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技術 高周波供給構造

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 橘和孝佐藤貴康佐藤羊治中田博道坪井大樹
出願日 2016年7月27日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-147261
公開日 2018年2月1日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-016839
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 プラズマの発生及び取扱い
主要キーワード 規定方向 基端部位 延伸部材 高周波出力装置 アーク放電発生 陽極部材 高周波供給 防着部材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

ワークに高周波が供給されにくくなることを抑制できる高周波供給構造を提供する。

解決手段

高周波供給構造30は、規定方向Xに延伸する中心導体31と、中心導体31と同軸配置されており、且つグランド接地されている外側導体32と、中心導体31と外側導体32との間に設けられている円筒形状の絶縁部材35とを備える。そして、中心導体31の先端がワークWを支持する支持部33となっている。外側導体32よりも外側には、外側導体32及び中心導体31と同軸配置されている防着部材34が配設され、防着部材34の先端34eは、外側導体32の先端32eよりも規定方向Xにおける支持部33側に位置している。絶縁部材35のうち外側導体32の開口から支持部33側に突出する部分である突出部分36は、外側導体32の先端32eと規定方向Xにおいて対向している。

概要

背景

特許文献1には、金属膜をワークに蒸着する第1の処理と、マイクロ波などの高周波チャンバ内に供給することで同ワークに対して成膜を施す第2の処理とを1つのチャンバ内で行うことが可能な成膜装置の一例が記載されている。

また、特許文献2には、高周波の一例であるマイクロ波をチャンバ内のワークに供給する高周波供給構造の一例が記載されている。この特許文献2に記載の高周波供給構造は、図7に示すように、規定方向延伸する中心導体101と、中心導体101よりも外側に位置し且つ中心導体101と同軸配置されている筒状の外側導体102と、外側導体102と中心導体101との間に配置されている円筒形状の絶縁部材103とを備えている。中心導体101は、チャンバ110内に位置する外側導体102の開口から突出しており、中心導体101の先端にワーク150を支持する支持部104が設けられている。

そして、高周波供給構造の中心導体101にマイクロ波が供給されると、図7に矢印で示すように、中心導体101と外側導体102との間、すなわち絶縁部材103内をマイクロ波が支持部104に向かって流れ、ワーク150にマイクロ波が供給される。すると、チャンバ110内におけるワーク150近傍では、当該マイクロ波によって、同チャンバ110内に供給されたプロセスガスプラズマ化して分解される。そして、このように分解されたプロセスガスがワーク150に付着することにより、同ガスに基づいた膜がワーク150に生成されるようになっている。

概要

ワークに高周波が供給されにくくなることを抑制できる高周波供給構造を提供する。高周波供給構造30は、規定方向Xに延伸する中心導体31と、中心導体31と同軸配置されており、且つグランド接地されている外側導体32と、中心導体31と外側導体32との間に設けられている円筒形状の絶縁部材35とを備える。そして、中心導体31の先端がワークWを支持する支持部33となっている。外側導体32よりも外側には、外側導体32及び中心導体31と同軸配置されている防着部材34が配設され、防着部材34の先端34eは、外側導体32の先端32eよりも規定方向Xにおける支持部33側に位置している。絶縁部材35のうち外側導体32の開口から支持部33側に突出する部分である突出部分36は、外側導体32の先端32eと規定方向Xにおいて対向している。

目的

本発明の目的は、ワークに高周波が供給されにくくなることを抑制できる高周波供給構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ワークに金属膜成膜する処理と、高周波を用いたワークに対する処理とを1つのチャンバ内で行う成膜装置に適用され、規定方向延伸するとともに高周波が入力される中心導体と、前記中心導体よりも外側に位置するとともに同中心導体と同軸配置されており、且つグランド接地されている筒状の外側導体と、前記中心導体と前記外側導体との間に設けられている円筒形状の絶縁部材と、を備え、前記中心導体は前記外側導体の開口から前記規定方向に突出しており、同開口から突出している同中心導体の先端が、前記ワークを支持する支持部となっている高周波供給構造において、前記外側導体よりも外側には、同外側導体及び前記中心導体と同軸配置されている筒状の防着部材が配設され、同防着部材の前記規定方向における前記支持部側の端部である先端は、前記外側導体の前記規定方向における前記支持部側の端部である先端よりも前記規定方向で前記支持部側に位置しており、前記絶縁部材には、前記外側導体の開口から前記規定方向における前記支持部側に突出する突出部分が設けられており、前記突出部分及び前記防着部材の少なくとも一方は、前記外側導体の前記先端と前記規定方向において対向していることを特徴とする高周波供給構造。

請求項2

前記絶縁部材における前記突出部分の外周面は、基端面と、同基端面よりも前記規定方向における前記支持部側に位置する先端面と、を有しており、前記先端面は、前記規定方向で前記支持部に近い部位ほど前記中心導体の近くに位置するように構成されている請求項1に記載の高周波供給構造。

請求項3

前記絶縁部材における前記突出部分は、基端部位と、前記規定方向で同基端部位よりも前記支持部側に位置する先端部位と、を有しており、前記基端部位は、前記規定方向の位置で外径が変わらないように構成されており、前記先端部位は、前記規定方向で前記支持部側に近づくにつれて外径が小さくなるように構成されており、前記基端部位の外周面が前記基端面になっており、前記先端部位の外周面が前記先端面となっている請求項2に記載の高周波供給構造。

請求項4

前記規定方向において、前記防着部材の前記先端は、前記絶縁部材の前記突出部分における前記基端面と前記先端面との境界部分よりも前記支持部側に位置している請求項2又は請求項3に記載の高周波供給構造。

請求項5

前記防着部材は、内径が前記外側導体の外径よりも大きくなるように構成されているとともに、グランドに接地されていない請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の高周波供給構造。

請求項6

前記防着部材は、絶縁材料で構成されている請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の高周波供給構造。

技術分野

0001

本発明は、チャンバ内に設置されたワークに対してマイクロ波などの高周波を供給する高周波供給構造に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、金属膜をワークに蒸着する第1の処理と、マイクロ波などの高周波をチャンバ内に供給することで同ワークに対して成膜を施す第2の処理とを1つのチャンバ内で行うことが可能な成膜装置の一例が記載されている。

0003

また、特許文献2には、高周波の一例であるマイクロ波をチャンバ内のワークに供給する高周波供給構造の一例が記載されている。この特許文献2に記載の高周波供給構造は、図7に示すように、規定方向延伸する中心導体101と、中心導体101よりも外側に位置し且つ中心導体101と同軸配置されている筒状の外側導体102と、外側導体102と中心導体101との間に配置されている円筒形状の絶縁部材103とを備えている。中心導体101は、チャンバ110内に位置する外側導体102の開口から突出しており、中心導体101の先端にワーク150を支持する支持部104が設けられている。

0004

そして、高周波供給構造の中心導体101にマイクロ波が供給されると、図7に矢印で示すように、中心導体101と外側導体102との間、すなわち絶縁部材103内をマイクロ波が支持部104に向かって流れ、ワーク150にマイクロ波が供給される。すると、チャンバ110内におけるワーク150近傍では、当該マイクロ波によって、同チャンバ110内に供給されたプロセスガスプラズマ化して分解される。そして、このように分解されたプロセスガスがワーク150に付着することにより、同ガスに基づいた膜がワーク150に生成されるようになっている。

先行技術

0005

特開平07−243035号公報
特開2006−83405号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、特許文献1に記載の成膜装置のチャンバ内で第1の処理が行われると、金属が、ワークだけではなく、チャンバの壁面やチャンバ内に配置されている部品にも付着してしまう。すなわち、当該成膜装置において、ワークに高周波を供給する構造として特許文献2に記載の高周波供給構造を採用した場合、図7に示すように、高周波供給構造のうちチャンバ110内に位置する部分に金属160が付着し、同金属160によって中心導体101が外側導体102と繋がってしまうことがある。この場合、外側導体102がグランド接地されていると、高周波供給構造によってワーク150に供給されるべき高周波が、当該金属160を介して外側導体102側に漏えいするようになり、ワーク150に高周波が供給されにくくなってしまう。

0007

本発明の目的は、ワークに高周波が供給されにくくなることを抑制できる高周波供給構造を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するための高周波供給構造は、ワークに金属膜を成膜する処理と、高周波を用いたワークに対する処理とを1つのチャンバ内で行う成膜装置に適用される。この高周波供給構造は、規定方向に延伸するとともに高周波が入力される中心導体と、中心導体よりも外側に位置するとともに同中心導体と同軸配置されており、且つグランドに接地されている筒状の外側導体と、中心導体と外側導体との間に設けられている円筒形状の絶縁部材と、を備えている。この高周波供給構造では、中心導体は外側導体の開口から規定方向に突出しており、同開口から突出している同中心導体の先端が、ワークを支持する支持部となっている。このような前提の高周波供給構造において、外側導体よりも外側には、同外側導体及び中心導体と同軸配置されている筒状の防着部材が配設され、同防着部材の規定方向における支持部側の端部である先端は、外側導体の規定方向における支持部側の端部である先端よりも規定方向で支持部側に位置している。また、絶縁部材には、外側導体の開口から規定方向における支持部側に突出する突出部分が設けられている。また、突出部分及び防着部材の少なくとも一方は、外側導体の先端と規定方向において対向している。

0009

上記高周波供給構造を備える成膜装置では、支持部によって支持されているワークに金属膜を成膜する処理がチャンバ内で行われると、高周波供給構造のうち同チャンバ内に位置する部分にも金属が付着することがある。このとき、外側導体よりも外側に配置されている防着部材によって、外側導体の外周面への金属の付着が抑制される。また、上記構成では、突出部分及び防着部材の少なくとも一方が、外側導体の先端と規定方向において対向している。そのため、突出部分及び防着部材の少なくとも一方によって、外側導体の先端への金属の付着が抑制される。このように外側導体への金属の付着を抑制することにより、中心導体が外側導体と導通してしまうことが抑制される。すなわち、高周波供給構造に付着した金属及び外側導体を介して中心導体がグランドと電気的に接続されてしまうことが抑制される。その結果、中心導体と外側導体との間に位置する絶縁部材内を支持部側に向けて流れる高周波が外側導体側に漏えいしてしまうことを抑制できる。したがって、ワークに高周波が供給されにくくなることを抑制できるようになる。

0010

ところで、絶縁部材のうち、同絶縁部材内部から外部に高周波を放出させる面を出口面とした場合、当該出口面が中心導体の延伸方向に対して直交していると、同出口面に生成されてしまった金属膜に対し、絶縁部材内を支持部側に向けて流れる高周波がほぼ垂直に入射することとなる。このように高周波の金属膜への入射角が垂直に近いほど、金属膜によって、規定方向における支持部の反対側に高周波が戻されやすい。

0011

そこで、絶縁部材における突出部分の外周面が、基端面と、同基端面よりも規定方向における支持部側に位置する先端面と、を有している場合、当該先端面を、規定方向で支持部に近い部位ほど中心導体の近くに位置するように構成することが好ましい。この構成によれば、突出部分の先端面が上記出口面として機能することとなる。この場合、出口面である先端面に金属膜が生成されてしまったとしても、当該金属膜への高周波の入射角を垂直ではなくすることができる。そのため、当該金属膜によって、規定方向における支持部の反対側に高周波が戻されにくくなる。したがって、ワークに高周波が供給されにくくなることの抑制効果を高めることができる。

0012

また、上記先端面を上記のような形状としたため、中心導体と外側導体との間の絶縁部材内を流れる高周波が、同先端面に形成された金属膜によって径方向中心側に反射されるようになる。その結果、同金属膜を通過した高周波を、チャンバ内におけるワークに供給しやすくなる。

0013

また、上記高周波供給構造において、絶縁部材における突出部分は、基端部位と、規定方向で同基端部位よりも支持部側に位置する先端部位と、を有するようにしてもよい。この場合、基端部位を、規定方向の位置で外径が変わらないように構成し、先端部位を、規定方向で支持部側に近づくにつれて外径が小さくなるように構成することにより、基端部位の外周面を基端面とし、先端部位の外周面を先端面とすることができる。

0014

ところで、防着部材の先端の上記規定方向における位置が絶縁部材の突出部分における基端面と先端面との境界部分の規定方向における位置とほぼ同じであると、高周波供給構造に付着した金属によって中心導体が防着部材に繋がってしまいやすい。そのため、上記規定方向において、防着部材の上記先端を上記境界部分よりも支持部側に配置することが好ましい。この構成によれば、防着部材の先端の規定方向における位置が当該境界部分の規定方向における位置とずれているため、絶縁部材の突出部分の先端面や防着部材の先端に金属が付着したとしても、当該金属によって中心導体が防着部材に繋がりにくい。

0015

なお、防着部材の内径を、外側導体の外径よりも大きくなるようにしてもよい。この場合、防着部材は外側導体に接触しないようになる。しかし、金属膜をワークに成膜する処理が行われると、高周波供給構造に付着した金属によって、中心導体が防着部材と繋がってしまうことがある。このとき、防着部材が導電性材料で構成されており、且つ防着部材がグランドに接地されている場合、金属及び防着部材を介して中心導体がグランドに電気的に接続されてしまい、中心導体と外側導体との間に位置する絶縁部材内を支持部側に向けて流れる高周波が防着部材側に漏えいしてしまう。

0016

そこで、防着部材を、グランドに接地しないようにすることが好ましい。この構成によれば、高周波供給構造に付着した金属によって中心導体が防着部材と繋がってしまっても、防着部材がグランドに接地されていないため、中心導体がグランドに電気的に接続されてしまうことが抑制される。したがって、防着部材が導電性材料で構成されていたとしても、中心導体と外側導体との間を支持部側に向けて流れる高周波が防着部材側に漏えいしてしまうことを抑制できる。

0017

また、防着部材を、絶縁材料で構成するようにしてもよい。この構成によれば、高周波供給構造に付着した金属によって防着部材と絶縁部材とが繋がってしまっても、中心導体がグランドに電気的に接続されてしまうことが抑制される。そのため、中心導体と外側導体との間を支持部側に向けて流れる高周波が防着部材側に漏えいしてしまうことを抑制できる。

図面の簡単な説明

0018

高周波供給構造の一実施形態の断面と、同高周波供給構造を備える成膜装置の概略構成とを示す図。
同実施形態の高周波供給構造に金属が付着した様子を示す断面図。
別の実施形態の高周波供給構造に金属が付着した様子を示す断面図。
別の実施形態の高周波供給構造に金属が付着した様子を示す断面図。
別の実施形態の高周波供給構造に金属が付着した様子を示す断面図。
別の実施形態の高周波供給構造に金属が付着した様子を示す断面図。
従来の高周波供給構造に金属が付着した様子を示す断面図。

実施例

0019

以下、高周波供給構造の一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1には、本実施形態の高周波供給構造30を備える成膜装置10が図示されている。この成膜装置10は、内部が真空雰囲気となるチャンバ11内に配置されているワークWに対し、チタン膜などの金属膜を成膜する第1の処理と、金属膜が成膜されたワークWに対し、マイクロ波を用いた更なる成膜を施す第2の処理とを行うようになっている。

0020

図1に示すように、成膜装置10は、高周波供給構造30に加え、内部が真空雰囲気となるチャンバ11と、チャンバ11内でアーク放電を発生させるアーク放電発生装置20と、高周波供給構造30に高周波の一例であるマイクロ波を供給する高周波出力装置12とを備えている。高周波供給構造30は、チャンバ11内でワークWを支持するようになっており、この成膜装置10には、高周波供給構造30を介して負のバイアス電圧をワークWに印加するバイアス電源13が設けられている。

0021

次に、アーク放電発生装置20について説明する。
図1に示すように、アーク放電発生装置20は、チタンなどの金属で構成される蒸発源21と、アルミニウムなどの導電材料で構成される陽極部材22とを備えている。本実施形態では、蒸発源21及び陽極部材22の双方は円筒形状をなしており、陽極部材22は、蒸発源21よりも内側であって且つ蒸発源21に同軸配置されている。この蒸発源21には電源装置23から負の直流電圧が印加されるようになっており、陽極部材22はグランドに接地されている。そのため、電源装置23から負の直流電圧が蒸発源21に印加されている場合、蒸発源21が陰極として機能し、陽極部材22が陽極として機能するようになっている。そして、図示しないストライカを蒸発源21に接触させ、その後、同ストライカを蒸発源21から離間させることにより、蒸発源21の内周面211と陽極部材22との間でアーク放電が発生する。このようにアーク放電の発生が継続している間、蒸発源21の内周面211からは金属イオンが放出される。

0022

次に、本実施形態の高周波供給構造30について説明する。
図1に示すように、高周波供給構造30は、蒸発源21及び陽極部材22の中心軸の延伸方向(図中上下方向)と同一方向である規定方向Xに延伸する中心導体31と、中心導体31よりも外側に位置するとともに中心導体31と同軸配置されている筒状の外側導体32とを備えている。この外側導体32はグランドに接地されているとともに、外側導体32の外周面322には絶縁処理が施されている。中心導体31及び外側導体32は、チャンバ11外からチャンバ11内に進入している。そして、中心導体31は、外側導体32の両開口のうちのチャンバ11内に位置する開口321から規定方向Xに突出しており、中心導体31のうち外側導体32外に突出している部分の先端が、ワークWを支持する支持部33となっている。

0023

また、高周波供給構造30には、中心導体31及び外側導体32の双方と同軸配置されている筒状の防着部材34が設けられている。この防着部材34は外側導体32よりも外側に配置されているとともに、防着部材34の内周面341の直径は、外側導体32の外周面322の直径よりも大きい。そのため、防着部材34は、外側導体32に接触していない。また、防着部材34は、導電性材料で構成されているものの、グランドに接地されていない。そして、こうした防着部材34は、絶縁材料で構成されている封止部材14を介してチャンバ11の側壁に支持されている。

0024

また、防着部材34の規定方向Xにおける支持部33側の端部である先端34eは、外側導体32の規定方向Xにおける支持部33側の端部である先端32eよりも支持部33側(すなわち、図中上側)に配置されている。

0025

また、中心導体31と外側導体32との間には、円筒形状の絶縁部材35が設けられている。絶縁部材35は、マイクロ波を通過させることのできる絶縁材料で構成されている。この絶縁部材35は、外側導体32の開口321から規定方向Xにおける支持部33側に突出する突出部分36を有している。

0026

図1に示すように、突出部分36には、基端部位37と、規定方向Xで基端部位37よりも支持部33側に位置する先端部位38とが設けられている。基端部位37の外径は外側導体32の内径よりも大きく、基端部位37の外周面は防着部材34の内周面341に対して平行となる方向に延びている。すなわち、基端部位37は、規定方向Xの位置で外径が変わらないように構成されている。そして、本実施形態では、この基端部位37が、外側導体32の先端32eに規定方向Xにおいて対向している。また、基端部位37の外周面が、基端面371になっている。

0027

先端部位38は、規定方向Xで支持部33に近づくにつれて外径が小さくなるように構成されている。そのため、先端部位38の外周面は、規定方向Xで支持部33に近い部位ほど中心導体31の近くに位置するように形成されている。そして、このような先端部位38の外周面が、規定方向Xで基端面371よりも支持部33側に位置する先端面381になっている。なお、先端部位38の規定方向Xにおける支持部33側の端部である先端、すなわち突出部分36の先端36eは、防着部材34の先端34eよりも規定方向Xで支持部33から僅かに離れている、すなわち防着部材34の先端34eよりも僅かに図中下側に位置している。また、突出部分36の外周面における基端面371と先端面381との境界を、「境界部分39」というものとする。

0028

次に、成膜装置10で行われる第1の処理及び第2の処理について順に説明する。
まず、チャンバ11内で支持部33がワークWを支持するようになると、ワークWに金属膜を成膜するための第1の処理が開始される。すなわち、第1の処理では、バイアス電源13から出力される負のバイアス電圧が中心導体31を介してワークWに印加される。また、電源装置23から出力された負の直流電圧が蒸発源21に印加される。この状態でストライカが蒸発源21に接触して離間されると、蒸発源21と陽極部材22との間でアーク放電が発生し、アーク放電が継続している間、アーク放電に起因して蒸発源21から放出された金属イオンがワークWに付着される。その結果、ワークWに金属膜が成膜される。

0029

ワークWへの金属膜の成膜が終了すると、蒸発源21への負の直流電圧の印加が終了され、チャンバ11内でアーク放電が消弧される。これにより、蒸発源21から金属イオンが放出されなくなり、第1の処理が終了される。

0030

このように第1の処理が終了されると、第2の処理が開始される。すなわち、第2の処理では、チャンバ11内におけるワークWの近傍に、プロセスガスがアルゴンなどの不活性ガスとともに供給されるようになる。ここで、プロセスガスとしては、例えば、アセチレンなどの炭化水素ガスを挙げることができる。

0031

この状態でバイアス電源13から出力される負のバイアス電圧が中心導体31を介してワークWに印加される。また、高周波出力装置12から出力されたマイクロ波が中心導体31に入力される。すると、高周波供給構造30では、中心導体31と外側導体32との間を支持部33に向かってマイクロ波が流れ、ワークWにマイクロ波が供給される。これにより、チャンバ11内におけるワークW近傍では、当該マイクロ波によって、チャンバ11内に供給されたプロセスガスがプラズマ化して分解される。そして、このように分解されたプロセスガスがワークWに付着することにより、同ガスに基づいた膜(例えば、ダイヤモンドライクカーボン膜)がワークWに生成される。

0032

ところで、上記の第1の処理を行っていると、蒸発源21から放出された金属イオンに起因する金属が、ワークWだけではなく、高周波供給構造30のうちのチャンバ11内に位置する部分の表面、及び、チャンバ11の側壁にも付着してしまう。

0033

そこで次に、図2を参照し、高周波供給構造30の作用を効果とともに説明する。
図2に示すように、外側導体32よりも外側に配置されている防着部材34によって、外側導体32の外周面322への金属MTの付着が抑制される。また、本実施形態では、突出部分36の基端部位37が、外側導体32の先端32eと規定方向Xにおいて対向している。そのため、基端部位37のうちの外側導体32の先端32eに対向している部位によって、外側導体32の先端32eへの金属MTの付着が抑制される。すなわち、外側導体32への金属MTの付着が抑制される。そのため、中心導体31が外側導体32と導通してしまうことを抑制できる。

0034

また、本実施形態では、突出部分36の先端面381と防着部材34の内周面341との間の間隔は比較的広いため、先端面381には金属MTが付着してしまうことがある。一方、突出部分36の基端面371と防着部材34の内周面341との間の間隔は非常に狭い。具体的には、中心導体31の中心軸を中心とする径方向において、基端面371は外側導体32の外周面322と同じ位置に配置されている。そのため、基端面371への金属の付着を、防着部材34によって抑制することができる。これにより、突出部分36の先端面381に金属MTが付着したとしても、高周波供給構造30に付着してしまった金属MTによって、中心導体31が外側導体32と導通してしまうことを抑制できる。

0035

なお、図2に示すように、高周波供給構造30にあっては、防着部材34の先端34eの規定方向Xにおける位置が、突出部分36における基端面371と先端面381との境界部分39の規定方向Xにおける位置とずれている。これにより、突出部分36の先端面381や防着部材34の先端34eに金属MTが付着したとしても、当該金属MTによって中心導体31が防着部材34に繋がりにくい。

0036

さらに、防着部材34は、導電性材料で構成されているものの、グランドに接地されていない。これにより、もし仮に高周波供給構造30に付着した金属MTによって中心導体31が防着部材34と繋がってしまっても、中心導体31がグランドに電気的に接続されてしまうことが抑制される。

0037

そのため、高周波供給構造30に金属MTが付着してしまった状況下で第2の処理によってマイクロ波をワークWに供給する際、中心導体31が外側導体32及び防着部材34と導通しないようにすることで、絶縁部材35内を支持部33側に向けて流れるマイクロ波が外側導体32側や防着部材34側に漏えいしてしまうことを抑制できる。したがって、ワークWにマイクロ波が供給されにくくなることを抑制できる。

0038

なお、第1の処理及び第2の処理の双方では、中心導体31を介してワークWにバイアス電圧が印加される。この際、中心導体31が外側導体32及び防着部材34と導通しないようにすることで、ワークWとグランドとの電位差が小さくなることが抑制される。その結果、第1の処理ではワークWに対して金属膜を適切に成膜することができ、第2の処理ではダイヤモンドライクカーボン膜をワークWに対して適切に成膜することができる。

0039

ところで、絶縁部材35内から外部にマイクロ波を放出する面である出口面が、中心導体31の延伸方向である規定方向Xに対して直交している場合、出口面に金属膜が生成されてしまうと、当該金属膜に対し、絶縁部材35内を支持部33側に向けて流れるマイクロ波がほぼ垂直に入射することとなる。このようにマイクロ波の金属膜への入射角が垂直に近いほど、金属膜によって、規定方向Xにおける支持部33の反対側(図2では下側)にマイクロ波が戻されやすい。

0040

この点、本実施形態では、突出部分36の先端面381が上記出口面として機能することとなるが、この先端面381は規定方向Xで支持部33に近い部位ほど中心導体31の近くに位置するように構成されている。そのため、先端面381に生成されてしまった金属膜へのマイクロ波の入射角が垂直ではなくなるため、当該金属膜によって、規定方向Xにおける支持部33の反対側にマイクロ波が戻されにくくなる。したがって、ワークWにマイクロ波が供給されにくくなることの抑制効果を高めることができる。

0041

また、突出部分36の先端面381を上記のような形状としたため、絶縁部材35内を流れるマイクロ波が、先端面381に形成された金属膜によって径方向中心側に反射されるようになる。その結果、金属膜を通過したマイクロ波を、チャンバ11内におけるワークWに供給しやすくなる。

0042

なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態では、防着部材34の先端34eは、突出部分36の先端36eよりも規定方向Xにおいて支持部33の少しだけ近くに配置されている。しかし、防着部材34によって外側導体32の外周面322への金属の付着を抑制することができるのであれば、防着部材34の先端34eを、突出部分36の先端36eよりも規定方向Xにおいて支持部33から離れて配置するようにしてもよい。例えば、防着部材34の先端34eを、規定方向Xにおいて境界部分39と同一位置に配置してもよいし、規定方向Xにおいて境界部分39と外側導体32の先端32eとの間に配置してもよい。

0043

・防着部材34は、絶縁材料で構成してもよい。この構成であっても、高周波供給構造30に付着した金属によって中心導体31が防着部材34に繋がってしまっても、中心導体31がグランドに電気的に繋がってしまうことを抑制できる。なお、この場合、防着部材34の内周面341に対向する外側導体32の外周面322には絶縁処理を施さなくてもよい。

0044

また、このように防着部材34が絶縁材料で構成されている場合、突出部分36の基端部位37の外径を防着部材34の内径と等しくし、突出部分36の基端面371を防着部材34の内周面341に接触させるようにしてもよい。

0045

・絶縁部材35の突出部分は、上記実施形態における「先端部位38」に相当する部位、すなわち、規定方向Xで支持部33に近づくにつれて外径が小さくなる部位を備えない構成であってもよい。図3には、このような絶縁部材35Aを備える高周波供給構造30の一例が図示されている。このような構成であっても、絶縁部材35Aの突出部分36A及び防着部材34によって、外側導体32への金属MTの付着を抑制することができ、ひいては中心導体31が外側導体32と導通してしまうことを抑制できる。

0046

図4に示すように、防着部材34の一部を外側導体32よりも規定方向Xにおいて支持部33側に位置させるようにしてもよい。例えば、防着部材34のうち外側導体32よりも規定方向Xにおいて支持部33側に位置する部分を規定部分34Aとする。この場合、規定部分34Aの内径は、外側導体32の外径よりも小さくなっている。図4に示すように、絶縁部材35Bの突出部分36Bは、外側導体32の内径と等しい外径を有する基端部位37Bと、基端部位37Bよりも規定方向Xにおける支持部33側に位置し、且つ規定方向Xで支持部33側に近づくにつれて外径が小さくなる先端部位38Bとを有している。この場合、基端部位37Bの外周面が基端面371Bになり、先端部位38Bの外周面が先端面381Bになる。この構成であっても、突出部分36B及び防着部材34によって、外側導体32への金属MTの付着を抑制することができ、ひいては中心導体31が外側導体32と導通してしまうことを抑制できる。

0047

図5に示す例は、上記実施形態における「先端部位38」に相当する部位が突出部分に設けられない例、すなわち図3に示す例の変更例である。この場合であっても、図5に示すように、防着部材34の規定部分34Aの内径を、外側導体32の外径よりも小さくしてもよい。このような構成であっても、絶縁部材35Cの突出部分36C及び防着部材34によって、外側導体32への金属MTの付着を抑制することができ、ひいては中心導体31が外側導体32と導通してしまうことを抑制できる。

0048

また、規定部分34Aの内径を、外側導体32の内径よりも小さくするのであれば、突出部分36Cの外周面と防着部材34の内周面341との間隔が広くならない範囲内で、突出部分36Cの外径を外側導体32の内径よりも小さくしてもよい。

0049

図6に示すように、規定部分34Aの内径が、外側導体32の外径よりも小さく且つ外側導体32の内径よりも大きいのであれば、絶縁部材35Dの突出部分36Dの外径を外側導体32の内径よりも大きく且つ外側導体32の外径よりも小さくしてもよい。この場合、突出部分36D及び規定部分34Aの双方が、外側導体32の先端32eと規定方向Xにおいて対向することとなる。この構成であっても、突出部分36D及び防着部材34によって、外側導体32への金属MTの付着を抑制することができ、ひいては中心導体31が外側導体32と導通してしまうことを抑制できる。

0050

・中心導体は、規定方向に延びる長尺状の延伸部材と、この延伸部材の先端に設けられるとともにワークWを支持する支持部材とを備えた構成であってもよい。この場合、支持部材が、支持部33として機能することとなる。

0051

・高周波供給構造によってワークWに供給される高周波は、ワークWに対する何らかの処理を行うことができるのであれば、マイクロ波とは周波数の異なる他の高周波、例えばRF(13.56MHz)であってもよい。なお、「RF」とは、「Radio Frequency」の略記である。

0052

・マイクロ波などの高周波を用いた第2の処理は、ワークWの表面に膜を成膜する処理ではなく、ワークWの表面に対してエッチングを施す処理であってもよい。
・ワークWに対して金属膜を成膜する装置としては、チャンバ11内にアーク放電を発生させる装置以外の他の装置であってもよい。このような他の装置としては、例えば、蒸発源に熱を加えて同蒸発源の昇温させることで、同蒸発源の一部を蒸発させ、蒸発した金属をワークWに付着させる装置を挙げることができる。

0053

10…成膜装置、11…チャンバ、30…高周波供給構造、31…中心導体、32…外側導体、321…開口、32e…先端、33…支持部、34…防着部材、34e…先端、341…内周面、35,35A〜35D…絶縁部材、36,36A〜36D…突出部分、37,37B…基端部位、371,371B…基端面、38,38B…先端部位、381,381B…先端面、39…境界部分、W…ワーク。

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