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技術 トナー用チタン酸ストロンチウム系微細粒子およびその製造方法

出願人 チタン工業株式会社
発明者 長岡茂黒崎浩二田中貴康
出願日 2016年8月2日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-151803
公開日 2018年2月8日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-020919
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(I) 電子写真における現像剤
主要キーワード 微粒子チタン 凝結粒子 立方体形 占有割合 流動化性 常圧加熱 ストロンチウム源 デカンテーション洗浄
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

分散、環境特性および流動化性が良好で、トナー外添剤として疎水性二酸化チタン代替物となり得るチタン酸ストロンチウム微細粒子及びその製造方法を提供する。

解決手段

一般式SrTiO3 で示されるペロブスカイト型チタン酸化合物を主成分とし、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mを含み、Tiに対する(Sr+M)のモル比:(Sr+M)/Tiが0.70〜0.90の範囲にあり、平均円形度0.80〜1.00の球状を有し、平均一次粒子径が0.02μm〜0.06μm、一次粒子径四分偏差を平均一次粒子径で割った値が0.20未満であるチタン酸ストロンチウム系微細粒子。

概要

背景

二酸化チタン微粒子は、紫外線カットの目的で化粧品塗料インキ、プラスチック光触媒などに使用される他、電子写真用トナー帯電調整剤流動化剤などにも広く使用されている。これらの用途には、分散性の向上や吸湿性の防止のために、表面を疎水化処理された酸化チタンが使用されている。

しかし、近年、基体となる二酸化チタンがIARC(国際がん研究機関)による「発がん性リスク情報リスト」において、グループ3(人に対する発がん性については分類できない(不明である)」から、グループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない」にランクが変更され、疎水性酸化チタン微粒子代替物となる疎水性微粒子の開発が強く望まれている。

一方で、電子写真システム方式を利用した複写機およびプリンターでは、写真デジタル化等により高精細化高画質化画像要求があると共に、コスト低減の面から長期間にわたる安定性耐候性)の要求がある。電子写真システム方式の長期間の運転では、感光体の表面に紙粉や流動化剤が付着するフィルミング現象や、帯電装置から発生するオゾンと空気中の窒素が反応して生成するNOX が空気中の水分に吸着して発生する帯電生成物による画像流れ現象が起こる。そのため、トナー外添剤として流動性付与剤帯電制御剤離型剤の他に研磨剤を添加し、感光体の表面の付着物や帯電生成物を除去する工夫がなされている。特に、チタン酸ストロンチウムは、モース硬度が5〜6であり、感光体の表面強度との関係から研磨剤として有用であり、シリカ粒子又はチタニア粒子に添加する無機微粒子としてトナーに使用されてきた。

例えば、シリカ粒子又はチタニア粒子に添加する無機微粒子として0.01μm〜0.08μmの微粒子チタンストロンチウム紹介されている(特許文献1)。特許文献1に記載の微粒子チタン酸ストロンチウムは、低温焼成乾式法によって得られる粗粒の少ない微粒子であり、トナー表面に付着し易く、トナーの粉体特性を変化させ、粉煙防止効果を有すると共に、感光体上のフィルミング融着を防止する優れた研磨効果があるが、帯電生成物の除去に不十分であったとして、湿式法で合成された立方体または直方体の0.03μm〜0.3μmのチタン酸ストロンチウムが提案されている(特許文献2)。

本願発明者等は、チタン源としてチタン化合物加水分解物鉱酸解膠品を用い、またストロンチウム源として水溶性化合物を用い、その混合液に50℃以上沸点以下でアルカリ水溶液を添加しながら反応して合成する方法即ち常温湿式法により、焼成法に比べて粒度分布の良好なチタン酸ストロンチウム微細粒子を得ることができることを提案している開示した(特許文献3)。また、チタン酸ストロンチウム自体の帯電量の変動や湿度の影響による凝集を抑えるために、当該チタン酸ストロンチウムの表面に有機物等を被覆処理する必要があり、常温湿式法で得られるチタン酸ストロンチウムを酸で溶解処理してSr/Tiモル比を調整することにより、シリコーンオイルステアリン酸ナトリウムシランカップリング剤等の有機表面処理剤被着が容易となり、トナーの帯電制御剤あるいは研磨剤として用いるときの環境特性および帯電特性が向上することを見いだした(特許文献4)。

これまでに提案されているチタン酸ストロンチウム微細粒子は、ったエッジを持つ直方体状粒子であるため、研磨剤として使用した場合にはそのエッジによる研磨効果に優れている。しかしながら、直方体状粒子であるため電子写真用トナー外添剤の流動化剤としては不十分なものであった。

概要

分散、環境特性および流動化性が良好で、トナー外添剤として疎水性二酸化チタンの代替物となり得るチタン酸ストロンチウム系微細粒子及びその製造方法を提供する。一般式SrTiO3 で示されるペロブスカイト型チタン酸化合物を主成分とし、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mを含み、Tiに対する(Sr+M)のモル比:(Sr+M)/Tiが0.70〜0.90の範囲にあり、平均円形度0.80〜1.00の球状を有し、平均一次粒子径が0.02μm〜0.06μm、一次粒子径四分偏差を平均一次粒子径で割った値が0.20未満であるチタン酸ストロンチウム系微細粒子。なし

目的

本発明の目的は、分散が良好で、かつ、環境特性および流動化剤として良好なトナー外添剤として有用で、しかも疎水性二酸化チタンの代替物となり得るチタン酸ストロンチウム系微細粒子およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一般式SrTiO3 で示されるペロブスカイト型チタン酸化合物を主成分とし、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mを含み、Tiに対する(Sr+M)のモル比:(Sr+M)/Tiが0.70〜0.90の範囲にあり、平均円形度0.80〜1.00の球状を有し、平均一次粒子径が0.02μm〜0.06μm、一次粒子径四分偏差を平均一次粒子径で割った値が0.20未満であることを特徴とするチタン酸ストロンチウム微細粒子

請求項2

請求項1記載のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を3.0重量%〜20.0重量%の一般式RnSiR’m(R;炭化水素基、R’;アルコキシ基、n;1〜3の整数、m;1〜3の整数、n+m=4)で表されるアルコキシシラン被覆処理したことを特徴とする、トナー用外添剤

請求項3

請求項1記載のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を5.0重量%〜14.0重量%のステアリン酸ナトリウムで被覆処理したことを特徴とする、トナー用外添剤。

請求項4

請求項1記載のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を0.3重量%〜10.0重量%のシリコーンオイルで被覆処理したことを特徴とする、トナー用外添剤。

請求項5

請求項1に記載のチタン酸ストロンチウム系微細粒子又は請求項2乃至4のいずれか1項に記載のトナー用外添剤を含むことを特徴とする電子写真用トナー

請求項6

常圧加熱反応法により、チタン化合物加水分解物鉱酸解膠品と、ストロンチウムを含む水溶性化合物と、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mの水溶性化合物を混合して、第3成分Mの添加量がストロンチウムに対して2mol%〜15mol%相当となる混合液を調製し、当該混合液にアルカリ水溶液を添加しながら70℃以上100℃以下に加熱して、チタン酸ストロンチウムを主成分とする粒子を合成し、次いで、得られたチタン酸ストロンチウムを主成分とする粒子を酸で処理して、請求項1に記載のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を得ることを特徴とする、チタン酸ストロンチウム系微細粒子の製造方法。

請求項7

前記チタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品は、SO3含有量が1.0重量%以下のメタチタン酸塩酸でpHを0.8〜1.5に調整して解膠して得る、請求項6に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、チタン酸ストロンチウム微細粒子およびその製造法に関し、特に電子写真方式を利用した複写機およびプリンター等の複写画像を形成するための静電潜像現像用トナー外添剤として有用なチタン酸ストロンチウム系微細粒子およびその製造法に関する。

背景技術

0002

二酸化チタン微粒子は、紫外線カットの目的で化粧品塗料インキ、プラスチック光触媒などに使用される他、電子写真用トナー帯電調整剤流動化剤などにも広く使用されている。これらの用途には、分散性の向上や吸湿性の防止のために、表面を疎水化処理された酸化チタンが使用されている。

0003

しかし、近年、基体となる二酸化チタンがIARC(国際がん研究機関)による「発がん性リスク情報リスト」において、グループ3(人に対する発がん性については分類できない(不明である)」から、グループ2B(人に対して発がん性があるかもしれない」にランクが変更され、疎水性酸化チタン微粒子代替物となる疎水性微粒子の開発が強く望まれている。

0004

一方で、電子写真システム方式を利用した複写機およびプリンターでは、写真デジタル化等により高精細化高画質化画像要求があると共に、コスト低減の面から長期間にわたる安定性耐候性)の要求がある。電子写真システム方式の長期間の運転では、感光体の表面に紙粉や流動化剤が付着するフィルミング現象や、帯電装置から発生するオゾンと空気中の窒素が反応して生成するNOX が空気中の水分に吸着して発生する帯電生成物による画像流れ現象が起こる。そのため、トナーの外添剤として流動性付与剤帯電制御剤離型剤の他に研磨剤を添加し、感光体の表面の付着物や帯電生成物を除去する工夫がなされている。特に、チタン酸ストロンチウムは、モース硬度が5〜6であり、感光体の表面強度との関係から研磨剤として有用であり、シリカ粒子又はチタニア粒子に添加する無機微粒子としてトナーに使用されてきた。

0005

例えば、シリカ粒子又はチタニア粒子に添加する無機微粒子として0.01μm〜0.08μmの微粒子チタンストロンチウム紹介されている(特許文献1)。特許文献1に記載の微粒子チタン酸ストロンチウムは、低温焼成乾式法によって得られる粗粒の少ない微粒子であり、トナー表面に付着し易く、トナーの粉体特性を変化させ、粉煙防止効果を有すると共に、感光体上のフィルミング融着を防止する優れた研磨効果があるが、帯電生成物の除去に不十分であったとして、湿式法で合成された立方体または直方体の0.03μm〜0.3μmのチタン酸ストロンチウムが提案されている(特許文献2)。

0006

本願発明者等は、チタン源としてチタン化合物加水分解物鉱酸解膠品を用い、またストロンチウム源として水溶性化合物を用い、その混合液に50℃以上沸点以下でアルカリ水溶液を添加しながら反応して合成する方法即ち常温湿式法により、焼成法に比べて粒度分布の良好なチタン酸ストロンチウム微細粒子を得ることができることを提案している開示した(特許文献3)。また、チタン酸ストロンチウム自体の帯電量の変動や湿度の影響による凝集を抑えるために、当該チタン酸ストロンチウムの表面に有機物等を被覆処理する必要があり、常温湿式法で得られるチタン酸ストロンチウムを酸で溶解処理してSr/Tiモル比を調整することにより、シリコーンオイルステアリン酸ナトリウムシランカップリング剤等の有機表面処理剤被着が容易となり、トナーの帯電制御剤あるいは研磨剤として用いるときの環境特性および帯電特性が向上することを見いだした(特許文献4)。

0007

これまでに提案されているチタン酸ストロンチウム微細粒子は、ったエッジを持つ直方体状粒子であるため、研磨剤として使用した場合にはそのエッジによる研磨効果に優れている。しかしながら、直方体状粒子であるため電子写真用トナー外添剤の流動化剤としては不十分なものであった。

先行技術

0008

特開平10−10772号公報
特開2005−338750号公報
特開2003−277054号公報
特開2015−137208号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、分散が良好で、かつ、環境特性および流動化剤として良好なトナー外添剤として有用で、しかも疎水性二酸化チタンの代替物となり得るチタン酸ストロンチウム系微細粒子およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、チタン酸ストロンチウムに着目し、トナー用外添剤として分散性に優れ、環境特性および流動化剤として最適な粒径および粒子径状とする手法について検討した結果、常温湿式法による合成反応において、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mを添加することで、直方体または立方体形状の粒子面取りされて球状粒子となり、分散性及び流動性が良好なチタン酸ストロンチウム系微細粒子が得られることを見出し、本発明を完成させた。

0011

本発明によれば一般式SrTiO3 で示されるペロブスカイト型チタン酸化合物を主成分とし、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mを含み、Tiに対する(Sr+M)のモル比:(Sr+M)/Tiが0.70〜0.90の範囲にあり、平均円形度0.80〜1.00の球状を有し、平均一次粒子径が0.02μm〜0.06μmの範囲にあり、一次粒子径四分偏差を該平均一次粒子径で割った値が0.20未満、好ましくは0.13〜0.19の範囲にあることを特徴とするチタン酸ストロンチウム系微細粒子が提供される。ここで、「平均円形度」は個々の粒子の円形度ではなく、粒子の集合体としての平均値であり、球状粒子の占有割合を意味する。したがって、粒子全体としての平均円形度が0.80〜1.00の範囲にあればよく、個々の粒子の円形度がこの範囲を逸脱していてもよい。つまり、一部の粒子が直方体または立方体形状であってもよい。また、「一次粒子径の四分偏差を該平均一次粒子径で割った値」は粒度分布の幅の指標となり、この値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。(Sr+M)/Tiモル比が前記の範囲を外れると、チタン酸ストロンチウム系微細粒子の球状粒子が得られず、また、一次粒子径および平均円形度が前記の範囲を外れると、トナーの帯電特性および流動性に悪影響を与えるため好ましくない。チタン酸ストロンチウム系微細粒子の粒径が微細で、凝結粒子が少なく粒度分布が狭いことがトナーの帯電安定性や流動性の付与等に極めて有効である。

0012

円形度は、粒子を二次元投影した時の円形度で評価し、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)で求めることができる。また、平均円形度は、チタン酸ストロンチウム系微細粒子200個の円形度の平均値である。

0013

また、前記チタン酸ストロンチウム系微細粒子を3.0重量%〜20.0重量%の一般式:RnSiR’m
(ただし、Rは炭化水素基、R'はアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜3の整数を示し、n+m=4を満たす。)
で表される1乃至2種類のアルコキシシランで被覆処理したトナー用外添剤が提供される。本トナー用外添剤は、トナーの疎水性、環境特性および帯電特性を向上させる。

0014

同様に、本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を5.0重量%〜14.0重量%のステアリン酸ナトリウムで被覆処理したトナー用外添剤が提供される。本トナー用外添剤は、トナーに疎水性を付与でき、環境特性および帯電特性を向上させる。特に、本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子の表面のアルカリ成分が少ないため、ステアリン酸による被覆率が高くなる。

0015

更に、本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を0.3重量%〜10.0重量%のシリコーンオイルで被覆処理したトナー用外添剤が提供される。本トナー用外添剤は、トナーの流動性を向上させる。

0016

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は、常圧加熱反応法により、チタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品と、ストロンチウムを含む水溶性化合物と、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mの水溶性化合物を混合して、第3成分Mの添加量がストロンチウムに対して2mol%〜15mol%相当となる混合液を調製し、当該混合液にアルカリ水溶液を添加しながら70℃以上100℃以下に加熱して、チタン酸ストロンチウムを主成分とする粒子を合成し、次いで、得られたチタン酸ストロンチウムを主成分とする粒子を酸で処理することを特徴とする製造方法により製造することができる。

発明の効果

0017

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は、常圧加熱反応法に特有な形状である立方体または直方体状粒子を、La、Mg、Ca、Sn、Siから選択される第3成分Mを添加することにより、平均円形度0.80〜1.00の球状に調整したものであり、また、(Sr+M)/Tiモル比0.70以上0.90以下とアルカリ成分が少ないため、有機表面処理剤の被着が容易である。また、本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は、粒径が微細で、凝結粒子が少なく粒度分布が狭いため、トナー用外添剤として用いる場合に、トナーに帯電安定性や流動性を良好に付与することができる。

0018

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を、3.0重量%〜20.0重量%のアルコキシシラン、5.0重量%〜14.0重量%のステアリン酸ナトリウム或いは0.3重量%〜10.0重量%のシリコーンオイルで被覆処理したトナー用外添剤は、帯電量の変動や湿度の影響による凝集が抑制され、分散性に優れ疎水性が高い。したがって、本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は、分散性及び環境安定性に優れ、また発がん性や毒性の問題も無いため、二酸化チタンの代替物としてトナーの帯電調整剤、流動化剤などの外添剤として適している。

図面の簡単な説明

0019

実施例1により製造されたチタン酸ストロンチウム系微細粒子の倍率5万倍の電子顕微鏡写真である。
比較例1により製造されたチタン酸ストロンチウム微細粒子の倍率5万倍の電子顕微鏡写真である。

0020

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は、代表的には、加圧容器を用いる水熱処理ではなく、常圧加熱反応法により、チタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品と、ストロンチウムを含む水溶性化合物と、La、Mg、Ca、Sn及びSiから選択される第3成分Mの水溶性化合物を混合して、第3成分Mの添加量がストロンチウムに対して2mol%〜15mol%相当となる混合液を調製し、当該混合液にアルカリ水溶液を添加しながら70℃以上100℃以下に加熱して、チタン酸ストロンチウムを主成分とする粒子を合成し、次いで、得られたチタン酸ストロンチウムを主成分とする粒子を酸で処理することを特徴とする方法で製造される。

0021

(常圧加熱反応法)
前記酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いる。好ましくは、硫酸法で得られた、SO3含有量が1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下のメタチタン酸塩酸でpHを0.8〜1.5に調整して解膠したものを用いることで、粒度分布が良好なチタン酸ストロンチウム系微細粒子を得ることができる。メタチタン酸中SO3含有量が1.0重量%を超えると解膠が進まない。

0022

前記ストロンチウム源としては、硝酸ストロンチウム塩化ストロンチウム水酸化ストロンチウムなどを好ましく使用することができる。また、第3成分Mの水溶性化合物としては、硝酸ランタン塩化ランタン水酸化ランタン硝酸マグネシウム塩化マグネシウム水酸化マグネシウム硝酸カルシウム塩化カルシウム水酸化カルシウム塩化スズスズ酸ナトリウムケイ酸ナトリウムなどを好ましく使用することができる。アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。

0023

前記製造方法において、得られるチタン酸ストロンチウム系微細粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、反応時における原料混合割合反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などが挙げられる。また、粒子径状に影響を及ぼす因子としては、第3成分Mの添加量があり、目的の粒子径および粒子径状のものを得るため適宜調整することができる。なお、反応過程に於ける炭酸ストロンチウムの生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させる等、炭酸ガス混入を防ぐことが好ましい。

0024

反応時における酸化チタン源、ストロンチウム源および第3成分Mの混合割合は、(Sr+M)/Tiのモル比で0.9〜1.6、好ましくは1.1〜1.4が適切である。酸化チタン源は水への溶解度が低いため、(Sr+M)/Tiモル比が1以下の場合、反応生成物はチタン酸ストロンチウム系微細粒子だけでなく、未反応の酸化チタンが残存し易くなる。反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiO2 として0.3mol/L〜1.3mol/L、好ましくは0.6mol/L〜1.0mol/Lが適切である。

0025

アルカリ水溶液を添加するときの温度は、高いほど結晶性の良好な生成物が得られるが、100℃以上ではオートクレーブ等の圧力容器が必要であるため、実用的には70℃〜100℃の範囲が適切である。また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し0.2当量/h〜1.6当量/h、好ましくは0.3当量/h〜1.4当量/hが適切であり、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。

0026

酸処理
本発明の製造方法においては、常圧加熱反応によって得られるチタン酸ストロンチウム系化合物をさらに酸処理する。常圧加熱反応を行って、チタン酸ストロンチウムを合成する際に、酸化チタン源、ストロンチウム源および第3成分Mの混合割合が(Sr+M)/Tiのモル比で1.0を超える場合、反応終了後に残存した未反応のストロンチウム源あるいは第3成分Mが空気中の炭酸ガスと反応して、炭酸ストロンチウムなどの不純物を生成してしまうため、炭酸ストロンチウムなどの粒子が残存すると粒度分布が広くなる。また、表面に炭酸ストロンチウムなどの不純物が残存すると、疎水性を付与するための表面処理をする際に、不純物の影響で有機表面処理剤を均一に被覆することができない。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応のストロンチウム源あるいは第3成分Mを取り除くため酸処理を行う。

0027

酸処理では、塩酸を用いてpH2.5〜7.0、より好ましくはpH4.5〜6.0に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸酢酸等を酸処理に用いることができる。しかし、硫酸を用いると、水の溶解度が低い硫酸ストロンチウムが発生するので好ましくない。

0028

また、前記酸処理によりチタン酸ストロンチウムの(Sr+M)/Tiモル比を0.70以上0.90未満に調整し、粒子表面をTiO2リッチにすることにより有機表面処理剤の被覆状態を大幅に改善することができ、かつ、トナーに帯電安定性や流動性を付与することができる。

0029

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は、従来、外添剤として使用されているシリカや酸化チタンと同じように、帯電調整や環境安定性の改良のため、SiO2 、Al2 O3 等の無機酸化物チタンカップリング剤、シランカップリング剤、シリコーンオイル等の疎水化剤表面被覆することができる。0.02μm〜0.06μmの一次粒子径を持ち、球状粒子および立方体乃至直方体状粒子を含む平均円形度0.80〜1.00のチタン酸ストロンチウム系微細粒子をトナーの外添剤として使用する場合には、水系中で疎水化剤を被覆したものが一段と分散性が良好であるので好ましい。

0030

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子は磁性一成分トナー、二成分トナーおよび非磁性一成分トナーのあらゆる静電記録方式で使用される。また粉砕法あるいは重合法で製造したトナーの外添剤としても使用できる。トナー用バインダー樹脂としては、公知の合成樹脂および天然樹脂であれば如何なるものでも使用できる。具体的には、例えば、スチレン系樹脂アクリル系樹脂オレフィン系樹脂ジエン系樹脂ポリエステル系樹脂ポリアミド系樹脂エポキシ系樹脂シリコーン系樹脂フェノール系樹脂石油樹脂およびウレタン系樹脂等が挙げられる。また、目的に応じて帯電調整剤や離型剤等の添加剤バインダー中に添加したトナーでも良い。

0031

本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を含む外添剤は、トナーに0.3重量%〜5.0重量%で外添して使用することができ、必要に応じ電子写真の分野で使用されている公知の流動化剤、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミナ等の1種又は2種以上と併用しても良い。また、粒子径の異なる2種以上の本発明のチタン酸ストロンチウム系微細粒子を同時に使用しても良い。

0032

測定法
チタン酸ストロンチウム系微細粒子の(Sr+M)/Tiモル比、粒子径および円形度等は、種々の方法で測定できるが、本願においては以下の方法で測定した。

0033

((Sr+M)/Tiモル比の測定)
島津製作所製蛍光X線分析装置XRF−1700を用いて各元素カウント値を測定し、Fundamental Parameter法により算出した(JIS K 0119:2008)。

0034

(平均一次粒子径)
平均一次粒子径は、日本電子透過型電子顕微鏡EM−1400plusで撮影した写真から等価円直径により測定される重量基準の50%粒子径であり、四分偏差は透過型電子顕微鏡写真から等価円直径により測定される重量基準の75%粒子径と25%粒子径の差の1/2で表される。

0035

(平均円形度)
円形度は、粒子を二次元に投影した時の円形度で評価し、(粒子面積と等しい円の周囲長)/(粒子周囲長)である。また、平均円形度は、チタン酸ストロンチウム系微細粒子200個の円形度の平均値である。この円形度は、日本電子製透過型電子顕微鏡JEM−1400plusで撮影した粒子像にて画像解析ソフトImageJを用いることにより測定した。

0036

比表面積
比表面積は、MICROMETORICS INSTRUMENTCO.製ジェミニ2375を用い、BET法にて測定した。

0037

疎水化度
本願明細書における「疎水化度」は、簡易再現性のよい試験方法で求めたものであり、2.5重量%毎のメタノールを含む水溶液試験管に用意しておき、少量の微粒子を投入し、沈降の有無を確認した。疎水化度としては、沈降が無い時の最大メタノール濃度比率の重量%を疎水化度(下限)値とし、粒子が沈降する最小メタノール濃度比率の重量%を疎水化度(上限)値として表示した。なお、疎水性とは疎水化度が少なくとも10%以上のことをいう。

0038

(被着率)
被着率は、試料カーボン含有量LECO製CS−230炭素硫黄分析装置を用いて分析し、当該測定値を有機表面処理剤が理論量被着したときのカーボン含有量で除した値を百分率で表した数値である。

0039

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。以下に挙げる例は単に例示のために記すものであり、本発明の範囲がこれによって制限されるものではない。
[実施例1]
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行って、洗浄済みケーキを得た。洗浄済みケーキに水を加え、TiO2 として2.13mol/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.4とし、解膠処理を行った。このメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように2.159mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で10mol%となる0.216mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0040

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿デカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Aを得た。粒子Aの電子顕微鏡写真を図1に示す。粒子Aを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.02μm〜0.04μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.03μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.13、また、平均円形度は0.85であった。粒子Aの蛍光X線分析による(Sr+La)/Tiモル比は0.88であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0041

[実施例2]
実施例1と同様にして脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.251mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように1.439mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で15mol%となる0.216mol添加した後、TiO2 濃度0.626mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液378mLを4時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0042

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Bを得た。粒子Bを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.04μm〜0.06μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.05μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.15、また、平均円形度は0.80であった。粒子Bの蛍光X線分析による(Sr+La)/Tiモル比は0.89であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0043

[実施例3]
実施例1と同様にして脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.10となるように2.065mol添加し、更に塩化カルシウムをSrモル比で5mol%となる0.103mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液526mLを1時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0044

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Cを得た。粒子Cを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.03μm〜0.05μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.04μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.18、また、平均円形度は0.80であった。粒子Cの蛍光X線分析による(Sr+Ca)/Tiモル比は0.72であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0045

[実施例4]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように2.159mol添加し、更に塩化マグネシウムをSrモル比で10mol%となる0.216mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0046

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Dを得た。粒子Dを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.03μm〜0.05μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.04μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.14、また、平均円形度は0.93であった。粒子Dの蛍光X線分析による(Sr+Mg)/Tiモル比は0.72であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0047

[実施例5]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように2.159mol添加し、更に塩化スズをSrモル比で10mol%となる0.216mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら80℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加し、その後、80℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0048

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Eを得た。粒子Eを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.03μm〜0.05μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.04μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.18、また、平均円形度は0.86であった。粉末Eの蛍光X線分析による(Sr+Sn)/Tiモル比は0.81であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0049

[実施例6]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.25となるように2.346mol添加し、更にケイ酸ナトリウムをSrモル比で5mol%となる0.117mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液564mLを1時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0050

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Fを得た。粒子Fを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.03μm〜0.05μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.04μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.19、また、平均円形度は0.82であった。粉末Fの蛍光X線分析による(Sr+Si)/Tiモル比は0.85であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0051

[実施例7]
実施例1において、合成反応終了後の反応スラリーを酸処理して得られた沈殿をデカンテーションした後、ろ過による分離の前に、当該沈殿を含むスラリーを50℃に調整し、および塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して13.0wt%のn−プロピルトリエトキシシラン表面処理剤)を添加して20時間撹拌保持を続けた。次いで、水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し、1時間撹拌保持を続けた後、ろ過洗浄を行い得られたケーキを120℃大気中で10時間乾燥し、疎水性微粒子A−1を得た。粒子A−1の(Sr+La)/Tiモル比は0.86、また、疎水化度は45.0%〜47.5%であった。表面処理剤の被着率は90%であった。

0052

[実施例8]
実施例1において、合成反応終了後の反応スラリーを酸処理して得られた沈殿をデカンテーションした後、ろ過による分離の前に、当該沈殿を含むスラリーを50℃に調整し、および塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して10.0wt%のi−ブチルトリメトキシシラン(表面処理剤)を添加して6時間撹拌保持を続けた後、3.0wt%のトリフルオロプロピルトリメトキシシラン(表面処理剤)を添加して14時間撹拌保持を続けた。次いで、水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し、1時間撹拌保持を続けた後、ろ過洗浄を行い得られたケーキを120℃大気中で10時間乾燥し、疎水性微粒子A−2を得た。粒子A−2の(Sr+La)/Tiモル比は0.85、また、疎水化度は50.0%〜52.5%であった。表面処理剤の被着率は89%であった。

0053

[実施例9]
実施例5において、合成反応終了後の反応スラリーを酸処理して得られた沈殿をデカンテーションした後、ろ過による分離の前に、当該沈殿を含むスラリーを70℃に調整し、固形分に対して7.0wt%のステアリン酸ナトリウム(表面処理剤)を添加して2時間撹拌保持を続けた後、塩酸を加えてpH6.5に調整し、1時間撹拌保持を続けた。次いで、ろ過・洗浄を行い得られたケーキを120℃大気中で10時間乾燥し、疎水性微粒子E−1を得た。粒子E−1の(Sr+Sn)/Tiモル比は0.81、また、疎水化度は65.0%〜67.5%であった。表面処理剤の被着率は96%であった。

0054

[実施例10]
実施例6において、合成反応終了後の反応スラリーを酸処理して得られた沈殿をデカンテーションした後、ろ過による分離の前に、当該沈殿を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5に調整した後、固形分に対して0.3wt%のシリコーンオイル(表面処理剤)を添加して1時間撹拌保持を続けた。次いで、ろ過洗浄を行い得られたケーキを120℃大気中で10時間乾燥し、疎水性微粒子F−1を得た。粒子F−1の(Sr+Si)/Tiモル比は0.85であった。また、粒子F−1は疎水化度試験において水に浮遊せず疎水化度は0%であった。表面処理剤の被着率は99%であった。

0055

[比較例1]
実施例1において、第3成分(La)を添加せずに、メタチタン酸と塩化ストロンチウムの混合溶液をTiO2濃度0.939mol/Lに調整した後、撹拌しながら90℃に加温し、10Nの水酸化ナトリウム水溶液444mLを1時間かけて添加し、その後95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。次いで、50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え、1時間撹拌保持を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して粒子Gを得た。粒子Gの電子顕微鏡写真を図2に示す。粒子Gを観察すると、立方体乃至直方体状粒子で、一次粒子径0.02μm〜0.04μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.03μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.14、また、平均円形度は0.78であった。粒子Gの蛍光X線分析によるSr/Tiモル比は0.88であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0056

[比較例2]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として0.626mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように0.719mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で10mol%となる0.072mol添加した後、TiO2 濃度0.313mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、5N水酸化ナトリウム水溶液184mLを18時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0057

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え、1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Hを得た。粒子Hを観察すると、立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.08μm〜0.12μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.11μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.17、また、平均円形度は0.77であった。粒子末Hの蛍光X線分析による(Sr+La)/Tiモル比は0.90であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0058

[比較例3]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で0.80となるように1.502mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で10mol%となる0.150mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液459mLを1時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0059

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え、1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過による分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Iを得た。粒子Iを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.02μm〜0.04μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.03μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.20、また、平均円形度は0.80であった。粉末Iの蛍光X線分析による(Sr+La)/Tiモル比は0.68であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムおよびアナターゼ型酸化チタンの回折ピークが確認できた。

0060

[比較例4]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように2.159mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で10mol%となる0.216mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら60℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加し、その後、60℃で1時間撹拌を続け反応を終了した。

0061

当該反応終了スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え、1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過・分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Jを得た。粒子Jを観察すると、球状および立方体/直方体状粒子を含む、一次粒子径0.02μm〜0.05μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.04μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.19、また、平均円形度は0.78であった。粉末Jの蛍光X線分析による(Sr+La)/Tiモル比は0.65であった。粉末X線回折法で測定すると、チタン酸ストロンチウムおよびアナターゼ型酸化チタンの回折ピークが確認できた。

0062

[比較例5]
実施例1と同様に脱硫処理及び解膠処理を行ったメタチタン酸をTiO2 として1.877mol採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠含水酸化チタンスラリーに、塩化ストロンチウム溶液をTiモル比で1.15となるように2.159mol添加し、更に塩化ランタン溶液をSrモル比で10mol%となる0.216mol添加した後、TiO2 濃度0.939mol/Lに調整した。次に、撹拌しながら90℃に加温した後、10N水酸化ナトリウム水溶液553mLを1時間かけて添加した。その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了した後に、酸処理せず、そのまま得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、ろ過分離後、120℃の大気中で10時間乾燥して、粒子Kを得た。粒子Kを観察すると、球状および立方体乃至直方体状粒子を含む、一次粒子径0.02μm〜0.04μmの粒子であった。電子顕微鏡写真を用いて重量基準で算出した平均一次粒子径は0.03μm、四分偏差を平均一次粒子径で割った値は0.23、また、平均円形度は0.85であった。粉末Kの蛍光X線分析による(Sr+La)/Tiモル比は1.09であり、粉末X線回折法はチタン酸ストロンチウムの回折ピークが確認できた。

0063

[比較例6]
比較例5において、合成反応終了後に洗浄操作が終了したスラリーを50℃に調整し、および塩酸を加えpH2.5に調整した後、固形分に対して10.0wt%のi−ブチルトリメトキシシラン(表面処理剤)を添加して6時間撹拌保持を続けた後、3.0wt%のトリフルオロプロピルトリメトキシシラン(表面処理剤)を添加して14時間撹拌保持を続けた。次いで、水酸化ナトリウム溶液を加えpH6.5に調整し、1時間撹拌保持を続けた後、ろ過洗浄を行い得られたケーキを120℃大気中で10時間乾燥し、疎水性微粒子K−1を得た。粒子K−1の(Sr+La)/Tiモル比は0.91、疎水化度は17.5%〜20.0%であった。表面処理剤の被着率は36%であった。

0064

0065

実施例

0066

常圧加熱反応法の反応条件において第3成分を添加することにより、平均一次粒径が0.02μm〜0.06μm、および平均円形度0.80〜0.10のチタン酸ストロンチウム系微細粒子が得られ、更に酸を用いた溶解操作により(Sr+M)/Tiモル比を調整することにより、シランカップリング剤、ステアリン酸ナトリウム、シリコーンオイル等の有機表面処理剤の被着が容易となり、疎水化度および被着率が向上していることが分かる。

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