値を受け付ける受付部45としての機能を管理装置に備えさせても良い。
具体的に受付部45は、目標走行抵抗算出部41により算出された複数の目標走行抵抗F0を例えばタッチパネルなどのディスプレイに表示して、これらの中からユーザにより選択されたものを受け付けて走行抵抗データ設定部43に送信する。

0074

加えて、前記実施形態の判断部63は、ドライバーによる実走行が惰行法に定められている種々の条件を満たしているかを判断するものであったが、大気圧、温度、又は風速等の環境データに基づいて、算出される実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0が想定範囲内に収まるかを判断して、想定範囲内に収まらない場合には、ガイダンス部が再計測を促すメッセージを表示するようにしても良い。

0075

前記実施形態のガイダンス部は、複数のステップで再計測を促すメッセージを表示していたが、再計測ではなく試験の中断を促すメッセージを表示しても良い。

0076

さらに加えて、前記実施形態の出力部44は、シャシダイナモメータに設定される目標走行抵抗F0を出力するものであったが、目標走行抵抗F0とともに環境データが示す値を出力するようにしても良い。このようにすることで、目標走行抵抗F0が妥当な値であったとしても、環境データの示す値が異常な場合は、実走行抵抗Fを再計測したり試験を中断したりすることができる。
また、目標走行抵抗F0を算出すべく例えばシャシダイナモメータに環境データの値を入力する必要がある場合には、上述したように出力部44が環境データを示す値を出力する構成であると有利である。
さらに、ダイナモメータに設定される目標走行抵抗F0が適切であるかを確認できるようにするためには、出力部44が、目標走行抵抗F0の算出に用いた実走行データを目標走行抵抗F0とともに出力するように構成されていても良い。

0077

そのうえ、管理装置4は、図8に示すように、実走行データ取得時の環境データが所定の環境条件を満たさない場合に、目標走行抵抗算出部41により算出された目標走行抵抗F0を、走行抵抗データ設定部43による設定から除外するフィルタリング部46をさらに備えていても良い。なお、所定の環境条件とは、実走行車両V’の走行時に得られた大気圧、気温、風向、及び風速のうち少なくとも1つの環境データに関して予め決められた数値範囲であり、例えば各国の法規や規則などに規定されている。
このフィルタリング部46は、環境データ測定計S2から環境データを受け取るか、或いは、実走行データ取得部61により取得された環境データを受け取り、この環境データの値が予め定められている範囲外である場合に、その環境データを用いて算出された目標走行抵抗F0をメモリから削除するなどしてフィルタリングする。
所定の環境条件の一例としては、TRIASに定められた風速の数値範囲であり、試験路に平行な風速成分が平均5m/s以下、試験路に垂直な風速成分が平均2m/s以下という条件が挙げられる。
なお、フィルタフィング部46は、選択部42により自動的に選択された目標走行抵抗F0をフィルタリングしても良いし、実走行抵抗算出部62により算出された実走行抵抗Fをフィルタリングしても良いし、図7に示される実施例においては、受付部45が受け付けた目標走行抵抗F0をフィルタリングしても良い。

0078

前記実施形態では、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を車速の二乗で表した関数(2)や関数(5)を用いていたが、関数はこれに限定されず、適宜変更して構わない。

0079

また、前記実施形態の走行抵抗データ設定部43は、目標走行抵抗F0の設定として関数(5)に用いられる係数a0、b0をシャシダイナモメータに設定していたが、関数(5)そのものを示すデータや、目標走行抵抗F0と車速との相関を示すデータ(例えばルックアップテーブル)や、各速度における目標走行抵抗F0の値そのものをシャシダイナモメータに送信して設定しても良い。

0080

さらに、走行抵抗データ設定部43は、実走行データ取得時の環境データ、実走行車両V’の車両重量、実走行車両V’の車両慣性重量、又は実走行における惰行時間の少なくとも何れかを、目標走行抵抗F0とともにダイナモメータ1に設定するようにしても良い。
より具体的に説明すると、上述した各データは、実走行抵抗算出部62による実走行抵抗Fの算出や目標走行抵抗算出部41による目標走行抵抗F0の算出に用いられるデータであり、前記走行抵抗データ設定部43は、これらのデータを実走行抵抗算出部62や目標走行抵抗算出部41から取得して、ダイナモ制御装置1aに設定する。なお、ここでいうダイナモメータへの設定とは、データがシャシダイナモメータ1又はダイナモ制御装置1aに入力された状態のことであり、必ずしも入力されたデータを使用しなければいけないというわけではない。このことは、前記実施形態についても同様である。また、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0と、これらの算出に用いられる実走行データやこの実走行データ取得時の環境データとを紐付けてメモリに記憶させておくことが好ましく、メモリはダイナモ制御装置1a、管理装置4、情報処理装置6、又は外部サーバ等に備えておけば良い。
この構成により、ダイナモ制御装置1aにおいて、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を算出することが可能となり、設定された目標走行抵抗F0が正確か否かを検証することができる。

0081

ガイダンス部64は、惰行法に限らず、実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を算出するための様々な算出方法をガイダンスできるものであっても良い。例えば、各国の法規に従った算出方法をガイダンスすることで、各国の法規に対応した正しい方法で実走行抵抗Fや目標走行抵抗F0を測定することができる。

0082

さらに、前記実施形態の車両試験システムは、完成車両を試験するものであったが、例えばエンジンダイナモメータを用いてエンジンの性能を試験するものであっても良いし、ダイナモメータを用いてパワートレインの性能を試験するものであっても良い。

0083

その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。

0084

100・・・車両試験システム
1 ・・・シャシダイナモメータ
41 ・・・目標走行抵抗算出部
42 ・・・選択部
43 ・・・走行抵抗データ設定部
44 ・・・出力部
61 ・・・実走行データ取得部
62 ・・・実走行抵抗算出部

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