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図面 (17)

課題

過剰な血流に関連する先天的心臓欠陥外科矯正のための心臓手術に起因するシトルリンの低下を伴う肺高血圧症治療又は予防するための医薬組成物の提供。

解決手段

治療的有効量のシトルリンを含み、経静脈投与用に製剤されている医薬組成物。心臓手術前及び/又は術後に前記シトルリンを含有する医薬組成物を投与する方法。前記心臓手術はシトルリン減少した生成から成る次善尿素回路機能に関連するのものである、医薬組成物。

効果

シトルリンは、術後の肺血管緊張の増加を防止し、アルギニン濃度を維持し、術後の肺血流の低下、及び/又は心拍出量の低下を防ぎ、術後の肺高血圧を予防する。

概要

背景

アルギニンインビボ合成経路オルニチンで始まる。オルニチンは、カルバミルリン酸と結合して、シトルリンを産生し、次にアデノシン三リン酸ATP)の存在下でアスパラギン酸と結合して、アルギニノコハク酸を産生する。最終段階で、アルギニノコハク酸からフマル酸が分離して。アルギニンを産生する。アルギニンの分解経路は、アルギニンの加水分解反応によるものであり、オルニチンと尿素を産生する。これらの反応は、尿素回路を形成する。尿素回路は内在性、及び外来性タンパクの代謝によって生成される無駄な窒素を取り除くための一次経路として機能する。概略的に図1に示す。
代謝過程途絶は、化学療法のしばしば起こる副作用である。事実、高投与量の化学療法で使用される薬剤は、多くの細胞過程に影響を与える。肝臓消化管などの、化学感受性組織に集中している代謝過程は、とくに途絶の大きな危険性に面している。

窒素の普遍的な代謝回転プロセシングは、体中のあらゆる組織に関与するが、尿素回路の最初の重要なステップは、肝臓と腸に限定される。骨髄移植(BMT)に関連する高投与量の化学療法は肝臓の機能を妨げ、腸に対して毒性がある。尿素回路不全示唆する特発性高アンモニア血症は、骨髄移植を受けた患者の高い死亡率に関連していることが報告されている。Daviesらの論文(骨髄移植ation, 17:1119-1125 (1996));Tseらの論文(American Journal of Hematology, 38:140-141 (1991))、及びMitchellらの論文(American Journal of Medicine, 85:662-667 (1988))を参照されたい。
BMTのよく見られる合併症は、肝内肝静脈閉塞症HVOD)である。HVODは黄疸、肝臓の大きさの増大、及び正常な肝臓血流阻害に関連する。HVODは、患者の約20から40%で起こり、深刻な罹患率と死亡率に関連する。

一酸化窒素(NO)は、高投与量の化学療法結果の結果生じる、血管緊張の調節、並びに、肝臓開通性、及び小静脈の維持において役割を果たす。完全な尿素回路機能は、アンモニアの排出だけではなく、NOの前駆体であるアルギニンの適切な組織内濃度の維持にも重要である。
カルバミルリン酸合成酵素I(CPSI)は、尿素回路を介した尿素生成の最初の関与段階触媒する、律速酵素である。CPSIは高度に組織特異的であり、ほとんど肝臓と腸に限定されて産生され、機能する。ゲノム的にコードされたCPSIは、細胞質内で産生され、ミトコンドリアへと輸送され、そこで、成熟した160kDaの単量体に切断される。該酵素は、補助因子であるN‐アセチルグルタミン酸(NAG)を使用して、2つのATP分子消費で、アンモニアと炭酸水素塩とを結合させ、カルバミルを形成する。

概要

過剰な肺の血流に関連する先天的心臓欠陥外科矯正のための心臓手術に起因するシトルリンの低下を伴う肺高血圧症治療又は予防するための医薬組成物の提供。治療的有効量のシトルリンを含み、経静脈投与用に製剤されている医薬組成物。心臓手術前及び/又は術後に前記シトルリンを含有する医薬組成物を投与する方法。前記心臓手術はシトルリン減少した生成から成る次善尿素回路機能に関連するのものである、医薬組成物。シトルリンは、術後の肺血管緊張の増加を防止し、アルギニン濃度を維持し、術後の肺血流の低下、及び/又は心拍出量の低下を防ぎ、術後の肺高血圧を予防する。

目的

また、ここで開示される主題は、単離、精製された、生物学的に活性CPSIポリペプチドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

過剰な血流に関連する先天的心臓欠陥外科矯正のための心臓手術に起因するシトルリンの低下を伴う肺高血圧症治療又は予防するための医薬組成物であって、治療的有効量のシトルリンを含み、経静脈投与用に製剤されている、該心臓欠陥が、大きな非制限的な心室中隔欠損VSD)又は房室中隔欠損(AVSD)であり、該心臓手術が、心肺バイパス両方向性グレン手法、改質フォンタン手法、ノーウッドI手法、大血管転換手法、及びこれらの組合せからなる群から選択される手法であり、投与により、該組成物が、先天的な心臓欠陥の外科的修復後哺乳動物の低い術後肺血管緊張を維持する、医薬組成物。

請求項2

前記術後肺血流が完全に受動的である請求項1記載の組成物。

請求項3

前記手術術前、術前後、及び/又は、術後投与用に製剤されている請求項1記載の組成物。

請求項4

投与により、術後肺血管緊張の上昇を防ぐ請求項1記載の組成物。

請求項5

術後の肺血流の低下、及び/又は、心拍出量の低下を防ぐ請求項1記載の組成物。

請求項6

投与により、持続性胸水胸膜若しくは縦隔廃液管における長期の必要性、長期の換気、長期の集中治療室滞在、又はこれらの組合せの予後を防ぐ請求項1記載の組成物。

請求項7

前記シトルリンが、100mgから30,000mgの範囲の投与量で投与される請求項1記載の組成物。

請求項8

前記シトルリンが、250mgから1,000mgの範囲の投与量で投与される請求項7記載の組成物。

技術分野

0001

(関連出願との相互参照
本出願書類は、2004年2月24日に出願された米国特許出願番号10/785,374号の一部継続出願であり、かつ優先権を主張する。10/785,374号は、2000年6月1日に出願された米国特許出願09/585,077号の一部継続であり、09/585,007号は、1999年6月1日に出願された米国特許出願番号09/323,472の一部継続であり、現在特許番号6,346,382号である。これらの全内容は、引用により本明細書中に組み込まれている。
助成金記述
本研究は、NIH助成金R29−DK46965、NIH HL 55198、NIHES09915、及びNIH 1P30 CA 68485により、援助されている。従って、米国政府はここで開示される主題において、特定の権利を有する。

0002

(技術分野)
ここで開示される主題は、カルバミルリン酸合成酵素Iの表現型解析に有用な単離されたポリヌクレオチド分子、これらの分子によってコードされたペプチド、並びに新規に同定されたカルバミルリン酸合成酵素Iの多形性に関連する、これらの診断上、及び治療上の使用に関するものである。そのような使用のうち、アルギニン産生が低下する高アンモニア血症、及び対象の生体検査から単離された核酸試料の解析に基づいた骨髄移植毒性に対して、対象の感受性を決定する方法がある。

0003

略語表)
ABG −動脈血液ガス
ALI −急性肺損傷
ASOアリル特異的オリゴヌクレオチド
ATPアデノシン三リン酸
BCAA −分枝鎖アミノ酸
MT−骨髄移植
BSA −ウシ血清アルブミン
BuCy −ブスルファンシクロホスファミド
BUN −血中尿素窒素
CBVP16 − シクロホスファミドビスクロロエチルニトロソウレアエトポシド
cc −立方センチメートル
CPSI −カルバミルリン酸合成酵素I
CTC − シクロホスファミドチオテパカルボプラチン
CVP16TBI − シクロホスファミドエトポシド全身照射
ECMO −膜型人工肺
fl −全長
GSHosc −グルタチオン合成酵素
HAT −ヒポキサンチンアミノプテリンチミジン
HVOD− 肝中心静脈閉塞症
iNO −一酸化窒素吸入
KDa −キロダルトン
LHキーホールリンペットヘモシアニン
l −リットル
LAT −ライゲーションアクティベーテッドトランスレーション(ligation activated translation)
LCR −リガーゼ連鎖反応
MAS −胎便吸引症候群
NAG − n−アセチルグルタミン
NASDA(商標) −核酸配列基礎をおいた増幅法(商標)
NO、又はNOx− 一酸化窒素
NOS −一酸化窒素合成酵素
O/C −オルニチンシトルリン
PBSCT −末梢血幹細胞移植
PPHN −新生児持続性肺高血圧症
PCRポリメラーゼ連鎖反応
RCR −リペアー連鎖反応
RDS −呼吸窮迫症候群
REF −制限エンドヌクレアーゼフィンガープリンティング
RT逆転写酵素
SSCP −一本鎖DNA高次構造多型
SDA −鎖置換活性
SNP −一塩基変異多型
TC − チオテパシクロホスファミド
TEAA − 全必須アミノ酸
UC −尿素回路
UCF − 尿素回路機能
VPA − バルプロ酸

背景技術

0004

アルギニンのインビボ合成経路はオルニチンで始まる。オルニチンは、カルバミルリン酸と結合して、シトルリンを産生し、次にアデノシン三リン酸(ATP)の存在下でアスパラギン酸と結合して、アルギニノコハク酸を産生する。最終段階で、アルギニノコハク酸からフマル酸が分離して。アルギニンを産生する。アルギニンの分解経路は、アルギニンの加水分解反応によるものであり、オルニチンと尿素を産生する。これらの反応は、尿素回路を形成する。尿素回路は内在性、及び外来性タンパクの代謝によって生成される無駄な窒素を取り除くための一次経路として機能する。概略的に図1に示す。
代謝過程途絶は、化学療法のしばしば起こる副作用である。事実、高投与量の化学療法で使用される薬剤は、多くの細胞過程に影響を与える。肝臓消化管などの、化学感受性組織に集中している代謝過程は、とくに途絶の大きな危険性に面している。

0005

窒素の普遍的な代謝回転プロセシングは、体中のあらゆる組織に関与するが、尿素回路の最初の重要なステップは、肝臓と腸に限定される。骨髄移植(BMT)に関連する高投与量の化学療法は肝臓の機能を妨げ、腸に対して毒性がある。尿素回路不全示唆する特発性高アンモニア血症は、骨髄移植を受けた患者の高い死亡率に関連していることが報告されている。Daviesらの論文(骨髄移植ation, 17:1119-1125 (1996));Tseらの論文(American Journal of Hematology, 38:140-141 (1991))、及びMitchellらの論文(American Journal of Medicine, 85:662-667 (1988))を参照されたい。
BMTのよく見られる合併症は、肝内肝静脈閉塞症(HVOD)である。HVODは黄疸、肝臓の大きさの増大、及び正常な肝臓血流阻害に関連する。HVODは、患者の約20から40%で起こり、深刻な罹患率と死亡率に関連する。

0006

一酸化窒素(NO)は、高投与量の化学療法結果の結果生じる、血管緊張の調節、並びに、肝臓開通性、及び小静脈の維持において役割を果たす。完全な尿素回路機能は、アンモニアの排出だけではなく、NOの前駆体であるアルギニンの適切な組織内濃度の維持にも重要である。
カルバミルリン酸合成酵素I(CPSI)は、尿素回路を介した尿素生成の最初の関与段階触媒する、律速酵素である。CPSIは高度に組織特異的であり、ほとんど肝臓と腸に限定されて産生され、機能する。ゲノム的にコードされたCPSIは、細胞質内で産生され、ミトコンドリアへと輸送され、そこで、成熟した160kDaの単量体に切断される。該酵素は、補助因子であるN‐アセチルグルタミン酸(NAG)を使用して、2つのATP分子の消費で、アンモニアと炭酸水素塩とを結合させ、カルバミルを形成する。

発明が解決しようとする課題

0007

尿素回路機能低下に対する遺伝的素因は、高アンモニア血症を引き起こし、BMT関連毒素を含む、次善尿素機能に関連した疾患に苦しむ人々、BMTを受けた人々、又は他には環境的、若しくは薬理学的な肝臓毒汚染に直面している人々の中に存在する、対立遺伝子特徴づけの技術が必要とされる。尿素回路におけるCPSIの役割を考慮して、そのような人々の中に存在するCPSI対立遺伝子の特徴づけを、特に必要としている。

課題を解決するための手段

0008

(要約)
対象の次善尿素回路に対する感受性のスクリーニング方法を開示する。該方法は下記の段階を含む:(a)対象からの核酸試料を獲得する段階;(b)該対象からの核酸試料におけるカルバミルリン酸合成酵素(CPSI)遺伝子の多型性を検出する段階、次善尿素回路機能に対して対象の感受性を示す多型の存在を含む。ここで開示される主題に従って、該多型性の検出は、特に、骨髄移植毒性に対する、対象の感受性の決定に関して提供される。

0009

いくつかの実施態様において、カルバミルリン酸合成酵素ポリペプチドの多型性は、CPSI遺伝子のエキソン36番目におけるCからAへのトランスバージョンを含み、いくつかの実施態様において、cDNAヌクレオチド4340番目は、CPSI遺伝子に対応する。いくつかの実施態様において、該CPSI遺伝子に対応するcDNAのヌクレオチド4340番目におけるCからAへのトランスバージョンは、AACからACCへのトリプレット暗号の変化をさらに含み、アミノ酸1405番目にスレオニン部分を有するCPSIポリペプチドをコードする。

0010

また、ここで開示される主題は、単離、精製された、生物学的に活性なCPSIポリペプチドを提供する。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題のポリペプチドは、組換えポリペプチドである。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題のポリペプチドは、アミノ酸1405番目にアスパラギン部分を有する、ヒトCPSIである。

0011

また、ここで開示される主題は、生物学的に活性なCPSIポリペプチドをコードする、単離、精製されたポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題のポリヌクレオチドは、ヒト由来DNA分子を含む。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド4340番目のCからAへのトランスバージョンを含む、CPSI遺伝子に対応するcDNAを含む。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題のポリヌクレオチドは、さらに、ヌクレオチド4340番目においてACCからAACへのトリプレット暗号の変化を含み、かつアミノ酸1405番目にアスパラギン部分を有するCPSIポリペプチドをコードしている、CPSI遺伝子に対応するcDNAを含む。

0012

ここで開示される主題の方法の実施における使用に適し、かつここで開示される主題のポリペプチド及びポリヌクレオチドの検出における使用に適した、オリゴヌクレオチド、核酸プローブ、及び抗体を含むキット、及び試薬を、本明細書中に開示する。また、ここで開示されている主題のポリヌクレオチド、及びポリペプチドの調製方法を、本明細書中に開示する。
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、本明細書中に記載したカルバミルリン酸合成酵素I(CPSI)遺伝子の多型性に基づいた治療方法に関連するものである。前記治療方法は、次善尿素回路(例えば、骨髄移植毒性)によって媒介、又は調整される疾患の治療、及び予防において、一酸化窒素前駆体投与、並びにここで開示される主題の単離精製されたポリヌクレオチドを使用する、遺伝子治療アプローチを含む。

0013

従って、ここで開示される主題の目的は、脊椎動物の対象における、カルバミルリン酸合成酵素I(CPSI)の分析に使用されうるポリヌクレオチド分子を提供することである。
また、ここで開示される主題の目的は、対象の組織に由来するゲノムDNA、及びcDNAを含む、核酸の分析を通して獲得される情報に基づいて、脊椎動物の対象、特にヒト対象におけるCPSI表現型の決定を提供することである。
ここで開示される主題の他の目的は、CPSI表現型を決定する、迅速な技術を提供することである。

0014

ここで開示される主題のさらなる目的は、CPSI多型を構成するCPSIの異なった形態を識別する抗体の産生に使用される、ポリペプチド、及びポリヌクレオチドを提供することである。
ここで開示される主題のさらなる目的は、該CPSI多型に関連し、かつ付随した臨床的症候群の診断、及び治療方法を提供することである。
ここで開示される主題の目的のいくつかは、上文に規定されており、他の目的は、以下に最もよく記載された添付図面、及び実施例とともに、記載が進むにつれて明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0015

図1は、尿素回路の概略図である。
図2は、認識された変異が反映されていないCPSIタンパク質コンセンサスの概略図である。
図3は、CPSIタンパク質のコンセンサスであり、該タンパク質の幾つかの公知の変異、及びここで開示される主題のT1405N多型が示されている。
図4は、CPSIの認識された転写後修飾の概略図である。
図5は、CPSIのヒトゲノム遺伝子座の概略図である。
図6は、全長CPSIcDNAのクローニング戦略の概略図である。
図7は、全長CPSI cDNAの別のクローニング戦略の概略図である。
図8は、COS−7細胞において発現させたCPSIタンパク質の代謝活性グラフ描写である。
図9は、CPSI cDNAにおけるイントロンのサイズと位置のグラフ式表現である。
図10は、ここで開示される主題の代表的オリゴヌクレオチドプライマーの位置を示しているエキソン36(配列番号:5)の図である。
図11は、T1405 CPSI(配列番号:4)のアミノ酸配列を示しており(終止コドンは"X"として翻訳されており、165049MW、1.163602e+07CN)、開始アミノ酸のメチオニンは、a−1の位置と考えられる。
図12は、N1405 CPSI(配列番号:2)のアミノ酸配列を示しており(終止コドンは"X"として翻訳されており、165062MW、1.161634e+07CN)、開始アミノ酸のメチオニンは、a−1の位置と考えられる。
図13は、血漿アルギニン濃度濃度曲線グラフである。
図14は、48時間の実験期間を通じて、シトルリン対プラシーボ(P=0.53、多変量NCOVA)を与えられた患者間で、平均血圧は有意な差がないことを示したプロットである。平均+/−SDは、処理、及びプラシーボグループに対して示されている。
図15は、平均血清シトルリン濃度は、手術直後、及び手術12時間後(P=0.012、P=0.015)にバイパスした後にシトルリンを与えられた患者において有意に高く、一方、シトルリン濃度は、プラシーボを与えられた患者において、手術直後、及び手術12時間後(P=0.020、P=0.001)にバイパスした後の基準から有意に低くなっていることを示した棒グラフである。
図16は、平均血清アルギニン濃度が、手術12時間後(P=0.037)にバイパスした後にシトルリンを与えられていた患者よりも明らかに高く、一方、アルギニン濃度は、手術12時間後(P<0.001)にバイパスした後にプラシーボを与えられた患者において、基準から明らかに低くなっていることを示した棒グラフである。

発明を実施するための最良の形態

0016

(詳細な説明)
ここで開示されているものは、カルバミルリン酸合成酵素I (CPSI)の多型の驚くべき発見であり、該酵素は、尿素回路の最初の律速段階を触媒する。特に、該多型は、CPSIにおいて、1405番目のアミノ酸(異型接合性=.44)のスレオニン/アスパラギンのアミノ酸置換によって特徴付けられる。
また、ここで開示されているものは、CPSI遺伝子の一塩基置換が、CPSIの多型の原因になっているという、驚くべき知見である。特に、CPSI遺伝子のエキソン36におけるCからAへのトランスバージョンは、ACCからAACにトリプレット暗号を変化させ、そのコード化CPSIポリペプチドによってコードされているT1405N変換を引き起こす。

0017

これらの発見の観点から、脊椎動物対象の組織に由来する核酸分子の操作は、CPSI分析、前記核酸分子によりコードされたペプチドの発生、該CPSI多型に関連した診断、及び治療方法の提供を達成することができる。これらの状況に利用される核酸分子は、以下に記載するように増幅され、かつ一般的に、RNA、ゲノムDNA、及びRNA由来のcDNAを含みうる。

0018

(A.一般的な考慮)
CPSIに関する現在利用可能な構造情報のほとんどは、ラットCPSI酵素の研究に由来する。ラットCPSI酵素、及びヒトCPSI酵素はそれぞれ、1500残基の単一ポリペプチドから構成され、かつ約95%の配列同一性を示す。ラットCPSIポリペプチド、及び核酸配列情報は、Nyunoya, H.らの論文(Journal of Biological Chemistry 260:9346-9356 (1985))、及びGENBANK(登録商標)のアクセッション番号AH005315, M12335, M12328, M12327, M12326, M12325, M12324, M12323, M12322, M12321, M12320, M12319, M12318、及びM11710に開示されており、本明細書中に引用により組み込まれている。ラットCPSIに関する構造情報は、配列相同性、並びに基質、及び補助因子の結合研究に由来している;しかし、利用できる結晶データはない。

0019

成熟CPSIはモジュール式であり、2つの主要領域を含む。最初の領域は、残基39〜406番目であり、大腸菌ヘテロ二量体性の小サブユニットに対して相同的である。細菌、及び酵母のCPSIポリペプチド、並びに核酸配列情報は、GENBANK(登録商標)のアクセッション番号AB005063, X67573, M27174, P07258, P03965, BAA21088, SYBYCP, SYBYCS、及びSYECCSに開示されており、本明細書中に引用により組み込まれている。

0020

他の領域である、残基417〜1500番目(以下"CPSドメイン"と呼ぶ。)は、大腸菌CPSの大サブユニットに対して相同的である。(Meister, A.の論文、Adv. Enzymol. Relat. Areas Mol. Biol. 62:315-374 (1989))。このサブユニットは、アンモニアからのカルバミルリン酸の合成、及び基質と補助因子との結合に関与する(Meister, A.の論文Adv. Enzymol. Relat. Areas Mol. Biol. 62:315-374 (1989))。該CPSドメインは、該プロゲノムの遺伝子重複、及びタンデム融合によって生じ、かつそれ自身は、図2に概略的に示したように、2つのリン酸化ドメインと、n−アセチルグルタミン酸(NAG)の結合に関与するC末端調節領域から構成されている。(Nyunoya, H.らの論文Journal of Biological Chemistry 260:9346-9356 (1985))。

0021

図2に概略的に示したように、残基407〜416番目は、2つの主要サブユニット間の架け橋として機能し、かつ残基1〜38番目は、リーダーペプチドを構成し、該リーダーペプチドは、取り除かれる前に未成熟CPSIをミトコンドリアへと方向付けする。続けて図2において、小サブユニット様領域は、ほぼ等しい2つのサブドメインから構成されている。残基39〜212番目の相互作用サブドメインは、大腸菌由来CPSの小サブユニット内の、大サブユニットとの会合に必須である。残基213〜406番目のグルタミナーゼサブドメインは、Guillou, F.らの論文(Proc Natl Acad Sci 86:8304-8308 (1989));Nyunoya, H.らの論文(Journal of Biological Chemistry 260:9346-9356 (1985));及びGuy, H. I.らの論文(Journal of Biological Chemistry 270:2190-2197 (1995))に記載されているように、いくつかのグルタミンアミドトランスフェラーゼと、他の構成成分から遊離した場合、重要なグルタミナーゼ活性を示したCPSIの該領域とに相同的である。CPSIは、グルタミンの分離に必須なシステイン残基を欠いているため、該グルタミナーゼサブドメインの機能は、この酵素では不明確である。

0022

該CPSドメイン(大腸菌の大サブユニットに対応する)は、下記の反応に従って、アンモニアからのカルバミルリン酸の合成を触媒すると考えられる:
2ATP+炭酸水素塩+アンモニア → 2ADP+リン酸+カルバミルリン酸図1、及び2に概略的に示したように、この反応は、下記の3つの段階を含む:本明細書中でATPAとして示されているATP分子に炭酸水素塩リン酸化され、カルボキシリン酸を生じる段階;カルボキシリン酸とアンモニアとから、カルバメートが合成される段階;及び、Rubio, V.、及び Grisolia, S.の論文(Enzyme 26:233-239 (1981))に記載されているように、他のATP分子(ATPB)によってカルバメートがリン酸化され、カルバミルリン酸を生じる段階である。

0023

図4に概略的に示したように、該CPSドメインは、重複と、該重複成分のタンデム融合とによって生じているように見える;それゆえ、Nyunoya, H.らの論文(Journal of Biological Chemistry 260:9346-9356 (1985))に記載されているように、アミノ、及びCOOH末端の半分は、相同である。各々の相同性半分は、それぞれ40、及び20kDaのアミノ、及びCOOH末端ドメインを含み、該アミノ半分の40kDaのドメインは、炭酸水素塩リン酸化(炭酸水素塩リン酸化ドメイン、残基417〜788番目)(図2)に関与すると考えられる。該COOH半分に対応するドメインは、Alonso, E.、及びRubio, V.の論文(European Journal of Biochemistry 229:377-384 (1995))に記載されているように、残基969〜1329番目のカルバメートリン酸化ドメイン(図2)を介して、カルバメートのリン酸化に関与する。

0024

これらのリン酸化ドメインは、炭酸水素塩をリン酸化する、公知の三次元構造を有する酵素であるビオチンカルボキシラーゼ(Toh, H.らの論文(European Journal of Biochemistry 215:687-696 (1993)))、並びに、似た反応を触媒する2つの酵素DDリガーゼとグルタチオン合成酵素(GSHase)に相同的である(Artymiuk, P. J.らの論文(Nature Struct. Biol. 3:128-132 (1996)))。それゆえ、これらの酵素の情報は、CPSI欠損の患者における相同ドメインにおいて見出される変異を解明するのに有用である。

0025

再び図2を参照すると、該大サブユニット様領域の20kDaドメインの、残基789〜968番目のアミノ末端半分のドメインの機能は、確立されるべきものとして残されている。対照的に、残基1330〜1500番目の対応するC末端ドメインは、アロステリックドメインと呼ばれており、その理由は、Rodriguez-Aparicio, L. B.らの論文(Biochemistry 28:3070-3074 (1989))、及びCervera, J.らの論文(Biochemistry 35:7247-7255 (1996))に記載されているように、大腸菌酵素、UMP、及びIMPにおける、活性化因子CPSIの、n−アセチルグルタミン酸(NAG)、及びヌクレオチドエフェクターが、このドメインに結合するためである。

0026

(A.1.酵素プロセシング)
ヒトのCPSImRNAは、165kDa、1500アミノ酸のプレタンパク質をコードしている。この前駆体のアミノ末端は38残基を含み、8個の塩基性残基、及び1個の酸性残基を含み、該成熟酵素開始前にPro−Glyの4残基を有する。(Nyunoya, H.らの論文(Journal of Biological Chemistry 260:9346-9356 (1985)); Lagace, M.らの論文(Journal of Biological Chemistry 262:10415-10418 (1987))を参照されたい)この高度に保存されたシグナル配列は、酵素が、ミトコンドリアマトリクスに入ることを促進し、次にそこで切断され、160kDaの成熟酵素を産生する。

0027

(A.2.CPSIの通常発現)
CPSIの酵素活性は、妊娠5〜10週までのヒト胎児の肝臓において初めて検出された(Moorman, A. F.らの論文(Histochemical Journal 22:457-468 (1990))。妊娠20週までに、CPSI濃度は、正常な成人での濃度の約50%に達し、生まれるまでそれを維持し、その後20の成人での濃度へと徐々に増加する(Raiha, N. C. R. and Suihkonen, J. の論文(Acta Paediatrica Scand 57:121-127 (1968)))。CPSIの組織発現は、本来肝臓に限定され、腸、及び腎臓において微量な活性を有する。肝臓が、成人において、その成熟房状構造に成長したとき、CPSIは、小静脈門脈末端の周り実質細胞区分化される(Moorman, A. F.らの論文(Histochemical Journal 22:457-468 (1990)))。

0028

その区分化に加えて、いくつかの因子は、CPSI活性、及び発現の制御において重要であることが知られている。例えば、オルニチンが低濃度であるか、又は存在しないと、CPSI活性は低下する。これは、おそらく、Jackson, M. J.らの論文(Annual Review of Genetics 20:431-464 (1986)); 及びRubio, V.の論文(Biochemical Society Transactions 21:198-202 (1993))に記載されているように、カルバミルリン酸(CP)の蓄積による阻害効果のためである。CPSImRNA、及び酵素、双方の濃度は、高タンパク食とともに増加し、かつグルカゴン、及びグルココルチコイド応答して増加する(Jackson, M. J.らの論文(Annual Review of Genetics 20:431-464 (1986)); de Groot, C. J.らの論文(Biochemical & Biophysical Research Communications 124:882-888 (1984)))。通常の刺激されていない肝臓組織において試験され、豊富なCPSI mRNAが検出されている。

0029

(B.スクリーニング技術)
ここで開示される主題に従って、対象におけるアンモニア分解の減少、及びアルギニン産生の低下を生じる、次善尿素回路機能に感受性のスクリーニング方法は以下を含む:(a)該対象からの核酸試料を獲得する段階;(b)該対象からの核酸試料におけるカルバミルリン酸合成酵素I(CPSI遺伝子)の多型性を検出する段階であり、該多型の存在は、アンモニア分解の減少、及びアルギニン産生の低下を結果として生じる次善尿素回路機能に対して、対象の感受性を示唆する。ここで開示される主題に従って、該多型の検出は、骨髄移植毒性に対する対象の感受性の決定に関して、特に提供される。

0030

ここで開示される主題の多型は、本明細書中、及び実施例で開示されているように、BMT、又はバルプロ酸投与範囲を超えた多くの状況下において、毒性を予測するように使用してもよいことをさらに指摘する。また、該多型は、成人の肝硬変や、他の仲介毒性、及び肝臓機能が不全の新生児などの状況において、阻害されたアンモニア分解とアルギニン産生の仲介、又は調節に関与する。
本明細書中、及び特許請求の範囲で使用されているように、"多型"という用語は、母集団における、2以上の一般的に決定された選択的配列、又は対立遺伝子の発生を意味する。多型マーカーは、相違が発生する位置の遺伝子座である。典型的なマーカーは、少なくとも2つの遺伝子座を有し、各々は1%よりも高い頻度で起こる。多型遺伝子座は、一塩基対ほど小さくてもよい。

0031

ここで開示される主題の有用な核酸分子は、4340番目の塩基のCからAへのトランスバージョンの領域内、及びトリプレット暗号がACCからAACへ変換されるエキソン36の範囲内において、CPSI配列と特異的にハイブリダイズするものを含む。このトランスバージョンは、該コード化CPSIポリペプチドにおいて、T1405Nの変化を導く。通常これらは、少なくとも20ヌクレオチドの長さであり、コンセンサスCPSIcDNA配列(EC6.3.4.16)の4340番目の塩基において、CからAへのトランスバージョンの領域に対応するヌクレオチド配列を有する。これは、ACCからAACへとトリプレット暗号が変換される。本明細書中に用いられている"コンセンサス配列"という用語は、CPSIにおける核酸、又はタンパク質配列を意味し、該核酸、又はアミノ酸は、正常な機能を有するタンパク質をコードしている遺伝子を運ぶ個体群において、高頻度で発生することが知られている。すなわち、該核酸は正常な機能も有する。

0032

提供される核酸分子は、放射性ラベル蛍光ラベル酵素ラベル配列タグなどのような、技術的に公知の技術に従って標識化することができる。ここで開示される主題の他の態様に従って、核酸分子は、4340番目の塩基においてCからAへのトランスバージョンを含む。そのような分子は例えば、対象の家族を通じて、特定の変異を追跡する、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブとして使用され得る。
身体試料は、該CPSI遺伝子が、4340番目の塩基において、CからAへのトランスバージョンを含むかどうかを決定するために試験することができる。試験に適した身体試料は、生体検査から得られたDNA、RNA、又はタンパク質を含むものを含有し、例えば、生体検査組織の肝臓、及び腸;又は出生前の血液;又は胚組織を含む。

0033

ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、一対の単離オリゴヌクレオチドプライマーを提供する: 5' −AGCTGTTTGCCACGGAAGCC− 3'(配列番号:6) 、及び5'− CCCAGCCTCTCTTCCATCAGAAAGTAAG −3'(配列番号:7)。これらのプライマーは、CPSIエキソン36(ここで開示される主題の多型の位置)、かつ関連したイントロン性配列(配列番号:5)に由来し、かつ119塩基対フラグメントを産生する。CPSIエキソン36(ここで開示される主題の多型の位置)、関連したイントロン性配列 (配列番号:5)に由来する他のプライマーは、配列番号8〜10と、図10、及び実施例2(配列番号15、及び16)で提供される。

0034

該オリゴヌクレオチドプライマーは、BMT合併症、又は毒性の結果として生じ得るような、高アンモニア血症の危険がある対象の診断に有用である。該プライマーは、配列決定前に標的ポリヌクレオチドの増幅を指示する。これらの特有のCPSIエキソン36オリゴヌクレオチドプライマーは、エキソン36におけるCからAへのトランスバージョンの同定に基づいてデザインされ、かつ生産された。

0035

ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、単離された対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを提供する。また、それに類似した配列を、ここに開示される主題において提供する。該対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドは、BMT合併症、又は毒性として生じ得る、高アンモニア血症の危険がある対象の診断に有用である。これらの特有のCPSIエキソン36オリゴヌクレオチドプライマーは、エキソン36におけるCからAへのトランスバージョンの同定に基づいてデザインされ、かつ生産された。

0036

"実質的に相補的"、又は"実質的な配列"という用語は、ストリンジェント条件下において、提供される配列(例えば、配列番号:5〜10)とハイブリダイズする配列、及び/又はここで開示される主題の対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドが、該配列とハイブリダイズするような配列番号:5〜10のいずれかに十分な相同性を有する配列を意味する。本明細書中で用いられる"単離"という用語は、関連し得る他の核酸、タンパク質、脂質、炭水化物、又は他の物質が実質的にフリーのオリゴヌクレオチドを含み、前記関連とは、細胞物質、又は合成媒体である。"標的ポリヌクレオチド"又は"標的核酸"は、例えば、CPSI−コード化ポリヌクレオチドのような対象の核酸配列を意味する。プライマーハイブリダイゼーションに用いることができる他のプライマーは、本開示のCPSI多型に基づいて、当業者にすぐに確認され得る。

0037

ここで開示される主題のプライマーは、多型遺伝子座の多くの核酸上の重合開始を提供するように、十分な長さがあり、かつ適切な配列のオリゴヌクレオチドを含む。該CPSI遺伝子座を、図5に概略的に示す。特に、本明細書中で用いられる"プライマー"という用語は、いくつかの実施態様において、2つ以上のデオキシリボヌクレオチド、又はリボヌクレオチドを含む配列であり、いくつかの実施態様では3つ以上であり、いくつかの実施態様では8つよりも多く、かつ、いくつかの実施態様では、該CPSI遺伝子(該DNA配列は、配列番号:1、及び3に含まれるCPSIに対して4340番目の塩基でCからAへのトランスバージョンを含む。)の少なくとも約20ヌクレオチドを含む。CPSIに対して4340番目の塩基でシトシン(C)を含む対立遺伝子は、本明細書中では、"CPSIa対立遺伝子"、"T1405対立遺伝子"、又は"スレオニン−コード化対立遺伝子"と呼ぶ。CPSIに対して4340番目の塩基でアデノシン(A)を含む対立遺伝子は、本明細書中では、"CPSIb対立遺伝子"、"N1405対立遺伝子"、又は"アルギニン−コード化対立遺伝子"と呼ぶ。

0038

また、ここで開示される主題に従って、該CPSI遺伝子のCPSIa対立遺伝子とCPSIb対立遺伝子とを識別するオリゴヌクレオチドを提供する。前記オリゴヌクレオチドは、前記ヌクレオチド4340がアデノシンである場合、前記CPSIに対応するcDNAのヌクレオチド4340を含む前記CPSI遺伝子の一部分とハイブリダイズするが、前記ヌクレオチド4340がシトシンである場合、前記CPSI遺伝子の前記部分とハイブリダイズしない。また、ここで開示される主題に従って、該CPSI遺伝子のCPSIaとCPSIb対立遺伝子とを識別するオリゴヌクレオチドを提供する。前記オリゴヌクレオチドは、前記ヌクレオチド4340がシトシンである場合、前記CPSIに対応するcDNAのヌクレオチド4340を含む前記CPSI遺伝子の一部分とハイブリダイズするが、前記ヌクレオチド4340がアデノシンである場合、前記CPSI遺伝子の前記部分とハイブリダイズしない。いくつかの実施態様において、前記オリゴヌクレオチドは、10〜30塩基の長さである。さらに、前記オリゴヌクレオチドは、検出可能なラベルを含むことができる。

0039

合成を助長する環境条件は、ヌクレオシド三リン酸、及びDNAポリメラーゼなどの重合化薬剤の存在、並びに、適切な温度、及びpHを含む。いくつかの実施態様において、該プライマーは、増幅の最大効果のために一本鎖であるが、二本鎖とすることができる。二本鎖の場合、該プライマーは、伸長産物調製に使用される前に、初めに、その鎖を分離するように処理される。該プライマーは、重合用に含有した試薬の存在下で、伸長産物の合成を準備するために十分に長くなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、緩衝液、及びヌクレオチド組成を含む多くの因子に依存するであろう。通常、該オリゴヌクレオチドプライマーは、12−20、もしくはそれ以上のヌクレオチドを含むが、より少ないヌクレオチドを含んでもよい。

0040

ここで開示される主題のプライマーは、増幅されるべきゲノム遺伝子座のそれぞれの鎖に対して、"実質的に"相補的になるように設計される。これは、該プライマーが、重合化薬剤の作用条件下で、これらの各々の鎖とハイブリダイズするように有意に相補的でなければならないことを意味する。言い換えると、該プライマーは、該トランスバージョンの側方の5'、及び3'配列とハイブリダイズし、かつ該ゲノム遺伝子座の増幅が可能になるように、そこと有意に相補的であるべきである。

0041

ここで開示される主題のオリゴヌクレオチドプライマーは、関連する反応ステップ数に対して、指数関数的な量の多型性遺伝子座を生成する酵素的連鎖反応の増幅方法に使用される。通常、1つのプライマーは、該多型性遺伝子のマイナス(−)鎖に相補的であり、かつ他は、プラス(+)鎖に相補的である。変性核酸に該プライマーをアニーリングし、続いて、大きいフラグメントのDNAポリメラーゼΙ(Klenow)、及びヌクレオチドなどの酵素で伸長し、該標的多型遺伝子座配列を含む新規に合成された+、及び−鎖を生じる。また、これらの新規に合成された配列は鋳型であるため、変性、プライマーのアニーリング、及び伸長を繰り返し、該プライマーによって規定された(すなわち、ターゲット多型性遺伝子座)領域を指数関数的に生成する。該連鎖反応の産物は、使用された特異的プライマー末端に相当する末端を有する、分別ある核酸二量体である。

0042

ここで開示される主題のオリゴヌクレオチドプライマーは、従来のリン酸トリエステル、及びリン酸ジエステル法、又は、それらの自動化された実施態様のような、いくつかの適切な方法を使用して調製され得る。いくつかの自動化された実施態様において、ジエチルホスホラミダイトを、開始物質として用い、かつBeaucageらの論文(Tetrahedron Letters 22:1859 1862 (1981))に記述されているように合成してもよい。修飾された固相支持体上でのオリゴヌクレオチド合成方法の1つは、米国特許第4,458,066号に記載されている。

0043

精製、又は未精製形態の核酸標本は、それが、該多型遺伝子座含有核酸配列を含むか、又は含んでいるであろう場合に、開始核酸又は酸として使用することができる。従って、該方法は、例えばメッセンジャーRNAを含むDNA、又はRNAを増幅してもよい。該DNA、又はRNAは、一本鎖、又は二本鎖であってもよい。RNAが、鋳型として使用される場合、該鋳型のDNAへの逆転写に最適な酵素、及び/又は条件が利用されるであろう。さらに、それぞれ一本鎖を含むDNA-RNAハイブリッドを利用してもよい。また、核酸混合物を使用してもよく、或いは、同一、又は異なるプライマーを使用して、本明細書中の増幅反応前に生成した核酸を利用してもよい。増幅されるべき特異的核酸配列、すなわち該多型性遺伝子座は、大きな分子の一部分であってもよく、又は初めに、個々の分子として存在することができ、それにより、該特異的配列は、全核酸を構成する。増幅されるべき配列は、最初、純粋な形態で存在し;全ヒトDNAに含まれるような複合体混合物マイナー部分であってもよい。

0044

本明細書中で利用されるDNAは、Molecular CloningにおいてManiatisらによって記載された技術などの様々な技術により、血液、及び組織(いくつかの実施態様では、肝臓組織)などの体試料から抽出されたものであり得る:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, N.Y., p 280 281 (1982)を参照されたい。その抽出された試料が混合物である場合、増幅前に、該細胞、又は該試料の動物細胞膜を開き、かつ該核酸の鎖の露出、及び/又は分離に有効な試薬量を用いて、それを処理することができる。該鎖を露出し、かつ分離する溶解、及び核酸変性ステップにより、増幅をさらに容易に起こすことができるであろう。

0045

デオキシリボヌクレオチド三リン酸であるdATP、dCTP、dGTP、及びdTTPを、プライマーと共に、又は別々に、適当量の該合成混合物に加え、得られた溶液を、約1から10分、いくつかの実施態様では1から4分、90から100℃に加熱する。この加熱の後に、該溶液を、プライマーハイブリダイゼーションが可能になるまで冷却する。その冷却された混合物に、プライマー伸長反応に効果的な適切な試薬(本明細書中で"重合化薬剤"と呼ばれる)を加え、かつ該反応を、技術的に公知の条件下で行う。また、該重合化薬剤を、熱安定性の他の試薬とともに加えてもよい。この合成(又は増幅)反応は、室温から該重合反応が機能しない温度までで起こすことができる。従って、例えば該薬剤としてDNAポリメラーゼを用いる場合、該温度は一般的に約40℃以下である。最も都合良い該反応は、室温で起こる。

0046

該重合化薬剤は、酵素を含むプライマー伸長産物の合成を達成するように機能するであろう全ての化合物、又は系であり得る。この目的に適した酵素には、例えば、E.コリDNAポリメラーゼI、E.コリDNAポリメラーゼのクレノウフラグメント(Klenow fragment)、ポリメラーゼ突然変異タンパク質、逆転写酵素、Taqポリメラーゼのような熱安定性酵素(すなわち、変性を起こすのに十分に上がった温度にした後に、プライマー伸長を行う酵素)を含む他の酵素が含まれる。適切な酵素は、それぞれの多様型遺伝子座核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の形成に適した方法で、ヌクレオチドの連結を促進するであろう。一般的に、その合成法は、それぞれのプライマーの3'末端で開始し、合成が終結するまで、鋳型鎖に沿って5'方向へと進み、異なった長さの分子を生成する。

0047

新規に合成された鎖、及びその相補的核酸鎖は、上記のハイブリダイズ条件下で二本鎖分子を形成するであろう。このハイブリッドは、該方法の次のステップで使用される。その次のステップにおいて、新規に合成された二本鎖分子を、上記の幾つかの手順を用いて変性条件にさらし、一本鎖分子を生成する。
変性、アニーリング、及び伸長産物合成のステップは、必要なだけ繰り返して、検出に必要な程度に標的多型性遺伝子座核酸配列を増幅する。生成される特異的核酸配列の量は、指数関数的種類に蓄積するであろう(PCR. A Practical Approach,ILR Press, Eds. McPhersonらの文献. (1992))。

0048

増幅産物は、放射性プローブを用いる、又は用いないサザンブロット分析によって検出することができる。そのような方法の1つにおいて、例えば、該多型遺伝子座の核酸配列のきわめて低いレベルを含む小さなDNA試料を増幅し、かつサザンブロッティング技術を介して、又は類似のドットブロット分析を用いて解析される。非放射性プローブ、又はラベルの使用は、高レベルの増幅シグナルによって促進される。あるいは、増幅産物検出に使用されるプローブを、例えば、ラジオアイソトープ蛍光性化合物生物発光性化合物、化学発光性化合物金属キレーター、又は酵素を用いて、直接的に、又は間接的にラベルすることができる。当業者は、該プローブに結合する他の適切なラベルを理解しているであろう、又は慣例実験を用いて、それらを確認することができるであろう。

0049

ここで開示される主題の方法により増幅された配列を、溶液中か、又は固相支持体に結合した後で、ジデオキシシークエンシング(dideoxy sequencing)、PCR、オリゴマー制限(Saikiらの論文(Bio/Technology 3:1008 1012 (1985)))、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)プローブ解析(Connerらの論文(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 80:278 (1983)))、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(oligomucleotide ligation assays)(OLAs)(Landgrenらの論文(Science 241:1007, (1988)))などの特異的DNA配列検出に通常適用される方法により、評価、検出、クローニング、及び配列決定などを行うことができる。

0050

いくつかの実施態様において、増幅方法は、本明細書中、及び米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,965,188号(それぞれは引用により組み込まれている。)に記載されているように、PCRによるものであり、かつ当業者によって一般的に使用されている。別の増幅方法が評されており、かつ、それは、ここで開示された主題のプライマーを用いてPCRにより増幅されたCPSI遺伝子座が、該別の方法により同様に増幅されるのであれば、利用することができる。そのような別の増幅系には、対象のRNAの短い配列とT7プロモータとを用いて始まる自己持続配列複製があるが、これに制限されない。逆転写酵素は、該RNAからcDNAへとコピーし、かつ該RNAを分解し、続いてDNAの第二の鎖を逆転写酵素重合する。

0051

他の核酸増幅技術は、核酸配列に基づいた増幅(NASBA(商標))であり、これは、逆転写酵素とT7RNAポリメラーゼとを用い、かつ2つのプライマーが、その循環スキームを標的とするように組み込まれる。NASBA(商標)増幅は、DNA、又はRNAのどちらかを用いて始め、どちらかで終わることができ、かつ60から90分の間で、約108コピーに増幅する。

0052

代わりに、核酸を、ライゲーションアクティベーテッドトランスクリプション(ligation activated transcription)(LAT)によって増幅することができる。LATは、部分的に一本鎖であり、かつ部分的に二本鎖であるプライマーを1つ有する一本鎖鋳型から作用する。増幅は、数時間内にcDNAがプロモータオリゴヌクレオチドへライゲーションすることによって開始され、増幅は、約108から約109倍である。QBレプリカーゼ系は、MDV1とよばれるRNA配列を、対象のDNA配列に相補的なRNAに結合することにより利用され得る。試料と混合すると、該ハイブリッドRNAは、標本のmRNAからその相補的部分を見つけ出し、結合し、レプリカーゼを活性化させ、対象の配列に沿ってタグをコピーする。

0053

他の核酸増幅技術は、リガーゼ連鎖反応(LCR)であり、試料中の連続的な配列の存在下、リガーゼによって共有結合される対象の配列の2つの異なったラベル化体の半分を用いることにより機能する。修復連鎖反応(repair chain reaction)(RCR)核酸増幅技術は、2つの相補的、かつ標的特異的オリゴヌクレオチドプローブ対、熱安定性ポリメラーゼ及びリガーゼ、並びに標的化配列幾何学的に増幅するDNAヌクレオチドを使用する。2塩基のギャップが、該オリゴプローブ対を分離し、かつ該RCRが、通常のDNA修復模倣して、該ギャップを埋め、かつ連結する。

0054

鎖置換反応(SDA)による核酸増幅は、標的DNAが結合する5'末端の短い突出部とともにHincII認識部位を含む、短いプライマーを使用する。DNAポリメラーゼは、硫黄含有アデニン類似体とともに、該突出部の反対のプライマー部分を埋める。HincIIを加え、未修飾DNA鎖のみを切断する。5'エキソヌクレアーゼ活性欠如したDNAポリメラーゼは、ニック部位入り、かつ重合を始め、下流の始めのプライマーを置換し、かつプライマーとして働く新しい鎖を作る。

0055

SDAは、37℃、2時間で約107倍を超える増幅をする。PCR、及びLCRとは異なり、SDAは、備えた温度循環を必要としない。ここで開示される主題の方法に有用な他の増幅システムは、QBレプリカーゼシステム(QB Replicase System)である。PCRは、ここで開示される主題の典型的な増幅方法であるが、これらの他の方法は、ここで開示される主題の方法に記載した該CPSI遺伝子座の増幅にも使用され得る。従って、本明細書中、及び特許請求の範囲中で用いられる"増幅技術"という用語は、すべての先の方法を含むことを意味している。

0056

ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、ジデオキシ配列決定、いくつかの実施態様においては、次の標的核酸増幅により、対象由来試料の標的核酸を配列決定することを含む、高アンモニア血症(その危険性がある)の素因、又は高い感受性を有する対象を診断、又は同定する方法を提供する。
ここで開示される主題のいくつかの実施態様において、対象由来試料と該CPSI多型の存在を検出する試薬とを接触させ、かつ該試薬を検出することを含む、高アンモニア血症(その危険性がある)の素因、又は高い感受性を有している対象を診断する方法を提供する。

0057

他の方法は、対象由来試料の標的核酸と、4340番目の塩基、すなわちエキソン36内における、CからAへのトランスバージョンの存在を検出する試薬とを接触させ、かつ該トランスバージョンを検出することを含む。多くのハイブリダイゼーション方法は、当業者に周知である。それらの多くは、ここで開示される主題を行う上で有用である。

0058

肝中心静脈閉塞症(HVOD)は、骨髄移植(BMT)において共通の毒性である。それは約20〜40%の患者において起こり、かつ深刻な罹患率、及び死亡率に関連している。ここで開示される主題に従って、不均衡証拠を同定する目的で、BMTを受けたHVOD、及び非HVODグループにおいて、両方のCPSI対立遺伝子の頻度を試験した。その結果は、本明細書中で開示したCPSI多型が、BMT毒性に対する感受性に影響することを示した。従って、該CPSI多型の検出を介した、BMT毒性、特にHVODに対する感受性のための対象のスクリーニング方法を、ここで開示される主題に従って提供する。

0059

ここで開示される主題の方法に使用される物質は、理論的に、診断キットの調製に適している。そのようなキットは、バイアル、及びチューブなどを意味する密接に閉じ込める1以上の容器内に運ぶように区画化されているものを意味するキャリアーを含む。該容器の各々は、該方法に使用される分離成分の1つを含むことを意味する。例えば、該容器の1つは、CPSI DNAの増幅手段を含んでいてもよく、該手段は、該対象由来の前記標的DNAの増幅に必須の酵素、及びオリゴヌクレオチドプライマーを含む。

0060

該オリゴヌクレオチドプライマーは、これらに制限されないが、配列番号:6〜10、又はそれに対して実質的に相補的、又は実質的に相同的なプライマー配列を含む群から選択される配列を有するプライマーを含む。標的フランキング5'、及び3'ポリヌクレオチド配列は、実質的に、配列番号:5に記載されている配列、及びそれに対して実質的に相補的、又は相同的な配列を有する。CPSI増幅のための他のオリゴヌクレオチドプライマーは、本明細書中で示した、ここで開示される主題の開示で与えられ、当業者に公知であるか、又は容易に確認されるであろう。

0061

ここで開示される主題に従ったキットは、対象から得られた生体試料から抽出した核酸試料に対する試薬をさらに含み得る。当業者に容易に明白である前記試薬の全ては、ここで開示される主題の範囲内に含まれることが意図される。特定の例として、該核酸試料を捕捉するためのガラスビーズの懸濁液、及び該ガラスビーズの核酸試料を溶出するための溶出緩衝液を有する、該組織に適切な溶解緩衝液は、対象から得られた生体試料から核酸を抽出するための試薬を含む。

0062

他の例は、GENOMICISOLATIONKIT A.S.A.P.(商標)(Boehringer Mannheim, Indianapolis, Ind.)、ゲノムDNA単離システム(Genomic DNA Isolation System)(GIBCOBRL, Gaithersburg, Md.)、ELU−QUIK(商標)DNA精製キット(Schleicher & Schuell, Keene, N.H.)、DNA抽出キット(Stratagene, La Jolla, Calif.)、及びTURBOGEN(商標)単離キット(Invitrogen, San Diego, Calif.)などの商業的に利用できるものを含む。製造業者の指示に従った、これらのキットの使用は、ここで開示される主題の方法の実施前に、DNAの精製に許容できる。

0063

(C.CPSI−コード化ポリヌクレオチド、及びそれによってコードされたCPSIポリペプチドに作用する規定)
ここで開示される主題に従って、精製され、かつ単離されたCPSI−コード化ポリヌクレオチド、及びそれによってコードされたCPSIポリペプチドを提供する。特に提供されるCPSI−コード化ポリヌクレオチドは、CPSI遺伝子の4340番目の塩基、すなわちエキソン36内におけるCからAへのトランスバージョンを含む、CPSIコードポリヌクレオチドを含む。それは、トリプレット暗号をACCからAACに変化し、かつコード化CPSIポリペプチド中でT1405N変換を導く。特に、該T1405N変換を含むコード化CPSIポリペプチドも提供する。 従って、対立遺伝子多型ポリヌクレオチド、及びそれよってコードされたポリペプチドを、ここで開示される主題に従って提供する。さらにまた、前記CPSIポリペプチドをコードしているCPSI−コード化ポリヌクレオチドであるように、生物学的に活性なCPSIポリペプチドを、ここで開示される主題に従って提供する。例証的生物学的活性は、該尿素回路の第一段階を仲介する生物学的活性、及び抗CPSI抗体と交差反応する生物学的活性を含む。

0064

提供されるCPSI−コード化ポリヌクレオチド、及びポリペプチドは、当業者に公知であるように、該尿素回路の生物学的重要性を与えられた広範な有用性を有する。例を通して、該CPSI−コード化ポリヌクレオチド、及びポリペプチドは、生物学的試料中で、ここで開示される主題のタンパク質、及び核酸の存在を検出するために使用されるスクリーニングアッセイ、及びアッセイキットの調製に有用である。さらに、単離され、かつ精製されたポリペプチドは、家畜用飼料添加剤として有用性を有し、従って、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、該ポリペプチド産生に有用である。
いくつかの実施態様において、提供されるCPSIポリヌクレオチド、及びポリペプチドは、脊椎動物、及び無脊椎動物から単離される。従って、制限されないが哺乳類、酵母、及び細菌ホモログを含むCPSIホモログを、ここで開示される主題に従って提供する。CPSIメンバーの代表的な哺乳類ホモログは、ラット、及びヒトホモログを含むが、これに限定されない。

0065

"CPSI遺伝子産物"、"CPSIタンパク質"、及び"CPSIポリペプチド"という用語は、CPSIの天然アミノ酸配列と実質的に同一であり、かつ該尿素回路中のカルバミルリン酸合成を仲介し、かつCPSIポリペプチド対して上昇する抗CPSI抗体と交差反応することができるという点で生物学的に活性なアミノ酸配列を有する、タンパク質を意味する。

0066

また、"CPSI遺伝子産物"、"CPSIタンパク質"、及び"CPSIポリペプチド"は、少なくとも、天然CPSI遺伝子産物に共通の幾つかの生物学的活性を示すCPSI分子類似体を含む。さらに、突然変異誘発にたずさわる当業者は、未公表、又は未知の他の類似体を、CPSI類似体の構築使用可能であることを理解するであろう。"CPSI遺伝子産物"、"CPSIタンパク質"、又は"CPSIポリペプチド"は、天然CPSI遺伝子産物のアミノ酸配列の全て、又は実質的に全てを含む必要性はない。より短い、又はより長い配列は、ここで開示される主題に役立つことが予想される。 従って、また、"CPSI遺伝子産物"という用語は、融合、又は組換えCPSIポリペプチド、及びタンパク質を含む。前記タンパク質の調製方法は、本明細書中に記載されている。

0067

"CPSI−コード化ポリヌクレオチド"、"CPSI遺伝子"、"CPSI遺伝子配列"、及び"CPSI遺伝子分節"という用語は、上記に定義されたように、CPSI遺伝子産物、CPSIタンパク質、又はCPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列と実質的に同一な、全てのDNA配列を意味する。また、該用語は、そのようなDNA配列に対応するRNA、又はアンチセンス配列を意味する。また、"CPSIコードポリヌクレオチド"、"CPSI遺伝子"、"CPSI遺伝子配列"、及び"CPSI遺伝子分節"は、関連した制御配列の全ての組合せを含んでもよい。

0068

"実質的に同一"という用語は、CPSI遺伝子産物、又はCPSIアミノ酸配列、又はCPSI遺伝子、又はCPSI核酸配列のいずれかを規定するように使用される場合、特定の配列、例えば、変異配列が、1以上の欠失、置換、又は付加によって天然CPSI配列と異なるが、その正味効果は、CPSIの少なくとも幾つかの生物学的活性を保持していることを意味する。あるいは、DNA類似配列は、下記のような場合、本明細書中で開示した特異的DNA配列と"実質的に同一"である:(a)該DNA類似配列が、天然CPSI遺伝子のコード領域に由来する;又は(b)該DNA類似配列が、中程度のストリンジェント条件下で、(a)のDNA配列のハイブリダイゼーションを可能にし、かつそれは、生物学的に活性なCPSI遺伝子産物をコードしている;又は(c)該DNA配列が、(a)、及び/又は(b)で規定された該DNA類似配列の遺伝暗号の結果として変性する場合である。実質的に同一の類似タンパク質は、天然タンパク質の対応する配列に対して、約60%を超えて同一である。類似性の程度が低いが、同程度の生物学的活性を有する配列は、均等と考えられる。核酸配列の決定において、実質的に類似したアミノ酸配列をコードすることができる全ての対象の核酸配列は、コドン配列中の違いにも関わらず、参照核酸配列に対して実質的に類似していると考えられる。

0069

(C.1.パーセント類似性)
パーセント類似性は、例えば、ウイスコンシン大学遺伝学者コンピューターグループ(the University of Wisconsin Geneticist Computer Group)から利用可能なGAPコンピュータープログラムを使用した配列情報の比較によって決定され得る。該GAPプログラムは、Smith ら(Adv. Appl. Math. 2:482 (1981))によって改正された、Needlemanら(J. Mol. Biol. 48:443 (1970))の整列方法を使用している。手短に言えば、該GAPプログラムは、短い2つの配列中の記号総数によって分割された、類似した整列記号(すなわち、ヌクレオチド、又はアミノ酸)の数として、類似性を規定する。該GAPプログラムにおける代表的既定パラメータは、下記のものを含む:(1)ヌクレオチドの単位比較マトリクス(同一に対しては1、及び非同一に対しては0の値を含む)、及びSchwartzら(Atlas of Protein Sequence and Structure, National Biomedical Research Foundation, pp. 357-358 (1979))によって記載されているような、Gribskovら(Nucl. Acids. Res. 14:6745 (1986))の計量された比較マトリクス;(2)それぞれのギャップに対して3.0のペナルティ、及びそれぞれの記号、及びそれぞれのギャップに対してさらに0.01のペナルティ;及び(3)終末ギャップは、ペナルティなしである。他の比較技術を、実施例に記述する。

0070

"相同性"という用語は、類似した機能、又はモチーフを有する遺伝子、又はタンパク質を同定するために使用される、配列類似性の数学的に基づいた比較を示す。従って、"相同性"という用語は、上記で規定した"類似性"、及び"パーセント類似性"という用語と同義である。それゆえ、"実質的相同性"、又は"実質的類似性"というは、類似した意味を有する。

0071

(C.2.核酸配列)
特定の実施態様において、ここで開示される主題は、それぞれの配列内にCPSI遺伝子の本質的配列である配列を含むCPSI遺伝子、及び遺伝子産物、又は対応するタンパク質の使用に関連するものである。"CPSI遺伝子の配列として本質的な配列"という用語は、該配列が、CPSIポリペプチド、又はCPSIコードポリヌクレオチドの一部分と実質的に一致し、かつCPSIタンパク質、又はCPSI遺伝子の塩基、又はアミノ酸と同一でない塩基、又はアミノ酸(DNA、又はタンパク質のどちらか)を比較的少数有する(又は、タンパク質が参照される場合、生物学的機能均等性である)ことを意味する。"生物学的機能均等性"という用語は、技術的に理解され、さらに本明細書中に詳細に規定されている。従って、CPSIタンパク質のアミノ酸、又はCPSI遺伝子に同一、又は機能的に均等であるアミノ酸を、いくつかの実施態様において約70%〜約80%、いくつかの実施態様において約81%〜約90%、及びいくつかの実施態様において約91%〜約99%の有する配列は、"本質的に同一"である配列であろう。

0072

また、機能的に均等なコドンを有するCPSI遺伝子産物、及びCPSI遺伝子は、ここで開示される主題の範囲にわたる。"機能的に均等なコドン"という用語は、アルギニン、又はセリンの6個のコドンのような、同じアミノ酸をコードするコドンを意味し、かつ生物学的均等性のアミノ酸をコードするコドンを意味するように、本明細書中で使用される(表1参照)。

0073

0074

また、アミノ酸、及び核酸配列は、付加的なN、又はC末端アミノ酸、或いは5'、又は3'配列のような付加的な残基を含むことができ、かつタンパク質発現に関連する場合に、該配列が生物学的タンパク質活性の維持を含む上記基準に出会うまで、本明細書中で開示される配列の1つに本質的に記載されていることが理解されるであろう。末端配列の付加は、特に核酸配列に適用され、例えば、コード領域の5'、又は3'部分のどちらかの側方の様々な非コード配列を含み得るか、又は遺伝子中に見出されることが知られる様々な内部配列、すなわちイントロンを含み得る。

0075

また、ここで開示される主題は、明細書中に示した配列に相補的であるか、又は本質的に相補的であるDNA分節の使用を含む。"相補的"である核酸配列は、標準ワトソン-クリック相補則に従った塩基対である。本明細書中で使用されているように、"相補的配列"という用語は、実質的に相補的である核酸配列を意味し、上述した同一ヌクレオチド比較によって評価してもよい。又は本明細書中で開示されるような比較的ストリンジェントな条件下で、該核酸分節とハイブリダイズすることができるように規定される。意図された相補的核酸分節の特定の例は、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。

0076

核酸ハイブリダイゼーションは、塩濃度、温度、又は有機溶媒などの条件、さらに、塩基組成相補鎖の長さ、及びハイブリダイズする核酸間でのヌクレオチド塩基ミスマッチの数に影響され、これは、当業者により容易に理解されるであろう。ストリンジェント温度条件は、一般的に30℃より上、典型的には37℃より上、及びいくつかの実施態様においては45℃より上の温度を含むであろう。ストリンジェント塩条件は、通常1000mM未満、典型的には500mM未満、及びいくつかの実施態様において200mM未満であろう。しかし、パラメータの組合せは、どの単一パラメータの尺度よりもさらに重要である(Wetmur、及びDavidson、J. Mol. Biol. 31:349-370 (1968)を参照されたい。)。

0077

また、プローブ配列は、特定条件下二本鎖DNAと特異的にハイブリダイズし、三本鎖、又は他の高次のDNA複合を形成することができる。前記プローブ調製、及び適切なハイブリダイゼーション条件は、当業者に周知である。
本明細書中で使用されているように、"DNA分節"という用語は、特定の種の全ゲノムDNAのない、単離されたDNA分子を意味する。さらに、CPSIポリペプチドをコードしているDNA分節は、CPSIコード配列を含むDNA分節を意味するが、ホモサピエンスなどの源種の全ゲノムDNAから離れて単離されたか、又は精製されたものである。"DNA分節"という用語に含まれているのは、DNA分節、及び前記分節の小さなフラグメント、並びに、例えば、プラスミドコスミドファージ、及びウイルスなどを含む組換えベクターでもある。

0078

同様に、単離、又は精製されたCPSI遺伝子を含むDNA分節は、他の自然発生的遺伝子、又はタンパク質をコードしている配列から実質的に離れて単離された、CPSIをコードしている配列を含むDNA分節を意味する。この観点において、"遺伝子"という用語は、機能タンパク質、ポリペプチド、又はペプチドコード単位を意味するように、簡潔に使用される。当業者によって理解されているように、この機能的用語は、ゲノム配列、及びcDNA配列の両方を含む。"他をコードしている配列から実質的に離れて単離された"は、対象の遺伝子、この場合、CPSI遺伝子を意味し、DNA分節のコード領域の有意な部分を形成し、かつ該DNA分節は、大きな染色体断片、又は他の機能遺伝子、又はcDNAコード領域などの自然発生的コードDNAの大きな部分は含まない。もちろん、これは、最初に単離されたDNA分節を意味し、人の手によって該分節に後で付加される遺伝子、又はコード領域を排除しない。

0079

特定の実施態様において、ここで開示される主題は、そのアミノ酸配列中に配列番号:2、4、12、及び14の任意のアミノ酸配列を含むCPSIポリペプチドをコードしている単離されたDNA分節、及びDNA配列を組み込んだ組換えベクターに関連するものである。他の特定の実施態様において、ここで開示される主題は、そのアミノ酸配列中にヒト組織に対応するCPSIポリペプチドのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードしている単離されたDNA分節、及びDNA配列を組み込んだ組換えベクターに関連するものである。

0080

また、ここで開示される主題は、配列番号1〜4、及び11〜14の特定の核酸、及びアミノ酸配列に限定されないことが理解されるであろう。従って、組換えベクター、及び単離されたDNA分節は、CPSIポリペプチドコード領域自体を多様に含み、基本コード領域内の選択された変更、又は改質を有するコード領域を含み、又はCPSIポリペプチドコード領域を含む、コードされた大きなポリペプチドを含むことができ、或いは、アミノ酸配列に変異を有する生物学的機能均等性のタンパク質、又はペプチドをコードすることができる。

0081

特定の実施態様において、ここで開示される主題は、そのアミノ酸配列中に配列番号2、4、12、及び14のいずれかに本質的に記載されたアミノ酸配列を含むタンパク質、又はペプチドをコードする単離されたDNA分節、及び組換えベクターに関連するものである。自然に、DNA分節、又はベクターが、全長CPSI遺伝子産物をコードする場合、典型的な核酸配列は、配列番号1、3、11、及び13のいずれかに本質的に記載され、かつ尿素回路において活性を示すタンパク質をコードしている配列であり、それは、例えば、本明細書中の実施例3に開示されているように、アンモニアからカルボニルリン酸の産生を検出するための比色分析によって決定され得る。

0082

"配列番号2、4、12、及び14のいずれかに本質的に記載の配列"という用語は、配列番号2、4、12、及び14のいずれかの部分アミノ酸配列に実質的に対応する配列が、配列番号2、4、12、及び14のいずれかのアミノ酸配列のアミノ酸と同一、又は生物学的機能均等性でない比較的少数のアミノ酸を有することを意味する。"生物学的機能均等性"という用語は、 当業者によく理解され、かつさらに本明細書中において詳細に規定されている。従って、配列番号2、4、12、及び14のいずれかのアミノ酸に同一、又は機能的に均等であるアミノ酸配列を、いくつかの実施態様において約70%〜約80%、いくつかの実施態様において約81%〜約90%、及びいくつかの実施態様において約91%〜99%有する配列は、"配列番号2、4、12、及び14に本質的に記載の配列"である配列であろう。

0083

特定の実施態様において、ここで開示される主題は、遺伝子治療方法に関連し、ヒト組織に由来する配列を含む、そのアミノ酸配列内に配列番号2、4、12、及び14のいずれかのアミノ酸配列を含むタンパク質をコードしている単離されたDNA分節、及びDNA配列を組み込んだ組換えベクターを使用する。他の特定の実施態様において、ここで開示される主題は、そのアミノ酸配列中にヒト肝組織由来のCPSIタンパク質のアミノ酸配列を含むタンパク質をコードする単離されたDNA配列、及びDNA配列を組み込んだ組換えDNAベクターに関連するものである。

0084

特定の他の実施態様において、ここで開示される主題は、核酸配列内に、配列番号1、3、11、及び13のいずれかに本質的に記載されている核酸配列を含むDNA分節、及び組換えベクターに関連するものである。"配列番号1、3、11、及び13のいずれかに本質的に記載の配列"という用語は、上記と同じ意味で用いられ、かつ配列番号1、3、11、及び13の任意部分のそれぞれに実質的に対応する核酸配列を意味し、かつ配列番号1、3、11、及び13のいずれかのコドンそれぞれと同一、又は機能的に均等でない比較的少数のコドンを有する。さらに、尿素回路の活性、抗CPSI抗体との交差反応性、又はCPSI遺伝子産物の他の生物学的活性を示す遺伝子産物をコードするDNA分節を使用することができる。"機能的に均等なコドン"という用語は、アルギニン、又はセリンにおける6個のコドンなど、同じアミノ酸をコードするコドンを意味し、かつまた、生物学的均等性のアミノ酸をコードするコドンを意味するように、本明細書中で用いられる(表1を参照されたい)。

0085

ここで開示される主題の核酸分節は、それ自身のコード配列の長さに関わらず、プロモータ、エンハンサーポリアデニル化シグナル、付加的な制限酵素部位、複数クローニング部位、及び他のコード分節などを組合せることができ、それらの全長は大幅に変化してもよい。従って、一種の任意長さの核酸フラグメントは、いくつかの実施態様において、調製の容易さにより制限された全長とともに、及び意図された組換えDNAプロトコルの使用によって用いられ得る。例えば、約10ヌクレオチドのような配列番号1、3、11、及び13それぞれのいずれかに対してセットされた核酸配列に相補的である短い伸長を含み、かつ長さが10,000、又は5,000塩基対まで有し、特定の場合において3,000の分節が好ましい、核酸フラグメントを調製することができる。また、全長約1,000、500、200、100、及び約50塩基対の全長を有するDNA分節は、有用であることが意図される。

0086

ここで開示される主題のDNA分節は、生物学的機能均等性のCPSIタンパク質、及びペプチドを含む。前記配列は、核酸配列、及び従ってコードされたタンパク質内に自然に発生することが知られているコドン重複性、及び機能均等性の結果として生じ得る。あるいは、交換されるアミノ酸特性の考慮に基づいて、該タンパク質構造の変化を処理することができる組換えDNA技術の適用を介して、機能的に均等なタンパク質、又はペプチドを作成することができる。例えば、アミノ酸4、及び5番目におけるIle、及びLeuの置換は、配列番号11〜14である。人によってデザインされる変化は、例えば、該タンパク質の抗原性の向上を導入するように、或いは、尿素回路の活性を、又は分子レベルでの他の活性を調査するために、CPSI変異を試験するように、部位特異的突然変異誘発法の適用を介して導入され得る。

0087

所望ならば、例えば、該CPSIコード領域が、精製、又は免疫検出目的(例えば、親和性クロマトグラフィー、及び酵素ラベルコード領域それぞれによって精製され得るタン
パク質)などの所望の機能を有する他のタンパク質、又はペプチドを有する、同一の発現単位内に並べられた、融合タンパク質、及びペプチドを調製してもよい。
組換えベクターは、ここで開示される主題の重要なさらなる態様を形成する。特に有用なベクターは、DNA分節のコード部分がプロモータの制御下で位置しているベクターになるように意図される。該プロモータは、例えば哺乳動物組織のCPSI遺伝子に自然に付随しているプロモータの形態であってもよく、例えば、組換えクローニング及び/又はPCR技術を用いて、本明細書中で開示した組成に関連したコード分節、又はエキソンの上流に位置した5'非コード配列を単離することにより獲得され得る。

0088

他の実施態様において、特定の利点は、組換え、又は非相同プロモータの制御下で、コードDNA分節を位置することにより獲得されるであろうことが意図される。本明細書中で使用されているように、組換え、又は非相同プロモータは、自然環境においてCPSI遺伝子に通常関連しないプロモータを意味することが意図される。前記プロモータは、細菌、ウイルス、真核、又は哺乳動物細胞から単離されたプロモータを含んでもよい。当然のことながら、発現のために選択された細胞種において、DNA分節の発現を効果的に指示するプロモータを用いることは重要であろう。タンパク質発現のためのプロモータ、及び細胞種の組合せ使用は、分子生物学の当業者に一般的に知られており、例えば、参照によって本明細書中に組み込まれているSambrookらの文献,1989を参照されたい。使用されるプロモータは、構成的、又は誘導的であってもよく、かつ組換えタンパク質、又はペプチドの大量生産に有利であるような、導入されたDNA分節の高レベル発現を指示する適切な環境下で使用され得る。高レベル発現の使用において提供される適切なプロモータシステムは、バクナウイルス(vaccina virus)プロモータ、及びバキュロウイルスプロモータを含むが、これらに限定されない。

0089

いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、尿素回路における活性、抗CPSI抗体への交差反応、又はここで開示される主題に従う他の生物学的活性を有する、CPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供する。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の発現ベクターは、ヒトCPSI遺伝子産物をコードしているポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の発現ベクターは、配列番号2、4、12、及び14のいずれかのアミノ酸残基配列を含むポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の発現ベクターは、配列番号1、3、11、及び13のいずれかのヌクレオチド塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む。

0090

いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の発現ベクターは、エンハンサー−プロモータに操作可能なように結合したポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の発現ベクターは、原核生物のプロモータに操作可能なように結合したポリヌクレオチドを含む。あるいは、ここで開示される主題の発現ベクターは、真核生物のプロモータであるエンハンサー−プロモータに操作可能なように結合したポリヌクレオチドを含み、かつ該発現ベクターは、ポリアデニル化シグナルをさらに含み、これは、3'のカルボキシ末端アミノ酸に位置し、該コード化ポリペプチドの転写単位内に存在する。

0091

いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、尿素回路の調節における活性、抗CPSI抗体との交差反応性、又はここで開示される主題に従う他の生物学的活性を有する、CPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを用いてトランスフェクトされた組換え宿主細胞を提供する。配列番号1〜4、及び11〜14は、典型的な脊椎動物であるヒト由来のヌクレオチド、及びアミノ酸配列を示している。また、ここで開示される主題により提供されるものは、ラットを含む他の脊椎動物において見出された、相同的、又は生物学的均等性のポリヌクレオチド、及びCPSIポリペプチドである。また、ここで開示される主題によって提供されるものは、細菌、及び酵母を含む、無脊椎動物において見出された、相同的、又は生物学的均等性のポリヌクレオチド、及びCPSIポリペプチドである。

0092

いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の組換え宿主細胞は、ヒトCPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを用いてトランスフェクトされる。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の組換え宿主細胞は、配列番号1、3、11、及び13のいずれかのポリヌクレオチド配列を用いてトランスフェクトされる。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の宿主細胞は、真核生物の宿主細胞である。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の組換え宿主細胞は、脊椎動物細胞である。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の組換え宿主細胞は、哺乳動物細胞である。

0093

別の態様において、ここで開示される主題の組換え宿主細胞は、原核生物の宿主細胞である。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の組換え宿主細胞は、細菌の細胞であり、いくつかの実施態様においてエシェリシアコリの菌株である。いくつかの実施態様において、組換え宿主細胞は、該組換え宿主細胞中の機能的な制御シグナル転写制御下にあるポリヌクレオチドを含み、該制御配列は、全ての必要な転写、及び転写後修飾がある程度可能なCPSIポリペプチドの発現を適切に制御する。

0094

いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、尿素回路における活性、抗CPSI抗体との交差反応性、又はここで開示される主題に従う他の生物学的活性を有するCPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを用いて、形質転換細胞を産生するように細胞をトランスフェクションすることを含む、CPSIポリペプチドの調製方法、及び該ポリペプチドの発現に十分な生物学的条件下形質転換された宿主細胞の維持方法を提供する。いくつかの実施態様において、該形質転換された宿主細胞は真核生物細胞である。いくつかの実施態様において、該真核生物細胞は、脊椎動物細胞である。あるいは、該宿主細胞は、原核生物細胞である。いくつかの実施態様において、該原核生物細胞は、エシェリシアコリの細菌細胞である。いくつかの実施態様において、形質転換細胞にトランスフェクトされるポリヌクレオチドは、配列番号1、3、11、及び13のいずれかのヌクレオチド塩基配列を含む。配列番号1〜4、及び11〜14は、典型的な脊椎動物であるヒトにおけるヌクレオチド、及びアミノ酸配列を示している。また、ここで開示される主題により提供されるものは、他の脊椎動物、特に温血脊椎動物、特にはラットにおいて見出される、相同的、又は生物学的均等性のCPSIポリヌクレオチド、及びポリペプチドである。また、ここで開示される主題により提供されるものは、細菌、酵母を含む無脊椎動物において見出される、相同的、又は生物学的均等性のポリヌクレオチド、及びCPSIポリペプチドである。

0095

先に記載したように、組換えCPSIタンパク質、及びペプチドを調製するための実施態様の表現に関連して、より長いDNA分節が、最も頻繁に使用されることが意図され、いくつかの実施態様において、全CPSIタンパク質、又は機能ドメイン、又はその切断産物をコードしているDNA分節が使用される。しかし、また、抗CPSI抗体を産生するために使用され得るようなCPSIペプチド、又はエピトープコア領域の発現を指示するためのより短いDNA分節の使用は、ここで開示される主題の範囲内に収まることが理解されるであろう。

0096

いくつかの実施態様において、約15から約50アミノ酸長さ、及びいくつかの実施態様において約15から約30アミノ酸長さのペプチド抗原をコードしているDNA分節は、特に有用であると考えられる。ペプチドをコードしているDNA分節は、一般的に、約45〜約150、又は約90ヌクレオチドと同程度の長さをコードしている最小限度を有しているであろう。全長タンパク質をコードしているDNA分節は、配列番号2、4、12、及び14のいずれかに従って、タンパク質に対して約4,500〜約4,600ヌクレオチドと同程度の長さをコードしている最小限度を有し得る。

0097

当然のことながら、ここで開示される主題は、配列番号1、3、11、及び13のいずれかに示した配列に対して相補的、又は本質的に相補的であるDNA分節も含む。"相補的"、及び"本質的に相補的"という用語は、上記に規定されている。イントロン性、又はフランキング領域を除いて、その詳細を図9図解的に開示する。遺伝的暗号の縮重を斟酌すれば、配列番号1、3、11、及び13のいずれかのヌクレオチドに同一又は機能的に均等(すなわち、同じアミノ酸をコードしている)であるヌクレオチドを、いくつかの実施態様において約70%〜約80%、いくつかの実施態様において約81%〜約90%、いくつかの実施態様において約91%〜約99%有する配列は、"配列番号1、3、11、及び13のいずれかに本質的に記載の配列"である配列であろう。また、配列番号:1、3、11、及び13のいずれかに示したものと本質的に同一である配列は、比較的ストリンジェントな条件下において、配列番号1、3、11、及び13のいずれかに相補性を含む核酸分節とハイブリダイズできる配列として機能的に規定され得る。適切な比較的ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、本明細書中に記述され、かつ当業者に周知であろう。

0098

(C.2.生物学的機能均等性)
先に記載したように、改質と変化を、本明細書中で記載したCPSIタンパク質、及びペプチドの構造で行い、類似、又は他の所望の特性を有する分子を得てもよい。例えば、特定のアミノ酸は、細胞の核中のような構造の相互作用能の大きな損失がなければ、タンパク質構造中の他のアミノ酸に置換されてもよい。相互作用能、及びタンパク質特性は、タンパク質の生物学的機能活性を規定するので、特定のアミノ酸配列置換を、タンパク質配列(又は、もちろん、その基礎をなすDNAコード配列)内で行い、かつ類似、又は同等の対抗する特性(例えば、アンタゴニストアゴニスト)を有するタンパク質を得ることができる。従って、それらの生物学的有用性、又は活性の大きな損失がなければ、該CPSIタンパク質、及びペプチド(又は基礎をなすDNA)の配列において様々な変化を行うことができる。

0099

また、生物学的機能均等性のタンパク質、又はペプチドの規定に固有のものは、該分子の規定部分内で行なわれ、かつ均等な生物学的活性の許容し得るレベルを有する分子を生じる得る変化の数に、制限があるという概念であり、このことは当業者に理解されるであろう。従って、生物学的機能均等性のペプチドは、特定のアミノ酸を置換(ほとんど、又は全てではない)することができるペプチドとして、本明細書中で規定されている。もちろん、異なった置換を有する複数の異なったタンパク質/ペプチドを、ここで開示される主題に従って容易に製造し、かつ使用することができる。

0100

また、例えば、特定の残基が、活性サイト内の残基のような、タンパク質、又はペプチドの生物学的、又は構造的特性に特に重要であることが示されている場合、前記残基は、一般的に交換され得ないことが、よく理解される。これは、ここで開示される主題の場合であり、例えば、もしCPSIポリペプチドのリン酸化ドメインに変化があったならば、ここで開示される主題の結果生じるペプチドの有用性の態様の喪失を生じ得る。

0101

本明細書中に記載されるCPSIタンパク質、及びペプチドの改質に使用され得るようなアミノ酸置換は、例えば、疎水性親水性、及びサイズなどのアミノ酸側鎖置換基の相対的な類似性に一般的に基づく。アミノ酸側鎖置換基のサイズ、形、及び型の分析は、アルギニン、リジン、及びヒスチジンが、全てプラスに帯電した残基であり、アラニングリシン、及びセリンが、全て類似したサイズであり、かつフェニルアラニントリプトファン、及びチロシンが、全て一般的に類似した形であることを示す。従って、これらの考慮に基づいて、アルギニン、リジン、及びヒスチジン;アラニン、グリシン、及びセリン;並びにフェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシン;は生物学的機能均等性として、本明細書中で規定されている。

0102

そのような変化を作るにあたり、アミノ酸のハイドロパシー指数を考慮してもよい。各アミノ酸は、それらの疎水性、及び帯電特性に基づいてハイドロパシー指数が割り当てられ、それらは、イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+3.8)、フェニルアラニン(+2.8)、システインシスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(−0.4)、スレオニン(−0.7)、セリン(−0.8)、トリプトファン(−0.9)、チロシン(−1.3)、プロリン(−1.6)、ヒスチジン(−3.2)、グルタミン酸(−3.5)、グルタミン(−3.5)、アスパラギン酸(−3.5)、アスパラギン(−3.5)、リジン(−3.9)、及びアルギニン(−4.5)である。

0103

一般的に、タンパク質の相互作用的な生物学的機能を付与するハイドロパシーアミノ酸指数の重要性は、当業者に理解される(Kyte、及びDoolittleの論文、J. Mol. Biol. 157:105-132 (1982)、引用により本明細書中に組み込まれている。)。特定のアミノ酸を、類似したハイドロパシー指数、又はスコアを有する他のアミノ酸に置換しても、類似した生物学的活性を保持することができることは公知である。ハイドロパシー指数が、いくつかの実施態様において初期値の±2以内であり、いくつかの実施態様において初期値の±1であり、かつ、いくつかの実施態様において初期値の±0.5であるアミノ酸の置換は、ハイドロパシー指数に基づいた変化の形成に使用され得る。

0104

また、類似アミノ酸の置換が、親水性に基づいて効率的に作られ得ることは、当業者に理解される。米国特許第4,554,101号は、引用により本明細書中に組み込まれており、タンパク質の最も大きな局部平均親水性が、その近接アミノ酸の親水性に支配されるので、その免疫原性と抗原性、すなわちタンパク質の生物学的特性に関連することを記載している。アミノ酸を、類似した親水性値を有する別のものに置換し、それでも生物学的均等性のタンパク質を得ることができることが理解される。

0105

米国特許第4,554,101号に詳細に記述されているように、下記の親水性値はアミノ酸残基によって決められている:アルギニン(+3.0)、アスパラギン酸(+3.0±1)、グルタミン酸(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、スレオニン(−0.4)、プロリン(−0.5±1)、アラニン(−0.5)、ヒスチジン(−0.5)、システイン(−1.0)、メチオニン(−1.3)、バリン(−1.5)、ロイシン(−1.8)、イソロイシン(−1.8)、チロシン(−2.3)、フェニルアラニン(−2.5)、トリプトファン(−3.4)である。

0106

親水性値が、いくつかの実施態様において初期値の±2以内、いくつかの実施態様において初期値の±1以内、及びいくつかの実施態様において初期値の±0.5以内であるアミノ酸の置換は、類似した親水性値に基づいた変化の形成に使用され得る。
議論は、アミノ酸変化により生じる機能的に均等なポリペプチドに焦点を当てているが、遺伝暗号が変質し、かつ2以上のコドンが、該同一アミノ酸をコードし得ることも考慮して、これらの変化が、該コード化DNAの変更によってもたらされ得ることは明らかであろう。

0107

(C.3. 配列改質技術
本明細書中に記述したCPSIタンパク質、及びペプチドに対する改質は、部位特異的変異誘発法などの技術を用いて行ってもよい。部位特異的変異誘発法は、基礎をなすDNAの特異的突然変異誘発を介して、個々のペプチド、又は生物学的機能均等性のタンパク質、又はペプチドの調製に有用な技術である。該技術は、例えば、1以上の先の考慮を組み込み、DNAに1以上のヌクレオチド配列変化を導入することによって配列変異を調製し、かつ試験する、迅速な能力を提供する。部位特異的突然変異は、所望される変異のDNA配列、並びに十分な数の近接したヌクレオチドをコードしている特異的オリゴヌクレオチド配列の使用を介して、変異の生成を可能にし、横断された欠失接合点の両端において、安定な二本鎖の形成に十分なサイズ、及び配列複雑性のプライマー配列を提供する。
典型的に、長さが約17〜30ヌクレオチドのいくつかの実施態様のプライマーは、変更した配列の両端の該接合点上の約5〜10残基とともに使用され得る。

0108

一般的に、部位特異的突然変異の技術は、出版物(例えば、Adelmanらの文献、1989)に例示されているものとして技術的に公知である。認識されているように、典型的に、該技術は、一本鎖、及び二本鎖の形態、双方が存在するファージベクターを使用する。部位特異的突然変異誘発法に典型的なベクターは、M13ファージのようなベクターを含む(Messingらの文献、1981)。これらのファージは、容易に商業的に入手可能であり、一般的に、当業者に周知のものである。また、二本鎖プラスミドは、プラスミドからファージに対象の遺伝子の転移段階を取り除いた部位特異的突然変異誘発法にルーチン的に使用される。

0109

一般的に、これに従って、部位特異的突然変異誘発法は、一本鎖ベクターを最初に得るか、又はその配列内に、例えばヒトCPSIポリペプチドをコードしているDNA配列を含む、二本鎖ベクターの2本の鎖をバラバラに溶解することにより、実行される。所望の変異配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、例えばCreaらの方法(1978)のように、通常、合成的に調製される。次に、このプライマーを、一本鎖ベクターとともにアニールし、該変異を有する鎖の合成を完了するために、E.コリポリメラーゼIクレノウフラグメントなどのDNA重合酵素さらす。従って、一本鎖が最初の無変異配列をコードし、かつ2番目の鎖が所望の変異を有する、ヘテロ二本鎖が形成される。次に、このヘテロ二本鎖ベクターを使用して、E.コリ細胞などの適切な細胞を形質転換し、かつ変異配列配置を有する組換えベクターを含むクローンを選択する。

0110

部位特異的突然変異誘発法を用いた、該選択された遺伝子の配列変異型の調製は、潜在的に有用なCPSIポリペプチド、又は該尿素回路において活性を有する他の種を産生する手段として提供される。これは、制限することを意味するわけではなく、これらのペプチドの配列変異型を得ることができる他の方法がある。例えば、ヒドロキシルアミンを用いたプラスミドDNAの突然変異誘発のために、所望の遺伝子をコードしている組換えベクターを、突然変異誘発物質で処理し、配列変異型を得てもよい(例えば、Eichenlaub、1979によって記述された方法を参照されたい。)。

0111

(C.4. 他の構造的均等物
本明細書中で記述したCPSIペプチジル化合物に加えて、本発明者らは、他の立体的類似化合物考案し、該ペプチド構造の重要部分を模倣することができることも意図している。そのような化合物を、ここで開示される主題のペプチドとして、同じ様式で使用してもよい。従って、これも、機能均等性である。構造的機能均等物の創出を、当業者に公知のモデリング、及び化学的デザインの技術によって達成することができる。前記立体的類似構造の全てが、ここで開示される主題の範囲内に含まれることが理解されるであろう。

0112

(D.遺伝子産物の導入)
該遺伝子自身を使用して、該遺伝子産物を導入する場合、導入における従来の方法は、その関連した制御配列と共に所望の遺伝子を組み込んだ組換えベクターの使用を介するであろう。組換えベクターの調製法は、当業者に周知であり、例えば、特に本明細書中に引用により組み込まれているSambrookらの論文(1989)など、多くの参考文献に記述されている。

0113

ベクターにおいて、発現すべき配列をコードしているDNA、この場合ではCPSI遺伝子産物をコードしているDNAは、プロモータに近接し、かつプロモータ制御下に置かれていることが理解される。前記プロモータの制御下でコード配列を運ぶことは、技術的に理解されており、それは、一般的に、該選択されたプロモータの約1〜約50ヌクレオチド"下流"(すなわち、その3')間で発現される、該遺伝子産物の転写的読み枠転写開始部位の5'末端に位置している。また、それが、最初の挿入されたDNA内に含まれていない場合、該ベクターの転写単位内に、適切なポリアデニル化部位(例えば、5'−AATAAA−3')を組み込むことが所望されてもよい。典型的に、それらのポリ付加部位は、転写終結前の位置に当たる、コード配列の約30〜2000ヌクレオチド"下流"に配置される。

0114

特定の遺伝子の制御配列(すなわち、CPSI遺伝子に対するCPSIプロモータ)を使用することができるが、処理された該細胞の遺伝子型適合する限り、他の制御配列が使用され得ない理由はない。従って、それは、例えば、SV40初期プロモータレトロウイルス由来の長い末端繰り返しプロモータ、アクチンプロモータ、熱ショックプロモータ、及びメタロチオネインプロモータなどを含む一例の他の有用なプロモータを言及して
もよい。

0115

当業者に公知のように、プロモータは、通常、転写が始まる(すなわち、転写開始部位)点の前(上流)の約100ヌクレオチド対内のDNA分子領域である。通常、その領域は、異なる遺伝子の類似した相対的位置にあるDNA配列因子のいくつかの種類を含む。本明細書中で用いられているように、"プロモータ"という用語は、技術的に、上流プロモータ領域、プロモータ領域、又は一般化された真核生物RNAポリメラーゼII転写単位のプロモータ領域と呼ばれるものを含む。

0116

離れた転写制御配列因子の別の種類は、エンハンサーである。エンハンサーは、特定のコード配列(例えば、遺伝子)における、時間、位置、及び発現レベル特異性を提供する。エンハンサーの主要な機能は、エンハンサーに結合する1以上の転写因子を含む細胞における、コード配列の転写レベルを増加させることである。プロモータとは異なり、エンハンサーはプロモータが存在する限り、転写開始部位から変化した間隔に位置したときに機能することができる。

0117

本明細書中で使用されているように、"エンハンサー−プロモータ"という句は、エンハンサー、及びプロモータ要素の両方を含む複合単位を意味する。エンハンサー−プロモータは、少なくとも1遺伝子産物をコードするコード配列に作用するように結合されている。本明細書中で使用されているように、"作用するように結合される"という句は、エンハンサー−プロモータが、コード配列の転写がそのエンハンサー−プロモータによって制御、及び調節されるというような方向で、コード配列に接続されていることを意味する。エンハンサー−プロモータをコード配列に作用するように結合させる方法は、当業者に周知である。また、当業者に周知であるように、転写が調節されるコード配列に関連した正確な方向と位置は、とりわけ、エンハンサー−プロモータの特異的な特性によって決められる。従って、TATA box最小プロモータは、通常、転写開始部位の約25〜約30塩基対上流に位置し、かつ通常、上流プロモータ要素は、転写開始部位の約100〜200塩基対上流に位置する。対照的に、エンハンサーは、該開始部位から下流に位置することができ、かつ、その部位からかなりの間隔で存在し得る。

0118

ここで開示される主題のベクター構築に使用されるエンハンサー−プロモータは、トランスフェクトされる細胞内で発現を駆動する、任意のエンハンサー−プロモータであり得る。周知の特性を有するエンハンサー−プロモータを使用することによって、遺伝子産物発現のレベル、及びパターンを最適化することができる。

0119

例えば、その対立遺伝子変異を含むヒトCPSI遺伝子の導入のために、所望の遺伝子を、影響される細胞に輸送するであろうベクター構築体を使用することが所望されるであろう。これはもちろん、一般的に、該構築体が、例えば哺乳動物肝臓細胞のような標的細胞に輸送されることを要求するであろう。これは、いくつかの実施態様において、効率的に細胞を感染させるためにCPSI配列を運ぶウイルスベクターの使用を介する、所望の遺伝子の導入によって達成され得る。これらのベクターは、いくつかの実施態様において、アデノウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルスベクター、又はアデノ関連ウイルスであり得る。これらのベクターは、所望の配列を細胞に運ぶようにうまく使用し、高い感染効率を有する傾向があるので、好ましい。適切なベクター−CPSI遺伝子構成体は、本明細書中の下記に記載されているように、医薬組成物としての投与に適合される。

0120

発現ベクターにおいて一般的に使用されるウイルスプロモータは、ポリオーマサイトメガロウイルス、アデノウイルス2、及びシミアンウイルス40(SV40)から由来するものである。SV40の初期、及び後期プロモータは、両方とも、SV40ウイルスの複製起点も含む断片として該ウイルスから容易に得られるので、特に有用である。また、ウイルス複製起点に位置するHindIII部位からBglI部位まで伸びた約250bpの配列が含まれている場合、より小さな、又はより大きなSV40断片を使用してもよい。さらに、制御配列が、宿主細胞に適合性がある場合、所望の遺伝子配列に一般的に付随したプロモータ、又は制御配列を利用する可能性があり、かつ頻繁に所望される。

0121

複製起点は、SV40、又は他のウイルス源(例えば、ポリオーマ、アデノ、VSV、BPV)に由来し得るような外来性起点を含むベクターの構築によって、又は該宿主細胞の染色体複製機序によって提供され得る。該ベクターが、該宿主細胞の染色体内に組み込まれるならば、多くの場合、後者で十分である。

0122

CPSI遺伝子自身が使用される場合、直接的に野生型CPSI遺伝子を単純にすることが最も都合のよいであろう。従って、該CPSI遺伝子は、コード化ポリペプチドの1405番目のアミノ酸が、スレオニンを含むように、スレオニンコード化対立遺伝子を含み得る。もしくは、該CPSI遺伝子は、コード化ポリペプチドの1405番目のアミノ酸が、アルギニンを含むように、アルギニンコード化対立遺伝子を含む。さらに、CPSI遺伝子の特定領域が、全野生型CPSI遺伝子、又はその全対立遺伝子多型を用いることなく、排他的に使用され得ることが想定される。いくつかの実施態様において、尿素回路を調節するために必要とされる最も小さな領域は、CPSI遺伝子構築体を受け取る細胞内に、不必要なDNAを導入しないように使用される。制限酵素の使用などの当業者に周知の技術は、例証的なCPSI遺伝子の小さな領域の産生を可能にするであろう。該尿素回路を調節するためのこれらの領域の能力は、実施例に報告した試験によって容易に決定され得る。一般的に、該尿素回路の調節を評価する技術は、技術的に公知である。

0123

(D.1.トランスジェニック動物
ここで開示される主題のCPSI遺伝子を発現するか、又はCPSI遺伝子の発現が"ノックアウト"されている、トランスジェニック非ヒト動物を調製することも、ここで開示される主題の範囲内で提供される。提供されるトランスジェニック非ヒト動物は、CPSIのT1405型か、又はCPSIのN1405型のいずれかを発現する。例証的なトランスジェニック動物はマウスである。

0124

トランスジェニック動物の調製技術は、技術的に公知である。典型的な技術は、米国特許第5,489,742号(トランスジェニックラット)、米国特許第4,736,866号、第5,550,316号、第5,614,396号、第5,625,125号、及び第5,648,061号(トランスジェニックマウス)、米国特許第5,573,933号(トランスジェニックブタ)、米国特許第5,162,215号(トランスジェニック鳥類)、及び米国特許第5,741,957号(トランスジェニックウシ類)に記載され、それぞれの全内容は、引用により本明細書中に組み込まれている。

0125

トランスジェニックマウスの例証的な調製方法に関して、CPSI遺伝子産物をコードしているクローン化組換え、又は合成DNA配列、又はDNA分節を、受精したマウスの卵内注入する。該注入したを、偽妊娠メス内に移植し、かつ細胞を、CPSI遺伝子産物を発現するトランスジェニックマウスを提供する期間、成長させる。いくつかの実施態様において、該注入した配列は、該トランスジェニックマウスの肝臓細胞内で所望の遺伝子を発現するために、関連したプロモータ配列を有するように構築される。

0126

(D.2.遺伝子療法
CPSI遺伝子を、ここで開示される主題に従って、遺伝子療法に使用することができる。宿主細胞への核酸のリポソームのトランスフェクションを含む、例証的な遺伝子療法は、米国特許第5,279,833号、第5,286,634号、第5,399,346号、第5,646,008号、第5,651,964号、第5,641,484号、及び第5,643,567号に記載され、それぞれの内容は、引用により本明細書中に組み込まれている。

0127

簡潔に、標的細胞中の尿素回路の調節に対して行われるCPSI遺伝子療法を記載する。標的細胞は、肝臓細胞、及び腸細胞を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の治療方法は、(a)該尿素回路を調節するCPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド含有DNA分子の有効量を細胞に輸送する段階、及び(b)前記ポリペプチドの発現に十分な条件下に該細胞を維持する段階を含む、細胞内の該尿素回路の調節方法を提供する。

0128

いくつかの実施態様において、輸送は、該DNA分子を該細胞内に注入することによって達成される。該細胞が対象内にある場合、いくつかの実施態様において、輸送は、該DNA分子を該対象の循環系内に投与することによって達成され得る。いくつかの実施態様において、投与は、(a)該DNA分子を含むビヒクルを提供する段階、及び(b)該対象に該ビヒクルを投与する段階を含む。

0129

いくつかの実施態様において、ビヒクルは、該DNA分子を用いて形質転換されたか、又はトランスフェクトされた細胞、或いは前記形質転換されたか、又はトランスフェクトされた細胞に由来するトランスフェクトされた細胞である。例証的な形質転換されたか、又はトランスフェクトされた細胞は、肝臓細胞である。ここで開示される主題のDNA分子を用いた、細胞の形質転換、又はトランスフェクト方法は、上述されている。

0130

また、該ビヒクルは、腫瘍抗原と特異的に感染するか、又は免疫反応するウイルス、又は抗体である。一般的に、該構築体を該宿主標的組織に輸送するために使用されるレトロウイルスは、3'−LTR(直線移転領域)が不活化されているウイルスである。これらは、エンハンサーなしの3'−LTRであり、多くの場合、SIN(自己不活化ウイルス)と呼ばれる。なぜならば、該宿主細胞への生産的な導入後、該3'−LTRは、5'末端へ移動し、かつ両方のウイルスLTRは、転写活性に関して不活性になるためである。当業者に周知のこれらのウイルスの使用により、該クローン化遺伝子の制御要素が、2つのLTR間の空間に挿入されている遺伝子をクローン化する。ウイルス感染系の利点は、適切な受容細胞内に、非常に高レベルでの感染が可能であることである。

0131

抗体は、DNA分子を標的とし、かつ輸送するために使用されている。N末端改質ポリ−L−リジン(NPLL)抗体接合体は、プラスミドDNAと容易に複合体を形成する。NPLLと接合した細胞表面トロンボモジュリンに対するモノクローナル抗体の複合体は、外来プラスミドDNAが、抗原を発現するマウス肺上皮細胞系、及びマウス肺を標的とするために用いられる。それらの標的とされた上皮細胞は、その外来DNAによってコードされた産物を発現した。

0132

また、ここで開示される主題のこの実施態様は、レトロウイルスベクター、及びワクシニアウイルス(そのゲノムは、該ウイルスを非病原性とするために、別の方法で操作されている。)を含む、別のウイルス、又はファージベクターを用いて実施され得る。前記ウイルスの変異の作成方法は、米国特許第4,769,331号中に詳細に記載され、それは、引用により本明細書中に組み込まれている。

0133

特定の例として、ヒトCPSIコード化ポリヌクレオチド、又は別の温血脊椎動物由来のCPSIコード化ポリヌクレオチドホモログ、又は細菌や酵母などの無脊椎動物源由来のCPSIコード化ホモログは、単離された肝臓細胞、又は他の関連した細胞内に導入される。該肝臓、又は他の関連した組織へのトランス遺伝子運搬細胞の再注入は、ヒト、及び動物の高アンモニア血症、又は他の関連疾患への感受性に対する治療を提供する。

0134

(E.補充療法
窒素クリアランスの役割に加えて、該尿素回路は、強力な血管拡張剤である一酸化窒素(NO)前駆体として機能するアルギニンの体の本質的な源である。次善尿素回路機能の治療方法は、シトルリンなどの一酸化窒素前駆体の投与による治療を含む、ここで開示される主題に従って提供される。典型的に、該次善尿素回路機能は、本明細書中で開示した多型に関連がある。該次善尿素回路機能は、高アンモニア血症、又はシトルリン、及び/又はアルギニン産生低下をさらに含む。

0135

治療されるべき対象は、これに限定されないが一酸化窒素前駆体の産生障害に関連した疾患のような、次善尿素回路機能に関連した疾患に苦しむ可能性がある。前記疾患は、障害のある、又は損傷した肝臓、及び/又は消化管組織に伴う疾患を含むが、それらに限定されない。代表的な疾患は、肝炎(肝炎A、B、及びCを含む)、硬化症喘息肺高血圧症(一次、及び二次を含む)、骨髄移植を受けた対象における骨髄移植毒性、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。

0136

また、治療されるべき対象は、次善尿素回路機能に関連した環境刺激に曝されるか、又は曝される直前であり得る。前記環境刺激は、機能障害、又は損傷した肝臓、及び/又は消化管組織に伴う刺激を含むが、それらに限定されない。代表的な環境刺激は、化学療法、又は他の薬剤治療心臓手術(手術後の肺の血管緊張の増加としていくつかの状況において表される)、増加された酸化ストレス、骨髄移植、敗血症急性喘息発作低酸素症、肝臓毒汚染、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。代表的な心臓手術は、先天的心臓欠陥の修復を含み、かつ先天的な心臓欠陥の修復に用いられる心肺バイパスをさらに含む。房室中隔欠損(AVSD)、又は大きな非制限的な心室欠損中隔(VSD)のような、過剰な肺の血流と関連した心臓の障害は、代表的な心臓の障害である。持続的な肺の過循環は、肺の血管平滑筋肥大、及び過反応性を引き起こし得る。手術前に、これらの患者は、多くの場合、うっ血性心不全、及び不十分な体重増加を示す。外科的修復は、この手術後の合併症を減らすために、できるだけ早く予定される。

0137

付加的な心臓の障害の正しい手法は、両方向性グレン(bidirectional Glenn)、及び改質フォンタン(modified Fontan)手法である。前記手順において、単心室障害を有する患者は、外科的手法を必要とし、その成功は、低い手術後の肺血管緊張の維持に依存する。単心室障害の段階的な矯正は、肺と体循環とを分けることを目的とする、一連の3つの外科的手法を必要とする。これらの手順の最初は、多くの場合、新生児期に行われる、右室低形成を有する患者に対するBlalock-Taussig短絡術、又は左心室形成症候群を有する患者に対するノーウッドI(Norwood I)手法である。2番目の外科手術は、上大動脈流を直接的に肺動脈へと方向転換する、双方向性のGlenn短絡術である。三番目、及び最終段階は、改質フォンタン手法であり、下大静脈流を肺動脈へと方向転換し、それによって肺、及び体循環の分離を完成する。Glenn、及びFontan手順とともに、肺血流量は、完全に受動的になり、かつ静脈系(SVC、及びIVC圧力)とPA圧力との間の適切な勾配圧力に依存する。手術直後の肺血管緊張の任意の上昇は、肺血流量低下、及びそれに続く心拍出量低下を誘導し得る。長期的には、これらの手順後の上昇した肺血管緊張は、持続性胸水胸膜又は縦隔廃液管における長期の必要性、長期の換気、及び長期のICU滞在を誘導し得る。

0138

付加的な心臓の障害の正しい手順は、ノーウッドI手法である。ノーウッドI手法を実行した左心室低形成症候群(HLHS)を有する幼児の術後処置は、平衡肺、及び全身流に大きく依存している。肺血管抵抗における突然の上昇は、著しい低酸素血症、及び不飽和化を引き起こし得る。まれに、低い肺血管抵抗は、血流が、全身の犠牲、及び冠循環で肺へと短絡される場合に、有害であり得る。正確な外科技術、及び中央の短絡の最適なサイズ化により、この合併症は、不十分な肺血流量を有する問題よりも、より一般的でなくなった。

0139

付加的な心臓の障害の正しい手法は、大血管転換手法(arterial Switch Procedures)である。大血管転位症(TGA)は、複雑な心臓病変であり、差し迫った新生児期において外科的矯正を必要とする。TGAの矯正における大血管転換手法のタイミングは、特に肺血管緊張問題を考慮する。多くの場合、外科手術は、周産期の肺血管緊張が部分的に低下しているとき、5〜7日齢まで実施されない。右心室は、外科的矯正前の全身性の心室であるために、手術後の肺血管抵抗における上昇は、通常よく容認され、肺動脈圧通常測定されない。しかし、手術後の肺血管緊張が増加した場合、好ましい組織、及び短いバイパス時期を有するいくつかの乳児が、まだ複雑な術後経過をとる理由を、部分的に説明してもよい。

0140

対象の次善尿素回路機能に関連した疾患の治療、又は予防方法は、ここで開示される主題に従って提供される。該方法は、対象に、治療的有効量の一酸化窒素前駆体を投与することを含み、それによって該疾患の治療、又は予防が達成される。該一酸化窒素前駆体は、シトルリン、アルギニン、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、次善尿素回路機能に起因する次善一酸化窒素形成が、治療され得る。

0141

また、肝炎、肝硬変、肺高血圧症(一次、及び二次の両方)、壊死性腸炎(NEC)、急性呼吸促迫症候群民族特異的内皮機能不全勃起障害、喘息、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、対象の疾患の治療、又は予防方法を開示する。いくつかの実施態様において、該方法は、それを必要とする対象に、治療的有効量の一酸化窒素前駆体を投与することを含む。該投与は、経静脈、又は経口投与であり得る。該一酸化窒素前駆体は、シトルリン、アルギニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの実施態様において、該疾患は、壊死性腸炎であり、該対象は早産児である。

0142

また、硝酸前駆体濃度を、それを必要とする対象において上昇させる方法を開示する。いくつかの実施態様において、該方法は、該対象に、治療的有効量の一酸化窒素前駆体を投与することを含み、それによって対象の一酸化窒素前駆体の濃度を上昇させる。該投与は静脈注射、又は経口投与であり得る。該一酸化窒素前駆体は、シトルリン、アルギニン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。

0143

任意に、ここで開示される主題の補充療法は、該対象のカルバミルリン酸合成酵素Iの多型を最初に検出する段階をさらに含む。該カルバミルリン酸合成酵素ポリペプチドの多型は、いくつかの実施態様において、CPSIエキソン36中にCからAへのトランスバージョンを含み、いくつかの実施態様において、該CPSI遺伝子に対応するcDNAの4340番目のヌクレオチドでCからAへのトランスバージョンを含む。いくつかの実施態様において、該CPSI遺伝子に対応するcDNAの4340番目のヌクレオチドでCからAへのトランスバージョンは、AACからACCへのトリプレット暗号の変化をさらに含み、これは、1405番目のアミノ酸にスレオニン部分を有するCPSIポリペプチドをコードしている。

0144

尿素回路中間体(シトルリン、アルギニン)の有意な低下は、本明細書中で開示されるT1405NCPSI多型に関連したBMTを受けた対象において見出される。ここで開示される主題に従って、また、HVOD、及び/又は急性肺損傷などのBMT毒性の治療、又は予防方法を、ここで開示される主題に従って提供する。該方法は、シトルリン、及び/又はアルギニンなどの治療的有効量のNO前駆体を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施態様において、本明細書中で開示するT1405N CPSI多型は、該対象中に存在する。いくつかの実施態様において、治療的有効量のシトルリンは、該対象へ投与される。

0145

ここで開示される主題に従って、BMTを受けた対象の毒性、及び/又はHVODの発生を減少させる方法を提供する。この方法は、該対象のアルギニン、及びNO合成を増強するため、有効量のアルギニン、及び/又はシトルリン、いくつかの実施態様においてはシトルリンを、該BMT対象に投与することを含む。該対象のアルギニン、及びNO合成の増強により、BMTに関連したHVODの発生を減少させ、かつ/又は実質的に抑制するであろう。シトルリンは、より容易にNOに変換されるように与えられる、代表的な補充剤である。さらに、ここで開示される主題のCPSI多型を有する対象は、この方法に従って、補充のための例証的候補であることが意図される。

0146

多くの実施態様において、ここで開示される主題で治療された対象は、好ましくはヒト対象であるが、ここで開示される主題の原理は、ここで開示される主題が、"対象"という用語に含まれることが意図される哺乳動物、及びなどの温血脊椎動物を含む、全ての脊椎動物種に対して効果的であることを示す。これに関連して、哺乳動物は、高アンモニア血症、BMT毒性、及び尿素回路機能障害に関連した他の疾患の治療が所望される、全ての哺乳動物種、特に農業の、及び家畜の哺乳動物種を含むことが理解される。

0147

従って、意図されることは、ヒトなどの哺乳動物、並びに、絶滅危機に瀕しているために重要(シベリアタイガーなど)、経済的重要性(人による消費のために農場飼育された動物)、及び/又はヒトの社会的重要性(ペットとして、又は動物園において飼われている動物)(例えば、ヒト以外の肉食動物(ネコ、及びイヌなど)、スワインブタ食用ブタ、及びイノシシ)、反芻動物ウシ、雄ヒツジキリンシカヤギバイソン、及びラクダなど)、及びウマ)のそれらの哺乳動物の治療である。また、意図されることは、絶滅の危機に瀕している、動物園で飼育される鳥類、並びに、より特には飼いならされた鳥類、すなわち、七面鳥ニワトリカモガチョウ、及びホロホロ鳥などの治療を含む、鳥類の治療であり、それらはまた、人にとって経済的に重要である。従って、意図されることは、飼いならされたスワイン(ブタ、及び食用ブタ)、反芻動物、ウマ、及び家禽などを含む家畜類の治療であるが、これらに限定されない。

0148

単一剤形を製造するために、キャリアー物質と結合され得る活性成分の量は、治療されるホスト、及び投与の特定の様式に依存して変化するであろう。例えば、ヒトへの投与を意図した製剤は、全組成の約5〜約95パーセントで変化し得るキャリアー物質の適切かつ都合のよい量で混合される、0.5mg〜5gの活性剤を含み得る。例えば、ヒト成人において、一投与につき一人当たりの量は、一般的に、一日当たり数回まで、1mg〜500mgである。従って、用量単位形は、一般的に、約1mg〜約500mg、典型的には、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg、又は1000mgの活性成分を含むであろう。

0149

該一酸化窒素前駆体は、いくつかの実施態様において約0.01mg〜約1,000mgの範囲の投与量で、いくつかの実施態様において約0.5mg〜約500mgの範囲の投与量で、かつ、いくつかの実施態様において約1.0mg〜約250mgの範囲の投与量で投与される。また、該一酸化窒素前駆体は、いくつかの実施態様において約100mg〜約30,000mgの範囲の投与量で、いくつかの実施態様において約250mg〜1,000mgの範囲の投与量で投与され得る。代表的な投与量は、3.8g/m2/日のアルギニン、又はシトルリンである(モル当量、分子量L−シトルリン 175.2、分子量L−アルギニン 174.2)。

0150

代表的な静脈シトルリン溶液は、100mg/ml(10%)溶液を含み得る。代表的な静脈シトルリン用量は、200mg/kg、400mg/kg、600mg/kg、及び800mg/kgを含み得る。いくつかの実施態様において、例えば、600、又は800mg/kg用量に限定されないが、該投与量は、全身血圧において観察された望ましくない影響を緩和するために、50mg/kg〜100mg/kgの量まで減らすことができる。

0151

いくつかの実施態様において、用量は、環境刺激に曝す前(例えば、心肺バイパスなどの心臓手術開始前30分の1回投与、及び/又は手術前の一定時期に渡って12時間毎のような、手術前一定周期に1,2,3,4,5,6回まで、又はそれ以上の用量)、環境刺激に曝した後(例えば、手術後の医療環境到着次第、及び/又は手術後の一定時期に渡って12時間毎のような、手術後一定周期に渡って1,2,3,4,5,6回まで、又はそれ以上の用量)に、対象に投与され得る。
しかし、特定の対象全てに対する特有の投与量の濃度は、年齢、体重、全般的健康、性別食事、投与の時間、投与の経路、排泄率、薬剤の組み合わせ、及び療法を受ける特定の疾患の重症度を含む、様々な因子に依存するであろう。

0152

(F.医薬組成物)
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、ここで開示される主題のポリペプチド、又はポリヌクレオチド、及び生理学的に許容し得るキャリアーを含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、医薬組成物は、生物学的に活性なCPSIポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含む。もしくは、提供される医薬組成物は、先に記載したように、用量中にシトルリン、又はアルギニンを含む。

0153

ここで開示される主題の組成物は、通常、標準的な周知である無毒性生理的に許容し得るキャリアー、アジュバント、及び要望通りのビヒクルを含む用量単位製剤で、経口的に、又は非経口的に投与される。本明細書中で用いられているように、"非経口"という用語は、経静脈、筋肉内、動脈内注射、又は注入技術を含む。
注射可能な製剤、例えば、無菌の注射可能な水溶液、又は油性の懸濁液は、適切な分散剤、又は湿潤剤、及び懸濁化剤を用いる公知技術に従って配合される。また、該無菌の注射可能な製剤は、例えば1,3−ブタンジオールの溶液のような、無毒性の非経口に許容し得る希釈剤、又は溶媒の、無菌の注射可能な溶液、又は懸濁液であり得る。

0154

許容可能なビヒクルのうち、使用され得る溶媒は、水、リンゲル液、及び等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒、又は懸濁化剤として従来用いられる。この目的のために、任意の無菌性の不揮発性油を、合成モノ又はジグリセリドを含んで使用してもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射可能な製剤に使用される。

0155

例証的なキャリアーは、リン酸、乳酸、及びトリスなどを用いて緩衝化された中性生理食塩水含む。もちろん、遺伝子治療の使用に提供される医薬組成物の場合、ベクター構築体を受け入れ固体において任意の有害反応を引き起こさないように、十分にベクターを精製して、欠陥のある干渉アデノウイルス粒子、又はエンドトキシン、及び他の発熱物質など、望ましくない混入物質が本質的にないようにする。代表的な該ベクター精製手段は、塩化セシウム勾配遠心分離などの浮遊密度勾配の使用を含む。

0156

また、トランスフェクトされた細胞を、キャリアーとすることができる。一例として、肝臓細胞を生物から摘出し、先に記載した方法を用いて、ここで開示される主題のポリヌクレオチドでトランスフェクトし、次に該トランスフェクトされた細胞を、該生物に戻すことができる(例えば、血管内に注入する。)。

0157

(G. 抗体の産生)
いくつかの実施態様において、ここで開示される主題は、ここで開示される主題のポリペプチド、又はポリヌクレオチドを用いた抗体免疫反応性を提供する。いくつかの実施態様において、ここで開示される主題の抗体は、モノクローナル抗体である。抗体の調製、及び特徴付け手段は、当業者に周知である(例えば、抗体研究室マニュアル(Antibodies A Laboratory Manual)、E. Howell、及びD. Laneの文献、Cold Spring Harbor Laboratory, 1988を参照されたい。)。いくつかの実施態様において、抗体は、該CPSI多型を含む、CPSIの異なる形態間を区別する。

0158

簡潔に言うと、ポリクローナル抗体は、ここで開示される主題のポリペプチド、又はポリヌクレオチドを含む免疫原を用いて動物を免疫し、かつその免疫された動物から抗血清回収することにより調製される。広い範囲の動物種を、抗血清の産生に使用することができる。抗−抗血清(anti-antisera)の産生に使用される典型的な動物は、ウサギ、マウス、ラット、ハムスター、又はモルモットである。ウサギの比較的大量な血液のために、ポリクローナル抗体の産生には典型的にウサギが選択される。

0159

当業者に周知のように、所定のポリペプチド、又はポリヌクレオチドは、その免疫原性が変化し得る。従って、多くの場合、該免疫原(例えば、ここで開示される主題のポリペプチド、又はポリヌクレオチド)をキャリアーと結合させる必要性がある。例証的なキャリアーは、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)と、ウシ血清アルブミン(BSA)である。また、オボアルブミンなどの他のアルブミン、マウス血清アルブミン、又はウサギ血清アルブミンを、キャリアーとして使用することができる。

0160

ポリペプチド、又はポリヌクレオチドを、キャリアータンパク質に接合する手段は、当業者に周知であり、グルタルアルデヒド、m−マレイミドベンコイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(m-maleimidobencoyl-N-hydroxysuccinimide ester)、カルボジイミド、及びビス−二アゾ化ベンジジン(bis-biazotized benzidine)を含む。
当業者に周知のように、特定の免疫原に対する免疫原性を、アジュバントとして公知の免疫反応の非特異的刺激物質の使用により増強することができる。例証的なアジュバントには、完全フロイントアジュバント(Freund's adjuvant)、不完全フロイントアジュバント水酸化アルミニウムアジュバントがある。

0161

ポリクローナル抗体の産生に使用される免疫原の量は、とりわけ、該免疫原の性質、並びに免疫化に使用される動物によって変化する。該免疫原の投与のために、様々な経路、例えば、皮下、筋肉内、皮内、静脈内、及び腹腔内の経路を使用することができる。ポリクローナル抗体の産生は、免疫後の様々な時点で、該免疫された動物の血液を採取することによりモニターされる。免疫原性の所望濃度が得られた場合、該免疫された動物を採血し、血清を単離し、かつ貯蔵され得る。

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