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技術 電動工具

出願人 株式会社マキタ
発明者 西宮岳志山本浩克
出願日 2016年8月5日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-154763
公開日 2018年2月8日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-020421
状態 特許登録済
技術分野 研削盤の構成部分、駆動、検出、制御 携帯用動力工具一般
主要キーワード インナフランジ 電動のこぎり 判定角度 機械的整流子 モータ駆動制御処理 切断砥石 姿勢変化量 角速度検出値
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月8日)のものです。
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図面 (5)

課題

電動工具被加工材から跳ね返されるキックバックを、電動工具本体の挙動から正確に検出できるようにする。

解決手段

電動工具は、モータと、モータを駆動する駆動回路と、駆動回路を介してモータの駆動を制御する制御部と、これら各部が収納され、モータにより回転駆動される先端工具を装着可能な装置本体と、装置本体の姿勢変化を検出するための検出部とを備える。制御部は、モータの駆動時に、検出部にて検出される前記装置本体の姿勢変化量が予め設定された閾値を越えると、装置本体が被加工材から跳ね返されたと判定して、モータの駆動を停止させる。

概要

背景

例えばグラインダのように、円板状の先端工具を回転させて被加工材を加工する電動工具においては、先端工具を回転させて被加工材に当接した際、被加工材から先端工具に反力が加わり、工具本体が被加工材から跳ね返されることがある。

こうした跳ね返り(以下、キックバックともいう)が発生すると、先端工具からモータに加わる負荷が急激に低下するため、モータの回転数急上昇する。そこで、従来では、モータの回転数の変化率閾値を越えたときに、電動工具が被加工材から跳ね返された(換言すればキックバックが発生した)と判断して、モータの駆動を停止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

電動工具が被加工材から跳ね返されるキックバックを、電動工具本体の挙動から正確に検出できるようにする。電動工具は、モータと、モータを駆動する駆動回路と、駆動回路を介してモータの駆動を制御する制御部と、これら各部が収納され、モータにより回転駆動される先端工具を装着可能な装置本体と、装置本体の姿勢変化を検出するための検出部とを備える。制御部は、モータの駆動時に、検出部にて検出される前記装置本体の姿勢変化量が予め設定された閾値を越えると、装置本体が被加工材から跳ね返されたと判定して、モータの駆動を停止させる。

目的

本開示の一局面は、電動工具が被加工材から跳ね返されるキックバックを、電動工具本体の挙動から正確に検出できるようにすることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

モータと、前記モータを駆動する駆動回路と、前記駆動回路を介して前記モータの駆動を制御する制御部と、前記モータ、前記駆動回路、及び前記制御部が収納され、前記モータにより回転駆動される先端工具を装着可能な装置本体と、前記装置本体の姿勢変化を検出するための検出部と、を備え、前記制御部は、前記モータの駆動時に、前記検出部にて検出される前記装置本体の姿勢変化量が予め設定された閾値を越えると、前記装置本体が被加工材から跳ね返されたと判定して、前記モータの駆動を停止させるように構成されている、電動工具

請求項2

前記検出部は、前記装置本体の姿勢変化量として、前記装置本体の1又は複数の軸方向への移動速度及び移動量の少なくとも一方を検出するよう構成され、前記制御部は、前記検出部にて検出された前記移動速度又は移動量が閾値を越えると、前記装置本体が被加工材から跳ね返されたと判定して、前記モータの駆動を停止させるように構成されている、請求項1に記載の電動工具。

請求項3

前記検出部は、前記装置本体の姿勢変化量として、前記装置本体の1又は複数の軸周りの回転速度及び回転量の少なくとも一方を検出するよう構成され、前記制御部は、前記検出部にて検出された前記回転速度又は回転量が閾値を越えると、前記装置本体が被加工材から跳ね返されたと判定して、前記モータの駆動を停止させるように構成されている、請求項1又は請求項2に記載の電動工具。

請求項4

前記制御部は、前記モータの駆動時に、前記先端工具から前記装置本体に加わる負荷が作業中判定用の閾値よりも大きいときに、当該電動工具は前記被加工材の加工作業中であると判定する判定部を備え、前記判定部が当該電動工具は前記被加工材の加工作業中であると判定しているときに、前記装置本体の姿勢変化量に基づき前記装置本体が前記被加工材から跳ね返されたか否かを判定するよう構成されている、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動工具。

請求項5

前記判定部は、前記負荷が作業開始判定用の閾値を越えてから、前記負荷が作業終了判定用の閾値を下回り、その後、一定の遅延時間が経過するまでの間、当該電動工具は前記被加工材の加工作業中であると判定するように構成されている、請求項4に記載の電動工具。

技術分野

0001

本開示は、先端工具を回転させて被加工材を加工するのに用いられる電動工具に関する。

背景技術

0002

例えばグラインダのように、円板状の先端工具を回転させて被加工材を加工する電動工具においては、先端工具を回転させて被加工材に当接した際、被加工材から先端工具に反力が加わり、工具本体が被加工材から跳ね返されることがある。

0003

こうした跳ね返り(以下、キックバックともいう)が発生すると、先端工具からモータに加わる負荷が急激に低下するため、モータの回転数急上昇する。そこで、従来では、モータの回転数の変化率閾値を越えたときに、電動工具が被加工材から跳ね返された(換言すればキックバックが発生した)と判断して、モータの駆動を停止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0004

特公昭64−6898号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、モータに加わる負荷は、電動工具が被加工材から跳ね返されたときに限らず、例えば、被加工材が切断されて先端工具が被加工材から開放されたときや、使用者が電動工具を被加工材から離したときにも、急激に低下する。

0006

このため、上記のようにモータの回転数の変化率からキックバックを検出するようにすると、キックバックを誤検出する確率が高くなり、キックバックが発生していないにもかかわらず、モータの駆動が停止されて、使用者に違和感を与えることが考えられる。

0007

本開示の一局面は、電動工具が被加工材から跳ね返されるキックバックを、電動工具本体の挙動から正確に検出できるようにすることを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本開示の一局面の電動工具は、モータと、モータを駆動する駆動回路と、駆動回路を介してモータの駆動を制御する制御部と、装置本体とを備える。装置本体は、モータ、駆動回路、及び制御部を収納し、モータにより回転駆動される先端工具を装着できるように構成されている。

0009

また、電動工具には、装置本体の姿勢変化を検出するための検出部が備えられており、制御部は、モータの駆動時に、検出部にて検出される装置本体の姿勢変化量が予め設定された閾値を越えると、装置本体が被加工材から跳ね返されたと判定する。

0010

つまり、制御部は、モータの回転数ではなく、装置本体の姿勢変化から、装置本体が被加工材から跳ね返されたこと(キックバック)を検出する。そして、制御部は、キックバックを検出すると、モータの駆動を停止させる。

0011

このため、本開示の電動工具によれば、モータの回転数の変化率からキックバックを検出する従来装置に比べて、キックバックの検出精度を高めることができる。よって、キックバックを誤検出してモータの駆動を停止し、使用者に違和感を与えるのを抑制できる。

0012

ここで、検出部は、装置本体の姿勢変化量として、装置本体の1又は複数の軸方向への移動速度及び移動量の少なくとも一方を検出するよう構成されていてもよい。
この場合、制御部は、検出部にて検出された移動速度又は移動量が閾値を越えると、装置本体が被加工材から跳ね返された(換言すればキックバックが発生した)と判定して、モータの駆動を停止させるように構成されていてもよい。

0013

このようにすれば、制御部は、装置本体が所定の軸方向に、高速で、或いは、短時間で大きく、移動したときに、キックバックを検出して、モータの駆動を停止させることができる。

0014

また、検出部は、装置本体の姿勢変化量として、装置本体の1又は複数の軸周りの回転速度及び回転量の少なくとも一方を検出するよう構成されていてもよい。
この場合、制御部は、検出部にて検出された回転速度又は回転量が閾値を越えると、装置本体が被加工材から跳ね返された(換言すればキックバックが発生した)と判定して、モータの駆動を停止させるように構成されていてもよい。

0015

このようにすれば、制御部は、装置本体が所定の軸周りに、高速で、或いは、短時間で大きく、回転したときに、キックバックが発生したと判定して、モータの駆動を停止させることができる。

0016

また次に、制御部は、モータの駆動時に、先端工具から装置本体に加わる負荷が作業中判定用の閾値よりも大きいときに、当該電動工具は被加工材の加工作業中であると判定する判定部を備えていてもよい。

0017

この場合、制御部は、判定部が被加工材の加工作業中であることを判定しているときに、装置本体の姿勢変化量に基づき装置本体が被加工材から跳ね返されたか否か(換言すれば、キックバックが発生したか否か)を判定するよう構成されていてもよい。

0018

このようにすれば、制御部がキックバックの発生を判定する期間を、電動工具が被加工材の加工作業中であり、キックバックが発生する可能性があるときに制限することができる。従って、この場合、キックバックが発生することのない条件下でキックバックが誤検出されるのを抑制し、キックバックの検出精度を高めることができる。

0019

ところで、被加工材の加工作業中にキックバックが発生したときには、先端工具からモータ、延いては装置本体に加わる負荷が低下する。
このため、キックバックの判定期間を、単に、先端工具から装置本体に加わる負荷が閾値よりも大きいときに設定すると、キックバックにより負荷が急峻に低下した際、キックバックを検出する前に判定期間が経過し、キックバックを検出できないことも考えられる。

0020

そこで、判定部は、負荷が作業開始判定用の閾値を越えてから、負荷が作業終了判定用の閾値を下回り、その後、一定の遅延時間が経過するまでの間、当該電動工具は前記被加工材の加工作業中であると判定するように構成されていてもよい。

0021

このようにすれば、判定部の判定動作によって設定されるキックバック判定期間を、キックバックの発生に伴い負荷が低下する期間を含むように設定することができるようになり、キックバックの検出精度をより高めることができる。

0022

なお、上記のようにキックバックの判定期間を設定するための負荷は、先端工具からモータの回転トルク、モータに流れる電流、モータの回転数、等から検出することができるし、装置本体に発生する振動等から検出することもできる。

図面の簡単な説明

0023

実施形態のグラインダの構成を表す外観図である。
グラインダの駆動系全体の構成を表すブロック図である。
制御回路にて実行されるモータ駆動制御処理を表すフローチャートである。
キックバック判定期間を説明するタイムチャートである。

実施例

0024

以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態では、本開示の電動工具として、グラインダを例にとり説明する。
図1に示すように、本実施形態のグラインダ2の本体部分(装置本体)は、モータハウジング4とギヤハウジング6とリヤカバー8とを主体として構成されている。

0025

モータハウジング4は、略円筒形状のハウジングであり、モータ20を収容している。モータ20は、回転軸がモータハウジング4の中心軸と平行になるようにモータハウジング4内に収納されており、その回転軸の一端はギヤハウジング6側に突出されている。

0026

そして、モータ20の回転軸は、ギヤハウジング6内に設けられたギヤ機構を介して、ギヤハウジング6から外部に突出されたスピンドル12に連結されている。
スピンドル12は、中心軸がモータ20の回転軸と直交するよう、ギヤハウジング6内に回転可能に設けられており、ギヤハウジング6内のギヤ機構は、モータ20の回転をスピンドル12の回転に変換するよう、ベベルギヤ等を用いて構成されている。なお、ギヤ機構は、一般的なグラインダと同様の構成であるため、ここでは詳細な説明は省略する。

0027

次に、ギヤハウジング6から突出されたスピンドル12には、円板状の先端工具16を位置決め固定するためのインナフランジ14が設けられている。スピンドル12のインナフランジ14よりも更に先端側には、インナフランジ14との間で先端工具16を挟持するためのロックナット18が螺合されている。

0028

このため、インナフランジ14とロックナット18との間に、先端工具16を設け、ロックナット18をインナフランジ14側に締め付けることで、先端工具16をしっかりと固定できるようになる。

0029

なお、本実施形態のグラインダ2においては、先端工具16として、研削砥石切断砥石ワイヤブラシ、等を利用でき、グラインダ2には、この先端工具16を着脱自在に装着可能である。

0030

また、ギヤハウジング6において、スピンドル12の突出部分周囲には、研削研磨、切断等の作業時に生じる被加工材や先端工具16の破片飛散から使用者を保護するためのホイールカバー19が固定されている。

0031

また、ギヤハウジング6の側壁には、使用者が手で把持するためのグリップ外付けできるように、グリップ装着用の孔7が設けられている。
次に、リヤカバー8は、モータハウジング4のギヤハウジング6とは反対側に設けられており、ギヤハウジング6とは反対側の後端からは、交流電源10(図2参照)である商用電源から電力供給を受けるための電源コード9が引き出されている。

0032

なお、電源コード9は、先端に、交流電源10のコンセント接続可能な電源プラグを備え、その電源プラグをコンセントに差し込むことで、交流電源10からグラインダ2に交流電力を供給できるようになっている。

0033

また、リヤカバー8内には、交流電源10から供給される交流電力にてモータ20を駆動制御するためのコントローラ50が収納されている。そして、モータハウジング4の側壁には、電源コード9からコントローラ50(延いてはモータ20)に電力供給を行うための通電経路導通遮断するための操作スイッチ30が設けられている。

0034

なお、コントローラ50は、図2に示す各種回路部品回路基板実装することにより構成されており、図1においては、この回路基板をコントローラ50として記載している。

0035

次に、操作スイッチ30は、図2に示すように、交流電源10とコントローラ50(延いてはモータ20)を接続する2つの通電経路にそれぞれ設けられて、その通電経路を導通・遮断する一対の接点32、34を備える。

0036

そして、使用者は、モータハウジング4の外に露出した操作スイッチ30の操作部をスライドさせることで、これら各接点32、34を略同時にオンオフさせることができる。

0037

モータ20は、電機子に流れる電流を回転位相に応じて切り替え回転モーメントを一定方向に保つための機械的整流子ブラシを有する整流子電動機(所謂ブラシ付きモータ)である。

0038

そして、本実施形態では、電機子22と界磁巻線24、26とが直列に接続されて交流でも直流でも駆動可能な単相直巻整流子電動機(所謂ユニバーサルモータ)が使用されている。

0039

コントローラ50には、モータ20の両端を操作スイッチ30の各接点32、34に接続するための通電経路が設けられており、接点32とモータ20とを接続する通電経路には、双方向サイリスタ52及び抵抗57が設けられている。

0040

この抵抗57は、モータ20に流れる電流(モータ電流)を検出するためのものであり、抵抗57には、その両端電圧からモータ電流を検出する電流検出回路58が接続されている。

0041

双方向サイリスタ52は、電流駆動型半導体素子であり、本実施形態では、操作スイッチ30がオン状態であるとき、制御回路80からの指令に従いオン・オフ状態が切り替えられて、モータ20への通電電流を制御するスイッチング素子として利用される。

0042

コントローラ50には、双方向サイリスタ52を駆動するための駆動回路60、操作スイッチ30の操作状態を検出するためのスイッチ検出回路54、及び、交流電源10から供給される交流電圧ゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路56が備えられている。

0043

スイッチ検出回路54は、操作スイッチ30の接点34とモータ20との間の通電経路の電圧変化から操作スイッチ30がオン状態になったことを検出するよう構成されている。

0044

また、ゼロクロス検出回路56は、操作スイッチ30の接点34の交流電源10側の通電経路に接続され、その経路の電圧変化から、交流電圧のゼロクロス点を検出するよう構成されている。

0045

スイッチ検出回路54、ゼロクロス検出回路56、電流検出回路58、及び、駆動回路60は、制御回路80に接続されている。また、制御回路80には、使用者により操作される速度設定部42や、グラインダ2の状態を表示する表示部44も接続されている。

0046

制御回路80は、本開示の制御部に相当するものであり、CPU、ROM、RAM等を含むMCU(Micro Controller Unit)にて構成されている。
そして、制御回路80は、操作スイッチ30がオン状態であるとき、速度設定部42を介して設定された駆動速度に応じて、ゼロクロス検出回路56にて検出されるゼロクロス点から双方向サイリスタ52をオンさせる迄の時間を調整することで、モータ電流を制御する。また、制御回路80は、グラインダ2の動作状態を表示部44に表示する。

0047

なお、駆動回路60は、制御回路80から出力される制御信号に応じて双方向サイリスタ52のゲートに電流を流し、双方向サイリスタ52をオン状態にして、モータ20に電流を流すように構成されている。このため、制御回路80は、駆動回路60を介して、モータ20に流れる電流を制御することができる。

0048

また、コントローラ50には、制御回路80を始めとする内部回路を駆動するための電源電圧直流電圧)Vccを生成するための電源回路70が設けられている。この電源回路70は、操作スイッチ30がオフ状態であっても制御回路80が動作可能となるよう、交流電源10から直接電力供給を受けて動作する。

0049

つまり、電源回路70は、操作スイッチ30の接点32が接続される交流電源10の一端側の通電経路に接続されたツェナーダイオード71、コンデンサ72及び抵抗73を備える。また、これら各部の他端は、抵抗74及びダイオード76を介して、操作スイッチ30の接点34が接続される交流電源10の他端側の通電経路に接続されている。

0050

ツェナーダイオード71は、自身の降伏電圧にて電源電圧Vccを生成するものであり、カソードが、コントローラ50内の電源ラインに接続されると共に、交流電源10と接点32との間の通電経路に接続されている。また、ツェナーダイオード71のアノードは、コントローラ50のグラウンドラインに接続されている。

0051

なお、コンデンサ72は、ツェナーダイオード71に並列接続されて、電源電圧Vccを安定化させるためのものである。抵抗73は、電源コード9が交流電源10から抜かれた後に、コンデンサ72に蓄積された電荷を抜くためものである。

0052

また、ダイオード76は、アノードが抵抗74を介して、ツェナーダイオード71のアノード側(つまりグラウンドライン)に接続され、カソードが、交流電源10と接点34との間の通電経路に接続されている。

0053

このため、ダイオード76は、交流電源10から電源回路70に流れ込む電流を一方向に制限する整流回路として機能する。なお、抵抗74は、交流電源10の出力電圧から、ツェナーダイオード71の降伏電圧とダイオード76の順方向電圧とを差し引いた電圧変化を吸収するためのものである。

0054

また、モータ20は整流子電動機であり、モータ20の回転に応じてブラシが接触する機械的整流子が切り変わるため、交流電源10の周波数よりも高い高周波雑音が発生する。このため、交流電源10からコントローラ50に至る2つの通電経路間には、その雑音を吸収するためのコンデンサ40が設けられている。

0055

このように構成された本実施形態のグラインダ2は、使用者が、装置本体であるモータハウジング4等を把持した状態で、操作スイッチ30を操作すれば、制御回路80の制御の下に、モータ20が駆動されて、先端工具16が回転する。

0056

この状態で、先端工具16を被加工材の加工位置に当接させれば、先端工具16により被加工材を加工することができるが、先端工具16の当接時には被加工材から装置本体に反力が加わることから、その反力によって装置本体が跳ね返されることがある。

0057

装置本体が跳ね返されると(換言すれば、キックバックが発生すると)、先端工具16が被加工材周囲の部材に当たって破損することがあるので、制御回路80は、モータ20の駆動時にキックバックの発生を自動で検出して、モータ20を停止させる。

0058

そして、本実施形態では、キックバックを装置本体の姿勢変化から検出できるように、コントローラ50には、加速度センサ82及び角速度センサ84が設けられており、これら各センサ82、84からの検出信号も制御回路80に入力される。

0059

加速度センサ82は、装置本体において互いに直交する3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の加速度を検出可能な3軸加速度センサにて構成されている。また、角速度センサ84は、3軸(X軸、Y軸、Z軸)周りの角速度(例えば、ピッチロール、ヨー)を検出可能な3軸角速度センサにて構成されている。

0060

また、これら各センサ82、84は、例えば、モータ20の回転中心軸がX軸、スピンドル12の回転中心軸がY軸、これらの軸に直交する方向がZ軸となるよう、コントローラ50に組み付けられている。

0061

但し、加速度センサ82及び角速度センサ84は、キックバック発生時の装置本体の姿勢変化を検出できればよいので、コントローラ50と一体的に組み付ける必要はなく、装置本体を構成するモータハウジング4やギヤハウジング6に組み付けられていてもよい。また、加速度センサ82及び角速度センサ84は、必ずしも3軸センサでなくてもよく、2軸或いは1軸センサであってもよい。

0062

次に、制御回路80において、モータ20を駆動するために実行されるモータ駆動制御処理について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
モータ駆動制御処理は、制御回路80においてメインルーチンの一つとして繰り返し実行される処理であり、まずS110(Sはステップを表す)にて、操作スイッチ30がオン状態であるか否かを判断する。

0063

そして、操作スイッチ30がオン状態であれば、後述する処理にてキックバック発生時にセットされるエラーフラグがセットされているか否かを判断することで、グラインダ2はエラー状態であるか否かを判断する。

0064

S120にて、エラーフラグがセットされていて、グラインダ2はエラー状態であると判断されると、S110に移行し、グラインダ2はエラー状態ではないと判断されると、S130に移行する。

0065

S130では、加速度センサ82から入力される3軸方向の加速度検出信号フィルタ処理することで、加速度検出信号から重力加速度成分を除去し、S140に移行する。なお、S130のフィルタ処理は、例えば、カットオフ周波数が1〜10Hz程度のハイパスフィルタとして実行される。

0066

次に、S140では、電流検出回路58にて検出されるモータ電流が予め設定された「閾値1」を越えているか否かを判断し、モータ電流が「閾値1」を越えていれば、S150に移行して、その状態が設定時間「t1」以上経過しているか否かを判断する。

0067

S150にて、モータ電流が「閾値1」を越えた状態が設定時間「t1」以上経過していると判断されると、現在、先端工具16からモータ20に加わる負荷が大きく、被加工材の加工作業中であるものと判断して、S160に移行する。そして、S160では、作業中フラグをセットし、S210に移行する。

0068

また、S150にて、モータ電流が「閾値1」を越えた状態が設定時間「t1」以上経過していないと判断された場合には、S170に移行して、作業中フラグを現在設定されている状態に保持し、S210に移行する。

0069

一方、S140にて、モータ電流は「閾値1」を越えていないと判断された場合には、S180に移行して、モータ電流は「閾値2」未満であるか否かを判断する。
図4に示すように、「閾値2」には、「閾値1」よりも小さい電流値が設定されており、S180では、モータ電流から、先端工具16からモータ20に加わる負荷が、被加工材の加工作業中よりも低くなっているかを判定している。

0070

そして、S180にて、モータ電流は「閾値2」未満であると判断されると、S190に移行して、その状態が設定時間「t2」以上経過しているか否かを判断し、設定時間「t2」以上経過していれば、S200に移行する。また、S200では、作業中フラグをクリアし、S210に移行する。

0071

また、S180にて、モータ電流は「閾値2」以上であると判断された場合、或いは、S190にて、設定時間「t2」以上経過していないと判断された場合には、S170に移行して、作業中フラグを現在設定されている状態に保持し、S210に移行する。

0072

ここで、「閾値1」は、モータ20の駆動開始後、被加工材の加工のために先端工具16が被加工材に当接されて、先端工具16からモータ20に加わる負荷が上昇したことを、モータ電流に基づき判定するためのものであり、本開示の作業開始判定用の閾値である。

0073

また、「閾値2」は、グラインダ2による被加工材の加工が開始されてから、先端工具16が被加工材から離され、先端工具16からモータ20に加わる負荷が低下したことを、モータ電流に基づき判定するためのものであり、本開示の作業終了判定用の閾値である。

0074

そして、S140〜S200では、図4に示すように、モータ電流が「閾値1」よりも大きくなって、その状態が設定時間「t1」以上経過すると、作業中フラグをセットし、現在被加工材の加工作業中であることを記憶する。

0075

また、作業中フラグを一旦セットすると、モータ電流が「閾値2」を下回り、その後、一定の遅延時間(つまり、設定時間「t2」)が経過するまでの間、作業中フラグのセット状態を保持し、設定時間「t2」が経過すると、作業中フラグをクリアする。なお、本実施形態において、S140〜S200の処理は、本開示の判定部に相当する。

0076

作業中フラグは、キックバック判定期間を規定するためのものであり、S210では、作業中フラグがセットされているか否かを判断することにより、現在、キックバック判定期間であるか否かを判断する。

0077

S210にて、作業中フラグはセットされていないと判断されると、現在キックバック判定期間ではないので、S220〜S240に移行し、後述の処理でキックバックの判定に用いられる各種積分値リセットする。

0078

具体的には、S220では、後述のS260にて算出される加速度検出値の積分値である移動速度を初期値(0)に設定し、S230では、後述のS270にて算出される移動速度の積分値である移動量を初期値(0)に設定する。また、S240では、後述のS280にて算出される角速度検出値の積分値である回転角度を初期値(0)に設定する。

0079

そして、S220〜S240の処理実行後は、S250に移行して、モータ20を駆動し、S110に移行する。
次に、S210にて作業中フラグがセットされていると判断された場合には、グラインダ2の姿勢変化からグラインダ2が被加工材から跳ね返されたか否か(換言すれば、キックバックが発生したか否か)を判定するために、S260に移行する。

0080

S260では、加速度センサ82にて検出された3軸方向の加速度の検出値をそれぞれ積分することで、装置本体の各軸方向の移動速度を検出し、続くS270では、その移動速度をそれぞれ積分することで、装置本体の各軸方向の移動量を検出する。

0081

また続くS280では、角速度センサ84にて検出された3軸周りの角速度の検出値をそれぞれ積分することで、装置本体の各軸周りの回転量(換言すれば、回転角度)を検出し、S290に移行する。

0082

S290では、S260及びS270にて検出した各軸方向の移動速度又は移動量の少なくとも一つが、キックバックを判定するために予め設定されたキックバック判定値(詳しくは、判定速度又は判定移動量)よりも大きいか否かを判断する。

0083

S290にて、各軸方向の移動速度又は移動量の少なくとも一つがキックバック判定値よりも大きいと判断されると、装置本体の姿勢変化が大きく、グラインダ2が被加工材から跳ね返されるキックバックが発生したと判断して、S310に移行する。

0084

一方、S290にて、各軸方向の移動速度及び移動量が全てキックバック判定値以下であると判断された場合には、各軸方向の移動速度又は移動量ではキックバックは検出できなかったと判断して、S300に移行する。

0085

そして、S300では、角速度センサ84にて検出された各軸周りの加速度又はS280にて検出された各軸周りの回転角度の少なくとも一つが、予め設定されたキックバック判定値(詳しくは、判定角速度又は判定角度)よりも大きいか否かを判断する。

0086

S300にて、各軸回りの角速度又は回転角度の少なくとも一つがキックバック判定値よりも大きいと判断されると、装置本体の姿勢変化が大きく、グラインダ2が被加工材から跳ね返されるキックバックが発生したと判断して、S310に移行する。

0087

S310では、キックバックが発生したと判断されているので、エラーフラグをセットし、続くS320にて、モータ20の駆動を停止した後、S110に移行する。
また、S300にて、各軸回りの角速度及び回転角度が全てキックバック判定値以下であると判断されると、各軸回りの角速度又は回転角度でもキックバックは検出できなかった(換言すれば、キックバックは発生していない)と判断して、S250に移行する。そして、S250では、上記のようにモータを駆動し、S110に移行する。

0088

次に、S110にて、操作スイッチ30はオン状態ではない(つまり、オフ状態である)と判断されると、モータ20を駆動する必要はないので、S330に移行して、作業中フラグをクリアする。

0089

また、続くS340〜S360では、上述したS220〜S240と同様、キックバックの判定に用いられる各種積分値をそれぞれリセットし、S370に移行する。そして、S370では、エラーフラグをクリアし、続くS380にて、モータ20の駆動を停止した後、S110に移行する。

0090

以上説明したように、本実施形態のグラインダ2においては、制御部としての制御回路80が、モータ20の回転数ではなく、グラインダ2の装置本体の姿勢変化から、グラインダ2が被加工材から跳ね返されたこと(つまりキックバック)を検出する。そして、制御回路80は、キックバックを検出すると、モータ20の駆動を停止させる。

0091

このため、本実施形態のグラインダ2によれば、モータ20の回転数の変化率からキックバックを検出する従来装置に比べて、キックバックの検出精度を高めることができる。よって、キックバックを誤検出してモータ20の駆動を停止し、使用者に違和感を与えるのを抑制できる。

0092

また、本実施形態では、加速度センサ82及び角速度センサ84を用いて、3軸方向の移動速度及び移動量、3軸周りの角速度及び回転角度を検出し、これら各パラメータの何れか一つがキックバック判定値を越えると、キックバックを検出するようにされている。

0093

このため、本実施形態のグラインダ2によれば、キックバックが発生した際、装置本体の姿勢変化から、より確実にキックバックを検出できるようになる。
また、制御回路80は、モータ20の駆動時に、先端工具16から装置本体に加わる負荷をモータ電流にて検出し、モータ電流が作業開始判定用の「閾値1」を越えて一定時間「t1」が経過すると、作業中フラグをセットして、キックバックの判定を開始させる。

0094

そして、その後、モータ電流が作業終了判定用の「閾値2」を下回り、その後、一定の遅延時間「t2」が経過すると、作業中フラグをリセットして、キックバックの判定を終了させる。

0095

このため、本実施形態では、キックバックの判定期間を、モータ20の駆動によりキックバックが発生する可能性のある期間に制限することができ、キックバックが発生することのない条件下でキックバックが誤検出されるのを抑制することができる。

0096

特に、本実施形態では、モータ電流が作業終了判定用の「閾値2」を下まわってから、一定の遅延時間「t2」が経過するまで、キックバックの判定を実施するようになっている。

0097

このため、キックバックの発生に伴い、モータ20に加わる負荷が急峻に低下して、モータ電流が「閾値2」を下まわったとしても、その後検出される装置本体の姿勢変化から、キックバックを検出できるようになり、キックバックの検出精度を高めることができる。

0098

以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、キックバックを検出するために、加速度センサ82及び角速度センサ84を用いて3軸方向の移動速度及び移動量、3軸周りの角速度及び回転角度をそれぞれ検出するものとして説明した。

0099

しかし、装置本体が被加工材から跳ね返される方向や、その跳ね返りにより生じる装置本体の回転方向は、電動工具の種類や作業内容によって特定できることから、その移動方向や回転方向に応じて、キックバック検出用のパラメータを設定するようにしてもよい。

0100

つまり、キックバック検出用のパラメータとして、上述した3軸方向の移動速度及び移動量、3軸周りの角速度及び回転角度の中から、電動工具のキックバックの検出に適したパラメータを適宜選択して検出するようにしてもよい。

0101

また、上記実施形態では、キックバック判定期間を、電流検出回路58にて検出されるモータ電流に基づき設定するものとして説明したが、キックバック判定期間は、被加工材の加工作業中に先端工具16から装置本体に加わる負荷に基づき設定できればよい。

0102

そして、先端工具16から装置本体に加わる負荷は、モータ電流に限らず、モータ20の回転トルクや、モータ20の回転数(回転変動)、等から検出することもできるし、装置本体に発生する振動等から検出することもできる。このため、キックバック判定期間は、これら各パラメータと作業中判定用の閾値とを比較することで設定するようにしてもよい。

0103

一方、上記実施形態ではグラインダ2を例にとり説明したが、本開示の電動工具は、被加工材の加工時に被加工材からの反力により被加工材から跳ね返される電動工具であれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、例えば、切断用回転刃を備えた電動のこぎり電動チェンソー等であってもよい。

0104

また、上記実施形態のグラインダ2は交流駆動式であるが、本開示の電動工具は、充電可能なバッテリから電力供給を受けて動作する充電式の電動工具であってもよい。
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。

0105

2…グラインダ、4…モータハウジング、6…ギヤハウジング、8…リヤカバー、9…電源コード、10…交流電源、12…スピンドル、14…インナフランジ、16…先端工具、18…ロックナット、19…ホイールカバー、20…モータ、30…操作スイッチ、40…コンデンサ、42…速度設定部、44…表示部、50…コントローラ、52…双方向サイリスタ、54…スイッチ検出回路、56…ゼロクロス検出回路、57…抵抗、58…電流検出回路、60…駆動回路、70…電源回路、80…制御回路、82…加速度センサ、84…角速度センサ。

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