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技術 色補正用治具及び電子内視鏡システム

出願人 HOYA株式会社
発明者 橘俊雄
出願日 2016年8月9日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2016-156510
公開日 2018年2月15日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2018-023497
状態 未査定
技術分野 閉回路テレビジョンシステム 内視鏡 孔内観察装置
主要キーワード 決定指標 変化軸 端面前方 微調整作業 製品個体 中央領 キャリブレーション用治具 当たり具合
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

キャリブレーション処理に用いられる指標術者による体腔内の観察を妨げたり体腔内における電子スコープの操作性を損なわせたりしていた。

解決手段

色補正用治具は、電子スコープによる撮影画像を構成する各画素の値を補正する補正値を算出するための治具であり、箱体と、箱体内に挿入された電子スコープの画角に収まるように該箱体内に配置された複数の色指標と、撮影画像内における複数の色指標の各々の位置をコンピュータに検出させるための位置情報とを備える。複数の色指標は、夫々異なる色によって所定の疾患を模した複数種類の色指標を含む。

概要

背景

病変部は、一般に、正常な粘膜組織とは異なる色を呈する。正常組織に対して僅かに色の異なる病変部を術者が把握して診断するためには、少なくとも病変部に対応する色領域において正確な色情報再現する内視鏡画像モニタ表示画面に表示させることが可能な構成が必要となる。

例えば特許文献1に、担持体担持された基準表面撮影視野内に配置し、光源から発せられた照射光によって照射する構成が記載されている。特許文献1に記載の構成では、照射光により照射された基準表面を撮像することによって得られる実際のカラー信号と、予め保持された目標のカラー信号との比較結果に基づいてキャリブレーションが行われる。キャリブレーションを行うことにより、適正な色情報を持つ内視鏡画像がモニタの表示画面に表示されるため、術者による、病変部に対するより正確な診断が可能となる。

概要

キャリブレーション処理に用いられる指標が術者による体腔内の観察を妨げたり体腔内における電子スコープの操作性を損なわせたりしていた。色補正用治具は、電子スコープによる撮影画像を構成する各画素の値を補正する補正値を算出するための治具であり、箱体と、箱体内に挿入された電子スコープの画角に収まるように該箱体内に配置された複数の色指標と、撮影画像内における複数の色指標の各々の位置をコンピュータに検出させるための位置情報とを備える。複数の色指標は、夫々異なる色によって所定の疾患を模した複数種類の色指標を含む。

目的

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、術者による体腔内の観察を妨げず且つ体腔内における電子スコープの操作性を損なわない構成でありつつも、病変部等の対象疾患の診断に適したキャリブレーションを行うことが可能な色補正用治具及び電子内視鏡ステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

前記電子スコープによる撮影画像を構成する各画素の値を補正する補正値を算出するための色補正用治具であって、箱体と、前記箱体内に挿入された電子スコープの画角に収まるように該箱体内に配置された複数の色指標と、前記撮影画像内における前記複数の色指標の各々の位置をコンピュータに検出させるための位置情報と、を備え、前記複数の色指標は、夫々異なる色によって所定の疾患を模した複数種類の色指標を含む、色補正用治具。

請求項2

前記複数の色指標に対する前記電子スコープの撮影範囲を決定するための範囲決定指標を更に備える、請求項1に記載の色補正用治具。

請求項3

前記範囲決定指標は、電子内視鏡ステムが有する表示画面上で前記撮影画像に重畳表示されるアイコンと同じ形状を有した指標である、請求項2に記載の色補正用治具。

請求項4

前記範囲決定指標は、円形枠の形状を有する指標である、請求項2又は請求項3に記載の色補正用治具。

請求項5

前記複数の色指標は、前記円形枠内に配置されている、請求項4に記載の色補正用治具。

請求項6

前記複数種類の色指標の夫々は、前記撮影範囲の中央部に少なくとも1つ配置され、該撮影範囲の周辺部に少なくとも1つ配置されている、請求項2から請求項5の何れか一項に記載の色補正用治具。

請求項7

前記色指標は、ドット形状を有している、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の色補正用治具。

請求項8

前記複数の色指標は、ハニカム状規則的に配置されている、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の色補正用治具。

請求項9

前記箱体内に挿入された電子スコープの画角に前記複数の色指標と共に収まるように該箱体内に配置された、該色指標に対する照度を調整するための照度調整用指標を更に備える、請求項1から請求項8の何れか一項に記載の色補正用治具。

請求項10

前記照度調整用指標は、無彩色の指標である、請求項9に記載の色補正用治具。

請求項11

被写体を撮像して画像信号を生成する電子スコープと、前記画像信号に基づいて表示画面上で表示可能な画像を生成する画像生成手段と、請求項1から請求項10の何れか一項に記載の色補正用治具と、前記電子スコープによる撮影画像内における前記複数の色指標の各々の位置を前記位置情報を用いて検出する検出手段と、前記撮影画像内における位置が検出された各色指標に基づいて前記補正値を算出する補正値算出手段と、算出された補正値を記憶する記憶手段と、を備える、電子内視鏡システム。

請求項12

前記色補正用治具は、請求項3を引用する、請求項4から請求項10の何れか一項に記載の色補正用治具であり、前記電子内視鏡システムは、前記表示画面上で前記アイコンを前記撮影画像に重畳表示する手段を備える、請求項11に記載の電子内視鏡システム。

請求項13

前記色補正用治具は、請求項9又は請求項10に記載の色補正用治具であり、前記電子内視鏡システムは、前記撮影画像内における前記照度調整用指標の輝度に基づいて前記色指標に対する照度を調整する手段を備える、請求項11又は請求項12に記載の電子内視鏡システム。

請求項14

前記補正値算出手段は、所定の輝度範囲に収まる前記色指標だけを前記補正値の算出に用いる、請求項11から請求項13の何れか一項に記載の電子内視鏡システム。

技術分野

0001

本発明は、色補正用治具及び電子内視鏡ステムに関する。

背景技術

0002

病変部は、一般に、正常な粘膜組織とは異なる色を呈する。正常組織に対して僅かに色の異なる病変部を術者が把握して診断するためには、少なくとも病変部に対応する色領域において正確な色情報再現する内視鏡画像モニタ表示画面に表示させることが可能な構成が必要となる。

0003

例えば特許文献1に、担持体担持された基準表面撮影視野内に配置し、光源から発せられた照射光によって照射する構成が記載されている。特許文献1に記載の構成では、照射光により照射された基準表面を撮像することによって得られる実際のカラー信号と、予め保持された目標のカラー信号との比較結果に基づいてキャリブレーションが行われる。キャリブレーションを行うことにより、適正な色情報を持つ内視鏡画像がモニタの表示画面に表示されるため、術者による、病変部に対するより正確な診断が可能となる。

先行技術

0004

特開平6−46428号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1に記載の構成では、電子スコープ体腔内に挿入している間、基準表面が電子スコープの撮影視野内に常時配置されている。そのため、基準表面自体が術者による体腔内の観察を妨げることがある。また、基準表面が電子スコープの先端面前方に配置されているため、術者が電子スコープを体腔内に挿入し難かったり、体腔内において術者が電子スコープの先端部の位置や方向を変え難かったりするという問題が指摘される。

0006

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、術者による体腔内の観察を妨げず且つ体腔内における電子スコープの操作性を損なわない構成でありつつも、病変部等の対象疾患の診断に適したキャリブレーションを行うことが可能な色補正用治具及び電子内視鏡システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一実施形態に係る色補正用治具は、電子スコープによる撮影画像を構成する各画素の値を補正する補正値を算出するための治具であり、箱体と、箱体内に挿入された電子スコープの画角に収まるように該箱体内に配置された複数の色指標と、撮影画像内における複数の色指標の各々の位置をコンピュータに検出させるための位置情報とを備える。複数の色指標は、夫々異なる色によって所定の疾患を模した複数種類の色指標を含む。

0008

また、本発明の一実施形態に係る色補正用治具は、複数の色指標に対する電子スコープの撮影範囲を決定するための範囲決定指標を更に備えるものとしてもよい。

0009

また、本発明の一実施形態において、範囲決定指標は、例えば、電子内視鏡システムが有する表示画面上で撮影画像に重畳表示されるアイコンと同じ形状を有した指標である。

0010

また、本発明の一実施形態において、範囲決定指標は、例えば、円形枠の形状を有する指標である。

0011

また、本発明の一実施形態において、複数の色指標は、例えば、円形枠内に配置されている。

0012

また、本発明の一実施形態において、複数種類の色指標の夫々は、例えば、撮影範囲の中央部に少なくとも1つ配置され、該撮影範囲の周辺部に少なくとも1つ配置されている。

0013

また、本発明の一実施形態において、色指標は、例えば、ドット形状を有している。

0014

また、本発明の一実施形態において、複数の色指標は、例えば、ハニカム状規則的に配置されている。

0015

また、本発明の一実施形態に係る色補正用治具は、箱体内に挿入された電子スコープの画角に複数の色指標と共に収まるように該箱体内に配置された、該色指標に対する照度を調整するための照度調整用指標を更に備える構成としてもよい。

0016

また、本発明の一実施形態において、照度調整用指標は、例えば、無彩色の指標である。

0017

また、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システムは、被写体を撮像して画像信号を生成する電子スコープと、画像信号に基づいて表示画面上で表示可能な画像を生成する画像生成手段と、上記の色補正用治具と、電子スコープによる撮影画像内における複数の色指標の各々の位置を位置情報を用いて検出する検出手段と、撮影画像内における位置が検出された各色指標に基づいて補正値を算出する補正値算出手段と、算出された補正値を記憶する記憶手段とを備える。

0018

また、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システムは、表示画面上でアイコンを撮影画像に重畳表示する手段を備える構成としてもよい。

0019

また、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システムは、撮影画像内における照度調整用指標の輝度に基づいて色指標に対する照度を調整する手段を備える構成としてもよい。

0020

また、本発明の一実施形態において、補正値算出手段は、所定の輝度範囲に収まる色指標だけを補正値の算出に用いる構成としてもよい。

発明の効果

0021

本発明の一実施形態によれば、術者による体腔内の観察を妨げず且つ体腔内における電子スコープの操作性を損なわない構成でありつつも、病変部等の対象疾患の診断に適したキャリブレーションを行うことが可能な色補正用治具及び電子内視鏡システムが提供される。

図面の簡単な説明

0022

本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システムの構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態において特殊モード時に実行される特殊画像生成処理フローチャートを示す図である。
本発明の一実施形態において画素対応点プロットされるRG平面を示す図である。
RG平面内に設定される基準軸について説明する図である。
本発明の一実施形態において特殊モード時にモニタの表示画面に表示される表示画面例を示す図である。
本発明の一実施形態においてキャリブレーションモード時に実行されるキャリブレーション処理のフローチャートを示す図である。
図6のキャリブレーション処理の説明を補助する図である。
本発明の一実施形態に係るキャリブレーション処理時に用いられるキャリブレーション用治具の構成を示す図である。

実施例

0023

以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として電子内視鏡システム(コンピュータ)を例に取り説明する。

0024

[電子内視鏡システム1の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子内視鏡システム1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、電子内視鏡システム1は、医療用特化されたシステムであり、電子スコープ100、プロセッサ200及びモニタ300を備えている。

0025

プロセッサ200は、システムコントローラ202及びタイミングコントローラ204を備えている。システムコントローラ202は、メモリ222に記憶された各種プログラムを実行し、電子内視鏡システム1全体を統合的に制御する。また、システムコントローラ202は、操作パネル218に接続されている。システムコントローラ202は、操作パネル218より入力される術者からの指示に応じて、電子内視鏡システム1の各動作及び各動作のためのパラメータを変更する。術者による入力指示には、例えば電子内視鏡システム1の動作モードの切替指示がある。本実施形態では、動作モードとして、通常モード、特殊モード及びキャリブレーションモードがある。タイミングコントローラ204は、各部の動作のタイミングを調整するクロックパルスを電子内視鏡システム1内の各回路に出力する。

0026

ランプ208は、ランプ電源イグナイタ206による始動後、白色光Lを射出する。ランプ208は、例えば、キセノンランプハロゲンランプ水銀ランプメタルハライドランプ等の高輝度ランプである。ランプ208より射出された白色光Lは、集光レンズ210によって集光されつつ絞り212を介して適正な光量に制限される。なお、ランプ208は、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子に置き換えてもよい。なお、半導体発光素子に関しては、他の光源と比較して、低消費電力発熱量が小さい等の特徴があるため、消費電力や発熱量を抑えつつ明るい画像を取得できるというメリットがある。明るい画像が取得できることは、後述する炎症評価値の精度を向上させることにつながる。

0027

絞り212には、図示省略されたアームギヤ等の伝達機構を介してモータ214が機械的に連結している。モータ214は例えばDCモータであり、ドライバ216のドライブ制御下で駆動する。絞り212は、モニタ300の表示画面に表示される映像を適正な明るさにするため、モータ214により動作され開度が変えられる。ランプ208より照射された白色光Lの光量は、絞り212の開度に応じて制限される。適正とされる映像の明るさの基準は、術者による操作パネル218の輝度調節操作に応じて設定変更される。なお、ドライバ216を制御して輝度調整を行う調光回路は周知の回路であり、本明細書においては省略することとする。

0028

絞り212を通過した白色光Lは、LCB(Light Carrying Bundle)102の入射端面に集光されてLCB102内に入射される。入射端面よりLCB102内に入射された白色光Lは、LCB102内を伝播する。

0029

LCB102内を伝播した白色光Lは、電子スコープ100の先端に配置されたLCB102の射出端面より射出され、配光レンズ104を介して生体組織を照射する。白色光Lにより照射された生体組織からの戻り光は、対物レンズ106を介して固体撮像素子108の受光面上で光学像を結ぶ。

0030

固体撮像素子108は、ベイヤ型画素配置を有する単板カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。固体撮像素子108は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の画像信号を生成して出力する。以下、固体撮像素子108より順次出力される各画素(各画素アドレス)の画像信号を「画素信号」と記す。なお、固体撮像素子108は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやその他の種類の撮像装置に置き換えられてもよい。固体撮像素子108はまた、補色系フィルタを搭載したものであってもよい。補色系フィルタの一例として、CMYG(シアンマゼンタイエローグリーン)フィルタが挙げられる。

0031

原色系(RGB)フィルタは、補色系フィルタと比較して発色性が良い。そのため、原色系フィルタを搭載した撮像素子によるRGB画像信号を炎症評価値の算出に使用すると、評価精度を向上させることができる。また、原色系フィルタを使用することにより、後述の炎症評価値計算の処理において信号の変換を行う必要がない。そのため、炎症評価値計算の処理負荷を抑えることが可能となる。

0032

電子スコープ100の接続部内には、ドライバ信号処理回路112が備えられている。ドライバ信号処理回路112には、白色光Lにより照射された生体組織を撮像した各画素の画素データが固体撮像素子108よりフレーム周期で入力される。ドライバ信号処理回路112は、固体撮像素子108より入力される画素データをプロセッサ200の信号処理回路220に出力する。なお、以降の説明において「フレーム」は「フィールド」に置き替えてもよい。本実施形態において、フレーム周期、フィールド周期はそれぞれ、1/30秒、1/60秒である。

0033

ドライバ信号処理回路112はまた、メモリ114にアクセスして電子スコープ100の固有情報を読み出す。メモリ114に記録される電子スコープ100の固有情報には、例えば、固体撮像素子108の画素数感度、動作可能なフレームレート型番等が含まれる。ドライバ信号処理回路112は、メモリ114より読み出された固有情報をシステムコントローラ202に出力する。

0034

システムコントローラ202は、電子スコープ100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。システムコントローラ202は、生成された制御信号を用いて、プロセッサ200に接続されている電子スコープに適した処理がなされるようにプロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。

0035

タイミングコントローラ204は、システムコントローラ202によるタイミング制御に従って、ドライバ信号処理回路112にクロックパルスを供給する。ドライバ信号処理回路112は、タイミングコントローラ204から供給されるクロックパルスに従って、固体撮像素子108をプロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。

0036

通常モード時の動作]
通常モード時のプロセッサ200での信号処理動作を説明する。

0037

プロセッサ200に備えられる信号処理回路220は、プリプロセス回路220A、プロセス回路220B、出力回路220C、補正回路220D、スコアリング回路220E、マッピング回路220Fを有している。

0038

プリプロセス回路220Aは、ドライバ信号処理回路112よりフレーム周期で入力されるRAW形式の画素データにデモザイク処理を施してRGB形式の画素データに変換し、カラーマトリックス処理ホワイトバランス調整、Hueゲイン調整等を施してプロセス回路220Bに出力する。

0039

プロセス回路220Bは、プリプロセス回路220Aより入力される画素データにエンハンス処理ガンマ補正等を施して通常のカラー画像データを生成し、出力回路220Cに出力する。

0040

出力回路220Cは、プロセス回路220Bより入力されるカラー画像データに対してY/C分離、色差補正等の処理を施して所定のビデオフォーマット信号に変換する。変換されたビデオフォーマット信号は、モニタ300に出力される。これにより、生体組織の通常のカラー画像がモニタ300の表示画面に表示される。

0041

[特殊モード時の動作]
次に、特殊モード時のプロセッサ200での信号処理動作を説明する。図2に、特殊モード時に実行される特殊画像生成処理のフローチャートを示す。図2の特殊画像生成処理は、電子内視鏡システム1の動作モードが特殊モードに切り替えられた時点で開始される。

0042

図2のS11(現フレームの画素データの入力)]
本処理ステップS11では、現フレームの各画素の画素データがプリプロセス回路220Aに入力される。各画素の画素データは、プリプロセス回路220Aによる信号処理後、プロセス回路220B及び補正回路220Dに入力される。

0043

図2のS12(RG平面へのプロット)]
図3に、補正回路220Dの動作を概念的に説明するための図であって、互いに直交するR軸とG軸とによって定義されるRG平面(より詳細には、R軸、G軸の二軸によって規定されるRG平面内の区画)を示す。なお、R軸は、R成分(Rの画素値)の軸であり、G軸は、G成分(Gの画素値)の軸である。

0044

本処理ステップS12では、RGB3原色で定義されるRGB空間の各画素の画素データ(三次元データ)がRGの二次元データに変換されて、図3に示されるように、R、Gの画素値に応じてRG平面内にプロットされる。以下、説明の便宜上、RG平面内にプロットされた画素データの点を「画素対応点」と記す。なお、図3においては、図面を明瞭化する便宜上、全ての画素の画素対応点を示すのではなく一部の画素の画素対応点のみ示している。

0045

このように、本処理ステップS12では、RGB空間の注目画素データ(三次元データ)がRG平面に正射影され、該注目画素データに対応するRGB空間内の点からRG平面に下された垂線の足が注目画素対応点(二次元データ)となる。

0046

図2のS13(基準軸の設定)]
本処理ステップS13では、補正回路220Dにより、所定の対象疾患の炎症強度を計算するために必要なRG平面内の基準軸が設定される。図4に、基準軸の説明を補助する図を示す。

0047

撮影対象となる患者の体腔内は、ヘモグロビン色素等の影響によりR成分が他の成分(G成分及びB成分)に対して支配的であり、典型的には、炎症が強いほど赤味(R成分)が他の色味(G成分及びB成分)に対して強くなる。しかし、体腔内の撮影画像は、明るさに影響する撮影条件(例えば白色光Lの当たり具合)に応じて色味が変化する。例示的には、白色光Lの届かない陰影部分は黒(無彩色であり、例えば、R、G、Bがゼロ又はゼロに近い値)となり、白色光Lが強く当たって正反射する部分は白(無彩色であり、例えば、R、G、Bが255又は255に近い値)となる。すなわち、炎症が起こっている同じ異常部位を撮影した場合であっても、白色光Lが強く当たるほどその異常部位画像の画素値が大きくなる。そのため、白色光Lの当たり具合によっては、画素値が炎症の強さと相関の無い値を取ることがある。

0048

一般に、炎症が起こっていない体腔内の正常部位は十分な粘膜で覆われている。これに対し、炎症が起こっている体腔内の異常部位は十分な粘膜で覆われていない。病変部等の異常部位では炎症が強いほど粘膜が薄くなる。粘膜は、基本的には白基調ではあるが、色味としては若干黄味がかっており、その濃淡(粘膜の厚み)によって画像上に写る色味(黄色の色味)が変化する。従って、粘膜の濃淡も炎症の強さを評価する指標の一つになるものと考えられる。

0049

そこで、本処理ステップS13では、図4に示されるように、RG平面内において、(50,0)及び(255,76)を通る直線が基準軸の1つとして設定されると共に、(0,0)及び(255,192)を通る直線が基準軸の1つとして設定される。説明の便宜上、前者の基準軸を「ヘモグロビン変化軸AX1」と記し、後者の基準軸を「粘膜変化軸AX2」と記す。

0050

図4に示されるプロットは、本発明者が体腔内の多数のサンプル画像解析した結果得たものである。解析に用いられるサンプル画像には、症状レベルの最も高い炎症画像例(最も重症なレベルの炎症画像例)や、症状レベルの最も低い炎症画像例(実質的に正常部位であるとみなされる画像例)など、各段階の炎症画像例が含まれる。なお、図4の例では、図面を明瞭化する便宜上、解析の結果得られたプロットを一部だけ示している。解析の結果実際に得られたプロットは、図4に示されるプロットの数よりも遥かに多い。

0051

上述したように、炎症が強い異常部位ほどR成分が他の成分(G成分及びB成分)に対して強くなる。そのため、プロットが分布する領域と分布しない領域との境界線であって、G軸よりもR軸に近い方の境界線上の軸、図4の例では、(50,0)及び(255,76)を通る境界線上の軸が、症状レベルの最も高い病変部(症状レベルの最も高い炎症(異常)部位)と相関の高い軸として設定される。この軸がヘモグロビン変化軸AX1である。ヘモグロビン変化軸AX1には、様々な撮影条件(例えば白色光Lの当たり具合)で撮影された症状レベルの最も高い炎症部位に対応するプロットが重畳される。

0052

一方、正常部位に近いほどG成分(又はB成分)がR成分に対して強くなる。そのため、プロットが分布する領域と分布しない領域との境界線であって、R軸よりもG軸に近い方の境界線上の軸、図4の例では、(0,0)及び(255,192)を通る境界線上の軸が、症状レベルの最も低い病変部(症状レベルの最も低い炎症(異常)部位であって、実質的に正常(健常)部位であるとみなされるもの)と相関の高い軸として設定される。この軸が粘膜変化軸AX2である。粘膜変化軸AX2には、様々な撮影条件(例えば白色光Lの当たり具合)で撮影された症状レベルの最も低い炎症部位(実質的に正常部位とみなされるもの)に対応するプロットが重畳される。

0053

補足すると、症状レベルの最も高い炎症部位は、出血を伴う。一方、症状レベルの最も低い炎症部位は、実質正常部位であるから、十分な粘膜で覆われている。そのため、図4に示されるRG平面内のプロットは、血液(ヘモグロビン色素)と最も相関の高い軸と、粘膜の色味と最も相関の高い軸に挟まれた領域内に分布すると捉えることができる。そのため、プロットが分布する領域と分布しない領域との境界線のうち、R軸に近い(R成分が強い)方の境界線が、症状レベルの最も高い炎症部位を示す軸(ヘモグロビン変化軸AX1)に相当し、G軸に近い(G成分が強い)方の境界線が、症状レベルの最も低い炎症部位を示す軸(粘膜変化軸AX2)に相当する。

0054

図2のS14(注目画素の選択)]
本処理ステップS14では、補正回路220Dにより、全ての画素の中から所定の順序に従い一つの注目画素が選択される。

0055

図2のS15(画素データの補正)]
補正回路220Dには、後述のキャリブレーションモード時に算出された補正マトリックス係数が記憶されている。本処理ステップS15では、同一の病変部を異なる電子内視鏡システムで撮影したときのスコア値のばらつき(言い換えると、電子スコープの個体差)を抑えるため、補正回路220Dにより、処理ステップS14(注目画素の選択)にて選択された注目画素の画素データ(R,G)が補正マトリックス係数を用いて補正される。なお、補正マトリックス係数については、後述の[キャリブレーションモード時の動作]において詳細に説明する。

0056

・補正マトリックス例

Rnew :補正後の注目画素の画素データ(R成分)
Gnew :補正後の注目画素の画素データ(G成分)
M00〜M11:補正マトリックス係数
R :補正前の注目画素の画素データ(R成分)
G :補正前の注目画素の画素データ(G成分)

0057

図2のS16(角度の算出)]
補正回路220Dにおいて現フレームの全ての画素に対して処理ステップS14(注目画素の選択)及びS15(画素データの補正)が実行されると、スコアリング回路220Eにより、処理ステップS15(画素データの補正)にて補正された各画素の画素データ(Rnew,Gnew)について、炎症強度を計算するための角度が算出される。具体的には、本処理ステップS16では、各画素について、ヘモグロビン変化軸AX1と粘膜変化軸AX2との交点基準点)O’と画素対応点(Rnew,Gnew)とを結ぶ線分Lと、ヘモグロビン変化軸AX1とがなす角度θ(図3参照)が算出される。なお、基準点O’は、座標(−150,−75)に位置する。

0058

図2のS17(正規化処理)]
体腔内の撮影画像の明るさが白色光Lの当たり具合によって変化すると、撮影画像の色味は、個人差撮影箇所、炎症の状態等の影響があるものの、RG平面内において、概ね、症状レベルの最も高い炎症部位ではヘモグロビン変化軸AX1上に沿って変化し、症状レベルの最も低い炎症部位では粘膜変化軸AX2上に沿って変化する。また、中間の症状レベルの炎症部位の撮影画像の色味も同じ傾向で変化するものと推定される。すなわち、炎症部位に対応する画素対応点は、白色光Lの当たり具合によって変化すると、基準点O’を起点とした方位角方向シフトする。言い換えると、炎症部位に対応する画素対応点は、白色光Lの当たり具合によって変化すると、角度θが一定のまま移動して基準点O’との距離が変わる。これは、角度θが撮影画像の明るさの変化に実質的に影響を受けないパラメータであることを意味する。

0059

角度θが小さいほどR成分がG成分に対して強くなり、炎症部位の症状レベルが高いことを示す。また、角度θが大きいほどG成分がR成分に対して強くなり、炎症部位の症状レベルが低いことを示す。

0060

そこで、本処理ステップS17では、スコアリング回路220Eにより、角度θがゼロであるときに値255となり、角度θがθMAXであるときに値ゼロとなるように、現フレームの全ての画素について角度θが正規化される。なお、θMAXは、ヘモグロビン変化軸AX1と粘膜変化軸AX2とがなす角度と等しい。これにより、0〜255の範囲に収まる炎症強度(8bitの情報)が得られる。

0061

図2のS18(炎症評価値の計算)]
本処理ステップS18では、スコアリング回路220Eにより、現フレームの全ての画素の炎症強度を平均化した平均値(又は全ての画素の炎症強度の積算値)が撮影画像全体の炎症評価値として計算されると共に、計算した炎症評価値の表示データ(表示データ例:Score:○○)が生成される。

0062

図2のS19(カラーマップ画像上での表示色の決定)]
本実施形態では、炎症強度に応じた表示色で撮影画像をモザイク化したカラーマップ画像を表示することができる。カラーマップ画像を表示可能とするため、炎症強度の値と所定の表示色とを対応付けたテーブルがスコアリング回路220Eの所定の記憶領域に記憶されている。本テーブルでは、例えば、値5刻みで異なる表示色が対応付けられている。例示的には、炎症強度の値が0〜5の範囲では黄色が対応付けられており、該値が5増える毎に色相環での色の並び順に従って異なる表示色が対応付けられており、該値が250〜255の範囲では赤色が対応付けられている。

0063

本処理ステップS19では、マッピング回路220Fにより、現フレームの各画素の、カラーマップ画像上での表示色が、上記テーブルに基づいて、処理ステップS17(正規化処理)にて得た炎症強度の値に応じた色に決定される。

0064

図2のS20(カラーマップ画像データの生成)]
本処理ステップS20では、マッピング回路220Fにより、現フレームの各画素の色データが、処理ステップS19(カラーマップ画像上での表示色の決定)にて決定された表示色のデータに変換され、変換された表示色で表示される画素よりなるカラーマップ画像データが生成される。

0065

図2のS21(オーバレイ処理)]
本処理ステップS21では、出力回路220Cにより、プロセス回路220Bより入力される通常のカラー画像データに基づく通常のカラー画像と、処理ステップS20(カラーマップ画像データの生成)にて生成されたカラーマップ画像データに基づくカラーマップ画像とをオーバレイさせる割合を係数として、前者の画像データ(通常のカラー画像データ)と後者の画像データ(カラーマップ画像データ)とが加算される。

0066

なお、係数の設定は、ユーザ操作により適宜設定変更することが可能である。例えば、通常のカラー画像の方を濃く表示したい場合は、カラー画像データの係数が高く設定され、カラーマップ画像の方を濃く表示したい場合は、カラーマップ画像データの係数が高く設定される。

0067

図2のS22(終了判定)]
本処理ステップS22では、電子内視鏡システム1の動作モードが特殊モードとは別のモードに切り替えられたか否かが判定される。別のモードに切り替えられていないと判定される場合(S22:NO)、図2の特殊画像生成処理は、処理ステップS11(現フレームの画素データの入力)に戻る。一方、別のモードに切り替えられたと判定される場合(S22:YES)、図2の特殊画像生成処理は終了する。

0068

画面表示例]
出力回路220Cは、図2の処理ステップS21(オーバレイ処理)にて加算処理された画像データに基づいて通常のカラー画像とカラーマップ画像とのオーバレイ画像の表示データを生成すると共にモニタ300の表示画面の周辺領域(画像表示領域の周囲)をマスクするマスキング処理を行い、更に、マスキング処理により生成されるマスク領域に炎症評価値を重畳した、モニタ表示用の画面データを生成する。出力回路220Cは、生成されたモニタ表示用の画面データを所定のビデオフォーマット信号に変換して、モニタ300に出力する。

0069

図5に、特殊モード時の画面表示例を示す。図5に例示されるように、モニタ300の表示画面には、その中央領域に体腔内の撮影画像(通常画像とカラーマップ画像とがオーバレイ表示されたオーバレイ画像)が表示されると共に画像表示領域の周囲がマスキングされた画面が表示される。また、マスク領域には、炎症評価値(スコア)が表示される。

0070

なお、特殊モード時の撮影画像の表示形態は、通常のカラー画像とカラーマップ画像とをオーバレイ表示したものに限らない。例えば、通常のカラー画像とカラーマップ画像を一画面内に並べて表示したり、カラーマップ画像のみを表示したりする表示形態が挙げられる。前者の場合、通常のカラー画像とカラーマップ画像の両方を同一のサイズで表示してもよいし、通常のカラー画像とカラーマップ画像の一方をメイン画像として表示すると共に他方をメイン画像より小さいサブ画像として表示してもよい。

0071

このように、本実施形態によれば、トーン強調処理等の非線形計算処理や複雑な色空間変換処理等を行うことなく単純な計算処理を行うだけで、炎症評価値(ここでは撮影部位のヘモグロビン色素の増減に相関のある値)が求まる。すなわち、炎症評価値の計算に必要なハードウェアリソースが大幅に抑えられる。また、体腔内の撮影画像の明るさに影響する撮影条件(例えば照射光の当たり具合等)によって炎症評価値が実質的に変動しないため、術者は、炎症についてより客観的で正確な判断を下すことが可能となる。

0072

[キャリブレーションモード時の動作]
次に、キャリブレーションモード時の電子内視鏡システム1の動作について説明する。図6に、キャリブレーションモード時に実行されるキャリブレーション処理のフローチャートを示す。また、図7に、図6のキャリブレーション処理の説明を補助する図を示す。また、図8(a)に、キャリブレーション処理時に用いられるキャリブレーション用治具(色補正用治具)400の構成を示す。図6のキャリブレーション処理は、例えば工場出荷時に実行されるものであり、電子内視鏡システム1の動作モードがキャリブレーションモードに切り替えられた時点で開始される。

0073

なお、キャリブレーション処理の実行に先立ち作業者による準備作業が行われる。具体的には、作業者は、グレーカード等を用いて電子内視鏡システム1のホワイトバランスを調整する。

0074

作業者は、ホワイトバランスの調整が完了すると、電子内視鏡システム1をキャリブレーション用治具400にセットすると共に、プロセッサ200に接続された端末(PC)上でキャリブレーション用ソフトウェア起動させる。

0075

図8(a)に示されるように、キャリブレーション用治具400は、箱体402を備えている。箱体402は、一端のみが開口した円筒状部材である。説明の便宜上、箱体402の開口に符号404を付す。

0076

電子スコープ100の先端部が開口404を介して箱体402内に挿入されると、キャリブレーション用治具400に対して電子内視鏡システム1がセットされた状態となる。開口404の直径と電子スコープ100の先端部の外径とが略等しいため、開口404は、電子スコープ100の先端部が箱体402内に挿入されることによって実質的に塞がれる。これにより、箱体402内に外光が入らず、箱体402は暗箱として機能する。キャリブレーション処理時に外光の影響を受けないため、キャリブレーションの精度が向上する。

0077

図8(a)に示されるように、開口404を介して箱体402内を覗いたときに正面に見え内壁面には、チャート406が描かれている。

0078

図8(b)に、チャート406の詳細を示す。図8(b)に示されるように、チャート406には、円形枠の形状を有する円形枠指標406aが配置されている。

0079

図6のS31(円形枠アイコンの表示)]
本処理ステップS31では、プロセス回路220Bにて、円形枠の形状を有する円形枠アイコンの画像データが通常のカラー画像データ(ここでは、チャート406の撮影画像データ)に合成されて、出力回路220Cを介してモニタ300に出力される。これにより、チャート406の撮影画像(フレーム画像)に円形枠アイコンが重畳されたものがモニタ300の表示画面に表示される。

0080

作業者は、モニタ300の表示画面内に写る円形枠指標406aと、チャート406の撮影画像に重畳表示される円形枠アイコンとが重なり合うように、箱体402内における電子スコープ100の先端部の位置を微調整する。微調整作業によってモニタ300の表示画面内で両者が完全に重なり合うことにより、チャート406に対する電子スコープ100の撮影範囲が最適な位置に決まる。この位置では、モニタ300の表示画面の略全域を占めるサイズでチャート406が表示される。なお、両者は必ずしも完全には重なり合っていなくてもよい。両者が大凡重なり合ってさえいれば、キャリブレーションは高い精度で行われる。また、例えばシステムコントローラ202によって両者が重なり合ったことが検知されると、次の処理ステップS32(照度の調整)が自動的に実行されるようにしてもよい。

0081

一般に、電子スコープ100の対物光学系は画角が広いため、歪曲収差が発生する。チャート406は、歪曲収差の発生によって歪んで表示される。チャート406が歪んで表示されると、作業者によってはストレス感じる虞がある。従って、歪曲収差の影響を受けても歪んで表示されにくいチャート406が望ましいものと考えられる。

0082

そこで、本実施形態では、電子スコープ100の撮影範囲を決めるための指標として、円形枠の形状を有する円形枠指標406aが採用されている。円形枠指標406aは、例えば矩形枠の形状を有する矩形枠指標と比べて歪曲収差による形状の歪み量が小さい。円形枠指標406aの歪み量が小さいため、箱体402内において電子スコープ100の先端部の位置を微調整する際、作業者がストレスを感じ難くなる。

0083

また、湾曲収差発生量は、電子スコープ100の製品個体間や機種間で異なる。矩形枠指標では、歪曲収差による形状の歪み量自体が大きいことから、歪み量の差も製品個体間や機種間で比較的大きい。

0084

これに対し、円形枠指標406aでは、歪み量自体が小さいことから、歪み量の差も製品個体間や機種間で小さい。そのため、何れの製品個体・機種の電子スコープ100を用いてチャート406を撮影した場合にも、撮影画像内で円形枠指標406aが実質同じ形状に写る。この点からも、作業者がストレスを感じ難くなっている。

0085

また、矩形枠指標には、例えば向き(縦向き、横向き、斜め向き等)がある。そのため、作業者は、電子スコープ100の先端部を軸線周り方向に回転させることにより、モニタ300の表示画面内に写る矩形枠指標を適正な向きに調節する必要がある。しかし、電子スコープ100の可撓管には適度な剛性が付与されている。そのため、電子スコープ100の先端部を軸線周り方向に僅かに回転させる作業は難しい。

0086

これに対し、本実施形態では、この種の指標として向きを持たない円形枠指標406aが採用されている。そのため、電子スコープ100の先端部を軸線周り方向に回転させる作業自体が不要であり、作業者に対する作業負担が抑えられている。

0087

図6のS32(照度の調整)]
チャート406には、円形枠指標406a以外にも複数の指標が配置されている。これらの指標及び円形枠指標406aを含むチャート406の全体は、箱体402内に挿入された電子スコープ100の画角に収まるサイズで箱体402の内壁面に描かれている。

0088

円形枠指標406a内には、ドット形状を有する複数の指標がハニカム状に規則的に配置されている。円形枠指標406a内に配置されている指標は合計で4種類ある。具体的には、第一の色指標406b、第二の色指標406c、白指標406d及び黒指標406eの4種類が円形枠指標406a内に配置されている。

0089

本処理ステップS32では、撮影画像内に写る白指標406d及び黒指標406eの輝度に基づいて、チャート406に対する照度が調整される。例示的には、撮影画像内に写る白指標406d及び黒指標406eがパターンマッチングによって特定され、特定された白指標406d及び黒指標406eの輝度が規定の輝度範囲に収まるように絞り212の開度制御が行われて白色光Lの光量が調整されることにより、チャート406に対する照度が適正な値に調整される。

0090

なお、白指標406d、黒指標406eの各無彩色指標は、円形枠指標406a内に複数配置されている。照度調整のために用いられる上記の輝度は、全ての無彩色指標の平均値であってもよく、また、代表値(特定の無彩色指標の輝度値)であってもよい。

0091

また、円形枠指標406a及び4種類の指標の背景はグレーとなっている。本処理ステップS32では、撮影画像内に写る背景の輝度(例えばグレー領域平均輝度値)に基づいてチャート406に対する照度が調整されてもよい。

0092

図6のS33(キャプチャ画像の撮影)]
本処理ステップS33では、作業者による所定の操作入力に従い、チャート406のキャプチャ画像が電子スコープ100によって撮影され、その撮影画像データ(RAW形式やYUV形式等)がPCに入力される。

0093

図6のS34(色指標の位置検出)]
本処理ステップS34では、キャリブレーション用ソフトウェアにより、撮影画像内に写る白指標406dと黒指標406eの少なくとも一方がパターンマッチングによって特定される。特定された無彩色指標と各色指標との相対的な位置関係は予め判っている。そのため、本処理ステップS34では、キャリブレーション用ソフトウェアにより、特定された無彩色指標の位置から、撮影画像内に写る第一の色指標406b及び第二の色指標406cの各色指標の位置が検出される。なお、本実施形態では、複数の無彩色指標をチャート406内の全域に亘って分布させることにより、パターンマッチングに基づく各色指標の位置の検出精度を向上させている。

0094

上述したように、円形枠指標406aを用いた電子スコープ100の位置決めにより、モニタ300の表示画面の略全域(言い換えると、電子スコープ100による撮影範囲の略全域)を占めるサイズでチャート406が表示される。そのため、円形枠指標406aは、撮影範囲の周辺部に位置することになる。従って、以降の説明では、図8(b)中、一点鎖線を挟んで外側に位置する領域を「撮影範囲の周辺部」とし、一点鎖線を挟んで内側に位置する領域を「撮影範囲の中央部」とする。

0095

第一の色指標406b、第二の色指標406cの各色指標は、撮影範囲の中央部、周辺部の夫々に少なくとも1つずつ配置されている。より詳細には、図8(b)に示されるように、第一の色指標406bは、撮影範囲の中央部、周辺部の夫々に3つずつ配置されている。第二の色指標406cも同様に、撮影範囲の中央部、周辺部の夫々に3つずつ配置されている。

0096

図6のS35(第一の実撮影データ点PD1の算出)]
本処理ステップS35では、キャリブレーション用ソフトウェアにより、処理ステップS34にて位置が検出された第一の色指標406bの画素データから、その実測値として第一の実撮影データ点PD1が算出される。例示的には、チャート406内に配置された全ての第一の色指標406bの画素データの平均値が第一の実撮影データ点PD1として算出される。

0097

体腔内への配光特性は、電子スコープ100の機種毎に異なる。そのため、機種によっては、例えば、撮影範囲の中央部で明るくなりすぎたり、撮影範囲の周辺部で暗くなりすぎたりする。一例として、撮影範囲の中央部に配置された第一の色指標406bが実質的に飽和している(ハイライトとなっている)場合を考える。飽和状態の第一の色指標406bからは、後述の補正値を精度良く算出することができない。そのため、本処理ステップS35では、チャート406内に配置された全ての第一の色指標406bの画素データのうち、所定の輝度範囲に収まる第一の色指標406b(例えば撮影範囲の周辺部に位置する、飽和していない第一の色指標406b)の画素データだけの平均値が第一の実撮影データ点PD1として算出されてもよい。

0098

なお、第一の色指標406bは、第一の色(対象疾患について症状レベルが最も高いときの生体組織の色)を模した指標である。第一の色は、RG平面内のヘモグロビン変化軸AX1上の所定点(後述の第一の目標点PT1)に対応する色である。

0099

図6のS36(第二の実撮影データ点PD2の算出)]
本処理ステップS36では、キャリブレーション用ソフトウェアにより、処理ステップS34にて位置が検出された第二の色指標406cの画素データから、その実測値として第二の実撮影データ点PD2が算出される。例示的には、チャート406内に配置された全ての第二の色指標406cの画素データの平均値が第二の実撮影データ点PD2として算出される。

0100

また、本処理ステップS36においても、チャート406内に配置された全ての第二の色指標406cの画素データのうち、所定の輝度範囲に収まる第二の色指標406cの画素データだけの平均値が第二の実撮影データ点PD2として算出されてもよい。

0101

なお、第二の色指標406cは、第二の色(対象疾患について健常であるときの生体組織の色)を模した指標である。第二の色は、RG平面内の粘膜変化軸AX2上の所定点(後述の第二の目標点PT2)に対応する色である。

0102

図6のS37(RG平面への実撮影データ点の配置)]
本処理ステップS37では、キャリブレーション用ソフトウェアにより、図7に示されるように、第一の実撮影データ点PD1及び第二の実撮影データ点PD2が、対象疾患と関連付けられたRG平面に配置される。

0103

図6のS38(補正マトリックス係数の算出)]
図7に示されるように、ヘモグロビン変化軸AX1上には第一の実撮影データ点PD1に対応する第一の目標点PT1が設定され、粘膜変化軸AX2上には第二の実撮影データ点PD2に対応する第二の目標点PT2が設定されている。上述したように、第一の目標点PT1は、第一の色指標406bが模した第一の色に対応し、第二の目標点PT2は、第二の色指標406cが模した第二の色に対応する。

0104

本処理ステップS38では、キャリブレーション用ソフトウェアにより、第一の実撮影データ点PD1と第一の目標点PT1との距離(第一の距離Δ1)と、第二の実撮影データ点PD2と第二の目標点PT2との距離(第二の距離Δ2)との合計値を最小とする補正マトリックス係数が最小二乗法等を用いて算出される。

0105

図6のS39(補正マトリックス係数の保存)]
本処理ステップS39では、処理ステップS38(補正マトリックス係数の算出)にて算出された補正マトリックス係数がプロセッサ200の補正回路220Dに保存される。これにより、図6に示されるキャリブレーション処理が完了する。

0106

本実施形態によれば、チャート406を体腔内に入れることなくキャリブレーション処理が実行されるため、術者による体腔内の観察がチャート406によって阻害されることがない。また、チャート406が体腔内における電子スコープの操作性の低下を招くこともない。

0107

また、本実施形態によれば、作業者は、複数の指標を入れ替えることなく(すなわち、チャート406単体で)、照度の調整並びに第一の色指標406b及び第二の色指標406cの撮影を行うことができる。そのため、キャリブレーション処理の作業負担が極めて少ない。

0108

また、本実施形態によれば、第一の色指標406bと第二の色指標406cとが一度に撮影されることから、各指標の撮影条件が必然的に揃う。そのため、キャリブレーションが高い精度で行われる。

0109

各電子内視鏡システムに対してキャリブレーション処理を実行することにより、対象疾患に関連する第一の色指標406bや第二の色指標406cを各電子内視鏡システムで撮影したときに略同じ値(何れの電子内視鏡システムにおいても第一の目標点PT1や第二の目標点PT2に近似する値)が得られる。この結果、最終的に計算される炎症評価値も略等しい値となり、対象疾患(胃炎等)を各電子内視鏡システムで実際に撮影した場合にも炎症評価値のばらつきが抑えられることが判る。

0110

すなわち、本実施形態によれば、補正対象を限定する(具体的には、対象疾患に関連する特定の色を補正対象とする)ことにより、対象疾患の評価値計算に用いられる色データに残存する誤差(主に電子スコープ100の光学部品の個体差によるばらつき)が良好に除去される。これにより、評価値の計算精度が向上する。

0111

また、本実施形態に係る電子内視鏡システムは、当技術分野における次のような効果及び課題の解決をもたらすものである。

0112

第1に、本実施形態に係る電子内視鏡システムは、炎症性疾患を早期に発見するための診断補助となるということである。

0113

第2に、本実施形態の構成によれば、視認し難い軽度炎症を術者が発見できるように、炎症程度を画面表示する、又は、炎症が生じている領域の画像を強調することができる。特に、軽度炎症は正常部との判別が難しいため、軽度炎症の評価に関して本実施形態の構成によりもたらされる効果が顕著となる。

0114

第3に、本実施形態の構成によれば、炎症度の評価として客観的な評価値を術者に提供することができるため、術者間の診断差を低減することができる。特に、経験の浅い術者に対して本実施形態の構成による客観的な評価値を提供できるメリットは大きい。

0115

第4に、本実施形態の構成によれば、画像処理負荷が軽減されることにより、炎症部を画像としてリアルタイムに表示することができる。そのため、診断精度を向上させることができる。

0116

第5に、本実施形態の構成によれば、評価値計算の処理負荷が軽減されるため、遅滞なく、カラーマップ画像(炎症度を示した画像)と通常画像とを並べて又は合成して表示することができる。そのため、検査時間の延長を伴うことなくカラーマップ画像を表示することが可能となり、ひいては、患者負担が増すことを回避することが可能となる。

0117

本実施形態における観察の対象部位は、例えば、呼吸器等、消化器等である。呼吸器等は、例えば、耳鼻咽喉である。消化器等は、例えば、大腸小腸十二指腸子宮等である。本実施形態に係る電子内視鏡システムは、観察対象が大腸である場合に効果がより顕著になると考えられる。これは、具体的には、次のような理由による。

0118

大腸には炎症を基準として評価できる病があり、炎症している箇所を発見するメリットが他の器官と比較して大きいということである。特に、潰瘍性大腸炎に代表される炎症性腸疾患(IBD)の指標として、本実施形態による炎症評価値は有効である。潰瘍性大腸炎は治療法確立されていないため、本実施形態の構成の電子内視鏡システムの使用により早期に発見して進行を抑える効果は非常に大きい。

0119

大腸は、胃等と比較して細長い器官であり、得られる画像は奥行きがあり、奥ほど暗くなる。本実施形態の構成によれば、画像内の明るさの変化に起因する評価値の変動を抑えることができる。従って、本実施形態に係る電子内視鏡システムを大腸の観察に適用すると、本実施形態による効果が顕著となる。すなわち、本実施形態に係る電子内視鏡システムは、呼吸器用電子内視鏡システム又は消化器用電子内視鏡システムであることが好ましく、大腸用電子内視鏡システムであることがより好ましい。

0120

また、軽度の炎症は一般に診断が難しい。しかし、本実施形態の構成によれば、例えば、炎症度を評価した結果を画面に表示することにより、術者が軽度炎症を見逃すことを回避することができる。特に、軽度の炎症に関しては、その判断基準は明瞭なものではないため、術者間の個人差を大きくする要因となっている。この点に関しても、本実施形態の構成によれば、客観的な評価値を術者に提供できるため、個人差による診断のばらつきを低減することができる。

0121

なお、本実施形態の上記構成は、炎症度のみでなく、ガンポリープその他の色変化を伴う各種病変の評価値の算出に適用することができ、それらの場合においても、上述と同様の有利な効果をもたらすことができる。つまり、本実施形態の評価値は、色変化を伴う病変の評価値であることが好ましく、炎症度、ガン、ポリープの少なくとも何れかの評価値を含む。

0122

以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。

0123

上記の実施形態では、作業者により、第一の色指標406bとして、第一の色(所定の疾患について症状レベルが最も高いときの生体組織の色)を持つものが選択され、第二の色指標406cとして、第二の色(所定の疾患について健常であるときの生体組織の色)を持つものが選択されている。そのため、上記の実施形態では、色空間内において第一の色や第二の色(すなわち補正対象)に距離が近い色ほど高い精度でキャリブレーションされている。言い換えると、色空間内において、補正対象から距離が遠い色(例えば水色のような、炎症ではあり得ない色)ほどキャリブレーションの精度が低い。

0124

従って、作業者は、電子内視鏡システム1を用いて特に高い精度でスコアリングしたい症状レベルに対応するチャートを持つキャリブレーション用治具を選択するとよい。例えば、軽度炎症を高い精度でスコアリングしたい場合、作業者は、軽度の炎症が起こったときの生体組織の色の指標を含むチャートを持つキャリブレーション用治具を選択するとよい。

0125

なお、指標が細分化されて用意されるほど、作業者がその中から適切な指標を選択することが難しい。そこで、システムコントローラ202は、接続された周辺機器キーボード等)を介して、作業者による症状レベルを指定する操作を受け付けると、指定された症状レベルに対応する指標をモニタ300の表示画面に表示したり音声再生通知したりすることができる。これにより、作業者は、複数の指標の中から適切な指標を確実に選択することができる。

0126

また、上記の実施形態では、各画素に含まれるR成分とG成分(RGの二次元色空間)を用いて炎症評価値が計算されているが、別の実施形態では、RGの二次元色空間に代えて、RBの二次元色空間やHSI、HSV、Lab等の三次元色空間を用いることにより、それぞれの色空間に対応する、上記の実施形態とは別の対象疾患(胃の委縮や大腸腫瘍等)に関する評価値を計算することもできる。この場合、上記の実施形態とは異なる指標及び目標点を用いて補正マトリックス係数が算出される。

0127

プロセッサ200の補正回路220Dには、各種対象疾患に対応する複数種類の補正マトリックス係数が保存されてもよい。診断対象の疾患に応じて補正マトリックス係数が切り替わることにより、それぞれの対象疾患で安定した(個体差によるばらつきの少ない)評価値計算が行われる。

0128

また、上記の実施形態では、補正マトリックス係数を用いて電子内視鏡システム1(主に電子スコープ100の光学部品)の個体差による評価値のばらつきが抑えられているが、別の実施形態では、電子内視鏡システム1の個体差による評価値のばらつきを、補正マトリックス係数に代えてHueゲインで抑えるようにしてもよい。

0129

1電子内視鏡システム
100電子スコープ
102 LCB
104配光レンズ
106対物レンズ
108固体撮像素子
112ドライバ信号処理回路
114メモリ
200プロセッサ
202システムコントローラ
204タイミングコントローラ
206ランプ電源イグナイタ
208ランプ
210集光レンズ
212絞り
214モータ
216ドライバ
218操作パネル
220信号処理回路
220Aプリプロセス回路
220Bプロセス回路
220C出力回路
220D補正回路
220Eスコアリング回路
220Fマッピング回路
222 メモリ
400キャリブレーション用治具
402箱体
404 開口
406チャート
406a円形枠指標
406b 第一の色指標
406c 第二の色指標
406d白指標
406e 黒指標

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