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概要
背景
概要
燃欠時の失火を早期に判定する。エンジン制御装置は、エンジンの空燃比を検出する空燃比検出部と、エンジンにおける回転変動値を導出する回転変動導出部と、空燃比検出部によって検出される空燃比が所定の閾値以上であり、かつ、回転変動導出部によって導出された回転変動値が所定の閾値以上である場合に、前記エンジンが燃欠によって失火していると判定する燃欠失火判定処理を実行する燃欠失火判定部と、を備える。
目的
本発明は、燃欠時の失火を早期に判定することが可能なエンジン制御装置を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
エンジンの空燃比を検出する空燃比検出部と、前記エンジンにおける回転変動値を導出する回転変動導出部と、前記空燃比検出部によって検出される前記空燃比が所定の空燃比閾値以上であり、かつ、前記回転変動導出部によって導出された前記回転変動値が所定の回転変動閾値以上である場合に、前記エンジンが燃欠によって失火していると判定する燃欠失火判定処理を実行する燃欠失火判定部と、を備えることを特徴とするエンジン制御装置。
請求項2
前記燃欠失火判定部は、前記空燃比検出部によって検出される前記空燃比が前記空燃比閾値以上である場合に、前記回転変動導出部によって導出された前記回転変動値が前記回転変動閾値以上である回数をカウントし、カウントした回数が予め設定されたカウント閾値以上になると、前記エンジンが燃欠によって失火していると判定することを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
請求項3
請求項4
技術分野
背景技術
0002
従来、エンジン制御装置では、気筒ごとに、空燃比が予め設定された閾値以上となった回数をカウントしていき、カウントした回数が所定回数に到達すると、その気筒が失火していると判定するようになされている(例えば、特許文献1参照)。
先行技術
0003
特表平3−501148号公報
発明が解決しようとする課題
0004
ところで、燃料の残量がわずかとなった燃欠時においては、空燃比が意図しないリーン状態となり、触媒温度が急激に上昇して触媒が溶損するおそれがある。そこで、燃欠時の触媒保護のため、燃料カット中でないにも拘わらず空燃比が一定時間以上所定のリーン状態となった場合に失火と判定し、燃料カットを実施することが考えられる。しかしながら、空燃比で燃欠時の失火を判定しようとすると、燃欠時はインジェクタから燃料が噴射される状態と噴射されない状態とが混在しているため空燃比がある一定以上のリーン状態を継続するとは限らず、他の失火要因と区別するのに時間を要するといった問題があった。
0005
そこで、本発明は、燃欠時の失火を早期に判定することが可能なエンジン制御装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0006
上記課題を解決するために、本発明のエンジン制御装置は、エンジンの空燃比を検出する空燃比検出部と、前記エンジンにおける回転変動値を導出する回転変動導出部と、前記空燃比検出部によって検出される前記空燃比が所定の空燃比閾値以上であり、かつ、前記回転変動導出部によって導出された前記回転変動値が所定の回転変動閾値以上である場合に、前記エンジンが燃欠によって失火していると判定する燃欠失火判定処理を実行する燃欠失火判定部と、を備える。
0007
また、前記燃欠失火判定部は、前記空燃比検出部によって検出される前記空燃比が前記空燃比閾値以上である場合に、前記回転変動導出部によって導出された前記回転変動値が前記回転変動閾値以上である回数をカウントし、カウントした回数が予め設定されたカウント閾値以上になると、前記エンジンが燃欠によって失火していると判定するとよい。
0009
また、前記燃欠失火判定部は、予め設定された実行条件が成立した場合に前記燃欠失火判定処理を開始し、前記実行条件には、燃料タンク内の燃料が所定の残量閾値以下であること、前記エンジンに対する燃料の供給がカットされていないこと、TGVの開度が変更されていないこと、電気負荷の変動がないことの少なくとも1つが設定されているとよい。
0010
本発明によれば、燃欠時の失火を早期に判定することができる。
図面の簡単な説明
0011
エンジン制御装置の構成を示す概略図である。
燃欠時におけるエンジン回転数、車速、空燃比、回転変動値、失火カウント値、燃料噴射期間の関係を説明する図である。
エンジン制御処理を示すフローチャートである。
実施例
0012
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
0013
図1は、エンジン制御装置1の構成を示す概略図である。ただし、以下では、本実施形態に関係する構成や処理について詳細に説明し、本実施形態と無関係の構成や処理については説明を省略する。
0014
図1に示すように、エンジン制御装置1は、エンジン2およびECU3(Engine Control Unit)が設けられており、ECU3によってエンジン2全体が駆動制御される。エンジン2は、シリンダブロック10と、シリンダブロック10と一体形成されたクランクケース12と、シリンダブロック10に連結されたシリンダヘッド14とが設けられている。
0015
シリンダブロック10には、複数のシリンダ16が形成されており、シリンダ16には、ピストン18が摺動自在にコンロッド20に支持される。そして、シリンダヘッド14と、シリンダ16と、ピストン18の冠面とによって囲まれた空間が燃焼室22として形成される。
0016
また、エンジン2には、クランクケース12によってクランク室24が形成されており、クランク室24内にクランクシャフト26が回転自在に支持される。クランクシャフト26には、コンロッド20を介してピストン18が連結される。
0018
吸気ポート28には、インテークマニホールド32を含む吸気流路34が接続される。吸気ポート28は、インテークマニホールド32に臨む吸気の上流側に1つの開口が形成されるとともに、燃焼室22に臨む下流側に2つの開口が形成されており、上流から下流に向かう途中で流路が2つに分岐される。吸気ポート28と燃焼室22との間には、吸気バルブ36の先端が位置し、不図示のカムシャフトの回転に伴って吸気バルブ36が吸気ポート28を燃焼室22に対して開閉する。
0019
排気ポート30には、エキゾーストマニホールド38を含む排気流路40が接続される。排気ポート30は、燃焼室22に臨む排気の上流側に2つの開口が形成されるとともに、エキゾーストマニホールド38に臨む下流側に1つの開口が形成されており、上流から下流に向かう途中で流路が1つに統合される。排気ポート30と燃焼室22との間には、排気バルブ42の先端が位置し、不図示のカムシャフトの回転に伴って排気バルブ42が排気ポート30を燃焼室22に対して開閉する。
0020
また、シリンダヘッド14には、先端が燃焼室22内に位置するようにインジェクタ44および点火プラグ46が設けられており、吸気ポート28を介して燃焼室22に流入した空気に対してインジェクタ44から燃料が噴射される。そして、空気と燃料との混合気が、所定のタイミングで点火プラグ46に点火されて燃焼する。かかる燃焼により、ピストン18がシリンダ16内で往復運動を行い、その往復運動が、コンロッド20を通じてクランクシャフト26の回転運動に変換される。
0021
吸気流路34には、上流側から順に、エアクリーナ48、スロットル弁50、TGV52(Tumble Generation Valve)、隔壁54が設けられている。エアクリーナ48は、外気から吸入された空気に混合する異物を除去する。スロットル弁50は、アクセル(不図示)の開度に応じてアクチュエータ56により開閉駆動され、燃焼室22へ送出する空気量を調節する。
0022
TGV52は、アクチュエータ58により開閉駆動され、隔壁54によって区分けされた流路の一方を開閉する。隔壁54は、吸気ポート28内で空気の流れ方向に沿って延在し、吸気ポート28を2つの流路に区分けする。
0023
図1に示すように、TGV52の開度が最小となり、TGV52によって、隔壁54に区分けされた一方の流路が閉じられると、吸気流路34に導かれた空気は、隔壁54によって区分けされた他方の流路を通過して燃焼室22に導かれる。
0024
エンジン2では、負荷が小さく吸気流量が少ない場合、TGV52の開度を絞り、吸気のほとんどを隔壁54によって区分けされた他方の流路に通過させる。こうして、エンジン2では、流速を高めた空気を燃焼室22に流入させることで、燃焼室22内において強いタンブル流を生成させ、燃料の急速燃焼を実現し、燃費改善や燃焼安定性の向上を可能とする。
0025
排気流路40内には、触媒60が設けられる。触媒60は、例えば、三元触媒(Three-Way Catalyst)であって、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)を含んで構成され、燃焼室22から排出された排出ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を除去する。
0029
フローメータ76は、吸気流路34内におけるスロットル弁50の下流に設けられており、スロットル弁50を通過し燃焼室22へ供給される空気量を検出する。
0030
空燃比センサ78(空燃比検出部)は、排気流路40内における触媒60よりも上流に設けられ、燃焼室22から排出される排出ガスの空燃比(A/F(Air By Fuel))を検出する。
0031
ECU3は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含むマイクロコンピュータでなり、エンジン2を統括制御する。本実施形態では、ECU3は、エンジン制御処理を実行する際、駆動制御部80、実行条件判定部82、回転変動導出部84、燃欠失火判定部86として機能する。
0032
駆動制御部80は、クランク角センサ74によって検出されたパルス信号に基づいて現時点のエンジン回転数を導出し、導出したエンジン回転数、および、アクセル開度センサ72によって検出されたアクセル開度(エンジン負荷)に基づき、予め記憶されたマップを参照して目標トルクおよび目標エンジン回転数を導出する。
0033
また、駆動制御部80は、導出した目標エンジン回転数および目標トルクに基づいて、各シリンダ16に供給する目標空気量を決定し、決定した目標空気量に基づいて、目標スロットル開度および目標TGV開度を決定する。そして、駆動制御部80は、決定した目標スロットル開度でスロットル弁50が開口するように、アクチュエータ56を駆動するとともに、決定された目標TGV開度でTGV52が開口するように、アクチュエータ58を駆動する。
0034
また、駆動制御部80は、決定した目標空気量に基づいて、例えば理論空燃比(λ=1)となる燃料量を目標噴射量として決定し、決定した目標噴射量の燃料をピストン18の吸気行程あるいは圧縮行程でインジェクタ44から噴射させるために、インジェクタ44の目標噴射時期および目標噴射期間を決定する。そして、駆動制御部80は、決定した目標噴射時期および目標噴射期間でインジェクタ44を駆動することで、インジェクタ44から目標噴射量の燃料を噴射させる。すなわち、駆動制御部80は、燃料供給制御部としての機能を有する。
0035
また、駆動制御部80は、導出した目標エンジン回転数、および、クランク角センサ74によって検出されるパルス信号に基づいて、点火プラグ46の目標点火時期を決定する。そして、駆動制御部80は、決定した目標点火時期で点火プラグ46を点火させる。
0036
ところで、燃欠時(燃料タンク内の燃料が欠乏しているとき)には、燃焼室22内に供給される燃料が減少して空燃比が上昇する(リーンになる)可能性がある。空燃比がリーンになると、燃焼室22内において燃料が点火プラグ46による点火で燃焼せずに(失火して)、未燃焼のまま排気流路40へと排出される。この場合、未燃焼の燃料が排気流路40内で燃焼し、排出ガスの温度が上昇して触媒60を溶損(破損)してしまうおそれがある。
0037
そこで、本実施形態では、実行条件判定部82によって燃欠失火判定処理を実行するための実行条件の成立可否を判定し、実行条件が成立している場合に、燃欠失火判定部86によって、燃欠による失火を判定する燃欠失火判定処理を実行する。そして、燃欠による失火と判定された場合、駆動制御部80によってインジェクタ44からの燃料の噴射(供給)をカット(停止)することで、触媒60が溶損(破損)してしまうことを防止する。
0038
具体的には、実行条件判定部82は、実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、実行条件としては、燃料センサ70によって検出される燃料タンク内の燃料が燃欠時であることを示す残量閾値以下であること、駆動制御部80によってインジェクタ44から噴射される燃料がカットされていないこと、エアコンやパワーウィンドウ等の電気機器あるいはオルタネータのオンオフが切り替えられていないこと(すなわち、電気負荷の変動が所定以上ないこと)、および、TGV52の開度が変更されていないことが設定されている。
0039
燃料センサ70によって検出される燃料タンク内の燃料が残量閾値以下であることが実行条件として設定されている理由は、燃料タンク内の燃料が残量閾値より多いである場合には、燃欠が生じるおそれがないためである。
0040
また、駆動制御部80によってインジェクタ44から噴射される燃料がカットされていないことが実行条件として設定されている理由は、駆動制御部80によって意図的に燃料がカットされている場合に燃欠失火判定処理を行うと、燃欠していないにも拘わらず燃欠による失火であると誤判定されてしまうおそれがあるためである。
0041
また、電気負荷の変動がないことが実行条件に設定されている理由は、電気負荷に所定以上の変動が生じると、エンジン2(クランクシャフト26)に回転変動がおき、後述する燃欠失火判定処理で誤判定されてしまうおそれがあるためである。
0042
また、TGV52の開度が変更されていないことが実行条件に設定されている理由は、TGV52の開度が変更されると、エンジン2(クランクシャフト26)に回転変動が起き、後述する燃欠失火判定処理で誤判定されてしまうおそれがあるためである。
0043
実行条件判定部82によって実行条件の全てが成立していると判定された場合、回転変動導出部84は、燃欠失火判定処理を開始する。ここで、燃欠時にシリンダ16(燃焼室22)に供給される燃料が減少して失火が発生すると、燃料が燃焼されないことによりクランクシャフト26の回転数が低下する。
0044
そこで、回転変動導出部84は、クランク角センサ74によって検出されるパルス信号に基づいて、各シリンダ16に対する回転変動値を導出する。例えば、回転変動導出部84は、対象となるシリンダ16におけるピストン18のTDC(圧縮上死点)から、1燃焼工程遅れているシリンダ16におけるピストン18のTDCまでの間の角速度を、対象となるシリンダ16に対する回転速度として導出する。そして、回転変動導出部84は、対象となるシリンダ16に対する回転速度から、1燃焼工程遅れているシリンダ16に対する回転速度を減算した値を、対象となるシリンダ16に対する回転変動値として導出する。
0045
燃欠失火判定部86は、空燃比センサ78によって検出される空燃比が予め設定された空燃比閾値THaf以上である場合に、回転変動導出部84によって導出された回転変動値の絶対値が予め設定された回転変動閾値THr以上であれば、失火カウント値を加算する。なお、空燃比閾値THafは、インジェクタ44から燃料が噴射されないとされる空燃比(例えば、λ=1.3)に設定されている。また、回転変動閾値THrは、失火が起きた場合に生じる回転変動値に設定されている。
0046
そして、燃欠失火判定部86は、カウントされた失火カウント値が燃欠による失火として確からしいカウント閾値THcに達すると、燃欠による失火が起こっていると判定する。そして、駆動制御部80は、燃欠失火判定部86によって燃欠による失火が起こっていると判定された場合、インジェクタ44の目標噴射期間を0にし、インジェクタ44から噴射される燃料をカット(停止)する。これにより、エンジン2は、燃焼室22内に燃料が供給されなくなるため、回転数およびトルクが減少していき停止する。
0047
図2は、燃欠時におけるエンジン回転数、車速、空燃比、回転変動値、失火カウント値、燃料噴射期間の関係を説明する図である。なお、図2(a)にはエンジン回転数および車速を示し、図2(b)には空燃比を示し、図2(c)には回転変動値を示し、図2(d)には失火カウント値を示し、図2(e)には燃料噴射期間を示す。以下では、燃欠時に実際に検出、導出されたエンジン回転数、車速、空燃比、回転変動値に基づいて、失火カウント値および燃料噴射期間の変化を説明する。
0048
図2(a)〜(e)に示すように、時刻T1において燃欠が発生しインジェクタ44から噴射される燃料が減少し始めると、それに伴ってエンジン回転数(クランクシャフト26の回転数)および車速が低下していくとともに、空燃比が上昇していく。
0049
そして、実行条件判定部82によって実行条件が全て成立していると判定されると、燃欠失火判定部86は、空燃比が空燃比閾値THaf以上であり、かつ、回転変動値の絶対値が回転変動閾値THr以上になる度に、失火カウント値を1ずつ加算していく。なお、図2(c)においては、回転変動閾値THrを+THr、−THrとして図示している。
0050
その後、空燃比が空燃比閾値THaf以上を維持し続け、その間に、失火カウント値がカウント閾値THc(ここでは、4回)以上になる時刻T2で、燃欠失火判定部86は、燃欠によって失火が発生していると判定し、駆動制御部80は、インジェクタ44に対する燃料噴射期間を0にする。つまり、駆動制御部80は、全ての燃焼室22に対する燃料の噴射をカットする。
0051
このように、エンジン制御装置1は、空燃比が空燃比閾値THaf以上である場合に、回転変動値が回転変動閾値THr以上である回数(失火カウント値)を1ずつ加算していき、失火カウント値がカウント閾値THcになると、全ての燃焼室22に対する燃料の噴射をカットする。
0052
これにより、エンジン制御装置1は、空燃比が空燃比閾値THafの前後で推移していても、誤判定するリスクを低減することができ、また、誤判定するリスクが少ないことから、カウント閾値THcを大きな値に設定する必要がなくなる。そのため、エンジン制御装置1は、燃欠による失火を早期に判定することができる。
0053
また、エンジン制御装置1は、燃欠による失火を早期に判定することができるため、燃料の噴射を早期にカットすることができ、触媒60が溶損(破損)してしまうことをより確実に防止することができる。
0054
また、エンジン制御装置1は、実行条件が成立している場合に燃欠失火処理を開始するため、燃欠による失火の誤判定を低減することができる。
0055
図3は、エンジン制御処理を示すフローチャートである。図3に示すように、実行条件判定部82は、全ての実行条件が成立しているかを判定する(S100)。その結果、全ての実行条件が成立している場合(S100におけるYES)、燃欠失火判定部86は、空燃比センサ78によって検出される空燃比が予め設定された空燃比閾値THaf以上であるか判定する(S102)。
0056
その結果、空燃比が空燃比閾値THaf以上である場合(S102におけるYES)、回転変動導出部84は、クランク角センサ74によって検出されるパルス信号に基づいて、各シリンダ16の回転変動値を導出する。そして、燃欠失火判定部86は、回転変動導出部84によって導出された回転変動値の絶対値が回転変動閾値THr以上であるかを判定する(S104)。
0057
その結果、回転変動値の絶対値が回転変動閾値THr以上である場合(S104におけるYES)、燃欠失火判定部86は、失火カウント値を1加算する(S106)。また、燃欠失火判定部86は、失火カウント値がカウント閾値THc以上であるかを判定し(S108)、失火カウント値がカウント閾値THc以上である場合(S108におけるYES)、駆動制御部80は、燃料カット処理としてインジェクタ44から噴射される燃料をカットし(S110)、当該エンジン制御処理を終了する。
0058
一方、全てまたはいずれかの実行条件が成立していない場合(S100におけるNO)、燃欠失火判定部86は、失火カウント値をリセットし(S112)、S100の処理に戻る。また、空燃比が空燃比閾値THaf以上でない場合(S102におけるNO)、回転変動値の絶対値が回転変動閾値THr以上でない場合(S104におけるNO)、および、失火カウント値がカウント閾値THc以上でない場合(S108におけるNO)、S100の処理に戻る。
0059
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
0060
例えば、上記の実施形態では、実行条件として4つの条件が設定されるようにしたが、これに限らず、実行条件を設定しないようにしてもよく、また、4つの条件のうち、少なくとも1つの条件が成立した場合に燃欠失火判定処理を実行するようにしてもよい。
0061
また、上記の実施形態では、全てのシリンダ16に対する回転変動値を導出するようにしたが、これに限らず、1つのシリンダ16に対する回転変動値を導出するようにしてもよい。
0062
本発明は、エンジンを保護するエンジン制御装置に利用できる。
0063
1エンジン制御装置
2エンジン
78空燃比センサ(空燃比検出部)
80駆動制御部(燃料供給制御部)
82実行条件判定部
84回転変動導出部
86 燃欠失火判定部