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技術 ヒートポンプ装置及びその制御方法

出願人 三菱重工サーマルシステムズ株式会社中部電力株式会社
発明者 前野政司渡邉澂雄中山浩
出願日 2016年8月5日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-154439
公開日 2018年2月8日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2018-021732
状態 特許登録済
技術分野 不可逆サイクルによる圧縮式冷凍機械
主要キーワード 等圧力 解除値 異常低圧 返送流路 温水循環配管 優先運転 要求温度 保護停止
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

低外気温時においても室外熱交換器における圧力を過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができるヒートポンプ装置を提供する。

解決手段

利用側熱交換器32にて要求される目標高圧Pdまで冷媒圧縮するように高段圧縮機9の回転数を制御するとともに、目標高圧Pdと吸込圧力Psとの相乗平均となる目標中間圧Pmとなるように低段圧縮機7の回転数を制御する制御部10を備えている。制御部10は、室外熱交換器11における低圧LPが第1閾値P1以下となった場合に、低段圧縮機7の回転数を減じるとともに、この回転数の減少量に応じて高段圧縮機9の回転数を増加するように制御する。

概要

背景

例えば特許文献1に示されているように、低段圧縮機高段圧縮機を備えた2段圧縮を行う多段圧縮冷凍システムが知られている。このような冷凍システムの場合、低段圧縮機と高段圧縮機の圧力比を同等にする等圧力比制御を行い、COP成績係数)の向上を図る。すなわち、等圧力比制御では、低段圧縮機の吐出圧力である中間圧は、低段圧縮機の吸込冷媒の圧力と高段圧縮機の吐出冷媒高圧との相乗平均となるように制御される。

概要

低外気温時においても室外熱交換器における圧力を過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができるヒートポンプ装置を提供する。利用側熱交換器32にて要求される目標高圧Pdまで冷媒圧縮するように高段圧縮機9の回転数を制御するとともに、目標高圧Pdと吸込圧力Psとの相乗平均となる目標中間圧Pmとなるように低段圧縮機7の回転数を制御する制御部10を備えている。制御部10は、室外熱交換器11における低圧LPが第1閾値P1以下となった場合に、低段圧縮機7の回転数を減じるとともに、この回転数の減少量に応じて高段圧縮機9の回転数を増加するように制御する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、低外気温時においても室外熱交換器における圧力を過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができるヒートポンプ装置及びその制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

冷媒低圧から中間圧まで圧縮する低段圧縮機と、前記中間圧とされた冷媒を高圧まで圧縮する高段圧縮機と、前記高圧とされた冷媒と利用側熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、該利用側熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる室外熱交換器と、前記利用側熱交換器にて要求される目標高圧まで冷媒を圧縮するように前記高段圧縮機の回転数を制御するとともに、該目標高圧と前記低圧との相乗平均となる目標中間圧となるように前記低段圧縮機の回転数を制御する制御部と、を備えたヒートポンプ装置であって、前記制御部は、前記室外熱交換器における冷媒圧力が第1閾値以下となった場合に、前記低段圧縮機の回転数を減じるとともに、この回転数の減少量に応じて前記高段圧縮機の回転数を増加するように制御することを特徴とするヒートポンプ装置。

請求項2

前記制御部は、前記室外熱交換器における冷媒圧力が前記第1閾値よりも低い第2閾値となった場合に、前記高段圧縮機の回転数を減じるように制御することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。

請求項3

冷媒を低圧から中間圧まで圧縮する低段圧縮機と、前記中間圧とされた冷媒を高圧まで圧縮する高段圧縮機と、前記高圧とされた冷媒と利用側熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、該利用側熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる室外熱交換器と、を備えたヒートポンプ装置の制御方法であって、前記利用側熱交換器にて要求される目標高圧まで冷媒を圧縮するように前記高段圧縮機の回転数を制御するとともに、該目標高圧と前記低圧との相乗平均となる目標中間圧となるように前記低段圧縮機及の回転数を制御し、前記室外熱交換器における冷媒圧力が第1閾値以下となった場合に、前記低段圧縮機の回転数を減じるとともに、この回転数の減少量に応じて前記高段圧縮機の回転数を増加するように制御することを特徴とするヒートポンプ装置の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、ヒートポンプ装置及びその制御方法に関するものである。

背景技術

0002

例えば特許文献1に示されているように、低段圧縮機高段圧縮機を備えた2段圧縮を行う多段圧縮冷凍システムが知られている。このような冷凍システムの場合、低段圧縮機と高段圧縮機の圧力比を同等にする等圧力比制御を行い、COP成績係数)の向上を図る。すなわち、等圧力比制御では、低段圧縮機の吐出圧力である中間圧は、低段圧縮機の吸込冷媒の圧力と高段圧縮機の吐出冷媒高圧との相乗平均となるように制御される。

先行技術

0003

公表2012/004987

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、ヒートポンプ装置として上記冷凍システムを用いる場合、冬季のように外気温度が低下してくると室外熱交換器における冷媒圧力も低下する。室外熱交換器における冷媒圧力が低下すると負圧となるおそれがあるので、低段圧縮機及び高段圧縮機の回転数を低下させて圧力低下を回避するように低圧保護制御を行う。このときにCOP向上を優先した等圧力比制御を行うと、高圧も低下することになり、ヒートポンプ装置としての能力が維持できないという問題がある。

0005

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、低外気温時においても室外熱交換器における圧力を過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができるヒートポンプ装置及びその制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明のヒートポンプ装置及びその制御方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるヒートポンプ装置は、冷媒低圧から中間圧まで圧縮する低段圧縮機と、前記中間圧とされた冷媒を高圧まで圧縮する高段圧縮機と、前記高圧とされた冷媒と利用側熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、該利用側熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる室外熱交換器と、前記利用側熱交換器にて要求される目標高圧まで冷媒を圧縮するように前記高段圧縮機の回転数を制御するとともに、該目標高圧と前記低圧との相乗平均となる目標中間圧となるように前記低段圧縮機の回転数を制御する制御部とを備えたヒートポンプ装置であって、前記制御部は、前記室外熱交換器における冷媒圧力が第1閾値以下となった場合に、前記低段圧縮機の回転数を減じるとともに、この回転数の減少量に応じて前記高段圧縮機の回転数を増加するように制御することを特徴とする。

0007

冷媒を低段圧縮機で低圧から中間圧まで圧縮した後に高段圧縮機で高圧まで圧縮する2段圧縮を行う冷凍サイクルでは、高圧と低圧との相乗平均となるように中間圧を制御することがCOPを向上させる観点からは好ましい。しかし、外気温度が低下して室外熱交換器における冷媒圧力が低下すると、冷媒の高低圧差を確保するために高段圧縮機及び低段圧縮機の回転数を増加させる必要があるが、低段圧縮機の回転数を増加させると低段圧縮機の吸込冷媒圧力が低下して室外熱交換器の冷媒圧力がさらに低下してしまうおそれがある。
そこで、室外熱交換器の冷媒圧力が第1閾値以下となった場合に、低段圧縮機の回転数を減じることとして、室外熱交換器における冷媒圧力の低下を抑制することとした。一方で、高段圧縮機は、低段圧縮機が減じられた回転数の減少量に応じて回転数を増加するように制御することとして、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持する能力優先制御を行うこととした。
以上により、低外気温時においても室外熱交換器における冷媒圧力を過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができる。
第1閾値としては、例えば−15℃以上−8℃以下の飽和温度に相当する冷媒圧力とされる。

0008

さらに、本発明のヒートポンプ装置では、前記制御部は、前記室外熱交換器における冷媒圧力が前記第1閾値よりも低い第2閾値となった場合に、前記高段圧縮機の回転数を減じるように制御することを特徴とする。

0009

外気温度が第1閾値よりも低くなると、さらに低圧が低下するので、高段圧縮機の回転数を減じることとして、低圧保護制御を行うこととする。これにより、室外熱交換器における冷媒圧力が負圧になることを回避することができる。
第2閾値としては、例えば−20℃以上−14℃以下の飽和温度に相当する冷媒圧力とされる。

0010

また、本発明のヒートポンプ装置の制御方法は、冷媒を低圧から中間圧まで圧縮する低段圧縮機と、前記中間圧とされた冷媒を高圧まで圧縮する高段圧縮機と、前記高圧とされた冷媒と利用側熱媒体とを熱交換させる利用側熱交換器と、該利用側熱交換器から導かれた冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる室外熱交換器と、を備えたヒートポンプ装置の制御方法であって、前記利用側熱交換器にて要求される目標高圧まで冷媒を圧縮するように前記高段圧縮機の回転数を制御するとともに、該目標高圧と前記低圧との相乗平均となる目標中間圧となるように前記低段圧縮機及の回転数を制御し、前記室外熱交換器における冷媒圧力が第1閾値以下となった場合に、前記低段圧縮機の回転数を減じるとともに、この回転数の減少量に応じて前記高段圧縮機の回転数を増加するように制御することを特徴とする。

発明の効果

0011

低外気温時においても室外熱交換器における圧力を過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の一実施形態に係るヒートポンプ装置を示した概略構成図である。
図1のヒートポンプ装置のヒートポンプサイクルを示したp−h線図である。
能力優先運転を示し、(a)は外気温度に対する回転数の関係を示したグラフであり、(b)は外気温度に対する能力の関係を示したグラフである。
図1のヒートポンプ装置の制御方法を示したフローチャートである。
図1のヒートポンプ装置の制御方法を示したフローチャートである。
図1のヒートポンプ装置の運転状態切り替えを示したタイミングャートである。

実施例

0013

以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、ヒートポンプ装置1の概略構成が示されている。なお、本実施形態ではヒートポンプ装置として説明するが、四方弁25を切り替えることによって冷凍サイクルを行う装置として使用することもできる。

0014

ヒートポンプ装置1は、熱源機3と、利用側熱交換器ユニット5とを備えている。
熱源機3は、低段圧縮機7と、高段圧縮機9と、室外熱交換器11と、過冷却熱交換器13とを備えている。

0015

低段圧縮機7は、アキュムレータ52から導かれた低圧とされた吸込圧力Psのガス冷媒を吸い込み、中間圧Pmまで圧縮する。冷媒としては、例えば、R134aやR1234yfとされた低圧冷媒が用いられる。低段圧縮機7は、電動モータによって駆動されるスクロール圧縮機ロータリ圧縮機とされており、制御部10からの指令によって回転数が制御されるようになっている。低段圧縮機7から吐出された冷媒の中間圧Pmは、中間圧圧力センサ15によって計測され、計測後の出力が制御部10へと送信される。
低段圧縮機7の吸込圧力Psは、アキュムレータ52の上流側に設けた低圧圧力センサ14によって計測され、計測後の出力が制御部10へと送信される。なお、低段圧縮機7の吸込圧力Psは、室外熱交換器11に取り付けた室外機交換器温度センサ12の計測値から制御部10にて演算しても良い。具体的には、室外熱交換器温度センサ12の出力が制御部10へと送信され、制御部10にて室外熱交換器11における計測温度冷媒飽和温度として低圧LPを演算する。そして、この低圧LPを吸込圧力Psとして用いる。

0016

低段圧縮機7から吐出された冷媒は、低段オイルセパレータ17を通り、冷媒に随伴されるオイルを除去した後に、高段圧縮機9へと導かれる。低段オイルセパレータ17にて分離されたオイルは、低段返送流路19を介して低段圧縮機7へと戻される。

0017

高段圧縮機9は、低段圧縮機7から導かれた中間圧Pmのガス冷媒を吸い込み、高圧Pdまで圧縮する。高段圧縮機9は、電動モータによって駆動されるスクロール圧縮機やロータリ圧縮機とされており、制御部10からの指令によって回転数が制御されるようになっている。高段圧縮機9から吐出された冷媒の高圧Pdは、高圧圧力センサ21によって計測され、計測後の出力が制御部10へと送信される。高段圧縮機9の吐出配管には、冷媒の吐出温度Tdを計測する高段吐出温度センサ22が設けられている。高段吐出温度センサ22の出力は、制御部10へと送信される。
高段圧縮機9から吐出された冷媒は、高段オイルセパレータ23を通り、冷媒に随伴されるオイルを除去した後に、四方弁25へと導かれる。高段オイルセパレータ23にて分離されたオイルは、低段返送流路24を介して高段圧縮機9へと戻される。

0018

四方弁25は、制御部10の指令によって、ヒートポンプ運転または冷凍サイクル運転に応じて、流路切り換えが行われる。本実施形態では、ヒートポンプ運転について説明するので、四方弁25は、高段圧縮機9から導かれた高圧冷媒が利用側熱交換器ユニット5へと導く第1冷媒配管26へと導かれるように流路が選択されている。

0019

第1冷媒配管26には、第1操作弁28を介して、第1接続配管30が接続されている。第1接続配管30から導かれた高圧冷媒は、利用側熱交換器ユニット5へと導かれる。

0020

利用側熱交換器ユニット5には、利用側熱交換器32が設けられている。利用側熱交換器32では、高圧冷媒と温水(利用側熱媒体)とが熱交換する。温水は、図示しない外部負荷から導かれた温水循環配管34によって利用側熱交換器32へと導かれる。

0021

利用側熱交換器32にて温水を加熱した後の冷媒は、凝縮液化され、利用側膨張弁36を通過して減圧図2B点とC点との間)された後に、第2接続配管38を介して、熱源機3側へと導かれる。

0022

第2接続配管38は、第2操作弁40に接続されている。第2操作弁40から導かれた冷媒は、レシーバ42へと送られる。レシーバ42では、冷媒の気液が分離される。レシーバ42で分離された液冷媒は、過冷却熱交換器13へと導かれる。一方、過冷却熱交換器13の上流側の分岐点Aにて分岐された一部の液冷媒は、過冷却用膨張弁44にて膨張された後に、過冷却熱交換器13へと導かれ、過冷却熱交換器13に導かれた液冷媒を冷却して過冷却を与える。過冷却を与えてガス化した後の冷媒は、ガスインジェクション管46を介して、低段圧縮機7の吐出側でかつ高段圧縮機9の吸込側に導かれる。過冷却熱交換器13にて過冷却を与えられた液冷媒は、膨張弁50へと導かれる。

0023

膨張弁50は、制御部10の指令によって所定の開度が与えられ、液冷媒を膨張させる。膨張弁50にて膨張させられて低圧となった冷媒は、室外熱交換器11へと送られ、外気との間で熱交換して蒸発させられる。室外熱交換器11にて蒸発してガス化した冷媒は、四方弁25を介して、アキュムレータ52へと導かれる。アキュムレータ52にて一時的に貯留された冷媒は、低段圧縮機7へと導かれる。

0024

制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク光磁気ディスクCD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。

0025

図2には、上記構成のヒートポンプ装置1が行うヒートポンプサイクルのp(圧力)−h(エンタルピ)線図が示されている。
同図に示されているように、低段圧縮機7にて冷媒が低圧LPに相当する吸込圧力Psから中間圧Pmまで昇圧され、高段圧縮機9にて冷媒が中間圧Pmから高圧Pdまで昇圧される。高圧Pdまで昇圧された冷媒は、利用側熱交換器32にて凝縮させられて液化される(B点)。このときの凝縮熱が利用側熱交換器32を通過する温水に与えられ、温水が加熱される。温水の加熱温度は60℃以上とされ、例えば80℃に設定される。

0026

利用側熱交換器32にて凝縮された液冷媒は、熱源機3に設置されたレシーバ42へと導かれる(C点)。レシーバ42では、気液が分離されて、液冷媒の一部が過冷却用膨張弁44によって膨張させられ(D点)、過冷却熱交換器13へと導かれる。過冷却熱交換器13では、過冷却用膨張弁44によって膨張させられた冷媒と、過冷却用膨張弁44に導かれなかった残部の液冷媒とが熱交換をする。これにより、残部の液冷媒に対して、過冷却が与えられる(E点)。過冷却熱交換器13にて残部の液冷媒に対して過冷却を与えた冷媒は、ガス冷媒となり、高段圧縮機9の吸込側へと導かれる。

0027

過冷却が与えられた液冷媒は、膨張弁50によって膨張させられて(F点)、室外熱交換器11へと導かれる。室外熱交換器11では、外気と熱交換することによって液冷媒が蒸発させられ、ガス化された冷媒が低段圧縮機7へと導かれる。

0028

[COP優先運転]
ヒートポンプ装置1は、室外熱交換器11における冷媒圧力とされる低圧LPが後述する第1閾値P1まで下がらない場合には、COP優先運転を行う。COP優先運転は、低段圧縮機7と高段圧縮機9とによって2段圧縮を行うヒートポンプ運転において最も効率が良いとされる運転とされる。具体的には、低段圧縮機7と高段圧縮機の圧力比が等しい等圧力比とされ、下式(1)にて表される。
Pm/Ps=Pd/Pm ・・・(1)
上式(1)より、中間圧Pmは、以下のように求められる。
Pm=(Ps・Pd)1/2 ・・・(2)
したがって、COP優先運転では、制御部10は、中間圧Pmを吸込圧力Psと高圧Pdの相乗平均となるように運転する。

0029

制御部10は、利用側熱交換器32にて加熱される温水の要求温度(例えば80℃)を得ることができる冷媒飽和温度(例えば82℃の冷媒飽和温度)に相当する目標高圧Pdとなるように、高段圧縮機9の回転数を制御する。具体的には、制御部10は、温水の要求温度に対応する目標高圧Pdと回転数との関係を示したマップ又は演算式を備えており、このマップ又は演算式に基づいて高段圧縮機9の回転数を制御する。
また、制御部10は、上式(2)に示した中間圧Pmが得られるように、低段圧縮機7の回転数を制御する。このとき、吸込圧力Psは低圧圧力センサ14で得られた低圧LPを用い、高圧Pdは高圧圧力センサ21の計測値を用いる。

0030

[低圧保護制御]
冬季のように外気温度が低下してくると低圧LPも低下する。低圧LPが低下すると負圧となるおそれがあるので、低圧LPが第2閾値P2以下となった場合には、低段圧縮機7及び高段圧縮機9の回転数を低下させて低圧低下を回避するように保護制御を行う。具体的には、制御部10は、COP優先運転のように等圧力比を保ちながら、低段圧縮機7及び高段圧縮機9の回転数を低下させる。この場合、高段圧縮機9の回転数も低下するので、ヒートポンプとしての能力は低下する。第2閾値としては、例えば−20℃以上−14℃以下の飽和温度に対応する冷媒圧力とされる。

0031

[能力優先運転]
低圧保護制御が行われるとヒートポンプとしての能力が低下するので、低圧保護制御が行われる直前までは能力を可及的に確保する能力優先運転を行う。具体的には、第2閾値P2よりも大きい圧力として第1閾値P1を定め、第1閾値P1以下となり第2閾値P2を下回るまでは、能力優先運転を行う。能力優先運転は、制御部10の指令により、低段圧縮機7の回転数を減じるとともに、この減少量に応じて高段圧縮機9の回転数を増加する。第1閾値としては、例えば−15℃以上−8℃以下の飽和温度に相当する冷媒圧力とされる。

0032

すなわち、図3(a)に示すように、外気温度が低下して低圧LPが低下してきても、第1閾値P1までは等圧力比にてCOP優先運転を行い、外気温度の低下に応じて低段圧縮機7及び高段圧縮機9の回転数を上昇させる。そして、低圧LPが第1閾値P1以下となると、能力優先運転となり、低段圧縮機7の回転数は、線L1に示すように、低圧LPの低下に応じて回転数を減少する。高段圧縮機9の回転数は、線L2に示すように、低段圧縮機7の回転数の減少量に応じて増加する。線L3は、第1閾値P1以下の場合に等圧力比運転を継続した場合の回転数を示している。

0033

図3(b)には、低圧LPに応じたヒートポンプ装置1の能力が示されている。同図に示されているように、低圧LPが第1閾値P1以下となると、線L4に示すように、高段圧縮機9の回転数を増大するものの、能力としてはCOP優先運転時よりも低下してしまう。しかし、線L5に示すように、第1閾値P1以下となった場合に低圧保護制御を行うと、低段圧縮機7及び高段圧縮機9の回転数が共に低下するので、能力優先運転時よりもさらに能力が低下する。

0034

次に、図4及び図5を用いて、ヒートポンプ装置1の運転制御方法について説明する。
先ず、ステップS1にて、運転指令がONとされ、リモコン設定により、利用側である温水の出口温度が設定される。
そして、ステップS2では、制御部10の指令によって、設定された温水出口温度に相当する目標高圧Pdとなるように高段圧縮機9の回転数が制御される。
そして、ステップS3では、制御部10の指令によって、式(2)に示したように、高段圧縮機9と同じ圧力比となる目標中間圧力Pmとなるように、低段圧縮機7の回転数が制御される。ステップS2及びS3により、COP優先運転が行われる。

0035

そして、ステップS4にて、低圧LPが第1閾値P1以上か否かを判断する。第1閾値P1以上である場合は、ステップS5へと進み、ヒートポンプ装置1の停止指令の有無を判断する。停止指令がある場合には、ヒートポンプ装置1の運転を停止させる。停止指令がない場合には、運転継続と判断し、ステップS2へと戻る。

0036

ステップS4にて低圧LPが第1閾値P1を下回った場合には、ステップS6へと進み、低段圧縮機7の回転数を所定量だけ減じる。このとき、高段圧縮機9は、目標高圧Pdを維持するように能力優先運転を行う。

0037

そして、ステップS7にて、低圧LPが第2閾値P2未満か否かを判断する。低圧が第2閾値P2以上の場合には、ステップS8へと進み、低圧LPが第1解除値R1以上か否かを判断する。低圧LPが第1解除値R1未満の場合にはステップS4に戻り、運転を継続する。低圧LPが第1解除値R1以上の場合には、ステップS2に戻り、運転を継続する。

0038

ステップS7にて低圧LPが第2閾値P2未満の場合には、ステップS9へと進み、低段圧縮機7及び高段圧縮機9の回転数を低下させて低圧保護制御を行う。

0039

そして、ステップS10にて、低圧LPが第3閾値P3未満か否かを判断する。低圧LPが第3閾値P3以上の場合には、ステップS11へと進み、低圧LPが第1解除値R1以上か否かを判断する。低圧LPが第1解除値R1未満の場合には、ステップS7へと戻り、運転を継続する。低圧LPが第1解除値R1以上の場合には、ステップS2へ戻り、運転を継続する。第3閾値としては、例えば−26℃以上−18℃以下の飽和温度に相当する冷媒圧力とされる。

0040

ステップS10にて、低圧LPが第3閾値P3未満の場合には、ステップS12へと進み、低圧保護停止とし、ヒートポンプ装置1の運転を停止する。

0041

そして、ステップS13にて、低圧LPが第2解除値R2未満か否かを判断する。低圧LPが第2解除値R2以上の場合には、再起動し、ステップS2へと戻る。低圧LPが第2解除値R2未満の場合には、ステップS14へと進み、異常低圧保護として、再起動を行わずに停止状態を維持する。

0042

図6には、運転状態を切り替えるタイミングを示したタイミングチャートが示されている。
同図に示されているように、低圧LPが第1閾値P1を下回るとCOP優先運転から能力優先運転に切り替わり、第2閾値P2を下回ると低圧保護制御に切り替わり、第3閾値P3を下回ると低圧保護停止に切り替わる。また、低圧LPが第3閾値P3よりも大きい値である第2解除値R2を超えるとヒートポンプ装置1を再起動して復帰させ、第1閾値P1よりも大きい第1解除値R1を超えるとCOP優先運転まで復帰させる。

0043

以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
冷媒を低段圧縮機7で吸込圧力Psから中間圧Pmまで圧縮した後に高段圧縮機9で高圧Pdまで圧縮する2段圧縮を行う冷凍サイクルでは、高圧Pdと低圧である吸込圧力Psとの相乗平均となるように中間圧Pmを制御することがCOPを向上させる観点からは好ましい。しかし、外気温度が低下して室外熱交換器11における冷媒圧力である低圧LPが低下すると、冷媒の高低圧差を確保するために高段圧縮機9及び低段圧縮機7の回転数を増加させる必要があるが、低段圧縮機7の回転数を増加させると低段圧縮機7の吸込冷媒の圧力Psが低下して低圧LPがさらに低下してしまうおそれがある。
そこで、低圧LPが第1閾値P1以下となった場合に、低段圧縮機7の回転数を減じることとして、低圧LPの低下を抑制することとした。一方で、高段圧縮機9は、低段圧縮機7が減じられた回転数の減少量に応じて回転数を増加するように制御することとして、ヒートポンプ装置1としての出力を可及的に維持する能力優先制御を行うこととした。
以上により、低外気温時においても低圧LPを過剰に低下させることなく、ヒートポンプ装置としての出力を可及的に維持することができる。

0044

特に、本実施形態では、R134aやR1234yfとされた低圧冷媒が用いることとしているので、R410Aといった冷媒に比べて低圧LPが負圧になるおそれがあるので、本発明の能力優先運転は有効である。また、本発明のような能力優先運転を用いることとすれば、R410Aを冷媒として用いたシステムに対して、低圧冷媒で置き換えて用いることができる点で有利である。

0045

なお、本実施形態では、利用側熱交換器32は、温水を加熱するために用いることとしたが、利用側の熱媒体を加熱するものであれば良く、例えば、空気を加熱して温風を出力する空気熱交換器として用いても良い。

0046

1ヒートポンプ装置
3熱源機
5利用側熱交換器ユニット
7低段圧縮機
9高段圧縮機
10 制御部
11室外熱交換器
12室外熱交換器温度センサ
13過冷却熱交換器
14低圧圧力センサ
15中間圧圧力センサ
17 低段オイルセパレータ
19 低段返送流路
21高圧圧力センサ
22 高段吐出温度センサ
23 高段オイルセパレータ
24 高段返送流路
26 第1冷媒配管
28 第1操作弁
30 第1接続配管
32 利用側熱交換器
34温水循環配管
36利用側膨張弁
38 第2接続配管
40 第2操作弁
42レシーバ
44過冷却用膨張弁
46ガスインジェクション管
50膨張弁
52アキュムレータ
LP低圧
Ps吸込圧力(低圧)
Pm 中間圧
Pd高圧
P1 第1閾値
P2 第2閾値
P3 第3閾値
Td 吐出温度

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