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技術 無線通信装置および無線通信方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 クレモ,ハリスアルトゥンタシュ,オヌルウィルヘルム,マティアスステファン
出願日 2016年8月4日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2016-154027
公開日 2018年2月8日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2018-023049
状態 特許登録済
技術分野 移動無線通信システム
主要キーワード 回帰処理 探知用 探知結果 最低電力 気象センサ 周波数分割方式 衛星測位装置 送信アンテナパターン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

レーダ装置と同一の周波数帯を用いて無線通信を行う場合に、通信接続を適切に確立・維持する。

解決手段

無線通信装置は、レーダ装置と、前記レーダ装置が用いる周波数帯の少なくとも一部の周波数帯を用いて通信する通信装置と、前記レーダ装置によって対象物の位置を取得する位置取得手段と、前記対象物の位置の履歴から、前記対象物の軌跡予測する軌跡予測手段と、前記通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、前記対象物との通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に前記通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う通信制御手段と、を備える。通信範囲が異なる前記通信装置を複数備え、前記通信制御手段は、前記複数の通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、通信に用いる通信装置と通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に決定された通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う、ことが好ましい。

概要

背景

近年、車両には種々のレーダ装置が用いられ、追従走行制御ACC: adaptive cruise control)、緊急ブレーキアシスト、あるいは自動運転などに活用されている。また、レーダ装置を用いて、対象物探知と対象物との無線通信との両方を行うことも提案されている(特許文献1,2、非特許文献1,2)。

レーダにおける空間分解能は、送信波占有帯域反比例する(Δx=c/B, B:帯域幅, c:光速)。車両での利用を想定すると、数百MHzから数GHzの帯域幅が必要となり、
それに伴い高周波数化が必要となる。現在、車両に一般的に用いられているレーダの周波数は、10GHz以上である。特に、79GHz帯で4GHzの帯域幅を使用して、歩行者や小さい動物物体を探知できるレーダシステムの提案がされている。

概要

レーダ装置と同一の周波数帯を用いて無線通信を行う場合に、通信接続を適切に確立・維持する。無線通信装置は、レーダ装置と、前記レーダ装置が用いる周波数帯の少なくとも一部の周波数帯を用いて通信する通信装置と、前記レーダ装置によって対象物の位置を取得する位置取得手段と、前記対象物の位置の履歴から、前記対象物の軌跡予測する軌跡予測手段と、前記通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、前記対象物との通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に前記通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う通信制御手段と、を備える。通信範囲が異なる前記通信装置を複数備え、前記通信制御手段は、前記複数の通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、通信に用いる通信装置と通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に決定された通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う、ことが好ましい。

目的

本発明は、レーダ装置と同一の周波数帯を用いて無線通信を行う場合に、通信接続を適切に確立・維持することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

レーダ装置と、前記レーダ装置が用いる周波数帯の少なくとも一部の周波数帯を用いて通信する通信装置と、前記レーダ装置によって対象物の位置を取得する位置取得手段と、前記対象物の位置の履歴から、前記対象物の軌跡予測する軌跡予測手段と、前記通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、前記対象物との通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に前記通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う通信制御手段と、を備える、無線通信装置

請求項2

通信範囲が異なる前記通信装置を複数備えており、前記通信制御手段は、前記複数の通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、通信に用いる通信装置と通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に決定された通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う、請求項1に記載の無線通信装置。

請求項3

前記通信制御装置は、前記通信範囲と前記軌跡から、通信終了時刻も決定する、請求項1または2に記載の無線通信装置。

請求項4

気象状況を取得する気象状況取得手段と、取得された気象状況を用いて前記通信装置の通信範囲を算出する通信範囲算出手段と、を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信装置。

請求項5

前記位置取得手段は、前記レーダ装置以外のセンサあるいは通信手段からも前記対象物の位置を取得する、請求項1から4のいずれか1項に記載の無線通信装置。

請求項6

前記レーダ装置と前記通信装置は一体の装置であり、レーダ探知用の信号に情報を重畳して情報送信も行う、請求項1から5のいずれか1項に記載の無線通信装置。

請求項7

レーダ装置と、前記レーダ装置が用いる周波数帯の少なくとも一部の周波数帯を用いて通信する通信装置と、を備える無線通信装置の無線通信方法であって、前記レーダ装置によって対象物の位置を取得する位置取得ステップと、前記対象物の位置の履歴から、前記対象物の軌跡を予測する軌跡予測ステップと、前記通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、前記対象物との通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に前記通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う通信制御ステップと、を含む、無線通信方法。

請求項8

請求項7に記載の方法の各ステップコンピュータに実行させるためのプログラム

技術分野

0001

本発明は、無線通信装置に関し、特に、レーダ装置と同じ周波数帯を用いて無線通信を行う無線通信装置における通信制御に関する。

背景技術

0002

近年、車両には種々のレーダ装置が用いられ、追従走行制御ACC: adaptive cruise control)、緊急ブレーキアシスト、あるいは自動運転などに活用されている。また、レーダ装置を用いて、対象物探知と対象物との無線通信との両方を行うことも提案されている(特許文献1,2、非特許文献1,2)。

0003

レーダにおける空間分解能は、送信波占有帯域反比例する(Δx=c/B, B:帯域幅, c:光速)。車両での利用を想定すると、数百MHzから数GHzの帯域幅が必要となり、
それに伴い高周波数化が必要となる。現在、車両に一般的に用いられているレーダの周波数は、10GHz以上である。特に、79GHz帯で4GHzの帯域幅を使用して、歩行者や小さい動物物体を探知できるレーダシステムの提案がされている。

0004

国際公開第2012/037680号公報
米国特許公開第2014−0035774号明細書

先行技術

0005

Sturm, Christian, and Werner Wiesbeck. "Waveform design and signal processing aspects for fusion of wireless communications and radar sensing." Proceedings of theIEEE 99.7 (2011): 1236-1259.
Moghaddasi, Jaber, and Ke Wu. "Improved joint radar-radio (RadCom) transceiver for future intelligent transportation platforms and highly mobile high-speed communication systems." Wireless Symposium (IWS), 2013 IEEE International. IEEE, 2013.

発明が解決しようとする課題

0006

このような高周波電波直進性が強いため、レーダ探知と同時に通信接続確立・維持を行うことは容易ではない。無線通信装置が車両のような移動体に搭載される場合には、互いの位置関係が常に変化するため、通信接続の確立・維持はさらに困難なものとなる。

0007

上記のような問題点を考慮して、本発明は、レーダ装置と同一の周波数帯を用いて無線通信を行う場合に、通信接続を適切に確立・維持することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の第一の態様は、
レーダ装置と、
前記レーダ装置が用いる周波数帯の少なくとも一部の周波数帯を用いて通信する通信装置と、
前記レーダ装置によって対象物の位置を取得する位置取得手段と、
前記対象物の位置の履歴から、前記対象物の軌跡予測する軌跡予測手段と、
前記通信装置の通信範囲と前記対象物の軌跡から、前記対象物との通信開始時刻を決定し、決定された通信開始時刻に前記通信装置を用いて前記対象物へのデータ送信を行う通信制御手段と、
を備える、無線通信装置である。

0009

このように、レーダ装置から得られる対象物(通信相手)の位置の履歴からその軌跡が予測できるので、通信相手がいつ通信装置の通信範囲に存在するかを把握できる。すなわち、通信相手の軌跡が通信範囲に入るタイミングを通信開始時刻として通信を行えば、通信相手まで情報を届けることができる。また、通信相手の軌跡が通信範囲から出るタイミングを通信終了時刻とすれば、通信相手に情報を届けられる期間に限った送信が実現できる。

0010

本態様において、無線通信装置は、無線通信範囲がそれぞれ異なる複数の通信装置を備えることが好ましい。この場合、通信制御装置は、通信を行う期間と通信に用いる通信装置とを決定することができる。具体的には、通信相手が通信範囲内に入ると予測される通信装置を用いるようにすればよい。通信相手が複数の通信装置の通信範囲に入る場合には、通信可能時間あるいはその間に送信可能なデータ量を基準にどの通信装置を用いるかを決定すればよい。

0011

本態様における軌跡予測手段は、カルマンフィルタ近似曲線への回帰処理などによって対象物の軌跡を求めることができる。この際、対象物の軌跡は、自装置に対する相対的な位置によって表すことが好ましい。対象物と自装置の軌跡を絶対位置で予測して対象物の相対位置の軌跡を予測してもよいし、対象物の相対的な位置の履歴から対象物の相対位置の軌跡を予測してもよい。

0012

通信装置の通信範囲は、設計情報としてあらかじめ与えられていてもよいし、実測によってあらかじめ求めておいてもよい。レーダ装置と通信装置が一体となっている場合には、レーダ装置による探知結果の履歴に基づいて通信範囲を求めることもできる。

0013

通信装置の通信範囲は、通信装置から送信された電波の電波強度閾値以上である領域として定義できる。この閾値は、受信に必要な電波強度にマージンを加えた値とすることが好ましい。なお、通信範囲は気象状況の影響を受けるので、気象状況を考慮して通信範囲を算出する通信範囲算出手段を備えることも好ましい。

0014

本態様において、対象物の位置はレーダ装置によってのみ取得する必要はなく、その他のセンサや通信手段から取得するようにしてもよい。センサの例として、ステレオカメラやTOF(Time-of-Flight)方式の距離センサなどが挙げられる。あるいは、レーダ装置とは異なる周波数帯域を用いた通信装置によって位置情報を取得するようにしてもよい。このような通信装置として、DSRC(Dedicated Short Range Communication)や無線LANを用いた通信装置が挙げられる。

0015

本発明において、無線通信装置は、移動可能な無線通信装置であって、たとえば、車両のような移動体に備え付けられた無線通信装置や、持ち運び可能な無線通信装置が含まれる。

0016

なお、本発明は、上記手段の少なくとも一部を備える無線通信装置として捉えることもできる。本発明は、また、上記処理の少なくとも一部を実行する無線通信方法として捉えることができる。また、本発明は、この方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム、あるいはこのコンピュータプログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体として捉えることもできる。上記手段および処理の各々は可能な限り互い
に組み合わせて本発明を構成することができる。

発明の効果

0017

本発明によれば、レーダ装置と同一の周波数帯を用いて無線通信を行う場合に、通信接続を適切に確立・維持可能である。

図面の簡単な説明

0018

本実施形態に係る無線通信装置が備える通信統合レーダ装置を説明する図である。
本実施形態における通信シナリオの一例を説明する図である。
本実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態における通信制御処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態における通信範囲と予測軌跡に基づく通信可能性の判断処理を説明する図である。
本実施形態における無線通信装置の動作例を示すフローチャートである。

実施例

0019

<通信統合レーダ装置>
本実施形態に係る車両に搭載される無線通信装置は、一つの装置によってレーダ探知と無線通信とを実行可能なレーダ装置を利用する。以下では、このレーダ装置のことを、通信統合レーダ装置と称する。通信統合レーダ装置は、レーダ探知モードと無線通信モードの2つのモードで実行する。これら2つのモードは、時分割方式で実現されてもよいし、周波数分割方式で実現されてもよい。

0020

レーダ探知モードは、周波数変調したレーダ波を送信し、対象物からの反射波を受信し、送受信信号が混合されたビート信号に基づいて対象物までの距離や相対速度を検出するFMCWレーダとして動作するモードである。

0021

無線通信モードは、無変調のレーダ波(搬送波)を送信して、これを受信した対象装置から折返波を受信し、その受信信号復調することで対象装置から情報を取得するパッシブ方式通信機として動作するモードである。

0022

図1は、本実施形態に係る車両が備える通信統合レーダ装置の種類を説明する図である。本実施形態に係る車両は、用途に応じた複数の通信統合レーダ装置11〜17を備える。図1は、それぞれのレーダの探知範囲(通信範囲)を示す。レーダ装置11,12は死角監視用に極近距離(〜5メートル)の探知範囲を有する。レーダ装置13〜15は、衝突検知用に中距離(〜30メートル)の探知範囲を有する。レーダ装置16,17は主に追従走行(ACC)用に長距離(150メートル程度)の探知範囲を有する。各レーダ装置は、用途に応じた周波数帯で動作する。たとえば、長距離用のレーダ装置16,17は76GHzあるいは79GHz帯を使用し、その他のレーダ装置は24GHzを使用する。

0023

通信統合レーダ装置は高い周波数を利用するので、無線通信モードにおいて短時間に大量のデータを送信することができる。したがって、車両通信のように短い時間で大量のデータを送信する必要がある用途に向いている。図2に、想定される利用シーンの一例として、高速道路での合流を示す。加速車線走行中の車両C1は、レーダ装置R11を用いて本線道路上の車両C2に対して合流予定であることを通知する。車両C1と車両C2は、レーダ装置R11,R21を用いて互いに通信し、走行軌跡の調整を行う。たとえば、車両C2が減速して車両C1の合流を促す。この際、車両C2は、前方レーダ装置R22によって検知される前方車両C3に関する情報も、車両C1に対して送信する。車両C1
の前方レーダ装置R12では前方車両C3は検知できないので、車両C2からの通知によって車両C1の「視界」が広がる効果が得られる。

0024

このような通信を行う場合、各時点においてどの通信統合レーダ装置を用いて通信するかを動的に決定して、車両間リンクを確立する必要がある。通信統合レーダ装置の主要なタスクはレーダ探知なので、レーダ探知を妨げることなく通信を行う必要がある。したがって、本実施形態における車両は、相手車両ピアノード)の位置を追跡し、通信が必要な時点において、どのレーダ装置を用いて・いつから・どの程度の長さのあいだ、通信を行うのかを決定する必要がある。

0025

<構成>
以下、本実施形態における車両が備える無線通信装置100についてより詳細に説明する。なお以下では、無線通信装置100自体と無線通信装置100を含む車両のことを区別せずに、単に車両100とも参照する場合もある。

0026

図3は、本実施形態における無線通信装置100の機能構成を示す図である。無線通信装置100は、通信統合レーダ装置101、センサ104、通信装置105、位置情報履歴記憶部106、軌跡予測部107、気象センサ108、通信範囲算出部109、通信制御部110を含む。軌跡予測部107、通信範囲算出部109、通信制御部110は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のような論理回路によって構成されてもよい
し、汎用マイクロプロセッサソフトウェアプログラムの組み合わせによって構成されてもよい。

0027

車両100は、上述したように、複数の通信統合レーダ装置101を備える。通信統合レーダ装置101は、一つの周波数帯を用いて、無線通信とレーダ探知の両方を行う。通信統合レーダ装置101は、通信部102と探知部103を備え、これらによって無線通信とレーダ探知をそれぞれ行う。

0028

通信部102は、無変調の搬送波を送信して、通信相手からの折返波を受信して、その受信信号を復調して通信相手からの情報を取得する。あるいは、通信部102は、送信情報を用いて搬送波を変調して送信する。

0029

探知部103は、周波数変調したレーダ波を送信して、対象物からの反射波を受信して、送受信信号が混合されたビート信号に基づいて対象物までの距離および相対速度を検出する。探知部103は、レーダ波の送信方向走査することで、広い範囲の対象物を探知するようにしてもよい。

0030

センサ104は、周囲の車両を検知するためのセンサであり、たとえば、センサ104は、カメラ単眼カメラ、ステレオカメラ)や距離センサ(位相差方式、TOF方式)であってよい。また、センサ104は、ミリ波レーダ赤外線レーザレーダ(LIDAR(Light Detection and Ranging))、超音波レーダのような通信機能を備えないレーダ装
置であってもよい。

0031

通信装置105は、近隣車両を含む周囲の通信装置と無線通信を行う。通信装置105の通信方式は任意であってよく、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)や無線LANを用いることができる。車両100は、通信装置105を用いて、定期的に自車両の位置や速度を近隣車両に対して送信する。また、車両100は、近隣車両から送信される位置や速度の情報を通信装置105を介して受信する。

0032

車両100は、自車両の位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning Syste
m)のような衛星測位装置位置情報取得手段)や、車両状態を取得する車両センサ(車
情報取得手段)も備える(いずれも不図示)。

0033

位置情報履歴記憶部106には、通信統合レーダ装置101やセンサ104、通信装置105から取得された近隣車両の位置や車速の履歴が格納される。軌跡予測部107は、位置情報履歴記憶部106に格納された近隣車両の位置や速度の情報を用いて、近隣車両の軌跡を予測する。軌跡予測部107は、近隣車両から通信によって得られるその他の情報(走行予定経路など)を用いて軌跡を予測してもよい。

0034

気象センサ108は、降雨降雪のような気象状況を検出するセンサ(いわゆる感雨センサ)である。気象センサ108によって、雨、ひょう(あられ)の有無あるいは量を検知できる。

0035

通信範囲算出部109は、気象状況を考慮して、通信統合レーダ装置101の通信範囲を求める。通信制御部110は、通信統合レーダ装置101の通信範囲と近隣車両の予測軌跡に基づいて、どの通信統合レーダ装置101を用いて、どのタイミングで、この近隣車両と通信するかを決定する。通信制御部110は、決定されたレーダ装置を用いて決定されたタイミングで、通信統合レーダ装置101の通信部102によって近隣車両とのあいだの無線接続を確立して情報の送受信を実施する。

0036

軌跡予測部107、通信範囲算出部109、通信制御部110による処理の詳細は後述する。

0037

<通信制御処理>
図4は、本実施形態における通信制御処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、通信相手車両が特定されている状況において、通信統合レーダ装置101を用いた通信の無線接続(リンク)を確立・維持するための処理である。なお、この図に示すフローチャートは処理の一例であり、同様の効果が得られれば処理の順序や内容は異なっていても構わない。

0038

テップS41において、軌跡予測部107が、位置情報履歴記憶部106に記憶された位置および車速の情報を用いて、通信相手車両の軌跡を予測する。軌跡の予測には、カルマンフィルタ、粒子フィルタ、近似曲線への回帰処理(最小二乗法など)などのアルゴリズムを用いることができる。通信統合レーダ装置101あるいは通信装置105を介した通信によって通信相手車両の今後の動作(たとえば、車線変更予告)に関する情報を受け取っている場合には、このような情報を考慮して通信相手車両の軌跡を予測してもよい。

0039

ステップS42において、気象センサ108は、現在の気象状況を取得する。気象センサ108は、たとえば、降雨や降雪の有無あるいはその量を取得する。

0040

ステップS43において、通信範囲算出部109は、それぞれの通信統合レーダ装置101についての通信範囲を算出する。図5は、通信統合レーダ装置51の通信範囲52を示す図である。通信統合レーダ装置51の送信電波受信電力Pは、アンテナからの距離dと送信方向53からの角度θの関数として、次のように求められる。

0041

ここで、Ptは送信電力、Gaは送信アンテナパターン、Pwは気象状況による伝搬損失、λは搬送波の波長を表す。なお、ここでは自由空間伝搬損失を想定する。送信電力Ptや送信アンテナパターンGa、気象状況に応じた伝搬損失Pwはあらかじめ把握できる。伝搬損失Pwについては、たとえば、降雨量および搬送波長に応じた損失(例:降雨量25mm/hのとき、24GHzで伝搬損失5dB/km、80GHzで12dB/km)をあらかじめ記憶しておき、これを用いて算
出すればよい。

0042

通信範囲52は、Pr_minを受信最低電力、Pmを電力マージンとして、次のように表せる。

0043

ステップS44において、通信制御部110は、ステップS41において求められた通信相手車両の軌跡と、ステップS43において求められた通信統合レーダ装置101の通信範囲に基づいて、通信統合レーダ装置101ごとに、通信相手車両との通信可能期間を求める。

0044

なお、自車両も通信相手車両も時々刻々とその位置を変える。したがって、自車両及び通信相手車両の軌跡を絶対座標で求めている場合には、通信相手車両の軌跡を、自車両を基準とする座標系に変換する。また、通信統合レーダ装置101が送信方向を変える場合には、この点も考慮に入れる必要がある。自車両を基準とした座標系から見たときに、通信相手車両が軌跡54に移動すると予測されたものとして説明する。

0045

通信制御部110は、通信統合レーダ装置101の通信範囲52と、通信相手車両の位置から現在通信可能であるか否かが判断できる。通信相手車両が通信範囲52内に位置する場合は、その予測軌跡54からいつまで通信が可能であるかが求めることができる。また、通信相手車両が通信範囲52内に位置しない場合には、このあと通信可能になるか否か、また通信可能になる場合には通信可能な期間を求めることができる。

0046

通信相手車両と通信ができるようになるタイミングおよび通信ができなくなるタイミングは、時刻tにおける通信相手車両の位置を自車両からの距離d(t)と方角θ(t)を用いて表したときに、次の式のように求めることができる。

0047

図5に示す例では、時刻t1が通信可能となる開始時刻であり、時刻t2が通信できなくなる終了時刻であり、そのあいだが通信可能な期間であると算出できる。

0048

ステップS45において、通信制御部110は、ステップS44の結果に基づいて、どの通信統合レーダ装置101を用いて、いつ通信相手車両と無線通信を行うかを決定する。この際の選択基準は特に限定されないが、最も早くに必要な通信が完了できるように、利用する通信統合レーダ装置101と通信期間とを決定すればよい。この際に、必要な通信が1回の遭遇期間(通信相手車両の軌跡が通信範囲内にある期間)で完了しない場合には、複数の遭遇期間を用いて通信を行うように通信機関を決定してもよい。また、同時に複数の通信統合レーダ装置101を用いて通信を行うように決定してもよい。

0049

ステップS26において、通信制御部110は、ステップS45において決定された通信期間に、選択された通信統合レーダ装置101(の通信部102)を用いて通信を行う
ように通信のスケジューリングを行う。

0050

<動作例>
図6は、本実施形態に係る無線通信装置を用いた通信動作の例を示すフローチャートである。ステップS61において、通信制御部110は、上位層からデータ送信の要求を受け付けるまで待機する。データの送信要求においては、通信相手がたとえば存在位置によって特定される。通信相手車両の位置は、レーダ装置を用いた検知や、通信装置を介した通知によって取得される。

0051

ステップS62において、通信相手車両が通信範囲内に位置するか否かが判定される。通信相手車両が通信範囲内に位置する場合(S62−YES)は、ステップS63に進み、通信統合レーダ装置101の通信部102がデータの送信と行う。ステップS64においてデータ送信に成功したか否かが判定され、成功した場合はステップS61に、失敗した場合にはステップS62にそれぞれ進む。

0052

なお、ステップ62において肯定判定される状況は、図4に示すフローチャートの処理において即座に通信可能な状況に対応する。

0053

ステップS62の判定処理において、通信相手車両が通信範囲内に位置しないと判定された場合(S62−NO)は、ステップS65に進む。ステップS65においては、通信相手車両の追跡処理が継続される。すなわち、通信相手車両の位置や車速の検知および軌跡の予測が実行される。ステップS66において、通信相手車両が遠ざかるか否かが判定される。通信相手車両が遠ざかる場合(S66−YES)には、ステップS67に進み、データを破棄し、ステップS61に戻る。一方、通信相手車両が遠ざからない場合(S66−NO)には、ステップS62に戻る。

0054

通信相手車両が自車両から遠ざかると判定される状況(S66−YES)は、図4に示すフローチャートの処理において、通信相手車両が自車両の通信範囲に入らないと判定される場合(通信範囲に入るが通信に必要な期間に足りない場合も含む)に相当する。通信相手車両が自車両から遠ざからないと判定される状況(S66−NO)は、図4に示すフローチャートの処理において、通信相手車両が自車両の通信範囲に入ると判定される場合に相当する。

0055

<本実施形態の有利な効果>
本実施形態によれば、通信統合レーダ装置101を用いた通信において、無線リンク接続確立やその維持を適確に行える。特に、通信統合レーダを用いているので、近隣車両の位置をレーダ探知によって取得でき、この情報に基づいて無線リンクを確立・維持できる。このように、通信統合レーダがあれば、その他のセンサや通信装置がなくても上記の通信処理が実現できる。なお、通信統合レーダ以外のセンサや通信装置を用いることで、より適確な無線通信が可能となり、より好ましいことは上記の実施形態で説明したとおりである。

0056

<変形例>
上記の実施形態の説明では、通信統合レーダ装置、すなわちレーダ探知と無線通信の両方が行えるレーダ装置を用いる例を説明したが、必ずしも通信統合レーダ装置を用いる必要はない。すなわち、本発明は、ミリ波レーダ装置のようなレーダ装置と、当該レーダ装置と同様の無線周波数を用いる通信装置とをそれぞれ含む無線通信装置として構成しても構わない。また、本発明は、通信統合レーダ装置と、通信機能を有しないレーダ装置と、探知機能を有しない通信装置とをそれぞれ含む無線通信装置として構成されてもよい。

0057

上記の説明では、通信統合レーダ装置が複数存在し、どの通信統合レーダ装置をつかってどのタイミングで無線リンクを確立するかを決定している。しかしながら、本発明は、1つの通信統合レーダ装置しか備えない無線通信装置にも適用できる。この場合、本発明の手法によってどのタイミングで無線リンクを確立するかが決定される。

0058

上記の実施形態の説明では、相手車両の向き、すなわちアンテナの指向性を考慮せずに、相手車両が自車両の通信範囲内に存在すれば、通信可能であると判断している。しかしながら、相手車両の向きおよびアンテナの指向性(受信可能範囲)が利用可能であれば、この情報も考慮して通信可能であるか否かを判断することが好ましい。このようにすれば、無線リンクが接続可能であることをより正確に判断できる。

0059

上記の実施形態では本発明にかかる無線通信装置が車両に搭載されて利用されているが、本発明にかかる無線通信装置は、車両以外の移動体に搭載してもよいし、あるいは固定して利用しても構わない。

0060

本発明は、その技術的思想の範囲内において適宜変更し実施することが可能である。

0061

100:車両
101:通信統合レーダ装置
102:通信部
103:探知部
104:センサ
105:通信装置
106:位置情報履歴記憶部
107:軌跡予測部
108:気象センサ
109:通信範囲算出部
110:通信制御部

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  • ソフトバンク株式会社の「 無線中継システム」が 公開されました。( 2019/07/25)

    【課題】簡易な構成で、目標位置に移動した後、複数の通信オペレータの移動通信網について固定基地局とユーザ装置との間の無線通信の中継を速やかに開始することができる無線中継システムを提供する。【解決手段】移... 詳細

  • 京セラ株式会社の「 無線端末及び基地局」が 公開されました。( 2019/07/25)

    【課題・解決手段】一の実施形態に係る無線端末は、Pedestrian UE(User Equipment)である。前記無線端末は、他の無線端末との直接的な端末間通信を実行するよう構成されたトランス... 詳細

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