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技術 電源装置

出願人 株式会社オートネットワーク技術研究所住友電装株式会社住友電気工業株式会社
発明者 中島新太高橋成治
出願日 2016年7月21日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-142960
公開日 2018年1月25日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2018-014828
状態 特許登録済
技術分野 DC‐DCコンバータ
主要キーワード 流動範囲 温度抑制効果 縮退制御 外部温度センサ 降圧スイッチングレギュレータ シビアリティ 電流増加率 増加度合い
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

出力電流目標電流値よりも抑える熱縮退制御の実行時間をより短くすることができる電源装置を実現する。

解決手段

電源装置1は、温度センサ31によって検出される温度が所定温度未満であるときに電流センサ38によって検出された電流値に基づいて電圧変換部30からの出力電流を目標電流値に制御する通常制御を行う制御部10を備える。制御部10は、温度センサ31の検出温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が所定の低流動範囲内であるときに電圧変換部30から出力される出力電流を目標電流値より小さくする熱縮退制御を行う。温度センサ31の検出温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が所定の高流動範囲内であるときに熱縮退制御の実行時よりも電圧変換部30からの出力電流を大きくする制御を行う。

概要

背景

DCDCコンバータなどの電源装置は、内部での電力損失によって発熱することが知られており、温度上昇に起因する不具合内部回路等の破壊など)を防ぐための方策が考えられている。例えば、特許文献1で開示されるDCDCコンバータの制御装置は、DCDCコンバータの温度に基づいて、DCDCコンバータから出力される出力電流を変化させる構成となっており、DCDCコンバータの温度が所定温度よりも低い場合には、DCDCコンバータの出力電流を目標とする電流値に近づける制御を行い、所定温度より高い場合には、出力電流を目標とする電流値よりも低く抑える制御を行うことでDCDCコンバータの温度上昇を抑える構成となっている。

概要

出力電流を目標電流値よりも抑える熱縮退制御の実行時間をより短くすることができる電源装置を実現する。電源装置1は、温度センサ31によって検出される温度が所定温度未満であるときに電流センサ38によって検出された電流値に基づいて電圧変換部30からの出力電流を目標電流値に制御する通常制御を行う制御部10を備える。制御部10は、温度センサ31の検出温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が所定の低流動範囲内であるときに電圧変換部30から出力される出力電流を目標電流値より小さくする熱縮退制御を行う。温度センサ31の検出温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が所定の高流動範囲内であるときに熱縮退制御の実行時よりも電圧変換部30からの出力電流を大きくする制御を行う。

目的

本発明は上記した事情に基づいてなされたものであり、温度上昇時に出力電流を目標電流値よりも抑える熱縮退制御を行うことができ、且つ熱縮退制御によって電流が制限される時間をより短くすることができる電源装置を実現することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力電圧を昇圧又は降圧して出力する電圧変換部と、前記電圧変換部から出力される出力電流電流値を検出する電流検出部と、前記電圧変換部の温度を検出する温度検出部と、前記電圧変換部の外部における空気の流動度合い又は前記電圧変換部の外部の温度の少なくともいずれかを反映した検出値を生成する外部状態検出部と、前記温度検出部によって検出される温度が所定温度未満であるときに、前記電流検出部によって検出された電流値に基づいて前記電圧変換部から出力される出力電流を目標電流値に制御する通常制御を行い、前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であり且つ前記外部状態検出部による前記検出値が所定の第1範囲であるときに前記電圧変換部から出力される出力電流を前記目標電流値より小さくする熱縮退制御を行い、前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であり且つ前記外部状態検出部による前記検出値が前記第1範囲よりも温度抑制効果の大きい第2範囲内であるときに前記熱縮退制御の実行時よりも前記電圧変換部からの出力電流を大きくする制御を行う制御部と、を有する電源装置

請求項2

前記制御部は、前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であり且つ前記外部状態検出部による前記検出値が前記第2範囲内であるときに前記通常制御を行う請求項1に記載の電源装置。

請求項3

前記制御部は、前記熱縮退制御の実行時に前記通常制御の実行条件成立した場合、前記電圧変換部から出力される出力電流を前記目標電流値まで増大させる電流増大制御を行い、且つ前記外部状態検出部の前記検出値が第1の設定範囲である場合、前記検出値が前記第1の設定範囲よりも温度抑制効果が小さい第2の設定範囲のときよりも前記電流増大制御での電流増加率を大きくする請求項1又は請求項2に記載の電源装置。

請求項4

入力電圧を昇圧又は降圧して出力する電圧変換部と、前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を検出する電流検出部と、前記電圧変換部の温度を検出する温度検出部と、前記電圧変換部の外部における空気の流動度合い又は前記電圧変換部の外部の温度の少なくともいずれかを反映した検出値を生成する外部状態検出部と、前記温度検出部によって検出される温度が所定温度未満であるときに、前記電流検出部によって検出された電流値に基づいて前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を目標電流値に制御する通常制御を行い、少なくとも前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であるときに、前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を前記目標電流値より小さくする熱縮退制御を行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記熱縮退制御の実行時に前記通常制御の実行条件が成立した場合、前記電圧変換部から出力される出力電流を前記目標電流値まで増大させる電流増大制御を行い、且つ前記外部状態検出部の前記検出値が第1の設定範囲である場合、前記検出値が前記第1の設定範囲よりも温度抑制効果が小さい第2の設定範囲のときよりも前記電流増大制御での電流増加率を大きくする電源装置。

請求項5

前記外部状態検出部は、当該電源装置が配置される配置空間又は前記配置空間に連通する空間の風速を前記検出値として検出する風速センサを有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電源装置。

請求項6

前記外部状態検出部は、前記電圧変換部が搭載される車両の速度又は前記車両の車輪の速度を前記検出値として検出する速度センサを有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電源装置。

技術分野

0001

本発明は、電源装置に関するものである。

背景技術

0002

DCDCコンバータなどの電源装置は、内部での電力損失によって発熱することが知られており、温度上昇に起因する不具合内部回路等の破壊など)を防ぐための方策が考えられている。例えば、特許文献1で開示されるDCDCコンバータの制御装置は、DCDCコンバータの温度に基づいて、DCDCコンバータから出力される出力電流を変化させる構成となっており、DCDCコンバータの温度が所定温度よりも低い場合には、DCDCコンバータの出力電流を目標とする電流値に近づける制御を行い、所定温度より高い場合には、出力電流を目標とする電流値よりも低く抑える制御を行うことでDCDCコンバータの温度上昇を抑える構成となっている。

先行技術

0003

特開2010−252512号公報

発明が解決しようとする課題

0004

DCDCコンバータの温度が高い場合に出力電流を目標電流値よりも低く抑える制御(熱縮退制御)はDCDCコンバータの能力を制限する制御であるため、装置の保護に支障のない範囲で、できる限り時間を短くすることが望ましい。

0005

しかし、特許文献1の制御装置は、DCDCコンバータそのものの温度のみを把握して通常制御と熱縮退制御との切り替えを行っているため、通常制御と熱縮退制御との切り替え動作が単純且つ大雑把になってしまい、熱縮退制御によって電流が制限される時間を減少させにくいという問題がある。例えば、特許文献1の制御装置は、DCDCコンバータの外部において熱縮退制御の時間短縮化に寄与する外部要因が生じていても、その外部要因の影響を反映させることができないため、熱縮退制御を行う時間が長くなる傾向にある。

0006

本発明は上記した事情に基づいてなされたものであり、温度上昇時に出力電流を目標電流値よりも抑える熱縮退制御を行うことができ、且つ熱縮退制御によって電流が制限される時間をより短くすることができる電源装置を実現することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

第1の発明の電源装置は、
入力電圧を昇圧又は降圧して出力する電圧変換部と、
前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を検出する電流検出部と、
前記電圧変換部の温度を検出する温度検出部と、
前記電圧変換部の外部における空気の流動度合い又は前記電圧変換部の外部の温度の少なくともいずれかを反映した検出値を生成する外部状態検出部と、
前記温度検出部によって検出される温度が所定温度未満であるときに、前記電流検出部によって検出された電流値に基づいて前記電圧変換部から出力される出力電流を目標電流値に制御する通常制御を行い、前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であり且つ前記外部状態検出部による前記検出値が所定の第1範囲であるときに前記電圧変換部から出力される出力電流を前記目標電流値より小さくする熱縮退制御を行い、前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であり且つ前記外部状態検出部による前記検出値が前記第1範囲よりも温度抑制効果の大きい第2範囲内であるときに前記熱縮退制御の実行時よりも前記電圧変換部からの出力電流を大きくする制御を行う制御部と、
を有する。

0008

第2の発明の電源装置は、
入力電圧を昇圧又は降圧して出力する電圧変換部と、
前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を検出する電流検出部と、
前記電圧変換部の温度を検出する温度検出部と、
前記電圧変換部の外部における空気の流動度合い又は前記電圧変換部の外部の温度の少なくともいずれかを反映した検出値を生成する外部状態検出部と、
前記温度検出部によって検出される温度が所定温度未満であるときに、前記電流検出部によって検出された電流値に基づいて前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を目標電流値に制御する通常制御を行い、少なくとも前記温度検出部によって検出される温度が前記所定温度以上であるときに、前記電圧変換部から出力される出力電流の電流値を前記目標電流値より小さくする熱縮退制御を行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記熱縮退制御の実行時に前記通常制御の実行条件成立した場合、前記電圧変換部から出力される出力電流を前記目標電流値まで増大させる電流増大制御を行い、且つ前記外部状態検出部の前記検出値が第1の設定範囲である場合、前記検出値が前記第1の設定範囲よりも温度抑制効果が小さい第2の設定範囲のときよりも前記電流増大制御での電流増加率を大きくする。

発明の効果

0009

第1の発明の電源装置では、制御部は、温度検出部によって検出される温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が所定の第1範囲であるときに電圧変換部から出力される出力電流を目標電流値より小さくする熱縮退制御を行う。この構成によれば、電圧変換部の温度が相対的に高く、電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に小さい場合には、熱縮退制御を行うことで出力電流を抑え、発熱を低減することができる。よって、電圧変換部の温度上昇を抑えることができ、電圧変換部等を保護することができる。
制御部は、温度検出部によって検出される温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が第1範囲よりも温度抑制効果の大きい第2範囲内であるときに熱縮退制御の実行時よりも電圧変換部からの出力電流を大きくする制御を行う。この構成では、電圧変換部の温度が相対的に高い場合に一律に熱縮退制御を行うのではなく、電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に大きい場合には、熱縮退制御の実行時よりも出力電流を大きくする制御を行う。このような制御により、熱縮退制御によって電流が制限される時間をより短くすることができる。また、電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に大きい場合、出力電流を相対的に大きくしても、電流に起因する発熱の影響を外部からの温度抑制効果によってより緩和することができる。
特に、電圧変換部の温度が相対的に高い場合、外部からの温度抑制効果が相対的に小さいときには、熱縮退制御を行うことで電圧変換部等の保護を優先させることができ、外部からの温度抑制効果が相対的に大きいときには、出力電流を増大させることで、出力制限を緩和し、電圧変換部の能力発揮を優先させることができる。

0010

第2の発明の電源装置では、制御部は、少なくとも温度検出部によって検出される温度が所定温度以上であるときに、電圧変換部から出力される出力電流の電流値を目標電流値より小さくする熱縮退制御を行う。この構成によれば、電圧変換部の温度が相対的に高い場合に熱縮退制御を行うことで出力電流を抑え、発熱を低減することができる。よって、電圧変換部の温度上昇を抑えることができ、電圧変換部等を保護することができる。
更に、制御部は、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立した場合、電圧変換部から出力される出力電流を前記目標電流値まで増大させる電流増大制御を行い、且つ外部状態検出部の検出値が第1の設定範囲である場合、検出値が第1の設定範囲よりも温度抑制効果が小さい第2の設定範囲のときよりも電流増大制御での電流増加率を大きくする。この構成では、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立し、通常制御に復帰する場合、温度抑制効果が相対的に大きい第1の設定範囲の場合には相対的に電流増加率を大きくし、より早期に目標電流値まで増大させることができる。特に、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立した場合、電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に大きいと、その後、電圧変換部の温度が抑制される可能性が高いため、より早く目標電流値まで増大させても、すぐに熱縮退制御を実行しなければならないような事態は生じにくい。

図面の簡単な説明

0011

実施例1の電源装置を含んだ車載システムを例示するブロック図である。
図1の車載システムにおいて電源装置をより具体化して示すブロック図である。
実施例1の電源装置で行われる切替制御を例示するフローチャートある。
実施例1の電源装置の効果を説明する上で参考となるグラフであり、(A)はシビアリティ切り替わり時に電流増減制御を緩やかに行う場合についてのグラフであり、(B)はシビアリティの切り替わり時に電流増減制御を急峻に行う場合についてのグラフである。
他の実施例の車載システムにおいて電源装置をより具体化して示すブロック図である。

実施例

0012

ここで、本発明の望ましい例を示す。
第1の発明では、制御部は、温度検出部によって検出される温度が所定温度以上であり且つ外部状態検出部による検出値が第2範囲内であるときに通常制御を行ってもよい。

0013

このように、電圧変換部の温度が相対的に高い場合であっても電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に大きい場合には通常制御を行うようにすれば、通常制御が行われる時間をより増やすことができ、電圧変換部の能力発揮をより優先させることができる。

0014

第1の発明では、制御部は、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立した場合、電圧変換部から出力される出力電流を目標電流値まで増大させる電流増大制御を行い、且つ外部状態検出部の検出値が第1の設定範囲である場合、検出値が第1の設定範囲よりも温度抑制効果が小さい第2の設定範囲のときよりも電流増大制御での電流増加率を大きくしてもよい。

0015

この構成では、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立し、通常制御に復帰する場合、温度抑制効果が相対的に大きい第1の設定範囲の場合には相対的に電流増加率を大きくし、より早期に目標電流値まで増大させることができる。特に、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立した場合、電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に大きいと、その後、電圧変換部の温度が抑制される可能性が高いため、より早く目標電流値まで増大させても、すぐに熱縮退制御を実行しなければならないような事態は生じにくい。

0016

いずれの発明でも、外部状態検出部は、当該電源装置が配置される配置空間又は配置空間に連通する空間の風速を検出値として検出する風速センサを有していてもよい。

0017

電源装置が配置される配置空間又は配置空間に連通する空間の風速は、この空間における空気の流動状態を反映した値であり、この空間の風速が大きいほど、電圧変換部の温度を抑制する効果が大きいといえる。よって、上記空間の風速を検出する風速センサを設けることで、電圧変換部の外部の空気の流動度合いを把握し得る構成を簡易に実現することができ、電圧変換部の外部からの温度抑制効果がどの程度であるかを定量的に検出することができる。

0018

いずれの発明でも、外部状態検出部は、電圧変換部が搭載される車両の速度又は車両の車輪の速度を検出値として検出する速度センサを有していてもよい。

0019

電圧変換部が搭載される車両の速度又は車両の車輪の速度は、車両内に流入する空気の流動状態を反映する値であり、車両の速度又は車両の車輪が大きいほど、流動する空気による電圧変換部の温度抑制効果が大きいといえる。よって、上記速度センサを設けることで、電圧変換部の外部の空気の流動度合いを把握し得る構成を簡易に実現することができ、電圧変換部の外部からの温度抑制効果がどの程度であるかを定量的に検出することができる。

0020

<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1図2には、実施例1に係る電源装置1を含んだ車載システム100を例示している。図1図2等で示す電源装置1は、例えば車両内の所定の収容部(エンジンルーム等)に搭載される車載用の電源装置として構成されている。電源装置1は、制御部10、風速センサ20、電圧変換部30、温度センサ31、電圧センサ37、電流センサ38などを備えている。

0021

電圧変換部30は、スイッチング素子スイッチング動作により入力電圧を変換して出力するDCDCコンバータとして構成される。なお、以下では、電圧変換部30が降圧コンバータとして構成された例を代表例として説明するが、電圧変換部30は、昇圧コンバータであってもよい。また、電圧変換部30は、一方向又は双方向の昇降圧DCDCコンバータであってもよい。

0022

電圧変換部30は、例えば、MOSFET30A,30B、コイル30C、入力コンデンサ30D、出力コンデンサ30Eなどを備えた同期整流式の非絶縁型降圧スイッチングレギュレータとして構成されている。この電圧変換部30は、ハイサイド側のスイッチング素子(MOSFET30A)のオンオフ状態及びローサイド側のスイッチング素子(MOSFET30B)のオンオフ状態が後述する制御部10からのPWM信号制御信号)によって制御されることで、第1導電路32に印加された入力電圧を降圧し、第2導電路35に出力する。

0023

電圧変換部30は、入力側の導電路である第1導電路32を介してバッテリ33に電気的に接続されている。第1導電路32は、バッテリ33の高電位側の端子に電気的に接続さており、バッテリ33から所定の直流電圧が印加されている。バッテリ33は、例えば満充電時の出力電圧が14V程度の鉛バッテリとして構成され、バッテリ33の満充電時には、第1導電路32に対して14V程度の直流電圧が印加される。第1導電路32は、負荷34や図示しない発電機などが接続されている。負荷34は、バッテリ33からの電力供給によって動作し得る電気部品であればよく、様々な車載用電気部品が対象となる。

0024

電圧変換部30は、出力側の導電路である第2導電路35を介して蓄電部36に電気的に接続されている。第2導電路35は、蓄電部36の高電位側の端子に電気的に接続され、蓄電部36から所定の直流電圧が印加される。蓄電部36は、電気二重層キャパシタリチウムイオン電池等の公知の蓄電部によって構成され、満充電時の出力電圧は、バッテリ33の満充電時の出力電圧よりも低くなっている。

0025

電圧変換部30は第1導電路32に印加された電圧(入力電圧)を降圧し、所望の出力電圧を第2導電路35へ出力する機能を有する。具体的には、制御部10は、電圧変換部30のハイサイド側のMOSFET30A及びローサイド側のMOSFET30Bの各ゲートに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号を相補的に出力する。電圧変換部30において、MOSFET30Aをオン状態とし、MOSFET30Bをオフ状態とした第1状態と、MOSFET30Aをオフ状態とし、MOSFET30Bをオン状態とした第2状態とが交互に切り替えられると、第1導電路91に印加された直流電圧(入力電圧)が降圧され、その入力電圧よりも低い出力電圧が第2導電路92に出力される。第2導電路92に出力される出力電圧は、スイッチング素子のゲートに与えるPWM信号のデューティに応じて定まる。

0026

電圧センサ37は、公知の電圧検出回路によって構成され、第2導電路35の電圧の大きさを示す値を検出値として出力する。制御部10には、電圧センサ37の検出値が入力され、制御部10は、この検出値によって第2導電路35の電圧値出力電圧値)Voutを把握する。

0027

電流センサ38は、公知の電流検出回路によって構成され、電圧変換部30から出力される出力電流の電流値を検出する機能を有する。電流センサ38は、第2導電路35を流れる電流の大きさを示す値を検出値として出力し、制御部10には、電流センサ38からの検出値が入力される。制御部10は、電流センサ38から入力される検出値によって第2導電路35の電流値(出力電流値)Ioutを把握する。

0028

温度センサ31は温度検出部の一例に相当し、電圧変換部30の温度を検出する機能を有する。この温度センサ31は、例えば、電圧変換部30を構成する上述のMOSFET30A,30Bが実装される基板において、例えばMOSFET30Aの近傍に実装されている。温度センサ31は、例えばサーミスタ等によって構成され、電圧変換部30のスイッチング素子(例えばMOSFET30A)の温度に対応する検出値を出力する。制御部10は、温度センサ31から入力される検出値によって電圧変換部30の温度Tout(具体的には、スイッチング素子の温度)を把握する。

0029

制御部10は、演算機能を有する制御回路として構成されている。図2のように、制御部10は、フィードバック制御部11、シビアリティ判断部12、熱縮退制御部13、及び信号生成部14を有する。制御部10は、CPU等の演算装置、ROMやRAM等のメモリ素子などを有するマイクロコンピュータによって構成することができ、この場合、フィードバック制御部11、シビアリティ判断部12、熱縮退制御部13、信号生成部14は、マイクロコンピュータ内の回路によって実現される。なお、制御部10は、ハードウェア回路によって構成されていてもよい。

0030

風速センサ20は、外部状態検出部の一例に相当し、電圧変換部30の外部における空気の流動度合いを反映した検出値を生成する機能を有する。具体的には、電源装置1が配置される配置空間において電圧変換部30から離れた位置の風速Woutを検出値として検出する機能を有する。つまり、風速センサ20で検出される風速が大きいほど、電圧変換部30の外部における空気の流動度合いが大きく、電圧変換部30の温度抑制効果が大きいといえる。電源装置1が車両のエンジンルームに配置される場合、風速センサ20は、このエンジンルーム内の所定位置の風速を検出するセンサとして構成することができる。車両の下方側に設けられた開放領域を介して空気が流出入するようなエンジンルームに風速センサ20が配置されている場合、エンジンルームの内側と外側との間での空気の移動量が大きくなるほど風速センサ20で検出される風速が上昇する傾向となり、車両の車速が大きくなるほど風速センサ20によって検出される風速が大きくなる傾向となる。

0031

ここで、フィードバック制御部11によって行われるデューティの演算について説明する。

0032

フィードバック制御部11は、通常制御時に用いるデューティを演算する機能を有する。フィードバック制御部11は、電圧変換部30から第2導電路35に出力される電流値を目標電流値Irefに近づけ、電圧変換部30から第2導電路35に出力される電圧値を目標電圧値Vrefに近づけるように公知のフィードバック制御を実行する。フィードバック制御部11は電流フィードバック制御部11A、電圧フィードバック制御部11B、及び調停部11Cを備える。

0033

電流フィードバック制御部11Aは電流偏差算出部11D及び演算部11Fを備える。電流偏差算出部11Dは電流センサ38によって検出された電流値Ioutと、出力電流の目標値Irefとの偏差Diを算出する。出力電流の目標値Irefは、例えば電源装置1又は外部装置メモリ等に記憶されており、演算部11Fは電流偏差算出部11Dで算出された偏差Diに基づき、公知のPID演算方式により電圧変換部30から出力される出力電流の値Ioutを目標値Irefに近づけるための操作量(デューティの増減する量)を算出する。なお、電流の目標値Irefは、通常制御時の目標値であり、例えば、予め定められた所定の最大電流値である。この目標値Irefは、熱縮退制御時の目標値(制限電流値)とは異なる。

0034

電圧フィードバック制御部11Bは電圧偏差算出部11E、及び演算部11Gを備える。電圧偏差算出部11Eは電圧センサ37で検出された出力電圧値Voutと出力電圧の目標値Vrefとの偏差Diを算出する。出力電圧の目標値Vrefは電源装置1又は外部装置のメモリ等に記憶されており、制御部10はこの目標値Vrefを取得し得る。演算部11Gは電圧偏差算出部11Eで算出された偏差Dvに基づき、公知のPID演算方式により、電圧変換部30から出力される出力電圧の値Voutを目標値Vrefに近づけるための操作量(制御量であるデューティを増減する量)を算出する。

0035

調停部11Cは電流フィードバック制御部11A、及び電圧フィードバック制御部11Bのそれぞれで得られた操作量(デューティを増減する量)のうちのどちらを優先させるかを決定する。決定方法は、例えば、演算部11F及び演算部11Gのそれぞれで生成された操作量のうち、小さい操作量を優先させる方法が考えられる。なお、決定方法はこの方法に限定されず、公知の他の方法を用いても良い。調停部11Cは、現在の制御量(デューティ)に、演算部11F及び演算部11Gの操作量のうち優先する操作量を加えて新たな制御量(デューティ)を算出する。制御部10は、このようなフィードバック処理微小時間間隔で繰り返し実行し、実行毎に制御量(デューティ)を算出する

0036

次に、シビアリティ判断部12及び熱縮退制御部13の機能を説明する。
シビアリティ判断部12は、電圧変換部30の外部における温度環境の厳しさの度合いを判断する部分であり、電圧変換部30に対する温度抑制効果がより小さい環境であるほどシビアリティはより大きくなり、電圧変換部30に対する温度抑制効果がより大きい環境であるほどシビアリティはより小さくなる。本構成では、シビアリティを示す値として、風速センサ20で検出される風速Woutを用いており、風速センサ20で検出される風速が小さいほどシビアリティの度合いが大きく、風速センサ20で検出される風速が大きいほどシビアリティの度合いが小さいものとしている。

0037

具体的には、シビアリティ判断部12は、風速センサ20で検出された風速Woutが第1の閾値Wa(例えば0.1m/s)以下である場合、シビアリティを第1のレベルである「大」と判断し、風速センサ20で検出された風速Woutが第1の閾値Waよりも大きく第2の閾値Wb(1.0m/s)以下である場合、シビアリティを第2のレベルである「中」と判断し、風速センサ20で検出された風速Woutが第2の閾値Wbより大きい場合、シビアリティを第3のレベルである「小」と判断する。第1の閾値Wa、第2の閾値Wbは、Wa<Wbの関係であり、これらの値は、例えば、電源装置1又は外部装置のメモリ等に記憶されている。

0038

シビアリティ判断部12は、このような判断を例えば所定時間毎に行い、シビアリティの変化状態を把握する。具体的には、所定時間において、シビアリティの変化が「大」から「大」、「大」から「中」、「大」から「小」、「中」から「大」、「中」から「中」、「中」から「小」、「小」から「大」、「小」から「中」、「小」から「小」のいずれであるかを判断する。所定時間毎の判断結果は判断が行われる毎に更新する。

0039

熱縮退制御部13は、電圧変換部30が出力する出力電流の値を目標値Irefに近づける通常制御と、電圧変換部30が出力する出力電流の値を目標値Irefよりも小さい値に制限する熱縮退制御とを切り替える機能を有する。具体的には、後述する切替制御(図3)を実行し、通常制御又は熱縮退制御のいずれかの制御を選択する。

0040

ここで、熱縮退制御部13による切替制御について説明する。
熱縮退制御部13は、図3で示す切替制御を短時間毎に繰り返し実行し、シビアリティの変化パターン判別する(ステップS1)。シビアリティ判断部12で判断されたシビアリティの変化状態が「小」から「大」、「中」から「大」、「大」から「大」、「小」から「中」、「中」から「中」のいずれか場合には、ステップS2の処理を実行し、「大」から「中」の場合には、ステップS5の処理を実行し、「大」から「小」、「中」から「小」、「小」から「小」の場合には、ステップS8の処理を実行する。

0041

熱縮退制御部13は、ステップS2の処理を実行する場合、温度センサ31の検出温度Toutが、予め定められた温度閾値Tth(例えば130℃)よりも大きいか否かを判断する。温度センサ31での検出温度Toutが温度閾値Tthより大きい場合、ステップS3の処理を実行し、検出温度Toutが温度閾値Tth以下である場合、ステップS4の処理を実行する。

0042

熱縮退制御部13は、ステップS3の処理として熱縮退制御を実行する。熱縮退制御は、電圧変換部30からの出力電流値Ioutを目標電流値Irefよりも制限する制御である。熱縮退制御で電流を制限する方法としては、例えば、熱縮退制御の実行期間中、電圧変換部30の出力電流値Ioutを単位時間毎に所定の割合で徐々に小さくする方法などが挙げられる。この場合、ステップS3又はステップS6の処理が実行されている期間にわたり、一定の変化率(単位時間毎に所定の割合)で出力電流値Ioutを減少させる。例えば、フィードバック演算が実行される毎に、一定の変化率で出力電流値Ioutを減少させるように前回のフィードバック演算時のデューティから新しいデューティに更新する。

0043

熱縮退制御で電流を制限する方法は、熱縮退制御の実行期間にわたり所定時間毎に、電圧変換部30の出力電流値Ioutを温度センサ31での検出温度Toutと所定の目標温度との差に応じた割合で減少させてもよい。この方法では、所定時間毎に変化率(電流を減少させる割合)が更新されることになり、更新される毎に新しい変化率で電圧変換部30の出力電流値Ioutを徐々に減少させる。例えば、フィードバック制御が実行される毎に、更新された変化率で出力電流値Ioutを減少させるように前回のフィードバック演算時のデューティから新しいデューティに更新する。

0044

熱縮退制御部13は、ステップS4の処理として通常制御を実行する。ステップS4の実行が継続している間において、電圧変換部30からの出力電流値Ioutと目標電流値Irefとの差が一定値以上ある期間は、出力電流値Ioutを第1の増加率で増加させ続ける。例えば、フィードバック演算が実行される毎に、第1の増加率で出力電流値Ioutを増加させるように前回のフィードバック演算時のデューティから新しいデューティに更新する。出力電流値Ioutと目標電流値Irefとの差が一定値未満の場合は、フィードバック制御部11で決定したデューティに更新する。このように、ステップS4で通常制御を行う場合、出力電流値Ioutが目標電流値Irefにある程度近づくまでは、第1の増加率で出力電流値Ioutを増加させるようにデューティを更新し、出力電流値Ioutが目標電流値Irefにある程度近づいた後は、フィードバック制御部11の演算によってデューティを更新することになる。

0045

熱縮退制御部13は、ステップS5の処理を実行する場合も、温度センサ31の検出温度Toutが、予め定められた温度閾値Tth(例えば130℃)よりも大きいか否かを判断する。温度センサ31での検出温度Toutが温度閾値Tthより大きい場合、ステップS6の処理を実行し、検出温度Toutが温度閾値Tth以下である場合、ステップS7の処理を実行する。

0046

熱縮退制御部13は、ステップS6の処理として熱縮退制御を実行する。S6の処理はS3の処理と同様である。例えば、熱縮退制御部13は、S6の処理が実行されている期間にわたり一定の変化率(単位時間毎に所定の割合)で出力電流値を減少させる方法を用いる場合、フィードバック演算が実行される毎に、一定の変化率で出力電流値を減少させるように前回のフィードバック演算時のデューティから新しいデューティに更新する。なお、S6の熱縮退制御の実行期間にわたり電圧変換部30の出力電流値を温度センサ31での検出温度Toutと所定の目標温度との差に応じた割合で減少させるようにデューティを更新してもよい。

0047

熱縮退制御部13は、ステップS7の処理として通常制御を実行する場合、ステップS7の実行が継続している間において、電圧変換部30からの出力電流値Ioutと目標電流値Irefとの差が一定値以上ある期間は、出力電流値を第2の増加率で増加させ続ける。例えば、フィードバック演算が実行される毎に、第2の増加率で出力電流値を増加させるように前回のフィードバック演算時のデューティから新しいデューティに更新する。出力電流値Ioutと目標電流値Irefとの差が一定値未満の場合は、フィードバック制御部11で決定したデューティに更新する。このように、ステップS7で通常制御を行う場合、出力電流値Ioutが目標電流値Irefにある程度近づくまでは、第2の増加率で出力電流値を増加させるようにデューティを更新し、出力電流値Ioutが目標電流値Irefにある程度近づいた後は、フィードバック制御部11の演算によってデューティを更新することになる。また、第2の増加率は、上述した第1の増加率よりも大きい増加率である。つまり、S6では、S4で実行される通常制御のときよりも電流を増加させる割合を大きくして出力電流値Ioutを目標電流値Irefに近づける。シビアリティが「大」から「中」に変化した場合、この後、さらにシビアリティが減少することが予測されるため、ステップS7で出力電流を大きくする割合は、ステップS4で出力電流を大きくする割合よりも大きくするのである。

0048

熱縮退制御部13は、ステップS8の処理として通常制御を実行する場合、ステップS8の実行が継続している間において、電圧変換部30からの出力電流値Ioutと目標電流値Irefとの差が一定値以上ある期間は、出力電流値を第3の増加率で増加させ続ける。例えば、フィードバック演算が実行される毎に、第3の増加率で出力電流値を増加させるように前回のフィードバック演算時のデューティから新しいデューティに更新する。出力電流値Ioutと目標電流値Irefとの差が一定値未満の場合は、フィードバック制御部11で決定したデューティに更新する。このように、ステップS8で通常制御を行う場合、出力電流値Ioutが目標電流値Irefにある程度近づくまでは、第3の増加率で出力電流値を増加させるようにデューティを更新し、出力電流値Ioutが目標電流値Irefにある程度近づいた後は、フィードバック制御部11の演算によってデューティを更新することになる。また、第3の増加率は、上述した第2の増加率よりも大きい増加率である。つまり、ステップS8では、ステップS7で実行される通常制御のときよりもさらに電流を増加させる割合を大きくして出力電流値Ioutを目標電流値Irefに近づける。シビアリティが「小」となっている場合、外部での温度抑制効果が非常に高いため、ステップS8で出力電流を大きくする割合は、ステップS7で出力電流を大きくする割合よりもさらに大きくするのである。

0049

このようにして、熱縮退制御部13により通常制御又は熱縮退制御が選択され、選択された制御に応じたデューティに更新される。

0050

信号生成部14は、熱縮退制御部13によって設定(更新)されたデューティでPWM信号を生成し、生成したPWM信号を図1で示すMOSFET30A,30Bの各ゲートに対して相補的に出力する。

0051

このように、制御部10は、温度センサ31(温度検出部)によって検出される温度Toutが所定温度Tth未満であるときに、電流センサ38(電流検出部)によって検出された電流値Ioutに基づいて電圧変換部30から出力される出力電流を目標電流値Irefに制御する通常制御を行う。一方、制御部10は、少なくとも温度センサ31によって検出される温度Toutが所定温度Tth以上であることを条件として電圧変換部30から出力される出力電流の電流値を目標電流値Irefより小さくする熱縮退制御を行う。具体的には、温度センサ31によって検出される温度Toutが所定温度Tth以上であり且つ外部状態検出部による検出値が所定の第1範囲であるとき(具体的には風速センサ20で検出される風速WoutがWb以下であるとき、即ち、シビアリティが「大」又は「中」のとき)にS4又はS7で熱縮退制御を行っている。また、外部状態検出部による検出値が第1範囲よりも温度抑制効果の大きい第2範囲内であるとき(具体的には風速センサ20で検出される風速WoutがWbを超え、シビアリティが「小」のとき)には、温度センサ31によって検出される温度Toutが所定温度Tth以上であっても、熱縮退制御の実行時よりも電圧変換部30からの出力電流を大きくする制御(具体的には通常制御)を行う。

0052

以上のように構成される電源装置1によれば、電圧変換部30の温度が相対的に高く、電圧変換部30の外部からの温度抑制効果が相対的に小さい場合には、熱縮退制御を行うことで出力電流を抑え、発熱を低減することができる。よって、電圧変換部30の温度上昇を抑えることができ、電圧変換部30等を保護することができる。

0053

また、電源装置1の制御部10は、温度センサ31(温度検出部)によって検出される温度Toutが所定温度Tth以上であり且つ外部状態検出部による検出値が第1範囲よりも温度抑制効果の大きい第2範囲内であるとき(風速WoutがWbを超える範囲であり、シビアリティが「小」であるとき)に熱縮退制御の実行時よりも電圧変換部30からの出力電流を大きくする制御を行う。この構成では、電圧変換部30の温度が相対的に高い場合に一律に熱縮退制御を行うのではなく、電圧変換部30の外部からの温度抑制効果が相対的に大きい場合には、熱縮退制御の実行時よりも出力電流を大きくする制御を行う。このような制御により、熱縮退制御によって電流が制限される時間をより短くすることができる。また、電圧変換部30の外部からの温度抑制効果が相対的に大きい場合、出力電流を相対的に大きくしても、電流に起因する発熱の影響を外部からの温度抑制効果によってより緩和することができる。特に、電圧変換部30の温度が相対的に高い場合、外部からの温度抑制効果が相対的に小さいときには、熱縮退制御を行うことで電圧変換部等の保護を優先させることができ、外部からの温度抑制効果が相対的に大きいときには、出力電流を増大させることで、出力制限を緩和し、電圧変換部の能力発揮を優先させることができる。

0054

また、制御部10は、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立した場合(温度センサ31によって検出される温度Toutが所定温度Tth未満になった場合、又は、シビアリティが「小」となった場合)、電圧変換部30から出力される出力電流を目標電流値Irefまで増大させる電流増大制御を行って通常制御に移行する。そして、外部状態検出部の検出値が第1の設定範囲(具体的には、風速WoutがWbより大きい場合)である場合、制御部10は、電流増大制御での電流増加率を、検出値が第1の設定範囲よりも温度抑制効果が小さい第2の設定範囲のとき(具体的には、風速WoutがWb以下のとき)の電流増加率(第1又は第2の増加率)よりも大きい第3の増加率とする。この構成では、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立し、通常制御に復帰する場合、温度抑制効果が相対的に大きい第1の設定範囲の場合には相対的に電流増加率を大きくし、より早期に目標電流値まで増大させることができる。特に、熱縮退制御の実行時に通常制御の実行条件が成立した場合、電圧変換部の外部からの温度抑制効果が相対的に大きいと、その後、電圧変換部の温度が抑制される可能性が高いため、より早く目標電流値まで増大させても、すぐに熱縮退制御を実行しなければならないような事態は生じにくい。

0055

ここで、電圧変換部の外部での環境の厳しさ(温度の厳しさ)に基づいて出力を切り替える場合の効果について、シミュレーション結果を参照しつつ説明する。なお、図4(A)(B)は、図1と同様のハードウェア構成をなす装置において、シビアリティが「大」の場合に出力を制限し、シビアリティが「中」又は「小」の場合に出力電流を目標電流値に復帰させる場合のシミュレーション結果であり、図4(A)は、熱縮退制御に移行するときの電流の低下度合いや熱縮退制御から復帰するときの上昇度合いを相対的に小さく抑えた場合のシミュレーション結果である。図4(B)は、熱縮退制御に移行するときの電流の低下度合いや熱縮退制御から復帰するときの上昇度合いを相対的に大きくした場合のシミュレーション結果である。

0056

図4(A)(B)のいずれの例でも、シビアリティが時間T1で中又は小から大に変化しており、時間T1の後には熱縮退制御の実行によって電流が抑えられ、シビアリティが時間T2で大から中又は小に変化しており、時間T2の後には熱縮退制御の解除によって出力電流値Ioutを目標電流値Irefまで上昇させている。図4(A)の例では、時間T1の後に熱縮退制御に移行した際に出力電流値Ioutを徐々に減少させ、時間T2の後に熱縮退制御に移行した際に出力電流値Ioutを徐々に上昇させている。一方、図4(B)の例では、時間T1の後に熱縮退制御に移行した際に出力電流値Ioutを急激に減少させ、時間T2の後に熱縮退制御に移行した際に出力電流値Ioutを急激に上昇させている。

0057

図4(A)の例でも、図4(B)の例でも、シビアリティが時間T1で「大」に変化した場合に出力電流値Ioutを制限する開始時間は同一であり、いずれも時間T1から出力電流値が制限される。つまり、図4(B)のように出力電流を急激に減少させても、出力電流値Ioutが目標電流値Irefに制御される時間を増やすことができるわけではない。但し、図4(B)のように出力電流値Ioutを急激に減少させると、より早期に温度抑制効果を生じさせることができる。

0058

シビアリティが時間T2で「中」又は「小」に変化した場合、図4(A)のように出力電流値Ioutを徐々に上昇させる方法では、出力電流値Ioutが目標電流値Irefに達するまでに時間がかかり、その分だけ出力電流値Ioutを目標電流値Irefとすることができる時間が短くなる。一方、図4(B)のように出力電流値Ioutを急激に上昇させる方法では、時間T2で「中」又は「小」に変化した場合に出力電流値Ioutがより迅速に目標電流値Irefに達することになる。従って、出力電流値Ioutを目標電流値Irefとすることができる時間はその分だけ長くなる。また、シビアリティが低下した場合、図4(B)の例のように出力電流を急激に上昇させても、電圧変換部の温度が急上昇せず、図4(B)の例では閾値温度未満に抑えられている。このようなシミュレーション結果によれば、シビアリティが低い場合に出力電流値の増加度合いを大きくして目標電流値に達するまでの時間を短縮しても、電圧変換部の温度を急上昇させずに安定的に保つことができることが確認できる。シビアリティが低い場合にはこのような効果が生じるため、図4におけるステップS7、S8のような場面で電流増加度合いを相対的に大きくしても、電圧変換部30の温度上昇は抑えられる。

0059

電源装置1は、外部状態検出部として、当該電源装置1が配置される配置空間(例えばエンジンルーム内の空間)の風速を検出値として検出する風速センサ20を有する。電源装置1が配置される配置空間の風速は、この空間における空気の流動状態を反映した値であり、この空間の風速が大きいほど、電圧変換部30の温度を抑制する効果が大きいといえる。よって、上記空間の風速を検出する風速センサ20を設けることで、電圧変換部30の外部の空気の流動度合いを把握し得る構成を簡易に実現することができ、電圧変換部30の外部からの温度抑制効果がどの程度であるかを定量的に検出することができる。

0060

<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、電源装置を自動車等の車両のエンジンルーム内に搭載しているが、車両のエンジンルーム以外に搭載しても良い。
(2)実施例1では、電圧変換部として降圧型のDCDCコンバータを例示したが、昇圧型のDCDCコンバータを用いてもよい。また、一方向又は双方向において昇圧動作及び昇圧動作を行い得る昇降圧コンバータであってもよい。
(3)実施例1では、第1導電路に電気的な負荷が接続されているが、第2導電路に電気的な負荷を接続しても良い。
(4)実施例1では、シビアリティの判別に用いる値(風速)Wa、Wbをそれぞれ風速0.1m/s、1.0m/sとしているが、Wa<Wbであれば、それぞれを他の値に変更してもよい。
(5)実施例1では、電圧変換部30の温度Toutを判断する閾値Tthとして130℃を例示したが、閾値Tthは130℃以外の値であってもよい。
(6)実施例1では、外部状態検出部として構成される風速センサ20により電圧変換部30の外部における空気の流動度合いを反映した値を生成したが、この構成に限定されず、電圧変換部30の外部の温度を反映した検出値を生成してもよい。例えば、電圧変換部30から離れた位置(電圧変換部30が搭載される基板から距離を隔てて配置される位置であり、例えばエンジンルーム内において電源装置1から距離を隔てた位置)に温度センサ31とは異なる外部温度センサを設け、電圧変換部30の外側の空間の温度を検出して良い。この場合、例えば、外部温度センサによる検出値(検出温度)を電圧変換部30の外部の温度を反映した検出値とすることができる。この場合、シビアリティ判断部12は、例えば、外部温度センサによる検出値(検出温度)が第1温度T1以上である場合にシビアリティ「大」と判断し、外部温度センサによる検出値(検出温度)が第1温度T1未満且つ第2温度T2以上である場合にシビアリティ「中」と判断し、外部温度センサによる検出値(検出温度)が第2温度T2未満である場合にシビアリティ「小」と判断してもよい。但しT1>T2である。この例では、シビアリティの判断方法以外は実施例1と同様の構成、制御とすることができる。
また、このように電源装置1の周囲の空間の温度を検出する外部温度センサを設ける場合、シビアリティの判断方法を変えてもよく、風速センサ20によって検出される風速と、外部温度センサで検出される温度(電圧変換部30の外部の温度)とに基づいてシビアリティを判断してもよい。例えば、風速センサ20で検出される風速Woutが所定の風速閾値Wc未満であり且つ外部温度センサで検出される温度が所定の温度閾値Tc以上である場合にシビアリティ「大」と判断し、風速センサ20で検出される風速Woutが所定の風速閾値Wc以上又は外部温度センサで検出される温度が所定の温度閾値Tc未満である場合にシビアリティ「中」と判断し、風速センサ20で検出される風速Woutが所定の風速閾値Wc以上であり且つ外部温度センサで検出される温度が所定の温度閾値Tc未満である場合にシビアリティ「小」と判断してもよい。この例でも、シビアリティの判断方法以外は実施例1と同様の構成、制御とすることができる。
(7)実施例1では、シビアリティを大、中、小の3つの状態に判別しているが、これに限らず、シビアリティを2つの状態に判別しても良く、3以上の状態に判別しても良い。いずれの例でも、温度検出部によって検出される温度が所定温度以上のときに熱縮退制御が実行されるシビアリティと、温度検出部によって検出される温度が所定温度以上のときに熱縮退制御より出力電流が大きくなる制御が実行されるシビアリティとが設定されていればよい。
(8)実施例1では、通常制御に復帰する場合に、ステップS7で出力電流を増加させる増加度合い(増加速度)を、ステップS4で出力電流を増加させる増加度合い(増加速度)より大きくしているが、これらを同程度としてもよい。
(9)実施例1では、通常制御に復帰する場合に、ステップS8で出力電流を増加させる増加度合い(増加速度)を、ステップS7で出力電流を増加させる増加度合い(増加速度)より大きくしているが、これらを同程度としてもよい。
(10)実施例1では、風速センサ20が電圧変換部30の配置空間(例えば、エンジンルーム内の空間)に配置され、その配置空間の風速を検出する例を示したが、風速センサ20が車両内における電圧変換部30の配置空間に連通する空間に配置されていてもよく、この連通する空間の風速を検出値(電圧変換部30の外部における空気の流動度合いを反映した値)として検出してもよい。
(11)実施例1では、電圧変換部30の外部における空気の流動度合いを反映した値として風速を検出値として生成したが、図5のように、風速センサ20に代えて、電源装置1が搭載される車両の車速又は車輪速を検出する速度センサ220を設けてもよい。この場合、速度センサ220は、電圧変換部30の外部における空気の流動度合いを反映した値として車速又は車輪速を検出値として生成する。この場合、シビアリティ判断部12は、例えば、速度センサ220による検出値(車速又は車輪速)Vが第1速度V1未満である場合にシビアリティ「大」と判断し、検出値(車速又は車輪速)が第1速度V1以上且つ第2速度V2未満である場合にシビアリティ「中」と判断し、検出値(車速又は車輪速)が第2速度V2以上である場合にシビアリティ「小」と判断すればよい。但しV2>V1である。この例では、シビアリティの判断方法以外は実施例1と同様の構成、制御とすることができる。
電圧変換部30が搭載される車両の速度又は車両の車輪の速度は、車両内に流入する空気の流動状態を反映する値であり、車両の速度又は車両の車輪が大きいほど、流動する空気による電圧変換部30の温度抑制効果が大きいといえる。よって、上記速度センサ220を設けることで、電圧変換部30の外部の空気の流動度合いを把握し得る構成を簡易に実現することができ、電圧変換部30の外部からの温度抑制効果がどの程度であるかを定量的に検出することができる。
(12)実施例1の説明では、温度センサ31によって検出される温度Toutが所定温度Tth以上であっても外部状態検出部による検出値が第2範囲内であるとき(例えば、風速センサ20によって検出される風速WoutがWb以上であるシビアリティ「小」のとき)にはステップS8にて通常制御を行う構成を例示した。しかし、この例に限定されない。例えば、シビアリティ「小」のときであって温度センサ31によって検出される温度Toutが所定温度Tth以上である場合には、電圧変換部30からの出力電流値を通常制御のときよりも小さく且つ熱縮退制御のときよりも大きい電流値に制御してもよい。

0061

1…電源装置
10…制御部
20…風速センサ(外部状態検出部)
30…電圧変換部
31…温度センサ(温度検出部)
38…電流センサ(電流検出部)
220…速度センサ(外部状態検出部)

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