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技術 細径内視鏡手術器具

出願人 山本英博
発明者 山本英博
出願日 2016年8月2日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-151724
公開日 2018年2月8日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-019815
状態 特許登録済
技術分野 手術用機器 内視鏡 注入、注射、留置装置
主要キーワード 通電器 通電体 処理パイプ 挟持器具 電気的絶縁処理 鰐口クリップ 電気絶縁処理 ジョイント機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

簡単な構成で、組織把持や固定ができ、組織の電気焼灼電気凝固切除授動、分離、牽引を行い、さらに、手術中にフックにこびりついた凝血塊等の除去や、生体病理検査用の試料の取り出しができる内視鏡手術器具を提供する。

解決手段

使用する細径内視鏡10と同じ外径を有し、細径内視鏡手術器具を体内に挿入する際に使用し、挿入後には細径内視鏡10と置き換えられる内管20と、細径内視鏡または内管が挿入され、それらを軸方向に移動可能な状態で支持するガイドパイプ30と、ガイドパイプが挿入され、それを軸方向に移動可能な状態で支持する処理パイプで、その先端部に電極、刃、フック等の処理手段を有する処理パイプ40とから成り、細径内視鏡、内管、ガイドパイプ、及び、処理パイプが、各々その近端部に独立した操作部を有し、これらにより、各々の軸方向の位置と回転角度を変えうる細径内視鏡手術器具。

概要

背景

内視鏡を用いた手術、いわゆる、内視鏡手術においては、従来、メス鉗子凝固用電極等の処置器具類と内視鏡とは異なった皮膚切開孔から挿入していた。その挿入のため少なくとも2カ所の皮膚切開孔が必要であり、処理の種類によっては3カ所以上の皮膚切開孔を設ける必要があった。しかし、患者の負担を軽減し、術後の早期回復を図るためには、皮膚切開孔の数は少ないほど良く、皮膚切開孔の大きさは小さいほどよい。
なお、以下の説明で、この種類の内視鏡手術器具を「従来型内視鏡手術器具」と言う。

この従来型内視鏡手術器具の有する問題を解決する方法として、特許文献1には、内視鏡を内装した筒状の処理器具を1カ所の皮膚切開孔から体内に挿入し、その内視鏡で手術部位を観察しつつ筒状の処理器具で電気焼灼電気凝固切開などの処置を行える内視鏡通電器具が示されている。筒状の処理器具はその先端部を電極として使用し、その筒部を電極への通電体として使用して電気焼灼や電気凝固を行うと共に、その先端部形状を刃状、あるいは、針状に形成することにより、切開等の処理を行うことができる。

さらに、この内視鏡通電器具は内視鏡がその中を通過しうる内径を有し、内視鏡は筒の軸方向に移動可能に支持されることにより、筒状の処理器具の先端と内視鏡の先端の相対的な位置が可変となり、手術の目的部探索時には内視鏡を筒状の処理器具の先端部から突出させて広い視野で体内を観察し、手術時には内視鏡を筒状の処理器具内に引き込み目的部位と電極等の両方に焦点を合わせることが可能である。この装置では、内視鏡と処理器具を一体として挿入することにより、皮膚切開孔は1カ所で足り、さらなる皮膚切開孔を必要としないのが特徴である。

非特許文献1には、この器具を用いた手術の詳細と手術結果が示されている。

また、特許文献2では、特許文献1の内視鏡通電器具に牽引部を設けて、手術を妨げたり、視野を妨害する繊維状組織などを、牽引して移動したり、切断したりすることができる交感神経遮断術に適した装置を示している。

これらの文献に示された内視鏡通電器具は、皮膚切開孔が1カ所で済み、細径内視鏡を使用することにより皮膚切開孔の大きさも小さくできるので、患者の負担を大幅に軽減し、術後の早期回復を図ることに貢献できる。

しかし、これらの内視鏡通電器具では、組織把持したり、組織を固定したりすることができないので、手術中に切開用の刃に刺さってしまった組織を刃から取り外したり、切開用の刃にくっついた凝血塊を体外に器具を抜き出すことなく取り外したり、切開した組織片をつかんで外に取り出して生体病理検査に利用することができない。

なお、従来型内視鏡手術器具では、遠隔操作の鉗子等の挟持器具を挿入して組織を把持したり、切開した組織の細片を体外に取り出して生体病理検査に利用することができた。しかし、そのためには鉗子等の挟持器具を挿入するための別の皮膚切開孔が必要になるだけではなく、通常の遠隔操作の鉗子等の挟持器具ではその挟持片を相対的に動かすための止めピン等のジョイント機構や挟持片を動かす駆動手段などの細かな部品が数多く使われ、部品点数が増えることにより、それらが体内で破損して脱落してしまう可能性が高くなる。ちなみに、これらの細かな部品が体内で脱落してしまうと、X線撮影でその存在が外部からは確認できても、内視鏡を使ってその位置を確認することは極めて難しいので、その取り出しは内視鏡手術器具を用いても不可能なことが多い。

また、多くの従来型内視鏡手術器具は、先端の形状が鋭利な器具や先端の形状が複雑な器具を体内に挿入する必要があり、それらを挿入するに際し、周りの組織を損傷したり、無理な力がかかって器具の先端を変形させたりして、スムースに挿入することが困難なことがあった。また、挿入中はどこまで到達しているかの判断が難しいことがあった。

概要

簡単な構成で、組織の把持や固定ができ、組織の電気焼灼、電気凝固、切除授動、分離、牽引を行い、さらに、手術中にフックにこびりついた凝血塊等の除去や、生体病理検査用の試料の取り出しができる内視鏡手術器具を提供する。使用する細径内視鏡10と同じ外径を有し、細径内視鏡手術器具を体内に挿入する際に使用し、挿入後には細径内視鏡10と置き換えられる内管20と、細径内視鏡または内管が挿入され、それらを軸方向に移動可能な状態で支持するガイドパイプ30と、ガイドパイプが挿入され、それを軸方向に移動可能な状態で支持する処理パイプで、その先端部に電極、刃、フック等の処理手段を有する処理パイプ40とから成り、細径内視鏡、内管、ガイドパイプ、及び、処理パイプが、各々その近端部に独立した操作部を有し、これらにより、各々の軸方向の位置と回転角度を変えうる細径内視鏡手術器具。

目的

国際公開番号WO2000/016707
特開2007−089690号公報




Hidehiro Yamamoto,MD.他著、The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery誌、2000年、Volume120、Page276−279






解決しようとする課題は、ジョイント機構やその駆動手段などを使わない部品点数の少ない簡単な構成で、特許文献1等に示された内視鏡手術器具が有する機能に加えて、組織の把持や固定の機能を有するので、刃に刺さってしまった組織を取り外したり、刃に付着した凝血塊を取り外すことができ、切開した組織片をつかんで外に取り出して生体病理検査に利用することができ、挿入に際しては操作がスムースに行われ、周りの組織を損傷したり器具の先端を変形させたりすることがなく、また、挿入中に器具の先端がどこまで到達しているかの判断が容易な内視鏡手術器具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

細径内視鏡を挿入して使用する細径内視鏡手術器具であって、使用する該細径内視鏡の管部分と同じ外径を有し、該細径内視鏡手術器具を体内に挿入する際に使用し、挿入後には細径内視鏡と置き換えられる内管と、該細径内視鏡、あるいは、該内管が挿入され、それらを軸方向に移動可能な状態で支持するガイドパイプと、該ガイドパイプが挿入され、該ガイドパイプを軸方向に移動可能な状態で支持する処理パイプであって、その先端部に電極、刃、フック等の処理手段を有する処理パイプとから成り、該細径内視鏡、該内管、該ガイドパイプ、及び、該処理パイプが、各々その近端部、すなわち、該細径内視鏡を用いて手術をする際に患者の体外に在る部分に独立した操作部を有し、該操作部を用いて操作することにより、各々の軸方向の位置、及び、必要に応じ各々の回転角度を変えうる、同軸、かつ、多重管構造の細径内視鏡手術器具。

請求項2

請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、前記処理パイプの先端部に、該処理パイプの一部を切り取った形状のフックを有し、該フックの先端の該処理パイプの近端部側が該処理パイプの軸方向にほぼ垂直な面内にあり、かつ、その部分に刃を設けた細径内視鏡手術器具。

請求項3

請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、前記処理パイプの先端部が電極を成し、該処理パイプのパイプ自体が該電極に電気を送る通電部を成し、該処理パイプの体内に挿入される部分は電極を除いてその外面に電気的絶縁処理が施されている細径内視鏡手術器具。

請求項4

請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、前記内管の先端部が丸みを帯びた形状に研磨されており、該内管を通して、生理的食塩水、あるいは、空気を送り込む装置を備えている細径内視鏡手術器具。

請求項5

請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、前記ガイドパイプがその先端部近くに、該ガイドパイプの内外を貫通するスリットを有する細径内視鏡手術器具。

技術分野

0001

本発明は、胸腔内交感神経切除手術のように、体腔内において小さい組織を対象に切除授動(組織を動かす行為)、分離、牽引摘出電気焼灼電気凝固、等を行う手術に用いる内視鏡手術器具に関するものである。

背景技術

0002

内視鏡を用いた手術、いわゆる、内視鏡手術においては、従来、メス鉗子凝固用電極等の処置器具類と内視鏡とは異なった皮膚切開孔から挿入していた。その挿入のため少なくとも2カ所の皮膚切開孔が必要であり、処理の種類によっては3カ所以上の皮膚切開孔を設ける必要があった。しかし、患者の負担を軽減し、術後の早期回復を図るためには、皮膚切開孔の数は少ないほど良く、皮膚切開孔の大きさは小さいほどよい。
なお、以下の説明で、この種類の内視鏡手術器具を「従来型内視鏡手術器具」と言う。

0003

この従来型内視鏡手術器具の有する問題を解決する方法として、特許文献1には、内視鏡を内装した筒状の処理器具を1カ所の皮膚切開孔から体内に挿入し、その内視鏡で手術部位を観察しつつ筒状の処理器具で電気焼灼、電気凝固、切開などの処置を行える内視鏡通電器具が示されている。筒状の処理器具はその先端部を電極として使用し、その筒部を電極への通電体として使用して電気焼灼や電気凝固を行うと共に、その先端部形状を刃状、あるいは、針状に形成することにより、切開等の処理を行うことができる。

0004

さらに、この内視鏡通電器具は内視鏡がその中を通過しうる内径を有し、内視鏡は筒の軸方向に移動可能に支持されることにより、筒状の処理器具の先端と内視鏡の先端の相対的な位置が可変となり、手術の目的部探索時には内視鏡を筒状の処理器具の先端部から突出させて広い視野で体内を観察し、手術時には内視鏡を筒状の処理器具内に引き込み目的部位と電極等の両方に焦点を合わせることが可能である。この装置では、内視鏡と処理器具を一体として挿入することにより、皮膚切開孔は1カ所で足り、さらなる皮膚切開孔を必要としないのが特徴である。

0005

非特許文献1には、この器具を用いた手術の詳細と手術結果が示されている。

0006

また、特許文献2では、特許文献1の内視鏡通電器具に牽引部を設けて、手術を妨げたり、視野を妨害する繊維状組織などを、牽引して移動したり、切断したりすることができる交感神経遮断術に適した装置を示している。

0007

これらの文献に示された内視鏡通電器具は、皮膚切開孔が1カ所で済み、細径内視鏡を使用することにより皮膚切開孔の大きさも小さくできるので、患者の負担を大幅に軽減し、術後の早期回復を図ることに貢献できる。

0008

しかし、これらの内視鏡通電器具では、組織を把持したり、組織を固定したりすることができないので、手術中に切開用の刃に刺さってしまった組織を刃から取り外したり、切開用の刃にくっついた凝血塊を体外に器具を抜き出すことなく取り外したり、切開した組織片をつかんで外に取り出して生体病理検査に利用することができない。

0009

なお、従来型内視鏡手術器具では、遠隔操作の鉗子等の挟持器具を挿入して組織を把持したり、切開した組織の細片を体外に取り出して生体病理検査に利用することができた。しかし、そのためには鉗子等の挟持器具を挿入するための別の皮膚切開孔が必要になるだけではなく、通常の遠隔操作の鉗子等の挟持器具ではその挟持片を相対的に動かすための止めピン等のジョイント機構や挟持片を動かす駆動手段などの細かな部品が数多く使われ、部品点数が増えることにより、それらが体内で破損して脱落してしまう可能性が高くなる。ちなみに、これらの細かな部品が体内で脱落してしまうと、X線撮影でその存在が外部からは確認できても、内視鏡を使ってその位置を確認することは極めて難しいので、その取り出しは内視鏡手術器具を用いても不可能なことが多い。

0010

また、多くの従来型内視鏡手術器具は、先端の形状が鋭利な器具や先端の形状が複雑な器具を体内に挿入する必要があり、それらを挿入するに際し、周りの組織を損傷したり、無理な力がかかって器具の先端を変形させたりして、スムースに挿入することが困難なことがあった。また、挿入中はどこまで到達しているかの判断が難しいことがあった。

0011

国際公開番号WO2000/016707
特開2007−089690号公報

先行技術

0012

Hidehiro Yamamoto,MD.他著、The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery誌、2000年、Volume120、Page276−279

発明が解決しようとする課題

0013

解決しようとする課題は、ジョイント機構やその駆動手段などを使わない部品点数の少ない簡単な構成で、特許文献1等に示された内視鏡手術器具が有する機能に加えて、組織の把持や固定の機能を有するので、刃に刺さってしまった組織を取り外したり、刃に付着した凝血塊を取り外すことができ、切開した組織片をつかんで外に取り出して生体病理検査に利用することができ、挿入に際しては操作がスムースに行われ、周りの組織を損傷したり器具の先端を変形させたりすることがなく、また、挿入中に器具の先端がどこまで到達しているかの判断が容易な内視鏡手術器具を提供することである。もちろん、挿入された内視鏡により、手術する組織の目的部位と電極等の処理手段の双方を捉えた明瞭な映像、並びに、内視鏡手術器具先端の周囲の明瞭な映像が得られることが必須である。

課題を解決するための手段

0014

本発明は、細径内視鏡を挿入して使用する細径内視鏡手術器具であって、
使用する該細径内視鏡の管部分と同じ外径を有し、該細径内視鏡手術器具を体内に挿入する際に使用し、挿入後には細径内視鏡と置き換えられる内管と、
該細径内視鏡、あるいは、該内管が挿入され、それらを軸方向に移動可能な状態で支持するガイドパイプと、
該ガイドパイプが挿入され、該ガイドパイプを軸方向に移動可能な状態で支持する処理パイプであって、その先端部に電極、刃、フック等の処理手段を有する処理パイプとから成り、
該細径内視鏡、該内管、該ガイドパイプ、及び、該処理パイプが、各々その近端部、すなわち、該細径内視鏡を用いて手術をする際に患者の体外に在る部分に独立した操作部を有し、該操作部を用いて操作することにより、各々の軸方向の位置、及び、必要に応じ各々の回転角度を変えうる、同軸、かつ、多重管構造の細径内視鏡手術器具である。

0015

胸腔内の交感神経切除手術を例に取ると、脇の下に皮膚切開孔を設け胸腔内に細径内視鏡手術器具を挿入していく。その際に、細径内視鏡に替えて、細径内視鏡の管部分と同じ外径を有する内管をガイドパイプに挿入し、そのガイドパイプを処理パイプに挿入して、同軸、かつ、3重管構造の状態で体内への挿入が行われる。器具の先端が所定の位置に到達したことが確認できた後、内管を抜いて細径内視鏡を挿入する。その結果、内視鏡手術に必要な全ての装置が、一カ所の皮膚切開孔から挿入できる。

0016

従来、体内に挿入するこの種の装置は、汚染防止や殺菌の完全性を求めて、また、内部に組織の一部や体液が入らないように、内部まで充実した棒状の物が用いられ、筒状の物は用いられなかった。本発明では、挿入時には3個の筒を組み合わせた形の3重管構造を採り、手術時には2個の筒を組み合わせた2重管に細径内視鏡を加えた形を採るが、実施例に示すように、細径内視鏡や内管の外径とガイドパイプの内径との差、及び、ガイドパイプの外径と処理パイプの内径との差を、いずれも、それぞれが軸方向に移動可能な状態で保持することができる範囲で小さくすることにより、それらの隙間に、切断された組織や体液が入り、操作に不具合が生じる可能性を減らすことができる。一方、内管、ガイドパイプ、そして、処理パイプは、それぞれ単純なパイプの形状であり、抜き取って3者をばらばらにすることが容易であるから、事前洗浄や殺菌は容易に、かつ、完全に行うことができる。

0017

さらに、使用する内視鏡は、その管部分が極めて細いものが選定されて、内管はこの内視鏡の管部分と同じ外径を有する。ガイドパイプと処理パイプはその機能が発揮できる範囲で肉厚が薄い物を選定すれば、結果として本発明の細径内視鏡手術器具の外径は極めて細くなり、それに伴い必要な皮膚切開孔の大きさを小さく抑えることができる。

0018

体腔内への挿入に当たっては、内管を先頭に、ガイドパイプ、そして、処理パイプの順に少しずつ先端をずらした状態の3重管構造を取る。いずれも、横に出っ張るところのないパイプ形状のものであるから、スムースに挿入することができる。

0019

なお、細径内視鏡、内管、ガイドパイプ、及び、処理パイプが、各々その近端部に独立した操作部を有し、手術をする者が、その操作部を用いてそれぞれを操作することにより、各々の軸方向の位置、及び、必要に応じ各々の回転角度を変えることができる。ここで「必要に応じ」とは、処理パイプにおいては回転角度を変えることが必要である。ガイドパイプにおいては後述のスリットを設けた場合には視野の向きを変えるために回転が必要であるが、スリットを設けない場合には必要でない。内管においては軸方向の位置を変える必要はあるが、回転角度を変える必要が無い。これらの条件を案して操作部の設置とその内容を考えれば良い。

0020

この機能を活用することにより、処理パイプに設けた電極を用いて手術の対象となる組織(以下「対象組織」と言う)の電気焼灼、電気凝固の作業を行うだけでなく、処理パイプに設けた刃やフックを用いて対象組織の切除、授動、分離、牽引を行い、さらに、処理パイプに設けたフックとガイドパイプの先端部とで対象組織を把持して対象組織の授動、分離、牽引を行い、対象組織を把持した状態を保ちつつ細径内視鏡手術器具を患者の体外に取り出すことにより、その対象組織を生体病理検査に利用することができる。また、手術中にフックに刺さってしまった組織やフックにこびりついた凝血塊を、ガイドパイプの先端部で肋骨等に押し当てて固定し、取り除くこともできる。これらの作業は、手術をする者の指先により各々の操作部を操作することにより、効果的、かつ、効率的に行うことができる。

0021

なお、本発明の細径内視鏡手術器具は、それを構成する細径内視鏡、内管、ガイドパイプ、そして、処理パイプが、軸方向の相対位置を変える必要があるので、それらすべてを直線状に制作して組み合わせるか、あるいは、それら全てを同じ半径円弧の一部を成すように制作して組み合わせる必要がある。

0022

また、本発明は、請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、前記処理パイプの先端部に、該処理パイプの一部を切り取った形状のフックを有し、該フックの先端の該処理パイプの近端部側が該処理パイプの軸方向にほぼ垂直な面内にあり、かつ、その部分に刃を設けた細径内視鏡手術器具である。

0023

処理パイプの一部を切り取った形状のフックとは、処理パイプを構成するパイプの壁の曲面を維持したまま、その曲面からフック状に切り出したものを言う。すなわち、フック部分も処理パイプと同じ内径と外径の曲面内に構成される。その結果として、処理パイプの中に挿入されるガイドパイプの軸方向の動きをフックが阻害することはないし、細径内視鏡手術器具の体内への挿入に当たっては、フック部分は処理パイプと同様にガイドパイプに沿った形で進んでいくから、周りの組織を損傷したり、無理な力がかかってフックの先端を変形させるようなことはない。

0024

そのフックは、処理パイプから突き出す形で先に伸び、やがて曲がってフック形状になる。その曲がったフックの先端部の内側、すなわち、処理パイプの近端部側が処理パイプの軸方向にほぼ垂直な面内にあるで、軸方向に対して直角に成形されたガイドパイプの先端部とほぼ並行となる。対象組織をこの処理パイプのフックの内側とガイドパイプの先端部との間に位置させて、双方の操作部を操作してフックの内側とガイドパイプの先端部を近づければ、フックの内側とガイドパイプの先端部がほぼ平行でない場合に比べて、より容易に、かつ、よりしっかりと対象組織を把持することができる。その結果、対象組織の授動、分離、牽引を行うことを、また、対象組織を患者の体外に取り出して組織採取することを、容易、かつ、確実に行うことができる。

0025

また、このフックの先端部の内側に刃を設けることにより、処理パイプの操作部を操作して、処理パイプを手前に引きながら、回転させることにより、対象組織の切除や分離が容易、かつ、確実にできる。

0026

さらに、意に反して刃に刺さってしまった組織を取り外したい場合や、フックに凝血塊が付着してそれを取り外したい場合には、ガイドパイプの先端部でその組織や凝血塊を肋骨などに押し付けて固定した状態で、処理パイプを回転することにより、刺さってしまった組織や付着した凝血塊を容易に取り外すことができる。これは従来型内視鏡手術器具では極めて困難な操作であり、多くの場合は器具を体外に取り出さなければ解決ができなかった。この操作を、手術をしているその場で、かつ、容易に行えることが可能になったことにより、手術のスムースな進行を助けるだけでなく、患者への負担を軽減することができる。

0027

なお、細径内視鏡は、ガイドパイプに対してその軸方向に移動可能な状態で支持され、ガイドパイプは、処理パイプに対してその軸方向に移動可能な状態で支持されているから、対象組織を探索するときには、細径内視鏡をガイドパイプや処理パイプの先端部から突出させて広い視野で体腔内を観察し、手術時には細径内視鏡をガイドパイプや処理パイプの中に引き込み、対象組織と処理パイプの先端の処理手段の両方に焦点を合わせることが可能であり、いずれの場合にも、明瞭な映像を得ることができる。

0028

細径内視鏡、ガイドパイプ、そして、処理パイプが同軸に構成されているから、手術時には常に対象組織と電極等の処理手段を同時に観察することができるので、従来型内視鏡手術器具を使用した場合のように、内視鏡で体腔内にある処理手段を探したり、処理手段を映像の枠内に納めるように内視鏡で追いかけながら手術をする必要は無くなり、手術をする者にとって負担が減り、手術をスムースに行うことができる。

0029

一方、把持などの処理を行うために細径内視鏡をガイドパイプの中に引き込んだ場合には、ガイドパイプの先端部が内視鏡の視野を狭めてしまう。ガイドパイプの先端部近くに1個あるいは複数のスリットを設けておけば、そのスリットを通して、処理部位の周囲の映像を得ることができるので、手術をする者にとって助けになる

0030

また、本発明は、請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、
前記処理パイプの先端部が電極を成し、該処理パイプのパイプ自体が該電極に電気を送る通電部を成し、該処理パイプの体内に挿入される部分は電極を除いて外面に電気的絶縁処理が施されている細径内視鏡手術器具である。

0031

処理パイプは、通電性のある材料で作られ、先端には電気焼灼や電気凝固に用いる電極を有しており、パイプ部分がその電極に電気を送る通電部を成している。電気が外部に漏電することがないように、処理パイプの体内に挿入される部分は電極を除いてその外面に電気的絶縁処理が施されている。絶縁処理は、絶縁材料コーティング、塗布、焼き付けなどにより行われる。なお、電極にはモノポーラバイポーラの両方が考えられるが、胸腔内の交感神経切除手術のように、体腔内において小さい組織を対象に微細な手術を行う場合は、電流を比較的狭い分野に集中することが可能なモノポーラが適している。

0032

また、本発明は、請求項1記載の細径内視鏡手術器具であって、
前記内管の先端部が丸みを帯びた形状に研磨されており、該内管を通して、生理的食塩水、あるいは、空気を送り込む装置を備えている細径内視鏡手術器具である。

0033

内管は細径内視鏡手術器具を体内に挿入するときに、細径内視鏡に替えて使用される。挿入に際しては、内管は機器の一番先端に位置するので、内管の先端部を丸みを帯びた形状に研磨しておくことにより、スムースに挿入作業が行いうる。

0034

また、この内管を通して生理的食塩水、あるいは、空気を送り込む装置を設ける、例えば、内管をチューブを介して注射器つなぎ注射器の中に生理的食塩水や空気を入れておく。このような備えをしておけば、内管を挿入した状態の細径内視鏡手術器具を、例えば、交感神経切除手術を行うために胸腔内に向けて挿入していくときに、内管の先端が胸膜腔に達したところで、注射器内の生理的食塩水、あるいは、空気の圧力が下がり、注射器のピストン前進するのが見て取れるので、挿入中に器具の先端がどこまで到達しているかの判断を容易に行うことができる。

発明の効果

0035

本発明の細径内視鏡手術器具は、一つの器具で体腔内における小さい組織を対象に切除、授動、分離、牽引、摘出、電気焼灼、電気凝固、等の多種の手術を行うことができる。特に、組織の把持や固定が容易に、かつ、確実にできるので、刃に刺さってしまった組織をその場で取り外したり、刃に付着した凝血塊をその場で取り外すことができ、また、切開した組織片をつかんで外に取り出し生体病理検査に利用することができる。

0036

しかも、ジョイント機構やその駆動手段などを使わない部品点数の少ない簡単な構成であるから、細かな部品が体内で脱落してしまって、その取り出しに難することもない。

0037

本発明の細径内視鏡手術器具を採用することにより、皮膚切開孔の数が1カ所で済み、皮膚切開孔の大きさも小さくできるので、患者の負担を大幅に軽減し、術後の早期回復に貢献できる。

0038

一方、機器の体内への挿入に際しては操作がスムースに行われ、周りの組織を損傷したり器具の先端を変形させたりすることがなく、また、挿入中に器具の先端がどこまで到達しているかの判断が容易にできる。もちろん、挿入された細径内視鏡により、手術する組織の目的部位と電極等の処理手段の双方を捉えた明瞭な映像、並びに、内視鏡手術器具先端の周囲の明瞭な映像を得ることができる。しかも、機器の操作は容易であり、手術をする者にとって極めて使い勝手が良い。

0039

その結果として、例えば胸腔内の交感神経手術で言えば、特許文献1等に記載の従来の細径内視鏡手術器具では、交感神経切除手術、交感神経遮断手術、及び、電気焼灼等を用いて交感神経幹破壊する蒸散手術等が可能であったが、交感神経節は通常肋骨と肋骨の間に位置し、血管とも接しているため交感神経節切除手術は極めて危険であった。しかし、本発明の細径内視鏡手術器具を用いることにより、これら全てが可能となった。しかも、その手術結果は低侵襲で、かつ、審美性を害さないので、それらを願う患者にとって大きな利点がある。

図面の簡単な説明

0040

本発明の細径内視鏡手術器具の実施例1の手術時の全体図(a)と体内への挿入持の全体図(b)である。
実施例1の細径内視鏡手術器具を構成する内視鏡(a)、内管(b)、ガイドパイプ(c)、よび、処理パイプ(d)の側面図あるいは断面図である。
処理パイプの操作部の説明図である。
処理パイプのフックの詳細図(a)と、そのA−A矢視図(b)である。
処理パイプのフックを使用して組織を動かす操作(a)、および、組織を把持する操作(b)の説明図である。
処理パイプの刃に刺さってしまった組織やフックにくっついてしまった凝血塊をガイドパイプを用いて固定し、取り外す操作の説明図である。
処理パイプの電極部を使用して電気焼灼や電気凝固を行う操作の説明図である。
実施例1の細径内視鏡手術器具を体内に挿入する方法(実施例2)の説明図である。(J Thoracic Cardiovasc Surg 2000;120:276−9より引用
内管を使用して細径内視鏡手術器具の先端がどこまで到達したかを知る要領の説明図である。

0041

本発明の実施をするための形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明はかかる実施の形態には限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて良いことは言うまでもない。また、以下の説明は全て胸腔内の交感神経手術について行うが、本発明は胸腔内の交感神経手術に限定されるものではない。

0042

図1は、本発明の細径内視鏡手術器具の実施例1の手術時の全体図(a)と体内への挿入持の全体図(b)、図2は、実施例1の細径内視鏡手術器具を構成する内視鏡(a)、内管(b)、ガイドパイプ(c)、よび、処理パイプ(d)の側面図あるいは断面図、図3は、その処理パイプの操作部の説明図、そして、図4は、その処理パイプのフックの詳細図(a)と、そのA−A矢視図(b)である。

0043

手術時の本実施例の細径内視鏡手術器具1は、図1(a)に示すように、内視鏡10、ガイドパイプ30、及び、処理パイプ40を組み合わせて構成され、体内への挿入持の本実施例の細径内視鏡手術器具1aでは、内視鏡10に替えて内管20を組み合わせて、同軸の3重管構造に構成される。本実施例では、皮膚切開孔の大きさをできるだけ小さくするために、内視鏡10として管部分11の外径が2mmの細径のファイバースコープを採用している。

0044

内視鏡10は、その接続部13により標準的な胸部内視鏡手術に使われるモニターシステム(図示していない。)につながれ、モニターにより手術の部位、及び、その周辺を見ながら手術を進めることができる。また、手術をする組織の目的部位、および、内視鏡の先端部12の周辺を照らすための照明用光ファイバーも管部分11に内蔵され、接続端子15から光が送り込まれる。手術をする者は、接続部13を手で持ち、それを動かして内視鏡の先端部12を最適の位置に移動することができる。

0045

ガイドパイプ30は、内視鏡10の管部分の外径よりわずかに大きい2.05mmの内径を有する外径2.35mmの管で、内視鏡を軸方向に移動可能な状態で支えている。電気焼灼などの処理を行うために内視鏡10をガイドパイプ30の中に引き込んだ場合にも、内視鏡10が処理部位の周囲の映像を得ることができるように、また、内視鏡の前面に立ちこめる白煙をより早く排除できるように、ガイドパイプの先端部近くに1個あるいは複数のスリット33を設けておけば、手術をする者にとって助けになる。

0046

処理パイプ40は、ガイドパイプ30の外径2.35mmよりわずかに大きい2.40mmの内径を有する外径2.85mmの管で、ガイドパイプを軸方向に移動可能、かつ、回転可能な状態で支えている。細径内視鏡手術器具1aは、この外径2.85mmの処理パイプ40の中に全てが含まれ、横に出っ張るところもないので、わずか3mm程の大きさの皮膚切開孔からスムースに挿入できる。

0047

処理パイプの先端部には、フック43が設けられる。フック43は、処理パイプを構成するパイプ41の壁の曲面を変形することなく、その曲面からフック状に切り出した形状を有する。その結果、図4(b)に示すように、フック43も処理パイプと同じ内径と外径の曲面内に構成される。その結果、処理パイプ40の中に挿入されるガイドパイプ30の軸方向の動きをフック43が阻害することはないし、フック43が処理パイプの外径を超えて横に出っ張ることもない。。

0048

また、多くの従来型内視鏡手術器具では、その先端に設けた鋭利なフックや刃が器具を体内に挿入するに際し周りの組織を痛めたり、器具の先端を変形させたりして、スムースに挿入することが困難なことがあったが、フック43はこの形状を取ることにより、図1(b)および図4(b)に示すように、フック部分がぴたりとガイドパイプ30に沿った形で体内に進んでいくから、周りの組織と抵触することがなく、周りの組織を損傷したり、フック43に無理な力がかかって変形することもない。

0049

フック43の先端部44は大きく曲がって、その内側、すなわち、処理パイプの操作部側の縁が、内装されるガイドパイプの先端部、すなわち、軸方向に対して直角に成形されている先端部34の縁とほぼ平行になるように形成される。この形状を取ることにより、フックの先端部44の内側とガイドパイプの先端部34とを、それぞれの操作部42、32を操作して近づけると、組織をしっかりと把持することができる。

0050

フックの先端部44の内側に刃を設けることにより、処理パイプの操作部42を操作して、処理パイプ40を手前に引きながら、図4(b)の矢印49の方向に回転させることにより、対象組織の切除や分離が容易、かつ、確実にできる。この作業を行うに際しては、図4(a)に示すように、内視鏡10の先端部12の位置を操作して処理パイプの40の中に引き込み、先端部44の刃と対象組織の明瞭な映像を得ることができる。この図の場合には、ガイドパイプ30は、視野の邪魔にならぬように、ガイドパイプ40に中に引き込まれている。

0051

フックの先端部44は、刃として使われると同時に、電気焼灼や電気凝固を行う際の電極としても使われる。処理パイプのパイプ部分41は通電性のある材料で作られ、それ自体が電極に電気を送る通電部を成し、電気が外部に漏電することがないように、処理パイプの体内に挿入されるパイプ部分41は電極を除いて外面に電気的絶縁処理45が施されている。

0052

絶縁処理は、絶縁材料のコーティング、塗布、焼き付けなどにより行われる。なお、電極にはモノポーラとバイポーラの両方が考えられるが、胸腔内の交感神経切除手術のように、体腔内において小さい組織を対象に微細な手術を行う場合は、電流を比較的狭い分野に集中することが可能なモノポーラが適している。その場合には、フックの先端部44の電極とは別に、患者の身体の一部、例えば、臀部にもう一つの電極を配置すれば良い。

0053

処理パイプ40の近端部には、図3に示すように、操作部42が設けられる。操作部42は、処理パイプのパイプ部分41に固定された回転部48と、パイプ部分に固定された二つの止め輪47で軸方向には移動できないように、かつ、パイプ部分に対して回転自由に取り付けられたリング状の支持部46から成る。手術をする者は、支持部46を親指人差し指でつまみ、中指を回転部48に添える。支持部46を軸方向に動かすことにより、処理パイプ40の軸方向の位置を変え、回転部48を回すことにより、処理パイプ40の回転角度を変えることができる。

0054

図2(b)では、ガイドパイプ30にも同様な操作部32を設けている。ガイドパイプにおいては前述のスリット33を設けた場合には、視野の向きを変えるために回転角度を替える必要があるので、処理パイプ40と同じ操作部が必要になる。一方、ガイドパイプにスリット33を設けない場合には、ガイドパイプ30の回転角度を変える必要がないので、回転部を設けず、単にガイドパイプのパイプ部分に固定した支持部を設けるだけで良い。

0055

内管20は、内視鏡10の管部分11と同じ外径を有する管で、その先端23は図1(a)に示すように体内への挿入持に細径内視鏡手術器具1aの一番先端に位置するので、スムースに挿入作業が行われ、周囲の組織を損傷することがないように、丸みを帯びた形状に研磨しておくのが良い。また、内管10は、その軸方向の位置を変える必要はあるが、回転角度を変える必要が無いので、処理パイプ40の操作部42に設けた回転部は必要が無く、内管のパイプ部分に固定した、親指と人差し指でつまみやすい大きさの操作部22を設ければ良い。

0056

以上に説明した内管20、ガイドパイプ30、及び、処理パイプ40は、それぞれの機能を果たせる範囲で、細径で、肉厚が薄いものが用いられ、しかも、相接するパイプ同士の内径と外径の差が極めて小さいので、細径内視鏡手術器具1全体として、外径がわずか2.85mに収まり、挿入用の皮膚切開孔の大きさを小さくすることに大きく貢献する。また、相接するパイプ同士の内径と外径の差、すなわち、パイプ同士の隙間が極めて小さいので、それらの隙間に、切断された組織や体液が入り、操作に不具合が生じる可能性を減らすことができる。

0057

一方、内管20、ガイドパイプ30、そして、処理パイプ40は、それぞれ単純なパイプの形状であり、抜き取って3者をばらばらにすることが容易であるから、事前の洗浄や殺菌は容易に、かつ、完全に行うことができる。

0058

図5(a)は、処理パイプのフック43を使用して組織を動かす操作(授動)の説明図である。手術に際しては、目的部位に接近するため、あるいは、視野を確保するため等の理由で、邪魔になる組織51を動かす必要が生じる。その場合に、内視鏡10でフック43と邪魔になる組織51を視野に収めながら、処理パイプ40の操作部の支持部46を操作してフック43を組織51に近づけ、回転部48の操作によりフックの向きを変えながら、組織51に引っかける。ガイドパイプ30は、このとき処理パイプ40の中に引き込まれている。この状態になれば、組織51の授動、分離、牽引が行える。また、フック43には刃が設けてあるから、それを活用して、組織51の切除もできる。

0059

図5(b)は、組織を把持する操作(b)の説明図である。授動の場合と同様に、内視鏡10でフック43と把持する対象の組織52を視野に収めながら、処理パイプ40の操作部の支持部46を操作してフック43を組織52に近づけ、回転部48の操作によりフックの向きを変えながら、組織52に引っかけ、次に、ガイドパイプ30の操作部32を操作してガイドパイプ30を前方に移動させ、フック43に引っかかっている組織52を挟んで把持する。ガイドパイプ30を前方に移動させた際には、ガイドパイプに設けたスリット33が、内視鏡10の視野を確保するのに役立つ。

0060

フック43の先端部44は大きく曲がって、その内側の縁が、ガイドパイプ30の先端部34の縁とほぼ平行になるように形成されているから、組織52は両者の間にしっかりと把持され、組織52の授動、分離、牽引を行うことができる。さらに、組織52を把持した状態を保ちつつ細径内視鏡手術器具1を患者の体外に取り出すことにより、その組織52を生体病理検査に利用することができる。

0061

図6は、意に反して処理パイプ40のフックの先端部44に刺さってしまった組織や、フック43にくっついてしまった凝血塊をガイドパイプ30を用いて固定し、取り外す操作の説明図である。内視鏡10を用いて、近くにある、しっかりした物、例えば、肋骨64を探し、操作部42を操作してそこに処理パイプのフック43を近づける。さらに、ガイドパイプ30の操作部32を操作し、ガイドパイプ30を前進させて、刺さってしまった組織や凝血塊53を肋骨64に押し付けて固定する。この状態で、処理パイプ40の回転部48を操作して、処理パイプ40を図の矢印56の方向に回転させれば、容易に凝血塊等53をフック43から取り外すことができる。

0062

このような事態は、手術中に良く起こることであり、従来は内視鏡手術器具を体外に引き出して、フックに着いた組織や凝血塊を取り除くより方法がなかったが、その取り外し作業をその場で行えるようになったことで、手術のスムースな進行を助けるだけでなく、患者への負担を減らすことができる。

0063

図7は、処理パイプ40のフックの先端部44を電極として使用して電気焼灼や電気凝固を行う操作の説明図である。フックの先端部44に電気を送り込むために、処理パイプ40の外面に電気的絶縁処理が施されていないパイプ部分41に鰐口クリップ58を設置する。患者の臀部にもう一つの電極(図示されていない。)を設ける。処理パイプのパイプ部分41は通電性の材料で作られているから、これだけの準備で、フックの先端部44を電極として手術の対象となる組織57に対して電気焼灼や電気凝固を行うことができる。処理パイプ40の中にガイドパイプが引き込まれ、内視鏡10はガイドパイプに邪魔されることなく、その視野の中に電極であるフックの先端部44と組織57を納めることができる。

0064

図8は、実施例1の細径内視鏡手術器具1aを体内に挿入する方法(実施例2)の説明図であり、図9は、その挿入に当たり、内管20を使用して細径内視鏡手術器具1aの先端がどこまで到達したかを知る要領の説明図である。

0065

実施例1の細径内視鏡手術器具1を用いて胸腔内の交感神経幹切除手術等を行うに際しては、まず脇の下の腋窩中心線上に大きさが3mmの皮膚切開孔61を設ける。その切開孔を通して、内視鏡10に替えて内管20を挿入した細径内視鏡手術器具1aを挿入する。手術の対象組織は、脊椎に沿って上下方向に伸びる胸部交感神経幹63である。細径内視鏡手術器具1aは、肋骨64間のスペースを通って対象組織に接近する。周りには、肋骨64のほかに、突部65、鎖骨66、上部大静脈67、大動脈68等がある。

0066

細径内視鏡手術器具1aの内管20は、フレキシブル・チューブ91により注射器92につながれ、注射器の中には生理的食塩水、あるいは、空気が入っている。細径内視鏡手術器具1aの先端、すなわち、内管20の先端部23が胸膜腔93に達すると、胸膜腔93の中は陰圧になっているので、生理的食塩水、あるいは、空気の圧力が下がり、注射器のピストン92aが前進するのが見て取れるので、挿入中に器具の先端が確かに胸膜腔93に到達したことの判断を容易に行うことができる。

実施例

0067

この判断の後、細径内視鏡手術器具1aから内管20を抜き取り、内視鏡10を挿入して手術時の細径内視鏡手術器具1の形にして、手術を進めることになる。

0068

本発明の細径内視鏡手術器具は、部品点数の少ないシンプルな構成でありながら、対象組織の電気焼灼、電気凝固、切除、授動、分離、牽引を行うだけでなく、対象組織を把持し、あるいは、固定して、対象組織の授動、分離、牽引を行い、その対象組織を生体病理検査に利用することがで、また、手術中にフックにこびりついた凝血塊等をその場で取り除くこともできると言う多機能性を有する。さらに、手術をする者は、明瞭な映像を見ながら、容易な操作で手術を進めることができる。また、皮膚切開孔は小さく、一カ所のみで足り、患者への負担が少ない。これらの利点を生かして、今後 各種の手術の中で大いに活用されることが期待される。

0069

1、1a 実施例1の細径内視鏡手術器具
10内視鏡
11 内視鏡の管部分
12 同 先端部
13 同 接続部
15 同光ファイバー接続端子
20内管
21 内管のパイプ部分
22 同 操作部
23 同 先端部
30ガイドパイプ
31 ガイドパイプのパイプ部分
32 同 操作部
33 同スリット
34 同先端部
40処理パイプ
41 処理パイプのパイプ部分
42 同 操作部
43 同フック
44 同 フックの先端部
45 同電気絶縁処理
46 同 支持部
47 同止め輪
48 同 回転部
49、56 同 回転方向
51、52、57組織
53凝血塊等
58鰐口クリップ
61皮膚切開孔
63胸部交感神経幹
64肋骨
65肺突部
66鎖骨
67 上部大静脈
68大動脈
91フレキシブル・チューブ
92、92a注射器
93 胸膜腔

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