図面 (/)

技術 流動化ソイルセメントの製造方法

出願人 嶋丈示
発明者 嶋丈示
出願日 2016年8月1日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-151147
公開日 2018年2月8日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-021303
状態 特許登録済
技術分野 土壌改良剤および土壌安定剤 地盤中に固結物質を施すことによる地盤強化
主要キーワード 転圧ローラー 混濁状態 現地土壌 現地土砂 欠損箇所 砂防工事 図示形態 突き棒
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

簡易な方法で流動性を確保しつつ極力余剰水の発生を抑えることができる流動化ソイルセメントの製造方法を提供する。

解決手段

流動化ソイルセメントの製造方法において、容器現地土砂を入れて撹拌しながら水を徐々に加えて行き、ペースト状から懸濁水とし、その後、撹拌を止めると材料分離状態となるまで加水して、その直後の分離加水量を確認する分離加水量確認工程と、材料分離状態となった前記容器内の混合物にセメントを撹拌しながら徐々に添加して行き、前記容器の混合物が撹拌を止めても土粒子と水とが分離しないペースト状に戻るまでセメントを添加し、ペースト状となった直後のセメント添加量を確認するセメント添加量確認工程と、を備え、前記分離加水量と、前記セメント添加量と、に基づいてセメントミルク調合し、調合したセメントミルクに現地土砂を混合して流動化ソイルセメントを製造する。

概要

背景

従来、治山工事砂防工事などにおいて、バックホウパワーショベル)のバケット現地発生土砂セメント粉攪拌し、転圧ローラーにより締固め、治山・砂防用の土木構造物構築したりするINSEM工法や、バックホウ又はツインヘッド撹拌装置を装着した重機により、現地発生土砂とセメントミルク等を撹拌混合させて、地盤改良を施したり、治山・砂防用の土木構造物を構築したりするISM工法が知られている。

このうち、ISM工法では、基礎地盤土砂を削岩しながらセメントミルクと混合させてソイルセメントとして固化させて地盤改良を行ったり、現地土砂とセメントミルクを混合して型枠流し込んで治山・砂防用の構造物を構築したり、して工事が行われている。

このようなISM工に用いられる地盤改良用又は土木構造物構築用のソイルセメントは、現地土砂の粒径含水率による施工性の観点から高い流動性が求められており、水セメント比の高いセメントミルクに現地土砂を混合してスランプ値が20cm程度以上の流動化ソイルセメントが用いられているのが現状である。

しかし、スランプ値が高いと、厳期には、余剰水凍結することにより膨張し、ソイルセメントからなる構造物にひび割れが生じてしまうという問題があった。また、スランプ値が高いと、夏期においても、ソイルセメントが乾燥収縮を起こし、構造物にひび割れが生じてしまうという問題も生じる。

このように、ソイルセメントに余剰水が多いと品質に問題が生じるおそれが高く、施工性を確保しつつソイルセメントから余剰水を極力減らすことが課題となっている。しかし、治山や砂防工事の施工現場においては、施工性、即ち、ソイルセメントの流動性を確保することを優先させており、余剰水がどれくらい発生していることすら把握されていないのが現状である。

現地土壌の含水率を考慮したソイルセメントの製造方法としては、例えば、特許文献1に、地盤の各土質に応じてセメントミルクの配合が決められている標準配合表を用いて、対象地盤の各地層加重平均した平均的な地盤に対する基本配合を求め、この基本配合により得られるセメントミルクの全注入量を、標準配合表の各土質のセメントミルク注入率を用いて対象地盤の各地層に分配し、分配により得られた対象地盤の各地層に最適な量のセメントミルクを注入して深さ方向に均一な品質のソイルセメント体を構築するソイルセメント体造成工法が開示されている(特許文献1の明細書の段落[0020]〜[0028]、図面の図1等参照)。

しかし、特許文献1に記載のソイルセメント体造成工法は、治山や砂防工事に用いられる流動化ソイルセメントとは相違して、同じソイルセメントであっても山留などに用いられるソイルセメント壁として利用されるソイルセメント体を造成するものであり、所望の強度の発現が絶対条件として求められるものであった。このため、前述のように、対象地盤の各地層に最適な量のセメントを求める必要があり、配合の決定に時間と手間が掛かってしまうという問題があった。特に、特許文献1に記載のソイルセメント体造成工法は、土質ごとに標準配合表を作成するが、砂防堰堤などに使用するソイルセメントは表層に近い土砂を用いるためばらつきが多くなる。実際,現地発生土砂はいちいち現場ごと示方配合を決めているのが実態であり、そもそも土質ごとの標準配合を作成することはできないという問題があった。

また、特許文献2には、水セメント比が65〜80%の高流動化モルタル布製型枠ポンプで注入し、流動性を確保しつつセメントの使用量と材料分離を低減することのできる布製型枠を用いた高流動化モルタルの成型法が開示されている。

しかし、特許文献2に記載の高流動化モルタルの成型法は、材料分離やブリージングを抑えて従来のモルタルの流動性は確保できるものの、あくまでも砕石や砂などの粒度調整された細骨材を使用する限定されたモルタルに関するものであり、治山や砂防工事に用いられる流動化ソイルセメントは現地土砂のような粒度分布が限定されない骨材に使用するため、適用できるのものではなかった。その上、モルタルを布製型枠に打設すると水和反応に関係しない余剰水が布から染み出すため、結果的に水セメント比が向上し、発現強度が高くなることも知られている。しかし、未だ固まらないモルタルの重力が圧力として布製型枠に作用するため、布製型枠は、大きな断面とすることができないとともに、厚みも30cm程度が限界となっており、背の高い構造物には、そのまま使用することができないという問題があった。特に、特許文献2に記載の高流動化モルタルの成型法は、厳密に粒度調整された骨材を対象としており、現地発生土砂を用いたソイルセメントでは、細粒土砂の混在が当たり前で厳密な粒度調整ができないという問題があった。

概要

簡易な方法で流動性を確保しつつ極力余剰水の発生を抑えることができる流動化ソイルセメントの製造方法を提供する。流動化ソイルセメントの製造方法において、容器に現地土砂を入れて撹拌しながら水を徐々に加えて行き、ペースト状から懸濁水とし、その後、撹拌を止めると材料分離状態となるまで加水して、その直後の分離加水量を確認する分離加水量確認工程と、材料分離状態となった前記容器内の混合物にセメントを撹拌しながら徐々に添加して行き、前記容器の混合物が撹拌を止めても土粒子と水とが分離しないペースト状に戻るまでセメントを添加し、ペースト状となった直後のセメント添加量を確認するセメント添加量確認工程と、を備え、前記分離加水量と、前記セメント添加量と、に基づいてセメントミルクを調合し、調合したセメントミルクに現地土砂を混合して流動化ソイルセメントを製造する。

目的

本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

地盤改良又は土木構造物構築用流動化ソイルセメントの製造方法であって、容器施工現場の所定量の現地土砂を入れて撹拌しながら水を徐々に加えて行き、ペースト状から脱して土粒子が水に浮遊する懸濁水とし、その後、撹拌を止めると土粒子が水に沈む材料分離状態となるまで加水して、その直後の分離加水量を確認する分離加水量確認工程と、前記分離加水量確認工程において材料分離状態となった前記容器内の混合物にセメントを撹拌しながら徐々に添加して行き、前記容器の混合物が撹拌を止めても土粒子と水とが分離しないペースト状に戻るまでセメントを添加し、ペースト状となった直後のセメント添加量を確認するセメント添加量確認工程と、を備え、前記分離加水量と、前記セメント添加量と、に基づいてセメントミルク調合し、調合したセメントミルクに現地土砂を混合して流動化ソイルセメントを製造することを特徴とする流動化ソイルセメントの製造方法。

請求項2

地盤改良又は土木構造物構築用の流動化ソイルセメントの製造方法であって、施工現場の現地土砂と水とを混合した混合物のスランプ試験を行って、スランプコーンを持ち上げた際に材料が分離して脱型した混合物が崩壊し、スランプ計測ができない状態となる最小の加水量である崩壊加水量を確認する崩壊加水量確認工程と、現地土砂に前記崩壊加水量とセメントを加えた混合物のスランプ試験を行って、スランプコーンを持ち上げた際に材料が分離せずにペースト状となってスランプの計測が可能な最小のセメント添加量であるスランプ成立セメント添加量を確認するスランプ成立セメント添加量確認工程と、を備え、前記崩壊加水量と、前記スランプ成立セメント添加量と、に基づいてセメントミルクを調合し、調合したセメントミルクに現地土砂を混合して流動化ソイルセメントを製造することを特徴とする流動化ソイルセメントの製造方法。

請求項3

地盤改良又は土木構造物構築用の流動化ソイルセメントの製造方法であって、スランプ試験における目標スランプ値を定めて、それに応じた複数の試料を作成する工程と、作成する複数の試料から水セメント比及び最小セメント量を決定する工程と、を備え、目標スランプ値を段階的に増加させながら、それぞれの水セメント比及び最小セメント量を求めていき、タッピング流動性が確認できた最小のスランプ値における水セメント比及び最小セメント量に基づいて流動化ソイルセメントを製造することを特徴とする流動化ソイルセメントの製造方法。

請求項4

前記流動化ソイルセメントを布製型枠に詰め、この布製型枠の間隙から余剰水を染み出させて余剰水を排除することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流動化ソイルセメントの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、地盤改良用又は土木構造物構築用流動化ソイルセメントの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、治山工事砂防工事などにおいて、バックホウパワーショベル)のバケット現地発生土砂セメント粉攪拌し、転圧ローラーにより締固め、治山・砂防用の土木構造物を構築したりするINSEM工法や、バックホウ又はツインヘッド撹拌装置を装着した重機により、現地発生土砂とセメントミルク等を撹拌混合させて、地盤改良を施したり、治山・砂防用の土木構造物を構築したりするISM工法が知られている。

0003

このうち、ISM工法では、基礎地盤土砂を削岩しながらセメントミルクと混合させてソイルセメントとして固化させて地盤改良を行ったり、現地土砂とセメントミルクを混合して型枠流し込んで治山・砂防用の構造物を構築したり、して工事が行われている。

0004

このようなISM工に用いられる地盤改良用又は土木構造物構築用のソイルセメントは、現地土砂の粒径含水率による施工性の観点から高い流動性が求められており、水セメント比の高いセメントミルクに現地土砂を混合してスランプ値が20cm程度以上の流動化ソイルセメントが用いられているのが現状である。

0005

しかし、スランプ値が高いと、厳期には、余剰水凍結することにより膨張し、ソイルセメントからなる構造物にひび割れが生じてしまうという問題があった。また、スランプ値が高いと、夏期においても、ソイルセメントが乾燥収縮を起こし、構造物にひび割れが生じてしまうという問題も生じる。

0006

このように、ソイルセメントに余剰水が多いと品質に問題が生じるおそれが高く、施工性を確保しつつソイルセメントから余剰水を極力減らすことが課題となっている。しかし、治山や砂防工事の施工現場においては、施工性、即ち、ソイルセメントの流動性を確保することを優先させており、余剰水がどれくらい発生していることすら把握されていないのが現状である。

0007

現地土壌の含水率を考慮したソイルセメントの製造方法としては、例えば、特許文献1に、地盤の各土質に応じてセメントミルクの配合が決められている標準配合表を用いて、対象地盤の各地層加重平均した平均的な地盤に対する基本配合を求め、この基本配合により得られるセメントミルクの全注入量を、標準配合表の各土質のセメントミルク注入率を用いて対象地盤の各地層に分配し、分配により得られた対象地盤の各地層に最適な量のセメントミルクを注入して深さ方向に均一な品質のソイルセメント体を構築するソイルセメント体造成工法が開示されている(特許文献1の明細書の段落[0020]〜[0028]、図面の図1等参照)。

0008

しかし、特許文献1に記載のソイルセメント体造成工法は、治山や砂防工事に用いられる流動化ソイルセメントとは相違して、同じソイルセメントであっても山留などに用いられるソイルセメント壁として利用されるソイルセメント体を造成するものであり、所望の強度の発現が絶対条件として求められるものであった。このため、前述のように、対象地盤の各地層に最適な量のセメントを求める必要があり、配合の決定に時間と手間が掛かってしまうという問題があった。特に、特許文献1に記載のソイルセメント体造成工法は、土質ごとに標準配合表を作成するが、砂防堰堤などに使用するソイルセメントは表層に近い土砂を用いるためばらつきが多くなる。実際,現地発生土砂はいちいち現場ごと示方配合を決めているのが実態であり、そもそも土質ごとの標準配合を作成することはできないという問題があった。

0009

また、特許文献2には、水セメント比が65〜80%の高流動化モルタル布製型枠ポンプで注入し、流動性を確保しつつセメントの使用量と材料分離を低減することのできる布製型枠を用いた高流動化モルタルの成型法が開示されている。

0010

しかし、特許文献2に記載の高流動化モルタルの成型法は、材料分離やブリージングを抑えて従来のモルタルの流動性は確保できるものの、あくまでも砕石や砂などの粒度調整された細骨材を使用する限定されたモルタルに関するものであり、治山や砂防工事に用いられる流動化ソイルセメントは現地土砂のような粒度分布が限定されない骨材に使用するため、適用できるのものではなかった。その上、モルタルを布製型枠に打設すると水和反応に関係しない余剰水が布から染み出すため、結果的に水セメント比が向上し、発現強度が高くなることも知られている。しかし、未だ固まらないモルタルの重力が圧力として布製型枠に作用するため、布製型枠は、大きな断面とすることができないとともに、厚みも30cm程度が限界となっており、背の高い構造物には、そのまま使用することができないという問題があった。特に、特許文献2に記載の高流動化モルタルの成型法は、厳密に粒度調整された骨材を対象としており、現地発生土砂を用いたソイルセメントでは、細粒土砂の混在が当たり前で厳密な粒度調整ができないという問題があった。

先行技術

0011

特開2010−077748号公報
特開昭63−64950号公報

発明が解決しようとする課題

0012

そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、簡易な方法で流動性を確保しつつ極力余剰水の発生を抑えることができる流動化ソイルセメントの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

第1発明に係る流動化ソイルセメントの製造方法は、地盤改良又は土木構造物構築用の流動化ソイルセメントの製造方法であって、容器に施工現場の所定量の現地土砂を入れて撹拌しながら水を徐々に加えて行き、ペースト状から脱して土粒子が水に浮遊する懸濁水とし、その後、撹拌を止めると土粒子が水に沈む材料分離状態となるまで加水して、その直後の分離加水量を確認する分離加水量確認工程と、前記分離加水量確認工程において材料分離状態となった前記容器内の混合物にセメントを撹拌しながら徐々に添加して行き、前記容器の混合物が撹拌を止めても土粒子と水とが分離しないペースト状に戻るまでセメントを添加し、ペースト状となった直後のセメント添加量を確認するセメント添加量確認工程と、を備え、前記分離加水量と、前記セメント添加量と、に基づいてセメントミルクを調合し、調合したセメントミルクに現地土砂を混合して流動化ソイルセメントを製造することを特徴とする。

0014

第2発明に係る流動化ソイルセメントの製造方法は、地盤改良又は土木構造物構築用の流動化ソイルセメントの製造方法であって、施工現場の現地土砂と水とを混合した混合物のスランプ試験を行って、スランプコーンを持ち上げた際に材料が分離して脱型した混合物が崩壊し、スランプ計測ができない状態となる最小の加水量である崩壊加水量を確認する崩壊加水量確認工程と、現地土砂に前記崩壊加水量とセメントを加えた混合物のスランプ試験を行って、スランプコーンを持ち上げた際に材料が分離せずにペースト状となってスランプの計測が可能な最小のセメント添加量であるスランプ成立セメント添加量を確認するスランプ成立セメント添加量確認工程と、を備え、前記崩壊加水量と、前記スランプ成立セメント添加量と、に基づいてセメントミルクを調合し、調合したセメントミルクに現地土砂を混合して流動化ソイルセメントを製造することを特徴とする。

0015

第3発明に係る流動化ソイルセメントの製造方法は、地盤改良又は土木構造物構築用の流動化ソイルセメントの製造方法であって、スランプ試験における目標スランプ値を定めて、それに応じた複数の試料を作成する工程と、作成する複数の試料から水セメント比及び最小セメント量を決定する工程と、を備え、目標スランプ値を段階的に増加させながら、それぞれの水セメント比及び最小セメント量を求めていき、タッピングで流動性が確認できた最小のスランプ値における水セメント比及び最小セメント量に基づいて流動化ソイルセメントを製造することを特徴とする。

0016

第4発明に係る流動化ソイルセメントの製造方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの発明において、前記流動化ソイルセメントを布製型枠に詰め、この布製型枠の間隙から余剰水を染み出させて余剰水を排除することを特徴とする。

発明の効果

0017

第1発明〜第4発明によれば、現地土砂の粒径や含水率等が不明であっても、簡易な方法により、地盤改良用又は土木構造物構築用の流動化ソイルセメントに求められる流動性を確保しつつ、極力余剰水の発生を抑えた流動化ソイルセメントを製造することができる。

0018

特に、第4発明によれば、布製型枠の間隙から余剰水を染み出させて余剰水を排除するので、硬化する際にソイルセメントから余剰水がさらに排除されて、水セメント比が低下してソイルセメントが硬化した際の強度が向上する。

図面の簡単な説明

0019

ソイルセメントに必要な水の概念について説明する説明図である。
本発明の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
本発明の第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
スランプ試験を行うスランプコーンを中心軸で切断した状態を示す鉛直断面図である。
スランプ試験の手順を示す工程説明図である。
本発明の第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の各工程を示すフローチャートである。
本発明の第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の概略を示す説明図である。

実施例

0020

以下、本発明の実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。

0021

先ず、図1を用いて、余剰水及びソイルセメントに必要な水の概念について詳細に説明する。図1は、ソイルセメントに必要な水の概念について説明する説明図である。図1に示すように、ソイルセメントに関連する水には、以下の複数種類の水がある。

0022

(水和反応に使われる水)
最低限必要な水として、セメントの水和反応に使われる水がある。実験結果から、流動化ソイルセメントの場合、セメントの水和反応に使われる水は、セメントとの重量比で25%程度であることが判明している。

0023

(土砂に吸収される水)
また、セメントの水和反応に使われる水の他、土砂に吸収される水がある。この土砂に吸収される水は、水和反応に無関係な水であって、土砂の土粒子と結び付いて含水され土砂内部に取り込まれる水である。土砂に吸収される水を超えて加水すると自由水となる。

0024

(締固めに必要な水)
ソイルセメントのワーカビリティに影響する水として、締固めに必要な水がある。この締固めに必要な水とは、水和反応に無関係な水であって、土砂の土粒子に吸収されるのではなく、土粒子間隙に存在し、ソイルセメントの締固め効果を向上させるために必要な水のことを指している。

0025

流動化に必要な水)
締固めに必要な水の他、ソイルセメントのワーカビリティに影響する水として、土砂の流動化に必要な水がある。土砂の流動化に必要な水とは、水和反応に無関係な水であって、土粒子間隙に存在し、土粒子を分散させて未だ固まらないソイルセメントを流動化させるために必要な水を指している。

0026

図1に示すように、地盤改良の際、重機やランマーなどで転圧して使用する転圧タイプのソイルセメントでは、必要な水は、水和反応に使われる水+土砂に吸収される水+締固めに必要な水である。しかし、土砂の細粒分が多くなると、土砂が玉(塊)になりセメントが土砂全体に行き渡りにくくなる。つまり、ソイルセメントのワーカビリティをさらに向上させて、どのような土木構造物の構築にも使い勝手のよい、流動タイプのソイルセメントとするためには、締固めに必要な水より多くの水が必要となる。このため、流動化に必要な水>締固めに必要な水である。

0027

(余剰水)
前記以外のソイルセメントに関連する水として余剰水がある。この余剰水は、水和反応に無関係であるだけでなく、土砂の締固めや流動化等のワーカビリティの改善にも寄与しない水のことを指す。この余剰水が多いほどソイルセメントの強度発現に対して悪影響があり、乾燥収縮、凍結融解などの品質低下の原因となる。

0028

[第1実施形態]
次に、図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法について説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の各工程を示すフローチャートである。また、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法により製造する流動化ソイルセメントは、治山工事や砂防工事などにおいて、地盤改良又は土木構造物構築用として用いられる水和反応で硬化する水硬材料である。

0029

(1)加水工程
第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、先ず、鋼製バケツミキサーなどの一定の容積を有する容器に、施工現場の現地土砂を入れ、鋼製の混ぜ棒やミキサー等で撹拌しながら徐々に水を加える加水工程を行う。

0030

本加水工程では、初めに万遍なく混ざるように、現地土砂をミキサーや混ぜ棒等で空練りする。また、現地土砂とは、治山工事や砂防工事などの施工現場等において、掘削等で発生する現地発生土砂や、自然堆積した状態の現地地層のそのままの土砂等を指している。このような現地土砂を治山工事や砂防工事などに有効活用することで、骨材費の削減及び発生土砂の処分費の削減により、工事費コストダウンを図ることができるとともに、材料の搬入搬出の時間を削減して工期を短縮することができるからである。

0031

次に、本加水工程では、空練りした現地土砂を収容する前記容器内に、ミキサーや混ぜ棒等で撹拌しながら水を徐々に加えて行く。このとき、容器内の現地土砂と水などからなる混合物は、砂礫土や粘性土などの土質によっても相違するが、などの石を除く成分は、水が現地土砂全体に行き渡ると、初めはペースト状となる。そして、その後、さらに加水量が増していくと、ペースト状から脱して土粒子が水に浮遊する懸濁水となる。

0032

ここで、容器内の混合物が、混濁水となったか否かの判断、即ち、混合物が混濁状態となったか否かの判断は、以下のように判断する。例えば、現地土砂が、砂礫土や砂質土であった場合、水を少量加えるだけでは、撹拌しても土粒子はすぐに沈降して分離する。つまり、撹拌を止めると粘土シルトなどの細粒分は、水に混ざり混濁したままであるが、砂や礫などの粗粒分は、直ちに沈降する。

0033

このため、現地土砂が、砂礫土や砂質土であった場合、混合物が混濁状態となったと判断するには、混濁水中に粗粒分が浮遊している状態が必要である。水が少ないと砂質土等の場合、混濁せず、砂粒が浮遊することもないからである。

0034

また、現地土砂が、粘土やシルトなどの粘性土であった場合の混濁状態となったか否かの判断は、撹拌したときの粘性抵抗がなくなった状態、即ち、混合物が撹拌を止めると表面が直ちに平滑化する程度以下の粘性の液状となった状態か否かで行う。加水量が少ないと粘土やシルトなどの土粒子は、分離しないか又は分離しても粘性が強く撹拌を止めると、粘りによって表面が直ちに平滑化しないからである。

0035

(2)分離加水量確認工程
第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、このような懸濁状態からさらに撹拌しながら加水して行き、撹拌を止めると容器内の混合物の土粒子が水に沈む材料分離状態とする。そして、その材料分離状態となった直後の加水量を分離加水量として確認して求める分離加水量確認工程を行う。

0036

ここで、容器内の混合物が分離状態となったか否かの判断は、現地土砂が砂礫土や砂質土であった場合、撹拌すると粗粒分も含めて一旦は土粒子が浮遊するが、撹拌を止めると細粒分も含めて一定時間経過後に沈降する状態となったか否かで判断する。

0037

また、現地土砂が粘性土であった場合、容器内の混合物が分離状態となったか否かの判断は、混合物が撹拌すると直後は浮遊しているが、長時間(一定時間)経つと土粒子が沈降していく状態となったか否かで判断する。

0038

(3)セメント添加工程
次に、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、材料分離状態となった混合物に撹拌しながらセメントを添加していくセメント添加工程を行う。本実施形態に係るセメント添加工程では、セメントとして普通ポルトランドセメント粉体をミキサーや混ぜ棒等で撹拌しながら徐々に添加して行く。

0039

勿論、添加するセメントは、水との水和反応により水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を溶出して硬化する難溶性高アルカリ性粉末であればよい。例えば、セメントとしては、普通、早強、中庸熱、超早強、及び低熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントにフライアッシュ高炉スラグ等の微粒子を混合した各種混合セメント微粒子セメント等を用いることも可能である。

0040

また、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、このセメントの添加量を増加させて行き、混合物が撹拌を止めても土粒子と水とが分離しないペースト状に戻し、ペースト状となった直後のセメント添加量を確認して求めるセメント添加量確認工程を行う。

0041

ここで、混合物がペースト状となった否かの判断は、混撹拌を止めても土粒子と水とが分離しないで、混合物が均一に混ざっている状態で流動性と高い粘性を有しているか否かで判断する。

0042

(4)セメントミルク調合工程
次に、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、先の分離加水量確認工程で求めた分離加水量、及び前セメント添加工程で求めたセメント添加量に基づいてセメントミルクを調合するセメントセメントミルク調合工程を行う。具体的には、本工程では、先の工程において求めた分離加水量及びセメント添加量から決定される水セメント比により、混ぜ合わせる現地土砂の容量又は重量に比例した分量を決定し、施工時に必要な量のセメントミルクを調合する。

0043

また、このセメントミルクには、現地土砂の地質や、治山工事や砂防工事などの工事の状況、用途に応じて遅延剤分散剤保持剤流動化剤、又は減水剤等の各種の混和剤混和させてもよい。

0044

(5)流動化ソイルセメント製造工程
次に、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、前工程で調合したセメントミルクを、現地土砂に混合して流動化ソイルセメントを製造する流動化ソイルセメント製造工程を行う。具体的には、本工程では、施工に必要な現地土砂を撹拌して空練りした後、前工程で調合したセメントミルクを撹拌しながら少量ずつ徐々に加えて流動化ソイルセメントを製造する。そうすることにより、均質で一様なソイルセメントを製造することができるからである。

0045

(6)余剰水排除工程
最後に、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、前工程で製造した流動化ソイルセメントを布製型枠に詰め、この布製型枠の間隙から余剰水を染み出させて余剰水を排除する余剰水排除工程を行う。

0046

ここで、布製型枠とは、繊維材を織ったり編んだりして成形された布製の袋状又は箱状のものを指し、不織布からなものを含む概念である。

0047

本工程を行うことにより、硬化する際にソイルセメントから余剰水がさらに排除されて、水セメント比が低下してソイルセメントが硬化した際の強度が向上する。その上、施工時では、ソイルセメントは、水セメント比が高く流動性の高い流動化ソイルセメントとなっているので、施工性(ワーカビリティー)が良好で、作業効率が向上する。例えば、構築する土木構造物に傾斜面があり、底部に等に充填困難な箇所があった場合であっても、ソイルセメント充填不良による欠損箇所のない土木構造物を構築することができる。

0048

<第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の作用効果
以上説明した第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法によれば、現地土砂の粒径や含水率等が不明であっても、簡易な方法で適切な水セメント比を求めることができる。また、第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法によれば、施工時には、流動性の高い状態で使用することができるので、作業性が極めて良好であるとともに、硬化時には、所望の強度を確保しつつ極力余剰水の発生を抑えた流動化ソイルセメントを製造することができる。このため、施工不良等による品質低下が少なく、極めて良質な地盤改良を施し、又は土木構造物を構築することが可能となる。

0049

[第2実施形態]
次に、図3図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の各工程を示すフローチャートである。また、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法により製造する流動化ソイルセメントも、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントと同様に、治山工事や砂防工事などにおいて、地盤改良又は土木構造物構築用として用いられる水和反応で硬化する水硬材料である。なお、現地土砂やセメントなど、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法で用いた用語と同一の用語は、同様のものを指す。

0050

(1)崩壊加水量確認工程
図3に示すように、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、先ず、施工現場の現地土砂と水とを混合した混合物のスランプ試験を行って、スランプコーンを持ち上げた際に材料が分離して脱型した混合物が崩壊し、スランプの計測ができない状態となる最小の加水量である崩壊加水量を求めて確認する崩壊加水量確認工程を行う。

0051

本工程で行うスランプ試験は、未だ固まらないフレッシュコンクリートのスランプ試験、即ち、「JIS A 1101コンクリートスランプ試験方法」に準じて行う。図4は、スランプ試験を行うスランプコーンを示す中心軸の鉛直断面図であり、図5は、スランプ試験の手順を示す工程説明図である。

0052

本スランプ試験において使用するスランプコーンは、コンクリートのスランプ試験方法と同じスランプコーンを用いる。このスランプコーンC1は、図4に示すように、上端内径φ100mm、下端内径φ200mm、高さ300mmである厚さが5mm以上の円錐状の金属製のコーン本体C2を備える。また、このコーン本体C2には、適切な位置に押さえC3と取っ手C4とが付けている。

0053

本工程では、先ず、現地土砂が均一になるように、鋼製バケツやミキサーなどの容器内に、現地土砂を投入して撹拌して空練りした上、水を少量ずつ加えて撹拌し、混合物がペースト状から脱して土粒子が水に浮遊する懸濁水の状態となる限界付近の水セメント比の相違する複数の混合物を作成する。

0054

ここで、ペースト状及び懸濁水状の判断は、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法と同様であるが、スランプコーンを引き抜いてスランプフローを計測する際の混合物が水溜まり状に広がる様子が目安となる。即ち、スランプフローの形態が、土粒子と水とが分離した状態となっている場合が、材料分離状態と判断でき、スランプフローの形態が、土粒子と水とが分離していない状態となっている場合が、ペースト状と判断できる。

0055

よって、本工程では、前述の要領で、目視において材料分離状態とペースト状の間の状態の混合物を作成する。そして、スランプのフロー値を図る要領で、図5に示すように、平滑な鉄板上において、スランプコーンに突き棒で突きながら作成した混合物を複数回(図示形態では3回3層)に分けて均一となるように詰める。その後、ゆっくりとスランプコーンを上方に引き抜いて、混合物が水溜まり状に広がるスランプフローを目視する。

0056

このようなスランプ試験を複数回繰り返し、スランプフローが、材料分離を起こして、材料分離状態となり、スランプ値が計測できない最小の加水量である崩壊加水量を求める。

0057

(2)スランプ成立セメント添加量確認工程
次に、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、図3に示すように、現地土砂に崩壊加水量とセメントを加えた混合物のスランプ試験を行って、スランプスランプコーンを持ち上げた際に材料が分離せずにペースト状となってスランプの計測が可能な最小のセメント添加量であるスランプ成立セメント添加量を確認するスランプ成立セメント添加量確認工程を行う。

0058

本工程では、先ず、前工程で求めた崩壊加水量で現地土砂と水とからなる混合物を作成し、重量の違う一定量のセメントを添加して、目視においてペースト状とする。そして、目視においてペースト状となった混合物について、前述のようなスランプ試験を複数回繰り返し行って、スランプの計測が可能な最小のセメント添加量であるスランプ成立セメント添加量を求める。

0059

(3)セメントミルク調合工程
次に、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、先の崩壊加水量確認工程で求めた崩壊加水量、及び前工程であるスランプ成立セメント添加量確認工程で求めたスランプ成立セメント添加量に基づいてセメントミルクを調合するセメントセメントミルク調合工程を行う。具体的には、本工程では、先の工程において求めた崩壊加水量及びスランプ成立セメント添加量から決定される水セメント比により、混ぜ合わせる現地土砂の容量又は重量に比例した分量を決定し、施工時に必要な量のセメントミルクを調合する。

0060

第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法と同様に、このセメントミルクには、現地土砂の地質や、治山工事や砂防工事などの工事の状況、用途に応じて遅延剤、分散剤、保持剤、流動化剤、又は減水剤等の各種の混和剤を混和させてもよい。

0061

(4)流動化ソイルセメント製造工程
次に、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、前工程で調合したセメントミルクを、現地土砂に混合して流動化ソイルセメントを製造する流動化ソイルセメント製造工程を行う。具体的には、本工程では、施工に必要な現地土砂を撹拌して空練りした後、前工程で調合したセメントミルクを撹拌しながら少量ずつ徐々に加えて流動化ソイルセメントを製造する。そうすることにより、均質で一様なソイルセメントを製造することができるからである。

0062

(5)余剰水排除工程
最後に、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、前工程で製造した流動化ソイルセメントを布製型枠に詰め、この布製型枠の間隙から余剰水を染み出させて余剰水を排除する余剰水排除工程を行う。なお、布製型枠は、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法と同様である。

0063

本工程を行うことにより、硬化する際にソイルセメントから余剰水がさらに排除されて、水セメント比が低下してソイルセメントが硬化した際の強度が向上する。その上、施工時では、ソイルセメントは、水セメント比が高く流動性の高い流動化ソイルセメントとなっているので、施工性(ワーカビリティー)が良好で、作業効率が向上する。例えば、構築する土木構造物に傾斜面があり、底部に等に充填困難な箇所があった場合であっても、ソイルセメント充填不良による欠損箇所のない土木構造物を構築することができる。

0064

<第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の作用効果>
以上説明した第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法によれば、現地土砂の粒径や含水率等が不明であっても、簡易な方法で適切な水セメント比を求めることができる。また、第2実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法によれば、施工時には、流動性の高い状態で使用することができるので、作業性が極めて良好であるとともに、硬化時には、所望の強度を確保しつつ極力余剰水の発生を抑えた流動化ソイルセメントを製造することができる。このため、施工不良等による品質低下が少なく、極めて良質な地盤改良を施し、又は土木構造物を構築することが可能となる。

0065

[第3実施形態]
次に、図6図7を用いて、本発明の第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法について説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の各工程を示すフローチャートであり、図7は、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の概略を示す説明図である。また、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法により製造する流動化ソイルセメントも、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントと同様に、治山工事や砂防工事などにおいて、地盤改良又は土木構造物構築用として用いられる水和反応で硬化する水硬材料である。なお、現地土砂やセメントなど、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法で用いた用語と同一の用語は、同様のものを指す。

0066

(1)第1試料作成工程
先ず、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、試料1を作成する第1試料作成工程を行う。具体的には、土砂5kgに対して水2kgを投入し、土粒子が分離するまで攪拌する。そして、液状化した試料1にスランプ5cmを目標にセメントを投入する。このとき投入したセメント量(kg)を「セメント量X1」とする。

0067

(2)第2試料作成工程
次に、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、試料2を作成する第2試料作成工程を行う。具体的には、土砂5kgに対して水3kgを投入し、土粒子が分離するまで攪拌する。そして、液状化した試料2にスランプ5cmを目標にセメントを投入する。このとき投入したセメント量(kg)を「セメント量X2」とする。

0068

(3)水セメント比(W/C)決定工程
次に、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、スランプ5cmの水セメント比「W/C5cm」を「セメント量X1」と「セメント量X2」から求める水セメント比(W/C)決定工程を行う。具体的には、「W/C5cm」=セメント(3kg−2kg)/(X2−X3)、即ち、試料1に投入したセメント量X1に、「W/C5cm」を乗じてこれを「セメントに必要な水」とし、全体水量から差し引けば、「土砂に必要な水」+「流動化に必要な水」が求まる。

0069

(4)最小セメント量決定工程
次に、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、最小セメント量決定工程を行う。具体的には、土砂5kgに対して水0.5kg,1kg,2kg,3kgを投入し、土粒子が分離するまで攪拌する。そして、前工程で求めた「セメントに必要な水」、「土砂に必要な水」、「流動化に必要な水」、「W/C5cm」を基に加水量に応じたセメント量を求めて投入する。ここで、「セメントに必要な水」={「加水量」−「土砂に必要な水」−「流動化に必要な水」}であり、「セメント量」=「セメントに必要な水」/「W/C5cm」である。

0070

また、加水量ごとに供試体を作成し、圧縮強度を求める。圧縮強度とセメント量が比例関係を示す最小値が材料分離せずに安定して強度発現した最小値であり、このときのセメント量を最小セメント量とする。

0071

(5)流動化ソイルセメントの最小セメント量決定工程
次に、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、流動化ソイルセメントの最小セメント量決定工程を行う。具体的には、前述のスランプ試験においてスランプ5cmでタッピングを行って目視において流動しなければ、非流動と判断し、タッピングを行って流動性が確認できるまで、水量を増やし目標スランプ値を10cm,15cm,20cm上げて行く。そして、前記手順で流動性が確認できたスランプ値の最小のスランプ値における水セメント比(W/C)及び最小セメント量を求め、それらの値に応じて流動化ソイルセメントを製造する。

0072

(6)余剰水排除工程
最後に、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法では、前工程で製造した流動化ソイルセメントを布製型枠に詰め、この布製型枠の間隙から余剰水を染み出させて余剰水を排除する余剰水排除工程を行う。なお、布製型枠は、前述の第1実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法と同様である。

0073

<第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法の作用効果>
以上説明した第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法によれば、現地土砂の粒径や含水率等が不明であっても、簡易な方法で適切な水セメント比を求めることができる。また、第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法によれば、施工時には、流動性の高い状態で使用することができるので、作業性が極めて良好であるとともに、硬化時には、所望の強度を確保しつつ極力余剰水の発生を抑えた流動化ソイルセメントを製造することができる。このため、施工不良等による品質低下が少なく、極めて良質な地盤改良を施し、又は土木構造物を構築することが可能となる。

0074

以上、第1〜第3実施形態に係る流動化ソイルセメントの製造方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。

0075

C1 :スランプコーン
C2 :コーン本体
C3 :押さえ
C4 :取っ手

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 大建工業株式会社の「 木質培土および培土」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】植物を良好に栽培できる木質培土を、農業資材に見合う低コストで実現する。【解決手段】堆肥化されていない植物砕片を主体とし、クエン酸および硫酸鉄を含有する薬液で改質することによって製造される木質培... 詳細

  • 五洋建設株式会社の「 地表面変位の推定方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】薬液注入工法において、地表面の変位を測定しない場合にその変位を推定する変位量推定方法、並びに情報処理装置、並びに施工管理方法、そして液状化対策が施された地盤改良体を提供する。【解決手段】情報処... 詳細

  • 日本基礎技術株式会社の「 攪拌装置及びこれを利用した機械攪拌工法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】機械攪拌工法における重機の移動頻度を抑制し、作業効率を向上させる。【解決手段】攪拌装置10は、装置の本体部分を構成するロッド部12、ロッド部12の先端に取り付けられた一対の攪拌翼14、ロッド部... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ