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課題
解決手段
概要
背景
従来、例えば油圧ショベルなどの作業機械に用いられる上部旋回体は、複数の構造物を溶接して組み上げられる。そのため、溶接の際に各部材に歪が生じ、寸法精度が低下することがある。特に、フレームに複数の外装カバーを取り付ける際、フレームが歪んでいると、カバー間の隙間が大きくなったり干渉したりするなど、外観に影響を与えるおそれがある。具体的に、例えばフレームの底板の外縁部にチャンネルと呼ばれる補強用の側面を溶接する場合、チャンネル全体が歪み、前後、左右、および上下の各方向に変形する可能性があり、カバーの支柱となるサポートのマウント位置精度を出すのが容易でない。このようにマウント位置の精度が悪いと、サポートの組み立てが困難となったり、構造によっては仮置きがしにくく組立性が悪くなったりすることが考えられる。
この点、フレームのチャンネル内側に位置する補強部材に対してベース部を溶接し、このベース部上にサポート部を溶接して、このサポート部の外側に重ねたカバーのサポートの下端部をボルトによりサポート部に締結固定する構成(例えば、特許文献1参照。)、および、フレームの上面にサポート部を溶接して、このサポート部の外側に重ねたカバーのサポートの下端部をボルトによりサポート部に締結する構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、これらの構成の場合には、サポート部の溶接位置を前後および左右に調整することにより、前後方向および左右方向の寸法の歪みには対応できるものの、上下方向には位置を調整できない。
また、フレームのチャンネル外側に上下方向に沿って長手状の取付プレートを立設し、この取付プレートの上部に、カバーのサポートに突設した位置決めプレートを載置して位置決めするとともに、取付プレートの内側に重ねたサポートの下端部をボルトにより取付サポートに締結固定する構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、この構成の場合には、カバーの組み付けの際に、仮組みされるカバーのサポートの位置決めプレートが細い取付プレートの上面に置かれた状態となることで不安定な仮組み状態となり、この状態でボルトにより締結するため、組み立ての作業性が良好でない。
概要
カバーを安定した状態で適切な位置に調整して組み付けできる作業機械のカバー取付装置およびこれを備えた作業機械を提供する。上側が開口したブラケット部51の固定位置をスカートチャンネル38,39に沿って上下方向および前後方向に設定する。ブラケット部51に対して取付プレート52の固定位置をスカートチャンネル38,39に対して接近および離れる左右方向に設定する。取付プレート52に設けた取付穴53の位置を互いに直交する上下、左右、前後の3方向に調整できる。挿入空間57に外装カバーを支持する外装カバーフレーム47の下端側を挿入した状態で取付穴53にボルト54を挿入して外装カバーフレーム47の下端側を取付プレート52に締結固定できる。外装カバーを安定した状態で適切な位置に調整して組み付けできる。
目的
特開2005−299197号公報
実開平6−63657号公報
特開2007−138483号公報
上述したように、カバーを組み付ける際に、サポートの前後、左右、および上下に位置を調整可能であるとともに、サポートを安定した状態に仮組みできる構成が望まれている
効果
実績
- 技術文献被引用数
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- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
技術分野
背景技術
0002
従来、例えば油圧ショベルなどの作業機械に用いられる上部旋回体は、複数の構造物を溶接して組み上げられる。そのため、溶接の際に各部材に歪が生じ、寸法精度が低下することがある。特に、フレームに複数の外装カバーを取り付ける際、フレームが歪んでいると、カバー間の隙間が大きくなったり干渉したりするなど、外観に影響を与えるおそれがある。具体的に、例えばフレームの底板の外縁部にチャンネルと呼ばれる補強用の側面を溶接する場合、チャンネル全体が歪み、前後、左右、および上下の各方向に変形する可能性があり、カバーの支柱となるサポートのマウント位置精度を出すのが容易でない。このようにマウント位置の精度が悪いと、サポートの組み立てが困難となったり、構造によっては仮置きがしにくく組立性が悪くなったりすることが考えられる。
0003
この点、フレームのチャンネル内側に位置する補強部材に対してベース部を溶接し、このベース部上にサポート部を溶接して、このサポート部の外側に重ねたカバーのサポートの下端部をボルトによりサポート部に締結固定する構成(例えば、特許文献1参照。)、および、フレームの上面にサポート部を溶接して、このサポート部の外側に重ねたカバーのサポートの下端部をボルトによりサポート部に締結する構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
0005
また、フレームのチャンネル外側に上下方向に沿って長手状の取付プレートを立設し、この取付プレートの上部に、カバーのサポートに突設した位置決めプレートを載置して位置決めするとともに、取付プレートの内側に重ねたサポートの下端部をボルトにより取付サポートに締結固定する構成が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
0006
しかしながら、この構成の場合には、カバーの組み付けの際に、仮組みされるカバーのサポートの位置決めプレートが細い取付プレートの上面に置かれた状態となることで不安定な仮組み状態となり、この状態でボルトにより締結するため、組み立ての作業性が良好でない。
先行技術
0007
特開2005−299197号公報
実開平6−63657号公報
特開2007−138483号公報
発明が解決しようとする課題
0008
上述したように、カバーを組み付ける際に、サポートの前後、左右、および上下に位置を調整可能であるとともに、サポートを安定した状態に仮組みできる構成が望まれている。
0009
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、支柱を安定した状態で適切な位置に調整して組み付けできる作業機械のカバー用支柱取付装置およびこれを備えた作業機械を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
0010
請求項1記載の発明は、上下方向に沿う取付面部を備えたフレームに上下方向に沿いカバーを支持する支柱を取り付ける作業機械のカバー用支柱取付装置であって、上側が開口した状態で取付面部に固定されたブラケット部と、このブラケット部に対して取付面部から離れた位置に固定され、取付面部およびブラケット部との間にカバーの支柱の下端側が挿入される挿入空間を区画する取付部と、この取付部に設けられ、挿入空間に挿入されたカバーの支柱の下端側を挿入されたボルトにより取付部に締結固定するための取付穴と
を具備した作業機械のカバー用支柱取付装置である。
0011
請求項2記載の発明は、上下方向に沿う取付面部を備えたフレーム、上下方向に沿う支柱、この支柱により支持されるカバー、支柱をフレームに取り付ける請求項1記載のカバー用支柱取付装置、およびボルトを有する機体と、この機体に作動可能に設けられた作業装置とを具備した作業機械である。
発明の効果
0012
請求項1記載の発明によれば、上側が開口したブラケット部の固定位置を取付面部に沿って設定するとともに、このブラケット部に対して取付部の固定位置を取付面部に対して接近および離れる方向に設定することで、取付部に設けた取付穴の位置および取付部の締結面を互いに直交する3方向に調整でき、かつ、挿入空間にカバーを支持する支柱の下端側を挿入した状態で取付穴にボルトを挿入して支柱の下端側を取付部に締結できるので、カバーを安定した状態で適切な位置に調整して組み付けできる。
0013
請求項2記載の発明によれば、フレームに対してカバーを適切な位置に容易に組み付けできるので、外観や信頼性がより良好で安価な作業機械を提供できる。
図面の簡単な説明
0014
本発明に係る作業機械のカバー用支柱取付装置の一実施の形態の要部を示す分解斜視図である。
同上作業機械のカバー用支柱取付装置の要部を背面側から示す斜視図である。
(a)は同上作業機械のカバー用支柱取付装置のブラケット部の取付面部への取付作業を示す斜視図、(b)は同上作業機械のカバー用支柱取付装置の取付部のブラケット部への取付作業を示す斜視図である。
同上作業機械のカバー用支柱取付装置を取り付けるフレームを示す斜視図である。
同上作業機械のカバー用支柱取付装置を備える作業機械を示す側面図である。
本発明に係る作業機械のカバー用支柱取付装置の他の実施の形態の支柱の下端側を示す斜視図である。
実施例
0016
図5に示されるように、作業機械としての油圧ショベル11は、履帯式の下部走行体12およびこの下部走行体12に旋回可能に設けられた上部旋回体13を備える機体14と、この機体14(上部旋回体13)に設けられた作業装置15とを具備している。上部旋回体13の前側にはキャブ16が搭載され、後側にはエンジンなどの機械室17やカウンタウエイト18、燃料を貯留する燃料タンク(図示せず)および作動油を貯留する作動油タンク(図示せず)などが搭載されている。また、作業装置15は、上部旋回体13にブーム21およびこのブーム21を回動するブームシリンダ22が軸支され、ブーム21の先端にスティック23がスティックシリンダ24により回動されるように軸支され、このスティック23の先端にバケット25がバケットシリンダ26により回動されるように軸支されている。そして、油圧ショベル11は、作業装置15が動作され、上部旋回体13が下部走行体12に対し旋回動作されることによって、土砂などの掘削作業を行うことができるようになっている。なお、以下、本実施の形態における前後方向および左右方向は、キャブ16内に搭乗した運転員から見た前後方向および左右方向とする。
0017
上部旋回体13は、図4に示される基台としてのフレームである旋回フレーム31を備え、この旋回フレーム31は、底板33と、この底板33に立設され左右方向に間隔をおいて前後方向に延びる左右一対の縦板34,35と、左側に位置する縦板34の外面から左方向に延出する複数の(一の)梁部材としての左サポート部材36と、右側に位置する縦板35の外面から右方向に延出する複数の(他の)梁部材としての右サポート部材37と、複数の左サポート部材36の延出端の各々に接続されかつ前後方向に延びる(一の)取付面部としての左スカートチャンネル38と、複数の右サポート部材37の延出端の各々に接続されかつ前後方向に延びる(他の)取付面部としての右スカートチャンネル39とを備えている。
0018
縦板34,35は、側方から見て略三角形状に形成されており、下端部が底板33の両側近傍に溶接されて固定されている。これら縦板34,35は、最も高い位置にブーム21の基端を軸支するブームフートピン取付穴41,42が設けられ、長手方向に離間するほど高さが低くなるように変化する形状となっている。また、これら縦板34,35の前端部には、ブームシリンダ22の基端を軸支するブームシリンダ取付穴43,44が設けられている。
0019
左サポート部材36は、左スカート梁とも呼ばれ、キャブ16などの搭載物の荷重を支持するものである。これら左サポート部材36は、前後に互いに離れて複数設けられており、基端側が縦板34に溶接され、先端側が左スカートチャンネル38に溶接されている。
0020
右サポート部材37は、右スカート梁とも呼ばれ、燃料タンクや作動油タンクなどの搭載物の荷重を支持するものである。これら右サポート部材37は、前後に互いに離れて複数設けられており、基端側が縦板35に溶接され、先端側が右スカートチャンネル39に溶接されている。
0022
右スカートチャンネル39は、右サイドフレームスカート部などとも呼ばれる補強板であり、上下方向に沿って立設され、旋回フレーム31の右側面を構成している。
0023
そして、図1に示すように、スカートチャンネル38,39には、キャブ16や機械室17(図5)、燃料タンクや作動油タンクなどを覆うカバーである外装カバー46(図5)を支持する支柱である外装カバーフレーム47がカバー用支柱取付装置48(以下、単に取付装置48という)を介して上部に取り付けられている。
0024
取付装置48は、ブラケット部51と、このブラケット部51に溶接された取付部としての取付プレート52と、この取付プレート52に設けられた取付穴53と、この取付穴53に挿入されるボルト54とを備えている。そして、この取付装置48は、スカートチャンネル38,39の内側、すなわち縦板34,35側の側面である取付面38a,39aに配置され、油圧ショベル11の機体外部から目視できない位置となっている。
0025
ブラケット部51は、例えば鋼材などの金属によりU字状(蹄鉄状)に形成されている。すなわち、このブラケット部51は、一端部に開口51aを備えているとともに、他端部に円弧状に形成された下側支持部51bが設けられ、開口51aの前後が支持部51c,51cとなっている。そして、このブラケット部51は、開口51aを上側としてスカートチャンネル38,39に対して下側支持部51bおよび支持部51c,51cの外縁部が溶接されている。したがって、このブラケット部51は、スカートチャンネル38,39に対して溶接固定された状態で、厚み方向(奥行き方向)の一側となる左右方向の一側がスカートチャンネル38,39により閉塞され、厚み方向(奥行き方向)の他側となる左右方向の他側が取付プレート52が取り付けられる取付開口51dとなっている。具体的に、左スカートチャンネル38に取り付けられた取付装置48では、ブラケット部51の右側が取付開口51dとなっており、右スカートチャンネル39に取り付けられた取付装置48では、ブラケット部51の左側が取付開口51dとなっている。なお、本実施の形態において、このブラケット部51(支持部51c,51c)は、下側支持部51bから開口51aに向かって、すなわち下側から上側に向かって、徐々に厚みが大きくなるように形成されているが、この厚みは、スカートチャンネル38,39の取付面38a,39aの角度に合わせて形成されていればよい。
0026
取付プレート52は、例えば鋼材などの金属によりD字状に形成されている。この取付プレート52は、ブラケット部51に対して予め別体であり、溶接によりブラケット部51に一体化される。この取付プレート52は、ブラケット部51の取付開口51dを閉塞するように溶接される。したがって、この取付プレート52は、スカートチャンネル38,39の取付面38a,39aに対してスカートチャンネル38,39の厚み方向である左右方向に離れた位置に配置されている。換言すれば、この取付プレート52は、スカートチャンネル38,39の取付面38a,39aに対して、所定の間隙を介して対向している。したがって、この取付プレート52は、スカートチャンネル38,39およびブラケット部51との間に、外装カバーフレーム47の下端側が挿入される挿入空間57を区画している。したがって、この挿入空間57は、前後がブラケット部51(支持部51c,51c)により規制され、下部がブラケット部51(下側支持部51b)により規制され、左右がスカートチャンネル38,39および取付プレート52によりそれぞれ規制されて、上部が開口51aにより開口されている。この取付プレート52のブラケット部51に対する溶接位置は、外装カバーフレーム47の下端側の厚みに応じて設定されるが、例えばブラケット部51の下側支持部51b乃至支持部51c,51cに所定の厚みを乗せた状態で溶接される半乗せ溶接としてもよいし、ブラケット部51と取付プレート52とのそれぞれの互いに対向する位置に溝加工を施し、この溝の位置で溶接することで取付プレート52をブラケット部51に対して一体化する、いわゆる開先溶接として強度を向上することもできる。また、この取付プレート52の挿入空間57側は、外装カバーフレーム47の取付角度を規定する平面状の締結面52sとなっている。
0027
取付穴53は、丸孔状であり、取付プレート52を厚み方向に貫通して設けられている。本実施の形態では、この取付穴53は、取付プレート52に複数、例えば2箇所設けられている。そして、この取付穴53は、取付装置48をスカートチャンネル38,39に取り付けた状態で、取付プレート52にて上下に離れた位置に配置される。
0028
ボルト54は、各取付穴53に対して取付プレート52の外側、すなわち挿入空間57と反対側から挿入されるようになっている。
0029
そして、外装カバーフレーム47は、外装カバー46(図5)をボルトやヒンジなどによって取り付けることでこれら外装カバー46(図5)を支持するものである。この外装カバーフレーム47は、上下方向に沿って略垂直状に配置される。この外装カバーフレーム47は、例えば断面コ字状に形成された支柱本体であるフレーム本体61を備え、このフレーム本体61の下端部には、切欠部62が切り欠き形成されている。そして、この切欠部62の位置には、被取付部である被取付プレート63が取り付けられている。この被取付プレート63には、ボルト54が挿入される挿入穴64が取付プレート52の取付穴53に対応して、すなわち本実施の形態では上下に離れて2つ設けられ、これら挿入穴64の背後側にボルト54を螺合するナット65(図2)がそれぞれ一体に設けられている。これら被取付プレート63、挿入穴64およびナット65により、外装カバーフレーム47の下端部には、取付装置48に取り付け固定される被取付固定部66が設定される。
0030
切欠部62は、フレーム本体61の内側、すなわちスカートチャンネル38,39に対して反対側の位置を例えば四角形状に切り欠いて設けられている。したがって、フレーム本体61(外装カバーフレーム47)の下端側(被取付固定部66)は、その上方の部分よりも左右方向に厚みが小さくなるように形成されている。
0031
被取付プレート63は、例えば鋼材などの金属により切欠部62に沿ってL字状(逆L字状)に屈曲されて設けられ、フレーム本体61に対して例えば溶接などにより一体に固定されている。したがって、この被取付プレート63は、切欠部62の上部に位置して前後左右方向に面状に延びる被支持部63aと、この被支持部63aから切欠部62に沿って前後上下方向に面状に延びる当接部63bとを一体に備えている。そして、当接部63bの表面が、都立付けプレート52の締結面52sと対向して当接する平面状の締結面63sとなっている。
0032
挿入穴64は、本実施の形態では、丸孔状に形成され、被取付プレート63(当接部63b)を厚み方向に貫通する貫通孔として設けられている。
0034
次に、図示された実施の形態の外装カバー46の取付作業を説明する。
0035
まず、取付装置48をスカートチャンネル38,39に対して取り付ける。この取付装置48は、まず、ブラケット部51をスカートチャンネル38,39の取付面38a,39aに対して溶接する(図3(a))。この際、旋回フレーム31を形成するときの溶接などによる旋回フレーム31、特にスカートチャンネル38,39の歪みが生じていても取付面38a,39aに沿う方向である前後方向および上下方向の所定の取付位置が得られるように、所定の治具を用いて位置合わせした上でブラケット部51をスカートチャンネル38,39の取付面38a,39aに溶接する。
0036
次いで、スカートチャンネル38,39の取付面38a,39aに溶接固定されたブラケット部51に対して、所定の治具を用い、取付プレート52の位置を左右方向、すなわちブラケット部51に対する厚み方向(奥行き方向)であるスカートチャンネル38,39の取付面38a,39aに対して垂直方向に設定し、取付プレート52をブラケット部51に対して溶接する(図3(b))。この結果、取付プレート52、すなわちこの取付プレート52に設けられている取付穴53がブラケット部51を介して前後方向、上下方向、および左右方向を合わせた正しい位置に設置されるとともに、取付プレート52の締結面52sが上下左右方向に沿ってほぼ傾きなく設定される。
0037
この後、図1に示されるように、外装カバーフレーム47の被取付固定部66を、スカートチャンネル38,39、ブラケット部51、および取付プレート52によって囲まれる袋状(ポケット状)の挿入空間57に対して開口51aからすなわち上方から挿入する。この状態で、被取付プレート63の被支持部63aが取付プレート52の上端に支持され、被取付プレート63の当接部63aが取付プレート52とスカートチャンネル38,39の取付面38a,39aとの間に挟まれて取付プレート52の背面側に当接支持される。
0038
そして、ボルト54を取付穴53および挿入穴64に挿入して締め付けると、ボルト54が外装カバーフレーム47のナット65(図2)に螺合されることで被取付プレート63(被取付固定部66)が取付プレート52に締結されて旋回フレーム31に固定される。次いで、これら固定された外装カバーフレーム47に対して、外装カバー46を、ヒンジやボルトなどを介して適宜取り付ける。
0040
ブラケット部51の固定位置をスカートチャンネル38,39(取付面38a,39a)に沿ってすなわち上下方向および前後方向に設定するとともに、このブラケット部51に対して取付プレート52の固定位置をスカートチャンネル38,39(取付面38a,39a)に対して接近および離れる方向すなわち左右方向に設定することで、取付プレート52に設けた取付穴53の位置およびプレート52の締結面52sを互いに直交する上下左右前後の3方向に調整できて締結面52sの多少の傾きを吸収でき、かつ、袋状に形成された挿入空間57に外装カバー46を支持する外装カバーフレーム47の下端側(被取付固定部66)を挿入した状態で取付穴53にボルト54を挿入して外装カバーフレーム47の下端側(被取付固定部66)を取付プレート52に締結して固定できるので、外装カバー46を安定した状態で適切な位置に調整して組み付けできる。
0041
すなわち、挿入空間57は袋状であるため、この挿入空間57に外装カバーフレーム47の下端側(被取付固定部66)を上方から差し込むことで、外装カバーフレーム47がボルト締結前の仮置き状態でも安定して保持され、作業中に落下することなどがない。したがって、仮組み時にボルト54を仮に挿入しておいたり、多人数で組み付け作業をしたりする必要がなく、外装カバー46の組み付け作業性が向上する。
0042
そして、このように旋回フレーム31に対して外装カバー46を適切な位置に容易に組み付けできるので、外観や信頼性がより良好で安価な油圧ショベル11を提供できる。
0043
なお、上記一実施の形態において、図6に示された他の実施の形態のように、外装カバーフレーム47の下端側の被取付固定部66は、被取付プレート63に代えて、被取付部としての被取付ブロック68を設けてもよい。被取付ブロック68は、例えばフレーム本体61に対して溶接などにより一体に固定され、切欠部62からフレーム本体61の内側に露出している。また、この被取付ブロック68には、ボルト54が螺合される挿入穴であるボルト穴69が取付穴53に対応して設けられている。この構成では、被取付固定部66を挿入空間57に対して開口51aからすなわち上方から差し込んだ状態で、切欠部62の上部が取付プレート52の上端に支持される被支持部となり、被取付ブロック68が取付プレート52とスカートチャンネル38,39の取付面38a,39aとの間に挟まれて取付プレート52の背面側に当接支持される当接部となる。そして、このように被取付固定部66を挿入空間57に対して差し込んだ状態でボルト54を取付穴53に挿入してボルト穴69に締め付けることで被取付ブロック68(被取付固定部66)が取付プレート52に締結されて旋回フレーム31に固定されるなど、上記一実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
0044
また、上記各実施の形態では、各スカートチャンネル38,39に取付装置48を取り付ける構成について説明したが、例えば縦板34,35に取付装置48を取り付ける構成とすることもできる。すなわち、取付装置48は、外装カバーフレーム47の下端側を固定する箇所で上下方向に沿って立設された取付面部であれば、スカートチャンネル38,39に限らず適用することができる。
0045
さらに、ブラケット部51は、上側が開口していれば、例えばV字状やコ字状とすることもでき、下側は外装カバーフレーム47の下端側(被取付固定部66)を支持できれば閉塞されていなくてもよい。
0047
また、上部旋回体13の旋回フレーム31に限らず、任意のフレームに対してカバーの支柱の下端側を固定する他の作業機械の機体にも適用できる。
0049
11作業機械としての油圧ショベル
14機体
15作業装置
31フレームである旋回フレーム
38取付面部としての左スカートチャンネル
39 取付面部としての右スカートチャンネル
46カバーである外装カバー
47支柱である外装カバーフレーム
48カバー用支柱取付装置
51ブラケット部
52 取付部としての取付プレート
53取付穴
54ボルト
57 挿入空間