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技術 MTF測定用チャート

出願人 日本放送協会
発明者 正岡顕一郎
出願日 2016年7月28日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-148367
公開日 2018年2月1日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-017615
状態 特許登録済
技術分野 光学装置、光ファイバーの試験
主要キーワード 分割角 直線境界 メガサイクル 一部符号 線広がり関数 相対位置判定 測定対象画像 エッジプロファイル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

本発明は、ROI横幅が広く、MTF測定方向が多いMTF測定用チャートCHを提供する。

解決手段

MTF測定用チャートCHは、撮像系の空間周波数を表すMTFを測定するMTF測定装置で利用され、チャート面の所定位置を中心位置Oとし、中心位置Oから伸び境界同士でチャート面を区分した放射領域Bを有し、全ての放射領域Bが等分割角であり、境界で隣接する放射領域Bごとにコントラストの異なる色を配色すると共に、予め設定した測定除外角度の境界で隣接する放射領域B13,B14をコントラストが同じ色で配色し、測定除外角度の境界を含めて、境界の数が3以上の奇数であることを特徴とする。

概要

背景

高解像度テレビジョンの最大の特徴は、高い空間解像度であり、カメラ解像度特性が重要となる。現行ハイビジョンカメラ解像度測定として、図15に示すように、複数の空間周波数を有する矩形波が空間的に配置されたインメガサイクルチャートを用いる手法が知られている。

このインメガサイクルチャートを用いる手法では、波形モニタから矩形波の変調度空間周波数特性を表すCTF(Contrast Transfer Function)を読み取る。インメガサイクルチャートを用いる手法は、波形モニタから目視で読み取れる手軽さはあるが、サンプリング位相やカメラノイズの影響で波形振幅が変動する。また、インメガサイクルチャートを用いる手法は、レンズ中央周辺でカメラの解像度特性が異なるため、800TVL/phに相当するチャート中央における矩形波応答だけ測定することが多い。さらに、インメガサイクルチャートを用いる手法は、所望の空間周波数を得るために撮像画角を正確にチャートサイズにフレーミングする必要があるが、4K/8Kカメラでは広角レンズを使うことが多いので、サイズの大きいインメガチャートが必要になり、非現実的である。

そこで、インメガサイクルチャートに代わり、Slanted-edge法が提案されている(特許文献1,2、非特許文献1,2)。このSlanted-edge法は、チャートサイズが比較的小さくてフレーミングが不要な手法であり、僅かに傾いたエッジ画像撮像して、そのエッジ広がりから、正弦波の変調度の空間周波数特性を表すMTF(Modulation Transfer Function)を算出している。

まず、Slanted-edge法では、チャートを撮像したチャート画像からエッジを含む長方形の関心領域(ROI:Region Of Interest、図16)を選択する。次に、Slanted-edge法では、図17(a)に示すように、ISO12233に準拠したアルゴリズム(非特許文献2)、又は、より精度の高いアルゴリズム(特許文献1、非特許文献1)を用いて、関心領域からエッジを検出する。次に、Slanted-edge法では、図17(b)に示すように、関心領域の各画素を、エッジ傾きθeに沿って、サブピクセルで等間隔に区分した水平軸投影する。そして、Slanted-edge法では、図18に示すように、それぞれの区分けに投影された複数の画素の画素値平均値を求め、オーバーサンプリング(ISO12233の場合、4倍オーバーサンプリング)されたエッジ広がり関数を求める。さらに、Slanted-edge法では、エッジ広がり関数を微分することで線広がり関数を算出し、線広がり関数を離散フーリエ変換して絶対値を求めることで、DC成分からサンプリング周波数を超える帯域のMTFを求める。MTF測定結果の一例を図19に示す。

カメラの画素構造画像処理により解像度特性の異方性が考えられる場合、多方向のMTF測定が必要になる。そこで、図20に示すようにスターバーストチャートを用いて、多方向のMTFを測定する(特許文献2)。このスターバーストチャートは、チャート中心から、コントラストの異なる色の領域が放射状に形成されたチャートである。例えば、図20のスターバーストチャートは、エッジ(直線境界)が偶数個であり、コントラストの異なる領域が等分割角になっている。各関心領域は、図21(a)に示すように、所定の角度だけ回転して、垂直方向からわずかに傾いたエッジを有する。そして、図21(b)に示すように、関心領域の各画素を水平軸に投影し、オーバーサンプリングされたエッジ広がり関数を得て、ISO12233の手法と同様にMTFを求める。等分割角が30°のスターバーストチャートを用いたときのMTF測定結果(レーダチャート)の一例を図22に示す。

概要

本発明は、ROIの横幅が広く、MTFの測定方向が多いMTF測定用チャートCHを提供する。MTF測定用チャートCHは、撮像系の空間周波数を表すMTFを測定するMTF測定装置で利用され、チャート面の所定位置を中心位置Oとし、中心位置Oから伸び境界同士でチャート面を区分した放射領域Bを有し、全ての放射領域Bが等分割角であり、境界で隣接する放射領域Bごとにコントラストの異なる色を配色すると共に、予め設定した測定除外角度の境界で隣接する放射領域B13,B14をコントラストが同じ色で配色し、測定除外角度の境界を含めて、境界の数が3以上の奇数であることを特徴とする。

目的

本発明は、ROIの横幅が広く、MTFの測定方向が多いMTF測定用チャートを提供する

効果

実績

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請求項1

撮像系の解像度空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置で利用されるMTF測定用チャートであって、チャート面の所定位置を中心とし、当該中心から伸び境界同士で前記チャート面を区分した放射領域を有し、全ての前記放射領域が等分割角であり、前記境界で隣接する放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色すると共に、予め設定した測定除外角度の境界で隣接する放射領域をコントラストが同じ色で配色し、前記測定除外角度の境界を含めて、前記境界の数が3以上の奇数であることを特徴とするMTF測定用チャート。

請求項2

前記測定除外角度は、45°、135°、225°及び315°であることを特徴とする請求項1に記載のMTF測定用チャート。

請求項3

平方向及び垂直方向に対して、前記境界が所定の傾斜角だけ傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のMTF測定用チャート。

請求項4

前記傾斜角は、2度以上5度以下であることを特徴とする請求項3に記載のMTF測定用チャート。

請求項5

前記放射領域は、15個であることを特徴とする請求項4に記載のMTF測定用チャート。

請求項6

前記放射領域に、白色又は黒色を配色したことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のMTF測定用チャート。

技術分野

0001

本発明は、撮像系の解像度空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置で利用されるMTF測定用チャートに関する。

背景技術

0002

高解像度テレビジョンの最大の特徴は、高い空間解像度であり、カメラ解像度特性が重要となる。現行ハイビジョンカメラの解像度測定として、図15に示すように、複数の空間周波数を有する矩形波が空間的に配置されたインメガサイクルチャートを用いる手法が知られている。

0003

このインメガサイクルチャートを用いる手法では、波形モニタから矩形波の変調度の空間周波数特性を表すCTF(Contrast Transfer Function)を読み取る。インメガサイクルチャートを用いる手法は、波形モニタから目視で読み取れる手軽さはあるが、サンプリング位相やカメラノイズの影響で波形振幅が変動する。また、インメガサイクルチャートを用いる手法は、レンズ中央周辺でカメラの解像度特性が異なるため、800TVL/phに相当するチャート中央における矩形波応答だけ測定することが多い。さらに、インメガサイクルチャートを用いる手法は、所望の空間周波数を得るために撮像画角を正確にチャートサイズにフレーミングする必要があるが、4K/8Kカメラでは広角レンズを使うことが多いので、サイズの大きいインメガチャートが必要になり、非現実的である。

0004

そこで、インメガサイクルチャートに代わり、Slanted-edge法が提案されている(特許文献1,2、非特許文献1,2)。このSlanted-edge法は、チャートサイズが比較的小さくてフレーミングが不要な手法であり、僅かに傾いたエッジ画像を撮像して、そのエッジ広がりから、正弦波の変調度の空間周波数特性を表すMTF(Modulation Transfer Function)を算出している。

0005

まず、Slanted-edge法では、チャートを撮像したチャート画像からエッジを含む長方形の関心領域(ROI:Region Of Interest、図16)を選択する。次に、Slanted-edge法では、図17(a)に示すように、ISO12233に準拠したアルゴリズム(非特許文献2)、又は、より精度の高いアルゴリズム(特許文献1、非特許文献1)を用いて、関心領域からエッジを検出する。次に、Slanted-edge法では、図17(b)に示すように、関心領域の各画素を、エッジ傾きθeに沿って、サブピクセルで等間隔に区分した水平軸投影する。そして、Slanted-edge法では、図18に示すように、それぞれの区分けに投影された複数の画素の画素値平均値を求め、オーバーサンプリング(ISO12233の場合、4倍オーバーサンプリング)されたエッジ広がり関数を求める。さらに、Slanted-edge法では、エッジ広がり関数を微分することで線広がり関数を算出し、線広がり関数を離散フーリエ変換して絶対値を求めることで、DC成分からサンプリング周波数を超える帯域のMTFを求める。MTF測定結果の一例を図19に示す。

0006

カメラの画素構造画像処理により解像度特性の異方性が考えられる場合、多方向のMTF測定が必要になる。そこで、図20に示すようにスターバーストチャートを用いて、多方向のMTFを測定する(特許文献2)。このスターバーストチャートは、チャート中心から、コントラストの異なる色の領域が放射状に形成されたチャートである。例えば、図20のスターバーストチャートは、エッジ(直線境界)が偶数個であり、コントラストの異なる領域が等分割角になっている。各関心領域は、図21(a)に示すように、所定の角度だけ回転して、垂直方向からわずかに傾いたエッジを有する。そして、図21(b)に示すように、関心領域の各画素を水平軸に投影し、オーバーサンプリングされたエッジ広がり関数を得て、ISO12233の手法と同様にMTFを求める。等分割角が30°のスターバーストチャートを用いたときのMTF測定結果(レーダチャート)の一例を図22に示す。

0007

特開2015−94701号公報
特開2010−237177号公報(特許第5193113号公報)

先行技術

0008

K. Masaoka et al., "Modified slanted-edge method and multidirectional modulation transfer function estimation", Optics Express, 22(5), 2014
ISO 12233:2000, "Photography−Electronic Still-picture Cameras−Resolution Measurements"

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、従来のスターバーストチャート(以下、従来技術)は、図20に示すように、エッジがチャート中心で点対称になるので、同一方向でMTFを重複測定することになる。例えば、従来技術では、90°のエッジをチャート中心の先まで延長すると、270°のエッジに重なるので、これら2本のエッジで同一方向のMTFを測定することになる。その結果、従来技術は、測定方向数が半分しか得られないという問題がある。

0010

言い換えるなら、従来技術は、所望の測定方向数に対してエッジ数が2倍になるので、放射状の領域も2倍必要になる。その結果、従来技術は、ROIの横幅が狭くなり、レンズの性能が低いためにエッジがぼやける場合、良好なMTFを測定できない。図20のスターバーストチャートは、24本のエッジを有するにも関わらず、12方向しかMTFを測定できず、ROIの横幅も狭くなる。

0011

そこで、本発明は、ROIの横幅が広く、MTFの測定方向が多いMTF測定用チャートを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0012

前記した課題に鑑みて、本発明に係るMTF測定用チャートは、撮像系の解像度の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置で利用されるMTF測定用チャートであって、チャート面の所定位置を中心とし、当該中心から伸び境界同士で前記チャート面を区分した放射領域を有し、全ての前記放射領域が等分割角であり、前記境界で隣接する放射領域ごとにコントラストの異なる色を配色すると共に、予め設定した測定除外角度の境界で隣接する放射領域をコントラストが同じ色で配色し、前記測定除外角度の境界を含めて、前記境界の数が3以上の奇数である構成とした。

0013

かかる構成によれば、MTF測定用チャートは、測定除外角度の境界で隣接する放射領域を除き、他の放射領域の境界でコントラスト差によりエッジを形成する。また、MTF測定用チャートは、MTFを測定できない角度(測定除外角度)の境界で隣接する放射領域を同色としたので、その境界でコントラスト差を生じることがなく、測定除外角度でエッジを形成することがない。さらに、MTF測定用チャートは、全てのエッジがチャート中心で点対称にならない。これにより、MTF測定用チャートは、同一方向でMTFを重複測定することがないので、MTFの測定方向を多くすると共に、ROIの横幅を広くすることができる。

発明の効果

0014

本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本発明に係るMTF測定用チャートは、全てのエッジがチャート中心で点対称にならないので、同一方向でMTFを重複測定することがなく、MTFの測定方向を多くすることができる。さらに、本発明に係るMTF測定用チャートは、放射領域を狭くする必要がないので、ROIの横幅を広くし、良好なMTFを測定することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第1実施形態に係るMTF測定用チャートのパターン図である。
図1のMTF測定用チャートの傾斜角を説明する説明図である。
図1のMTF測定用チャートにおいて、測定除外角度を説明する説明図である。
図1のMTF測定用チャートの測定方向を説明する説明図である。
本発明の第2実施形態に係るMTF測定装置の構成を示すブロック図である。
第2実施形態において、チャート画像でROIを特定する手法を説明する説明図である。
図5のMTF測定装置の動作を示すフローチャートである。
本発明の変形例1に係るMTF測定用チャートのパターン図である。
本発明の変形例2において、(a)はMTF測定用チャートのパターン図であり、(b)は測定除外角度を説明する説明図である。
本発明の変形例3において、(a)はMTF測定用チャートのパターン図であり、(b)は測定除外角度を説明する説明図である。
本発明の変形例4において、(a)はMTF測定用チャートのパターン図であり、(b)は測定除外角度を説明する説明図である。
本発明の変形例5において、(a)はMTF測定用チャートのパターン図であり、(b)は測定除外角度を説明する説明図である。
本発明の変形例6において、(a)はMTF測定用チャートのパターン図であり、(b)は測定除外角度を説明する説明図である。
本発明の変形例7において、(a)はMTF測定用チャートのパターン図であり、(b)は測定除外角度を説明する説明図である。
従来のインメガサイクルチャートを説明する説明図である。
従来のSlanted-edge法におけるROIを説明する説明図である。
従来のSlanted-edge法において、(a)はエッジの検出を説明する説明図であり、(b)はエッジプロファイルの生成を説明する説明図である。
従来のSlanted-edge法におけるMTFの測定を説明する説明図である。
従来のSlanted-edge法においるMTFの測定結果を示すグラフである。
従来の多方向のMTF測定用チャートのパターン図である。
従来の多方向のMTF測定用チャートを用いた場合において、(a)はROIの回転を説明する説明図であり、(b)はエッジプロファイルの生成を説明する説明図である。
従来の多方向のMTF測定用チャートを用いた場合において、MTFの測定結果を表すレーダチャートである。

実施例

0016

本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略した。
まず、第1実施形態として、MTF測定用チャートについて説明する。次に、第2実施形態として、このMTF測定用チャートを用いたMTF測定装置について説明する。

0017

(第1実施形態)
[MTF測定用チャート]
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るMTF測定用チャートCHについて説明する。
MTF測定用チャートCHは、MTFを測定するMTF測定装置1で利用される(図5参照)。つまり、撮像系2がMTF測定用チャートCHを撮像し、その撮像画像(チャート画像)を用いて、MTF測定装置1がMTFを測定する。

0018

<MTF測定用チャートのパターン>
最初に、MTF測定用チャートCHのパターンについて説明する。
図1に示すように、MTF測定用チャートCHは、チャート面の所定位置を中心位置Oとし、この中心位置Oから伸びる境界同士でチャート面を区分したN個の放射領域Bを有する。また、MTF測定用チャートCHは、全ての放射領域Bが等分割角θとなる。そして、MTF測定用チャートCHは、境界で隣接する放射領域Bにコントラストの異なる色を配色すると共に、後記する測定除外角度の境界で隣接する放射領域Bをコントラストが同じ色で配色している。さらに、MTF測定用チャートCHは、測定除外角度の境界を含めて、境界の数が3以上の奇数である。

0019

本実施形態では、MTF測定用チャートCHは、正方形状のチャート面に、15個の放射領域B1〜B15を有する(N=15)。従って、全ての放射領域Bの等分割角θは、360/N=24°となる。この等分割角θとは、隣接する境界同士のなす角のことである。例えば、等分割角θは、放射領域B1,B2の境界と、放射領域B2,B3の境界とのなす角である。図1では、放射領域B3の等分割角θのみを図示したが、他の放射領域Bも同一の等分割角θとなる。

0020

放射領域Bは、チャート面の矩形内側の端に達しない大きさとしたので、中心位置Oを頂点とした二等辺三角形状になる。また、放射領域Bは、その領域内を白色又は黒色の何れかで配色する。また、放射領域B13,B14を同色(白色)で配色したので、外観上、放射領域B13,B14が1個の放射領域Bに見えるが、放射領域B13,B14は別の領域である。なお、隣接する放射領域B13,B14を同色で配色する理由は後記する。

0021

MTF測定用チャートCHは、同色の放射領域Bが隣接しないように、各放射領域Bを白色又は黒色で配色する。具体的には、放射領域B1,B3,B5,B7,B9,B11,B13,B14を白色とする。また、放射領域B2,B4,B6,B8,B10,B12,B15を黒色とする。従って、MTF測定用チャートCHは、放射領域B1〜B12で白色及び黒色が交互に表れ、白色の放射領域B13,B14を挟み、黒色の放射領域B15が表れる。

0022

MTF測定用チャートCHは、測定除外角度の境界(白色の放射領域B13,B14の境界)を含め、放射領域Bと同数の境界を有する。つまり、MTF測定用チャートCHは、放射領域B15,B1の境界、放射領域B1,B2の境界、…、放射領域B13,B14の境界、放射領域B14,B15の境界というように、15本の境界を有する。各境界は、直線状であり、中心位置Oから放射状に伸びている。

0023

MTF測定用チャートCHは、白色の放射領域B13,B14の境界でコントラスト差が生じないので、放射領域B13,B14の境界にエッジが形成されない。一方、MTF測定用チャートCHは、放射領域B13,B14以外の境界では、コントラスト差が生じるので、エッジが形成される。その結果、MTF測定用チャートCHは、境界より1本少ない、14本のエッジを有する。

0024

Slanted-edge法では、多様な位相を測定できるように、傾斜角φが予め設定されている。そして、Slanted-edge法では、MTFを測定する際、MTF測定用チャートCHを傾斜角φだけ傾斜させる。ここで、MTF測定用チャートCHの境界を水平方向又は垂直方向に設け、このMTF測定用チャートCHを傾斜角φだけ回転させて壁面に添付することや、撮像系2を傾斜角φだけ回転させて配置することが考えられる。しかし、MTFを測定する際、MTF測定用チャートCH又は撮像系2を正確に回転させるのは困難、かつ、手間を要する。そこで、本実施形態では、MTF測定用チャートCHのパターン自体を傾斜させている。

0025

この傾斜角φは、以下の式(1)で求められ、MTF測定上、数度(例えば、2°以上5°以下)であればよい。式(1)より、放射領域Bが9個以上21個以下の奇数であれば、傾斜角φが2°以上5°以下になる。
φ=90/2N …式(1)

0026

放射領域Bが9個のときに傾斜角φが5°となり、放射領域Bが15個のときに傾斜角φが3°となる。一方、放射領域Bが11個以上21個以下であって、15個を除いた奇数個の場合、傾斜角φが整数にならない。さらに、放射領域Bの数を多くする程、MTFの測定方向を多くできる一方、ROIの横幅が狭くなる。本実施形態では、これらの理由により、放射領域Bを15個とする。

0027

図2に示すように、MTF測定用チャートCHは、傾斜前に垂直方向又は水平方向の境界(例えば、放射領域B15,B1)を基準として、時計回りに、傾斜角φだけ傾斜させる。その結果、MTF測定用チャートCHは、水平方向に対して、放射領域B11,B12の境界も傾斜角φだけ傾斜する。つまり、MTF測定用チャートCHは、式(1)で求めた傾斜角φだけパターン自体が傾斜しているので、垂直方向及び水平方向に傾斜角φだけ傾斜したエッジが形成され、垂直方向及び水平方向のMTFが測定可能となる。
なお、傾斜角φとは、垂直方向と、基準になる境界とのなす角のことである。

0028

なお、図2では、説明を容易にするため、放射領域B1,B12のみを図示し、チャート面の枠及び放射領域Bの配色を省略した。また、図2では、水平方向及び垂直方向の軸線を一点鎖線で図示したが、MTF測定用チャートCHに軸線を描く必要はない。

0029

<隣接する放射領域を同色に配色する理由>
以下、隣接する放射領域B13,B14を同色に配色する理由について説明する。
図3に示すように、MTF測定用チャートCHは、各境界が、各放射領域Bの等分割角θに傾斜角φを加えた方向になる。具体的には、MTF測定用チャートCHは、垂直方向を基準に時計回りで、3°、27°,51°,75°,…,315°,339°の方向に15本の境界が伸びている。

0030

Slanted-edge法では、エッジの方向が、45°、135°、225°及び315°の測定除外角度に一致する場合、そのエッジからMTFを測定できない。しかし、MTF測定用チャートCHは、等分割角θに傾斜角φを加えた方向に各境界を設けると、必ず、45°、135°、225°又は315°の方向に1本のエッジが形成されてしまう。

0031

そこで、MTF測定用チャートCHは、この測定除外角度の境界で隣接する放射領域Bをコントラストが同じ色で配色した。図3の例では、MTF測定用チャートCHは、315°の境界で隣接する放射領域B13,B14を白色で配色した。これにより、MTF測定用チャートCHは、これら放射領域B13,B14の境界でコントラスト差を生じないので、測定除外角度でエッジを形成しない。

0032

なお、図3では、説明を容易にするため、放射領域Bの配色を省略し、放射領域B13,B14の境界にエッジDが形成されないことを示すため一点鎖線で図示した。また、MTF測定用チャートCHにエッジDを描く必要はない。

0033

上より、MTF測定用チャートCHのパターンを構成することができる。その結果、図4に示すように、MTF測定用チャートCHは、全てのエッジが中心位置Oで点対称にならない。例えば、放射領域B15,B1の境界が形成するエッジを中心位置Oから延長すると、その延長線E1は、放射領域B8の中央を通る。また、放射領域B1,B2の境界が形成するエッジを中心位置Oから延長すると、その延長線E2は、放射領域B9の中央を通る。さらに、放射領域B8,B9の境界が形成するエッジを中心位置Oから延長すると、その延長線E3は、放射領域B1の中央を通る。

0034

このように、MTF測定用チャートCHは、各エッジを中心位置Oから先に延長しても、他のエッジに重なることがない。さらに、MTF測定用チャートCHは、各エッジで測定したMTFを、中心位置Oの180°反対側の測定結果として扱うことで、MTFの測定方向をより多くできる。

0035

なお、図4では、エッジの延長線を破線(延長線E1〜E3は太破線)で図示し、放射領域Bの配色及び一部符号を省略した。また、MTF測定用チャートCHにエッジの延長線を描く必要はない。

0036

<MTF測定用チャートの製造方法>
次に、MTF測定用チャートCHの製造方法の一例について説明する。
MTF測定用チャートCHは、正方形状のチャート部材図1のパターンを配色することで、製造可能である。このチャート部材は、特に制限されないが、例えば、紙、フィルムガラス又は金属である。

0037

チャート部材が紙又はフィルムの場合、図1のパターンをチャート部材に印刷し、MTF測定用チャートCHを製造できる。
また、チャート部材がガラス又は金属の場合、図1のパターンをチャート部材に塗装すればよい。このように、チャート部材をガラス又は金属とすることで、MTF測定時にMTF測定用チャートCHが撓みにくくなる。

0038

[作用・効果]
以上のように、本発明の第1実施形態に係るMTF測定用チャートCHは、全てのエッジが中心位置Oで点対称にならないので、MTFの測定方向を多くすることができる。
さらに、MTF測定用チャートCHは、垂直方向に対して、パターン自体が傾斜しているので、MTF測定用チャートCH及び撮像系2を回転させて配置する必要がなく、MTFを簡易に測定することができる。
さらに、MTF測定用チャートCHは、従来技術のように所望の測定方向数に対して放射領域Bを2倍設ける必要がないので、ROIの横幅を広くすることができる。

0039

(第2実施形態)
[MTF測定装置の構成]
以下、図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るMTF測定装置1の構成について説明する。このMTF測定装置1は、MTF測定用チャートCHを用いて、MTFを測定するものである。すなわち、MTF測定装置1は、MTF測定用チャートCHを撮像した画像でMTFを測定する際、各等分割角で区分されたコントラストの異なる放射領域に跨ったROIにおいて、その等分割角の方向に応じた空間周波数特性を測定する。よって、空間周波数特性を測定したい方向に応じて、適宜、どのMTF測定用チャートCHを用いるかを決めればよい。第2実施形態では、図1のMTF測定用チャートCHを用いることとする。

0040

図5に示すように、MTF測定装置1は、チャート画像記憶手段10と、画像位置特定手段11と、画像抽出手段12と、演算手段13と、グラフ生成手段14とを備える。ここでは、MTF測定装置1は、被測定対象の撮像系(レンズ、カメラ等)2と、MTF測定装置1を操作するユーザインタフェースを提供する表示装置3とを接続しているものとする。

0041

チャート画像記憶手段10は、被測定対象の撮像系(レンズ、カメラ等)2で、図1のMTF測定用チャートCHを撮像した画像(チャート画像)を記憶するものであって、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。

0042

画像位置特定手段11は、MTF測定用チャートCHを撮像したチャート画像から、MTF測定を行うROIの画像の位置を特定するものである。ここでは、画像位置特定手段11は、チャート中心取得手段111と、基準ROI領域情報取得手段112と、相対位置判定手段113と、角度別ROI領域特定手段114と、を備える。

0043

チャート中心取得手段111は、チャート画像記憶手段10に記憶されているチャート画像において、放射線状の境界の中心位置O(図6)を取得するものである。このチャート中心取得手段111は、表示装置3にチャート画像を表示し、例えば、タッチペン31等のポインティングデバイス入力手段)によって、操作者がチャート画像の中心を指定することで、チャート画像の中心位置Oを取得する。なお、このチャート中心取得手段111は、チャート画像において、エッジ検出により等分割角θで区分された放射領域Bの境界である複数の直線を抽出し、この直線の交点によって中心位置Oを求めることとしてもよい。

0044

ここで、チャート中心取得手段111は、中心位置Oを設定された場合、当該中心位置Oがチャート画像の中心座標(0,0)となるように、座標系を設定し、チャート画像の各画素の座標シフトすることとする。なお、チャート画像の中心座標が既知の場合には、他のチャート画像を入力するときの座標を、その中心が中心座標(0,0)になるように入力することで、次のチャート画像の中心位置Oの取得を省略することもできる。
このチャート中心取得手段111は、取得した中心位置Oを相対位置判定手段113及び角度別ROI領域特定手段114に出力する。

0045

基準ROI領域情報取得手段112は、チャート画像において、水平方向又は垂直方向のコントラストが異なる放射領域Bに跨った矩形領域を指定されることで、測定基準となる基準ROIの領域を示す領域情報を取得するものである。この基準ROI領域情報取得手段112は、表示装置3に表示されたチャート画像で、例えば、タッチペン31等のポインティングデバイスによって、操作者が矩形領域を指定することで、基準ROIの位置及び大きさを領域情報として取得する。

0046

例えば、図6に示すように、チャート画像IMGCHにおいて、放射領域B15,B1が隣接している垂直境界付近で、かつ、中心位置Oよりも上側の領域R1を基準ROIとして指定する。この他、放射領域B11,B12が隣接している水平境界付近で、かつ、中心位置Oよりも左側の領域R12を基準ROIとして指定してもよい。
この基準ROI領域情報取得手段112は、基準ROIの領域情報(座標値)を、相対位置判定手段113に出力する。

0047

相対位置判定手段113は、基準ROI領域情報取得手段112で取得した基準ROIの領域情報と、チャート中心取得手段111で取得した中心位置Oとに基づいて、基準ROIの中心位置に対する相対位置を判定するものである。すなわち、相対位置判定手段113は、基準ROIが、中心位置Oに対して、どの方向(上下左右)に存在する画像であるのかを判定する。この相対位置判定手段113は、判定結果を角度別ROI領域特定手段114に出力する。

0048

角度別ROI領域特定手段114は、チャート画像の中心位置Oを中心として、チャート画像を区分する放射領域Bの中心角である予め定めた等分割角θごとに、基準ROIを回転した角度別ROIを特定するものである。
この角度別ROI領域特定手段114は、相対位置判定手段113で判定した相対位置に基づいて、角度別ROIの位置と回転方向(及びその角度)を特定する。

0049

例えば、図6に示すように、チャート画像IMGCHで基準ROI(R1)が選択された場合を考える。この場合、角度別ROI領域特定手段114は、基準ROI(R1)を、中心位置Oを基準として、時計回りに、各放射領域Bの等分割角24°,48°,72°,…,336°だけ回転した位置で角度別ROI(R2,R3,…,R14)を特定する。このとき、角度別ROI領域特定手段114は、測定除外角度で角度別ROIを特定しない。この角度別ROIは、基準ROIを回転したものであるため、方向の違いはあるが、基準ROIと同じ大きさである。

0050

このように、角度別ROI領域特定手段114は、基準ROIの領域をチャート画像の放射領域Bの等分割角θで回転させて角度別ROIの領域を特定するため、各角度別ROIは、その領域内にコントラストが異なるエッジが含まれていることになる。
なお、角度別ROI領域特定手段114は、特定した角度別ROI(基準ROIを含む)の領域情報(座標値)を画像抽出手段12に出力する。

0051

画像抽出手段12は、画像位置特定手段11で特定された各角度別のROIの画像を、チャート画像から抽出するものである。ここでは、画像抽出手段12は、ROI抽出手段121と、ROI回転手段122と、を備える。

0052

ROI抽出手段121は、画像位置特定手段11で特定された各角度別ROI(基準ROIを含む)の画像を、チャート画像記憶手段10から抽出して読み出すものである。ROI抽出手段121は、抽出した画像(角度別ROI)を図示を省略したメモリに記憶し、ROI回転手段122に通知する。

0053

ROI回転手段122は、ROI抽出手段121で抽出した角度別ROIを、中心位置を基準に、基準ROIからの回転角に応じて座標変換を行うことで、当該基準ROIの位置に相当する位置に回転させた回転角度別ROIを生成するものである。
このROI回転手段122は、各角度別ROIの画素値の座標値(なお、この座標系は任意でよい)を、極座標系に変換し、回転角に応じて回転させた後、デカルト座標系(xy座標値)に変換することで、各角度別ROIの回転後の座標と対応する画素値を求めることができる。

0054

以上説明したように、画像抽出手段12は、チャート画像から、基準ROIとともに、等分割角ごとの角度別ROIを基準ROIと同一の向き、略同一形状となる回転角度別ROIとして抽出することができる。この各方向のROI(角度別ROI、回転角度別ROI)は、画素構造(の傾き)は異なるが、略同じエッジ画像となる。また、各ROIのエッジは、撮像系2のひずみがなく、中心位置Oが正しく選択されていれば、同じ傾き角度となる。

0055

演算手段13は、ROI(基準ROI、回転角度別ROI)から、MTFを演算するものである。ここでは、演算手段13は、エッジプロファイル生成手段131と、トリミング手段132と、MTF算出手段133と、を備える。

0056

エッジプロファイル生成手段131は、各ROIのエッジ傾きを検出し、当該エッジの向きに応じたエッジプロファイルを生成するものである。例えば、エッジプロファイル生成手段131は、チャート画像における水平方向及び垂直方向の軸を2軸とする座標系(xy座標系)において、ROI(基準ROI、回転角度別ROI)のxy座標値とその画素値とからエッジ傾きを求める。このエッジ傾きは、正規累積密度関数等によるフィッティングにより求めることができる。また、このフィッティングは、エッジ傾きを求めるためだけに行うだけで、画像に完全にフィッティングさせる必要はない。

0057

そして、エッジプロファイル生成手段131は、基準ROIが垂直方向にエッジを含んだ画像である場合(すなわち、図6のR1を基準ROIとした場合)、ROI(基準ROI、回転角度別ROI)ごとに、エッジ傾きに沿って画素値を水平方向の軸(x軸)に投影し、平均化することでエッジプロファイルを生成する。なお、平均化する軸のビンのサイズは、画素よりも小さいサイズを用いることとする。例えば、1画素の1/4の幅をビンのサイズとする。そして、エッジプロファイル生成手段131は、生成した回転角ごとのROIのエッジプロファイルをトリミング手段132に出力する。

0058

ここで、基準ROI(R1)の場合、エッジプロファイル生成手段131は、基準ROI内でエッジeを検出し、そのエッジ傾きθeに沿って、基準ROIの各画素値をx軸に投影し、x座標のビンごとに画素値を平均化する(図17参照)。

0059

一方、基準ROI以外(つまり、角度別ROI)の場合、ROI回転手段122が、角度別ROIを基準ROI相当の位置に回転させることで、回転角度別ROIを予め生成している。従って、エッジプロファイル生成手段131は、回転角度別ROI内でエッジeを検出し、そのエッジ傾きθeに沿って、回転角度別ROIの各画素値をx軸に投影し、x座標のビンごとに入った画素値の平均を得る(図21参照)。
これによって、エッジプロファイル生成手段131は、水平方向、垂直方向以外にも、任意の等分割角に対応した方向のエッジに対して、エッジプロファイルを生成することができる。

0060

トリミング手段132は、エッジプロファイル生成手段131で生成した各ROIのエッジプロファイルの長さが同じになるように、最短のエッジプロファイルを基準として、各エッジプロファイルをトリミングするものである。例えば、最短のエッジプロファイルの長さ以下で8の倍数最大値をmとすると、それより長いエッジプロファイルについては、m画素分を超過する両端のエッジプロファイルを削除し、同一の長さのエッジプロファイルを生成する。これによって、全てのROIについて、MTFを算出するためのエッジプロファイル長が同一となり、後記するMTF算出手段133において撮像系2のナイキスト周波数を含み、同一の空間周波数ステップ幅でMTFが算出されることになる。

0061

MTF算出手段133は、回転角度別ROI及び基準ROIごとに、MTFを算出するものである。このMTF算出手段133は、一般的なSlanted-edge法を用いて、エッジプロファイルから、MTFを算出する。すなわち、MTF算出手段133は、ROIごとに、エッジプロファイルを順次微分することで線広がり関数(LSF)を求めた後、離散フーリエ変換を行うことでMTFを求める。

0062

これによって、MTF算出手段133は、図6のROI(R1〜R14)において、R1については水平周波数成分、R12については垂直周波数成分、それ以外のROIについては、それぞれの方向に対応したMTFを得ることができる。なお、MTF算出手段133は、算出したMTFをグラフ生成手段14に出力する。

0063

以上説明したように、演算手段13は、画像抽出手段12によってチャート画像より抽出された測定対象画像から、予め定めたチャート画像の放射領域Bにおける境界の方向に応じて、任意の方向のMTFを算出することができる。

0064

グラフ生成手段14は、MTF算出手段133で算出したMTFをグラフ化するものである。このグラフ生成手段14は、例えば、横軸周波数縦軸にMTFをとった座標上にMTF算出手段133で算出したMTFをプロットする。

0065

また、グラフ生成手段14は、チャート画像の放射領域Bと同じ等分割角θごと(例えば、24°,48°,…,360°)の放射状の軸上に、MTF算出手段133で算出したMTFの値をプロットし、軸上にプロットした点を連結することでレーダチャートを生成してもよい。
このグラフ生成手段14で生成されたグラフは、例えば、表示装置3に出力され、操作者が撮像系2のMTFの解析結果を視認することができる。

0066

このように、MTF測定装置1は、MTF測定用チャートCHを撮像したチャート画像から、チャート画像の等分割角に応じた方向のMTFを測定することができる。また、MTF測定装置1は、角度別ROIを基準ROI相当の画像に回転して処理するため、正確に斜め方向のMTFを測定することができる。

0067

[MTF測定装置の動作]
次に、図7を参照して、MTF測定装置1の動作について説明する(適宜図5参照)。
まず、MTF測定装置1は、撮像系2によって、MTF測定用チャートCHを撮像し、撮像したチャート画像をチャート画像記憶手段10に記憶する(ステップS1)。
そして、MTF測定装置1は、画像位置特定手段11のチャート中心取得手段111によって、表示装置3上にチャート画像を表示し、操作者によって中心位置を指定されることで、チャート画像の中心位置を取得する(ステップS2)。

0068

さらに、MTF測定装置1は、画像位置特定手段11の基準ROI領域情報取得手段112によって、表示装置3上に表示されたチャート画像において、操作者によって領域を指定されることで、基準ROIの領域情報(位置及び大きさ)を取得する(ステップS3)。なお、このステップS2,S3の動作は、その順序入れ替えて行ってもよい。

0069

そして、MTF測定装置1は、相対位置判定手段113によって、ステップS2で取得したチャート画像の中心位置と、ステップS3で取得した基準ROIの領域情報とに基づいて、基準ROIの位置がチャート画像の中心位置に対して上、下、左又は右の何れの位置(相対位置)を指定されたのか判定する(ステップS4)。

0070

そして、MTF測定装置1は、角度別ROI領域特定手段114によって、ステップS4で判定した相対位置に基づいて、ステップS2で取得した中心位置を中心として、チャート画像を区分する放射領域Bの中心角である予め定めた等分割角θごとに、基準ROIを回転した角度別ROIを特定する。このとき、角度別ROI領域特定手段114は、測定除外角度で角度別ROIを特定しない(ステップS5)。

0071

その後、MTF測定装置1は、画像抽出手段12のROI抽出手段121によって、ステップS5で特定された角度別ROI(基準ROIを含む)の画像を、チャート画像記憶手段10に記憶されているチャート画像から抽出して読み出す(ステップS6)。

0072

また、MTF測定装置1は、画像抽出手段12のROI回転手段122によって、ステップS6で読み出した角度別ROIを、中心位置を基準に、基準ROIからの回転角に応じて、当該基準ROIの位置に相当する位置に回転させた回転角度別ROIを生成する(ステップS7)。

0073

そして、MTF測定装置1は、演算手段13のエッジプロファイル生成手段131によって、各ROIのエッジ傾きに応じて、水平又は垂直の軸にROIの画素値を投影することで、エッジプロファイルを生成する(ステップS8)。

0074

さらに、MTF測定装置1は、演算手段13のトリミング手段132によって、各ROIのエッジプロファイルの長さが同じになるように、最短のエッジプロファイルを基準として、各エッジプロファイルをトリミングする(ステップS9)。

0075

その後、MTF測定装置1は、演算手段13のMTF算出手段133によって、ステップS9でトリミングされた各ROIのエッジプロファイルについて、線広がり関数(LSF)を求めた後、離散フーリエ変換を行うことでMTFを算出する(ステップS10)。
そして、MTF測定装置1は、グラフ生成手段14によって、ステップS10で算出したMTFをプロットしたグラフを生成し、表示装置3に出力する(ステップS11)。

0076

以上の動作により、MTF測定装置1は、MTF測定用チャートCHを撮像したチャート画像から、等分割角の方向のMTFを一度に測定することができる。

0077

以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、MTF測定用チャートCHは、白色及び黒色を逆に配色してもよい。

0078

前記した実施形態では、図2に示すように、MTF測定用チャートCHを時計回りに傾斜させることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。つまり、MTF測定用チャートCHは、傾斜角φを負値にして、反時計回りに傾斜角φだけ傾斜させてもよい。

0079

前記した実施形態では、図1に示すように、放射領域Bがチャート面の端に達しないこととして説明したが、本発明は、これに限定されない。図8に示すように、MTF測定用チャートCH2は、放射領域Bがチャート面の端に達してもよい(変形例1)。

0080

前記した実施形態では、図1に示すように、放射領域Bが15個であることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。つまり、MTF測定用チャートCHは、放射領域Bが3個以上の奇数であればよく、放射領域Bの数を多くする程、異なる方向にエッジが形成されるため、MTFの測定方向を多くすることができる。一方、MTF測定用チャートCHは、放射領域Bの数を多くする程、各放射領域Bが狭くなるため、ROIを中心位置Oから離す必要がある。以下、異なる数の放射領域Bを有する変形例2〜7について、具体的に説明する。

0081

(変形例2)
図9(a)に示すように、MTF測定用チャートCH3は、9個の放射領域B(B1〜B9)を有するので、等分割角θが40°になり、傾斜角φが5°になる。また、MTF測定用チャートCH3は、測定除外角度(例えば、45°)の境界で隣接する放射領域B1,B2を白色に配色する。つまり、放射領域B1,B2の境界には、エッジDが形成されない。従って、MTF測定用チャートCH3は、白色の放射領域B1,B2を有し、放射領域B3〜B9で黒色及び白色が交互に表れる。さらに、図9(b)に示すように、MTF測定用チャートCH3は、傾斜前に垂直方向の境界(放射領域B9,B1)を基準として、傾斜角φだけ傾斜させる。

0082

なお、図9(b)では、垂直方向及び水平方向に対して、傾斜角φだけ傾斜した境界を太線で図示した。また、MTF測定用チャートCH3は、図8と同様、放射領域Bがチャート面の端に達してもよい。これらの点、後記する変形例3〜7も同様である。

0083

(変形例3)
図10(a)に示すように、MTF測定用チャートCH4は、11個の放射領域B(B1〜B11)を有するので、等分割角θが約32.73°になり、傾斜角φが約4.09°になる(有効数字小数点2桁)。また、MTF測定用チャートCH4は、測定除外角度(例えば、135°)の境界で隣接する放射領域B4,B5を黒色に配色する。つまり、放射領域B4,B5の境界には、エッジDが形成されない。従って、MTF測定用チャートCH4は、放射領域B1〜B3で白色及び黒色が交互に表れ、黒色の放射領域B4,B5を挟み、放射領域B6〜B11で白色及び黒色が交互に表れる。さらに、図10(b)に示すように、MTF測定用チャートCH4は、傾斜前に垂直方向の境界(放射領域B11,B1)を基準として、傾斜角φだけ傾斜させる。

0084

(変形例4)
図11(a)に示すように、MTF測定用チャートCH5は、13個の放射領域B(B1〜B13)を有するので、等分割角θが約26.69°になり、傾斜角φが約3.46°になる(有効数字は小数点2桁)。また、MTF測定用チャートCH5は、測定除外角度(例えば、225°)の境界で隣接する放射領域B8,B9を黒色に配色する。つまり、放射領域B8,B9の境界には、エッジDが形成されない。従って、MTF測定用チャートCH5は、放射領域B1〜B7で白色及び黒色が交互に表れ、黒色の放射領域B8,B9を挟み、放射領域B10〜B13で白色及び黒色が交互に表れる。さらに、図11(b)に示すように、MTF測定用チャートCH5は、傾斜前に垂直方向の境界(放射領域B13,B1)を基準として、傾斜角φだけ傾斜させる。

0085

(変形例5)
図12(a)に示すように、MTF測定用チャートCH6は、17個の放射領域B(B1〜B17)を有するので、等分割角θが約21.18°になり、傾斜角φが約2.65°になる(有効数字は小数点2桁)。また、MTF測定用チャートCH6は、測定除外角度(例えば、45°)の境界で隣接する放射領域B2,B3を黒色に配色する。つまり、放射領域B2,B3の境界には、エッジDが形成されない。従って、MTF測定用チャートCH6は、白色の放射領域B1が表れ、黒色の放射領域B2,B3を挟み、放射領域B4〜B17で白色及び黒色が交互に表れる。さらに、図12(b)に示すように、MTF測定用チャートCH6は、傾斜前に垂直方向の境界(放射領域B17,B1)を基準として、傾斜角φだけ傾斜させる。

0086

(変形例6)
図13(a)に示すように、MTF測定用チャートCH7は、19個の放射領域B(B1〜B19)を有するので、等分割角θが約18.95°になり、傾斜角φが約2.37°になる(有効数字は小数点2桁)。また、MTF測定用チャートCH7は、測定除外角度(例えば、135°)の境界で隣接する放射領域B7,B8を白色に配色する。つまり、放射領域B7,B8の境界には、エッジDが形成されない。従って、MTF測定用チャートCH7は、放射領域B1〜B6で白色及び黒色が交互に表れ、白色の放射領域B7,B8を挟み、放射領域B9〜B19で黒色及び白色が交互に表れる。さらに、図13(b)に示すように、MTF測定用チャートCH7は、傾斜前に垂直方向の境界(放射領域B19,B1)を基準として、傾斜角φだけ傾斜させる。

0087

(変形例7)
図14(a)に示すように、MTF測定用チャートCH8は、21個の放射領域B(B1〜B21)を有するので、等分割角θが約17.14°になり、傾斜角φが約2.14°になる(有効数字は小数点2桁)。また、MTF測定用チャートCH8は、測定除外角度(例えば、225°)の境界で隣接する放射領域B13,B14を白色に配色する。つまり、放射領域B13,B14の境界には、エッジDが形成されない。従って、MTF測定用チャートCH8は、放射領域B1〜B12で白色及び黒色が交互に表れ、白色の放射領域B13,B14を挟み、放射領域B15〜B21で黒色及び白色が交互に表れる。さらに、図14(b)に示すように、MTF測定用チャートCH8は、傾斜前に垂直方向の境界(放射領域B21,B1)を基準として、傾斜角φだけ傾斜させる。

0088

CH,CH2〜CH8MTF測定用チャート
B,B1〜B21放射領域
1MTF測定装置
10チャート画像記憶手段
11 画像位置特定手段
12画像抽出手段
13演算手段
14グラフ生成手段
111チャート中心取得手段
112 基準ROI領域情報取得手段
113相対位置判定手段
114 角度別ROI領域特定手段
121ROI抽出手段
122 ROI回転手段
131エッジプロファイル生成手段
132トリミング手段
133MTF算出手段

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