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技術 潤滑油組成物

出願人 EMGルブリカンツ合同会社トヨタ自動車株式会社
発明者 小野寺康鈴木寛之金子豊治山守一雄
出願日 2016年7月29日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-150089
公開日 2018年2月1日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-016762
状態 特許登録済
技術分野 潤滑剤
主要キーワード ホウ酸ナトリウム水和物 標準油 範囲量 三硫化モリブデン 酸中和性 低摩耗性 モリブデン量 ヒドロキシル基含有炭化水素
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課題

低粘度化しても、摩耗防止性を確保しつつ摩擦を低減することができる潤滑油組成物を提供する。

解決手段

潤滑油基油、(A1)金属系サリシレート、および(B)モリブデン系摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物であって、(B)成分の量が、該潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度[B]として500〜1500質量ppmの範囲であり、(A1)成分が、カルシウムサリシレートマグネシウムサリシレート、又はその組み合わせのいずれかであり、前記カルシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該カルシウムサリシレート由来カルシウムの質量ppmによる濃度[Ca]として0〜1800質量ppmであり、前記マグネシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該マグネシウムサリシレート由来のマグネシウムの質量ppmによる濃度[Mg]として0〜1800質量ppmであり、且つ、前記[Ca]及び前記[Mg]の合計として200〜3000質量ppmの範囲であることを特徴とする、潤滑油組成物。

概要

背景

潤滑油組成物は、内燃機関用自動変速機用ギヤ油用など自動車分野で幅広く使用されている。近年、燃費を向上させるために低粘度化が求められているが、低粘度化により油膜が薄くなり、摩擦を十分に低減することができない。そこで、境界潤滑条件で二硫化モリブデンを生成することにより摩擦を低減することができるモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)が従来用いられている。この際、カルシウム系清浄剤を組み合わせて用いるのが通常である(例えば、特許文献1)。しかし、この組み合わせでは、摩擦の低減に限界があり、燃費を十分に向上させることができない。

清浄剤としてマグネシウム系清浄剤を使用することも知られている(例えば、特許文献2および3)。マグネシウム系清浄剤の使用は、カルシウム系清浄剤よりも摩擦をより低減することができるが、摩耗が発生しやすいという問題がある。

概要

低粘度化しても、摩耗防止性を確保しつつ摩擦を低減することができる潤滑油組成物を提供する。潤滑油基油、(A1)金属系サリシレート、および(B)モリブデン系摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物であって、(B)成分の量が、該潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度[B]として500〜1500質量ppmの範囲であり、(A1)成分が、カルシウムサリシレートマグネシウムサリシレート、又はその組み合わせのいずれかであり、前記カルシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該カルシウムサリシレート由来カルシウムの質量ppmによる濃度[Ca]として0〜1800質量ppmであり、前記マグネシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該マグネシウムサリシレート由来のマグネシウムの質量ppmによる濃度[Mg]として0〜1800質量ppmであり、且つ、前記[Ca]及び前記[Mg]の合計として200〜3000質量ppmの範囲であることを特徴とする、潤滑油組成物。なし

目的

本発明の目的は、低粘度化しても、摩耗防止性を確保しつつ摩擦を低減することができる潤滑油組成物、好適な態様としては内燃機関に使用される潤滑油組成物、さらに好適には過給ガソリンエンジンに使用される潤滑油組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

潤滑油基油、(A1)金属系サリシレート、および(B)モリブデン系摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物であって、(B)成分の量が、該潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度[B]として500〜1500質量ppmの範囲であり、(A1)成分が、カルシウムサリシレートマグネシウムサリシレート、又はその組み合わせのいずれかであり、前記カルシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該カルシウムサリシレート由来カルシウムの質量ppmによる濃度[Ca]として0〜1800質量ppmであり、前記マグネシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該マグネシウムサリシレート由来のマグネシウムの質量ppmによる濃度[Mg]として0〜1800質量ppmであり、且つ、前記[Ca]及び前記[Mg]の合計として200〜3000質量ppmの範囲であることを特徴とする、潤滑油組成物。

請求項2

潤滑油組成物が(A)金属系清浄剤として前記(A1)成分以外の金属系清浄剤をさらに含んでいてもよく、(A)金属系清浄剤全体の質量に対する(A1)成分の質量が、潤滑油組成物中の金属系清浄剤由来の金属の合計質量ppmによる濃度[A]に対する前記[Ca]及び[Mg]の割合として、5〜100質量%の範囲である、請求項1に記載の潤滑油組成物。

請求項3

(A1)金属系サリシレートが、マグネシウムサリシレート及びカルシウムサリシレートの組合せである、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。

請求項4

(A1)金属系サリシレートが少なくとも1種のマグネシウムサリシレートである、請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。

請求項5

潤滑油組成物が(A)金属系清浄剤として前記(A1)成分以外の金属系清浄剤(A2)をさらに含み、該(A2)成分はマグネシウム、カルシウム及びナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含み、(A)金属系清浄剤の量が下記式(1):[A]/[B]≦4.5(1)([A]は潤滑油組成物中のマグネシウム、カルシウム及びナトリウムの合計質量ppmによる濃度)を満たす、請求項1〜4のいずれか1項記載の潤滑油組成物。

請求項6

(A1)金属系サリシレートの量が下記式(2):[A1]/[B]<4.5(2)([A1]は潤滑油組成物中の(A1)成分に由来するマグネシウム及びカルシウムの合計質量ppmによる濃度(前記[Ca]+前記[Mg]))を満たす、請求項1〜5のいずれか1項記載の潤滑油組成物。

請求項7

−35℃でのCCS粘度が6.2Pa・s以下である、請求項1〜6のいずれか1項記載の潤滑油組成物。

請求項8

150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)が1.7〜2.9mPa・sである、請求項1〜7のいずれか1項記載の潤滑油組成物。

請求項9

100℃における動粘度が9.3mm2/s未満である、請求項1〜8のいずれか1項記載の潤滑油組成物。

請求項10

内燃機関用である、請求項1〜9のいずれか1項記載の潤滑油組成物。

技術分野

0001

本発明は潤滑油組成物に関し、詳細には、内燃機関用の潤滑油組成物、特にガソリンエンジン用の潤滑油組成物に関する。

背景技術

0002

潤滑油組成物は、内燃機関用、自動変速機用ギヤ油用など自動車分野で幅広く使用されている。近年、燃費を向上させるために低粘度化が求められているが、低粘度化により油膜が薄くなり、摩擦を十分に低減することができない。そこで、境界潤滑条件で二硫化モリブデンを生成することにより摩擦を低減することができるモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)が従来用いられている。この際、カルシウム系清浄剤を組み合わせて用いるのが通常である(例えば、特許文献1)。しかし、この組み合わせでは、摩擦の低減に限界があり、燃費を十分に向上させることができない。

0003

清浄剤としてマグネシウム系清浄剤を使用することも知られている(例えば、特許文献2および3)。マグネシウム系清浄剤の使用は、カルシウム系清浄剤よりも摩擦をより低減することができるが、摩耗が発生しやすいという問題がある。

先行技術

0004

特開2013−199594号公報
特開2011−184566号公報
特開2006−328265号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、低粘度化しても、摩耗防止性を確保しつつ摩擦を低減することができる潤滑油組成物、好適な態様としては内燃機関に使用される潤滑油組成物、さらに好適には過給ガソリンエンジンに使用される潤滑油組成物を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは鋭意検討した結果、潤滑油基油に、特定量の、カルシウムサリシレート及びマグネシウムサリシレートから選ばれる1以上である金属系サリシレート、および特定量のモリブデン系摩擦調整剤を添加することにより、上記目的が達成されることを見出した。

0007

すなわち、本発明は、
潤滑油基油、(A1)金属系サリシレート、および(B)モリブデン系摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物であって、
(B)成分の量が、該潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度[B]として500〜1500質量ppmの範囲であり、
(A1)成分が、カルシウムサリシレート、マグネシウムサリシレート、又はその組み合わせのいずれかであり、前記カルシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該カルシウムサリシレート由来カルシウムの質量ppmによる濃度[Ca]として0〜1800質量ppmであり、前記マグネシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中の該マグネシウムサリシレート由来のマグネシウムの質量ppmによる濃度[Mg]として0〜1800質量ppmであり、且つ、前記[Ca]及び前記[Mg]の合計として200〜3000質量ppmの範囲であることを特徴とする、潤滑油組成物である。

0008

本発明の好ましい実施態様は、潤滑油組成物が、以下に示す(1)〜(10)の少なくとも1の特徴をさらに有する。
(1)(A)金属系清浄剤を含有する潤滑油組成物で、(A1)金属系サリシレートを(A)成分全体の質量に対し、潤滑油組成物中の金属系清浄剤由来の金属の合計質量ppmによる濃度[A]に対する前記[Ca]及び[Mg]の割合として、5〜100質量%となる量で含むことを特徴とする潤滑油組成物である。
(2)潤滑油組成物が(A)金属系清浄剤として前記(A1)成分以外の金属系清浄剤をさらに含んでいてもよく、(A)金属系清浄剤全体の質量に対する(A1)成分の質量が5〜100質量%の範囲である。
(3)(A1)金属系サリシレートが、マグネシウムサリシレート及びカルシウムサリシレートである。
(4)(A1)金属系サリシレートが少なくとも1種のマグネシウムサリシレートである。
(5)潤滑油組成物が(A)金属系清浄剤として前記(A1)成分以外の金属系清浄剤(A2)をさらに含み、該(A2)成分はマグネシウム、カルシウム及びナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含み、(A)金属系清浄剤の合計含有量が式(1):
[A]/[B]≦4.5 (1)
([A]は潤滑油組成物中のマグネシウム、カルシウム及びナトリウムの合計質量ppmによる濃度)
を満たす。
(6)(A1)金属系サリシレートの含有量が下記式(2):
[A1]/[B]<4.5 (2)
([A1]は潤滑油組成物中の(A1)成分に由来するマグネシウム及びカルシウムの合計質量ppmによる濃度(前記[Ca]+前記[Mg]))を満たす。
(7)−35℃でのCCS粘度が6.2Pa・s以下である。
(8)150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)が1.7〜2.9mPa・sである。
(9)100℃における動粘度が9.3mm2/s未満である。
(10)内燃機関用である。
さらに本発明は、当該潤滑油組成物あるいは上記(1)〜(10)の実施態様の潤滑油組成物を使用することにより、低摩耗性を維持しつつ摩擦を低減する方法に関する。

発明の効果

0009

本発明の潤滑油組成物は、低粘度化しても、摩耗防止性を確保しつつ摩擦を低減することができ、特に内燃機関用の潤滑油組成物、さらに過給ガソリンエンジンに使用される潤滑油組成物として好適に使用できる。

0010

潤滑油基油
本発明における潤滑油基油は特に制限されない。鉱油及び合成油のいずれであってもよく、これらを単独で、または混合して使用することができる。

0011

鉱油としては、例えば、原油常圧蒸留して得られる常圧残油減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出水素化分解、溶剤脱ろう、および水素化精製等の処理の1つ以上に付して精製したもの、或いは、ワックス異性化鉱油、GTL(Gas to Liquid)基油、ATL(Asphalt to Liquid)基油、植物油系基油またはこれらの混合基油を挙げることができる。

0012

合成油としては、例えば、ポリブテン又はその水素化物1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物;ラウリン酸2−エチルヘキシルパルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル等のモノエステル;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペートジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステルネオペンチルグリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ネオペンチルグリコールジ−n−オクタノエート、ネオペンチルグリコールジ−n−デカノエートトリメチロールプロパントリ−n−オクタノエート、トリメチロールプロパントリ−n−デカノエート、ペンタエリスリトールテトラ−n−ペンタノエート、ペンタエリスリトールテトラ−n−ヘキサノエート、ペンタエリスリトールテトラ−2−エチルヘキサノエート等のポリオールエステルアルキルナフタレンアルキルベンゼン芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれらの混合物等が例示できる。

0013

潤滑油基油の100℃における動粘度(mm2/s)は特に制限されないが、好ましくは2〜15mm2/sであり、より好ましくは3〜10mm2/sであり、さらに好ましくは3〜8mm2/sであり、最も好ましくは3〜6mm2/sである。これにより、油膜形成が十分であり、潤滑性に優れ、かつ、蒸発損失がより小さい潤滑油組成物を得ることができる。

0014

潤滑油基油の粘度指数(VI)は特に制限されないが、好ましくは100以上であり、より好ましくは120以上、最も好ましくは130以上である。これにより、高温での油膜を確保しつつ、低温での粘度を低減することができる。

0015

(A)金属系清浄剤
(A1)金属系サリシレート
本発明の潤滑油組成物は、(A)金属系清浄剤として(A1)金属系サリシレートであるカルシウムサリシレート、マグネシウムサリシレート、またはこれらの組合せを、下記に述べる特定の範囲量で含むことを特徴とする。本発明の潤滑油組成物は(A)金属系清浄剤としてカルシウムサリシレート及びマグネシウムサリシレート以外の金属系清浄剤をさらに含んでいてもよいが、(A)金属系清浄剤全体の質量に対する(A1)成分の質量割合が、潤滑油組成物中の金属系清浄剤由来の金属の合計質量ppmによる濃度[A]に対する[Ca]及び[Mg]([Ca]は潤滑油組成物中のカルシウムサリシレート由来のカルシウムの質量ppmによる濃度、[Mg]は潤滑油組成物中のマグネシウムサリシレート由来のマグネシウムの質量ppmによる濃度)の割合として、5〜100質量%であり、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは15〜100質量%、特に好ましくは20〜100質量%、最も好ましくは50〜100質量%であるのがよい。金属系清浄剤としてカルシウムサリシレート及びマグネシウムサリシレートから選ばれる1以上を特定量で含有することにより、潤滑油として必要な高温清浄性および防錆性を確保することができる。また、摩擦を低減し、したがって、トルクを低減させることができる。これは、特に燃費特性の点で有利である。

0016

本発明の潤滑油組成物における(A1)成分の量は、前記カルシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中のカルシウムの質量ppmによる濃度[Ca]として0〜1800質量ppm、好ましくは0〜1600質量ppmであり、前記マグネシウムサリシレートの量が潤滑油組成物中のマグネシウムの質量ppmによる濃度[Mg]として0〜1800質量ppm、好ましくは0〜1600質量ppmであり、且つ、上記[Ca]+[Mg]が200〜3000質量ppm、好ましくは300〜2500質量ppm、より好ましくは400〜2000質量ppmの範囲となる量である。(A1)成分の量が上記上限を超えると摩耗が大きくなり過ぎたり、スラッジが出てくる可能性があり、上記下限を下回ると摩擦の低減効果が低い。

0017

本発明は上記の通り、金属系サリシレートとしてマグネシウムサリシレート及びカルシウムサリシレートから選ばれる1以上を必須とする。これらのうち1種のみを使用しても、2種以上を併用してもよい。好ましくはマグネシウムサリシレート及びカルシウムサリシレートの組合せ、またはマグネシウムサリシレートのみであり、より好ましくはマグネシウムサリシレートである。

0018

(A1)成分がマグネシウムサリシレートのみの場合、その含有量は、潤滑油組成物中のマグネシウムサリシレートに由来するマグネシウムの質量ppmによる濃度[Mg]が200〜1800質量ppm、好ましくは250〜1500質量ppm、より好ましくは300〜1200質量ppm、最も好ましくは400〜1000ppmの範囲であるのがよい。(A1)成分がカルシウムサリシレートのみの場合、その含有量は、潤滑油組成物中のカルシウムサリシレートに由来するカルシウムの質量ppmによる濃度[Ca]が200〜1800質量ppm、好ましくは300〜1600質量ppm、より好ましくは500〜1400質量ppmの範囲となるような量であるのがよい。(A1)成分がマグネシウムサリシレートとカルシウムサリシレートの組合せの場合は、上記[Ca]及び上記[Mg]の合計が200〜3000質量ppm、好ましくは300〜2500質量ppm、より好ましくは400〜2000質量ppmの範囲を満たせばよい。特には、[Mg]が100〜1600質量ppm、好ましくは150〜1400質量ppm、より好ましくは200〜1200質量ppm、最も好ましくは300〜1000ppmの範囲であり、且つ、[Ca]が100〜1600質量ppm、好ましくは300〜1500質量ppm、より好ましくは500〜1400質量ppmの範囲であるのがよい。

0019

マグネシウムサリシレート中のマグネシウム含有量及びカルシウムサリシレート中のカルシウム含有量は、夫々、好ましくは0.5〜20質量%であり、より好ましくは1〜16質量%、最も好ましくは2〜14質量%である。(A1)成分の配合量は、潤滑油組成物中に上述した範囲の量のマグネシウム及びカルシウムが含まれるように調整される。

0020

(A1)金属系サリシレートは、特に、過塩基性の金属系サリシレートであることが好ましく、マグネシウムサリシレート及びカルシウムサリシレートであるのが好ましく、特に過塩基性のマグネシウムサリシレートが好ましい。これにより、潤滑油に必要な酸中和性を確保できる。過塩基性のマグネシウムサリシレートを使用した場合には、中性のマグネシウムまたはカルシウム系清浄剤を混合してもよい。過塩基性のカルシウムサリシレートを使用する場合には、中性のカルシウム系清浄剤を併用してもよい。

0021

(A1)金属系サリシレートの全塩基価は、限定的ではないが、好ましくは20〜600mgKOH/g、より好ましくは50〜500mgKOH/g、最も好ましくは100〜450mgKOH/gである。これにより、潤滑油に必要な酸中和性、高温清浄性および防錆性を確保できる。なお、2種以上の金属系サリシレートを混合して使用する場合は、混合して得られた塩基価が、前記の範囲となることが好ましい。

0022

潤滑油組成物中における(A1)成分の量は、好ましくは、下記式(2)を満たす量である。
[A1]/[B]<4.5 (2)
式(2)において、[A1]は、潤滑油組成物中の(A1)マグネシウムサリシレート及びカルシウムサリシレートに由来するマグネシウム及びカルシウムの合計質量ppmによる濃度(すなわち、上記した[Ca]+[Mg])を示す。[B]は上記の通りである。
[A1]/[B]の値は、好ましくは3.0未満であり、より好ましくは2未満であり、さらに好ましくは1.8未満、特に好ましくは1.5未満である。上記値が上記上限を超えると、トルク低減効果が低い場合がある。[A1]/[B]の下限値は、好ましくは0.1、より好ましくは0.2、さらに好ましくは0.3である。

0023

本発明の潤滑油組成物において好ましい態様は、上記の通り、(A1)金属系サリシレートとしてマグネシウムサリシレートのみを含む態様、又は、(A1)成分としてマグネシウムサリシレートとカルシウムサリシレートの組合せを含む態様である。本発明の潤滑油組成物は(A)金属系清浄剤として(A1)カルシウムサリシレート及びマグネシウムサリシレート以外の金属系清浄剤(A2)をさらに含んでいてもよい。この場合、上記の通り、(A)金属系清浄剤全体の質量に対する(A1)成分の質量割合は、潤滑油組成物中の金属系清浄剤由来の金属の合計質量ppmによる濃度[A]に対する前記[Ca]及び[Mg]の割合として、5〜100質量%であり、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは15〜100質量%、特に好ましくは20〜100質量%、最も好ましくは50〜100質量%であるのがよい。特には、(A)金属系清浄剤全体の質量に対するマグネシウムサリシレートの質量%が、潤滑油組成物中の金属系清浄剤由来の金属の合計質量ppmによる濃度[A]に対する[Mg]の割合として、5〜100質量%、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは10〜40質量%であるのがよい。さらに好ましい態様は、(A)金属系清浄剤として、マグネシウムサリシレートのみを含む態様、又は、マグネシウムサリシレートとカルシウムサリシレートの組合せのみを含む態様である。

0024

(A2)上記金属系サリシレート以外の金属系清浄剤
本発明の潤滑油組成物は(A1)金属系サリシレート以外の金属系清浄剤(A2)成分として、マグネシウム、カルシウム及びナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含む、従来公知の金属系清浄剤を併用できる。(A2)成分としては、例えば金属系スルホネートが挙げられる。金属系スルホネートは1種であっても2種類以上の併用であってもよい。金属系スルホネートを含有することにより、潤滑油として必要な高温清浄性、及び防錆性を更に確保することができる。(A2)成分の量は(A1)成分の量にもよるが、潤滑油組成物中の(A2)成分由来の金属の質量ppmの濃度[A2]として好ましくは0〜5000質量ppm、より好ましくは0〜2000質量ppm、最も好ましくは0〜1000質量ppmである。

0025

金属系スルホネートとしては、例えばマグネシウムスルホネートカルシウムスルホネート、及びナトリウムスルホネートが挙げられる。

0026

また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の慣用の金属系清浄剤を用いることができる。例えばマグネシウムフェネートカルシウムフェネートナトリウム系清浄剤を含んでいてもよい。ナトリウム系清浄剤としては、ナトリウムスルホネート、ナトリウムフェネートおよびナトリウムサリシレートが好ましい。これらのナトリウム系清浄剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ナトリウム系清浄剤を含むことにより、潤滑油として必要な高温清浄性および防錆性を確保することができる。ナトリウム系清浄剤は、上述したマグネシウム系清浄剤および任意的なカルシウム系清浄剤と併用することができる。

0027

好ましくは、潤滑油組成物中における(A)金属系清浄剤の全体量が、下記式(1)を満たすのがよい。
[A]/[B]≦4.5 (1)
式(1)において[A]は潤滑油組成物中のマグネシウム、カルシウム及びナトリウムの合計質量ppmによる濃度を示し、[B]は、潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度を示す。
[A]/[B]の値は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.6以下、さらにより好ましくは2.5以下である。上記値が上記上限値を超えると、摩耗が大きくなり過ぎる場合がある。[A]/[B]の下限値は好ましくは0.2、より好ましくは0.5、さらに好ましくは1である。

0028

(B)モリブデン系摩擦調整剤
モリブデン系摩擦調整剤は特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。例えば、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)およびモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物モリブデン化合物硫黄含有有機化合物又はその他の有機化合物との錯体、ならびに硫化モリブデンおよび硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物アルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。上記モリブデン化合物としては、例えば、二酸化モリブデンおよび三酸化モリブデン等の酸化モリブデンオルトモリブデン酸パラモリブデン酸および(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩およびアンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデンおよびポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩又はアミン塩塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等が挙げられる。上記硫黄含有有機化合物としては、例えば、アルキルチオキサンテートチアジアゾールメルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィドビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネートジスルフィド有機(ポリ)サルファイドおよび硫化エステル等が挙げられる。特に、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)およびモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)等の有機モリブデン化合物が好ましい。

0029

モリブデンジチオカーバメート(MoDTC)は下記式[I]で表される化合物であり、モリブデンジチオホスフェート(MoDTP)は下記[II]で表される化合物である。

0030

0031

上記一般式[I]および[II]において、R1〜R8は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜30の一価炭化水素基である。炭化水素基は直鎖状でも分岐状でもよい。該一価炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖状または分岐状アルキル基;炭素数2〜30のアルケニル基;炭素数4〜30のシクロアルキル基;炭素数6〜30のアリール基アルキルアリール基またはアリールアルキル基等を挙げることができる。アリールアルキル基において、アルキル基の結合位置は任意である。より詳細には、アルキル基としては、例えば、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基およびオクタデシル基等、およびこれらの分岐状アルキル基を挙げることができ、特に炭素数3〜8のアルキル基が好ましい。また、X1およびX2は酸素原子または硫黄原子であり、Y1およびY2は酸素原子または硫黄原子である。

0032

(B)成分として、硫黄を含まない有機モリブデン化合物も使用できる。このような化合物としては、例えば、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸モリブデン塩、およびアルコールのモリブデン塩等が挙げられる。

0033

さらに本発明における摩擦調整剤(B)として、米国特許第5,906,968号に記載されている三核モリブデン化合物を用いることもできる。

0034

(B)成分は、潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmとしての濃度[B]が500〜1500質量ppm、好ましくは600〜1200質量ppmの範囲となるような量で添加される。(B)成分の量が上記上限を超えると、清浄性が悪化する場合があり、上記下限未満であると、摩擦を十分に低減することができなかったり、清浄性が悪化したりする場合がある。

0035

(A)成分について上述したように、(B)成分の量は、好ましくは、下記式(1):
[A]/[B]≦4.5 (1)
を満たす。式(1)において[A]は潤滑油組成物中のマグネシウム、カルシウム及びナトリウムの合計質量ppmによる濃度を示し、[B]は、潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度を示す。
[A]/[B]の値は、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.6以下、さらにより好ましくは2.5以下である。[A]/[B]の下限値は好ましくは0.2、より好ましくは0.5、さらに好ましくは1.0である。

0036

(A1)成分について上述したように、(B)成分の量は、好ましくは、下記式(2):
[A1]/[B]<4.5 (2)
を満たす。ここで、[A1]は、潤滑油組成物中の(A1)成分に由来する金属の質量ppmによる濃度を示す。[A1]/[B]の値は、好ましくは3.0未満、より好ましくは2.0未満であり、さらに好ましくは1.8未満、特に好ましくは1.5未満である。上記値が上記上限を超えると、トルク低減効果が低い場合がある。[A1]/[B]の下限値は、好ましくは0.1、より好ましくは0.2、さらに好ましくは0.3である。

0037

本発明の潤滑油組成物は、上記潤滑油基油、(A1)成分及び(B)成分を必須とするが、任意成分として、従来公知の摩耗防止剤無灰分散剤および粘度指数向上剤を含んでいてもよい。

0038

上記摩耗防止剤としては、従来公知のものを使用することができる。中でも、リンを有する摩耗防止剤が好ましく、特には下記式で示されるジチオリン酸亜鉛(ZnDTP(ZDDPともいう))が好ましい。

0039

上記式において、R1及びR2は、各々、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜26の一価炭化水素基である。一価炭化水素基としては、炭素数1〜26の第1級(プライマリー)または第2級(セカンダリー)アルキル基;炭素数2〜26のアルケニル基;炭素数6〜26のシクロアルキル基;炭素数6〜26のアリール基、アルキルアリール基またはアリールアルキル基;またはエステル結合エーテル結合アルコール基またはカルボキシル基を含む炭化水素基である。R1及びR2は、好ましくは炭素数2〜12の、第1級または第2級アルキル基、炭素数8〜18のシクロアルキル基、炭素数8〜18のアルキルアリール基であり、各々、互いに同一であっても異なっていてもよい。特にはジアルキルジチオリン酸亜鉛が好ましく、第1級アルキル基は、炭素数3〜12を有することが好ましく、より好ましくは炭素数4〜10である。第2級アルキル基は、炭素数3〜12を有することが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10である。上記ジチオリン酸亜鉛は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnDTC)を組合せて使用してもよい。

0040

また、下記式(3)及び(4)で示されるホスフェートホスファイト系のリン化合物、並びにそれらの金属塩及びアミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することもできる。

0041

上記一般式(3)中、R3は炭素数1〜30の一価炭化水素基であり、R4及びR5は互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜30の一価炭化水素基であり、mは0又は1である。

0042

上記一般式(4)中、R6は炭素数1〜30の一価炭化水素基であり、R7及びR8は互いに独立に水素原子又は炭素数1〜30の一価炭化水素基であり、nは0又は1である。

0043

上記一般式(3)及び(4)中、R3〜R8で表される炭素数1〜30の一価炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキル置換シクロアルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基、及びアリールアルキル基を挙げることができる。特には、炭素数1〜30のアルキル基、又は炭素数6〜24のアリール基であることが好ましく、より好ましくは炭素数3〜18のアルキル基、最も好ましくは炭素数4〜15のアルキル基である。

0044

上記一般式(3)で表されるリン化合物としては、例えば、上記炭素数1〜30の炭化水素基を1つ有する亜リン酸モノエステル及び(ヒドロカルビル亜ホスホン酸;上記炭素数1〜30の炭化水素基を2つ有する亜リン酸ジエステルモノチオ亜リン酸ジエステル、及び(ヒドロカルビル)亜ホスホン酸モノエステル;上記炭素数1〜30の炭化水素基を3つ有する亜リン酸トリエステル、及び(ヒドロカルビル)亜ホスホン酸ジエステル;及びこれらの混合物等が挙げられる。

0045

上記一般式(3)又は(4)で表されるリン化合物の金属塩又はアミン塩は、一般式(3)又は(4)で表されるリン化合物に、金属酸化物金属水酸化物金属炭酸塩金属塩化物等の金属塩基アンモニア、炭素数1〜30の炭化水素基又はヒドロキシル基含有炭化水素基のみを分子中に有するアミン化合物等の窒素化合物等を作用させて、残存する酸性水素の一部又は全部を中和することにより得ることができる。上記金属塩基における金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムセシウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属亜鉛、銅、鉄、鉛、ニッケル、銀、マンガン等の重金属(但し、モリブデンは除く)等が挙げられる。これらの中でも、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属及び亜鉛が好ましく、亜鉛が特に好ましい。

0046

摩耗防止剤は、潤滑油組成物中に、通常0.1〜5.0質量%で、好ましくは0.2〜3.0質量%で配合される。

0047

上記無灰分散剤としては、炭素数40〜500、好ましくは60〜350の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物又はその誘導体マンニッヒ分散剤、或いはモノ又はビスコハクイミド(例えば、アルケニルコハク酸イミド)、炭素数40〜500のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、或いは炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、或いはこれらのホウ素化合物カルボン酸リン酸等による変成品等が挙げられる。これらの中から任意に選ばれる1種類又は2種類以上を配合することができる。特に、アルケニルコハク酸イミドを含有することが好ましい。

0048

上記コハク酸イミドの製法は特に制限はなく、例えば、炭素数40〜500のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物を、無水マレイン酸と100〜200℃で反応させて得たアルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸をポリアミンと反応させることにより得られる。ここで、ポリアミンとしては、ジエチレントリアミントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミンペンタエチレンヘキサミンが例示できる。上記無灰分散剤として例示した含窒素化合物の誘導体としては、例えば、前述の含窒素化合物に炭素数1〜30の、脂肪酸等のモノカルボン酸や、シュウ酸フタル酸トリメリット酸ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸若しくはこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイドヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネートを作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆる含酸素有機化合物による変性化合物;前述の含窒素化合物にホウ酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性化合物;前述の含窒素化合物にリン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるリン酸変性化合物;前述の含窒素化合物に硫黄化合物を作用させた硫黄変性化合物;及び前述の含窒素化合物に含酸素有機化合物による変性ホウ素変性、リン酸変性、硫黄変性から選ばれた2種以上の変性を組み合わせた変性化合物が挙げられる。これらの誘導体の中でもアルケニルコハク酸イミドのホウ酸変性化合物、特にビスタイプのアルケニルコハク酸イミドのホウ酸変性化合物は、上述の基油と併用することで耐熱性を更に向上させることができる。

0049

無灰分散剤の量は、組成物全量基準で、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。また、無灰分散剤として、ホウ素含有無灰分散剤を、ホウ素を含有しない無灰分散剤と混合して使用することもできる。また、ホウ素含有無灰分散剤を使用する場合、その含有割合は特に制限はないが、組成物中に含まれるホウ素量が、組成物全量基準で、好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.003〜0.1質量%、最も好ましくは0.005〜0.05質量%であるのがよい。

0050

無灰分散剤の数平均分子量(Mn)は、2000以上であることが好ましく、より好ましくは2500以上、より一層好ましくは3000以上、最も好ましくは5000以上であり、また、15000以下であることが好ましい。無灰分散剤の数平均分子量が上記下限値未満では、分散性が十分でない可能性がある。一方、無灰分散剤の数平均分子量が上記上限値を超えると、粘度が高すぎ、流動性が不十分となり、デポジット増加の原因となる。

0051

上記粘度指数向上剤として、例えば、ポリメタアクリレート分散型ポリメタアクリレートオレフィンコポリマーポリイソブチレンエチレン−プロピレン共重合体)、分散型オレフィンコポリマーポリアルキルスチレン、スチレン−ブタジエン水添共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体星状イソプレン等を含むものが挙げられる。さらに、少なくともポリオレフィンマクロマーに基づく繰返し単位と炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキル(メタアクリレートに基づく繰返し単位とを主鎖に含む櫛形ポリマーを用いることもできる。

0052

粘度指数向上剤は通常、上記ポリマー希釈油とから成る。粘度指数向上剤の含有量は、組成物全量基準で、ポリマー量として好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.02〜10質量%、最も好ましくは0.05〜5質量%である。粘度指数向上剤の含有量が上記下限値より少なくなると、粘度温度特性や低温粘度特性が悪化する恐れがある。一方、上記上限値よりも多くなると、粘度温度特性や低温粘度特性が悪化する恐れがあり、更には、製品コストが大幅に上昇する。

0053

本発明の潤滑油組成物は、その性能を向上させるために、目的に応じてその他の添加剤をさらに含有することができる。その他の添加剤としては一般的に潤滑油組成物に使用されているものを使用できるが、例えば、酸化防止剤、上記(B)成分以外の摩擦調整剤、腐食防止剤防錆剤流動点降下剤抗乳化剤金属不活性化剤および消泡剤等の添加剤等を挙げることができる。

0054

上記酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。例えば、フェノール系無灰酸化防止剤としては、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート等が、アミン系無灰酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミンアルキルフェニル−α−ナフチルアミン、ジアルキルジフェニルアミン等が挙げられる。酸化防止剤は、通常、潤滑油組成物中に0.1〜5質量%で配合される。

0055

上記(B)成分以外の摩擦調整剤としては、例えばエステル、アミン、アミド、硫化エステルなどが挙げられる。上記摩擦調整剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01〜3質量%で配合される。

0056

上記腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系化合物等が挙げられる。上記防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられる。防錆剤及び腐食防止剤は、通常、潤滑油組成物中にそれぞれ0.01〜5質量%で配合される。

0057

上記流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレート系のポリマー等が使用できる。流動点降下剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01〜3質量%で配される。

0058

上記抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。抗乳化剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01〜5質量%で配合される。

0059

上記金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリンピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、β−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。金属不活性化剤は、通常、潤滑油組成物中に0.01〜3質量%で配合される。

0060

上記消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜10万mm2/sのシリコーンオイルアルケニルコハク酸誘導体ポリヒドロキシ脂肪族アルコール長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。消泡剤は、通常、潤滑油組成物中に0.001〜1質量%で配合される。

0061

その他の添加剤として、ホウ酸アルカリ系添加剤を添加することができる。ホウ酸アルカリ系添加剤は、アルカリ金属ホウ酸塩水和物を含有するものであり、下記一般式で表すことができる。
M2O・xB2O3・yH2O
上記式中、Mはアルカリ金属であり、xは2.5〜4.5、yは1.0〜4.8である。
具体的には、ホウ酸リチウム水和物、ホウ酸ナトリウム水和物ホウ酸カリウム水和物、ホウ酸ルビジウム水和物及びホウ酸セシウム水和物等を挙げることができるが、ホウ酸カリウム水和物及びホウ酸ナトリウム水和物が好ましく、特に、ホウ酸カリウム水和物が好ましい。アルカリ金属ホウ酸塩水和物粒子平均粒径は、一般に1ミクロン(μ)以下である。本発明に用いられるアルカリ金属ホウ酸塩水和物において、ホウ素とアルカリ金属の比は約2.5:1〜4.5:1の範囲にあることが好ましい。ホウ酸アルカリ系添加剤の添加量は、ホウ素量として潤滑油組成物全量基準で0.002〜0.05質量%である。

0062

本発明の潤滑油組成物の−35℃でのCCS粘度は制限されないが、好ましくは6.2Pa・s以下、より好ましくは5.0Pa・s以下、更に好ましくは4.0Pa・s以下、最も好ましくは3.5Pa・s以下である。

0063

本発明の潤滑油組成物は、潤滑油組成物中に含まれるモリブデン量と−35℃でのCCS粘度が、以下の式(5)を満たすことが好ましい。
[CCS粘度]/[B]≦0.01 (5)
([CCS粘度]は潤滑油組成物の−35℃におけるCCS粘度の値(Pa・s)を示し、[B]は潤滑油組成物中のモリブデンの質量ppmによる濃度を示す。)
[CCS粘度]/[B]の値は、より好ましくは0.008以下、さらに好ましくは0.005以下である。上記値が0.01を超えるとトルク低減率が小さくなったり、清浄性が悪化したりすることがある。[CCS粘度]/[B]の下限値は限定的でないが、好ましくは0.002、より好ましくは0.003である。

0064

本発明の潤滑油組成物の150℃での高温高せん断粘度(HTHS粘度)は制限されないが、好ましくは1.7〜2.9mPa.s、より好ましくは2.0〜2.6mPa.sである。

0065

本発明の潤滑油組成物の100℃での動粘度は制限されないが、好ましくは9.3mm2/s未満、より好ましくは8.2mm2/s未満である。

0066

本発明の潤滑油組成物は、低粘度であっても、十分な摩擦特性および摩耗特性を有し、かつ高いトルク低減率が得られるという効果を奏し、内燃機関用として、さらに過給ガソリンエンジン用として好適に用いることができる。

0067

以下、本発明を、実施例及び比較例によってより詳細に示すが、本発明は下記実施例に限定されない。

0068

実施例および比較例で使用した材料は以下の通りである。
潤滑油基油
潤滑油基油:フィッシャートロプシュ由来基油、100℃での動粘度=4.1mm2/s、VI=127

0069

金属系清浄剤(A)
(A1)金属系サリシレート
(A1−1)マグネシウムサリシレート(全塩基価340mgKOH/g、マグネシウム含有量7.5質量%)
(A1−2)カルシウムサリシレート1(全塩基価350mgKOH/g、カルシウム含有量12.0質量%)
(A1−3)カルシウムサリシレート2(全塩基価220mgKOH/g、カルシウム含有量8.0質量%)

0070

(A2)金属系スルホネート
(A2−1)マグネシウムスルホネート(全塩基価400mgKOH/g、マグネシウム含有量9.0質量%)
(A2−2)カルシウムスルホネート(全塩基価300mgKOH/g、カルシウム含有量11.6質量%)

0071

モリブデン系摩擦調整剤(B)
モリブデン系摩擦調整剤:MoDTC(上記した式[1]において、X1及びX2がOであり、Y1及びY2がSである化合物。モリブデン含有量10質量%)

0072

摩耗防止剤
摩耗防止剤1:pri−ZnDTP(第一級アルキル基)摩耗防止剤2:sec−ZnDTP(第二級アルキル基)

0073

その他の添加剤
酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤
無灰分散剤:コハク酸イミド
粘度指数向上剤:ポリメタクリレート
消泡剤:ジメチルシリコーン

0074

実施例1〜12及び比較例1〜8
表1及び3の各々に示す量で各成分を混合して潤滑油組成物を調製した。表1及び3に記載するマグネシウム系清浄剤、カルシウム系清浄剤及びモリブデン系摩擦調整剤の量はそれぞれ、潤滑油組成物の総量に対するマグネシウム、カルシウム及びモリブデンの含有量(質量ppm)による濃度(順に、[Mg]、[Ca]、及び[B])である。摩耗防止剤およびその他の添加剤の量は、潤滑油組成物の総量(100質量部)に対する質量部である。なお、マグネシウム系清浄剤とカルシウム系清浄剤の量は、これらの清浄剤に含まれるマグネシウムとカルシウムの合計モル量が全ての実施例および比較例においてなるべく同一であるようにした。得られた組成物について、以下の試験を行った。結果を表2及び4に示す。

0075

尚、下記表1及び3において、[A]は潤滑油組成物に含まれる全マグネシウム及び全カルシウムの合計質量ppmによる濃度(すなわち、マグネシウムスルホネート及びカルシウムスルホネートに由来するMg及びCaも含む)であり、[A1]は潤滑油組成物中の(A1)金属系サリシレートに由来するマグネシウム及びカルシウムの合計質量ppmによる濃度(すなわち、[Ca]+[Mg])である。また、[A1]/[A]は、潤滑油組成物に含まれる全マグネシウム及び全カルシウムの合計質量ppmによる濃度[A]に対する金属系サリシレートに由来するマグネシウム及びカルシウムの合計質量ppmによる濃度[A1]の質量%である。

0076

(1)150℃での高温高せん断粘度(HTHS150)
ASTMD4683に準拠して測定した。

0077

(2)−35℃でのCCS粘度(CCS粘度)
ASTMD5293に準拠して測定した。

0078

(3)100℃での動粘度(KV100)
ASTMD445に準拠し、100℃で測定した。

0079

(4)トルク低減率
実施例および比較例で得られた潤滑油組成物を試験組成物とし、ガソリンエンジンを用いたモータリング試験にてトルクを測定した。エンジンは、トヨタ2ZR−FE1.8L直列気筒エンジンを用い、モーターとエンジンとの間にトルク計を設置し、油温80℃および700RPMのエンジン速度におけるトルクを測定した。標準油として市販のGF−5 0W−20油を用い、同様にトルクを測定した。試験組成物のトルク(T)を標準油のトルク(T0)と比較し、標準油のトルクからの低減率({(T0−T)/T0}x100)(%)を計算した。低減率が大きいほど、燃費が良好であることを示す。低減率が5.5%以上のものを合格とした。

0080

(5)シェル摩耗痕径
回転数を1800rpm、荷重を40kgf、試験温度を90℃及び試験時間を30分とした以外はシェル四球試験(ASTMD4172)に準拠して測定した。摩耗痕径が0.7mm以下であるものを合格とした。

0081

(6)ホットチューブ試験(高温清浄性の評価)
内径2mmのガラス管中に、潤滑油組成物を0.3ミリリットル/時で、空気を10ミリリットル/秒で、ガラス管の温度を270℃に保ちながら16時間流し続けた。ガラス管中に付着したラッカー色見本とを比較し、透明の場合は10点、黒の場合は0点として評点を付けた。評点が高いほど高温清浄性が良いことを示す。評点が5.0以上のものを合格とした。

0082

0083

0084

0085

実施例

0086

表4に示される通り、カルシウムサリシレート(A1)の含有量が多い比較例1〜3の組成物はトルク低減率が低く、マグネシウムサリシレート(A)の量が多い比較例6の組成物は、摩耗が大きい。また、モリブデン系摩擦調整剤(B)の量が本発明の下限より少ない比較例4および5の組成物は、トルク低減率が低く、また高温清浄性に劣る。さらに金属系サリシレートを含まない比較例7及び8の組成物は、トルク低減率が低い上に高温清浄性も劣っている。
これに対し、表2に示される通り、本発明の潤滑油組成物は、100℃での動粘度が低いにもかかわらず、摩耗が少なく、また、トルク低減率および高温清浄性が高い。

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