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技術 三次元造形物の造形ステージ、三次元造形物の製造装置及び三次元造形物の製造方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 岡本英司角谷彰彦石田方哉
出願日 2017年3月6日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2017-041966
公開日 2018年2月8日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2018-020547
状態 特許登録済
技術分野 粉末冶金 材料からの成形品の製造 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし)
主要キーワード エネルギー付与装置 造形用データ 除去材料 保持形態 形成形態 吐出形態 吐出供給 二次元形状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月8日)のものです。
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図面 (11)

課題

造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物積層体脱脂焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制する。

解決手段

層を積層し積層体500を形成することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造装置2000に用いられ、積層体500が形成される形成面121aを有し、三次元造形物の構成材料よりも高い融点高融点材料多孔質に構成されていることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ121を使用する。このような造形ステージ121を使用することで、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該積層体500が変形することを抑制することが可能になる。

概要

背景

従来から、層を積層することにより三次元造形物を製造する製造装置が使用されている。このような三次元造形物の製造装置においては、三次元造形物の積層体造形ステージ上に形成することが行われている。
例えば、特許文献1には、三次元造形物の積層体を造形プレート(造形ステージ)上に形成することが可能な三次元造形物の製造装置を用いて三次元造形物を製造する製造方法が開示されている。

概要

造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制する。層を積層し積層体500を形成することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造装置2000に用いられ、積層体500が形成される形成面121aを有し、三次元造形物の構成材料よりも高い融点高融点材料多孔質に構成されていることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ121を使用する。このような造形ステージ121を使用することで、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該積層体500が変形することを抑制することが可能になる。

目的

本発明の目的は、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

層を積層し積層体を形成することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造装置に用いられ、前記積層体が形成される形成面を有し、三次元造形物の構成材料よりも高い融点高融点材料多孔質に構成されていることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ

請求項2

層を積層し積層体を形成することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造装置に用いられ、前記積層体が形成される形成面を有し、三次元造形物の構成材料よりも高い融点の高融点材料で前記形成面側から該形成面側とは異なる側に連通するよう多孔質に構成されていることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ。

請求項3

請求項1又は2に記載された造形ステージにおいて、前記製造装置に対して脱着可能であり、前記形成面に前記構成材料よりも低い融点の有機膜が形成されていることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ。

請求項4

請求項3に記載された造形ステージにおいて、前記有機膜は、前記構成材料よりも高い融点の成分を含有していることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ。

請求項5

請求項3又は4に記載された造形ステージにおいて、前記有機膜は、アクリル樹脂を含有していることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ。

請求項6

請求項1又は2に記載された造形ステージにおいて、前記多孔質の空孔を構成するとともに前記形成面に形成される平均孔径は、1μm以上5μm以下であることを特徴とする三次元造形物の造形ステージ。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載された造形ステージにおいて、前記高融点材料は、アルミナ炭化ケイ素及びジルコニアの少なくともいずれかを含むことを特徴とする三次元造形物の造形ステージ。

請求項8

請求項1から7のいずれか1項に記載された造形ステージの前記形成面に前記積層体を形成することにより三次元造形物を製造することを特徴とする三次元造形物の製造装置。

請求項9

請求項1から7のいずれか1項に記載された造形ステージの前記形成面に前記積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体にエネルギーを付与するエネルギー付与工程と、を有することを特徴とする三次元造形物の製造方法。

請求項10

請求項9に記載された三次元造形物の製造方法において、前記エネルギー付与工程後に、前記構成材料を焼結又は溶融させる加熱工程を実行することを特徴とする三次元造形物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、三次元造形物造形ステージ、三次元造形物の製造装置及び三次元造形物の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来から、層を積層することにより三次元造形物を製造する製造装置が使用されている。このような三次元造形物の製造装置においては、三次元造形物の積層体を造形ステージ上に形成することが行われている。
例えば、特許文献1には、三次元造形物の積層体を造形プレート(造形ステージ)上に形成することが可能な三次元造形物の製造装置を用いて三次元造形物を製造する製造方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2010−100883号公報

発明が解決しようとする課題

0004

造形ステージ上に形成された三次元造形物の積層体を脱脂焼結することが一般的に行われている。三次元造形物の積層体を脱脂や焼結すると、最終的な三次元造形物の構成材料以外の材料(除去材料)は、揮発することなどにより分解除去されるので、三次元造形物の積層体は収縮する。しかしながら、三次元造形物の積層体を脱脂や焼結する場合、造形ステージ側からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ上からの除去材料の揮発の仕方とが異なるため、収縮率に違いができ、該積層体は、脱脂や焼結に伴い変形してしまう場合があった。なお、特許文献1には、造形ステージの材質として三次元造形物と接合性の低いものが望ましいという旨の記載はあるが、造形ステージ側からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ上からの除去材料の揮発の仕方とが異なることに伴う該積層体の変形に関する記載は無い。すなわち、脱脂や焼結に伴う該積層体の変形を抑制することを可能にする技術は開示されていない。

0005

そこで、本発明の目的は、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するための本発明の第1の態様の三次元造形物の造形ステージは、層を積層し積層体を形成することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造装置に用いられ、前記積層体が形成される形成面を有し、三次元造形物の構成材料よりも高い融点高融点材料多孔質に構成されていることを特徴とする。

0007

本態様の造形ステージは、多孔質に構成されている。このため、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結する際、造形ステージ側(下方向)からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ上(上方向及び横方向)からの除去材料の揮発の仕方との差(すなわち収縮率の差)を小さくすることができる。したがって、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制することができる。

0008

本発明の第2の態様の三次元造形物の造形ステージは、層を積層し積層体を形成することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造装置に用いられ、前記積層体が形成される形成面を有し、三次元造形物の構成材料よりも高い融点の高融点材料で前記形成面側から該形成面側とは異なる側に連通するよう多孔質に構成されていることを特徴とする。

0009

本態様の造形ステージは、形成面側から該形成面側とは異なる側に連通するよう多孔質に構成されている。このため、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結する際、造形ステージ側(下方向)からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ上(上方向及び横方向)からの除去材料の揮発の仕方との差(すなわち収縮率の差)を効果的に小さくすることができる。したがって、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを効果的に抑制することができる。

0010

本発明の第3の態様の三次元造形物の造形ステージは、前記第1又は第2の態様において、前記製造装置に対して脱着可能であり、前記形成面に前記構成材料よりも低い融点の有機膜が形成されていることを特徴とする。

0011

本態様の造形ステージは、三次元造形物の製造装置に対して脱着可能であり、積層体の形成面に三次元造形物の構成材料よりも低い融点の有機膜が形成されている。このため、例えば三次元造形物の構成材料の融点よりもよりも低く有機膜の融点よりも高い温度で三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該有機膜を除去材料と共に除去可能となり、積層体が変形することを特に効果的に抑制できるとともに、積層体を造形ステージから簡単に分離することができる。さらには、造形ステージを三次元造形物の製造装置に対して脱着可能にすることで、脱脂や焼結を行うための装置に三次元造形物の積層体を移動する際、造形ステージごと移動でき該積層体を破損することを抑制できる。
なお、「構成材料よりも低い融点の有機膜」とは、形成面の少なくとも一部を覆う、構成材料よりも低い融点の有機成分を含んでいればよい膜という意味である。

0012

本発明の第4の態様の三次元造形物の造形ステージは、前記第3の態様において、前記有機膜は、前記構成材料よりも高い融点の成分を含有していることを特徴とする。

0013

本態様によれば、有機膜は三次元造形物の構成材料よりも高い融点の成分を含有している。このため、造形ステージ上に形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結する場合に、脱脂や焼結した後において造形ステージ上に該高い融点の成分が剥離材として残り、積層体を造形ステージから特に簡単に分離することができる。

0014

本発明の第5の態様の三次元造形物の造形ステージは、前記第3又は第4の態様において、前記有機膜は、アクリル樹脂を含有していることを特徴とする。

0015

本態様によれば、有機膜はアクリル樹脂を含有している。アクリル樹脂は融点が低く脱脂や焼結した後において造形ステージ上に該アクリル樹脂由来炭素が残りにくいので、脱脂や焼結した後の三次元造形物の積層体に不純物としての炭素が混ざることを抑制できる。

0016

本発明の第6の態様の三次元造形物の造形ステージは、前記第1又は第2の態様において、前記多孔質の空孔を構成するとともに前記形成面に形成される平均孔径は、1μm以上5μm以下であることを特徴とする。

0017

脱脂や焼結に伴い三次元造形物の積層体は収縮する。三次元造形物の積層体が形成される形成面に大きな空孔が形成されていると、脱脂や焼結を行う際、該空孔に三次元造形物の構成材料が拘束されたまま三次元造形物の積層体は収縮する。このため、脱脂や焼結に伴い三次元造形物の積層体が変形などする虞がある。しかしながら、本態様によれば、多孔質の空孔を構成するとともに形成面に形成される平均孔径は、1μm以上5μm以下であるので、脱脂や焼結を行う際、該空孔に三次元造形物の構成材料が入り込み該構成材料が拘束されたまま三次元造形物の積層体が収縮することを抑制できる。したがって、脱脂や焼結に伴い三次元造形物の積層体が変形などすることを抑制できる。

0018

本発明の第7の態様の三次元造形物の造形ステージは、前記第1から第6のいずれか1つの態様において、前記高融点材料は、アルミナ炭化ケイ素及びジルコニアの少なくともいずれかを含むことを特徴とする。

0019

本態様によれば、高融点材料は、アルミナ、炭化ケイ素及びジルコニアの少なくともいずれかを含む。これらは融点が高く高温でも変形しにくいので、造形ステージ上に形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを特に効果的に抑制することができる。

0020

本発明の第8の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第1から第7のいずれか1つに記載された造形ステージの前記形成面に前記積層体を形成することにより三次元造形物を製造することを特徴とする。

0021

本態様によれば、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結する際、造形ステージ側からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ上からの除去材料の揮発の仕方との差を小さくすることができる。したがって、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制することができる。

0022

本発明の第9の態様の三次元造形物の製造方法は、前記第1から第7のいずれか1つに記載された造形ステージの前記形成面に前記積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体にエネルギーを付与するエネルギー付与工程と、を有することを特徴とする。

0023

本態様によれば、積層体形成工程で造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を、エネルギー付与工程で脱脂や焼結する際、造形ステージ側からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ上からの除去材料の揮発の仕方との差を小さくすることができる。したがって、造形ステージ上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体を脱脂や焼結することに伴い、該積層体が変形することを抑制することができる。

0024

本発明の第10の態様の三次元造形物の製造方法は、前記第9の態様において、前記エネルギー付与工程後に、前記構成材料を焼結又は溶融させる加熱工程を実行することを特徴とする。

0025

本態様によれば、エネルギー付与工程後に構成材料を焼結又は溶融させる加熱工程を実行する。このため、エネルギー付与工程で脱脂した三次元造形物の積層体を焼結又は溶融させることができる。

図面の簡単な説明

0026

図1Aは本発明の一の実施形態に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。図1Bは図1Aに示すC部の拡大図。
図2Aは本発明の一の実施形態に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。図2Bは図2Aに示すC’部の拡大図。
本発明の一の実施形態に係るヘッドベースの概略透視図。
図4Aは本発明の一の実施形態に係るヘッドユニットの配置と三次元造形物の形成形態との関係を概念的に説明する平面図。図4Bは本発明の一の実施形態に係るヘッドユニットの配置と三次元造形物の形成形態との関係を概念的に説明する平面図。図4Cは本発明の一の実施形態に係るヘッドユニットの配置と三次元造形物の形成形態との関係を概念的に説明する平面図。
図5Aは三次元造形物の形成形態を概念的に説明する概略図。図5Bは三次元造形物の形成形態を概念的に説明する概略図。
図6Aはヘッドベースに配置されるヘッドユニットのその他の配置の例を示す模式図。図6Bはヘッドベースに配置されるヘッドユニットのその他の配置の例を示す模式図。
本発明の一実施例に係る造形ステージを表す概略図。
本発明の一実施例に係る三次元造形物の製造方法のフローチャート
本発明の一実施例に係る造形ステージを表す概略図。
本発明の一実施例に係る造形ステージを表す概略図。

実施例

0027

以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
図1及び図2は本発明の一の実施形態に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図である。
ここで、本実施形態の三次元造形物の製造装置は、2種類の材料供給部(ヘッドベース)を備えている。このうち、図1は、一の材料供給部(構成材料(三次元造形物を構成する粉末溶媒バインダーとを含む材料)を供給する材料供給部)を表した図である。また、図2は、別の一の材料供給部(三次元造形物を形成する際に該三次元造形物を支持する支持部を形成する支持部形成用材料を供給する材料供給部)を表した図である。
なお、本明細書における「三次元造形」とは、いわゆる立体造形物を形成することを示すものであって、例えば、平板状、いわゆる二次元形状の形状であっても厚さを有する形状を形成することも含まれる。また、「支持する」とは、下側から支持する場合の他、横側から支持する場合や、場合によっては上側から支持する場合も含む意味である。
また、本実施形態の三次元造形物の製造装置は、三次元造形物の構成材料を用いて該三次元造形物の構成層を形成する際に該構成層を支持するための支持層を形成可能な構成になっている。このため、積層方向と交差する方向に凸状となった部分(所謂オーバーハング部)を変形させることなく形成可能な構成である。しかしながら、このような構成に限定されず、支持層を形成しない構成(すなわち支持層形成用材料を使用しない構成)であってもよい。

0028

図1及び図2に示す三次元造形物の製造装置2000(以下、形成装置2000という)は、基台110と、基台110に備える駆動手段としての駆動装置111によって、図示するX、Y、Z方向の移動、あるいはZ軸を中心とする回転方向に駆動可能に備えられたステージ120を備えている。
そして、図1で表されるように、一方の端部が基台110に固定され、他方の端部に構成材料を吐出する構成材料吐出部1230を備えるヘッドユニット1400を複数保持するヘッドベース1100が保持固定される、ヘッドベース支持部130を備えている。
また、図2で表されるように、一方の端部が基台110に固定され、他方の端部に三次元造形物を支持する支持層形成用材料を吐出する支持層形成用材料吐出部1730を備えるヘッドユニット1900を複数保持するヘッドベース1600が保持固定される、ヘッドベース支持部730と、を備えている。
ここで、ヘッドベース1100と、ヘッドベース1600とは、XY平面において並列に設けられている。
なお、構成材料吐出部1230と支持層形成用材料吐出部1730とは同様の構成のものである。ただし、このような構成に限定されない。

0029

ステージ120上には脱着可能の造形ステージ121が置かれ、造形ステージ121の形成面121a(図3参照)に、三次元造形物の積層体500が形成される過程での層501、502及び503が形成される。造形ステージ121の形成面121aに形成された三次元造形物の積層体500は、形成装置2000での形成後、熱エネルギーなどのエネルギーを付与することにより、脱脂(構成材料に含まれる溶媒やバインダーの少なくとも一部を分解除去すること)や焼結が行われる。そして、この三次元造形物の積層体500の脱脂や焼結は、形成装置2000とは別に設けられるエネルギー付与装置としての熱エネルギーを付与可能な恒温槽650(図7参照)などに、造形ステージ121ごとセットして行われる。このため、造形ステージ121は高い耐熱性を有することが要求される。そこで、造形ステージ121として、例えばセラミック板を用いることで、高い耐熱性を得ることができ、更に焼結(あるいは溶融されてもよい)される三次元造形物の構成材料との反応性も低く、三次元造形物の積層体500の変質を防止することができる。なお、図1A及び図2Aでは、説明の便宜上、層501、502及び503の3層を例示したが、所望の三次元造形物の積層体500の形状まで(図1A及び図2A中の層50nまで)積層される。
ここで、層501、502、503、・・・50nは、各々、支持層形成用材料吐出部1730から吐出される支持層形成用材料で形成される支持層300と、構成材料吐出部1230から吐出される構成材料で形成される構成層310と、で構成される。

0030

また、図1Bは、図1Aに示すヘッドベース1100を示すC部拡大概念図である。図1Bに示すように、ヘッドベース1100は、複数のヘッドユニット1400が保持されている。詳細は後述するが、1つのヘッドユニット1400は、構成材料供給装置1200に備える構成材料吐出部1230が保持治具1400aに保持されることで構成される。構成材料吐出部1230は、吐出ノズル1230aと、材料供給コントローラー1500によって吐出ノズル1230aから構成材料を吐出させる吐出駆動部1230bと、を備えている。

0031

また、図2Bは、図2Aに示すヘッドベース1600を示すC’部拡大概念図である。ここで、ヘッドベース1600はヘッドベース1100と同様の構成である。具体的には、図2Bに示すように、ヘッドベース1600は、複数のヘッドユニット1900が保持されている。ヘッドユニット1900は、支持層形成用材料供給装置1700に備える支持層形成用材料吐出部1730が保持治具1900aに保持されることで構成される。支持層形成用材料吐出部1730は、吐出ノズル1730aと、材料供給コントローラー1500によって吐出ノズル1730aから支持層形成用材料を吐出させる吐出駆動部1730bと、を備えている。

0032

なお、本実施例の形成装置2000には備えられていないが、構成材料吐出部1230から吐出された構成材料や支持層形成用材料吐出部1730から吐出された支持層形成用材料を脱脂や焼結させることが可能なエネルギー付与部を備えていてもよい。このようなエネルギー付与部を備えていれば、別途エネルギー付与装置を用意する必要を無くすことができる。エネルギー付与部又はエネルギー付与装置の構成は特に限定されないが、例えば、熱エネルギーを付与可能な恒温槽650などのほか、レーザー照射部と該レーザー照射部からのレーザー光位置決めするガルバノミラーとを備えるレーザー照射装置や、電磁波(赤外線紫外線など)の照射装置などが挙げられる。

0033

図1で表されるように、構成材料吐出部1230は、ヘッドベース1100に保持されるヘッドユニット1400それぞれに対応させた構成材料を収容した構成材料供給ユニット1210と供給チューブ1220により接続されている。そして、所定の構成材料が構成材料供給ユニット1210から構成材料吐出部1230に供給される。構成材料供給ユニット1210には、本実施形態に係る形成装置2000によって造形される三次元造形物の積層体500の構成材料が構成材料収容部1210aに収容され、個々の構成材料収容部1210aは、供給チューブ1220によって、個々の構成材料吐出部1230に接続されている。このように、個々の構成材料収容部1210aを備えることにより、ヘッドベース1100から、複数の異なる種類の材料を供給することができる。

0034

図2で表されるように、支持層形成用材料吐出部1730は、ヘッドベース1600に保持されるヘッドユニット1900それぞれに対応させた支持層形成用材料を収容した支持層形成用材料供給ユニット1710と供給チューブ1720により接続されている。そして、所定の支持層形成用材料が支持層形成用材料供給ユニット1710から支持層形成用材料吐出部1730に供給される。支持層形成用材料供給ユニット1710には、三次元造形物の積層体500を造形する際の支持層を構成する支持層形成用材料が支持層形成用材料収容部1710aに収容され、個々の支持層形成用材料収容部1710aは、供給チューブ1720によって、個々の支持層形成用材料吐出部1730に接続されている。このように、個々の支持層形成用材料収容部1710aを備えることにより、ヘッドベース1600から、複数の異なる種類の支持層形成用材料を供給することができる。

0035

構成材料及び支持層形成用材料としては、例えばマグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)やクロム(Cr)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の単体粉末、もしくはこれらの金属を1つ以上含む合金マルエージング鋼ステンレス、コバルトクロムモリブデンチタニウム合金ニッケル合金アルミニウム合金コバルト合金コバルトクロム合金)などの混合粉末を、溶剤と、バインダーとを含むスラリー状(あるいはペースト状)の混合材料などにして用いることが可能である。
また、ポリアミドポリアセタールポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテルポリブチレンテレフタレートポリエチレンテレフタレートなどの汎用エンジニアリングプラスチックを用いることが可能である。その他、ポリサルフォンポリエーテルサルフォンポリフェニレンサルファイドポリアリレートポリイミドポリアミドイミドポリエーテルイミドポリエーテルエーテルケトンなどのエンジニアリングプラスチックも用いることが可能である。
このように、構成材料及び支持層形成用材料に特に限定はなく、上記金属以外の金属やセラミックス樹脂等も使用可能である。また、二酸化ケイ素二酸化チタン酸化アルミニウム酸化ジルコニウムなどを好ましく使用可能である。

0036

溶剤としては、例えば、水;エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類酢酸エチル酢酸n−プロピル酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素類メチルエチルケトンアセトンメチルイソブチルケトンエチル−n−ブチルケトンジイソプロピルケトンアセチルアセトン等のケトン類エタノールプロパノールブタノール等のアルコール類テトラアルキルアンモニウムアセテート類;ジメチルスルホキシドジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;ピリジン、γ−ピコリン、2,6−ルチジン等のピリジン系溶剤;テトラアルキルアンモニウムアセテート(例えば、テトラブチルアンモニウムアセテート等)等のイオン液体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂シリコーン樹脂セルロース系樹脂或いはその他の合成樹脂又はPLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)或いはその他の熱可塑性樹脂である。また、紫外線の照射により重合する紫外線硬化樹脂をバインダーに用いてもよい。

0037

形成装置2000には、図示しない、例えばパーソナルコンピューター等のデータ出力装置から出力される三次元造形物の造形用データに基づいて、上述したステージ120、構成材料供給装置1200に備える構成材料吐出部1230、並びに、支持層形成用材料供給装置1700に備える支持層形成用材料吐出部1730を制御する制御手段としての制御ユニット400を備えている。そして、制御ユニット400には、図示しないが、ステージ120及び構成材料吐出部1230が連携して駆動及び動作するよう制御し、ステージ120及び支持層形成用材料吐出部1730が連携して駆動及び動作するよう制御する制御部を備えている。

0038

基台110に移動可能に備えられているステージ120は、制御ユニット400からの制御信号に基づき、ステージコントローラー410においてステージ120の移動開始と停止、移動方向、移動量、移動速度などを制御する信号が生成され、基台110に備える駆動装置111に送られ、図示するX、Y、Z方向にステージ120が移動する。ヘッドユニット1400に備える構成材料吐出部1230では、制御ユニット400からの制御信号に基づき、材料供給コントローラー1500において構成材料吐出部1230に備える吐出駆動部1230bにおける吐出ノズル1230aからの材料吐出量などを制御する信号が生成され、生成された信号により吐出ノズル1230aから所定量の構成材料が吐出される。
同様に、ヘッドユニット1900に備える支持層形成用材料吐出部1730では、制御ユニット400からの制御信号に基づき、材料供給コントローラー1500において支持層形成用材料吐出部1730に備える吐出駆動部1730bにおける吐出ノズル1730aからの材料吐出量などを制御する信号が生成され、生成された信号により吐出ノズル1730aから所定量の支持層形成用材料が吐出される。

0039

次に、ヘッドユニット1400についてさらに詳細に説明する。なお、ヘッドユニット1900は、ヘッドユニット1400と同様の構成である。このため、ヘッドユニット1900についての詳細な構成の説明は省略する。
図3及び図4は、ヘッドベース1100に複数保持されるヘッドユニット1400及び構成材料吐出部1230の保持形態の一例を示し、このうち図4は、図1Bに示す矢印D方向からのヘッドベース1100の外観図である。

0040

図3に示すように、ヘッドベース1100に複数のヘッドユニット1400が、図示しない固定手段によって保持されている。また、図4で表されるように、本実施形態に係る形成装置2000のヘッドベース1100では、図下方より第1列目のヘッドユニット1401、第2列目のヘッドユニット1402、第3列目のヘッドユニット1403、そして第4列目のヘッドユニット1404の、4ユニット千鳥状(互い違い)に配置されたヘッドユニット1400を備えている。そして、図4Aで表されるように、ステージ120をヘッドベース1100に対してX方向に移動させながら各ヘッドユニット1400から構成材料を吐出させて構成層構成部50(構成層構成部50a、50b、50c及び50d)が形成される。構成層構成部50の形成手順については後述する。
なお、図示しないが、それぞれのヘッドユニット1401〜1404に備える構成材料吐出部1230は、吐出駆動部1230bを介して構成材料供給ユニット1210に供給チューブ1220で繋がれる構成となっている。

0041

図3に示すように、構成材料吐出部1230は吐出ノズル1230aから、ステージ120上に載置された造形ステージ121の形成面121aに向けて三次元造形物の構成材料である材料Mが吐出される。ヘッドユニット1401では、材料Mが液滴状で吐出される吐出形態を例示し、ヘッドユニット1402では、材料Mが連続体状で供給される吐出形態を例示している。材料Mの吐出形態は、液滴状であっても連続体状であっても、どちらでもよいが、本実施形態では材料Mは液滴状で吐出される形態により説明する。
なお、構成材料吐出部1230及び支持層形成用材料吐出部1730はこのような構成に限定されず、エクストルーダーなど更に異なる方式の材料供給部であってもよい。

0042

吐出ノズル1230aから液滴状に吐出された材料Mは、略重力方向に飛翔し、造形ステージ121上に着弾する。ステージ120は移動し、着弾した材料Mにより構成層構成部50が形成される。この構成層構成部50の集合体が、造形ステージ121の形成面121a上に形成される三次元造形物の積層体500の構成層310(図1参照)として形成される。

0043

次に、構成層構成部50の形成手順について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本実施形態のヘッドユニット1400の配置と、構成層構成部50の形成形態と、の関係を概念的に説明する平面図である。そして、図5は、構成層構成部50の形成形態を概念的に表す側面図である。

0044

まず、ステージ120が+X方向に移動すると、複数の吐出ノズル1230aから材料Mが液滴状に吐出され、造形ステージ121の形成面121aの所定の位置に材料Mが配置され、構成層構成部50が形成される。
より具体的には、まず、図5Aで表されるように、ステージ120を+X方向に移動させながら、複数の吐出ノズル1230aから造形ステージ121の形成面121aの所定の位置に一定の間隔で材料Mを配置させる。

0045

次に、図5Bで表されるように、ステージ120を図1に示す−X方向に移動させながら、一定の間隔で配置された材料Mの間を埋めるように新たに材料Mを配置させる。
ただし、ステージ120を+X方向に移動させながら、複数の吐出ノズル1230aから造形ステージ121の所定の位置に材料Mが重なるように(間隔を空けないように)配置させる構成(ステージ120のX方向における往復移動で構成層構成部50を形成する構成ではなく、ステージ120のX方向における片側の移動のみで構成層構成部50を形成する構成)としても良い。

0046

上記のように構成層構成部50を形成することによって、図4Aで表されるような、各ヘッドユニット1401、1402、1403及び1404のX方向における1ライン分(Y方向における1ライン目)の構成層構成部50(構成層構成部50a、50b、50c及び50d)が形成される。

0047

次に、各ヘッドユニット1401、1402、1403及び1404のY方向における2ライン目の構成層構成部50’(構成層構成部50a’、50b’、50c’及び50d’)を形成するため、−Y方向にヘッドベース1100を移動させる。移動量は、ノズル間のピッチをPとすると、P/n(nは自然数)ピッチ分だけ−Y方向に移動させる。本実施例ではnを3として説明する。
図5A及び図5Bで表されるような、上記と同様な動作を行うことで、図4Bで表されるような、Y方向における2ライン目の構成層構成部50’(構成層構成部50a’、50b’、50c’及び50d’)が形成される。

0048

次に、各ヘッドユニット1401、1402、1403及び1404のY方向における3ライン目の構成層構成部50’’(構成層構成部50a’’、50b’’、50c’’及び50d’’)を形成するため、−Y方向にヘッドベース1100を移動させる。移動量は、P/3ピッチ分だけ−Y方向に移動させる。
そして、図5A及び図5Bで表されるような、上記と同様な動作を行うことで、図4Cで表されるような、Y方向における3ライン目の構成層構成部50’’
(構成層構成部50a’’、50b’’、50c’’及び50d’’)が形成され、構成層310を得ることができる。

0049

また、構成材料吐出部1230から吐出される材料Mを、ヘッドユニット1401、1402、1403、1404のいずれか1ユニット、あるいは2ユニット以上からその他ヘッドユニットと異なる構成材料を吐出供給することもできる。従って、本実施形態に係る形成装置2000を用いることによって、異種材料から形成される三次元造形物を得ることができる。

0050

なお、第1層目の層501において、上述したように構成層310を形成する前或いは後に、支持層形成用材料吐出部1730から支持層形成用材料を吐出させて、同様の方法で、支持層300を形成することができる。そして、層501に積層させて層502、503、・・・50nを形成する際にも、同様に、構成層310及び支持層300を形成することができる。

0051

上述の本実施形態に係る形成装置2000が備えるヘッドユニット1400及び1900の数及び配列は、上述した数及び配列に限定されない。図6に、その例として、ヘッドベース1100に配置されるヘッドユニット1400の、その他の配置の例を模式図的に示す。

0052

図6Aは、ヘッドベース1100にヘッドユニット1400をX軸方向に複数、並列させた形態を示す。図6Bは、ヘッドベース1100にヘッドユニット1400を格子状に配列させた形態を示す。なお、いずれも配列されるヘッドユニットの数は、図示の例に限定されない。

0053

次に、上述の本実施形態に係る形成装置2000の要部である造形ステージ121についてさらに詳細に説明する。
図7は、本実施例の造形ステージ121を表す概略図である。詳細には、三次元造形物の積層体500が形成された造形ステージ121が、エネルギー付与装置としての恒温槽650にセットされて脱脂されている状態を表している。

0054

本実施例の造形ステージ121は、上記のように、層を積層し三次元造形物の積層体500を形成することにより三次元造形物を製造する形成装置2000に用いられ、図7で表されるように、三次元造形物の積層体500が形成される形成面121aを有している。
そして、造形ステージ121は、三次元造形物の構成材料よりも高い融点の高融点材料で多孔質に構成されている。このため、本実施例の造形ステージ121は、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結する際、造形ステージ121側(下方向)からの除去材料(構成材料に含まれる溶媒やバインダーなど)の揮発の仕方と造形ステージ121上(上方向及び横方向)からの除去材料の揮発の仕方との差(すなわち収縮率の差)を小さくすることができる構成になっている。したがって、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該三次元造形物の積層体500が変形することを抑制することができる構成になっている。
なお、図7における矢印は、除去材料の揮発していく方向を概念的に表したものである。造形ステージ121が多孔質に構成されていない場合、造形ステージ121側からの除去材料の揮発(下方向の矢印)はほとんどなくなり、造形ステージ121側が他の部分に比べてあまり収縮しなくなってしまう。

0055

また、本実施例の造形ステージ121は、形成装置2000に対して脱着可能であり、形成面121aに構成材料よりも低い融点の有機膜600が形成されている。このため、例えば三次元造形物の構成材料の融点よりもよりも低く有機膜600の融点よりも高い温度で三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該有機膜600を除去材料と共に除去可能となり、三次元造形物の積層体500が変形することを特に効果的に抑制できるとともに、脱脂や焼結した後の三次元造形物の積層体500を造形ステージ121から簡単に分離することができる構成になっている。これは、脱脂や焼結されると三次元造形物の積層体500は収縮するが、有機膜600が形成されることで、形成面121aの凹凸に構成材料が拘束されたまま脱脂や焼結により三次元造形物の積層体500が収縮することを抑制できるためである。特に、本実施例のように造形ステージ121が多孔質に構成されている場合、形成面121aの凹凸は大きくなる傾向が有るので、有機膜600が形成されることによる効果は特に大きい。
さらには、造形ステージ121を形成装置2000に対して脱着可能にすることで、脱脂や焼結を行うためにエネルギー付与装置(恒温槽650)に三次元造形物の積層体500を移動する際、造形ステージ121ごと移動できる。このため、恒温槽650にセットするために造形ステージ121から三次元造形物の積層体500を取り外すことに伴って、該三次元造形物の積層体500が破損してしまうということを抑制できる。
なお、予め有機膜600が形成された造形ステージ121を用意し、該造形ステージ121に三次元造形物の積層体500を形成してもよいのは言うまでもない。ただし、予め有機膜600が形成されていない造形ステージ121を用意し、三次元造形物の積層体500の形成に先立って、支持層形成用材料吐出部1730から支持層形成用材料を吐出して有機膜600を形成面121aに形成し、その後、三次元造形物の積層体500を形成してもよい。そして、このようにして有機膜600が形成面121aに形成された造形ステージ121も本発明に含まれることは言うまでもない。
また、「構成材料よりも低い融点の有機膜」とは、形成面121aの少なくとも一部を覆う、構成材料よりも低い融点の有機成分を含んでいればよい膜という意味である。

0056

ここで、本実施例の造形ステージ121に形成されている有機膜600は、アクリル樹脂を含有している。アクリル樹脂は融点が低く脱脂や焼結した後において造形ステージ121上に該アクリル樹脂由来の炭素が残りにくいので、脱脂や焼結した後の三次元造形物の積層体500に不純物としての炭素が混ざることを抑制できる。
ただし、有機膜600の形成成分に特に限定は無く、アクリル樹脂のほかポリエステル樹脂なども使用できるとともに、複数種類の樹脂を含有していてもよい。

0057

また、有機膜600は、構成材料よりも高い融点の成分を含有していてもよい。有機膜600が構成材料よりも高い融点の成分を含有していれば、造形ステージ121上に形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結する場合に、脱脂や焼結した後において造形ステージ121上に該高い融点の成分が剥離材として造形ステージ121上に均等に残り、三次元造形物の積層体500を造形ステージ121から特に簡単に(短時間で)分離することができるためである。
なお、「構成材料よりも高い融点の成分」について特に限定は無いが、例えば、セラミックス(アルミナ、炭化ケイ素及びジルコニアなど)を使用可能である。

0058

また、造形ステージ121における前記高融点材料は、アルミナ、炭化ケイ素及びジルコニアの少なくともいずれかを含むことが好ましい。これらは融点が高く高温でも変形しにくいので、造形ステージ121上に形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該三次元造形物の積層体500が変形することを特に効果的に抑制することができるためである。

0059

このように、本実施例の形成装置2000は、このような造形ステージ121の形成面121aに三次元造形物の積層体500を形成することにより三次元造形物を製造するものである。そして、このような構成により、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結する際、造形ステージ121側からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ121上からの除去材料の揮発の仕方との差を小さくすることを可能にしている。したがって、本実施例の形成装置2000は、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該三次元造形物の積層体500が変形することを抑制することができる構成になっている。
さらには、本実施例の形成装置2000は、該装置に対して脱着可能な造形ステージ121の形成面121aに三次元造形物の構成材料よりも低い融点の有機膜600が形成されているため、三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該有機膜600を除去材料と共に除去可能となり、三次元造形物の積層体500を造形ステージから簡単に分離することができる構成になっている。

0060

次に、上記形成装置2000を用いて行う三次元造形物の製造方法の一例についてフローチャートを用いて説明する。
ここで、図8は、本実施例に係る三次元造形物の製造方法のフローチャートである。

0061

図8で表されるように、本実施例の三次元造形物の製造方法においては、最初にステップS110で、三次元造形物のデータを取得する。詳細には、例えばパーソナルコンピューターにおいて実行されているアプリケーションプログラム等から、三次元造形物の形状を表すデータを取得する。

0062

次に、ステップS120で、層毎のデータを生成する。詳細には、三次元造形物の形状を表すデータにおいて、Z方向の造形解像度に従ってスライスし、断面毎にビットマップデータ(断面データ)を生成する。

0063

次に、有機膜600が形成されていない造形ステージ121を用意した場合、ステップS130で、支持層形成用材料吐出部1730から支持層形成用材料を吐出して有機膜600を形成面121aに形成する。ただし、予め有機膜600が形成されている造形ステージ121を用意した場合、本ステップを省略できる。

0064

次に、ステップS140では、ステップS120で生成した層毎のデータに基づいて三次元造形物の積層体500を形成する。そして、ステップS150により、該層毎のデータが終了するまでステップS140とステップS150とを繰り返し、造形ステージ121の形成面121a上に三次元造形物の積層体500を完成させる。
なお、ステップS140からステップS150において、本実施例の三次元造形物の製造方法においては、特にエネルギーを付与することなく自然に溶媒を揮発させて三次元造形物の積層体500を形成(構成層構成部50を固定)しているが、加熱するなどエネルギーを付与して構成層構成部50を固定させてもよい。

0065

次に、ステップS160で、形成装置2000から造形ステージ121ごと三次元造形物の積層体500を取り出し、これをエネルギー付与装置としての恒温槽650にセットしてエネルギー付与(加熱)する。なお、本ステップで有機膜600の有機成分は分解除去される。

0066

そして、最後に、ステップS170で、恒温槽650のエネルギーの出力を上げて三次元造形物の積層体500を加熱して、本実施例の三次元造形物の製造方法を終了する。
なお、ステップS160が脱脂に対応するエネルギー付与工程であった場合は、ステップS170は凝結又は溶融に対応する加熱工程に対応し、ステップS160が脱脂及び凝結に対応するエネルギー付与工程であった場合は、ステップS170は溶融に対応する加熱工程に対応する。また、三次元造形物の積層体500を脱脂させて完成させる場合や凝結させて完成させる場合など、凝結や溶融の必要が無い場合はステップS170を省略することができる。

0067

このように、本実施例の三次元造形物の製造方法は、上記の造形ステージ121を用いてその形成面121aに三次元造形物の積層体500を形成する積層体形成工程(ステップS140)と、三次元造形物の積層体500にエネルギーを付与するエネルギー付与工程(ステップS160)と、を有する。
このため、積層体形成工程で(構成材料よりも高い融点の高融点材料で多孔質に構成されている)造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を、エネルギー付与工程で脱脂や焼結する際、造形ステージ121側(下方向)からの除去材料の揮発の仕方と造形ステージ121上(上方向及び横方向)からの除去材料の揮発の仕方との差を小さくすることができる。したがって、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結することに伴い、該三次元造形物の積層体500が変形することを抑制することができる。
さらには、積層体形成工程で(形成面121aに構成材料よりも低い融点の有機膜600が形成されている)造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を、エネルギー付与工程で脱脂や焼結することに伴い、有機膜600を除去材料と共に除去可能となり、三次元造形物の積層体500を造形ステージ121から簡単に分離することができる。

0068

また、本実施例の三次元造形物の製造方法は、積層体形成工程(ステップS140)の前に、有機膜600を形成面121aに形成する有機膜形成工程(ステップS130)を実行することができる。このため、予め有機膜600が形成されていない造形ステージ121を使用可能である。

0069

また、本実施例の三次元造形物の製造方法は、エネルギー付与工程(ステップS160)後に、三次元造形物の構成材料を焼結又は溶融させる加熱工程(ステップS170)を実行することができる。このため、エネルギー付与工程で脱脂した三次元造形物の積層体500を焼結又は溶融させることができる。

0070

なお、上記実施例の造形ステージ121は、形成面121aに構成材料よりも低い融点の有機膜600が形成されていたが、このような構成に限定されない。
ここで、図9及び図10は、上記実施例の造形ステージ121とは異なる構成の造形ステージ121を表す概略図であり、上記実施例の造形ステージ121における図7に対応する図である。

0071

図7で表される造形ステージ121は、多孔質に構成されているとともに、造形ステージ121上に層を積層して形成された三次元造形物の積層体500を脱脂や焼結する際、造形ステージ121側(下方向)からの除去材料(構成材料に含まれる溶媒やバインダーなど)の揮発の仕方と造形ステージ121上(上方向及び横方向)からの除去材料の揮発の仕方との差(すなわち収縮率の差)を小さくすることができる構成になっている。これは、多孔質に構成されている造形ステージ121の該多孔質に伴う孔に揮発成分(除去材料)が移動できることに基づく。さらには、該孔が繋がっており、例えば、図7における矢印などで表現されているように、形成面121a側(上側)から該形成面121a側とは異なる側(下側)に連通する場合、特に効果的に、造形ステージ121側(下方向)からと造形ステージ121上(上方向及び横方向)からとで、揮発の仕方の差を小さくすることができる。
ここで、図9で表される造形ステージ121も、図7で表される造形ステージ121と同様、形成面121a側(上側)から該形成面121a側とは異なる側(下側)に連通するよう多孔質に構成されている。

0072

ここで、図9で表される造形ステージ121は、図7で表される造形ステージ121と異なり、形成面121aに有機膜600が形成されていない。このような構成の場合、多孔質を構成するとともに形成面121aに形成される空孔の孔径が大きいと、脱脂や焼結を行う際、該空孔に三次元造形物の構成材料が入り込み該構成材料が拘束されたまま三次元造形物の積層体は収縮する。このため、脱脂や焼結に伴い三次元造形物の積層体が変形などする虞がある。
しかしながら、図9で表される造形ステージ121は、多孔質の空孔を構成するとともに形成面121aに形成される平均孔径を1μm以上5μm以下にしている。なお、平均孔径は、例えば、水銀圧入法などによって判断できる。平均孔径を1μm以上とすることで、造形ステージ121の下側から十分溶媒やバインダーなどを揮発させることができる。また、平均孔径を5μm以下とすることで、該空孔に三次元造形物の構成材料が入り込むことを抑制でき、脱脂や焼結を行う際、該空孔に三次元造形物の構成材料が拘束されたまま三次元造形物の積層体が収縮することを抑制できる。すなわち、図9で表される造形ステージ121は、造形ステージ121の下側から十分溶媒やバインダーなどが揮発できるとともに、脱脂や焼結に伴い三次元造形物の積層体が変形などすることを抑制できる構成になっている。

0073

なお、形成面121a側から該形成面121a側とは異なる側に連通するよう多孔質に構成されているか否かの判断は、例えば、形成面121a上にエタノールなどの液体を垂らし、形成面121aとは反対側の面などに該液体が浸みてくるかどうかを確認することなどによって実行することができる。

0074

また、図9で表される造形ステージ121は、図7で表される造形ステージ121と同様、上側から下側に連通するよう構成されているが、図10で表される造形ステージ121は、上側の形成面121a側における積層体500が設けられている領域から下側だけでなく、側面側及び形成面121a側における積層体500が設けられていない領域にも連通するよう構成されている。
図10で表される造形ステージ121のように、形成面121a側において積層体500が設けられている領域から該形成面121a側とは異なる側に連通するよう多孔質に構成されていてもよい。ここで、「異なる側」とは、形成面121a側において積層体500が設けられている部分を上側とした場合に、下側、側面側及び形成面121a側において積層体500が設けられていない領域の少なくとも一部分である。
このように、形成面121a側において積層体500が設けられている領域から、下側、側面側、形成面121a側における積層体500が設けられていない領域、の少なくとも1つが連通している構成が好ましい。
ただし、「多孔質」であれば、多くの孔があり、この多くの孔の中に揮発成分を逃がすことができるので、連通していない(形成面121a側における積層体500が設けられている領域から異なる側まで多孔質を構成する孔がつながっていない)構成であってもよい。

0075

本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

0076

50、50a、50b、50c、50d…構成層構成部、110…基台、
111…駆動装置、120…ステージ、121…造形ステージ、121a…形成面、
130…ヘッドベース支持部、300…支持層、310…構成層、
400…制御ユニット、410…ステージコントローラー、
500…三次元造形物の積層体、501、502及び503…層、600…有機膜、
650…恒温槽、730…ヘッドベース支持部、1100…ヘッドベース、
1200…構成材料供給装置、1210…構成材料供給ユニット、
1210a…構成材料収容部、1220…供給チューブ、1230…構成材料吐出部、
1230a…吐出ノズル、1230b…吐出駆動部、1400…ヘッドユニット、
1400a…保持治具、1401、1402、1403、1404…ヘッドユニット、
1500…材料供給コントローラー、1600…ヘッドベース、
1700…支持層形成用材料供給装置、1710…支持層形成用材料供給ユニット、
1710a…支持層形成用材料収容部、1720…供給チューブ、
1730…支持層形成用材料吐出部、1730a…吐出ノズル、
1730b…吐出駆動部、1900…ヘッドユニット、1900a…保持治具、
2000…形成装置(三次元造形物の製造装置)、M…材料(構成材料)

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