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技術 排ガス浄化触媒

出願人 トヨタ自動車株式会社国立大学法人東京大学
発明者 兒玉智己平田裕人真船文隆芳之内瑛摩小山航平工藤聡宮島謙
出願日 2016年8月10日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-158226
公開日 2018年2月15日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-023945
状態 特許登録済
技術分野 触媒 触媒による排ガス処理 排気の後処理
主要キーワード 銅ロッド 中途段階 各温度領域 レーザーパワー密度 一酸化窒素分子 ミクロ混合 パルスバルブ ディフレクター
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

本発明は、排ガス、特にNOxを含有している排ガスを浄化するのに優れている排ガス浄化触媒を提供することを目的とする。

解決手段

本発明の排ガス浄化触媒は、2個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、1個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、及び1個の金原子及び2個の銅原子からなるクラスターからなる群から選択される少なくとも一種のクラスターを含む。

概要

背景

自動車等のための内燃機関、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び窒素酸化物(NOx)等の成分が含まれている。

このため、一般的には、これらの成分を浄化するための排ガス浄化装置が内燃機関に設けられており、この排ガス浄化装置内に取り付けられた排ガス浄化触媒によって、これらの成分が実質的に分解されている。このような排ガス浄化触媒の例として、銅(Cu)系の排ガス浄化触媒を挙げることができる。

このCu系の排ガス浄化触媒では、NOxの還元反応触媒する性能が比較的高いことが知られている。しかしながら、当該還元反応の効率は充分ではない。したがって、NOxを効率的に還元して分解する技術が検討されている。

特許文献1の排ガス浄化触媒は、金属酸化物からなる担体と、当該担体に担持されている金属粒子とを含み、かつ当該金属粒子がAu及びCuを含むバイメタリッククラスターである。特許文献1では、当該バイメタリッククラスターが数十〜数万個程度のCu原子とAu原子からなることが、開示されている。

概要

本発明は、排ガス、特にNOxを含有している排ガスを浄化するのに優れている排ガス浄化触媒を提供することを目的とする。本発明の排ガス浄化触媒は、2個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、1個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、及び1個の金原子及び2個の銅原子からなるクラスターからなる群から選択される少なくとも一種のクラスターを含む。

目的

本発明は、排ガス、特にNOxを含有している排ガスを浄化するのに優れている排ガス浄化触媒を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

2個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、1個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、及び1個の金原子及び2個の銅原子からなるクラスターからなる群から選択される少なくとも一種のクラスターを含む、排ガス浄化触媒

技術分野

0001

本発明は、排ガス浄化触媒に関する。

背景技術

0002

自動車等のための内燃機関、例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、及び窒素酸化物(NOx)等の成分が含まれている。

0003

このため、一般的には、これらの成分を浄化するための排ガス浄化装置が内燃機関に設けられており、この排ガス浄化装置内に取り付けられた排ガス浄化触媒によって、これらの成分が実質的に分解されている。このような排ガス浄化触媒の例として、銅(Cu)系の排ガス浄化触媒を挙げることができる。

0004

このCu系の排ガス浄化触媒では、NOxの還元反応触媒する性能が比較的高いことが知られている。しかしながら、当該還元反応の効率は充分ではない。したがって、NOxを効率的に還元して分解する技術が検討されている。

0005

特許文献1の排ガス浄化触媒は、金属酸化物からなる担体と、当該担体に担持されている金属粒子とを含み、かつ当該金属粒子がAu及びCuを含むバイメタリッククラスターである。特許文献1では、当該バイメタリッククラスターが数十〜数万個程度のCu原子とAu原子からなることが、開示されている。

先行技術

0006

特開2012−217970号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、排ガス、特にNOxを含有している排ガスを浄化するのに優れている排ガス浄化触媒を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、以下の手段により、上記課題を解決できることを見出した。

0009

〈1〉2個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、1個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、及び1個の金原子及び2個の銅原子からなるクラスターからなる群から選択される少なくとも一種のクラスターを含む、排ガス浄化触媒。

発明の効果

0010

本発明によれば、排ガス、特にNOxを含有している排ガスを浄化するのに優れている排ガス浄化触媒を提供することができる。

図面の簡単な説明

0011

図1は、排ガス浄化触媒の製造及び測定を行う装置を示す図である。
図2は、排ガス浄化触媒の製造及び測定を行う装置の一部を示す図である。
図3は、クラスターAu1Cu1と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図4は、クラスターAu1Cu2と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図5は、クラスターAu2Cu1と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図6は、クラスターAu0Cu1と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図7は、クラスターAu0Cu2と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図8は、クラスターAu0Cu3と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図9は、クラスターAu0Cu4と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図10は、クラスターAu0Cu5と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図11は、クラスターAu1Cu3と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図12は、クラスターAu1Cu4と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図13は、クラスターAu1Cu5と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図14は、クラスターAu2Cu2と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図15は、クラスターAu2Cu3と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図16は、クラスターAu2Cu4と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図17は、クラスターAu3Cu1と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図18は、クラスターAu3Cu2と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図19は、クラスターAu3Cu3と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図20は、クラスターAu1Cu1とNOガスとの間の反応に関して、NOガスの濃度が0%、1%、及び7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。
図21は、クラスターAu1Cu1とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が1%及び7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。
図22は、クラスターAu1Cu1とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が7%であるときの温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図23は、クラスターAu1Cu2とNOガスとの間の反応に関して、NOガスの濃度が0%、1%、及び7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。
図24は、クラスターAu1Cu2とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が7%であるときの温度(K)と強度比との関係を示す図である。
図25は、クラスターAu2Cu1とNOガスとの間の反応に関して、NOガスの濃度が7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。
図26は、クラスターAu2Cu1とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が7%であるときの温度(K)と強度比との関係を示す図である。

0012

以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。

0013

《従来の排ガス浄化触媒》
従来のCu系の排ガス浄化触媒では、NOxの還元反応が生じ難い。これは、何らの理論によって束縛されないが、当該還元反応の中途段階で生じる酸素原子−銅原子結合が、比較的強く、かつ安定なため、触媒金属としての金属銅に還元される反応が抑制されるためと考えられる。

0014

これに関して、従来、還元剤、例えばCO等をさらに用い、酸素原子−銅原子結合を切断して金属銅に還元し、これによって上記の還元反応を効率的に進行させる技術が知られている。しかしながら、この技術では、還元剤が必須の構成であることから、NOxの還元条件に関して制約がある。

0015

また、従来、特許文献1でのように、Au及びCuを含むバイメタリッククラスターを含む排ガス浄化触媒では、必須の構成としての還元剤を必要とすることなく、NOxの還元反応を比較的に触媒することが可能である。これは、何らの理論によって束縛されないが、酸化され難い金原子が、酸化され易い銅原子に原子レベル近接しているため、酸素原子−銅原子結合が不安定化し、これによって触媒金属としての金属銅に還元される反応が促進されるためと考えられる。このようなAu及びCuを含む当該バイメタリッククラスターは、一般的には、平均で数十〜数万個の原子から構成されている。

0016

これに対して、本発明者らは、金原子の数、及び銅原子の数が特定されているバイメタリッククラスターを採用することによって、酸素原子−銅原子結合がより不安定化し、これによって触媒金属としての金属銅に還元される反応が顕著に促進されることを見出した。本発明を下記に示している。

0017

《本発明の排ガス浄化触媒》
本発明の排ガス浄化触媒は、2個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、1個の金原子及び1個の銅原子からなるクラスター、及び1個の金原子及び2個の銅原子からなるクラスターからなる群から選択される少なくとも一種のクラスターを含む。

0018

《排ガス浄化触媒の製造方法》
前記排ガス浄化触媒は、例えば下記の工程を含む方法によって製造することができる。
金及び銅を含有しているターゲット材料レーザー照射して、金及び銅を含有している複数のバイメタリッククラスターを生成すること(クラスター生成工程)、及び
金及び銅を含有している複数の上記バイメタリッククラスターを、金原子の数、及び銅原子の数が特定されているバイメタリッククラスターに選別すること(クラスター選別工程)。

0019

〈クラスター生成工程〉
クラスター生成工程では、レーザーアブレーション法、例えばレーザー蒸発法を採用することができる。レーザー蒸発法は、一般的には、レーザーをターゲット材料に照射して、当該照射部分から原子、分子、及び/又はクラスター等を蒸発させてイオン化し、これらの成分からなるプラズマ蒸気を生成する方法である。

0020

クラスター生成工程は、プラズマ蒸気からバイメタリッククラスターを効率的に生成する観点から、プラズマ蒸気を冷却する段階を、さらに含んでよい。

0021

雰囲気
クラスター生成工程における雰囲気は、実質的には、生成したクラスター等を移動させるキャリアガスの雰囲気でよい。クラスター生成工程における雰囲気は、特に限定されないが、プラズマ蒸気を安定化する観点から、例えば、不活性ガス雰囲気でよい。不活性ガス雰囲気は、他の微量成分、例えば微量な元素成分を含有していてもよい。クラスター生成工程における雰囲気の温度は、特に限定されないが、プラズマ蒸気の温度の影響を受けてよい。クラスター生成工程における雰囲気の圧力は、特に限定されないが、例えば、0Pa超、1.0×10−5Pa以上、1.0×10−4Pa以上、若しくは1.0×10−3Pa以上でよく、かつ/又は1×106Pa以下、0.7×106Pa以下、1.0×102Pa以下、若しくは1.0×101Pa以下でよく、特にプラズマ蒸気を安定化し、かつレーザーのエネルギー損失が少ないような低圧、例えば1.0×10−5Pa以上、1.0×102Pa以下であるのが好ましい。

0022

(レーザー)
レーザーの例としては、特に限定されないが、固体レーザー、例えばNd:YAGレーザー気体レーザー;液体レーザー;及び半導体レーザー等を挙げることができる。

0023

レーザーの発振の例としては、連続発振及びパルス発振を挙げることができる。この中でも、パルス発振のレーザーのエネルギーは、瞬間的には、連続発振のレーザーのエネルギーより高く、かつパルス発振のパルス幅が短い(例えばフェムト秒単位など)ほど、ピークパワーは大きくなるため、プラズマ蒸気を容易に生成することができる。

0024

レーザーの波長は、特に限定されない。レーザーの波長は、レーザーを照射する対象の性質、例えばレーザーの吸収率反射率、及び透過率等の性質を考慮して適宜決定することができる。

0025

連続発振のレーザーパワー密度の例は、特に限定されないが、1W/cm2以上でよい。パルス発振のフルエンスの例は、特に限定されないが、0.5mJ/cm2以上でよい。なお、これらのレーザーの出力は、レーザーを照射する対象の質量、大きさ、厚さ、及び性質等に応じて、適宜調節することができる。

0026

なお、レーザーの例は、上記のレーザーに非線形光学結晶等の手段を適用して生じた第n高調波レーザー(nは自然数)を含むことは言うまでもない。

0027

(ターゲット材料)
金及び銅を含有しているターゲット材料の例としては、特に限定されないが、例えば、金を含有したもの及び銅を含有したものの2つのターゲット材料(複数型ターゲット材料)、金及び銅を交互に配列したターゲット材料(交互配列型ターゲット材料)、金粉末及び銅粉末を混合して成型及び焼結等したミクロ混合ターゲット材料(ミクロ混合型ターゲット材料)などを用いることができる。

0028

なお、スパッタリングによる金属の弾かれ易さは、各金属元素によって異なる。したがって、金及び銅の弾かれやすさを考慮して、ターゲット材料中のそれら金属元素組成比を決定してもよい。さらに、金粉末及び銅粉末を混合するときの組成比は、レーザーアブレーションによって生成したバイメタリッククラスター中の金及び銅の組成比と相関又は比例してよい。

0029

金を含有したもの及び銅を含有したものの2つのターゲット材料を採用する場合には、各ターゲット材料にレーザーを照射し、これによって生じた各プラズマ蒸気を混合し、バイメタリッククラスターを生成してよい。

0030

金及び銅を交互に配列したターゲット材料の例としては、例えば、金及び銅を放射状に交互に配列した円板状材料を使用することができる。このような円板状のターゲット材料によれば、金及び銅の面積又は面積比を変更して、所望の金及び銅の組成比を有しているバイメタリッククラスターを生成してよい。

0031

ミクロ混合ターゲット材料を採用した場合には、当該ターゲット材料中の金及び銅の組成比を変更して、所望の金及び銅の組成比を有しているバイメタリッククラスターを生成してよい。

0032

〈クラスター選別工程〉
クラスター選別工程では、質量分析装置、例えば飛行時間型Time−of−Flight)、磁場偏向型(Magnetic Sector)、四重極型(Quadrupole)、イオントラップ型(Ion Trap)等、又はこれらを組み合わせたタンデム型の質量分析装置を用いてよい。これらの装置を用いることによって、複数のクラスターの間の質量電荷比(m/z)の違いからクラスターを選別することができる。

0033

(雰囲気)
クラスター選別工程における雰囲気に関しては、クラスター生成工程における雰囲気の記載を参照することができる。

0034

本発明の排ガス浄化触媒、及び上記の排ガス浄化触媒の製造方法は、これらを相互に関連させて参照することができる。例えば、排ガス浄化触媒の構成や特徴に関して、上記の排ガス浄化触媒の製造方法を参照することができる。

0035

以下に示す実施例を参照して本発明を更に詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定されるものでないことは、言うまでもない。

0036

《装置》
排ガス浄化触媒の製造及び測定を行うための装置を図1に示し、当該装置の一部を図2に示している。図1の当該装置1は、クラスター生成反応部100、及びクラスター選択測定部200から構成されている。

0037

図2はクラスター生成反応部100を示す図である。図2のクラスター生成反応部100は、クラスター生成部110、クラスター反応部120、及び加熱部130から構成されている。

0038

クラスター生成部110では、金含有ターゲット材料101及び銅含有ターゲット材料102に対して、レーザー111及び112が、それぞれ照射され、これによってプラズマ蒸気を発生させて様々なバイメタリッククラスターが生成される。プラズマ蒸気及び/又はバイメタリッククラスターは、キャリアガス103によって、クラスター反応部120に運ばれる。

0039

当該クラスター反応部120では、反応ガス123が必要に応じてキャリアガス103に添加され、反応ガス123と、プラズマ蒸気中のバイメタリッククラスター等とが反応する。さらに、プラズマ蒸気を含むキャリアガス103は、冷却部122で冷却され、これによってバイメタリッククラスターが生成され易くなる。冷却部122を流通したキャリアガス103は、断熱部121を通り、加熱部130へと至る。

0040

加熱部130は、加熱コイル131と、これが巻かれた管132とから構成されている。当該加熱部130の管132を通ったキャリアガス103は、次にクラスター選択測定部200(図1)へと至る。

0041

図1のクラスター選択測定部200では、バイメタリッククラスター等を含むキャリアガス103が、インターフェース部210へと至る。インターフェース部210は、差動排気用スキマーコーンで構成されており、キャリアガス103は、これを通り抜けてイオンレンズ部220へと至る。キャリアガス103に含有されている、電荷を帯びたクラスター等が、イオンレンズ部220の電界によって収束し、結果としてクラスタービーム230が形成される。

0042

クラスタービーム230は、加速電極部240へと至り、ここで電荷を帯びたクラスター等は、電極部240が作る電場によって方向を変えられて加速される。なお、電荷を帯びているクラスターは方向を変えられ、かつ加速された荷電クラスター等は、電圧切換スイッチ250及びディフレクター260を通ることによって荷電及び質量に応じて偏向し、二段式リフレクトロン270へと至る。二段式リフレクトロン270において、クラスター等は、それらの初期速度由来する誤差修正を受ける。この二段式リフレクトロン270から出たクラスター281及び282等は、検出部290へと至る。

0043

図1及び2の装置及び上記の手順を参照しつつ、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本明細書では、「AunCum」を、n個の金原子及びm個の銅原子からなるクラスターとしても言及する。ここで、n及びmは0以上の整数である。

0044

上記の図1及び2の装置を用いて、金及び銅の様々なクラスターを得た。当該クラスターの生成条件、特にクラスター生成部110における条件を下記に示している。
・金含有ターゲット材料101:
ロッド、(株)フルヤ金属社製、直径5mm、高さ30mm、純度99.95%
・銅含有ターゲット材料102:
銅ロッド、(株)ニラコ社製、直径5mm、高さ30mm、純度99.9%
・キャリアガス103:
ヘリウムガス、流量100ml/min(圧力約0.7MPa、パルスバルブより10Hzで噴射、クラスター生成部のチャンバー内の平均圧力1.3×10−3Pa)

0045

得られたクラスターの金原子及び銅原子の数の関係を、下記の表1に示している。なお、複数のイオンが同時に同じ加速電圧を受けた場合、軽いイオンは重いイオンよりも先に検出器到着するという原理を用いる、飛行時間型質量分析計(Time−of−Flight Mass Spectrometer)では、同じ距離をそれぞれのイオンが飛行する時間を測定することによって、異なる質量電荷比(荷電粒子の質量と電荷の比)を持つイオンを、時間軸上で分離して検出することができる。

0046

0047

《評価》
上記の表1に示したクラスターに関して、酸素親和性の評価、及びNOx還元反応サイクルの評価を行った。

0048

〈実施例1:酸素親和性の評価〉
クラスターを作製する際に、上記のキャリアガス103に酸素をさらに添加し、かつ加熱部130の加熱コイル131を連続的に昇温することによって、クラスターと酸素との間の親和性の評価を行った。クラスター生成部110における条件を下記に示し、かつ評価結果を図3、及び図3〜19に示している。なお、クラスター生成部のチャンバー内には、下記のキャリアガス103の成分のみが、実質的に存在しており、その他の成分は、極微量であるため、その記載を省略している。
・キャリアガス103(圧力約0.7MPa、パルスバルブより10Hzで噴射):
ヘリウムガス、流量100ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧2.5×10−3Pa)
酸素ガス、流量1ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧2.9×10−4Pa)

0049

それぞれのクラスターについての具体的な評価結果は、それぞれ図3〜20に示されている。各図中の「強度比」は、下記の式(I)で表すことができる。なお、クラスター等の強度は、質量分析装置、例えば上記の図1の検出部290で測定することができる。
強度比=ICLUSTER/ISUM (I)
[式中、
ICLUSTER:対象としているクラスターの強度の値、又はこのクラスターに酸素が吸着又は結合したものの強度の値、
ISUM:対象としているクラスターの強度の値、及びこのクラスターに酸素が結合したものの強度の値を、合算した値。]

0050

図3〜5は、それぞれAu1Cu1、Au1Cu2、及びAu2Cu1と酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。図3〜5に示すAu1Cu1Ox、Au1Cu2Ox、及びAu2Cu1Oxのxは、酸素原子の数を表している。これらの図からは、これらのクラスターに関して、酸素と結合していないものの割合が高いこと、すなわちxが0であるものの割合が高いことが分かる。この結果は、測定した温度範囲300K〜1000Kで認められる。

0051

また、図6図19は、それぞれAu0Cu1等のクラスターと酸素との間の親和性に関して、温度(K)と強度比との関係を示す図である。これらの図からは、これらのクラスターに関して、酸素と結合していないものの割合が低いこと、すなわちxが0であるものの割合が低いことが分かる。なお、図17からは、クラスターAu3Cu1に関しては、酸素と結合していないものの割合が比較的高く、かつ酸素と結合しているものの割合も比較的高いことが分かる。

0052

〈実施例2:NOx還元反応サイクルの評価〉
反応ガス123をキャリアガス103に添加し、かつ加熱部130の加熱コイル131を連続的に昇温することによって、NOx還元反応サイクルの評価を行った。クラスター生成部110及びクラスター反応部120における条件(1)〜(3)を下記に示し、かつ評価結果を図20〜22に示している。なお、クラスター生成部のチャンバー内には、下記のキャリアガス103の成分のみ、又は下記のキャリアガス103の成分及び反応ガス123の成分のみが、実質的に存在しており、その他の成分は、極微量であるため、その記載を省略している。
(1)反応ガス123としてのNOガスの濃度が0%である場合
・キャリアガス103(パルスバルブより10Hzで噴射):
ヘリウムガス、流量10ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧2.5×10−3Pa)
(2)反応ガス123としてのNOガスの濃度が1%である場合
・キャリアガス103(パルスバルブより10Hzで噴射):
ヘリウムガス、流量10ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧1.5×10−3Pa)
・反応ガス123
NOガス、流量0.1ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧9.6×10−5Pa)
(3)反応ガス123としてのNOガスの濃度が7%である場合
・キャリアガス103(パルスバルブより10Hzで噴射):
ヘリウムガス、流量10ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧1.5×10−3Pa)
・反応ガス123
NOガス、流量0.7ml/min(クラスター生成部のチャンバー内の分圧1.3×10−4Pa)

0053

(クラスターAu1Cu1のNOx還元反応サイクルの評価)
図20は、クラスターAu1Cu1とNOガスとの間の反応に関して、NOガスの濃度が0%、1%、及び7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。当該図20中のAunCum(NO)lのn、m、及びlは、0以上の整数であり、所定のピークに添えられている括弧内の数値は、当該n、m、及びlに対応している。例えば、(1,1,0)は、Au1Cu1(NO)0を意味している。

0054

図20からは、NO濃度0%においてAu1Cu1のピークのみが観測され;さらに、NO濃度1%においてAu1Cu1(NO)1、Au1Cu1(NO)2、及びAu1Cu1(NO)3のピークが観測され;かつNO濃度7%において、主にAu1Cu1(NO)2、及びAu1Cu1(NO)3のピークが観測されたことが分かる。すなわち、Au1Cu1クラスターにNOが吸着又は結合していることが理解される。

0055

図21は、クラスターAu1Cu1とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が1%及び7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。当該図21中のAunCumNlOkのn、m、l、及びkは、0以上の整数であり、所定のピークに添えられている括弧内の数値は、当該n、m、l、及びkに対応している。例えば、(1,1,0,2)は、Au1Cu1N0O2を意味している。

0056

図21からは、NO濃度1%及び300Kの条件においてAu1Cu1N1O1のピークが観測されていることから、Au1Cu1にNOが吸着又は結合していることが分かる。

0057

また、図21からは、NO濃度7%及び300Kの条件でAu1Cu1N0O2(Au1Cu1O2としても言及する)が増加したことが分かる。

0058

これは、Au1Cu1にNOが2分子吸着又は結合し、生成したAu1Cu1(NO)2から窒素(N2)が脱離してAu1Cu1O2が増加したためと考えられる。このことは、NO濃度7%及び300Kの条件でのAu1Cu1N1O1のピーク強度が、NO濃度1%及び300Kの条件のものより小さいこと;並びにNO濃度7%及び300Kの条件でAu1Cu1O2のピークが観測されていることから、理解される。

0059

さらに、図21からは、NO濃度7%及び400Kの条件において、Au1Cu1O2のピークがほとんど見えなくなり、Au1Cu1N1O1が増加したことが分かる。

0060

これは、Au1Cu1O2から酸素(O2)が脱離し、触媒金属としてのAu1Cu1クラスターに戻り(NOx還元反応サイクルの一巡完了)、再度、これにNOが吸着又は結合して、Au1Cu1N1O1が生成したためと考えられる。このことは、NO濃度7%及び400Kの条件でのAu1Cu1N1O1のピーク強度が、NO濃度7%及び300Kの条件のものより大きいこと;並びにNO濃度7%及び400Kの条件でAu1Cu1O2のピークがほとんど見えないことから理解される。

0061

これらの事実から、Au1Cu1クラスターは、NOx還元反応サイクルの中途段階で生じる酸素原子−銅原子結合を顕著に不安定化し、これによって触媒金属としての金属銅に還元される反応を促進し、結果として、NOx還元反応を効率的に触媒することが理解される。

0062

図22は、クラスターAu1Cu1とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が7%であるときの温度(K)と強度比との関係を示す図である。図22中の「強度比」に関しては、クラスターに吸着又は結合しているものが、酸素でなくNOxであることに注意しつつ、上記の式(I)での説明を参照されたい。また、当該図22中のAu1Cu1NxOyのx及びyは、0以上の整数であり、所定の線に添えられている括弧の数値は、当該x及びyに対応している。例えば、(3,4)は、Au1Cu1N3O4を意味している。

0063

図22からは、300K〜500Kの間でAu1Cu1N3O4が比較的多く;500K〜600Kの間でAu1Cu1N3O4が減少しつつAu1Cu1N2O3が増加し;かつ600K〜750Kの間でAu1Cu1N2O3が減少しつつAu1Cu1N1O2が増加していることが分かる。

0064

すなわち、図22では、各温度領域において、NO吸着、N2脱離、及びO2脱離のNOx還元反応サイクルが進行していることが理解される。このことから、クラスターAu1Cu1は、広範な温度領域において、NOx還元反応を効率的に触媒することが理解される。

0065

(クラスターAu1Cu2のNOx還元反応サイクルの評価)
図23は、クラスターAu1Cu2とNOガスとの間の反応に関して、NOガスの濃度が0%、1%、及び7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。当該図23中のAunCum(NO)lのn、m、及びlに関する説明は、上記の図20での説明と同様である。

0066

図23からは、NO濃度0%においてAu1Cu2のピークのみが観測され;さらに、NO濃度1%においてAu1Cu2(NO)2のピークが観測され;かつNO濃度7%においても、Au1Cu2(NO)2のピークが観測されたことが分かる。すなわち、Au1Cu2クラスターにNOが吸着又は結合していることが理解される。

0067

図24は、クラスターAu1Cu2とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が7%であるときの温度(K)と強度比との関係を示す図である。図24中の「強度比」に関しては、クラスターに吸着又は結合しているものが、酸素でなくNOxであることに注意しつつ、上記の式(I)での説明を参照されたい。また、当該図24中のAu1Cu2NxOyのx及びyに関しては、上記の図22での説明を参照されたい。

0068

図24からは、300K〜400Kの間でAu1Cu2N2O2が減少しつつ、Au1Cu2N0O2が増加し;400K〜500Kの間でAu1Cu2N0O2が減少しつつAu1Cu2N0O0が増加し;かつ500K〜800Kの間でAu1Cu2N0O0が顕著に増加していることが分かる。

0069

すなわち、図24では、300K〜400Kの間でN2脱離が生じ;400K〜500Kの間でO2脱離が生じてクラスターAu1Cu2が再生し;かつ400K〜800Kの間でクラスターAu1Cu2の再生が顕著に進行していることが理解される。このことから、クラスターAu1Cu2は、広範な温度領域において、NOx還元反応を効率的に触媒することが理解される。

0070

(クラスターAu2Cu1のNOx還元反応サイクルの評価)
図25は、クラスターAu2Cu1とNOガスとの間の反応に関して、NOガスの濃度が7%であるときの質量電荷比(m/z)と強度(任意単位)との関係を示す図である。当該図25中のAunCum(NO)lのn、m、及びlに関する説明は、上記の図20での説明と同様である。

0071

図25からは、NO濃度7%において、Au2Cu1(NO)2及びAu2Cu1(NO)3のピークが観測されたことが分かる。すなわち、Au2Cu1クラスターにNOが吸着又は結合していることが理解される。

0072

図26は、クラスターAu2Cu1とNOガスとの間のNOx還元反応サイクルに関して、NOガスの濃度が7%であるときの温度(K)と強度比との関係を示す図である。図26中の「強度比」に関しては、クラスターに吸着又は結合しているものが、酸素でなくNOxであることに注意しつつ、上記の式(I)での説明を参照されたい。また、当該図26中のAu2Cu1(NO)xのxは、一酸化窒素分子の数を表している。

0073

図26からは、300K〜600Kの間でAu2Cu1(NO)0が顕著に増加していることが分かる。すなわち、図26では、300K〜600Kの間でクラスターAu2Cu1の再生が顕著に進行していることが理解される。このことから、クラスターAu2Cu1は、広範な温度領域において、NOx還元反応を効率的に触媒してよいことが理解される。

実施例

0074

本発明の好ましい実施形態を詳細に記載したが、特許請求の範囲から逸脱することなく、変更が可能であることを当業者は理解する。

0075

1排ガス浄化触媒の製造及び測定を行うための装置
100クラスター生成反応部
101 金含有ターゲット材料
102 銅含有ターゲット材料
103キャリアガス
110 クラスター生成部
111,112レーザー
120 クラスター反応部
121断熱部
122 冷却部
123反応ガス
130 加熱部
131加熱コイル
132 管
200クラスター選択測定部
210インターフェース部
220イオンレンズ部
230クラスタービーム
240加速電極部
250電圧切換スイッチ
260ディフレクター
270 二段式リフレクトロン
281,282バイメタリッククラスター
290 検出部

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