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技術 半導体素子、シリコンウエハ、及びシリコンインゴット

出願人 インフィネオンテクノロジーズアーゲー
発明者 カスパリ,ニコシュルツェ,ハンス-ヨアヒム
出願日 2017年10月12日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-198453
公開日 2018年2月15日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2018-024580
状態 特許登録済
技術分野 ダイオード 結晶、結晶のための後処理 縦型MOSトランジスタ 本体に特徴のある半導体装置
主要キーワード 未加工材料 プロセスチャート 高オーム 低オーム 供給レート 前部表面 シリコン装置 パワー半導体ダイ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月15日)のものです。
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図面 (12)

課題

解決手段

CZシリコンインゴットは、ドナー及びアクセプタによってドーピングされており、且つ、ドナー及びアクセプタのドーピング濃度の軸方向の勾配を含む。ドナーとアクセプタのドーピング濃度の間の差に基づいた電気活性正味ドーピング濃度は、アクセプタによるドナーのドーピング濃度の少なくとも20%の部分的な補償に起因し、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%について、60%未満だけ、変化している。

概要

背景

このような様々な半導体素子を製造する代表的なベース材料として、例えば、標準CZ法による、或いは、磁気CZ(Magnetic CZ:MCZ)法による、或いは、連続CZ(Continuous CZ:CCZ)法によるなどのように、チョクラスキー(CZochralski:CZ)法によって成長させたシリコンウエハが使用されている。チョクラルスキー法においては、るつぼ内において、シリコンを約1416℃のシリコンの融点まで加熱してシリコンの溶融体を生成する。小さなシリコンシード結晶を溶融体と接触させる。シリコンシード結晶上において、溶融シリコン凍結する。シリコンシード結晶を溶融体から離れるように低速で引き抜くことにより、百〜数百mmの範囲の直径と、1メートル以上の長さと、を有するように、結晶質シリコンインゴットを成長させる。MCZ法においては、酸素汚染レベルを低減するべく、外部磁界を更に印加している。

チョクラルスキー法による定義されたドーピングを伴うシリコンの成長は、偏析効果によって複雑化する。ドーパント材料偏析係数により、成長する結晶中のドーパント材料の濃度と溶融体のドーパント材料の濃度の間の関係が特徴付けられる。通常、ドーパント材料は、1未満の偏析係数を有しており、これは、溶融体中におけるドーパント材料の溶解度が固体中におけるドーパント材料の溶解度を上回ることを意味している。これは、通常、シード結晶からの距離の増大に伴うインゴット中のドーピング濃度の増大をもたらす。

概要

半導体素子、シリコンウエハ、及びシリコンインゴットを提供する。 CZシリコンインゴットは、ドナー及びアクセプタによってドーピングされており、且つ、ドナー及びアクセプタのドーピング濃度の軸方向の勾配を含む。ドナーとアクセプタのドーピング濃度の間の差に基づいた電気活性正味ドーピング濃度は、アクセプタによるドナーのドーピング濃度の少なくとも20%の部分的な補償に起因し、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%について、60%未満だけ、変化している。

目的

更には、このようなシリコン半導体素子用のベース材料としてシリコンインゴット及びウエハを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

半導体素子であって、正味n型ドーピングドリフトゾーンを有するシリコン半導体本体を有し、n型ドーピングは、p型ドーパントにより、20%〜80%だけ、部分的に補償されており、且つ、前記ドリフトゾーン内の正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜1×1015cm−3の範囲である、半導体素子。

請求項2

前記n型ドーピングは、ボロンによって部分的に補償されたリンを有する請求項1に記載の半導体素子。

請求項3

前記ドリフトゾーン内の前記正味n型ドーピングは、リンよりも小さな偏析係数を有するp型ドーパント種によって更に補償されている請求項2に記載の半導体素子。

請求項4

前記p型ドーパント種は、アルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つに対応している請求項3に記載の半導体素子。

請求項5

ボロンとアルミニウム及びガリウムのうちの前記少なくとも1つとの間の濃度比率は、少なくとも2である請求項4に記載の半導体素子。

請求項6

前記ドリフトゾーンの前記正味nドーピングは、前記シリコン半導体本体の未加工材料のドーピングに対応しており、且つ、前記ドリフトゾーン内の前記正味ドーピング濃度よりも大きな正味ドーピング濃度を有するpドーピング及びnドーピングされた領域を更に有する請求項1に記載の半導体素子。

請求項7

前記半導体素子は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタダイオード、及び絶縁ゲート電界効果トランジスタのうちの1つである請求項1に記載の半導体素子。

請求項8

前記半導体素子は、前記半導体本体の第1表面において第1負荷端子を有すると共に前記第1表面の反対側の第2表面において第2負荷端子を有する縦型パワー半導体素子である請求項1に記載の半導体素子。

請求項9

ドナー及びアクセプタによってドーピングされており、且つ、前記ドナー及び前記アクセプタのドーピング濃度の軸方向の傾斜を含むCZシリコンインゴットであって、前記ドナー及びアクセプタの前記ドーピング濃度の間の差に基づいた電気活性正味ドーピング濃度は、前記アクセプタによる前記ドナーの前記ドーピング濃度の少なくとも20%の部分的な補償に起因し、前記CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%について、60%未満だけ、変化している、インゴット

請求項10

前記電気活性正味ドーピング濃度は、前記CZシリコンインゴットの前記軸方向の長さの前記少なくとも40%について、前記電気活性正味ドーピング濃度の20%未満だけ、変化している請求項9に記載のCZシリコンインゴット。

請求項11

前記ドナーは、リン、ヒ素、及びアンチモンのうちの少なくとも1つを含む請求項9に記載のCZシリコンインゴット。

請求項12

前記アクセプタは、ボロンを含む請求項9に記載のCZシリコンインゴット。

請求項13

前記アクセプタは、アルミニウム、ガリウム、及びインジウムのうちの少なくとも1つを更に含む請求項9に記載のCZシリコンインゴット。

請求項14

正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜3×1014cm−3の範囲である請求項9に記載のCZシリコンインゴット。

請求項15

シリコンウエハであって、正味n型ドーピングを有し、n型ドーピングは、p型ドーパントにより、20%〜80%だけ、部分的に補償されており、且つ、前記正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜1×1015cm−3の範囲である、シリコンウエハ。

請求項16

前記n型ドーピングは、ボロンによって部分的に補償されたリンを有する請求項15に記載のシリコンウエハ。

請求項17

前記正味n型ドーピングは、リンよりも小さな偏析係数を有するp型ドーパント種によって更に補償されている請求項15に記載のシリコンウエハ。

請求項18

前記p型ドーパント種は、アルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つに対応している請求項17に記載のシリコンウエハ。

請求項19

ボロンとアルミニウム及びガリウムのうちの前記少なくとも1つとの間の濃度比率は、少なくとも2である請求項18に記載のシリコンウエハ。

技術分野

0001

絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)、ダイオード、例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:MOSFET)などの絶縁ゲート電界効果トランジスタ(Insulated Gate Field Effect Transistor:IGFET)などのシリコン装置においては、いくつかの要件充足させる必要がある。これらの要件は、通常、特定の用途条件によって左右される。通常、例えば、大きな絶縁破壊電圧と小さなオン状態抵抗値などの関連する特性の間にトレードオフを見出さなければならない。例えば、半導体素子の動作の際に発生しうる酸化物シリコンの間の境界面における電子雪崩降伏現象及び望ましくない反転チャネルの形成は、半導体素子の安定性及び半導体素子の信頼性に対して悪影響を及ぼしうる。

背景技術

0002

このような様々な半導体素子を製造する代表的なベース材料として、例えば、標準CZ法による、或いは、磁気CZ(Magnetic CZ:MCZ)法による、或いは、連続CZ(Continuous CZ:CCZ)法によるなどのように、チョクラスキー(CZochralski:CZ)法によって成長させたシリコンウエハが使用されている。チョクラルスキー法においては、るつぼ内において、シリコンを約1416℃のシリコンの融点まで加熱してシリコンの溶融体を生成する。小さなシリコンシード結晶を溶融体と接触させる。シリコンシード結晶上において、溶融シリコン凍結する。シリコンシード結晶を溶融体から離れるように低速で引き抜くことにより、百〜数百mmの範囲の直径と、1メートル以上の長さと、を有するように、結晶質シリコンインゴットを成長させる。MCZ法においては、酸素汚染レベルを低減するべく、外部磁界を更に印加している。

0003

チョクラルスキー法による定義されたドーピングを伴うシリコンの成長は、偏析効果によって複雑化する。ドーパント材料偏析係数により、成長する結晶中のドーパント材料の濃度と溶融体のドーパント材料の濃度の間の関係が特徴付けられる。通常、ドーパント材料は、1未満の偏析係数を有しており、これは、溶融体中におけるドーパント材料の溶解度が固体中におけるドーパント材料の溶解度を上回ることを意味している。これは、通常、シード結晶からの距離の増大に伴うインゴット中のドーピング濃度の増大をもたらす。

発明が解決しようとする課題

0004

シリコン半導体素子の安定性及び信頼性を改善することが望ましい。更には、このようなシリコン半導体素子用のベース材料としてシリコンインゴット及びウエハを提供することが好ましい。

課題を解決するための手段

0005

半導体素子の一実施形態は、正味n型ドーピングのドリフトゾーンを有するシリコン半導体本体を含む。n型ドーピングは、p型ドーパントにより、20%〜80%だけ、部分的に補償されている。ドリフトゾーン内の正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜1×1015cm−3の範囲である。

0006

一実施形態によるCZシリコンインゴットは、ドナー及びアクセプタによってドーピングされ、且つ、ドナー及びアクセプタのドーピング濃度の軸方向の勾配を含む。ドナーとアクセプタのドーピング濃度の間の差に基づいた電気活性正味ドーピング濃度は、アクセプタによるドナーのドーピング濃度の少なくとも20%の部分的な補償に起因し、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%について、60%未満だけ、変化している。

0007

別の実施形態によれば、シリコンウエハは、正味n型ドーピングを有する。n型ドーピングは、p型ドーパントにより、20%〜80%だけ、部分的に補償されている。正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜1×1015cm−3の範囲である。

0008

業者は、以下の説明及び添付の図面を参照することにより、更なる特徴及び利点について認識することができよう。

0009

添付図面は、本開示の更なる理解を提供するべく含まれており、且つ、本明細書に含まれると共に本開示の一部分を構成している。これらの図面は、本開示の実施形態を示しており、且つ、説明と共に、本開示の原理を説明するべく機能する。その他の実施形態及び意図されている利点については、以下の詳細な説明を参照することにより、理解が深まることに伴って、容易に理解することができよう。

図面の簡単な説明

0010

一実施形態によるシリコンウエハの概略断面図を示す。
一実施形態による縦型半導体素子の概略断面図を示す。
一実施形態による横型半導体素子の概略断面図を示す。
一実施形態によるパワー半導体ダイオードの概略断面図を示す。
一実施形態によるパワー半導体IGBTの概略断面図を示す。
シリコンウエハを製造する方法を示す概略プロセスチャートである。
図5に示されている方法を実行するCZ成長システムの概略断面図である。
ドーパント材料によってるつぼをドーピングする方法を示すためのるつぼの概略断面図である。
るつぼ内のシリコン溶融体に対してドーパントを追加する方法を示すためのCZ成長システムの一部分の概略断面図である。
シリコン溶融体に追加されるボロン及びリンの異なる比率との関係においてCZ成長したシリコンインゴットの軸方向の位置に沿った補償されていないリンの模擬濃度を示すグラフである。
シリコン溶融体に追加されるボロン及びリンの異なる比率との関係においてCZ成長したシリコンインゴットの軸方向位置に沿った模擬固有抵抗を示すグラフである。

実施例

0011

以下の詳細な説明においては、添付図面が参照されているが、これらの図面は、本明細書の一部分を構成しており、且つ、これらの図面には、本開示を実施してもよい特定の実施形態が例として示されている。本発明の範囲を逸脱することなしに、その他の実施形態が利用されてもよく、且つ、構造的又は論理的な変更が実施されてもよいことを理解されたい。例えば、1つの実施形態について図示又は記述されている特徴をその他の実施形態において又はそれらとの関係において使用することにより、更に別の実施形態をもたらすことができる。本開示は、このような変更及び変形をも含むものと解釈されたい。これらの例については、特定の言語を使用することによって記述されているが、これは、添付の請求項の範囲を限定するものと解釈してはならない。図面は、縮尺が正確ではなく、且つ、例示を目的としたものに過ぎない。わかりやすくするべく、同一要素は、そうではない旨が特記されていない限り、様々な図面において、対応する参照符号によって表記されている。

0012

具備する」、「収容する」、「含む」、「有する」、及びこれらに類似したものなどの用語は、開放型であり、且つ、これらの用語は、記述されている構造、要素、又は特徴の存在を示しており、且つ、更なる要素又は特徴の存在を排除するものではない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」という詞は、そうではない旨が文脈によって明瞭に示されていない限り、単数形のみならず、複数形をも含むものと解釈されたい。

0013

電気的に接続されている」という用語は、例えば、関係する要素の間の直接的な接続又は金属及び/又は高度にドーピングされた半導体を介した低オーム接続などの電気的に接続された要素の間における永久的な低オーム接続を表している。「電気的に結合されている」という用語は、例えば、第1状態において低オーム接続を一時的に提供すると共に第2状態においては高オーム電気結合解除を一時的に提供する要素などの電気的に結合された要素の間に、信号伝送のために適合された1つ又は複数の介在要素が存在してもよいことを含んでいる。

0014

添付図面は、「n」又は「p」というドーピング型の隣に「−」又は「+」を示すことにより、相対的なドーピング濃度を示している。例えば、「n−」は、「n」ドーピング領域のドーピング濃度を下回るドーピング濃度を意味しており、且つ、「n+」ドーピング領域は、「n」ドーピング領域よりも高いドーピング濃度を有する。同一の相対的ドーピング濃度のドーピング領域は、必ずしも、同一の絶対的ドーピング濃度を有しているわけではない。例えば、2つの異なる「n」ドーピング領域は、同一の又は異なる絶対的ドーピング濃度を有してもよい。

0015

図1は、一実施形態によるシリコンウエハ100の概略断面図を示している。

0016

シリコンウエハ100は、正味n型ドーピングを有する。正味n型ドーピングは、概略グラフにおいて、シリコンウエハ100の両側の第1及び第2表面101、102の間の垂直方向yに沿った正味n型ドーピング濃度プロファイル関係付けられた曲線c1によって示されている。図示の例においては、曲線c1は、垂直方向yに沿ったn型ドーピングのプロファイルである曲線c2と垂直方向yに沿ったp型ドーピングのプロファイルである曲線c3の差に対応している。n型ドーピングは、p型ドーパントにより、20%〜80%だけ、部分的に補償されている。図示の例との関連において、曲線c3は、c2の20%に対応した濃度の下限cLとc2の80%に対応した濃度の上限cHの間の範囲をとってもよい。

0017

曲線c2及びc3のそれぞれは、例えば、チョクラルスキー結晶成長の際の偏析効果に起因し、一定のレベルからわずかに逸脱する場合がある。又、曲線c1、c2の異なる偏析係数に起因し、c3も、一定のレベルからわずかに逸脱する場合があり、例えば、垂直方向において小さな勾配を示す場合がある。

0018

一実施形態によれば、n型ドーピングは、p型ドーピングとしてボロンによって部分的に補償されたリンを有する。

0019

別の実施形態によれば、正味n型ドーピングは、リンよりも小さな偏析係数を有するp型ドーパント種により、更に補償されている。更に別の実施形態によれば、正味n型ドーピングは、リンよりも小さな偏析係数を有する複数の異なるp型ドーパント種により、更に補償されている。リンよりも大きな偏析係数を有するボロンにより、且つ、リンよりも小さな偏析係数を有する1つ又は複数のp型ドーパント種により、部分的な補償を実行することにより、CZ成長の際のp型ドーパントの効果的な偏析をリンの偏析動作に対して適合させることができる。ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)は、リンよりも小さな偏析係数を有するp型ドーパント種の例である。

0020

シリコンウエハ100は、改善された安定性及び信頼性を有する半導体素子を実現する。例えば、p型及びn型ドーパントによって生成されるキャリア移動度の低減に起因し、高い阻止電圧における電子雪崩降伏が減少しうる。更には、例えば、エッジ終端エリア内における且つ/又はトレンチ内における酸化物境界面に対する半導体におけるリンのパイルアップ効果及びボロンのパイルダウン効果は、半導体素子動作の際の望ましくない反転チャネルの形成の低減を実現する半導体/酸化物境界面における合計n型ドーピングの改善を結果的にもたらしうる。

0021

図2Aは、一実施形態による縦型半導体素子2001の一部分の概略断面図である。縦型半導体素子2001は、シリコン半導体本体204を有する。シリコン半導体本体204は、図1に示されているシリコンウエハ100に対応したものであってもよく、或いは、例えば、ウエハのダイシングの結果として得られるダイなどのシリコンウエハ100の一部分であってもよい。縦型半導体素子2001は、正味n型ドーピングのドリフトゾーン205を含む。ドリフトゾーン205内のn型ドーピングは、p型ドーパントにより、20%〜80%だけ、部分的に補償されている。部分的に補償されたドリフトゾーン205は、図1に示されているシリコンウエハ100などのチップ基板材料の基本的なドーピングに対応したものであってもよい。結果的に得られるn型ドリフトゾーンドーピングc1は、1×1013cm−3〜1×1015cm−3、2×1013cm−3〜2×1014cm−3、又は3×1013cm−3〜7×1013cm−3であってもよい。

0022

縦型半導体素子2001は、例えば、半導体本体204の前部表面などの第1表面210において第1負荷端子構造220を含む。第1負荷端子構造220は、1つ又は複数のドーピングされた半導体領域を含む。1つ又は複数の半導体領域は、例えば、拡散及び/又はイオン注入プロセスによるなどの第1表面210におけるシリコン半導体本体204のドーピングプロセスにより、形成されてもよい。第1負荷端子構造220の半導体本体204内の1つ又は複数のドーピングされた半導体領域は、例えば、スーパージャンクションFETなどの垂直パワーIGFETのドーピングされたソース及び本体領域、又はIGBTのコレクタ、或いは、例えば、縦型パワー半導体ダイオードのアノード又はカソード領域を含んでもよい。第1表面210においてシリコン半導体本体204を処理する際には、半導体本体内において形成されるパワー半導体素子に応じて、プレーナーゲート構造などの制御端子構造及び/又は1つ又は複数のゲート誘電体及び1つ又は複数のゲート電極を含むトレンチゲート構造が形成されてもよい。

0023

縦型半導体素子2001は、例えば、第1表面210の反対側のシリコン半導体本体204の後部表面などの第2表面211において第2負荷端子構造225を更に含む。第2負荷端子構造225は、1つ又は複数のドーピングされた半導体領域を含む。1つ又は複数のドーピングされた半導体領域は、例えば、拡散及び/又はイオン注入プロセスによるなどの第2表面211におけるシリコン半導体本体204のドーピングプロセスにより、形成されてもよい。第2負荷端子構造225のシリコン半導体本体204内の1つ又は複数のドーピングされた半導体領域は、例えば、1つ又は複数のドーピングされた電界停止領域縦型パワーFETのドーピングされたドレイン領域、又はIGBTのエミッタ、或いは、縦型パワー半導体ダイオードのアノード又はカソード領域を含んでもよい。

0024

第1負荷端子構造220に対する第1電気負荷接点L1及び制御端子構造に対する電気制御端子接点Cは、縦型パワー半導体層内に存在する場合には、第1表面210の上方の配線エリアの1つ又は複数の部分である。第2表面211には、第2負荷端子構造225に対する第2電気負荷接点L2が設けられている。電気負荷接点L1、L2及び電気制御端子接点Cは、その間に挟持された1つ又は複数のレベル間誘電体層によって電気的に絶縁された金属化層などの1つ又は複数のパターン化された導電性層から形成されてもよい。1つ又は複数のレベル間誘電体層内の接触開口部は、例えば、1つ又は複数のパターン化された導電性層及び/又は第1負荷端子構造220などのシリコン半導体本体内の1つ又は複数の活性エリアの間に電気接触を提供するべく、1つ又は複数の導電性材料によって充填されてもよい。1つ又は複数のパターン化された導電性層及び/又はレベル間誘電体層は、例えば、第1表面210において半導体本体204の上方に配線エリアを形成してもよい。例えば、金属化層又は金属化層積層体などの導電性層が、例えば、第2表面211において設けられてもよい。

0025

縦型半導体素子2001内においては、電流の流れの方向は、両側の第1及び第2表面210、211の間の垂直方向に沿った第1及び第2負荷端子接点L1、L2の間である。

0026

図2Bは、一実施形態による横型半導体素子2002の一部分の概略断面図である。横型半導体素子2002は、第2負荷端子構造225及び第2接点L2が第1表面210において形成されているという点が縦型半導体素子2001とは異なっている。第1及び第2負荷端子構造220、225は、同一プロセスにより、同時に形成されてもよい。同様に、第1及び第2負荷端子接点L1、L2も、同一プロセスにより、同時に形成されてもよい。

0027

図2A及び図2Bに示されている実施形態においては、縦型及び横型半導体素子2001、2002の阻止電圧能力は、例えば、FETの本体領域とドレイン領域の間などの第1及び第2負荷端子構造220、225の間のドリフトゾーン205の適切な距離d1、d2により、調節することができる。

0028

図3は、パワー半導体ダイオード2003として形成された縦型半導体素子2001の一例の更に詳細な概略断面図である。ドリフトゾーン205は、上述の半導体素子2001との関連において詳述したように、n−ドーピングされている。第1表面210におけるpドーピングされたアノード領域2201は、第1負荷端子接点L1との電気的接触状態にある。pドーピングされたアノード領域2201は、図2Aに示されている第1負荷端子構造220の要素の一例である。第2表面211におけるn+ドーピングされたカソード領域2251は、第2負荷端子接点L2との電気的接触状態にある。n+ドーピングされたカソード領域2251は、図2Aに示されている第2負荷端子構造225の要素の一例である。

0029

図4は、パワーIGBT2004として形成された縦型半導体素子2001の一例の更に詳細な概略断面図である。ドリフトゾーン205は、上述の半導体素子2001との関連において詳述したように、n−ドーピングされている。第1表面210におけるエミッタ構造2202は、pドーピングされた本体領域2203と、n+ドーピングされたソース領域2204と、を含む。pドーピングされた本体領域2203及びn+ドーピングされたソース領域2204は、図2Aに示されている第1負荷端子構造220の要素の例である。エミッタ構造2202は、第1負荷端子接点L1との電気的接触状態にある。誘電体240と、ゲート電極241と、を含むゲート構造が、第1表面210において半導体本体204上に形成されている。第2表面211におけるp+ドーピングされた後部側エミッタ2252を含むIGBTコレクタは、第2負荷端子構造L2との電気的接触状態にある。p+ドーピングされた後部側エミッタ2252は、図2Aに示されている第2負荷端子構造225の要素の一例である。

0030

図5は、シリコンウエハを製造する方法を示している。

0031

方法のプロセス特徴S100は、n型ドーパントを有するシリコン溶融体から抽出期間にわたってn型シリコンインゴットを抽出するステップを有する。

0032

プロセス特徴S110は、p型ドーパントを抽出期間の少なくとも一部分にわたってシリコン溶融体に追加し、これにより、20%〜80%だけ、n型シリコンインゴット内のn型ドーパントを補償するステップを有する。

0033

プロセス特徴S120は、シリコンインゴットをスライシングするステップを有する。

0034

いくつかの実施形態においては、シリコンインゴットの正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜1×1015cm−3の範囲であるか、或いは、2×1013cm−3〜2×1014cm−3の範囲である。

0035

いくつかの実施形態においては、n型ドーパントのn型ドーパント種の偏析係数及びp型ドーパントのp型ドーパント種の偏析係数は、少なくとも3倍だけ、異なっている。

0036

いくつかの実施形態においては、n型ドーパント種は、リンであり、且つ、p型ドーパント種は、ボロンである。

0037

いくつかの実施形態においては、本方法は、ボロンに加えて、抽出期間の少なくとも一部分にわたって第2p型ドーパント種をシリコン溶融体に追加するステップを更に有しており、第2p型ドーパント種は、リンよりも小さな偏析係数を有する。

0038

いくつかの実施形態においては、第2p型ドーパント種は、アルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも1つに対応している。

0039

いくつかの実施形態においては、ボロンは、ボロンドーピングされた石英材料又は気相のボロンのうちの少なくとも1つから、シリコン溶融体に追加されている。

0040

いくつかの実施形態においては、ボロンは、炭化ホウ素又は窒化ホウ素原料物質からシリコン溶融体に追加されている。

0041

いくつかの実施形態においては、ボロンは、ボロンドーピングされたるつぼからシリコン溶融体に追加されている。

0042

いくつかの実施形態においては、ボロンドーピングされたるつぼは、るつぼ内へのボロンの注入、るつぼ内へのボロンの拡散、及び原位置ドーピングのうちの少なくとも1つにより、形成されている。

0043

いくつかの実施形態においては、ボロンは、様々なエネルギー及び分量において、るつぼに注入されている。

0044

いくつかの実施形態においては、本方法は、るつぼ内においてボロンの逆行プロファイルを設定するように構成された加熱により、熱収支(thermal budget)をるつぼに対して適用するステップを更に有する。

0045

いくつかの実施形態においては、本方法は、層をるつぼの内側壁において形成するステップを更に有する。

0046

いくつかの実施形態においては、本方法は、ボロンをシリコン溶融体に追加するレートを変更するステップを更に有する。

0047

いくつかの実施形態においては、ボロンをシリコン溶融体に追加するレートを変更するステップは、粒子のサイズ、形状、及び供給レート、ボロンキャリアガスの流量又は分圧のうちの少なくとも1つを変更するステップを含む。

0048

いくつかの実施形態においては、ボロンをシリコン溶融体に追加するレートを変更するステップは、シリコン溶融体に浸漬される原料物質の深さを変更するステップと原料物質の温度を変更するステップのうちの少なくとも1つを含み、この場合に、原料物質は、ボロンによってドーピングされている。

0049

いくつかの実施形態においては、原料物質のドーピングは、原料物質の表面を通じたプラズマ堆積プロセスによる、原料物質の表面を通じたイオン注入による、及び原料物質の表面を通じた拡散プロセスによる、原位置ドーピングのうちの1つによって実行されている。

0050

いくつかの実施形態においては、本方法は、チョクラルスキー成長プロセスの際のシリコンインゴットの重量を計測することにより、ボロンをシリコン溶融体に追加するレートを制御するステップを更に有する。

0051

いくつかの実施形態においては、本方法は、ボロンによってドーピングされた石英原料物質の寸法の変化を光学的に計測することにより、ボロンをシリコン溶融体に追加するレートを制御するステップを更に有する。

0052

いくつかの実施形態においては、本方法は、原料物質とシリコン溶融体の間の接触面積と原料物質の加熱のうちの少なくとも1つを変更することにより、ボロンをシリコン溶融体に追加するレートを変更するステップを更に有する。

0053

いくつかの実施形態においては、p型ドーパントをシリコン溶融体に追加するステップは、p型ドーパント原料物質からのp型ドーパントをシリコン溶融体内に溶解させるステップを含む。

0054

CZシリコンインゴットの一実施形態においては、CZシリコンインゴットは、ドナー及びアクセプタによってドーピングされており、且つ、ドナー及びアクセプタのドーピング濃度の軸方向の勾配を含む。ドナーとアクセプタのドーピング濃度の間の差に基づいた電気活性正味ドーピング濃度は、アクセプタによるドナーのドーピング濃度の少なくとも20%の部分的な補償に起因し、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%にわたって、60%未満だけ、変化する。又、電気活性正味ドーピング濃度は、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%にわたって、40%未満だけ、又は30%未満だけ、或いは、場合によっては、20%未満だけ、変化してもよい。換言すれば、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%に沿って、電気活性正味ドーピング濃度は、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%に沿って平均化された平均電気活性正味ドーピング濃度から、+/−30%未満だけ、又は+/−20%未満だけ、又は+/−15%未満だけ、或いは、場合によっては、+/−10%未満だけ、変化してもよい。これは、ドナーの偏析効果を妨げることにより、生成されてもよく、ドナーの偏析効果は、別の偏析動作を有するアクセプタによる部分的な補償により、CZシリコンインゴットの軸方向の長さに沿った正味ドーピングの強力な変動をもたらす場合がある。

0055

いくつかの実施形態においては、ドナーは、リン、ヒ素、及びアンチモンのうちの少なくとも1つを含む。

0056

いくつかの実施形態においては、アクセプタは、ボロンを含む。

0057

いくつかの実施形態においては、アクセプタは、アルミニウム、ガリウム、及びインジウムのうちの少なくとも1つを更に含む。

0058

いくつかの実施形態においては、正味n型ドーピング濃度は、1×1013cm−3〜3×1014cm−3の範囲であるか、或いは、2×1013cm−3〜2×1014cm−3の範囲である。

0059

図6は、図5に示されている方法を実行すると共に上述の実施形態において説明したCZシリコンインゴットを製造する方法を実行するCZ成長システム600の単純化された概略断面図である。

0060

CZ成長システム600は、例えば、グラファイトサセプタなどのるつぼ支持部606上に、例えば、石英るつぼなどのるつぼ605を含む。例えば、高周波(Radio Frequency:RF)コイルなどのヒーター607が、るつぼを取り囲んでいる。ヒーター607は、るつぼ605の側部及び/又は底部において構成されてもよい。るつぼ605は、支持シャフト608により、回転してもよい。

0061

ヒーター607を介した加熱により、ポリシリコンなどの非晶質未加工材料などのシリコン材料と、リン(P)、アンチモン(Sb)、ヒ素(As)、又はこれらの任意の組合せなどのn型ドーパント材料の混合物をるつぼ内において溶融させる。n型ドーパント材料は、溶融対象のシリコン材料の初期ドーピングを既に構成していてもよく、或いは、その一部分であってもよく、且つ/又は、固体又は気体ドーパント原料物質として追加されてもよい。一実施形態によれば、固体ドーパント原料物質は、ドーパント原料ピルなどのドーパント原料粒子である。ドーパント原料物質は、円板形状、球形状、又は立方体形状などの既定の形状を有してもよい。一例として、ドーパント原料物質の形状は、ドーパント原料物質をるつぼ605内のシリコン溶融体610に供給するように構成されたディスペンサなどの供給装置609に対して適合させてもよい。

0062

一実施形態によれば、ドーパント原料物質は、ドーパント材料に加えて、キャリア材料又はバインダ材料を含んでもよい。例として、ドーパント原料物質は、ドーパント材料によってドーピングされた石英又は炭化ケイ素(SiC)であってもよい。別の実施形態によれば、ドーパント原料物質は、シリコン未加工材料よりも大きな程度にドーピングされた高度にドーピングされたポリシリコン材料などの高度にドーピングされたシリコン材料であってもよい。更に別の実施形態によれば、ドーパント原料物質は、窒化ホウ素及び/又は炭化ホウ素であってもよい。

0063

シード結晶614をシリコン溶融体610内に浸漬し、その後に、シリコンの融点をわずかに上回る溶融体の表面温度においてシード結晶614を低速で引き戻すことにより、シリコンインゴット612が、シリコン溶融体610を収容するるつぼ605から引き出される。シード結晶614は、引き上げシャフト616によって回転するシード支持部615上において取り付けられた単一の結晶質シリコンシードである。通常は、数mm/分の範囲である引き上げレートと、温度プロファイルと、が、CZ成長したシリコンインゴット612の直径に対して影響を及ぼす。

0064

図5に示されている方法によるCZ成長システム600によってシリコンインゴット612を抽出する際には、ボロンが、抽出期間にわたって、シリコン溶融体610に追加される。一実施形態によれば、ボロンは、一定のレートで溶融シリコンに追加されている。ボロンは、供給装置609によってシリコン溶融体610に供給されるボロンドーピングされた石英材料などのボロンドーピングされた石英材料からシリコン溶融体610に追加されてもよい。更には、又はこの代わりに、ボロンは、炭化ホウ素から、又は窒化ホウ素原料物質から、シリコン溶融体610に追加されてもよく、これらも、供給装置609により、シリコン溶融体610に供給されてもよい。

0065

別の実施形態によれば、ボロンは、ボロンドーピングされたるつぼからシリコン溶融体610に追加されている。ボロンドーピングされたるつぼは、例えば、ボロンをるつぼに注入することにより、形成されてもよい(図7の概略断面図を参照されたい)。ボロンは、1つ又は複数の傾斜注入により(図7のラベルI22及びI32を参照)、且つ/又は、非傾斜注入により、るつぼ605に注入されてもよい(ラベルI12を参照)。例えば、石英から製造されたるつぼの場合には、約10μm/時間の範囲のレートでシリコン溶融体610中においてるつぼ605の材料を溶解させることにより、1つ又は複数の傾斜角度分布を使用し、シリコン溶融体610に供給されるボロンの量を調節してもよい。ボロンは、様々なエネルギーにおいて且つ/又は様々な分量で、るつぼに注入されてもよい。加熱による熱収支のるつぼ105に対する適用は、るつぼ605内におけるボロンの逆行プロファイルの設定を更に許容しうる。様々なエネルギー及び/又は分量における複数回の注入は、るつぼ605の所定の深さへのボロンのプロファイルの設定を許容しうる。従って、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを調節してもよく、即ち、注入パラメータの選択により、ボロンの追加のレートを、明確に定義された方式により、変化させることが可能であり、且つ、制御することができる。一例として、るつぼ605内のボロンのプロファイルは、逆行プロファイルであってもよい。又、るつぼ605へのボロンの注入の代わりに、或いは、これに加えて、ボロンは、例えば、ボロンの固体拡散供給源などの拡散供給源からの拡散によるなどの別のプロセスにより、るつぼ605に導入されてもよい。又、るつぼ605にボロンを導入する上述のプロセスの更なる代替肢として、或いは、これに加えて、ボロンは、原位置において、即ち、るつぼ605の形成の際に、るつぼ605に導入されてもよい。

0066

更に別の実施形態によれば、ボロンは、例えば、供給装置609を介したジボラン(B2H6)の供給により、気相からシリコン溶融体610に導入されてもよい。一実施形態によれば、気相におけるボロンの供給は、CZ成長システム600内への不活性ガスの供給を介して、実行されてもよい。別の実施形態によれば、気相におけるボロンの供給は、例えば、シリコン溶融体610内に延在する石英チューブなどの1つ又は複数のチューブを介して実行されてもよい。更に別の実施形態によれば、気相におけるボロンの供給は、シリコン溶融体610から短い距離において終端する1つ又は複数のチューブを介して実行されてもよい。チューブは、例えば、シャワーヘッドの形態で、排出口において1つ又は複数の開口部を含んでもよい。

0067

別の実施形態によれば、るつぼ605からシリコン溶融体610内へのボロンの拡散を制御するべく、線形層が、るつぼ605上に形成されてもよい。一例として、線形層は、石英及び/又は炭化ケイ素から形成されてもよい。一実施形態によれば、線形層は、るつぼ内に含まれているボロンがシリコン溶融体610中において分解状態になると共にシリコンインゴット612の成長プロセスの際にドーパントとして機能する前に、シリコン溶融体601中において溶解してもよい。この結果、シリコンインゴット612に導入されるドーパントとして、ボロンがシリコン溶融体中において利用可能となる時点の調節が許容される。また、この線形層は、線形層を通じた且つシリコン溶融体610内へのるつぼ605からのボロンの拡散に必要とされる期間だけ、シリコン溶融体610へのボロンの導入を遅延させることにもなる。

0068

別の実施形態によれば、シリコンインゴット612を製造する方法は、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更するステップを更に含む。一実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更するステップは、ボロンを含む粒子のサイズ、形状、及び供給レートのうちの少なくとも1つを変更するステップを含む。一例として、レートは、ドーパント材料と共にドーピングされる粒子の直径を増大させることにより、増大させてもよい。更なる又はこれに代わる対策として、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートは、供給装置609によってドーパント原料物質をシリコン溶融体610内に供給する速度を増大させることにより、増大させてもよい。

0069

図8の概略断面図に示されている別の実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更するステップは、シリコン溶融体610内に浸漬されるドーパント原料物質625の深さdを変更するステップを含む。

0070

別の実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更するステップは、ドーパント原料物質625の温度を変更するステップを含む。一例として、例えば、加熱によってドーパント原料物質の温度を上昇させることにより、ドーパント原料物質625からシリコン溶融体610に導入されるボロンの量を増大させてもよい。ドーパント原料物質625は、ボロンによってドーピングされている。一実施形態によれば、ドーパント原料物質のドーピングは、ドーパント原料物質625の表面626を通じたプラズマ堆積プロセスによる、ドーパント原料物質625の表面626を通じたイオン注入による、且つ、ドーパント原料物質625の表面626を通じた拡散プロセスによる、原位置ドーピングのうちの1つによって実行されている。ドーパント原料物質625は、例えば、棒、円筒円錐、又はピラミッドとして成形されてもよい。又、ドーパント原料物質625は、1つの形状又は異なる形状の組合せを有する複数の別個のドーパント原料片から製造されてもよい。シリコン溶融体610内に浸漬されるドーパント原料物質625の部分の深さdは、引き上げメカニズム627によって変更されてもよい。引き上げメカニズム627は、ドーパント原料物質625を保持し、シリコン溶融体610内にドーパント原料物質625を浸漬し、且つ、更には、シリコン溶融体610からドーパント原料物質625を引き上げる。制御メカニズム128は、引き上げメカニズム627を制御するように構成されている。制御メカニズム628は、例えば、有線又は無線制御信号送信により、引き上げメカニズム627を制御してもよい。

0071

別の実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更するステップは、気相からのボロンによってシリコン溶融体610をドーピングする際に、例えば、ジボラン(B2H6)などのボロンキャリアガスの流量又は分圧を変更するステップを含む。

0072

一実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートは、成長の際のシード結晶614からシリコン溶融体610までのシリコンインゴット612の長さに応じて、制御されてもよい。別の実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートは、チョクラルスキー成長プロセスの際のシリコンインゴット612及び/又はドーパント原料物質625の重量の計測結果に基づいて、制御されてもよい。一例として、シリコンインゴット612及び/又はドーパント原料物質625の重量は、例えば、シリコンインゴット612及び/又はドーパント原料物質625を計量ユニットにおいて吊るすことにより、計測されてもよい。

0073

一実施形態によれば、ボロン又は別のp型ドーパントは、pドーパント原料ピルなどのpドーパント原料物質によるCZ成長の前に、且つ/又、はその最中に、追加されてもよい。pドーパント原料物質は、円板形状、球形状、又は立方体形状などの既定の形状を有してもよい。一例として、pドーパント原料物質の形状は、pドーパント原料物質をるつぼ605内のシリコン溶融体610に供給するように構成されたディスペンサなどの供給装置609に対して適合させてもよい。シリコン溶融体610内へのpドーパントの時間に依存した供給は、例えば、pドーパント原料物質からシリコン溶融体610内へのpドーパントの溶解を制御するべく、又はpドーパント原料物質からシリコン溶融体610内へのpドーパントの拡散を制御するべく、異なるエネルギーにおける複数回のイオン注入により、且つ/又は、pドーパント原料物質を取り囲む線形層を形成することにより、pドーパント原料物質の所定の深さまでのp型ドーパント濃度のプロファイルを調節することにより、実現されてもよい。

0074

別の実施形態によれば、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートの制御は、ボロンによってドーピングされた石英原料物質の寸法の変化を光学的に計測することにより、実行されている。石英原料物質内への計測光進入は、例えば、シリコン溶融体610から突出する石英原料物質の一部分を通じて実行されてもよい。又、ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更するステップは、ドーパント原料物質とシリコン溶融体の間の接触面積とドーパント原料物質の加熱のうちの少なくとも1つを変更することにより、実行されてもよい。ボロンをシリコン溶融体610に追加するレートを変更することにより、20%〜80%だけボロンによって部分的に補償されたn型ドーピングを実現するように、CZ成長の際のボロンの有効偏析を1つ又は複数のn型ドーパントの偏析動作に対して適合させることができる。

0075

別の実施形態によれば、正味n型ドーピングは、ボロンに加えて、リンよりも小さな偏析係数を有するp型ドーパント種により、更に補償されている。更に別の実施形態によれば、正味n型ドーピングは、リンよりも小さな偏析係数を有する複数の異なるp型ドーパント種によって更に補償されている。リンよりも大きな偏析係数を有するボロンによる、且つ、リンよりも小さな偏析係数を有する1つ又は複数のp型ドーパント種による、部分的な補償を実行することにより、CZ成長の際のp型ドーパントの有効偏析をリンの偏析動作に対して適合させることができる。この結果、原料物質が溶融プロセスの開始の前に実装される場合にも、非常に効果的な補償が許容される。ガリウム及びアルミニウムは、リンよりも小さな偏析係数を有するp型ドーパント種の例である。結果的に得られる有効偏析係数の値は、相対的に大きな偏析係数を有するp型ドーパント種と相対的に小さな偏析係数を有するp型ドーパント種の間の比率により、調節することができる。通常、BとAl又はGaの間の比率は、リンドーピングの場合には、少なくとも2であり、或いは、場合によっては、5超であり、或いは、場合によっては、10超である。

0076

上述のシリコンインゴット112を製造する方法は、部分的な補償を含み、この場合には、nドーピングされたシリコンインゴット112内のドナーは、CZ成長の際にシリコン溶融体110に追加されるボロン及び任意選択の更なるp型ドーパントを数において上回っている。

0077

CZ成長の際にドーパント材料の偏析によって生成されるドーピングの軸方向のプロファイルは、以下の式(1)によって近似することができる。

0078

式(1)の第1項は、溶融体からシリコンインゴットを抽出する前に溶融体に追加されたドーピングを表している。上述の実施形態によれば、n型ドーパント材料が、式(1)の第1項によって表されうる。第2項は、CZ成長の際にドーパント材料を溶融体に対して一定のレートで追加するステップを表している。上述の実施形態によれば、ボロンを追加するステップが、式(1)の第2項によって表されうる。

0079

上述の式(1)において、c(p)は、シリコンインゴット中におけるドーパント材料の濃度(原子/cm3)を表記しており、pは、結晶化されていると共に完全に成長したシリコンインゴットの0%〜100%の軸方向位置に対応したCZ成長の際の初期溶融体の部分を表記しており、k0は、例えば、シリコン中のボロン(B)の場合には、約0.8であり、且つ、シリコン中のリン(P)の場合には、約0.35であるなどのドーパント材料の偏析係数を表記しており、c0は、溶融体中のドーパント材料の初期濃度(原子/cm3)を表記しており、且つ、F0は、溶融体に対して(引き上げレートとの関係において)一定の状態で追加されたドーパント材料の合計量を溶融体の初期容積によって除算したものを表記している(原子/cm3)。

0080

図9は、補償されていないリン(P)の算出濃度、即ち、正味nドーピング対シリコンインゴットの両端部の間の軸方向位置を示している。図示の曲線は、ボロン(B)及びリン(P)の異なる比率を、即ち、シリコン溶融体に対して(引き上げレートとの関係において)一定の状態で追加されたボロンの合計量を溶融体の初期容積によって除算したもの(原子/cm3を単位としたF0B)と溶融体中のリンの初期濃度(原子/cm3を単位としたc0P)の比率に対応したF0B/c0Pを、示している。

0081

図示の曲線は、0%、10%、20%、30%、40%、50%のF0B/c0Pの値を示している。CZ成長の際にボロンを溶融体に追加し、且つ、これにより、CZ成長の際に補償ドーパントを溶融体に追加することにより、図5図8を参照して説明した方法は、改善された安定性及び信頼性を有する半導体素子を製造するのに適したシリコンウエハを実現する。シリコンインゴットのCZ成長を開始する前にボロンを溶融体に追加する際に、シリコンインゴットの両端部の間の軸方向に沿った正味nドーピング濃度の均質性が、0%のF0B/c0Pの場合よりも、即ち、ボロンを追加しない場合によりも、悪化する場合がある。これは、リンなどのn型ドーパントの偏析係数と比較した場合に、補償ドーパントであるボロンの相対的に大きな偏析係数に起因している。BによるPの少なくとも20%の部分的な補償により、ドナー及びアクセプタのドーピング濃度の間の差に基づいた電気活性正味ドーピング濃度は、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%について、60%未満だけ、平均値から変化する。変動は、異なる偏析動作を有するアクセプタによる補償によるドナーの偏析効果に対する最適化された妨害により、更に小さな状態において維持されてもよい。又、これにより、電気活性正味ドーピング濃度は、CZシリコンインゴットの軸方向の長さの少なくとも40%について、40%未満だけ、或いは、30%未満だけ、或いは、場合によっては、20%未満だけ、変化してもよい。

0082

図10は、算出された固有抵抗対シリコンインゴットの両端部の間の軸方向位置の曲線を示している。図9に示されているパラメータ曲線と同様に、図10に示されている曲線も、ボロン(B)とリン(P)の異なる比率を、即ち、シリコン溶融体に対して(引き上げレートとの関係において)一定の状態で追加されるボロンの合計量を溶融体の初期容積によって除算したもの(原子/cm3を単位したF0B)と溶融体中におけるリンの初期濃度(原子/cm3を単位としたc0P)の比率に対応したF0B/c0Pを、示している。

0083

図9に示されているパラメータ曲線と同様に、図10に示されている曲線は、0%、10%、20%、30%、40%、50%のF0B/c0Pの値を示している。CZ成長の際にボロンを溶融体に追加し、且つ、これにより、CZ成長の際に補償ドーパントを溶融体に追加することにより、図5図8を参照して説明した方法は、シリコンインゴットの両端部の間の軸方向に沿った固有抵抗の均質性の改善を実現し、且つ、改善された安定性及び信頼性を有する半導体素子の製造に適したシリコンウエハを実現する。

0084

図5図10との関係において図示及び説明した方法に基づいて、表1は、固有抵抗の特定の変動と、ボロン(B)とリン(P)の特定の比率、即ち、シリコン溶融体に対して(引き上げレートとの関係において)一定の状態で追加されるボロンの合計量を溶融体の初期容量によって除算したもの(原子/cm3を単位としたF0B)と溶融体中のリンの初期濃度(原子/cm3を単位としたc0P)の比率に対応したF0B/c0Pと、を有する軸方向に沿ったインゴットの最大部分を示している。表1は、0%、10%、20%、30%、40%、50%のF0B/c0pの値と、+/−5%、+/−10%、+/−15%、+/−20%、+/−30%、+/−50%の固有抵抗の軸方向の変動と、を示している。CZ成長の際に溶融体にボロンを追加し、且つ、これにより、CZ成長の際に溶融体に補償ドーパントを追加することにより、図4図10を参照して説明した方法は、固有抵抗の特定の変動を有する軸方向に沿ったインゴットの最大部分を増大させることにより、歩留まりの改善を実現する。一例として、+/−10%の固有抵抗の変動を有するインゴットの軸方向の部分は、26%(補償ドーピングなし)から78%(40%の補償ドーピングF0B/c0P)に増大させてもよい。

0085

0086

図9及び図10との関係において示されている方法によれば、ボロンは、シリコン溶融体に対して(引き上げレートとの関係において)一定の状態で追加され(原子/cm3を単位としたF0Bという用語によって表現されている)、且つ、リンは、初期濃度として溶融体に追加される(原子/cm3を単位としたc0Pという用語によって表現されている)。その他の実施形態によれば、ボロンは、変化するレートにおいて溶融体に追加されてもよい。リン以外に、又はリンに加えて、アンチモン又はヒ素などのその他のn型ドーパント材料を使用してもよい。

0087

又、CZ成長の際の溶融体へのボロンの追加に加えて、全体ボロンの一部をCZ成長の前に溶融体に追加してもよく、これは、式(1)のc0Pという用語によって表現されてもよい。同様に、溶融体に対して初期濃度としてリン又は別のn型ドーパント材料を追加することに加えて、引き上げレートとの関係においてリン又はその他のn型ドーパント材料を一定の状態で追加する場合には、リン又はその他のn型ドーパントの一部分をCZ成長の際に溶融体に追加してもよく、これは、式(1)のF0Pによって表現されてもよい。

0088

シリコンインゴットのシリコンウエハへのスライシングは、シリコンインゴットの中心成長軸に対して垂直の状態で実行されてもよい。一実施形態によれば、スライシングは、例えば、内径(Inner−Diameter:ID)又はワイヤ型の鋸などの適切なスライシングツールによって実行されている。

0089

本明細書において記述されている実施形態は、組み合わせられてもよい。本明細書においては、特定の実施形態について図示及び説明されているが、当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、様々な代替及び/又は均等実装形態により、図示及び記述されている特定の実施形態を置換してもよいことを理解されよう。本出願は、本明細書において記述されている特定の実施形態のあらゆる適合形態及び変形形態を含むものと解釈されたい。従って、本発明は、特許請求項及びその均等物によってのみ限定されるものと解釈されたい。

0090

100シリコンウエハ
101 第2表面
102 第2表面
110シリコン溶融体
112シリコンインゴット
128制御メカニズム
204シリコン半導体本体
205ドリフトゾーン
210 第1表面
211 第2表面
220 第1負荷端子構造
225 第2負荷端子構造
240誘電体
241ゲート電極
600 CZ成長システム
601 シリコン溶融体
606るつぼ支持部
607ヒーター
608支持シャフト
609供給装置
610 シリコン溶融体
612 CZシリコンインゴット
614シード結晶
615シード支持部
616引き上げシャフト
625ドーパント原料物質
626 表面
627引き上げメカニズム
628 制御メカニズム
2001縦型半導体素子
2002横型半導体素子
2003パワー半導体ダイオード
2201アノード領域
2202エミッタ構造
2203本体領域
2204ソース領域
2251カソード領域
2252 後部側エミッタ

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