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技術 レーダ設置角度算出装置、レーダ装置およびレーダ設置角度算出方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 曹芸芸西村洋文浜田麻子岩村宏
出願日 2016年8月10日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-157951
公開日 2018年2月15日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2018-025485
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 移動方向θ パワーマップ 取得開始時刻 方位毎 周波数解析処理 レーダ送信波 検出単位 反射波強度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月15日)のものです。
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図面 (13)

課題

車両の置かれた環境にかかわらず、レーダ装置設置角度を精度よく算出することができるレーダ設置角度算出装置、レーダ装置およびレーダ設置角度算出方法を提供する。

解決手段

レーダ設置角度算出部130を有する。レーダ設置角度算出部130は、車両の非直進状態において反射点ドップラ速度が0となるレーダ方位に基づいてレーダ軸方向を基準とした車両移動方向であるレーダ移動方位を算出し、複数フレームサンプルを集めて線形回帰により車両直進状態におけるレーダ移動方位を推定し、推定したレーダ移動方位を用いてレーダ設置角度を算出する。この際、複数フレームのサンプルが有効か否かを判定し、有効でない場合そのフレームのサンプルを破棄する。

概要

背景

近年、レーダ装置を車両等に搭載し、先行する車両、停止車両歩行者等の物体障害物)の存在を検出し、検出した障害物との衝突や接触を防止する技術が普及している。このような車載レーダ装置では、予め設定された所定の設置角度レーダアンテナが設置されており、レーダ装置はこの設置角度の値を用いて障害物の位置や速度等を算出する。

このため、何らかの原因(例えば、設置冶具の緩みや壊れ等)によって、レーダ装置の設置角度が予め(例えば工場出荷時等に)設定された所定の設置角度から軸ずれしてしまうと、障害物の位置や速度を検出する際に誤差が生じたり、障害物の誤検出や障害物を検出することが困難となったりする事態が発生しうる。このため、レーダ装置は自らの設置角度を監視し、所定の設置角度からの軸ずれが発生していないかを監視することが要望されている。

例えば特許文献1には、レーダ装置が搭載された車両が下限速度以上であり、かつ直進している場合に、レーダセンサにて検出された観測点データのうち、相対速度がゼロである観測点を、車両から90°の方位に存在する壁からの反射波に基づく壁候補観測点であるものとして抽出し、その壁候補観測点の方位からレーダセンサの取り付け角度を算出する技術が開示されている。

概要

車両の置かれた環境にかかわらず、レーダ装置の設置角度を精度よく算出することができるレーダ設置角度算出装置、レーダ装置およびレーダ設置角度算出方法を提供する。レーダ設置角度算出部130を有する。レーダ設置角度算出部130は、車両の非直進状態において反射点ドップラ速度が0となるレーダ方位に基づいてレーダ軸方向を基準とした車両移動方向であるレーダ移動方位を算出し、複数フレームサンプルを集めて線形回帰により車両直進状態におけるレーダ移動方位を推定し、推定したレーダ移動方位を用いてレーダ設置角度を算出する。この際、複数フレームのサンプルが有効か否かを判定し、有効でない場合そのフレームのサンプルを破棄する。

目的

本開示の非限定的な実施例は、車両の置かれた環境にかかわらず、レーダ装置の設置角度を精度よく算出することができるレーダ設置角度算出装置、レーダ装置およびレーダ設置角度算出方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両に搭載されたレーダ装置レーダ設置角度算出装置であって、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成するレーダデータ取得部と、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成するデータ選出部と、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出するレーダ移動推定部と、所定数の前記フレームにおける、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する算出部と、を有するレーダ設置角度算出装置。

請求項2

前記レーダ移動推定部は、前記車両の移動方向が直進状態に対して所定の範囲内である場合、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を前記フレーム毎に算出する、請求項1に記載のレーダ設置角度算出装置。

請求項3

前記算出部は、線形回帰を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定する、請求項1に記載のレーダ設置角度算出装置。

請求項4

前記データ選出部は、前記車両の速度が所定のしきい値以上、かつ前記車両の移動方向が所定の範囲内である場合に、前記第3データ群を生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のレーダ設置角度算出装置。

請求項5

前記データ選出部は、前記ドップラ速度が0である前記反射点の数が所定数未満である場合に、前記第3データ群を生成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーダ設置角度算出装置。

請求項6

前記データ選出部は、前記反射点の数が所定数以上である場合に、前記第3データ群を生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーダ設置角度算出装置。

請求項7

前記データ選出部は、前記レーダ方位および前記ドップラ速度が同じである反射点が複数存在する場合、前記レーダ装置から前記反射点までの距離が、最も遠い前記反射点の前記反射波強度および前記ドップラ速度を前記第3データ群として生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のレーダ設置角度算出装置。

請求項8

車両に搭載されたレーダ装置であって、前記レーダ装置の設置角度を推定するレーダ設置角度算出装置と、前記推定された設置角度が所定の設置角度からずれているか否かを判定する判定部と、を有し、前記レーダ設置角度算出装置は、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成するレーダデータ取得部と、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成するデータ選出部と、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出するレーダ移動推定部と、所定数のフレームにおける、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する算出部と、を有するレーダ装置。

請求項9

車両に搭載されたレーダ装置のレーダ設置角度算出方法であって、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位毎および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成し、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成し、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出し、所定数の前記フレームにおける、前記車両移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する、レーダ設置角度算出方法。

技術分野

0001

本開示は、車両等に搭載され、レーダ設置角度推定する測定レーダ設置角度算出装置レーダ装置およびレーダ設置角度算出方法に関する。

背景技術

0002

近年、レーダ装置を車両等に搭載し、先行する車両、停止車両歩行者等の物体障害物)の存在を検出し、検出した障害物との衝突や接触を防止する技術が普及している。このような車載レーダ装置では、予め設定された所定の設置角度レーダアンテナが設置されており、レーダ装置はこの設置角度の値を用いて障害物の位置や速度等を算出する。

0003

このため、何らかの原因(例えば、設置冶具の緩みや壊れ等)によって、レーダ装置の設置角度が予め(例えば工場出荷時等に)設定された所定の設置角度から軸ずれしてしまうと、障害物の位置や速度を検出する際に誤差が生じたり、障害物の誤検出や障害物を検出することが困難となったりする事態が発生しうる。このため、レーダ装置は自らの設置角度を監視し、所定の設置角度からの軸ずれが発生していないかを監視することが要望されている。

0004

例えば特許文献1には、レーダ装置が搭載された車両が下限速度以上であり、かつ直進している場合に、レーダセンサにて検出された観測点データのうち、相対速度がゼロである観測点を、車両から90°の方位に存在する壁からの反射波に基づく壁候補観測点であるものとして抽出し、その壁候補観測点の方位からレーダセンサの取り付け角度を算出する技術が開示されている。

先行技術

0005

特開第2014−153256号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1に開示された技術では、車両が直進しており、かつ車両の防音壁等の静止物がある状況でなければレーダセンサの取り付け角度を算出することは困難である。このため、特許文献1に開示された技術では、例えば高速道路等の限られた環境下では取り付け角度を算出することができるものの、例えば市街地等、車両が直進だけではなく種々の方向に進行したり、車両の側面に壁面が存在しなかったり、車両の速度が比較的遅かったりする場合には、取り付け角度を算出することが困難である。このため、車両の置かれた環境にかかわらず、レーダ装置の設置角度を精度よく算出することができる技術が要望されている。

0007

本開示の非限定的な実施例は、車両の置かれた環境にかかわらず、レーダ装置の設置角度を精度よく算出することができるレーダ設置角度算出装置、レーダ装置およびレーダ設置角度算出方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本開示の一態様は、車両に搭載されたレーダ装置のレーダ設置角度算出装置であって、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成するレーダデータ取得部と、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成するデータ選出部と、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出するレーダ移動推定部と、所定数の前記フレームにおける、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する算出部と、を有する。

0009

本開示の一態様は、車両に搭載されたレーダ装置であって、前記レーダ装置の設置角度を推定するレーダ設置角度算出装置と、前記推定された設置角度が所定の設置角度からずれているか否かを判定する判定部と、を有し、前記レーダ設置角度算出装置は、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成するレーダデータ取得部と、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成するデータ選出部と、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出するレーダ移動推定部と、所定数のフレームにおける、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する算出部と、を有する。

0010

本開示の一態様は、車両に搭載されたレーダ装置のレーダ設置角度算出方法であって、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位毎および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成し、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成し、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出し、所定数の前記フレームにおける、前記車両移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する。

0011

これらの概括的かつ特定の態様は、システム、装置および方法の任意の組み合わせにより実現してもよい。

発明の効果

0012

本開示の一態様によれば、車両の置かれた環境にかかわらず、レーダ装置の設置角度を精度よく算出することができる。

0013

本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。

図面の簡単な説明

0014

レーダ装置の設置角度の算出方法について説明する図
車両が直進方向に対して角度θvの方向に進んでいる状態を例示した図
レーダ設置角度算出部が行う線形回帰について説明する図
本開示の実施の形態に係るレーダ装置の構成を例示した図
レーダ設置角度推定部の構成を例示した図
有効データ選出部が生成した方位−ドップラパワーマップを例示した図
車両走行時に、レーダ装置を基準として同じ方向、かつ、異なる距離に2つの静止物体が存在する状態を例示した図
車両の速度が所定のしきい値より遅い状態での方位−ドップラパワーマップを例示した図
走行中の車両の隣の車線に他の車両が併走している状態を例示した図
走行中の車両の隣の車線に他の車両が併走している状態における方位−ドップラパワーマップを例示した図
反射点が少ない状態での方位−ドップラパワーマップを例示した図
レーダ設置角度推定部の動作例を示すフローチャート

実施例

0015

<本開示に至る経緯>
本開示の実施の形態について詳細な説明を行う前に、本開示に至る経緯について説明する。具体的には、レーダ装置の設置角度の算出方法の基本的な考え方について説明する。

0016

図1は、レーダ装置の設置角度の算出方法について説明する図である。図1では、レーダ装置100が車両200の左前方側面部に搭載されている。図1において、車両200は、右側方向に直進している。

0017

図1では、レーダ装置100のレーダ方位θ=0°がレーダ軸方向である。図1の例では、レーダ装置100のレーダ方位θは、−45°から+45°までの値をとりうる。すなわち、レーダ視野角(レーダ方位)は91°である。また、図1において、所定の基準軸から左側を負の領域、右側を正の領域とする。

0018

図1では、車両200(レーダ装置100)の前進方向に対して左側90°の位置、すなわち車両200の左側真横方向(ドップラ速度ゼロ方位)に静止物体が存在した場合、レーダ装置100を基準にして、レーダ装置100と静止物体との相対速度(ドップラ速度)は0となる。
図1では、車両左側真横90°(ドップラ速度ゼロ方位)の方向は、レーダ装置100のレーダ軸方向より、θ0、車両の後進方向(レーダ軸の負方向)に向いている。すなわち、レーダ装置100に対し、ドップラ速度ゼロ方位(レーダ装置100の左側真横90°)をレーダ方位αとした場合、α=−θ0となり、レーダ方位αは負の値となる。

0019

また、図1では、車両の前進方向と、レーダ軸方向(θ=0°)とがなす角を、レーダ設置角度βとする。レーダ設置角度βは車両の前進方向(車両が直進する時の方向)に対する値である。車両左側に設置されたレーダ装置100の設置角度βは、車両の移動方向では左側であり、負の方向となる。車両の前進方向を基準とした場合、図1では、β+α=β−θ0=−90°であるため、レーダ装置100の設置角度β=−90°+θ0=−90°−α=−(90°+α)である。

0020

なお、図1では、レーダ軸方向を基準とし、車両200の移動方向をレーダ移動方位θsと定義した場合、θ0+θS=90°であり、レーダ移動方位θs=90°−θ0=90°+α=−βとなる。すなわち、レーダ装置100を車両200の左側に設置し、車両200が直進している場合、レーダ移動方向θsを求めることによって、極性反転したレーダ設置角度β、すなわち、「−β」を得ることができる。

0021

また、レーダ装置100を車両200の右側に設置し、車両200が直進している場合、車両の前進方向は、レーダ装置100の移動方向が基準とするレーダ軸方向の左側にあるため、βは負の値となり、同じくθs=−βの関係が成り立つため、レーダ移動方向θsを求めることによって、レーダ設置角度βを得ることができる。

0022

しかしながら、例えば市街地等を走行する車両200は、常に直進しているとは限らない。また、車両200の真横方向に常に静止物体が存在するとは限らない。

0023

車両200が前進方向(直進方向)に対して角度θvの方向に進んでいる場合、ドップラ速度が0となるレーダ方位αは、図2に示すように、車両200の真横方向に対して、角度θv、変化する。図2は、車両200が前進方向(直進時)に対して角度θvで斜めに進んでいる場合を例示した図である。従って、車両200が角度θvで斜めに進んでいる場合、ドップラ速度が0となるレーダ方位αは、−(θ0−θv)となる。なお、本開示において、θvの符号は、車両の前進方向を基準として、左側では−、右側では+とする。

0024

そこで、本開示では、車両200の移動方向が直進に近い場合のサンプルを所定数以上集め、線形回帰により車両直進状態におけるレーダ移動方位θsを求めるようにした。図3は、直進に近い状態におけるレーダ移動方位θsを用いて線形回帰について説明するための図である。

0025

図3において、縦軸がレーダ移動方位θsであり、横軸が車両移動方向θvである。図3において点在しているサンプル点は、それぞれあるフレーム(単位時間)時刻におけるレーダ移動方位θsと車両移動方向θvとの関係を示すサンプルに対応している。

0026

これらのサンプル点に基づいて線形回帰を行い、直線θs=a×θv+bを導出すると、図3に示すように、切片bの値は、車両直進(θv=0°)時のレーダ移動方位θsである。このため、上記で述べたように、車両が直進している(θv=0°)時、レーダ移動方位θs=−βため、レーダ設置角度βは車両直進の時のθsを符号反転する値である、即ちβ=−b(図1参照)である。このようにして、車両200が直進状態でない場合でもレーダ設置角度を正確に求めることができる。

0027

このように、本開示は、車両200が図2に示すように直進していない場合の、ドップラ速度が0となる反射点のサンプルを所定数集めて線形回帰を行うことにより、レーダ設置角度を正確に求めるものである。以下の実施の形態では、本開示の内容についてより詳細に説明する。

0028

<本開示の実施の形態>
[レーダ装置の構成]
図4は、本開示の実施の形態に係るレーダ装置100の構成を例示した図である。レーダ装置100は、図4に示すように、レーダセンサ110、車両状態センサ120、レーダ設置角度算出部130、物体検出部140、物体追従部150、物体識別部160、周囲状況判定部170を有する。

0029

レーダセンサ110は、例えば、ミリ波帯レーダ送信波を用いたパルス方式、または、FMCW(Frequency-Modulated Continuous Wave)方式のレーダセンサである。すなわち、レーダセンサ110は、アレイアンテナ(図示は省略)から送信したレーダ送信波が、レーダ装置100を搭載した車両の周囲に存在する物体によって反射された場合に、反射波をアレイアンテナが受信し、各アレイ素子に対応する複数のブランチの信号に対して周波数解析および方位推定を行う。これにより、レーダセンサ110は、レーダ送信波を反射した反射点の方位、距離、反射波強度、ドップラ速度等の各種パラメータ(以下、レーダデータ)を算出し、レーダ設置角度算出部130および物体検出部140に出力する。なお、レーダセンサ110は図4に示すように、車両200の左前方側面部に搭載されているものとする。

0030

車両状態センサ120は、車両200の移動状態を検出する複数のセンサである。車両状態センサ120が検出する車両200の移動状態を示すパラメータは、少なくとも車速と、ヨーレートあるいは舵角と、である。車速は車速センサ、舵角はハンドルステアリングホイール)に設けられた舵角センサ、ヨーレートはヨーセンサ等によってそれぞれ検出される。車両状態センサ120は、検出したパラメータ(以下、車両移動状態データ)をレーダ設置角度算出部130、物体追従部150、および周囲状況判定部170に出力する。

0031

レーダ設置角度算出部130は、レーダ装置100のレーダ軸ずれ、すなわちレーダセンサ110のアレイアンテナのレーダ送信波照射方向が所定の設置角度からずれていないか否かを確認するために、レーダ設置角度を算出する。レーダ設置角度算出部130は、レーダセンサ110から出力されたレーダデータと、車両状態センサ120から出力された車両移動状態データと、を用いてレーダ設置角度を算出し、算出結果を物体追従部150および周囲状況判定部170に出力する。レーダ設置角度算出部130におけるレーダ設置角度算出方法についての詳細は後述する。

0032

物体検出部140は、レーダセンサ110から出力されたレーダデータに基づいて、レーダ送信波を反射した物体の位置、距離、相対速度(ドップラ速度)等を検出する。物体検出部140は、検出結果(以下、物体データ)を物体追従部150および物体識別部160に対して出力する。

0033

物体追従部150は、車両状態センサ120から出力された車両移動状態データと、レーダ設置角度算出部130から出力されたレーダ設置角度と、物体検出部140から出力された物体データと、に基づいて、移動物体の追従を行う。移動物体の追従とは、複数のフレームに亘って移動する物体の位置、距離、移動速度と移動方向等の追跡を行うことを意味する。物体追従部150は、全ての移動物体の追従データを物体識別部160に出力する。

0034

物体識別部160は、物体検出部140から出力された物体データと、物体追従部150から出力された追従データと、に基づいて、物体の識別を行う。物体識別部160は、識別結果を周囲状況判定部170に出力する。

0035

周囲状況判定部170は、車両状態センサ120から出力された車両移動状態データと、レーダ設置角度算出部130から出力されたレーダ設置角度と、物体識別部160の識別結果と、に基づいて、車両200の周囲状況が安全であるか否かの判定を行う。なお、周囲状況判定部170は、例えば車両200に衝突しそうな物体が存在しない場合に安全、そうでない場合に安全でないと判定するようにすればよい。周囲状況判定部170は、安全でないと判定した場合、その結果を例えば図示しない警告部によって車両200の運転者や周囲の人間等に対して報知する、もしくは図示しない制御部によって、ブレーキを動作させ、衝突を回避する。

0036

なお、上述したように、レーダセンサ110のレーダ設置角度が、工場出荷時のレーダ設置角度から軸ずれしている場合、レーダセンサ110は正しいレーダデータを取得することは困難である。このため、周囲状況判定部170は、レーダ設置角度算出部130から出力されたレーダ設置角度が、予め記憶された、工場出荷時のレーダ設置角度と異なる場合には、周囲状況の判定結果を報知しない、あるいは周囲状況の判定結果の報知と同時にレーダ設置角度が軸ずれしている旨を報知する。これにより、例えば車両200の運転者は、レーダセンサ110の軸ずれを修正する必要があることを認識することができる。

0037

[レーダ設置角度算出部130の構成]
次に、レーダ設置角度算出部130の構成例について説明する。図5は、レーダ設置角度算出部130の構成を例示した図である。

0038

図5に示すように、レーダ設置角度算出部130は、自車両移動データ取得部131、レーダデータ取得部132、有効データ選出部133、レーダ移動推定部134、算出部135を有する。

0039

自車両移動データ取得部131は、車両状態センサ120から出力された車両状態データに対してフィルタリング等の処理を行い、車両速度Vvと車両移動方向θvを算出する。なお、車両移動方向θvは、図2に示すように、車両が直進した場合の移動方向と測定時の車両200の移動方向とがなす角である。自車両移動データ取得部131は、算出した車両速度Vvおよび車両移動方向θvの情報を、レーダデータ取得部132、有効データ選出部133、レーダ移動推定部134、および算出部135に出力する。

0040

レーダデータ取得部132は、自車両移動データ取得部131から出力された車両移動方向θvの情報に基づいて、車両200の移動方向θvがレーダ設置角度を算出するために適切な範囲内にあるか否かの判定を行う。車両200の移動方向θvの適切な範囲とは、例えば直進した場合の移動方向から所定の角度(例えば±10°以内)の範囲である。この所定の角度は、上記した図3に示す線形回帰を好適に行うための値である。すなわち、線形回帰の切片を正確に求めるためには、車両200の移動方向θvのサンプルが多くなるように、広い範囲に設定することが望ましい。

0041

しかしながら、車両が大きい角度(例えば、θv<−10°、+10°<θv)で旋回するとき、タイヤが滑る可能性が大きく、ドップラ速度が0となるレーダ方位αは、α=−(θ0−θv)の式が成り立たなくなるので、上述した本開示に至る経緯にて説明した方法でレーダ設置角度を算出することが困難になる。

0042

なお、直進した場合の移動方向から所定の角度として、例えば±10°以内を用いて説明したが、例えば、±2°以内の線形回帰のサンプル数によるサンプル数が少ない場合は、直進した場合の移動方向から所定の角度を、±2°〜±10°として、±2°以内を省略していてもよい。

0043

上より、レーダデータ取得部132は、車両200の移動方向θvが所定の範囲内ではないと判定した場合、該当するフレームにおける処理を終了する。

0044

そして、レーダデータ取得部132は、車両200の移動方向θvが適切な範囲内であった場合、レーダセンサ110から出力されたレーダデータ(反射点の方位、距離、反射波強度、ドップラ速度等)に基づいて、反射点からの反射波強度(以下パワー)をレーダ方位およびレーダ装置からの距離(レンジ)毎にプロットしたマップを生成する。反射点からのパワーをレーダ方位およびレーダ装置からの距離毎にプロットしたマップを、以下では方位−レンジパワーマップ(第1のデータ群、図示無)と称する。

0045

また、レーダデータ取得部132は、車両200の移動方向θvが適切な範囲内であった場合、レーダセンサ110から出力されたレーダデータに基づいて、反射点のドップラ速度をレーダ方位およびレーダ装置からの距離(レンジ)毎にプロットしたマップを生成する。反射点からのドップラ速度をレーダ方位およびレーダ装置からの距離毎にプロットしたマップを、以下では方位−レンジドップラマップ(第2データ群、図示無)と称する。

0046

そして、レーダデータ取得部132は、生成した方位−レンジパワーマップと方位−レンジドップラマップを有効データ選出部133に出力する。

0047

有効データ選出部133は、レーダデータ取得部132から出力された方位−レンジパワーマップと、方位−レンジドップラマップと、に基づいて、反射点からのパワーをレーダ方位およびドップラ速度毎にプロットしたマップを生成する。反射点からのパワーをレーダ方位およびドップラ速度毎にプロットしたマップを、以下では方位−ドップラパワーマップ(第3データ群、図6参照)と称する。

0048

そして、有効データ選出部133は、生成した方位−ドップラパワーマップがレーダ設置角度を推定するために有効なデータであるか否かの判定を行う。判定処理の詳細については後述する。そして、有効データ選出部133は、有効なデータであると判定した場合、生成した方位−ドップラパワーマップをレーダ移動推定部134に出力する。

0049

レーダ移動推定部134は、有効データ選出部133から出力された方位−ドップラパワーマップを用いて、レーダ移動方位θsを算出する。ここで、レーダ移動方位θsは、レーダ軸方向(図1および図2に示すθ=0°の方位)を基準(θs=0°)としたレーダの移動する方位である。レーダ移動推定部134は、レーダ移動方位θsを例えば以下のようにして算出する。

0050

レーダ移動推定部134は、方位−ドップラパワーマップからドップラ速度が0となるレーダ方位αを算出する。図6は、有効データ選出部133が生成した方位−ドップラパワーマップ(第3データ群)を例示した図である。

0051

図6において、横軸は方位、縦軸はドップラ速度であり、各丸が反射波信号に対応し、丸の大きさがパワー(反射波強度)を表している。図6において、横軸と交わる反射波信号は、すなわちドップラ速度が0である反射波信号である、図6において、交われた横軸の座標、即ちドップラ速度0となるレーダ方位αである、なお、図6においてはαは負の値である。

0052

図2に示すように、ドップラ速度が0となる方位αは、レーダ軸方向を基準として−(θ0−θv)である。レーダ移動推定部134は、以下の数式(1)を用いてレーダ移動方位θsを算出する。
θs=90°−θ0+θv=90°+α (1)

0053

レーダ移動推定部134は、このように算出したレーダ移動方位θsを、車両移動方向θvとを算出部135へ出力する。

0054

算出部135は、レーダ移動推定部134から出力された、現フレームの時刻におけるレーダ移動方位θsと、車両移動方向θvを1サンプルとして、所定数以上のサンプルを集めて保存する。ここで、1つのサンプルは基本的には1つのフレーム時刻におけるレーダ移動方位と車両移動方向に対応している。なお、所定数とは、例えば経験的に得られた、線形回帰を用いて車両移動方向θv=0°である場合のレーダ移動方向θsを算出する際に十分な精度を得ることができる数であるため、レーダ装置100の使用状況によって、決定される数である。

0055

なお、算出部135は、例えば車両移動方向θv毎に固定数のデータをバッファに保存し、複数フレームに亘って、演算することで、特定の車両移動方向のデータの偏りを回避することができる。

0056

算出部135は、所定数以上のサンプルが集まると、集めたサンプルを用いて線形回帰を行う。算出部135は、上記した図3に示すように、算出部135は、これらのサンプルに基づいて線形回帰を行い、直線θs=a×θv+bを導出する。そして、算出部135は、導出した式における傾きaと切片bを算出する。

0057

図3に示すように、切片bの値は、車両直進(θv=0°、図1参照)時のレーダ移動方位θsである。このため、レーダ設置角度β=−bである。これにより、算出部135は、レーダ設置角度βを算出することができる。算出部135は、算出したレーダ設置角度βを、物体追従部150および周囲状況判定部170に出力する(図4参照)。

0058

以上、レーダ設置角度算出部130の各構成について説明した。次に、有効データ選出部133における、生成した方位−ドップラパワーマップがレーダ設置角度を推定するために有効なデータであるか否かの判定について説明する。

0059

{有効データ判定方法1}
まず、車両200が走行している状態において、レーダ装置100を基準として、1フレームのデータを取得開始時刻において、およそ同じ方向、異なる距離に2つの静止物体が存在する場合について考える。図7は、車両200が走行しているとき、レーダ装置100を基準として、1フレームのデータを取得開始時刻において、所定角度内の同じ方向、異なる距離に2つの静止物体が存在する状態を例示した図である。

0060

図7では、走行する車両200の側面方向に静止物体300が存在し、車両200に搭載されたレーダ装置100を基準として、1フレームのデータを取得開始時刻において、同様の方向に、静止物体300より遠い位置に静止物体400が存在する。

0061

レーダ装置100を基準として、1フレームのデータを取得開始時刻において、同じ方向に存在する2つの静止物体は、距離が異なっても(違うレンジに位置しても)、理論上は同じドップラ速度を有する。しかし、レーダセンサ110が、物体のドップラ速度を求めるために行う、受信した反射波信号に対する周波数解析処理(例えば、FFT:Fast Fourier Transform)は、フレーム(例えば数十ms)単位で行われる。例えば1フレームが20msであり、車両200の速度が36km/h(10m/s)である場合、1フレームの間に車両200は20cm進むことになる。

0062

このようなことを踏まえると、車両200が1フレーム間に進む距離のために、1フレーム毎に静止物体300、400から得られる反射波信号は、それぞれ角度θ1、角度θ2の差が生じることになる。具体的には、例えば静止物体300と車両200(レーダ装置100)との距離が4mであり、1フレームの開始時刻において、ドップラ速度ゼロの方位(開始時刻の車両の左側面90°)に位置する場合、前記フレームが終了するまでの時間内にでは、車両200の位置が20cm進むため、θ1=arctan(0.2/4)≒3°となるため、静止物300の位置は、3°後方に位置することになる。

0063

一方、図7を参照すれば明らかなように、静止物体400は静止物体300より遠い位置に存在するため、θ2はθ1より小さい角度となる。

0064

以上のことから、レーダ装置100からの距離が近い静止物体からの反射波信号によって生成された方位−ドップラパワーマップは、レーダ装置100からの距離が遠い静止物体からの反射波信号によって生成された方位−ドップラパワーマップより信頼性が低いということになる。

0065

なお、図7において、静止物体300と静止物体400との方位は、同じ方位として説明したが、完全に一致しなくても、所定の範囲内(例えば、±5°以内)であれば、静止物体400を用いて演算すればよい。

0066

以上より、有効データ選出部133は、同じ方位およびドップラ速度を有する複数の反射点が存在する場合、レーダ装置100からの距離(レンジ)が最も遠い反射点によるパワーおよびドップラ速度を用いることで、より有効な方位−ドップラパワーマップを生成することができる。

0067

{有効データ判定方法2}
例えば図2に示すように、斜め方向に移動する車両200を考える。この場合、レーダ設置角度をβとし、車両200の速度をVvとすると、レーダ方位θの静止物体に対し、レーダ装置100を基準とした物体の相対速度(ドップラ速度)は以下の数式(2)となる。
V=Vvcos(−β+θv−θ) (2)
ここで、レーダ装置100を基準として(レーダ軸方向θ=0°を基準として)静止物体がθの方向に存在するものとする。

0068

方位θに存在する物体のドップラ速度が0となるのは、cos(−β+θv−θ)=0の時である。しかしながら、レーダ装置100が測定できるドップラ速度の分解能、すなわち、レーダ装置100が区別できるドップラ速度の変動には限度がある。そのため、車速が所定のしきい値速度よりも遅いとき、ドップラ速度が0となる反射点が複数存在することがある。

0069

具体的には、例えば、レーダ装置100がドップラ速度を1.0km/h単位で検出することができ、車両速度Vvが10km/hとすると、ドップラ速度が0となるレーダ方位の±2.5°範囲内において、ドップラ速度は以下の数式(3)のようになる。
|V|<|10×cos(90°±2.5°)|=約0.4km/h (3)

0070

レーダ装置100の分解能が1.0km/hであるため、レーダ装置100は、上記の場合のドップラ速度を検出することが困難である。これは、数式(3)の結果を四捨五入するとドップラ速度0のビンになるためである。

0071

このように車速が所定のしきい値速度よりも遅い場合、有効データ選出部133が生成した方位−ドップラパワーマップは、図8のようになる。図8は、車両200の速度が所定のしきい値より遅い場合の方位−ドップラパワーマップを例示した図である。

0072

図8では、ドップラ速度が0である反射点が複数個存在している。これは、上述したように、車両200の速度が所定しきい値速度より遅いため、レーダ装置100が有効なドップラ速度を検出することが困難であり、ドップラ速度0となっているからである。

0073

図8のように、四角で囲んだ部位801に示すように、ドップラ速度が0となる反射点が複数存在すると、レーダ移動推定部134は有効なサンプルを生成することが困難である。このため、有効データ選出部133は、車両200が所定のしきい値速度(例えば、上述した10km/h)より遅い場合には、そのフレームにおける方位−ドップラパワーマップを無効とみなして破棄する。

0074

{有効データ判定方法3}
走行中の車両200の隣の車線に他の車両が併走している状態について考える。図9Aは、走行中の車両200の隣の車線に他の車両が併走している状態を例示した図である。このような場合、車両200と併走する車両との距離は近く、また相対速度は小さくなる。すると、このような状態における方位−ドップラパワーマップは、例えば図9Bのようになる。図9Bは、走行中の車両200の隣の車線に他の車両が併走している状態における方位−ドップラパワーマップを例示した図である。

0075

図9Bの四角で囲んだ部位901に示すように、併走する車両に対応する反射点は、広い方位幅に亘り、ドップラVが0となる軸(レーダ方位軸)にまたがる。このような方位−ドップラパワーマップでは、レーダ移動推定部134は有効なサンプルを生成することが困難である。

0076

このため、有効データ選出部133は、車両200の近くに併走する車両が存在する場合等、図9Bに示すように、レーダ方位軸にまたがる所定の範囲(部位901)において、ドップラVが0となる複数の反射点が存在する方位−ドップラパワーマップを無効とみなして破棄する。

0077

具体的には、有効データ選出部133は、例えば、レーダ方位軸上に存在する反射点以外に、レーダ方位軸付近に存在する反射点も含めてクラスタリングを行い、クラスタリングされた範囲に存在する、レーダ方位軸上及びレーダ方位軸付近に存在する反射点が所定数以上存在した場合、その方位−ドップラパワーマップを無効とみなして破棄する。所定数は、レーダ装置を搭載するシステム毎に決められるが、例えば10個としてもよい。

0078

すなわち、有効データ選出部133は、レーダ方位軸上及びレーダ方位軸付近に存在する反射点が所定数存在した場合、方位−ドップラパワーマップを無効とみなして破棄する。

0079

または、計算コストを考慮し、レーダ方位軸上の反射点をカウントし、レーダ方位軸付近の反射点をカウント対象外とし、所定の数(例えば3)以上の場合、方位−ドップラパワーマップを無効とみなして破棄してもよい。

0080

なお、レーダ方位軸上に存在する反射点が1個である場合は、方位−ドップラパワーマップは放棄しなくても良い。

0081

{有効データ判定方法4}
例えば車両200の周囲に物体が存在しない場合、反射点が少ない。図10は、反射点が少ない場合における方位−ドップラパワーマップを例示した図である。反射点が少ない方位−ドップラパワーマップでは、レーダ移動推定部134は有効なサンプルを生成することが困難である。このため、有効データ選出部133は、方位−ドップラパワーマップについて、例えばθ=−45°から+45°までの1°単位で反射点を検出し、所定数以上の反射点が検出されなかった場合、方位−ドップラパワーマップを無効とみなして破棄する。所定数は反射点検出単位(システムによって求められる所定時間単位における検出数)の総数の50%とすればよい。

0082

以上、有効データ選出部133の有効データ選出方法について説明した。次に、レーダ設置角度算出部130の動作例について説明する。

0083

[レーダ設置角度算出部130の動作例]
図11は、レーダ設置角度算出部130の動作例を示すフローチャートである。

0084

テップ(以下「ST」と記載する)101において、自車両移動データ取得部131は、1フレーム毎に、車両状態センサ120から出力された車両移動状態データ(車速、ヨーレートまたは舵角等)に基づいて、車両速度Vvと車両移動方向θvを算出し、レーダデータ取得部132、有効データ選出部133、レーダ移動推定部134、および算出部135へ出力する。

0085

ST102において、レーダデータ取得部132は、車両移動方向θvが所定の角度範囲(例えば±10°)内にあるか否かを判定する。

0086

ST102において、車両移動方向θvが所定の角度範囲内である場合、処理はST103に進む(ST102:YES)。そうでない場合(ST102:NO)、ST101に戻る。

0087

ST103において、レーダデータ取得部132は、1つまたは複数のレーダセンサ110から出力されたレーダデータを取得する。レーダデータは、例えば、レーダの方位−レンジ座標系における反射波強度(パワー)、およびレーダ装置100に対する相対速度(ドップラ速度)を含む。そして、レーダデータ取得部132は、方位−レンジパワーマップと、方位−レンジドップラマップを生成する。

0088

ST104において、有効データ選出部133は、方位−レンジパワーマップと方位−レンジドップラマップに基づいて、方位−ドップラパワーマップを生成する。ここで、有効データ選出部133は、同じ方位および同じドップラ速度を有する複数の反射点が存在する場合、レーダ装置100からの距離(レンジ)が最も遠い反射点を用いて方位−ドップラパワーマップを生成する(上述した有効データ判定方法1を参照)。

0089

ST105において、有効データ選出部133は、フレーム毎に、生成された方位−ドップラパワーマップが有効なデータであるか否かを判定する。ST105における判定方法は、上述した有効データ判定方法2から4において説明した判定方法を用いてもよい。ST105において、各フレームにおける方位−ドップラパワーマップが有効であると判定された場合(ST105:YES)、処理はST106に進む。そうでない場合(ST105:NO)、ST101に戻って次フレームの処理へと移行する。

0090

ST106において、レーダ移動推定部134は、有効であると判定された方位−ドップラパワーマップを用いて、レーダ移動方位θsを算出する。レーダ移動方位θsの算出方法は、上記説明した通りである。

0091

ST107において、算出部135は、レーダ移動推定部134が算出したレーダ移動方位θsと、自車両移動データ取得部131から出力された車両移動方向θvを1つの線形回帰用サンプルとして保存する。そして、算出部135は、1つの線形回帰用サンプルを保存すると、サンプル数を+1カウントする。

0092

ST108において、算出部135は、線形回帰用サンプルの数が所定数以上であるか否かを判定する。所定数以上であると判定された場合(ST108:YES)、処理はST109に進み、そうでない場合(ST108:NO)、ST101に戻って次フレームの処理へと移行する。

0093

ST109において、算出部135は、保存した線形回帰用サンプルを用いて、レーダ移動方位θsを求める式θs=a×θv+bを導出する。上述したように、ここで導出された式の切片bは上述したように車両直進(θv=0)時のレーダ移動方位θsに相当し、図1に示すように、レーダ設置角度β=−bである。これにより、算出部135は、レーダ設置角度βを算出することができる。

0094

ST110において、レーダ設置角度算出部130は、処理を継続するか否かを判定する。この判定は、例えば外部から処理を中止する指示が入力されたか否かを判定することによって行えばよい。処理を継続すると判定された場合(ST110:YES)、処理はST101に戻って次フレームの処理へと移行する。そうでない場合(ST110:NO)、レーダ設置角度算出部130は処理を終了する。

0095

以上説明したように、本開示の実施の形態に係るレーダ装置100は、レーダ設置角度算出部130を有する。レーダ設置角度算出部130は、車両の非直進状態において反射点のドップラ速度が0となるレーダ方位に基づいて、レーダ軸方向を基準とした車両移動方向であるレーダ移動方位を算出し、複数フレームのサンプルを集めて線形回帰により車両直進状態におけるレーダ移動方位を推定し、推定したレーダ移動方位を用いてレーダ設置角度を算出する。この際、レーダ設置角度算出部130は、複数フレームのサンプルが有効か否かを判定し、有効でないフレームのサンプルを破棄する。

0096

すなわち、レーダ設置角度算出部130は、車両の速度が所定のしきい値(例えば10km/h)以上、かつ車両の移動方向が所定の範囲(例えば±10°)内ではないフレームのデータを破棄する。また、レーダ設置角度算出部130は、ドップラVが0である反射点の数が所定数(例えば複数個)以上であるフレームのデータを破棄する。さらに、レーダ設置角度算出部130は、反射点の数が所定数(例えばレーダ方位の50%)以上でないフレームのデータを破棄する。

0097

このような構成により、車両が非直進状態でも、適切なサンプルを集めて線形回帰により直進状態におけるレーダ移動方位を算出することができる。これにより、レーダ設置角度算出部130は、車両が非直進状態でも、精度よくレーダ設置角度を算出することができる。

0098

また、上記のレーダ設置角度算出部130を有するレーダ装置100によれば、レーダ設置角度を監視し、所定の角度(例えば工場出荷時の角度)から軸ずれしていないかを判定することができる。これにより、レーダ設置角度が軸ずれを起こしていることに起因する、不正確レーダ検出結果を出力してしまう事態を防止することができる。

0099

以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。

0100

上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。

0101

また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には、入力端子および出力端子を有する集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(IntegratedCircuit)、システムLSIスーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。

0102

また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続または設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。

0103

さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。

0104

<本開示のまとめ>
本開示の第1の態様に係るレーダ設置角度算出装置は、車両に搭載されたレーダ装置のレーダ設置角度算出装置であって、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成するレーダデータ取得部と、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成するデータ選出部と、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出するレーダ移動推定部と、所定数の前記フレームにおける、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する算出部と、を有する。

0105

本開示の第2の態様に係るレーダ設置角度算出装置において、前記レーダ移動推定部は、前記車両の移動方向が直進状態に対して所定の範囲内である場合、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を前記フレーム毎に算出する。

0106

本開示の第3の態様に係るレーダ設置角度算出装置において、前記算出部は、線形回帰を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定する。

0107

本開示の第4の態様に係るレーダ設置角度算出装置において、前記データ選出部は、前記車両の速度が所定のしきい値以上、かつ前記車両の移動方向が所定の範囲内である場合に、前記第3データ群を生成する。

0108

本開示の第5の態様に係るレーダ設置角度算出装置において、前記データ選出部は、前記ドップラ速度が0である前記反射点の数が所定数未満である場合に、前記第3データ群を生成する。

0109

本開示の第6の態様に係るレーダ設置角度算出装置において、前記データ選出部は、前記反射点の数が所定数以上である場合に、前記第3データ群を生成する。

0110

本開示の第7の態様に係るレーダ設置角度算出装置において、前記データ選出部は、前記レーダ方位および前記ドップラ速度が同じである反射点が複数存在する場合、前記レーダ装置から前記反射点までの距離が、最も遠い前記反射点の前記反射波強度および前記ドップラ速度を前記第3データ群として生成する。

0111

本開示の第8の態様に係る、車両に搭載されたレーダ装置であって、前記レーダ装置の設置角度を推定するレーダ設置角度算出装置と、前記推定された設置角度が所定の設置角度からずれているか否かを判定する判定部と、を有し、前記レーダ設置角度算出装置は、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成するレーダデータ取得部と、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成するデータ選出部と、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出するレーダ移動推定部と、所定数のフレームにおける、前記車両の移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する算出部と、を有する。

0112

本開示の第9の態様に係る、車両に搭載されたレーダ装置のレーダ設置角度算出方法であって、前記車両の速度と前記車両の移動方向に関する情報を用いて、前記レーダ装置を基準とした反射点が存在する方位であるレーダ方位毎および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点からの反射波強度を示す第1データ群と、前記レーダ方位および前記レーダ装置から前記反射点までの距離に対する、前記反射点のドップラ速度を示す第2データ群とを、フレーム毎に生成し、前記第1データ群および前記第2データ群を用いて、前記レーダ方位および前記ドップラ速度に対する前記反射点の反射波強度を示す第3データ群を生成し、前記第3データ群に基づいて、前記車両の移動方向に対する前記レーダ装置の移動方向であるレーダ移動方位を前記フレーム毎に算出し、所定数の前記フレームにおける、前記車両移動方向に対する前記レーダ移動方位を用いて、前記車両の移動方向が直進状態における前記レーダ移動方位を推定し、前記推定したレーダ移動方位を用いて前記レーダ設置角度を算出する。

0113

本開示は、物体を検出して移動物体を追従するレーダ装置として好適である。

0114

100レーダ装置
110レーダセンサ
120車両状態センサ
130レーダ設置角度算出部
131 自車両移動データ取得部
132レーダデータ取得部
133有効データ選出部
134レーダ移動推定部
135 算出部
140物体検出部
150物体追従部
160物体識別部
170周囲状況判定部
200 車両
300,400 静止物体

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    【課題】速度計測装置が照射するレーザ光の受信を迅速に報知するとともに、誤報を抑制した探知機を提供する。【解決手段】探知機1のレーザ光判定部54は、条件成就カウンタを有し、判定条件を2以上の所定回数満た... 詳細

  • セルスター工業株式会社の「 探知機」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】速度計測装置が照射するレーザ光の受信を迅速に報知するとともに、誤報を抑制した探知機を提供する。【解決手段】探知機1のレーザ光判定部54は、光センサ4が受けた光に基づき、判定条件と光との一致を判... 詳細

  • セコム株式会社の「 検出システム及び検出方法」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】特定の空間で発信された電波を高い反射率で反射する強反射体の位置を検出することができる検出システム及び検出方法を提供する。【解決手段】発信端末41から発信され測定空間における反射を伴って受信装置... 詳細

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