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技術 超高分子量ポリエチレン共重合体

出願人 東ソー株式会社
発明者 稲富敬長谷川彩樹阿部成彦
出願日 2017年11月6日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2017-213379
公開日 2018年2月1日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2018-016819
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード ライン部品 超高分子量ポリエチレン粒子 化学滴定 積分曲線 工業用アルコール 充満率 直接焼結 相手材料
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月1日)のものです。
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課題

融点が高く、高結晶性を示すことから、機械的強度が高く、耐熱性耐摩耗性に優れる成形体を提供しうる新規超高分子量ポリエチレン共重合体を提供する。

解決手段

固有粘度(η)が15dL/g以上60dL/g以下、分子量分布(Mw/Mn)が3より大きく6未満であり、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレンブテン−1共重合体である、超高分子量ポリエチレン共重合体。

概要

背景

従来、超高分子量ポリエチレンは、汎用ポリエチレンに比べ、耐衝撃性自己潤滑性耐摩耗性摺動性耐候性耐薬品性、寸法安定性等に優れており、エンジニアリングプラスチック匹敵する物性を有するものとして知られている。

しかし、超高分子量ポリエチレンは、その高い分子量故に、溶融時の流動性が低く、分子量が数万から約50万の範囲にある通常のポリエチレンのように混練押出により成形することは困難である。そこで、超高分子量ポリエチレンは、重合により得られた重合体粉末直接焼結する方法、圧縮成形する方法、間歇圧縮させながら押出成形するラム押出機による押出成形方法溶媒等に分散させた状態で押出成形した後、溶媒を除去する方法等の方法により成形されている。しかし、これらの成形加工法は、技術的難易度が高く、成形体を得るのが困難であるという課題、さらには、高分子鎖絡み合いによる局部的な高粘度部位の存在やポリマー粒子の流動性不足等に起因して圧縮時に疎な部分が形成されることによりウイークポイントが発生するため、得られる成形体が本来有するはずであろう機械的強度発現することができず、機械的強度が比較的低くなるという課題があった。

そして、成形体とした際の機械的強度を上げる手段として、メタロセン触媒等の触媒を用いた分子量分布の狭い超高分子量ポリエチレンが提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。

概要

融点が高く、高結晶性を示すことから、機械的強度が高く、耐熱性、耐摩耗性に優れる成形体を提供しうる新規な超高分子量ポリエチレン共重合体を提供する。固有粘度(η)が15dL/g以上60dL/g以下、分子量分布(Mw/Mn)が3より大きく6未満であり、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレンブテン−1共重合体である、超高分子量ポリエチレン共重合体。 なし

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、強度、耐熱性、耐摩耗性に優れる成形体を供給することが可能な、高い融点と特定の溶融挙動を有する新規な超高分子量ポリエチレン粒子の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

固有粘度(η)が15dL/g以上60dL/g以下、分子量分布(Mw/Mn)が3より大きく6未満であり、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレンブテン−1共重合体であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン共重合体。

請求項2

さらに、チタン含有量が0.2ppm未満又は測定検出限界以下であることを特徴とする請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン共重合体。

請求項3

分子量分布が3より大きく5未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレン共重合体。

技術分野

0001

本発明は、融点が高く、高結晶性を示す超高分子量ポリエチレン共重合体及び該超高分子量ポリエチレン共重合体から得られる成形体に関するものであり、より詳細には、融点が高く、高結晶性を示すことから、機械強度耐熱性耐摩耗性に優れる成形体を提供しうる新規な超高分子量ポリエチレン共重合体及びそれからなる成形体に関するものである。

背景技術

0002

従来、超高分子量ポリエチレンは、汎用ポリエチレンに比べ、耐衝撃性自己潤滑性、耐摩耗性、摺動性耐候性耐薬品性、寸法安定性等に優れており、エンジニアリングプラスチック匹敵する物性を有するものとして知られている。

0003

しかし、超高分子量ポリエチレンは、その高い分子量故に、溶融時の流動性が低く、分子量が数万から約50万の範囲にある通常のポリエチレンのように混練押出により成形することは困難である。そこで、超高分子量ポリエチレンは、重合により得られた重合体粉末直接焼結する方法、圧縮成形する方法、間歇圧縮させながら押出成形するラム押出機による押出成形方法溶媒等に分散させた状態で押出成形した後、溶媒を除去する方法等の方法により成形されている。しかし、これらの成形加工法は、技術的難易度が高く、成形体を得るのが困難であるという課題、さらには、高分子鎖絡み合いによる局部的な高粘度部位の存在やポリマー粒子の流動性不足等に起因して圧縮時に疎な部分が形成されることによりウイークポイントが発生するため、得られる成形体が本来有するはずであろう機械的強度発現することができず、機械的強度が比較的低くなるという課題があった。

0004

そして、成形体とした際の機械的強度を上げる手段として、メタロセン触媒等の触媒を用いた分子量分布の狭い超高分子量ポリエチレンが提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。

先行技術

0005

特許4868853号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
特開2006−36988号公報(例えば特許請求の範囲参照。)

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献1、2に提案された超高分子量ポリエチレンにおいても、成形品としての性能向上は見られるものの、強度、耐熱性、結晶性という点では、まだ満足できるものではなかった。

0007

また、一般的な超高分子量ポリエチレンは分子量が高くなるほど、分子鎖どうしの絡み合いが解けにくくなるため、分子量が高くなることにより期待される効果を十分発現することができず、例えば、引張破断強度は、分子量300万程度で最大となり、それ以上に分子量を高くしても、逆に引張破断強度が低下するという課題があった。

0008

そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、強度、耐熱性、耐摩耗性に優れる成形体を供給することが可能な、高い融点と特定の溶融挙動を有する新規な超高分子量ポリエチレン粒子の提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高い融点と特定の溶融挙動を有する新規な超高分子量ポリエチレン共重合体が、強度、耐熱性、耐摩耗性に優れる成形体を提供しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0010

即ち、本発明は、固有粘度(η)が15dL/g以上60dL/g以下、分子量分布(Mw/Mn)が3より大きく6未満であり、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレンブテン−1共重合体であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン共重合体に関するものである。

0011

以下に、本発明を詳細に説明する。

0012

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、少なくとも(1)固有粘度(η)が15dL/g以上60dL/g以下、(2)嵩密度が100kg/m3以上700kg/m3以下、(3)示差走査型熱量計DSC)にて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)した際の1stスキャンの融点(Tm1)、その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)した際の2ndスキャンの融点(Tm2)をそれぞれ測定し、該Tm1と該Tm2の差(ΔTm=Tm1−Tm2)が11℃以上30℃以下、という特性のいずれをも満足するものである。

0013

そして、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、超高分子量ポリエチレンが粒子形状を有するものであり、超高分子量ポリエチレンには、ポリエチレンと称される範疇のものが属し、例えばエチレン単独重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体;等を挙げることができる。

0014

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、(1)固有粘度(η)が15dL/g以上60dL/g以下のものであり、特に成形体とした際に優れた成形性と力学特性を有することから15dL/g以上50dL/g以下であることが好ましい。ここで、固有粘度(η)が15dL/g未満である場合、得られる成形体は力学特性に劣るものとなる。一方、固有粘度(η)が60dL/gを越える場合、溶融したときの流動性が低いため、成形加工性が非常に劣るものとなる。

0015

本発明における固有粘度(η)は、例えばウベローデ型粘度計を用い、オルトジクロルベンゼンを溶媒としたポリマー濃度0.0005〜0.01%の溶液にて、135℃において測定する方法により測定することが可能である。

0016

また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、(2)嵩密度が130kg/m3以上700kg/m3以下であり、より好ましくは200kg/m3以上600kg/m3以下である。ここで、超高分子量ポリエチレン粒子の嵩密度が130kg/m3未満である場合、粒子の流動性が低下する、保存容器ホッパーでの充満率が低下する等、操作性を著しく低下させる等の課題を発生しやすくなる。一方、嵩密度が700kg/m3を超える場合、成形加工時における溶融、溶媒等への溶解において、粒子の中心部が未溶融状態で残り、成形体の外観を低下させるほか、成形体の物性低下等の課題を発生しやすくなる。本発明における嵩密度は、例えばJIS K6760(1995)に準拠した方法で測定することが可能である。

0017

また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、(3)示差走査型熱量計(DSC)にて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)した際の1stスキャンの融点(Tm1)、その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)した際の2ndスキャンの融点(Tm2)をそれぞれ測定し、該Tm1と該Tm2の差(ΔTm=Tm1−Tm2)が11℃以上30℃以下であり、特に耐熱性、機械的強度、成形性のバランスに優れる超高分子量ポリエチレン粒子となることからΔTmが11℃以上15℃以下であることが好ましい。ここで、ΔTmが11℃未満である場合、得られる超高分子量ポリエチレン粒子は、耐熱性、強度等に劣るものとなる。一方、ΔTmが30℃を超える場合、得られる超高分子量ポリエチレン粒子を成形加工に供した際の粒子の溶解が困難になり、成形加工性に劣るものとなるばかりか、得られる成形体も物性に劣るものとなる。

0018

なお、一般的なポリエチレンにおいては、高融点を有するポリエチレンとして、高密度ポリエチレンに属するエチレン単独重合体が知られている。しかし、該高密度ポリエチレンにおける融点は130〜135℃程度と低いものである。一方、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、従来から知られているポリエチレンと比較しても極めて高い融点(Tm)を有するものであり、例えばエチレン単独重合体であるならば、Tm1として140℃を超える極めて高い融点を有している。本願発明の超高分子量ポリエチレン粒子においては、ポリエチレンの分子鎖が配向するなどして、高度に結晶化されているため、示差走査型熱量計(DSC)にて測定した際のTm1とTm2差であるΔTmが11℃以上30℃以下という極めて大きな差となると考えている。

0019

また、本発明における超高分子量ポリエチレン粒子が、このような極めて高い融点(Tm1)、ΔTmを有する理由に関しては不明であるが、超高分子量ポリエチレン粒子として製造する際の熱履歴等の影響を受けているものと考えている。

0020

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、チタニウムが原因で発生する変色(黄変)や酸化劣化等の抑制が可能で色調が良好なものとなり、耐候性にも優れるものとなることから、チタニウムの含有量が少ないものであることが好ましく、特に(4)チタニウムの含有量が0.02ppm以下又は検出限界以下、のものが好ましい。なお、チタニウムの含有量は、化学滴定法、蛍光X線分析装置ICP発光分析装置等による測定等により求めることができる。

0021

また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、より強靭な成形体を提供することが可能となることから、(5)プレス温度190℃、プレス圧力20MPaで加熱圧縮した後、前記(3)により測定した2ndスキャンの融点(Tm2)より10℃〜30℃低い金型温度で冷却して成形したシートの引張破断強度(TS(MPa))が、下記関係式(a)を満たすものであることが好ましく、更により強靭で機械強度、耐摩耗性に優れる成形体を提供することが可能となることから、下記関係式(c)を満たすものであることが好ましい。
TS≧1.35×Tm2−130 (a)
1.35×Tm2−130≦TS≦2×Tm2−175 (c)
なお、一般的なポリエチレンの引張破断強度は、最も高い高密度ポリエチレンでも45MPa程度と低いものである。また、従来の超高分子量ポリエチレンも、その高い分子量を十分生かすことができておらず、引張破断強度は一般的なポリエチレンと同等であり、50MPaを超えることはなかった。このため、高延伸倍率圧延成形するなどにより配向させて、強度を高める方法がとられていた。

0022

しかし、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、高分子鎖が適度に絡み合っているため、固有粘度(η)が15dL/gを超える超高分子量ポリエチレンの領域であっても、更にその分子量を高くしても引張破断強度が低下せず、むしろ、さらに向上する傾向を示すものである。そして、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子としては、成形体とした際により強度が優れるものとなることから、高密度ポリエチレンの領域に属するものであるならば前記(5)により測定した引張破断強度として、40MPa以上を有するものであることが好ましく、より好ましくは50MPa以上を有するものである。

0023

本発明における引張破断強度の測定条件としては、特に制限はなく、例えば厚み0.1〜5mm、幅1〜50mmの短冊形ダンベル型等の試験片を、引張速度1mm/分〜500mm/分の速度で測定する方法を例示することができる。

0024

さらに、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、比較的低分子量成分の含有量が低く、高分子鎖の適度な絡み合いが可能となり、特に耐熱性に優れるものとなることから、(6)加熱圧縮成形したシートを、前記(3)により測定した2ndスキャンの融点(Tm2)より20℃高い温度で溶融延伸したときの破断強度(MTS(MPa))が2MPa以上を有するものであることが好ましく、更に3MPa以上を有するものであることが好ましい。

0025

なお、分子量50万以下の一般的なポリエチレンは、融点(Tm)より20℃高い温度では、流動性が高く、自重で成形体が変形してしまい、溶融延伸はできない。また、従来の超高分子量ポリエチレンは、融点(Tm)より20℃高い温度でも、溶融延伸は可能であるが、含有する低分子量成分の影響により、歪み硬化が起きず、応力が低い状態のまま、1MPa前後の強度で破断してしまい、耐熱性に劣るものであった。

0026

そして、溶融延伸に用いる加熱圧縮成形シートの成形条件としては、制限はなく、例えばプレス温度100〜250℃、プレス圧力5〜50MPaの条件であり、その中でも特に前記(5)に記載した加熱圧縮成形法を例示することができる。また、溶融延伸方法としては、例えば厚み0.1〜5mm、幅1〜50mmの短冊形、ダンベル型等の試験片を、引張速度1mm/分〜500mm/分の速度で延伸する方法を例示することができる。

0027

また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、特に耐熱性に優れるものとなることから、(7)前記(6)により測定した溶融延伸したときの破断強度(MTS(MPa))と固有粘度(η)が、下記関係式(b)を満たすものであることが好ましく、特に溶融延伸性、成形性にも優れるものとなることから、下記関係式(d)を満たすものであることが好ましい。
MTS≧0.11×η (b)
0.11×η≦MTS≦0.32×η (d)
本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、特に粉体としての流動性、成形加工時の成形性に優れるものとなることから、(8)平均粒径が1〜1000μm、であるものが好ましい。平均粒径が1μm以上のものであると重合プロセスにおけるファウリング、成形加工におけるホッパー等での流動不良等の発生を抑制することができる。また、平均粒径が1000μm以下であると成形加工時の超高分子量ポリエチレン粒子の溶融、溶媒への溶解が容易となり、成形性に優れると共に得られる成形品の物性が向上したものとなる。なお、平均粒径に関しては、例えばJIS Z8801で規定された標準篩を用いたふるい分け試験法等の方法により測定することができる。

0028

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、成形加工の際、粒子同士の融着性が良好となり、得られる成形体が耐熱性、強度等に優れるものとなることから、(9)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で示される分子量分布(Mw/Mn)が3より大きく6未満であることが好ましく、特に3より大きく5未満であることが好ましい。なお、その際の重量平均分子量及び数平均分子量は、例えばゲル・パーミエイショングロマトグラフィ(GPCと記すこともある。)により測定することが可能である。

0029

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、必要に応じて公知の各種添加剤を含んでいても良く、例えばテトラキスメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)メタンジステアリルチオジプロピオネート等の耐熱安定剤;ビス(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−ピペリジンセバケート、2−(2−ヒドロキシ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の耐候安定剤等が挙げられる。また、着色剤として無機系、有機系のドライカラーを添加しても良い。また、滑剤塩化水素吸収剤等として公知であるステアリン酸カルシウム等のステアリン酸塩も、好適な添加剤として挙げることができる。

0030

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子の製造方法としては、本発明の超高分子量ポリレン粒子の製造が可能であれば如何なる方法を用いても良く、例えばポリエチレン製造用触媒を用い、エチレンの単独重合、エチレンと他のオレフィンとの共重合を行う方法を挙げることができ、その際のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を挙げることができる。また、重合方法としては、例えば溶液重合法塊状重合法気相重合法スラリー重合法等の方法を挙げることができ、その中でも、特に粒子形状が整った超高分子量ポリエチレン粒子の製造が可能となると共に、高融点、高結晶化度を有し、機械強度、耐熱性、耐摩耗性に優れる成形体を提供しうる超高分子量ポリエチレン粒子を効率よく安定的に製造することが可能となることからスラリー重合法であることが好ましい。また、スラリー重合法に用いる溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼントルエンキシレンペンタンヘキサンヘプタン等が挙げられ、イソブタンプロパン等の液化ガス、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセンなどのオレフィンを溶媒として用いることもできる。

0031

また、本発明の超高分子量ポリエチレン粒子を製造するのに用いる、ポリエチレン製造用触媒としては、該超高分子量ポリエチレン粒子の製造が可能であれば如何なるものを用いることも可能であり、例えば少なくとも遷移金属化合物(A)、脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)より得られるメタロセン系触媒を挙げることができる。

0032

そして、該遷移金属化合物(A)としては、例えば(置換シクロペンタジエニル基と(置換)フルオレニル基を有する遷移金属化合物、(置換)シクロペンタジエニル基と(置換)インデニル基を有する遷移金属化合物、(置換)インデニル基と(置換)フルオレニル基を有する遷移金属化合物等を挙げることができ、その際の遷移金属としては、例えばジルコニウムハフニウム等を挙げることができ、その中でも特に本発明の超高分子量ポリエチレン粒子を効率よく製造することが可能となることから、(置換)シクロペンタジエニル基とアミノ基置換フルオレニル基を有するジルコニウム化合物、(置換)シクロペンタジエニル基とアミノ基置換フルオレニル基を有するハフニウム化合物であることが好ましい。

0033

そして、より具体的には、例えばジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニルジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルシクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシランジイル(シクロペンタジエニル)(4−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(4−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジ−n−ブチル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ビス(ジ−n−プロピル−アミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,5−ビス(ジイソプロピルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドなどのジルコニウム化合物;これらのジクロロ体ジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体ジフェニル体、ジベンジル体に変えたジルコニウム化合物、およびこれら化合物のジルコニウムをハフニウムに変えたハフニウム化合物などを例示することができる。

0034

該脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)としては、例えばN,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジオレイルメチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミンヨウ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−エチル−ベヘニルアミン硫酸塩、N−メチル−N−n−プロピル−ベヘニルアミン硫酸塩、N,N−ジオレイル−メチルアミン硫酸塩等の脂肪族アミン塩;P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン塩酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンフッ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン臭化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィンヨウ化水素酸塩、P,P−ジメチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジエチル−ベヘニルホスフィン硫酸塩、P,P−ジプロピル−ベヘニルホスフィン硫酸塩等の脂肪族ホスフォニウム塩;等の脂肪族塩により変性された粘土を挙げることができる。

0035

また、該有機変性粘土(B)を構成する粘土化合物としては、粘土化合物の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、一般的にシリカ四面体が二次元上に連続した四面体シートと、アルミナ八面体マグネシア八面体等が二次元上に連続した八面体シートが1:1又は2:1で組合わさって構成されるシリケート層と呼ばれる層が何枚にも重なって形成され、一部のシリカ四面体のSiがAl、アルミナ八面体のAlがMg、マグネシア八面体のMgがLi等に同型置換されることにより層内部の正電荷が不足し、層全体として負電荷を帯びており、この負電荷を補償するために層間にはNa+やCa2+等の陽イオンが存在しているものとして知られているものである。そして、該粘土化合物としては天然品、または合成品としてのカオリナイトタルクスメクタイトバーミキュライト雲母、脆雲母、縁泥石等が存在し、これらを用いることが可能であり、その中でも入手のしやすさと有機変性の容易さからスメクタイトが好ましく、特にスメクタイトのなかでもヘクトライトまたはモンモリロナイトがさらに好ましい。

0036

該有機変性粘土(B)は、該粘土化合物の層間に該脂肪族塩を導入し、イオン複合体を形成することにより得る事が可能である。該有機変性粘土(B)を調製する際には、粘土化合物の濃度0.1〜30重量%、処理温度0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、該脂肪族塩は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により該脂肪族塩の溶液を調製してそのまま使用しても良い。該粘土化合物と該脂肪族塩の反応量比については、粘土化合物の交換可能なカチオンに対して当量以上の脂肪族塩を用いることが好ましい。処理溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類エチルアルコールメチルアルコール等のアルコール類エチルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類塩化メチレンクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトン;1,4−ジオキサンテトラヒドロフラン;水、等を用いることができる。そして、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。

0037

また、本発明のポリエチレン製造用触媒を構成する有機変性粘土(B)の粒径に制限はなく、その中でも触媒調製時の効率、ポリエチレン製造時の効率に優れるものとなることから1〜100μmであることが好ましい。その際の粒径を調節する方法にも制限はなく、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は有機変性前の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。

0038

該有機アルミニウム化合物(C)としては、有機アルミニウム化合物と称される範疇に属するものであれば如何なるものも用いることができ、例えばトリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウムトリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。

0039

該ポリエチレン製造用触媒を構成する該遷移金属化合物(A)(以下(A)成分ということもある。)、該有機変性粘土(B)(以下、(B)成分ということもある。)、および該有機アルミニウム化合物(C)(以下、(C)成分ということもある。)の使用割合に関しては、ポリエチレン製造用触媒としての使用が可能であれば如何なる制限を受けるものでなく、その中でも、特に超高分子量ポリエチレン粒子を生産効率よく製造することが可能なポリエチレン製造用触媒となることから、(A)成分と(C)成分の金属原子当たりのモル比は(A成分):(C成分)=100:1〜1:100000の範囲にあることが好ましく、特に1:1〜1:10000の範囲であることが好ましい。また、(A)成分と(B)成分の重量比が(A成分):(B成分)=10:1〜1:10000にあることが好ましく、特に3:1〜1:1000の範囲であることが好ましい。

0040

該ポリエチレン製造用触媒の調製方法に関しては、少なくとも該(A)成分、該(B)成分および該(C)成分より得られるポリエチレン製造用触媒を調製することが可能であれば如何なる方法を用いてもよく、例えば各(A)、(B)、(C)成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も制限はない。また、(A)成分、(B)成分、(C)成分のそれぞれを2種類以上用いてポリエチレン製造用触媒を調製することも可能である。

0041

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子を製造する際の重合温度、重合時間、重合圧力モノマー濃度などの重合条件については任意に選択可能であり、その中でも、重合温度0〜100℃、重合時間10秒〜20時間、重合圧力常圧〜100MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるポリエチレン粒子は、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。

0042

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子からなる成形体は、公知の成形方法により得られる。具体的には、ラム押出等の押出成形、圧縮成形、粉体塗装シート成形、圧延成形、各種溶媒に溶解又は混合させた状態での延伸成形等の方法を例示することができる。本発明の成形体は、成形後も強度が高く、ライニング材食品工業のライン部品機械部品人工関節部品スポーツ用品微多孔膜ネットロープ手袋等に用いることができる。

発明の効果

0043

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、融点が高く、高結晶性を示すことから、それより得られる成形体は、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性に優れるものとなり各種産業用機器等の基材等として優れた特性を有するものとなる。

0044

以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。

0045

なお、断りのない限り、用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。

0046

有機変性粘土の粉砕にはジェットミルセイシン企業社製、(商品名)CO−JET SYSTEMα MARK III)を用い、粉砕後の粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、(商品名)MT3000)を用いてエタノール分散剤として測定した。

0047

ポリエチレン製造用触媒の調製、ポリエチレンの製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は東ソーファインケム(株)製を用いた。

0048

さらに、実施例における超高分子量ポリエチレン粒子の諸物性は、以下に示す方法により測定した。

0049

〜固有粘度の測定〜
ウベローデ型粘度計を用い、ODCB(オルトジクロルベンゼン)を溶媒として、135℃において、超高分子量ポリエチレン濃度0.005wt%で測定した。

0050

〜重量平均分子量、数平均分子量の測定〜
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、GPCによって測定した。GPC装置((株)センシュー科学製 (商品名)SSC−7110)およびカラム(東ソー(株)製、(商品名)TSKguardcolumnHHR(S)HT×1本、東ソー(株)製、(商品名)TSKgelGMHHR−H(S)HT×2本)を用い、カラム温度を210℃に設定し、溶離液として1−クロロナフタレンを用いて測定した。測定試料は0.5mg/mlの濃度で調製し、0.2ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知ポリスチレン試料を用いて校正した。なお、分子量はQファクターを用いてポリエチレンの分子量に換算し値を求めた。

0051

〜嵩密度の測定〜
JIS K6760(1995)に準拠した方法で測定した。

0052

〜Tm1とTm2の測定〜
示差走査型熱量計(DSC)(エスアイアイナノテクノロジー(株)製 (商品名)DSC6220)を用いて、0℃から10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温(1stスキャン)し1stスキャンの結晶融解ピーク(Tm1)の測定を行った。その後、5分間放置後、10℃/分の降温速度で−20℃まで降温し、5分間放置後、再度、10℃/分の昇温速度で−20℃から230℃まで昇温(2ndスキャン)し2ndスキャンの結晶融解ピーク(Tm2)を測定した。その際の超高分子量ポリエチレンのサンプル量は6mgとした。

0053

チタニウム含有量の測定〜
超高分子量ポリエチレン粒子を灰化し、アルカリ溶融して、調製した溶液を用いて、ICP発光分析装置((株)パーキンエルマー製、(商品名)Optima3000XL)により、超高分子量ポリエチレン粒子中のチタニウム含有量を測定した。

0054

〜引張破断強度の測定〜
超高分子量ポリエチレン粒子をポリエチレンテレフタレートフィルムに挟んで、190℃で、5分間予熱した後、190℃、プレス圧力20MPaの条件にて加熱圧縮した。その後、金型温度110℃、10分間冷却し、厚さ0.3mmのプレスシートを得た。

0055

このシートからダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅5mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンドディー製、(商品名)テンシロンRTG−1210)にて、測定温度23℃、試験片の初期長さ20mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、引張破断強度を求めた。

0056

〜溶融延伸時の破断応力の測定〜
上記引張破断強度の測定に記載の方法によりプレスシートを得た。

0057

このシートからダンベル型に切り出したサンプル(測定部の幅10mm)を、23℃にて48時間静置した後、引張試験機((株)エイ・アンド・ディー製、(商品名)テンシロンUMT2.5T)にて、示差走査型熱量計(DSC)の2ndスキャンの結晶融解ピーク(Tm2)より20℃高い温度で、試験片の初期長さ10mm、引張速度20mm/分で引張試験をし、溶融延伸時の破断応力を求めた。歪み硬化が起き、延伸に伴い応力が増加した場合はその最大値を破断応力とし、歪み硬化が起きず、延伸しても応力が増加しない場合は、降伏後の平坦領域の応力を破断応力とした。

0058

〜平均粒径の測定〜
JIS Z8801で規定された9種類の(目開き:710μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μm、53μm)を用いて、100gの超高分子量ポリエチレン粒子を分級した際に得られる各篩に残った粒子の重量を目開きの大きい側から積分した積分曲線において、50%の重量になる粒子径を測定することにより平均粒径を求めた。

0059

〜耐摩耗性の評価〜
超高分子量ポリエチレン粒子200gを金型投入し、金型温度190℃、面圧力30MPaにて20分間プレス成形し、縦横各150mm、厚さ10mmの板状成形品を得た。

0060

該板状成形品を平削り機にて切削加工して、直径5mm高さ8mmの丸棒試験用サンプルとして調製し、摩擦摩耗試験機オリエンテック(株)、型式FM−III−EN)を用いて、JIS K7218に準拠して、速度2.0m/秒、荷重25MPa、時間360分、相手材料SS400の条件で摩耗量を測定した。摩耗量が少ないほど、耐摩耗性に優れている。

0061

実施例1
(1)有機変性粘土の調製
リットルフラスコ工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジオレイルメチルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンM20)64.2g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリー濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。

0062

(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製
温度計還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.795g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.7wt%)。

0063

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を356mg(固形分41.7mg相当)加え、40℃にした後、分圧が1.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで37.1gの超高分子量エチレン単独重合体粒子を得た(活性:890g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン単独重合体粒子の物性は表1に示す。

0064

実施例2
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例1と同様に実施した。

0065

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を326mg(固形分38.2mg相当)加え、30℃にした後、プロピレン5gを加え、分圧が1.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、スラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで35.1gの超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子を得た(活性:920g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子の物性は表1に示す。

0066

実施例3
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に実施した。

0067

(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジメチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.600g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.5wt%)。

0068

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を236mg(固形分27.1mg相当)加え、50℃に昇温後、分圧が1.1MPaになるようにエチレンを連続的に供給しエチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで152gの超高分子量エチレン単独重合体粒子を得た(活性:5600g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン単独重合体粒子の物性は表1に示す。

0069

実施例4
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例3と同様に実施した。

0070

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を89.9mg(固形分10.3mg相当)加え、50℃に昇温後、1−ブテン2gを加え、分圧が1.1MPaになるようにエチレンを連続的に供給しスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで64.1gの超高分子量エチレン−ブテン−1共重合体粒子を得た(活性:6200g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−ブテン−1共重合体粒子の物性は表1に示す。

0071

実施例5
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例3と同様に実施した。

0072

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を352.4mg(固形分40.5mg相当)加え、30℃にした後、プロピレン20gを加え、分圧が1.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給しスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで85.1gの超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子を得た(活性:2100g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子の物性は表1に示す。

0073

実施例6
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジメチルベヘニルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンDM22D)42.4g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより125gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を7μmとした。

0074

(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.715g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12.9wt%)。

0075

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を108.7mg(固形分14.0mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで115gの超高分子量エチレン単独重合体粒子を得た(活性:8200g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン単独重合体粒子の物性は表1に示す。

0076

実施例7
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例6と同様に実施した。

0077

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を85.4mg(固形分11.0mg相当)加え、60℃に昇温後、プロピレン5gを加え、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで97gの超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子を得た(活性:8800g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子の物性は表1に示す。

0078

実施例8
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例6と同様に実施した。

0079

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を87.7mg(固形分11.3mg相当)加え、60℃に昇温後、水素を40ppm含む水素/エチレン混合ガスを分圧が1.2Maになるように供給し、その後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで86gの超高分子量エチレン単独重合体粒子を得た(活性:7600g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン単独重合体粒子の物性は表2に示す。

0080

実施例9
(1)有機変性粘土の調製
実施例6と同様に実施した。

0081

(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.786g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:11.6wt%)。

0082

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を69.4mg(固形分8.1mg相当)加え、60℃にした後、1.3MPaになるように供給し、その後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで87gの超高分子量エチレン単独重合体粒子を得た(活性:10800g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン単独重合体粒子の物性は表2に示す。

0083

実施例10
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例9と同様に実施した。

0084

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を78.7mg(固形分9.1mg相当)加え、60℃に昇温後、プロピレン20gを加え、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで105gの超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子を得た(活性:11500g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−プロピレン共重合体粒子の物性は表2に示す。

0085

実施例11
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジオレイルメチルアミン(ライオン株式会社製、(商品名)アーミンM20)64.2g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。

0086

(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.700g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えてポリエチレン製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:13.2wt%)。

0087

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を306.4mg(固形分40.4mg相当)加え、50℃にした後、1.1MPaになるように供給し、その後、分圧が1.1MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで182gの超高分子量エチレン単独重合体粒子を得た(活性:4500g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン単独重合体粒子の物性は表2に示す。

0088

実施例12
(1)有機変性粘土の調製
実施例6と同様に実施した。

0089

(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.752g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で180分攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.2wt%)。

0090

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を301.5mg(固形分36.8mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで103gの超高分子量ポリエチレン粒子を得た(活性:2800g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の物性は表2に示す。

0091

実施例13
(1)有機変性粘土の調製及び(2)ポリエチレン製造用触媒の懸濁液の調製は、実施例8と同様に実施した。

0092

(3)超高分子量ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン製造用触媒の懸濁液を358.6mg(固形分43.8mg相当)加え、60℃にした後、水素を20ppm含む水素/エチレン混合ガスを分圧が1.2MPaになるように供給し、その後、分圧が1.3MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレンのスラリー重合を行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで105gの超高分子量ポリエチレン粒子を得た(活性:2400g/g触媒)。得られた超高分子量ポリエチレン粒子の物性は表2に示す。

0093

0094

0095

比較例1
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に行った。

0096

(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを0.292g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:11.8wt%)。

0097

(3)ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を593.2mg(固形分70.0mg相当)加え、30℃に昇温後、分圧が1.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで105gのエチレン単独重合体粒子を得た(活性:1500g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体粒子の物性は表3に示す。

0098

得られたエチレン単独重合体粒子は、固有粘度が低く、1stスキャンと2ndスキャンの融点差(ΔTm)がほとんどなく(ΔTm=0.7℃)、引張破断強度、耐摩耗性も劣るものであった。また、溶融延伸を試みたが、延伸前に試料が破断した。

0099

比較例2
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に行った。

0100

(2)触媒懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドを0.669g、及び20%トリイソブチルアルミニウム142mlを添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12.3wt%)。

0101

(3)ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた触媒懸濁液を170.0mg(固形分20.9mg相当)加え、30℃に昇温後、分圧が1.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで115gのエチレン単独重合体粒子を得た(活性:5500g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体粒子の物性は表3に示す。

0102

得られたエチレン単独重合体粒子は、固有粘度が低く、Tm1も低いことから引張破断強度、耐摩耗性に劣るものであった。また、溶融延伸を試みたが、延伸前に試料が破断した。

0103

比較例3
(1)固体触媒成分の調製
温度計と還流管が装着された1リットルのガラスフラスコに、金属マグネシウム粉末50g(2.1モル)およびチタンテトラブトキシド210g(0.62モル)を入れ、ヨウ素2.5gを溶解したn−ブタノール320g(4.3モル)を90℃で2時間かけて加え、さらに発生する水素ガスを排除しながら窒素シール下において140℃で2時間撹拌し、均一溶液とした。次いで、ヘキサン2100mlを加えた。

0104

この成分90g(マグネシウムで0.095モルに相当)を別途用意した500mlのガラスフラスコに入れ、ヘキサン59mlで希釈した。45℃でイソブチルアルミニウムジクロライド0.29モルを含むヘキサン溶液106mlを2時間かけて滴下し、さらに70℃で1時間撹拌し、固体触媒成分を得た。ヘキサンを用いて傾斜法により残存する未反応物および副生成物を除去し、組成分析したところチタン含有量は8.6wt%であった。

0105

(2)ポリエチレン粒子の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(1)で得られた固体触媒成分を4.2mg加え、80℃に昇温後、分圧が0.6MPaになるようにエチレンを連続的に供給した。90分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで180gのエチレン単独重合体粒子を得た(活性:43000g/g触媒)。得られたエチレン単独重合体粒子の物性は表3に示す。

0106

得られたエチレン単独重合体粒子は、1stスキャンと2ndスキャンの融点差(ΔTm)が小さく、引張破断強度、溶融延伸時の破断強度、耐摩耗性に劣るものであった。また、成形体とした際には黄変が見られ成形性・品質にも課題を有するものであった。

0107

比較例4
市販品ポリエチレン(三井化学社製商品名ハイゼックスミリオングレード240M)について、実施例と同様に物性を測定した。結果を表3に示す。

0108

1stスキャンと2ndスキャンの融点差(ΔTm)が小さく、引張破断強度、溶融延伸時の破断強度、耐摩耗性に劣るものであった。また、成形体とした際には黄変が見られ成形性・品質にも課題を有するものであった。

0109

0110

本発明の超高分子量ポリエチレン粒子は、融点が高く、高結晶性を示すことから、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性に優れる成形体を提供することが可能となり、その産業上の利用可能性は極めて高いものである。

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