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技術 有機ケイ素化合物およびその製造方法並びに硬化性組成物

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 山田哲郎廣神宗直
出願日 2016年7月27日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-147410
公開日 2018年2月1日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-016709
状態 特許登録済
技術分野 プリント板の材料 高分子組成物 ポリエーテル
主要キーワード Eガラス アミド硫酸アンモニウム 加熱残 非対称エーテル ウィリアムソン合成 空洞共振 融解混合 低粗度化
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この項目の情報は公開日時点(2018年2月1日)のものです。
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課題

高周波基板材料の樹脂改質剤等として有効な有機ケイ素化合物およびその製造方法並びに当該有機ケイ素化合物を含む硬化性組成物を提供すること。

解決手段

平均構造式(i)で表されることを特徴とする有機ケイ素化合物。(式中、Xは、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の有機基を表し、R1は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、R2は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、A1は、単結合、またはヘテロ原子を含有する二価連結基を表し、A2は、ヘテロ原子を含まない、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の二価炭化水素基を表し、mは、1〜3の数であり、nは、1〜10の数である。)

概要

背景

シランカップリング剤は、無機物に対する反応性を有する部分(Si原子に結合した加水分解性基)と、有機物に対する反応性や溶解性富む部分とを1分子内に併せ持つ化合物であり、無機物と有機物との界面の接着助剤として作用するため、複合樹脂改質剤として広く利用されている。

また、ポリフェニレンエーテル化合物は、高耐熱性かつ誘電率や誘電正接といった誘電特性が優れており、特にMHz帯からGHz帯高周波数帯高周波領域)における誘電特性、すなわち高周波特性が優れていることが知られている。
このため、ポリフェニレンエーテル化合物の適用例として、近年、高周波用成形材料としての利用が好適であると考えられている。具体的には、高周波領域の電気信号を利用する電子機器に備えられるプリント配線板基材銅張積層板)を構成するための基板材料の一成分として、エポキシ樹脂等と併用することが検討されている。

そのような用途においては、高周波領域の電気信号が配線回路減衰されやすい傾向があるため、伝送特性の良好な電子回路基板が必須とされる。
伝送特性の良い電子回路基板を得るためには、ポリフェニレンエーテル化合物のように誘電正接の小さい絶縁樹脂材料を用いると同時に、導体銅箔等の金属配線)の表面を平滑にし、低粗度化、低厚化によって表皮抵抗を小さくすることが有効である。

しかし、従来の銅張積層板では、銅箔表面凹凸を設け、アンカー効果発現させることで樹脂材料と銅箔との密着性を確保していたため、上記の高周波基板材料のように伝送特性を得るために銅箔表面を平滑にすると、アンカー効果が弱くなって樹脂材料と銅箔との密着性が悪化するという問題があった。
そこで、密着性向上のために一般的なシランカップリング剤の使用も検討されているが、現状その密着性を十分に満足することはできていない。

また、特許文献1では、2官能性フェニレンエーテル樹脂アルコキシシラン部分縮合物とを脱アルコール縮合反応させて得られるアルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂が開示されている。
しかし、特許文献1の化合物では、その製法上、最も反応性が高く密着性向上に寄与するアルコキシシリル基が脱アルコール縮合反応で消費されてしまうため、樹脂材料と銅箔との密着性は不十分であった。

概要

高周波基板材料の樹脂改質剤等として有効な有機ケイ素化合物およびその製造方法並びに当該有機ケイ素化合物を含む硬化性組成物を提供すること。平均構造式(i)で表されることを特徴とする有機ケイ素化合物。(式中、Xは、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の有機基を表し、R1は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、R2は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、A1は、単結合、またはヘテロ原子を含有する二価連結基を表し、A2は、ヘテロ原子を含まない、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の二価炭化水素基を表し、mは、1〜3の数であり、nは、1〜10の数である。) なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高周波基板材料の樹脂改質剤等として有効な有機ケイ素化合物およびその製造方法並びに当該有機ケイ素化合物を含む硬化性組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

平均構造式(i)で表されることを特徴とする有機ケイ素化合物。(式中、Xは、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の有機基を表し、R1は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、R2は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、A1は、単結合、またはヘテロ原子を含有する二価連結基を表し、A2は、ヘテロ原子を含まない、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の二価炭化水素基を表し、mは、1〜3の数であり、nは、1〜10の数である。)

請求項2

平均構造式(1)または(2)で表される請求項1記載の有機ケイ素化合物。{式中、R1、R2、A1、A2およびmは、前記と同じ意味を表し、R3は、互いに独立して、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルコキシ基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のハロアルコキシ基を表し、R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルコキシ基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のハロアルコキシ基を表し、aおよびbは、互いに独立して、1〜100の数であり、cは、0以上2未満の数であり、Zは、下記式(3)で表される連結基を表す。〔(式中、R4は、前記と同じ意味を表し、Lは、下記式(4)〜(11)から選ばれる連結基を表す。)(式中、R5は、互いに独立して、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、R6は、互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、kは、1〜12の整数を表し、jは1〜1,000の数を表す。)〕}

請求項3

前記A1−A2が、式(12)または式(13)で表される請求項1または2記載の有機ケイ素化合物。

請求項4

平均構造式(14)または(15)(式中、R3、R4、a、bおよびZは、前記と同じ意味を表す。)で表される、水酸基を有するポリフェニレンエーテル化合物と、式(16)(式中、R1、R2、A2およびmは、前記と同じ意味を表す。)で表される、イソシアネート基およびアルコキシシリル基を有する化合物とを反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機ケイ素化合物の製造方法。

請求項5

平均構造式(14)または式(15)(式中、R3、R4、a、bおよびZは、前記と同じ意味を表す。)で表される、水酸基を有するポリフェニレンエーテル化合物と、前記水酸基と反応し得る官能基およびアルケニル基を有する化合物とを反応させてアルケニル化合物を得た後、このアルケニル化合物と、式(17)(式中、R1、R2およびmは、前記と同じ意味を表す。)で表されるシラン化合物とを、白金化合物含有触媒の存在下でヒドロシリル化反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の有機ケイ素化合物の製造方法。

請求項6

請求項1〜3のいずれか1項記載の有機ケイ素化合物を含有する硬化性組成物

請求項7

請求項6記載の硬化性組成物が硬化してなる硬化物品

技術分野

0001

本発明は、有機ケイ素化合物およびその製造方法並びに硬化性組成物に関し、さらに詳述すると、分子中にポリフェニレンエーテル構造と加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物およびその製造方法、並びに当該有機ケイ素化合物を含む硬化性組成物およびその硬化物品に関する。

背景技術

0002

シランカップリング剤は、無機物に対する反応性を有する部分(Si原子に結合した加水分解性基)と、有機物に対する反応性や溶解性富む部分とを1分子内に併せ持つ化合物であり、無機物と有機物との界面の接着助剤として作用するため、複合樹脂改質剤として広く利用されている。

0003

また、ポリフェニレンエーテル化合物は、高耐熱性かつ誘電率や誘電正接といった誘電特性が優れており、特にMHz帯からGHz帯高周波数帯高周波領域)における誘電特性、すなわち高周波特性が優れていることが知られている。
このため、ポリフェニレンエーテル化合物の適用例として、近年、高周波用成形材料としての利用が好適であると考えられている。具体的には、高周波領域の電気信号を利用する電子機器に備えられるプリント配線板基材銅張積層板)を構成するための基板材料の一成分として、エポキシ樹脂等と併用することが検討されている。

0004

そのような用途においては、高周波領域の電気信号が配線回路減衰されやすい傾向があるため、伝送特性の良好な電子回路基板が必須とされる。
伝送特性の良い電子回路基板を得るためには、ポリフェニレンエーテル化合物のように誘電正接の小さい絶縁樹脂材料を用いると同時に、導体銅箔等の金属配線)の表面を平滑にし、低粗度化、低厚化によって表皮抵抗を小さくすることが有効である。

0005

しかし、従来の銅張積層板では、銅箔表面凹凸を設け、アンカー効果発現させることで樹脂材料と銅箔との密着性を確保していたため、上記の高周波基板材料のように伝送特性を得るために銅箔表面を平滑にすると、アンカー効果が弱くなって樹脂材料と銅箔との密着性が悪化するという問題があった。
そこで、密着性向上のために一般的なシランカップリング剤の使用も検討されているが、現状その密着性を十分に満足することはできていない。

0006

また、特許文献1では、2官能性フェニレンエーテル樹脂アルコキシシラン部分縮合物とを脱アルコール縮合反応させて得られるアルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂が開示されている。
しかし、特許文献1の化合物では、その製法上、最も反応性が高く密着性向上に寄与するアルコキシシリル基が脱アルコール縮合反応で消費されてしまうため、樹脂材料と銅箔との密着性は不十分であった。

先行技術

0007

特開2005−330324号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高周波基板材料の樹脂改質剤等として有効な有機ケイ素化合物およびその製造方法並びに当該有機ケイ素化合物を含む硬化性組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、分子中にポリフェニレンエーテル構造と加水分解性基とを有する、所定の有機ケイ素化合物およびその製造方法を見出すとともに、この有機ケイ素化合物を含む組成物が、良好な銅箔密着性および誘電率や誘電正接といった誘電特性を発揮し得る硬化物を与えるため、高周波基板材料を形成する硬化性組成物として好適であることを見出し、本発明を完成した。

0010

すなわち、本発明は、
1.平均構造式(i)で表されることを特徴とする有機ケイ素化合物、



(式中、Xは、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の有機基を表し、R1は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、R2は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、A1は、単結合、またはヘテロ原子を含有する二価連結基を表し、A2は、ヘテロ原子を含まない、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の二価炭化水素基を表し、mは、1〜3の数であり、nは、1〜10の数である。)
2. 平均構造式(1)または(2)で表される1の有機ケイ素化合物、



{式中、R1、R2、A1、A2およびmは、前記と同じ意味を表し、R3は、互いに独立して、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルコキシ基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のハロアルコキシ基を表し、R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルコキシ基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のハロアルコキシ基を表し、aおよびbは、互いに独立して、1〜100の数であり、cは、0以上2未満の数であり、Zは、下記式(3)で表される連結基を表す。



〔(式中、R4は、前記と同じ意味を表し、Lは、下記式(4)〜(11)から選ばれる連結基を表す。)



(式中、R5は、互いに独立して、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、R6は、互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、kは、1〜12の整数を表し、jは1〜1,000の数を表す。)〕}
3. 前記A1−A2が、式(12)または式(13)で表される1または2の有機ケイ素化合物、



4. 平均構造式(14)または(15)



(式中、R3、R4、a、bおよびZは、前記と同じ意味を表す。)
で表される、水酸基を有するポリフェニレンエーテル化合物と、式(16)



(式中、R1、R2、A2およびmは、前記と同じ意味を表す。)
で表される、イソシアネート基およびアルコキシシリル基を有する化合物とを反応させることを特徴とする1〜3のいずれかの有機ケイ素化合物の製造方法、
5. 平均構造式(14)または式(15)



(式中、R3、R4、a、bおよびZは、前記と同じ意味を表す。)
で表される、水酸基を有するポリフェニレンエーテル化合物と、前記水酸基と反応し得る官能基およびアルケニル基を有する化合物とを反応させてアルケニル化合物を得た後、このアルケニル化合物と、式(17)



(式中、R1、R2およびmは、前記と同じ意味を表す。)
で表されるシラン化合物とを、白金化合物含有触媒の存在下でヒドロシリル化反応させることを特徴とする1〜3のいずれかの有機ケイ素化合物の製造方法、
6. 1〜3のいずれかの有機ケイ素化合物を含有する硬化性組成物、
7. 6の硬化性組成物が硬化してなる硬化物品
を提供する。

発明の効果

0011

本発明の有機ケイ素化合物は、分子中にポリフェニレンエーテル構造と高反応性の加水分解性基とを有しており、従来のシランカップリング剤に比べ、銅箔密着性および誘電率や誘電正接といった誘電特性に優れるという特性を有している。
このような特性を有する本発明の有機ケイ素化合物を含む組成物は、硬化性組成物、特に、高周波基板材料を形成する硬化性組成物として好適に用いることができる。

0012

以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係る有機ケイ素化合物は、平均構造式(i)で表される。

0013

0014

ここで、Xは、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の有機基を表し、R1は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、R2は、互いに独立して、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、または非置換もしくは置換の炭素原子数6〜10のアリール基を表し、A1は、単結合、またはヘテロ原子を含有する二価の連結基を表し、A2は、ヘテロ原子を含まない、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の二価炭化水素基を表し、mは、1〜3の数であり、nは、1〜10の数である。

0015

R1およびR2の炭素原子数1〜10のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチルエチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルn−オクチル、n−ノニルn−デシル等の直鎖または分岐状アルキル基シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチルシクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
R1およびR2の炭素原子数6〜10のアリール基の具体例としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
また、これら各基の水素原子の一部または全部は、炭素原子数1〜10のアルキル基、F、Cl、Br等のハロゲン原子、シアノ基等で置換されていてもよく、そのような基の具体例としては、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2−シアノエチルトリルキシリル基等を例示することができる。

0016

これらの中でも、R1としては、加水分解性の観点から、炭素原子数1〜5の直鎖のアルキル基が好ましく、メチル、エチル基がより好ましく、メチル基がより一層好ましい。
一方、R2としては、直鎖のアルキル基が好ましく、メチル、エチル基がより好ましく、メチル基がより一層好ましい。
また、mは、1〜3の整数であり、反応性の観点から2〜3が好ましく、3がより好ましい。

0017

上記A1のヘテロ原子を含有する二価の連結基の具体例としては、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、アミノ結合(−NH−)、スルホニル結合(−S(=O)2−)、ホスフィニル結合(−P(=O)OH−)、オキソ結合(−C(=O)−)、チオオキソ結合(−C(=S)−)、エステル結合(−C(=O)O−)、チオエステル結合(−C(=O)S−)、チオノエステル結合(−C(=S)O−)、ジチオエステル結合(−C(=S)S−)、炭酸エステル結合(−OC(=O)O−)、チオ炭酸エステル結合(−OC(=S)O−)、アミド結合(−C(=O)NH−)、チオアミド結合(−C(=S)NH−)、ウレタン結合(−OC(=O)NH−)、チオウレタン結合(−SC(=O)NH−)、チオノウレタン結合(−OC(=S)NH−)、ジチオウレタン結合(−SC(=S)NH−)、尿素結合(−NHC(=O)NH−)、チオ尿素結合(−NHC(=S)NH−)等が挙げられる。
これらの中でも、A1としては、エーテル結合(−O−)、またはウレタン結合(−OC(=O)NH−)が好ましい。

0018

一方、A2のヘテロ原子を含まない、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20の二価炭化水素基の具体例としては、メチレンエチレントリメチレンプロピレンイソプロピレンテトラメチレンイソブチレンペンタメチレンヘキサメチレンヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレンウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン、へプタデカメチレン、オクタデカメチレン、ノナデカメチレン、エイコサデシレン基等のアルキレン基;シクロペンチレンシクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基フェニレン、α−,β−ナフチレン基等のアリーレン基などが挙げられる。
これらの中でも、トリメチレン、オクタメチレン基が好ましく、トリメチレン基がより好ましい。

0019

式(i)におけるXは、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の連結基を表し、その中に直鎖状構造分岐状構造、または架橋構造を有していてもよい。
一分子あたりのnの平均は1〜10であるが、1〜5が好ましく、1〜2がより好ましい。nが1未満であると加水分解性基が不足することにより反応性に劣る。一方、nが10を超えると、反応点が多くなり過ぎるため、化合物の保存安定性が悪化したり、硬化物にクラックが発生しやすくなったりすることがある。
上記Xとしては、ポリフェニレンエーテル構造を含むn価の連結基であれば特に限定されるものではないが、銅箔密着性および誘電特性を高めることを考慮すると、本発明では、特に、下記式で表される基が好適である。

0020

0021

したがって、本発明の有機ケイ素化合物としては、平均構造式が式(1)または式(2)で表されるものが好ましく、これらの化合物を用いることで、さらに良好な銅箔密着性および誘電特性が発揮される。

0022

0023

これら各式中、R1、R2、A1、A2およびmは、上記と同じ意味を表し、R3は、互いに独立して、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルコキシ基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のハロアルコキシ基を表し、R4は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキル基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルコキシ基、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のアルキルチオ基、または非置換もしくは置換の炭素原子数1〜12のハロアルコキシ基を表し、aおよびbは、互いに独立して、1〜100の数であり、cは、0以上2未満の数であり、Zは、下記式(3)で表される連結基を表す。

0024

0025

上記R4は、上記と同じ意味を表し、Lは、下記式(4)〜(11)から選ばれる連結基を表す。

0026

0027

上記R5は、互いに独立して、水素原子または炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、R6は、互いに独立して炭素原子数1〜12のアルキル基を表し、kは、1〜12の整数を表し、jは1〜1,000の数を表す。

0028

R3およびR4の炭素原子数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等の直鎖または分岐状アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
R3およびR4の炭素原子数1〜12のアルコキシ基としては、直鎖状、環状、分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシエトキシプロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシ等の直鎖または分岐状アルコキシ基シクロペンチルオキシシクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基が挙げられる。
また、これら各基の水素原子の一部または全部は、F、Cl、Br等のハロゲン原子、メルカプト基、シアノ基等で置換されていてもよく、そのような基の具体例としては、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−メルカプトプロピル、2−シアノエチル基等を例示することができる。
R3およびR4のハロゲン原子としては、F、Cl、Br等が挙げられる。

0029

これらの中でも、R3としては、製造の容易性の観点から、メチル基、メトキシ基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一方、R4としては、水素原子、メチル基、メトキシ基が好ましく、水素原子がより好ましい。

0030

また、aおよびbは、互いに独立して1〜100の数であるが、有機ケイ素化合物の銅箔密着性および誘電特性の観点から、3〜50が好ましく、5〜20がより好ましい。aおよびbが1より小さい場合には良好な銅箔密着性および誘電特性が得られないおそれがあり、aおよびbが100より大きい場合には、有機ケイ素化合物の有機樹脂への相溶性が悪化することがある。

0031

さらに、本発明において、−A1−A2−基としては、式(12)で表されるウレタン結合(−OC(=O)NH−)を有するトリメチレン基、式(13)で表されるエーテル結合(−O−)を有するトリメチレン基が好適である。

0032

0033

本発明の有機ケイ素化合物の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、当該化合物を含む硬化性組成物の粘度等を適切な範囲として作業性を向上させるとともに、得られる硬化物に、十分な銅箔密着性および誘電特性を付与することを考慮すると、重量平均分子量500〜5万が好ましく、1,000〜2万がより好ましく、4,000〜1万がより一層好ましい。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値である。

0034

なお、本発明の有機ケイ素化合物は、溶剤を含んだ状態で用いてもよい。
溶剤としては、式(i)で表される有機ケイ素化合物の溶解能を有していれば特に限定されるものではないが、溶解性および揮発性等の観点から、トルエンキシレン等の芳香族系溶剤メチルエチルケトンメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤が好ましく、中でも、トルエン、キシレンがより好ましい。
溶剤の添加量は、式(i)で表される有機ケイ素化合物100質量部に対して、100〜20,000質量部が好ましく、200〜10,000質量部がより好ましい。

0035

上記式(i)で表される有機ケイ素化合物のうち、A1がウレタン結合のものは、平均構造式が式(14)または式(15)で表される1分子中にポリフェニレンエーテル構造を含む基および水酸基を有する化合物と、式(16)で表されるイソシアネート基およびアルコキシシリル基を有する化合物(以下、イソシアネートシランという)とを反応させて得ることができる。
より具体的には、平均構造式(14)または(15)で表される化合物の水酸基と、イソシアネートシランのイソシアネート基との間でウレタン結合を形成する反応を行う。

0036

(式中、R3、R4、a、bおよびZは、上記と同じ。)

0037

(式中、R1、R2、A2およびmは、上記と同じ。)

0038

式(14)および式(15)で表される化合物としては、市販品として入手可能であり、そのような市販品としては、例えば、(株)SABICイノベーティプラスチックス製PPO(商標)SA120−100、PPO(商標)SA90−100等が挙げられる。

0039

一方、式(16)で表されるイソシアネートシランの具体例としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルジメチルエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、加水分解性の観点から、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましく、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランがより好ましい。

0040

式(14)または式(15)で表される1分子中にポリフェニレンエーテル構造を含む基および水酸基を有する化合物と、式(16)で表されるイソシアネートシランとの反応割合は、ウレタン化反応時の副生物を抑制するとともに、得られる有機ケイ素化合物の保存安定性や特性を高めることを考慮すると、式(14)または式(15)で表される化合物中の水酸基1molに対し、式(16)で表されるイソシアネートシランのイソシアネート基が0.01〜1.2molとなる割合が好ましく、0.1〜1.1molとなる割合がより好ましく、0.4〜1molとなる割合がより一層好ましい。

0041

また、上記ウレタン化反応には、反応速度向上のため触媒を使用してもよい。
触媒としては、一般的にウレタン化反応で使用されているものから適宜選択すればよく、その具体例としては、ジブチルスズオキシドジオクチルスズオキシド、スズ(II)ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチルスズジラウレートジオクチルスズジラウレート等が挙げられる。
触媒の使用量は触媒量であればよいが、通常、式(14)または式(15)で表される化合物と式(16)で表されるイソシアネートシランの合計に対して0.001〜1質量%である。

0042

さらに、上記ウレタン化反応には、用いる原料と反応しない溶媒を用いることができる。
その具体例としては、ペンタンヘキサンヘプタンオクタンデカンシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒酢酸エチル酢酸ブチルγ−ブチロラクトンプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセタート等のエステル系溶媒ジエチルエーテルジブチルエーテルシクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。

0043

ウレタン化反応時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応速度を適切にしつつ、アロファネート化等の副反応を抑制することを考慮すると、25〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。
反応時間は特に制限されないが、通常10分〜24時間である。

0044

また、式(i)で表される有機ケイ素化合物のうち、A1がエーテル結合のものは、第1段階として、平均構造式が上記式(14)または式(15)で表される1分子中にポリフェニレンエーテル構造を含む基および水酸基を有する化合物と、この水酸基と反応し得る官能基とアルケニル基とを有する化合物とを反応させてアルケニル化合物とした後、第2段階において、第1段階で得たアルケニル化合物と、式(17)で表されるシラン化合物とを反応させて得ることができる。
より具体的には、第1段階では、水酸基と反応し得る官能基と水酸基とを反応させ、平均構造式が式(14)または式(15)で表される化合物とアルケニル基を有する化合物とをエーテル結合にてカップリングし、第2段階では、第1段階で得たアルケニル化合物と、式(17)で表されるシラン化合物とを白金化合物含有触媒の存在下でヒドロシリル化し、アルケニル基にヒドロシリル基を付加させて炭素ケイ素結合を形成する。

0045

(式中、R1、R2およびmは、上記と同じ。)

0046

第1段階で用いる水酸基と反応し得る官能基とアルケニル基とを有する化合物が有する上記官能基としては、水酸基と選択的に反応する官能基であれば特に限定されるものではなく、ハロゲン原子、メタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基等が挙げられるが、ハロゲン原子が好ましく、塩素原子臭素原子ヨウ素原子がより好ましい。

0047

ハロゲン原子とアルケニル基とを有する化合物(以下、ハロゲン化アルケニル化合物という)の具体例としては、塩化アリル塩化メタリル塩化ブテニル、塩化ペンテニル、塩化ヘキセニル、塩化ヘプテニル、塩化オクテニル、塩化ノネニル等の塩化アルケニル化合物;臭化アリル、臭化メタリル、臭化ブテニル、臭化ペンテニル、臭化ヘキセニル、臭化ヘプテニル、臭化オクテニル、臭化ノネニル等の臭化アルケニル化合物;ヨウ化アリル、ヨウ化メタリル、ヨウ化ブテニル、ヨウ化ペンテニル、ヨウ化ヘキセニル、ヨウ化ヘプテニル、ヨウ化オクテニル、ヨウ化ノネニル等のヨウ化アルケニル化合物などが挙げられる。
これらの中でも、反応性および入手容易性の観点から、塩化アリル、塩化ヘキセニル、塩化オクテニル、臭化アリル、ヨウ化アリルが好ましく、塩化アリル、塩化オクテニル、臭化アリルがより好ましく、臭化アリルがより一層好ましい。

0048

第1段階の反応は、従来公知の一般的な方法で行うことができ、例えば、塩基性化合物の存在下、水酸基とハロゲン化アルケニル化合物等との求核置換反応による非対称エーテル合成法ウィリアムソン合成ウィリアムソンエーテル合成)などを採用できる。
この場合、式(14)または式(15)で表される化合物とハロゲン化アルケニル化合物との反応割合としては、特に限定されるものではないが、未反応の原料をより少なくし、得られる有機ケイ素化合物の保存安定性や諸特性を高めることを考慮すると、式(14)または式(15)で表される化合物の水酸基1molに対し、ハロゲン化アルケニル化合物のハロゲン原子が0.1〜10molとなる割合が好ましく、0.2〜5molとなる割合がより好ましく、0.4〜1.2molとなる割合がより一層好ましい。

0049

また、上記塩基性化合物としては、通常、ウィリアムソン合成法に用いられている各種の塩基性化合物を使用でき、式(14)または式(15)で表される化合物の水酸基以外とは反応しないものであればいずれを使用してもよい。
具体的には、金属ナトリウム金属リチウム等のアルカリ金属金属カルシウム等のアルカリ土類金属水素化ナトリウム水素化リチウム水素化カリウム水素セシウム等のアルカリ金属水素化物水素化カルシウム等のアルカリ土類金属水素化物水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物およびその水溶液水酸化バリウム水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物およびその水溶液;カリウムターシャリーブトキシドナトリウムターシャリーブトキシド等のアルカリ金属およびアルカリ土類アルコキシド炭酸カリウム炭酸ナトリウム炭酸カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類炭酸水素塩トリエチルアミントリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンテトラメチルエチレンジアミンピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等の3級アミンなどが挙げられる。
これらの中でも、反応効率の観点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物またはこれらの水溶液が好ましく、水酸化ナトリウムの水溶液がより好ましい。

0050

塩基性化合物の使用量は特に限定されるものではないが、エーテル化反応を十分進行させて原料の残存を防止するとともに、塩基性化合物の過剰な残存を防止して得られる有機ケイ素化合物の保存安定性や諸特性を高めることを考慮すると、式(14)または式(15)で表される化合物の水酸基1molに対し、塩基性化合物は0.5〜20molが好ましく、1〜10molがより好ましく、2〜8molがより一層好ましい。

0051

上記エーテル化反応では、用いる原料と反応しない溶媒を用いることができる。
その具体例としては、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、反応効率の観点から、水、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフランが好ましく、水とトルエン混合溶媒、水とキシレンの混合溶媒がより好ましい。

0052

エーテル化反応時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応速度を適切にしつつ、ハロゲン化アルケニル化合物の揮散を抑制することを考慮すると、25〜90℃が好ましく、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより一層好ましい。
また、エーテル化反応は、通常、大気圧下で行うが、上記ハロゲン化アルケニル化合物の揮散抑制、反応速度向上等の目的で、加圧下で行ってもよい。
反応時間は特に制限されないが、通常10分〜24時間である。

0053

なお、上記エーテル化反応では、反応速度向上のため触媒を使用してもよい。
触媒としては、一般的にウィリアムソン合成法に用いられているものから、式(14)または式(15)で表される化合物の水酸基以外とは反応しないものを適宜選択すればよい。
その具体例としては、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6等のクラウンエーテルテトラブチルアンモニウムクロリドテトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージドテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩等の4級アンモニウム塩ヨウ化カリウムヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属ハロゲン化物などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、反応性および入手容易性の観点から、18−クラウン−6、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、ヨウ化カリウムが好ましく、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、ヨウ化カリウムがより好ましく、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩がより一層好ましい。
上記触媒は、相間移動触媒として作用、またはハロゲン化アルケニル化合物を活性化し、反応速度を向上させることができる。

0054

上記触媒の使用量は触媒量であればよいが、式(14)または式(15)で表される化合物とハロゲン化アルケニル化合物の合計に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。

0055

第2段階において、第1段階で得られたアルケニル化合物との反応に用いられる式(17)で表されるシラン化合物の具体例としては、トリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン等が挙げられるが、加水分解性の観点から、トリメトキシシラン、トリエトキシシランが好ましく、トリメトキシシランがより好ましい。

0056

第2段階のヒドロシリル化で用いられる白金化合物含有触媒は特に限定されるものではなく、その具体例としては、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエンまたはキシレン溶液テトラキストリフェニルホスフィン白金、ジクロロビストリフェニルホスフィン白金、ジクロロビスアセトニトリル白金、ジクロロビスベンゾニトリル白金、ジクロロシクロオクタジエン白金、白金−炭素、白金−アルミナ、白金−シリカ等の担持触媒等が挙げられる。
これらの中でも、選択性の面から、0価の白金錯体が好ましく、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエンまたはキシレン溶液がより好ましい。

0057

白金化合物含有触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応性、生産性の点から、式(17)で示されるシラン化合物1molに対し、含有される白金原子が1×10-7〜1×10-2molとなる量が好ましく、1×10-7〜1×10-3molとなる量がより好ましい。

0058

また、ヒドロシリル化の反応性向上のため助触媒を使用してもよい。この助触媒としては、一般的にヒドロシリル化に用いられている助触媒を使用できるが、本発明では、無機酸のアンモニウム塩酸アミド化合物カルボン酸が好ましい。
無機酸のアンモニウム塩の具体例としては、塩化アンモニウム硫酸アンモニウムアミド硫酸アンモニウム硝酸アンモニウムリン酸二水素アンモニウムリン酸水素二アンモニウムリン酸三アンモニウム、ジ亜リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム炭酸水素アンモニウム硫化アンモニウムホウ酸アンモニウムホウフッ化アンモニウム等が挙げられるが、中でも、pKaが2以上の無機酸のアンモニウム塩が好ましく、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムがより好ましい。

0059

酸アミド化合物の具体例としては、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドプロピオンアミドアクリルアミドマロンアミドスクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミドフタルアミドパルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド等が挙げられる。

0060

カルボン酸の具体例としては、ギ酸酢酸プロピオン酸酪酸メトキシ酢酸ペンタン酸カプロン酸ヘプタン酸オクタン酸乳酸グリコール酸等が挙げられ、これらの中でも、ギ酸、酢酸、乳酸が好ましく、酢酸がより好ましい。

0061

助触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応性、選択性、コスト等の観点から式(17)で示されるシラン化合物1molに対して1×10-5〜1×10-1molが好ましく、1×10-4〜5×10-1molがより好ましい。

0062

なお、上記ヒドロシリル化反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。
使用可能な溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒ジクロロメタンクロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒などが挙げられ、これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。

0063

上記ヒドロシリル化反応における反応温度は特に限定されるものではなく、0℃から加熱下で行うことができるが、0〜200℃が好ましい。
適度な反応速度を得るためには加熱下で反応させることが好ましく、このような観点から、反応温度は40〜110℃がより好ましく、40〜90℃がより一層好ましい。
また、反応時間も特に限定されるものではなく、通常、1〜60時間程度であるが、1〜30時間が好ましく、1〜20時間がより好ましい。

0064

本発明の硬化性組成物は、式(i)で表される有機ケイ素化合物を含む。
本発明の式(i)で表される有機ケイ素化合物は、当該有機ケイ素化合物の構造に由来し、従来の有機ケイ素化合物に比べ、これを含有する硬化性組成物を用いて得られる硬化物の銅箔密着性および誘電特性を向上させる。
本発明の硬化性組成物において、有機ケイ素化合物の含有量は、特に限定されるものでなないが、硬化性組成物中に、0.1〜10質量%程度が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。なお、有機ケイ素化合物が溶剤を含む場合、上記含有量は、溶剤を除いた不揮発分を意味する。

0065

また、本発明の硬化性組成物は、有機樹脂を含むものが好ましい。
有機樹脂としては、特に限定されるものではなく、その具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂ポリカーボネート類およびポリカーボネートブレンドアクリル樹脂ポリエステル樹脂ポリアミド樹脂ポリイミド樹脂アクリロニトリル−スチレン共重合体スチレンアクリロニトリルブタジエン共重合体ポリ塩化ビニル樹脂ポリスチレン樹脂ポリフェニレンエーテル樹脂ポリスチレンとポリフェニレンエーテルとのブレンドセルロースアセテートブチレートポリエチレン樹脂等から用途等に応じて適宜選択すればよいが、高周波領域の電気信号を利用する電子機器に備えられるプリント配線板の基板材料として用いることを考慮すると、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、またはこれらのブレンドが好ましい。
この場合、用いる有機樹脂に応じて適宜な硬化剤を配合してもよく、例えば、エポキシ樹脂を用いる場合、イミダゾール化合物等の硬化剤を配合することができる。
また、架橋成分として、例えばシアネートエステル化合物等を適宜配合してもよく、さらに、使用目的に応じて、接着性改良剤紫外線吸収剤、保存安定性改良剤可塑剤充填剤顔料等の各種添加剤を添加してもよい。

0066

以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、下記において、粘度は、B型回転粘度計による25℃における測定値であり、分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定により求めたポリスチレン換算の重量平均分子量であり、不揮発分は、アルミシャーレ上で105℃、3時間加熱乾燥後加熱残量法による測定値である。

0067

[1]有機ケイ素化合物の合成
[実施例1−1]有機ケイ素化合物1の合成
撹拌機還流冷却器滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、PPO(商標)SA120−100((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)40g、トルエン110gおよびジオクチルスズジラウレート0.05gを仕込み、80℃に加熱した。その中に、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン7.6gを滴下投入し、80℃にて2時間加熱撹拌した。IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量6,700、粘度23mm2/s、不揮発分34質量%であった。

0068

[実施例1−2]有機ケイ素化合物2の合成
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランの量を9.2gに変更した以外は、実施例1−1と同様の手順で合成した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量6,800、粘度30mm2/s、不揮発分30質量%であった。

0069

[実施例1−3]有機ケイ素化合物3の合成
トルエンの量を120g、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランの量を11.1gに変更した以外は、実施例1−1と同様の手順で合成した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量5,300、粘度21mm2/s、不揮発分29質量%であった。

0070

[実施例1−4]有機ケイ素化合物4の合成
3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランの量を5.6gに変更した以外は、実施例1−1と同様の手順で合成した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量4,200、粘度12mm2/s、不揮発分30質量%であった。

0071

[実施例1−5]有機ケイ素化合物5の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、PPO(商標)レジンパウダー((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)40g、トルエン110gおよびジオクチルスズジラウレート0.05gを仕込み、80℃に加熱した。その中に、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン0.5gを滴下投入し、80℃にて2時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量102,000、粘度1,200mm2/s、不揮発分28質量%であった。

0072

[実施例1−6]有機ケイ素化合物6の合成
特開2015−086329号公報の実施例『PPE−3』に記載の方法に基づき、noryl640−111((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)の分配再配列により、分配再配列されたポリフェニレンエーテルを得た。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、上記で得た分配再配列されたポリフェニレンエーテル40g、トルエン110gおよびジオクチルスズジラウレート0.05gを仕込み、80℃に加熱した。その中に、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン27.8gを滴下投入し、80℃にて2時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量6,200、粘度49mm2/s、不揮発分30質量%であった。

0073

[実施例1−7]有機ケイ素化合物7の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、実施例1−6で分配再配列したポリフェニレンエーテル40g、トルエン110gおよびジオクチルスズジラウレート0.05gを仕込み、80℃に加熱した。その中に、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン13.9gを滴下投入し、80℃にて2時間加熱撹拌した。その後、IR測定により原料のイソシアネート基由来の吸収ピークが完全に消失し、代わりにウレタン結合由来の吸収ピークが生成したことを確認し、反応終了とした。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量5,000、粘度35mm2/s、不揮発分30質量%であった。

0074

[実施例1−8]有機ケイ素化合物8の合成
[第1段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた300mLセパラブルフラスコに、PPO(商標)SA120−100((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)50g、トルエン120g、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.56g、および30%水酸化ナトリウム水溶液37.6gを仕込み、60℃に加熱した。その中に、臭化アリル5.7gを滴下投入し、60℃にて6時間加熱撹拌した。その後、静置して二層分離した水層を分液し、中性となるまで有機層水洗し、さらに、有機層を減圧濃縮(80℃、5mmHg)して揮発成分を除去することで対応するアルケニル化合物を褐色固体として得た。

0075

[第2段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、上記第1段階で得られたアルケニル化合物30g、トルエン70g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.08g(トリメトキシシラン1molに対し白金原子として5.0×10-5mol)を納め、トリメトキシシラン3.5gを内温75〜85℃で投入した後、80℃で1時間撹拌した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量6,000、粘度15mm2/s、不揮発分31質量%であった。

0076

[実施例1−9]有機ケイ素化合物9の合成
[第1段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた300mLセパラブルフラスコに、PPO(商標)SA120−100((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)50g、トルエン120g、テトラブチルアンモニウムヨージド0.56g、および30%水酸化ナトリウム水溶液37.6gを仕込み、60℃に加熱した。その中に、塩化オクテニル6.9gを滴下投入し、60℃にて6時間加熱撹拌した。その後、静置して二層分離した水層を分液し、中性となるまで有機層を水洗し、さらに、有機層を減圧濃縮(80℃、5mmHg)して揮発成分を除去し、対応するアルケニル化合物を褐色固体として得た。

0077

[第2段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、上記第1段階で得られたアルケニル化合物30g、トルエン70g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.08g(トリメトキシシラン1molに対し白金原子として5.0×10-5mol)、および酢酸0.003gを納め、トリメトキシシラン3.4gを内温75〜85℃で投入した後、80℃で1時間撹拌した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量6,100、粘度17mm2/s、不揮発分30質量%であった。

0078

[実施例1−10]有機ケイ素化合物10の合成
[第1段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた300mLセパラブルフラスコに、PPO(商標)SA90−100((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)50g、トルエン130g、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.58g、および30%水酸化ナトリウム水溶液54.1gを仕込み、60℃に加熱した。その中に、臭化アリル8.2gを滴下投入し、60℃にて6時間加熱撹拌した。その後、静置して二層分離した水層を分液し、中性となるまで有機層を水洗し、さらに、有機層を減圧濃縮(80℃、5mmHg)して揮発成分を除去し、対応するアルケニル化合物を褐色固体として得た。

0079

[第2段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、上記第1段階で得られたアルケニル化合物40g、トルエン60g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.10g(トリメトキシシラン1molに対し白金原子として5.0×10-5mol)を納め、トリメトキシシラン6.3gを内温75〜85℃で投入した後、80℃で1時間撹拌した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量4,800、粘度13mm2/s、不揮発分31質量%であった。

0080

[実施例1−11]有機ケイ素化合物11の合成
[第1段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた300mLセパラブルフラスコに、PPO(商標)SA90−100((株)SABICイノベーティブプラスチックス製)50g、トルエン130g、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩0.54g、および30%水酸化ナトリウム水溶液54.1gを仕込み、60℃に加熱した。その中に、臭化アリル4.1gを滴下投入し、60℃にて6時間加熱撹拌した。その後、静置して二層分離した水層を分液し、中性となるまで有機層を水洗し、さらに、有機層を減圧濃縮(80℃、5mmHg)して揮発成分を除去し、対応するアルケニル化合物を褐色固体として得た。

0081

[第2段階]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた200mLセパラブルフラスコに、上記第1段階で得られたアルケニル化合物25g、トルエン75g、白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液0.06g(トリメトキシシラン1molに対し白金原子として5.0×10-5mol)を納め、トリメトキシシラン3.7gを内温75〜85℃で投入した後、80℃で1時間撹拌した。
得られた反応生成物は、褐色透明液体であり、重量平均分子量6,100、粘度18mm2/s、不揮発分30質量%であった。

0082

[比較例1−1]有機ケイ素化合物12の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(三菱ガス化学(株)製、OPE−1000)500g、ポリテトラメトキシシラン(多摩化学(株)製、Mシリケート51)447gを仕込み、90℃に加熱して融解混合し、均一溶液とした。その中に、触媒としてジブチルスズジラウレート0.22gを加え、90℃で15時間脱メタノール反応することで、対応する有機ケイ素化合物を得た。

0083

[比較例1−2]有機ケイ素化合物13の合成
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた反応装置に、2官能性フェニレンエーテル樹脂(三菱ガス化学(株)製、OPE−1000)71.8g、ポリメチルトリメトキシシラン(多摩化学(株)製、MTMS−A)45.3gを仕込み、90℃に加熱して融解混合し、均一溶液とした。その中に、触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを加え、90℃で15時間脱メタノール反応することで、対応する有機ケイ素化合物を得た。

0084

[2]硬化性組成物およびその硬化物品の調製
硬化性組成物およびその硬化物品を調製する際に用いる各成分について説明する。
[PPE]
・(株)SABICイノベーティブプラスチックス製PPO(商標)SA90−100
[エポキシ樹脂]
・エポキシ樹脂1:DIC(株)製エピクロンHP7200(ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物
・エポキシ樹脂2:DIC(株)製 エピクロン850S(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
[硬化剤]
・四国化成工業(株)製 2E4MZ(2−エチル−4−イミダゾール
[シアネートエステル化合物]
ロンジャパン(株)製 BADCy(2,2−ビス(4−シアナートフェニルプロパン
有機金属塩
・DIC(株)製 Cu−NAPHTENATE(ナフテン酸銅
[有機ケイ素化合物]
・有機ケイ素化合物:上記実施例1−1〜1−11、比較例1−1,1−2で得られた有機ケイ素化合物

0085

[実施例2−1]
表1,2に記載の配合割合(質量部、ただし有機ケイ素化合物は不揮発分換算値)にしたがって、PPE、エポキシ樹脂、硬化剤および上記実施例1−1で得られた有機ケイ素化合物1を混合し、得られた混合溶液を60℃に加熱した。その中に、シアネートエステル化合物および有機金属塩を添加した後、30分間撹拌して完全に溶解させ、ワニス状の硬化性組成物(樹脂ワニス)を得た。
続いて、得られた樹脂ワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製、♯2116タイプ、WEA116E、Eガラス)に含浸後、160℃で10分間加熱乾燥してプリプレグを得た。この際、樹脂成分の含有量が55質量%程度となるように調整した。
得られた各プリプレグを6枚重ね、銅箔(古河サーキットフォイル(株)製GT−MP)に挟んで積層し、200℃で2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、硬化物品である評価基板を得た。

0086

[実施例2−2〜2−11、および比較例2−1,2−2]
有機ケイ素化合物1を、実施例1−2〜1−11および比較例1−1〜1−2で得られた有機ケイ素化合物2〜13にそれぞれ変更した以外は、実施例2−1と同様にして硬化性組成物およびその硬化物品を作製した。

0087

[比較例2−3,2−4]
有機ケイ素化合物1を、比較例2−3としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランKBM−403、信越化学工業(株)製)、比較例2−4としてフェニルトリメトキシシラン(KBM−103、信越化学工業(株)製)にそれぞれ変更した以外は、実施例2−1と同様にして硬化性組成物およびその硬化物品を作製した。

0088

[比較例2−5]
有機ケイ素化合物1を用いなかった以外は、実施例2−1と同様にして硬化性組成物およびその硬化物品を作製した。

0089

上記の手順で調製された各評価基板について、以下に示す方法により評価を行った。
[誘電特性]
(株)関東電子応用開発製の空洞共振「CP461」を用い、2GHzにおける銅張積層板の誘電率および誘電正接を測定した。結果を下記表1,2に示す。
銅箔密着強度
銅張積層板表面の銅箔の引剥がし強さ(銅箔密着強度)を、JIS C 6481に準拠した方法で測定した。この際、幅20mm、長さ100mmの試験片上に、幅10mm、長さ100mmのパターンを形成し、引張試験機を用いて50mm/分の速度で銅箔を引剥がし、その際の引剥がし強さ(kgf/cm)を銅箔密着強度として評価した。結果を下記表1,2に示す。

0090

0091

実施例

0092

表1,2に示されるように、実施例1−1〜1−11で得られた有機ケイ素化合物は、比較例1−1,1−2で得られた有機ケイ素化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランおよびフェニルトリメトキシシランに比べ、銅箔密着性および誘電率や誘電正接といった誘電特性に優れる硬化物を与えることがわかる。

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