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技術 流量制御弁

出願人 住友精密工業株式会社
発明者 竹内経博
出願日 2016年7月28日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2016-148477
公開日 2018年2月1日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2018-017334
状態 特許登録済
技術分野 多方弁 スライド弁 流体駆動弁
主要キーワード スライドスプール 各開口面積 ソレノイド方式 各ばね定数 片ロッドシリンダ 切欠形状 スタンバイ位置 油圧機械
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することが可能なスプール方式の流量制御弁を提供する。

解決手段

この流量制御弁100は、供給ポートPと、排出ポートTと、択一的に作動油を流入または流出させるポートBおよびポートAとを含むボディ1と、スプール2とを備える。スプール2は、X2方向に移動することにより、ポートBおよび供給ポートPを連通させる第1開口41を形成するとともに、ポートAおよび排出ポートTを連通させる第2開口42を形成するように構成されている。流量制御弁100は、第1開口41の開口面積A11が、第2開口42の開口面積A12よりも小さくなるように構成されている。

概要

背景

従来、ボディ内でスプールを移動させることによりポート開閉して流量を制御する流量制御弁が知られている(たとえば、特許文献1参照)。

上記特許文献1には、作動油出入りするポートが設けられたボディと、ボディ内で移動してポートを開閉させるスプールとを備えた流量制御弁が開示されている。ボディには、作動油が供給される供給ポートと、作動油が排出される排出ポートと、互いに択一的に作動油を流入または流出させる第1ポートおよび第2ポートとが設けられている。スプールを第1ポート側に移動させると、第1ポートおよび供給ポートが連通し、第2ポートおよび排出ポートが連通する。スプールを第2ポート側に移動させると、第2ポートおよび供給ポートが連通し、第1ポートおよび排出ポートが連通する。流量制御弁は、たとえば油圧シリンダの制御に用いられる。

概要

供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することが可能なスプール方式の流量制御弁を提供する。この流量制御弁100は、供給ポートPと、排出ポートTと、択一的に作動油を流入または流出させるポートBおよびポートAとを含むボディ1と、スプール2とを備える。スプール2は、X2方向に移動することにより、ポートBおよび供給ポートPを連通させる第1開口41を形成するとともに、ポートAおよび排出ポートTを連通させる第2開口42を形成するように構成されている。流量制御弁100は、第1開口41の開口面積A11が、第2開口42の開口面積A12よりも小さくなるように構成されている。

目的

不必要な油圧の上昇は、発熱騒音エネルギー損失の原因になるため、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

作動油が供給される供給ポートと、作動油が排出される排出ポートと、互いに択一的に作動油を流入または流出させる第1ポートおよび第2ポートとを含むボディと、前記ボディ内に保持され、外部から供給される作動力により移動するスプールと、を備え、前記スプールは、第1方向に移動することにより、前記第1ポートおよび前記供給ポートを連通させる第1開口を形成するとともに、前記第2ポートおよび前記排出ポートを連通させる第2開口を形成するように構成され、前記第1開口の開口面積が、前記第2開口の開口面積よりも小さくなるように構成されている、流量制御弁

請求項2

前記スプールは、前記スプールの移動に伴って前記ボディとの間に開口を形成するとともに、前記スプールの移動量に応じて開口面積を変化させる流量調整部を含み、前記流量調整部は、前記第2開口の開口面積よりも小さい開口面積で前記第1開口を形成する第1流量調整部を有する、請求項1に記載の流量制御弁。

請求項3

前記第1ポートおよび前記第2ポートは、油圧シリンダにおける受圧面積が互いに異なる第1油室および第2油室にそれぞれ接続され、前記第1油室および前記第2油室の各々の受圧面積に基づいて、前記第1開口および前記第2開口の各開口面積が設定されている、請求項1または2に記載の流量制御弁。

請求項4

前記スプールは、第2方向に移動することにより、前記第2ポートおよび前記供給ポートを連通させる第3開口を形成するとともに前記第1ポートおよび前記排出ポートを連通させる第4開口を形成するように構成され、前記第1方向への前記スプールの単位移動量当たりの前記第1開口の開口面積が、前記第2方向への前記スプールの単位移動量当たりの前記第3開口の開口面積よりも小さくなるように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の流量制御弁。

請求項5

前記スプールは、前記スプールの移動に伴って前記ボディとの間に開口を形成するとともに、前記スプールの移動量に応じて開口面積を変化させる流量調整部を含み、前記流量調整部は、前記第1開口を形成する第1流量調整部と、前記第1流量調整部とは異なる形状または寸法を有し、前記第3開口を形成する第2流量調整部とを含む、請求項4に記載の流量制御弁。

請求項6

前記流量調整部は、前記スプールの外周面に設けられた切欠であり、前記第1流量調整部と前記第2流量調整部とは、切欠の平面形状または深さが互いに異なるように形成されている、請求項5に記載の流量制御弁。

請求項7

前記流量調整部は、前記スプールの外周面の外径を減少させるように形成されたテーパ部であり、前記第1流量調整部と前記第2流量調整部とは、テーパ部の傾斜角度が互いに異なるように形成されている、請求項5に記載の流量制御弁。

請求項8

前記ボディは、前記スプールの前記第1方向側に配置され、前記第1方向への前記スプールの移動に伴って圧縮される第1付勢部と、前記スプールの前記第2方向側に配置され、前記第2方向への前記スプールの移動に伴って圧縮される第2付勢部と、を含み、前記第1付勢部のばね定数が、前記第2付勢部のばね定数よりも小さい、請求項4〜7のいずれか1項に記載の流量制御弁。

請求項9

前記スプールに供給する作動力を制御するコントローラにより、前記第2方向への流量指令値に対する供給作動力の傾きよりも、前記第1方向への流量指令値に対する供給作動力の傾きが大きくなるように構成されている、請求項4〜7のいずれか1項に記載の流量制御弁。

技術分野

0001

この発明は、流量制御弁に関し、特に、ボディ内でスプールを移動させることによりポート開閉して流量を制御する流量制御弁に関する。

背景技術

0002

従来、ボディ内でスプールを移動させることによりポートを開閉して流量を制御する流量制御弁が知られている(たとえば、特許文献1参照)。

0003

上記特許文献1には、作動油出入りするポートが設けられたボディと、ボディ内で移動してポートを開閉させるスプールとを備えた流量制御弁が開示されている。ボディには、作動油が供給される供給ポートと、作動油が排出される排出ポートと、互いに択一的に作動油を流入または流出させる第1ポートおよび第2ポートとが設けられている。スプールを第1ポート側に移動させると、第1ポートおよび供給ポートが連通し、第2ポートおよび排出ポートが連通する。スプールを第2ポート側に移動させると、第2ポートおよび供給ポートが連通し、第1ポートおよび排出ポートが連通する。流量制御弁は、たとえば油圧シリンダの制御に用いられる。

先行技術

0004

特開2010−127373号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ここで、片ロッドシリンダなどに流量制御弁が接続される場合、ロッド側油室ヘッド側油室とでロッドの分だけ受圧面積(または容積変化量)が異なるため、ロッドを引き込む際にロッド側油室に供給する作動油の量よりも、ヘッド側油室からの戻り油の量が多くなる。

0006

その場合、たとえば第1ポートおよび第2ポートがそれぞれ油圧シリンダのロッド側油室とヘッド側油室とに接続され、供給ポートから第1ポートを介してロッド側油室に作動油を供給すると、ヘッド側油室から第2ポートを介して排出ポートに戻る戻り油の量が相対的に多くなるため、戻り側の第2ポートと排出ポートとの間において油圧が上昇してしまうという不都合がある。不必要な油圧の上昇は、発熱騒音エネルギー損失の原因になるため、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することが望まれている。

0007

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することが可能なスプール方式の流量制御弁を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、この発明による流量制御弁は、作動油が供給される供給ポートと、作動油が排出される排出ポートと、互いに択一的に作動油を流入または流出させる第1ポートおよび第2ポートとを含むボディと、ボディ内に保持され、外部から供給される作動力により移動するスプールと、を備え、スプールは、第1方向に移動することにより、第1ポートおよび供給ポートを連通させる第1開口を形成するとともに、第2ポートおよび排出ポートを連通させる第2開口を形成するように構成され、第1開口の開口面積が、第2開口の開口面積よりも小さくなるように構成されている。

0009

この発明による流量制御弁では、上記のように、第1方向に移動することにより、第1ポートおよび供給ポートを連通させる第1開口を形成するとともに、第2ポートおよび排出ポートを連通させる第2開口を形成するスプールを設け、第1開口の開口面積が、第2開口の開口面積よりも小さくなるように流量制御弁を構成する。これにより、供給ポートから第1ポートを介して流出する作動油が通過する第1開口の開口面積を相対的に小さくすることができるとともに、第2ポートを介して排出ポートへ戻る戻り油が通過する第2開口の開口面積を相対的に大きくすることができる。そのため、受圧面積(または容積変化量)が小さい側の油室を第1ポートと接続し、受圧面積が大きい側の油室を第2ポートと接続すれば、供給される作動油の流量よりも戻り油の流量が大きくなったとしても、その分、戻り油が通過する第2開口の開口面積を相対的に大きくすることができるので、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することができる。

0010

上記発明による流量制御弁において、好ましくは、スプールは、スプールの移動に伴ってボディとの間に開口を形成するとともに、スプールの移動量に応じて開口面積を変化させる流量調整部を含み、流量調整部は、第2開口の開口面積よりも小さい開口面積で第1開口を形成する第1流量調整部を有する。このように構成すれば、移動量に応じて流量を調整するためのスプールの第1流量調整部の形状を変更するだけで、容易に、第1開口の開口面積を第2開口の開口面積に対して相対的に小さくすることができる。

0011

上記発明による流量制御弁において、好ましくは、第1ポートおよび第2ポートは、油圧シリンダにおける受圧面積が互いに異なる第1油室および第2油室にそれぞれ接続され、第1油室および第2油室の各々の受圧面積に基づいて、第1開口および第2開口の各開口面積が設定されている。このように構成すれば、第1油室と第2油室との受圧面積の差の大きさに応じて、第1開口および第2開口の各開口面積の差を決定することが可能となる。つまり、供給側(第1開口側)の流量に対する戻り側(第2開口側)の流量が分かるので、流量差に応じた開口面積になるように第1開口および第2開口の開口面積を設定することによって、作動油の圧力が上昇するのをより効果的に抑制することができる。

0012

上記発明による流量制御弁において、好ましくは、スプールは、第2方向に移動することにより、第2ポートおよび供給ポートを連通させる第3開口を形成するとともに第1ポートおよび排出ポートを連通させる第4開口を形成するように構成され、第1方向へのスプールの単位移動量当たりの第1開口の開口面積が、第2方向へのスプールの単位移動量当たりの第3開口の開口面積よりも小さくなるように構成されている。このように構成すれば、供給ポートから第2ポートを介して流出する作動油の流量を、供給ポートから第1ポートを介して流出する場合と比較して大きくすることができる。そのため、油圧シリンダの受圧面積が小さい側の油室を第1ポートと接続し、受圧面積が大きい側の油室を第2ポートと接続する場合に、各油室への作動油の吐出流量を受圧面積の差分に応じて異ならせることができるので、ロッド伸張制御時とロッド引込制御時とで、同一のスプール移動量(同一の弁開度)でのロッドの移動速度の差を小さくすることができる。

0013

この場合、好ましくは、スプールは、スプールの移動に伴ってボディとの間に開口を形成するとともに、スプールの移動量に応じて開口面積を変化させる流量調整部を含み、流量調整部は、第1開口を形成する第1流量調整部と、第1流量調整部とは異なる形状または寸法を有し、第3開口を形成する第2流量調整部とを含む。このように構成すれば、スプールの第1流量調整部と第2流量調整部との形状または寸法を異ならせるだけで、容易に、第1開口の開口面積を第3開口の開口面積に対して相対的に小さくすることができる。

0014

上記スプールに第1流量調整部および第2流量調整部を設ける構成において、好ましくは、流量調整部は、スプールの外周面に設けられた切欠であり、第1流量調整部と第2流量調整部とは、切欠の平面形状または深さが互いに異なるように形成されている。このように構成すれば、第1流量調整部と第2流量調整部とで、切欠の平面形状または深さを異ならせることにより、開口面積を異ならせる構成を容易に実現することができる。

0015

上記スプールに第1流量調整部および第2流量調整部を設ける構成において、好ましくは、流量調整部は、スプールの外周面の外径を減少させるように形成されたテーパ部であり、第1流量調整部と第2流量調整部とは、テーパ部の傾斜角度が互いに異なるように形成されている。このように構成すれば、第1流量調整部と第2流量調整部とで、テーパ部の傾斜角度を異ならせることにより、開口面積を異ならせる構成を容易に実現することができる。

0016

上記単位移動量当たりの第1開口の開口面積が、単位移動量当たりの第3開口の開口面積よりも小さい構成において、好ましくは、ボディは、スプールの第1方向側に配置され、第1方向へのスプールの移動に伴って圧縮される第1付勢部と、スプールの第2方向側に配置され、第2方向へのスプールの移動に伴って圧縮される第2付勢部と、を含み、第1付勢部のばね定数が、第2付勢部のばね定数よりも小さい。このように構成すれば、スプールを第1方向に移動しやすくすることができる。そのため、スプールを第1方向へ移動させる際の単位移動量当たりの第1開口の開口面積が小さい分、第1ポートの開度(第1開口の開口面積)を大きくすることによって流量を確保することができるようになる。その結果、第1方向と第2方向とでスプールに同一の作動力を供給した場合の第1ポートまたは第2ポートからの流量を近づけることができるので、各ポートを開いた場合の流量自体を制御したい場合に、流量を揃えやすくすることができる。

0017

上記単位移動量当たりの第1開口の開口面積が、単位移動量当たりの第3開口の開口面積よりも小さい構成において、好ましくは、スプールに供給する作動力を制御するコントローラにより、第2方向への流量指令値に対する供給作動力の傾きよりも、第1方向への流量指令値に対する供給作動力の傾きが大きくなるように構成されている。このように構成すれば、第1ポートまたは第2ポートを同一の流量指令値で開閉する場合に、第1ポートの開度(第1開口の開口面積)をより大きくすることが可能となる。その結果、同一の流量指令値で開閉する場合の第1ポートまたは第2ポートからの流量を近づけることができるので、各ポートを開いた場合の流量自体を制御したい場合に、流量を揃えやすくすることができる。

発明の効果

0018

本発明によれば、上記のように、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することが可能なスプール方式の流量制御弁を提供することができる。

図面の簡単な説明

0019

流量制御弁が適用される油圧回路の一例を示した図である。
第1実施形態による流量制御弁を示した断面図である。
スプールの構成例を示した斜視図である。
PB制御状態での開口および開口面積を説明するための図である。
PA制御状態での開口および開口面積を説明するための図である。
スタンバイ位置にスプールが移動した状態を示した図である。
制御領域にスプールが移動した状態(PB制御状態)を示した図である。
比較例によるスプールを示した斜視図である。
比較例でのスプールの移動量と開口面積との関係、吐出流量と圧力損失との関係を示した図である。
第1実施形態でのスプールの移動量と開口面積との関係、吐出流量と圧力損失との関係を示した図である。
比較例および第1実施形態でのスプールの移動量とシリンダ速度との関係を示した図である。
第1実施形態によるスプールの第1変形例を示した斜視図である。
第1変形例によるスプールの流量調整部を説明するための図である。
第1実施形態によるスプールの第2変形例を示した斜視図である。
第1変形例によるスプールの流量調整部を説明するための図である。
第2実施形態による流量制御弁を示した断面図である。
第2実施形態での流量指令とスプールの移動量および開口面積との関係を示した図である。
第3実施形態での流量指令と供給作動力および開口面積との関係を示した図である。
第1実施形態による流量制御弁の変形例を示した断面図である。
図19の流量制御弁のPB制御状態を示した断面図である。

実施例

0020

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

0021

[第1実施形態]
まず、図1図7を参照して、第1実施形態による流量制御弁100について説明する。

0022

第1実施形態による流量制御弁100は、油圧アクチュエータなどの油圧機械への作動油の供給を制御する油圧弁である。第1実施形態の流量制御弁100は、スプール形(スライドスプール形)の比例流量制御弁として構成されている。比例流量制御弁は、出力される作動油の流量が、スプールの位置(移動量)に比例するように構成された制御弁である。

0023

(油圧回路の全体構成)
第1実施形態による流量制御弁100は、昇降用油圧シリンダリフトシリンダ)などであって、各油室の受圧面積が異なる油圧機械に対する作動油の流量制御に好適に用いられる。以下では、一例として、フォークリフトの昇降用油圧シリンダ(リフトシリンダ)に流量制御弁100が接続され、シリンダ昇降させるための作動油の供給制御に流量制御弁100が用いられる例について説明する。

0024

図1に示すように、流量制御弁100は、油圧シリンダ101、油圧ポンプ102、およびオイルタンク103とそれぞれ接続されている。具体的には、流量制御弁100は、ポートA、ポートB、供給ポートPおよび排出ポートTの4つの油路を備えている。ポートAおよびポートBは、それぞれ、特許請求の範囲の「第2ポート」および「第1ポート」の一例である。

0025

油圧シリンダ101は、ピストン111と、ピストン111に接続されたロッド112とが、チューブ113内に摺動可能に設けられた構造を有する。油圧シリンダ101は、たとえば片ロッドシリンダであり、ロッド112がチューブ113の一端側から外部に突出している。チューブ113内は、ピストン111によって、ロッド側の第1油室114と、ヘッド側の第2油室115とに区画されている。第1油室114は、受圧面積A1を有し、第2油室115は、受圧面積A2を有する。第1油室114の受圧面積A1は、油室内に占めるロッド112の面積分だけ、第2油室115の受圧面積A2よりも小さい(A1<A2)。

0026

流量制御弁100のポートBおよびポートAは、油圧シリンダ101における受圧面積が互いに異なる第1油室114および第2油室115にそれぞれ接続されている。すなわち、ポートAが、チェック弁104を介して第2油室115に接続されている。流量制御弁100のポートBが、第1油室114に接続されている。チェック弁104は、ポートAから第2油室115へ向かう方向への作動油の流通許容し、第2油室115からポートAへ向かう方向への作動油の流通を防止する。チェック弁104は、パイロットチェック弁であり、パイロットポートが第1油室114とポートBとの流路に接続されている。チェック弁104は、第1油室114とポートBとの間の油圧(パイロットポートの油圧)が所定値を上回ると、第2油室115からポートAへ向かう方向への作動油の流通を許容する。

0027

流量制御弁100の供給ポートPが、油圧ポンプ102の吐出側に接続されている。油圧ポンプ102は、モータ121によって駆動され、吸込側のオイルタンク103中の作動油を所定の圧力で流量制御弁100に供給する。流量制御弁100の排出ポートTが、オイルタンク103に接続されている。

0028

流量制御弁100は、外部の作動力供給手段105から供給される作動力によって、流路切替および流量制御を行う。すなわち、流量制御弁100は、供給ポートPに対してポートAおよびポートBのいずれも遮断する中立状態と、供給ポートPとポートAとを接続させるとともにポートBと排出ポートTとを接続させるPA制御状態と、供給ポートPとポートBとを接続させるとともにポートAと排出ポートTとを接続させるPB制御状態とを切り替え可能な方向切換弁として機能する。

0029

中立状態では、供給ポートP、ポートAおよびポートBのいずれもが、流量制御弁100によって遮断される。つまり、流量制御弁100は、中立状態で全閉となるように構成されている。中立状態では、油圧シリンダ101内の作動油が流通しないため、ロッド112の位置が保持される。

0030

PA制御状態では、油圧ポンプ102から供給される高圧の作動油が、流量制御弁100の供給ポートPおよびポートAを通過して油圧シリンダ101の第2油室115に流入し、ロッド112を押し出す。第1油室114から押し出された作動油が、流量制御弁100のポートBおよび排出ポートTを通過してオイルタンク103に戻される。昇降用油圧シリンダとしては、上昇方向(鉛直上方向)への動作となる。この場合、第2油室115に流入する作動油の流量と比較して、第1油室114から流出する作動油(戻り油)の流量が小さくなる。流量の差は受圧面積A1およびA2の差に対応する。

0031

PB制御状態では、油圧ポンプ102から供給される高圧の作動油が、流量制御弁100の供給ポートPおよびポートBを通過して油圧シリンダ101の第1油室114に流入し、ロッド112を引き込む。第2油室115から押し出された作動油が、流量制御弁100のポートAおよび排出ポートTを通過してオイルタンク103に戻される。昇降用油圧シリンダとしては、下降方向(鉛直下方向)への動作となる。この場合、第1油室114に流入する作動油の流量と比較して、第2油室115から流出する作動油(戻り油)の流量が大きくなる。流量の差は受圧面積A1およびA2の差に対応する。

0032

そして、PA制御状態およびPB制御状態においては、流量制御弁100は、作動力によって移動されるスプール2(図2参照)の位置(移動量)に応じて、ポートからの作動油の流量が制御される。スプール2の位置は、作動力供給手段105から供給される作動力の大きさに対応する。作動力供給手段105は、コントローラ106からの制御信号に従って、流量制御弁100に作動力を供給する。作動力供給手段105は、スプールに作動力を付与できるものであれば特に限定されない。作動力供給手段105としては、たとえば、ソレノイド方式などの電磁力により作動力を供給する方式、油圧パイロット弁を用いて油圧により作動力を供給する方式などが採用できる。第1実施形態では、油圧ポンプ102の油圧が、油圧パイロット弁からなる作動力供給手段105を介して流量制御弁100のパイロットポート15に供給されることにより、作動力が供給される。

0033

(流量制御弁の構造)
次に、図2図7を参照して、流量制御弁100の具体的な構成例について説明する。

0034

図2に示すように、流量制御弁100は、作動油が出入りする油路が設けられたボディ1と、ボディ1内に保持され、外部から供給される作動力により移動するスプール2と、を備えている。油路は、作動油が供給される供給ポートPと、作動油が排出される排出ポートTと、互いに択一的に作動油を流入または流出させるポートAおよびポートBとを含む。図2はスプール2が中立位置S0にある状態を示している。

0035

ボディ1は、スプール2が配置されるスプール室11と、スプール室11の両側に配置された一対のパイロット室12とを有する。スプール室11は、直線円筒状の内部空間であり、スプール2が軸方向(X方向)に沿って摺動可能に配置されている。各パイロット室12は、スプール2の軸方向におけるスプール室11の両側に配置されている。

0036

供給ポートP、排出ポートT、ポートAおよびポートBは、ボディ1の外周からボディ1を貫通してスプール室11に連通している。スプール2の軸方向(X方向)において、供給ポートPがスプール室11の中央に配置され、供給ポートPの両側にそれぞれポートAおよびポートBが配置されている。スプール2の軸方向において、ポートAおよびポートBの外側に、それぞれ排出ポートTが配置されている。

0037

供給ポートP、排出ポートT、ポートAおよびポートBの間には、スプール室11(ボディ1)の内周面からなる弁座部13が設けられている。弁座部13は、スプール2が中立位置S0(図2参照)および後述するスタンバイ位置S1(図6参照)にある場合に、スプール2の外周面(摺動面)21と弁座部13とにより油路を遮断するように構成されている。すなわち、弁座部13は、スプール2が摺動するための極小さな間隔を隔ててスプール2の外周面21と対向することにより、各油路の間を遮断する。

0038

軸方向両側のパイロット室12には、それぞれ、作動力供給手段105(図1参照)と接続するためのパイロットポート15が設けられている。作動力供給手段105からのパイロット油圧は、パイロット室12に入力され、スプール室11内のスプール2を軸方向(X方向)に移動させる作動力として作用する。

0039

(スプール)
図3に示すように、スプール2は、概略で円柱状の軸部材である。スプール2には、摺動面である外周面21と、各油路の間を連通状態に切り替えるための溝部22とが設けられている。溝部22は、スプール2の周方向に全周にわたって所定の深さで形成され、中立位置S0(図2参照)で供給ポートPおよび各排出ポートTの位置に対応して配置されている。溝部22は、スプール2の移動に伴ってポートAまたはポートBを供給ポートPまたは排出ポートTと連通させる油路を構成する。各溝部22の間の2つの外周面21は、それぞれ、中立位置S0でポートAおよびポートBを塞ぐように形成されている。スプール2の両端の外周面21は、パイロット室12とスプール室11との間を塞ぐよう設けられている。

0040

図4に示すように、スプール2は、第1方向(X2方向)に移動することにより、ポートBおよび供給ポートPを連通させる第1開口41を形成するとともに、ポートAおよび排出ポートTを連通させる第2開口42を形成する(PB制御状態にする)ように構成されている。また、図5に示すように、スプール2は、第2方向(X1方向)に移動することにより、ポートAおよび供給ポートPを連通させる第3開口43を形成するとともにポートBおよび排出ポートTを連通させる第4開口44を形成する(PA制御状態にする)ように構成されている。

0041

スプール2は、スプール2の移動に伴ってボディ1との間に開口を形成するとともに、スプール2の移動量に応じて開口面積を変化させる流量調整部23(図3参照)を含む。流量調整部23は、スプール2の軸方向移動に伴ってボディ1との間の開口面積を変化させることにより、作動油の流量をスプール2の移動量に比例させる機能を有する。

0042

図3に示すように、流量調整部23は、3つの溝部22と、それらの間の2つの外周面21との境界部(段差部分)に設けられている。また、各流量調整部23は、スプール2の周方向に等角度間隔で複数設けられている。図3の構成例では、流量調整部23は、スプール2の外周面に設けられた切欠である。各々の流量調整部23は、溝部22側に近付くほど幅(周方向の幅)が大きくなる半円形状を有している。流量調整部23は、第1開口41を形成する流量調整部23a、第3開口43を形成する流量調整部23c、第2開口42を形成する流量調整部23b、および、第4開口44を形成する流量調整部23dを含む。流量調整部23aおよび流量調整部23cは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1流量調整部」および「第2流量調整部」の一例である。

0043

ここで、図4に示すように、第1実施形態では、第1開口41の開口面積A11が、第2開口42の開口面積A12よりも小さくなるように構成されている。すなわち、ポートBおよび供給ポートPを連通させるPB制御状態において、ポートBおよび供給ポートPの間の第1開口41の開口面積A11が、ポートAおよび排出ポートTの間の第2開口42の開口面積A12よりも小さい。

0044

第1開口41と第2開口42との開口面積の相違は、流量調整部23の形状の相違によって実現されている。第1実施形態では、流量調整部23aが、第2開口42の開口面積よりも小さい開口面積で第1開口41を形成するように構成されている。具体的には、流量調整部23aと流量調整部23bとは、切欠の平面形状が互いに異なるように形成されている。流量調整部23aが平面視(切欠を半径方向に正面から見た状態)で流量調整部23bよりも小さく形成されている。流量調整部23aは、周方向の幅W1が、流量調整部23bの周方向の幅W2よりも小さくなっている。言い換えると、平面視における、流量調整部23aの面積が、流量調整部23bの面積よりも小さい。

0045

図4に示すように、スプール2の第1方向(X2方向)への移動によって流量調整部23aがポートBに到達すると、流量調整部23aによってポートBおよび供給ポートPの間に第1開口41が形成され、流量調整部23bによってポートAおよび排出ポートT(X2側)の間に第2開口42が形成される。第1開口41と第2開口42とで周方向の開口幅(W1、W2)が、流量調整部23aと流量調整部23bとの幅の相違に起因して異なる。その結果、第1開口41の開口面積A11が第2開口42の開口面積A12と比較して小さくなる。図4において、スプール2をさらに第1方向(X2方向)へ移動させても(開度を変更しても)、開口面積A11と開口面積A12との大小関係は維持される。

0046

第1実施形態では、第1油室114および第2油室115の各々の受圧面積A1、A2に基づいて、第1開口41および第2開口42の各開口面積(A11、A12)が設定されている。たとえば、各開口面積(A11、A12)は、任意の開度での第1開口41の開口面積A11と第2開口42の開口面積A12との比R1(=A11/A12)が、第1油室114の受圧面積A1と第2油室115の受圧面積A2との比R2(=A1/A2)と略等しくなるように設定される。

0047

また、図3の構成例では、流量調整部23a以外の流量調整部23c、流量調整部23bおよび流量調整部23dが同一形状を有し、いずれも流量調整部23aよりも大きい。軸方向の長さは、流量調整部23a〜流量調整部23dで同一である。このように、流量調整部23aと流量調整部23cとは、互いに異なる形状を有する。流量調整部23aと流量調整部23cとは、切欠の平面形状が互いに異なるように形成されている。流量調整部23aは、平面視で流量調整部23cよりも小さく形成されている。流量調整部23aは、周方向の幅W1が、流量調整部23cの周方向の幅W2よりも小さくなっている。

0048

そのため、第1実施形態では、第1方向へのスプール2の単位移動量当たりの第1開口41の開口面積が、第2方向へのスプール2の単位移動量当たりの第3開口43の開口面積よりも小さくなるように構成されている。このように、第1実施形態のスプール2は、軸方向(X方向)に左右非対称の形状となっている。

0049

図5に示すように、スプール2の第2方向(X1方向)への移動によって流量調整部23cがポートAに到達すると、流量調整部23cによってポートAおよび供給ポートPの間に第3開口43が形成され、流量調整部23dによってポートBおよび排出ポートTの間に第4開口44が形成される。第3開口43の開口面積A13と、第4開口44の開口面積A14とは略一致する。図5において、スプール2を第2方向(X1方向)へ移動させても(開度を変更しても)、開口面積A13と開口面積A14との大小関係が変わることなく、開口面積が変化する。

0050

第1実施形態では、第1油室114および第2油室115の各々の受圧面積A1、A2に基づいて、第1開口41および第3開口43の各開口面積(A11、A13)が設定されている。たとえば、各開口面積(A11、A13)は、同一のスプール移動量での第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)が、第1油室114の受圧面積A1と第2油室115の受圧面積A2との比R2(=A1/A2)と略等しくなるように設定される。

0051

流量調整部23c、流量調整部23bおよび流量調整部23dが同一形状を有することから、第2開口42、第3開口43および第4開口44について、スプール2の移動に伴う開口面積の変化率が等しい。一方、第1開口41については、スプール2の移動に伴う開口面積の変化率が他の第2開口42〜第4開口44よりも小さい。このように、ポートBおよび供給ポートPを連通させるPB制御状態と、ポートAおよび供給ポートPを連通させるPA制御状態とで、スプール2の移動に伴う開口面積の変化率が異なる。

0052

(付勢部)
図2に戻り、ボディ1は、スプール2の第1方向側(X2方向側)に配置され、第1方向へのスプール2の移動に伴って圧縮される第1付勢部30aと、スプール2の第2方向側(X1方向側)に配置され、第2方向へのスプール2の移動に伴って圧縮される第2付勢部30bと、を含む。ボディ1は、第1付勢部30aおよび第2付勢部30bの付勢力によって、スプール2を中立位置S0に保持する。これにより、流量制御弁100は、作動力が供給されない場合に中立状態(全閉状態)が維持される。また、第1付勢部30aおよび第2付勢部30bは、付勢力によって、作動力供給手段105から供給される作動力とスプール2の移動量とを対応付ける。入力される作動力が所定の閾値を越えると、スプール2は、ポート間に開口(第1開口41および第2開口42、または、第3開口43および第4開口44)が形成されてポート間を連通させる制御領域S2(図7参照)に到達する。制御領域S2では、スプール2の移動量の増大に伴って開口(第1開口41および第2開口42、または、第3開口43および第4開口44)の開口面積が増大することにより、作動油の流量がスプール2の移動量に比例する。

0053

流量制御弁100には、スプール2が中立位置S0に保持される状態と、制御領域S2を移動する状態とに加えて、中立位置S0と制御領域S2との中間でスタンバイ位置S1に保持される状態が設けられている。スタンバイ位置S1を設けることにより、中立位置S0(図2参照)でのボディ1の弁座部13とスプール2の外周面21との間のシール部分の距離を確保することができるので、中立位置S0でのポート間の作動油のリークを効果的に低減できる。

0054

具体的には、図2に示すように、第1付勢部30aおよび第2付勢部30bの各々は、中立位置S0とスタンバイ位置S1との間でスプール2に圧縮される第1ばね31と、制御領域S2においてスプール2に圧縮される第2ばね32と、を含む。第1ばね31および第2ばね32は、共に圧縮コイルばねである。第1実施形態では、第1付勢部30aのばね定数と、第2付勢部30bのばね定数とは互いに等しい。すなわち、第1付勢部30aの第1ばね31および第2ばね32と、第2付勢部30bの第1ばね31および第2ばね32とで、ばね定数は互いに等しい。第2ばね32のばね定数は、第1ばね31のばね定数よりも大きい。

0055

また、ボディ1は、中立位置S0におけるスプール2の移動を規制する第1ストッパ33と、スタンバイ位置S1におけるスプール2の移動を規制する第2ストッパ34とをさらに含んでいる。第1ストッパ33および第2ストッパ34は、一対のパイロット室12にそれぞれ配置されている。これらのばねおよびストッパは、スプール2が配置される中央側から外側に向かって、第1ストッパ33、第1ばね31、第2ストッパ34、第2ばね32の順で並んで配置されている。第1ばね31は、一端側が第1ストッパ33と当接し、他端側が第2ストッパ34と当接した状態で保持されている。第2ばね32は、一端側が第2ストッパ34と当接し、他端側がボディ1の内面と当接した状態で保持されている。

0056

第1ストッパ33は、第1ばね31によってスプール2側に付勢され、ボディ1の一部である第1位置決め部16に押圧されている。第1ストッパ33は、第1位置決め部16により、中立位置S0におけるスプール2の軸方向端面と略等しい位置に配置される。スプール2に対して軸方向の両側に第1ストッパ33が配置されることにより、スプール2が中立位置S0に保持される。スプール2に第1閾値TH1よりも大きい作動力が付与されると、第1ストッパ33とともに第1ばね31が圧縮される。

0057

第2ストッパ34は、第2ばね32によってスプール2側に付勢され、ボディ1の一部である第2位置決め部17に押圧されている。第2ストッパ34は、第2位置決め部17により、スタンバイ位置S1にスプール2を保持するように配置されている。つまり、スプール2が移動して第1ばね31を圧縮すると、第1ストッパ33と第2ストッパ34とが当接することにより、スプール2の移動が規制されるスタンバイ位置S1(図6参照)に達する。スプール2に第2閾値TH2よりも大きい作動力が付与されると、第2ストッパ34とともに第2ばね32が圧縮される。スプール2をスタンバイ位置S1に移動させるには、第1閾値TH1と、中立位置S0とスタンバイ位置S1との間の移動距離分だけ第1ばね31を圧縮することによる付勢力の上昇分(ばね定数K1×移動距離)との合計の作動力が必要となる。第2閾値TH2は、第1閾値TH1+付勢力上昇分(ばね定数K1×移動距離)よりも大きい値に設定されている。

0058

スプール2が移動して第2ばね32を圧縮すると、スプール2が制御領域S2(図7参照)に達する。図7のようにスプール2が第1方向(X2方向)側の制御領域S2に到達すると、第1開口41および第2開口42が形成されて図4に示したPB制御状態となる。同様に、スプール2が第2方向(X1方向)側の制御領域S2に到達すると、第3開口43および第4開口44が形成されて図5に示したPA制御状態となる。

0059

なお、第1ストッパ33および第2ストッパ34の各々には、作動油を通過させるための貫通孔35(図2参照)が設けられている。このため、作動力を付与するためにパイロット室12に作動油が供給されると、作動油が貫通孔35を介してスプール2に油圧を作用させる。

0060

このような構成により、スプール2が、中立位置S0、スタンバイ位置S1、および制御領域S2のそれぞれに移動する。

0061

(流量制御弁の作用)
次に、第1実施形態による流量制御弁100の作用について、図8に示す比較例を用いて説明する。

0062

〈比較例〉
図8に示す比較例のスプール80は、流量調整部83が、全て同一形状、同一寸法を有する左右対称形状となっている。すなわち、比較例では、各流量調整部83により形成される第1開口41〜第4開口44の各開口面積をA21〜A24とすると、各開口面積A21〜A24が、いずれも等しくなる場合の例を示している。この場合、図9に示すように、PB制御状態で、第1開口41の開口面積A21と第2開口42の開口面積A22とは一致する。同様に、PA制御状態で、第3開口43の開口面積A23と第4開口44の開口面積A24とは一致する。また、PA制御とPB制御とで、スプール2の単位移動量当たりの開口面積の変化量は等しい。

0063

比較例によるスプール80を備えた流量制御弁を油圧シリンダ101に接続すると、PA制御状態では、ポートAから第2油室115に作動油が送られ、ロッド112の上昇に伴って第1油室114から作動油(戻り油)がポートBに流入する。第1油室114の受圧面積A1が第2油室115の受圧面積A2よりもロッド112分だけ小さいので、ポートAから第2油室115に送られる作動油の流量が、ポートBへの第1油室114からの戻り油の流量よりも大きくなる。流量制御弁は、吐出側の作動油の流量に応じて開度が調整されるため、吐出側の第3開口43(開口面積A23)の開度を流量に応じて調整すると、戻り側の第4開口44の開口面積A24は、戻り油の流量に対して相対的に大きい状態となる。その結果、PA制御において、戻り油の流量が小さい第4開口44側では、油圧が上昇せずに圧力損失が低く抑えられる。

0064

一方、PB制御状態では、ポートB(第1開口41)から第1油室114に送られる作動油の流量が、第2油室115からポートA(第2開口42)に戻る作動油(戻り油)の流量よりも小さくなる。比較例では、吐出側である第1開口41(開口面積A21)の開度を流量に応じて調整すると、戻り側の第2開口42の開口面積A22は、戻り油の流量に対して相対的に小さい状態となる。その結果、戻り油の流量が大きい第2開口42側では、油圧が上昇して圧力損失が増大する。このように、比較例では、PB制御においてPA制御と比較して圧力損失が大きくなる。

0065

〈第1実施形態の流量制御弁〉
これに対して、第1実施形態の流量制御弁100では、図10に示すように、PB制御状態において、第1油室114に送られる作動油の流量に応じて第1開口41の開度(スプール移動量)が調節されると、第2開口42の開口面積A12は、第1開口41の開口面積A11よりも大きくなる(A11<A12、図4参照)。そのため、受圧面積の相違に起因して第1油室114への作動油の流量よりも第2油室115からの戻り油の流量が大きい場合でも、第2開口42に十分な開口面積が確保される。

0066

図10では、第1油室114の受圧面積A1と第2油室115の受圧面積A2との比R2(=A1/A2)が1/2であると仮定する。第1油室114への吐出流量に対して、第2油室115から戻される流量が2倍になる。

0067

そこで、第1実施形態では、第1開口41の開口面積A11と第2開口42の開口面積A12との比R1(=A11/A12)が1/2に設定される。その結果、開口面積A11に対する開口面積A12も2倍となり、戻り油の流量が大きい第2開口42側でも、油圧が上昇せずに不要な圧力損失が発生しない。

0068

なお、PA制御状態では、戻り油の流量が相対的に小さくなるので、第2油室115への作動油の吐出流量に応じて第3開口43の開度(スプール移動量)が調節されると、第4開口44の開口面積A14が戻り油の流量に対して相対的に大きい状態となる(図5参照)。その結果、比較例と同様、戻り油の流量が小さい第4開口44側では、油圧が上昇せずに圧力損失が低く抑えられる。

0069

このように、第1実施形態では、PB制御においても圧力損失が増大しない。

0070

次に、図11を参照して、PA制御(ロッド伸張制御)およびPB制御(ロッド引込制御)の各々におけるシリンダ速度(ロッド112の移動速度)について比較する。

0071

比較例では、スプール80が対称形状であるので、スプール80の移動量が同一の場合、PB制御における第1開口41の開口面積A21と、PA制御における第3開口43の開口面積A23とが互いに等しくなり(図9参照)、PB制御におけるポートBの吐出流量とPA制御におけるポートAの吐出流量とは一致する。

0072

この場合、油圧シリンダ101側は、第1油室114の受圧面積A1と第2油室115の受圧面積A2との相違(A1<A2)に起因して、単位流量当たりのシリンダ速度がロッド伸張時とロッド引込時とで異なってしまう。つまり、比較例の場合、スプール80の同一移動量における、PA制御側のシリンダ速度とPB制御側のシリンダ速度とが一致しない。

0073

そこで、第1実施形態では、同一のスプール移動量での第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)が、受圧面積の比R2=1/2に設定される。その結果、スプール2の移動量が同一の場合、PB制御におけるポートBの吐出流量に対してPA制御におけるポートAの吐出流量が2倍となる。これにより、第1実施形態の場合、PA制御側とPB制御側とで、スプール2の同一移動量におけるシリンダ速度が一致する。

0074

(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

0075

第1実施形態では、上記のように、第1方向(X2方向)に移動することにより、ポートBおよび供給ポートPを連通させる第1開口41を形成するとともに、ポートAおよび排出ポートを連通させる第2開口42を形成するスプール2を設け、第1開口41の開口面積A11が、第2開口42の開口面積A12よりも小さくなるように流量制御弁100を構成する。これにより、供給ポートPからポートBを介して流出する作動油が通過する第1開口41の開口面積A11を相対的に小さくすることができるとともに、ポートAを介して排出ポートTへ戻る戻り油が通過する第2開口42の開口面積A12を相対的に大きくすることができる。そのため、受圧面積(または容積変化量)が小さい側の第1油室114をポートBと接続し、受圧面積が大きい側の第2油室115をポートAと接続すれば、供給される作動油の流量よりも受圧面積の差分だけ戻り油の流量が大きくなったとしても、その分、戻り油が通過する第2開口42の開口面積A12を相対的に大きくすることができるので、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することができる。

0076

また、第1実施形態では、上記のように、スプール2に、第2開口42の開口面積A12よりも小さい開口面積A11で第1開口41を形成する流量調整部23aを設ける。これにより、移動量に応じて流量を調整するためのスプール2の流量調整部23aの形状を変更するだけで、容易に、第1開口41の開口面積A11を第2開口42の開口面積A12に対して相対的に小さくすることができる。

0077

また、第1実施形態では、上記のように、第1油室114および第2油室115の各々の受圧面積A1、A2に基づいて、第1開口41および第2開口42の各開口面積A11、A12を設定する。これにより、第1油室114と第2油室115との受圧面積A1、A2の差の大きさに応じて、第1開口41および第2開口42の各開口面積A11、A12の差を決定することが可能となる。つまり、各受圧面積A1、A2に基づいて供給側(第1開口41側)の流量に対する戻り側(第2開口42側)の流量が分かるので、流量差に応じた開口面積を第1開口41および第2開口42に設定することによって、作動油の圧力が上昇するのをより効果的に抑制することができる。

0078

また、第1実施形態では、上記のように、第1方向(X2方向)へのスプール2の単位移動量当たりの第1開口41の開口面積A11を、第2方向(X1方向)へのスプール2の単位移動量当たりの第3開口43の開口面積A13よりも小さくなるように構成する。これにより、各油室(114、115)への作動油の吐出流量を受圧面積(A1、A2)の差分に応じて異ならせることができるので、ロッド伸張制御時(PA制御時)とロッド引込制御時(PB制御時)とで、同一のスプール移動量でのロッド112の移動速度の差を小さくすることができる。特に、第1実施形態のように、同一のスプール移動量での第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)を、第1油室114の受圧面積A1と第2油室115の受圧面積A2との比R2(=A1/A2)と略等しくなるように設定する場合には、PA制御側とPB制御側とで、スプール2の同一移動量におけるロッド112の移動速度(図11参照)を一致させることができる。

0079

また、第1実施形態では、上記のように、スプール2に、第1開口41を形成する流量調整部23aと、流量調整部23aとは異なる形状を有し、第3開口43を形成する流量調整部23cとを設ける。これにより、スプール2の流量調整部23aと流量調整部23cとの形状を異ならせるだけで、容易に、第1開口41の開口面積A11を第3開口43の開口面積A13に対して相対的に小さくすることができる。

0080

また、第1実施形態では、上記のように、流量調整部23を、スプール2の外周面に設けられた切欠として形成し、流量調整部23aと流量調整部23cとを、切欠の平面形状が互いに異なるように形成する。これにより、流量調整部23aと流量調整部23cとで、切欠の平面形状を異ならせることにより、開口面積A11、A13を異ならせる構成を容易に実現することができる。

0081

(第1実施形態の第1変形例)
上記第1実施形態では、スプール2の流量調整部23aと流量調整部23cとが、切欠の平面形状が互いに異なるように形成される例を示したが、図12および図13に示す第1変形例では、切欠の寸法が異なる。

0082

具体的には、第1変形例のスプール202において、流量調整部223aと流量調整部223cとは、切欠の深さが互いに異なっている。なお、切欠は、キー溝と同様の形状を有し、底面は平坦(スプールの半径方向と直交する平面)である。切欠の深さは、スプール202の半径方向の最大深さである。切欠の深さが大きいほど、流量調整部223によって開口が形成された場合のボディ1とスプール202との間の開口寸法が大きくなるため、開口面積が増大する。流量調整部223aおよび流量調整部223cは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1流量調整部」および「第2流量調整部」の一例である。

0083

図13に示すように、流量調整部223aの深さD1は、流量調整部223cの深さD2よりも小さい。この結果、第1方向(X2方向)へのスプール202の単位移動量当たりの第1開口41の開口面積A11が、第2方向(X1方向)へのスプール2の単位移動量当たりの第3開口43の開口面積A13よりも小さくなるように構成されている。なお、第1変形例では、流量調整部223bおよび流量調整部223dも、深さD2を有している。したがって、第1開口41の開口面積A11が、第2開口42の開口面積A12よりも小さい。

0084

(第1変形例の効果)
第1実施形態の第1変形例では、上記のように、流量調整部223aと流量調整部223cとを、切欠の寸法(深さ寸法)が互いに異なるように形成する。このように、流量調整部223aと流量調整部223cとで、切欠の深さ寸法を異ならせることにより、開口面積A11、A13を異ならせる構成を容易に実現することができる。

0085

(第1実施形態の第2変形例)
上記第1実施形態および上記第1変形例では、スプール2の流量調整部23(223)を切欠により構成した例を示したが、図14および図15に示す第2変形例では、流量調整部323がテーパ部により構成されている。

0086

具体的には、第2変形例のスプール302において、各流量調整部323は、スプール2の外周面21の外径を減少させるように形成されたテーパ部である。ここでは、流量調整部323は、傾斜角度一定の線形テーパであり、スプール302の全周にわたって形成されている。テーパ部の傾斜角度が大きい程、流量調整部323によって開口が形成された場合のボディ1とスプール302との間の開口寸法が大きくなるため、開口面積が増大する。

0087

図15に示すように、流量調整部323aと流量調整部323cとは、テーパ部の傾斜角度が互いに異なるように形成されている。すなわち、流量調整部323aの傾斜角度θ1は、流量調整部323cの傾斜角度θ2よりも小さい。この結果、第1方向(X2方向)へのスプール302の単位移動量当たりの第1開口41の開口面積A11が、第2方向(X1方向)へのスプール2の単位移動量当たりの第3開口43の開口面積A13よりも小さくなるように構成されている。なお、第2変形例では、流量調整部323bおよび流量調整部323dも、傾斜角度θ2を有している。したがって、第1開口41の開口面積A11が、第2開口42の開口面積A12よりも小さい。流量調整部323aおよび流量調整部323cは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1流量調整部」および「第2流量調整部」の一例である。

0088

(第2変形例の効果)
第1実施形態の第2変形例では、上記のように、流量調整部323を、スプール2の外周面21の外径を減少させるように形成されたテーパ部とする。そして、流量調整部323aと流量調整部323cとを、テーパ部の傾斜角度が互いに異なるように形成する。これにより、流量調整部323aと流量調整部323cとで、テーパ部の傾斜角度を異ならせることにより、開口面積A11、A13を異ならせる構成を容易に実現することができる。

0089

[第2実施形態]
次に、図16および図17を参照して、本発明の第2実施形態による流量制御弁400について説明する。第2実施形態では、第1付勢部330aと、第2付勢部330bとで、ばね定数を等しくした上記第1実施形態とは異なり、第1付勢部330aと、第2付勢部330bとでばね定数を異ならせる例について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。

0090

図16に示すように、第2実施形態の流量制御弁400では、第1方向(X2方向)へのスプール2の移動に伴って圧縮される第1付勢部330aのばね定数が、第2方向(X1方向)へのスプール2の移動に伴って圧縮される第2付勢部330bのばね定数よりも小さい。

0091

具体的には、第1付勢部330aの第2ばね332aのばね定数K1が、第2付勢部330bの第2ばね332bのばね定数K2と異なっている。第2ばね332a(332b)のばね定数が異なることによって、制御領域S2における作動力に対するスプール2の移動量が、第1方向側(ポートB側)と第2方向側(ポートA側)とで異なっている。なお、第1ばね31のばね定数は、第1付勢部330aと第2付勢部330bとで等しい。

0092

第1付勢部330aの第2ばね332aのばね定数K1は、第2付勢部330bの第2ばね332bのばね定数K2よりも小さい。その結果、第2実施形態では、同一の作動力でポートを開放する場合に、PA制御状態でのスプール2の移動量よりも、PB制御状態でのスプール2の移動量の方が大きくなる。その結果、PB制御状態の第1開口41の開度の変化率が、PA制御状態での第3開口43の開度の変化率よりも大きくなる。

0093

第1付勢部330aおよび第2付勢部330bの各ばね定数は、第1開口41の開口面積A11および第3開口43の開口面積A13に基づいて設定されている。すなわちPA制御状態とPB制御状態との各々において、コントローラ106に同一の流量指令が入力された場合に、第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13とが略一致するように、第1付勢部330aおよび第2付勢部330bの各第2ばね332a(332b)のばね定数K1、K2が設定されている。具体的には、スプール2の同一移動量における第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)に略一致するように、各第2ばね332a(332b)のばね定数K1、K2が設定される。

0094

たとえば、図17に示すように、同一移動量における第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)が、1:2であるとする。この場合、各第2ばね332a(332b)のばね定数K1、K2が1:2の関係となるように設定される。PA制御状態およびPB制御状態において、コントローラ106に同一の流量指令が入力された場合、同一の作動力がスプール2に供給される。各第2ばね332a(332b)のばね定数K1、K2が1:2の関係となる場合、PA制御状態での第2方向へのスプール2の移動量(開度)と、PB制御状態での第1方向へのスプール2の移動量(開度)との比がR3の逆数(2:1)となる。つまり、PB制御状態での開度がPA制御状態の2倍になる。この結果、PA制御状態およびPB制御状態において、同一の流量指令(作動力)に対する第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13とが一致することになる。

0095

このように、第2実施形態の流量制御弁400では、同一の流量指令(作動力)に対して、PA制御状態での吐出流量(ポートAからの作動油の流量)と、PB制御状態での吐出流量(ポートBからの作動油の流量)とが、略一致するように構成されている。第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。

0096

(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、第1開口41の開口面積A11を、第2開口42の開口面積A12よりも小さくすることによって、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することができる。

0097

また、第2実施形態では、上記のように、第1付勢部330aのばね定数(K1)を、第2付勢部330bのばね定数(K2)よりも小さくする。これにより、スプール2を第1方向(X2方向)に移動しやすくすることができる。そのため、スプール2を第1方向(X2方向)へ移動させる際の単位移動量当たりの第1開口41の開口面積A11が小さい分、ポートBの開度(第1開口41の開口面積A11)を大きくすることによって流量を確保することができるようになる。その結果、第1方向(X2方向)と第2方向(X1方向)とでスプール2に同一の作動力を供給した場合のポートBまたはポートAからの吐出流量を互いに近づけることができるので、各ポートを開いた場合の流量自体を制御したい場合に、流量を揃えやすくすることができる。

0098

なお、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。

0099

[第3実施形態]
次に、図1および図18を参照して、本発明の第3実施形態による流量制御弁500(図1参照)について説明する。第3実施形態では、第1付勢部330aと、第2付勢部330bとでばね定数を異ならせた上記第2実施形態とは異なり、流量制御弁500に供給される作動力を異ならせることにより、PA制御時およびPB制御時の吐出流量を揃える例について説明する。なお、第3実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。

0100

なお、第3実施形態の流量制御弁500(図1参照)では、第1実施形態と同様、第1付勢部30aと、第2付勢部30bとで、同一のばね定数(第1ばね31および第2ばね32のばね定数)が設定されている。そのため、同一の作動力に対するスプール2の移動量は、PA制御状態(第2方向、X1方向)とPB制御状態(第1方向、X2方向)とで等しい。

0101

図1に示すように、第3実施形態の流量制御弁500は、スプール2に供給する作動力を制御するコントローラ506により、第2方向(X1方向)への流量指令値に対する供給作動力の傾きΔf2よりも、第1方向(X2方向)への流量指令値に対する供給作動力の傾きΔf1が大きくなるように構成されている。つまり、コントローラ506では、PA制御時とPB制御時とで、流量指令値に対する供給作動力の特性が異なっている。

0102

具体的には、図18に示すように、コントローラ506は、流量指令値に対する供給作動力の傾きを、第2方向(Δf2)よりも第1方向(Δf1)で大きくする。言い換えると、同一の流量指令が入力された場合、コントローラ506は、PB制御時の供給作動力をPA制御時の供給作動力よりも大きくする。

0103

コントローラ506は、同一の流量指令値が入力された場合に、第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13とを略一致させるように、第1方向への供給作動力の傾きΔf1を第2方向への供給作動力の傾きΔf2よりも大きくする。コントローラ506は、同一の流量指令値が入力された場合の第2方向への供給作動力と第1方向への供給作動力との比(=Δf2/Δf1)が、第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)と略一致するように構成される。

0104

図18では、同一移動量における第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13との比R3(=A11/A13)が、1:2であると仮定する。この場合、PA制御状態(傾きΔf2)およびPB制御状態(傾きΔf1)において、コントローラ506に同一の流量指令が入力された場合、供給作動力が1:2の関係となり、PA制御状態でのスプール2の移動量(開度)と、PB制御状態での移動量(開度)との比がR3となる。この結果、PA制御状態およびPB制御状態において、同一の流量指令(作動力)に対する第1開口41の開口面積A11と第3開口43の開口面積A13とが一致することになる。

0105

このように、第3実施形態の流量制御弁500では、同一の流量指令に対して、PA制御状態での吐出流量(ポートAからの作動油の流量)と、PB制御状態での吐出流量(ポートBからの作動油の流量)とが、略一致するように構成されている。

0106

第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。

0107

(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、第1開口41の開口面積A11を、第2開口42の開口面積A12よりも小さくすることによって、供給側と戻り側とで作動油の流量が異なる場合でも、作動油の圧力が上昇するのを抑制することができる。

0108

また、第3実施形態では、上記のように、スプール2に供給する作動力を制御するコントローラ506により、第2方向(X1方向)への流量指令値に対する供給作動力の傾きΔf2よりも、第1方向(X2方向)への流量指令値に対する供給作動力の傾きΔf1が大きくなるように流量制御弁500を構成する。これにより、ポートBまたはポートAを同一の流量指令値で開閉する場合に、ポートBの開度(第1開口41の開口面積A11)をより大きくすることが可能となる。その結果、同一の流量指令値で開閉する場合のポートBまたはポートAからの流量を近づけることができるので、各ポートを開いた場合の流量自体を制御したい場合に、流量を揃えやすくすることができる。

0109

なお、第3実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。

0110

[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。

0111

たとえば、上記第1〜第3実施形態では、スプール2の動作範囲において、中立位置S0と制御領域S2との間にスタンバイ位置S1を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図19および図20に示す変形例による流量制御弁600のように、中立位置S0と制御領域S2との間にスタンバイ位置S1を設けなくてもよい。

0112

図19および図20に示す流量制御弁600では、中立位置S0と制御領域S2との間にスタンバイ位置S1が設けられていない。図20に示すように、流量制御弁600は、スプール602が中立位置S0からX2方向に移動すれば直ちに制御領域S2(ポートB側)に到達してPB制御状態となるように構成されている。同様に、スプール602が中立位置S0からX1方向に移動すれば直ちに制御領域S2(ポートA側)に到達してPA制御状態となる。

0113

スタンバイ位置S1を設けない構成では、第1ばね31および第2ばね32を設けることなく、図19のように1つのばね631を設けるだけでよい。すなわち、流量制御弁600では、第1付勢部630aおよび第2付勢部630bの各々が、1つのばね631と、1つのストッパ632とを含んでいる。ばね631がストッパ632をボディ1の位置決め部611に付勢している。スプール602には段差部625が設けられており、作動力によってX方向に移動する際に、段差部625がストッパ632と係合してストッパ632を移動させる。スプール602がばね631の付勢力に抗してストッパ632を移動させることにより、制御領域S2に移動する。

0114

また、上記第1実施形態および各変形例では、スプール2(202、302)に4つの流量調整部23(223、323)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図19に示した流量制御弁600のように、流量調整部623を2つだけ設けてもよい。図19では、第1開口41を形成するための流量調整部623aと、第3開口43を形成するための流量調整部623cとが設けられており、第2開口42および第4開口44に対応する流量調整部が設けられていない。流量調整部623aおよび流量調整部623cは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1流量調整部」および「第2流量調整部」の一例である。

0115

この場合、図20のPB制御状態では、流量調整部623aにより形成された第1開口41によって、供給ポートPとポートBとが連通し、ポートAと排出ポートTとは、スプール602の外周面21と溝部22との間の段差(境界部)によって形成された第2開口642によって連通する。この場合も、流量制御弁600は、第1開口41よりも第2開口642が大きくなるように構成されている。説明を省略するが、PA制御でも同様である。

0116

また、上記第1実施形態および各変形例では、スプール2(202、302)に4つの流量調整部23(223、323)を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スプール2に流量調整部を設ける代わりに、ボディ1の内面(弁座部13)に、流量調整部を設けてもよい。たとえば、流量調整部23と同様の切欠を、ポートAの開口部分(弁座部13との境界部)に形成して、スプール2の移動によって溝部22の境界が切欠に到達した時に開口が形成されるように流量制御弁を構成してもよい。

0117

また、上記第1実施形態では、流量調整部23を、半円状の切欠とした例を示したが、本発明はこれに限られない。スプールの移動量と、流量調整部により形成される開口の開口面積とが比例する限りにおいて、切欠形状(流量調整部の形状)は任意であり、たとえば三角形状や四角形状などであってもよい。

0118

また、上記第1実施形態(図3参照)では、流量調整部23aと流量調整部23cとで、切欠の平面形状を互いに異ならせる例を示し、上記第1実施形態の第1変形例(図12参照)では、切欠の寸法(深さ)を互いに異ならせる例を示し、上記第1実施形態の第2変形例(図14参照)では、テーパ部の傾斜角度を互いに異ならせる例を示した。しかし、本発明はこれに限られない。これらの構成例以外にも、本発明では、流量調整部23aと流量調整部23cとで、たとえば切欠の数を互いに異ならせてもよい。たとえば、流量調整部23aを周方向に2つ形成する一方、流量調整部23cを周方向に3つ以上形成する。この場合、形成される切欠の数が多くなる分だけ、流量調整部23aにより形成される第1開口41の開口面積A11よりも、流量調整部23cにより形成される第3開口43の開口面積A13を大きくすることができる。

0119

また、上記第1〜第3実施形態では、第1方向(PB制御状態)へのスプール2の単位移動量当たりの第1開口41の開口面積A11が、第2方向(PA制御状態)へのスプール2の単位移動量当たりの第3開口43の開口面積A13よりも小さくなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、単位移動量当たりの開口面積A11と開口面積A13とが等しくてもよい。この場合、流量調整部23aと流量調整部23cとが同一形状・同一寸法を有していてよい。

0120

1 ボディ
2、202、302、602スプール
23、223、323、623流量調整部
23a、223a、323a、623a 流量調整部(第1流量調整部)
23c、223c、323c、623c 流量調整部(第2流量調整部)
30a、330a、630a 第1付勢部
30b、330b、630b 第2付勢部
41 第1開口
42、642 第2開口
43 第3開口
44 第4開口
100、400、500、600流量制御弁
106、506コントローラ
Aポート(第2ポート)
B ポート(第1ポート)
P供給ポート
T 排出ポート

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